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激闘!?:エアシーバトル対オフショアコントロール [Air-Sea Battle Concept]

Okuyama2.jpg気鋭の地政学者である奥山真司氏が、自身のブログ(http://geopoli.exblog.jp/20889536/)とメールマガジン上で、最近National Interest誌上で行われている「エアシーバトルASB対オフショアコントロール論OC」の状況について分かりやすく解説されています

この論争は現在進行形で、8月21日にOC論提唱のハメス氏が反論を掲載したところですが、興味深いものの「夏バテ」でフォローする気力が萎えていたところでした。

まんぐーすは、自分で付けておきながら本記事のタイトルが不適切だと思います
そもそも、ASBとオフショアコントロール論は対比して議論するものではなく前者が軍の戦い方や装備品の方向性を提案するコンセプトであるのに対し、後者はそれらを包含するより大きな政策や戦略レベルの考え方を提示するものですから、両者の組み合わせや融合発展を議論してこそ意味があるからです。

okuyama3.jpg奥山氏は両者の議論を「戦略の階層がそのまま参考になるやり方での議論」と表現されていますが、恐らく同氏も、「戦略の階層」の中でASBとオフショアコントロール論が異なる階層に属していることを指摘しているのだと思います。

また、「向こうの議論というのは、まず極論を出して、それを中庸的なものに集約していくという傾向がありますよね」とのコメントが示すように、「無理やりな対立の構図」を理解しつつも、「大人の事情」から論戦が行われているような気がします

23日付奥山氏のメルマガによれば・・・
(ペンタゴンの対中戦略:「エアシーバトル」をめぐる熱い議論

ハメスの「オフショア・コントロール」という新しく提案された戦略ですが、簡単にいえば以下のようなポイントにまとめることができます。

1,エアシー・バトルは「戦略」じゃない、単なる「戦術」だ
2,だから俺(=ハメス)が新しい「戦略」を考えてやる!

3,「戦略」には「戦争をいかに終わらせるか」という理論も必要でしょ?
4,中国は核を持ってるから、いざ紛争になったとしても核戦争にしちゃいかんだろ
5,だからエスカレーションの誘発は禁止!中国の領空内には入りません

6,この戦略の狙いは、中国の海上貿易を阻止しながら同盟国の領土を守ること。
7,決戦は起こすな、経済消耗戦に持ち込んで「行き詰まり状態」にしよう!
8,最後には中国に「花」を持たせて勝利宣言させろ
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ところが最近になって、ハメスの新しい戦略の提案にたいする批判が出ました。

ハメスの論文にたいして、Elbridge Colbyという元CIA分析官が噛み付いたのです。
その批判論文は7月31日付の「エアシー・バトルを恐れるな」(Don’s Sweat AirSea Battle)というものでして、その内容をポイントごとにまとめると、
http://nationalinterest.org/commentary/dont-sweat-airsea-battle-8804

 1,経済成長が鈍化しつつある中国でもまだ軍備拡大は続く
 2,中国の狙いは自分たちがからむ地域の紛争に第三国である米国の介入を防ぐこと
 3,エアシーバトルの肝は、ハイテクで敵深くに侵入して相手のネットワークを叩くこと

 4,これに対する批判は多い。たとえば「そもそも米国は中国と戦えない」など。
 5,他の批判としては「そんなハイテクには金がかかり過ぎる」というもの。
 6,また、核戦争にエスカレートするという危険を指摘する人もいる。

 7,そのための代替案がハメスの「オフショア・コントロール
 8,しかしこの戦略の問題は二つある。一つはおそらく効かないこと
 9,もう一つは、うまくやればエアシーも核戦争にはエスカレートしないから
 10,たとえば遠距離での海上封鎖なら、中国はその対抗手段を考えるはず
 11,また封鎖にはロシアを含んだ多国との協力が必要

 12,感情的に盛り上がってるときに中国を海上封鎖だけで納得させられるか?
 13,たとえアメリカにとっては封鎖OKでも、同盟国にとっては?
 13,中国が本気になれば同盟国の持つ兵器も上回るはず。

 14,米中は互いに核戦争へのエスカレーションを絶対に防ぎたいと考えている
 15,とくに中国側はアメリカの核兵器の多さなどに警戒していることは注目。
 16,中国はアメリカが核を使用するとは想定しておらず、通常の防空システムを構築中。

 17,戦争を避けることばかり考えているのは良くない。平和が欲しければ戦争に備えよ
 18,この意味で、エアシー・バトルは進められるべきだ
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Okuyama.jpg結局のところは、「そんな都合のよい戦略なんかどうせ効かないのだから、 もっと激しく闘うエアシー・バトルでいいんじゃないの」というハメスに対する批判です。

ところがそれにたいする反論がハメスの方から(8月21日に)すぐ出てきました
(Offshore Control vs. AirSea Battle: Who Wins?)
http://nationalinterest.org/commentary/offshore-control-vs-airsea-battle-who-wins-8920

しかもこれは、まさに「戦略の階層」がそのまま参考になるやり方での議論なのです。
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まんぐーすは、8月21日のハメス反論を十分読んでいませんが、結言は以下です
手短に言うと、同盟国等を納得させられるような、具体的な議論が必要。
●このように希望するから、といった浮ついた主張ではなく、予算状況も考慮した戦力体系や訓練や装備の議論に向かうべき

おまけですが、奥山さん監訳:エドワード・ルトワックの『自滅する中国』(http://goo.gl/RDoyP2)、興味深い良い本です。

まんぐーすのOC論解説は
「オフショア・コントロールを学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-03-13
「ASB批判に5つの反論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-17

岡崎研究所:ASBとOC論融合の勧め
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-09

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