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Toshi Yoshihara博士の来日 [中国要人・軍事]

Yoshihara58.JPG今週、米海軍大学準教授のToshi Yoshihara博士が政府関係機関(防衛省?)の招待で来日中らしく、各所で講演やディスカッションを行っておられるようです。Yoshihara博士は、現在米国内の中国軍研究をリードする人材です。

同博士はついては、以下の記事で小論文をご紹介しましたが、その中で「在日米海軍戦力は、中国のミサイル射程範囲にある脆弱な佐世保や横須賀から、より安全で将来の紛争が予期されるマラッカ海峡近傍やインド洋に近い豪州西海岸へ移転を考慮すべき」と主張して日本の安全保障関係者から注目されているところです。
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「米海軍は日本から豪へ移動」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-29-2

隠居のまんぐーすがお話を聞く機会などありませんが、種々の間接情報を総合すると、来日中の博士は以下のような話をされたようです・・・。

中国海軍のゲリラ戦指向
chinaFlag.jpg●最近では中国軍の軍事教範や論文のほか、中国語の一般書籍もが比較的入手しやすくなってきており、多くの人材がその分析に当たっている。
●一般には中国海軍の最近の話題は空母であるが、中国軍の文献等によれば、彼らは自身の実力や米軍との差をよく認識しており、地上部隊のゲリラ戦や過去の中国海戦から学んだ戦術こそ中国海軍の本領と考えている模様

●つまり巨大な艦艇に対しては、多数の小型で機動力あるミサイル搭載艦艇やボートで奇襲、また潜水艦による定点ひっそり待ち受け等々が考えられている。
●戦術は古典的に見えるが、これに最新の衛星通信やネットワークやISR能力を組み合わせたハイテクなゲリラ戦法を追求しているように感じられる。これらは「蜂のような数的圧倒戦術」や「雀のような集散離合戦術」とも表現されている。

中国空母の位置づけ
ChinaNV.jpgこの評価は難しい。確かに攻撃を受けやすく経費も掛かるが、経済的に余裕のある現時点では、平時における圧倒的なプレゼンスや威圧力を南シナ海等で発揮することを考えているのではないか。
●別の観点であるが、あまりに存在がシンボリックなため、仮に中国空母に攻撃を仕掛けるとそれは紛争や小競り合いを一気にエスカレーションさせることを意味する。経済的に相互依存が高まっている現代では、相手国にとってこの一線を越える判断は極めて難しと思う

「在日米海軍の豪移転」に関する小論文
australiaMAP.jpg●わずか4ページ余りのペーパーで十分な説明が出来ず、日本の皆さんに誤解されている。米海軍の拠点として、日本の海軍基地は極めて重要であり、その整備能力、施設、海上自衛隊の存在、補給能力等々、代替を出来る場所など西太平洋地域に見あたらない。そう簡単に移転などできない
●また、日本から戦力を動かすことはそれ自体が大きな各方面へのシグナルとなり、その影響も無視できない。私は同小論文で、豪州の人々に豪州の戦略的重要性を理解して欲しいと考えて一つの視点を提供したまでであって、政策としての実現を想定はしていない

Air-Sea Battleの状況
CSBA LRS UCAS.JPG●私は同コンセプト策定に直接関与しておらず、聞くに値するコメントが出来るとは思わないが、このコンセプトに関してはシンクタンクCSBAのレポート1つがあるだけで、どのような形になるかは全く予断できないCSBAの考え方と異なる方向になる可能性も十分にある
米海軍と空軍間の話し合いが難航しており、同コンセプトは「既に死んでいる」と考えている者もいるようだ。予算全体が大きく削減方向にある中で、海空軍の役割の再整理を試みる取り組みは、予算獲得の思惑や組織防衛本能が複雑に絡み合い、見通しが明るいとは言えない

中国A2ADへの日本の対応策
琉球列島で日本自身が中国軍に対するA2ADエリアを構築するのも一つの考え方。ミサイル防衛とあわせ、地形を利用して地対地や地対艦ミサイルを巧妙隠して配備すれば中国の攻撃も回避でき、同時に中国海軍の活動を抑止できるのでは。これにより保有数が限定的な中国弾道ミサイルを無駄打ちさせる事も可能であろう。

●対中国潜水艦作戦の強化は、海上自衛隊に大きな期待が掛かっている。また高度な機雷を使用した中国海軍へのA2ADも有効ではないか
中国軍の実力に関する認識は、米軍内でも話をする人によって様々である。海軍艦艇の人間は脅威を強調するが、空軍パイロットはB-52を除きそれほど脅威には感じていないようだ。少なくとも現時点では。
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AirSeaBattle.jpgAir-Sea Battleがどのような形になろうとも、また仮にコンセプトが消滅しても、中国の軍事力近代化を踏まえれば、米海軍と空軍の対中国戦略が「遠方から」を基本とし、長距離無人機やミサイルを組み合わせた方向にあることは間違いありません
また、「作戦面で打たれ強く、地理的に分散し、政治的に持続可能」との米軍体制の方向性は変えようもありません。

Air-Sea Battleが海空軍で合意できなければ、上記の方向が海空バラバラに非効率な形で進められ、予算削減の中、中途半端にまだら模様で形作られる事になるのでしょう。西太平洋地域の米同盟国にとっては大きなマイナス要素です。

Yoshihara博士の日本への提案の部分には、不正規な戦術には不正規な戦術で対応との考え方が表れています。中国は大国ですから、小国の島国である日本が弱者としての立場を理解し、正規・不正規な手段を巧みに組み合わせる方向性を追求すべきとまんぐーすも思います。

「CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
「米豪が60周年同盟を強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-17
「米豪が新協定締結へ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-07

「石破茂・元防衛大臣の疑問」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-21
「前対中国で北東から南東アジアへ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-03-1
「後対中国で北東から南東アジアへ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-04

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