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CSBA:ヘーゲル長官に習い陸軍にA2AD部隊化を要求 [ヘーゲル国防長官]

米陸軍に前方展開型A2ADを担うミサイル部隊化を要望

CSBA-beyond-coast-artillery.jpg10月29日、シンクタンクCSBAが「沿岸防御火砲を超えて:全ドメイン拒否作戦と米陸軍」(Beyond Coast Artillery: Cross Domain Denial and the Army)とのレポートを発表し、米陸軍の作戦コンセプトを批判しつつ、ミサイル部隊や火砲を増強して敵の行動を阻止し、海空軍を支援せよと訴えています

ヘーゲル国防長官も10月15日に陸軍協会総会で米陸軍は誘導兵器や火砲や防空ミサイルを活用することで、陸上防御任務からイージス艦を解放できる可能性があり、検討する価値があると訴えたところです。
米陸軍より中国の最前線にある陸上自衛隊には、より切実な問題として認識してほしいモノです

レポート原文へのアクセスはこちら
http://www.csbaonline.org/publications/2014/10/beyond-coast-artillery-cross-domain-denial-and-the-army/

29日付Defense-Newsによれば
CSBA Eric Lindsey2.jpg●米陸軍は依然として、展開して陸地を占領する任務に存在価値を見いだしているが、10月中旬にヘーゲル国防長官が促したように、伝統的な沿岸防衛や領土防衛に戻るべきではないかとの声が挙がっている
●29日にCSBAのEric Lindsey研究員が発表したレポートは、ヘーゲル長官の示唆を発展させ、米陸軍の新たな役割「cross-domain denial:全ドメインでの拒否作戦」を提唱している

●ヘーゲル長官が陸軍協会総会で語ったように、CSBAのレポートは、米陸軍に地上から海や空ドメインにおける拒否作戦の遂行を期待している。
●そしてCSBAは、単に沿岸地域を防衛するだけでなく、敵の動きを制約する前方展開A2AD戦力としての役割を陸軍に期待している

●中国陸軍はレーダーや防空装備や対艦ミサイルにより米国や同盟国に対しアクセス拒否を行うが、米陸軍は米国の戦略的海洋通路を見渡す「砦」や砲兵陣地を配備していない
米陸軍は、海洋チョークポイントをなす東シナ海やペルシャ湾やバルチック海で、火砲、防空&ミサイル防衛装備、多連装ロケット等を活用できるだろう

CSBA Eric Lindsey.jpg●地上部隊の本任務における利点は、海空戦力に比し、防御強化が容易、分散や隠すのも容易、弾薬等の補給も容易な点である
●予算縮減の中ではあるが、米陸軍はまず作戦コンセプトを定め、机上演習を行い、同盟国等と既存の装備でまず実験してみる事は出来るだろう

●CSBAのLindsey研究員は、ヘーゲル長官の陸軍協会講演の直前に米陸軍が発表した作戦コンセプトを批判している。同研究員やヘーゲル長官が望む「拒否任務」を、十分に含んでいないからである
●CSBAの研究も更なるアイディアを求めている分野がある。地対地兵器や他の地上からの海空ドメインへの戦力投射手段もその一つだ。


ヘーゲル長官の陸軍協会講演
ワシントンタイムズ紙の報道
First D-News.jpgヘーゲル長官は、米陸軍が真剣に「U.S. coastal defense force」に検討すべきだと講演で述べ、「このような任務は陸軍にとって未知のモノではなく、1812年以降、100年にわたって従事したモノである」と付け加えた
●長官は「米陸軍は誘導兵器や火砲や防空ミサイルを活用することで、陸上防御任務からイージス艦を解放できる可能性があり、検討する価値がある」と訴えた。
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CSBAは以前から米陸軍に対し、攻撃&防御両面でのミサイル等装備を充実させ、前方展開型A2ADを遂行する作戦コンセプトに重点を移せ、と主張してきました

「米陸軍にA2ADミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

でも喜ばしいのは、ヘーゲル国防長官がその方向性を検討すべきと公式の場で発言したことです。
Rethinking Seminar.jpgしかし残念ながら、同講演を紹介する米国防省web記事http://www.defense.gov/news/newsarticle.aspx?id=123425)は、関係部分の発言を一切紹介していません。国防省側と陸軍側でせめぎ合いがあるのでしょう

日本は、つまり陸上自衛隊は米陸軍よりも先に、A2AD部隊化を進めるべきです
これまでも繰り返し主張してきましたが、9月に米海軍大学のヨシハラ教授もCNASから、自衛隊に同方向の変革を迫るレポートを出した所です

「ヨシハラ教授:対中国軍で日本版A2ADを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-18

元防衛大臣の森本敏氏も同様のアイディアを
元防衛相が「中途半端に」防衛構想を語るhttp://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-05
陸上自衛隊による地上発射ミサイル全ての運用案(A2AD部隊化案)も含む

陸上自衛隊は、たぶん依然として、以下の中澤論文のような路線で抵抗するのでしょうが・・・
「中澤1佐がA2AD案を傾聴に値すると」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-10

米国防省と米陸軍間での「どろどろ」の争いは続くのでしょうが、外堀は確実に埋まりつつあると思います
早く陸上自衛隊も「Give Up」すべきです。
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マケイン議員が国防省報道官を「馬鹿者」呼ばわり [米国防省高官]

McCain5.jpg米上院の重鎮で上院軍事委員会の主要メンバーであるマケイン上院議員が、イスラム国との戦いに関する同上院議員の発言へのJohn Kirby米国防省報道官(海軍少将)のコメントを強く批判し、同報道官を「idiot:馬鹿者、愚か者」と呼び捨てました

日本のどこかの政党のように「揚げ足取り」を得意技にするつもりはありませんがイスラム国との戦いの実態を浮き彫りにしたような事案ですので、「idiot事件」としてご紹介します

23日付DODBuzz記事によれば
●マケイン上院議員はかねてより米国政府の「イスラム国」対応に批判的で、2年前にシリア国内が反アサド派とISIS原型グループにより混乱し始めた当時から、これらに抵抗する反政府グループに武器を提供すべきと訴えてきた
●そして最近マケイン議員は、現在のイスラム国と米主導多国籍軍との戦いを表現し、「イスラム国側が勝利を収めつつある」と公言し続けている

Kirby1.jpg●マケイン議員が問題にしたのは、Kirby報道官が報道陣から「ISISが勝利しつつある」との議員発言に対してコメントを求められた際の対応である
●同報道官は質問に歯切れ悪く「Well, I’m not going to — I would just tell you that we believe that — let me put it this way」とコメントをはじめ、「長い戦いとなる。困難なモノとなろう。反撃されることもあるだろう。勝利することあるが、部分的な敗北を記することもあろう」と対応したのだ
●更にKirby報道官は自身の対応が明確さを欠く事を認めるように、「誤魔化すつもりはないが、複雑な状況なのだ」と語った。

マケイン上院議員は「idiot」と
McCain6.jpg●マケイン議員は出演したノースカロライナ州のWAAV AMラジオ番組で、番組司会者が同報道官の対応を取り上げた際、「この愚か者カービィー提督がコメントを求められ、・・・」と表現したのだ
米国防省はマケイン発言にコメントしていないし、同報道官もメディアに対し「ノーコメント」としている
マケイン議員の事務所に問い合わせても回答はない

●当時米海軍の広報部長だったKirby少将は、昨年12月、ヘーゲル長官により国防長官の報道対応秘書官かねて主席報道官に命ぜられたが、パネッタ長官時代にも主任報道官を経験し、その前にはマレン統合参謀本部議長の報道対応補佐官も務めた経験豊富な人物である
Kirby2.jpg●軍事関係の報道関係者間ではKirby少将への評価は一般に高い。本件に関しても「マケイン議員よりKirby報道官が品よく見える」とか、「マケイン議員に怒りを感じる。謝罪すべき」との見方の報道関係者が多いように思う
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犬も食わない事件ですが、「イスラム国側が勝利を収めつつある」との直球発言に、報道官も言葉を濁さざるを得なかったのでしょう。
それにしても・・・「イスラム国」恐るべしです

あの残忍さと恐怖で統治を急速に拡大し、同時に世界から人を呼び寄せる魔力を持つ組織・・・。誰も予想しなかった急激な事態の進展に、ゲーツ国防長官の言葉を思い出しました

ロバート・ゲーツ語録62
(ゲーツ語録100選より:http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19
→ベトナム戦争以来、次にどこで軍事力を使用するかの予想において、我が国の指導者は完璧な記録を更新している。つまり完璧に外し続けている
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-07-1

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中国海軍とイラン海軍が協力強化へ [中国要人・軍事]

China-Iran Navy.jpg23日、訪中したイラン海軍司令官が中国海軍司令官や中国国防相と会談し、両国海軍による外洋での演習等の協力関係強化を進めることで合意した模様です。

イランと中国の関係は、独善的な面があったアフマディネジャド前大統領時代に停滞又は後退しましたが、2013年に就任したロウハニ新大統領の登場で改善に向かっているようです

今年9月にホルムズ海峡に臨むイラン海軍基地を中国艦艇が訪問した事を弾みとして、両海軍関係が進展しそうな予感です。イラン海軍は中国海軍から見れば「小さな」海軍ですから、イランが中国から得るモノが多いのかもしれません

27日付米海軍協会web記事によれば
China-Navy-top.jpg●23日、訪中したイラン海軍司令官Habibollah Sayyari少将は、中国海軍司令官のWu Shengli(吴胜利)大将と会談した。イラン海軍司令官はイランのメディアに対し「実質的な協力の進展と軍事関係強化のために訪問した」と語った

同日、Sayyari司令官はChang Wanquan(常万全)国防相とも会談し、両海軍の連携強化について議論した。
中国国防省は国防相との会談について、「常万全大将は、両軍関係が相互訪問や訓練やその他の分野で良い協力を行っていると述べた。両国海軍の交流は実り多く、相互の艦艇訪問は成功裏に行われてきたとも表現した」とプレス発表を行っている

●中国とイラン発の報道によれば、両国間での(軍事)技術協力強化についても協議が行われたようだが、細部は明らかになっていない
●一連の会談の後、両者は共に初の外洋での共同演習(first-ever bilateral blue water naval exercise)への関心を表明している。9月の中国海軍艦艇によるイラン海軍基地訪問もあり、気運が生まれた模様だ

●ロウハニ新大統領の就任で、アフマディネジャド前大統領時代の(良好でなかった)両国関係を転換させるような動きが生まれている。
●また27日付Jane’sは、「イスラム国」の勢力拡大で、中国は中東での権益やエネルギー確保のための戦略を再検討し、イランとの軍事協力推進に舵を切ったのではないかと分析している
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China-Iran Navy2.jpgイラン海軍は、3隻の旧式キロ級潜水艦と米海軍のフリゲート艦の半分の大きさの水上艦艇を保有する程度で、あとは小型ボートや小型潜水艦や機雷を備える程度の海軍です
この規模をどう捕らえるかは見方によりますが、ホルムズ海峡やペルシャ湾で騒動を起こし、世界経済に一撃を与えることは十分可能だと思われます

9月にはルーヤン2級とジャンカイ2級の2隻が、イランのBandar Abbas港(ホルムズ海峡に臨む港湾)を訪問し、限定的な捜索救難訓練を共同で行ったようです
両者が示唆した「外洋での共同演習」は象徴的な意味の計画でしょうが、中東の石油に依存する国にとっては「心中穏やかでない」両国の接近です

イラン関連の記事
「イスラエル無人機を撃墜?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-25
「米ステルス偵察機をコピー?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-13
「F-35情報が中国&イランに流出?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-14-1

「脅威イランの小型潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-15
「イラン核施設の完全破壊は困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-02

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新韓国大使にMark Lippert氏就任 [米国防省高官]

Korea-Amb3.jpg24日、米国務省において次の駐ソウル米国大使の就任式がケリー国務長官の主催で行われ、最近までヘーゲル国防長官のスタッフチーフやアジア太平洋担当の国防次官補を務めた、謎の怪人Mark Lippert氏が就任しました。「謎の」修飾語を付けたのは私の好みで、日米関係に関与する皆様にはお馴染みの人物なのでしょうが・・・

同就任式の終盤に、オバマ大統領がサプライズで駆けつけたことから韓国メディアは大喜びです。オバマ大統領は上院議員時代からLippert氏をスタッフとして重用しており、その親密さに韓国側が喜んだわけです
なおご紹介する写真は、同日夜、在米韓国大使公邸で開かれたLippert氏を歓迎するレセプションの写真で、米国防省webサイトが掲載したモノです

韓国Yonhapnews英語版によれば
オバマ大統領は、24日金曜日に国務省で行われたMark Lippert氏の駐韓国大使就任式にサプライズで現れた。
●式典も終わりかけの時点で駆けつけた大統領は、駐米韓国大使のAhn Ho-young氏に、「Mark Lippertに沢山ブルコギ(オバマ大統領の好物)を食べさせてやってくれ」と依頼したとAhn大使が夕方のレセプションで明らかにした

Korea-Amb.jpg41歳のMark Lippert氏は、歴代韓国大使の中でも最年少である
●Lippert氏は長くオバマ大統領のアドバイザーを務め、ヘーゲル国防長官の補佐官も務めた人物である

アジア太平洋担当の国防次官補として2011年から12年の間に勤務経験のあるLippert氏は、朝鮮半島情勢や地域全体の問題に精通した専門家として知られている
●同日夜の韓国大使公邸でのレセプションでLippert氏は、「両国関係は世界で最も重要な関係の一つである。両国は深く価値観を共有しており、またその価値観を守るため、共に戦った歴史を共有している」と述べた

●ヘーゲル長官は同レセプションで、「韓国大使のポストに、Lippert氏より適した人物を思い浮かべることが出来ない」と大使就任を祝い、「重要な同盟国で、重要な友人で、重要なパートナーである」と韓国を表現した
●Lippert氏は来週(10月27日の週)、韓国に赴任する予定である
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Korea-Amb2.jpg今の韓国は、米国の目にどのように映っているのでしょうか?
オバマ大統領が「側近」を送り込むぐらいですから、「てこ入れ」したいことが沢山あるのでしょう

日韓関係について、米国から「ごり押し」されたくはないですが、Lippert氏の重要な任務の一つになりそうな気がします。
ケネディー大使とLippert大使の連携・・・もあるのでしょうか? それにしても日韓の大使は対照的なタイプの人選になりました・・・・

Mark Lippert氏関連の記事
「国防長官の首席補佐官へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-07
「オバマのアジア担当は?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-14-2
「米比関係に飛躍の予感」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-27-1
「謎の人物・Mark Lippert氏」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-20

「韓国:戦時作戦統制権移管の無期限延期 」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-25

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韓国:戦時作戦統制権移管の無期限延期 [ヘーゲル国防長官]

Korea-2014.jpg23日に米韓国防省会談、24日に米韓2+2がワシントンで開催され、23日の国防省会談で2015年12月に予定していた在韓米軍から韓国軍への戦時作戦統制権の移譲を再び延期することで合意しました。
「延期」といっても、韓国軍が十分な防衛能力を備えるまで延期という事実上の「無期限延期」です。

反米むき出しだった盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領(03年〜08年)時代に、韓国が「売り言葉」で返せと言ったら、中東で苦労していた米国が「買い言葉」で返してやると応え、予期せぬ米側の返事に韓国が青ざめたという情けない韓国外交の成れの果てです。

23日付米国防省web記事によれば
●23日、米韓の国防相は、2015年に予定していた朝鮮半島における米韓連合軍の戦時作戦統制権の韓国への移譲を延期することに合意した。理由は安全保障環境の変化で、両国が認識する北朝鮮によるミサイルと核脅威の増加も理由に含まれる
●国防相協議後に発表された共同声明によれば、両国は韓国政府が提案した「北朝鮮の脅威に対処する十分な防衛能力を韓国軍と米軍連合軍が備えることが作戦統制権移譲の前提」との条件を受け入れることに決定した

Korea-2014-3.jpg●ヘーゲル長官は「権限委譲の時期は延期になったが、いつ移譲するかを明らかにした韓国が北朝鮮の脅威に対峙するに必要な能力を備えたときだ」と成果を語った
●更に同長官は「強調したいのは、米国が拡大抑止のために、朝鮮半島内外のあらゆる戦力を用いることにコミットしている点である」、「2万3千人以上の在韓米軍を維持することにもコミットする」と再確認した

戦時作戦統制権は、朝鮮半島有事の際に作戦を指揮する権限。1950年からの朝鮮戦争(54年休戦)と米軍主体の国連軍派遣により、韓国は「作戦指揮権」をマッカーサー国連軍司令官(副司令官は韓国人)に移譲し、その後、米韓連合軍司令官(在韓米軍司令官を兼務)に継承された
●1994年には、米韓軍64万人の「平時」作戦統制権が米から韓に移譲されたが、「有事」の統制権は米側に残されている

●韓国の韓民求国防相は共同会見で、「韓国軍が中核的な軍事能力を確保するのは、2020年代半ばがメドだ」と表明した
●ヘーゲル長官も「(再延期は)統制権の移譲時に、増大する北朝鮮の脅威に対処する防衛能力を、韓国軍が保有することを確実にする」と述べた
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Korea-2014-2.jpg「戦時」の作戦統制権移譲については、反米の「自主国防」を主張する盧泰愚政権時代に要求が高まり、2007年に「2012年4月の移譲」で合意されたが、韓国内では対応能力などが不安視され、李明博政権時代の2010年に「移譲を2015年12月に先送り」すると決まっていたところです。

作戦統制権が移譲されれば米韓連合軍司令部は解体され、米韓の合同作戦計画も見直す必要があります。
また、今でさえ米軍兵士に人気の無い韓国勤務ですが、韓国軍人の指揮を受けるとなれば、より一段と心理面でも「韓国離れ」が進むでしょう。

韓国の国防相もよく言ったものです・・・「2020年代半ばがメドだ」などと(大笑い)

「ルトワックが日韓関係を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-17
「家族帯同増加を狙う対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02

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映像:最も印象的なフライバイ「10選」 [ちょっとお得な話]

F-18.jpg秋のお祭りシーズン最盛期にあわせ、22日に「Military.com」上にアップされた、「10 Impressive Flybys:最も印象的なフライバイ10選」をご紹介します。

日本でも、航空自衛隊基地をはじめとする様々な場所で航空機をショーアップするイベントが開催されますが、今回紹介する「印象的なフライバイ」は「かなり危険な飛行」です。

日本では「なかなか見られない」レベルのフライト映像10本(計約4分間)ですので、お休みに是非ご覧下さい
登場する機首は、F-22、F-15、F-16、FA-18から、往年の双発爆撃機等々まで様々です


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米海軍による対中国の要:E-2D運用態勢に [Joint・統合参謀本部]

E-2D-1.jpg10日、米海軍の新型早期警戒機E-2Dが、IOC(初期運用態勢:Initial Operational Capability)に到達したと米海軍により判断されました
E-2Dは、高度な電波走査と情報処理技術を活用して本格的なUHF周波数帯レーダーを実現し、戦闘機クラスのステルス機探知追尾能力があるのではと噂される機体の新型機です。

更に単に「空飛ぶレーダー」としての役割だけでなく、米海軍アセットか構成する情報ネットワーク(NIFC-CA)の中核となり、艦艇や艦載機が自ら探知していない目標への兵器の誘導や情報共有を可能にする装備として海軍幹部が期待する新装備です

16日付Defense-News記事によれば
E-2D-2.jpg●IOCを獲得したのは、ノーフォーク基地所属の第125早期警戒飛行隊で、5機のE-2Dと5つの操縦・操作クルー、更に整備維持チームが承認された
●同飛行隊は現在第1空母航空群と共に訓練を行っており、来年空母ルーズベルトに艦載されて任務展開する予定である

●現主力であるE-2Cのレーダーを全く新しいモノに換え、機械走査・電子走査の両方を併用し、海上だけでなく陸上部分での探知捜索能力が向上している
●米海軍の担当大佐は「より小さな目標を、より遠方で、クラッターが多い環境でも探知可能で、これまでのE-2シリーズより状況掌握の柔軟性や能力で格段に優れている」と語った

●E-2Dはまた、エンジン能力の向上で発電容量も増し、冷却能力も向上している。また機体構造も強化され、搭載装備の増加もカバーしている
●米海軍は15機のE-2Dを受領しており、更に50機の発注を終えているが、最終的には2027年までに計75機を装備したいと考えている
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E-2D.jpgこのDefense-News記事は細部に触れていませんが、ネットワーク装備も重要です
米海軍は来年、発展型のデータリンク「Tactical Targeting Network Technologies (TTNT) data-link」をE-2Dに装備する計画で、「Link-16 and Cooperative Engagement Capability (CEC) data-links」と総合して、海軍アセットの強力なネットワーク構築を考えているようです

ネットワークが電波妨害やサイバー戦に脆弱であることは大きな懸念ですが、海軍はその方向に向かっています。細部は「過去記事」でご確認下さい

米海軍の航空作戦構想とE-2D
「E-2Dはステルス機探知可能!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12
「米海軍のNIFC-CAとは」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26
「NIFC-CAとSM-6連携」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-27

「NIFC-CAで空軍と協力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-23
「米イージス艦のIAMD進歩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09
「海軍トップ:ステルスはあと10年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「なぜ8機EA-18Gが必要か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-13

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露ミニ潜水艦!?を大追跡:スウェーデン軍 [安全保障全般]

Russian-MiniSub.jpg20日、スウェーデンの首都ストックホルム近郊の同国領海内で「ロシアのミニ潜水艦らしき」目撃情報が写真とともに公開され、スウェーデン軍司令官が全力で捜索中であり、必要であれば武力行使を行うと21日警告しています

もちろんロシアは否定していますが、関連通信が傍受されたとの未確認情報もあり、ウクライナに続く欧州緊迫事案として注目を集めています

21日付Defense-News記事によれば
●問題の目撃情報と写真は、19日同国のアマチュア写真家がストックホルム沖の領海内で目撃し撮影したものである。場所はストックホルムから約30kmの「Ingaroe島」近傍の模様
●一方、艦艇やヘリや掃海艇と約200名の兵士を動員して行われている捜索は、不明物体が存在するとの情報を元に17日から開始されており、いつか初めて軍が探知したのかははっきりしない
●21日現在も同島周辺を中心に大規模な捜索が続いており、少なくとも5隻の艦艇が動員されている。1隻が何らかの発見をしたとの情報もあるが、スウェーデン軍最高司令官のGoeranson大将は否定した

Swedish CINC.jpg●21日に同国議会の軍事委員会に出席した同大将は、「何も発見できていない。恐らく水中での活動だろうが、潜水艦を発見することは非常に難しい」、「必要ならば我が軍を用い、我が意志を強要する」と述べた。
●また「本捜索作戦の最も重要な意味は、発見できても出来なくても、スウェーデンと軍が作戦を遂行し、何者かが領海を侵すならば相応できる態勢にあるとのシグナルを発信することである」と語った

●多くの関係者はロシアの潜水艦だと疑っており、その背景には、ロシアと当該潜水艦の通信を傍受したとの未確認情報や、ロシアタンカーが周辺のスウェーデン領海内に居座っていることが取りざたされている
●ただし、スウェーデン政府は「ロシア」との国名に一切言及していない

ロシアは完全否定しているが・・・
ロシアは当該エリアでの露潜水艦活動を否定し、オランダの潜水艦ではないかとまで示唆した。しかしオランダはこれを一笑し、オランダ潜水艦はスウェーデンとの演習を終え、エストニアの港に入港済みだと主張した

●北欧でのロシア潜水艦捜索には歴史があり、1981年にソ連のU137潜水艦がスウェーデン最大の海軍基地沖合で砂地に乗り上げ、捕獲出来たことはある。しかしそれ以外、冷戦期の1980年代から90年代初頭にも問題になったが、一度も発見できたことはない

Swedish corvette.jpgラトビアのEdgars Rinkevics外相は「地域の安全保障にとってのgame changer事案である」と本件にコメントしている
●またリトアニアのAlgirdas Butkevicius首相は、「ロシアの活動が疑われている事案は、バルト諸国とスカンジナビア諸国にとっての警告である」、「ウクライナでの事象が他の欧州地域でも明らかになった。EU諸国は団結してこの脅威に立ち向かうしかない」と21日メディアに語った
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公開された19日撮影の写真は「ネス湖の恐竜」のような不鮮明な写真ですが、17日から捜索が開始されているところからすると、他にもいろいろ情報があるのでしょう

決めつけてはいけませんが、ロシアという国は困った国です。

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F-35エンジン問題:収束に見せかけた発表2件 [亡国のF-35]

F-35 F135engine.jpg14日、米国防省F-35計画室(JPO)とエンジン製造のPratt & Whitney社は、6月に発生したF-35エンジン火災の原因を発表すると共に、新たに36台のF-35エンジンを発注することを同時に明らかにし、如何にもエンジン問題が収束したように装いました

エンジン火災の原因については、これまで関係者が発言してきた内容の範囲で追加の中身はなく、「今後具体的にどうするの?」に関しては修理&再設計するとの言及のみで、具体的な中身は検討中で何の進展が見られません。

もちろん、現在課せられている既存完成機に対する運用制限(G制限、速度制限、定期的な追加点検等)についても「変化無く」ほぼ中断状態にある飛行試験への影響は今後も継続の模様です

15日付Defense-News記事によれば
F-35 Sun-Set.jpg●14日夕刻、F-35計画室JPOはPratt & Whitney社と協議の上、6月のエンジン火災の原因とエンジンの追加発注(第7ロット)について合意したと発表した。
●F-35計画室(JPO)はPratt & Whitney社と、問題のエンジンを搭載済みのF-35への対応と、今後製造するエンジンの再設計について協議を行っているところ

●エンジン火災の原因については、「特定の飛行機動によって生じるエンジンのmicrocracks」、「Prolonged rubbing into the material in the stator」、「(That)decomposed and superheated the titanium rotor, leading to excessive heating which started very small cracks in a titanium seal and then led to failure of the 3rd stage fan rotor」と表現し、亀裂が拡大して破損して機体の燃料系統を傷つけ火災を引き起こしたと説明した

●エンジンの第7ロット(36台分)の契約が成立したことも同日発表された。エンジン修理経費を含む第7ロットの契約価格は、昨年契約された第6ロットの価格より4.5%低下している
●なお第6ロットの価格も、第5ロットと比較すると、F-35AとCで2.5%、F-35Bで4.5%低下していた。第8ロットでも価格低下が見込まれている
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F-35-Face.jpgいまだ検討中のエンジン修復&再設計計画の問題を覆い隠すかのように、第7ロットエンジンの契約発表し、いかにも「順調」または「問題は解決した」かのような雰囲気作りを行っているようにしか見えません。

14日に発表があってからしばらく様子を見ていたのですが、運用制限解除の話はなく、修復&再設計の具体的な話もなく時は流れています。
「亡国のF-35」エンジン問題には、何の進展も無いのです

エンジン問題を含む「亡国のF-35」問題をフォロー
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302846744-1
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中国政府No1知米派とヘーゲル長官会談 [ヘーゲル国防長官]

China Yang Jiechi2.jpg20日ヘーゲル国防長官は、中国政府内では随一の「知米派」とされる楊潔篪(ようけつち)国務委員とペンタゴンで会談しました。
楊国務委員の訪米全体計画とその目的は不明ですが、中国側も「知米派」を派遣して米中関係の改善や中国イメージの改善に動いているのかもしれません

楊国務委員は1950年生まれの中国外交官で、ハーバードやロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで学生生活を過ごし、若き頃は米要人訪中時の通訳を務めました。また1983年以降、対米外交に携わり、ブッシュ家などアメリカ要人との人脈を形成しました。

2001年には中国史上最年少の50歳で駐米大使に任命され、2005年に帰国時には外務副大臣に就任、その後2007年4月から2013年3月まで外務大臣を務めた人物

20日付米国防省web記事によれば
●20日カービィー国防省報道官は、ヘーゲル国防長官と中国の楊潔篪(ようけつち)国務委員がペンタゴンで会談したと述べた

China Yang Jiechi.jpg●会談の概要をまとめた文書には、両国のリーダーは米国と中国間で培ってきた前向きな軍事関係のモーメンタムを維持する事の重要性を議論したと記されている
●両者はまた、地域及び世界の課題に対する協力強化について、共通の利害を有していることを再確認した
●更に、人道支援や災害対処、また西アフリカでのエボラ出血熱封じ込めを含む、潜在的な協力強化可能部分について意見交換を行った

●そして両者は、11月に予定されているオバマ大統領の訪中が大変重要であり、成功に向けて努力することを確認した
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本当に断片的な情報で、会談内容にも目新しさや新たな進展はありませんが、可能性に期待してご紹介しました

以前は頻繁に「米国防省web記事」を取り上げたのですが、最近は一般報道されているような内容ばかりで記事も短く、興味深い高官の発言もない状態です
また、「文字起し」せず「映像そのまま配信」のパターンも増えたため、見る気がしないのも一因です。

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在日米軍基地は脆弱だから豪州にも拠点を [安全保障全般]

Asia Pacific.jpg15日付岡崎研究所評論集はCNAS研究者の論考(9月3日付WSJ紙)を紹介しつつ、在日米海軍基地の脆弱性を考えれば、CNAS研究者が提案する豪州西海岸に米空母打撃軍の拠点整備案は素晴らしい案だと評価しています

これまで日本の研究者や研究機関は、政府や防衛省の顔色を伺ってか、はたまた日米同盟の根幹に触れたくないからか中国軍のミサイル攻撃に対する在日米軍基地の脆弱性とその代替案について正面から言及することは、ほとんどありませんでした

その点、この岡崎研究所の論考はフィリピンの米軍展開基盤さえ脆弱だと「冷徹」に評価し、豪西海岸パースを米空母打撃群の前方展開拠点にする案に賛同しており、その現実を直視する姿勢に「時の流れ」をしみじみと感じる次第です


まずCNAS研究者の論考(9月3日付WSJ紙)
CroninPatrick.jpgクローニンとフォンテーンは、米豪同盟を深化のため、豪州西部のパースを第二の米空母打撃群の前方展開拠点としてはどうかと提案
●アボット豪政権は米豪同盟の深化に努力しており、米国も足並みを揃え、国家として内向きになりつつある中でも、インド太平洋における米国のプレゼンスを拡大機会を生かすべきだ

●米海軍は日本を第7艦隊の母港としているが、地域に2つ目の空母打撃群が必要となった場合、米西海岸から派遣する以外に方法がなく、現地到着まで日数を要する
●パースに空母と艦載機部隊、他の護衛艦船を配備できれば、米国のシーパワーを3倍((2012年の議会報告による)に増強することになるという。

Abbott.jpg●既に豪州北部では、米海兵隊・空軍のローテーション展開の拡大が行われており、2020年までに最大2500名の米海兵隊員が豪州で訓練を行うことになっている。
●また、米豪はサイバーセキュリティや宇宙、対潜水艦戦(ASW)、特殊作戦、地域安全保障といった分野での協力を、更に緊密化すべき
●更に米国は、豪州が進めるココス島の開発を、情報収集を行う無人機の拠点として整備する支援も可能

米海軍のプレゼンスを豪州西部に展開することは、世界で最も成功している二国間同盟を、効果的かつ余裕のある形で拡大させることになろう


CNAS研究者論考への岡崎研究所コメント
okazakiH.jpgこの提案は、現在の米豪同盟の進展状況と将来的な戦略環境の変化を踏まえれば、有効かつ現実味のあるもの。
●現在、米空母打撃群の前方展開拠点は横須賀のみで、それ以外の母港はすべて米本土にある点をかんがえれば、「基本的には」歓迎すべき

●横須賀は、冷戦期から継続して米軍にとっての戦略的要衝である。しかし今や、中国の弾道・巡航ミサイルや海空戦力によるA2AD能力の増強により、沖縄はもとより、横須賀の脆弱性も徐々に高まりつつある。
●もちろん、それを理由に横須賀から撤退すれば、日米同盟の信頼性に関わるので、米海軍の横須賀におけるプレゼンスは、維持することが重要だがパースへの配備は横須賀の脆弱性を補完する意味がある

ASBM DF-21D.jpg●戦力分散の観点から、フィリピン海軍基地の再活用も進められているが、人道支援・災害救助(HA/DR)の拠点としては有用だが、対中有事には第一列島線に近すぎ、中国の弾道ミサイルや巡航ミサイルの射程圏内にあるため、脆弱性に変わりはない。
●その点、豪州西部は中国のA2AD圏外にあり脆弱性が低く、平時のプレゼンスの他、東南アジア・インド洋正面への展開には申し分ない位置にある
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「基本的には歓迎すべき」との表現は岡崎研究所らしく、在日米軍の日本離れを強く警戒しています。

再度申し上げますが、豪州西部パースへの米空母機動部隊の展開はともかく、「中国の弾道・巡航ミサイルや海空戦力によるA2AD能力の増強」を真摯に受け止め、沖縄や日本の軍事施設の脆弱性を加味して議論を行う姿勢を高く評価します

このような現実に即した視点に立てば、戦闘機だけ国防投資や陸上自衛隊の規模維持などが如何に不合理か、自ずと明らかになるでしょう。

岡崎研究所関連の記事
「脆弱も米軍は前方展開を維持せよ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-12
「陸軍ミサイル部隊化を擁護!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-09-1
「オバマ政権に厳しい評価」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-17

「米国アジア政策と陸軍削減提案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09-2
「戦闘機命派の包囲網強化へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-17

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巨星Andrew Marshall氏が1月引退か? [米国防省高官]

Marshall.jpg17日付Defense-Newsは情報筋の話として、冷戦時から国防長官直属の組織として軍事政策助言機能を果たしてきた「ONA:Office of Net Assessment」の室長で、軍事戦略分野で多くの人材を育てた巨星Andrew Marshall氏(93歳)が、来年1月に引退を示唆していると報じています

40年に渡ってONA室長を勤め、「米国防省のヨーダ」とも称される「代わる人材がいない」知性です。
最近では、エアシーバトル構想をゲーツ国防長官に進言し、ルトワック氏に「自滅する中国」(邦訳:奥山真司)の執筆を進めた事で知られていまが、国防省のみならず内外から安全保障関係者がその意見を聞きに訪れるという「伝説」の人物です

19日付Defense-News記事は
●19日時点で、国防省は何もコメントをしていない
●Marshall氏の薫陶を直接受けた人材は、国防省内だけでもBob Work国防副長官、Mike Vickers情報担当国防次官、Jamie Morin経費分析部長等々・・数え切れない。

Marshall2.jpg●40年間に渡り国防長官直属組織だったONAは、数ヶ月前に政策担当国防次官の下部組織になり、10名余りの組織は若干縮小した。
●しかし多くの安全保障関係者からの懸念を払拭するため、昨年12月ヘーゲル国防長官は「ONAを国防長官と直結する他とは異なる組織として維持する。今回の組織改編は、長期に渡るONA分析の国防省内への影響力をより確実にするものである」と説明している

●ONAの役割は、5月にONAが発表した分析対象項目からも明らかである。そこには「水上と水中における軍事競争」、「将来の精密攻撃能力」、「宇宙での軍事競争」、「核拡散の政治的影響」等が含まれていた
●これらの研究は、数年単位でCSBA、RAND、ハドソン研究所、Booz Hamilton、IHS Internationalとの共同で行われ、10億円以上の契約となっている。

●Andrew Marshall氏の後任として、ONA室長に適当な人物を思い浮かべることが出来る人物はいない。陸軍大佐としてONAで勤務し、現在もONAとともに分析を行うCSBAのKrepinevich理事長は「ONAを存続させ無ければならないが、その為にはネット分析を理解し、何を研究すべきかを独自に影響を受けずに見定めることが出来る人物が必要だ」と述べた

Waterdrop.jpg●元海軍長官でRAND副所長のDanzig氏は、「後任者には長期的視点と独自性が求められる。Marshall氏と交流のある人物である必要はないし、彼のスタイルをマネできる人材はいない。しかし、彼のように将来を見通す能力を持ち、微動だにしない誠実性を備え、独創性を発揮できる人物が求められる」と語った

●前出のKrepinevich理事長の言葉を借りれば、「官僚組織内での調整で「角」が取れたような政策案が生まれることを防ぐため、歴代国防長官がONAの様な組織を持てたことは幸いであった。戦略的に考える知的自由を持ち、伝統的な考え方に挑戦する知性を備える人物に率いられた組織」がONAである。
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読者の方からONAとAndrew Marshall氏の重要性について教えていただきました!

●ONAですが、その効用はなんと行っても、実際にその部屋の中で行われている活動もさることながら、室長のアンディ・マーシャル御大に鍛えられた研究者が、国防政策のディベートで中核を占める戦略家として成長していく点にもあります。「戦略家養成所」としてのONAの目に見えない貢献は計り知れないものがあります。

Krepinevich3.jpg代表的なところでは、CSBA所長のアンドリュー・クレピノビッチ氏
Air-Sea Battleについて公の場で論じた論文を一番最初に出したのは、彼のところで研究員をしているJan Van Tol氏です。彼の指導のもと、このシンクタンクでは、次世代を担う戦略家たちが国防省を出たり入ったりしながら知見を磨いています。


あとはGordon Adams 氏
AdamsGordon.jpg国防予算はいつか減る、だから国防省はもっと予算の使い方に賢くならなければ!とイラク・アフガン戦争の真っ只中から言い続け、当時は「何言ってんだ」という目で見られていましたが、2011年以降、実際に予算が減り始めたことで、世論が彼に追いついた形です
●彼は大学でも教えているので、彼の授業を受けた学生が、どんどん、戦略家の卵となり、議会や議員事務所で予算の専門家となり、と巣立っています。

この二人は前者は保守的、後者はバリバリのリベラルですが、どちらもマーシャル御大に若かりしころ鍛えられています。お二人とも結構いいトシ(クレピノビッチ60歳台、アダムズ70歳代)ですが、どちらも、たまーにマーシャル御大と話すと、今でもダメだしをされているとか。
●・・・というわけで、ONAが持つ「戦略家養成所」としての価値はプライスレスです
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93歳の方に引き続き仕事をお願いは出来ないでしょう・・・
予算削減の折り、今こそAndrew Marshall氏のような先を見通した政策提言を行える人物が求められているだけに、情報筋の話が正しければ残念です。

ONAの重要性を語る各界の意見
「存亡の危機:国防省Net Assessment室」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-16

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米海軍の30秒アピールビデオ集 [Joint・統合参謀本部]

米海軍が、「恐らくTVコマーシャル」として放映しているのであろう「30秒イメージビデオ」を3本ご紹介します。あっという間の30秒ですから、良く目を開いてご覧下さい!

ご紹介するのは、「米海軍の新型装備」と「米空母の7色レンジャー」と「潜水艦パワー」の3本です

「米海軍・海兵隊の将来装備」のアピール点
●米海軍と海兵隊を将来支える(?)であろう新装備を紹介
●登場するのは順番に、「空母艦載無人機X-47 UCAS」、「沿岸戦闘艦LCS」、「無人ヘリFire Scout」、「5世代戦闘機F-35C」、「特殊部隊用無人車両TALON」、「ステルス艦 Zumwalt」です



「米空母の7色レンジャー」のアピール点
●空母の甲板上であわただしく動き回る「7色」のジャケットを着た勤務員の「役割」を紹介
赤は爆弾とミサイル担当、黄色はトラブル対処担当、緑色はカタパルト担当、灰色は航空機点検と整備
青色は航空機の移動担当、白色は安全管理、紫色は燃料補給担当



「潜水艦パワー」のアピール点
●世界中で、365日24時間、隠密に行動して安全保障を支える
グラスコックピット、緊迫の作戦室、特殊部隊の出入り、燃料交換不要・・・


展開が素早く、もう一度見返して確認したくなるのが「みそ」でしょうか・・・

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対イスラム国作戦名は「Inherent Resolve」 [Joint・統合参謀本部]

15日、対イスラム国作戦を遂行中の米中央軍が、同作戦名を「Operation Inherent Resolve」と命名して発表しました。
8月8日に同作戦が開始されてから、10週間経過後の名称決定です

15日付Defense-News記事は
FA-18 Inherent Resolve.jpg●3日付WSJ紙によれば、米軍幹部は当初この作戦名を拒絶した模様。同紙は米軍幹部が同名称を「just kind of ‘bleh:うんざりするような名前だ」と酷評していたと報じている
●統合参謀本部の報道官トーマス大佐は、WSJ紙の報道についてのコメントを避けた

●米中央軍の発表によれば「テログループである世界中からISISを除去するという、揺るぎない米国とパートナー国の決意と深い関与を表現したものである」との理由が作戦名の背景にある
●また「ISISを弱体化させ、最終的に破壊するために、外交、情報、軍事、経済等の全ての国力を活用し、コアリションメンバーの緊密な献身をシンボル化した名称である」とも説明している

●15日現在、米軍主導のコアリションは計510の航空攻撃(イラクで294、シリアで216)を実施し、そのうち米軍によるモノは445で、イラクで274、シリアで171である。
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FA-18.jpg「Inherent」とは、固有の,本来の,生来の、本来備わっている・・・等の意味を持つ言葉です。

WSJ紙が報ずる、米軍幹部の「うんざりする」感覚はよく分かりませんが、「内輪もめ」は名称決定遅延の原因の一つのようです

イスラム国関連の記事
「対イスラム国作戦の名前無し」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-10
「UAE女性がイスラム国攻撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-26
「米空軍が8割:ISIS攻撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-18-1
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米比関係が緊迫:海兵隊員に殺人容疑 [Joint・統合参謀本部]

Subic Bay22.jpg11日、米海兵隊艦艇が入港中のフィリピンで26歳のフィリピン人(性転換者:男→女)が殺害され、米海兵隊員に容疑が掛けられている模様です

今年4月、米国とフィリピンは長い交渉の末、米軍のフィリピン軍施設へのアクセス許容で合意に至りました。
1991年、ピナツボ山噴火を契機としてフィリピン国内世論の反発から撤退を余儀なくされた米軍が、中国の南シナ海進出を背景に、やっとの事でフィリピンの理解を得たばかりのタイミングです

14日付Defense-Newsによれば
Peleliu.jpg●当該事案を受け米太平洋軍司令官は、強襲揚陸艦USS Peleliuの他、同地域で行動していた計5隻をフィリピンに留め置くことを指示した
●米海兵隊の太平洋地域報道官は、「本事案と直接関係がない艦艇も含め、5隻全てをスービック湾に拘置することにした」と米軍紙に語った

●ロイターによれば、当該容疑者は強襲揚陸艦USS Peleliu (LHA-5)の乗組員で、同艦艇内で監視下に置かれている模様
●マニラ所在の米国大使館前では当該事案に抗議する人々が集結し、地元のメディアは米軍への比軍基地アクセス許容への疑問を訴えている
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Subic Bay1.jpgまだ「容疑者」の段階ですが、米軍のみならず米国にとっても「痛い」事件です
日本にとっても他人事とは思えない、小さくて大きな事件です

今は香港の学生運動がメディアを賑わせていますが、フィリピンが話題になる可能性も秘めています

フィリピン関連の記事
「駐比対テロ米軍部隊撤退へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-29-1
「比が米軍受け入れ合意へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-10
「比への米軍展開拡大協議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-16

マニラ北部の飛行場を米軍機の展開基盤に等
「米空軍のアジア戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04
「比への米軍展開拡大協議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-16
「比大頭領が空軍再建宣言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-02

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ノルウェーが女性徴兵法案を可決 [ふと考えること]

14日、ノルウェー議会は女性徴兵制に関する法案を可決しました
究極の「男女平等:gender neutral」を追求した前中道右派政権によって提議された女性徴兵制ですが、昨年政権を執った右派政権もその方針を引き継ぎました

写真は現在のノルウェー国防省(Ine Eriksen Soereide女史)

Norway DM.jpg●可決された女性徴兵可能法案は、2016年から有効に
●ノルウェーでは、徴兵対象人口約8万のうち、現在は毎年8千人(自主志願の女性千人を含む)が招集され勤務中
●前政権は、2020年までに女性比率を2割にする目標を掲げていたが、現政権は具体的目標にはコミットする意図はない模様

ノルウェーでは、徴兵対象者が不足しているわけではありません。8万人の対象者の1割のみを、希望程度や身体・心理適正等を加味して徴兵している国です。
従って、この施策は100%「究極の男女平等」を目指してものです

他国で徴兵女性に制服を着せているのはイスラエルぐらいです

本件に関しては、是非、日本のジェンダーフリー推進派の皆さんのご意見を伺ってみたいものです

関連の過去記事
「ノルウェー:究極の平等めざして」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16
「オーストリア徴兵制維持へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-22
「画像:イスラエルの女性兵士」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-27
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