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米空軍が軽攻撃機の有用性確認を開始 [米空軍]

Paolu.jpg6日付Defense-Newsが、4月に米空軍が新技術や新戦略を検証するために立ち上げたミニ組織が、仕事始めに2つの課題に取り組もうとしていると報じ、その一つであるA-10攻撃機を補完する「軽攻撃機」の有効性を検証するため、複数の機種を調査確認していると紹介しています

オハイオ州Wright-Patterson空軍基地にある米空軍研究所(AFRL)内に設置された「Strategic Development Planning and Experimentation Office」は米空軍が限られた予算をどの分野に投資するかを判断するため、演習やシミュレーション等を通じて技術や戦略を確認しようとする15名程度で構成された組織です

4月の記事で本検討室を紹介すると
Pawlikowski6.jpg米空軍が過去1年かけて実施した「Air Superiority 2030」やWork副長官を中心に進められている「third offset strategy」に歩調を合わせ米空軍全体を統一した戦略計画を策定して空軍を導こうとするもの
●「技術分野」に特化したものではなく、作戦運用から兵站、ハードからソフト面まで含む検討を行って米空軍指導層に結果を報告するもの

10名程度の軍人と文民を核とし、更に米空軍内の作戦運用や兵站や計画部門のエキスパートを加え、ソフトとハードの両面から提言
●担当空軍大将は「戦略開発を活発化させる。third offset戦略とも緊密に連携させ、戦略長期計画と将来作戦運用概念も絡め敏捷性を重視」、「空軍の全ドクトリン専門家と前線の作戦運用者を結び付け(marry up)、今後30年のニーズを踏まえ、新技術をデモやウォーゲームや実験を活用して確認し投資につなげる」と説明

●この組織設置の背景を同大将は、「米空軍が長く対テロに集中しすぎ、また組織変更も相次いだことから、戦略的な思考過程を経ずに目先の装備品開発に没入しすぎた反省を踏まえている」と解説
●本検討チームを支える実験やモデリング検証の予算は既に確保されており、エネルギー兵器や超超音速兵器等の可能性を探る取り組みとなろうとも同大将は語った

最初の検討課題の一つは軽攻撃機
Blackhurst.jpg●同検討室長のJack Blackhurst氏は、「複数の軽攻撃機製造企業と協力し、一連のテスト飛行を行っている」と語り、検証実験は135日に渡るもので、軽攻撃機がA-10攻撃機を補完する有用で低コストの選択肢かどうかを判断する資を提供すると述べた
米空軍はA-10を早期退役させ、その整備員をF-35整備員に活用したい意向を持っていたが、議会等からの激しい抵抗で少なくとも2022年までは退役を延期することとなっている

●米空軍のJames Holmes戦略計画部長は、軽攻撃機がA-10の後継機ではなく、あくまでも補完機だと語り、老朽化で維持費が高騰するA-10継続運用費負担を軽減するため、多くのオプションを空軍リーダーに提示している
●その中には、アフガン空軍に提供した「A-29 Super Tucano」、A-29とアフガン提供機を激しく争った「AT-6 Wolverine」、また次期練習機候補の一つである「Alenia Aermacchi M-346」等があり、A-10でなくとも対処可能な過激派対処に活用する事を想定している

●15名で構成される検討室は、秘密事項である検証の様子の細部に言及しなかったが、米空軍リーダーが厳しい予算の中で投資の焦点をより細かく絞るために設置され、今後30年間の航空優勢獲得を確かなものにすべく活動する
A-10 turn.jpg●「軽攻撃機」を含め、2つの検証対象分野を同検討室は考えており、もう一つについても承認が得られれば検証実験棟を開始する予定である

1990年代以前は、装備品を具体的に製造する前に、もっと盛んに実験や試験を行い、技術やコンセプトの有効性を確認してから具体的製造に移行していた。
●この時代に立ち戻り、事前検証やシミュレーションやプロトタイプによる有効性確認プロセスを活性化し、製造ラインを稼働させる前に確認しなければならない。
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4月にこの検討室立ち上げが発表された際、空軍研究所を所轄するPawlikowski司令官は、「エネルギー兵器や超超音速兵器等の可能性を探る取り組み」を検証することを想定していたようですが、目の前の「航空機もの」が最初の検討対象になっていることに危惧を覚えます・・・

もう一つの検討対象が気になりますが、今後の報道や発表を待ちましょう。米空軍研究所(ARFL)という、セクショナリズムと既得権と、頭の固い研究者が多数いそうな組織の中で、どれだけ先見性を発揮できるかに注目です

A-29 軽攻撃機の映像


「映像解説A-29」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-03-02
「泥沼化:アフガン軽攻撃機の選定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-23

関連の記事
「ケンドールが航空機投資を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-25
「Penetrating Counter Air検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「2030年検討の結果発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02

Third Offset Strategy関連の記事
「CSISが特集イベント」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「相殺戦略を如何に次期政権に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-04
「CNASでの講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-15
「11月のレーガン財団講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-15

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