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ロシア分析の秀作:中露関係は頭打ちで複雑化 [中国要人・軍事]

hyoudou.jpg4月26日、安倍首相の訪露に先立つ形で、現在のロシアを平易に多角的に戦略的に分析・解説した素晴らしい小論がWEDGEサイトに掲載されました。
筆者は防衛研究所のロシア専門家・兵頭慎治室長であり、軍事的な視点を柱にしつつも、現在の複雑な情勢を多様な側面から捕らえ、「中露協調は頭打ちの状態で、むしろ内実は複雑化」と看破しています。

中ロ関係をフォローするだけでなく、ロシアと印米日ベトナムとの関係にまで触れて「ロシアが自らの立ち位置を模索する」様子を浮き彫りにし、日本に対し、領土問題等での目先の結果は難しいが、今後も日本にアプローチを続けるロシアと、中ロ関係を見極めつつ対応することが必要だと説いています

是非全文を確認されることをお奨めしますが、まんぐーすのお勉強のため、あえて概要紹介を試みます。読んで嬉しい小論です!!!

兵頭慎治室長はまず中ロ関係の現状を
RussianPair.jpg3月下旬、習近平はロシアを初外遊先に選び、プーチン大統領と会談して「中露関係はかつてないほどの高水準」との公式声明を発表、中露の蜜月ぶりが対外的に演出された。
しかし、中露国境が最終画定されて合同軍事演習が開始された2005年頃をピークとして、中露協調は頭打ちの状態にある。むしろ「離婚なき便宜的結婚」といわれる両国関係は、最近では戦略的協力の内実が複雑化しつつある

中露関係は、露から中国への資源や武器の供与という実利協力と、対米牽制という戦略協調という、2つの要因から成り立っている。しかし今首脳会談でも、天然ガスの輸出価格を巡る10年以上に及ぶ価格交渉はまとまらず、戦闘機SU-355などの10数年ぶりの大型武器供与も、中国による露製武器コピー問題等で細部調整は難航している。
●中国側は中露間の軍事協力を派手に宣伝するが、露側は抑制的であり、ここに中露関係の本質が見て取れる。対米牽制でも、中露間の温度差は開きつつある

中ロ間のすきま風状況は・・・
習近平2.jpg●中ロ首脳会談の共同声明で、露は第2次大戦の歴史認識に関する文言を拒否、主権や領土などの「核心的利益」を相互に堅持するという表現に関しても、露語では「枢要な利益」という一般的な表現に。
中国側が尖閣問題と北方領土問題を結びつけ、対日共闘を何度も呼びかけたがロシアは応じず、日中関係に関して露は今後も中立的な立場を維持

●05年から開始された中露合同軍事演習も、かつては中露の緊密ぶりを第三国へ政治的にアピールする「外向け」だったが、昨年4月は軍事能力を相互に情報収集する「内向き」の演習に転化した。
●最近、露は安全保障面において中国への警戒感を強めており、中露国境を挟んだ人口格差に加え、中国の教科書が露が中国北部の領土を略奪したと記された事実を警戒し、プーチン自らも、中国からの移民を厳重に監視する意向を示すなど、対中懸念に言及するようになった

「北極海への抜け道」を巡る攻防!?
ArcticPct.jpg●更に露は中国の北極進出を警戒している。1999年以降、中国の極地観測船「雪龍」がオホーツク海を経由して北極海へ向かうようになり、オホーツク海を軍事的な聖域とする露軍関係者の間に波紋が広がっている
中国による「北極海への抜け道」利用に抵抗するかのように、11年から冷戦終焉後初めて大規模な軍事演習がオホーツク海で実施された。昨年7月の演習では、中国艦艇通過のタイミングに、近傍で対艦ミサイル発射訓練が実施されている

●ロシア軍は、国後・択捉両島の駐屯地を整備し、対艦ミサイルの配備を計画するなど、軍近代化を着実に進展させており、冷戦時代の「原子力潜水艦の聖域」に加えて、「北極海への抜け道防止」という、新たな戦略的価値が付与されつつある。
●しかし、ロシアが最も懸念するのは、軍関係者によれば、中国の核戦力である。不可解な「核の先行不使用」を掲げる中国の核政策が疑念の対象で、露が中距離核戦力(INF)全廃条約を破棄して、中距離核を保有したいと繰り返す理由がここにもある。

中国のライバルとの関係強化を模索
RussiaFlag.jpg●露は、中国の伝統的なライバルであるインド、さらには南シナ海の領有権問題で中国と対抗するベトナムとの戦略的関係を強化している
インドとは第5世代戦闘機の共同開発などが進められている。ベトナムとはキロ級潜水艦6隻や原子力発電所の売却建設や、カムラン湾のロシア海軍補給拠点として再生が決まった
米国とは、昨年6月に米海軍主催のRIMPAC環太平洋合同演習に初めて露太平洋艦隊が正式参加する等、新たな段階を模索。

日本に対して、プーチンが領土問題解決に前向きな姿勢を示しているのもこのため。11年9月にプーチンが大統領選挙へ出馬して以来、日露間の首脳会談や外相会談において、日本との安全保障協力をしきりに求めている。昨年9月の日露首脳会談では、北極協力を含む「海をめぐる協力」を具体化する方針が確認された。
中国の北方海洋進出が、露による日米との海洋安保協力を求める誘因である。しかし、日露安保協力は、日本国内でも抵抗感が根強く限界がある。また何より露が、中露関係を毀損してまで、日本に接近することも想定されない

安倍総理のロシア訪問に寄せて
hoppou.jpg領土問題の進展は期待薄である。主張に隔たりが大きく、政治的妥協も許されない国内環境が双方に存在するからである。特にプーチンは「反プーチンデモ」が行われるなど国民の支持が盤石ではなく、領土問題での譲歩は致命傷にもなりかねない

●ロシアの多くの識者が指摘するように、現時点でプーチン自身も明確な対中戦略を有しておらず、日米と中国との関係において、ロシアが自らの立ち位置を模索する中途半端な状態が今後も続くと予想される
●きしむ中露関係を背景に、露は今後も日本との関係強化を求めると予想され、日本側が領土問題で拙速な対応(譲歩)を行う必要はない。中露関係の帰趨をしっかり見定め、日露関係に及ぼす影響を冷静に分析することが先決だ。

●露との交渉には、民主党政権時代から森喜朗元首相が特使として当たっている。戦略的視点を備えた次世代の対露交渉のキーマンを育成することが、領土問題解決の近道ではないだろうか。
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このような見方を提示してもらうと、色んな分野に興味がわいてきます
5月の連休は「肌寒い」天気ですが、何となく少し足取りが軽くなったような、春の陽気に触れた気分になりました。

hyoudou3.jpg最近の防衛研究所は、なかなか手広く良い人材を集めてますねぇ・・・。
ところでロシア問題といえば、防衛研究所では菊地茂雄くんが採用時担当していたのでは???・・いつの間にか「米国の国防政策、政軍関係」に鞍替えしてますね・。これからも面白そうなのに。

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