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2021年に戦闘機搭載レーザー兵器デモへ [米空軍]

Laser HEL.jpg20日付Defense-Newsは、米空軍研究所(AFRL:Air Force Research Laboratory)などへの取材記事を掲載し、「自己防御用」レーザー兵器デモ試験の2021年実施に向け、複数の企業と協力分担して具体的検討に入っており、今年3月には一部システムの契約を開始し、9月にはシステム融合契約を行う予定だと紹介しています

また自動化・自律化システム研究の一環として、有人F-16と無人F-16の編隊飛行試験を既に実施しているとの空軍研究所関係者の話も紹介しています

2017年度予算案では、対中国や対ロシアを意識した研究開発予算が約3000億円確保され、過去数年の「冷や飯」状態を脱しつつある「技術的優位を確保する研究開発予算」ですが、いろいろな「新芽」が見られるようです

2021年に戦闘機搭載レーザー兵器デモ
●米空軍はどの戦闘機に高出力レーザー兵器を搭載するか決定していないが、米空軍研究所(AFRL)の「Shield」計画を担当するRichard Bagnell氏らのチームはF-15を念頭に置いている
米空軍戦闘コマンドACCの支援を受けているBagnell氏らは、F-22やF-16、更にはF-35への搭載も検討している

Laser 3.jpg●2015年2月に発足した「Shield」チームは、「Blue Ray」等に見られる最新の半導体レーザー技術を生かし、10キロワット超の小型レーザー装置を目指している
●同チームはあくまで、脅威環境下で光速のビーム兵器により自己防御する兵器システムの開発を狙っているとBagnell氏は強調した

●レーザー兵器を機体搭載サイズにまとめられれば、ミサイルなどを運搬することなく、エンジンが生む出す電力でレーザーを発射でき、交戦速度や効率性面で飛躍的に優位な位置を確保できる
●米空軍はレーザー兵器を複数の部分に分け、企業に競わせている。例えば、レーザー発生装置部門、ビーム制御照準システム部門、電源・冷却・交戦管理システムの機体搭載部門、システム全体の融合部門などである

●米空軍は、今年の3月には「ビーム制御」契約を、9月には「システム融合」契約を計画している。ただし「レーザー発生装置」は、更なる技術成熟時間を与えるため2017年まで契約時期を遅らせている
●特殊部隊のAC-130に今後数年でレーザー兵器を搭載するのとは異なり、小型で高速飛行する戦闘機にレーザー兵器を搭載するため、「Shield」計画チームは幾つかの問題を克服する必要がある

課題の一つは、高速飛行中に細かく振動する機体からレーザーを正確に照準して発射する技術である。もう一つは、同兵器システム全体を小形化し戦闘機に搭載することである
●課題に取り組み一環として、陸軍のレーザー兵器計画(HEL MD)や、米海兵隊の取り組みとも連携を図っている

自律技術の活用と応用
Laser 4.jpg●米空軍研究所のKristen Kearns研究員は、膨大なISRデータ、例えば無人機が撮影した映像データから、人間が注目して精査すべき部分をフィルターして抽出する「自律化システム:autonomous system」を検討している
●「貴重な空軍兵士に芝が育つのを観察させる様なことをさせたくない」と同女史は語り、同時に分析過程から人間を排除するのではなく、重要な部分に人間の目を集中させたいと考えている

●空軍研究所はまた、有人機と無人機の同一編隊運用を研究しており、既に有人F-16と無人F-16(自律飛行で試験。ただし不測事態に備えて操縦者が搭乗)の編隊飛行を成功させている
●同試験では、編隊飛行後に一端分離飛行に移行して個別ミッションを実施し、再度編隊飛行に移行するシナリオに成功している

●空軍研究所は2022年までに、無人機が自律的に雲などの気象条件を判断して飛行ルートを適切に変更するなどの能力を実現したいと
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Laser 2.jpg数ヶ月前にレーザー兵器の話題を取り上げた際は、「取りあえずC-17で検証し、戦闘機は今後考える」だったような気がしましたが、予算の追い風か技術進歩か、計画がどんどん加速しているようです

照準に関しては、防御のため360度発射可能なことが必要ですが、側方に正確なビーム形成することが難しいとご紹介したことがありました
また、装置の小形化に関しては、装置の冷却が課題になっていると「次世代戦闘機の課題」をご紹介した際にとりあげた記憶があります

「自己防御のみ」とは、出力の関係から攻撃用には不十分だからでしょうか?

関連の記事
「次世代戦闘機の論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「側方や下方のビーム形成が課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-20-1
「米陸軍レーザー兵器製造開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-16
「空軍科学技術諮問会議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-13

レーザー&エネルギー兵器関連
「ACC戦略2015では?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-12
「米空軍幹部が議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-29
「米国DEW兵器開発の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-23

「まずC-17搭載レーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-23
「特殊作戦C-130にレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31
「特殊部隊とレーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-16

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コメント 1

名無しA

米軍及び自衛隊で研究中の艦載レーザー兵器は150kW程度の出力を目標としています
これでもミサイル迎撃には出力に不安があるので、10kWでは限定的な用途になるのでしょう
150kW級レーザーは2000〜3000kW級発電機を複数台積む艦艇だからこそできますが、
大型旅客機ベースのE-767ですら150kVA×2でしかない航空機では、電力の壁が高いですね
リフトファン駆動シャフトで大出力発電機設置の余地のあるF-35Bを除いては、
実用出力のレーザーを運用できる戦闘機は、一から新規開発するしかないと思われます
また、レーザーは消費電力がパルス的なので大出力化すると電力制御の壁が大きくなり、
大型の輸送機や旅客機、爆撃機改造でもないと後付けでは関連機材のスペースが捻出できないかと
既存戦闘機改造でレーザーを積むとなると、レーザー変換効率が跳ねあがらない限りは限定的用途になりそうです
by 名無しA (2016-02-26 20:54) 

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