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米国が長年の禁を改めベトナムへ武器輸出へ!? [Joint・統合参謀本部]

Locklear3.jpg24日、近く交代が予期されるロックリアー太平洋軍司令官が国防省で記者会見を行い、記者からの質問に答える形で、ベトナム戦争終了後から継続している「ベトナムへの武器禁輸」見直し議論が両国間で始まっていることを認めました

ベトナム戦争後の米ベトナム軍事関係は、2010年にゲーツ国防長官がASEAN国防省会合時にベトナムを訪問して壁を突破し、2012年にはパネッタ長官がかつてソ連に支配されたカムラン湾を訪問、更に今年8月にはデンプシー大将が米軍人トップとして43年ぶりに同国訪問を果たしています

中国による南シナ海での力による支配拡大姿勢を受け、ベトナムとフィリピンが正面にたって中国と対峙していますが、石油採掘を巡って大型の中国巡視船がベトナムの小型巡視船を「いじめる」様子は、中国の国際イメージ低下に大いに貢献したところです

29日付米空軍協会web記事によれば
Vietnam.jpg●南シナ海での米国機への異常接近事案等で緊張が高まる中、夏には米軍トップの歴史的ベトナム訪問があり、そして今度は太平洋軍のトップがベトナムに対する長年の武器禁輸撤廃に言及した
●24日、ロックリアー太平洋軍司令官が記者団に、米国とベトナム政府間の武器輸出に関する議論が行われていると語ったのだ

●同司令官は何も決定されていないと念を押しつつも、「ベトナムとの軍事関係を有する軍司令官からすると、同国により良い支援を提供できるよう制約が取り払われるのは前向きな事だ」と語った
●更に同大将は、特に海洋安全保障や状況掌握ツールでの改善を必要としているのではないかとの見方を示す一方で、ベトナムが米国にどのような装備を求めるかが重要だと語った

LocklearPacom.jpg●そして改めて、「両国間の協議は初期段階にあり、どのようなタイプの軍事援助が、どのような目的でベトナムに提供可能かについて話している段階だ」と付け加えた
●「ベトナム自身も多くのパートナーと隣国があり、それに伴って多くの安保上の懸念を抱えているのだ」と語った
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モンゴルの征服を許さず、自力でフランス占領軍を駆逐し、米国に勝ち、中国軍の侵入も退けてきた「骨のある」ベトナムのことですから、米国ともしっかり交渉しているのでしょう。
ベトナムへの支援はハード面での意味だけでなく、ソフト面、つまり中国包囲網の構成面で大いに効果がありそうです。今後の進展に期待いたしましょう

Vietnam2.jpg今年8月、日本政府はベトナム政府に対し、ODAとして巡視船に転用できる中古船6隻を無償で供与することを決めました。「軍事」が絡むとODAの枠組みで扱えないのですが、ベトナム自身で改修してもらうという「知恵だし」の結果です

会見のトランスクリプト
http://www.defense.gov/Transcripts/Transcript.aspx?TranscriptID=5507

米国とベトナム関係
「43年ぶり米軍トップが訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-16
「パネッタ長官がカムラン湾に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-04
「ASEAN会合@ベトナムにゲーツ長官が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-11

「頑張れベトナム」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-18
「ベトナム難民が米艦艇艦長で故郷に錦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-18-1

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韓国のF-35購入契約案(40機)固まる [安全保障全般]

F-35 Korea3.jpg24日、韓国国防省の国防調達局は、40機のF-15Aを購入する条件等について米国政府と合意に達し、数週間以内に正式契約すると発表しました。

これで共同開発国以外でF-35を購入する国は、イスラエル(2010年契約)と日本(2011年契約)に続き3ヶ国目となる。

24日付Defense-News記事よれば
●24日、韓国国防省の国防調達局(DAPA:Defense Acquisition Program Administration)は、F-15Aを購入する条件等について米国政府と合意に達したと発表した。DAPAによれば、40機のF-35Aを約7000億円で購入し、初号機を2018年に受領する予定
●韓国による「F-X選定」は、当初60機調達を念頭にF-15 Silent Eagle に決定したと報じられたが、ステルス性が必要だとの意見が強くなり、調達機数を40機に削減してF-35に落ち着いた経緯がある

F-35 Korea2.jpg●DAPA報道官は「6ヶ月に及ぶ価格とオフセット契約に関する交渉により、技術移転を含む最終契約案をまとめることが出来た」、「技術移転のため、米国政府は数百人の技術者を(韓国に)派遣することで合意した」と語った

●またロッキード社幹部は「契約交渉における決断は、(米韓の)長期にわたる安全保障協力関係を強化拡大し、アジア太平洋地域全体の安定促進に資するだろう」との声明を発表した

国産戦闘機「KF-X」開発計画も発表
同時にDAPAは、国産戦闘機「KF-X」開発計画を発表した。F-4やF-5戦闘機の後継となる機体で、ツインエンジンで高度なアビオニクスを搭載したタイプを少なくとも120機製造する計画である
F-35 Korea.jpg8000億円の開発計画と言われるKF-X計画は、今年12月に担当企業が選定される。「Korea Aerospace Industries」と「Korean Air’s military branch」が争うことになる
●KF-Xの開発経費は、6割が韓国が、2割をインドネシアが、残りの2割を担当企業が負担する事になっている 
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「オフセット契約」と「技術移転」部分が非常に気になります。 韓国はKF-X開発の約9割は自国技術で対応可能であり、残りはエンジンや一部のアビオニクスだけだと言っているようですが、この1割部分を「オフセット契約」と「技術移転」に依存・期待している言われています

エンジンを1個か2個かでは、価格と将来拡張性の兼ね合いで激論があったようですが、拡張性の夢を追って2個になったようです。しかしまだまだ揉めそうですね・・・

関連の過去記事
「韓国:国産KF-Xは2個エンジン」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-22

韓国F-X選定のゴタゴタ・・・
「F-35がらみでKF-X支援要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-31
「韓国F-35に決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-25
「韓国が突如F-35の方向へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-03
「韓国軍F-XはF-15SEへ!? 」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-20

タグ:韓国 F-35 DAPA KF-X
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ボーイングは戦闘機部門を縮小へ [安全保障全般]

「(F-35等の5世代戦闘機が備えるステルス性の欠点を考えると)ステルス技術は危うい。電子戦攻撃機EA-18Gのみが完全な防御を提供できる」

EA18Growler.jpg18日付WSJ紙は、FA-18やF-15の生産が間もなく終了するボーイング社が戦闘機製造に依存しない態勢への移行に備え始めていると報じています。
F-22ではロッキードと共同生産になったものの、JSF受注競争でロッキードのF-35に破れ、空母艦載無人機デモ機でもマクダネル・ダグラスのX-47に敗れたボーイングは、無人機や爆撃機や練習機に軸足を移す方向とか・・・

しかし冒頭のボーイング幹部の言葉が示すように、極めて危うく滅びゆく根拠なき米軍の戦闘機重視方針に対し、ボーイングの技術者は不満いっぱいな様です。

19日付DODBuzzはWSJ紙を引用しつつ
●ボーイング社は、戦闘機を製造しない時代への備えを始めている。
●米国内のみならず世界での軍用機需要が落ち込む中、ボーイング社はFA-18の製造を2017年に終了し、F-15も2019年が最後になる。

FA-XX-Boeing.jpg●ボーイング軍事宇宙部門のChris Chadwick社長は、今年の10月から、戦闘機に変わって無人機や爆撃機や練習機に軸足を移す戦略を開始すると語り、「現実に向き合う必要がある」と述べた
●同社は現在も、「イスラム国」攻撃に活躍しているFA-18E/Fへの予算配分を確保すべく議会に働きかけているところだが、将来に向けた転換を開始する

●今年の米海軍協会総会でボーイング社は、F-35よりも同社製のEA-18G電子戦攻撃機のほうが、A2ADとの言葉で表現される洗練され強固な敵の防空網内での作戦には効果的だと主張してした。
●Mike Gibbons副社長は「(F-35等の5世代戦闘機が備えるステルス性の欠点を考えると)ステルス技術は危うい。電子戦攻撃機EA-18Gのみが完全な防御を提供できる」と明確に訴えていた

●ボーイング社は、米軍全体の所要を見積もると、現在の100機体制に加え、更に50~100機のEA-18Gが必要だと主張し、2015年度予算にも22機を盛り込むべきだと訴えている。
●一方で米軍は、EA-18Gを予算案に盛り込まず、逆に欧州を中心としたF-15Cを51機削減する計画を提出している。下院は12機のEA-18Gを盛り込むよう動いているが、上院で認められる見通しは立っていない
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F-15C-Arctic.jpgボーイングにとっては厳しい変化の時ですが、泥舟F-35にすがっているロッキードより、無人機や爆撃機や練習機に軸足を移すほうが「健全」かもしれません。近い将来には明らかになるでしょう

米海軍トップは「ステルス機は間違いなく今後10年間は有効だろう。しかしそれ以降考えると、私は電磁波を制圧する航空機とコンビを組む必要があろうと思う」と明言しています。
UHF周波数帯レーダーの発達と戦闘機クラスのステルス機の限界は「物理の法則」から来るものであり、日本も謙虚に向き合うべきです

全く別の話ですが、国防省や軍が要求していない装備への予算を、議会の判断で押し込む仕組みに驚かされます。

ステルスと電子戦を考える記事
「ステルス機VS電子戦機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「E-2Dはステルス機が見える!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12

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イスラム国攻撃にUAE初の女性F-16操縦者 [ふと考えること]

UAE-pilot.jpg25日付Defense-News記事によれば、23日に開始されたシリア国内の「イスラム国ISIS」への攻撃に、アラブ首長国連邦(UAE)の女性F-16戦闘機パイロットが参加した模様です。

米国は、今回の攻撃にUAE、サウジ、バーレーン、カタール、ヨルダンの5ヶ国が中東諸国から参戦してると明らかにしていますが、サウジも攻撃に参加した操縦者の写真を公表しているようです

25日付Defense-News記事によれば
UAE-pilot3.jpg●イスラム国への攻撃に関与しているUAE政府情報筋によれば、23日のシリア国内「イスラム国」への攻撃に、UAEの女性パイロットが編隊を率いて参戦した模様
●当該UAE女性操縦者はMariam al-Mansouri少佐35歳で、2007年にアブダビの空軍大学を卒業したF-16のベテランパイロットである
●UAE政府は公式に女性操縦者の参戦を公表していないが、Mansouri少佐はUAE初の女性戦闘機パイロットである

●同少佐の攻撃参加の報道は、ソーシャルメディア上で大きな議論となっており、支持者は彼女の写真をSNSに掲載し、彼女の偉業を讃えている
●一方でISISの支持者は、Mansouri少佐の行動を「犯罪行為だ」と非難している

Salman.jpg●また24日、サウジアラビアは23日の攻撃に参加した8名の操縦者の写真を公開した
●サウジの新聞は、8名の操縦者の一人が、スレイマン王子の息子だと報じている

UAEは全般的に保守的なイスラム国で、女性は頭部を伝統的なイスラムのベールで覆い、黒い「Abaya」というユッタリした衣装を人前では着ている
しかしUAEでもサウジでも、政府は女性の社会進出に努力しており、UAEでは政府の要職に多くの女性が就いている
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UAEが女性パイロットの参戦を半ば公に公表したり、サウジが王族の出撃を明らかにしたり、積極的に攻撃参加をアピールするとは思いませんでした。驚きです
イスラム国への危機感が高い証拠とも言えましょう

UAE-pilot2.jpg米国防省や統合参謀本部が連日のように会見を行っていますが、「数週間ではなく、年単位の戦い」、「攻撃成果の確認を慎重に実施中」との表現が示すように、先のながーーーーい作戦です。

また多くの専門家が指摘するように、空爆だけでは「イスラム国」撲滅は困難との見方が一般的です。華やかに緒戦の成果を誇る中東各国ですが、数ヶ月後にどうなっているのやら・・・

女性関連記事
「対中国航空作戦は女性が指揮へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-03
「アフガン初の女性パイロット」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-31-2
「自衛隊の女性幹部も頑張る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11

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新たな脅威を前に指揮統制C2を再考する [米空軍]

新たな脅威、つまり弾道/巡航ミサイルの拡散や、サイバーや宇宙領域での戦いの激化により、軍の通信網や情報共有システムが脆弱となる事を前提として、新たな時代の指揮統制(C2:command and control)を考えるべきだとの発言が、今回の米空軍協会総会(Sept.15-17)で相次いだようです

22日付米空軍協会web記事によれば
Deptula.jpg元米空軍のISR部長で、現在Mitchell Instituteの航空宇宙研究部長を務めるDavid Deptula退役中将は、CAOC(航空宇宙作戦センター:Combined Air and Space Operations Center)は各地域コマンドの航空作戦の命脈となる中枢だが、脅威の変化を受け、如何に部隊を指揮して指揮官の意図を現場に伝えるかを再考すべきであると語った

●Deptula部長は更に、現在のCAOCは湾岸戦争の教訓を元に1990年代の設計で出来ているが、その後のITや通信情報技術の進歩により、高度なハイレベルの指揮活動から現場の戦術作戦に至るまで、「細部にわたる管理:micromanagement」が可能になっていると述べた
●そして、しかし今や相手は、米軍の指揮統制C2が弱点だと狙いを定めており、現状の指揮統制C2再考に懸命に取り組まねばならない状況にあると訴えた

CAOC2.jpg●太平洋空軍の主力をなす第11空軍司令官のRuss Handy中将は、太平洋空軍は演習において指揮統制の分散に重点を置いて取り組んでいると述べた。しかしそこでは、より前線部隊の指揮統制が注目されるべきだと問題認識を表現した
●Handy司令官は、前線部隊と統合指揮官や、構成部隊指揮官との間に関わらず、実戦においては前線と指揮官との間の意思疎通が「曖昧」であってはならないと語った

Mitchell研究所の取り組み
Mitchell研究所は、新時代の指揮統制C2を検討する研究の第2段階を開始したと発表した。研究タイトルは「Beyond the AOC: Command and Control in the Information Age」であり、2015年春に完成する計画。
command and control.jpg研究の第1弾はこの秋にも公開されるが、そこでは指揮統制C2に関する課題を明らかにし、想定される解決策への道筋(flight plan)を示している模様

●Deptula研究部長は米空軍協会機関紙に対し、本研究の目的は指揮統制システム、その概念と組織について3つの視点、つまり新たな脅威、新技術、迅速さを増す情報の観点から検討することになると語った
●研究はMitchell研究所のほかに、米空軍やDARPA関係者、更に軍需産業や学会からの協力を得て実施される。
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中国を相手に考えるならば、被害状況下で戦うことを前提にしなければならないことが、徐々に米軍内にも浸透してきたようです。
米国より、遥かに中国に近い日本の自衛隊が、この点を全く無視していることが不思議でなりません。

本来、防衛力整備のカモフラージュだったはずの「国際貢献」や「災害対処・人道支援」が、いつも間にやら組織防衛に最大活用される日本の今日この頃
Deptula2.jpgまた、領域領空を監視維持し、あたかも平時の安定を維持することだけが軍事組織の任務であるかのように振舞う防衛省・自衛隊の先行きが心配です・・・

ところで、David Deptula退役中将は湾岸戦争で航空作戦計画立案の原動力として働き、空軍が最も華やかだった頃を中佐・大佐として支えた人物です。時代の変化に対応し、今の時代に必要な研究をリードしているご様子に敬意を表します。

Mitchell Instituteのwebサイト
http://www.afa.org/MitchellInstitute1

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米大統領が朝鮮半島以外での対人地雷破棄を宣言 [安全保障全般]

obama.jpg23日、オバマ米大統領はニューヨークで講演し朝鮮半島以外では対人地雷を使用せず、備蓄も破棄する新方針を打ち出しました。6月にホワイトハウスが発表した生産、取得の禁止に次ぐ措置で、究極的には対人地雷禁止条約(オタワ条約)に加盟する方針(時期には言及せず)も改めて示しました。

対人地雷に関しては、対人地雷の大量保有国で西側諸国にとって潜在的な脅威である中国やロシアやイランや南北朝鮮が禁止条約(日本を含む161カ国加盟:インドとパキスタンも非加盟)に加盟せず、依然好き放題に使用する中にあり、米国内では議論が分かれています

各種報道を総合すると
時事→http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014092300600
毎日→http://sp.mainichi.jp/select/news/20140924k0000e030173000c.html
Defense-News→http://www.defensenews.com/article/20140923/DEFREG02/309230035/US-Bans-Anti-Personnel-Mines-Except-Korean-Border
landmine.jpg米NSCのヘイデン報道官は声明で、「朝鮮半島特有の状況と韓国防衛の義務」により例外地域とせざるを得なかったが、究極的にはオタワ条約加盟を目指すと説明した。韓国防衛に必要なもの以外、備蓄対人地雷を破棄する方針
●1994年に民主党のクリントン米政権は対人地雷廃絶の目標を掲げたが、その後、共和党のブッシュ政権が方針転換。民主党のオバマ大統領は就任直後の2009年、地雷政策の包括的見直しを約束していた

●米大統領は、北朝鮮と韓国が軍事的ににらみ合い、米国が韓国の防衛義務を負うなど「特別な状況」にあると朝鮮半島の例外化について説明した。
●また大統領は、その上で「最終的にはオタワ条約に加盟できる方法を見つける」と発言。国際的な地雷除去活動への貢献を続ける方針も表明

●国務省のサキ報道官は「米国は対人地雷の人道的影響を深く懸念しており、対人地雷対処の世界的リーダーとして、その影響緩和に長く貢献してきた」と述べ、1993年から90ヶ国以上に対し、計2300億円以上の支援を行ってきた点を強調した
●同条約の策定を推進したNGO地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)はオバマ政権の措置について「地雷のない世界に向けた重要な一歩だ」と歓迎すると同時に、朝鮮半島での破棄も進めるよう強く求めた

●米国防省のカービー報道官は「ヘーゲル国防長官は大統領の方針を支持する」との声明を発表した。

破棄に反対する意見
landmine3.jpg●一方で、米国内では使用制限や破棄に対し「米兵を危険にさらす」との反対意見もあり、米下院軍事委員会のマッケオン委員長(共和党)は23日、「失望」を表明した
●議会内の懐疑派は、鍵となる対人地雷大国が禁止条約に未加盟で有る点や、米軍が保有する対人地雷900万発が「自動機能停止型」である点を主張している。
●また、米国は無責任な対人地雷使用国ではなく、かつ現在問題になっている残置対人地雷には米国は一切関与していない点も上げ、一方的な破棄の意味に疑問を呈している。
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理想追求なのか、偽善行為なのか・・・
landmine2.jpg残置された対人地雷によって被害を受ける弱い立場の人々の苦悩から、目を背けることは出来ません。

一方で、対人地雷大国に破棄への動きがない中で、先行的かつ一方的に他国が破棄に進むことが、本当に人類のためになるのかについて、私は疑問を持っています
中国やロシアや北朝鮮やイランの高笑いが聞こえるようです

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次期太平洋軍司令官は日本生まれのP-3搭乗員 [Joint・統合参謀本部]

P-3C US Navy.jpg22日、大統領が次期太平洋軍司令官(PACOM司令官)にHarry Harris海軍大将を推挙した、と米国防省が発表した模様です。

現在Harris大将は太平洋海軍司令官で、日本勤務も3回あるようです。更に公式経歴によると、日本生まれだそうです。

PACOM司令官は、有事には西太平洋での米軍作戦の指揮を執るポストで、対中国作戦の指揮官です!

22日付Defense-News記事によれば
Harris.jpg2013年10月から太平洋海軍司令官を勤めているHarris海軍大将は、現太平洋軍司令官Samuel Locklear海軍大将に代わって米西海岸からインドまでを担当する司令官にノミネートされた
Harris海軍大将は1978年海軍士官学校卒業し、P-3C対潜哨戒機の搭乗員としてキャリアをスタートした。P-3Cでの飛行時間は4000時間を超え、400時間は戦闘行動任務である

●作戦行動参加経験としては、「S.S. Achille Lauro ハイジャック事件」、「Operation Desert Shield/Desert Storm」、「Operation Iraqi Freedom」、「Operation Enduring Freedom」、そしてリビア作戦である「Operation Odyssey Dawn」がある

米海軍の公式経歴によれば
Harris3.jpg日本生まれで、フロリダとテネシーで育った。
●P-3C飛行隊VP-44に初度配置後、次は空母サラトガで戦術作戦士官、ハワイのVP-4飛行隊の作戦運用士官を経験。日本の神奈川県上瀬谷施設にあった、第1哨戒偵察航空団(CPRW-1)または艦隊海洋監視情報施設(FOSIF)または統合情報司令部太平洋分遣隊(JICPACDET)といった重要組織に3度勤務している

第1哨戒偵察航空団のVP-46司令官、グアンタナモ基地、第6艦隊、NATOの攻撃支援軍でも勤務
●また、在日米海軍司令官の副官、統合参謀本部議長のスピーチライターペンタゴンの海軍司令部勤務を3度(戦略コンセプト課、対テロ・戦力防護部長、海軍司令部通信担当N-6部長)を経験

●2011年10月から、統合参謀本部議長の補佐官として国務省の中東和平プロセスを担当。2013年10月に大将に昇任し、太平洋海軍司令官についている
●なお、お勉強は東アジア安全保障が専攻で、ハーバード大のケネディースクール、ジョウジタウン大の外交政策部、オックスフォード大で学んだ経歴あり。またMITの「Seminar 21」研究員も

日本の報道によれば
米国人の父親と日本人の母親の間に、神奈川県横須賀市で生まれた
米海軍で初めて大将に昇任したアジア系米国人
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Harris2.jpg次のPACOM司令官に対潜水艦作戦のプロがノミネートされ、その下で航空作戦の指揮を取るJFACCに女性の戦域管制官が就任する運びとなりました。

かつては、船乗りや戦闘機操縦者に牛耳られていた西太平洋の米軍作戦運用が、新時代を迎えることを示しているように感じます

女性管制官が太平洋空軍司令官に
「決定:PACAF司令官に女性管制官」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-29
「対中国航空作戦は女性が指揮へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-03

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F-35の現状を把握するチャート3枚 [亡国のF-35]

9月15日から17日の間で開催されていた米空軍協会(AFA)総会で、F-35製造メーカーであるロッキード・マーチン社が「F-35の現状」を示す3枚のチャートをプレゼンに使用したようです。

これまでも細切れにご紹介してきた内容ですが、チャートになると「一目瞭然」なので、ご参考までに紹介します
ただ、本ブログのスペースにチャートを掲載するには縮小せざるを得ず、結果、細部が確認できない大きさになります

大きな見やすいチャートは以下の記事に
http://intercepts.defensenews.com/2014/09/the-current-status-of-the-f-35-in-three-charts/

理想的な「F-35事業計画」チャート
●国防省とロッキード・マーチン社が現在想定している理想の予定表
短期的リスクは、エンジン火災に端を発するエンジン改修問題。今年年末までに改修エンジンのプロトタイプが出来なければ、運用開始時期の遅延につながる恐れ
長期的には、「予算の強制削減」によるF-35調達予算削減の恐れ。調達数が減れば単価が上昇し、海外需要を含めた調達数が更に減少し、価格がまた上がる「死のスパイラル」
F-35 slide1.jpg













現在のF-35配備状況チャート(機種別・基地別・国別)
●フロリダのエグリン基地49機、テキサスの工場に21機など、全米8箇所に配備され各種試験や要員の訓練が開始されている。
将来的には、Luke空軍基地が100機以上を引き受けて要員養成の一大拠点となる予定
F-35 slide2.jpg













2014年の主要到達目標チャート
F-35 slide3.jpg












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特別新たな情報はありませんが、見やすいと思いご紹介しました。
大きな見やすいチャートは、引用元を当たって下さい
http://intercepts.defensenews.com/2014/09/the-current-status-of-the-f-35-in-three-charts/

「F-35事業計画」チャートと、日本のF-35導入計画チャートを並べて掲載し、比較しようと思ったのですが昨年も今年の防衛白書にも「F-35」関連の事業計画表は掲載されていません
おそらく、後々変更を迫られることが予期されるので、怖くて掲載できないのでしょう・・・

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米上院が軍関連企業への中国ハッキング調査を公表 [サイバーと宇宙]

Cyber-EX.jpg17日、上院軍事委員会が実施した中国政府が関与する米軍と関係の深い民間企業へのハッキング実態調査が公表され、米軍の輸送を担当する民間企業が1年間で約20回不正アクセスされていると明らかにしました。

また同時に、このような中国によるハッキングの実態を、米軍輸送コマンドの幹部は認識していないとも指摘しました。

17日付Defense-News記事によれば
●上院軍事委員会の報告書は「20回もの米軍関連の兵站企業への侵入は、有事に米軍兵士や装備品を展開させるシステムの脆弱性を明示している」と指摘した
●レビン軍事委員会委員長は「これは単なる民間企業への侵入ではなく、安全保障に関わるネットワーク侵入事案だと認識すべき」と報道陣に語った

LevinOkinawa.jpg●レビン委員長らは、12ヶ月にわたる調査の結果、これまで知られてきた中国政府関与ハッキング以上の実態が明らかになったと警告した
●更にレビン委員長らは「平時における鍵となる国防関連企業への侵入は、中国のサイバー分野でのどん欲な姿勢をより明らかにするモノである」、「我々が戦略的に防御するため、また侵入発生時の情報共有を行うため、より以上の対処が必要であるとの警告だ」と語った

●Inhofe上院議員はまた、「重要な企業、特に小規模な企業で、自社での対処が困難な企業に追加負担を掛けることなく不審なサイバー活動に対応するため、集中対処施設(central clearing house)が不可欠だ」と語った
●レビン委員長は「国防省内にネットワーク侵入情報を集約する部署を設け、必要な所に提供できる仕組みを設置すべきとの提言を行っている」と付け加えた

●更に委員長は「中国政府は今後もこのような活動を継続するだろう」、「これに対処すべく何か手を打たねばならない」、「輸送コマンド幹部は全ての契約企業が知らないうちにハッキング被害を受けていると認識すべきだ」と警告した

主要な報告書の指摘事項
●2008年から10年の間に、中国軍による米軍輸送コマンド契約企業へのネットワーク侵入により、電子メール、文書、パスワード等が流出している
●2010年に発生したある中国軍による契約企業への侵入事案では、文書や飛行計画細部、電子メール解読用のパスワード等が盗まれている
●2012年のある事案では、輸送コマンドか契約している商船の複数のシステムへの侵入が確認されている
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cybersecurity.jpg米軍輸送コマンドは、米軍の輸送機や艦艇だけでは輸送ニーズに対応できないことから、多くの契約企業に輸送を依存しています。
そのため契約企業との間の連絡に一般ネットワークを活用する部分が多く、最もサイバー攻撃を受けている米軍コマンドとして国防省内でも認識されています

米軍輸送コマンド自身も積極的に対応しており、米軍内でサイバーへの組織的取り組み姿勢を高く評価されています。
しかしその輸送コマンドをしてこの状況・・・日本の実態はどうなのでしょうか。

最もサイバー攻撃を受けている米コマンド」 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-22

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サッカー「中進国」脱出を米国に学ぶ [サッカー]

休日企画の「サッカー」カテゴリー記事です

MLS.jpg19日付読売新聞13面の「論点」にJリーグ常務理事の中西大介氏による寄稿「サッカー大国への道 Jリーグ改革 米に学ぶ」が掲載されました。
中西氏は1997年にJリーグ事務局に入り、統括本部長などを歴任。現在はリーグ改革推進を理事として担当する49歳の方です

経済分野で言う「中進国のわな」状態に陥りつつあるJリーグ活性策を探るため、ブラジルW杯後に米国サッカーリーグ(MLS)を視察した同氏の報告をご紹介します

サッカーにおける「中進国のわな」
選手育成環境を整え、国内リーグを充実させてワールドカップ出場には手が届くようになった。優勝を狙う「先進国」とは差があるが、韓国や米国と並び、日本もサッカー「中進国」といえるだろう

MLS2.jpgしかし中進国は壁にぶつかる。国内での選手育成の結果、優秀な選手は欧州引き抜かれ、引き抜いた有力欧州チームはスポンサーやテレビ放映権で莫大な富を得るが、逆に国内リーグは質の低下により魅力を失い、観客数の伸びが、1試合平均2万人を前に「お辞儀」をし始める傾向に陥る。
●こうした状況から脱し、将来の「先進国」入りを目指している日本のライバルの最右翼は米国である

米国サッカーリーグ(MLS)の発展
MLS3.jpg●Jリーグより後の1996年に発足したMLSは、参入希望チームに専用競技場の建設を義務づけ、多くのサッカー専用施設を生んだ。重要で最もハードルの高い要件を、投資家を引き付ける形で達成したのだ
●更に、野球やバスケでのプロビジネスで経験をつんだ人材が野心を持ってMLSへ流入し、経営面での人材確保でも勢いを得た

●加盟チームのオーナーが出資して「サッカー・ユナイテッド・マーケティング:SUM」を設立MLSの放映権やスポンサー販売権を、米国代表チームのものまで含めて委託している。
●このように米国サッカー界全体で「価値の向上」に努め、5月には放映権に関し、8年間の大型契約を成立させた
●また「SUM」の企業価値も高め、株式の売却で約150億円もの資金を確保した

150億円を如何に将来の発展に投資しているか?
まずファンとのつながりもたらすインターネットやデジタル領域への投資
次に選手獲得を支援するため、世界中の選手をデータベース化するシステムの構築
---「MLS発展の鍵は、誰もがこの目で見たいスター選手の存在」が米国の考え
そして指導者の育成への投資
---「今は10人のいい選手より、10人の良い指導者を育成することが大切」との視点

中西Jリーグ常務理事のコメント
MLS4.jpg従来と同質の努力を効率的にするだけでは限界に行き着くことを意識しているのは、「中進国」の中では米国と日本だけだといえる
●しかし、大きな展望を描き、シンプルに戦略を絞って大胆に実施する点では米国が一歩リードしているだろう。
●「先進国」に学ぶことも重要だが、ライバル「中進国」から学ぶことが求められている
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経済分野での「中進国のわな」とは、社会インフラや教育制度を整え、「先進国の工場」として発展途上国を脱し、生活水準が上がって「中進国」にはなれるが、賃金が上がり「工場の役割」が他国に奪われて成長が頭打ちになる事を指します

sotugyo3.jpgここで「わな」を脱出するには、産業構造の変革、革新を促す制度改革、新規参入促進、競争意識を活性化等々、既得権益層の利益独占にメスを入れる等の社会制度に踏み込んだ「痛みを伴う」改革が必要といわれています

この記事には、「サッカー中進国」である日米間の協力の可能性には触れられていませんが、そんな方向にも期待したいと思います

サッカー関連の過去記事
「岡田監督が中国サッカーを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-02-1
「なぜ中国へ岡田監督」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-28
「ザッケローニが語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-30-1

「長谷部誠:心を整える」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-01
「三浦カズにも聞いてみる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-17
「W杯:小野剛さんの分析再び」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-05-2

「川渕三郎51歳の左遷から」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-09-22
「長友を変えた教師」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-22
「駒野を慰めたパラグアイ選手」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-30
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ISIS攻撃の8割は米空軍が実施 [米空軍]

ISIS-OPS.jpg17日付米空軍協会web記事によれば、James空軍長官とWelsh空軍参謀総長が16日の米空軍協会総会で、イラクで実施中のイスラム国ISIS(又はISIL)への攻撃の8割は米空軍機が実施しているが、支援国の要望で細部は明らかに出来ないと語りました

これまで、「イスラム国」への攻撃が報道される際、その映像はペルシャ湾の米空母から発進するFA-18等ばかりだったのですが、その背景には本攻撃への関与を「公にしたくない」イラク周辺国への配慮があった模様です

17日付米空軍協会web記事によれば
JamesWelsh.jpg●「イスラム国ISIS」への攻撃等を行う米空軍機が拠点とするイラク周辺国は、ISISへの攻撃を支援している事を世間に知られたくないとの意向を持っており、その意向に配慮した米空軍は攻撃の細部を語れないでいる
●16日の米空軍協会総会で米空軍長官と空軍参謀総長は、米空軍がISISへの攻撃の中心的役割を担っており、今後も継続するだろうと語ったが、飛行総数以外の細部は明らかにしなかった

●Welsh空軍参謀総長は、これまでに空中給油機が1000ソーティー、ISR機が500ソーティー飛行したと述べ、James空軍長官は、ISISへの攻撃の8割を米空軍機が実施したと語った
●両幹部は米空軍機のHost-nationへの配慮からそれ以上は語らず、他の総会参加米空軍幹部もコメントしなかったが、Welsh大将は命ぜられたことは何でも実施する準備が出来ていると述べた

しかし「名称未定作戦」への予算は必要だ
WelshSen.jpg●15日Welsh空軍参謀総長は、オバマ大統領が先週発表したISIS作戦の名称が未定で、また同作戦への追加予算措置が議会で検討される兆しがないと語った。
●同大将は米空軍協会総会で、ISISへの作戦は2~3ヶ月の間であれば緊急事態対処予算でカバー可能だが、その後の追加予算が認められなければ、他の予算や部隊の即応体制を犠牲にして対応しなければならないと述べた

●参謀総長は2011年のリビア作戦(Operation Odyssey Dawn)を例に挙げ、同作戦の支出が州空軍アセット予算で主にまかなわれ、米空軍予算からも拠出を迫られたが、これにより米空軍全体の即応体制や訓練が大きな影響を受けたと注意喚起した
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作戦名が未決定で、追加予算に関する議会の支援も不透明で、周辺国も支援事実を公表したく無い作戦が対「イスラム国」作戦です。
どの国が米空軍機を受け入れているのか判りませんが、カタール、UAE、ヨルダン、クウェート等々でしょうか・・・

米国防省のwebサイトは、「ISIS」問題で埋め尽くされています。この問題の大きさが、日々増している印象です。

米国防省webサイトhttp://www.defense.gov/

対ISIS作戦の特設ページhttp://www.defense.gov/home/features/2014/0814_iraq/

米軍はイラクで米国製兵器を攻撃?http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-10

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ヨシハラ教授:対中国軍で日本版A2ADを:CNASレポート [安全保障全般]

•日本は、中国の攻勢能力に専守防衛で対応することはできない
•日本の称賛に値する戦術的職人技は、不釣り合いに高価で、発揮は困難
•対称戦は、敵に対して財政的・技術的優位を持つ大国のやり方。日本にそんな余裕はない

Yoshihara-CNAS.jpg12日、米海軍大学のヨシハラ教授がCNASからGoing Anti-Access at Sea: How Japan Can Turn the Tables on China」とのレポートを発表し、中国の軍事力が急進する中で、日本の対応について海上自衛隊を中心に提言しています

日本もA2AD戦略を採用し、中国軍の初動を邪魔して米軍の増援部隊が戦域に到着するまでの時間を稼ぎ、中国にA2AD遂行のコストを負わせよ、との提言です。

また一方で、日本版A2ADを追求すると、ある意味偏った戦力構成にならざるを得ない。その場合、現状の予算規模では、平時からの多様な任務や国際的なプレゼンスのための多用途駆逐艦や高性能航空機の整備との吻合が大きな課題となる、と誠に婉曲的かつ社会人らしいまとめを披露しています。
でも結論は、冒頭紹介の3点に集約されます

以下は「海国防衛ジャーナル」の概要紹介を拝借

現状の認識
Yoshihara.jpg中国の海軍力は軍事・準軍事の面で質・量ともに増大している。
•日本は技術と人的資本の面で優勢を保っているが、数量で追いつくことは困難になっている。
最大の懸念は、日本列島が中国の弾道ミサイルと巡航ミサイルの射程に入ること。ミサイル戦力は、中国の対米抑止戦略の中心(特に台湾有事において)で、米軍基地の使用を難しくし、行動の自由を制限することで台湾への介入を阻止

●この点で中国の軍事作戦立案者たちは、日本にある海軍港や空軍基地に注目。なぜなら、高列度通常戦で、中国軍は日米の航空優勢・海上優勢獲得の重要拠点となる日米軍の空軍及び海軍施設にダメージを与えなければならないからだ。

ASBM DF-21D.jpg●そこで作戦当初に、嘉手納、岩国、佐世保、横須賀といった軍事基地に対してミサイル攻撃を仕掛ける。この攻撃は米軍の行動を制約し、結果として、中国本土への接近を遅らせる

一方、日本の現在の防衛態勢は、中国が日本に不釣り合いなコストを課すことを許容している。例えば海自の対潜能力ASWは世界第二の固定翼ASW戦力を持つが、中国のミサイル攻撃に脆弱
●また海自は「ひゅうが」や「いずも」といったヘリ空母へ投資しているが、中国のミサイル攻撃の格好の標的となる。ASWの例は、海自が今後劣勢を余儀なくされる分野のひとつに過ぎない

対策としての日本による接近阻止戦略
ASBConcept.jpg●この状況を改善させる方策のひとつが、日本による接近阻止戦略採用。東シナ海周辺で中国の空海軍の活動を制限し、彼らの初動を抑え、米軍の増援部隊が戦域に到着するまでの時間稼ぎができる
琉球列島の戦略的位置は日本が劣勢を逆転する機会を与える。A2AD部隊をこの列島に配置して日本が中国軍の列島線への接近を拒否することができれば、米軍はより攻撃的な作戦に集中できる

●潜水艦戦
→冷戦時ソ連の潜水艦を封じ込めたように、西太平洋に向かう中国軍のアクセスを制限
●機雷戦
主要な海峡への機雷敷設は非常に実現可能性の高いオプション。機雷除去は熟練と忍耐が必要な難しい任務で、中国海軍は対機雷戦への備えが十分ではない
●小規模艦艇による防衛
→小規模な琉球列島のインフラや地形を利用した、海自によるゲリラ戦もあり得る

●沿岸配備の各種ミサイル
車両搭載型の対艦・対空ミサイルを列島線沿いに配備。少なくとも中国の戦闘力の一部を束縛出来る。防衛的であり、かつ日本の意志を示す意味でも戦略的にも意義深い
●抗たん性強化
レジリエンス(復元力)が日本の戦略の中心であるが、堅固化も重要。ミサイル攻撃を受けた後のインフラの急速な修復、軍事作戦の継続能力も
●分散と代替施設確保
→現在は、日米の軍事アセットが一部の地域に集中していることが、中国のターゲッティングを容易にしている。国内の民間航空、商用造船所、埠頭などを有事に徴用

日本版A2ADのリスクとコスト
Birds-Tra2.jpg●日本版A2ADの問題もある接近阻止戦略を採用するとなると、より狭い枠の戦力構成に偏るからだ。
沿岸配備の各種ミサイルや阻止用の高速攻撃艇等は、単一任務しか担当できない。一方で日本版A2ADでは期待されない、多用途駆逐艦や高性能航空機は(平時に)シーレーンやエアスペースを保護する能力を持ち、日本の経済力に見合った国際的な責務を果たすことにも役立つ

防衛費が増えないなら、日本は中国を念頭にした接近阻止戦略と日本の大戦略の長期目標の両者のバランスを取らなければならない
●軍事的観点から見れば、日中間で弱者になっていくのは日本である。
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地位も立場も「社会を生き抜く分別」もあるヨシハラ教授は、ヘリ空母「ひゅうが」や高性能航空機(恐らくF-35)を日本版A2ADには「無用の長物」とは表現せず、平時の領空保護や国際的な責務の完遂など「日本の大戦略の長期目標達成のため」と婉曲的に表現して持ち上げています

Yoshihara2.jpg日本や米国のアジア軍事政策担当者向けのレポートですから、選択肢を残しての分析になっていますが、冒頭で取り上げた結びの部分が示すように、「高価で勝ち目のない専守防衛など捨てて非対称のA2ADに取り組まなければ日本の国防など不可能」(まんぐーす解釈)がヨシハラ教授の結論でしょう
ここは素直になって読みましょう。まんぐーすは反論できませんし、そうだと思います

最後に、同レポートご紹介頂いた「海国防衛ジャーナル」に改めて感謝
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50734489.html

CNASの同レポート関連webページ
http://www.cnas.org/anti-access-at-sea

ヨシハラ教授来日時の講演(2011年11月)
上記と同様の主旨の内容です
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-29

ヨシハラ教授関連の記事
「対中国姿勢を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-03-1
「日本自身のA2AD構築を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-29
「米海軍は日本から豪へ移動」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-29-2

日本版A2ADを考える陸軍ミサイル化
「CSBA:陸軍にA2ADミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14
「中澤1佐が傾聴に値すると」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-10
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米空軍将軍が語るF-35、LRS-B、エネルギー兵器 [米空軍]

14日まで開催されていた米空軍協会の秋総会で米空軍の諸問題について幹部が講演等で語っています。

本日はその中から、F-35について国防省のBogdan中将、次期爆撃機(LRS-B)について調達担当のPawlikowski中将、そして特殊作戦コマンドのHeithold中将がエネルギー兵器について語った部分をご紹介します

F-35エンジン改修版は遅くとも年内に
F-35 Sun-Set.jpg●国防省F-35計画室長Bogdan中将は、「(6月に火災を起こしたエンジンの改修版を)今年の年末までに、少なくともプロトタイプを手にしたい」、「プロトタイプが機能すれば、そのエンジンをF-35に投入したい」と語った
●6月の火災の原因については、今月末までに明らかにすることになっているが、現時点で明らかになっていない

●F-35に関しこれまで問題になっていたHMDや空母着艦用フック等については、解決されたか、解決の道筋が示されている。
●一方で、エンジン、ALIS(兵站支援システム)、シミュレーター、mission data filesで新たな問題が発生している
●上記のような問題はあるが、Bogdan中将がより懸念しているのはソフト開発であり、また強制削減の影響を受ける予算問題である。
2016年度予算に強制削減が再び降りかかる事を考えれば、現計画の調達数増加が可能かが懸念である

次期爆撃機(LRS-B)について
LRS-B4.jpg●米空軍の調達担当Pawlikowski中将はLRS-Bについて、来年の春か夏には企業選定を終えたいと述べた。
●同中将は「過去数年の間に、空軍は成熟して利用可能な技術を見極め、要求性能を煮詰めてきた。来年には契約企業を決定し、製造を開始し、試験に進みたい」と語った

●次期爆撃機(LRS-B)についてはこれまで、2020年代半ばに運用を開始し、80~100機を調達し、1機当たりの価格が550億円程度で、有人と無人の両タイプがあり、核任務のオプションもあり、強固に防御された空域を突破して任務を完遂できると明らかにされているが、同中将も要求の細部については明らかにしなかった

●それでも同中将は「長射程の兵器を組み合わせて世界中での活動が期待され、現存の兵器だけでなく、開発されつつある未来の兵器も搭載可能なように考えている」と語った
●更に、技術の進歩を踏まえ、より処理速度の速いプロセッサーやセンサーを用い、ステルス機でさえより遠方で発見できる高度な防空網を突破して困難な目標を攻撃可能なモノを目指しているとも語った

周辺被害を局限するエネルギー兵器を
Lase-UK.jpg●米空軍特殊作戦コマンドのHeithold中将は、可能な限り早急に導入したいと語った
●同中将は、1989年のパナマ作戦(Operation Just Cause)を例に、AC-130の20mm機関砲で周辺住民に大きな被害をもたらした作戦を反省し、当時から爆弾やミサイルを使用すること無しに、相手の通信や発電施設を無効化する手段を求めていたと語った

●「当時もエネルギー兵器を要望したが、その時代には20mm機関砲の代替になるエネルギー兵器装置は、小さな会議室1個分の大きさがあった」と振り返った
●同中将は「技術は成熟しつつあると最近のこの総会で感じている。具体的な時程は決めていないが、可能ならば2017年度予算で要求したい」と語った
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F-35に関しては、全く見通しが立っていないとの印象です。またエンジン問題に隠れていますが、ソフト開発、ALIS(兵站支援システム)、シミュレーター、mission data filesでまだまだ課題が山積な様子が覗えます

LRS-Bに関しては、ステルス技術の将来が危ういことを米空軍も感じ取っている様子が覗えます。米海軍はこの点を強調してF-35からの逃避を狙っていますが、ステルスにだけにすがっている日本のような購入国には「ショックな」話でしょう

特殊作戦コマンドが求めるエネルギー兵器は、簡易EMP兵器のイメージのようです。レーザーだけでなく、この分野にも日本は注目すべきでしょう。

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米空軍は考え方を曲げない:A-10全廃を [米空軍]

WelshSen.jpg米空軍は今後も継続するであろう「強制削減」等の厳しい予算状況に対応するため、単一機能しかなく代替機種が存在するA-10全廃を2015年度予算に提案していますが、議会からの反発にあって成立が難しい状況です。

14日付Defense-Newsは、もし議会が許さなかったら2016年度予算案ではどうする? との視点で空軍参謀総長等の意見を聞いています。結論は来年も追及する・・・です。

14日付Defense-News記事によれば
A-10ship.jpg今年3月、米空軍がこの厳しい選択を含む予算案を発表した際、強制削減を見据えた現実的な予算案だとの見方が多かった
しかし米空軍の予算案は議会の強力な壁に直面した。A-10全廃にしても、U-2偵察機全廃にしても、ほとんど議会の支持を得られていない

●予算案に関して一度成立しなかった案をもう一度押すことについて、必ずしも良い結果は得られないと懸念する空軍幹部がいる一方で、8月のインタビューでWelsh空軍参謀総長は「米空軍のこれまでの分析結果を尊重すべきだ」と語った
●参謀総長は「昨年正しい答えだったものは、恐らく来年も正しい答えだろう」、「毎年答えを変えていたら、毎年異なる人達から反対を受けることになるだけ」と続けた

●更に「軍サイドの見方はまっすぐで、軍事分析もクリアーだ。我々はこの分析結果を共有しているし、継続して誰とも共有して行きたいと思う」、「軍サイドの回答としてその正しさには疑問の余地は無い。もしだめだというなら、代替案を示すべきだ。そうすれば前進できる」と言い切った

Eaglen.jpgAEIマッケンジーの研究員は米空軍が軽々に方針を変更すべきでないと主張している。彼女は「これまでグローバルホークよりU-2偵察機が良いと主張していた米空軍が、突然逆を言い出したようなことは変節は悲劇だし災害だ」と訴えた
●更に同研究員は「米空軍指導部は議会に対し、自分たちの決心とその背景にある分析への信頼感を取り戻さなければならない」、「昨年の決断を追い続けることに意味がある」、「政治的に言えば、空軍は二度と変節出来ない」と述べた

●2016年度予算案は2015年度のコピーではありえない。強制削減が撤廃されないなら、F-35やKC-46A調達数も少数ながら削減しなければならない。またMQ-9無人機や特殊作戦機MC-130Jも削減されるだろう
最も議論を呼びそうなのがKC-10空中給油機の全廃案だ。

●種々の反対が予想されるが、Welsh参謀総長は先制攻撃でこう述べた、「いろんな人が色々意見を述べるだろうが、だから米空軍はどうすべきかについて最適のアイディアを軍として示すのだ」と。
●更に「議会には最終決定をする権限がある。米軍は議会の考えに基づいて修正をする。しかし米軍がベストだと考える案を拒否するなら、どうすべきかを示すべきである」と訴えた

A-10全廃不可なれば何を削減?
U-2 22.jpg●米空軍高官は、F-15やF-16の削減を示唆している。A-10全廃が議会で受け入れられないなら、350~400機のF-15やF-16を削減しなければならないだろうと予言している
A-10全廃により4200億円の予算削減を見積もっていたが、それが許されないなら更にB-1削減にも手をつける必要があるとも付け加えた

●いずれにしても、米空軍の予算編成担当者たちは、強制削減がある場合と無い場合の両方のケースの予算編成に取り組み、その過程では2015年度予算案の編成の考え方を踏襲する。
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Welsh4.jpg以前にもご紹介しましたが、Mark Welsh空軍参謀総長はA-10の操縦者でした
自身が最初に操縦した機種を全廃するという苦しい決断を下し、その決断を貫こうとしています。そこには空軍としての信念があります

一方、何処かの組織では「空気を読め」とか「風を読め」とかいう言葉が流行りだそうです。信念なく、決断もなく、改革なき組織は内側から腐っていくのでしょう・・・
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中国近傍で脆弱でも米軍は前方展開を維持せよ [ふと考えること]

ASBConcept.jpg11日付岡崎研究所「世界潮流を読む」は、スタインバーグ(前国務副長官)とオハンロン(ブルッキングス)氏がその著書「Reassurance and Resolve in East Asia」の概要を解説した論文を取り上げ、中国との紛争を早期エスカレーションさせるような軍事計画を避け、長距離打撃力重視や米軍の前方配備軽視の考え方を戒めるべきだと主張しています

具体的には、エアシーバトル(ASB)一辺倒は中国の誤算を生む可能性があり、中国近傍の米軍基地の脆弱性を懸念してより遠方からの長距離打撃力に依存することは、同盟関係を弱くすると訴えています。
そして執るべき手段として、細部に言及がありませんが、「関与とヘッジ」戦略を応用した単純ではないアプローチを提唱しています。

ASBへの評価は納得出来ませんが、日本としては有り難い主張でしょう。しかし論文に記述はないモノの、当然日本の軍事戦略にも大きな変革を求めるモノでしょうから、頭の体操にご紹介します

まずご両人の論文概要は
RIMPAC2010.jpg●東・南シナ海で領土摩擦が続く中、米国は、国益と同盟の約束を守るとともに、紛争を避ける戦略を必要とする。この戦略は難しい。ただ米国は、対アジア政策を軍事的な圧倒的優位がなくなることを前提に、色々な要素を組み合わせ、紛争時にエスカレーションを管理しうるものにすべきである

●軍事的には、米国は中国の台頭に対応するために軍をより近代化しなければならない。また中国がA2AD能力を強化する中、米国の基地、海軍力の脆弱性をどう克服するかが問題である。
●我々の著書は単純ではないアプローチ、つまり、「関与とヘッジ」戦略を応用し、経済的誘因などを活用すると同時に、もしもの為に軍事力を維持することを推奨する

●軍事的なヘッジを「エアシーバトル(ASB)概念」の米軍事力維持で主張する人がいるが、一方的優位を求めれば、中国との軍拡競争になる。
●またASBの主張者は、中国のミサイル基地等への先制攻撃を主張し、それを米領土からの長距離兵器で行おうとするが、これは紛争初期に大規模なエスカレーションを引き起こしかねず、避けるべき
●また「バトル」との言葉が危険で、エア・シー・オペレーションとして海賊対策などを含むより広いものにする方が良い

ASBM DF-21D.jpg全面戦争に至らない解決のための戦略がいる。米国は、事の重要性に応じた措置の選択肢を広く持つべき。この際、経済的、政治的措置、軍事プレゼンスが有効であった冷戦時代の教訓も学ぶ必要がある。
●どんな技術的優位も完全な脆弱性克服をもたらさない。航行の自由や同盟関係を守るために対中国攻撃能力に頼ると、中国の指導者が尖閣諸島のためにロサンゼルスを犠牲にする用意を試しかねない

米国の戦略は「関与とヘッジ」戦略を応用し、決意と保証を組み合わせたものであるべきで、それが中国の指導者に地域の領土問題でより協力的姿勢を取らせる最善の策である


この論文を高く評価して岡崎研究所は
LRS-B4.jpgASBは、大規模エスカレーションを想定して米本土からの長距離打撃力で中国本土の軍事施設を破壊する計画で、エスカレーションのはしごを駈け上るような構想であるとの両名の指摘は的を射ている
●エスカレーション管理は難しい問題だが、はしごの段数は多いほど、途中で登るのをやめたり下りたりできるので、費用はかかりるが、そうしておくべき

●米本土からの長距離攻撃との発想は、中国近傍基地は脆弱との発想から来ます。狭い軍事戦略的にはそうで、オフショア・バランス論もその系統に属します
しかしこれは同盟網を弱めることにつながります。その損失は計り知れません。危なくても中国近傍に前進配備することが肝要
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自称「日本で最初にエアシーンバトルを紹介した」まんぐーすとしては、ASBが変に「抽象化されカテゴライズ」されて批判されるのは辛いですが、議論の一環として受け入れましょう。

しかし、「中国近傍基地が脆弱」だから「長距離攻撃」が有効だと考えることを、「狭い軍事戦略」だと言いきるにあたっては、日本として十分注意する必要があります

BMrange.jpg上記議論や主張に関連して注意が必要なのは、「ASBは危険論」や「エスカレーション反対論」や「長距離攻撃危険論」や「関与とヘッジ戦略」を持ち出し、自衛隊の組織防衛に利用する「悪党」が存在する点です

エスカレーション防止のため柔軟性のある有人戦闘機による航空優勢が大事だとか、中国も経済が大事でエスカレーションは望まないから弾道や巡航ミサイルによる大規模攻撃はあり得ないとか、地対艦ミサイルは相手を刺激するから離島に歩兵が張り付いて死守するのが一番だとか・・・・

自衛隊の現組織体制を死守するため、「紛争を避ける戦略を必要とする」との理論を悪用・曲解する「悪党」が防衛省・自衛隊やそのOBに多数見受けられます
それら自衛隊の悪党に共通するのは、上記論文も大前提で重要性を指摘している「基地や戦力の脆弱性克服」を無視する点です。脆弱性無視の姿勢は、サイバーや電子戦の軽視姿勢にも顕著に表れています。

米国の有識者が「国益と同盟の約束を守るとともに、紛争を避ける戦略を必要とする。この戦略は難しい」と真剣に悩んでくれているのに、その難しい環境を利用して「組織防衛」を図る「悪党」を許すまじ!!!
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露が米の世界即時攻撃PGS構想に対抗へ [安全保障全般]

Rogozin-RU.jpg10日、ロシアのDmitry Rogozin副首相は、米軍によるPGS構想に対応するため、ロシアの核部隊や宇宙防衛部隊を近代化すると語った模様です。

米軍のPGS構想とは「prompt global strike」の略称で、世界中のあらゆる目標を1時間以内に攻撃できる態勢整備を目指すモノです

10日付Defense-News記事によれば
X-51A2.jpg●インターファックス通信によれば、ロシア副首相は「ロシアのPGS戦略に対する対応は、我が戦略核部隊や関連部隊、戦略ロケット部隊や海軍部隊の近代化更新を行うことであり、我々が策定したばかりの計画に基づく航空宇宙防衛システムでの対応である」と述べた
●国防政策を担当する同副首相は、プーチン大統領が開催した国防予算に関する政府会議の後に同発言を行った。

●なお、この会議でプーチン大統領は、西側諸国がNATOを復活させるためウクライナで騒ぎを起こしていると非難している。
●またプーチン大統領は冷戦時のような言い回しで、「NATO戦力の増強、欧州やアラスカにおける米国主導のBMD網の整備、そしてPGS構想への取り組みのような、新たな脅威が出現しつつある」と不満を表明した

Putin.jpg●そしてPGS構想についてプーチンは「いわゆる世界の非武装化理論に取り組む輩がいる」と言及した
●米国防省が構想し開発を進めるPGSは、核を使用しない通常弾頭で世界中のあらゆる目標を1時間以内に攻撃することを狙う計画

●同じく10日、ロシアのYury Borisov副国防相は、ロシアは(米国のPGS構想により)新型兵器に対処するための技術開発を迫られているが、あくまでも防御兵器であると強調し、ロシアが防御的な国であることに変わりはないと主張した


米国防省のPGS構想を復習
●「世界中のあらゆる目標を1時間以内に攻撃」ために考えられた兵器には、ICBMやSLBMの弾頭に通常弾頭や分散する金属片等をを搭載するタイプ(米陸軍のAHW(Advanced Hypersonic Weapon)や米空軍のHTV-2)や、大気圏内をスクラムジェット等の新エンジンで超超音速で飛翔するタイプ(米空軍のX-51A)などが考えられています

HTV-2.jpg●一時、潜水艦発射のSLBMに通常弾頭を搭載する案の方向で収束しつつあるとの報道もありましたが、弾道ミサイルを発射手段に使用するタイプは、相手に「核攻撃」だと誤解される恐れがあり、慎重な見方が出ています。
●ただ、大気圏内を超超音速で飛翔するタイプも実験の失敗が続いており、技術的な壁と予算の制約から開発が順調とは言えません。最近も実験失敗の報道があったような・・・
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米国内のPGS開発状況を詳しく承知していませんが、順調ではないことは確かであり、ロシアが今の時点でPGSへの対抗措置を持ち出したのには驚きました。

何となく・・・、米国のPGSを上手く活用し、ロシア独自のミサイル防衛や宇宙兵器開発に乗り出そうとしているのかもしれません

PGS関連の過去記事
「PGSに少し光り??」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-18
「パネッタ長官はPGSに期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-16
「X-51Aは初期実験段階」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-23

「対中国もう一つの柱PGSは」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-03
「核抑止の代替?CSMについて」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-25
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