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世も末:操縦者に幕僚勤務無しキャリアを検討 [米空軍]

Everhart.jpg19日、開会した米空軍協会航空宇宙サイバー会議(ASC17)で、米空軍輸送コマンド司令官のCarlton Everhart大将が講演し民間航空会社へのパイロットの流出が止まらず、深刻な操縦者不足に見舞われている対策として、「操縦だけしていればよいキャリアパス」を検討していると語りました

国費で養成された米空軍パイロットが給料や待遇が良く、また危険が少ない仕事を求めて民間航空業界に流出することを防ぐため、米空軍はパイロット手当を増額し、飛行時間確保に奔走するなどの対策を採ってきましたが、皆が嫌がるスタッフ仕事を回避できるオプションまで繰り出してきました

C-17-2.jpg司令部などの幕僚職は、前線部隊の運用を円滑にし、作戦計画を練り、将来に向けた施策や予算要求を練る重要な仕事で、ある程度前線で経験を積んだ操縦者が後輩操縦者のため、また国のためにやらねばならない仕事で、そこでの前線とは全く異なる経験で人間としての幅と視野を広げ、飛行部隊指揮官やよりハイレベルなポストにふさわしい人材となる必須の業務です

前線でずっと飛んでいたい・・・そんな気持ちを少なからず心に抱くのは人情でしょう。しかしそれは組織全体のニーズとは異なり、単なるわがままです
そんなキャリアパスを、公に認めてまで、根拠の薄い航空機数や飛行隊数を維持したいのでしょうか? 本末転倒のような気がしてなりません

19日付米空軍協会web記事によれば
Everhart4.jpg●Everhart司令官は最近、輸送コマンドの兵士たちに操縦者不足を解消するアイディアを募集し、700以上の提案が寄せられ、検討中だと語った
●そして背景にある操縦者不足を「国家的な危機だ」と表現し、戦闘機と輸送機の両方で不足しており、数千人の問題に対し複数の対策を行っていると語った

●その一環として、輸送コマンドは米空軍司令部に対し、幕僚ポストに就くことがない「飛行ポストだけのキャリアパス」を承認してもらえるように検討してもらっていると述べた
●「1900年当時から議論されてきた案だ」と表現しつつ、「俺は飛行任務だけに就きたい」との人材を引き留めたいとの意向を示した

●具体的に輸送コマンドが検討している経歴管理は、(飛行ポストだけに就きたいと申し出た操縦者には、)迷彩色の作戦機を操縦者させず、C-20、21、37などの白い機体の輸送機に搭乗させるか、操縦者養成の教官職のようなポスト配置を検討していると説明した
●同司令官は、あくまでの多数ある案の一つだと語ったが、「君が何気なくツイートする内容に気をつけなさい。それが君に跳ね返ってくるかもしれないから」と付け加えることも忘れなかった
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C-17 US-Au.jpg正式に決定されたことではないようですが、米空軍協会の航空宇宙会議は、米空軍の主要幹部や軍需産業の高級幹部、OBや軍事メディアや同盟国関係者が勢ぞろいする一大イベントですから、いい加減な案を公言するはずはありません

先日は空軍参謀総長のパイロット不足に対する最優先課題発言を紹介しましたが、パイロットが嫌った幕僚仕事を誰がやるのでしょうか? パイロット手当欲しさに必要な仕事を放棄する操縦者の代わりに、多忙な重責を担わされる非操縦者はどんな気持ちになるでしょうか?

パイロット不足狂騒曲の背後で、白けている非操縦者の姿を思い浮かべざるを得ません・・・

関連の記事
「トップが操縦者不足と軽攻撃機を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-17
「軽攻撃機の第一弾確認終了」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-07
「18年ぶり飛行手当増額」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-28
「米空軍が300機導入に賛成!?」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-21
「米空軍が検討を開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-07

「戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22
「航空業界は今後20年人手不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29
「機種別操縦者数で無人機がトップ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-09

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米空軍も!:巨大都市戦に備える [米空軍]

戦いがより政治化し、都市への人口流入で増加する大都市での戦いの備えが、米軍の一つの焦点か!?

Goldfein10.jpg19日、米空軍協会航空宇宙サイバー会議の会場で、Wilson空軍長官とGoldfein空軍参謀総長が記者会見し、今後世界中で人口密集が加速するとの見積もりの下、米陸軍や海兵隊が巨大都市での戦いを想定した備えを検討するな中、米空軍も支援体制に投資しなければならないと語りました

「人口密集が加速」&「巨大都市戦への備え」については、今年3月にMilley米陸軍参謀総長が、「世界の人口動態から人口1千万人以上の巨大都市:megacityが急増する予想があり、米陸軍も今後10年で根本的な変革をしなければならない」、「現在の特殊部隊やより小規模な部隊編制を参考に考慮する必要がある」、「指揮官の質の向上も」等々と講演しつつ、「optimize the Army for urban warfare」と締めくくって世界を驚かせたところです

米空軍2トップからの発言はあまり具体的ではありませんが精密誘導兵器だけでなく、指揮統制やネットワークも重要な要素であることを臭わせ、「統合戦力」としての役割を果たす必要性を強調しており、米軍全体での動きであることが感じられます

22日付Defense-News記事によれば
Tokyo at Night.jpg●Goldfein空軍参謀総長は、米陸軍や海兵隊の指導者たちが、ますます人口密集が進む地域での都市戦を今後も継続することを求められている中、米空軍はこれら地上部隊を支援するために求められる能力を追加しなければならないと語った
●そして「統合チームとして戦いに臨むとき、そして彼らが都市戦に焦点を当てようとするとき、我々も都市戦を焦点にしなければならない。そしてその時、単に兵器だけでなく、はるかに広範な課題が浮かび上がってくる」と表現した

●更に同大将は「ますます大規模化・密集化が進む都市戦に対応し、米空軍が2030年代にどんな姿であるべきか? 仮に世界中で都市化が進むのであれば、そこでも我々は優位で先頭に立っていなければならない」と付け加えた
●また、米空軍として都市戦に備えた新たなプラットフォームを検討していると認めつつ、一方で、より「range, payload and persistence」を実現できる「multi-domain network」に焦点を当てていると強調した

wilson7.jpg●参謀総長が兵器のみへの注目を戒めた一方で、Wilson空軍長官は、世界が米国の不正確な攻撃に対しもはや寛容ではないと表現し、「都市戦検討は科学技術戦略にも影響を与え、エネルギー兵器や兵器の大きさにも示唆を与える」と語り、兵器の検討も重要だとの認識を語った
●そして現在すでに利用可能な、イラクやアフガンで使用されている小口径爆弾SDBを讃えつつ、仮にイラク軍が敵に苦戦していたら、イラク軍から13m離れた敵を攻撃できるだけでなく、更に進んで、特定方向の壁1面だけを破壊できるような攻撃も求められると語った
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Milley.jpg今年3月にMilley米陸軍参謀総長の講演をご紹介した際、「巨大都市戦や密集地域での戦い重視は、海兵隊との差別化を図るための、米陸軍生き残り戦術か?」と怪しむようなご紹介をしましたが、米軍全体の流れであることが判明しました

陸軍参謀総長は講演で、「現在の陸軍が森林や砂漠地域での戦いを想定し、ジャングルや山や都市化地域に不向きに編制されている」との現状認識を示し、「戦車の大きさや重量、ヘリコプターの回転翼の大きさ、部隊規模、武器使用要領、ネットワークの活用などなど、様々な分野で考え方を見直す必要がある」とも語っており、相当根本的に大規模に検討を進めている事を示唆していました

urban warfare.jpgそしてその大前提として、「戦争がより政治的になるとすれば、その戦いは人が住む地域で行われるだろうし、それは都市であろう」とのトレンド予想を披露しており、今後の展開が気になります

以下にご紹介する過去記事で、もう一度陸軍参謀総長の3月公演をご確認いただき、思考を巡らせて頂きたいと思います

「米陸軍トップ:今後10年で巨大都市戦に備える」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-22

陸軍とクロスドメイン
「再度陸軍に南シナ海で活躍期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16
「ハリス長官がcross-domainを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05
「ハリス大将も南シナ海で陸軍に期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06

「射程300kmの対艦ミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「CSBA:米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

「尖閣防衛に地対艦ミサイル開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-14
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12

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52機も存在する伝説のF-117が本当に引退へ [米空軍]

やっと「武装解除」を開始、今年はまず1機
来年から4機ずつ「Demilitarize」を

F-117-42.jpg11日付Defense-Techが、伝説のステルス機である「F-117」が、現在も52機「飛行可能」な状態で保存されてきたが今年から「武装解除」を「飛行可能状態解除」を開始することになっていると報じています。

いわゆる「第2の相殺戦略」で、革新的技術優位の柱の一つであったステルス性を小型作戦機で体現した「F-117 Nighthawk」は、研究開発開始から1980年代に運用態勢に入った後も、約9年間秘密のベールの中にあり、1989年12月19日の対パナマ作戦「Operation Just Cause」で初実戦デビューします。

その後、1991年の湾岸戦争でトマホーク巡航ミサイルと共に緒戦での精密誘導攻撃をリードし、世界のお茶の間にイラクの首都バクダッドの政経中枢への、TVゲームのようなピンポイント攻撃映像を提供して大きな衝撃を与えました。

F-117-41.jpg2008年に第一線からの引退が決定されましたが、2014年と2016年にネバダ砂漠内で飛行情報や目撃情報が一般市民から報じられ、そのたび毎に様々な憶測を呼んできました

しかし実際は、2008年に引退を命じた議会決定の中に、「52機を現役引退させるが、緊急時に必要が生じたら、実戦復帰できるような状態(flyable storage)で保存せよ」との内容が含まれていたとのことで、定期的に(恐らく機体状態の確認と操縦技量の維持のため)こっそり飛行していたようです

11日付Defense-Tech記事によれば
●米空軍幹部が11日に「Military.com」に語ったところによれば、昨年12月23日に議会で可決された2017年国防授権法(NDAA)により、今後毎年4機のペースでF-117を完全に廃棄することが決定されている。2017年は1機をまず廃棄する
F-117 store.jpg●同幹部は匿名を条件に、「2017年NDAAで廃棄の指示が出るまで、我々は(52機)全てのF-117を飛行可能な状態で保管しなければならなかった」、「(ただし)一度に破棄するのではなく、飛行可能な機体も残しつつ段階的に、部品の取り卸しも行いつつ行う」と説明してくれた

廃棄後の機体がどうなるかについて同幹部は、「国防省文書番号41-60.21のDefense Materiel Disposition Manualに規定された要領で行う」と述べ、博物館に展示されたり、他の政府機関に売却されたり、アリゾナのDavis-Monthan空軍基地に置かれたり等々の例を挙げた
●また飛行可能状態で保管されていたF-117について同幹部は、「秘密事項ではない:Flyable storage aircraft are not considered classified」と語っている

●先週5日、ネバダ砂漠で「秘密の航空機」が墜落し、操縦していたEric Schultz中佐(44歳)が死亡した事故があってから、F-117との関与が噂されていた
●この事故について空軍参謀総長は、F-35の事故ではないかとの噂を強く否定し、「F-35ではないとはっきり言える」とコメントしている
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F-117-43.jpgいざという時に使いたかったんでしょうか? 
初期のステルス機はステルスコーティング等の維持整備が大変で、52機もの「Flyable storage」には相当の予算が必要だったと思うのですが、厳しい予算の中でもこれを続けてきたんですねぇ・・・

米議会では非公開の検討会や情報ブリーフィングが行われており、相応の議論を経てこの保管がなされていたのでしょう。
F-117操縦者も、口に出さずに訓練を続けていたということでしょうか・・・? 

F-117関連の記事
「F-117を約50機飛行可能で保管中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-06
「なぜ今もF-117が飛行するのか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-28
「ステルス機の意義と重要性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-03

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米空軍トップが操縦者不足と軽攻撃機を語る [米空軍]

意味深で、気になるインタビュー

Goldfein1-1.jpg15日付DODBuzzが、Goldfein米空軍参謀総長へのインタビュー記事を掲載し操縦者不足と軽攻撃機の導入について同大将の考え方を取り上げています。

トランプ大統領が8日、2018年度の年度当初3か月間を暫定予算(continuing resolution:10月から)で乗り切るとの法案に署名し、少なくとも12月8日までは最低限の予算レベルでのやりくりを米軍は再び強いられることになりました。

米空軍で言えば、中東での対IS作戦が佳境を迎える中、飛行時間の削減による飛行隊即応体制の低下や、演習の削減、次期練習機T-X計画など新たなプロジェクトの凍結等の苦しい制約が課せられます。

Pentagon.jpg予算管理法(BCA)による債務上限枠が撤廃されない限り、議会で党派を超えた議論と妥協が行われない限り、もう5年以上続くこのしばりは解けないのですが、その兆しは全くなく、米国防省や米軍幹部が口をそろえて「装備の維持整備の遅延」や「訓練飛行時間や訓練予算の削減」や「研究開発の停滞」等々を訴えても、むなしく響く今日この頃です

直接の因果案系を証明した報告等はありませんが、最近米海軍で連続するイージス艦と一般船舶との衝突、航空機の墜落や海兵隊水陸両用車での火災事故などなど、何やら組織の最前線に影響が出始めているとも懸念させる事故が頻発しています

そんな環境下に置かれた米空軍参謀総長が、「New Ways of Doing Business」との表現も使いつつ、移動中の航空機内で語った中身は、今後の米軍に共通する方向性を臭わせているような気もします

パイロットの現状と確保
USAF pilot.jpg●パイロット不足に関しては、操縦者が勤務期間を延長するよう(pilot retention)にあらゆる策を講じている
●空軍でパイロットになりたいと考える若者を募集することには何の困難もなく、採用予定数を上回る入隊希望者を確保しているが、最大の課題は勤務義務年限に達した操縦者を空軍に引き留めることだ

●米空軍は現在年間1200名の操縦者を要請しているが、2020年代半ばまでには、年間1400名にしたいと考えている
●「pilot retention」を高く維持するために、パイロットの操縦機会を確保し、飛行手当やボーナスを改善し、更に操縦者に「rich experience」を提供してより長く軍で勤務するように動機付ける。(注:この他にも、操縦者を希望任地に長く勤務させるなども

●「パイロットに操縦席での経験を積ませなければならない」、「そのためにはより多くの操縦席を確保しなければならない

軽攻撃機の導入に関して
AT-6.jpg●(なぜ既存の戦力を破棄してまで、新たに能力の劣る兵器を導入するのかとの質問に、)まず初めに、やるべき任務と戦力の適合を吟味し、何が最も需要の多い任務かを考えつつ、他の任務とのバランスを考えている
●将来、米軍は高度な兵器を持たないパートナー国をより訓練しなければならない。米国が同盟国等を持つことは非対称の有利点であり、同盟国等の空軍トップからいつも、F-16やF-35は買えないが、過激派が迫っており、多国籍連合に入れてほしいと言われている

●また米軍の前線指揮官はF-15を持っていたいと願うだろうが、空軍がネットワーク構築を必要とする事とは反している
軽攻撃機導入が、対テロネットワークにより多くのパートナー国を取り込む道となるのか?・・・との疑問を自身に問いかけている

●8月にかけ、4機種の軽攻撃機を試験したが、あくまでもデモ確認で、何かを決定したわけではない。今後約2か月で検討するが、中央軍空軍の指揮官を務めた経験からすれば、ハードの問題ではなく、ネットワークの問題なのだ。
●また同時に、安価でセンサーも搭載でき、推し進めてきた戦略を遂行する情報共有可能なアセットになりえるか・・・とも問いかけている

タリバンやアルカイダ、イラクやシリアのIS組織を、各国で対応可能なレベルに抑えることが目的であるが、米空軍が軽攻撃機を導入したとしても、(それら戦力を最終的にパートナー国等に売却するつもりかには言及しなかったが、)コアリションが極めて重要だ
中東で米国が指導力を発揮しないということではなく、戦いにより多くのパートナーを獲得する狙いがあるのだ

New Ways of Doing Business
Goldfein1-3.jpg●これらの取り組みにより、軍需産業に対し、今後の米空軍が望む、よどみのない「新たな仕事のやり方:New Ways of Doing Business」を示したいと思う。新たな装備を導入して、古いやり方に活用することは避けたいと思う
●そこで米空軍は今後数年でその優先事項をシフトする準備を進めている。どんな選択肢があり、操縦者が飛び続けるために何を望むかを考えながら。操縦流出に歯止めがかけられれば、空軍として発展するチャンスだろう
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参謀総長の発言を細切れに紹介する分かりにくい記事ですが、様々な思惑が見え隠れするインタビューです。
「ネットワーク」との言葉が、軍事的な多国間の協力ネットワークを意味するのか、戦術データリンクを意味するのか微妙な部分があり、その点は注意が必要です

軽攻撃機を将来パートナー国に移管することも選択肢にありそうですし、中東のゴタゴタから退散したい米空軍の願いも見え隠れしています。
また軽攻撃機の選定において、戦術データリンクで情報共有する戦い方が重要判断基準であることも伺えるような気がします

F-35 Paris.jpgでも、それよりも何よりも、米空軍がパイロットの幸せを最優先にしていることがよくわかります。「飛行の機会を増やし」「操縦者が何を望むかを考え」「給料を上げ」・・・大丈夫でしょうかこの組織は?

それでもって、戦闘機が何機必要なのかの算定基準は、極めてあいまいで恣意的な計算式で求められているのです。多くの場合、現職の操縦者が全員職を失わないような、結果ありきの算定根拠だったりするわけです
横目で観察するには、興味深い対象物ですが・・・

関連の記事
「軽攻撃機の第一弾確認終了」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-07
「18年ぶり飛行手当増額」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-28
「米空軍が300機導入に賛成!?」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-21
「米空軍が検討を開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-07

「戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22
「航空業界は今後20年人手不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29
「機種別操縦者数で無人機がトップ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-09

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イスラエル防空に米軍部隊が常駐へ [安全保障全般]

史上初、イスラエル軍基地に米軍常設部
わずか数十名ながら防空ミサイルと共に防空の一翼を

Israel-US.jpg18日、米軍とイスラエル軍が、イスラエル南部のイスラエル空軍基地に、米陸軍の機種不明な防空システム部隊を数十名(A few dozens)編成し、恒久的に運用を開始する記念式典を開催しました

イスラエル側代表のイスラエル空軍防空コマンド司令官Zvika Haimovich准将は式典で、「米軍部隊のプレゼンスは、訓練や演習のためではない。イスラエル防衛能力強化のための、イスラエルと米軍の共同努力の一環である」とその位置づけを語っています

イスラエルには約10年前から、同じイスラエル南部のネゲブ砂漠地域に、米軍の俗にいう「Xバンドレーダー(AN/TPY-2)」部隊が展開していますが、全くイスラエル軍施設とは独立して存在しており、今回のようにイスラエル軍基地の中に星条旗を掲げて運用するのは初めてだそうです

18日付Defense-News記事によれば
THAAD2.jpg●Haimovich司令官は「同盟国アメリカの数十名の兵士が、この基地に恒久的に駐留する。彼らは米国軍のタスクフォースの一部」であり、ロケット弾やミサイル脅威を探知し防衛するイスラエルの能力を強化してくれると語った
●また同准将は、「彼らがこの地に存在するのは、訓練や演習のためではない。イスラエル防衛能力強化のための、イスラエルと米軍の共同努力の一環である」と明言した

●米側代表で式典に参加した欧州米陸軍の副司令官であるJohn Gronski少将は、(展開部隊が所在する)「Site 883 Life Support Areaは、米国とイスラエルの固い絆を更に強固にするものである」と述べ、
●更に「両国は長年にわたり作戦を計画し、ともに演習や訓練を行ってきたが、この基地の設置で、極めて重要な両国のやり取りが毎日行われることになる」と意義を語った

PAC-3.jpg●イスラエルのHaimovich司令官は、両軍が同一基地で共生するのも初めてだが、米軍の迎撃ミサイル(active interceptors)が恒久的に展開するのも初めてだと述べ、この準備のために両国は約2年にわたり協議を続けてきたと説明した
●一方で同司令官は、米軍が新たに展開してプレゼンスを見せるが、イスラエルに対する脅威に対し、イスラエル軍が独自に対処する能力が損なわれるわけではないと強調した

●この式典に先立ちイスラエル国防軍は、ロケット弾等の迎撃ミサイルシステム「Iron Dome」の機動展開部隊を新たに編成し、北部国境から南部国境までを柔軟にカバーする体制を整えたところである。
●なお、このイスラエル製「Iron Dome」システムを、米陸軍は短距離~中距離の防空システム候補として、他の候補システムとして米陸軍の評価を受けている
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Israel Dimona.jpgこの話を聞いて一番に思ったのは、イスラエルの核兵器施設があると噂されている南部砂漠のディモナです。このディモナの施設が防御対象だとすれば、展開部隊はPAC-3でしょうか? 過去記事のシリアSAM撃墜事案の影響でしょうか?

また、既に配備されている「Xバンドレーダー(AN/TPY-2)」との組み合わせで考えれば、イスラエル全体をカバー可能なTHAADミサイルでしょうか?

いずれにしても、機動展開用の「Iron Dome」部隊を新編成したりするあたりからも、ロケット弾から弾道ミサイルに至るまで、急激に拡散する新たな脅威に喫緊の対応を迫られているということでしょう。
これは「Iron Dome」を試験している、米軍にも言えることです。

イスラエル防空の話題
「なぜイスラエルArrowがシリアSAMを迎撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-21
「世界初:6種類の迎撃ミサイルでBMD演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-07-1

「米がサウジにTHAAD提供?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01

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米加の航空機貿易戦争に英が参戦 [安全保障全般]

ボーイングの訴えが契機で米国とカナダに貿易紛争
英国がカナダの支援に参戦し、各国トップが動く事態に

Trudeau2.jpg14日付Defense-Newsは、米国企業ボーイングがカナダの航空機産業「Bombardier」を旅客機(C-Series)のダンピング販売疑惑で訴えた件で米商務省が25日にカナダ企業に懲罰的な関税を課すかどうかの判断を示す予定の中、「Bombardier」の工場が国内に所在する英国首相も争いに参戦し、3か国を巻き込む貿易摩擦に発展していると報じています

ボーイング社が「Bombardier」を訴えたのが4月で、これを受けカナダ政府は5月、ボーイング製FA-18購入交渉(約5700億円規模)を中断すると発表したところでした。本件について「America First」のトランプ政権の立ち位置は明確ではありませんが、9月12日に米国務省が交渉中断中の当該FA-18のカナダ輸出を許可すると発表したところでした

May-BREXIT.jpgそんな中、「Bombardier」の工場を北アイルランドに持つ英国が本件に参戦し、「Bombardier」に制裁を課して雇用が失われては大変だと、メイ英国首相が5日にトランプ大統領へ電話した際、本件を取り上げた模様です
また英国当局者は、「Bombardier旅客機」の部品の半分以上は米国製であり、「Bombardier」への制裁は米国産業を苦しめることにつながると主張しています。

カナダのトルドー首相と英国メイ首相は、本件を巡り18日に会談する予定となっており、カナダ外相も「英国と真に緊密に本件を協議している」、「英国もBombardierの件に大きなな関心を寄せており、我々が協力することは当然だ」と発言しているところです

14日付Defense-News記事によれば
在米カナダ大使は、英国はカナダの依頼でなく、自身の判断でこの問題に関与してきたと述べ、「ボーイングにこのような訴えが理不尽で、駆け引きによって損なわれるのはボーイングの利害だ」、また「英国はボーイング社航空機の大口顧客であり、私が同社の立場なら、この点に注意を払うだろう」と語っている
●またカナダ首相は、ボーイング社製FA-18の製造工場がセントルイスあるミズーリ州知事に5日直接電話し、ボーイングの動きへの失望を伝えたと言われている。

Bombardier-C2.jpg●カナダ国省高官は、将来の空中給油機(ボーイング製KC-46Aのこと)や、追加の戦闘機(FA-18やF-35)の購入選定にも悪い影響を与えるとの考えを表明している
●更にカナダは、交渉を中断したボーイングからのFA-18調達の代替として、豪州が使用してきた中古のFA-18を購入することも検討し始めたと伝えられている

●一方でボーイング社は、「Bombardier」への訴えを取り下げる動きは見せず、カナダ政府による過剰な支援金が同社のダンピングを生んでいると非難し、「同じ公平な土俵で競争できる環境の整備が重要だ」との主張を崩していない
●また「Bombardier」の件と他の案件をリンクするべきではないと訴えつつ、ボーイング海外ビジネス社長は「厳しい局面に直面している」、「しかし傍観するわけにはいかない。皆が従う明確なルールのもとで活動できることが極めて重要だ」と述べた

カナダも共同開発国であるF-35の売り込みを狙うロッキード社担当副社長は、FA-18の穴埋めのため、F-35を代替で提供する計画をカナダ政府に提案済みだと述べている
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少なくとも、カナダと英国の首相が直接動く事態となっており、西側同盟の中核国の間の話だけに気になるところです。

FA-18EF2.jpgトランプ大統領は就任前から、予算超過と価格高騰のロッキード製F-35をけん制するため、ボーイングが提案するFA-18改良機に肩入れしており、ボーイング副社長を国防風長官に迎えるなど、近い関係が知られているところです。

「Bombardier」社に対し、制裁として超過関税を課すかどうかを判断する25日の米商務省判断が一つの山ですが、トランプ政権の「America First」の将来方向を占ううえでも注目されます

米国とカナダの航空戦争
「第2弾:米カナダ防衛貿易戦争」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-04
「5月18日が開戦日!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20
「痛快:カナダがF-35購入5年延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-23

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物議:断交されたカタール首長が米軍と大記念撮影 [安全保障全般]

縁を切ったアラブ諸国の感情を逆なで
カタール首長が海外訪問再開の狼煙

11日、アラブ諸国に断交されているカタールのトップである「首長:Emir」が、約1万人の米軍兵士が駐留し、米軍の中東作戦の指揮所があるカタールの「アルウデイド:al-Udeid」空軍基地を訪問し、米軍同基地に展開する米軍機と米軍兵士をバックに記念撮影を行い、同国メディアが大々的に報じました

Qatar Emir.jpgカタールは、イランとの親密な関係やイスラム過激派支援を批判され、中東の主要国で、かつ米国とも比較的親密なサウジ、エジプト、バーレーン、UAEから「国交断絶」を6月5日に宣言された国であり、米国も米軍の存在とアラブ主要国との板挟みで、微妙な立場に立たされています

カタールと縁を切ったバーレーンには、米海軍第5艦隊や米中央軍陸軍の拠点があり、米軍13500名が所在し、同じくUAEにも米海軍最大の立ち寄り港である「Jebel Ali port」や、米空軍の空中給油機やF-22や無人偵察機が大挙所在する「al-Dhafra Air Base」がある複雑さです

このような複雑に入り組んだ外交関係をやりくりする米国の姿勢は微妙で、トランプ大統領はカタールに批判的な立場を微妙に示すツイートを行う一方で、マティス国防長官はカタールを訪問して支援を申し出、1.4兆円相当のF-15売却にも合意しています

12日付「Military.com」記事によれば
Qatar map.jpgカタール国営メディアは記念写真を「Sheikh Tamim首長は米国人たちと、両国国防協力と対テロ協力の様子を再確認した」との記事と共に大々的に紹介し、アラブ諸国からのボイコットの中で、米軍が同主張を支持しているかのようなイメージを発信している
●一方で米中央軍報道官は、「単なる駐留国首長による部隊訪問である。同基地の様子や情勢について話をし、記念撮影を行い、そして帰路に就いただけである」、「特別な意味はない」と説明している

●そして同報道官は、ホスト国が愛国心を鼓舞するようなメッセージを掲げたり発信したりすることは、よくあることだとコメントした
●また同時に同報道官は、「我々は周辺関係国間の言い争いを常に注目している」、「(しかし、)それが米軍のホスト国として問題になることはない」とも述べた Qatar3.jpg●この米軍部隊訪問は、カタールが断行されて以来初となる首長による外国訪問(トルコとドイツ)に先立って行われたが、Tamim首長の父親は、その父親が外国訪問間の1995年にクーデターを起こして首長の座を奪った経緯があり、様々な憶測を呼んでいる
●米軍報道官は、「我々は常にあらゆる緊急事態に備えた計画を練って備えている。戦いを続けるために必要なことを行うだろう」、「しかし現時点で、我々が何かを終了したり、中断したりするような重大な可能性が見えているわけではない」とも語っている
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カタールは過激派への支援を否定し、イランとの関係は同一の海底天然ガス田から天然ガスを採掘しているからだと反論していますが、米国内にはかねてより、ムスリム同胞団を支援するような国に頼っていいのか・・・との議論があったようです

しかし・・・、カタールを断交した国々にも同様の疑惑はあり、アルジャジーラTVを運営したり、サッカーW杯を誘致したりと、スタンドプレーが目立つカタールをいじめてやろう・・・ぐらいの理由じゃないかとも言われています

Qatar4.jpgでも、この集合写真はいくら何でも「刺激強すぎ・・・」感がありありで、米国の意図も不明で、外国訪問もあるらしいので、興味本位で取り上げました。
日本は天然ガスをカタールに頼っているので、ゴタゴタは困ります。何かあっては日本がひっくり返ります

外務省の「カタール」概要説明
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/quatar/index.html

カタールが登場の記事
「米軍の弾薬を頼るな!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-21-1
「イスラエルと合意後に湾岸諸国へ戦闘機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-17
「日本の銀行がカタールの戦闘機購入に融資?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-22

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激震:トルコがついにロシア製防空システム契約 [安全保障全般]

トルコ大統領とプーチンが直接判断
NATO運用の根幹にかかわる決別宣言か!

Erdogan3.jpg12日、トルコのエルドワン大統領が、2013年から紆余曲折を経てきたトルコ防空システムの機種選定に関しロシア製の高性能長距離地対空ミサイル「S-400」を購入する契約を結んだと明らかにしました。

同大統領がカザフスタン訪問の帰路に記者団に語ったもので、「プーチン大統領と私で決定した」、「契約書への署名は終わった」、「国防のニーズに基づき、自由に兵器を選ぶ権利がある」などと語り、米国やNATOからの干渉には左右されないとの強い意志を示しています

この選定は2013年に中国製に一端決定したものの、実質トルコの防空を担っている米国やNATOシステムと連接できない等の問題から米国等が猛反発し、2015年11月にはトルコ政府が中国製の選択決定破棄を発表して国産開発の方向を示唆しました。

S-400-launch.jpgその後も、米国、中国、ロシア、ドイツ、フランス、イタリアと関連企業による巻き返しとゴタゴタがつづき、ロシアによるウクライナ侵攻や対ISIS作戦の激化により、関係国間の外交関係が目まぐるしく変化する中で、国家間関係の現状を示す「リトマス試験紙」的な案件として注目されてきました。

しかし昨年10月、トルコ大統領とプーチン大統領の会談で、2013年当時は高価格を理由に排除したロシア製を、再び選定候補に入れて再交渉することをトルコ側が要請し、今日に至っていました。

12日付「Military.com」記事によれば
●12日、エルドワン大統領は「S-400購入契約の署名は終わった。手付金も支払われたと思う」、「私とプーチン大統領がこの件は決定した」とカザフスタンからの帰路に記者団に語った
●また同大統領は「NATO諸国の中では、トルコは米国についで2番目に軍の規模が大きく、国防ニーズに応じて装備品調達を行う自由を保持している」と述べたが、価格等細部については言及しなかった

S-400.jpgロシアの大統領軍事補佐官であるVladimir Kozhinも同日、「契約が結ばれ、契約履行に向けた準備が進められている」と認めている
●NATO高官は「S-400のようなNATOシステムと連接できないシステムを使用するNATO加盟国は存在しない」、「NATOはトルコのS-400購入について何も知らされていない」と不満表明した

S-400は米国製パトリオットと同等もしくはそれ以上の性能を持つといわれる長射程地対空ミサイルで、限定的ながらBMD能力もあるといわれている。
●このためロシア軍のほか、東シナ海沿岸に配備し政経中枢地域を防御したい中国やインドからの受注があり、早期にトルコに供給されるとは考えにくい

●トルコの軍事専門家Aykan Erdemir氏は、「本契約は、トルコが大西洋をまたぐ同盟や価値観の共有から、進路を変えようとしていることを示している」、「当該装備の導入以上に、西側への苛立ちを示す意味合いが強いだろう」とコメントしている
S-400-2.jpg●トルコ議会の野党副代表は、契約には反対しないが、同装備がトルコ国内で製造され、技術移転が進むことが必要だと述べている

●2015年にトルコがロシア軍機を、シリアとトルコ国境付近で撃墜した直後は両国関係が中断したが、2016年に和解したことが今回の契約につながっている
●しかしロシアのクリミア併合にトルコは強く反対しており、両国関係に緊張感がないわけではない
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2013年からのトルコ防空システム選定の経緯
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23 

専門家の中には、これは「S-400」という装備導入の直接的影響より、トルコからNATO諸国への政治的メッセージの意味合いが強いとの見方が出ていますが、軍事的にも無視できない話です。

trump5.jpg防空システムの要である長射程地対空ミサイルが、トルコ防空警戒網の大部分を支えるNATOシステムと連接できない(又は情報漏洩を恐れて連接できない)となれば、NATOがロシア製兵器の下支えをする屈辱となり、指揮統制なんかも成り立たないと思います

米国が北朝鮮問題に当惑し、2つのハリケーン被害で更に内向きになる中、世界ではアンチ米国の国々が着実にやりたいことを進めています。あれ・・・中国はどうだったっけ???

トルコ防空システム選定のゴタゴタ
「ロシア製S-400購入の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23 
「SAM選定で露に最接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-12
「中国製決定を破棄」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-16
「トルコ大統領訪中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-30-2

「NATOと連接しない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-20
「4度目の延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-04
「トルコが中国企業と交渉開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-27

米国とトルコ関係の関連
「対ISで露とトルコが共同作戦?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-22
「トルコがF-35追加購入へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-01-1

「駐トルコに家族帯同禁止や特別手当」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-17
「将軍の4割以上を排除」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-11

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F-22初飛行20周年と2060年まで運用提案 [米空軍]

F-22Hawaii2.jpg7日に初飛行から20年を迎えたF-22戦闘機について、Lockheed Martin社の担当副社長がインタビューに答え、同社の分析では適切に機体を維持改修すれば、機体寿命を2.5倍にして2060年代まで使用可能にすることが可能だと語っています

機体寿命の計算には様々な要素が関係し、単純な飛行時間だけでなく、その飛行時間の中で激しい機動飛行や訓練がどれだけで、逆に負荷の少ないエスコート任務や領空保全任務や諸外国への展開飛行がどの程度の比率かにもよる。

また、第5世代機の優れたシュミレーター訓練で実飛行時間を補完できるならば、更に機体寿命を延ばすことが可能である。むしろ、第5世代機の最大性能を発揮させる訓練はシミュレーションでしたできないとも言われている点にも留意する必要がある

一方で同社が前提とする「regular updates」について具体的な記述はなく、また必要な投資額も不明確であり、要員養成用のF-22を戦闘可能仕様に転換する予算確保も困難な米空軍にとって、ロッキード社の提案がどれだけ響いているかは疑問です

7日付米空軍協会web記事によれば
F-22hardturn.jpg●ロッキード社のF-22担当副社長Ken Merchant氏は、F-22が「regular updates」を受けると仮定すれば、設計寿命の6000飛行時間を2.5倍にして、14~15000時間にすることが可能であると述べ、1997年9月7日に初飛行したF-22が、2060年代まで飛び続けることが可能であると語った
●また米空軍戦闘コマンド司令官も希望している、Tyndall空軍基地所属の要員養成用F-22を戦闘行動仕様に改修し、F-22戦力を2割増にする案も提案しているが、米空軍内の長い長い予算優先希望リストの中で、勝ち抜かねばならない事業である

●同副社長は、既にF-22が僅かながら新兵器や新センサーを搭載する改修を受けていると認めたものの、更なる改修案としてF-35のステルス処置導入やコックピットの改修等々を提案していると語った
●一方で議会から試算を求められたF-22生産ラインの再立ち上げについては、あまりに額が膨大で、受け入れられる可能性は低い状態にある

●運用開始から20年を超えても、引き続き同機は世界最高の戦闘機であり、2040年代には新型機に能力で追い越される可能性はあるが、それでも本土防空戦力として最も能力の高いアセットの地位を占めるだろう
●またある意味では、F-22が西太平洋に展開して北朝鮮や中国を威圧することに成功した例もあり、米空母の持つ戦力誇示の役割を肩代わりするようになったと見る者もいる
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F22gearup.jpg戦闘機メーカーは、第4世代機に対しても、第5世代機(F-22)にも延命策を提案しており、「F-35調達数の先細り」を予期し、新たな生きる道を探っているようにも見えます。そうなんでしょう・・・

さぁ・・・、RQ-4グローバルホークの導入中止を臭わせ、イージスアショアの導入を打ち出した日本軍は、新たな戦闘機投資を中期防でどう判断するのでしょうか? 

出方によっては、非パイロット集団からの反乱、もしくは実質の職務放棄も予期される雰囲気ですので、しっかり検討していただきたいものです

F-22関連の記事
「議会がF-22再生産見積を要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-20
「フィリピンにF-22を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-16
「5世代と4世代機の融合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-08
「F-22もシム活用で飛行削減」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-1

第4世代機を巡る議論
「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22
「米空軍がF-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「衝撃:制空用F-15全廃検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23
「低価格なF-15能力向上案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15

タグ:20周年 F-22
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ハマス新指導者会見:イランからの軍事支援復活 [安全保障全般]

中東に新たな不安定化の動き
日本の皆さんの関心は薄いと思いますが・・・

Hamas new.jpg8月28日、今年2月に選出されたハマスの新リーダー「Yehiyeh Sinwar」が初めて記者団を前に会見し、5年前2012年にシリア支援を巡る対立が原因で断絶状態になったイランとの関係が復活し、ハマスがイスラエルと対峙するための軍事及び資金援助が再開されたと語りました。

なおハマスは、イスラエルだけでなく国連やEUからテロ組織に指定されている組織で、これまでに誘拐、自爆テロ、狙撃等により数百人のイスラエル人を殺害しているガザ地区を拠点とする過激派組織です。

一方イランは公然とイスラエルの破砕を国是と掲げる国家で、イスラエルのガザ地区で反イスラエル闘争を先導するハマスを支援し続けていましたが、シリア内戦で弱体化したアサド政権の支援を求めるイランに対し、ハマスがこれを拒絶した事で断絶に至りました

一方ガザ地区では、パレスチナ自治政府からハマスが実権を奪った10年前から、対ISIL作戦の話題に隠れる形で、パレスチナ自治政府が同政府職員の給与を削減したり、自治政府の要請との形でイスラエルがガザへの電力供給を一日8時間程度に抑えたりして締め付けが強化され、失業率5割や貧困が拡大しています

Gaza strip2.jpg具体的にどの程度のイラン援助が復活したか55歳のハマス新リーダーは言及しませんでしたが、「断絶」前は毎月50億円以上の支援があっと言われており、またSinwar新指導者の発言の雰囲気から、相当程度復活したと想像されます

またハマス新指導者は、ガザ地区と国境を接するエジプトが、従来はイスラエルと対ハマスで協力していたが、イスラム過激派流入阻止の点からハマスと国境管理面で協力姿勢を示しているとも言及し、当地域での国家間関係に微妙な変化の兆しを示唆しています

日本で本件にご興味のある方は少ないと思いますが、ISIL弱体化の後に訪れるであろう中東域での新たな勢力争いを考えるうえで、また再び動き出すであろう反イスラエル活動を考えるうえで、更にイランの影響力を考えるうえでも重要な出来事ですのでご紹介します

8月28日付Defense-News記事によれば
Gaza Strip4.jpg28日のハマス新リーダーの初の記者会見は、国連事務総長Antonio Guterres氏がイスラエルやパレスチナを訪問するタイミングに合わせるかのように行われた。なお事務総長は28日にイスラエルに入り、29日に西岸地区を、30日にガザ地区を訪問する予定である。ただしハマス側との接触の予定はない
Sinwarハマス指導者は、イスラエル兵の誘拐や殺害の罪で約20年イスラエルの刑務所にとらわれていた人物で、ハマスが2006年から拘束していたイスラエル兵と交換で、2011年にイスラエル側から解放された約1000名のハマス活動家等の一人である

●Sinwar氏は会見で、「イランからの支援は、イスラエルへのより大きな戦いに備えるために、つまりパレスチナの開放を勝ち取るために、ハマスの軍事力を再構築し蓄積するためのものである」と強調し、
●「数千人の同士が、日々ロケット弾を製造し、密輸トンネルを掘り、潜水ダイバー戦士を鍛えている」、「イランとの関係はこのためにあるのだ」と語った。
しかし一方で新指導者は同時に、イスラエルとの4度目の戦いを開始する意図はないとも語り、むしろ困窮するガザ地区の人々の救済をまず行うとも語った

Gaza Strip.jpg●そしてSinwar氏は、隣国のエジプトがシナイ半島根拠のイスラム過激派対策としてハマスの支援を求めていることを受け、エジプトとの関係を改善して国境封鎖の緩和を実現しつつあると語った
●「エジプトとの関係は劇的に改善した」とSinwar氏は語り、エジプトが最近、ガザのエネルギー問題対策として燃料を提供してくれたとも明らかにしつつ、「ハマスは、イスラエルを除く全てのドアをたたいて問題解決に取り組む決意だ」と訴えた

●イスラエルとの捕虜解放交渉については、「仲介者を介して開始する準備があるが、条件が完全に整い、解放された者達の無罪が保証された後にだ」と語った

●ハマス新指導者の会見に対し、イスラエル軍のパレスチナ担当司令官Yoav Mordechai少将は、ハマスがイスラエル兵2名の遺体を返還しないことや、イスラエル民間人2名を誘拐していることを厳しく非難し、更にハマス自身がガザの住民や民間援助団体を悪用して活動していると強調し、
●「テロ組織であるハマスは、ガザ地区の住民の困窮に関わらず、イスラエルからの援助を優先的に入手して住民を犠牲にすることに全く躊躇がない」と語った
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イランの新たな動き、ハマスの再始動、エジプトの動向などを、ハマスの新リーダーの発言を通じてご紹介しました

なおハマスは、過激な反イスラエル活動だけでなく、イスラエルの制裁により困窮するガザ地区住民向けの支援活動を活発に行っており、新たな戦力となる若者を引き付ける大きな力となっており、組織の巧妙さが際立っています

Hamas.jpg当時のシャロン首相が2000年に神殿の丘を訪問するまでは、西岸地区への入植を加速するまでは、イスラエルとパレスチナはそれなりに共存方向が見えていたんですよ。

しかしパレスチナ人の人口急増に危機感を感じたのか、狂信的なユダヤ人や入植者が悪いのか、もちろんテロに走る過激派の存在も「がん」なのですが、全く光明が見えませんねぇ・・・

イラン関連の記事
「イラン無人機が米艦載機を妨害」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-09
「IS後の空白にコンテナ式交番」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-11
「米国がサウジにTHAAD提供へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01
「米イスラエル関係の転機?:軍事援助を巡る攻防」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-26
「中東でF-35はイスラエル独占?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-13

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