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慶応の神保氏も主張:台湾の劣勢戦略に学べ [ちょっとお得な話]

・台湾は既に航空優勢を失い、ミサイル防衛も難しい
・今は「負けても、中国に完勝はさせない」劣勢を前提とした兵器体系
・台湾は、日本の5~10年後の防衛政策の参考になる

Taiwan-China2.jpg25日付読売新聞朝刊の第4面に囲み記事「語る:安全保障法制」が掲載され、慶応大学准教授の神保謙准教授が「海空 将来は中国優位」とのタイトルで、安保法制の課題を推進派(まだまだ不十分)の立場で語っています

神保氏は、「グレーゾーン事態」に対する海上保安庁の権限強化が不十分、「PKO協力法改正案」が時代のニーズに追いついていない点などを訴えていますが、まんぐーすが「びびっと」来たのが冒頭紹介の部分です

記事では中国の軍備拡大を描写する中で「さらっと」触れられていますが、台湾の国立政治大学(台北市)でも教鞭を執る神保氏の正しい情勢認識が光っています

台湾に学べの認識は、本年正月3ヶ日に3回シリーズで「CSBAの台湾軍事戦略提言に学べ」として取り上げたテーマですが、まだまだ発信が不十分と反省していたところ、神保氏に「さらっと」しかし「がっつり」訴えて頂き、「我が意を得たりの膝たたき」気分です

25日付読売新聞「語る:安全保障法制」で神保氏
Zinpo3.jpg●日本が集団的自衛権を行使する際の「存立危機事態」は、日本周辺で起こる可能性が高い。朝鮮半島有事で北朝鮮が米艦艇を攻撃した際、自衛隊は米軍を防護することになるはずだ。安倍首相は(中東での機雷除去等ではなく)日本周辺でのケースを重点に説明すべき

中国軍事費は急速に伸び続けており、海洋進出を止めるのは難しい。日本はいつまでも「航空・海上優勢」を維持することは出来ない
台湾は既に航空優勢を失い、ミサイル防衛も難しい。今は「負けても、中国に完勝はさせない」劣勢を前提とした兵器体系に変わっている。台湾の安保政策は、日本の5~10年後の防衛政策の参考になる

まんぐーす注:台湾が既に「劣勢を前提とした兵器体系に変わっている」とは少し言いすぎか。まだまだ最新戦闘機や大型艦艇や大型潜水艦をほしがっており、兵器体系を変えるべきだとの意見が出てきた程度ではないか)

「グレーゾーン事態」法整備に関し
Zinpo2.jpg警察権と自衛権との間に空白が残っている。海上保安官は武器は使用出来るが、正当防衛と緊急避難のために限定されている。
漁民に扮して高度に武装した集団が尖閣に不法上陸したら、とても対応出来ない。かといって自衛隊がすぐに対応したら、軍事衝突の可能性が生じる
海上保安の出来る役割を増やし、装備や権限を拡大した方が、実際の効果は大きい。更なる立法措置が必要

「PKO協力法改正案」について
Zinpo.jpgPKOはこの20年で大きく様変わりした。今、南スーダンなどアフリカで各国のPKOが直面しているのは、テロを目的とした越境型の武装組織による破壊工作や難民襲撃への対処だ。アルジェリア人質事件などその典型だ
受け入れ同意の安定的な維持は困難な時代だ。PKO協力法改正案は、現代のPKOのニーズに合っているかというと、甘い
●正しいと判断すれば、能力に応じてできる限りの国際秩序の構築に貢献することを、日本の安全保障の哲学とすべき
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恐らく、1時間程度のインタビューを、紙面にあわせて「切り刻んだ」のでしょう。
神保氏は「台湾に学ぶ」件をもっと語っていたのかも知れません。読売の記者はその重要性を十分理解していないのでしょう

innovation2.jpgでも本当に嬉しいです。台湾を知る人に「台湾に学べ」と言ってもらえて。
国際政治や日本の外交・防衛政策を専攻し、世界を飛び回る41歳の若手研究者に大いに期待します!!!

CSBA提言の台湾新軍事戦略に学べ
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27

2015年正月3ヶ日の連載
「その1:総論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27
「その2:各論:海軍と空軍へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27-1
「その3:各論:陸軍と新分野に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27-2

タグ:神保謙
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F-35

硫黄島の凄惨な戦いを指揮した栗林中将の様な、かっこいい勝ちにこだわらない柔軟な考え方をしなければならない時代のようですな。愛国心ここに極まれ
by F-35 (2015-06-27 11:14) 

とおる

はじめまして、

さっそくですが、
>「負けても、中国に完勝はさせない」
については、

「負けても」ではなく、正確には、援軍(米軍、国連有志軍など)、国際世論の支持が来るまで、いかに「負けない」かということはないでしょうか?

また、台湾の場合には、基本的には、援軍が期待される台湾本島のみの防衛についての戦略かと思われますが、一方、日本の場合には尖閣を始めとした島嶼(あるいは沖縄も含め)、その他EEZの海洋資源など、南シナ海、ウクライナのようにサラミソーセージ的な(国際法的にもグレーゾーン的な援軍が必ずしも期待できない)侵略に対する対処も考える必要があるのであって、このとき、台湾の例がそのまま適用できるものなのでしょうか?
by とおる (2015-06-27 12:49) 

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