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イスラエルが米国の変化を歓迎&シリアが兵器分散 [マティス長官]

Israel PM.JPG21日、マティス国防長官がイスラエルを訪問し、ネタニアフ首相やリーバーマン国防相と会談した後の記者会見でシリアへの巡航ミサイル後の情勢について語り、シリアはさらなる攻撃を恐れて軍用機を分散し、2014年の全化学兵器破棄の合意に違反し、化学兵器も引き続き保持していると語りました

なお、極右政党の党首で連立政権のためイスラエル国防相になっているリーバーマン氏は、具体的なシリアの保有化学兵器量にも言及して危機感を訴えています。
また、マティス国防長官の表敬を受ける前にネタニアフ首相は、米国によるシリア巡航ミサイル攻撃を「率直でまっすぐな行動」と高く評価し、米国政策の変化を高く評価しました

トルコ大統領の権限強化がサプライズ承認された事と無理やり結び付ける訳ではありませんが、様々に中東に変化をもたらしている巡航ミサイル攻撃後の様子をご紹介します

その前にシリア化学兵器関連の経緯
2013年8月、ダマスカス郊外のシリア反政府支配地域が化学兵器攻撃を受け、オバマ大統領が言及していたレッドラインを超えたが米国は何もできず、ロシアの仲介ですべての化学兵器を破棄することで合意

●2014年、国際組織の監視の下、アサド政権が開示した化学兵器1300トンの破棄または国外に運び出された処分された・・・ことになっていた。しかし処分完了後も、すべての化学兵器や製造装置の破棄には疑問の声が上がっていた
●また、ISISや他の過激派組織が化学兵器を入手しているとの証拠も出始めていた

21日付Military.com記事によれば
Israel DM.JPG●イスラエル国防相と共に会見に臨んだマティス長官は、シリアへの巡航ミサイル攻撃後の最近、再び米軍から攻撃されることを恐れ、シリア空軍が保有作戦航空機を分散配備していると語った
●また同長官は、「国際社会は、シリアがすべて破棄したと宣言しながら、合意に違反し、化学兵器をいまだに保有していると考えている」と述べ、「シリアは権力者の指示を受けそうしており、国連決議に違反していることから外交ステージで議論されるが、巡航ミサイル攻撃で我々の姿勢を示したように、再び使用することは許されない」と表現した

●今週に入りイスラエル国防関係高官が、シリアは3トンほど化学兵器を保有していると述べ、世界で初めて具体的な保有量に関するインテリジェンス情報を提供した
●同会見でイスラエル国防相は本件に言及することを拒んだが、「我々はアサド政権が化学兵器を反政府組織に使用したとの100%の情報を保有している」と述べた

●なお、アサド政権は反政府組織支配地域への化学兵器使用を否定し、アサド政権を支援するロシアは、シリア政府軍の攻撃が反政府組織の化学兵器貯蔵庫に命中し、被害が発生したと主張している


マティス長官はイランに関し
Israel salute.jpgイランと主要国との核合意(JCPOA:Joint Comprehensive Plan of Action)の現状について同長官は、米国務省による最近の検証では「依然として機能しており」「イラン側の義務を果たしているように見える」と表現した
●一方でマティス長官は、核合意を順守していることが、イランが他の分野で多くの問題を引き起こしていることの言い訳にはならないと釘を刺し、イランによるテロ組織支援、近親勢力を通じた中東での紛争介入、シリアのアサド政権への肩入れ等を問題視した

●また米国は核合意を「継続的に機能するよう望む署名者だ」と述べる一方で、核合意と、イランが中東で引き起こしている「混乱、殺戮、破壊行為」は区別して扱われるべきとの考えを示した
●なおマティス長官の発言は、記者会見で先にイスラエル国防相が「イランに対しより強い圧力と制裁を望む」と述べた後に行われたものである。なおイスラエル国防相は「米国の政策に意見する立場にはない」と発言しつつも、巡航ミサイルによる攻撃を「イランに対する明確で強いメッセージ」と表現し「大変満足している」と語った
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現在のイスラエルが米国の姿勢を高く評価することが、中東地域の安定に寄与するのか「ビミョー」または「?」ですが、ネタニアフ首相は大喜びなのでしょう。

Israel.jpgしかし、オバマ政権時に米国が幻の「レッドライン」で事態を曖昧にし、ロシア主導で「シリア化学兵器」をなんちゃって全廃したことが、わずか3年後にしっかり跳ね返ってくるあたりが、サイクルが早い・展開が早い現在の世界情勢を象徴しています。

しかし・・・少なくともオバマ政権時とは対応が違うようですが、トランプ政権内で変化があったかと言えば、基準がなかったから変化とか語れない・・・が適切な表現のように思います

シリア攻撃関連記事
「シリア巡航ミサイル攻撃の裏側」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-08
「続編:同攻撃の裏側」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-11

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米空軍F-35はやっぱり英国展開 [亡国のF-35]

F-35 turn trail.jpg20日付各種報道によれば、米空軍F-35の初海外展開訓練先は予想通り英国のLakenheath空軍基地で、15日土曜日に6機が移動し、途中で故障が発生した2機が後を追う形で、欧州大陸で数週間訓練を行う事になると、19日に米空軍幹部が明らかにしました

Hill空軍基地(ユタ州)所属の第34戦闘飛行隊が今回の移動訓練を行い、隊長であるGeorge Watkins中佐は、今回の展開中は「Baltic Air Policing」等の作戦任務を行う事はないが、大洋を渡るという新たな経験と、派遣先で「a different power system」を立ち上げる経験を積むと説明しました

なお、この規模の海外展開はF-16が通常行う規模の機数ですが、同行兵士が人員245名と通常より多くなっているのは、展開訓練をより多くの兵士に体験させたいためと、警備要員を増やしているからだとの事です

20日付米空軍協会web記事によれば
F-35 Front.jpg●19日の記者会見は電話回線を通じて行われ、展開訓練自体は長期間の計画に基づいて行われているもので、「European Reassurance Initiative」予算を使用しているモノの、政治的な意味合いは何も無いと欧州米空軍報道官は説明した
●同飛行隊長は、同部隊はアイダホ州Mountain Home空軍基地やネリス空軍基地への展開を経験済みで、また今回の英国展開に備え、母基地の反対側に装備や必要施設を移設する訓練を行ってきたと説明した

●(明確な訓練期間には言及せず、)移動訓練間、最初の1週間程度はLakenheath基地所在のF-15CやE型と、1VS1や2VS2の空対空や空対地訓練を行うと述べ、実弾は搭載しないが、、訓練想定上は、アムラーム、2000ポンドJDAM(GBU-31)、500ポンドレーザー誘導爆弾(GBU-12)を使用すると説明された
●その後は決定したわけでは無いが、英空軍のタイフーン戦闘機やオランダ空軍F-16とも訓練を行う案がある模様。また、他の欧州NATO基地への慣熟訓練飛行も検討しているが、他基地で演習等を行う予定はなく、設備が不十分な基地への慣熟飛行も予定にはないとも説明があった

自動兵站情報システム(ALIS)は機体に先立って移動を完了し、展開先でのシステム設置も記録的な短時間で実施できた模様で、同飛行隊長は「システムが順調に稼働しており嬉しい」と装直な感想を述べた
●また、機体表面のステルス性は、展開訓練間を通じ「combat levels」に維持されるとも語った
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F-35 fix.jpgここ数日、アラスカ周辺でロシアの大型爆撃機が(威嚇?)訓練飛行を繰り返しているおり、シリアへの巡航ミサイル攻撃への反応なのか、よく分からないながら対露の緊張感は高まっています。

そんな諸情勢を考慮したのか、上記記事によれば、このテレビ会見に登場したのは女性大尉の報道官と飛行隊長の中佐だけで、通常の訓練である事を強調しているかのようです。

訓練に関しては、揚げ足を取る趣味はありませんが、「ALISが稼働して幸せ」とか「実弾は使用しない」とか、緊急事態が発生しても「実任務には転用しない」とか、初期運用体制IOC確立を宣言して半年以上経過していながら、何とも寂しい中身です。
でもロシアの偵察機が、頻繁に英国周辺に飛来し、情報収集等に努めるのでしょうが・・・

「突然のF-35海外展開訓練発表」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-15

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空母カールビンソン群司令官:任務を30日間延長と [Joint・統合参謀本部]

Kilby-CV.jpg19日、空母カールビンソンのFacebook上で同空母軍司令官のJim Kilby少将が、「朝鮮半島沖でのプレゼンス維持のため、海上任務展開を30日間延長する」と乗員に対し通知しました。
そして国防省高官は、同空母が来週、韓国周辺海域に到達すると語ったようです

8日にハリス太平洋軍司令官が同空母の豪州寄港を中止し、「北上」を命じたことを受け、金日成誕生日の15日までに朝鮮半島近海に進出するのではとの「デマ」が世界を駆け巡りましたが、結果的に豪海軍との訓練等を予定通り行い、15日にインドネシア周辺海域にいたことを示す写真を米海軍が公表するなど、「勝手に盛り上がっていたメディア」感が広がっています

一方で大騒ぎしたメディアも悪いが、ホワイトハウスと国防省との意思疎通も不十分で誤解を招いたのでは・・との内幕暴露報道等も出始め、やっぱりトランプ政権の危機管理は心配だの雰囲気を醸し出しています。
まぁ、とりあえず、確かな同空母群司令官の乗員向け発表を、19日付米海軍協会web記事からご紹介します

19日付米海軍協会web記事によれば
Carl Vinson2.jpg18日遅く、司令官のKilby少将は乗員向けメッセージとして同艦Facebook上に、「朝鮮半島沖でのプレゼンスのため、我々の海上行動任務期間を30日間延長する」と記載した。
●そして「任務は同盟国等にアジア太平洋地域に対する我々の強固な関与を再確認し示すことである。我々は海上抑止力の中核でアリ、国家指導者に対し、前方展開しているアセットによる全ドメインに渡る柔軟な抑止力を提供しつづける」と綴った

●同空母戦闘群は豪州西方海域での豪海軍との演習を終え、今週初めに南シナ海を通過する予定で、太平洋軍報道官は18日「期間を短縮した豪海軍との演習を終えることが出来た。同空母戦闘群は西太平洋を北上する」と述べている

Kilby-CV2.jpg●8日に豪州訪問を取りやめて「北上」するとハリス大将が発表し、11日にマティス国防長官が「特段の意味がある動きではない。通常の行動の一つだ」と説明したが、その際「豪海軍との訓練を中止した」と発言し、その後報道官が取り消したものの、誤解を生むことにつながった。
●またホワイトハウスの声明も同空母が朝鮮半島方向に直接向かうとの印象を与える不明確な内容で、12日にトランプ大統領自身が「艦隊(armada)を派遣した。強力なやつだ。空母よりも強力な潜水艦も含む」と発言したことでメディアは色めき立ったのだ
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任務延長に関する司令官から乗員へのメッセージの存在は、最初に「Navy Times」が報じたようですが、一般に公表する事を意図してFacebookに記載したようで、現在も同空母Facebookで誰もが見ることができます

同空母Facebook
https://www.facebook.com/USSVINSON/?hc_ref=PAGES_TIMELINE&fref=nf

owabi.jpgトランプ政権のリーク体質が問題視される中、乗員宛のメッセージを、誰かがメディアに流したのかも・・・と心配しましたが、無駄な心配でした。

数千人の「お友達」を持つ政治家「先生」の公式Facebookから、甘い考えで無断「コピペ」して「先生」から厳しくお叱りを受けた前科(今も支持者の方からご批判あり)を持つまんぐーすですから、偉そうなことは言えないのですが、SNS上の情報の扱いには注意したいモノです

関連の記事
「国防長官は空母の朝鮮半島?派遣をどう語ったか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-12
「岩国F-35訓練もアピール材料?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-18-1

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米空軍の新ACC司令官が新たな動きを語る [米空軍]

HOLMES4.JPG13日、約1か月前に就任したばかりの米空軍戦闘コマンド司令官James M. Holmes大将が、米空軍協会主催のイベントで、米空軍の時代に即した取り組みや軍需産業への要望事項を語っています。

まだ就任間もなく、「今週、このブリーフィングを聞いたばかりだが・・」等と状況把握段階にあることを自ら認めていますが、約36万人の米空軍の中で、10万人の規模と主要作戦機1300機を擁する戦闘コマンドの司令官です。
前任者のカーライル退役大将と同様に、今後様々な形でご紹介する人物ですので、「鳴き初め」として取り上げます

指揮所を鍛える「Blue Flag」復活と宇宙との連携
blue flag.jpg過去5年ほど予算と多忙さから実施できなかった、作戦レベルでの指揮中枢を鍛える「Blue Flag演習」を定期的に実施することにする。2年間で3回計画することとし、1年目に1回、2年目に2回実施する方式で繰り返していく計画だ。

●米空軍だけでなく、米軍として「multi-domain」指揮統制の新時代を目指す中、さらに我々は、統合の航空作戦計画と遂行を訓練するだけでなく、サイバーと宇宙脅威への対処を取り込み、米空軍宇宙コマンドと共に訓練を行う
●我がACCと宇宙コマンドは作戦実施上関連が深く、共に問題に対処するシナリオを準備することにした。更にその一環として、実際の演習場だけでなく、バーチャル演習場も活用する予定である

現場ニーズに迅速対処する仕組み
●従来の官僚的で鈍重な意思決定プロセスを改善するため、数か月前から空軍司令部レベルで、主要コマンドの要望事項をバーチャルな手法で承認する「Joint Requirements Oversight Council」の活用が始まっている。「face to face」の時間を削減する取り組みだ。
pentagon2.jpg●この取り組みは、誕生6か月目の新設「Capability Development Council」が仕切っており、意思決定を迅速にし、新技術を兵器システムに優先的に取り込む事を促進するもので米空軍副参謀総長がトップを務めており、一旦トップが意思決定したなら、皆がその実現に向け行動する仕組みだ

●もう一つは、分析官と作戦計画者と装備品要求担当が協力して働く「Air Force Warfighter Integration Center」で、事業の優先順位を煮詰めて努力方向を絞る役割を担う
●これにより、各組織が各予算で1年かけて要求を詰め、その後持ち寄って協議し、結局全体では1~2%の要望だけが取り上げられる時間とアイディアを浪費する仕組みと決別したい
●今週説明を受けたばかりで具体的なことはわからないが、米空軍司令部レベルで懸命の努力が行われているところである

企業へ:現場の声を聴いてほしい
Holmes 6th Gen3.jpg企業のリーダーの皆さんには、少しばかりお願いしたいことがある正式な提案要求になる前の段階でも、現場のニーズや諸問題を聴いてもらいたい
●一般に企業レーダーの皆さんは部下に、正式な要求の形になる以前のアイディア段階で、サービスを提供しようとするなと指示されると思う。しかし、もっと現場の声やアイディアレベルの話を聞いてほしいのだ

米空軍は多くの分野で能力や規模不足に苦しんでおり、対応にアイディアを必要としている。特に多様なドメインのセンサーを連接する分野に、新たなアイディアが必要なのだ。よりよくなる必要があるのだ。
●(同司令官の主要組織のリーダーはパネル討議で、)現有能力とニーズの差が記録されているwebサイトへのアクセスを、承認された企業関係者にも認めようと考えている
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Holmes-ACC3.jpgHolmes新司令官は空軍司令部の作戦計画部長から現職に就いた人物で、空軍全体の状況は広く浅く把握しているのでしょうが、前線を担う部隊指揮官に就任し、現場の実態をまじかに見るにつけ、その切実な現状に苦悩は深く・・・といった感じでしょうか・・・

企業リーダーに対する「現場の声を聴いてほしい」「新たなアイディアがほしい」との叫びにも似たお願いは、そんな苦悩から絞り出されたものではないかと思います。

対領空侵犯措置だけに頭を突っ込み、脅威の変化や本質を視界から遠ざけるダチョウ症候群の我が空軍首脳部は、この米空軍大将と会話できるのでしょうか??? 話がかみ合わないでしょうね・・・。

「Holmes新ACC司令官をご紹介」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-12

「空自OBが対領空侵犯措置の効果に疑問を」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1

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岩国配属F-35Bがホット給油&給弾訓練 [亡国のF-35]

Iwakuni-35.jpg17日付Defense-Newsが、岩国基地で行われた米海兵隊F-35Bの実戦的給油及び給弾訓練の様子を報じています。

4月の6日と11日にそれぞれ行われた訓練のようで、北朝鮮の記念日である15日に向け、「ショーアップ」され発信された感が漂っていますが、2015年に初期運用態勢確立を宣言しながら、今頃この訓練が初めてかよとか、まだまだ海外初展開F-35Bが戦力になるには時間が必要なんだなぁ・・・と感じさせる記事内容なので、そちら方面への関心からご紹介します

おまけで、大騒ぎだった空母カールビンソンの急遽「北上」指示に関し、緊張が高まった4月15日時点で、同空母がインドネシアの海峡を通過していたことが判明しましたのでご紹介します。

大まかな岩国F-35B部隊の今後の予定
現在10機が配備されているが、夏には6機追加され、計16機となり飛行隊編制が完結する
秋には強襲揚陸艦「Wasp」に搭載され、第31遠征海兵軍として海上訓練に臨む。なお強襲揚陸艦「Wasp」は、ノーフォークから佐世保に移送する本年末以降、第7艦隊所属となり、現所属の「Bonhomme Richard」はサンディエゴで修理に入る

ホット給油&給弾訓練について
F-35B-2.jpg●米海兵隊の発表によれば、岩国基地でF-35Bを運用する部隊VMFA-121は、エンジンをかけたままでの爆弾搭載訓練と他機からの燃料給油訓練を地上で行った。

●なお他機からの給油訓練は、ADGR(aviation-delivered ground refueling)と呼ばれるが、地上でエンジンをかけたままのF-35Bに対し、KC-130J空中給油機から直接給油し、給油速度の確認検証が行われた
●米海兵隊によれば、このような航空機から航空機への地上での直接給油は、設備不十分な緊急展開基地や代替基地等での運用を想定したモノで、部隊の運用レベルが一段と高まったことを示すものである

●また海兵隊によれば、6日に同飛行隊では、エンジンをかけたまま1000ポンドの誘導爆弾GBU-32(JDAM)をF-35Bの内部爆弾庫に搭載する訓練も行われた
●なお、同爆弾がF-35B内部爆弾庫に搭載されたのは、岩国での訓練のわずか2日前に、アリゾナ州ユマ海軍航空基地の戦技教官コースで行われたのが最初だった

●この様にエンジンを駆動させたまま給油や給弾を行う事により、一端エンジンを停止して行うより時間が節約できて実戦的であると共に、機体への負担を軽減したり故障発生を抑えることが出来る

あの日、あの空母は遙か南方海上にいた!
(別の17日付Defense-News記事より)
Carl Vins.jpg米海軍が公表した写真によれば、15日にカールビンソン空母群はインドネシアのスンダ海峡(スマトラ島とジャワ島の間)を通過しており、朝鮮半島からは3500nmも南にいた
●元々の予定では、豪海軍との演習がインド洋で計画されていた。(まんぐーす注:つまり、予定通り豪海軍との演習をインド洋で行い、その後インド洋から移動を開始してインドネシア列島を北上通過したものと考えられる)

8日に豪州行きが急遽変更され、「北上」すると明らかになった際は、ただちに朝鮮半島近海に急行するものと世界で話題になったが、太平洋海軍関係者もペンタゴン関係者もその行動に関しコメントしておらず、匿名では「驚いている。そんなこと誰も言及していない」との話も聞かれた
●ただ複数の関係者は、具体的な日時についてはコメントを避けたが、25日頃に韓国近海に達するとの韓国報道を強く否定はしなかった

●しかし、カールビンソン空母群以外に、空母ロナルドレーガンと空母ニミッツも数週間以内に朝鮮半島周辺に派遣されるとの報道については、複数の関係幹部が強く否定した
空母レーガンは横須賀で5月まで定期修理を行っており、修理終了後も、乗員等のリフレッシュ訓練にある程度の期間が必要である。また空母ニミッツは加州南で訓練中で、カールビンソンの交代で西太平洋に派遣される予定だが、それを早める考えは全くないようだ
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空母カールビンソンの動きに関しては、13日掲載の記事で「予定の訓練はそのまま実施」「15日には間に合わない」と米海軍協会web記事を引用してご紹介していましたが、おかげさまで正しかったことが明らかになりました

Kadena-Full.jpg岩国でのF-35Bの「実戦的訓練」アピールや、12日に嘉手納米空軍の全機フル兵装出撃準備訓練写真公開、空母「北上」やMOAB使用等々、メディア的な話題には事欠かないのですが、核実験をさせないように、「敷居」を超えないように、必死でプレッシャーを作為していたんでしょうか?

やるときには奇襲効果を狙うでしょうから、落ち着いて考えたいモノです。にわか軍事専門家にも注意ですし・・・

海兵隊のF-35ですが、JDAMを初めて内部に搭載したとか・・・そんな段階で2年も前にIOC(初期運用態勢)宣言するなよ!!! 「Hot Refuel」ぐらい、岩国に展開する前にしっかり訓練して来いよ!!!と叫びたい気分です。

関連の記事
「国防長官は空母の朝鮮半島?派遣をどう語ったか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-12
「道遠しNIFC-CA試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26
「海兵隊F-35は岩国の次に中東へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-03-1

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米空軍宇宙コマンドの変化への取り組み [サイバーと宇宙]

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Raymond-Space.jpg6日、米空軍宇宙コマンドのJay Raymond司令官(大将)や14空軍司令官(兼ねて統合宇宙作戦司令官)David Buck中将が記者会見で中国やロシアの宇宙能力向上と脅威増大に対応するため、宇宙状況把握(SSA)の向上が急務であり、そのための緊急衛星打ち上げへの取り組みがや、かつ調達を迅速にする他機関との連携への取り組みが重要だと訴えました

具体的な説明が少ないため、また技術的側面の知識不足で消化不良ですが、長らく取り上げていない重要な宇宙分野の話ですので、「小さなことからコツコツと」の姿勢でご紹介したいと思います。
また、3つの短い米空軍協会web記事による組み合わせ説明ですのでご容赦を

単なる衛星のカタログ管理では不十分
Falcon 9.jpgRaymond司令官は宇宙状況把握能力の向上が、最優先課題の一つだと語り、過去のように脅威を感じない穏やかな環境であれば、アセットの位置を把握しておくことがすべてで、宇宙アセットカタログを整理しておくような状況把握でやっていけたと表現した。
●Buck中将は、中国やロシアが高度で複雑な「軌道移動:on-orbit maneuvers」能力を備えていることを確認していると危機感を訴えたつつ、我々の宇宙に関する情報収集能力は、脅威の進展ペースに追随できておらず、だから情報収集整理能力の再生に取り組んでいるのだと説明した。

●Raymond司令官は敵対者の能力向上により我の能力が不十分になったと述べ、Buck中将は単なる宇宙交通管理ではなく、SSA(space situational awareness)では、宇宙物体の諸元、運用者の活動意図、アセット能力が提供される必要があると説明した
●Buck中将はSSA能力不足への対処策の一つとして、7月に打ち上げ予定の「ORS-5:experimental Operationally Responsive Space series 5」に期待を寄せた

2016年6月のORS衛星記事
Space Fence1.jpg米空軍は作戦運用要求に迅速に答えるため、数千億円もする多機能大型の衛星でなく、より安価で小型の衛星を求めて試験検討を続けている。
●その主要な取り組みの一つがORS(Operational Responsive Space satellites)で、2011年のORS-1衛星は、米中央軍のISR強化要請にこたえ、短期間でU-2偵察機のセンサーを活用する衛星打ち上げにつなげた
ORS-4が打ち上げに失敗して計画全体が困難に直面したが、2014年に準備が始まったORS-5は7月の発射に向け、商用衛星手続きで準備が行われ、100億円程度の費用で3年程度の活用を前提としている

迅速な調達に他組織との連携
●Raymond司令官は、新たな能力獲得のため調達を迅速化するため、「その能力を持つ他機関と協力関係確立を追及している」と述べた
China-beidou.jpg●既に「宇宙ミサイルセンター」はORS計画を通じて迅速調達の権限を獲得したが、その能力を更に拡大したいと述べ、宇宙コマンドより迅速な調達を行っているNRO(National Reconnaissance Office)との協力関係を例といて挙げた
●また米空軍の緊急能力造成室RCO(Rapid Capabilities Office)は、これまで宇宙アセット調達に関与してこなかったが、関係確立の協議を行っていると説明した
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時節柄、予算確保や予算案の正当性を訴える背景説明でしょうし、この1年が米空軍の宇宙活動アピール年(http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24)ですので力が入っています。

ただ、中露の高度で複雑な「軌道移動:on-orbit maneuvers」能力は忘れてはならないので取り上げました。
中国とロシアの気になる宇宙活動については、以下の記事をおすすめ
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08

関連の記事
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08
「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「宇宙改革法案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-13

「米空軍宇宙活動アピール年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24
「5分間でトランプに宇宙をアピール」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-04
「新型宇宙監視望遠鏡が部隊へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-19

謎の多いNRO関連の記事
「謎のNROを語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-20-2
「NROが宇宙アセット防御計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-16

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米海軍空母を5つの視点で学ぶ [ちょっとお得な話]

時節柄、この話題で!
空母カールビンソンはニミッツ級空母の3番艦です!

CV-GW.jpg花粉症疲れなので、米軍事情報サイト「Military.com」が提供しているシリーズ「5 Things You Don't Know About」をしのぎでご紹介します

このシリーズは軍事装備品を映像と共に、5つの豆知識から学ぼうとするもので、これまで7つほどご紹介してきました。過去の記事は末尾をご覧下さい

今日のテーマは「米海軍空母」で、全く相互に関連性のない5つの話題でアプローチします。聞き取りの間違いにはご容赦を・・・

5つの視点は米空母搭載戦力の規模、湖で運用していた空母、最初のモジュラー工法、WW2間には同名空母が、世界最大意の空母はです。

映像は約7分です


話題1
●現在主力のニミッツ級空母には、約90機の艦載機が搭載されている
世界の空軍で、90機以上の作戦機を保有している国は、半分程度である

話題2
WW2間、空母艦載機の操縦者養成のため、5大湖に2隻の客船を改造した空母が配備されていた
●この訓練用空母によって、約2800名の艦載機操縦者を養成し、その中には2代目ブッシュ大統領も含まれている

Ford-Class-Carrier.jpg話題3
●空母の巨大化が進む一方で、空母を建造するドックの大型化には限界があった
●これを克服するため、船体を分割して製造し、最後に組み立てるモデュラー方式を導入
●最初にこの方式で建造されたのは、1981年の空母セオドア・ルーズベルト

話題4
WW2間、同じ名前の空母が5組存在した。これは敵の攻撃で撃沈された空母を、同じ名前で再建したためである
同戦争の間に12隻が撃沈又は作戦不能になったが、そのうち5隻が同名で復活した

話題5
●現在最大の空母はニミッツ級で、約9万7000トンだが、現在一番艦を建造中のフォード級は10万トン

映像をもう一つ:ニミッツ級空母のイメージ映像(2分半)

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米海軍の空母1隻で、世界の半分以上の空軍以上の作戦機を搭載しているとは・・・。

USS America.jpg恐らく、作戦機が搭載している兵器の質、ネットワーク情報力、兵站や補給能力、人材教育の質などなどを含めて考えれば、米空母1隻以上の任務を遂行できる空軍は、世界でも片手で数えられる程度しか無いのでは・・・

この他にも「5つの視点で学ぶ」シリーズには、以下で紹介した以外にも、「地雷」「米空軍パイロット」などが公開されています。ご興味のある方はどうぞ

映像で5つの視点から学ぶ
「核兵器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-05
「米海軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
「米海軍潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-26
「火炎放射器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-2
「負傷者救出ヘリ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-07

「B-2爆撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-01
「AK-47ライフル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-28
「原子力潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-1

映像で見るシリーズ
「12㎏の兵器搭載地上ロボット」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-09
「防空&ミサイル防衛の融合IAMD」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-27-2
「威力強烈:AC-130」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-06
「CASの歴史を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-19

「イメージ中国軍の島嶼侵攻」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
お勧めです
「泣ける:帰還兵士と犬との再会」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-05
「レーザー兵器試験@ペルシャ湾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-13

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今週末に米空軍F-35が初海外訓練展開で欧州へ [亡国のF-35]

米軍事メディア記事への正鵠を得た読者コメント
「エアショー参加に毛が生えた程度の少数機展開を、訓練と呼んで海外売り込みにつなげたい意図が見え見え。まだ未実施の試験が山済みで、要求性能も満たしてないくせに・・・」

Luneberg Lens.jpg14日、米国防省がプレス発表で、今週末にも初の海外展開訓練のため「欧州」に移動すると明らかにしました。

行先は「欧州」とだけの言及で国名や基地名は未公表で、展開機数も「a small number of F-35A」とだけの発表です。展開期間については「数週間:for several weeks」と言及しています。

そのほか公式声明では
●「長期にわたって計画を練ってきた」展開で、派遣された米空軍F-35は米軍の他航空機やNATO加盟国の航空機と訓練を予定する。
●「European Reassurance Initiative」の一環としての展開である

●この訓練展開は、F-35計画の進展を示す重要な一里塚であり、米空軍が第5世代機の能力を披露する機会でもある
●また今回の展開では、欧州で2020年代初頭にF-35A基地となる予定地の、諸要求精査を手助けすることも目的の一つである

14日付Defense-News記事によれば
Luneberg Lens2.jpg●米国防省の公式声明は展開地を欧州としか言及していないが、一つの有力候補として、F-35Aを54機受け入れる予定になっている英空軍の Lakenheath基地が考えられる。
同基地は、計画では2020年から同機を受け入れ開始予定であったが、現時点で1~2年遅れる見込みとなっている

●今回の米空軍F-35の欧州展開発表も、トランプ大統領の思い付きではと勘繰りたくもなるがオバマ政権時代から長く検討されてきたものであり、公式発表の通りである
●昨年12月には当時のJames空軍長官が「初期運用態勢確立を宣言した米空軍F-35は、遠くない将来、欧州に展開するだろう」「来年夏までに実現しなくても驚きはしないが」と述べ、今年2月にはACC司令官が「春には欧州かアジア太平洋にF-35を派遣する」と語っていたところである。

●なお、中東への派遣に関し同カーライルACC司令官(当時)は、「(欧州やアジア太平洋地域の)a couple years later」と表現してた。
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Luneberg Lens3.jpgアジア太平洋地域への展開となれば、豪州か日本か韓国でしょうが、この時期の展開は北朝鮮への刺激が強すぎそうなので、豪州になるのでしょう。または「肩透かし」で、アジア太平洋地域の部隊であるアラスカの米軍基地かもしれません・・・

冒頭のコメントは、14日付Defense-Newsの関連記事の読者コメント欄に寄せられたコメントで、多くの読者の賛同を集めています。

Luneberg Lens4.jpgなお、この記事でご紹介している写真は、F-35がレーダー反射面積を意図的に増やし、レーダーに見えやすくする装置(Luneberg Lens)を装着している写真です。

この装置は他のステルス機(F-22とかF-117とか)でも確認されていますが、訓練時の安全確保のためとか、訓練時に真のステルス性を暴露しないための装置とか言われているものです

European Reassurance Initiative関連
「欧州への米空軍派遣や訓練を増加へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-08-1
「欧州米軍予算を4倍増」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-16-2
「米軍が北欧でも演習増加&強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-29

「欧州に米陸軍装備の事前集積強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-10
「東欧4カ国で4個大隊交代派遣」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17
「対露大演習でNATO大編隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-14
「欧州を主戦場にサイバー演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11

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とりあえず「爆弾の母」MOABを学ぶ [米空軍]

MOAB-GBU-43.jpg13日、米空軍が保有する巨大空中爆発爆弾「MOAB:Massive Ordnance Air Blast」が、史上初めてアフガニスタンで対ISIS作戦に使用されたとの報道がありましたので、この「核爆弾以外で投下された最大の爆弾」とか「全爆弾の母:the mother of all bombs」とか呼ばれる爆弾についてお勉強したいと思います。

このMOABは正式名称「GBU-43B」で、「実戦で投下された最大」の爆弾だそうですが、米軍が保有する核兵器以外で「最大の爆弾」ではありません

ちなみに、13日に投下されたMOABは21600ポンドですが、実存する核兵器以外で「最大の爆弾」は30000ポンドの巨大貫通弾MOP(Massive Ordnance Penetrator:GBU-57A/B)で、強固に防御されたイランの地下核施設の攻撃を想定したモノだと言われています(2007年に初試験でボーイングが製造担当)

MOAB正式名称「GBU-43B」のあれこれ
MOAB-GBU-432.jpg●MOABは、それほど強固でない地表目標を広域に渡り破壊することを狙う爆弾で、地中に貫通する能力は無い。従って、広範な地雷原、渓谷、洞窟等に潜む敵や目標に用いられる
●MOABは、当時のサダムフセインを威圧するために2002年当初から開発が始まり、構想から2003年3月11日の最終試験までわずか1年あまりの迅速さで米空軍研究所AFRLで製造完成された。そして同年4月1日に部隊配備されたが、イラク戦争では使用されなかった



長さ10m以上であるため通常の爆撃機には搭載できず、C-130輸送機の後部から物量投下する要領で、パラシュートで搭載台車ごと機外に引き出し、投下後に搭載台車と分離して自然落下する。ただし、GPS誘導装置付の尾翼により、誘導爆弾として使用できる
爆薬2/3とアルミ1/3で炸薬部分が構成されている言われているが、価格や何発保有しているかなど、MOABの詳細は非公開である

MOAB-GBU-433.jpgアフガン派遣米軍のJohn W. Nicholson司令官(大将)はMOAB使用について、「アフガンISISは損害が増え守勢に立たされていることから、防御を簡易仕掛け爆弾IEDやトンネルや塹壕で固めている」「(この様な状況を踏まえ、)障害を取り除き、我が攻勢モメンタムを維持するため、最適な爆弾として選定した」と説明した

●軍事コンサルタント企業Teal GroupのSteve Zaloga上級分析官は、トマホークやJDAMとは異なり、MOABは強烈な炸薬で戦場上空に広範な爆発を発生させることで仕掛け爆弾や地雷を誘爆させ、「広範な地表面から短時間で仕掛け爆弾等の脅威を除去し、同エリアのISIS戦闘員を排除する事が出来る」と解説している
●一方で、深く強固に構築された洞窟や陣地を破壊する能力は無く、小型で弱い洞窟等にのみ有効だろうとも述べている
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MOAB-GBU-434.jpg2003年には完成していたMOABですから、今更アフガンで必要になったから投下したと説明されても白けますが、当然北朝鮮へのシグナルでもあるのでしょう。

実験映像や解説映像が公開されていますが、今ひとつMOABの威力がピンと来ません。週末の報道をフォロー致しましょう・・・

MOABに言及の記事
「シリア化学兵器に?巨大貫通弾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-27
「イラン核施設の完全破壊は困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-02

MOPに関する過去記事
「超巨大貫通弾MOP完成か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-18
「シリア化学兵器に?巨大貫通弾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-27
「対イラン?巨大貫通弾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-16-1

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米空軍がF-16延命へ:F-15C退役に弾み? [米空軍]

再び・・・日本の戦闘機命派よ、どうする?

F-16 AF.jpg12日、ロッキード社が300機の米空軍F-16戦闘機の延命&能力向上措置を米空軍が正式決定したと発表し、契約に入ると明らかにしました。このF-16への投資により、同戦闘機の寿命を1.5倍にし、アビオニクスを改修することで、2048年以降も運用可能にするとの事業です。

この発表を受け、3月22日に米空軍幹部が「検討中」と議会証言した、制空用F-15C/D型約230機を引退させて穴を改良F-16で埋める案が俄然注目を集め、同日、米空軍幹部から発言が相次いでいます。

「3月22日の議会証言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23

なお、米空軍が保有する230機のF-15C(複座D型は約30機)の大部分は州空軍に所属して米本土防衛に当たっており、正規軍所属は嘉手納基地と英空軍Lakenheath基地への配備機だけです。

米空軍参謀総長は「作戦ニーズが高く2020年代まではない」「米空軍アセット全体を総合的に検討して」「F-15とF-16だけの話では無い」等々と慎重に検討中とのニュアンスを強調しましたが、一方で米空軍作戦部長が脅威の変化やF-15C/D型維持が困難になりつつある事を強調するなど、実務レベルでは制空用F-15C/D型に傾きつつあるような臭いを放っています

ロッキードのF-16延命改修発表
F-16 AF2.jpg●12日ロッキード社は、当初の機体寿命が8000飛行時間時間であったF-16に延命&能力向上措置を実施することで、12000時間まで寿命を延ばす措置に関し、米空軍が意志決定をした(authorized)と発表した
●この延命等措置SLEP(service life extension program)はF-16の「Block 40~52」300機を対象とし、2048年以降も運用が可能にする措置で、併せてアビオニクス改修と耐久性試験が含まれている

(まんぐーす注:米空軍はF-16を約950機保有しており、正規軍約570機、州空軍約330機、予備役50機の構成。Block 40~52は米空軍保有の主力部分であるが、300機との数の理由は不明

制空用F-15C/D型引退検討を巡る発言(12日)
Goldfein米空軍参謀総長(Heritage財団で)
F-15C.jpg米空軍は予算に応ずるため、常に全てのオプションを検討しているが、実に難しい作業である。だから皆さんは、時折いろんなオプションの話を耳にするのだ
F-15C/Dに関して何も決断していないし、他の航空機に関しても同様だ。F-15Cは少なくとも2020年まで維持することにも変化は無い

米空軍アセットは、欧州でも、中東でも、朝鮮半島でも高い需要がアリ、ますます高まっている。だから米空軍がどの規模を維持すべきが検討しているところだ
●米空軍が行っている検討は、特定機種と特定機種の比較や代替検討ではなく、国家に求められる任務を、アセット全てを結びつけて如何に達成するかの検討であり、戦闘機から爆撃機から宇宙アセットまでを含めたトータル戦力の長期的検討である

Mark Nowland空軍作戦部長(中将)
F-15C2.jpgF-16を適切に能力向上(AESAレーダー搭載等)すれば、本土防衛用F-15C/Dの任務を引き継ぐことは可能であろう。
●しかし、いずれにしても第4世代機であるF-15やF-16は、将来の厳しい脅威環境では単独で能力を発揮できず、第5世代機に依存しないと任務を果たせないだろう。
欧州シナリオでも撃墜されるだろう。しかし、第5世代機と一体となり電子戦を行い、タイミングやテンポを執り、長射程兵器をすれば、事態は改善される

●州空軍はF-15Cを有効活用しているが、私が2001年当時に操縦していた当時で既に7100時間あまり飛行していた古い機体で、手間のかかる整備作業が必要だった
●Lakenheath英空軍基地で同機を操縦していた頃、同機の頭部が飛行中に折れる事故が発生した。実態として、F-22の方が航空優勢任務をより良く遂行できるし、F-15に可能な延命措置にも限界がある。だから機体全体の扱いを検討しているのだ
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米空軍の検討案は、主に州空軍で本土防空に当たっているF-15C/Dを退役させ、F-22でも補完しつつ、改良型F-16に代替させようとの案です。そしてこの検討案には、F-16を現F-15C配備基地に移動させる経費や操縦者の確保等の課題もあると報道されています。
なおこの検討で、嘉手納基地所属の正規軍F-15Cがどうなるのかは不明です

また、F-15Cの運命が未定の現時点で、300機のF-16延命&能力向上改修が決断された背景は記事からは不明ですが、恐らく、F-35開発&調達の遅れをカバーするため、また米海軍FA-18と同様に、中東での対テロ作戦等で想定以上に機体の酷使が続き、対策を打たないと目の前の任務が遂行できなくなるからでしょう。

F-15 JASDF.jpgいずれにしても、F-15Cの兄弟分であるF-15Jを主力戦闘機とし、F-15Jの後継をどうしようか思案中の航空自衛隊にとって、極めて重大なニュースです。

3月24日付記事の繰り返しになりますが、米空軍による-15C引退検討の重要考慮事項として、米空軍F-15を引退させることで、米国が日本に追加でF-35を購入させる強力カードとなる事を指摘しておきたいと思います

米空軍F-15の関連記事
「衝撃:制空用F-15全廃検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23
「現実的で低価格なF-15能力向上案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15
「米メディア:心神よりF-15改修」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-16
「F-15全機の電子戦機材換装へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-05

「米空軍がF-15と16の延命検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-25
「F-15の寿命を2倍に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-27
「F-16の延命措置300機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-31-1

米空軍の将来制空アセット検討
「Penetrating Counter Air検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「2030年検討の結果発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02

「悲劇:F-3開発の動きと戦闘機命派への提言」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18

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