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F-35:星国購入決定近し&豪州の懸念 [亡国のF-35]

F-35 Singapore.jpg22日から3月1日まで、豪州のメルボルン近郊で開催されている航空宇宙展示会「Avalon 2015」で、お馴染み米国防省F-35計画室長Bogdan中将が記者懇談を行い、F-35の海外販売(FMS)は非常に感触が良く、シンガポールと継続中の協議も煮詰まりつつあると語りました

一方、既に発注済みの豪州軍担当将軍は、国際的な兵站支援システム「ALGS」開発の遅れとその運用についてを大きな懸念事項だと述べました

24日付Defense-Newsによれば
F-35 Singapore2.jpg●F-35計画室長Bogdan中将は、シンガポール(星国)がF-35発注に近づいているとの趣旨の発言を行った
●また、最近イスラエルが14機の追加発注を公表したが、同中将は「FMS販売に関して、F-35への関心が潜在的な購入国の間で高まっている」、「星国を含む、複数のFMS顧客が、我々とのより広範な対話開始を要望している」とも表現した

●星国に関して同中将は、ここ数年に亘り、同国が意思決定出来るよう情報提供と意見交換を行ってきており、「議論は深化してきており、情報提供要望もより広範になってきている。これは同国が意思決定に向け次のステップに進んでいることを示唆しているのだろう」と語った
星国はF-35の3形態(空軍型、空母艦載型、垂直離着陸型)の内、どれに関心を示しているのかを明らかにして居らず3形態全ての情報収集を行っている。

豪州軍幹部の懸念
豪州軍のF-35計画責任者であるChris Deeble少将は、豪州空軍が72機を購入し、初期受領機の運用開始を2020年とする計画は順調だとパネル議論で語った
●同少将は「開発計画終了時に、最終的にどのような能力を獲得出来ているかが重要だ」と述べ、今後迎える開発試験の山場に注目していることを示唆した

F-35 Singapore3.jpg●また、「私の懸念は、維持と訓練と支援態勢である。依然開発段階にある国際的な兵站支援システムALGSが気になっている。開発が遅れており、その加速に努力すると共に、ALGSが国家安全保障の観点で何を意味するのかを理解する必要がある」とも付け加えた
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F-35に関しては、開発の遅れや性能への疑念をご紹介してきましたが、豪軍の少将が懸念するALGSもくせ者です
全てのF-35ユーザー国が世界的規模で部品等を融通し合うシステム(うたい文句)だそうですが、システム開発がうまくいって居らず、本当に「全世界規模」で稼働するのか誰も自信が無いシステムです

F-35に関してほとんど言及しない(臭いものには蓋の姿勢堅持)防衛白書でさえ、26年版では「今後の進展に注視していく必要がある」と記述し、実質「不安で仕方が無い」と公言し始めました
シンガポールは偉いですね。慎重に慎重に検討しているのですから・・・

Avalon 2015.jpgところで「Avalon 2015」は、600以上の企業と20万人以上の来場者を見込まれる大きなイベントです。
豪州大陸の南端でこの規模のイベントが成立するとは驚きです。日本でも中国A2AD対処の軍事見本市「Cope Red EXPO」(仮称)を開催したいものです。名前にはひねりが足りませんが・・・

シンガポール関連の話題
「巨大気球で海空監視」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-04
「ドイツ製潜水艦2隻を契約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-03
「F-35交渉が難航?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-03-27
「米との戦略枠組みが難航?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06
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米空軍指揮統制C2の脆弱性を警告 [米空軍]

RAND研究所が200ページを超える本格的報告書を
「前:RAND中国軍弱点レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15
「後:RAND中国軍弱点レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15-1
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AFA Symposium.jpg12日、オーランドで開催された米空軍協会総会で米空軍の指揮統制(C2:command and control network)に関するパネル討議が行われ、退役空軍高官5名が「今だから言える本音トーク」で、現状の指揮統制システムが「恐ろしいほど不適切だ」と口々に語りました

ウクライナ情勢やイスラム国対処での昔ながらの戦いに目が向き、中国A2AD議論が中心だった頃の危機感が薄れてきています。従来の軍事インフラは急激に脆弱性を増しています。精密誘導兵器にサイバー兵器、更には対宇宙アセット兵器などの発展で、特に指揮統制の「vulnerability」問題は待ったなしです

F-35導入で、今後「失われた15年間」を迎える航空自衛隊も同様です。気持ちを新たにするため、短い記事ですがご紹介します

18日付米空軍協会web記事は
AFA Symposium2.jpg●12日、米空軍協会主催の「Air Warfare Symposium」で、同協会のミッチェル航空宇宙研究所が「指揮統制C2の脆弱性問題」をパネル討議で取り上げ、レイセオンやNorthrop Grumman等の関連企業や同研究所から、退役少将2名と退役大佐3名が参加して危機感を訴えた

●パネル討議では、ロシアが欧州アフリカ米空軍の指揮統制インフラを攻撃するシナリオの映像が紹介され、混乱した米軍の横目に、ロシア側が巧みに隠密侵攻作戦による目標攻撃や地域支配拡大を進める様子を描き出した
●パネラーによる討議では、現有の航空作戦センター(AOC:air operations centers)の脆弱性や、21世紀の脅威に備えてC2インフラを分散し近代化する必要性が叫ばれた

パネル討議で使用された仮想映像(約4分半)


13日付米空軍協会web記事は
AFA Symposium3.jpg●パネル討議に参加した軍事コンサルタントのRichard Reynolds退役大佐は、脅威の動向を見れば、現在の作戦センターによる指揮統制は「より分散され、残存性を高めなければならない」と訴えた
●更に「現在我々が作戦計画や遂行に使用している指揮統制C2システムは、恐ろしいほどに不適当だ。米軍や連合の航空作戦センターAOCは、不適切に大きすぎる」と語った

●また「巨大なAOCは敵の容易な攻撃目標となる。物理的攻撃だけで無く、サイバー攻撃に対してもだ。一つに集約された弱点となる」と述べ、「21世紀の指揮統制アセットは、より扱いやすく、分散され、戦時の機能低下に耐えうるものである必要がある」と語った
●そして「指揮官が利用出来る空中や移動可能C2システム、より現場レベルへの権限の委任などが必要不可欠だ」、「意思決定の分散を進めつつ、組織全体の一体性と信頼性を高める手法を追求するべきだ」と訴えた
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AFA Symposium4.jpg新しい情報が含まれた記事ではありませんが、最近忘れられた感がある重要事項ですので取り上げました
日本でも、ミサイル防衛騒ぎでセンサーの脆弱性が忘れられ、F-35騒ぎで各種地上インフラの脆弱性問題は隅に追いやられつつあります。

世界の軍事情勢に疎く、英語コミュニケーション能力に劣ることが一番の問題なのに、日米の重要な航空作戦司令部を横田基地に集中する「暴挙」で「絆が深まった」と問題をすり替え米軍横田基地の「空洞化」から目をそらす空自幹部の「哀れさ」は目に余ります

F-35導入決定で、今後の「失われた15年」「脅威の実態から逆行する15年」を決定づけた航空自衛隊とその意思決定者達は、脆弱性の問題をどのように「誤魔化」し「問題のすり替え」を図るのでしょう・・・

日本の作戦基地の脆弱性
「脆弱でも米軍前方展開を維持せよ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-12
「日本は脆弱だから豪州にも拠点を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-18-2
「作戦基盤基地の脆弱性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-05-1

中国A2ADと周辺地域の脆弱性
「CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
「(その6)CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-24
「Air-Sea Battleの起源」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-24-1
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F-35:イスラエル追加購入とアラブには当分売却せず [亡国のF-35]

F-35 Israel.jpg22日、イスラエル国防省はF-35を追加で14機発注すると発表しましたが、同日、米国防省のケンドール次官(技術取得開発担当)はタイミングを合わせるように記者団に対し、「近い将来、湾岸諸国にF-35を売却するとは予期していない」と発言し、中東の微妙なバランスに配慮しています

ケンドール次官の発言が記者団の質問に答えたものなのか、積極的に発言したものか不明ですが、中東諸国にとって重要関心事項であることに変わりはありません

イスラエルは14機追加購入発表
F-35 Israel2.jpg20日、イスラエル国防省は、14機のF-35を$3 billion(約3500億円)で購入すると発表した。1機換算で約130億円だと同国防省の声明は触れている
●なおイスラエルはこれに併せ、更に17機を購入するオプションを保持することを確認した

●イスラエルは、2010年に19機購入の初期契約を結んでおり、今時はそれに続くものである。なおその際、イスラエルがF-35組み立てや部品製造を関与すること国防省は述べている
●またイスラエル国防省は、F-35導入に伴うイスラエル製の兵器やアビオニクス搭載により、イスラエル軍需産業に多額の資金が投入されると説明している

アラブには当面売らない
F-16 USAF.jpg●20日、アブダビで開催されているIDEX軍事展示会に参加しているケンドール米国防次官は記者団に対し、近い将来(near-term)にF-35をカタールやUAE等の湾岸諸国に売却する事を予期していないと語った
●同次官は、UAEが現在80機運用している「Block 60 F-16」は、米空軍が使用する「Block 50/52+」より進んだ世界最新の機体であり、地域の脅威に対処可能であると付け加えた

イスラエルによるF-35追加購入発表は、エジプトによるラファール24機購入発表を追いかけるように行われた。仏製のラファールはF-16と同等クラスと見られている
湾岸諸国の戦闘機は、米軍航空機とともに対イスラム国作戦に参加している
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極めて微妙なバランスの上に、中東諸国がおかれていることを示す一例です
中東諸国も、誰が敵で、誰が味方か分からなくなっているのでは・・・と思います。

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「心神」を笑う米空軍の次世代制空検討 [米空軍]

Pawlikowski.jpg2030年代を見据えた次世代の航空優勢獲得を検討する取り組みが、米空軍で始まっています。
2016年度予算案の発表時点で複数の米空軍幹部が触れていたのですが、本日は米空軍省で調達担当軍人次官であるEllen Pawlikowski中将へのインタビューを中心にご紹介します

「次世代の制空獲得を検討」との「回りくどい」表現になっているのは、検討の視点が単純に「第6世代戦闘機」となっていない点がポイントだからです
日本では、「心神」とか言う5世代戦闘機もどきの開発を「声高に叫ぶ」風潮があるようですが、時代は既にその先へ進んでいます。

少なくとも「戦闘機」との枠組みに捕らわれず、脅威の変化を精査し、「制空:air dominance」のためにどんな手段があり得るのか、白紙的に検討しようとの姿勢があります
米空軍は本分野で「同盟国との協力」も重視していますので、ある日突然米軍から相談され、「心神」を自慢げに持ち出して「鼻で笑われないよう」したいものです

20日付Defense-Techによれば
FA-XX fass.jpg●米空軍は、2030年代を見据えて、新たな航空優勢や制空に向けた技術を見定めるための取り組みを開始している。
●中国や北朝鮮等の軍が備えるであろう先進脅威を想定し、革新的な技術を見極め実験するチームを既に立ち上げて検討を開始している

●Pawlikowski中将はインタビューで、「我々は米空軍と同等の脅威に直面するだろう事を想定し、同盟国とも協力し、全世界の技術市場の力を総動員して対応したい」と語った
●この取り組みは米空軍研究所や国防省DARPAとともに進められており、超超音速飛行、ステルス、先進センサー、サイバー技術、無人機技術、エネルギー兵器、宇宙システム等々の技術を吟味している

●同中将は「単に次世代戦闘機を考えるのではなく、制空や航空優勢のために何が活用できるかを念頭に吟味している」と語り、「シミュレーション技術を活用し、新技術の有効性を確認している」と説明した
●例えば、超超音速技術では、兵器だけでなく、航空機への応用も検討の対象になっていると示唆した。

敵の防空システム進歩に対応し
FaxxNavy.jpg●また同中将は進歩を続ける防空システム対処に関し、「周波数ステップや情報処理速度の進歩により、ステルス機がより遠方で探知されるようになると主張する人がいる。それは間違いではないが、ステルス自体も進歩しており、ステルス機のあり方も以前とは変化をし続けている」と語った
●また「ステルスで全てに対応するのではなく、ステルスと他技術を組み合わせて敵の技術に対応するのだ。スピードやステルスは非常に重要だが、それだけに頼るのではない。敵よりも素早く対処することが大事になる」と付け加えた

●米海軍トップのGreenert海軍大将は、「ステルス技術は過大評価されている。ステルス技術が終わったとは言わないが、その限界にも向き合うべき。大気中を高速で物体が移動すれば、探知は可能なのだ」と最近講演したが、Pawlikowski中将も似た認識のように見える
●航空評論家のRichard Aboulafia氏は「ステルスは数十年前より効果が減少してきているが、だからといって直ちにステルスを捨てる必要はない。敵に探知されるのが少しでも遅れれば、それは我にとって有利なのだ」と語っている
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pawlikowskiLTG.jpg最終的には、F-22やF-35に続く、第6世代戦闘機のイメージが浮かび上がってくるのかもしれませんが、せめて最初は「戦闘機に捕らわれない」議論から初めて欲しいものです

日本は、米国よりも中国の脅威と身近に対峙する必要があるのです。米国よりもよく考える必要があります
だから思います。「心神」を自慢げに宣伝する気が知れないと・・・。「勇猛果敢・支離滅裂」だけでなく、「浅学非才・馬鹿丸出」と言われてしまいますよ!!!

ステルス関連の過去記事
「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12
「ステルスVS電子戦機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「米イージス艦のIAMD進歩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09

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空母をどう位置づけるべるべき? [Joint・統合参謀本部]

Ford-Class-Carrier.jpg17日付の米海軍協会web記事が、海軍評論家・ライターJeff Moore氏のエッセイ「米空母作戦の新たな戦略的現実」を掲載し、対艦弾道・巡航ミサイル等の新たな脅威が出現する中でも空母は重要だから、その防御強化を優先的に実施すべきとの主張を紹介しています

筆者は、上記が「何となく」広く海軍関係者には認識されているようにも見えるが、国防省や政治レベルになると認識が不十分だと訴えています
米海軍の予算獲得ロジックのような気がする「我田引水」な主張にも聞こえますが、米海軍の今後の投資優先を理解する一助になりそうなのでご紹介します

空母の将来を考える9つの視点
(17日付の米海軍協会web記事)
Ford Class CV.jpg第1に、海軍戦力の存在目的である敵艦艇、航空機、地上目標の破壊のため、空母は有用な兵器であり続ける
第2に最近の対艦ミサイル(弾道及び巡航)は、単に戦術的・作戦レベルの脅威ではなく、全ての海軍作戦に対する、つまり空母作戦に対する戦略的・戦域レベルの脅威である
第3に、最近の対艦ミサイルは、空母の特性である隠密に、敵の奥深く、自立し独立した攻撃ができる兵器である点を削減し、特に第1撃においての役割を減殺する

第4に、第3で指摘した課題克服のため、空母作戦の前提として、海空からの脅威から隔離する(対艦ミサイルの除去や同ミサイルからの防御)ことが必要である
第5に、第4を実行するためには、空母自身が行うISR活動だけではなく、戦域レベルでの戦場インテル準備をしっかり行うことが空母作戦には必要不可欠

Df-21D USNI.jpg第6に、空母攻撃群の対艦ミサイル防御は、他軍種のミサイル防衛と理想的に融合されるべきで、特に宇宙アセットの活用により大幅に強化される
第7に対艦ミサイルの破壊には、戦術・作戦レベルのアプローチだけではなく、宇宙をも含む戦略・戦域レベルのアプローチの組み合わせが求められる

第8に、第2次大戦時に空母の出現で重要性が低下したミサイル艇(又はgunboat)が、海軍作戦における重要な役割を取り戻す
第9に、地上配備の対艦弾道ミサイルASBMの出現は、(マハンの時代であった1840年代に、Henry Halleck少将が海軍増強より重要だと主張した)沿岸防御論(coastal defense)の復活と発展を思わせる
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対艦弾道ミサイルや巡航ミサイルの発達を良くフォローした上でのエッセイで、その点では「脅威の変化」に正面から向き合っています
沿岸防御論(coastal defense)の復活と発展に言及する辺りは、素直さが見て取れ、海軍人ではない柔軟な視点に好感が持てます

high-speed vessel.jpgしかし、これだけの対艦ミサイル防御態勢を構築するコストと効果を考えると、やはり空母に頼るのには限界があると思うのですが・・・
なお「第8」は、今話題のレールガンやレーザー兵器を搭載した「対艦ミサイル防御艇」の導入を主張しているようです。

まだまだ海軍の悩みは続きそうです・・・

関連の米海軍記事
「米海軍NIFC-CA構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26
「NIFC-CAとSM-6連携」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-27
「NIFC-CAで空軍と協力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-23

「E-2Dはステルス機探知可能!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12
「海軍トップ:ステルスはあと10年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「なぜ8機EA-18Gが必要か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-13

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米空軍:軍需産業と計画段階から情報共有を [米空軍]

RAND研究所が200ページを超える本格的報告書を
「前:RAND中国軍弱点レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15
「後:RAND中国軍弱点レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15-1
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James-AFA2.jpg米空軍協会の「Air Warfare Symposium」で、米空軍の複数の幹部から、装備品の構想段階から軍需産業との意思疎通を促進し、最先端の技術を費用対効果高く取り入れたいとの発言が相次ぎました。

今年1月にJames空軍長官が「Bending the Cost Curve initiative」を打ち出し、装備品調達コスト削減に新たな指針を示したところですが、その具体的な取り組みの一つが「軍需産業との早い段階からの意思疎通」のようです

James長官自身が軍需産業や関連コンサルタント会社の経験もあることから、その視点を活かそうとの試みでしょう。次期練習機T-Xやビーム兵器等、お金は無いけど欲しい装備のイメージもあり、今後の展開に注目です
聞けばもっともな話ですが、記事の最後にあるように、壁は「リスクを避ける官僚根性」の打破にあるようです

16日付Defense-News記事によれば
LaPlante-AFA2.jpg●30以上の軍需産業と900名以上の参加者を集めた米空軍協会主催のシンポジウムで、米空軍首脳陣は軍需産業界とのより緊密な意思疎通を推進すると訴えた

●米空軍の調達担当次官であるLaPlante氏は、現在は十分とは言えない状態にある「軍需産業との関係改善、米軍側の装備要求値決定における透明性確保、信頼性の確保」に重点を置いて推進すると語った

●また、空軍長官も参謀総長も「定期的で意味ある意思疎通を軍需産業界と継続していかなければ、技術革新やコストダウンは起こりえない」、「空軍自身の透明性を高める努力が不可欠」との認識に立っていると説明した

James-AFA.jpgJames空軍長官は1月に発表した「Bending the Cost Curve initiative」の最初の取り組みの一環として、次期練習機T-Xの要求性能とコストトレードオフの分析を開始しており、13日に同長官は「T-Xをテストケースとして能力コスト分析を行っている」と同シンポジウムでも明らかにしている

軍需産業界も米空軍の努力を認め始めており、T-X選定への参入を狙っているNorthrop Grummanは、意思疎通の過程で同社の提案構想を大きく変更した

米空軍の制服幹部も同様に
●12日に教育訓練コマンド司令官のRobin Rand大将は、T-Xに関する企業との意思疎通について「より具体的に企業と話し合っている。これは必須の手順だ。素晴らしい対話を過去半年間行っており、最終的な提案要求を示した際の不必要なサプライズを避けることが出来る」と語った

Welsh-AFA.jpg●ウェルシュ参謀総長も、エネルギー兵器のような分野では、空軍の構想で試験を行っているが、試験がうまくいったとして次のステップに進む際、初めて産業界に説明をすることになると現状を語り、より早い段階から、国防省の戦略家と軍と企業が意見交換を始める必要性を主張した
●同参謀総長は聴衆に「現在は、空軍が意思決定をするまで企業の皆さんには待って頂き、その後に企業提案を受け付けている。皆さん産業界の技術資源やアイディアを、先んじて生かせない状態に追いやっている。意思疎通の促進をやらねばならない。皆さんにも、この開発計画の変革に参画して頂きたい」と訴えた

●一方で、米空軍の状況に詳しい者は、空軍幹部が主張する変化は容易ではないと警告している。「空軍トップが変化を臨むなら、米空軍内の官僚主義をまず変えなければ」と語った
●LaPlante空軍次官も、米空軍がリスク回避型の組織で、国防省全体が取り組むべき課題だと認識している。「誰が責任を取るんだ?」と言った議論ばかりではダメだと認識していると聴衆に語っていた

●同時に次官は軍需産業関係者に対し、失敗を恐れないで欲しい、迅速な検討や開発プロセスの中では、多少に不具合は許容されるとも語っていた
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構想段階から企業関係者を交えて議論や意思疎通を図るメリットはありましょう。
一方で、本格的な企業選定に入る前段階での接触は、選定作業の結果を巡る「泥試合」も招く可能性も高めるでしょう。

LaPlante-AFA.jpg上記の例であった、T-X提案も巡るNorthrop Grumman社の「方針転換」など、下手をすれば結果的に同社だけに便宜を図ったと、他社から文句を付けられる可能性もあります

予算が削減され、企業間で「パイの争奪戦」が激化する中で、米空軍が「高リスク高リターン」の施策に乗り出したとも言えましょう

米空軍の調達改革
「James長官の調達改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-19

米国防省の調達改革等
「技術優位確保offset strategy」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-06-1
「Better Buying Power 2.0」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-14
「第1弾:ゲーツの取得改革指針」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-15-1
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日本が命の恩人:次の在日米軍司令官Dolan少将 [Joint・統合参謀本部]

読者の「厚ハゲ」さんに教えてもらいました!

US-1a.jpgなんと、次の在日米軍司令官の候補者であるJohn Dolan少将は、大尉で三沢勤務時の1992年1月、太平洋上を4時間漂流した後に海上自衛隊US-1に救助され、九死に一生を得ていたことが判明しました

Dolan少将は、1988年2月から1992年12月まで三沢のF-16操縦者として勤務し、その間の1990年8月に大尉に昇任しており、その間の出来事です

2003年1月号の「Air & Space Magazine」が、世界でも類を見ない優れた荒天着水能力を持つUS-1の紹介記事「Giant Amphibian:Japan has one godzilla of a seaplane」の冒頭で、「Dolan大尉」救出劇を紹介しています

記事「Giant Amphibian」の冒頭部分によれば
1992年1月の凍てつくように寒い日に、米空軍大尉のJohn Dolan大尉はダメージを受けた7500m上空を飛行中のF-16戦闘機から脱出した。
日本本土から700マイル離れた太平洋上に着水した彼は、彼とともに機体から投下した小さな一人用救命ボートの中に横たわり、 高い波に揉みくちゃにされながら、次第に深刻な低体温症に陥っていった

Dolan.jpg着水4時間後、彼がほとんど意識を失いかけていた時、大型の4発エンジンの航空機が ゆっくりと彼の上空を旋回しているのが見えた。 それは"自衛隊"の日の丸つけた、新明和US-1Aだった。
●US-1Aの機上では副操縦士席のレーダーが9フィート以上に波高を示していた。 機長のヒデキ・キダは50トンの機体を荒れる洋上に着水させ、 50ヤード以内に接近した。

●その後、2名の救助要員がドーラン大尉を救助しUS-1Aに収容した。
●そして更に4時間後、大尉は無事に、横田基地の米軍病院に到着した。

●Dolan大尉救出任務は、1976年から運用を開始していたUS-1にとって628回の救助任務の内の1回だったが、軍用機の操縦者を救助した唯一のミッションとなった
●12名の搭乗員がチームとなって活動するUS-1は、潜水艦捜索の任務も担っていたが、船乗り達や日本の離島で暮らす人々にとっては「空飛ぶライフライン」であった
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「John Dolan少将が次期在日米軍司令官にノミネートされた」と慌ててご紹介した際は、誤って「日本勤務無し」とお知らせしてしまいましたが、日本とは「深・・・い」繋がりがありました。

US-1a2.jpg在日米軍の救難部隊は嘉手納を除き戦力が手薄で、嘉手納でさえも「即応態勢」は高くありません。
三沢のF-16や嘉手納のF-15、海軍のFA-18操縦者が、自衛隊の救難部隊に救出されることは良くあることです

しかし自衛隊がこの方の「命の恩人」だったとは・・。今後色んなところで、このエピソードが語られるのでしょう。いいネタですね!

「次の在日米軍司令官候補」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-19

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NATOと連接せず:トルコの防空システム選定 [安全保障全般]

Yilmaz.jpg19日、トルコの国防相が議会答弁で「企業及びシステム選定中の次期防空システムは、NATO防空システムと連接しない」と回答し、米国とNATO諸国に衝撃を与えると共に、かねてより米国が警告していた中国製システム導入に傾いたのでは、との憶測を呼んでいます

なお、ここで言う防空システムには、迎撃ミサイル、ミサイル発射機、捜索&ミサイル誘導レーダーと指揮統制装置が含まれています

トルコの防空システムは、その監視地域(air defense picture)の半分をNATOが資金や装備を拠出して運用していますが、それにもかかわらず、2013年9月にトルコが、中国製防空システムを導入すると発表して米国やNATO諸国が「激怒」し、制裁をちらつかせて「翻意」を促していたところでした

19日付Defense-Newsによれば
Yilmaz2.jpg●19日、トルコのIsmet Yilmaz国防相は議会の質問に対し書面で、「計画中の航空機とミサイル対処防空ミサイルシステムは、現在運用しているNATOの防空システムとは連接せず、トルコ軍独自の指揮統制システム(national systems)と連接する」と回答した

●また同国防相は、導入予定のシステムとトルコ軍指揮統制システムとの連接作業は、トルコ政府が認定した企業が実施すると説明している
●更にYilmaz国防相は、防空システム導入は外国からの資金援助で行われ、新たな選定への応募企業は無い旨を明らかにした

これまでの経緯概要
2013年9月、トルコは防空システムを中国企業CPMIEC(China Precision Machinery Import-Export Corp.)から、約3600億円で導入するといったん発表した。
●なおCPMIECは、イランや北朝鮮への装備品輸出が原因で、西側諸国の制裁を受けている企業である
●また、トルコ防空網はNATO防空網の一部をなし、同国監視地域(air defense picture)の半分をNATOが資金や装備を拠出して運用している

CPMIEC SAM.jpgNATO防空網の情報やNATOシステムに関する情報流出を懸念する米国やNATO諸国は、トルコの決定に強く反発し、中国製システムをNATOシステムと連接させない事や、CPMIEC関連事業に関与するトルコ企業を米国の制裁対象にすると伝えて再考を求めた
●NATO全体からも圧力を受け、その後トルコは、CPMIEC以外の提案企業からのヒアリングも開始した。これには「Aster 30」を提案するEuropean Eurosamや、「パトリオット」を製造するRaytheonが応じている

●昨年9月、トルコは交渉を進める中で、提案最終期限の5度目の延期(2014年末まで)を決定した。
●更に本年1月、6度目の延長として6ヶ月間の延期を発表していた
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想像をたくましくすると中国政府の資金提援助を受け、中国企業製の防空ミサイルシステムを導入し、米国やNATOがうるさいからNATOシステムと連接せず、トルコ独自システムとして使用する・・とも解釈出来ます

CPMIEC SAM2.jpg航空機やミサイルの性能が向上する中、防空システムはなるべく広範な情報(範囲と深さ)を入手し、それら情報を融合して使用してこそ効果的なのですが、トルコの思惑はどこにあるのでしょう???
最初は、中国をちらつかせ、米国に「価格」や「技術提供」面で譲歩させる作戦かと思いましたが、今や中国製を導入決定する環境作りを行っているようにも見えます

イスラム国攻撃のための飛行場使用も許さず、バイデン副大統領の訪問でも態度を崩さなかったトルコ政府。不安定な中東情勢の中、「有力役者」の動きに注目です

トルコの防空システム選定
「4度目の延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-04
「トルコが中国企業と交渉開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-27
「トルコは中国製を選定か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-24
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米空軍の戦闘機ボスがF-35・F-22・A-10を語る [米空軍]

RAND研究所が200ページを超える本格的報告書を
「前:RAND中国軍弱点レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15
「後:RAND中国軍弱点レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15-1
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Carlisle-ACC3.jpg12日から毎年恒例の米空軍協会主催の航空宇宙シンポジウムが開催されており、米空軍幹部を始め軍需産業関係者や研究者が講演やパネルデスカションに登場し、様々な説明や意見表明を行っています。

本日はその中から、米空軍戦闘コマンドACC司令官(戦闘機族のボス)であるHawk Carlisle大将の発言をご紹介します

ご紹介するのは、最近ホットな話題の「F-35整備員不足」、「F-22の戦力増強効果」、「A-10とCASを巡るあれこれ」に関する部分です。

F-35整備員不足をどうする?
Carlisle-ACC4.jpg●米空軍のF-35初期運用体制確立は、2016年8月から12月を予期しているが、整備員等の人員確保に苦労している。A-10全廃による人員確保が出来ない場合、これは巨大な課題で、複数のオプションを検討している
●検討案には、教育部隊であるLuke空軍基地の整備は契約企業の支援を受け、戦闘部隊であるHill空軍基地は現役兵士をフル充員する案もある。また、4世代戦闘機部隊の閉鎖を早め、整備員を捻出案も検討されている

今後5年間で、整備員所用は300名から2000名以上に拡大する。上記の検討案はその初期段階の対応策で、長期的に計画を立てなければならない
●教育訓練コマンドのRobin Rand大将は本件に関し、「まだ整備員養成数の増加については話を聞いていない。現状では増やす余裕は無い。ただ如何に教育訓練時間を削減し、養成数を増やすかを考えるのだろう」とコメントした

F-22は戦力増強効果を発揮
Carlisle-ACC2.jpg●F-22が初の実戦を経験した対イスラム国作戦(Operation Inherent Resolve)で、現在F-22は、その戦力増強効果(force-multiplying effect)を期待され、可能な限りほとんどの作戦に参加している。
●「F-22が参加している攻撃群では、F-22のお陰で、他の全ての航空機がよりよい働きを出来るのだ」、「可能な限り、全ての攻撃群にF-22を加えることにしている」と同大将は語った

F-22は強固に強固に防御された空域に突入出来るが、その援護随伴、戦闘管理、任務変更、随時目標情報処理等の能力は、我々の予期していた以上であり、対イスラム国作戦で素晴らしい働きをしている


A-10攻撃機の後継を議論したい
A-10-2.jpg米空軍は、新たな近接航空支援CASアセットの議論、つまり強固に防御された空域を想定し、A-10を引き継ぐようなアセットの議論を考えている。
●相手がますます洗練された防御態勢を整える中、我々は将来をにらみ、全ての可能性を机上に挙げて議論する。

●この議論は、A-10全廃に反対する人たちに向けたものでは無い。米空軍は常に地上部隊を支援するための任務を遂行してきており、任務の重要性を厳しく認識しているからである
4世代機がよりよくCASを実施出来るような施策を近く実施することになろうし、A-10が優れた能力を持つことも認識している。しかし将来を見据え、継続的に検討していく必要がある

CASを統合の場で議論する
●3月に、近接航空支援の将来を議論する4軍サミットを1週間に渡り開催する。
●サミットの目的は、過去10年以上に亘るイラクやアフガン等でのCASの成果と教訓を持ち寄り、将来の戦闘様相(領域拒否環境)への適応を議論することにある

Carlisle-ACC.jpg●作業部会を陸海海兵隊からの参加者で構成し、戦術や手順、データや情報共有について議論し、結果を私(Carlisle)レベルの陸海幹部に報告してもらう。結果は最終的に、その週内に各軍種のトップまで報告される
A-10を巡る議論に関連するものであるが、我々がこれまでの戦いで得た教訓に立ち返り、問題解決に繋げたいと考えている
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F-22は明るい話題ですが、F-35とA-10については言葉遣いに配慮が見られます。

特にA-10に関しては、別の米空軍幹部が米空軍内部で「A-10全廃にマイナスになるような発言は絶対するな。特に議会関係者には」と指示したらしく、議会等から厳しい批判を受けており、米空軍として対応に苦慮しているところです

カーライルACC司令官も結構突っ込んだ発言をしていますが、制限ギリギリのラインでしょう

カーライル大将の発言
「アジアで宇宙アセットが不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-22
「アジアでF-35はアラスカに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-11
「アジアに戦力を巡回派遣」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04
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次の在日米軍司令官は日本ちょっと経験 [Joint・統合参謀本部]

お詫び・・・Dolan少将について「日本勤務経験がない」とご紹介しましたが、初任地として三沢基地に1988-1992年の間、F-16操縦者として日本勤務経験があります20代半ばのことでしょうが・・・
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18日、米国防省は、大統領が次の在日米軍司令官兼ねて第5空軍司令官に、現在太平洋軍参謀長であるJohn L. Dolan少将を推挙(中将昇任も同時に推挙)したと発表しました。
今後議会で承認されれば、現司令官のアンジェレラ中将は退役する模様です

日本経験が少しある次期司令官候補
Dolan.jpgF-16操縦者であるDolan少将は日本での勤務経験は20代に駆け出し操縦者として4年間あります。昨年5月から太平洋軍司令部で勤務しているほか、少佐と大佐時(第8戦闘航空団司令官)に韓国のクンサン基地で勤務経験が計2年間あります
現在のアンジェレラ司令官が現職着任時、既に6年間もの日本勤務経験を持っていたことは「特殊な例」としても、日本に関する知識は1988-1992年の間のものです

●勤務経歴を見ても、F-16操縦現場と中東・アフガン勤務での統合作戦経験、また統合参謀本部では大佐時にJ-8で空軍固定翼の利益代表、空軍司令部で議会との連絡役の経験がありますが、海軍や海兵隊との絡みはほとんどありません

注目は、その若さ(1986年大学卒:前任者より5歳若い)と准将昇任(2012年5月)後の昇任速度です
●お写真を見ると、風を切り裂くような勇ましさが漂っていますが普天間問題オバマ政権の腰が引けつつある中国対応、更には引き続き上司となる太平洋軍司令官ロビンソン女性大将との上下関係など、勢いだけでは乗り切れない問題を引き継いでのお仕事です

在日米軍司令部の空洞化と日本の対応
Yokota AB2.jpg●それにしても、在日米軍司令官は「中将で上がりポスト」になったのでしょうか。アンジェレラ中将も司令官就任時に中将に昇任し、3年弱で退役の模様ですし、若いとは言えDolan少将も、中将としての初任地が横田基地になります

日本が極めて大陸からの攻撃に脆弱な前方基地で、ハワイの作戦指揮所が指令塔となる組織形態ですから致し方ないのでしょう。
●問題は、その現状を知って知らずか、特に航空自衛隊が横田米軍と仲良くして「自己満足」している現状です。米空軍全体の問題も把握せず、米空軍が中国脅威を前に迷走している中でも、「米空軍のお尻」だけを追いかけている哀れさ

●米軍との協力や米軍の力を借りる事は必要ですが、米軍より遙かに厳しい中国脅威に直面してもなお、自ら考えず、引き続き実質戦闘機だけを考えている幼稚さにため息です

Dolan少将の公式経歴
http://www.af.mil/AboutUs/Biographies/Display/tabid/225/Article/108782/brigadier-general-john-l-dolan.aspx

「現司令官Angelella中将とは」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-13
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カーター長官3つの誓い [カーター国防長官]

Carter-first4.jpg17日、Ashton B. Carter新国防長官がバイデン副大統領の仕切りで就任の宣誓を行い、その後オバマ大統領や大統領府スタッフとの会議に臨み、職務をスタートしました。
なお宣誓前には、アーリントン墓地をStephanie夫人と共に訪れ、国のために殉じた英霊に祈りを捧げています

国防省に長官として初登庁した後は、早速、副長官、統合参謀本部議長&副議長と「Top4会議」を行い、今後の業務について打ち合わせしています。

宣誓式で新長官は3つの決意(Commitments)を
Carter-first2.jpg大統領が国家と世界の安全保障に関し、ベストな判断が出来るよう助力する。そして国防省が長年鍛えた能力と効力を発揮し、大統領の決断を確実に遂行出来るよう努める
●2つめに、私が率いることになる国防省の皆が、私が取り組む全てに対し献身的に取り組み、実行に移せるように私自身が関与していく

3つめは将来への関与である。将来に備えて装備品等を確保するだけで無く、納税者の血税を最大限に有効活用すべく、今後数年間で変化を起こし、米国民の優れた人たちがその一員になりたいと願い、他の世界各国の道しるべとなるようにしたい
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3つめの「Commitments」は、軍人を含む世界中の国防関係者にとって、極めて重要なポイントです。
既にカーター氏は、国防次官(技術開発取得担当)や国防副長官時代から、この信念を強く持って仕事に打ち込んできた人物ですが、まだまだこの様な人材が世界には不足しています

Carter-first.jpg特に日本では、国防が「ままこ」扱いされてきた経緯もあり、「総花的な議論で言いっ放し」&「国防は最優先だから青天井予算を前提で」のような態度の軍人や軍人OBばかりです
国全体の状況を大局的に俯瞰し、真の安全保障政策を提言出来る人材の育成が求められています。そして「東京の郊外より」と「輪になって踊らず」がその一助となれば幸いです!

オックスフォード大で「理論物理学者」として教鞭を執っていた経歴もある新国防長官です。
公式バイオでは「Ashton B. Carter」となっていますが、米国防省webサイトでは大部分が「Ash Carter」と表記されています。長官の希望なのでしょう

それから・・・冒頭のアーリントン墓地での写真が広くプレスで紹介されています。この雪景色がカーター新長官を取り巻く環境を示しているとでも言いたげに・・・

米国防省員に対する着任メッセージ
(宣誓式での発言を、職員と全兵士用にかみ砕いて丁寧に説明した内容:2月17日付)
http://news.usni.org/2015/02/17/document-secdef-carters-welcome-message-pentagon

カーター新長官の公式バイオ
http://www.defense.gov/bios/biographydetail.aspx?biographyid=186
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RAND研究所が200ページを超える本格的報告書を
「前半:RAND中国軍の問題レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15
「後半:RAND中国軍の問題レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15-1
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後半:RANDが大レポート:中国軍の問題点 [中国要人・軍事]

米海軍大学Andrew Erickson氏が大絶賛

RAND.jpg11日、米政府の米中経済安保レビュー協議会(USCC)の委託を受けたRAND研究所が、増強し変革し脅威度を強める中国軍の課題や問題点を指摘したレポートを発表しました
中国軍の軍備増強や技術発展を取り上げるレポートは多いのですが、それだけでなく、しっかり弱点も見極めて有効な対処戦略案出に繋げようとの試みです

タイトルを「China's Incomplete Military Transformation: Assessing the Weaknesses of PLA」とするレポートは、300以上の中国共産党出版物の論文や、7名の著者の多様な知見を元に体系的な分析を行っています

後半の本日は、「核戦力」、「技術開発」、「人的側面と規律」、「西側の中国軍評価と軍事交流」等の側面から、膨大なレポートを紹介します。
現物が巨大(6.3MBで約200ページ)で、種々の解説報道も長いものが多く消化し切れていませんが、取りあえずご紹介を試みます

11日付Defense-News解説記事によれば

核戦力の動向と通常兵器
RAND-china-issues.jpg中国指導者は、核兵器が引き続き戦略抑止の中心だと考えるだろう。しかし、もし中国指導者が核兵器の戦略的役割の低下を感じたなら、長距離通常兵器や宇宙兵器やサイバー兵器により重点を移すだろう
●また中国の戦略家も、引き続き核兵器を、核による脅しを抑える手段と考えるだろう。しかし、仮に中国が核兵器をより戦術的に有効だと考え始めたら、これまで戦略家が不必要で不安定化要因だと見なしてきた戦術核兵器の開発につながるだろう

●中国が米国の核を主な対象と見なしていると見ているが、インドが核の近代化を継続すれば、戦域レベルの核抑止や戦力に焦点を移さざるを得なくなる
●また今後も中国は、核兵器と通常兵器の近代化をトレードオフすることなく進め、核抑止戦力の質的・量的強化を継続する。
●中国は今後も、人材確保と訓練、作戦遂行と維持整備、広範な装備近代化(特に空母、ステルス機、宇宙アセット等)に莫大な予算を組むだろう。

技術開発や装備品の課題
USCC2.jpg●ますます複雑化する装備や兵器の融合が問題となっており、それに伴う訓練、支援装備、宇宙や電子スペクトラム防護能力不足が懸念されている
●中国の軍需産業は多くの問題を抱えたままである。広くはびこる汚職、競争の欠如、納期遅延、コスト超過、品質管理の不備などの問題を抱えている
中国発の革新的軍事技術が出現するとは考えにくいがエネルギー兵器や超超音速技術エリアで飛躍を遂げたなら、将来の中国軍の作戦を変える役割を果たす可能性がある

3軍の勢力関係
●海軍や空軍に対する伝統的な優越を持つ陸軍が軍の改善や再構築を主導するが、陸軍はその立場を守ろうとするだろう
●陸軍の影響力が強いため、大陸思考が意志決定や作戦思想を支配するだろう

人的側面の状況
Beijixing-PLAN.jpg●短中期的には、中国軍の人材採用や短期間での人員新陳代謝は大きく変化しないだろう
●中国軍を人的側面で見れば、引き続き、訓練不足と経験不足な幹部に犯され、近代化兵器を将来の統合運用で有効に活用しようとする試みを妨げるだろう
●言い換えれば、中国軍の上級幹部が望むような迅速で決定的な戦闘力発揮は、中核となるべき軍の士官や下士官があまりに少数な上に訓練不足・経験不足で不可能だろう

中国軍の規律と「一人っ子政策」
●中国軍内部のプロ意識欠如は広範な問題で、モラルや規律問題から明白である。この問題の多くは、中国の「一人っ子政策」が生み出した「小皇帝(甘やかされたわがままな子供)」に原因があると考えられる
●中国軍への新規入隊者の8割近くが「一人っ子」で、軍の規律に耐えられない従えない兵士を多く生み出している

西側の中国軍評価と軍事交流について
USCC4.jpg西側の中国ウォッチャーは自身の分析力を過信し、中国の軍事演習等の評価と中国軍能力の評価が正確ではない
●最近ゲーツ元国防長官やウイラード元太平洋軍司令官が指摘した、米国は中国の軍事力の革新や急速な追随を継続的に過小評価しているとの言葉に耳を傾け、中国軍の見積もりを大幅に再考すべきである

中国内では、学者達と実際に軍で作戦指揮する幹部達との間の意見差が大きく、米国に取り軍事対話や交流事業は難しい。作戦指揮を執る軍幹部達は概して「タカ派」で、外部の影響をほとんど受けていない

ロシアとの関係
中国とロシアの関係に変化(悪化)が見られる。これにより中国の安全保障環境が変化し、中ロ国境付近に再び中国軍を増強する可能性がある。
ただし両国の関係が改善すれば、ロシアは引き続き欧州を威嚇し、米軍も兵力をNATO諸国に増強し、アジア太平洋回帰は後退する
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下記に示した「RANDのレポート紹介webページ(要旨、主要ポイント掲載)」を先に眺めていただいた方が良いかもしれません。

China-Navy5.jpg「Defense-Newsの解説記事」は、公開直前に事前に入手した「報告書」を急いで読んで、11日当日にアップしたものであり、こなれていないのは致し方ないと思います
それでも、少しは具体的な事例や例示があった方が分かり易かろうと、「解説記事」を取り上げました。

多くが「どこかで聞いたような」「そういえばそんなことも」的な中身かもしれませんが、体系的にまとめたことに大きな意義があると思います
200ページもの報告書ですので、具体的な数値や図表も多く含まれていると思います。是非参考にしたいものです

「前半:RAND中国軍の弱点レポート」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15

レポート現物(6.3MB)
http://origin.www.uscc.gov/sites/default/files/Research/China%27s%20Incomplete%20Military%20Transformation_2.11.15.pdf  

RANDのレポート紹介webページ(要旨、主要ポイント)
http://www.rand.org/pubs/research_reports/RR893.html 

Andrew Erickson氏が自身のwebサイトで絶賛 
http://www.andrewerickson.com/2015/02/chinas-incomplete-military-transformation-assessing-the-weaknesses-of-the-peoples-liberation-army-pla/
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前半:RANDが大レポート:中国軍の問題点 [中国要人・軍事]

米海軍大学Andrew Erickson氏が大絶賛

RAND-china-issues.jpg11日、米政府の米中経済安保レビュー協議会(USCC:US-China Economic and Security Review Commission)による委託を受けたRAND研究所が、増強し変革し脅威度を強める中国軍の課題や問題点を指摘したレポートを発表しました

中国軍の軍備増強や技術発展を取り上げるレポートは多いのですが、それだけでなく、しっかり弱点も見極めて有効な対処戦略案出に繋げようとの試みです
レポートは300以上の中国共産党出版物の論文と、内外多数の論文や研究を参考にし、併せて7名の著者が多様な側面からデータや知見を持ち寄って体系的な分析を行っています

タイトルを「China's Incomplete Military Transformation: Assessing the Weaknesses of PLA」とするレポートは、中国軍の問題課題を2つの側面(制度面と戦闘能力面)から取り上げました。
制度面では時代遅れの組織構造、人材の質、プロ意識、腐敗を取り上げ、戦闘能力面では兵站、戦略空輸能力、特殊任務機の不足、艦艇防空能力と対潜水艦能力の不足等を分析しています。

現物も巨大(6.3MBで約200ページ)ですが、種々の解説報道も長いものが多く、消化し切れていませんが、取りあえずの案内図としてご紹介を試みます。本日は前半です

11日付Defense-News解説記事によれば

中国軍自身の自己評価
RAND.jpg●レポートは300以上の中国共産党出版物の論文と、内外多数の論文や研究を参考にし、第2砲兵副司令官が執筆の「第2砲兵作戦の科学」などの重要文献も分析の中で取り上げている
中国軍が自身の問題点を分析したものも多く含まれ、多くは「two incompatibles」と「two gaps」との表現で中国軍の問題を表現している

●「two incompatibles」と「two gaps」は同様の概念で言及されるが、「two incompatibles」では問題点を指摘することが多く、「two gaps」では問題の分析と解決法に言及する傾向が見られる
●「two incompatibles」に関しては、情報化条件下で局地戦に勝利するとの要求に応えられるレベルにない点と、中国軍が歴史的に持つ他の任務がしっかり遂行できない点の2つにまとめられる事が多い

●「広範で慢性疾患的な」訓練、組織、人材、兵站の問題を抱えていると中国軍内部でも指摘されており、装備の近代化に訓練が追随していないと表現されている
組織面では、中国軍は指揮系統とメカニズムにおける構造的問題と機能不全問題に取り組んでいないと批判されており、兵力組成も20世紀の機械化軍レベルだと揶揄されている

●更に、伝統的な考え方と慣習が大きく変化することなく残っいるほか、中国軍の人材レベルは新世紀の任務を遂行できるレベルにないと、中国軍自身も分析している
兵站分野ではそのその組織構成と規模も不十分で、任務支援能力が要求レベルを満たしていない


中国共産党と軍の関係
Beijixing-PLAN.jpg中国共産党の維持が、引き続き党、国、軍にとっての最優先であり、共産党が軍を引き続きコントロールする。
●共産党は時に厳しい口調で攻撃的な姿勢を示し、実際にそうすることもあるが、基本的には紛争を避け、平和な状態での経済発展を追求している
●中国軍の統合作戦への動きは中長期的なもので斬新的にしか進まない。厳しい選択は後送りされ共産党の支配に影響があれば進まないだろう

文民との関係で中国軍をどう見るか
文民による中国軍への監視や統制がないことを弱点と捕らえ、中国軍は非効率で不十分だと判断するのは間違いだろう
●また、文民による中国軍への貢献が無くても軍と国がコーディネイトしていることから、国と軍の接点を攻撃する米国の作戦戦略は正しくないだろう

Hua Chunying2.jpg●しかし中国共産党内部に、中国軍の忠誠や信頼感に対する疑念を生じさせれば、中国軍の戦闘力発揮を困難にすることができるだろう
●また、中国政府機関が行っている外交、経済、その他の政策が、中国軍をサポートしてくれていないとの疑念を持つように中国軍を仕向けることは、米国の政策選択肢となりえる


中国軍の問題や弱点を示す多数の例示
国家官僚機構と中国軍の関係の不都合や対立も、中国軍の弱点となっており、多数の事例が紹介されている。
●2001年のP-3Cと中国戦闘機の衝突事件、2003年のSARSサーズ対応、2006年の空母キティーホークと中国潜水艦接近事案、2007年の衛星破壊兵器試験、2008年の四川省大地震対処など事例には事欠かない

USCC2.jpg●四川大地震の際には、中国軍が現地対策本部を、国が設置した本部と同じ場所におくことを拒否したと紹介されている
腐敗も凄まじい。2014年には中央軍事委員会の副委員長であった徐才厚が逮捕され、同じく現副委員長の郭伯雄も検挙されるだろうと言われる有様である

●中国軍の7つの軍管区は、都市地域と広大な省が管区内に混在するなど、現在のハイテク戦や戦力投射ニーズを反映していない
●中国軍の装備に新装備と旧装備の混在がしており、これらの並行運用や訓練に支障が出ている。

USCC5.jpg●中国海軍のType 054Aフリゲート艦(4000トン)は「ミニイージス艦」と考えられているが、艦が小さく射程が十分な防御ミサイルを搭載できず、対艦ミサイルの飽和攻撃に対応出来ない
●また、中国軍が前方展開より接近拒否に重点を置いていることが主な理由で、中国海軍は対潜水艦能力に欠けている。

●そこでレポートは、米軍が取るべき策を提案している。「中国の弱点に付け入るべく、迅速に推移する状況の変化への対応が困難な中国のスローな意志決定システムを飽和させ出し抜くような速いペースで、予期できない行動」を推奨している
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後半の明日は、「核戦力」、「技術開発」、「人的側面と規律」、「西側の中国軍評価と軍事交流」等の側面から、膨大なレポートを紹介します

「後半:RAND中国軍の弱点レポート」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15-1

全く「こなれていない」Defense-News解説記事のご紹介です。ご覧になる前にRANDのwebサイトで概要を把握された方が良いかもしれません

USCC.jpgそれでも、少しは具体的な事例や例示があった方が分かり易かろうと、「解説記事」を取り上げました
多くが「どこかで聞いたような」「そういえばそんなことも」的な中身かもしれませんが、体系的にまとめたことに大きな意義があると思います

200ページもの報告書ですので、具体的な数値や図表も多く含まれていると思います。是非参考にしたいものです

レポート現物(6.3MB)
http://origin.www.uscc.gov/sites/default/files/Research/China%27s%20Incomplete%20Military%20Transformation_2.11.15.pdf  

RANDのレポート紹介webページ(要旨、主要ポイント)
http://www.rand.org/pubs/research_reports/RR893.html 

Andrew Erickson氏が自身のwebサイトで絶賛 
http://www.andrewerickson.com/2015/02/chinas-incomplete-military-transformation-assessing-the-weaknesses-of-the-peoples-liberation-army-pla/
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ヘーゲル国防長官最後のメッセージ [ヘーゲル国防長官]

last.jpg13日の金曜日、ヘーゲル国防長官にとって最後の出勤日となったこの日、米国防省に所属する全兵士と職員に向けた、ヘーゲル長官からのメッセージが発表されました。
併せて、最後の様子を伝える写真が数枚公開されています

メッセージでは、アフガンからの撤退とその後の支援任務開始を遂行したこと、同盟やパートナーシップ強化に努力してきたこと、将来に備え国防省の調達や構造の改革に着手したたこと、「sexual assault」問題に強く対応してきたこと等を振り返り、言葉が綴られています。

しかしやはり、「強制無給休暇」や「人員削減」、「長期に亘る海外派遣や予算削減」の中でも、国を支えるために頑張ってくれている兵士と職員への感謝が中心となっています

メッセージの冒頭は
●(ベトナム戦時の)48年前に米陸軍に入隊した際、国防長官として勤務することになろうとは夢にも思わなかった。

退任に際して贈る言葉「parting guidance」
last3.jpg●もし退任に際して皆さんに言葉を贈るとしたら、私が48年前に陸軍の基礎課程を終えた1967年、教官だったWilliam Joyce軍曹が私に授けてくれた言葉を贈りたい
●「People depend on you. They'll always depend on you」(人々は君を頼りにしている。そして彼らはいつも君を頼りにするだろう)である

●この言葉は当時の私にぴったりだったが、今現在の皆さんにも当てはまる言葉だと思う。人々は皆さんを頼りにし、米国は皆さんを頼るのだ
●この組織に加わった際の誓いを忘れず、高い水準を維持するべく努め、史上最高の軍事組織として任務を果たして欲しい。2年間の勤務を終えた今、皆がそうあり続けると確信している。
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第24代国防長官のChuck Hagel氏は、正に「一兵卒」としての勤務経験がある初めての国防長官でした。
2013年2月27日から、約2年間の勤務でした。

last2.jpg最後の写真(白黒写真)は、ヘーゲル夫妻が最後にアーリントンの「無名戦士の墓」を訪れた際の様子です

米海軍の2等兵が撮影した写真だそうですが、Chuck Hagel国防長官を巡る様々を凝縮したような写真に思えてなりません
お疲れ様でした

「ヘーゲル長官退任式」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-30

「ヘーゲル長官」カテゴリーの記事
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2303720019-1
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米空軍が欧州でもローテーション派遣TSP [米空軍]

A-10 TSP.jpg9日の週、米空軍はアリゾナ州からドイツの空軍基地に12機のA-10攻撃機を派遣し、TSP(theater security package)を開始すると発表しました。

ロシアによるウクライナ実質介入が始まった2014年以降、米軍による「大西洋の決意作戦:OAR:Operation Atlantic Resolve」を遂行する米空軍部隊が交代で派遣されていましたが、TSPという形式に整理し、継続的にローテーション派遣が行われます

なお、TSPは既に2004年からアジア太平洋地域で開始されておりF-22が嘉手納に派遣されたり、F-16が韓国に派遣されたりしています

10日付米空軍web記事によれば
●米空軍は、アリゾナ州のDavis-Monthan空軍基地の第355戦闘航空団に所属する12機のA-10攻撃機を、ドイツのSpangdahlem航空基地の第52戦闘航空団に派遣し、TSPを開始すると発表した
●12機のA-10攻撃機は、今月いっぱいは同基地に滞在し、その後OAR作戦を支援するため東欧地域に派遣されるだろう

Jones-tom EU.jpgTSPは欧州米空軍によるOAR関連作戦を増強するためのもので、NATO同盟国との更なる相互運用性強化のため、展開しての飛行訓練等を行う
●欧州米空軍のTom Jones副司令官は「昨年から我々は、OARの一環として航空戦力の本土からのローテーション派遣を行ってきたが、TSPは更にプレゼンスを増強し、米国の欧州へのコミットメントが確かなものであることを示すモノである」と語った

●展開部隊はドイツ滞在中、NATO同盟国軍との訓練を実施しするが、同時に「欧州地域に支援インフラを提供し、兵力の増強を支え、欧州大陸でのパートナーシップの深化に資する」とJones副司令官とその効果を説明した

ローテーションはおよそ約半年単位で継続され、派遣戦力は欧州米軍のニーズや任務により決定される。A-10部隊はその最初の部隊である。
●TSPは欧州では初めてだが、太平洋軍エリアでは2004年から開始されている
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F-22Kadena.jpg米空軍が全廃を要求しているA-10攻撃機が、イスラム国対応で中東に派遣され、更に欧州でもウクライナ情勢に睨みを利かせる重責を担うとは皮肉な状況です

アジアにはF-22やB-2爆撃機で、欧州にA-10なのは、正に「ニーズの違い」なのでしょうが、今後の動きにも注意いたしましょう。でもF-22の初実戦は対イスラム国でしたね・・

航空戦力のローテーション派遣関連
「アジア版Checkered Flag」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04
「F-22嘉手納派遣はTSP」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-17

「B-2グアム展開が復活」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-23
「B-2の世界派遣再開へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-13
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フォーブス議員:ASB室廃止はアジアに誤解を [Air-Sea Battle Concept]

Forbes1.jpg3日、国防関係の有力議員であるRandy Forbes下院議員(Seapower and Projection Forces小委員長)が記者団に、米国のアジア回帰を懐疑的にみているアジア諸国に対し、エアシーバトル室廃止は負のインパクトを与えており、スローガンだけでない実質的な政策を着実に進める必要があると訴えています

もう一つ「切れのない」会見ですが、ロシアやイスラム国対処に戦力を割かざるを得ない米軍の実情の裏返しでもあり、米軍内のグダグダのエアシーバトル議論を横目で見てきた有力議員として、一言言いたかったのでしょう

3日付DODBuzzによれば
●フォーブス委員長は、世界的な脅威の状況や紛争状況から、ペンタゴンが散々議論し、対外的に訴えてきたアジア太平洋リバランスが遅滞することに懸念を示した
●同議員は「2016年度予算案には、空母GWの定期修理、P-8対潜哨戒機、次期爆撃機LRS-B等々、我々の取り組みを示すのに不可欠な予算が盛り込まれているが、これら案を今後完全な予算にしなければならない」と語った

ASB1.jpg●また「わが同盟国も競争者も共に、米軍がどのような能力を維持するかを注視している」、「米海軍がWW1以降で最小規模になり、米空軍が史上最小規模になるほどの予算削減の中、行政のスローガンであるリバランスは信頼されない」と述べた
●更に「我々は決して太平洋地域から引いたことはなく、rebalanceやpivotとの言葉は不適切で、増強Enhancementが適当な言葉ではないか。特にロシアやイスラム国への懸念があり、米国の動向に注目が集まっているときには」とも付け加えた。

エアシーバトルは、A2AD対応の戦略的な道筋を示し、強固な防空網や長距離対艦ミサイル等の米国の戦力投射を妨害する企てに対処する手法を示していた
●フォーブス議員は「だからこそ、エアシーバトルとの言葉から離れることは、アジア太平洋地域の同盟国に誤ったメッセージを発信し、米国が関与するのかしないのかといった疑問を生起する恐れがある」と懸念を表明した

エアシーバトルを、予算獲得のための国防省による「仕掛け」だと非難する者もいるが、新たに明確化しつつある脅威への対処法として、広くよく分析され認知されたコンセプトであった
●同議員は「そのコンセプトを、もはや脅威対処法として優先的に扱わない。それは水に流してやり直そうと言っているようにも聞こえてしまう」と懸念を示した

●最後に同議員は「米国の国防関係者は、中国の意図や動機を推測して判断すべきでなく、純粋に中国の軍事力を基礎に種々の判断を下すべきである」と語った
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Forbes11.jpgフォーブス議員は慎重に言葉を選んで語っていますし、DODBuzz記事は紹介した以外にも「アジア回帰」の実際の動きも紹介をしています。

しかし、本質部分をピックアップすると上のようなことになりますし、その懸念は懸念ではなく、現実のものとなりつつあります

最後の発言は、オフショア・コントロール論等への皮肉でしょうか? そんな風に深読みしてしまいました
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