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X-51A:最初で最後のフル試験飛行成功 [米空軍]



X51A3.jpg1日、過去3回の飛行試験が「不完全燃焼」で終わっていたスクラムジェット推進のデモ機・X-51Aの試験が、初めてフルバージョンで成功しました。

残念ながら、これがデモ機としての最後の試験で、今後この技術がどのように扱われるのか未定ですが、世界中のどの目標でも1時間以内に攻撃可能とするPGSまたはCPGS(通常兵器による世界的即時攻撃:Prompt Global Strike)構想の一翼を担うと「勝手に」解釈している技術です。

「PGSに少し明るい話題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-18
「パネッタ長官はPGSに期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-16
「対中国もう一つの柱PGSは」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-03

これまで3年近く追いかけてきた技術試験ですが、最後になりそうなので、最後の試験とX-51Aについて改めて少し詳しくご紹介します

米空軍web記事は最後の試験を
●「完全なミッション成功だった」と米空軍研究所(AFRL)のX-51A計画責任者は表現した。
●1日の試験はカリフォルニア沖の海上試験場で行われ、X-51Aは6分強で約230nmを飛行し、マック5.1の速度を記録した

●5万Ftを飛行するB-52爆撃機から切り離されたX-51Aは、26秒間ロケットブースターで加速されマック4.8に達し、その後スクラムジェットに点火してマック5.1で6万Ftまで上昇した。
スクラムジェットの燃料が切れるまでの約240秒間、機体はテレメトリー信号を送信し続け、予定通り海面に没するまで約370秒にわたり貴重なデータを送信した。

●本試験は、2004年から構想が始まった約300億円をかけた技術証明試験の最後であり、スクラムジェットの有効性確認のための貴重なデータが得られた
●支援可能な炭化水素燃料を使用して超超音速飛行を実現することが、実用化に向けて必要不可欠だと考えられている。

X-51A技術デモ機の開発目的は
X51A.jpg直接的に特定兵器開発と結びついてはいないが、超超音速飛行(600マイルを約10分で)飛行することで可能になる兵器やISR、更には宇宙へのアクセスへの応用が期待されている
大気中の酸素を使用するスクラムジェットは、ロケットのような巨大酸素タンクが不要であり、より効率的な軌道投入手段として活用が期待されている
●音速の5倍以上(マック5以上)で生じる摩擦熱やエンジン過熱に耐えられる機体やエンジン素材と、高速での安定飛行と機体制御技術の開発も狙いの一つ

研究開発は官民共同で・・・
●米空軍予算により4機のデモ機体を作成。本プロジェクトはAFRL(空軍研究所)とDARPA(国防省の国防高等研究計画庁)が主導し、企業からはボーイングとPratt &Whitneyが機体とエンジン製造に加わっている
スペースシャトルに使用された耐熱タイルに似た素材が使用されているほか、多様な技術が総動員されて機体が構成されている

目標とされた飛翔パターン
●5万ftでB-52から切り離されたX-51Aは、30秒間ロケットブースターを燃焼させてマック4.5まで加速
●ブースターを切り離し後、全く駆動部位がないスクラムジェットの点火に移る。燃料はSR-71に使用された通常のJP-7だけで、ロケットが使用する液体酸素や水素が必要ない所が利点であり特徴
●「ハリケーンの中でマッチに火をつけるほど困難」と言われる点火の際は、エチレン(ethylene)を持ち入る

スクラムジェット点火後はマック6程度まで加速して高度7万ftまで上昇、約240秒分のJP-7燃焼間にテレメトリーを通じて様々な飛行データや機体状況を送信する
●試験終了後は試験海域に海没し、再使用はできない

過去3回の試験結果は・・・
X51A2.jpg発射前の事前確認は2009年12月9日、B-52に取り付けられたまま行われ、テレメトリー等の確認が行われた
1回目の飛行試験は2010年5月26日に実施。スクラムジェット点火に成功して約140秒間飛行、その後30秒間は推力と加速の低下が確認され、テレメトリー信号が途絶え
たため試験を終了。その後の結果解析から、エンジンは排気口付近の強化措置を実施
初の炭化水素燃料での初のスクラムジェット飛行で、別形態(水素を使用)で2004年にNASAのX-43が記録した12秒間の燃焼記録を大幅更新

2回目の試験ではマック5にまで加速したが、JP-7でのエンジン点火に失敗。再始動も試みたが点火に至らず
3回目の試験は機体制御用のフィンが故障してコントロールを喪失、その後海没した。ロケットブースター切り離し後、僅か15秒後の故障発生だった
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X-51A3.jpgスクラムジェットに点火後、あまりスピードが上がらず、高度も予定した程には稼げていないようですが、そこはデータの解析から何らかの分析が可能なのでしょう。

超超音速飛行がスクラムジェットで実現できれば、ある意味「Game Changer」としての役割が期待できただけに、研究がここで中断されるのは残念です。続報に期待です

「PGSのHTV-2試験失敗」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-27
「X-51Aは初期実験段階」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-23
「核抑止の代替?PGSのCSM」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-25

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