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外国のF-35整備維持体制も米国が決める [亡国のF-35]

競争によるコスト低減追求は理由の一側面では?
他国に多数購入させ、兵站に投資させたい米国の作戦か?

F-35 Front.jpg6月30日に国防省F-35準備室長Bogdan中将がインタビューで、F-35の維持整備に関し世界を3分割(米国、欧州、アジア)し、各地域内の整備維持拠点のコストや利便性や保全性等を比較検討して最善の体制を選択し、柔軟に継続的にその体制を見直して行く方針を示しました。

そして整備維持業務の分担配分、つまりどの国で維持整備を行うのが最適かに関しては、米国防省が判断して決定すると語りました

これは、文字通り維持整備費をロッキードやP&W社の言いなりにさせないぞとのシグナルにも見えますが、諸外国に広がるF-35維持整備費の高騰懸念への対応ですし、F-35購入候補国の「及び腰」対策です

Bogdan準備室長は立派な人物だと思いますし、この辛い任務に立ち向かう姿勢を人間としては高く評価しますが、この提案は「プンプン」臭います
沢山購入する国には分け前をタップリ上げるよ、整備基盤に先行投資した国は他国の機体も整備させるよ・・等の甘い言葉で、関係国に維持整備基盤への投資や多数機購入への「賭け」を迫る恐ろしい側面を持った手法でもあります

6日付Defense-News記事は
BogdanF-35-2.jpg初めて、世界規模でF-35の維持整備体制がどうなるかについて明らかになった。製造企業が維持整備の中核を担うのか、オープンな競争にするのかがこれまで不明だった
●Bogdan中将も、海軍や海兵隊の機体の維持整備は、各軍種が望めば、効率性の面だけから判断するわけにはいかないと考えているが。一方で、全世界でより多くの機体を運用する米空軍は、維持整備についてコストを考えた体制を考える必要がある

●6月30日のインタビューでBogdan中将は、F-35計画室が3分割(米国、欧州、アジア)した各地域に、どの程度の整備維持所要があり、どの程度の能力があるのかを見極め、米国防省が割り当てを決定すると述べた
●また同中将は「世界での維持整備体制を構築する際に最も重要なことの一つは、柔軟性である。時間の経過と共に変化し続けることである」と述べ、競争の重要性を強調した

F-35Cocpit.jpg●米国防省は既に関係国に、各国の軍需産業基盤を把握し、どの分野で維持整備を受け持ちたいか問いかけている。国防省計画室は、この回答を元にして作戦運用や保全や維持の効率性等々を考慮し、どの国が何を担当すれば良いかをアサインする
●米国防省はまず12月までに、欧州とアジアの機体構造整備とエンジン整備のアサイン先を決定しようとしている。更に主脚や関連部位については2015年に、他の細かな部分は2016年に割り当てを決めようとしている

●Bogdan中将は、維持整備基盤に前向きに投資する国には、一定の整備業務を保護して最低限の業務を割り当てる事を保証すると述べている。例えば、50機購入して主脚の維持設備設備に投資した国は、その機体の整備の割り当てを保証される
●一方で、地域の整備能力を持たない他国機の維持整備に関しては、地域内の最も効率的に業務を行う国に業務が割り当てられることを原則とする考え方である


FACOのある日本とイタリアは特別?
BogdanF-35.jpg●Bogdan中将は、日本とイタリアは既に組立&完成検査施設FACOに投資しており、両国が維持整備に関与する意志があるかは不明だが、一定の役割を果たすだろうと述べた
日本は武器輸出に関する規制を変更した直後だが、複雑な状況にある。しかしBogdan中将は、アジア地域にFACOを保有している点を見逃しはしない(cannot turn “a blind eye”)と語った

●一方で、FACOがある伊と日本を地域の維持整備の中心と考えるのは一理あるが、他関係国の政治や経済事情から単純に割り当てられるものではない
●専門家は「欧州やアジアで、他国に兵站の全てを委ねる事が可能とは考えにくい。何らかの分担を考えないと、原則論だけでは機能しないだろう」と見ている

専門家の見方は?
機体開発のロッキードやエンジン製造のPratt & Whitneyは、世界に維持整備基盤を分散するこの方式で、他者の参入を許すことになる。専門家はこの点に関し、製造企業が全体を俯瞰して維持整備を管理することにも利点はあると考えている
●ただし関係企業等の反応を問われたBogdan中将は、「自分が巻き込まれない限り、皆、競争には賛成する」と哲学的なコメントをしている

F-35-Netherland.jpg別の専門家は、このような施策はF-35の海外需要を意識したものだと見ている。予算削減で米軍需要が期待できない中、維持費の削減策をアピールすることで海外の顧客を呼び込むためだと分析している
●今後の新たな顧客としては、かねてより興味を示しているシンガポールぐらいで、台湾は中国との関係から難しい。イスラエルが運用開始すれば、アラブ諸国、例えばUAEにも売り込みが始まるとの見方もあるが・・。

●この専門家は「将来のことよりも、近未来に安定した需要が求められている。今年間4~6機を発注してほしいのだ。その機数でも10ヶ国集まれば、当面の問題は解決する」とも分析している
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F-35戦闘機の維持整備について全体像を把握していないので、Defense-News記事の解釈が「舌足らず」の可能性もありますので、ご興味のある方は原文をご確認下さい

Rethinking Seminar.jpg最近日本で、武器輸出3原則や共同開発分野で急速に積極的な見直しが進められていたのは、このような背景があったからかもしれません
でも、戦闘機投資の優遇自体が問題ですから、その点では空しさが残ります・・・

国防次官が「米軍の調達機数維持を約束できない」と発言するぐらい瀬戸際に追い込まれたF-35計画です。
今後もこの必死の取り組みを「なま暖かく」見守りたいと思います

「F-35:米国は購入機数維持を約束できない」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-15

「伊が米に製造割当維持を懇願」→
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-01
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