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スウェーデンが人材確保難で徴兵復活検討 [安全保障全般]

Wallström.jpg13日付Defense-News記事は、スウェーデン外務大臣が、軍の人材確保が困難になりつつあるため、2010年に一度廃止した徴兵制を何らかの形で復活させることを検討する必要があると講演したと報じています
また、世論調査では、7割以上が徴兵制復活に賛成で、反対はわずかに16%だとも報じており、興味深いのでご紹介します

背景について、同記事はあまり詳細に触れていませんが、ロシア軍の活発化等もあるものの、国家として必要な軍事力はしっかり維持しておくことが望ましく、2010年以前の徴兵制が社会全体から見て適切なものだったとの「大人の見識」が国民に共有されているように思います

世界で徴兵制を採用している、または復活を目指している国には、「対ロシアの軍備強化」や「究極の男女平等」や「社会福祉の人材確保」や「国防意識の共有」や「若者の鍛錬・教育」等々、様々な背景がありますが、スウェーデンはどの類型なのか新型なのかはよくわかりません

ちなみに、スウェーデンは人口約980万人で、軍は約1万2千名の軽武装国家(陸軍5.5千人、海軍3.0千人、空軍3.3千人)です
外務省スウェーデン概要
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/sweden/data.html

13日付Defense-News記事によれば
Wallström2.jpg●スウェーデンのMargot Wallström外相は、主要な政治家や国防関係者が出席した「Sälen Society and Defense conference」で講演し、スウェーデン軍が直面している現在および将来の人的戦力確保の問題を解決する有効なオプションを検討すべきだと語った
●そして外相は、2010年に当時の中道右派政権が廃止した徴兵制の復活を示唆し、スウェーデンの国防組織は「近代的な徴兵制度」によって恩恵を受けるだろうと語った

現在政権を担う「Social Democrat-Green coalition」は徴兵廃止の再検討を行っているところであり、外相はこの動きについて言及したものである
4日に報道機関が調査会社に依頼して行った世論調査によると、7割以上が徴兵制復活に賛成で、反対はわずかに16%だとの結果が出ている
●同外相は、国防軍事組織のモデル再構築は、中心となる国防能力の強化につながるだけでなく、災害対処や救難救助や環境浄化に関する文民機関を支援する能力提供にもつながる

Wallström3.jpg●スウェーデン軍は2016年末までに組織改編を行う計画を進めており、本年年初には人の充足を完了している予定であった。しかし現実には1000~1200名の正規兵が不足している
●また「part-time positions」の不足はさらに深刻で、6千~7千人が不足している状況だ。更に予備役も約千名足らない

スウェーデンは2010年に、徴兵制から3~11か月間の志願制訓練に変更した。これは、志願制にすることでよりプロフェッショナルな軍に移行することを選択したのだ
●しかし現在スウェーデン軍は、人員不足が発生している各部隊の状況を改善するため、従来の徴兵制と予備役制度の復活を求めている
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日本の面積の1.2倍の国土があり、人口も1000万人近くあり、ロシアの潜水艦らしい物体が首都ストックホルム沖合で無断接近しているのが発見されて大騒ぎ(2014年10月http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-23)なのに、軍が1.2万人程度とは、流石に19世紀のナポレオン戦争以降は戦争に参加せず、「軍事非同盟」を外交政策の基本として推進(NATO非加盟)する国家です

Swedish forces.jpgODA実績は62億ドル(世界第6位)で、対GNI比は1.1%(世界第1位)。国際平和協力活動(PKO等)に積極的に参加しており、軍縮・不拡散、人権、環境問題等にも貢献

ただ、NATOには非加盟であるものの、2014年9月にはNATOとの「ホスト国支援」に関するMoUに署名するなど、情勢の変化に対応したような動きも見せています
流石に最近のロシアの動きを見て、国民の視点も変わってきたのでしょうか?

なお、同じく自衛隊の人材確保に苦労している日本の場合は、まず陸上自衛隊が「無駄に」維持している巨大な定員を削減し、自衛隊入隊者を海空自衛隊に振り向けることが必要です。
徴兵制なんかにしたら、教育訓練に人員を割かれて極めて非効率です

世界の徴兵制:背景は様々
ロシアの脅威に対抗するため
脅威対処と国民意識の醸成でイスラエル
「ルーマニア・チェコ・リトアニアが復活へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-04
「写真で確認:イスラエル女性兵士」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-27

究極の男女平等のためのノルウェー
国民意識と社会福祉への人員確保のオーストリア
「ノルウェーは女性徴兵へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16
「オーストリア徴兵制維持へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-22

若者の社会教育?とイラン対処
「UAEが徴兵制導入」→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-21-1

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