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中国軍の最強対艦巡航ミサイルYJ-18を学ぶ [中国要人・軍事]

YJ-18.jpg米海軍情報局が本年4月にその存在を公式に発表した「対艦巡航ミサイル:YJ-18」について、米国の公的機関である「米中経済・安全保障協議会:U.S.-China Economic and Security Review Commission」が28日付でレポートを発表しました。

タイトルは「対艦巡航ミサイルYJ-18:その能力と西太平洋地域の米軍への影響」で、政経問題を政経問題を広範囲に扱う機関のレポートとしては異例の「特定な兵器に関するレポート」です

中国海軍の水上艦艇や潜水艦に搭載可能な仕様となっており、その性能から本日ご紹介する米海軍大学のAndrew Erickson氏のような専門家が「対処不能な兵器」と呼ぶ高性能兵器です
以下では、同レポートを紹介したAndrew Erickson氏のブログ記事を紹介いたします

レポート現物(7ページ)
http://origin.www.uscc.gov/sites/default/files/Research/China%E2%80%99s%20New%20YJ-18%20Antiship%20Cruise%20Missile.pdf 

28日付Erickson氏のブログ記事より
Erickson.jpg●4月に米海軍情報局が恒例の中国海軍評価報告書で初めて公式にその存在を記述した「YJ-18対艦巡航ミサイル」は、潜水艦と水上艦艇に搭載可能である。
●これまでの同種対艦ミサイルより遙かに凌ぐその射程や飛翔速度、中国軍アセットへの広範な搭載可能性により、中国の米海軍艦艇に対するA2AD能力は飛躍的に増加するだろう

2020年までに、YJ-18は中国製の多くの巡航ミサイル搭載艦艇や潜水艦に搭載され、また改良されて地上配備の旧式対艦巡航ミサイルに取って代わるだろう
●本レポートは、公開資料と既存ミサイルとの比較による考察で、YJ-18の特徴を考察するもの

YJ-18対艦巡航ミサイルの特徴
YJ-18 2.jpg●亜音速の巡航速度(推定マッハ0.8、600ノット)で、攻撃目標の手前20nmで超音速(マッハ3)に加速する。亜音速巡航で航続距離を伸ばし、終末超音速で敵の対応を困難にする
米国防省によれば射程は290nm(540km)現有ASCMのYJ-82の射程が20nmであることを考えると、飛躍的な能力向上である

●艦艇のレーダー網を回避するため、飛翔経路の大部分を海面数メートルの低高度で飛翔し、攻撃目標の直前18nm程度までその低高度を維持する
●YJ-18の大きさに関する確固たる公開情報はなく、弾頭搭載量を推測する資料もほとんど無い。Jane'sが300kgとする一方、他の資料は140kgとなっている

YJ-18 radial.jpg水平線以遠(over the horizon)の目標照準のためのC4ISRに中国は努力を傾注しており、YJ-18の様な長射程ミサイルに目標位置情報を提供しようとしている。OTHレーダーや艦艇レーダー、航空機搭載レーダーを活用して
しかし、中国のC4ISR能力はYJ-18のような射程のミサイルを支えるには不十分である。米国防省は「中国が第一列島線を越え、正確な海上の目標位置情報を適時に兵器に提供できるかは不明確である」としている

●また中国のC4ISRインフラは電磁妨害などに脆弱で、妨害で発見識別追尾能力が低下する可能性があり、中国軍の対艦ミサイルの能力発揮を低下させている
●YJ-18の航法は「waypoint navigation」を使用している可能性が高く、ミサイル搭載レーダーが目標補足を担っていると考えられている

中国メディアによるYJ-18試験成功の報道


その他のYJ-18情報

4月11日付海国防衛ジャーナル
米海軍情報局による中国海軍評価報告書に関し
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50746388.html
YJ-18はロシアの3M54Eクラブをベースに作られた対艦ミサイル。3M54Eクラブもキロ級(636M)潜水艦に搭載されている。YJ-18は垂直発射システム(VLS)からの発射が可能
●YJ-18は093G型商級原子力潜水艦や052D型駆逐艦への搭載が噂されていた。

Anti-Ship Misl.jpg●今回の報告書では、052D型駆逐艦のほか、宋級と元級通常潜、商級原潜へYJ-18が搭載されているとされています。
●052Dや055といったVLSを多数備えた水上艦は今後も増勢していくとみられ、それに伴い、YJ-18の配備数も増える懸念が。

●中国海軍の専門家であるA.Erickson海軍大学准教授は、と、YJ-18の防衛は極めて難しいと述べています。他にも「The Diplomat」のように、YJ-18を「空母キラー」としているものがある。

5月:米国防省「中国の軍事力2015」
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50748065.html 
●旧型水上艦はYJ-8A(120km)搭載だが、052C型はYJ-62(220km)、052D型と055型はYJ-18(540km:290nm)を搭載する。
YJ-18/派生型は、現在8隻の636M型キロ級に搭載されているSS-N-27シズラーより劇的に能力が高い。636M型キロ級に搭載済で、宋級、元級、商級に搭載される予定
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米海軍のイージス駆逐艦ラッセンが、中国海軍の艦艇を「引き連れるように」南シナ海で「航行の自由作戦」を行っています。

Lassen.jpgこの作戦を捕らえ、何か急激に「中国破れたり」的な論調が増え、中国は「手も足も出ない」的な表現が目立つようになっています。

中国バブルが弾け、習近平の訪米が不調に終わり、中国寄りの韓国の調子が悪く米韓関係がギクシャクでも、世界を大きく捕らえれば、日本の状況を真摯に見つめれば、ここ1ヶ月ぐらいの出来事は、ほんの表層的な出来事でしょう。

落ち着いて謙虚に、自分の立ち位置を見極める必要がありましょう。
東シナ海がやり玉に上がる可能性も、十分考えられます・・・

中国軍事力関連の記事
「RANDの中国軍事力分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-18
「前:RAND中国軍弱点レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15
「後:RAND中国軍弱点レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15-1

「中国陸軍の挑戦と課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-11
「中国映像:島嶼占領」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
「西側仰天:DF-26も空母キラー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-04

「中国軍事カテゴリー」の140本
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300801487-1

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米海軍の次期戦略原潜計画ORPの予定概要 [Joint・統合参謀本部]

Drakeley Navy.jpg10月22日、米海軍の潜水艦計画部長であるGeorge Drakeley氏が米潜水艦協会の総会で講演し、26日の週にオハイオ級潜水艦後継計画(ORP:Ohio Replacement Program)の「基礎技術要求:technical baseline」を決定し、2013年の運用開始に向けて時間と予算ギリギリの計画を推進すると語りました

現在14隻運用しているオハイオ級戦略原潜が1隻2400億円である一方で、オハイオ後継艦はざっくり1隻$4.9 billion(5900億円)以下に抑えることが「現時点での目標」になっているようで、予算厳しき中、実現可能性が危ぶまれていますが、海軍幹部は新米海軍トップCNOを中心に、最優先事業だと主張し、これまでとは別枠予算の概念が必要だと訴えています

本日は予算の話はさておき、米海軍の皮算用を伺いましょう
なお、後継艦の性能概要や特徴については、末尾の過去記事をご覧下さい!!!

23日付米海軍協会web記事によれば
Ohio Replacement.jpg●Drakeley氏は、米海軍の調達担当次官であるStackley氏は本潜水艦計画の強力な支持者であると同時に、コスト管理とコスト削減の強い推進者であると語った
●また、同次官は「基礎技術要求」で開発過程での変更可能範囲や余地を定めることにより、コスト増の要因となる設計変更の余地を極力排除することを強調している、とDrakeley氏は説明した

●同総会で水中作戦部長であるCharles Richard少将は、強制削減や予算暫定措置がRFP発出や契約に影響を与えるとは考えたくない、と述べた
●同少将は、「我々には問題はない。本計画を先送りすればするほど、問題は大きくなる。現時点では遅らせる必要はないし、優先事業である事に変化は無い」とも述べた

●Drakeley氏は、攻撃原潜のバージニア級が1996年に行ったと同様の契約を想定しており、設計と最初の2隻の建造(2016年から2031年)を含め、約2兆円を想定していると語った
●同氏はまた、1番艦が2031年に任務開始することを考えればスケジュールは極めてタイトで、2021年には建造を開始し、そのためには調達に長期を要する材料を2019年に発注する必要があることから、設計の最低83%は2019年までに終了している必要があると述べた

Goggins SSBN.jpgORPの責任者であるDavid Goggins大佐は同総会のパネル討議で、本計画の実行可能性と予算確保に懸念を示した。同大佐は、(1番艦の)設計と建造に2.1兆円、その後2番艦から12番艦までを各5900億円以下で建造することになっているが、これには企業や造船所との緊密な連携があって初めて達成可能な数字であると説明した
バージニア級攻撃原潜と、その2.5倍の大きさがあるオハイオ級戦略原潜後継艦が同じ期間での建造を求められており、実行可能性を良く吟味していると同大佐は述べた

●Drakeley氏は議会や軍幹部や産業界との議論を振り返り、オハイオ後継艦の総経費12兆円ばかりが話題にされることを取り上げ、現在14隻が行っている任務を後継艦12隻で行う必要があることを訴えた
●この「基礎技術要求」が決まれば、次に国防調達委員会の了承を得た後、提案要求書RFPを発出することになり、来年夏には企業と契約を結ぶ予定である
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フォード級次期空母の建造計画(現ニミッツ級が8000億円なのに、フォード級は倍の1.6兆円)といい、このオハイオ級後継艦計画といい、価格2倍増がトレンドのようですが、予算は倍増どころか減少傾向にあります

Ohio Replacement2.jpg従って現体制の維持は不可能なので、何らかの戦略見直しや体制見直し、又は要求性能の変更や統合での役割再配分が必要なのですが、何にも変化が見られません
陸海空軍と海兵隊が、我が道を突っ走って破綻の道をまっしぐらです! 日本も同じようなものですけど・・・

なお、後継艦の性能概要や特徴については、以下の過去記事をご覧下さい!!!

オハイオ級の後継艦計画ORPと関連事業
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1
「あと25年SLBMを延命!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13

米潜水艦関連の記事
「攻撃潜水艦SSNの将来」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-28
「バージニア級SSNの内部映像」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-10-1
「米潜水艦への女性配置」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-20

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どろ沼必至?:LRS-BはNorthrop Grummanに [米空軍]

Northrop LRS-B3.jpg27日午後、株式や債券市場が閉じた時間を見計らい、カーター国防長官やJames空軍長官等が次期空軍爆撃機LRS-Bの機種選定結果を発表し、「Northrop Grumman」が勝利し「BoeingとLockheed合同チーム」が敗れました。

結果として、米空軍の3大航空機開発(3大優先事業でもある)は、LockheedがF-35を、BoeingがKC-46Aを担当することから、仲良く3分担が成立することになります。

米軍事メディアは「LRS-B発表お祭り状態」で、多様な背景&影響分析、今後の業界再編予想等々であふれかえっていますが、27日付Defense-News記事等より、とりあえず発表の事実概要と、その他様々な憶測をご紹介します

なお、機体の性能や全体像については「非公表扱い」になっており、その辺りについては、末尾の過去記事(例:「リーク?次期爆撃機LRS-Bの概要」 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-07をご参照ください

米国防省の発表会見トランスクリプト
http://www.defense.gov/News/News-Transcripts/Transcript-View/Article/626146/department-of-defense-press-briefing-on-the-announcement-of-the-long-range-stri

Northrop Grummanが速攻でwebサイト開設(冒頭の写真)
http://www.americasnewbomber.com/

米国防省発表の概要は
(27日付Defense-News記事と米国防省web記事より)
LRS-B NG.jpg●契約は2つに分かれ、27日発表の開発段階は「cost-reimbursable type contract with cost and performance incentives方式」で、後の5ロット21機の生産は「fixed-price incentive fee方式」。注→「cost・・方式」は、想定開発経費を上回った場合でも、全てを企業に負担させないが、企業利益を圧縮する方式。

●米空軍関係者によれば、提案価格は100機生産前提で1機$511 million(約590億円)で、$550 million以下(630億円)との要求値を下回った。これはB-2価格1800億円より遙かに安く、またLRS-B開発経費もB-2の2兆7000億円($23.5 billion)より低く、2兆4600億円(21.4 b)と発表された

その他、米空軍の選定結果発表の概要は
---破れた「BoeingとLockheed」には、23日金曜日の段階で選定理由について説明した
---LRS-Bの大きさ、重さ、ペイロード、速度、ステルス性については言及無し
Northrop LRS-B.jpg---両提案とも、エンジン等の下請けパートナーを含めて提案されているが、これら関連企業等についても非公開とする

---仮置きの初期運用態勢確立は2025年とするが、GSCのRobin Rand司令官は状況に応じ変化しうると語っている
---LRS-Bの名称を「B-3」とするのかどうかは未確定。GSCのRobin Rand司令官のもとで検討中

種々の関連事実
●「Northrop Grumman」は国防関連事業で6番目の地位にあるが、この受注により作戦航空機分野での生存を確保し、加州等の工場を維持出来る見込み。
●主契約企業の決定は無論重要だが、非公表となった「下請けパートナー」がどうなっているかも、次第に明らかになると思われ、この方面から業界の再編に繋がる可能性がある
●しかし、例えばF-35エンジンを担当している最大手の「Pratt & Whitney社」は、「Northrop Grumman」を祝福するコメントを出したのみで、エンジン関連の質問にはコメントを避けている

LRS-B関連当面の動き
Northrop LRS-B2.jpg●機種選定段階で過去に例を見ないほど提案の成熟が確認されており、米空軍のLaPlante調達担当次官は最近、選定後はかなり早い段階で初飛行が可能になるだろうと述べていた
●関係者によれば、Northropの今後の最も大きな課題は、エンジンとアンテナを機体と融合させる事だと語っている
●LRS-Bは、今後とも米空軍の緊急能力造成室(Rapid Capabilities Office)が担当するものと思われるが、国防省が同室の働きを再確認する可能性はある

専門家のコメント
Aboulafia3.jpg●航空評論家Richard Aboulafia氏・・・次の世代の作戦機生産が決定するまでには、Lockheed Martinと第2位のNorthrop Grummanのみが作戦機業界の生存者になるだろう。
ボーイングはKC-46Aの後、McDonnell Douglasを買収する以前のように、民間航空機分野に集中していくだろう。ただし、ボーイングがNorthrop Grummanの作戦機部門を買収する可能性は残っている

●ケンドール調達担当国防次官は最近、主要な軍需産業の合併の動きについて「冷や水を浴びせるような」否定的な発言をしたが、投資企業幹部Byron Callan氏は「現在の国防省幹部では起こりえないが、2017年に政権が変われば、どうなるか分からない」と語っている

別記事より:専門家のコメント
Callan.jpg●投資企業幹部Callan氏によれば、軍需産業基盤への影響は機種選定の評価要素には含まれていない。また、調達機数については必要数を100機以上にも積もる分析も多く、機数を増加するかどうかは次の政権の判断になろう。
●仮に、LRS-B調達機数が増加したり、国防予算が削減されたりすれば、F-35予算とLRS-B予算が優先度を争うことになるが、LRS-Bを優先し、F-35が犠牲になる可能性が高いだろう

Northrop勝利を「どんでん返し」と呼ぶ軍需産業コンサルタントのLoren Thompson氏によれば、資金力や近年の作戦航空機製造実績からすれば、驚きの決定である。
敗者は昨年だけで軍用機を300機製造し、勝者はわずかに無人機9機を納入したのみである。Northropが野心的なスケジュールの次期爆撃機計画を推進可能なのか疑っている


BoeingとLockheedからの不服申し立て
LRS-B7.jpg●「BoeingとLockheed合同チーム」は「本日の発表にはガッカリした。次のステップを決定する前に関係者と議論が必要だ。価格とリスク面でどの様な評価が行われたのかに関心を持っている。我々の提案は比類なき経験と能力と企業資源に裏付けられたものであると信じているからである」と声明を発表した。(不服申し立ての可能性を示唆したものと理解出来る)

ボーイング社はミズーリ州の関連有力議員を通じ、ロッキードはテキサス州の議員を活用し、強力な不服申し立て運動を行うだろう。ミズーリのMcCaskill議員が動き出し、テキサスが支援するだろうと言われている
●下院軍事委員長のThornberry議員(共和党テキサス)は「一つの文化として不服申し立てがあるだろう。申し立ててもペナルティーはないから。この様な状況を改善する必要を他の議員も感じているし、議論が必要だろう」と語った

LRS-B8.jpg●LockheedはまだF-35があるから問題は少ないが、ボーイングは最後のFA-18を2018年に、F-15を2019年にそれぞれ生産終了するので、セントルイス工場の閉鎖がかかっている
ボーイングがセントルイス工場を維持するには、米海軍が狙うFA-18増産による生産ラインの10年間維持(これで第6世代戦闘機までつなぐ)や、米空軍の次期練習機T-Xの契約獲得が必要だが、確定したものは何も無い

Northrop Grumman社のLRS-B宣伝映像

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続々と、コメントや分析が発表されるでしょうが、「とりあえず」こんな具合です
「暴露記事」が出るのかもしれませんが、やはり選定過程は「魑魅魍魎(ちみもうりょう)」が住む世界で行われているのかもしれません

KC-46A(選定作業3回やり直しの反面教師)のような「ドロ沼」は避けてほしいものです不服申し立てが「調達の文化:acquisition culture」と言われると「ドン引き」な気分です。「不倫は文化」と言われるよりも・・・

機体概要や性能等は「推測記事」でご紹介
「リーク?次期爆撃機LRS-Bの概要」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-07
ステルス性能は、B-2爆撃機より遙かに向上(significant improvement)している。また「兵器搭載量と航続距離については、双方ともB-2より約2割減」と表現した
●機体の大きさは「米海軍のUCLASSよりは大きいが、B-2よりは小さい」と会議参加者は表現し、速度について具体的な情報は無く、「エンジンの性能によるところが大きい」が、種々の条件を勘案すれば「Subsonic:亜音速」と考えられる

爆撃機の航続距離はこれまで一般に長く、地球の反対側を迅速に攻撃出来るようなイメージであったが、空中給油能力の向上等も有り、大きな燃料タンクを保有して大型化するリスク、航続距離を維持する必要性、爆弾搭載量を総合的に検討している
●元米空軍情報作戦部長であるDavid Deptula退役中将は、「ロシアや中国のA2AD能力を踏まえれば、空中給油無しで作戦行動半径2500nmあれば良いのでは」と意見を述べている

●有人型をオプション(optionally manned)とする計画はそのままだが、初飛行は有人型で行われ、無人機型用の装備が当初生産から組み込まれるのは不明確。会議参加者の一人は「無人機型を急いで追求はしない」と語っている
引き続き「open-architecture」を重視し、継続的に新技術を導入しやすいように設計される

LRS-B関連の記事
「リーク? LRS-Bの概要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-07
「全爆撃機をLRS-Bに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-29
「次期爆撃機cost-plus契約?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-06

「選定結果で業界大再編か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-20
「次期爆撃機の進捗は?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-1
「LRS-Bの提案対決は」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-26-1

「次期爆撃機に有人型は不要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16-1

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韓国戦闘機KF-Xのレーダー&エンジンはどこへ? [Joint・統合参謀本部]

Korea Pre2.jpg韓国史上最大の兵器開発計画となる予定の国産戦闘機KF-X計画は最新F-16レベルの戦闘機をF-4とF-5戦闘機後継として約120機国産するもので、2025年から製造開始をもくろむ約2兆円のプロジェクトです。

しかし、KF-Xの4つの中核部位について米国が技術提供を拒否し、15日に韓国大統領がカーター国防長官を訪問して再度要請しましたが、ここでも「あっさりキッパリ拒絶」され、KF-X計画は「糸の切れた凧」状態になっています。

Korea KF-X2.jpg4つの中核技術とは、「AESAレーダー」「光学目標照準POD」「赤外線捜索救助システム」「無線通信妨害」ですが、首を振らずにビームの高度な電子走査で広範囲を索敵監視する「AESAレーダー」について、多数の企業が「名乗り」を上げているようです

またKF-Xエンジンの選定も既に提案要求書RFPが発出され、11月4日が提案締切りになっているようで、来年2月に結果発表が予定されているようです

25日付Defense-News記事で高みの見物
10月20日~25日にソウル近郊で開催された航空宇宙所ショー&展示会で、米国から最新のAESAレーダー技術の提供を拒否された韓国に対し、欧州を中心とした軍需産業が同種レーダーの売り込みを盛んに行った

Korea Pre.jpg●韓国国防省は大統領府の了解も得て、外国産レーダーのKF-Xへの搭載と、外国等企業の知恵を借りつつレーダー独自開発の2つの道を当面同時追求する方向で、外国産レーダーの搭載だと5年で可能で、自国開発でも10年あれば実現出来るとしており、KF-X製造開始時期に間に合うとの見方を示している
●ただし、この「two-track approach」米国の技術提供拒否に関する国民の怒りを和らげるための策であることは明らかである。韓国国防省はまた、AESAレーダーの独自研究を2006年から開始しており、技術の蓄積があるとも主張している

●Defense-Newsは、Saab、Finmeccanica(英伊企業グループ)、イスラエルIAI、Northrop Grummanが韓国国防省に対し、売り込みを行った様子を確認した
Saabの電子機器分野の営業責任者は、「既に基礎となるレーダーとアンテナ試験を実施済みで、韓国側の機体が準備出来れば、機体との適合段階に進むことが出来る」、「契約がまとまれば、2年で最初のシステムを提供可能」との姿勢を示した

KF-X5.jpgFinmeccanica(英伊企業グループ)は、ユーロファイターのCaptor-Eレーダー技術を元にした「Selex radar」を提案している。まず「Captor-Eレーダー」を韓国がライセンス生産し、その過程で技術移転を行い、韓国国産レーダー開発に繋げる提案をしている模様
イスラエルのIAIは、韓国の軽攻撃機FA-50に「EL/M-2032 pulse Doppler radar」を提供した実績があり、今回KF-Xには「EL/M-2052 AESA」を提案している。同社は、同レーダーが独自技術で製造されており、韓国が気にする輸出規制の心配がない点を主張している

米国企業は欧州企業に比べ慎重な姿勢である。例えばレイセオンは、「言えるのは、我が社にはKF-Xレーダーに協力するに必要なライセンスを保持していない事である」と述べるに止まった
Northrop Grummanはやや前向きで、担当副社長は「非常に興味を持っている。韓国との協力の歴史も長く、長期的視点で考えていきたい」と述べている

KF-Xエンジン選定は既に開始
Korea KF-X3.jpg●KF-Xエンジン選定は、米国と欧州企業の対決が既に始まっている。欧州のEurojet Turboと米国のGeneral Electricが争っている
欧州側は「EJ200 engine」が最新で性能等が証明済みのエンジンで、維持整備性が優れていることを強調している。また韓国が同エンジンを搭載した機体を輸出する事になっても、何ら問題なく、米国の輸出規制を心配する必要がない点も強調している

米GE社は、FA-18で実績のある「F414 engine」を提案し、またこれまでの韓国T-50共同開発におけるエンジンライセンス生産契約や、Saabグリペン共同開発の実績をアピールしている
●GE幹部は「KF-Xは韓国史上最大の兵器開発計画であり、技術、コスト、ライフサイクルコスト等の面で低リスクが求められる。我が社のこれまでの多様な国際協力実績から、低リスクに貢献出来る」と訴えている
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Korea Pre3.jpgパク・クネ大統領訪米関連では、THAAD配備問題も話題でしたが、この点に関しては今後フォローが必要です。その必要性が良く理解出来ていませんので・・・

韓国側は、AESAレーダーに関し「two-track approach」とか強気の姿勢ですが、それが可能ならパク・クネ大統領が米国防長官に頭を下げる必要などなかったわけで、韓国内の混乱ぶりが想像出来ます

脅威の変化が叫ばれ、経済情勢も不透明さが増すこのタイミングで、「韓国史上最大の兵器開発計画」ですか・・・。ご愁傷様と申し上げるしかないのですが、「亡国のF-35」と並び、「亡国のKF-X」にならないことを「生暖かく」見守りたいと思います

韓国KF-X関連の記事
「米が技術提供拒否で大混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-28
「KF-X計画公式発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-01-1
「韓国F-35とKF-X」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-25

「韓国KF-Xは2個エンジン」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-22
「F-35がらみでKF-X支援要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-31

「F-35に最終決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-22-1
「急転直下:F-35を選定か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-19

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新しい米海軍人トップCNOの初海外は日本 [Joint・統合参謀本部]

Richardson4.jpg22日付Defense-News記事は、9月18日に米海軍人の新しいトップ:海軍作戦部長(CNO:chief of naval operations:米海軍に参謀総長ポストはない)に就任したJohn Richardson海軍大将が、就任1ヶ月間で日本を皮切りに世界各国を訪問した感想等を語ったインタビューを掲載しています。

23日米国に戻るまで、同大将は、ハワイ、日本、韓国、湾岸諸国、イタリアを訪問し、日本と韓国では「観艦式」に参加し、イタリアでは「seapower symposium」に出席したようです。

時節柄、22日のインタビューでは南シナ海問題が中心に扱われており、同大将は慎重に言葉を選んで対応していますが、「行くべき時には行く」とのニュアンスの決意も伺え、信念の強さが伝わってくるような気がします

2代連続で潜水艦乗りが海軍トップにつき、また過去前例のない「director of Naval Reactors:米海軍原子力機関監督官」ポストからCNOに抜擢された異色の人材で、米海軍内の評価とは別に、政権や国防長官の強い意向が働いた人事と噂されているところです。

とりあえず、ご就任祝いの紹介も兼ねて取り上げます
同大将の経歴http://www.navy.mil/navydata/bios/navybio.asp?bioID=440 

22日付Defense-News記事によれば
質問の背景→9月14日ロンドンの国際会議(海自の大塚海将も出席)で、

Yuan Yubai.jpg中国北海艦隊司令官のYuan Yubai中将が「南シナ海は全ての国の海であり、平和の海である。(一方で)南シナ海は、名前が示すように中国に属する海域である。唐王朝の時代から、中国人は周辺海域で営みを続けてきた。また南シナ海の現状は、安全と航海の自由がある海域である」と述べた件が念頭にある
関連記事http://www.defensenews.com/story/defense/show-daily/dsei/2015/09/14/royal-navy-britain-first-sea-lord-zambellas-south-china-sea-japan-china-dispute-rusi-desi-london/72284844/

新CNOへのインタビューより
●繁栄とアクセスを守るのは、皆が従っている規範やルールのシステムであることは明らかだ。これらの安定したシステムを享受して繁栄を謳歌している国が、その仕組みと反対の行為を行っているのことが興味深い
Richardson6.jpg多国籍のアプローチ、国家間の協力に基づくアプローチを推奨したい。「オレの海だ」とかの視点ではなく。南シナ海は世界の貿易の3割が通過する海域であり、誰にも属さず、開かれた国際海域である

●(米海軍が南シナ海に海軍艦艇を派遣する計画で、駆逐艦Lassenが待機しているとの情報に関し、細部への言及は避け、)世界国家としての米国の立場を強化する点に置いて、米海軍は国際海域を通過することが出来るし、国際海域への関与は強固である。
●米国大統領以下、立場は一貫しており、国際規範とルールのシステムは、何人にも挑発を受けてはならないし、国際社会システムの中でのいつもの取り組みである

中国とロシアは共に、それぞれに都合良く事態が運ぶように影響力を行使している。中国は恐らく繁栄を求めてのことだろうし、ロシアは多分ほかの動機があるのだろう
●両国とも海に目を向けている。仮に我々が「a global power」であろうとするなら、いつかの時点で海の進出し、影響力を増し、より進出し、繁栄を追求しなければならない

世界各国を訪問し
Richardson5.jpg●このように世界中を訪れると、世界に展開している米海軍15000名の兵士が、常に任務遂行の体制を整えていることを再確認でき、大きな影響力を持っていることを感じる。また兵士達の任務や平和に対する高貴な姿勢は、私を奮い立たせてくれる
●もう一つ、全ての場所で、海における国際協力の推進を改めて目の当たりにし、素晴らしい仕事をしていることを確認できた。また協力分野が極めて広範で、何が出来るかに目を向けて推進され、効果的な海洋パワー海洋影響力であることを確認した。
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駆逐艦Lassenがどのような任務を帯び、どのような行動を取るのか全く予想できませんが、「シリアでの化学兵器使用のレッドライン発言」で株が暴落したオバマ大統領ですから、今度は何かすることになるのでしょう

Lassen.jpg日本はその後、何を期待されるのでしょうか? 来年の参議院選を控え、「安保法制」の運用は慎重な上にも慎重を期す必要がありましょう。
南スーダンや南シナ海で、仮に自衛隊員や関係者の生命に影響が及ぶとすれば、「1名=10議席」の影響がでると見積もる評論家もいます。不謹慎な話ですが、それが政治の世界でしょう。

太平洋海軍で、潜水艦の艦長や艦長教育係を勤めた経験のあるRichardson海軍大将です。
日本を「一番」に選んでくれたお礼に、今後のご活躍を大いに期待いたします!

新CNO:Richardson海軍大将の関連
「海軍内では信頼薄い!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-14
「ノミネート会見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-16-1

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こんな技術が必要なんだ:航空機用レーザー兵器 [米空軍]

レーザーを航空機の正面以外に撃つ場合、特殊な技術が必要
この技術が無いと、側面や下方に良いビームが形成出来ないとか

turret laser.jpg15日付Lockheed Martin社の発表によれば、ジェット機の音速に近い巡航飛行で必要な、機体の進行方向以外へのレーザー発射を可能にする技術を、約60回の試験飛行により確立できた模様です。

米国防省の技術研究機関DARPAや米空軍研究所AFRLからの要請に基づき、2014年からビジネスジェット機の側面にレーザー発射装置(記事では半円形のturretと呼称)を取り付け、「low-costな飛行試験」で技術成熟にこぎ着けたようです

15日付Lockheed Martin社の発表によれば
●軍用機に対する脅威は、敵航空機にしろ敵ミサイルにしろ、あらゆる方向から襲ってくるので、航空機搭載レーザー兵器は全周に発射出来る必要がある
●しかし物理学の法則により、音速近くで飛行する航空機の場合、機体と大気との摩擦で生じる振動(turbulence)に対処出来ないと、レーザーを機体正面の目標にしか有効に発射出来ない

turret laser2.jpg●この問題を解決するため、LM社はDARPAやAFRLの要請を受け、(機体に装着するレーザー発射装置)「laser turret」のプロトタイプ開発を成し遂げた
●「空力対処光学制御turret:Aero-adaptive Aero-optic Beam Control」は、音速近くで飛行する航空機から、360度方向にレーザーを発射可能にする初めての「turret」である

●飛行試験経費を抑えるため、ビジネスジェット機に搭載して2014年から約60回行われた飛行試験で、低出力レーザーが当該turretから発射され、全ての方向でその性能が証明された
●最新の航空流体力学を生かして「turret」形状を設計し、「deformable mirrors:変形可能型ミラー」を「turret」内に活用することでビーム形成と目標照準を確実にすることで、飛行中の空気抵抗による振動の影響を局限することに成功した

仮にこの技術が無かったら、レーザービームを形成する事が出来ず、霧でビームが分散されるような状態になる
●この技術により、地上車両や艦艇に装備されるレーザー兵器と同様に、レーザーの利点を活用出来る。DARPAとAFRLはこの技術を活用し、高速航空機へのレーザー兵器搭載について検討することになる
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レーザー兵器の大きな欠点は、雲や雨など気象現象に影響を受けることです。特に日本の場合は、この点は避けられません

しかし利点も多いのです
turret laser3.jpg速度が速く、ミサイルよりも同時多数目標への対処能力が高い。従って、中国の弾道・巡航ミサイルの飽和攻撃への対処能力が高い
●電力が発生源なので、弾薬やミサイルと異なり、搭載量が無限大に近いし、物資補給を考える必要が実質ない。従って、物資補給が困難で、米大陸から遠く離れた西太平洋地域での作戦に適している

●直進性が有り、照準が容易。また光線の力をコントロールしやすく、多様な目標に柔軟な対処が可能
●弾薬やミサイルに比べ、1発の単価が安い

装備開発から聞こえてくる課題は
Laser HEL.jpg●装置の小型化、装置の冷却、精密な照準を実現する機材の精密さから来る「機材の脆さ克服」、破壊力に必要な出力確保、目標を外した場合の副次的被害極限策・・・等々です

●上記を克服する可能性のある「光ファイバーレーザー」を、米陸軍用に製造開始の報道も有り、「戦場の様相を根本的に変える可能性がある兵器」として、特に米国国防関係者から注目や期待を集めています

ロッキード社のレーザー事業webページ
http://www.lockheedmartin.com/us/products/laser-weapon-systems.html

最近で最も大きなレーザー兵器ニュース
「米陸軍レーザー兵器製造開始」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-16 

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Dunford新統参議長:初海外はイスラエル [Joint・統合参謀本部]

Dunford Israel.jpg18日、今月初めに就任したばかりのDunford統合参謀本部議長が、初めての海外訪問先としてイスラエルを訪れ、イスラエルのネタニアフ首相、国防相、軍参謀総長と表敬&会談し、その後ヘリでシリア国境に飛び、国境を前にした場所で緊迫した情勢のブリーフィングを受けました

前任のヘーゲル氏は国防長官就任直後にイスラエルを最初に訪問しましたが、2月就任のカーター国防長官は7月にイスラエル訪問です。Dunford議長は「ロシア軍@シリア」や「イラン核合意」の件もあり、一番にイスラエルを選んだのでしょう

Dunford議長は、19日にヨルダンでアブドラ国王や国防相や軍参謀総長と会談し、ヨルダンで「誰かを」訓練している米軍人を激励、夕刻にはイラクに入り、20日にはクルドのバルザーニ大統領イラクのアルアバディ首相や国防相と会談し、既に帰国した模様です
1日1国の激しいスケジュールでした。

18日付米国防省web記事によれば
Dunford Israel1.jpg●ダンフォード新議長はネタニアフ首相への表敬の際、「2週間前に職務に就いたばかりですが、イスラエルが最初の海外訪問先となりました。これは貴国と米国との重要な関係を反映したものです。特に両国関係の中でも、両軍関係は重要な位置付けにあります」と語った
●また議長は「イスラエルの安全保障の指導者と会うことは極めて重要であり、当地域の様々な課題に対する解決策は、両国の協力によってもたらされると確信している」とも述べた

ネタニアフ首相は安全保障の問題について語り、「イスラム武装勢力」が列をなす様子を訴えた。特に、イラクのISILであるスンニ派過激派と、イランの支援を受けたシーア派がイスラエルの脅威であると言及した
●また同首相は、イランがシリアやレバノン等の内部の親派に資金援助しているを問題を提起し、「イランは、イスラエルとの国境から遠くない地域に数千人の兵力を配置している」と主張した

Dunford Israel5.jpg●更に同首相は、イランがヨルダン内に浸透し転覆を謀っていると警戒感を示し、同時にイランによるハマスやイスラミックジハードへの無人機提供の試みを訴えた
●「課題には事欠かない状態だが、当地域やイスラエルに向けられた侵略行為を阻止しなければならないとの共通認識は得られた」と首相は語った

●統合参謀本部の広報担当Hicks大佐は、イランとの核合意についてもネタニアフ首相との間で話題になったが、両者は双方の見解に相違があることを確認したが、イランが好ましくない行動を取った際には協力して対応する必要があることを確認した、と述べた
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米国防省のwebサイトが、ネタニアフ首相の主張を丁寧に紹介する辺りに、米国のイスラエルへの気の使いようが伺えます

Dunford Israel4.jpg広報担当Hicks大佐が触れた「イラン核合意」に関する部分は、ネタニアフ首相が厳しい言葉でダンフォード大将に迫ったものと思います。それこそ「歯に衣着せぬ」言いブリだったと想像致します

それにしても強行軍です。1日1国のペースで回るのでしょうか? 今でもフルマラソンOKで、時間を見つけては7マイル走で汗を流すDunford海兵隊大将です。

Dunford大将の関連記事
「経歴や人柄紹介」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-02
「上院軍事委員会での証言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-10

カーター国防長官のアジア政策演説
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-07

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マケイン:F-35購入機数を削減せよ! [亡国のF-35]

いよいよF-35機数削減が動き出したか!

McCain5.jpg20日、上院軍事委員会の委員長で国防問題の重鎮John McCain議員(共和党:アリゾナ州)は記者団に、米軍が購入するF-35機数を削減する必要があると語りました。

かねてより、大幅なコスト高騰と開発遅延が続く「史上最大の兵器開発F-35」を厳しく批判していた同議員ですが、削減に反対する勢力や様々な情勢を見極め、いよいよ本格的にF-35購入機数削減に動きだした模様です

なお、マケイン議員の地元アリゾナ州のLuke空軍基地は、F-35操縦者養成の「メッカ」と言われ、6個飛行隊144機を受け入れることになっています。当初は72機の計画でしたが、追加で倍の144機に膨れあがっています。

騒音問題はありますが、アリゾナの砂漠や山岳地帯に囲まれた地域で、F-35誘致には様々な利害や思惑も絡んおり、ロッキードは関連事業を全米に分散して議員抱き込みを図る中・・・そこには、色々ありそうな「魑魅魍魎(ちみもうりょう)」の世界が存在していますが、マケイン氏が「削減ののろし」を上げたのは確かです

21日付Defense-News記事によれば
McCain4.jpg●21日、記者団に対する短いコメントの中で、マケイン上院議員はF-35購入機数を削減しなければならないと述べた。現時点で米国防省は、海軍、海兵隊及び空軍を併せ、2443機の購入を計画している
●マケイン氏は「我々は購入を削減しなければならない」、「今国防省が言及している機数は、とても実現できる機数ではない」との表現で削減の必要性を語った

●米国防省や議会のF-35支持者は、継続して「2443機」に固執し、削減の話題が出ると直ちに「沈静化」に動いてきた。
●よって、マケイン議員は昔からF-35計画を批判してきたが、機数削減要求は、国防省内では関係者が過敏反応して「沈静化」する案件であった

F-35購入機数を巡る「議論の潮目」
しかし変化の兆しが見え始めている。今年7月、統合参謀本部議長への就任承認を得るため、Joseph Dunford大将が議会に提出したレポートで、「最新の戦略環境を踏まえ、2443機が適切な数字か分析している」と証言したことが大きな契機であった
●更に、米海軍人トップへの就任を控えたJohn Richardson大将も議会提出レポートで、「新統合参謀本部議長と共に、海軍が必要とする機数について再評価するため協力していく」と証言している

F-35 luke AFB.jpg●上記2名の証言を受け、米国防省のCook報道官は、「我々はそのような(調達機数見直し)目的のために、公式な再評価や再検討を行っていない」と語る一方で、「進行中の全ての装備品計画は、各年度の予算計画プロセスの中で再評価・検討される」、「予算を巡るワシントンDCでの情勢が大きな影響を与えることは明らかである」と対応していた
●マケイン議員の21日の発言は、この様な状況下、機数削減議論の扉を大きく広げたものと捕らえられている。

●また、19日投開票のカナダ総選挙で、F-35計画からの撤退を公約にしていたJustin Trudeau氏が率いる自由党が大勝して政権交代が起こったことも、新たな風となっている
カナダの購入予定機数は65機だったが、2010年以降、F-35機種選定過程が不透明だとして購入決定が凍結されていた。またカナダが撤退すれば、F-35共同開発国の初めての脱落となり、他の購入国への影響も懸念されている


関連情報です!!!
カナダ撤退でF-35コスト「1.2億円上昇」
21日付DODBuzz記事
F-35 luke AFB2.jpg●21日、米国防省F-35計画室長のBogdan中将は下院軍事委員会(小委員会)で、カナダがF-35調達を取りやめて61機の受注を失うことで、製造コストが「0.7~1%上昇し、1機当たり$1 million=1.2億円の増加になる」と証言した

●(関連部品の製造企業への影響について、)共同開発国が脱落することによる影響を把握しているわけではないが、残ったパートナー国と関連企業群で、カナダ企業が関連することになっている部品やパーツの扱いについて協議を開始することになると思う、と同室長は語った
●なお、ここでのパートナー国とは、Australia, Denmark, Israel, Italy, Japan, Netherlands, Norway, Turkey, Great Britain and South Koreaを指している
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過去1年間は、F-35計画にとって「安定に向かいつつある」事を「何が何でも」示そうと頑張った1年でした。確かに、色々な問題に対処が進んだ部分もありました。

F-35 3-type.jpgしかし繰り返し述べてきたように、表面をお化粧しても、実態のデタラメは隠せません
最近次々に明らかになる「開発と生産の同時進行による多額の手戻り改修費」、「整備兵站支援を支えるALISの役立たず問題」、「理想を遙かに超える急増産の弊害」、「未だ先が見えないソフト制作」、「射出座席に代表されるまだ試験が多数残置の恐怖」などなど・・

これら機体開発と製造部門の問題に加え、「購入機数減少→単価上昇→更に購入機数減少→単価高騰:特に日本等の後出し注文組へ」の負のスパイラルが待ち受けています。残念ながら「亡国のF-35」とのネーミングが当を得て来たようです

F-35購入機数を巡る「議論の潮目」
「Dunford大将が削減に言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-11
「米国防省は検討を否定も」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-26

マケイン議員の地元Luke基地はF-35教育のメッカ
「外国操縦者の訓練も開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-21
「米議員もF-35と馴れ合いか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-08
「F-35を144機受け入れるLuke」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-05

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日露関係を「直球分析」と「変化球分析」で考察 [ふと考えること]

Abe-Putin.jpgロシアのウクライナや中東シリアでの「横暴」が目に余り欧米諸国の怒りが頂点に達しつつある中、日露関係者の協議が、両国首脳を含めて活発化しています。

安倍首相は何を考えているのだろう? 米国との関係は大丈夫か?・・・等々の心配の声も上がる中、「直球正当派分析」と「変化球裏通分析」の2つをご紹介し、本件に関する思索を深めたいと思います

「直球正当派分析」は21日付「岡崎研究所の世界潮流を読む」で推測・茂田宏氏の分析、「変化球裏通分析」は9日付「杉浦正章ブログ:永田町幹竹割り」からです。

復習:最近の日露協議
●9月21日:岸田外相とラブロフ外相が2時間半
●9月24日:谷内NSC局長とプーチンの懐刀が4時間半
●9月28日:安倍総理とプーチンが2人だけで10分間
(プーチンに安倍総理が駆け寄ったあの会談)
●10月8日:日露次官級協議

↓↓↓ 先に「直球正当派分析」 ↓↓↓
ロシアの意図不明:政治&軍事で対抗しかない
SU-24-1.jpgなぜロシアがシリアで軍事作戦を行っているのか、正確な動機は分からないが、米国への対抗、シリアでの橋頭堡維持、イランとの協力強化など、諸考慮があるのだろう。
●一方同時にこのロシアの政策は、米国、トルコ、NATO、サウジ等湾岸諸国、イスラエル、ヨルダンなどとの関係を損なう可能性大

●ロシアがシリア内戦に巻き込まれれ、ロシアの利益になるか疑問に思うが、国際社会やシリア人の大半が見限っているアサドをイランとともに支えるなら、それもロシアの選択
●対話で自制させるのはムリで、政治的に、又は軍事的に対抗するしか方策はない

日本の日露関係への姿勢
Abe-Putin2.jpg●この様な状況下で、日本は岸田外相を訪露(21日露外相と2時間半)させ、年内のプーチン訪日の実現等を目標にした対露外交をしている。

●日本の抗議を無視したメドヴェージェフ首相の択捉訪問の直後に、プーチン訪日準備のための岸田外相の訪露実施は理解しがたく、反発すべきには反発し、それにできるだけ実効性、持続性を持たせるのが対ロ外交では必要です。
●軽率な対露外交は、北方領土で何ら進展がない中、日露関係でG7の結束を乱し、米国の対日信頼を傷つけるなど、国益に反する


↓↓↓ 次に「変化球裏通分析」 ↓↓↓
杉浦正章氏の日露合作「芝居」説
●安倍はオバマよりプーチンの方がウマが合う。首脳の良好な関係にもかかわらず、表面にでるのは、露首相、副首相、保健相の北方領土訪問など、ロシア側の強硬な態度ばかりだ
Abe-Putin3.jpg●筆者はプーチンと安倍が「握っている」気がしてならない。「握っている」からこそ「お芝居」が可能となるのだ。誰を目当てのお芝居かと言えば日ソ両国の世論に対するお芝居だ。

日本の世論に対しては、ロシアがこんなに厳しくては、未来永劫4党返還など実現しないがそれでいいのかという問いかけであろう。
ロシアの世論に対しては、「日本を追い詰めてやったが、経済状況の好転をはかるにはもともと返す約束をした2島返還くらいの妥協はやむを得ない」ということであろう。

●筆者が推測すれば、まず「歯舞・色丹2島返還で合意するが平和条約は結ばないことで国後、択捉継続協議の担保とする」ところあたりが落としどころとなるのではないか
●期限は区切られている。プーチンの任期中でなければまず妥協は実現しまい。安倍とプーチンでなければ実現しない構図なのだ。

●ロシアは米欧の経済制裁で打撃を受け、加えて石油価格の暴落で経済状況は四苦八苦日本の経済協力はのどから手が出るほど欲しいのである。
●一方、主要国の中で、日本だけはロシアへの化石燃料の依存度を高め、かつては5%程度が8.5%まで上昇し、米国の神経を逆なでしている

Hoppou4tou.jpg●シリア中東混迷の中、日本が米欧諸国から八つ当たりされかねない状況でもある。ここは安倍が北方領土問題の特殊事情を米欧諸国に良く説明しておく必要がある。
●米国にすれば安倍が中露分断に成功し、2島でも返還されれば、地政学的にも戦略的にも日米同盟には有利に働くのだ。ロシアを孤立させて中国と結託させるべきではない。この様な大局をオバマに理解させておくべきだ
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両方の分析とも、安倍首相に日米関係への配慮を求め、西側諸国の中での日本の立場を心配している点では共通しています。

「井の中の蛙」議論に終わった「安保法制さわぎ」が安倍首相を傷つけ、短期的な成果を目指す方向に進まないことを願います。

ロシア関連の記事
「ロシア軍が鉄の壁」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-07
「イラン核合意で中露が中東で好き放題」 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-08

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嘘つき米空軍!?:A-10をシリア作戦に派遣 [米空軍]

F-35整備員捻出にA-10全廃を進めるため、シリアでのA-10作戦は危険だと言い張ったとの疑念が・・・

Cook DOD.jpg20日、米国防省のCook報道官は記者会見で、少なくとも6機のA-10がトルコのIncirlik航空基地に展開し、シリア内での対IS作戦に加わると述べました。12機が展開してるとの報道もあります。

イラク内の対IS攻撃用に、既に昨年秋から1個飛行隊のA-10が「非公表の中東の基地」に派遣されていることは明らかになっていましたが、A-10によるシリア内での対IS攻撃は「危険だから決してない」と米空軍幹部が昨年は言い張っていたのに、あっさり派遣です

米軍事メディアの間には、米空軍に対する、「F-35整備員捻出にA-10全廃を進めるため、シリアでのA-10作戦は危険だと言い張ったのではないか」疑惑や、「A-10に活躍の場を与えたくなかったのではないか」疑惑が漂っています。

米空軍の「約300機のA-10を数年で全廃」要求は、2016年度予算案の議会審議で、強烈な反対に追って今年も却下されています。そう言えば夏頃、「A-10全廃に不利になるような発言は絶対するな。特に議員に対しては」と部下に指示していた空軍少将が、処分更迭される事件もありました

20日付DODBuzz記事によれば
A-10 4.jpg●従来の方針を変更したのか、20日米国防省は、シリアで対IS作戦に参加させるため、A-10攻撃機をトルコに派遣したと発表した。トルコ報道機関が速報したものを、米国防省が追認した形となった
●国防省のCook報道官は記者会見で、「少なくとも6機を展開」「詳細な数は把握していない」「通常の計画的なローテーション派遣の一環だ」と述べた

●昨年7月、当時の米空軍戦闘コマンド(ACC)司令官であったMike Hostage大将は、A-10によるシリアでの作戦を危険だからと強く否定し、「なぜA-10を投入しないのかと皆が質問するが、A-10は1980年代の冷戦用に設計されたもので、厳しい対空脅威のあるシリアへは派遣出来ない。決して派遣することは無い」と語っていた
●また同大将は「仮に第4世代機をシリアに投入するとしたら、敵防空システムの制圧作戦を3週間は事前に実施する必要がある。低高度を飛行するA-10が受けるであろう敵攻撃を考えれば、A-10派遣はその中でも決して無い」と言い切っていた

20日付AFPは匿名米高官を引用し12機と
●20日、匿名を条件にした米政府関係者は、Incirlik基地に派遣されA-10攻撃機は12機だと語り、「他の作戦機より低高度を飛行するため、より高いリスクを負う」とA-10を表現した
●また同政府関係者は、北部シリアでの対IS作戦に使用されるだろうと述べ、ISと戦うため弾薬等の支援を先月受けた「Syrian Arab Coalition」等のグループを支援するとも語った。


全く別件ですが、同日・・・
20日、米露がシリア上空「安全覚え書き」に合意
20日付Defense-News記事によれば)
A-10 5.jpg●米露がシリア上空での飛行に関する「覚え書き」に署名したが、ロシア側の要求で内容は非公開であり、両国間に漂う不信感からすると、現実世界にはほとんど影響が無いと見られている
●20日、米国防省のCook報道官は記者会見で、「シリア上空での事案を防止するため、一連の手順を含む文書に合意した」、「もし露側がこの手順に従えば、シリア上空でのリスクは生じないはずだ」、「何が事象が発生しても、相互に空中で意思疎通し、双方が安全に運用出来るようするものだ」と説明した

●ロシア側の要求で、覚え書きの非公開になったことに関し、同報道官は「その様な要求があった。理由は分からない」とのみ答えた
●同報道官は細部に言及しなかったが、米国のみならず多国籍軍の航空機もカバーし、有人機と無人機の両方をカバーし、緊急時の通信周波数を含んでいるようだ

●ロシア軍機と多国籍軍機の「安全距離:safe distance」の定義に注目が集まったが、同報道官は具体的には言及しなかった。最近の報道では「hundreds of feet:100m程度」の接近が伝えられている
Cook DOD2.jpg●同報道官は覚え書きの有効性に関する質問に対し、「この様な文書を作成しなければならないこと自体が、ロシア側活動に関する懸念を示している」、「狭い範囲の特定事項に関する合意であり、将来ロシア軍と連携調整することを意味しない」と語った

ロシア国防省は米報道官の会見後直ちに声明を発表し、「露側は、国際テロ対処を前進させるため、もっと実質的な内容を含む覚え書きを望んでいた」、「例えば、米側にISの位置情報提供を要望したが、良い回答は得られなかった」、「撃墜されたり緊急事態航空機の相互通報や、共同した搭乗員の捜索救助を提案したが、賛同を得られなかった」と主張した
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米露の覚え書き協議は、想定通りの「冷え冷え」したものだったようです。偶発的事案が生起しないことを祈るばかりです。

米空軍を「嘘つき」と呼ぶのは酷でしょうか?
昨年秋からのF-22デビューも含めた多国籍軍によるシリア空爆で、シリア政府軍保有の準固定SAM「SA-2, SA-3 and SA-5」や、移動式SAM「SA-6, SA-8, SA-10 andSA-11」や対空機関砲が、かなり制圧されたかも知れません。

Hostage4.jpgしかし、当時の「米空軍パイロットのボス」が「絶対無い」と言い切っていたA-10派遣が、あっさり解禁になった背景を「想像」しないわけにはいきません

米空軍内のF-35命族(つまりA-10全廃推進族)の勢いが、議会の抵抗と現実の予算状況を受け、弱まってきたのかも知れません。もちろんシリア情勢が緊迫し、余裕が無い状態かも知れませんが・・・

A-10全廃案を巡る議論様々
「米陸軍は容認へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-29
「視界不良:A-10議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-07
「CASを統合で議論したい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-16-1

「F-35整備員問題は何処へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-18
「米空軍:A-10はあくまで全廃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-15
「A-10全廃案が浮上」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-16

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レイセオンが重量770gの超小型ミサイル展示 [Joint・統合参謀本部]

19日投開票のカナダ総選挙で自由党が大勝
党首のJustin Trudeau 氏は、選挙前にF-35計画からの撤退と、より安価なCF-18後継機の選定を公約に
→「カナダの国防にステルス戦闘機は不要」&「海軍艦艇建造こそが優先事項だ」と
→11日時点の報道→http://www.defensenews.com/story/defense/air-space/strike/2015/10/11/election-determine-canadian-role-f-35-program/73613712/ 
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Pike missile.jpg12日からワシントンDCで開催されている米陸軍協会総会&展示会でレイセオン社が超小型レーザー誘導ミサイル「Pike」を披露し、注目を集めているようです。

地上部隊が近接戦闘で使用することを想定しており、従来の肩撃ち式ロケット迫撃弾(rocket-propelled grenade)よりもレーザー誘導で精度が高く、従来の「Javelin対戦車ミサイル」よりも小型で安価だと言うことです

電子回路技術の進歩により実現したとの事ですが、小型ドローンなどに搭載されたらたまりませんねぇ・・・
まだ企業独自の開発段階ですが、今後、米陸軍や海兵隊の意見を聞きながら、実射試験を重ねるようです

12日付Defense-Tech記事によれば
12日、米陸軍協会総会でレイセオン社とWaltham社が、歩兵部隊や特殊部隊を対象に想定した、ミニレーザー誘導ミサイル「Pike precision-guided munition」を披露した。
●レイセオンの地上戦闘システム課長は、「電子回路の小型化技術により、このミサイルが実現出来た」とインタビューに答えてくれた

Pike missile3.jpg●「Pike」は、全長43.2cm(17インチ)、直径3.8cm(1.5インチ)、重さ771g(1.7 pound)で、射程は約2kmである
●米陸軍や特殊部隊が装備する、現有の肩撃ち式ロケット迫撃弾の発射装置(M203やELGM)から射撃可能であるが、M4ライフルの銃身下部にM203発射機を装着して使用する場合には、多少のライフル改良が必要となる

●「Pike」は、肩撃ち式ロケット弾より高価だが、ロケット弾や機関銃で相手を仕留められなかった場合に反撃を受けるリスクが高いが、レーザー誘導の「Pike」は精度面で優れている。
●精度面で「Javelin対戦車ミサイル」も有効だが、「Pike」より高価で破壊力が大きく、周辺被害も大きくなる。「Pike」は命中時の破片効果で、壁を隔てた2名を殺傷する程度の破壊力を備えている

●目標に対するレーザー照射は、ミサイル発射後から命中するまでの間で十分で、最大射程時でも15秒ほどと想定されている
●両社は現在米陸軍の担当者と、同ミサイルの更なる発射試験に向けた予算確保について協議を進めている
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Pike missile 2.jpg冒頭の写真から、「Pike」の大きさを実感して頂けると思います。重さ771g(1.7 pound)は信じがたい気もしますが・・・。(ちょっと「ドッキリの絵づら」です)

この様な技術は、あっという間に拡散するのでしょうから、将来の戦場(対テロを考えれば平時の重要施設や要人警護)は、大変難しいことになるのでしょう

米海軍も小型誘導ミサイル「Spike」研究中
全長63cm、直径7cmで重量6.6kg
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-25

そう言えば、最近Work副長官が英国の王立研究所(RUSI)で、精密誘導兵器が飛び交い、電子戦やサイバー戦が複雑に絡んだ場を想定した備えの重要性や必要技術を語っていました。

Work副長官のRUSI講演(9月10日)
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-12
同時大量ミサイル攻撃対処」や「第2のAirLand Battle」の検討必要性を語る要注目の講演

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速報分析&軍事的評価:露空軍のシリア作戦 [安全保障全般]

Su-30 Russia3.jpg18日付Defense-News記事は、3週間目に入ったロシア空軍のシリアでの軍事作戦について、ロシア関係者を含む複数のソースの「現時点」評価を紹介しています。

ロシア製レーザー誘導爆弾やGPS誘導爆弾の初使用や、カスピ海艦隊からの巡航ミサイルの発射等、「失われた90年代の遅れ」をロシア空軍が取り戻しつつあり、能力回復ぶりをアピールしたのではないかと紹介しています

一方で、ロシア軍が攻撃で破壊したとする「攻撃対象」の車両や兵器を分析すると、相手がISが穏健なシリア反政府組織に拘わらず、「攻撃対象」の主要兵器は生き残っているはず、との評価も紹介されています

なお本記事では、ロシアが何を「攻撃対象」にしていたかについては突っ込んでいません。兵器技術に焦点が当たっています

露軍参謀本部のKartapolov主要作戦課長
16日の記者会見で
●9月30日に空爆を開始して以来、IS目標を456個攻撃した
●総計で669ソーティーの活動を行い、そのうち夜間攻撃は115ソーティーであり、272カ所の敵拠点を破壊した
(●BBC報道によれば、15日夜、シリア政府軍がHoms北部に対する攻撃を開始した)

ロシア国防省がSNSで最新作戦状況を発信
SU-24-1.jpg露国防省は、毎日のようにFacebookを更新し、彼らが言う対IS攻撃で、何をシリアで行っているかを示そうとした
15日の更新では、作戦開始以来初めて、1日の攻撃ソーティー数が40回以下となったと紹介されている。「攻撃対象」が撤退や陣地変更を企てていることから、露軍は当該状況を偵察して最新状況を把握している途中なためだと説明している

●出撃数が最大だったのは12日で、88ソーティーで対IS目標86カ所を24時間以内に攻撃したとしている。真実だとしたら、作戦機30機のよる攻撃とすれば相当の数である


IHS Jane’sのBen Moores主任分析官は
Russia Kh-25.jpg●Moores主任分析官によれば、ロシア軍は多様な兵器を使用した。クラスター弾、焼夷弾、無誘導の普通爆弾、ロケット弾、巡航ミサイルGPS誘導爆弾や光学誘導爆弾が登場し、ロシア空軍は基礎的な兵器しか使用出来ないとの概念をくつがえした

●また、Su-25は無誘導の普通爆弾だけを中高度から投下した模様だが、攻撃ヘリは低高度から相当積極的な激しい攻撃を行った模様
●更に、ロシア空軍は「攻撃対象」が離散する前に大きなダメージを与える事が出来たことは明白だが、攻撃後に残された装備や車両からすると、「攻撃対象」の重装備は多くが生き残っていると考えられる

IHS Jane’s:ロシアが空爆で使用した兵器
Russia KAB-500S.jpg●正確な使用比率は不明だが、大部分の空爆は無誘導爆弾で、露軍が初めて使用した精密誘導爆弾として、レーザー誘導爆弾Kh-25と露版GPSグロナス誘導爆弾KAB-500Sの使用が見られた。
●無誘導爆弾では、対人破片爆弾OFAB-100やOFAB-200が使用された。またクラスター爆弾RBK-500-SPBE-D、焼夷弾ODAB-500PMB、貫通弾BetAB-500 M62の使用が認められた

●米国NATO大使Douglas Lute氏のNATO本部での記者会見によれば、プーチンの誕生日である7日にカスピ海所在の露艦隊から発射された26発の巡航ミサイルは、イラン領空(イラクも?)を通過してシリア内の目標に到達した
●後に米政府高官は、26発の内、4発がイラン領内に着弾したと発表している


前露軍参謀本部スタッフのBuzhinsky退役中将は
Russia OFAB-200.jpgロシア空軍は、従来の地上部隊支援任務とは別に、西側軍のように精密誘導兵器で地上部隊から独立して目標攻撃を開始した。同空軍はWW2以来、防空と地上部隊支援で使用されてきており、地上部隊から独立して町や領域やインフラ攻撃を行ったことはなかった
●ロシア軍は、ISと西側支援の穏健反政府勢力を区別しておらず、シリアにいる全ての過激派を撃退しようとしている

●これは、軍事ドクトリンの変化と言うよりは、西側産業が遙かに進んでいる分野で、ロシア軍需産業が90年代の遅れを巻き返しつつある事を示している。
ロシア空軍が初めて精密誘導兵器を使用した作戦となった。西側が1991年の湾岸戦争で同壁を大量使用する中、露軍は本分野で大きく後れを取り、シリアでの作戦は露軍近代化の試験のようなものだった

露の軍事専門家Mikhail Barabanov氏は
Russia BetAB-500 M62.jpg●兵器が新しくなり、西側が過去20年間に見せたと似たような作戦を露空軍は行ったが、直接の地上部隊支援の比率が低かったのを除けば、アフガニスタンで当時のソ連空軍が行ったのと極めて似た航空作戦だった
●精密誘導兵器の使用は兵器の進歩による当然の変化で、単に90年代にロシアが経済的に困窮していたために遅れたものである

●ただし、ロシア軍が直面する大きな問題は、空爆では目標は達成出来ず、シリア政府軍による攻勢の条件を整えるだけだということである
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とりあえずの「速報分析」です。
ロシア軍が、「攻撃対象」のISRをどのように行っているのかにも興味がありますので、関連の報道等があれば勉強してみたいと思います

クラスター爆弾・・・日本は偽善の波にもまれ、大金を出して全て破棄してしまったんですよね・・・
ロシア軍は好き放題で使用してますよ・・・

ロシア軍が「精密誘導兵器」を使用したのは初めてなんですね・・・。それから、ロシア版GPS「グロナス:Glonass」を活用した誘導爆弾が使用された事も興味深いです
細部の効果分析が公開されるのか不明ですが、これも興味深いところです

ロシア軍のシリア作戦関連
「プーチン:地上戦はしない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-12
「ロシア軍が鉄の壁」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-07
「2日連続トルコ領空侵犯」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-06

「露空軍空爆開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-30-1
「対ISに暗雲:露軍展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-21

「シリアは地政学チェルノブイリ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23
「イラン核合意で中露が中東で好き放題」 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-08

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ゲーツ元長官「オバマは米軍を信頼していない」 [ゲーツ前国防長官]

お久しぶりRobert Gates元国防長官!
まんぐーすがブログを本格的に始めたのはこの人物が国防長官だった当時の「言葉」を伝えたかったからです

最下層のCIA職員からCIA長官に上り詰め、更に政党の異なる2つの政権で、大統領に請われ継続して国防長官を務めた男の言葉
ロバート・ゲーツ語録100選
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19
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gatesCultureSV.jpg15日、TV番組(Fox NewsのSpecial Report)に出演したゲーツ元国防長官がシリア情勢やオバマ政権と軍の関係等についてコメントしています。
断片的で全体の流れがよく分かりませんが、その率直さと核心を突く指摘は今も健在です

ゲーツ発言:シリア対策について
外部のものが国外で訓練を施し、その者をシリアに送り返して機能させるなどと言うアイディアは「nuts:馬鹿げている」だ
●シリアでの人道的な問題や悲劇を食い止める唯一の道は、(シリア国内に)安全地帯(safe haven)を設けることであり、達成可能だと思う
ただし、内戦状態にあるシリアへの米国の関与は制限し、米軍の地上部隊を送るべきではない

ゲーツ発言:オバマ政権と米軍
gatesMarine.jpg●オバマ大統領は軍隊を信頼していない(distrust)。特にアフガニスタンではそうだった
ホワイトハウス内には、オバマ大統領に軍を信頼するなと常々言い続けている人達がいる。名前は挙げたくないが・・・

●(バイデン副大統領はその一人か、との質問に対し)そう思うし、彼からそのように言われたこともある
●そんなホワイトハウスのスタッフ達は大統領に対し、米軍はあなたを身動きできなくするとか、あなたを騙すとか、あなたを侮辱するとか、あなたが望まないことをさせるとか、言い続けているのだ。
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米国の大統領選で、バイデンが民主党の候補に名乗りを上げるかが注目されていますが、クリントン女史が失速し、バイデン副大統領が浮くようになれば大変です。

ゲーツ氏の発言にもOffshore Balancing論的」な考え方が見え隠れしていますが、バイデンはもっと強力な「内向き指向」の臭いを発しており、米国の軍事同盟国にとっては厳しくなること確実です

2014年1月にゲーツ長官「回想録」の出版に際しメディアで
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-12
gates-Book.jpg●はっきり申し上げるが、私はブッシュ大統領とオバマ大統領に大息敬意を抱いている(have a lot of respect)

●しかしオバマ大統領を批判したいと考えている人々は、私の書いたことを利用していろいろ表現しているのだ

しかし副大統領や大統領府スタッフには厳しく
●NSCスタッフとは何度も口論となった。特に、4つ星の将軍に直接電話するような「攻撃的な」若いホワイトハウススタッフの不遜な態度には閉口した。

●(バイデン副大統領が40年以上に渡り外交問題で誤りを続けている、との記述について弁解せず、)1970年代からバイデン氏の姿勢には不同意だった。彼が70年代に南ベトナム支援に反対した事、イランでのシャーの排除を人権問題の改善と評価したこと、更にレーガン大統領の国防力強化に反対したこと等々に対してである
率直に言って、長い間、ずっと彼は誤っていると感じ続けていた

韓国に関し興味深い記述が(読売報道)
gatesSHGdinner.jpg●2007年11月、当時の韓国大統領だった盧武鉉氏は「アジアでの最大の安保上の脅威は米国と日本だ」と会談で述べた。「反米でおそらく頭が少しおかしい」と思った

イラク問題と日韓のお話
●米軍駐留継続をめぐるイラクとの交渉のさなか、長期にわたり米軍を受け入れている日韓に見解を尋ねたらどうかとイラク側に促したところ、逆効果だった
日韓とイラクは、受け入れ国の法律を破る米兵への憤りを共有しただけに終わり、自身の提案は「最悪のアイデア」だった
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まとまりのない内容になりましたが、そんなオバマ大統領の安全保障関連補佐官が、次々と退任している今日この頃です

ゲーツ国防長官(当時)の活躍は以下の記事150本で
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300801461-1

そしてもう一度!
最下層のCIA職員からCIA長官に上り詰め、更に政党の異なる2つの政権で、大統領に請われ継続して国防長官を務めた男の言葉
ロバート・ゲーツ語録100選
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

gates 2+2.jpg追記:ゲーツ氏は厳しい人物で日本の民主党政権時の2011年6月にDCで開催された「2+2」では、日本の同盟強化に関する煮え切らない態度に不満を前面に表現し、左の写真を同「2+2」を伝える米国防省webサイトのトップページに掲載しました

日本では、共同記者会見や4人が手を携える場面の写真が報道されていましたし、米国防省のwebサイトには、他の「外交的に映りの良い写真」が多数資料映像としてサイトの末尾に格納されていましたが、あえて「不満顔」をトップに採用していました

日本だけでなく、国防費を軒並み削減していた当時の欧州NATO諸国にも辛辣な言葉を投げかけていました。そんな男です。ゲーツ氏は・・・
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責任ゆずり合い:F-35射出座席問題 [亡国のF-35]

F-35 ejection seat.jpg1日にDefense-Newsが独占スクープして継続取材している「F-35射出座席問題」について、14日付で続報が出ました。

複数の証言が時系列を前後し複雑に入り組んだ記事で、記者も整理できていない印象を受けましたが、結局のところ、原因は明確ではないが、種々の対策案を組み合わせて実施する方向にあり、仮にその方向だと対処完了に2017年の夏まで必要とのことのようです

また、当初関連を強く否定していた第3世代HMDヘルメットに関しても、対策が講じられるようです
15日付 Defense-News続報は、射出座席のメカニズムや、脱出時にパイロット身体にかかる負担を詳細に説明していますが、ここでは省略しますので、ご興味のある方はご自身でご確認を!

まず3日付記事で概要を復習
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-02
8月に実施されたF-35射出座席(Martin-Baker社製)の試験で、軽量の操縦者が低速状態で脱出した際に首を痛める可能性がある事が明らかに
F-35 Ejection2.jpg軽量操縦者が低速で飛び出した際に余分な回転運動が起こり、パラシュートが開いた際の姿勢が理想的な状態からずれることが判明

8月27日から体重「136 pounds未満=約61.7kg」のF-35操縦者の飛行を停止しており、少なくとも1名が影響を
●米国防省F-35計画室のDellaVedova報道官は、7月に納入され試験時にも使用され始めたHMDヘルメット(Generation 3)の影響ではないとし、「企業と国防省が一体となり、24/7態勢で問題解決に取り組んでいる」と説明

F-35射出座席の静止状態試験の模様(映像12秒)


15日付 Defense-News続報によれば
●米国防省F-35計画室は射出座席だけを(当初)問題していたが、最近の関係者への取材では、7月から使用されている新HMDが問題を複雑化しているようだ。非難の先が、座席か、HMDか、他の部位に落ち着くのか先が見えない
F-35HMD3.jpg●問題が判明した試験は、7月に実施の重量103-pound(46.7kg)のマネキンで見つかり、8月の136 pounds(61.7kg)でも確認された。またこの2回の試験から新HMDヘルメットが使用されている

新HMD(Generation 3)と旧HMD(Generation 2)の重量の差は、僅か6オンス(約170g)であり。新HMDの重量は5.1 pounds(2.31kg)である
●HMDを開発し、既に製造契約を終えているRockwell Collins社の担当副社長は、(7月の)試験を開始する以前に、新HMDは全ての要求値を満たすことが確認されていると述べ、更に射出時の問題は、(夏よりも早い)今年初めの試験で既に明らかになっていたと訴えている

対策の方向性は・・・
●F-35計画室のDellaVedova報道官は新HMDヘルメットは問題に関係ないと言っていたが、ロッキード社はHMDに「下あごPad」の追加装着を提案していた。現時点で米国防省F-35計画室は、長期的な対策として新HMDの重量を「減らす」ことを決定した
F-35 ejection 3.jpg●同報道官は、HMD軽量化の設計審査を12月に予定するが、HMD内部のストラップを削減し、外部バイザーを取り去り、現5.1から「4.67 pounds」に軽量化(195gの削減)を考えていると説明した

HMD以外にも対策案が2つある。一つは、軽量パイロット用に射出座席に「メイン落下傘の開傘遅延スイッチ」を追加することで、これにより、射出時に軽量操縦者の首へのリスクを軽減する
●2つ目は、メイン落下傘の開傘時に、操縦者の頭が後方に動くのを防止する「head support panel」を組み込むことである

●HMD以外の2つの対策は、射出座席の改良型が導入される2016年末に組み込まれる。HMD対策も合わせると、3つの対策の完了は2017年夏になるだろうと、同報道官はメールで説明している

詳細で難解な技術的説明からつまみ食いで
F-35 ejection 2.jpg●速度250ノット以下の低速で脱出すると、メイン落下傘の開傘時に、急激に頭が後方に引っ張られて首に負担がかかる。これは、低速の場合、地上に近い可能性があるため、早期に落下傘を開く必要があるためである

●この課題は他機種でも同様で、米空軍のA-10s, F-15s, F-16s, F-22s, B-1sとB-2に採用されているUTC Aerospace Systems社製の「ACES II」や、同社新型の「ACES 5」射出座席は、座席下に脱出時の座席姿勢を正す小型ロケット噴射機が装着されている
●更に同社製の射出座席には、パイロット体重をセンサーで検知し、ロケット噴射の強さを自動調整するシステムが搭載されている

F-35射出座席はこのような装置を装備していないようだが、メーカーであるMartin-Bakerは、Defense-Newsが本件を取り上げて以降も公式の声明等を出していない
●F-35計画室の報道官は、同社が「head support panel」の試験を計画していると述べるに止めている
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Bogdan4.jpg体重「約61.7kg」以下の操縦者のみが飛行停止になっている状況からすれば、「素人的には」全体への影響は軽微だと思うのですが、どうなんでしょうか・・・

悪くても良くても、いつも率直に問題点を語り、厄介なF-35計画における唯一の「光明」であるF-35計画室長Bogdan空軍中将の声が聞こえてこないのが心配です。
状況を確認しているのか、くだらない問題だからくだらない問題だから放置しているのか、問題の根が深くて「真っ青」になっているのか・・・。

F-35より、Bogdan空軍中将のご様子が心配です!

1日付Defense-Newsの独占スクープ
「射出座席問題:F-35軽量操縦者が飛行停止」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-02
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1000万ページアクセスを達成させていただきました。「オタク」なブログですが、今後ともご愛顧よろしくお願いいたします!

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米陸軍のレーザー兵器製造開始で来年投入 [Joint・統合参謀本部]

兄弟ブログ「輪になって踊らず」もご活用下さい!
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/
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Athena.jpg8日、Lockheed Martin社が米陸軍用に「光ファイバーレーザー兵器」の製造を開始すると発表し、12日からの米陸軍協会の総会&展示会へ出品して話題を集めているようです

「Athena」との製品名を持つ車両搭載のレーザー兵器は、2016年に戦闘地域へ派遣可能になると報道されています

8日のロッキード発表は、レーザー技術に詳しくないので正確にご紹介する自信がありませんが、これまでの「半導体レーザー:solid-state」に比べ、「光ファイバーレーザー:fiber optic」は増幅や熱処理や小形化の点で優れ、また装置を「モジュール化」することで、生産を効率化し、用途に応じた出力調整が容易で、修理頻度も減らせる等が出来るようです

まず陸軍協会総会での展示について
Athena2.jpg●Lockheed Martin社は陸軍協会総会で、30キロワットの「Athena:Advanced Test High Energy Asset」を展示した。最近米陸軍用に生産に入った「Athena」は、来年戦闘地域の投入される予定
●同社が今年年初(3月)に行った試験では、1マイル以上離れた距離から、駆動状態のトラック搭載エンジンに僅か「in seconds」で穴を開けている。

●「spectral beam combining技術」と「multiple laser modules技術」を活用し、光ファイバーレーザーで、強力なシングルビーム形成に成功した「Athena」は、3日間のイベント中、多くの観客を集めた
●同社の主任技術責任者であるKeoki Jackson氏は、「光ファイバーレーザーはエネルギー兵器(DEW)に革命を起こした」と語り、「軍用機、ヘリ、艦艇、トラックに搭載可能な軽量レーザー兵器を提供しえることを示した」と意義を表現した。

●更に同社は、この成果は、小型飛翔体や海上目標対応に開発した「Area Defense Anti-Munitions laser weapon」と、「Accelerated Laser Demonstration Initiative」の「ファイバーレーザー」を基礎にしたものだと説明した

8日のロッキード発表関連
Athena5.jpg●同社は、米陸車両に搭載する60kwレーザー兵器の心臓部を構成する、高出力レーザー兵器「module」の製造を発表した。
●同レーザー兵器は、一人で操作できる。また複数の「fiber laser module」で構成されるため、用途に応じて組み合わせを柔軟に変更できる柔軟性があり、小さな故障がシステム故障になる可能性が少なく、修理の頻度が少ない

●また、商用のファイバーレーザー構成品を使用できるため価格低減を図ることができ、「module」を連接して120kwまで出力可能
●増幅媒体(gain medium)には、レアアースである「erbium」「ytterbium」「neodymium」等々を使用する

Athena4.jpg●光ファイバーは柔軟性があり、数千メートルのファイバーをコイル状にして小さな空間に格納可能で、冷却も容易になる。更に耐久性があり「半導体レーザー:solid-state」より5割使用電力が少ない
●同社レーザー担当は、「モジュラー化されたファイバーレーザー」は非稼働率を劇的に低下させて最小限にし、製造も容易なため効率的だと語っている

15日付Defense-Techは以下も改めて紹介
●今夏、米空軍はDARPAと組んで、ロケットや迫撃弾や車両やSAMを目標に想定した、General Atomics製の150kw電磁レーザー「DLWS:Demonstrator Laser Weapon System」をニューメキシコ州で開始した
米海軍は昨年、20kwの艦艇搭載レーザー兵器を、輸送艦USS Ponceで試験している
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Athena3.jpgレーザー兵器については、米国防省高官が「ブレイクスルー」の可能性を示唆していたように思いますが、「fiber laser module」を活用したLockheed Martin社の「Athena」がこれに該当するのかは不明です

しかし、いきなり「来年実戦投入」とは景気の良いお話です。期待いたしましょう!
どなたか、技術的なことを解説していただけると助かります

レーザー&エネルギー兵器関連
「ACC戦略2015では?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-12
「米空軍幹部が議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-29
「米国DEW兵器開発の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-23

「まずC-17搭載レーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-23
「特殊作戦C-130にレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31
「特殊部隊とレーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-16

「米空軍の30年戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-31
「ペルシャ湾で艦艇試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-13
「航空機自己防御レーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-02-1

「米海軍レーザー兵器搭載へ前進」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-12
「CSBAビーム兵器へ投資を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-20
「レーザー兵器の開発動向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-01

Work副長官のRUSI講演(9月10日)
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-12
「同時大量ミサイル攻撃対処」や「第2のAirLand Battle」の検討必要性を語る要注目の講演

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中国陸軍の取り組みと課題 [中国要人・軍事]

parade.jpg10日付Defense-News記事が、複数の中国軍研究者の中国陸軍研究成果を取りまとめ、その取り組みと課題を紹介しています。

それぞれに「分厚い」中国陸軍関連の研究成果を、手短に紹介しているため、かなり省略されたり単純化された記事になっているとは思いますが、中国陸軍についてご紹介した記憶がないので、これを機にご紹介します

恐らく、未だに訓練などほとんどせず、農業が本業のように自給自足したり、工場で何らかの製品を製造したりする「名ばかり陸軍部隊」も残っているのでしょうが、以下で紹介されているのは、まっとうな進歩を目指している陸軍部隊の様子です

10日付Defense-News記事によれば
中国は陸軍訓練の現実性を高め、弱点の克服や、即応態勢や相互運用性の向上に努めている。これは従来の台湾シナリオだけでなく、多様な場面で任務遂行が可能な陸軍への変革を図る方向への取り組みを示している

Li Xiaobing.jpg●Roy Kamphausenによれば、2006年以来、中国軍は軍管区をまたぐ訓練を増加させており、部隊が多軍管区へ機動展開することも増えている。現在中国は7つの軍管区に分割されているが、将来5つに統合される予定である
●鉄道による部隊移動が依然主力ではあるが、軍管区をまたぐ訓練増加により、車両による移動にも力点が置かれるようになっている

●「A History of the Modern Chinese Army」の著者であるLi Xiaobingによれば、中国陸軍演習には3つの変革が確認できる
第1に、訓練場所が単なる演習場から、実際に紛争が起こっているチベットや神鏡ウイグル自治区等にも広がりつつある

第2に、演習自体が実戦的な環境設定になり、指揮、通信、長距離兵站等々に取り組んでおり、「ロシアまで長距離機動展開しての演習まで行っている」
第3に仮設敵を演ずる部隊がより高度で強力な設定となり、中国陸軍より強く設定されており、「中国陸軍側の勝利が約束されておらず、懸命に賢く戦わなければ成果が得られない設定に変化しつつある」

他の専門家は別の視点で
●「The Chinese Army Today」の著者であるDennis Blaskoによれば、演習をより実戦的にするため、中国が既に攻撃を受けている状況下で、移動中の演習部隊の状況も敵部隊が偵察で承知している設定にし、長距離精密誘導兵器で攻撃を受ける状況付与も準備されている
機動展開直前や移動中にも状況の変化が付与され、展開先に到着直後から強力な敵と対峙する場の設定が準備されていたりする。レザー射撃判定装置等も活用されている

Richard Fisher.jpg●Richard Fisher によれば、20年前から中国軍が主張している「情報化された戦い」や「機動化された戦い」への投資は、前線部隊にも届き始め、C3I装備や第3世代車両、新型戦闘車両、訓練センター、陸軍航空部隊等を組み合わせ、軍管区演習や複数軍管区が関与する演習にも発展している
C3Iの発展によりフラットな指揮統制機構を実現し、多様な部隊の組み合わせによる、より現実的で実戦に則した訓練を可能にしている。

中国陸軍の弱点や課題に関する指摘
●Li Xiaobingによれば、最近の陸軍演習は、中国軍自体の弱点を改めて思い知らせる事になっている。「政治が演習に依然介入している。演習場所、指揮官の任命、戦いのやり方等に対してである」、「部隊によっては耐用年数が来るまで旧装備を使用せよと言われたり、旧弾薬をまず撃てと言われたりしている」

Chinese Army.jpg●Dennis Blaskoによれば、複雑な電磁環境を想定し、電子戦やサイバー戦も過去よりも取り入れられている。これにより中国陸軍の現状の統合や他軍種との協力面での問題点がより明らかになっている

●最近の演習では、モジュラー形式で歩兵部隊に必要な砲兵や施設や防空部隊等を増強する事が増えているが、大隊レベルに司令部要員の配置がないことが問題となっている。
●これは旧ソ連方式で中国陸軍が部隊編成されているからで連隊司令部レベルが詳細な計画を作成して隷下部隊に指示する事を前提としているからである。このような演習を通じ、自身の欠陥に気づくことになっている

●また同氏によれば、UAV等の新装備の導入に伴う問題として、一度に導入が進まないため、部隊間で装備や運用法に差があり、全体として統制のとれた運用が出来なくなっている
●「中国陸軍は訓練演習で絶えず問題点を明らかにしており、それが演習の主要目的の一つでもある。結果を受け、対策検証演習や自然の演習に反映させる
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Chinese Army2.jpg冒頭でも触れたように、中国陸軍の全体像も把握したいものです

上記で紹介されている「先頭を走る部隊」以外はどうなっているのか・・・。
中国海空軍や第2砲兵(弾道ミサイル専任部隊)への、人事や予算や活躍の場の傾斜配分が目立ってきた最近の情勢の中で、中国陸軍の皆様がどんな事を考えておられるのかが気になります

ご参考:中国陸軍関連の記事
「イメージ映像:島嶼占領作戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
「米陸軍だけは中国と交流継続」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-05
「米中陸軍が豪州で共同訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-18


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