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B-52が「空飛ぶ弾薬庫:Arsenal Plane」に? [米空軍]

B-52-England.jpgカーター国防長官が2017年度予算案ブリーフィングで言及した「Arsenal Plane:弾薬庫航空機」構想(または通称flying bomb truck)について、10日付軍事メディアScout Warriorは、専門家や国防省高官の話からB-52爆撃機がその役割を担うだろうと紹介しています

ステルス機F-22やF-35の弾薬搭載量が限られていることから、電子戦能力を強化して残存性を増したB-52に、多様な弾薬を搭載可能な改修を施し、最新データリンクや通信機能を搭載させ、 第5世代機や他機が集めた敵情報を生かして、多数の敵攻撃機に対処しようとのコンセプトの模様です

カーター長官が副長官当時の2012年に設立した、迅速な装備化を狙いとした特別チーム「SCO:Strategic Capabilities Office」が担当する「Arsenal Plane」構想だそうなので、10年も時間をかけるつもりはないようです

まずカーター長官の予算案説明時の関連発言
B-52H2.jpg●「Arsenal Plane」は空飛ぶ弾薬庫として機能し、最前線センサーや目標照準装置として機能する第5世代機等の既存システムと連接し、全体として全く新しい能力を発揮する狙いを持っている

●既存システムや民間技術を組み合わせて「game-changingな能力」を、10年とか15年ではない短期間で迅速に獲得するSCOチームが「Arsenal Plane」を担う。
旧式の航空機の一つを利用し、「flying launchpad:空飛ぶ発射台」として機能するよう改修し、全ての多様な既存兵器を発射・投下可能にして攻撃力を増強する(明確にB-52とは言及していない)

お馴染みRichard Aboulafia氏の解説
●B-52は、ステルス機ではないが輸送機に比較すればレーダー反射率は低く、突破型爆撃機ではないが敵防空網に対処する電子戦装備を現在でも備えている
通信装置の改修も始まっており、多様な弾薬を搭載可能にする改修も始まっている。B-52は既に軍用機として存在し、基礎的能力を備えている
Aboulafia3.jpg●現在の空対地能力だけでなく、AMRAAMを搭載して空対空能力を付加することも考えられる

中国などは米軍より多くの機数の戦闘機等を揃える傾向があり、米軍は数少ない航空機でも「Arsenal Plane」のような技術で優位を確保する戦略を採っている
数で勝る敵に、限られた搭載量の少ない航空機で対処しなければならず、この数に対する懸念や航続距離に関する懸念がある。ハイテクで敵の数に対処するのが米国防省戦略の鍵の一つである
●また併せて、有人機と無人機の編隊運用についても研究や実験を進めている

現在進行中のB-52改修施策
IWBU.jpg(注意!→以下説明の改修とArsenal Plane構想との関連は不明。Arsenal Plane構想には2017年度予算案に更なる付加機能の研究開発が含まれる模様)
●現在現役のB-52は76機で、デジタルデータリンク、moving-map displays、次世代アビオ、新通信装置、兵器搭載量増強施策等々が行われつつある。機体構造は強固であり、2040年代以降も使用可能と見積もられている

IWBU(1760 Internal Weapons Bay Upgrade)では、機内爆弾装を改修し、8発の最新Jシリーズ誘導兵器(JDAM、JASSM、JASSM-ER、MALD、MALD-J等)を搭載可能にするが、2017年までにJDAM使用を可能にし、2022年までに他の全てを搭載可能にする計画。従来は翼下に6発搭載のみが可能だった

CONECT.jpg●既に8機が改修を終えている通信機能改修のCONECT(Combat Network Communication Technology)。無線やデータリンク等の改修で、飛行中に音声でなくデータで直接敵情報の変化をリアルタイムで入手できる。従来は離陸前に入手し、攻撃時に15時間前のデータに頼ることがなくなる。CONECTは、2016年中に12機への搭載改修が終了し、2021年までに全機導入が完了する計画

●「ARC 210 Warrior software-programmable」も、地上指揮所や他機とのコミュニケーション能力向上に資する装備である
●「Intelligence Broadcast Receiver」は、Link-16の様な高速データリンクを活用し、ISR情報や目標照準データを迅速に入手するための装備導入も進めている
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B-52 wing-W.jpg「相手の数に対処するため」、「既存能力の組み合わせをSCOで迅速に」との発想には感心しますが、「機体は強固」で「敵防空網に対処する電子戦装備」で能力向上施策も進行中と言われても、強固に防御されつつある西太平洋地域で、どのように「Arsenal Plane構想」をB-52が実現するのか心配な気もします

まだまだ今後関連情報が明らかになるでしょうから、ちまちまフォローしたいと思います

カーター長官が初めて説明Arsenal Plane
「2017年度予算案説明会見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-03

「5世代機がセンサー、無人機が弾薬発射」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-28

B-52関連の過去記事
「もっと能力向上を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-11-1
「海軍と会議後アジア展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-07
「まだまだ能力向上に投資」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-16-1

「海上目標攻撃訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-21
「B-52末っ子が50歳に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-30
「ベテランはあと30年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-06
「50歳B-52は80歳まで」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-21


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