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CSISが「第3の相殺戦略」特集イベント [カーター国防長官]

主要な役者がそろい踏み!

CSIS GN.jpg28日、CSISが「第3の相殺戦略」にテーマを絞ったイベント「Assessing the Third Offset Strategy」を開催しカーター国防長官やWork副長官、Selva統合参謀副議長らをスピーカーにして様々な視点で議論が行われました

朝8時から午後3時半までの本格イベントで、「第3の相殺戦略」を、カーター長官は技術革新の側面から、Work副長官は軍事戦略全体での位置づけの視点で、そしてSelva副議長は現場の脅威認識の重要性を指摘する形でテーマを掘り下げています

個々の内容は、これまで本ブログで断片的に取り上げてきたものですが、米国防省の大きな取り組みである「第3の相殺戦略」を概観する良い機会ですのでご紹介します。
なおイベント全体は、CSISのwebサイトで映像が公開予定ですので、ご興味のある方は以下のサイトをご活用下さい

CSISの関連webページ
https://www.csis.org/events/assessing-third-offset-strategy?block2

カーター国防長官は新軍事技術に触れ
CSIS Third.jpg●国防省が「第3の相殺戦略:Third Offset Strategy」の一環として追求する無人機の群れ(drone swarming)技術は、今週大きな躍進を遂げた(large step forward just this week)。
●(国防長官は細部への言及を避けつつ、)国防省の戦略能力造成室SCO(Strategic Capabilities Office)が、今後数ヶ月の内に更なる発表を行うだろう

「無人機の群れ:艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10
「海軍研究所の滑空無人機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-04

●無人機の群れはSCOが取り組んでいる「game-changing」技術の一部に過ぎず、他にも米陸軍の「Tactical Missile System」に「cross-domain」能力を付与する技術開発で、皆さんが想定するよりも早期に、沿岸から射程300kmの水上目標攻撃を可能にする
●また弾薬庫爆撃機(arsenal plane)も新たな戦闘能力を生み出すもので、これも想定より早く、紛争抑止力として有効なことを示すであろう

Work副長官は同戦略の位置づけ再確認
CSIS Third4.jpg●「第3の相殺戦略:Third Offset Strategy」には一つの焦点がある。その一つの焦点とは、通常兵器による抑止(conventional deterrence)である
●本戦略は、米国の通常戦力抑止力を強化する事により、主要な大国との本格紛争を回避できるよう期待するものである

ご参考(2015年11月の副長官講演)
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-15
●John Mearsheimerが核兵器時代の大国の定義で示したように、核攻撃に生き残れることによる核抑止力と無敵の通常兵器保有が「great power」には必要である
●「第3の相殺戦略」は一つに目的に焦点を絞っており、それは通常兵器による抑止力を絶対的に強力にし、米国が戦争に巻き込まれる可能性を極限まで低下させることである。他の大国に対する通常兵器による抑止を指すものである

Selva副議長は脅威認識の重要性を指摘し
CSIS Third2.jpg●「第3の相殺戦略」は、解答ではなく質問である。それは潜在的な敵の能力を凌駕するため、どんな能力が我に必要かを問うものである
同戦略には決められたゴールはなく、単に目的地に向けてドライブするのでも、各軍種にどんな装備を購入すべきかを示してくれるモノではない

●代わりに同戦略は、国防省が繰り返し継続的に、敵がどのような優れた能力を蓄えつつあるかを監視し、その敵がどんな脅威を友軍にもたらすかを考え、その脅威への対処が通常戦力抑止を強化するかを自身に問うことを求める
●そのためには、机上演習や実演習を通じた作戦実験が重要で、これらを通じて技術やアイディアを、戦術や手順やドクトリンに取り込んでいくことが解答につながる

●正しき認識された戦術や手順やドクトリンを試し、それらを米軍や同盟国にも伝え、敵が戦場に持ち込むであろう通常戦力に対し、優位を確保する手法を考えなければならない
●そして敵が戦場に持ち込むであろう通常戦力とは、単純化すれば、長射程で、精密誘導で、陸海空だけでなく宇宙やサイバードメインで発揮されるものであろう 
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CSIS Third3.jpg「第3の相殺戦略:Third Offset Strategy」や関連技術については、以下の過去記事でご確認下さい。
国防長官や副長官だけでなく、軍人レベルも含めて米国防省を挙げて取り組んでいる様子が伺えます

一つコメントするとすれば、「通常戦力抑止」が強調して語られているのは、抑止戦略の両輪である「核戦力抑止」分野の維持に巨額の予算が必要な事が明らかになりつつあり、そっちも忘れないでね・・・との思いが詰まっているからだと思います。

Cross-domain能力を追求
「ハリス長官がcross-domainを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05
「副長官が米空軍の尻を叩く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28

無人機の群れ関連
「無人機の群れ:艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10
「海軍研究所の滑空無人機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-04

地上部隊にA2AD網を期待
「尖閣防衛に地対艦ミサイル開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-14
「ハリス大将も南シナ海で期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
「CSBA:米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

カーター長官の技術革新促進
「SCOが存続をかけ動く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-10
「ボストンにもDIUx」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-27-1
「技術取込機関DIUx」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-25

「米陸軍もRCO設立」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-01
「次期爆撃機の要求検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-07
「謎のRQ-180」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-09
「謎の宇宙船X-37B」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-12

Work副長官と「第3の相殺戦略」
「相殺戦略を如何に次期政権に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-04
「CNASでの講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-15
「11月のレーガン財団講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-15

「9月のRUSI講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-12
「慶応神保氏の解説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-26
「第3のOffset Strategy発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-06-1

米軍の核戦力維持は大事業
「戦術核維持に1兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
「ICBM経費見積もりで相違」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
「移動式ICBMは高価で除外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16

「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「SLBMは延命の方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13
「核戦力維持に10兆円?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-09

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