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「kill chain」から「kill web」へ [Joint・統合参謀本部]

ASNE 2016.jpg14日付米海軍協会web記事が、1日に行われた米海軍技術関連イベントでのミサイル防衛に関する米ミサイル防衛庁(MDA)や米海軍関係者の発言を紹介しています。

日本に新たな提案をしていることを示唆する表現や、表題の「kill chain」から「kill web」への発言もありましたので、ぼんやりした感はありますがご紹介しておきます

まだまだ攻撃側ミサイルより防御ミサイルのコストが高いことを問題視したり、レーザー兵器開発に頑張っているとか、同盟国にBMD装備を買えとか、センサーとしてのF-35を試験中だとか、様々な人が色々語っていますので細切れにご紹介します

まず米ミサイル防衛庁(MDA)関係者は
Knudson.jpg●1日に行われた「American Society of Naval Engineers’ annual ASNE Day」イベントで、MDAのOle Knudson副長官(陸軍少将)は、敵のミサイルは量的に増加するだけでなく、回避機動や対抗措置能力を強化して米側等ミサイル防衛システムの対応を困難にしており、真の目標を見極める「識別能力」が重要だと語った
●また、依然として攻撃側ミサイルより防御ミサイルのコストが高いことを問題視し、1発のミサイルで「複数目標要撃が可能な兵器:multi-object kill vehicle」の必要性を訴えた

●更にKnudson副長官は、引き続きミサイル防衛コストが高価で攻撃側に有利な状況から、また米国独自で欧州と中東とアジアに十分なBMDシステムを配備できないことから、米同盟国等はBMDシステムを購入するだけでなく、米国システムと連接して運用すべきだと訴えた
●しかし同副長官も連接運用による情報共有に関しては、技術的な課題だけでなく、政治的な課題が存在する事も認めた。

●同副長官は、最近、同盟国等に対し「cross-domain solutions」に関する「RFI:requests for information:対応可否に関する質問書」を発出し、力強い返答(great responses back)が帰ってきていると表現した
ASNE 2016 2.jpg●具体的な計画や対象国には言及しなかったが、同イベントの別のプレゼンで、Jon Hill海軍少将は「公式な合意はなく質疑の段階だが」、日本がAegis Ashoreに興味を示していると発言している。

●Knudson副長官はまた、「レーザー等エネルギー兵器に勢力を投入し、敵が対抗装置をとる以前のブースト段階での目標識別・要撃能力向上を目指している」、「multi-object kill vehicleと併せて検討している」と述べた
●更に「cross-domain solutionsに関しては、未だ実行段階にはないが、サイバーの視点からも本件を扱うRFIを最近発出したところだ」と語った

米海軍関係者の同イベントでの発言
●米海軍関係者は、米海軍がより多くのセンサーをミサイル防衛に取り込むことに焦点を当てていると語っている。前出の米海軍Hill少将は「センサーの不足を感じており、E-2Dが常時在空が難しい中、他に何が活用できるかを考えている」と語っている
●更に「現在F-35で試験を行っており、NIFC-CAループの中で活用できるか確認している」、「(防空用の)SM-6を対艦用に活用し、射程を延伸する等の取り組みも行っている」と語った

Navy-Air-War2.jpg●イージスシステム担当のTom Druggan海軍大佐は、NIFC-CA構想に多様なセンサーを組み入れることは技術上の挑戦だが、米海軍は真剣に取り組む必要があると語っている
●更に同大佐は「第3者の目標照準情報でのミサイル迎撃が可能になりつつ有り、米海軍では検証済みの素晴らしい技術である」、「次の挑戦はkill chainからkill webへの発展である」と表現した

●そして同大佐は「全ての既存センサーを吟味し、目標情報をSM-6提供する術を見極めている」、「MQ-4、空母艦載無人機、F-35、MH-60R、P-8等々からの全てを兵器管制用データとして活用できないか考えている」と説明した

●また「敵は我々のリンクの1点を攻撃するのではなく、プラットフォームからセンサーまで広範な正面攻撃を行うと想定される。kill chainからkill webへと発展させることで、米海軍ミサイル防衛の多面性や強靱性や強化したい」と語った
●またNIFC-CAに関しては、交戦可能な範囲を8倍に拡大することが可能で、更なるセンサーやアセットの追加でそれ以上の可能性も秘めていると表現した
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日本に強い調子で、そして韓国には更に強い調子で問いかけられていそうな「cross-domain solutions」については知識がありませんが、「同盟国に買わせて米国システムに連接させろ」との判りやすい大原則の下でBMD強化は進められているようです

DF-26.jpg中谷防衛大臣が既に(昨年11月末頃に)NIFC-CA参加する事を検討、との国会答弁をしていたと思いますし、E-2D新規購入との関連も臭わせていたと思います。

美しい構想が描かれているNIFC-CAには期待したいのですが、多数のアセットが中国A2ADエリア周辺で活動できるのか???との疑問に対する答えを米海軍関係者から聞いた記憶がありません

遠方から攻撃するのかも知れませんが、射程4000kmの対艦弾道ミサイルDF-26(DF-21Dの2000kmを凌ぐ)の存在を明らかにした中国に対し、米海軍艦艇群はどこまで接近可能なのでしょうか???

MDAやSM-6関連の記事
「MDAの2017年度予算案解説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-12
「SM-6で対艦攻撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-04-1
「SM-6で弾道ミサイル迎撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-05

米海軍NIFC-CAと関連装備
「日本はNIFC-CAに?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-11
「米海軍のNIFC-CAとは」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26

「Baseline 9 :イージス艦の進歩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09
「NIFC-CAとSM-6連携」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-27
「NIFC-CAで空軍と協力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-23
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