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空軍JSTARSと海軍P-8が海で画期的コラボ [Joint・統合参謀本部]

海空ISRアセット協力の新境地を「海で」

JSTARS5.jpg27日付米空軍web記事が、ジョージア州にある第116航空管制航空団が運営する「Air Dominance Center」を中心に実施された統合の航空アセット演習「Boars Nest Large Force Exercise」で初めて米空軍JSTARSと米海軍P-8が海上目標対処で協力した模様を紹介しています

米空軍部隊が中心になっているので、普通は「空対空戦闘」を中心とした訓練が行われているようですが、「空対艦戦闘」の視点を取り組むことにより、新たな可能性発見につながった模様です

27日付米空軍web記事によれば
8月18-20日の間に実施された同演習には、上記2アセットだけでなく、空軍のF-22やF-35、海兵隊のFA-18など、55機種と22の関連部隊が参加した模様で、「現有アセットを不断と異なる様々な演習に取り込むことで、全体戦力アップの可能性を探求する」ことを長期的目標としています

P-8.jpg●同演習の中心的計画担当者であるGibbs空軍大尉は、「米空軍JSTARSと米海軍P-8(のコンビ)が、海上目標の探知、追尾、識別分類に驚くべき能力を発揮することが、本演習で明らかになった」と述べた
●また本演習でP-8に搭乗する機会を得たJSTARS搭乗員2名は、「P-8に搭乗することで、その搭乗員と多くの意見交換が出来、お互いに情報共有することが出来た」と語っている

●JSTARS搭乗員であるEllis中佐は、「本演習間、JSTARSとP-8が相互に補完するように運用し、広大な海面で海上目標を探知し、敵か味方か中立目標かを判別することを試みた」、「2アセットの共同能力を生かすことで、敵海上目標を判別して阻止するまでの時間が大幅に短縮された」と振り返った
●本演習では、もう一つ新たな側面が加わっている。海兵隊のFA-18が、JSTARSが統制する海上目標攻撃部隊の空中指揮官を務めたのだ。
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JSTARSは「地上目標用のAWACS」とも呼ばれ、航空機搭載の地上監視レーダーのセンサー情報に高度な状処理を行い、地上目標のデーターベースと照合して敵見方の識別や車種判定を行う作戦機です

p-1.jpgどの資料を見ても「地上目標」を対象としたアセットで、海面でどのような能力を発揮するのか興味深いところです。
J-8型JSTARSは旅客機B707ベースの大型ですが、検討が始まった後継機はビジネスジェット型追求です。

日本製対戦哨戒機P-1と、JSTARS後継機の組み合わせはどうなんでしょうか。全く基礎知識がありませんが、勝手に期待しておきます

関連の記事
「JSTARS後継選定の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-11
「日本製P-1が海外で人気!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-18

対露を強化!?:4機のF-22が欧州初展開 [米空軍]

F-22Hawaii2.jpg28日、たった4機ですが米空軍のF-22が初めて欧州に機動展開し、ドイツのSpangdahlem基地で9月中旬まで周辺同盟国軍機と各種訓練を行うことになりました。
活発化するロシア軍を受け、米国防省が欧州諸国の懸念を和らげるための「European Reassurance Initiative」の一環ですが、ユーロファイター等、欧州の主要戦力との共同訓練も注目されるでしょう

F-22は2005年から運用開始していますが、数年前にパイロットへの酸素供給装置が原因と言われる墜落事故や操縦者の意識喪失事案等が多発し、海外派遣や長時間フライトが制限された時期がありました

その後対策が取られ、2014年秋にシリア国内の対IS作戦の緒戦に投入され実戦デビューを果たしています。
今は順調に活動を続けているようで、「4世代機編隊にF-22を随伴させることで、4世代機の力を大幅増強してくれる」と米空軍首脳はよく語っています

「ACC司令官がF-22を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-16-1

28日付Defense-Newsによれば
F-22hardturn.jpg●28日、4機のF-22戦闘機(第95戦闘飛行隊)が60名の整備員等と共に、ドイツのSpangdahlem基地に到着し、9月中旬までの展開訓練を開始した。欧州への初の展開となる
●Frank Gorenc欧州米空軍司令官は声明で、「展開先のインフラや海外展開で発揮できる能力を確認し、欧州米空軍の兵士達にも第5世代機を扱う機会を提供する」と展開の意義を述べ、同時に「我々の決意と欧州安全保障への関与を明示するものである」と明言している

●24日の会見でJames空軍長官は、「戦力の展開と欧州での演習は、米国の「strong and balanced アプローチ」を支えるものである。今回のF-22展開はStrong面を体現するものである」と語っている

●展開期間中の訓練は、5世代機が複数欧州基地やNATO施設に展開できることを証明するために計画され、あわせてパイロットが空域に習熟することも狙いとして考えられている
●また本展開は、米空軍機に欧州同盟国のユーロタイフーン等との空中戦訓練の機会を提供する。
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F-22Kadena.jpg「strong and balanced アプローチ」ですが、米軍関係では「Strong」面だけしかご紹介していませんが、軍事政策や外交面では「balanced」面があるのかもしれません。

小出しに「F-16展開」「A-10展開」等々を米軍は持ち出してきますが、、忘れられないように「火星に生物の痕跡か?」との情報を発信する米国の宇宙開発当局のようにも見えてしまいます。
以前は日本も「のどから手が出るほど欲しい」と言ったF-22ですから、「4世代機の力を大幅増強」する能力を発揮し、欧州の安定に貢献して欲しいものです

欧州関連の米軍の動き等
「欧州で冷戦後最大の空挺演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-21-1
「米国防長官:対ロシアはVJTFで」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-26
「米陸軍:欧州への重装備集積を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-16

「次の米軍トップ:露が最大の脅威」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-10
「電子戦で米陸軍は露に劣る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「米軍がロシア最新軍事技術分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02

F-22の戦力増強効果を期待
「ACC司令官がF-22を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-16-1

対IS作戦におけるB-1爆撃機の活動 [米空軍]

9th Bomb SQ2.jpg23日付Defense-News記事が、シリア北部の都市kobaniをISの攻撃から守るクルド人を支援し、対IS空爆を実施しているB-1爆撃機部隊へのインタビュー記事を掲載しています。

日本が保有していない大型爆撃機の運用を「垣間見る」機会として、また戸惑いながらも、アフガンとは全く異なる任務環境で作戦に取り組む第9爆撃機飛行隊の模様をご紹介します

23日付Defense-News記事によれば
テキサス州のDyess空軍基地所属の第9爆撃機飛行隊は、約5ヶ月間、シリアの都市Kobaniでの対IS作戦に焦点を当て、空爆任務に取り組んだ
クルド人がISから死守すべく戦っているKobaniだが、ISが継続して戦力を投入してくるため攻撃目標は尽きず、500ポンド爆弾なら84発は搭載出来るB-1は、1回空中給油受けて最大連続10時間の任務についている

9th Bomb SQ.jpg●第9爆撃機飛行隊は約5ヶ月で660発の爆弾をKobaniに投下しており、この量は同期間の対IS作戦の1/3の爆弾量に相当する。戦果として1000名以上のIS戦闘員を排除している
●同爆撃飛行隊が展開任務を終了した1月末までに、クルド人はKobaniでの勝利を宣言し、IS支援の放送局は空爆によりISは撤退を余儀なくされたと放送していた。
●そして現在もKobaniはクルド人が支配しているが、IS勢力による侵攻は衰えていない

アフガン任務から突然の変更と戸惑い
●同飛行隊は2014年7月にカタールの空軍基地へ展開し、同年8月8日にアフガンでの任務に向け離陸直前にシリア内での対IS任務を突然命ぜられた。インタビューに対し搭乗員であった少佐は「アフガンでの任務準備をして乗り込んだ機内で、離陸滑走直前に行く先と攻撃目標が変更された」と答えている
多くの兵士が初めての海外展開で、アフガニスタンでの勤務に少しづつ慣れてきたばかりのタイミングであった

9th Bomb SQ4.jpgアフガニスタンでの任務を知る搭乗員にとって、対IS作戦は全く異なっていた。彼らは市街地の目標と対峙しなければならなくなったのだ。ISは前進して都市の象徴的施設等を占領するスタイルだったのだ
●またアフガンでは地上要員による目標情報の提供があったが、対ISでは地上要員が配備されていなかったのも大きな相異である。対ISでB-1搭乗員は、クルド人からの多様な情報や、多国籍軍のISR情報と自身のセンサーからの情報から類推して目標を特定していた

●アフガンに比し、空爆任務も増大した。60時間の間に2回飛行するペースで、10時間の実飛行時間の他に、地上での様々な準備と結果分析を含め、24時間連続任務も行われていた。整備員の1回の勤務時間も15時間にまで達するようになっていた。

一般市民の巻き添え防止に努力するも
●本年1月に6ヶ月の展開を終えて帰国するまでに、同飛行隊は2000発以上のJDAMを投下したが、過去5年間の6ヶ月海外派遣の中で最大投下数だった
B-1爆弾格納庫を空にして帰投する「Winchester」も31回達成した。対ISのような周辺被害を気に掛ける任務で、これだけの「Winchester」は搭乗員と整備員等が共に誇りとするところである

9th Bomb SQ3.jpg市民の巻き添えを避けるため米軍は慎重な交戦既定を設定しているが、市街地や市民に紛れるISとの対峙は容易ではない。米軍の空爆を精査している民間団体は今月、昨年1年間で、57回の空爆で459名の民間人が巻き添え死しており、友軍相撃で48名の兵士が死亡した可能性があると発表している
●米国防省自身も同調査に対応し、これまでに4件の事案について精査し、3件に関し民間人の巻き添えはないと結論付け、他の1件で2名の巻き添えがあったと発表している
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対IS空爆任務で飛び立った米軍の各種作戦機の内、目標を特定して攻撃出来たのは「僅か3割」に過ぎず、他の7割は民間人の存在や目標を発見出来なかったために帰投しているとの報道が有り、米軍搭乗員に「不満がたまっている」と議会で取り上げられました。

米軍は「前線は指揮高くやっている。民間人の被害極限の重要性を理解し、粘り強く作戦を遂行している」と回答していますが、議会は「Boots on the ground」の必要性を政府側に問いただしていました。
この記事も米政府及び米軍主張に寄り添った書きぶりなのでしょうが、前線搭乗員の間では、ますますフラストレーションが貯まっているのでしょう。

日本にいると、アフガンも対IS作戦も同じような印象ですが、前線では混乱や戸惑いが広がっているようです。「事件は現場で起こっている・・・」でしょうか

欧州製無人ステルス攻撃機が本格試験へ [安全保障全般]

Neuron Dassault2.jpg26日付Defense-Newsは、仏企業が中心となり欧州諸国が協力して開発中の無人ステルス攻撃機「Neuron」が、既に12回の飛行試験を終え、今後は本格的な作戦飛行試験を行うと報じています。

2003年にスタートした「Neuron」計画ですが、2012年12月に初飛行に成功し、イタリア国内の空域で試験飛行を積み重ねてきたようです。

仏のDassault Aviationの関連webサイトでは、「技術の成熟度や効果をデモすることで、軍事任務の遂行ではない」と「Neuron」計画の目的を掲げていますが、既に空対地任務のデモを終了したとの記述も有り、「看板と実態のギャップ」が大きいとの印象を持ちました

26日付Defense-Newsによれば
●25日、(Neuronのイタリア国内での飛行試験を担当したと考えられる)Alenia Aermacchi社は、12回の飛行試験により、「Neuron」のレーダー反射率や赤外線放射について確認出来たと発表した
●試験は伊サルディニアのDecimomannu空軍基地で行われ、ユーロファイターや地上レーダーによりステルス性能の確認が実施された

Neuron Dassault3.jpg●仏国内での(別の)飛行試験は既に終了しており、今後はスウェーデンで機内爆弾庫(internal bay)からの兵器投下試験を行う予定
●同計画は、仏のDassault Aviationがリードし、Italian, Swedish, Spanish, GreekそしてSwissが参画しており、企業としててはAlenia Aermacchi、Saab、Airbus Defence and Space、Ruag及びHAIが参加している

英国と仏政府は昨年、総額約230億円の無人攻撃機技術協力に合意しており、「Neuron」計画で得た知見を活用するものと見られる

仏のDassaultの関連webサイトによれば
既に試験飛行で確認された事項
---有人現有作戦航空機と同サイズの無人航空機に対する指揮統制機能の技術、及びそのバックアップ機能
---空対地任務能力、併せて自動モードで地上目標を探知して位置を特定し、偵察を行う能力
---地上及び空中の脅威からのステルス性、レーダー反射率と赤外線放射量
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無人ステルス攻撃機は、米海軍のデモ機X-47Bにしても、少し大型の米空軍次期爆撃機LRS-Bにしても、みんな形状が同じようで見分けが付きません(少なくとも私には)。

Neuron Dassault.jpg世界では、有人ステルス作戦機の開発より、無人タイプが優先されているように思いますが日本では未だに「心神」とか「・・・実証機」とか有人機にしがみついています。

航空自衛隊が有人機にしがみつく理由は単純で、航空機の機数を維持して操縦者の定数を死守し、操縦者が職を失うこと(パイロット手当を失うこと)を避けるためです。
組織にその思考や行動パターンがDNAレベルで刷り込まれ、「体制」に危機が迫れば、冷戦時に形成された時代遅れの対処要領がそのままくり返される有様です。

普通の感覚があれば、無人機の活用が重要なことに気付くでしょうし、そんな人間も多いはずです。特に非操縦者の中で常識人は増殖しています
それなのに議論や発言を封じているから、理由無く過去の行動パターンをくり返している「戦闘機命派」が組織を支配しているから、空自の組織にほころびが見え始めたのでしょう・・・・

戦闘機命派の支配から脱せよ!!!
「悲劇:F-3開発の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「ヨシハラ教授:日本は分際を知れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16

「脅威の本質を見極めよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08
「世界共通の中国軍事脅威観」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-30

米国防省が否定:F-35調達機数削減の検討 [亡国のF-35]

Peter Cook4.jpg25日、米国防省のCook報道官は、次の統合参謀本部議長や海軍トップの海軍作戦部長が議会にポスト就任承認を受けるため提出した文書で明らかにした「F-35調達機数の再検証」について、公式にはやっていないと否定しました

一方で同報道官は、2017年度予算を検討する中で、全ての計画は精査されると表現し、結果として米軍の総F-35調達2443機が確実だとは言えないと言外に発信することとなっています。

「F-35負のスパイラル」、つまり調達機数削減→1機の価格上昇→諸外国を中心に更なる調達機数の削減→単価が更に上昇→米軍も調達機数削減→価格アップ・・・のスパイラルが、更に現実味を帯びてきたと言えましょう

繰り返しお話ししてきたように、空母や戦略原潜の価格が2倍増し、次期爆撃機LRS-Bも計算ミスで経費7割増が判明し、空中給油機もコスト増と開発遅延が明らかになり、核兵器関連予算も増加必至で、中東や欧州で部隊活動費もうなぎ登りな中、「2443機」との膨大な機数にメスが入るのは当然の必然です。

空母や戦略原潜の予算を別枠扱いにせよ、との「飛んでも提案」もある中、強制削減の話を持ち出すまでもなく、「F-35カット」は時間の問題です。

また、主要政策シンクタンクのほとんどが、調達数削減(まだ予算に余裕のあった3年前でさえAEIのみが機数維持)を提言するF-35機数です。だから数年前から「亡国のF-35」との蔑称で同機を呼んでいるわけです

25日付Defense-News記事によれば
Peter Cook.jpg●最近、米軍の主要幹部からF-35の総調達機数2443機を再検討中との発言が相次いでいたが、25日、国防省のPeter Cook報道官は、「我々はそのような(調達機数見直し)目的のために、公式な再評価や再検討を行っていない」と語った
●一方で同報道官は「進行中の全ての装備品計画は、各年度の予算計画プロセスの中で再評価・検討される」、「(ただし)予算を巡るワシントンDCでの情勢が大きな影響を与えることは明らかである」とも語った

●更に「しかし現時点では、公式な機数見直しの検討はない。ただし、標準的な2017年度予算を巡る過程は経由することになる」とも語っている。そして「全ての計画は再評価されるものだ。F-35にかかわらず。しかしF-35の見通しに関して、変化があるとは言っていない」と表現した

次の統参議長と海軍トップの文書を再確認
次の統参議長Dunford海兵隊大将
Dunford1.jpg「変革を続ける軍事戦略と最新の国防計画指針を受け、我々は今、最新の戦略基盤を精査し、2443機が正しい機数かどうかの分析を行っている
→Given the evolving defense strategy and the latest Defense Planning Guidance, we are presently taking the newest strategic foundation and analyzing whether 2,443 aircraft is the correct number,".

次の海軍トップJohn Richardson大将
Richardson.jpg「私が海軍作戦部長に承認されたら、統合参謀本部議長や他軍種の参謀総長と共に協力し、米海軍任務遂行のために必要なF-35機数について、再確認するつもりである
→(if confirmed,)I will work with the chairman and other service chiefs to re-validate the appropriate number of aircraft the Navy requires to meet the mission.

追記:HMDヘルメットは1個1億円から0.5億円
●24日の定例記者会見でウエルシュ米空軍参謀総長は、F-35用のHMDヘルメットが1個1億円から0.5億円と言われているが、実際はいくらなのかと質問され、「私は知らない」と回答した
●更に参謀総長は、実際に本格生産に入るまで価格は決定出来ないだろう、と付け加えた
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強制削減については、私の知る限り「来年秋までには解決する見通しがある」との某米議員の発言が「最も楽観的」な見方です。それ以外にご存じでしたら教えて下さい。

Pentagon.jpgまた冒頭で述べたように、米軍の必要予算が増大することは明白で、しかも強制削減が回避されても予算規模が圧縮されることは確実です。
また中国経済の不透明さが鮮明になる中、世界経済が「不安定期」に入ったことを否定することは難しいでしょう

ここ数日のテレビ東京(BSも含め)の日経新聞と連携した経済番組が、「年末までには株価回復」とか「実質経済の動きは堅調」と懸命に発信している姿に、余計に不安感を感じる今日この頃です

Dunford大将がF-35削減に言及
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-11

米海兵隊F-35Bが運用体制確立宣言
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-28

中国企業がイスラエル製レーダーそっくりを販売 [安全保障全般]

またイスラエル企業から中国に技術流出か?

NAV AESA.jpg23日付Defense-News記事は、中国企業がイスラエル企業製の戦闘機用レーダーそっくりの製品を発表し、パキスタン戦闘機に売り込みを始めていると報じています。

関連するイスラエル企業Eitaは国営航空宇宙産業IAIの傘下企業ですが、約15年前、西側技術を使用した早期警戒管制機レーダーを中国に売却しようとして米国の激怒を誘い、強制中止に追い込まれた「前科者企業」であり、それ以降は今でもイスラエルと中国軍需産業との関係は「きな臭いもの」として時節話題に上る状態です

また関連する中国企業のトップは、夫婦そろって特許侵害等で米FBIの捜査対象になっている等の曰く付き人物で、パキスタン側も当該中国企業からのレーダー購入を臭わせる発言をしているようで、疑惑を膨らませる結果となっています

多額の金が絡むのが兵器取引ですので、この様な話は世界中にあるのでしょうが、その「氷山の一角」としてご紹介致します

23日付Defense-News記事は
Elta ELM-2052.jpg●北京に根拠を置く中国企業「NAV Technology」が、63ページに及ぶカタログ付で売り出した戦闘機搭載用のAESA(active electronically scanned array)レーダーは、イスラエルElta社製のELM-2052とそっくりで、性能を表示した2ページの内容は同じである
イスラエル国防省は、同中国企業については何も知らないし、関係もないと語っている。Eltaの親会社であるIAIも、Eltaと中国企業は関係を持っていないと否定している

●「NAV Technology」社長のYang Yunchun氏は、ハルピン工業大学を卒業後、カリフォルニア大学で博士号を2001年に取得、GPSやINSの信号処理を専門としていた。最近ではパキスタン空軍機にINS改修の提案を行っている
●米国時代にYang氏と共に働いていた関係者によれば、「知的財産」「輸出管理」「架空企業」等に関する違法行為でFBIの捜査を受けていた模様だが、米当局の公式記録はない

●また中国メディアによれば、Yang氏は中国政府による先進技術開発に関する非公開プログラムに参画しており、先端技術分野での外国依存を削減する取り組みの一員である模様。同氏は特に、GPS受信機やネットワーク技術で精密位置把握に関与していたようだ
●またYang氏の夫人Yi Yangは、GPS技術に関し特許侵害の疑いでCrossbow Technologyから2007年に訴えを起こされている。Yang夫妻は無実を主張し、同訴訟は証拠不十分で取り下げられている。

専門家や関係者の発言
JF-17 Pakistan.jpg●同中国製戦闘機レーダーのカタログは、パキスタン空軍の中国と共同開発のJF-17とMirage IIIへの搭載を強く意識した作りとなっている
●今年のパリエアショーで交渉を状況を知る専門家は、中国製レーダーが欧州製よりも良い評価を得ていたようだと語っている

●また同専門家は、中国製AESAレーダーは実績のあるNRIET(Nanjing Research Institute of Electronic Technology)から提供されるのではないかとの見方も示した。
パキスタン空軍司令官は「中国製のAESAレーダーが実質的に唯一の選択肢だ」、「西側諸国が(我が国への)技術提供を懸念していることから、中国からの購入以外に選択肢はない」と語っている
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「煮え切らない記事」で恐縮です。
Defense-Newsの記者は、利潤追求第一優先のイスラエルElta 社が、怪しげな中国企業と組み、パキスタン空軍戦闘機に最新レーダーを売り込んでもうけを狙っている・・・との仮説を持って記事を書いています。
他の軍事メディアも、多少の違いはあるものの、同様の憶測記事をアップしています。

AWACS China.jpgイスラエルが中国に提供したと「噂されている」軍事技術や兵器には、J-10戦闘機(ラビ戦闘機のコピー)、中国AWACS(米国から大反対され表面上は提供断念も、裏では技術提供)、Harpy(在空型ARMミサイル:南西諸島の軍事施設に大きな脅威)等があります。

本当に「武器取引」は複雑な闇の世界です・・・・・余り近づかない方が身のためか・・・

イスラエル関連の記事
「イスラエルと中国が大接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04-1
「中国に最新軍事技術流出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-25-1
「起業大国イスラエル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-20

「日本との関係強化予算増」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-05-2
「ユダヤ人は離散していない!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-17

米首都防空に2セット目の気球レーダーJLENS [Joint・統合参謀本部]

JLENS.jpg18日付米空軍web記事によれば、北米防空コマンドがワシントンDC防空のために2セット目の飛行船型レーダー(JLENS)をメリーランド州に設置する模様です

JLENSは「Joint Land Attack Cruise Missile Defense System」の略で、名称に「巡航ミサイル防衛」が付いていますが、首都を「無人機」から守ることも大きな試験の狙いのようです。

同レーダーシステムは、1セットに2つの気球と地上統制装置等が含まれ、VHFレーダーとXバンドレーダーの2つを組み合わせた「2バルーン」からなる監視システムで、米空軍のNORADシステムとの連接がポイントのようです

18日付米空軍web記事によれば
●北米防空コマンドは、19日に2セット目のJLENSを設置すると発表した。同システムは、米陸軍と統合の首都圏防空ネットワークに情報を提供する
●JLENSは最高高度3300mで係留され、地上設置レーダーの弱点である地上建造物や山などに妨害されずに、見通し線の確保が可能となる。

20日付米空軍協会web記事は
JLENS2.jpg●北米防空コマンドは、首都ワシントンDCを巡航ミサイルや低高度飛翔体から守るため、それらを探知、追尾する能力向上に懸命に取り組んでいる
1セット目のJLENSは、2014年12月に同じメリーランド州に設置され、約3年間試験することになっている。

●北米防空コマンドは、JLENSを地上配備のイージス艦防空システムと連結し、目標の探知追尾能力を向上させようと考えている

1セット目設置時の記事(2014年12月)
約500kmの捜索範囲を持つVHFレーダーが探知した目標について、Xバンドレーダーで細部精密情報を入手する仕組み
●専門家は今回の試験について、米国防省は首都周辺空域での「無人機」の活動に懸念を強めており、カメラ搭載無人機と航空機のニアミス事案を受け、ワシントンDC周辺での無人機飛行を禁止した事と関連している、と見ている

JLENS3.jpg●NORADはバルーン設置に際し、「JLENSが既存のNORAD防空網情報と上手く融合して機能するかを確認する試験であり、3年後には成果が確認できる」とコメントを発表
●加えてNORADは、バルーンがカメラを搭載しておらず、周辺住民の監視活動を行わないとも明言している。また周辺の湿地帯や動植物に細心の注意を払い、特にイヌワシとハクトウワシへの影響を良く見極めながら実施するとしている
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巡航ミサイルや無人機の脅威を考えれば、まだまだ不十分なレベルでしょうが、それでも脅威の変化に向き合っている姿勢は感じ取れます。

それに引き替え日本は・・航空自衛隊は・・・、「戦闘機命派」に都合の良い情報だけが取捨選択され、報告されるような「フィルター」が恐らく完成しているのでしょう。
今日も反省の色無し・・・ですね

JLENS1セット目設置時の記事
「無人機対処の強化か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-24

米陸軍中心に欧州で冷戦後最大の空挺演習開始 [Joint・統合参謀本部]

airborne ope.jpg18日米陸軍は、ドイツを中心とした地域でNATO諸国軍を含む約5000名により、冷戦後最大規模の空挺演習を22日から開始すると発表しました

「Swift Response 15」と名付けられた演習には、米陸軍の他、仏、独、伊、蘭、英、ブルガリア、ギリシャ、ポーランド、スペイン、ポルトガル軍が参加し、9月13日まで実施される予定です

18日付Defense-Newsによれば
●19日から開始される演習は、「複数国が同時に空挺作戦を実施」する計画になっており、ドイツの他、イタリア、ブルガリア、ルーマニアが演習場となる
●米陸軍の声明によれば、「冷戦終了後に欧州大陸で実施されるNATO同盟国による空挺演習」となる

Army-eu2.jpg●演習は「同盟国の即時対応部隊が一体となって訓練」し、「強く安全な欧州を維持するため、同盟国軍が迅速に機動し作戦可能なことを示す」事が可能なように設計されている
●米陸軍の声明はウクライナでの紛争について言及していないが、2月の停戦以降、しばらく沈静化していたウクライナ国内だが、最近は戦闘があちこちで発生するようになってきている

●先週、とある研究機関が、NATO側の演習増加により欧州での戦争勃発の可能性が高まっていると指摘したが、NATO側はNATOによる演習がロシアの過激な行動に対処するためだと反論したところである
演習のハイライトは、26日に実施予定の1000名以上の兵士と装備による空挺降下(@ドイツ)である。なお本演習では、1999年のコソボ紛争以来初めて、第82空挺師団が欧州での活動に参加する。
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airborne ope2.jpgこれは米陸軍の演習ですが、米海兵隊も続々と大型の装備を欧州に輸送し、事前集積しているようです。
何となく、昔習った「戦い」の復習のようなので、陸軍も海兵隊も「喜々として」活動しているように見えます

一方アジア太平洋地域では・・未経験レベルの敵対国・中国の出現により、どうするべきかの「コンセンサス」や「共通認識」がないままに、右往左往しているような気がします。
8月16日、このような状態につけ込むように、沖縄県知事が「弾道ミサイル技術が発達しているなかで(沖縄海兵隊や米軍は)抑止力にはならない」と問題の核心を突いて中谷防衛大臣に迫りました

中谷大臣は持ち前の「天然ぼけ」を発揮し、「在沖縄米軍による抑止力の重要性」を繰り返し語ったようですが、笑えない話です

本来はワラにもすがるべき沖縄県知事が、かねてより準備していた「捨て身」又は中国仕込み戦略」を繰り出し、米国と日本の南西防衛上の「不整合」にくさびを入れる作戦を発動し、日本の姿勢が真に問われることとなりました

消化試合の「安保法制の国会議論」より、真っ赤で5年先までしか見ない翁長知事」対応にこそ本腰を入れ、きちんと日本の防衛戦略を議論すべきだと思います

沖縄県知事の発言背景を理解し、対応を考察する基礎

CSBA提言の台湾新軍事戦略
「その1:総論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27
「その2:各論:海軍と空軍へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27-1
「その3:各論:陸軍と新分野に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27-2

「CNAS:日本もA2AD戦略を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-18
「CSBA:陸軍にA2ADミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14
「森本元防衛大臣の防衛構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-05

「脅威の本質を見極めよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08
「世界共通の中国軍事脅威観」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-30
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16


米空軍が中国軍人との接触方針を [米空軍]

「東京の郊外より・・・」の
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Welsh-AFweb.jpg5日、米空軍が米空軍部隊に対し、中国軍人との軍事交流において注意すべき事項(見せたり話したりしてはいけない事項:list of prohibited areas)を指示しました。
同指示は、中国軍関係者が米軍施設を訪問する際や、米国関係者が中国側施設を訪問する場合を対象に、両国関係を育んでいくのに必要な施策と同指示を位置づけています

今回の指示が初めてではなく、情勢に応じて修正されたもののようですが、従来との指示との変化については「Defense-News」は触れていません

13日付 Defense-News記事によれば
●指示は「中国軍の国際社会における影響力拡大や、中国軍の能力伸長を受け、米空軍にとって中国陸海空軍との軍事関係はますます重要になってきている」と情勢を分析し、
●「米軍関係者の中国訪問や中国関係者の米国訪問の成否は、両国関係に直接影響し、我が同盟国や友好国との関係にも影響する可能性があり、米国の国家や地域の政軍目標の達成に極めて重要である」と説明している

Welsh China2.jpg●しかし一方で同指示は、米軍人と中国軍人の接触の限度を定め、多様な作戦関連部署を訪問禁止エリアに指定している
●中国側関係者の米国防省研究機関への立ち入りを禁止し、軍事装備品取引に関する議論を禁じ、宇宙や核関連分野の施設等に関しても立ち入り禁止と示されている

立ち入り禁止エリアの全リストは以下の通り
Force projection operations
Nuclear operations
Advanced combined-arms and joint combat operations
Advanced logistical operations

Chemical and biological defense and other capabilities related to weapons of mass destruction
Surveillance and reconnaissance operations
•Joint war-fighting experiments and other activities related to a transformation in warfare

•Military space operations
Other advanced capabilities of the armed forces
Arms sales or military-related technology transfers

•Release of classified or restricted information
•Access to a Department of Defense laboratory
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Welsh China.jpg短い記事からは細部が不明ですが、米国関係者が中国を訪問した際にも、上記リストのエリアには立ち入らないとの意味かもしれません。
訪中した米軍人が中国側に研究機関を案内されたら、お返しの観点から、中国軍人に米軍の研究機関を見せざるを得なくなるからでしょう。

このような米軍関係者に対し「解放禁止エリア」を周知するための「指示」を報道に載せ明示することで、中国側にも理解を促す狙いがあるのでしょう。

また別の可能性として、米軍内の部隊間で、中国軍人に対する対応基準が異なり、不都合が生じているのかもしれません。

陸自空挺団が米で米軍機から降下し基地制圧演習 [Joint・統合参謀本部]

airborne-JGSDF.jpg19日付米空軍web記事は、アラスカで実施されている多国籍共同演習「RED FLAG-Alaska」共同基地制圧訓練に置いて、陸自空挺隊員が12日に米本土で初めて米空軍C-130からパラシュート降下を行ったと報じています。

パラシュー降下訓練による基地制圧演習に併せ、上空では日米だけでなく、韓英豪NZタイ空軍機も「それぞれに役割を分担」し、地上作戦を支援する航空作戦を訓練した模様です。
航空自衛隊による7月24日の発表では、日米共同訓練だと説明されていますが、極めて複雑な多国間演習になっているようです。

ところで、陸自は「RED FLAG-Alaska演習」への参加を公表していたでしょうか? 陸自webサイトには、その様な「プレスリリース」が見当たりませんが・・・

空自発表→http://www.mod.go.jp/asdf/news/houdou/H27/0724.html
陸自webサイト→http://www.mod.go.jp/gsdf/news/press/index.html 

19日付米空軍web記事によれば
RED FLAG-Alaska2.jpg●12日、陸上自衛隊の第1空挺団の隊員が、米空軍横田基地所属のC-130から、米陸軍空挺第一大隊や第501歩兵連隊の兵士と共に、アラスカのGreely陸軍基地演習場へパラシュート降下を行い、敵基地への侵入と基地制圧訓練を行った
自衛隊員が、米国内で米軍機から空挺降下を行ったのは初めてであり、この様な大規模な航空基地制圧訓練も「RED FLAG-Alaska演習」では初めてであった。

●米空軍のC-130操縦者は「陸自隊員を米空軍機から降下させることが出来素晴らしい。日本国内でもこの様な訓練ができれば良い」と語った
陸自のイガラシ中佐は、共同訓練は2国間の協力強化や関係強化に繋がると語り、米陸軍の大尉は「2国間パートナーシップの戦略的価値を増すことが出来、世界に示すことが出来る」と表現した

地上での航空基地制圧作戦では
●地上では、米陸軍と陸上自衛隊の部隊が共同で、味方航空機の着陸を可能にすべく基地制圧作戦を行った。米陸軍大尉は「地上作戦に置いて戦術面で両軍は同じ言語を話しているように感じ、陸自との作戦は容易だった」と振り返った
●陸自のイガラシ中佐は「我々には限定的な実任務経験しかないが、共に訓練した米陸軍は豊富な経験を持っている。彼らから学ぶべき事が多くある」と訓練の意義を語った

空中では各国空軍が役割を分担し
RED FLAG-Alaska.jpg●航空機基地制圧演習が地上で行われている間、上空では多国籍の多様な航空機が地上での作戦を支援していた
米韓日英豪NZタイ空軍の航空機は、それぞれが航空基地制圧作戦における役割を担い(all played a role in the airfield seizure)、7カ国全てがシナリオの中に融合されて訓練した

●訓練シナリオ担当のA.J. Baker少佐は、「大部分の訓練目的は達成出来た。全ての目標攻撃に成功し、陸軍部隊の安全な作戦遂行を可能にし、エスコート機による戦力防御もよく機能した」と語っている
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訓練は段階的に進歩発展させる必要があります。同じ事をやっていては、人は育ちません
ですから、「空挺降下を伴う航空基地制圧訓練」でも、「7カ国が参加の共同航空作戦」でも、どんどんやって頂きましょう!!! そして日本国民にもアピールしましょう!!!

RED FLAG-Alaska3.jpgお願いですが、米空軍の広報担当の皆様、「RED FLAG-Alaska演習」において、地上で様々な任務を遂行する兵士も取り上げて下さい
米空軍でもそうでしょうが、パイロットだけを、槍の穂先だけを取り上げると、重要性が航空機以上に増している「その他」の要員が、不満たらたらになりますから。米空軍でも気をつけた方が・・・

RED FLAG演習関連の記事
「5世代機にはバーチャル訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-28-1
「RED FLAGで予算不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-07
「変化進歩する演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-20

米GAO:核戦力維持に今後10年で36兆円 [Joint・統合参謀本部]

GAO.jpg米GAO(会計検査院)が議会に提出した報告書は米軍の核関連装備や施設の維持・更新に、米国防省が今春提出した計画を精査すれば今後4年間で3.6兆円、10年間で30兆円が必要だと指摘しています。

つまり勝手に解釈すれば、GAOは「国防省の計画は途方もない経費を必要とするのだよ」、「国防省に何を削減して予算を捻出する覚悟はあるの?」と訴えているのでしょう。

同時にGAO(Government Accountability Office)は、40年代50年代に大部分が構築された老朽化の激しい核兵器関連施設はオーバーホールが必要だと指摘し、今後核兵器及びその関連施設への投資をどのように位置づけるかが大きな課題であることを印象付けています

8日付Defense-News記事によれば
LRS-B4.jpg●GAO報告書は、議会の命により2014年に国防省とエネルギー省が提出した、米核戦力と関連能力維持に関する分析を評価したものである今
●同報告書は、今年から2019年までの4年間に、現有装備の運用・維持・人件費に約2兆円、研究開発に1.9兆円、装備調達や建設費に2900億円必要だとしている。

●しかし、その後は2020年代にかけて更に必要経費が増加し、例えばB-52やB-2の後継機となる次期爆撃機LRS-Bは、2020年~24年に掛け2.5兆円が必要だと見積もっている
●また、米空軍は空中発射の巡航ミサイルを維持するため、長距離ミサイルを2030年に掛け調達したいと考えているが、国防省は他の優先事業のため同ミサイルの調達延期を決めている

JASSM3.jpg●しかしGAOは同時に、米国の核関連施設が大規模な改修や更新や修理(オーバーホール)が必要だと指摘している
●報告書は「戦略ミサイル、戦略原潜、そしてこれらが搭載する核兵器は老朽化が進んでおり、当初計画された耐用年数を超えて使用されている」と指摘し、「鍵となるNNSA(国家核安全保障行政局)の研究開発や製造施設は40~50年代の代物で、安全で保全がなされた効率的核戦力を維持確保するため近代化が必要だ」と訴えている
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Minuteman III 3.jpg先日ご紹介したICBM「ミニットマン3」の後継ミサイル開発&調達も、この36兆円に含まれるのでしょう。
それにしても心配です。装備の老朽化だけでなく、関連する「人心」の荒廃にもStopがかかったとは言い難い状況ではないでしょうか?

2007年、B-52爆撃機が「核爆弾搭載に誰も気づかないまま米大陸横断飛行」し、同事案の対処等への不具合から2008年5月に空軍長官と空軍参謀総長が同時に更迭された衝撃以降、歴代の国防長官や米空軍幹部が取り組んできた核戦力部隊の「建て直し」ですが、全く目途が立っていないのが実情でしょう・・・

昨年11月14日:ヘーゲル国防長官(当時)
First D-News.jpg●継続して誰も注目せず資源配分もされなかった結果、核運用部隊の士官に、将来の伸展や昇進の見込みがない無視された分野に配属されたとの意識が染みついている
●ICBM部隊は組織改編の度にメジャーコマンド間をたらい回しにされ、予算も人的施策も後回し・・・誇りも気概も消え失せた
●資源投資の問題だけではなく、(海空軍の)文化の問題でもある  

深刻な関連施設と現場兵士の士気
schwartzTH.jpg●シュワルツ空軍参謀総長:当時「我々は、率直に言えば『無視されてきた』この分野に、約4000億円を投資する。しかし仕事が終わったとは考えていない。継続的にフォローが必要である」(09年9月)
●米空軍GSC司令官クロッツ中将「空軍は長年にわたりこれら施設に十分投資してこなかった」「核関連施設の状態は、使い古され、疲弊し、骨董品状態である」(09年9月)

●「核戦力の運用に当たる兵士や部隊の指揮は著しく低く、人事上も低い扱いを受けていた。このため核爆弾を扱う専門能力を持つ兵士の離職が相次いでいた」(07年B-52事案の調査報告書)

米軍「核の傘」で内部崩壊
「国防長官が現場視察」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18
「特別チームで核部隊調査へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-27
「米海軍トップが危機感訴え」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-10

「ICBM部隊に不合格判定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-15
「ICBM部隊で士官17名処分」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-11

「米空軍ICBMの寿命」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1
「米核運用部隊の暗部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-29
「米軍核戦力は大丈夫か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-28-1

海兵隊:オスプレイ需要急増で要員養成も加速 [Joint・統合参謀本部]

Davis m4.jpg18日付DODBuzzが、米海兵隊の航空担当副司令官の発言を交え、運用の柔軟性や航続距離からオスプレイMV-22への部隊需要が急増しており、操縦者や整備員等の要員養成ペースを加速していると報じています

また、オスプレイに「空中給油機能」を付加する計画も進んでおり、2018年には作戦可能になるだろうとも語っています。

自衛隊での必要性はまた別の話として、オスプレイを「門前払い」するのではなく、知識人の素養として有用性については理解しておきたいものです

18日付DODBuzz記事によれば
MV-22 2.jpg米海兵隊の航空担当副司令官であるJon Davis中将は、ヘリのように垂直離着陸が可能で、航空機のように早く遠方に飛行出来るオスプレイに対する前線部隊の需要が急増しており、運用要員の養成を計画より早めて推進しているが、「十分な数を養成出来ていない」と語った
●海兵隊のオスプレイMV-22は、速度280ノット、作戦行動半径450マイルを誇り、着上陸や海外展開訓練、人道支援や災害対処などの任務にも不可欠なアセットとなっていると同中将は表現した

●米海兵隊関係者は、急増する需要に対応するため、特に整備員養成計画を練り直していると語っている
●オスプレイが取って代わろうとしているCH-46ヘリより優れた搭載能力と、約2倍の速度と6割増しの行動半径を持つオスプレイは、空中給油を受ければ更に航続距離を伸ばすことが出来る

●またDavis副司令官は、海兵隊航空機では初となる情報ネットワーク機器搭載の努力をオスプレイに行っていると語り、同機が活動するエリアの戦術情報を共有出来るような「digital interoperability」を目指していると説明した
●他の海兵隊関係者は、同ネットワーク装備を2017年には運用可能にしたいと語っている

MV-22.jpg●海兵隊関係者はまた、オスプレイに「VARS:空中給油システム」を搭載する計画を明らかにし、「2018年までに空中給油機能を付加し、F-35Bに4000ポンドの給油が可能にしたい。また2019年までには給油用燃料を1万ポンド搭載出来るようにする計画だ」と語っている
●本計画でオスプレイは、F-35Bのほか、CH-53へりやFA-18、AV-8Bハリアーに空中給油が可能になる
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開発段階でオスプレイには大きな困難があったようですが、種々のトラブルを教訓とし、前線で役立つ前線が必要とするアセットへと成長したようです。

繰り返しになりますが、オスプレイを「門前払い」するのではなく、知識人の基礎知識として、オスプレイの有用性については理解しておきたいものです

オスプレイ関連記事
「オスプレイと空中給油」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-12
「空軍は救難には活用せず」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-03
「海軍もオスプレイ導入へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-17-1

「ミサイル発射試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-14
「日本がオスプレイ導入決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-19
「オスプレイ整備拠点で日韓対決」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-14

「イスラエルへ海外初輸出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-02
「少なくとも100機海外で売る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-19
「航空ショーで大人気オスプレイ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-19

B-2爆撃機グアム展開:中露海軍演習を牽制? [米空軍]

B-2 Guam.jpg7日、3機の大型ステルス爆撃機B-2が、1年ぶりにグアム島のアンダーセン空軍基地に飛来し、米太平洋空軍は「地域に慣熟するための訓練」を行うと発表しています

折しも、20日から28日にウラジオストック沖の日本海で、史上最大規模の中露海軍共同演習「Joint Sea 2015 II」が行われるタイミングであり、勝手ながら「中露海軍演習を牽制するための展開」と個人的に判断しております

10日付米空軍web記事によれば
B-2Whiteman.jpg●7日、3機のB-2爆撃機は225名の空軍兵士と共に、アジア太平洋地域に習熟するためミズーリ州のホワイトマン空軍基地から到着した。
●この訓練のための爆撃機派遣は、米国の戦略爆撃機が、常続的に地球規模のコミットメントを維持しており、インド・アジア太平洋地域に対しても同様である事を示すものである

●米空軍のGSC(地球規模攻撃軍:Global Strike Command)は、定期的に爆撃機をアンダーセン基地に展開させ、太平洋軍司令官等に長距離攻撃能力を与え、潜在敵対者に対する抑止力となっている
●もっと情報が欲しい方は、太平洋空軍の広報担当室へ:電話808-448-3219

14日付米空軍協会web記事は更に
B-2dual07.jpg(保有機数が少ない)B-2爆撃機は、爆撃機をローテーション派遣するCBP(Continuous Bomber Presence)としては派遣されていないが、定期的にグアム島への展開訓練を行い、抑止と有事への備えを行っている
●B-2爆撃機のグアム島への展開は、最近では2012年1月、2014年の夏に続くものである。

●展開中B-2爆撃機チームは、太平洋地域の地理や飛行場に慣熟し、太平洋空軍との指揮統制訓練や空中給油、爆弾搭載訓練も併せて行う

中露海軍共同演習の概要
●演習には、初めて強襲着上陸訓練が含まれる。海上脅威対処のほか、防空や対潜水艦作戦も訓練、陸海空領域での戦術訓練
●両国海軍から20隻の多様なタイプの艦艇(中国海軍は7隻)、航空機やヘリが参加する
china-russia.jpg中国海軍艦艇のウラジオ訪問、文化交流行事、スポーツ大会が含まれる
●演習名は「Joint Sea 2015 II」で、「Ⅰ」は今年1月に地中海で実施済み
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B-2爆撃機と中露海軍共同演習を無理矢理絡めて説明している気もしますが、20日木曜日からの共同演習は、初の着上陸作戦演習を含むそれなりの規模です。
ご紹介した電話番号は、米空軍webサイトに掲載のものですので、ご興味のある方は・・・

B-2爆撃機が当該演習中に日本海へ飛来し、緊張を高めない程度にプレゼンスを示してくれれば・・と希望します
そして少しはまともに報道され、日本の「平和ぼけ」解消に役立てば・・・とも思います

「中露海軍共同演習の概要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-18-1

B-2爆撃機関連
「グアムに爆撃機受入れ部隊常駐へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-13-1
「映像:B-2を5点で学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-01
「B-2の世界展開派遣再開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-23

米海軍が主張:空母の重要性は将来も不変 [Joint・統合参謀本部]

Ford-Class-Carrier.jpg米海軍の空母や空母航空戦力は、精密誘導兵器の発達により今後ますます脆弱になると指摘され、更に次期空母フォード級の価格が従来の2倍(約1兆6千億円)に跳ね上がっていることから、米議会や専門家等から将来性について疑問や批判を受けています

具体的に米議会は、米海軍に対し「空母の価格低減策」や「空母の代替」の検討を命じ、米海軍は1年を掛け「嫌々ながら」検討を進めています

そんな中、11日、米海軍の航空戦力軍司令官(commander of Naval Air Forces)であるMike Shoemaker海軍中将が、空母及び搭載航空機が提供する戦力は、現在も将来も柔軟性のある戦力オプションとして重要であり続けるとの文書を発表しました。

また翌12日には、CSISと米海軍協会が主催の「海軍航空戦力」のパネル討論会に登場し、上記文書の主張を発信しています

11日付 Shoemaker海軍中将の文書によれば

空母と空母攻撃群の存在意義は
Shoemaker2.jpg今日、米国の安全保障環境は、今まで以上に、空母戦闘群を求めている。空母戦闘群は、多様な脅威や自然災害にまで迅速に対応し、国家指導者にオプションやプレゼンスやアクセスを提供している
脅威度が高いエリアに置いても、空母群はその戦力構成や機動性を生かして生存性を高め、その航空戦力の総合力は戦力投射力により、世界中で平和や安定の鍵として機能を果たしている

空母攻撃群CSGは、空母と搭載航空戦力、ミサイル巡洋艦、ミサイル駆逐艦、補給艦等で構成され、その組織的融合力を持って世界の共通在である航行の自由を確保している
●従って、空母攻撃群が現在提供している外交や経済を支える機能を、すぐさま代替出来る物はないアクセスが限られ、外交ルートでは対応に時間が必要な事象に対応し、敵対者の意図を拒否し、行動の自由を確保し、統合や他友好国のアクセスを確保するのは、空母攻撃群の役割である

Shoemaker.jpg●特に政治情勢やホスト国との関係で、事態発生時の初期段階で地上航空基地が使用出来ない場合、空母航空戦力のみが必要地点に到達出来る。今日の波風の高い世界情勢下、空母攻撃群の提供する戦略的で柔軟性のあるオプションへの需要は継続して高いだろう

●例えば、2014年の夏にISの勢力拡大が激しかった折、アラビア海に所在した空母ブッシュは、僅か30時間で作戦可能態勢を取ることが出来た。最初の10日間は、同空母戦力だけが軍事オプションだった
911同時多発テロ以降ずっと、空母攻撃群はローテーション派遣を継続しながら当該地域でプレゼンスを発揮し、切れ目のない体制を維持してきたのだ

●また2015年4月には、空母ルーズベルトがイエメン沖で海賊対処に当たっていた際、イエメンへ向かっていた(恐らく反政府組織への物資輸送用の)イラン輸送船が引き返したことがあった。これは空母のプレゼンスが地域の安定に貢献した好例である
●更に災害対処の側面も重要だ。2011年、日本での地震と津波被害に派遣された空母レーガンは、救援物資の輸送や人命救助に活動した。被害を受けた地域の港や飛行場の代替として、日本政府の救援活動の立ち上がりを支えた

将来の空母航空戦力について
フォード級空母の導入に際し、費用対効果や残存性に関する疑問を指摘する声もあるが、ニミッツ級空母から大きく改善された能力と、技術進歩に併せて発展する艦載航空戦力の力には、大いに期待を持って良い
●フォード級空母は省力化も進めており、空母活動間のトータルの経費で見れば、ニミッツ級に比して約5000億円もコスト削減が可能である。歴史上、後継装備はそれ以前より常に高価である。しかし2番艦、3番艦はコストダウンを図っていく

Ford Class CV.jpg●艦載アセットへの投資は、将来の戦いにおけるアクセス確保、戦力投射、海上制圧を可能ならしめるものであり、空母の配備される全てのアセットは、様々なタイプの任務の効果や致死性に貢献することが期待される

艦載無人偵察攻撃機UCLASSは、継続的なISR、対処を急ぐ目標対処、精密攻撃能力を期待される。このシステムはA2ADエリアでの活動能力を提供し、指揮官の目や耳となり、空母攻撃群の前方の状況や脅威把握を行う。

空母艦載型F-35Cは、そのステルス性による突破力、多様なセンサーによる情報収集融合、他機や艦艇情報とリンク融合する事が期待される。
FA-18は先進兵器を多量に搭載でき、F-35を補完し、多様な作戦で「high/low mix」の対応力ある火力を提供する

EA-18Gは電磁波の世界を支配し、高度な電子戦攻撃を行い、空母攻撃群や兵器を防御し、敵通信を攪乱することで味方の地上部隊を保護する
E-2Dは、目標探知追尾に優れた新レーダーと、重要な指揮統制を提供し、IAMD防空&BMD融合や長距離の防空や対艦戦闘を含む、多様な任務のコーディネートを行う。

Shoemaker4.jpgMH-60RとSへりは、空母攻撃群の防御を引き続き担い、R型は艦艇近傍での対潜水艦作戦を行う。V-22オスプレイは、物資補給や人員輸送を担うと共に、その柔軟性を生かして他任務も支援する
●空母艦載機ではないが、対潜哨戒機P-8Aや無人大型偵察機MQ-4Cは、海洋ISR情報を空母戦闘群に提供し、対潜水艦作戦の成功に大きな役割を果たしてくれる

思慮深い適切な判断と革新的な投資戦略により、将来の空母と艦載航空アセットは継続的に、必要時にまずアクセス確保、戦力投射、海上制圧を可能ならしめるアセットであり続けるだろう
●21世紀の国家安全保障と世界の安定に必要不可欠なものとして、将来の空母戦闘群は、継続的に地域安定のためのプレゼンスを提供し必要時には強固に防御されたエリアでも新たな能力とアセットで適切な役目を果たすだろう

12日のCSISでの講演に関しては
DODBuzz記事http://www.dodbuzz.com/2015/08/12/us-navy-details-future-carrier-air-wing/
CSISの関連webページhttp://csis.org/event/naval-aviation
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最後の部分に「思慮深い適切な判断と革新的な投資戦略により」とありますが、米海軍の従来の予算枠では空母や戦略原潜の更新が収まらないので、別枠でこれら予算を確保したいとの「都合の良い提案」です。
諸般の情勢を考えれば、強制削減が現実味を帯びる中、全く無理な話でしょう・・・

ASBM DF-21D2.jpgこの文書を読む限り、空母は「対中国本格紛争」や「強固に防御された地域や環境:highly contested environments」において余り期待されていないのかな?・・・との印象を強く持ちます。
深読みかも知れませんが、最終フレーズの「operate in highly contested environments when required」との表現は、普通は空母に期待しないけど、どうしてもと言われれば・・とも解釈出来るような気がします

実際、厳しい環境下で空母はこの様に活動出来る、との説明や主張は一切含まれていません
平時のプレゼンスと災害対処、何とか対IS作戦までが空母の限界なのでしょうか。
Shoemaker中将とホッピー飲みながらお話ししたら、そんな本音が聞こえてきそうな米海軍航空戦力軍司令官による「commentary」でした。

空母に関する記事
「空母建造費の削減検討に30億円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-07
「空母代替検討:やる気なし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-24
「空母をどう位置づける?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-22

「米会計検査院が空母に待った」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-12
「新空母フォード級を学ぶ」 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-20
「映像:革新的新カタパルト」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-10

「米海軍NIFC-CA構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26
「NIFC-CAとSM-6連携」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-27

E-8C JSTARSの後継候補3つに決定 [米空軍]

JSTARS5.jpg7日、米空軍はE-8C JSTARSの後継機選定の前段階として候補を3企業の提案に絞り、各企業に約10億円の資金を与えて全システム概要検討、基礎設計やデモ主要システム開発をさせると発表しました。

このJSTARS後継機は、2023年に初期運用体制IOCを確保出来るよう計画が進められており、米空軍の中では次期練習機と同様に、F-35、KC-46A、次期爆撃機に継ぐ優先事業と見なされているようです。

なおE-8C JSTARSは、1992年の湾岸戦争に開発途中で初実戦投入された地上目標探知システムを搭載した航空機で、レーダーで敵地上部隊を探知、識別し、味方地上部隊を指揮・管制する役割を担います
JSTARSは「Joint Surveillance Target Attack Radar System」の略です

10日付米空軍協会web記事によれば
JSTARS recap3.jpg●この約10億円のpre-EMD(pre-engineering, and manufacturing development)契約は、「各提案の技術的成熟度を見極め、システム統合開発のリスク低減を図り、設計段階から生涯経費を削減するため」と米空軍は説明した。
●具体的には、9月上旬に第一段階のレビューをケンドール国防次官(調達技術開発担当)を行い、約3年後に機首及び製造企業を決定する予定。

●ただ最近のインタビューでLaPlante空軍次官は、このあたりの事業は予算の強制削減の状況によっては実現が困難になる可能性のある「グレーゾーン事業」だと表現している

3企業の提案概要は?
●米空軍は従来からJSTARS後継機に関し、「ビジネスジェット」や「市場で調達可能な航空機クラス」との表現で、E-8Cより小型の機体が望ましいと公言してきている

3企業の提案概要は
---ボーイングは、737-700旅客機を基礎に、P-8対潜哨戒機のパーツを多く活用する案
---N-グラマン(JSTARS製造会社)は、Gulfstream 550を基礎としたデモ機で米空軍基地を巡回中
---ロッキードは、レイセオン&ボンバルディアと組み、Bombardier's Global 6000を基礎とした案

JSTARS recap4.jpg●米空軍は後継機に、長さ4~6mのレーダーを搭載して高度4万フィートを飛行させたいと考えており、市販システムやエンジンを可能な限り採用したい意向を持っている
●また米空軍はこのpre-EMD契約期間に、各提案企業が後継機製造の高リスク箇所を明らかにし、そのリスク低減策を提示する事を期待している
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JSTARS recap5.jpgこの機種選定でも、既存の機体活用としっかり事前検討で開発リスク低減、当初からライフサイクルコスト削減を念頭に設計、要求事項の早期公表による競争促進等の方向性が明らかです。
上手く行くと良いですね! 技術進歩で小型化が可能になったんでしょうか・・・

しかし・・・どこでJSTARS後継機を使用するイメージなんでしょうか???

こんなゲーツ国防長官(2011年当時)の言葉が頭に・・・
陸軍士官学校での講演で
JSTARS2.jpg「次の本格紛争では主に海軍と空軍が関与するであろう現実に、陸軍は向き合うべき。 アジアや中東へ大規模地上部隊を派遣するよう大統領に進言する国防長官が仮に現れたら、頭の検査を受けさせるべきだと思う」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07-1

JSTARS後継機に関する記事
「2023年は新装備が集中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-14
「ACC司令官がJSTARS後継切望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-03
「女性中将が語る開発装備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-21

F-35開発に「今頃やっと」の話題2つ [亡国のF-35]

F-35 N.jpg7月末に海兵隊F-35Bが、たった12機で、しかも武器が2タイプしか使用出来ない不十分なソフト「2B」搭載で、運用体制確立IOCを宣言をしたことにより、F-35が順調かのような錯覚や幻想が漂っている今日この頃です。

しかし、次の米軍人トップ統合参謀本部議長であるDunford海兵隊大将が、「F-35調達機数の見直し検討」の存在を明らかにしたことにより、世界は再び「負のスパイラル」の恐怖(機数削減→単価上昇→更に調達機数削減・・)を再び遅まきながら感じ始めています

また本質的議論ではないものの、F-35の空対空戦闘能力がF-16、F-15、F-18とほとんど変わらず、Mig-29やSu-27ではかなりの要素で劣っており、シミュレーション上では中国Su-35に2倍撃墜されるとの結果も出ているようで、メディアを賑わせています
http://defensetech.org/2015/08/12/analyst-russian-mig-29-and-su-27-top-american-f-35/

そんな中、こつこつと「亡国のF-35」の末路をフォローするため、最近のF-35開発に起こった「今頃やっと」の話題を2つご紹介します

F-35のHMDヘルメット1個目が今頃納品
F-35-HMD.jpg12日、F-35用のHMDヘルメットを開発しているRockwell Collins社とロッキード社が、第3世代(恐らく完成品に近い)「Generation 3」ヘルメット第1号の納品式を行った
●アイオワ州のRockwell本社で行われた式典では、「Generation 3」ヘルメットが改善された夜間暗視装置や液晶画面を搭載し、自動立ち上げ機能等のソフト改良が行われたと発表された

●この3世代ヘルメットは、生産「lot 7」のF-35から提供され、2016年から初期生産が開始される予定。相変わらず高価で、1個が約5000万円!!!
●先日IOC宣言をした海兵隊F-35Bは、現在試験等で使用されている「Generation 2」ヘルメットを使用して能力点検を乗り越えた

●本ヘルメットは開発が遅れが問題となっており、一時はBAE社による低性能の代替品開発が検討されたが、2013年に継続開発が決定されたものである

米空軍の戦術開発用F-35に今頃ソフト「2B」
F-35-Nelis.jpg6日付米空軍ネリス基地発表によれば、米空軍F-35Aの戦術開発を行う同基地部隊のF-35Aに、現在の初期ソフト「1B」から「2B」への更新作業をネリス基地内で開始し、8機中の2機への更新を完了した
●基地内で更新作業を実施することにより、F-35飛行のペースを低下させることなく、また整備員への負担を強いることなくソフト更新を実施出来た

●F-35Aの整備を担当するHoogstraten上級軍曹は、「ソフト2Bへの更新は、米空軍F-35の運用体制確立に不可欠なだけでなく、F-35計画の進捗全体にとっても極めて重要だ」と語った
他基地に機体を移動してソフト更新を行うよりも、約半分の時間で2機のソフトアップグレードを行うことが出来た。最初の更新は5月に開始し、7月初旬に終了している。
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まず、HMDが重要になる空対空戦闘の発生確率がどのくらいあるのか・・と言う問いがあります。
この分野では、データリンクやAWACS等の周辺装備やステルス機の機数でも米空軍が圧倒的優位で、米空軍約300機(F-22が200機で、F-35も100機)に対し、中国軍はゼロです。更に今後もその差は拡大するでしょう。

この大きな差があるからこそ、中国は弾道ミサイルや巡航ミサイル、サイバーや電子戦や宇宙兵器で、米軍を「空中戦」に至る前に「瞬殺」しようとしている訳です。
この様な脅威の変化が広く語られている中で、F-35パイロット一人一人に、特注で1個5000万円のヘルメットです。組織内に不満や軋轢が生じることは、火を見るよりも明らかです。既に・・・ですが、ご愁傷様です。

ソフト「2B」への更新・・・米空軍は来年8月~12月の間で予定している空軍型F-35AのIOCを、この8機の部隊で宣言するのでしょうか???
確かソフトは「3I」か「3F」とかだったと思いますが、本当に「底上げ」のIOCですね

真摯に日本の国防環境を見つめよう
「脅威の本質を見極めよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08
「世界共通の中国軍事脅威観」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-30
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16

次の米軍人トップが議会で・・・
「F-35調達数削減の検討に言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-11
タグ:F-35 HMD 2B Nelis
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