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次期練習機T-X(T-38後継)の要求性能公開 [米空軍]

T-X trainer.jpg18日、米空軍のT-38練習機の後継機となるT-Xの要求性能が公開され、5月10日までに希望企業が申し出ることになったようです。その後、申し出た企業と細部のやりとりを経て最終的には2017年秋に企業と機首を決定し、2022年からの納入開始を要望しています

50年以上使用している420機のT-38後継として、350機を調達予定し、20年間に亘って毎年1000億円以上の調達運用経費が絡む大型契約で、5チームが提案を予定しているようです

このT-X調達は、James米空軍長官が掲げた調達改革の最初のケースとなるもので、「早い段階からの企業との情報共有」、「コストと性能のトレードオフを精査」等々の狙いがどのように実現されるのかに注目が集まっています
本件に関し、色々な関係者が発言していますので、寄せ集めてご紹介します

23日付米空軍協会web記事によれば
T-X trainer2.jpg米空軍教育訓練コマンドのT-X計画部長ダンロップ准将は、「従来の装備調達に比し、10ヶ月も早く要求性能を公開した。これは企業とのより深くオープンな意見交換を行うためである」と述べた。
●同コマンドによると、T-Xは2017年秋に機種を決定し、2022年の初納入以降、2026年~2045年の間の運用を想定し、その間年間360時間の飛行を前提として稼働率80%を求めている

●また米空軍は「off the shelf」航空機に拘らないことから、「Boeing/Saab」や「Northrop Grumman/ BAE」は新デザイン機を提案予定で、「Lockheed Martin」も韓国製T-50が要求を満たさなければ新型機を検討する模様
●その他、「General DynamicsとAlenia Aermacchi」がM-346を改良した機体で、更に「Textron AirLand」がScorpionの改良版で競争に参入する見込み

公開された要求性能には・・
T-X trainer3.jpg●公開された100項目以上の要求性能であるが、特に強調されているのは「sustained G」と「simulatorの信頼性・有効性」と「sustainment」の項目である
●また、老朽化したT-38練習機では出来ない戦闘機及び爆撃機操縦者に必要な訓練が出来ることが求められている

●エンジンの燃費はT-38より1割以上の改善が要求され、空中給油装置も要求されている。外装PODは「weapon systems support pod」と「travel pod」のみ
●米空軍はまた、多様な空対空・空対地の兵器発射・投下を模擬出来る「switchology:スイッチアクション?模擬」が可能なことも求めている

コックピットには「large area displays」を備え、夜間暗視装置や夜間作戦装置と適合した照明が要求されている
●操縦席の広さはT-6と同程度。横風制限は25ノットで、ぬれた滑走路では20ノットとしている

「Aggressor」任務は前提としない
Wolters.jpg●19日、米空軍作戦部長のTod Wolters中将は上院軍事委員会で、「T-Xは将来Aggressor任務を果たすに十分なスペース、パワー、冷却機能等を有しているが、要求性能ではAggressor任務を求めてはいない」、「F-16が同任務を最も効率的に実施している中、T-Xの使用を考えるのは時期尚早だ」と説明した
●米空軍省のWilliam LaPlante調達担当次官も、将来のある時点でAggressor任務をT-Xに期待する事はありあるだろうが、要求性能値はそのオプションを妨げないものとなっていると語った

20日付Defense-News記事は本件を
RAND-AF.jpg●米空軍からの企業への質問には、「将来の能力拡張や変更に関し、どの程度オープンで柔軟性があるか」や「レーダーやパイロンやデータリンクや防御システム等の将来改修に関する阻害要因はあるか」が含まれている
●一方でRobin Rand米空軍教育訓練コマンド司令官は「拡張性」要求には懸念も示し、「これまで行ってきた要員養成訓練が可能なことが重要であり、拡張性は必要だが、適切な費用対効果の範囲内でだ」と語った
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今後の進め方がよくわかりませんが、5月10日以降は応募企業と「意見交換・情報共有」を行い、非公開の細部要求性能を「費用対効果」や「実現可能性」を踏まえて定め、最終的な提案要求に進むのではないかと思います

練習機は「候補機種」が世界中にあり、その中から「誰からも文句を言わせない」選定をするのは大変困難な作業になります
軍需産業政策を担当する米国防省の役人の立場なら、米国企業が選ばれ、なおかつ多くの米企業の共存共栄が図られる企業であることが望ましいのでしょうが・・・

高みの見物・・とさせて戴きます

関連の米空軍動向
「空軍の調達コスト削減戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-19
「シミュレーターが重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-21
「次期練習機は2年凍結?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-19

航空自衛隊も訓練を委託しているT-38
「米空軍T-38練習機の後継争い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-30
「ボーイングがT-38後継を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-18
「T-38に亀裂やトラブル多発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-20-1

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