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米空軍特殊作戦軍司令官:レーザーに今も熱狂的 [米空軍]

「科学者に聞けば、半分は熱心だが、半分は懐疑的だ。・・・・私は今でもとても熱狂的支持者だが・・」

Webb2.jpg20日、米空軍特殊作戦コマンドのMarshall Webb司令官(中将)が、米空軍協会航空宇宙サイバー会議で講演し、冒頭の言葉と共に、AC-130に将来搭載することを目的としたレーザー兵器のデモ試験を、来年から開始すると発言しました。

何度も何度も取り上げてきたようにレーザー兵器は「いつまでたっても完成まであと5年」と揶揄される代物ですが、弾道・巡航ミサイルによる飽和攻撃や、ロケット弾や無人機の群れ対処等を考えるとき、瞬時に目標に到達し、電力等のエネルギー源があれば弾薬の補給なく何回でも安価に連続発射が可能であること等から、脅威の変化に対応した夢の兵器でもあります

映画「スターウォーズ」が描くような攻撃兵器の主流になるには、まだまだ大電力やレーザー出力の確保、装置の小型化のほか、航空機搭載には振動への対処や照準の問題等々があり、加えて周囲への安全性確保や運用基準の在り方など、まだまだ課題が山積しています

それでも米軍の全軍種が関心を持ち、予算難に苦しみつつも取り組んでいることは確かであり、他軍種の状況も含め、熱狂的なWebb中将の発言等をご紹介します

20日付Defense-Tech記事によれば
LaserAC-130.jpg●Webb司令官は同会議の会場で記者団に対し、「仮に皆さんがレーザーに関わる科学者達に質問したとしたら、半分は熱心だろうが、半分は懐疑的な解答をするだろう」と語りつつ、米空軍はAC-130に搭載することを狙ったレーザー兵器の試験を、来年計画してると明らかにした
●そして「私は依然としてこのデモ試験の熱狂的な支持者だ」としつつ、「米空軍と特殊作戦コマンドは、現代の半導体やファイバーレーザー技術で空対地攻撃が可能なのか? ビームを制御可能なのか? 飛行中の空力的な振動などを克服できるのか?等を、検証するに値すると考えている」と思いを語った

●Webb司令官の前任者であったBradley Heithold前司令官が、2015年に特殊作戦機にレーザー兵器を搭載する「moon shot計画」を明らかにし、60kwまたは120kwレーザーで、地上の車両や航空機や通信アンテナ等を無効化するデモ試験構想を推進したのが同軍での始まりである。

他にも、国防省のレーザー兵器研究には米空軍と国防省研究機関がホワイトサンズ試験場で実施した、General Atomics製の150kw級レーザーの試験があり、ロケット弾や迫撃弾対処、また地対空使用や車両攻撃を想定し実験が行われている
Laser NG2.jpg●これは、DARPAの液体レーザーによるエリア防御システム研究に基づく、「DLWS:Demonstrator Laser Weapon System」計画によるものである

●他軍種では、米海軍は2014年に輸送艦「USS Ponce」に20kwレーザーを搭載しており、米陸軍は今年すでに、Striker戦闘車両から5kwレーザー発射を試験し、来年には50kwの対空レーザー兵器試験を計画している
●Webb司令官は、「2020年代にこの兵器を手にするためには、まだ多くの段階を通過する必要がある。また予算の優先順位からすれば、少しばかりの課題も控えている」と付け加えつつ、「特殊作戦機レーザー兵器のデモを来年計画し、その数年後に航空機に搭載して発射試験を行う方向だ」と語った
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Heithold2.jpgこの記事にも登場する「moon shot計画」をぶち上げたHeithold前司令官は、現在国防省のコスト分析&諸計画評価局の首席次長で、今年7月にはレーザー兵器を評し、「戦場でのレーザー兵器の使用はまだまだ先の話」「Star Wars症候群という、過度の期待に困惑している」と端的にコメントしています

更に国防省の開発担当国防次官は昨年9月に「レーザー兵器は万能薬ではない。戦力化を決断するレベルに至っていない」と、そして米空軍の開発部門を統括する司令官(大将)も「エネルギー兵器は第3の相殺戦略を決定づける兵器になり得るが、出力の大きいレーザー兵器を早期に手にすることは容易ではない」と昨年6月に発言しています。

このような伏線があることから、Webb司令官も「私は今でもとても熱狂的支持者・・」とか「検証に値する」と表現しているところです。
最近、北朝鮮の核やミサイルがらみで、2009年に計画が中止された「Boeing 747-400」搭載のレーザーによるブースと段階での迎撃復活・・・とか言う人がいますが、慎重に足元を固めたほうが良いと思います

Heithold中将が態度急変
「レーザーにはまだ長い道が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-18
「AC-130に20年までにレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06

国防省高官がレーザーに慎重姿勢
「国防次官がレーザー兵器に冷水」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-12
「米空軍大将も慎重」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-24

夢見ていた頃
「2021年には戦闘機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-21
「米企業30kwなら準備万端」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「米陸軍が本格演習試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14-1

「米陸軍は2016年前線に投入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-16
「まずC-17搭載レーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-23
「特殊作戦C-130にレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31

「ACC戦略2015では?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-12
「米空軍幹部が議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-29
「CNAS:エネルギー兵器の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-23
「特殊部隊とレーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-16

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