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F-35化する新型艦LCS [Joint・統合参謀本部]

LCSの苦しい状況については、Defense-Newsの4月15日付記事も取り上げています
http://www.defensenews.com/article/20120415/DEFREG02/304150001/U-S-Navy-8217-s-LCS-Yet-Fulfill-Its-Promise?odyssey=tab|topnews|text|FRONTPAGE
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「雪玉は一度転がると止められない」

LCSIndep2.JPG冒頭でご紹介した台詞は、F-35計画に言及する際に良く聞かれる言葉ですが、これは新時代の海軍を象徴する装備として55隻の調達計画を持つLCS(Littoral Combat Ship)に向けられている言葉です。
5日付のNY-Times紙が、来年シンガポールに派遣配備予定で建造試験中のLCSを取材してその実態を報じ、F-35に集中していた軍事メディアが「こっちもか」と注目し始めたようです。

LCSは1万トン近いイージス艦のような大型ではなく、3000トン級で小回りがきき、公海上から沿岸地域までの多様な任務(海賊対処、密輸対処、拡散防止、機雷戦)やフリゲート艦が行う脅威対応を念頭に、最新装備をモジュール化して軽易に組み替えできるようなコンセプトを持つ新型艦です。

アジア太平洋地域への米軍関与の目玉として、シンガポールに交替派遣配備することになっている新型艦で、艦種選定の結果、競り合った2艦種が両方採用されるという「どろどろ」の結末も話題になったところです。

5日付NY-Times紙6日付DODBuzzは
Independence型LCSは、全長約120mで速度40ノット以上が可能で、かつ水深6mの浅瀬でも運行可能である。LCSは最新の装備により75名で運用可能、ヘリを装備し、装備モジュールを交換する事で、機雷戦から対潜水艦戦や特殊作戦までに対応できる
●1隻1600億円余りのイージス艦と比べると安価だが、1隻約560億円の初号艦がメキシコ湾で試験中。マケイン上院議員が「この艦艇の歴史は、元海軍人としての私にとって恥ずかしく困惑をもたらすモノである」と述べた船である

●Robert Work海軍次官は最近「全ての悲観論者に間違いない装備であることを証明する」と語り、自身が「全くでたらめの調達」と呼んだ過去の開発トラブルや遅延や価格高騰の汚名を晴らしてみせると自信を見せ、量産価格を320億円程度と語った
●ただし、2010年1月から延々試験を実施中であるのも事実。

LCSindep.jpg船底のクラックや大きな漏水がありつつ試験を進めているが、機雷戦に革新をもたらすと言われたレーザーによる機雷探知システムも、海面の光反射を誤認識する等のトラブルで開発途上である。その他にも、開発継続中で締め切りが曖昧な部分が成るようだ。
従来の機雷対処は、危険を冒して艦艇がワイヤーを海中に伸ばして曳航し、海底と機雷を繋ぐ鎖を切り、浮かんだ機雷に人が爆薬を仕掛けて処理すると言った手法で行われていた
LCSでは、艦艇搭載のヘリがレーザー探知機で機雷を捜索、発見後は無人潜水艇が遠隔操作で機雷を処理すると言ったイメージで関連装備品が開発中である。今だ開発中であることから、来年シンガポールに配備派遣される艦艇は仮の装備を搭載するようで、正式の装備は2017年まで待たねばならないようだ

LCSの残存性が課題である。大型艦に比して装甲が薄く、敵ミサイルにやられやすい。自艦防衛システムも弱いが、海軍関係者は機関砲やミサイルを装備することで、ペルシャ湾等の敵対的環境下でも大型艦艇と共に合同すれば作戦可能と言っている。
Work次官が「賢明な戦術、技術を用いれば、生き残れる」と述べる一方で、批判的議員が「戦場に止まってパンチを見舞うことは出来ない。イランの小型攻撃艇7隻が進行してくれば、LCSは反転して反撃もしないだろう」と痛烈批判し、国防省の装備評価担当官も昨年「戦場では生き残れない」と懐疑的だ。海軍次官も「生き残る」と述べるだけで「勝利する」とは言わなかった

●良かれ悪しかれ、国防省とオバマ大統領は、LCSが21世紀の脅威に対応するモノだと計画を推進しており、厳しい予算状況下でも優先度が維持され、2隻の生産時期を延期したのみである。批判的議員は「雪玉は一度転がると止められない。海軍が欲しいと言っている以上、止められない」と諦めムードで語っている。
●専門家は、フリゲート艦や掃海艇の老朽化が進む中、他に代替となるモノが殆どない状況下、これほど延々と続いてきたLCS開発を今更中止できないのだと説明している。建造地であるMobileに約4500人の雇用をもたらす点もある。
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independence3.jpg余り後ろ向きな事ばかり書きたくないのですが、「F-35化」の要素タップリです
過去、同様に沿岸警備隊の新型艦艇を新聞が取り上げ、その後問題がクローズアップされて大騒ぎになった前例があるようです。F-35関係者が、目をそらすために「話題を振った」のかも知れませんが・・・

建造中の2番艦は、昨年遊説中に暴徒の銃弾に倒れた女性議員の名を取って、Gabrielle Giffordsと名付けることが発表されています。同議員の名前がネガティブな作戦結果と共に報道されることがないよう祈るばかりです。

「米シンガポール軍事協議」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06
「LCS機種選定泥沼」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-24
「次世代の米艦艇LCS」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-31

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