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1914年クリスマス:西部戦線での出来事 [ふと考えること]

第1次世界大戦の最前線で起こった「実話」を元に作成された、英国第3位のスーパーマーケットチェーン「Sainsbury」のクリスマス用CM映像です。テーマは「クリスマスに皆と分かち合おう」です。

CM映像のストーリーは
western front.jpg●昼間の戦いが終わったクリスマスの夜8時過ぎ、塹壕の中で凍える一人の若い兵士の元に、恋人から手紙が届く。中には恋人の写真と板チョコが添えられていた
●会話もなく吹きさらしの塹壕内で、一人がつぶやくように「きよしこの夜」を歌い出す。すると皆もつられてつぶやくように歌い出す。そしてそれが大きな合唱へと

●対峙する敵の塹壕からなにやら歌声が聞こえてくる。耳を澄まして聞くと、それは英語で唄われている「きよしこの夜」 敵の塹壕内でも誰かがつられ、ドイツ語で同じ歌を歌い出す
●いつしか敵同士が、塹壕を隔て、異なる言語ながら、同じ唄を合唱している。合唱は徐々に拡大し、周辺の戦線の塹壕にも広がっていく

western front2.jpg●翌日の朝、何を思ったか一人の兵士が塹壕から武器も持たずに立ち上がり、敵の方へ歩いていく。居眠りしていた先輩兵士が気づき、慌てて制止しようとするが、若い兵士は辞めない
敵側の塹壕に緊張が走る。「敵兵発見!」と見張り係が叫ぶ。しかし何か変だ。敵は素手で両手上げている・・・

敵方の若者兵士も両手を上げ、塹壕からはい出して近づいてゆく。緊張して見守っていた両軍の兵士の中からも、これに続くモノが現れ・・・

クリスマス用CM映像(約3分半)


CM作成の背景説明とメイキング映像(約3分半)

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当時の前線兵士から家族に送られてきた手紙に記された記述から、再現されたモノだそうです。同様の話は戦線の各地であった模様で、48時間の局地的停戦に合意した戦線もあったようです。メイキング映像によれば、幾つかの別々の場所でのエピソードを集めて作成したようにもとれます。

しかし必ずしも美談だけでなく、敵の理解を得ようと申し出て、逆にこの動きに反対する敵に攻撃を受け死亡した兵士もいたようです。

Sainsbury chocolate.jpg映像の出てくる「Sainsburyチョコレート」は、現在もそのままの包装で販売されており、売り上げの一部が英国の前線兵士の支援に寄付される仕組みになっているようです

第1次世界大戦での話です。今や戦いの様相も変わってしましたが、前線の兵士に罪はないのかもしれません。しみじみ・・・
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米空軍の新救難ヘリはHH-60Wに [米空軍]

24日、米空軍は6月にSikorsky社に業者を決定していたHH-60G Pave Hawkの後継機について、HH-60W(60-Whiskeyと呼称)にすると発表しました。
なお、HH-60Gについている「Pave Hawk」のような愛称は、後日発表するとのこと。

24日付米空軍webサイト記事等によれば
HH-60W.jpg●2014年6月に、米空軍はSikorsky社とHH-60G Pave Hawkの後継機を製造する約1400億円の契約を結んでいたが、今回HH-60W(60-Whiskeyと呼称)とする事に決定した
米空軍はHH-60Wを112機調達する計画で、総額は約8300億円になると見積もられる

HH-60Wは、米陸軍のUH-60M BLACK HAWKをベースに開発される機体で、現有のHH-60Gと比較し、航続距離が伸び、高高度や高気温下での性能が向上するほか、キャビンのスペースが大きくなる
またHH-60Wは、UH-60M BLACK HAWKと同様に「T700-GE-701D engines」、「composite wide-chord main rotor blades」、更に「fatigue- and corrosion-resistant machined aero-structures」を備え、機動性と運動性能を保つ

HH-60G.jpg●更にHH-60Wは、「G型」に比して内部燃料タンクの容量を増加し、キャビンの広さを維持しつつ航続距離延伸を実現する
●現有の「G型」は1982年から運用を続けており、特にイラクとアフガンでの作戦で酷使により機体の痛みが激しくなっていたところである

●同計画担当者は、現在運用中の機体に実用性が確認された技術を適応することで、開発リスクを管理することができ、コストとスケジュール管理を助けてくれると語った
2019予算年度に運用開始することを念頭に、2015予算年度に次の大きなステップである「System Requirements Review」を行う計画である
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米陸軍のBLACK HAWKをベースに開発(製造)するため、開発のリスクが少ないのは結構なことですが、それだけ夢が限定された機体でもあるわけです
次期爆撃機(LRS-B)も、次期空中給油機(KC-46A:経費固定契約)も、次期練習機(T-X)もそんな姿勢で進んでいます。

「主要装備調達の現状と課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-21

そしてそんな中、重要性が急降下している戦闘機(F-35)だけが「夢を追い、金を食い、開発期間の実質無限大」を許容されているわけです。

HH-60G fuel.jpg救難ヘリは「personnel recovery mission」だけでなく、幅広く特殊作戦や輸送の一翼も担っており、海空軍との共有部分も多い装備ですから、もっと本格的にお金を掛けても良い装備だと思うのですが・・

核兵器運用部隊のように、内部反発から来る「内部崩壊」に至らないことを願うばかりです

「内部崩壊する米軍核運用部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18

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米空軍の重要装備調達の現状と課題 [米空軍]

Pawlikowski.jpg19日、米空軍省の調達担当副次官であるEllen Pawlikowski中将が記者団に対し、米空軍の重要装備調達品目の状況や課題について語りました。同ポストは、米空軍の装備品取得全体を計画して実行する役割を担っています

本日は会見の中から、次期爆撃機(LRS-B)、次期練習機(T-X)、次期空中給油機(KC-46A)、宇宙ロケットエンジン問題、E-8C JSTARSの後継機に関する部分の概要をご紹介します

なおPawlikowski中将(女性)は、化学工業分野で博士号を取得した後に空軍に入隊し、レーザー、衛星通信、偵察分野の開発計画に携わり、空軍研究所の所長や宇宙ミサイルセンター所長も経験している技術開発分野のエキスパートです

次期爆撃機(LRS-B)と6世代戦闘機
LRS-B4.jpgLRS-Bはヘーゲル長官が打ち出した技術優位確保政策「offset strategy」の主要対象であろう。なぜならLRS-Bは長官が同戦略の狙いとしていた、世界中を攻撃対象を厳しい環境下で目標にすることを想定し、「family of systems」の一部として機能するからである
●また、何が現状で可能かを良く把握し、どの技術が活用可能かを見極める点で、国防長官の戦略に上手くフィットしている。ただし現時点では、現在想定している製造機数80-100機を増やす必要性はない。「family of systems」の一部として機能するからである

●6世代戦闘機についても同じようなことが言える。6世代機もプラットフォームや機体自体の意味する部分は小さく、「game-changing」技術を搭載することに力点がある

T-38の後継:次期練習機(T-X)
T-38 tx.jpg●次期練習機(T-X)の選定では、既存の実績がある機体が対象であるかのように思われているが、新規設計機首を除外しているわけではない。性能とコストが条件に合えば、新型機にも参入の余地はある
●既存の機体でも、米空軍の要求に適合させるための改修が必要と考えられるが、コストの振れ幅は大きくない。新型機の場合は、入手希望時期に合うかも必要な確認項目になる
●更に、T-Xで飛行した操縦者が、F-22やF-35に円滑に移行できるかが重要。またシミュレーターでどれだけ訓練が可能かも重要なポイントである

計画に遅れ:次期空中給油機(KC-46A) 
KC-46A.jpg●11月10日の週にボーイングから開発進捗レポートがあり、2017年8月の初期運用能力(IOC)獲得は可能だが、機内配線で見つかった問題を解決しなければならない事が明らかになった
●機内配線の課題は、当初予期していたよりも困難な問題である。スケジュール調整に努力し、予備時間内で解決できるよう取り組んでいる
●空中給油機能のないKC-46A型機の完成が遅れているが、年末までには入手できるだろう

宇宙ロケット用:露製エンジンの代替
RD-180.jpg米軍の宇宙ロケットが依存している露製RD-180の代替エンジンを確保するため、来年2月に提出の2016年度予算案に必要な計画を盛り込む
●米空軍は国防省と連携し、国際的な打ち上げ市場で競争力のあるエンジンを選択したい。国際的市場を得ることで、民間資金を集め、製造数を増やし、コスト低減を図りたい
●細部の調達戦略を練っているところだが、米空軍は市場を注視しており、幾つかの企業が開発に動くだろうと考えている。それが答えになるだろう

E-8C JSTARSの後継機検討
JSTARS.jpg来年の1月か2月に、E-8C JSTARSの後継検討が前進することを願っている。2015年当初にケンドール国防次官(調達担当)が了解してくれれば、関係製造企業とより緊密にコストと性能について話が開始できる
ボーイングやNorthrop Grumman等々と、可能な選択肢について議論を深めたいが、機体とセンサーと統制装置を別々の企業から購入するのは、システム構築上でリスクが大きいと思う
主契約企業1社を決めることが良いのでは、と考えている。2015年中には何らかの提案要求書をまとめ、2022年には運用可能な状態にしたい
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pawlikowskiLTG.jpg盛りだくさんに、舌足らずですが取り上げました。
「family of systems」とは、一つのアセットだけで問題に対処するのではなく、航空機、ミサイル、ISRアセット、電子妨害装置等々を全て組み合わせての戦力発揮を念頭に、一点集中ではなく、「family」全体で脅威に対処しようとの考え方です。

「露製RD-180の代替エンジン確保」に象徴されるように、民間の力に「おんぶにだっこ」し、コストを極力抑えたい気持ちが前面に出たのが技術優位確保政策「offset strategy」であり、Pawlikowski中将の会見にも、そんな思いが随所に垣間見えます

関連の過去記事
「第3次のoffset strategy」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-06-1
「次期練習機(T-X)は2年凍結?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-19
「固定経費規約のKC-46A」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-25
「露製RD-180への依存は?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-22

「レーザーとPawlikowski中将」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-01

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更に中国がステルス対処のUHFレーダー展示 [中国要人・軍事]

JY-26.jpg22日付Defense-Newsによれば、11月16日まで中国のZhuhaiで開催されていた「China Airshow」に、ステルス機を探知可能と宣伝するUHF周波数帯の移動式レーダーが出品されていたとのこと。
中国英字紙が「韓国に展開するF-22を探知した」と報じた、中国ECRIEE社(East China Research Institute of Electronic Engineering)製造の「JY-26」レーダーについてご紹介します

10月には本ブログで、別の中国企業が製造したステルス機探知用の受動レーダー(passive-detection radar)をご紹介しましたが、今度はUHF周波数帯を用いたステルス対処レーダーが出現しました。
西側では、日本が導入を決定した早期警戒機E-2DがUHF周波数帯のレーダーを搭載し、高度な情報処理技術でステルス機が見えるのでは、といわれています

22日付Defense-Newsによれば
●珠海航空ショーでは、中国によるA2AD推進を証明する多くの装備が展示披露されたが、その一つがステルス機探知能力を持つと宣伝していた「Skywatch-U」との愛称を持つ「JY-26」3次元レーダーである。
JY-26 2.jpg●正に中国が兼ねてから望んでいた、B-2やF-22やF-35を探知できる移動式のUHF周波数帯(250-350MHz)を使用したレーダーで、会場で配布の小冊子からは探知距離は不明ながら、「戦術ミサイルも探知でき」、「500目標を追尾可能」で「対ECM能力も備えたAESAレーダー」らしい

●今年の珠海航空ショーに先立ち、2011年に中国のネット上でより大型のJY-26イメージ画像が公開されており、その際はレーダー空中線部の特徴であるバブル型突起物の数が、倍程度に描かれていた。
●これを捕らえ、今回展示されたのはJY-26の低価格版か試作品ではないかとの見方もあるが、ソフトの改良でより少ないバブル型突起物でも探知能力が確保できるようになったのではと見る専門家もいる

11月10日付の中国英字紙「Global Times:環球時報」(人民日報の英語版の位置づけ)は、山東省に展開設置されたJY-26レーダーが、韓国に展開する米空軍F-22を捕らえたと報じている
●米国の航空専門家は「いずれにしても、JY-26が米国等の脅威となることは間違いなく、中国の電子技術レベルが米国と同レベルにあることを示している」と分析している

米国社製レーダーのコピー??
Lockheed 3DELRR.jpg●JY-26レーダーの特徴である空中線部表面の「バブル:半球型の突起物」が多数並んでいる形状は、ロッキード社が米空軍用の地上レーダー(:←写真左:3DELRR)機種選定に提案したレーダーにも見られた特徴である(注:この機種選定ではレイセオンが勝者。まだもめているが)
●2009年4月にロッキード社等への中国発のサイバー攻撃が明らかになったが、ロッキードの技術が流失したのではと懸念する専門家もいる。

●一方で、ロッキード提案のレーダーが異なる周波数帯(G-band)を使用するモノであり、また単に「円偏波:circular polarization」を活用する形状を技術的に追求した結果だとみる専門家もいる
●JY-26はどこの国に輸出される可能性があるだろうか。ロシア製ステルス機の導入を考えているインドと対峙するパキスタン、F-35を輸入するイスラエルの攻撃を懸念するイランなどなど、ステルス機を脅威と考える国は多く存在するはずだ
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UHF周波数帯のレーダーは、その物理的特性から分解能力に劣っていると考えられます。
早期警戒機E-2Dは、複数の周波数を巧みに組み合わせ、かつ高度な情報処理技術でこの課題に対処しているらしいですが・・・

DWL002-1.jpg別の中国企業が製造したステルス機探知用の受動レーダー(passive-detection radar)といい、まだ発展途上の技術でしょうが、着実に進歩を続ける中国の技術恐るべしです
同時に、戦闘機にしか実質関心がない、つまり「亡国のF-35」を導入するため、対ステルス技術への注目&言及を避け続けてきた防衛省・自衛隊指導層の責任は重大です

「中国にステルス対処の受動レーダー出現」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-05

関連の過去記事
「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12
「ステルスVS電子戦機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「米イージス艦のIAMD進歩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09

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ヘーゲル国防長官辞任(実質上の更迭):各方面のコメント [ヘーゲル国防長官]

departure.jpg24日、オバマ米大統領はヘーゲル国防長官と共にホワイトハウスで会見しヘーゲル国防長官が辞任すると発表しました。「イスラム国」対処などを巡る意見対立が背景にある「事実上の更迭」と言われており、難題山積の中、今後のオバマ大統領の舵取りが注目されます

後任人事が議会で承認されるまで、ヘーゲル氏は国防長官のポストにとどまる見通しですが、日程調整は厳しく、後任は1月に議会が召集されるまで指名できない模様です。

ヘーゲル氏は政権の安全保障チームの中で唯一の共和党出身者だっただけに、残念がる関係者も多い模様とか。本日は各種報道や関係者のコメントを「つまみ食い」でご紹介

日本の各種報道からピックアップ
NYT紙は「(ホワイトハウスの)圧力で辞任」と指摘しており、オバマ氏とヘーゲル氏は2週間にわたって協議を続け、オバマ氏が辞任を求めたと報じている
●NYT紙は米当局者の話として、過激組織「イスラム国」の脅威に対処する上で、オバマ大統領は違う人材が必要と先週末に決断した、と報じている

departure2.jpgホワイトハウスでは、「イスラム国」やエボラ出血熱などを巡る問題で、ヘーゲル氏の判断や対応が後手に回っているとの批判が強かった。
●ヘーゲル氏をめぐっては、オバマ政権の対シリア政策を批判する書簡をライス大統領補佐官(国家安全保障担当)に送ったとの報道もあった。
●イスラム国掃討やシリア内戦への対応、国防予算の削減回避など課題が山積する中で、ホワイトハウスと国防省で意見対立が起きていたことが辞任の背景。政権の安全保障チームの足並みの乱れが露呈した

ロイター報道
●ヘーゲル氏はこれまで私的な場で、オバマ政権のイラクやシリアでの政策や、意思決定プロセスに自身の意向が反映されにくいことなどに不満を示していた
●後任候補として名前が挙がっているのは、ミシェル・フロノイ女史(元政策担当国防次官)、アシュトン・カーター氏(前国防副長官)など。ジャック・リード上院議員(民主党)も後任候補


マケイン上院議員(24日付声明によれば)
McCain2.jpg●先週末にヘーゲル長官と会う機会があったが、彼の公での発言が示すように、大統領のイスラム国や世界的な脅威への対応姿勢に同意できなかった様だ。私もヘーゲル氏が、オバマ政権の国家安全保障政策や意志決定過程に不満を示していたことを知っている
ホワイトハウスが、国防長官の所掌業務に対し事細かに注文を付けて「micro-management」してくる様になり、ゲーツ元国防長官当時から他の安全保障や外交関係者からも不満が出ているように、仕事を上手く進められなくなっているのだ

Buck McKeon下院軍事委員長
●ヘーゲル長官は「大変なのに誰に感謝されることもなく」、予算不足の国防省と高まる脅威、更に「些細なことにまで口を出す」ホワイトハウスのマネイジメントを背負っていた。

Carl Levin上院軍事委員長
●ヘーゲル氏による米国の国家安全保障への献身と貢献は、確固として揺るぎないモノである。

シンクタンクCPAのLarry Korb研究員
●「これは悲劇以外の何者でもない。ヘーゲル氏は着任した当日から遂行不可能な職務を与えられていた。前任者が発生を否定していた強制削減対処を負われたのだから」と語った
●また、「ヘーゲル氏はオバマサークルの一部ではなかった。そしてその中で彼は、イラクやアフガンでの米政府のやり方に不満を持った米軍を扱わねばならなかった」とコメントした

元国防省高官(匿名)
ASEAN-meet.jpg●ヘーゲル長官がオバマ政権に選ばれた時点とは異なる環境になったので、交代は致し方ない
●ヘーゲル氏は(イラクとアフガン)戦後の米軍再建を託され共和党員として政権を支援する事を期待され国防長官に就任した。
しかしシナリオは崩れ、情勢は変わり、今もなお戦いの中にいる。当分は戦いが続くだろう。戦時の国防長官が求められているのだ

長島昭久衆議院議員(民主党:ツイッターで)
オバマ政権の外交安保チームで唯一残ったまともな閣僚だったのに残念

秋山信将教授(一橋大学:ツイッターで)
●(スーザン・)ライス(大統領補佐官)の方が強いんだ…・


追加:11月上旬:国防長官経験者は・・
Reagan National Defense Forumのパネル討議で
パネッタ前長官は
ホワイトハウスへの権力の集中により、意志決定に影響を与える声がほとんど届かない状態
ゲーツ元国防長官
ホワイトハウスが軍事問題の全ての側面で管理・統制することへの関心を、ますます増やしつつある。大統領が全ての側面でホワイトハウスによる中央集権的なマイクロマネイジメントを望むなら、それは官僚的なのではなく、政治的な動きである
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死に体:レイムダック」と呼ばれるオバマ政権で、イスラム国やウクライナや中国問題等がある中で、強制削減で軍内が混乱し不満が高まる中での更迭騒ぎ・・・
後を引き受ける「適材適所」な人が見つかるのでしょうか???

FlournoyCNAS.jpg良く名前があがるフロノイ女史(元政策担当国防次官)について元国防省高官は、「次の政権でも長官を続けられるかを考えるだろう。個人的な栄達やエゴではなく、国防省の予算構造改革(福利厚生や退役者施策の改革)や脅威環境を考えれば、3~4年の任期がなければ何も出来ないと考えるのが自然だ」とコメントしています

2週間前に報道官が強く否定していた辞任&更迭
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-08
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追加情報:フロノイ女史は国防長官就任を断る
所属するCNAS理事会に手紙で伝えた模様
昨夜大統領と電話でお話しし、就任をお断りした家族の健康状態の問題や、子息の大学進学時期に当たる等の理由でご説明した」
http://www.defensenews.com/article/20141125/DEFREG02/311250038/Source-Top-contender-Pentagon-job-bows-out
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オバマ主導で軍用周波数を民間へ割当 [米空軍]

AWS-3 auction.jpgオバマ大統領が主導するブロードバンド推進策「broadband initiatives」により米軍用に割り当てられていた大量の専用周波数が「オークション」対象となり、軍用装備品の試験データを地上に送るテレメトリー周波数の「1割」が失われる事態になっているようです

米空軍webサイトや米空軍協会web記事は、周波数削減の中でも、関係部隊や機関の連携や協力で「厳しい環境」に立ち向かう人々の努力を取り上げていますが、「オバマ大統領のブロードバンド推進策」と強調しながら紹介しており、「恨み節」が聞こえてきそうです

軍用周波数の「オークション:Advanced Wireless Systems auction」は今後も続くようで、時代の要請とはいえ、米国における研究開発や装備品の改良に負の影響が出そうです。

18日付米空軍協会web記事
broadband initiatives2.jpg飛行試験に当たる各基地の担当者たちは、飛行試験中の機体からリアルタイムでデータを送る周波数の損失の影響を局限するため、懸命の努力と関係機関との調整を行っている
エドワード空軍基地の第412試験飛行航空団に属する試験機材課長であるTim Chalfant氏は、「連邦通信評議会が、オバマ大統領のブロードバンド推進取り組みのため、軍専用周波数帯の民間への配分を始めたからだ」と語った

11月3日に行われた(第3回目の)周波数分配「オークション」では、「有人航空機の試験に使用するデータ送信テレメトリー周波数の10%が失われた」とChalfant氏は説明してくれた。
●また同氏は「エドワード基地、エグリン基地、ネリス基地、ティンダル基地、バーデンバーグ基地等の関係者は、緊密に協力して使用可能な周波数を有効に活用すべく努力している」と語った

13日付米空軍web記事によれば
broadband initiatives.jpg●Chalfant氏は「第3回目のオークションは、これまでの最大規模で軍専用周波数をオークションにかけた。特に我々の主要テレメトリー周波数である1755-1780MHzが含まれていた」と語った
●更に同氏は「今回対象になった25MHZのLバンド帯は、F-22やF-35計画を初めとするプログラムが大きく依存している周波数帯である」と影響を示唆した

●周波数確保の問題は米軍だけでなく、NASA等を含む政府関係機関全体に影響を及ぼす課題であり、第412試験飛行航空団からも米空軍省や国防省に人材を派遣して政府や他省庁との周波数調整に当たらせている模様
●Chalfant氏は「第4回目の周波数オークションに向け、対策を既に練り始めている」とまだまだ苦心の日々が続く事を示唆した
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世界中の先進国で同じような問題が発生しているのでしょう。
国民の欲求に応えることが求められる西側諸国では、これを制限することは困難でしょう

中国やロシアやイスラム国だけが軍用に周波数を自由に確保し、ますます軍事的優位を確かなものにするのでしょうか・・・

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太平洋戦域では宇宙アセットが不足 [サイバーと宇宙]

spacemine.jpg17日、前太平洋空軍司令官で10月から空軍戦闘コマンドACC司令官に就任しているカーライル大将が、アジア太平洋地域における宇宙アセットが不足していると語りました。

宇宙アセットの分野は日本人にはなじみが薄く、また余り情報が公開されない分野でもあるので、限定的な情報ですがご紹介します。

24日付米空軍協会web記事によれば
●17日ラングレー基地で、ACC司令官司令官のHawk Carlisle大将は、アジア太平洋地域では衛星でカバーーされている地域がまばらで、ISRや通信確保が将来妨げられる可能性が高いと述べた
Carlisle-pacaf2.jpg特に、過去10年以上に渡って戦いの場であったイラクやアフガンと比較すると、宇宙アセットの分野でアジア太平洋地域は劣っていると語った

●同大将は「中央軍や欧州軍の担当エリアにとって幸いだったのは、他の地域に比較して多量の十分な数の衛星や通信能力があった点である」と(記者団への)ブリーフィングで語った
現有の通信覆域や既に軌道上にある宇宙アセットの能力で、ウクライナ事案で突然急増したISR要請に何とか対応することが出来たのだと説明した
●カーライル司令官は、敵から妨害や破壊行為を受ける以前から、ISRの利用可能範囲は「軌道上にあるアセット」不足で不十分な状態にあると語った

●ACCでISRアセットであるU-2やMC-12を担当するRay Alves大佐は、(イラクやアフガンから、アジア太平洋地域へのシフトが始まって、)初めて我々は与えられた地域の環境が異なることを意識することになったと述べた
AFcyber1.jpg●同大佐は「恐らく衛星が不足すると思う。(無人機等の)空中アセットのような何かを考えなければならない」と語り、中東地域と同様のISR環境を確保するための方策案について説明した

●「いずれにしても今後の課題であり、地域戦闘コマンド司令官に必要なサービスが提供できるよう、いろいろな戦術を考えていくべき課題である」と同大佐は語った
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カーライル大将は今年10月半ばにPACAF司令官からACC司令官に就任したばかりであり、より高い立場で全体を見渡し、アジア太平洋地域の問題点をはっきり認識したのでしょう。

carlisleAF-5.jpg非常に重要なポイントですし、だから中国は戦いの緒戦で弾道・巡航ミサイルによる大量飽和攻撃を仕掛けるとともに、宇宙アセットへの攻撃をサイバー戦とともに試み、米国や同盟国の戦いの足場を粉砕しようとするのでしょう。

宇宙アセットの代替としては、長期在空型の無人機やバルーンが候補に挙がるのでしょうが、覆域や継続運用性や残存性の点でまだまだ課題があるのでしょう。
本分野の「残存性」や「強靱性」に考えが及んでいない日本にとっても、大きな課題です

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ハワイに統合&共同のIAMDセンター開設 [Joint・統合参謀本部]

本題の前に速報です!!!
21日、防衛省webサイトhttp://www.mod.go.jp/j/press/news/index.html)が3つの機種選定結果を発表
→陸上自衛隊のティルト・ローター機にオスプレイ・OV-22
→滞空型無人機にグローバルホーク・RQ-4
→早期警戒機にE-2Dが決定!

上記の3機種関連記事
「オスプレイは世界で人気者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-02
「外圧で三沢からRQ-4活動」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-16
「E-2Dはステルス機が見える!?」→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12
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IAMD.jpg7日付米空軍web記事が、ハワイのヒッカム基地に太平洋軍担当エリアのIAMD(Integrated Air and Missile Defense)を司る作戦センターが開設されたと報じています。
この施設は、単にIAMDの指揮所としてではなく、太平洋地域の同盟国等との訓練や人材育成の場として活用していくそうです。

米軍や日本を含む西太平洋地域の同盟国にとって、中国の弾道・巡航ミサイルによる大量同時攻撃を如何に耐え忍ぶかが重要な課題となっています。その核となるのがこの指揮所です。

7日付米空軍web記事によれば
IAMD2.jpg●10月1日から活動を開始している「太平洋IAMDセンター:Pacific Integrated Air and Missile Defense Center」は、太平洋軍が担当する地域の国々と防空&ミサイル防衛能力を向上させるため、地域の軍事指導者と共通認識を養うための施設である
●既に中央軍や欧州軍に設置されているIAMD指揮センターと同じく、太平洋IAMDセンターは統合で共同を目的とした施設であり、米軍や地域国のIAMD作戦運用者や計画立案担当者に教育訓練を行う組織である

●デンプシー統合参謀本部議長が「Joint IAMD Vision 2020」で示したように、「IAMD成功のため、国家の要求に応えるため、限られた資源を革新で不利を克服し、効率的で融合され、相互依存な統合&共同アプローチが求められている」状況にある

●フル運用に至った際は、統合で多国籍で相互運用性があるIAMD機能を、以下4つのコンセプトで追及
・太平洋地域におけるIAMD教育と研究の標準化
・太平洋戦域のIAMD訓練や演習を集中実施
・IAMDセミナー、演習、情報共有を通じ多国間パートナーシップを育成
・地域の多国間で教訓、技術、手順、戦術等々を配布共有

Robinson.jpg●太平洋IAMDセンターの運営は、新任の太平洋空軍司令官であるロビンソン大将に委ねられている。同司令官は太平洋軍担当地域におけるIAMDの重要性を理解し、「彼女」の優先任務の一つと考えている
●ロビンソン司令官が「地域への関与を拡大し、戦闘能力を増し、IAMDでの任務達成のため現場兵士の融合」を望んでいることが改めた示された
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ヒッカムに新しい施設が出来たのか? 太平洋軍の航空宇宙作戦指揮所(Kenney HQ)内に新たな部署が出来たのか?詳しいことは不明ですが、「Joint」で「Combined」で「multinational」で「partnership」を重視する組織ですから、日本からも多くの人材が訪れることになるのでしょう

IAMD3.jpgパイロットでない初の太平洋空軍司令官(しかも女性)のロビンソン大将の考え方に触れ、日本が直面している脅威の本質と、日本の防衛政策(投資優先)が如何に問題をはらんでいるかを考える良い機会となるでしょう。

でも大事なのは、米軍よりも自衛隊の方が厳しい脅威環境に置かれている点です。変化に時間が掛かる米軍の言いなりではだめです。先取りしなければ!
戦闘機パイロットが変えなければ、誰も変えられないですよ! 判っている? 君たち!

「米軍と海空自衛隊がIAMD演習」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-22

「なぜ女性がPACAF司令官に?」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-29
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USCC米中経済安保評議会が中国核戦力増強を警戒 [中国要人・軍事]

Great-Wall.jpg19日、米議会から委託を受けた米中経済安保評議会(USCC:US China Economic and Security Review Commission)が、米中関係を考える上で必要な経済、貿易、外交、安全保障面等での動きを2014年版年次報告書にまとめて発表した模様です

19日付Defense-Newsは、特に中国の軍事力増強に関する部分を取り上げ、核兵器の増強や宇宙戦能力の向上を中心に紹介しています。
核兵器の増強に関するところでは、細部は不明ながら「特に日本への拡大核抑止が弱体化する可能性がある」と警告しています

19日付Defense-Newsによれば
China SLBM Los.jpg●報告書は、中国の核兵器と運搬ミサイルの発展により、今後10年以内に西太平洋地域の全ての米軍基地や関連施設が脅威を受けることになる、と記している
今後5年間で中国は、多角的に核戦力を強化し、その拡大と近代化により多様な軍事及び外交オプションを手にし、米国の拡大核抑止を弱め、特に日本に関して影響を与える可能性がある

また今後5~10年の間に、中国は、米国が安全保障用に使用するあらゆる軌道の衛星を危機に陥れる能力を獲得する、と指摘している
●そして中国は、その宇宙戦能力で抑止力を高め、米国やその同盟国が中国に対して軍事的手出しをしないよう追い込むように振る舞うだろう

特に中国の核戦力に関し
今後3~5年で、中国の核戦力はより威力を増すだろう。移動式の核ミサイルや、12発のMIRV大陸間弾道弾を装備した5隻の原子力戦略潜水艦が配備されるからだ
2013年時点では、中国は50~75発のICBMしか保有していないが、今後15年で100発以上になるだろう。専門家の中には、既に大量の核兵器を保有しているが隠しているのだと指摘する者もいるが。

Jin class.jpg●海中発射型では、2007年から就航を開始した3隻のJin級SSBNが存在するが、2020年までには更に2隻がこれに加わる。Jin級SSBNには、射程4600nm(8200km)のSLBMであるJL-2が12発搭載される
●JL-2は配備完了しているとも言われ、中国近海から発射すればアラスカが射程内で、日本南部の海域から発射すればアラスカとハワイが入る。ハワイ西部からだと米大陸西部まで届き、ハワイ東方からだと米全土が射程内になる

●中国の移動式ICBMも懸念材料だ。2006年に配備されたDF-31は、2007年には改良されDF-31Aとなった。射程は少なくとも6900nm(12500km)で、全米の大部分を射程内に収めている
●また、2015年に配備が予期される新型のDF-41は、10個の多弾頭ICBMで射程が7456nm(13400km)あり、全米を射程に収めることができる
DF-41.jpg●DF-31AのMIRV化と合わせ、中国は米国や同盟国のBMD能力を飽和させる能力獲得を図っている

●10月13日付の中国紙「Global Times:環球時報」(人民日報の英語版の位置づけ)は、Los AngelesをJL-2のMIRV大陸間弾道弾で攻撃した場合の被害想定を掲載し、半径800nm(1400km)内の生存確率はゼロだと報じ、「十分な抑止力になる」と分析している
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「現在50~75発のICBM保有が、今後15年で100発以上に」とはペースが遅いような気もしますが、それで十分なんでしょう
5隻のJin級SSBNに、射程4600nm(8200km)のSLBMを12発搭載(MIRV)搭載でも十分なんでしょう。

米軍の核戦力を巡る「深刻」な内部崩壊状況を見るまでもなく、核戦力運用部隊の維持は、途方もなく困難な任務なのかもしれません・・・

「内部崩壊する米軍核戦力部隊」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18
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後半:海自OBが語る中国軍脅威と日本の対策 [安全保障全般]

Kouda5.jpg元自衛艦隊司令官の香田洋二氏が、「国際安全保障」2014年6月号に、中国の軍事脅威を分析しつつ、日本の取るべき方策を期した論文「日本海洋戦略の課題」を発表しています。

自衛隊高級幹部OBにありがちな、誰も傷つけず、無尽蔵の国防予算を前提とした論文で、「削減」や「スクラップ&ビルド」や「事業の優先順位付け」の発想を全く持たない「総花的」な対策論ですが、注視すべき点が幾つかあります。

本日は論文紹介の後半として、「能動的方策」との表現で香田氏が取り上げた「中国の弱点を突く」攻撃的オプションの部分を中心にご紹介します。
専守防衛で日本は守れない・・と言いたいのでしょうし、そう言ってほしいのですが、そこは社会的地位も立場も(たぶん)ある高級幹部OBですから・・・

対中国で採るべき能動的方策
「中国や中国軍といえど、普通の国であり、弱点は多数存在する」

●中国の戦略目標に対する大量CM攻撃
中国のCM対処能力は日米以上のモノではない。
・中国の主要戦略目標に対する、米軍の爆撃機や潜水艦からのCM大量集中攻撃は極めて有効である

●中国の海上交通路阻止や破壊
Kouda6.jpg・中国はその国家目標の一つである経済発展を続けるため、海上交通路に依存せざるを得ない
・そのため、太平洋やインド洋における中国の海上交通緒破壊という有力な選択肢を我に与える

●空母破壊による中国指導層の威信失墜
中国が威信をかけて建造した空母も、空母防護能力と我の攻撃能力を踏まえれば、攻撃能力が上回るのは明らか
・有事における空母の損失は、中国共産党、政府、中国軍の威信を大きく傷つける。我の攻撃能力を、中国空母に集中するのも一案
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9月12日、中国軍の権威である米海軍大学のヨシハラ教授は、CNASから日本への軍事施策提言レポートを発表しました
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-18

その結論は端的に言うと
●日本は、中国の攻勢能力に専守防衛では対処できない
●称賛に値する(自衛隊の)戦術的職人技は、不釣り合いに高価で、発揮困難
対称戦は、敵に対して財政的・技術的優位を持つ大国のやり方。日本にそんな余裕はない

更に海上自衛隊については
Yoshihara22.jpg●中国の作戦計画者は、作戦当初に、嘉手納、岩国、佐世保、横須賀等の基地にミサイル攻撃を仕掛ける。つまり、日本の現在の防衛態勢は、中国が日本にだけ多大なコストを課すことを許容している。
●例えば海自の対潜能力ASWは世界第二の固定翼ASW戦力を持つが、中国のミサイル攻撃に脆弱だ。ASWの例は、海自が劣勢な分野のひとつに過ぎない
●海自は「ひゅうが」や「いずも」といったヘリ空母へ投資しているが、中国のミサイル攻撃の格好の標的となる。

そこで「日本による接近阻止戦略」を提案
●潜水艦戦 ●機雷戦 ●小規模艦艇による防衛 
●沿岸配備の各種ミサイル ●抗たん性強化 ●分散と代替施設確保
の分野でそれぞれ提言を行っています

香田氏よりもスッキリ分かり易く、総花的でなくバッサリと指摘しています。香田論文と比べて下さいね。
特に、自衛隊OBが無視する「抗たん性強化」と「分散と代替施設確保」を決して忘れません

再度、ヨシハラ教授のCNASレポート
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-18

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前半:海自OBが語る中国軍脅威と日本の対策 [安全保障全般]

Kouda.jpg「国際安全保障」の2014年6月号に、元自衛艦隊司令官の香田洋二氏が「日本海洋戦略の課題」と題する論文を寄稿し、中国の軍事脅威を分析しつつ、日本の取るべき方策を述べています

自衛隊高級幹部OBにありがちな、現役自衛官や軍需産業に務める自衛隊OBを傷つけず、脅威を羅列し、無尽蔵の国防予算を前提とし、「削減」や「スクラップ&ビルド」や「事業の優先順位付け」の発想を全く持たない「総花的」な対策論です

つまり、「我が国の平和と繁栄を維持するため」には最優先で国家的資源を投入すべきとの錦の御旗を建て、「政府の積極的かつ的確な防衛力整備が求められる」で終わる典型的な「言いっぱなし議論」です。

ただ、典型的な自衛隊OB議論でありながら、現役自衛官幹部や各種情報網から仕入れたであろう情報を元に指摘している中には、今後の海上自衛隊や防衛省の政策を予測する上で注視すべき点が幾つかあります。


中国のA2ADは「作戦計画」ではない
Kouda2.jpg●注目すべきは、中国のA2ADは米軍を撃破する戦力構築を目指すものであり、米軍との正面衝突を企図とした作戦構想や計画では無い点である。
●A2ADは、ワシントンDCのアジア太平洋地域への積極的関与の意図を弱体化させ、米国と戦わずして、中国の地域的優位を確立することを目指したモノ
●A2ADは、A2ADで米軍を撃破出来る能力を米軍に示し、平時のプレゼンス、危機の際の介入、有事での作戦実施の意図の弱体化や喪失を狙い、自らに有利な環境を構築するモノ

まんぐーすコメント
●この部分の記述には脚注も引用文献もなく、香田氏独自の主張と思われます。
●香田論文は全体として、米国のオフショア・コントロール的な動向を強く戒めており、中国A2ADを「読み違えるな」又は「作戦遂行能力を過剰評価するな」と米国に警告したいのかもしれません。いずれにしても、この記述部分の意図がよく分かりません


海自イージス艦に日本国土のBMDを期待するな
Kouda3.jpg●中国A2ADは、米軍が当地域へ支援・来援することを阻止するモノであり、中国本土から遠方で米軍部隊を撃破する能力が中心となる
●この点、最も注目すべきは対処が困難な中国のASBM(対艦弾道ミサイル)の脅威であり、日米共同で技術開発も含め取り組むべき課題である
●また、中国潜水艦の魚雷や対艦ミサイルの脅威も中国A2ADの重要要素で、海自イージス艦は米海軍機動部隊のミサイル防衛と対潜水艦作戦を同時に求められる

●従って中国の弾道ミサイル対処に関し、海自イージス艦は北朝鮮ミサイル対処時のようなBMD専従は困難である。
本土BMDには、米国が欧州に配備を進める地上配備イージスシステムや高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備が必要で、関連指揮統制システムと合わせ整備すべき

まんぐーすコメント
●更に突っ込んで、陸上自衛隊が本土BMD任務を担うべきと主張してくれれば応援できるのですが。
●また論文では、沖縄本島から与那国諸島を経て台湾に至る海峡群をチョークポイントとして重視し、陸自の配備による中国占領阻止と通峡阻止機雷の開発を訴えている。
陸自の島配備が日本版ミニA2ADの対艦ミサイル部隊であれば少しは応援したい


巡航ミサイル(CM)防衛体制を構築せよ
Kouda4.jpg●中国A2ADでは、弾道ミサイル(BM)と並ぶ日本周辺戦力への攻撃手段が巡航ミサイル(CM)であり、我が国全土をカバーするCM防衛体制を構築する必要がある
●現在の我が国の防空システムは航空機を主対象し、CM対処能力は限定的であることから、C4ISRを含めた「抜本的」なCM防衛体制構築が急務

まんぐーすコメント
●航空自衛隊が、生起確率が低下の一途をたどる敵戦闘機との空中戦ばかりを考え、遙かに重要なCM対処を疎かにしている、と指摘してくれれば応援できるのに
●更に、根本的にBMやCM対処は非常に高価で、相手にコスト負担を追わせるという中国の作戦にまんまとはまることになる。
●だからBMDやCMDにはある程度で見切りを付け、攻撃力強化で敵を抑止する必要がある。そのための策を提言してくれたら応援するのに
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「能動的方策」として記載のある、「中国の弱点を突く」攻撃的なオプションについては、次回(後半)ご紹介します

Koda.jpg中国のA2ADは「作戦計画」ではなく、「戦わずして勝つ」との孫子の兵法に沿った戦略だとのご指摘は「さもありなん」ですが、どうも論文全体の中での位置づけがよく分かりません

本土BMD任務から海自イージス艦を外すべきとの主張は海上自衛隊らしく、ほほえましく思うのですが、海上自衛隊だって戦力発揮の基盤として佐世保や横須賀や呉が重要でしょうから、その防衛のための分担(人・もの・金)は相応に担って頂きたいものです
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論文全体は、無尽蔵が国家予算を前提とし、防衛関係者に八方美人姿勢を取る「言いっぱなし議論」の典型ですが、その中には、陸自にミサイル部隊化を求め、空自の戦闘機命派を批判する気配も感じられます

米海軍大学のヨシハラ教授、森本敏元防衛大臣、陸自の中澤一佐などなど、オブラートに包みながらも、陸自や空自を批判する意見の萌芽が見られることは、喜ばしいことです

本当に考えよう日本の防衛
「ヨシハラ教授:日本版A2ADを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-18
「中澤1佐が傾聴に値すると」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-10
「森本元防衛大臣の防衛構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-05
「CSBA:陸軍にA2ADミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「脅威の本質を見極めよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08
「失敗の本質の視点で今を」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-12-31
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内部崩壊する「核の傘」に対策 [ヘーゲル国防長官]

「継続して誰も注目せず資源配分もされなかった結果、核運用部隊の士官に、将来の伸展や昇進の見込みがない無視された分野に配属されたとの意識が染みついている」

「ICBM部隊は組織改編の度にメジャーコマンド間をたらい回しにされ、予算も人的施策も後回し・・・誇りも気概も消え失せた」
「資源投資の問題だけではなく、(海空軍の)文化の問題でもある」

Minot.jpg14日、ヘーゲル国防長官が内外2つのチームによる検証レポートに基づき不祥事やモラルの低下が深刻な米海軍と空軍の核兵器運用部隊に関する対策を発表し、今後5年間に渡り核兵器運用部隊の予算を毎年10%増とすることや、担当司令官の大将格上げ等の施策を明らかにしました

2つのレポートは、部隊での資格認定試験での長年にわたる組織的カンニングなど表面的な事象ではなく、核兵器運用部隊が組織から予算面や人材ケア面で如何に無視され、現場が悲惨な状況を訴えています。

5年前からこの問題を時々フォローしていますが、引き続き「無視され続けている部隊」であることに変わりは無いようです。扱うモノが核兵器だけに、心配です・・・

14日付Defense-News記事によれば
Minot4.jpg●14日ヘーゲル国防長官は、国防長官は米空軍の要求であったGSC(Global Strike Command)司令官の大将への格上げや核兵器運用部隊の司令官の中将格上げを認め、国防省に海空軍の核兵器運用部隊部隊の予算を、2016年度予算案から5年間10%づつ増加させるよう要求するよう指示したと発表した。
●また人的側面では、米空軍が検討している人員削減から核兵器運用部隊4000名は除外し、GSCの整備、運用、警備分野に1100名を増員するよう指示している。海軍に対しては、2500名を工廠や教育機関に増員する予算案が指示された

●同長官による発表は、組織的な投資配分、所属兵士の昇任、指導者、当該部隊への査察等の問題を指摘した2つの報告を受けて行われた。2つの報告には、予算の増額を含む約100個の提言が盛り込まれている。


特に部内チームによる報告書は・・・
Minot3.jpg●部内チームによる報告書が指摘した問題には、米空軍の不明確な責任の所在や試験で完璧を求めすぎる体質、米海軍の不適切な施設や高齢化が進む艦艇工廠の文民勤務者の状況が含まれている
●また、昇任機会の欠如、SLBM潜水艦のストレス、技術面を過度に追求してリスク管理を疎かにする勤務員への教育等も指摘されている

●報告書はまた、特に米空軍内に意味ある能力評価の基準が無く、過度に完璧を求めて「カンニング」を誘発していると指摘している。更に、インフラの老朽化により、装備の維持が益々困難になり、時間も経費もかさむ傾向にある

海軍部隊でのカンニング事案で34名が免職になったケースでは、事案が7年間も続いていた。その試験は南加州の原子力機関の教育部隊に勤務するための資格と関係しており、(つまらない潜水艦勤務を避け、)楽な教育部隊勤務を求めた結果であった
空軍でのカンニング事案では、過度に度重なる査察と試験で完璧を求める風潮が、100名もの士官をカンニングさせた背景にあると指摘され、空軍は過度な要求が逆効果を生んでいると判断し、試験システムを変更している。

●ヘーゲル長官は「継続して誰も注目せず資源配分もされなかった結果、核運用部隊の士官に、将来の伸展や昇進の見込みがない分野に配属されたとの意識が染みついている事が根本原因である」とも表現した


特に部外チームによる報告書は・・・
Minot2.jpg退役海軍大将と退役空軍大将が主導した部外チームによる報告書は、部内チーム同様にインフラや士気の問題を指摘すると同時に、「国防省や軍高官が期待していることと、期待に添うように部隊に対して為したことの大きな相違」や「指導層が語り信じている兵士のレベルと、実際の任務に就く兵士のレベルの大きな差異」が最も深刻な問題だと指摘した
●ヘーゲル長官はこれに関し、「過去数年間に発生した事案の深さや幅は、無関心や問題分野への薄い関心を明示している」と述べ、「資源投資の問題だけではなく、(海空軍の)文化の問題でもある」と言及した

●また部外チームは全てのICBM基地を訪問し、Minot基地での勤務がその勤務地環境から度を超して過酷だと指摘している。人里離れた僻地にある分散したICBMサイトを転々とし、買い物も満足に出来無い状況が士気を低下させていると報告している。
●かつては「Minotに勤務してこそ一人前だ」との風潮もあったが、組織改編の度にメジャーコマンド間をICBM部隊がたらい回しにされ、予算も人的施策も後回しの中で、そのような気概も消え失せたとも指摘されている

●そして現在では、兵士の低い昇任率や教育体制の欠如から、Minot基地への転勤を打診された兵士が退職するケースが多数だと指摘している。
報告書は国防長官と空軍長官に対し、直ちにMinot基地を訪れてその状況を確認し、最優先で任務と兵士の家族の支援に当たるべきだと勧告している
まんぐーす注:本日の写真は、勧告を受けて実現した国防長官と空軍長官によるMinot基地訪問の様子

●その他、装備の不足も深刻で、分散した3つのICBM基地に弾頭を固定する工具が1個しか無く、3個基地で使い回しするしかなく、しかもその輸送に民間宅急便を使用している実例も明らかにされている
●また、核兵器を扱う飛行部隊の勤務員も含め、上級軍曹がミサイルや航空機の維持整備にのみ集中せざるを得ず、若手のスキルアップへの取り組みが欠如しているとの報告もあった
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米国防省web関連記事
http://www.defense.gov/news/newsarticle.aspx?id=123635

Minot5.jpgどう立て直すのでしょうか? ただひたすら「その時」に供え、辺鄙な田舎や海中でミサイルの整備と訓練だけを繰り返すこの部隊の士気を回復するのは並大抵ではありません。
しかも、この予算厳しき中で、他の分野を削減して「その時」を想定して予算を増額するとなると・・・

実際この部隊には、他の分野に向かない「内向的」で「社会性が高くなく」、「無口」なタイプが寄せ集められていると言われており、一種独特の組織だとの噂も聞きます。

人類が生む出した「禁断の兵器」・・・その管理がこのような形で行われていることに人間の一面を見たような気がします。 でも気になるのは、ロシアや中国がどうなっているかです。おそろしや・・・

関連過去記事:「核の傘」の内部崩壊
「特別チームで核部隊調査へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-27
「米海軍トップが危機感訴え」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-10

「ICBM部隊に不合格判定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-15
「ICBM部隊で士官17名処分」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-11

「米空軍ICBMの寿命」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1
「米核運用部隊の暗部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-29
「米軍核戦力は大丈夫か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-28-1

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米政府がベトナムへの軍事装備輸出緩和 [安全保障全般]

Vietnam US.jpg10日、オバマ大統領が北京訪問を開始したその日に、米国務省はベトナムへの軍事装備輸出規制実質緩和するとの新方針を発表しました。

正式には、米国務省が「ITAR:International Traffic in Arms Regulations」の修正を発表したとのこと。オバマ政権らしく、ベトナム国内の「人権問題」を引き続き懸念材料として、「case-by-case」で分野を絞って許可していくようです

10日付Defense-News記事によれば
Susan Rice1.jpgオバマ大統領が1週間に及ぶアジアツアーを開始した日に、米国務省は「lethal defense items」のベトナムへの輸出を許可する公文書の変更を発表した
●本件に関しては、10月初頭にベトナム外務相がワシントンDCで、Susan Rice安全保障担当補佐官やケリー国務長官と会談した際に発表されていた

しかし、正式な「ITAR」の変更は、11月10日まで待たなければならなかった
●変更通知には「米国の外交政策や国家安全保障の観点や、ベトナムにおける人権問題に関する懸念から、ベトナムへの武器や関連サービスの提供は、海洋安全保障や状況認識強化への支援に関するモノを、case-by-caseを基本として許可していくこととする」と記されている

●人権問題について言えば、ベトナム政府は市民に対する国際的な人権規範尊重において好ましくない状態にある
●2013年の米国務省による年次報告書によれば、ベトナムは「市民の人権を制限する厳しい政府と位置づけられ、特に政権交代に関する市民の権利への制約が大きい」と評価されている

P-3C.jpg●そのような事情はあるが、専門家は、ベトナムが海面監視のためのP-3対戦哨戒機に興味があるのではないかと見ている。なお、米国は新型のP-8を導入するに伴い、現有のP-3を引退させ余剰が出る可能性がある
●またベトナムは、P-3とあわせ、関連の監視用装備にも関心を示している模様。2013年にはケリー国務長官が、ベトナムに武装のない5隻の高速監視艇を提供することで合意している
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先日、ヘーゲル長官がオバマ政権の信頼を失っており、更迭されるだろうとの「噂」報道をご紹介した際、「ライスの方が力があるんだ・・」とのコメントを頂きました。

Susan Rice2.jpgがちがちの「人権主義者」と言われるSusan Rice女史が本領発揮でしょうか? 国防省の立場からすれば、南シナ海で中国と果敢に対峙するベトナムに、どんどん必要なモノを提供したいのでしょうが

百年の圧政より、一夜の無政府状態の方が恐ろしい」とはアラブのことわざですが、ミャンマーにしろベトナムにしろ、早く味方にしてしまえばいいのに、と思います

ベトナム関連の過去記事
「ベトナムへ武器輸出解禁か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-28
「50年ぶり米軍トップが訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-16
「中国と関係改善の兆し?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-28

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人材確保へドイツ軍が給与や処遇等を改善 [安全保障全般]

German military4.jpg6日付Defense-Newsは、ドイツ内閣がドイツ連邦軍の雇用条件改善して魅力化を図る法案を承認したと報じています。
同法案は、ドイツのUrsula von der Leyen国防相(女性)によれば、若者や専門能力のある人材をドイツ軍に引きつけ引き留める事を狙いとした物だそうです。

欧州で安全保障上の脅威が不明確になり、軍事予算の削減が続いてきた事で、軍の社会における認知度や軍人の職業としての魅力が失われてきたのでは、との危機感から生まれた施策と考えられます。
特に最近のウクライナ情勢や中東におけるISISの勢力拡大が、ドイツの危機感を生んだようです

6日付Defense-Newsによれば
●Leyen国防相が提出したドイツ連邦軍の総合的なイメージ改善案は、最近の国防支出の削減や今年に入って連続している軍装備品に関するマイナスの報道からの挽回を狙った物である
●同法案を紹介する記者会見で国防相は「良い人材は良い装備品と同様に重要である」と法案の主旨を説明している

German military3.jpg●法案には例えば、史上初めて基本給の2割に当たるボーナスを今後4年間支給することや、専門能力を有する航空機整備員に月額440ユーロの手当を支給すること等も含まれている
●Leyen国防相は、ボーナス等の施策により、IT分野など、軍隊が求めている高いスキルを持つ専門家を引きつけたいと語った

●また給与面では、特に危険を伴ったり困難な職務に従事する場合に給与を4割まで増額する改善案も含まれ、これにより軍人2万2千人、文民職員5百名が恩恵を受ける

●勤務形態での改善では、ドイツ軍史上初めて、通常勤務兵士の週間の勤務時間を41時間に定める(制限する?)規定が盛り込まれ、更に、短時間就労形態を制限する規則を撤廃することも含まれている
●この改正により、現状では18歳以下の子供がいるか、ケアの必要な家族がいる勤務者にのみ認められていたパートタイム勤務(短時間勤務)が認められる

安全保障政策も明確にしたい
German military2.jpg●同国防相は同時に、2006年に発表以来途絶えている国防白書の編さんと出版を求めており、白書の中でドイツが直面している安全保障の課題や国防の優先事項を示したいと考えている
●新白書ではまた、今年年初のミュンヘン安全保障会議以降に議論が始まったドイツの国際政治や国際社会における役割についても明らかにし、ウクライナ危機や「イスラム国」の脅威にドイツとしてどう対処するかについても明示したいと独国防相は語っている

●ドイツの軍支援団体の委員長は、この施策は国防省と兵士の信頼を築く上で欠く事が出来ない物だと評価し、「兵士は喜んでいる。志願兵制度を維持する上でも重要なステップである」と語った
●法案はまだ閣議了解段階で、議会の承認を得る必要があるが、2015年4月には可決され効力を発揮する見込みだ
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German military.jpg欧州の雰囲気がどうなのか、正直なところ判りませんが、一端平和に慣れた、つまり危機感が薄れた国民に安全保障の問題を語るほど難しいことはありません。日本の心ある皆様は、身にしみて感じておられるでしょう。

でも、欧州ではまだまだメディアが「軍事常識」や「安全保障感覚」を備えていることから、「復元力」が有るのかもしれません。
欧州で唯一経済余力があるドイツだから出来る施策で、他の欧州諸国では不可能な施策だと思いますが。

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海軍用F-35が空母で初運用 [亡国のF-35]

F-35C USS Nimitz.jpg11月3日、海軍用(空母艦載用)F-35が初めて空母での離発着を含む空母運用試験を開始しました。
サンディエゴ沖の空母Nimitz (CVN 68)で行われている試験は、3日から2週間行われる模様ですが、試験の様子が映像(約3分半の映像が2本)で公開されました

甲板上で撮影された様子だけでなく、空母に離発着するF-35Cの様子をヘリから撮影したと思われる映像も含まれ、複数のF-35を同時運用するかなり高度な運用テストを行っているような印象を受けました。

カラフルな色のジャケットを着た甲板勤務員の動きも淀みなく、西海岸の澄み切った空に飛び立つF-35も、それなりのマッチングを見せています





タグ:F-35C Nimitz
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映像:イランが捕獲無人偵察機RQ-170のコピーを飛ばす [安全保障全般]

イランが、捕獲した米国製ステルス無人偵察機のコピー版を製造し、飛行させている約2分半の映像を公開しました。

2011年12月、米国が運用していた無人ステルス偵察機を「サイバー攻撃」で捕獲したとイランが発表してから約3年、コピーした機体を地上で公開したことはありましたが、遂に飛行する様子を公開しました。



12日付「Intercept」ブログによれば
イランが、捕獲したRQ-170無人ステルス偵察機のリバースエンジニアリング版と主張する航空機の飛行映像を公開した
Iran RQ-170.jpg●約2分半の映像によれば、かなり騒音の大きいRQ-170のような形状のジェット機は、複数回上空通過して旋回している。また、恐らく上空のヘリから撮影したと思われる、空中撮影映像も含まれている

●撮影された航空機は、2011年12月に捕獲されたRQ-170より小さく、RQ-170より6割小さなプロトタイプではないかと考えられている
●イラン国営のFARS news agencyは、プロタイプは約3ヶ月前に初飛行し、フルスケール版は2014年末までに飛行すると伝えている

●更にFARSはイラン政府高官の発言として、2014年末までに4機の「イラン製RQ-170」が運用を開始するが、米国の経済制裁(輸出規制)が解除されれば、4機の内1機を「米国にプレゼント」すると報じている

12日付defense-Newsによれば
Iran-RQ-170-22.jpg12日イラン国営放送が、2011年にイランがほぼ無傷で捕獲したと主張する無人偵察機のコピー版の飛行試験映像を放映した。
10日、イラン革命防衛軍の空軍司令官Amir-Ali Hadjizadeh大将は、無人機が初飛行に成功したと発表していた

今年5月、イラン軍関係者は捕獲したRQ-170をコピーすることに成功したと語っていた
イランは、無人機を2010年から製造している。イランは無人機計画が防御的なモノだと主張しているが、バーレーンを拠点とする米海軍第5艦隊は警戒している
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「かなり騒音の大きい」様子は、映像からご確認頂けるでしょう。だからどうだと言われても、技術的なコメントは出来ませんが・・・

このような特殊な形状の無人機を飛行させることが出来るだけでも、それなりの技術のような気がしますが・・・

イランとRQ-170
「ハメネイ氏がコピー無人機視察」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-13
「RQ-170をイランが捕獲し公開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-28-1

タグ:イラン RQ-170
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