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米空軍がF-15とF-16の延命策を検討中 [米空軍]

Bunch3.jpg24日、米空軍省の調達担当副次官であるArnold Bunch中将は、米空軍協会朝食会で講演後に、F-35の遅れや調達速度低下に備え、F-15とF-16の延命及び能力向上施策を吟味検討中だと記者団に語りました。

しかし同時に、必要だが予算枠の関係で、少なくとも2018年度予算まで待たなければならないとも語りました。なお本件については、同様の問題認識を、先週カーライル戦闘コマンド司令官も記者団に語っていたようです

米空軍と日本のF-15との間には、色々形態の違いもあるのでしょうが、日本の国防環境を考えれば、F-15戦闘機の後継に「一点豪華主義」の膨大な投資をするより、米空軍と協力してなるべく安価に能力向上&延命改修をした方が適切だと思います
Jinpo2.jpg
この点は台湾に学ぶべきで、ご参考まで、慶応大学の神保謙先生の「台湾に学べ論」も併せてご紹介します。

なお神保謙氏は、採決直前の参議院で最後に「安保法制賛成の」参考人証言を行った「お墨付き」のしっかりした安全保障研究者です


25日付米空軍協会web記事によれば
●24日Bunch中将は、「現在の技術動向を精査し、脅威の変化と速度を見極め、併せてF-35の導入ペースも睨みながら、延命及び能力向上施策を吟味検討中」だと語ったが、同時に少なくとも2018年度予算以降まで待つ必要があるとも述べた

Bunch2.jpg●また同中将は具体的に、「現時点で、具体的な18個の改修等提案を議論精査しているが、まだそれほど細部の議論に入ってはいない」とも説明した。

●先週、米空軍戦闘コマンド司令官のカーライル大将も記者団に、F-22の機数が余りにも少なく、F-35の調達速度も遅いことから、F-15C及びF-15Eのレーダーやセンサーの更新、構造的疲労が進む胴体や翼の交換等を考えざるを得ない、と語っている
●ただし前述のBunch中将は、「だからと言って、延命及び能力向上施策が可能とは限らない。多分予算が確保出来ないだろう。より分析をする必要がある」と付け加えた
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神保謙氏が語る台湾の現状と対応策(概要)
(9月1日付「政策シンクネット」より)
Jinpo.jpgいま台湾が置かれている防衛状況は、5年後10年後に日本が置かれるかもしれない環境に似ている。台湾はすでに大陸側とパワーバランスを保てなくなり、経常的に劣勢に置かれている状態。理由は2つある
●理由は第一に、2000年代中頃から中国が台湾に対して圧倒的な航空優勢を確保するに至ったためで、更に、中国は1500基以上の短距離弾道ミサイルを台湾に向けており、台湾の防御能力の限界を超えた「飽和攻撃」が可能になっているから。つまり、台湾の防衛戦略にとって(軍事的な)「優勢」や「均衡」を前提とする時代は終わった

第二の理由は中国軍事侵攻を抑止する米国の軍事コミットメントの後退。2代目ブッシュ大統領は「どのような状態であろうと(Whatever It Takes)台湾を防衛する」と宣言したが、米中関係が経済的な相互依存を深化させ、新しい大国間の関係を模索する中で、台湾の戦略的地位が低下しているから
Taiwan-China2.jpg●振り返ると、2004年の総統選挙に向け、新憲法制定も念頭に、陳水扁総統(当時)はミサイル防衛の強化に関する住民投票を実施した経緯があるが、米国の対応はきわめて冷淡で、ブッシュ大統領は温家宝首相と会談し「一方的に台湾海峡の現状を変えようとするいかなる試みにも反対する」と述べ、米国は台湾が発火点の紛争に巻き込まれたくないと明示した

●この頃から米国政府では、中国を「責任あるステークホルダー」と呼ぶなど中国の役割に期待する論調が高まり、台湾海峡の安全確保のため、台湾も勝手に行動しないことが必要と認識されるようになった
●米国は条件付きの台湾庇護者であるばかりか、台湾を「厄介者」としてとらえる論調が米国で増え、台湾を切り捨てて米中関係の安定を図る立場の主張も表れ、台湾にとって衝撃の変化となった。

台湾政権交代の可能性大
TaiwanMa.jpg●上記のような米国内に存在する台湾に対する見方に私(神保)は賛成しないし、日本にとって台湾の戦略的重要性は極めて大きい。ただし大きな視点から、台湾の戦略的重要性が低下しかねない環境である事は、十分認識すべき
●現在の馬英九政権は、経済交流や規制緩和を通じて台中関係の改善を試み、結果、台湾経済の回復も進み、独立派の多い台湾の中南部の人々までも大陸に進出。かつて独立を主張していた勢力も、大陸進出によって経済的恩恵を享受するようになり、活動自体が弱体化。

ただ馬英九の求心力が低下し、昨年12月の地方選も5つの直轄市で全敗し、2014年3月「ひまわり学生運動」のような中国との関係強化反対派も広く存在
●しかし香港の「雨傘」デモがもたらした負の影響も大きく、一国両制自体の問題を指摘する声も強まりつつある。このままだと、2016年は民主進歩党が政権を奪うとみられ、馬英九政権下の北京との信頼関係維持は難しくなる。台湾情勢はけっして安泰ではない

メンツを捨て、実を取る台湾軍
TADTE5.jpg第一の方向性は、対称戦略を止めること。中国との対称的な軍事的均衡追求を放棄し、非対称的なA2AD戦略を採用すること
●最近、台湾海軍は小型コルベット艦を大量に購入。駆逐艦の半分サイズで、機動性が有り戦闘能力が高い艦艇。大きな駆逐艦を少数でなく、小型戦闘艦の大量購入は、プライドを捨て独立を守るということ
軍事バランスが崩れた状況を前提とし、兵力構成に変革しようと。これは重大な決断で、大きなパラダイムシフト

第二の方向性は強靭性と生存性。台湾の空港では、軍用アセット防護のためにコンクリートの厚さ、地下の深さ、戦闘機の格納場所など防御体制を整備。空港や港湾をミサイル等で攻撃された際には、攻撃に対する耐久力と回復能力、代替施設を使用する能力などがきわめて重要
●この点で、台湾の有事に対する備えは、日本よりもはるかに真剣。これは自衛隊基地と比較すると一目瞭然。この点も、5年後から10年後の自衛隊の態勢整備で教訓となる。
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Jinpo3.jpg台湾国内政治の動きは、今後まだまだ流動的でしょう。
また台湾軍が「強靭性と生存性」の面で自衛隊を遙かに凌駕している点はそうでしょうが、「メンツを捨て、実を取る動き」や「大きなパラダイムシフト」は、その兆しが見え始めた段階かも知れません。

しかし神保氏が、慎重に柔らかく、しかし決然と主張する「いま台湾が置かれている防衛状況は、5年後10年後に日本が置かれる環境」との指摘は、必然で当然で自明の理です。

米国のシンクタンクが、オフショア・バランシングに傾き第一列島線の外から「生暖かく日本等の同盟国を見守る」姿勢を打ち出し始めたのも、「2004年の台湾総統選」に向かう頃の台湾情勢に似ています

だから言うのです。脆弱なシステム群に支えられた「一点豪華主義」の「戦闘機」だけに投資から「パラダイムシフト」し、F-15「延命及び能力向上」の道を米空軍と共同して考えたら・・・と。

台湾情勢を踏まえた論考
「神保氏:台湾の劣勢戦略に学べ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25
「CSBA提言:台湾新軍事戦略に学べ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27
「ヨシハラ教授:日本は分際を知れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-18

オフショア・バランシングに傾く
「陸自OBがCSBA論文に便乗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
「Offshore Balancing論解説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-27

いい加減にしろ戦闘機命派
「悲劇:F-3開発の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16

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米が韓への技術提供拒否で韓国KF-XやF-35に暗雲 [亡国のF-35]

KF-X5.jpg27日付Defense-News記事は、韓国が40機のF-35調達契約に併せて要求した、KF-X韓国国産戦闘機計画への米国技術提供を米政府が拒否し、韓国のKF-X計画自体が遅れるだけで無く、F-35選定過程にまで遡った見直し話が出ていると報じています

KF-X韓国国産戦闘機計画は、韓国空軍のF-4やF-5の後継機約120機を国産開発する計画で、4.5世代レベル(最新F-16プラスα)を2025年に完成することを目指した計画です。

しかし韓国独自では上記レベルの機体製造は困難で、F-35を製造するLockheed Martin社に、F-35を購入する「おまけ:offset deals」として、AESAレーダー等の重要技術移転を要求していたのです

Korea KF-X.jpg更に技術移転拒否を受け、韓国内では根っこにあるF-35の「土壇場ちゃぶ台返し突然購入決定」の過程を不透明だと指摘する声が「再び」飛び出し、不穏な雰囲気にあるようです

なにせ、韓国空軍はF-35を候補から外すと決定していたのに、よく分からない国政レベルの会議で突然F-35に決定したという、韓国らしい不透明決定でしたから・・・

27日付Defense-News記事は
●ほんの半年前に本格スタートしたばかりの韓国KF-X計画(総額1兆8000億円)が、米政府による技術移転拒否により空中分解の危機に直面している
KF-X6.jpg●KF-Xへの技術移転に関しては、韓国がF-35購入するFMS契約に併せ、Lockheed Martin社が21の技術の提供することで合意していたところである。また同社は韓国側の要望に応え、更に重要な4つの技術(AESAレーダー、光学ターゲティングPOD、赤外線救難捜索装置、無線通信妨害装置)の提供を米国政府と交渉することに合意していた

●しかし本年4月、韓国側は4つの技術提供を米国政府が拒否したとの知らせを受領した。米LM社は引き続き米政府と交渉を続けると言いつつも、「F-35の海外購入国で、AESAレーダー技術の提供を受ける国は無いとその難しさを示唆している
●韓国国防調達庁DAPA幹部は「努力したがダメだった。我々は他国から同様の技術を得るか、自国開発を追求することになろう」と述べ、米国技術無しではKF-X開発が2015年から更に遅れるだろうと示唆した

韓国大統領府が捜査に着手とか・・
韓国大統領府の高官は、韓国国防調達庁DAPAが技術移転交渉に関する失敗を隠そうとしていると指摘し、大統領府がF-35選定を含めた不正疑惑に関する捜査を開始し、「大統領府は関連する全ての文書を精査する。技術及び経費面で不可解な点があれば、KF-X計画は中断する」と述べた
KF-X3.jpg●識者の中には、KF-Xの件がF-35契約にも影響を与えると予期する者もいる。韓国シンクタンク代表は「再び、F-35選定過程を巡る不透明さを指摘する議論に、火を付ける可能性がある」とコメントした

●DAPAはF-35最終選定に関し、ステルス性が重要だと説明しF-35を押したが、敗れたボーイングとユーロファイターは技術移転に関しより有利な条件を提示していた
●一方で、米国製レーダーや最新装備を搭載することで、輸出が制約された韓国製T-50練習機を教訓とすべきとする意見もある
●韓国与党の有力議員は「(T-50の例から)米国との関係を再考する機会かも知れない。韓国は高等技術の移転を前提として第5世代機購入を決断したが、何も得られないことが明らかになったのだから」と語っている
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韓国の皆様の「激情性」や「腕力政治」には驚かされるばかりですが、米国との関係をどのように考えているのでしょうか? 中国から戦闘機技術を買うつもりでしょうか?

KoreaNC2.jpg9月3日の中国戦勝70周年パレードに、韓国人の国連事務総長と共に韓国大統領が出席し、西側社会との異質性を見せつけた韓国ですが、中国経済減速の中、幸あれと生暖かく祈るばかりです

このソウル発の記事が掲載された切っ掛けが不明ですが、後に続く何かがあるのかも知れません・・・。北東アジアも激動ですね。安保法制を巡る「井の中の蛙」議論をしている間に・・・

KF-X関連の記事
「KF-X計画公式発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-01-1
「韓国KF-Xは2個エンジン」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-22
「F-35がらみでKF-X支援要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-31

韓国F-35決定のごたごた過程
「韓国F-35とKF-X」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-25
「F-35に最終決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-22-1
「急転直下:F-35を選定か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-19

「経費クリアの1機種で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-03
「F-15Eの方向に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-20
「おまけ競争?韓国F-X選定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-14

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回避できるか強制削減:期限30日深夜 [安全保障全般]

9月30日午後、米国予算の強制削減は当面回避されることに。
とりあえず12月11日までの暫定予算が確保されたようです
http://www.defensenews.com/story/defense/policy-budget/congress/2015/09/30/house-passes-bill-averting-government-shutdown/73111782 

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Sequestration2.jpg9月30日夜11時59分までに、米議会で予算の強制削減に関する何らかの措置が講じられない限り、10月1日から2013年に短期間発生した強制削減が再来襲し、政府機関が閉鎖又は限定予算の中で最低限の運用を強いられることになります

夏休み前までは、短期的な暫定予算確保決議(CR:continuing resolution)で合意の雰囲気があったようですが、9月には入って再び不透明感が増し、先週末の時点では短期的な合意案が民主党側によって拒否された状態です

大胆に単純化すると、何とか短期的な措置で凌ごうとする共和党に対し、根本的な対策でないと混迷が深まるばかりだとする民主党側との間で、「チキンレース」が行われている状況です

今週、最後の3日間で恐らく議論される提案は、12月11日までの予算を2015年規模で暫定許可するもので、それまでの2ヶ月間で本格的な両党合意を狙おうとするものです

そんな中、25日金曜日に、議論集約の鍵を握るはずのJohn Boehner下院議長が10月末に辞任すると発表し、これがどのように強制削減対処に影響するのか、不透明感が増す形となっています

26日付Defense-News記事によれば
Sequestration.jpg●合意が形成され、強制削減が当面回避されるかについては、予想が分かれる状態にある。
●昨年まで国防省の監査官を勤めていたBob Hale氏は、2013年に強制削減が発動された直前の状態に似ていると語り、下院議長辞任が「手打ち」を呼ぶとの観測もあるが、引き続き交渉決裂の可能性は大きいと語った

●CSIS研究員で前国防省高官のAndrew Hunter氏は、「辞任のニュースが良い方向を示す訳ではないが、恐らく下院議長が民主党の支援を得て当面の回避策CRを通すだろう」と語った
●Michael Horowitzペンシルベニア大教授は、政府機関閉鎖が「少しは遠のいたかもしれない」と言いつつ、辞任を巡りどんな駆け引きがあるのか見極める必要があると語っている

continuing resolution2.jpg●AEIのMackenzie Eaglen研究員は、辞任が何らかの短期的妥協に結びつくことを信じたいと述べる一方で、短期的な妥協は、すぐ数週間後に訪れる次の期限時に、何の対処案も準備できていないことを示す点で、更に大きな問題を積み残すだけだと語っている
●「下院議長辞任のニュースには良い中身は何もない。その向こうに惨めな機能不全な議会の姿が見えるだけだ」とEaglen女史は付け加えた

米国防省は大変な危機感と士気低下
●強制削減の可能性が目前に迫ったことで、Work国防副長官は25日、強制削減状態に置かれた際の対応要領に関する指示を発出した
14ページの文書http://www.airforcemag.com/DRArchive/Documents/2015/September%202015/092815shutdown.pdf
●暫定措置等が成立しなかった場合、国防省の約72万人の文民職員の約半数は直ちに「強制無給休暇」に直面し、前線の作戦運用に直接関係しないあらゆる分野での予算執行が滞る可能性がある。

Sequestration3.jpg出張旅費や訓練経費、維持整備経費も執行が暫定的な範囲に限定され、民間企業との契約も暫定予算では制約される等々、組織活動が大きく阻害される恐れがある
仮に数ヶ月間の暫定CRが可決された場合、その数ヶ月間の対応を国防省はそれなりに可能だろう。しかしそれは、数ヶ月後に長期的な合意が達成され、予算の長期的見通しが可能になるとの前提でだ

●仮にCRが1年間の暫定予算で問題を先送りすると、固定経費のKC-46空中給油機契約や長期的な支出計画が必要なF-35開発のような主要計画を、再検討しなければならなくなると国防省高官は悲鳴を上げ始めている
ケンドール調達担当国防次官は「1年間に及ぶ暫定措置CRは、国防省に破壊的な結果をもたらす」と訴えている
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予算の強制削減は、財政赤字削減のために歳出削減を義務付ける法律を根拠に、赤字削減策を政府や議会が打ち出さなければ自動的に発動されることになっています

continuing resolution.jpg赤字削減の半分を国防省が担う事が定められた、「オバマ政権ならでは」の法律ですが、「レイムダック状態」と言われる現政権に赤字削減策を取りまとめる能力はなく、与野党対立が先鋭化する中、無理矢理国防予算を一律10%カットの「強制削減」が迫っています

「強制削減」が如何に馬鹿げ、負の効力を持つことは誰もが合意納得しているのですが、それを避ける話し合いが約3年経過してもまとまりません
これまで、暫定措置CRでしのいできましたが、2016年度予算に関し、交渉期限が来ているわけです

対ISなどの中東問題、ウクライナを巡るロシア対処、「サイバー攻撃はしない」と言った中国対処等々、難問山積の国防環境の中、今日もワシントンDCは機能不全が続いているようです

強制削減を巡る嘆きと検討
「フロノイも悲観的観測を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-18-1
「ゲーツ氏が嘆く強制削減」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-01
「強制削減対処の検討SCMR」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-01

2013年強制削減時(Sequestration)の解説
「辰巳由紀さんの解説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-02-09
「強制削減を辰巳さんが解説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-28

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米軍ICBMとSLBMの部品共通化でコスト減を [Joint・統合参謀本部]

プーチンは言った「通常戦を押さえ込む(constrain)ため、ロシアは核兵器を使用する」と

Trident D5.jpg17日、米空軍協会や「Task Force 21」との団体主催で開催された「nuclear deterrent triad:核抑止兵器3本柱」の維持を訴える集会で、退役将軍や議員等が核兵器の重要性や、「3本柱」体制を維持するために兵器の価格低減に努力する姿勢を訴えました

日本では決してありそうもない集会ですが、どこかの政党のように「何でも反対」ではなく、双方の主張にまず耳を傾ける姿勢を持ちたいと思うので、ご紹介します

核兵器維持集会の雰囲気は
Miller.jpg●核兵器の非拡散政策に関わってきたFrank Miller元大統領補佐官は、元空軍参謀総長のLarry Welch退役大将や元米戦略軍司令官のRobert Kehler退役空軍大将らとともに、核抑止戦力は冷戦当時と代わることなく重要だと訴え
●Kehler退役空軍大将は、ロシアのプーチンが「通常戦を押さえ込む(constrain)ため、ロシアは核兵器を使用する」と発言していることや、中国や北朝鮮の核戦力に言及しつつ、「核兵器は世界の多くの国にとって国防政策の一部であり、世界から核兵器は消えることはないし、近い将来にそうなることはない」と訴えた

●Welch退役大将やFrank Miller氏は、「核抑止兵器3本柱」の維持や兵器の改善が必要だと主張した
●またノースダコタのMinot商工会議所で開催された集会に参加した超党派の議員達は、「核兵器反対派グループ」が核兵器廃絶が「人道的なステップ」だと主張している点を批判し、20世紀前半の通常兵器による大量破壊行為があった後、1945年以降は主要国間の大規模紛争が抑止されていると訴えた

ICBMとSLBMの部品共通化でコスト削減を
Benedict2.jpg●17日、米海軍の戦略兵器計画部長であるTerry Benedic中将は同集会で、海空軍は、数十年使用している潜水艦発射の「Trident D5」と地下サイロ発射の「Minuteman III」の維持による「3本柱」体制の維持に苦労していると訴えた。
●そして同中将は、米海軍と米空軍の戦略核ミサイルの後継検討に置いて、両ミサイルの部品共有を検討する「intelligent commonality計画」を遂行中で、これによるコスト削減を目指していると語った

両軍はそれぞれ戦略ミサイルの後継開発を迫られているが、厳しい予算状況の中で高価格となる見積もりがあり、「これまでとは異なるやり方が求められている」、「国家指導者に経費面でも実行可能性がある案を提示する必要がある」とBenedic中将は語った
●同中将は米空軍の目的を共有するチームと検討を続けており、同じ潜水艦の発射管と地下サイロを使用できることを大前提に、「両軍の戦略ミサイルのどの部分を共通化できるか」を吟味していると説明した
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Minuteman III 4.jpg冒頭のプーチン大統領の発言が、「何時、どこで」かは米空軍協会web記事から確認できませんが、エネルギー価格の低下で追いつめられつつあるプーチンによる最近の発言でしょう

通常兵器の致死性や精度や速度や破壊力が増す中特定の国にとっては核兵器使用の敷居が低くなっているのかもしれませんし、その辺りは専門家のご意見を伺いたいところです

また核兵器を巡るもう一つの側面として、緊張感を維持することが困難な「核兵器に関わる兵士の士気低下問題」が、依然として未解決の手付かず課題であることを申し添えておきます

米軍のICBM「ミニットマン3」の後継選定が来年にも開始か
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-30-1
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F-35の戦術核搭載型は2020年代半ばに [亡国のF-35]

F-35 B61.jpg18日、米国防省F-35計画室長のChristopher Bogdan中将は、米空軍のみが戦術核兵器搭載可能なF-35を運用することになると語ったが、核兵器搭載可能型の完成は2020年代半ばまで待つ必要があると明らかにした

同中将は、F-35が展示される予定のメリーランド州Andrews統合軍基地(ワシントンDCから約20km)での航空ショーの前日、Air Force Magazineの取材に応じて答えた

23日付米空軍協会web記事によれば
●同中将は、米空軍が唯一(unique)の核兵器搭載型F-35を要望しているF-35ユーザーである(USAF's dual-capable requirement is unique)と語った
F-35 B61 4.jpg●そして、核兵器搭載可能型が利用可能になるのは2020年代半ばだとし、(そこまで遅れる理由は)F-35側にはなく、戦術核爆弾B61側にあると語った

B61戦術核爆弾の維持近代化改修(計画)が完了しておらず、2020年代まで待つ必要があり、同爆弾が完成してから機体との細部適合を確認する時間が必要だとBogdan中将は語った
●一方で、同戦術核爆弾の「模擬弾」を使用したF-35搭載試験は今夏から開始しており、機内兵器搭載庫との適合、環境確認、熱や振動等々の影響をテスターで確認していると説明した

●なお同爆弾の改修はエネルギー省が担当し、米空軍は「tailkit」を担当していると説明した


過去記事で戦術核兵器問題を「温故知新」
2010年当時は欧州戦術核不要論も
「F-35は戦術核を搭載するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06

これまでの経緯を振り返ると
F-35 B61 5.jpg70年代の欧州では、有事60機のF-111戦闘爆撃機が迅速に核任務で出撃可能だった。80年代にも6機のF-16がB61核爆弾を搭載し、僅か15分で発進できる態勢を取っていた。
●しかし冷戦後は高レベルの待機は終了し、現在は数週間の準備期間が必要な待機態勢だ。CRSの研究者によれば、欧州には現在戦闘機に搭載可能な核弾頭が数百有るのみである(4月26日付NYtimes紙は、米はドイツ、ベルギー、オランダ、イタリー、トルコに150から250の核兵器を有すると報道

現在は米空軍F-16とF-15Eがこの拡大抑止を担っているが、機体の老朽化が進んでいる。海軍ではFA-18と海兵隊のAV-8Bが核搭載可能だ。
F-35開発初期段階では、核搭載能力が必要か否かについて議論が有ったが、国防省関係者はその必要性を強く主張した。
F-35 B61 3.jpg●なお、F-35を核搭載仕様にするには改修が必要で、約300億円の追加費用が必要になる。主に内部の配線やアビオニクスへの措置が含まれる

●同盟国では、英国はハリアーが戦術核兵器搭載可能(潜水艦のトライデントミサイルは戦略核)である。核非保有ではあるが、独、伊、蘭及びベルギー航空機は米のB61核爆弾を搭載可能である。
●これらNATO同盟国が購入可能な核搭載可能戦闘機が必要であり、F-35にF-16の後継の役割が託された。それ故、F-22に核搭載能力を付与しようとの議論は起こらず、空対空に最適化した。

2010年当時の各国の姿勢
F-35 B61 2.jpgクリントン国務長官(当時)の姿勢は、戦術核の削減にオバマ政権は反対ではないが、少なくとも米の10倍の戦術核をもつロシアがその削減に同意しない限り、NATO地域からの米の戦術核の撤去はない
●「核兵器が存在する限り、NATOは核同盟であり続けることを認めるべきである。核同盟として、核の危険と責任を広く共有することは基本的なことである」と同長官は語っている

トルコや旧ソ連圏諸国は撤去に消極的ポーランド外相は、急ぐべきではないし、一方的な行動にでるべきではないと述べている。
ラスムセンNATO事務局長(当時)も米の核兵器の存在は信頼性のある抑止の不可欠な部分である」と述べた。政治的な亀裂の深さ故、この問題は同盟の分裂につながりかねないとの懸念を持っている。

一方、ドイツ、オランダ、ルクセンブルグ、ノールェは戦術核撤去を議題にするように求めた。ドイツの自由民主党の外相ヴェスターヴェルが熱心である。

2010年当時の米国内での議論
B-2 B61.jpgB61戦術核爆弾の維持も課題である。60-80年代に生産され、改良を加えながら多数のバージョンがあるB61の延命措置が不可欠だ。
●しかし現在、核関連施設が海軍用の核爆弾W76の延命措置で手一杯であり、また施設の維持には継続的に投資が必要である。F-35とは別に、B-2が使用するためにもB61の延命措置が必須であると関係者は訴えている。

●しかし、政治レベルで本件は揺れ動いており、海軍W76への措置は議会で支持を集めているが、空軍B61については削除の声も挙がっている。
●F-16やF-15Eの老朽化は進んでおり、F-35以外にその任務を引き継ぐ機体はない。敵の防空網が強固になり、スタンドオフ兵器を搭載しない巨大なB-2が核任務を特に昼間果たせなくなったらF-35に任務を譲るしかないが


おまけ:空中給油ソフトを改善中
F-35 refuel.jpg空中給油に必要な時間を短縮し「要求に適合させるため」、ソフト改修を11月に行うが、11月の改修は最後の改修ではなく、以降も継続的に取り組む必要がある課題だとBogdan計画室長は語った
●空中給油機からF-35に給油する際、最後の約1000ポンドを給油するペースが低下するが、燃料系のバルブの開閉に時間がかかることが原因だと判明しており、燃料供給圧力が低下する事になっていると同中将は説明した

●遅れの程度等、細部には言及しなかったが、同様の課題をF-15やF-16も抱えていたと室長は解説し、克服可能だろうと語った
●「給油に時間がかかれば、それだけ燃料を消費する」と問題認識を語った
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ウクライナ事案以降、欧州正面でのロシアの活動が活発化し、欧州諸国の危機感は高まっています。少なくともドイツ以東の国々は、軍事費費増加や徴兵制復活を含む兵力増強を計画しています。

F-35-Face.jpgほんの5年前までは、戦術核兵器廃絶の声が欧州にあったようですが、恐らく今では「長い目で見て核兵器廃絶派だが、今は慎重に」の声が強いのではないかと思います(定かではありませんが)
問題は米軍予算の中で、戦術核爆弾B61の改修近代化がどの程度の優先順位を得られるかです

あと、Bogdan中将は核兵器搭載型が米空軍「unique」だと語っていますが、現在搭載能力を保有すると言われる英、独、伊、オランダ及びベルギーが、その能力を放棄するかどうかです
拘らないような気がしますが、「危機感の温度」次第でしょう

「F-35は戦術核兵器を搭載するか?」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06
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米海軍協会展示会のJADI視察報告書より [Joint・統合参謀本部]

JADI.jpg9月号のJADI(日本防衛装備工業会)機関誌「月刊JADI」が、4月中旬にワシントンDC郊外で開催された米海軍協会展示会(Navy League Sea-Air-Space 2015)に派遣した視察団のレポートを掲載しています。
視察団は同展示会の他に、DC近郊等の米主要軍需産業(ノースロップ、サーブ、ロッキード)も訪問しており、90ページを超えるレポートとなっています。

元海将の新明和顧問を団長に、新明和、IHI、KHI、JMU、東芝、NEC、日飛、富士通、日立、三電等々から、計24名が参加する結構な規模の視察団です。

ただ、報告書の恩恵に浴しておきながらなんですが・・・本展示会関連で軍事メディアが大きく取り上げたメイバス米海軍長官の発言、「F-35Cは、恐らく確実に最後の有人艦載戦闘攻撃機になるだろうし、そうなるべきだ」について全く触れていないのは、「大人の事情」でしょうか?

また話題満載のF-35に関し、様々な議論や説明が聞けたはずなのに、通り一遍のカタログ紹介程度の記述しか無いのも「大人の事情」でしょうか・・・。
まぁ、LCCフライトのキャンセルで道中ドタバタだった話が随所にレポートされた視察報告書ですので、お忙しくて書き漏らしたのかも知れませんが・・・。個人的に興味を持った部分のみ「つまみ食い」でご紹介します

JADI機関誌9月号から一部をつまみ食い
JADI3.jpg沿岸警備隊長官・・・(諸外国が)大型艦を最近建造しているにも拘わらず、我々が運用しているのは「浮かぶ博物館」と呼ばれる老朽艦ばかりである。北極海の氷解に伴う海上交通拡大に対応するには、新しい砕氷艦が必要である
海自管理局(maritime administrator)のJaenichen氏・・・外国船による米国貨物の輸送が急増し、米国の商船が縮小して半減しており、海外任務に派遣される米軍への輸送支援能力が低下している。大きな紛争発生時に、米軍の輸送を海外の商船に頼らざるを得なくなる事態が懸念される

空母艦載無人デモ機X-47Bについて
●精密GPSや高信頼性データリンク機能により、着艦時の誘導は誤差2フィート以内、空中給油時の誘導は誤差1フィート以内を実現している
●X-47Bの37回の着艦データとFA-18の1300回のデータを比較すると、X-47Bの方が着艦エリアを8割削減出来るとの結果が紹介されていた

MQ-4Cトライトンについて
グローバルホークの海洋監視版
MQ-4C4.jpg●同機は2013年5月に初飛行し、2017年に運用開始予定である。地上離着陸機で最大24時間連続飛行可能で、前線に展開し、世界で5つの連続哨戒点(1点に4機配備:中東、地中海、欧州、アジア、太平洋)を維持するため、米海軍は68機の調達を計画

●今後、耐久性やセンサー能力の向上確認を行い、P-8と任務を分担した海洋監視のほか、アジア太平洋地域における主要なISRアセットとして位置付けられているとの説明有り
民間航空機と競合する空域で飛行するため、衝突防止のための小型レーダーの装備を検討しているとの説明有り

レールガンに関して
Railgun-1_svg.jpg●GA社との競争に勝ち、米海軍の開発予算を得たBAE System社が、大々的に展示会場で開発状況をアピール。米海軍研究局ONRの展示にも、BAE社のレールガン模型がディスプレイされており、力が入っている
●BAE展示担当者によれば、ガン本体だけでなく、誘導砲弾の開発にもONRの予算を獲得できたとのこと

●ただし、要求エネルギー64メガジュールのところ、半分の現段階の試験で、1回の試験でレールが摩擦で使用不能になり、また誘導弾への大電流の影響確認も未実施であることから、実用化は当分先になるとの印象

編集長の「あとがき」より
●海自からは海幕長と海幕防衛課長が参加。なお海幕長は、豪シンガポール仏コロンビア海軍のトップと共にパネル討議に登壇し、米海軍CNO及び海兵隊司令官と共に議論に参加。
JADI4.jpg●一言で言うならば、無人機に関する展示が多かった。

●その他にも海自の艦艇開発隊から多くの若い幹部が参加し、各展示ブース等で積極的に情報収集していたことが印象的
●ワシントンDC近郊の3企業を訪問したが、各社から熱のこもったプレゼンや歓迎を受け、防衛装備移転3原則の制定により、日本に対する期待が高まっていることを肌で感じた
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価格沸騰のフォード級空母や次期SSBNや、様々な課題を抱える沿岸戦闘艦LCSに関しても、余り突っ込んだ報告記述が無く、「大人の事情」を感じさせる報告書ではあります

それでも、かなり平易に分かり易さを心がけて書かれた印象で好感が持てます。「月刊JADI」は税込みで1冊690円と、この種のレア出版物にしてはお手頃価格です。
なぜか海外視察は米海軍協会関連イベントだけ隔年とのことですが、JADI(日本防衛装備工業会)には、厳しき中でも頑張って頂きたいので、応援方々紹介させて頂きました。

JADI(日本防衛装備工業会)のwebサイト
反応が重いサイトですhttp://www.jadi.or.jp/

「海軍長官発言:F-35Cは最後の有人艦載戦闘機」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-17

価格高騰の次期空母に関する記事
「空母建造費の削減検討に30億円!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-07
「空母代替検討:やる気なし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-24
「米海軍が空母の重要性不変を主張」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-14

価格高騰の次期戦略原潜について
「SSBNオハイオ級の後継固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級後継の概要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1

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復活ペトレイアス「シリアは地政学チェルノブイリ」 [安全保障全般]

復活ペトレイアスが上院軍事委員会で
「シリアは地政学上のチェルノブイリだ」

Petraeus6.jpg22日、2012年11月に不倫及び微かな秘密漏洩の疑いでCIA長官を辞任したDavid Petraeus退役大将が、上院軍事委員会で中東情勢について語りました。
上記の罪で、執行猶予2年と罰金1200万円を課せられてたPetraeus元CIA長官ですが、上院軍事委員会の議員からの信頼感は絶大で、今回のワシントン論壇への復活となったようです

証言の冒頭で同退役大将は、「4年前、私は大きな過ちを犯し、私を支えてくれていた人々の信頼を裏切った。また私がそれまでの人生を賭けて大切にしてきた価値を犯すものであった」と謝罪しました。

Petraeus.jpgPetraeus氏は、謝罪を述べる必要があったのかと記者団に問われ、証言後「私の身体がそうさせたのだ」と答えています。そういう人なんです。

4年も前の裁きが下った出来事を謝罪するこの言葉に、軍事委員会のメンバーは、「私の知る最も優れた指導者の一人だ:マケイン議員」、「彼ほど信頼のおける人物はいない:Sessions議員」、「正に彼の人柄が現れた謝罪だった:King議員」と委員会後に語っています

シリアを中心に中東情勢について
●平和と安定を求める国際社会が、全ての紛争に米国の関与を求めるわけではないが、我が国が尊重する国際社会の基本秩序を根本から脅かすような事態に直面し、米国が効果的に対処しなかったら、我が国の秩序への関与が疑われ、更なる危機を招くことになる

Petraeus4.jpgシリアは地政学的なチャルノブイリ化の様相を見せており、過激主義と混沌の中にある。原子炉事故のように、シリアの炉心融解は米国を今後数十年脅かすことになり、長く続くほど悪影響やダメージは大きくなる。米国はアサド政権により厳しく攻勢的に対処すべきだ
●米国は、シリアのアサド政権とその航空戦力により攻勢的に対処すべきである。ISISと戦うスーニ派を守り、事態の激化と大量難民を生み出しているシリア空軍によるスーニ派爆撃を阻止すべきである

シリア空軍の飛行を阻止し、難民が保護されるエリアを設定し、穏健シリア軍に米軍と連携可能な無線機等の装備を提供すべきである。ただし、武器の提供は横流しの恐れや民間航空機の危険を高める可能性もあり慎重であるべき
穏健シリア兵の養成訓練は止めるべきではない。地上に支援対象となる勢力が存在しなければ、何も達成できない。彼らに支援を止めないと約束するべきである

●ただし、アサド大統領の後に何が現れるか判らない段階で、アサド排除を急ぐべきではない。例えば、米国の積極関与がなければ、ロシアが入り込むことになるプーチンは帝国の復活を求め、中東諸国への関与を復活させたいと考えている。シリア地中海沿岸の港湾確保がその目的の一つだ
●米国はロシアのように挑発的である必要はないが、確固で強固である必要がある

イラクやイラン情勢に関しては・・・
Petraeus3.jpgイラクではより大きな人的関与が望ましい。ISISと戦うイラク軍の旅団レベルに従軍アドバイザーを置き、例えばJTAC(航空攻撃を地上から誘導する要員)を育成することも有用だ。
●ただし、イラク軍に米軍が取って代わるようなことは抑制すべきで、また大隊レベル以下に米兵が従軍すべきではない。あくまでもアドバイザー派遣であり、戦術レベルの部隊派遣ではない

イランとの核合意に関しては、短期的な安定は期待できるかもしれないが、イランが軍事用の核燃料濃縮に関する合意を遵守するか、徹底的に確認すべきである。
●また米国は、アラブ諸国やイスラエルと協力し、イランの不穏な動きに対応すべきである。同時に、カーター国防長官が呼びかけている湾岸諸国による融合されたBMD態勢構築等の、地域共同の取り組みを推進すべき。湾岸諸国個々の、飽くなき兵器システム要求には慎重に対応すべき
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Petraeus2.jpgまず何よりも、ペトレイアス氏の復活を喜びたいと思います
そして、何の利害にも捕らわれない、真の愛国者としての情勢分析と提言に耳を傾け、思索を深めたいと思います

ペトレイアス氏が、ロシアによるアサド支援の大航空戦力派遣や物資提供を意識して発言していることは間違いなく、これへの対処がなによる優先されるべきなのでしょう
ただ提言を実行すれば、米航空戦力とロシア航空戦力がロシア航空戦力がシリア上空で遭遇する可能性が高まり、「一触即発の偶発事態」を招きかねないことにも留意すべきでしょう

チョットしばらく中東から目が離せません。習近平の訪米がありますが・・・

ペトレイアス元大将&CIA長官関連
「CIA長官にオバマが推薦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-29
「陸軍退官式スピーチ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-01
「半世紀ぶり:5つ星へ昇任か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-16-1

連休ぼけを払拭する記事3本
「RANDが米軍VS中国軍を分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-18
「イラン核合意で中露が大躍進へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-08
「シリアに露軍機50機進出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-21

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米軍CAS(地上部隊への航空攻撃支援)の歴史を映像で [Joint・統合参謀本部]

連休最後のゆったり学習企画:Close Air Support

P-47 CAS.jpg米軍事メディア「Military.com」が作成公開しているシリーズ「・・の歴史を映像と共に学ぶ」より、「CAS:Close Air Support:近接航空支援」をご紹介します。

CASとは、航空機による地上部隊支援攻撃を意味しますが、大型爆撃機によるような戦略的な攻撃ではなく、より前線に近い部分で味方地上部隊の活動を直接支援し、我を有利に導く戦術的な攻撃を想定した言葉です

現代部分についてはほとんど細かな説明はなく、機種を紹介するのみですが、歴史部分がお勉強になります。

他にもこのシリーズには「空中戦」や「戦車戦」や「狙撃」や「動物の活用」等々を取り上げた企画があるので、ご興味のある方は「Military.com」の「VIDEO」から探してみて下さい

「CASの歴史を映像と共に学ぶ」


「CASの歴史を映像と共に学ぶ」の概要
●米軍ではWW2当初、航空戦力は爆撃機に攻撃が任務の中心で、地上部隊支援はほとんど考えられていなかった。しかし、ドイツや北アフリカで本格的地上戦が始まると、地上部隊の運用コンセプト欠如が明確となった。
●特に北アフリカの「Kasserin Pass」においてロンメル将軍率いる独陸軍に、1943年2月の僅か5日間で、6500名の死者と100両以上の戦車を失う大敗北を喫した事を契機に、航空戦力と地上部隊の連携戦闘が研究されていった

最初にCAS用攻撃機として活躍したのが、P-47サンダーボルトであった。8つの15mm機関砲やロケット弾頭を搭載したP-47を保有する第14戦術航空団は、連合軍のナチス駆逐に大きな役割を果たした

AH-1 CAS.jpgベトナム戦争では、回転翼ヘリがCASに大きな役割を果たした。空中で速度を落としたりホバリングをして地上の捜索や警戒が可能で、より味方部隊との密接な連携を可能にした
●特に1967年に登場したAH-1コブラはベトナム戦に約1100機も投入され、ロケット弾や迫撃弾や機関砲を備えて、合計100万時間を越える作戦飛行を行った

現在のCASは、A-10、AH-64アパッチ、AH-1スーパーコブラ、FA-18F、AV-8ハリアー等に引き継がれている。
●また特に対テロ戦では、MQ-1やMQ-9等の無人機もCASに投入され大きな役割を果たしている。今後、無人機と有人機の任務分担にも変化が見られる可能性もある

シリーズの他の企画にはこちらから
http://www.military.com/video/defense-systems/air-defense/battlefield-101-close-air-support/4372428471001/

現代の米軍CASを巡る議論
「CASに大活躍のA-10全廃議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-07
「CASの最新技術を議論したい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-16

連休ぼけを払拭する記事3本
「RANDが米軍VS中国軍を分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-18
「イラン核合意で中露が大躍進へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-08
「シリアに露軍機50機進出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-21

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対IS暗雲:露がシリアにSU-30派遣と米のシリア兵訓練頓挫 [Joint・統合参謀本部]

追加情報:米高官:露戦闘機と爆撃機が28機、へりも20機

21日付Defense-News記事は、米政府高官がシリアの地中海沿岸ラタキアの飛行場に、ロシア軍爆撃機や戦闘機が28機、輸送及び攻撃ヘリが20機確認されていると明らかに

2名の匿名の米政府高官がAFP通信に上記を語った。うち1名は、ロシア軍がシリア国内で無人機も運用していると語った
●米国はロシアに対し、アサド政権をロシアが支援することにより、更に反政府武装組織をシリアに呼び込む事になり、疲弊したシリアが更に混乱して安定と平和が遠のくと警告している
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Austin III.jpg18日米国防省高官は、ロシアが4機の作戦機をシリアのアサド政権支援のため派遣したことを確認したと述べました。

オバマ大統領やカーター国防長官は、ロシアがアサド政権支援のために軍事物資を提供していることを非難し、自制を呼びかけていましたが、何の効果もないようです

一方、米軍が「穏健なシリア勢力育成」のためと取り組んできたシリア兵訓練に関し、中央軍司令官のLloyd Austin大将が16日上院軍事委員会で証言し、「4人か5人しかない」と正直な爆弾発言をし、マケイン上院議員が「28年もこの委員会にいるが、こんな話は聞いたことがない」と激怒しています

まず18日付DODBuzz記事によれば
Su-30 Sylia.jpg●ロシア戦闘機のシリア展開について、ペンタゴン関係者は具体的な機種について言及しなかったがSNS上ではシリアのラタキアの国際空港でSu-30を目撃したとの情報と写真が出回っている
Su-30はSu-27の派生型戦闘爆撃機で、空対空および空対地攻撃が可能である。ロシアの他には中国が主に運用しているが、インド、ベトナムも保有している

●露戦闘機のシリア展開が明らかになる直前、カーター米国防長官は露国防相に対し、シリアのアサド政権支援は地域の全般情勢に資さないと忠告し、オバマ大統領も先週、プーチン政権によるアサド支援を「大きな過ちだ」と非難していた
しかしプーチン大統領はTV演説で、「ロシアは必要な軍事装備を提供してきたし、今後もそうする。また他国が露に合流するよう呼びかける」と訴えている


「穏健シリア軍事組織」育成が風前の灯火
(米国内報道を総合すると・・・)
Austin III2.jpg米国は対IS作戦の空爆を行っていますが、「空爆で支援応援したい地上部隊勢力が存在しない」事態に直面しており、年末までにシリア国外で約5400名の「穏健シリア軍兵士」を養成する計画の元、約600億円の予算を組んでいます

しかし50億円以上を投入して100名以上の訓練卒業生を送り出しているにもかかわらず、現在存在する「穏健シリア軍兵士」は「4人か5人しかない」と、中央軍司令官のLloyd Austin大将が16日上院軍事委員会で爆弾証言しました

証言に同席したWormuth政策担当次官は、育成計画の見直しを検討中と説明し、Austin司令官も国家目標達成のため今後も努力すると語りましたが、政権や議会が設定した対IS戦略に対する強い不満が伺える上院軍事委員会だったようです

McCain3.jpg訓練した「穏健シリア軍兵士」は、前線に派遣すると行先不明になり、アルカイダ等の雑多な武装勢力に高給で雇用されているのではとの噂も流れているようです。

年末までに5400名、3年間で15000名を養成する計画だったようですが、マケイン上院軍事委員長は「28年もこの委員会にいるが、こんな話は聞いたことがない」と激怒あんぐり状態だったようで、調査を要求した模様です

今やりとりを聞いていたある上院議員は、「我々はシリアやイラクで起こっていることを、野球場の観客として見ているような状態だ」「野球チームのオーナーとなって取り組まないとだめだ」とつぶやいた
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10月9日米国防省声明
穏健シリア反政府勢力の育成を停止(pause)
グループを選び武器や装備を提供へ

米国防省のPeter Cook報道官からの声明
carter-Dec.4.jpg●米国防省は穏健派のシリア反政府勢力への訓練や装備提供に取り組んできたが、これまでの進捗を精査し、困難を確認し、どのように努力方向を改善するかを検討してきた
●これら検討や他の成功例を踏まえ、カーター国防長官は、「select group of vetted leaders and their units」に装備品を提供する方向を新たに指示した

●カーター長官は「引き続きISISに対する永続的な勝利を確かなものにするには、地元の意欲と能力のある地上兵力が重要な要素である」、「この方針転換が対ISIS勢力の戦闘力強化につながると信じている」と語っている
米軍はISと戦う勢力への航空戦力による支援は継続する

本決定に関する関係者の発言
Wormuth政策担当国防次官は、「何が機能したのか」に基づいて方針変更が決定されたと述べ、米国は反政府勢力を評価し、どのグループに支援すべきかを決定すると語った

Ben Rhodes.jpg●下院軍事委員会の有力メンバーであるAdam Smith民主党議員は、「これまでの計画が成功しなかった事に疑問の余地はない。クルド人やその他の勢力との協力も考えるべきだ」と述べた
ホワイトハウスのBen Rhodes次席安全保障担当補佐官は、「pause」は完全な終了を意味するモノではない。必要な修正を加え、シリアで機能する方法に変えることだと説明した
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ロシアのこのような動きにはいろいろな見方があるようですが、何となくしっくり来る見方は、「露は単に米国を困らせたい一心で、刹那的に行動している。長期的に見て、ISの拡大はロシアにとっても大きな脅威なはずだ・・」です。

CroninPatrick.jpgLuttwak3.jpgエネルギー市場の混乱を受けて経済的に追い込まれ、中国にも見下されつつあるプーチンが「ぷっつん」しないことを願うばかりです

ISに関しては、パトリック・クローニン氏の「やり合いだけやらして、疲れ果ててからでないと落ち着きに向かわない・・・」との見方や、ルトワック氏の「欧州の形成過程でPKOや人権団体が活動していたら、今頃欧州は難民キャンプだらけだ」との視点をご紹介したことがありました。

長期的に見ればそういった視点もあるのでしょうが、核兵器等の大量破壊兵器が拡散する中、地域だけで収まらないのが現代の難しさです・・・
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更に追加情報:イスラエルも露に警告

訪露イスラエル首相もプーチンに警告
Putin-Israel.jpg21日、モスクワを訪問中のイスラエルのネタニアフ首相はプーチン大統領と会談し、ロシアと関係が密接なイランとシリアによる「ヒズボラ」への武器や新装備提供が急増しており、イスラエルが強く懸念していると訴えた

イスラエル軍参謀総長と軍情報部長を従えて訪ロしたネタニアフ首相は、「イランやシリアからヒズボラへの武器等の提供が急増しており、アサド政権の保護の下、ヒズボラはイスラエルへの新たな攻撃の準備を進めている」と懸念を露わにした
●更に同首相は「イスラエルの方針は、我が国への脅威を未然に除去し、ゴラン高原の平温を維持することだ」とロシアに警告した

●プーチン大統領は、ロシア軍のアサド支援はアサド政権の防衛にあり、イスラエルが懸念するには及ばないと述べ、現在の複雑な状況下に、対話のため訪ロしたイスラエル首相の姿勢を高く評価した
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イラン核合意で中露が中東で好き放題へ
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-08
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イラン核合意で中露が最大利益で勢力拡大 [安全保障全般]

Iran-Nuc6.jpg9月8日付岡崎研究所評論集「世界潮流を読む」は、8月4日付の米WSJ紙に掲載のハドソン研究所上席研究員による、イラン核合意がもたらす「露中イラン枢軸」との論説を紹介し、「イラン核合意により中東に大パワーシフトが起き、中露はイランとの関係を全面的に拡大強化して地域での重要プレイヤーになり、米国の影響力を削ぐ」との分析を支持し、当面の対策を提言しています

「安保法制」を巡る「井の中の蛙」議論で視野が狭まっている間に、世界はめまぐるしく動いています。
故岡崎久彦氏は、「イラン核合意」を米イラン関係改善の突破口と期待し、希望を持って論評していましたが、米が引っ込み思案になっている間に、中露が「漁夫の大利益」を得る構図になってしまっているようです

8日付岡崎研究所評論集web記事は
china Russia2.jpg●ハドソン研究所のハーマン上席研究員は、イラン核合意から最大の利益を得る国は中露で、両国は既にイランを通じ(中東で)影響力を確実に拡大していると指摘。「露中イラン枢軸」は今や確実で、これはスエズ動乱以後中東の最大のパワーシフトだと主張
中露はイランの核開発を支援してきたが、国連等で非難されず、反対にオバマ政権は、安保理制裁決議のため両国に便宜を図り、中国は石油の輸入規制からの例外まで認められた

中露は制裁解除を全面利用するだろう。中国はイランのエネルギー部門に既に210億ドル以上の投資をしており、解除後は2倍になる可能性も。中国のイラン原油輸入は現在60万BDであるが、100万BD以上になる可能性も。
兵器輸入規制も解除され、イランは資産凍結解除で約12.5兆円の資金を手にし、中露から兵器を大量購入するだろう。ロシアはSu-30戦闘機やS-400等の防空ミサイル、中国はJF-17戦闘機やJ-20ステルス戦闘機、ソン級潜水艦や巡航ミサイルをイランに供与する可能性がある。潜水艦や巡航ミサイルはホルムズ海峡の支配に役立つ。

Iran-Nuc4.jpg●重要なのは、今後イランが中露の戦略的利益の増進を図るだろうということ。露海軍力の地中海での増進を助けるシリアのアサド大統領へのテコ入れもするだろう。
中国はイランを戦略パートナーに格上げし合同軍事演習を拡大し、上海機構へも加盟させるだろう。また、イランは中国のシルクロード経済圏構想の前進基地になるだろう。

●合意がイラン核兵器開発を阻止しようとも、合意の地政学上の影響は極めて大きい
●三国枢軸ができ、中露が中東の重要プレイヤーになることは、米国の影響力を確実に侵食し、影響は計り知れない。


岡崎研究所のコメント
●イラン核合意により、核兵器開発を実際に阻止できるかどうかとは別として、中東の地政学への影響という側面に注目した論説で、極めて興味深い直截な分析で、相当の説得力があり賛同できる。
Iran-Nuc3.jpg●中露両国がイランを通じて影響力を拡大し、米国の影響力は確実に低下すると主張しており、特にイランが中国のシルクロード構想推進の前進基地になるとの見方には現実味がある

●イラン核合意は今後米国議会で審議されるが、オバマ政権が議会説得に動くも、イスラエルは逆の議会工作に動いている。オバマは、議会が合意を拒否しても拒否権を行使する姿勢だが、議会が大統領の拒否権を覆す2/3の確保は困難な模様
しかし、議会が拒否の意思表示を突き付けることになれば、今後の手続きが一層複雑化する

現時点でのとりあえずの対処案
Iran-Nuc5.jpg●日米欧諸国も、中露に負けないように、経済や政治分野でイランとの関係を思慮深く強化する。これ以上のイランと中露接近を可能な限り抑える
米国は国交の無いイランとも、何らかの政策協議を設けるべき日本もイランとの協議の強化を検討すべき

米国が中心となって、(イランの台頭に強い警戒心を持つ)サウジなどアラブ諸国との結束を強めること。5月のCD山荘での会談や、8月の国務長官GCC会議参加等の努力継続
●早い時期に中東全域を巻き込む何らかの会議を構想し、イランとアラブの信頼を醸成。湾岸戦争後の米露共同主催の「中東和平マドリッド会議」のようなイメージ
中露の影響力拡大をバランスするため、米国は中東でのプレゼンスを維持、強化。無論、アジアリバランスへの影響を局限しながら
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Iran-Nuc2.jpgロシアも中国も経済が傾きかけている中、7000万人の人口を持つイランへの中露の経済的・政治的攻勢は、死活問題として加速するのでしょう。
それにしても、中露の悪知恵は尽きるところがありません。しっかり監視し、対応が求められましょう

「安保法制」を巡る「井の中の蛙」議論で安全保障の視野を閉ざし、中国経済乱気流で欲ぼけに拍車がかかり、所得隠し税金逃れの吉本芸人がマイナンバー制度を批判して財政基盤を危うくしている日本は、大自然の怒りに触れ、大きな自然災害に見舞われるのでは・・・と心配になります。

岡崎研究所が中国西方拡大を評論
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-15
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米空軍無人機MQ-9が海上目標ISRに [米空軍]

MQ-9 3.jpg14日、米統合参謀本部の統合体制係長であるTravis Norton中佐が、「AFA航空宇宙シンポジウム2015」で講演し、対テロ作戦等の地上目標対処に活躍しているMQ-9Reaper無人機が、海上目標に対しF-16等と連携して作戦能力を証明したと明らかにしました

お金を掛けず、短期間で実現可能なアイディアを色々試してみよう・・とのスローガンが聞こえてきそうな取り組みが「統合体制係長:Joint Readiness Branch」で行われているようで、米空軍も積極的に協力しているようです
なんで今までやらなかったの? と聞きたくなる気もしますが、120%実戦投入されて酷使されてきたMQ-9部隊ですから、攻めるのは酷でしょう

14日付Defense-Tech記事によれば
●ワシントンDC郊外で実施されているAFAシンポジウムで、米空軍のMQ-9と戦闘機がチームを組み、フロリダ沖の海上で海上目標への攻撃演習を行って成功裏に終えたと米空軍幹部が発表した。
●統合参謀本部のNorton中佐は、「海面環境でも、MQ-9がkill-chainの一部を構成し、完全に任務を遂行出来ることが証明された」と表現した

MQ-9 5.jpg●同中佐はまた「MQ-9は、F-16やF-35等の他作戦機と融合して任務遂行した。仮設の任務は小型ボートで侵攻する敵の撃破であった」と場面設定を説明し、「両者は極めて効率的に連携した」と成果を表現した
●MQ-9は1機が「big picture」を攻撃機に提供し、もう1機が「敵か味方かを通報する役割」を担って分担した。無人機を活用することで「kill-chain」全体がスピードアップした
●(米空軍の)ISR部無人機課のMQ-9係長であるJason Willey少佐は、この演習は、有人機と無人機の組み合わせを今後空軍が積極的に推進していくことを体現したものであると表現した

●同少佐は、米空軍が将来無人機を空中給油や輸送機として活用する計画があるものの、それはずっと先の話で有り、まず小型機で物資を最前線拠点に輸送するような形で、C-17のような戦略輸送のイメージではない、と語った
●更に少佐は、無人機による空輸は、まず民間分野で開始されるのではないかとも語った
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先日、地上目標を補足して識別する米空軍のJSTARSが、初めて米海軍のP-8哨戒機とコラボし、海上目標の捜索を効率的に行ったとご紹介しましたが、いろんな面で海空軍の連携が深まることは好ましいことですし、効率性追求と重複排除に役立てて頂きたいものです

MQ-9-1.jpgこのような協力強化は、エアシーバトルが本来強調していたもので、その魂がサバイバルしているようで嬉しいです。

ホワイトハウス政権が中国を刺激しない配慮を求め、国防省エアシーバトル室を閉鎖してJ-7の片隅に名前を変えて追い込み、米海軍大学の研究者達には強烈に中国を批判するような発信はするなと釘を刺しているようですが、実質中身で勝負して欲しいものです軍人は

初めて米空軍JSTARSと米海軍P-8が海上目標対処で協力し「海上目標の探知、追尾、識別分類に驚くべき能力を発揮することが、本演習で明らかに」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-29-1
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RAND新レポート:10分野で米軍VS中国軍比較 [中国要人・軍事]

RANDが米中軍事衝突の結果を軍事分野別に予想!

Rand china-US.jpg14日RAND研究所が、軍事作戦10分野で米軍VS中国軍の視点から双方の能力比較を試み、その結果から米軍の今後取るべき方向性を示唆するレポートを発表しました。

取り上げられた10分野は、航空作戦が4分野、海洋作戦が2分野、宇宙・サイバー・核が4分野で、政策や政治面には触れず、前線の軍事面から比較分析を試みています

約430ページもの膨大なレポート「U.S.-China Military Scorecard: Forces, Geography, and the Evolving Balance of Power, 1997-2017」は、14名の専門家により執筆され、台湾事態と南沙諸島事態の2つを想定し、1996年から2017年の間の両国の戦力相対比較の推移をフォロー推測して分析しています。

本日は、同レポートの概要を報じた17日付Defense-News記事で概要をご紹介します

第1分野:中国による航空基地攻撃能力
RAND.jpg●1996年と97年の台湾海峡危機以来、中国は台湾航空基地を多様なミサイルの飽和攻撃で撃破するための準備を進めてきたと想定されているが、今やその範囲は沖縄の嘉手納基地を含む範囲にまで拡大している
●その間、弾道ミサイル数は1400発にまで増加し、CEPは数百mから5mにまで縮小した。精密誘導ミサイルにより、ほんの数発で嘉手納基地は数週間機能を失い、米航空戦力はグアム、ハワイ、アラスカ等の遠方からの作戦を余儀なくされる

第2分野:台湾と南沙諸島周辺での航空作戦
●中国軍が戦闘機の半数を第4世代機に置き換え、米軍との質的差が縮小しつつある。2017年には、質的差の縮小と、米軍は航空作戦基地の不足により、7日間の作戦で勝利を収めることが出来なくなる
7日間より長時間を費やせば不可能では無いが、その間に米軍の地上や海軍戦力は中国航空攻撃に対し、極めて脆弱な状態に置かれる


第3分野:米軍による中国防空網突破
USCC3.jpg●中国防空システムの高度化により、中国大陸周辺での航空活動は難しくなってきている。96年当時、中国のSAMはSA-2(射程35km)程度のロシア製旧式システムのコピーだったが、2010年段階ではSA-10以上の射程200kmに達するSAMの発射機を200両以上保有するに至っている
●また、4世代機やAWACSや防空指揮システム等による総合防空システムに改善されている。しかし依然として、中国本土から遠い南沙諸島周辺では、米軍ステルス機等による突破力が中国防空網に勝っている

第4部門:米軍による中国航空基地攻撃能力
●中国防空網突破は困難になりつつあるが、米側の精密誘導兵器の進歩により、米側には豊富な選択肢と打撃力が与えられている。JASSM等がその例である。
●台湾を空中給油無しで攻撃可能な中国航空基地40カ所への攻撃能力を比較すると、1996年時に米軍は平均して滑走路を8時間閉鎖できたが、2010年時点では閉鎖期間を2~3日間に伸ばせる見積もりになっている
●ただし、精密誘導兵器の数には限度が有り、戦いが長期化した場合は他の多様な要因の影響を受ける


第5部門:中国軍の対艦作戦能力
China National Day parade.jpg●ジョークを紹介:これまで、軍事的不足事態が発生した場合、米大統領がまず「米空母はどこにいる?」と質問することになっていたが、今では中国の国家主席が「米空母はどこにいる?」と質問することになるだろう

●中国軍は対艦弾道ミサイルASBMを保有すると対外的に発信している。依然、中国ASBMのための「kill chain」は米軍の前に脆弱だろうが、衛星搭載イメージセンサーなど中国側の敵艦艇発見・追尾能力は更に発展するだろう。
●また米海軍艦艇は、高度な巡航ミサイルや魚雷を備えた、優れた中国の潜水艦と対峙することを考慮する必要がある

第6部門:米軍の対艦攻撃能力と中国着上陸能力
中国による台湾への上陸作戦を阻止する米軍の能力は優れており、約4割の中国着上陸艦艇は撃破され組織的活動は困難になると見積もっている。
●しかし中国は対潜水艦作戦用のヘリや艦艇を改善しており、着上陸能力の向上を図っている。1996年以降で着上陸艦艇を倍増し、4台のLCACを搭載可能な輸送艦艇(Type 071-class)を4隻保有している


第7部門:中国宇宙システムと米国の対宇宙能力
戦勝70周年3.jpg米側は2002年に対宇宙能力に投資を始め、2004年には衛星通信妨害システムを開発し、更に報道によれば、中国衛星の光学センサーを妨害する高出力レーザーを開発し、BMDミサイルに対衛星攻撃任務も付与したとも言われている。
●米側の取り組みは一方的なものではなく、中国による2007年の気象衛星を攻撃目標にした衛星撃墜試験等を受けた動きである

第8分野:米国宇宙システムと中国の対宇宙能力
●上記2007年の低軌道衛星迎撃以来、中国は3回対衛星ミサイル試験を行っている。また中国はレーザー測距離装置で米軍衛星を妨害する可能性や、攻撃のために位置把握を行っている可能性がある
●低高度衛星への妨害や画像装置妨害は激しいものと予想している。またロシア製の妨害や高出力発信器は、米国の通信やISR妨害に使用される可能性があり要注意装備である


第9分野:米中のサイバー攻撃&対処能力
CyberspacePolicyRe.jpg●最近の政府人事局サーバーが中国のサイバー攻撃を受けた事例など、米国は激しい攻撃を受けているが、本レポートは有事にサイバー領域で皆が考えているほど被害を受けないだろうと示唆している
米サイバーコマンドはNSAと緊密に連携し、NSAの高等なサイバー道具を活用することが出来る。ただ米側が有利だとしても、双方が予期しないサプライズに襲われ、民間インターネットにより多く依存している兵站組織は脆弱だろう

第10分野:両国の核抑止の安定性
両国の「第2撃能力」を比較して分析している。中国は1996年以降、DF-31/31AやMARV化したDF-5を導入し核戦力を近代化している。またJL-2をJin級潜水艦に搭載し始めている
●しかし中国には、米国の「第2撃能力」を破砕する能力は無い。米国の核弾頭数は中国の13倍ある


まとめと米国への提言
Western Pacific2.jpg●政軍レベルから考えると、中国指導者が、中国と隣国との紛争に米国は介入しないだろうと考えるようになることが懸念される。こうなると米国の抑止力は低下し、中国の軍事力使用の敷居が下がる。
●従って、中国指導者から米国が弱体化しつつあるとの認識を払拭し、米軍と対峙することの厳しいリスクを再認識させることが必要

●米軍の投資は、基地の重複や残存性強化に、スタンドオフ兵器、ステルス性のある残存性の高い戦闘機や爆撃機、潜水艦や対潜水艦能力、強固な宇宙及び対宇宙能力により配分すべき。一方で、旧式の戦闘機や空母への投資は減少させるべき
●そして米軍は、アジア全体の戦略的縦深性を活用する積極拒否戦略を考案し、米軍が中国の初動攻撃を吸収して反撃できるような態勢構築を考えるべき中国近傍の拠点防衛は、単純に割に合わない(unaffordable)

●政治レベルでは、フィリピン、ベトナム、インドネシア、マレーシアの軍施設への有事アクセスを重視し、関係強化に取り組むべき
Taiwan-China2.jpg●しかしそれら取り組みを持ってしても、米国は中国から深刻なる挑戦を受ける。中国は重点を絞り込んで戦力を最適化するだろうし、米国は地理的に極めて複雑な局面に直面する

●中国は紛争想定エリアに近接しており、作戦準備が容易で、戦闘能力に重点投資が可能で、兵站支援等を重視する必要はない
●逆に米国は、遠方からの兵站能力を考慮し、脆弱な宇宙アセットに依存した通信システムに頼っている
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RAND研究所の同レポート関連webページ
http://www.rand.org/paf/projects/us-china-scorecard.html

Full Report???
http://www.rand.org/pubs/research_reports/RR392.html

最後の「まとめと米国への提言」部分が全てを表現していますが、米国防省や米空軍等と近いと言われるRANDのレポートだと改めて読み返してみると、いくつも「やっぱり」とか「ほぉ・・」との記載があります。

「中国によるミサイルの飽和攻撃・・・今やその範囲は沖縄の嘉手納基地を含む範囲にまで拡大」
「精密誘導ミサイルにより、ほんの数発で嘉手納基地は数週間機能を失い、米航空戦力はグアム、ハワイ、アラスカ等の遠方からの作戦を余儀なく

ASB-LCAC.jpg「1996年時に米軍は平均して滑走路を8時間閉鎖できたが、2010年時点では閉鎖期間を2~3日間に伸ばせる見積」
約4割の中国着上陸艦艇は撃破され組織的活動は困難になると見積」
「有事にサイバー領域で皆が考えているほど被害を受けないだろうと示唆」

悲観的な面だけでなく、今は取りあえず優位に立っている・・との分析はプロの指摘です。正否は別として。
サイバーに関する記述は、日本に関して言えば当てはまらないでしょう。何にもしてないも同然の状態ですから・・・

でも、「中国近傍の拠点防衛は、単純に割に合わない(Defense of static positions near China may simply become unaffordable.)」は厳しい冷徹な表現ですねぇ・・・

RAND研究所の過去のレポート
「前:RAND中国軍弱点レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15
「後:RAND中国軍弱点レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15-1

「RANDが中国軍戦略を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-29
「RANDレポート:中国との紛争」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-20-1

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サイバー戦に既存航空戦力をどう組み込むか [サイバーと宇宙]

引き続き、AFA航空宇宙シンポジウム2015から

15日、米空軍のサイバー専門コマンドである第24空軍のEd Wilson少将は、サイバー戦技術を既存の航空宇宙戦力にどう組み込んで融合させるかを検討していると語りました
またACCのCarlisle司令官は、サイバー戦を巡る種々の根本的な未解決課題について指摘しています

Wilson第24空軍司令官が記者団に
Wilson-24AF.jpg●同少将はAFA航空宇宙シンポジウムの会場で記者団に、例えば米空軍のサイバー戦関連要員は、EC-130H等の電子戦アセットに特定の装備を搭載することで、閉鎖されたネットワークに影響を及ぼすことが出来ることを承知している
●ただし、アイディアとして、電子妨害機をネットワーク操作に投入する事が出来るかと問われれば「イエス」かも知れないが、その能力をどのように使用するかに関する疑問に対する答えはまだない

別の場でACCのCarlisle司令官は
●同ンポジウムの別の場で、ACCのCarlisle司令官は、「サイバーの脅威がそこにあり、サイバー利用の技術も利用可能なのに、頭を穴に突っ込んで見ない振りをするのは正しい姿勢ではない」と表現した。(筆者注:暗に国家レベルのサイバードメイン活用の基準が無い事への不満を表明したものと考えられる)
Carlisle-ACC4.jpg●またACC司令官は「サイバーに関してはまだ明確にすべき問いが多くある。サイバー作戦がどれくらい有効か? 誰が作戦を指揮するのか? 悪質なサイバー犯罪者のように振る舞うことなく如何に利用するか?・・・等々の問いである」とも現状を表現した

●更に「我々は、サイバー作戦をどのように利用するか、どのようにその有利性を活用するか、どのように敵のA2AD網を突破するか、突破に当たりサイバーの役割は何か、航空戦力の中で、また統合戦力発揮の中で我々がどの部分を担うのか等について明らかにしなければならない」とも語った
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15日、ACCのCarlisle司令官は、昨年秋に初めてシリアで実戦投入され、今も中東と欧州に展開して任務遂行中のF-22の状況について、稼働率やその性能を「想定していたよりも遙かに素晴らしい」と讃えています。
また、記者団からの意地悪な誘導質問にも、それなりに回答しています

Carlisle司令官は「better than we thought」と
Carlisle-AFA.jpg●カーライル司令官はF-22をアメフトの「クォーターバックのようだ」と語り、他の第4世代機と組み合わせることで攻撃群全体の状況把握能力が向上し、精密攻撃能力も増すと語った
●そして「シリアやイラク内の特定のエリアには、F-22の随伴無しで航空攻撃群を投入しない」とその重要性を表現した

●F-22の整備性の良さにも触れ、F-22全体での稼働率(mission capable rates)は75-80%だが、「前線ではそれ以上だ」と触れ、「当初想定していたより遙かに優れている」と語った
●「中東では、既に数千時間飛行し、何百もの兵器を信じられないくらいの精度で投下している」とも語った

欧州への展開(たった2機だが)では、計画通り100%フライトを実施しており、迅速なF-22派遣が生み出すメッセージ効果も併せ、展開は「想定を遙かに超えて上手く行っている」と語った
F-22Hawaii3.jpg●「一般に予期されていないような場所に、米空軍エアパワーが表れることの効果は、かなり大きなメッセージとなる」とも表現した

●(記者団からのF-22の機数が少なすぎるので、米空軍は買い足すべきではないかとの指摘に対し、)毎晩その希望が叶うことを夢見ていると認めたものの、
●しかし現実には予算が厳しく、生産ラインが閉鎖された後も必要な工具は保管されているようだが、追加生産は困難だと回答した
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サイバー作戦に関しては、米国政府内での位置づけや役割分担や法的整理が全く進んでいない事が分かります。
CyberspacePolicyRe.jpgもちろん米国が出来ていないことは、他の西側先進国でも出来ておらず、中国やロシアや北朝鮮等の「好き勝手国家」だけがサイバー兵器を自由に使用出来る環境にある模様です

F-22の評価に嘘は無いでしょうが、第5世代機はこれだけ素晴らしいし、F-22の増産は非現実的だから、F-35をしっかり買ってね・・・と言いたげに聞こえます
その内、F-22の対IS作戦での活躍ぶりを「意図的リーク」する記事が登場するでしょうから、そのときは・・・またそのとき考えます

「閉鎖ネットワークにサイバー攻撃を」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-18

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欧州空軍基地の強化分散と戦力迅速展開を [米空軍]

AFA航空宇宙シンポジウム2015からご紹介

14日、欧州米空軍司令官のFrank Gorenc大将が、ロシア軍の等での活発化を受け、東欧諸国の飛行場や空軍基地の強化や分散について再検討しており、またミニ戦力の迅速展開の再興を考慮していると語りました

Gorenc欧州&アフリカ米空軍司令官は講演で
Gorenc.jpg東欧NATO諸国の飛行場や空軍施設の「残存性」を強化するため、それら施設の強化や分散等を再検討している
●(対露示威作戦である)「Operation Atlantic Resolve」遂行を通じて東欧の各施設を吟味した結果、主要な作戦拠点として不十分な施設も判明した

航空基地は空軍戦力の拠点であり、高度な作戦を相当規模で遂行するには、相応の施設を備えていなければならない。その点、ロシアのウクライナ侵攻による「副産物」として、東欧諸国の航空施設に注目が集まったことは幸いである
●それら施設への改修予算が「European Reassurance Initiative」によって配分され、当該東欧諸国も有事に作戦に資するような状態にしたいと取り組んでいる

●欧州米空軍は「更なる残存性確保」に加え、「小規模戦力による柔軟展開」にも「Rapid X」コンセプトを掲げて取り組んでいる
●これには小規模戦力を移動支援機材と共に「適時に柔軟に」派遣し、活動拠点を分散して増やし、敵の目標照準を複雑化させるためで、「冷戦時にもやっていたスタイルを復活させて」取り組んでいる
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15日、Carlisle米空軍戦闘コマンド司令官は、A-10の存続議論にばかり焦点が当たるCAS議論はばかげていると指摘し、CAS(地上部隊支援攻撃)に如何なる機体を使用するにしても、多様な兵器を同時に搭載して柔軟に選択出来るような技術開発を推進すべきと訴えました

カーライル大将:CAS技術を議論しよう
Carlisle-AFA.jpg●A-10ばかりを議論しているのはばかげている。技術革新でCASを如何により良く行うかを議論すべきである
●例えば、一つのパイロン(翼下の爆装装着ポイント)に4~7種類の異なるサイズの兵器を搭載し、コックピット内で目標に応じて信管の調整まで含め兵器を選択して攻撃効果を管理できれば良い。小口径爆弾(SDB)や先進精密誘導兵器などが組み合わせが想定出来る

●空軍研究所では、地上部隊支援を効果的にするため、各爆弾等の投下後の飛翔パターンを変えることを検討してくれている。空軍兵士が手に出来る技術を改善することで、地上部隊支援を改善出来るのだ
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東欧NATO諸国だけでなく、日本にとっても、飛行場や空軍施設の「残存性」を強化は大きな課題です。しかし、未だに先の大戦期間中の「一点豪華主義」を引きづり、「戦闘機にだけ重点投資」を続ける中で完全に無視された課題でもあります。

その点、日本の地方自治体が採算度外視で建設した地方空港は、主要作戦航空基地の「代替」や「戦力分散先」として有力候補です

CNAS-yoko.jpg米国からは既に要求が出ているでしょうが、日本政府は「補助金が欲しければ、自衛隊機や米軍機の訓練に使用させろ」、「最低限の必要な整備機材や部品等を集積保管させろ」ぐらい要求するべきでしょう

3年前、CNASが「横田基地を官民両用に提供してあげるから、日本の民間空港を有事使用出来るよう道を開け」との真っ当な提案レポートを発表しています


「CNASが横田官民共用論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-01

それから、安保法制議論で歪んだ安全保障議論を、早く元に戻して欲しいです。
その点、民主党・長島昭久議員による「民主党解党」発言(「一日も早く解党し、党派を超え、国民の常識ど真ん中に立脚した政策を掲げる健全な野党勢力を結集するしかない」)に大いに期待したいと思います

関連読売記事http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150915-OYT1T50005.html

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米空軍F-35担当幹部がALISへの不安を語る [亡国のF-35]

Harrigian F-35.jpg今週は米空軍協会総会(航空宇宙シンポジウム2015:14-16日)が開催され、米空軍関係者や軍需産業界から様々な発言があります。

そんな中で本日は、米空軍のF-35業務統括室長(integration office)Jeffrey Harrigian少将「最も懸念する事項」と言及する、ALIS(自動兵站情報システム:Autonomic Logistics Information System)について、同少将の発言をご紹介します

つい先日も、国防省F-35計画室長Bogdan中将の「我々の期待レベルに達していない」発言をご紹介し、春にはF-35訓練基地を訪問した国防議員団に現場整備員が「ALISの発する警報の8割が誤警報で使い物にならず、仕事が進まない」と訴える等々の事象を紹介してきましたが、空軍少将の口から現状を語って頂きましょう

14日付DODBuzz記事によれば
Harrigian-AFA.jpgALISは、F-35の機体が正常化を診断し、飛行可能かを知らせるデータベースを備えた情報システムである。また故障部位があれば、必要な部品が何で、何処にその部品が補完されているかを把握し、整備担当者に知らせ、部品の調達もサポートしてくれるシステムとして期待されている
●また兵站分野だけでなく、飛行訓練計画や任務飛行計画の作成を支援してくれるシステムとして、F-35導入決定時に「鳴り物入り」で宣伝された経緯がある

●14日、航空宇宙シンポジウム会場で記者団にブリーフィングを行い、Harrigian少将は来年8月1日に米空軍は12~14機の1個飛行隊(操縦者30名と整備員200名)が初期運用体制を確立する必要があり、その準備やその後に備え現在保有する74機と操縦者約200名、更に整備員2000名で準備を進めていると現状を説明した
●そして同少将はALISに関し、「ALISが最も懸念しているソフトである事を語らなければならない時期となった。たっぷり聞いてもらおう」と語り出した。

ALISとその他のソフト問題
Harrigian-AFA3.jpg●Harrigian室長はALISの現状について、「Lockheed Martinとソフトの不具合対処に取り組んでいるが、例えば、基本的な動作である入手部品をシステムに入力するのに、バーコード等が使えず、手動で入力しなければならない事態が生じるのだ」と述べ、
●「この様な問題対処に取り組んでおり、必要な部品が何処に有り、どのように入手するかを部品コードで処理出来るようにしたいのだが」と説明した

ALIS以外にも、例えば目標補足レーダーに関しては飛行試験中に判明した問題で、「目標を攻撃出来るかshoot cueが表示されるべきだが、複数の機体センサーから情報を取り込むF-35では、細部には言及出来ないが、時にレーダー表示装置上で上手く働かないことがある」とも語った
●別の前F-35Aテスト操縦者の大佐は、海兵隊用F-35Bでも似たような症状が発生しており、複数センサーの情報融合にソフト修正が必要になっていると語った。

米空軍F-35の運用態勢確立とは
(14日付Defense-Newsより)
F-35-Netherland.jpg●米空軍最初のF-35飛行隊は、「CAS:近接航空支援」と「航空侵攻阻止」と「SEAD:敵防空制圧」任務が可能な状態で活動を開始する、とHarrigian少将は説明した
●また同中将は、最初のIOCは何とか可能だろうが、その後の機体増加と運用増加を支え、戦闘コマンド司令官の要望に対応するのが大きな課題だとも語った

●また、世界中で運用が開始されるF-35の補給や大規模修理施設も今後の課題だと同室長は語った。「Global Sustainment System」を支えるため、現在米空軍を中心として世界17カ所の立地を精査評価しているところだとも語った
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F-35に関しては様々な報道がありますが、国防省や米軍関係者の「信頼できる」話を紹介しています。それでもこの酷さです。

米空軍協会AFA総会では、米空軍に関わる様々な話題が取り上げられ、いろんな論点が提示されるのでしょうが、「史上最大の兵器開発計画」であるF-35の動向以上にインパクトがある話題はありませんので、ご紹介しました。

予算の強制削減への対処、KC-46の飛行試験遅延、LRS-Bの機種選定と経費過小見積事案、新しい「future operating concept」の発表、ISR態勢と人材養成問題、核兵器運用部隊の士気と装備の低下、サイバーコマンド創設構想、次期練習機T-X選定の今後、振り上げた拳A-10全廃は何処へ、「性的襲撃:sexual assault」への対処、次期参謀総長を巡る噂対処、ロシアと中東IS対処への取り組み、電子戦への取り組み等々等々・・・話のネタは尽きないシンポジウムですが・・・・

関連の記事
「国防省F-35室長が今を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-10-1
「ALISは8割が誤警報」 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-16-1

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次の米空軍参謀総長候補は女性将軍PACAF司令官 [米空軍]

次の米空軍参謀総長のNo1候補は、女性非操縦者のロビンソン大将

Robinson6.jpg13日付Defense-Newsが、来年夏に交代が予期されるWelsh米空軍参謀総長の後継候補について、観測記事を掲載しました。正直、その内容にびっくり仰天です。もしその通りなら、米空軍やるなぁ・・と褒めて差し上げたいくらいです

記事によれば、ダントツの候補者No1は現太平洋空軍司令官で、女性2人目の空軍大将で、女性初の戦闘コマンド司令官(しかも非パイロット)で、政権や国防省や空軍長官に評判の良いLori Robinson大将です。

2013年5月に中将に昇進(ACC副司令官)後、早くも2014年10月には大将に昇進(現太平洋空軍司令官)する「スーパー超特急昇任」の人物であり、2016年夏に参謀総長になれば、全人類の女性の歴史に「ロケット昇任」として名を残すこと確実(勝手な表現)です

13日付Defense-News記事によれば
Robinson7.jpg●現Welsh参謀総長が2012年8月に就任して以降、既に後継検討は実質始まっており、正式に何も決まっていないのは当然ながら、ペンタゴン内外の7~8名の関係筋は、後継者のコンセンサスが出来つつあると語っている

●後継者選定は、空軍長官、ホワイトハウス、国防長官の希望を踏まえて進められるが、最近の陸及び海軍人トップの選定は、カーター国防長官の異例とも言える意向が反映されたものとも言われている
●特に海軍人トップの作戦部長になるJohn Richardson海軍大将は、米海軍内での「信頼が薄い:sacred trust」と言われる中で、過去例がない原子力機関部長から海軍作戦部長への転身となる

●空軍参謀総長の後継候補については、既に昨年の段階で米空軍内では、すい星のように表れて評価の上がるRobinson大将に固まっている。それはオバマ政権がアジア太平洋リバランスを掲げる中で、太平洋空軍司令官との注目職に抜擢されたことからも明らかである
Robinson5.jpg●同大将は、米空軍における女性の役割拡大を精力的に推進するJames空軍長官のお気に入りだと考えられており、Defense-Newsが質問した大多数が同大将を好意的に評価し、誰一人としてその人物像を批判する者はおらず、その知性を讃えるものばかりだった

●一方で、同大将に対する懸念事項としてあったのは、余りにも速い昇任速度、僅か3年で中将昇任から参謀総長になる異例な速度への懸念である。
●また、米空軍内の力学からすれば、同大将がパイロットでないこともプラスではない。彼女は上級「air battle manager」として実戦経験も十分だが、非パイロットのトップとして、部下となる操縦者から敬意をもたれるかに懸念がある。


Robinson大将以外の候補者は?
McDew.jpg●先月、米輸送コマンド司令官に就任したばかりのDarren McDew大将は、同コマンド司令官になる前であれば有力候補だった。輸送コマンド司令官に就任したばかりで、来年夏の参謀総長就任は難しいとの声が多い
●一方で、同コマンドはそれほど多忙なわけでもなく、黒人初の参謀総長になる可能性のある同大将が、簡単に候補から外れるはずはないとの見方もある。だた、同大将が輸送機操縦者で戦闘機パイロットでないことを指摘する見方もある

Carlisle-ACC2.jpg●他にはACC司令官のHerbert Carlisle大将(春に旭日大綬章)を候補とする声もある。太平洋空軍司令官とACC司令官を務めた「戦闘機族のボス」的存在だが、来年夏には59歳の年齢は参謀総長では高齢となる。
●また、同大将(の経歴)が、空軍長官やオバマ政権が重んじる多様性に欠けることからを指摘する声がある。

●総合すると、Robinson-McDew-Carlisleの順に有力である。質問した関係者の中で、一人だけRobinson大将はないと強く主張する者が居た
大穴候補としては、可能性は極めて低いと見られるが、Robin Rand地球規模攻撃コマンド司令官(GSC)、Phillip Breedlove欧州米軍&NATO司令官、John Hyten空軍宇宙コマンド司令官が可能性を持っている
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welshCUSAF.jpgRobinson大将が、中将当時にPACAF司令官になるとの噂をDefense-Newsが報じた際は、「まさか」と「驚嘆」の両方でご紹介しましたが、今回は「まさかX驚嘆」の2乗でご紹介したい気分です。

でも、布石はありました。現トップのWelsh大将が就任直後の2013年新年メッセージで、「戦闘機操縦者文化への批判を止めよ。そんな行為は空軍の文化ではない」と異例の内容を盛り込んだように、米空軍内の雰囲気は悪化しています

Welsh大将が統合参謀本部議長の候補にさえならなかったのは、空軍内の「性的暴力」問題に何ら改善の兆しが無く、核兵器部隊の士気低下にも何ら効果的な対策が打てないでいる現状があると報じられていますし、戦闘機パイロットが浮き始めている・・・との話も目にするようになりました

Robinson44.jpg実務重視のカーター国防長官の動向が気になりますが、女性空軍長官やオバマ政権は女性大将を押すでしょう。「又聞き」の2乗ぐらいの伝聞ですが、日本の関係者の間でもRobinson大将の悪い評価は聞きません。むしろサッパリとしてサッソウとして、頭が切れるし、視野が広いと高高評価です。

もちろん日本の「戦闘機命派」は陰でこそこそ、やっぱりパイロットじゃないととか、女じゃ腹を割ってはなせないとか、自身の軍事情勢への無知を棚に上げ、理由も説得力もない「愚痴」を言ってるみたいですが・・・

経歴や背景:Robinson大将の記事
「驚嘆:女性大将が対中国の指揮を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-03
「議会決定:Robinson大将PACAFへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-29

衝撃の米空軍トップの2013年新年メッセージ
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-04

国防省での女性登用例
「米海軍初の女性大将」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-02
「国防副長官代理に女性が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-04
「空軍長官に女性を起用」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-03
「国防省No3政策次官に女性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-22

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