So-net無料ブログ作成
検索選択

2011年以来初:国家軍事戦略NMS公表 [カーター国防長官]

2015 NMS per.jpg1日、カーター国防長官とデンプシー統合参謀本部議長が会見し、まず長官が次の海兵隊司令官候補にRobert Neller中将(海兵隊戦闘コマンド司令官兼ねて欧州海兵隊司令官。カーター長官が副長官時にJ-3で、互いによく知る仲)が推薦されたことを紹介し、次にデンプシー議長が国家軍事戦略(NMS:National Military Strategy)を2011年以来4年ぶりに発表しました

なお、2011年(24ページ)の前は2004年で、そんな位置づけの文書です

発表されたのは本文17ページの文書で、「サプライズの無い」「抽象的で」「あっさり」したものです。
カーター長官が同席の会見で本文書に一切言及せず、デンプシー議長の挨拶文が文書冒頭を飾る事が示すように、政治的なものが入らない、つまり「強制削減」や「予算」との言葉が全く含まれない、軍人の文書です

会見ではデンプシー議長による短いNMS紹介の言葉がありましたが、会見で記者からNMSに関する質問は全くなく、中東情勢に関する質問一色でした。
記者さん達はその位置づけをよくご存じで、抽象的な文書より、「予算」や火の手の上がる「中東」「ウクライナ等東欧」「南シナ海等」の現場の動きに関心があるようです

NMSの現物(約1.2mb)
http://www.jcs.mil/Portals/36/Documents/Publications/2015_National_Military_Strategy.pdf 

デンプシー議長は会見でNMSを紹介し
2015 NMS.jpg4年前にNMSを出して以来、世界の不秩序は拡大傾向に有り、一方で米軍の優位性は浸食されつつある。2015年NMSでは、我々の成功が、軍事的手段で如何に他の国家パワーを支援出来るか、また軍事的手段が同盟国や友好国との連携を促進出来るかにかかっている、との認識に立っている

●本戦略は、継続してより高い機敏性、革新、統合部隊の融合を求めている。また本戦略は、米軍事力が世界の安全保障環境形成に関与するために必要なことを明らかにし、この戦略を生かす人材の育成への関与を新たに確認している

1日付Defense-New記事によれば
●デンプシー議長の冒頭挨拶文は「我々は、伝統的な国家から地域をまたぐ非国家組織までの、多様な挑戦を同時に受けている。そしてそれら敵対組織全てが、急速な技術革新を活用している」、「短期解決する紛争ではなく、長引く争いごとにより多く直面するだろう」と情勢認識を表現している
●また文書に政治や強制削減や予算の話はないが、デリケートな国際問題に対処するため、関係国とのパートナー関係の重要性にも焦点を置いている

2015 NMS chair.jpg●本戦略では、イラン、ロシア、北朝鮮を、特に世界平和への攻撃的な脅威と呼んでいる。中国に関しても同様だが、オバマ政権は中国の発展を支援し、国際社会でのパートナーとして支援したいとの表現も加わっている。
●更に戦略では「これらの国も、米国やその同盟国に対する直接武力紛争を狙っては居ないが、にもかかわらず、どの国も深刻な安全保障上の懸念を引き起こしており、国際社会は集団的に政策、意思表明、共同行動で対応することになっている」と表現している

●本戦略は「今日、米国が国家間紛争に大規模戦力で関与する可能性は低いが、その可能性は増加しつつある」とも表現し、また「ハイブリッド戦」に関し、対ISだけでなく、ウクライナの新露派戦力との紛争にも拡大すると表現している
●また、技術的な優位性がもはや保障されていない状況にあるとの認識を示し、同時に対ISの様な紛争では、技術的優位が勝利を保障しないとも記している

米空軍協会web記事は
●本戦略は「将来の紛争は、急に襲いかかり、長引き、技術的に困難な戦場で戦われるだろう」と述べ、「米本土にもincreasing implications」と表現している
ロシアを「隣国の主権への不配慮」「目的達成のための軍事力使用の意図」と表現、イランについては核開発の懸念と「地域の安定を損ねるテロ支援国家」と表現し、テロ支援先として「イスラエル、イラク、シリア、イエメン」を挙げている

ご参考:米国防省webの関連記事 
http://www.defense.gov/news/newsarticle.aspx?id=129197
/////////////////////////////////////////////////////////

2015 NMS Cart.jpg何もケチを付ける気持ちはありませんが、2011年を最後に放置されてきたNMS文書を、デンプシー議長が退任前にすっきりさせておきたかったのでしょう。
でも「他の国家パワーを支援」「同盟国や友好国との連携を促進」を短い会見コメントで出してくるあたりは、「無い袖は振れない」米軍の実態を端的に示したかったのでしょう

安全保障の論文を書いたり、米軍事を論ずるときの「引用文献」「参考文献」としての活用が最も想定されます。
本文17ページで、比較的大きな字ですので、項目だけでもチラ見しておいて良いでしょう

NMSの現物(約1.2mb)
http://www.jcs.mil/Portals/36/Documents/Publications/2015_National_Military_Strategy.pdf 

2011年にNMSが発表された際の記事(中身無し)
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-09

2011年以来、見直しが無い事への下院軍事委員長の不満
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

メッセージを送る