So-net無料ブログ作成

激震:トルコがついにロシア製防空システム契約 [安全保障全般]

トルコ大統領とプーチンが直接判断
NATO運用の根幹にかかわる決別宣言か!

Erdogan3.jpg12日、トルコのエルドワン大統領が、2013年から紆余曲折を経てきたトルコ防空システムの機種選定に関しロシア製の高性能長距離地対空ミサイル「S-400」を購入する契約を結んだと明らかにしました。

同大統領がカザフスタン訪問の帰路に記者団に語ったもので、「プーチン大統領と私で決定した」、「契約書への署名は終わった」、「国防のニーズに基づき、自由に兵器を選ぶ権利がある」などと語り、米国やNATOからの干渉には左右されないとの強い意志を示しています

この選定は2013年に中国製に一端決定したものの、実質トルコの防空を担っている米国やNATOシステムと連接できない等の問題から米国等が猛反発し、2015年11月にはトルコ政府が中国製の選択決定破棄を発表して国産開発の方向を示唆しました。

S-400-launch.jpgその後も、米国、中国、ロシア、ドイツ、フランス、イタリアと関連企業による巻き返しとゴタゴタがつづき、ロシアによるウクライナ侵攻や対ISIS作戦の激化により、関係国間の外交関係が目まぐるしく変化する中で、国家間関係の現状を示す「リトマス試験紙」的な案件として注目されてきました。

しかし昨年10月、トルコ大統領とプーチン大統領の会談で、2013年当時は高価格を理由に排除したロシア製を、再び選定候補に入れて再交渉することをトルコ側が要請し、今日に至っていました。

12日付「Military.com」記事によれば
●12日、エルドワン大統領は「S-400購入契約の署名は終わった。手付金も支払われたと思う」、「私とプーチン大統領がこの件は決定した」とカザフスタンからの帰路に記者団に語った
●また同大統領は「NATO諸国の中では、トルコは米国についで2番目に軍の規模が大きく、国防ニーズに応じて装備品調達を行う自由を保持している」と述べたが、価格等細部については言及しなかった

S-400.jpgロシアの大統領軍事補佐官であるVladimir Kozhinも同日、「契約が結ばれ、契約履行に向けた準備が進められている」と認めている
●NATO高官は「S-400のようなNATOシステムと連接できないシステムを使用するNATO加盟国は存在しない」、「NATOはトルコのS-400購入について何も知らされていない」と不満表明した

S-400は米国製パトリオットと同等もしくはそれ以上の性能を持つといわれる長射程地対空ミサイルで、限定的ながらBMD能力もあるといわれている。
●このためロシア軍のほか、東シナ海沿岸に配備し政経中枢地域を防御したい中国やインドからの受注があり、早期にトルコに供給されるとは考えにくい

●トルコの軍事専門家Aykan Erdemir氏は、「本契約は、トルコが大西洋をまたぐ同盟や価値観の共有から、進路を変えようとしていることを示している」、「当該装備の導入以上に、西側への苛立ちを示す意味合いが強いだろう」とコメントしている
S-400-2.jpg●トルコ議会の野党副代表は、契約には反対しないが、同装備がトルコ国内で製造され、技術移転が進むことが必要だと述べている

●2015年にトルコがロシア軍機を、シリアとトルコ国境付近で撃墜した直後は両国関係が中断したが、2016年に和解したことが今回の契約につながっている
●しかしロシアのクリミア併合にトルコは強く反対しており、両国関係に緊張感がないわけではない
///////////////////////////////////////////////////////////////////

2013年からのトルコ防空システム選定の経緯
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23 

専門家の中には、これは「S-400」という装備導入の直接的影響より、トルコからNATO諸国への政治的メッセージの意味合いが強いとの見方が出ていますが、軍事的にも無視できない話です。

trump5.jpg防空システムの要である長射程地対空ミサイルが、トルコ防空警戒網の大部分を支えるNATOシステムと連接できない(又は情報漏洩を恐れて連接できない)となれば、NATOがロシア製兵器の下支えをする屈辱となり、指揮統制なんかも成り立たないと思います

米国が北朝鮮問題に当惑し、2つのハリケーン被害で更に内向きになる中、世界ではアンチ米国の国々が着実にやりたいことを進めています。あれ・・・中国はどうだったっけ???

トルコ防空システム選定のゴタゴタ
「ロシア製S-400購入の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23 
「SAM選定で露に最接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-12
「中国製決定を破棄」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-16
「トルコ大統領訪中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-30-2

「NATOと連接しない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-20
「4度目の延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-04
「トルコが中国企業と交渉開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-27

米国とトルコ関係の関連
「対ISで露とトルコが共同作戦?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-22
「トルコがF-35追加購入へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-01-1

「駐トルコに家族帯同禁止や特別手当」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-17
「将軍の4割以上を排除」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-11

nice!(4)  コメント(0) 

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
メッセージを送る