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担当ケンドール次官がレーザー兵器に冷水 [米国防省高官]

レーザー兵器は万能薬ではない
戦力化を決断するレベルに至っていない
「We’re not at the point where we can decide we’re going to put lasers in the force.」

Kendall.jpg7日、国防省の研究開発や装備品調達全般を取り仕切るケンドール国防次官(開発調達担当)は記者団に対し、国防省や4軍が多様な方面で研究開発を積極的に推進しているレーザー兵器に関し、将来の可能性や今後数年間のプロトタイプ作成投資は否定しなかったものの、過度の期待を戒めるよう語りました。

3月にはロッキード社の技術幹部が30kwレベルならいつでもOKと宣伝し、米空軍は2021年までに自己防御用を作戦機に搭載する計画を明らかにし、米海軍は艦艇に搭載して中東海域で試験を行い、陸軍も海兵隊も具体的装備を演習で試験する段階にあるとお伝えしてきましたが、兵器開発の元締めから「冷や水」発言です

「2021年には戦闘機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-21
「米企業30kwなら準備万端」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「米陸軍が本格演習試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14-1
「ペルシャ湾で艦艇試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-13

ケンドール次官の発言はもっともな指摘であり2018年度予算案議論に向け4軍の関係者に対し、レーザー兵器開発予算はしっかり煮詰めて精査してから持ってこい・・・と言いたげな雰囲気を醸し出しています。
新兵器の開発は、敵対国へのアナウンスメント抑止効果と、自国内での秩序ある予算編成とのバランス感覚が求められるものだと再認識した次第です

9日付Defense-News記事によれば
Kendall2.jpg●7日の「Common Defense会議」後にケンドール次官は記者団に対し、30年に亘る国防省のレーザー研究から、同兵器が万能薬であるかのように表現される最近の風潮に否定的な考えを表明した
●同次官は「同兵器が一定の出力や発射様式や重量や大きさを達成できれば有効な兵器になり得るが、戦力化・装備化を決断するレベルに至っていない」と語った

●この発言は、ここ最近の国防省や軍需産業界の関係者による、関連技術が直ぐそこにあるような発言より控えめで慎重なものである
●ただ同次官は、同兵器が進歩すれば国防省に有用だと述べ、今後約3年間に同兵器のプロトタイプに投資を継続することにもコミットし、更なる技術成熟を確認することは明確に認めた

●そして同次官は「エネルギー兵器には多様なプロトタイプ計画があり、それを支える多様な技術研究が行われており、今後3年間で成果が確認できるだろう。その時点をもって、本分野で何を前進させるべきかを決断可能になる」と表現した
●しかし同時に、現時点では効果的な兵器具現化に向けて幾つかの重大な課題が残っていると述べ、必要な出力レベルや自然界での有効性に言及し、雲や雨などの気象条件による影響や大気の影響、敵の防御強化への対策など、レーザーが万能で無い事を強調した

Kendall22.jpg●ただし同次官は、同兵器の小型無人機への潜在的有効性には大いに期待していると語った
●「小型無人機はISILやウクライナのロシア軍が目標照準に使用し、武器使用することもある。この様な目標には現レーザー兵器が有効な場合がある。そんなに遠距離で無い事が多く、大きな出力を必要としないからだ」と語った
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以前、米空軍の研究開発を束ねる女性大将が、レーザー兵器に対し冷静に議論するよう求めていましたが、強面のケンドール次官は単刀直入な判りやすい言いブリです。

でも同時に、ケンドール次官こそが、カーター長官やWork副長官と共に、その実現可能性を追求する体制作りを行った仕掛け人である事も忘れてはなりません

今後の3年間にブレークスルーの可能性は依然残されており、民間の先端技術にいち早くアプローチする体制も整いつつあるし、30年来の夢を追い続けて欲しいものです

レーザー兵器関連の記事
「開発担当女性空軍大将も慎重」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-24

「2021年には戦闘機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-21
「米企業30kwなら準備万端」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「米陸軍が本格演習試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14-1

「米陸軍は2016年前線に投入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-16
「まずC-17搭載レーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-23
「特殊作戦C-130にレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31

「ACC戦略2015では?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-12
「米空軍幹部が議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-29
「CNAS:エネルギー兵器の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-23
「特殊部隊とレーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-16

「米空軍の30年戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-31
「ペルシャ湾で艦艇試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-13
「レーザー兵器の開発動向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-01

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