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岡崎研究所が陸軍ミサイル部隊化を擁護!? [安全保障全般]

Forbes1.jpg9日付岡崎研究所webサイトが、「アジア太平洋における米陸軍の重要性」との記事を掲載し、米陸軍の変革を求めつつもその役割を擁護するランディ・フォーブス下院議員(軍事小委員会委員長)による論説を引用しつつ、好意的な評価をしています

特にドロドロした利害が絡む問題に関して慎重な表現ぶりで知られる「岡崎研究所論説集」ですが、米陸軍に対するコメントに止め、陸上自衛隊に全く言及せず、さりげなく日本の国防関係者の頭を刺激する「微妙なタッチ」に苦笑いです
「微妙なタッチ」は原文で味わって頂くとして、概要をまんぐーすタッチでご紹介します

フォーブス下院議員の主張(4月29日付)
National Interest誌ウェブサイトにて公開)
私(フォーブス)は、アジア太平洋地域の安定と同地域への継続的アクセスを維持するため、強固な海軍力と戦力投射能力が極めて重要だと説いてきた。しかし、海軍・海兵隊と陸軍の間のゼロサム・ゲームを意味しているわけではない
陸軍は陸軍で、米国の同地域での国益を支持するための様々な能力を提供する、数多くの機会を持っている

Forbes.jpg第一に、陸軍を、陸を拠点とした攻撃的システムにシフトさせること。陸軍は、過去十年、対ゲリラ戦に焦点を置いてきたが、陸を拠点とする新しい弾道&巡航ミサイル戦力を構築するのに、より多くのリソースを振り向けるべきである。
陸軍の携帯型および地上配備型ミサイルの部隊は、敵国のA2/AD能力に大きなリスク与え、陸軍が地域の安定に貢献できる
●同盟国間で統合されたA2/AD システムは、地域における敵対的行動のコストを引き上げる中国の攻撃抑止のため、パートナー国と陸上配備のA2/AD ネットワークを目指すことは、自然な選択肢である。

第二に防空&ミサイル防衛(IAMD)への貢献。陸軍はTHAADやPAC-3のようなIAMD能力を向上させ、軍の生存性を高めることでより貢献できる。
陸軍がIAMDプラットフォームをより移動可能にし、隠匿可能にすることは、将来の戦闘環境では、重要な投資となろう。

Forbes2.jpg第三に、パートナー国の能力を高めること。地上軍はパートナー国の安保戦略の重要要素で、地上軍との協力強化で、米国とアジア太平洋の同盟国の関係を、より強力に出来る。
●COBRA GOLD等の合同演習は、各国の合同作戦能力を高め、パートナー国に必要な能力構築に役立つ。

第四に任務支援能力の向上。太平洋地域の陸軍は、戦闘訓練、民事部隊、技術者、兵站、軍事諜報、特殊部隊、海外地域担当士官、といった多様な支援組織を持っている。
●これらは、米太平洋軍と関係国の能力を支援強化している。陸軍のこうした活動は、地域における米国の統合および展開や訓練を支え、平時、戦時双方における危機対処能力を高めている。


岡崎研究所コメント
okazaki.jpg予算削減で、軍種間の予算獲得争いが激しく、陸軍にしわ寄せが来そうな状況の中で、米下院軍事小委員会のフォーブス委員長が、陸軍の重要性を強調した論説
地上発射ミサイル部隊の重要性を指摘し、おそらくこの点では誰も異存はない。戦車、火砲、装甲車などの伝統的な陸軍の装備、役割には全く言及していない
●フォーブス氏は軍事には詳しく、バランスの取れた考え方をする人物。陸軍を庇いながら、論旨には違和感を感じさせない

●どの国でも陸軍は人員が多く、海・空と異なり技術習得の負担が少ないために、優れた行政官、戦略家を生み出す余地があり、伝統的には軍の中枢的地位を占めて来た。
●それが主たる削減の対象となるのですから、当然、抵抗はあるでしょうが、この論説は、大局は見失わないで、かつ、良く陸軍の立場を弁護している
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何時ものように、勝手に解釈いたします。
おにぎりマングース.jpg陸上自衛隊は、新しい弾道&巡航ミサイル戦力(又は携帯型および地上配備型ミサイルの部隊)を構築し、同盟国と協力し西側版A2ADネットワークで貢献せよ
●戦車、火砲、装甲車などの伝統的な陸自の装備や役割には期待していない。変革に取り組め

陸上自衛隊はASEAN諸国等の能力構築に精を出し、支援分野で海空自をサポートせよ
●海空自より暇な陸自は、優れた行政官や戦略家を育成し、組織防衛理論の構築や裏工作に精を出してきたが、もういい加減にしろ!

地上部隊(特に陸軍)に弾道・巡航ミサイルや防空等IAMDミサイルを装備させ、ミニA2AD網を構築させるべきとの主張は、米国のシンクタンクや軍事専門家だけでなく、政治家レベルにまで浸透してきました。

日本でも、森本前防衛大臣が退任後にチラリと言及し、陸自研究本部の中澤1佐は「傾聴に値する」と精一杯の支持を論文で表明しています

後は、組織防衛マシーンとなっている陸自上層部や地元利益誘導のシロアリ議員等々を切り崩して行かねばなりません。災害派遣ばかり訴える自治体首長もですが・・・

地上軍ミサイル部隊化の主張と動向
「米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14
「陸軍トップがミサイル重視検討発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-17
「中澤大佐が南西諸島で組織防衛」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-10
「森本前大臣:陸自がミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-05

陸上自衛隊を斬る
「ブラックホール陸自」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-23
「中澤大佐が南西諸島で組織防衛」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-10
「森本元大臣の防衛構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-05
「陸自の組織防衛を許すな!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-17

平成22年大綱見直し時の議論
「読売も社説:陸自削減を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-21
「国防より組織防衛」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-16

戦闘機命派への最後通牒
「岡崎研究所が戦闘機にさじ投げ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-17

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