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失敗映像:航空機・ミサイル・ロケット そして最新の中国空母 [ふと考えること]

まず前座で・・映像:中国海軍司令官が空母遼寧視察
25日公開の映像(3分)で離発着の様子や艦内の食堂や調理場の様子も紹介

素人ながら、立派に使いこなしている様に見えます。
空母甲板の水兵達の動きが、米海軍そっくりなのは笑えますが・・・
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本題と言うには恥ずかしく・・・
安上がりの映像バラエティー番組のようですが・・

Air Domi 2030.jpg年末やクリスマスで、軍事メディアにニュース報道が途絶えてネタ切れ状態なため、航空宇宙分野の先人の苦労を忍ぶため、また今苦労されてる皆様への応援の意味も込め過去の失敗や事故の映像を「航空機」と「ミサイル&ロケット」分野からご紹介します

ナチスドイツのV-2ロケット兵器から最新ステルス機F-22の映像まで、様々なタイプの事故映像が続きますが、これら失敗を分析し乗り越えたからこそ今日の航空宇宙技術の恩恵を受ける我々が存在します

まぁ、大掃除の傍ら、ぼんやりとご覧下さい

映像8つ:航空機の失敗
登場する機種は、F-117、F-22、RQ-4グローバルホーク、ハリアー、ロシアヘリ等々です


映像9つ:ミサイルやロケットの失敗
登場する機種は、ナチスドイツのV-2やV-1、中露のロケット、仏アリアンロケット、タイタンロケット、SLBMトライデント等々です


映像とともに5つの視点で学ぶシリーズ
「火炎放射器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-2
「負傷者救出ヘリ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-07
「B-2爆撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-01

「AK-47ライフル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-28
「原子力潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-1

今年も大変御世話になりました
来年もよろしくお願いいたします!

あの元空幕長・田母神氏が復活か? [ふと考えること]

田母神俊雄.jpg日本国防協会(公益財団法人で会長:中谷元、理事長:森勉)の機関誌「日本の国防」(平成28年1月号)が、同協会主催の講演会(27年6月17日)での元空幕長・田母神俊雄氏の講演を掲載しています。

この日本国防協会は、会長が防衛大臣で理事長が元陸幕長、そのほかにも理事や種々の役員に幕僚長や防衛事務次官や外務次官経験者が名を連ねる団体ですが、その場にあの「田母神氏」が復活したようです。梅雨のころに既に・・・

講演の冒頭で「(27年)11月でグビになって7年目になるのですが、私は今なお防衛省から排除されたままなのです。防衛省のいろいろな式典やそうゆうものに、私にはまったく声がかからないのです」と愚痴って、「何とかしてもらえないものか」、「もうあきらめています」と達観している同氏ですが、なんとなく復活の兆しです

約1時間半の講演では相変わらずの「田母神節」炸裂で、最後に「今日は言いたいことをまったく言えないまま終わりました」で笑いを取る締めとなっています
あんまり近づくと敵を作りそうなので、普段は離れて見ている方ですが、年末年始ですから余興として「田母神節」の一部をご紹介します。

政治に買わされた「グローバルホーク」と「オスプレイ」
田母神俊雄2.jpg航空自衛隊はグローバルホークという丸2~3日も連続飛行偵察する無人偵察機を入れましたが、これはリアルタイムで情報を伝送できないタイプだそうです。
●なので、48時間空で取った情報を、地上に持って降りて解析する必要がある。そしてこの解析は米国企業しかできない。そこでまた米国に金をとられる

●防衛費が増えたからと言って、日本の防衛産業が大丈夫になるとは言えない。増えた以上に米国に持って行かれる。また当然、アメリカの会社が分析した情報の全てを、日本にそのまま渡すわけがないと考えるべきです。
●なぜこういうことになるか。現場の自衛隊が十分検討したうえで導入を決定したのではないのです。「グローバルホーク」と「オスプレイ」などは政治レベルで導入すると決めてしまうのです

戦闘機の細部も自由がきかない
USJAPAN.jpg戦闘機の機種選定もそうです。戦闘機の機種が先に決まり、そこから細部の交渉が始まるのです。導入するのはわかっていますから、米国は(日本の要望を)絶対飲まないです
●(米国が提示した)条件が悪いから戦闘機を入れることをやめる決心を日本ができるか、できないです

アメリカは日本の弱点を知っている。(予算は年度内に執行する必要があることを米国は知っており、)4月に変更の要求を出しても、なかなか返事が来ず、米国の言うことを聞くしかなくなる年度末の2月ごろに返事が返ってくる。日本の予算システムにも問題はあるが、こんな繰り返しなのです

安倍総理の「女性が輝く社会」に
田母神俊雄3.jpg●2020年までに3割を女性管理職にすると総理は言っているが、「殿、正気ですか」と私は言いたい
●もともと女性の社会進出(ウーマンリブ運動)は、(女性への)増税が目的で始まったのです。税率は上げられないから、税金を余計にとるため「女を働かせればよい」となったのがスタートです。

●能力も意欲もある女性に「働くな」と言いたいわけではなく、「女性を処遇するな」と言っているわけではないが、能力のあるなしに関わらず3割の管理職といったら、日本の社会を壊してしまうと思う
●女性というものは通常、愛する男性に守られた生きたいと思っているのではないかと、私は思うのです。男性に愛されている女性は、男と同じ待遇など求めないのではないかと、私は固く信じています

中国空軍の戦闘機パイロットの飛行時間
中国空軍の戦闘機パイロットの飛行時間、1年間にどれくらい飛ぶかで練度は決まります。中国は本当に飛んでませんから
●これは秘密らしいのです。だから捕まるといけませんから言いませんが、全然飛んでいませんから。あれで離陸着陸がやっとです。心配することはありません
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桜6.jpg理解しやすいように言い回しは変えていますが、中身はそのままです
真偽のほどはまんぐーすには分かりませんが、そのような講演をするであろうとある程度予測ができる「田母神氏」が、日本国防協会の「国防問題講演会」(毎月第2水曜日15時から)に講師として招聘されたことを「take note」しておきましょう

まぁ、「田母神氏」が言いたいのは、「日本を悪くしているのは自公連立政権」の公明党で、「自衛隊のやることをみんな邪魔をしているが、自衛官も公務員もそう言えないから(代わりに)憎まれ口をたたいている」ということ。

更に、「だから私は安倍政権の右側というか前というか、そこにしっかり柱を立てて、安倍総理もっとしっかりやってください、という政治家が集まった政党が必要だ」とも語っています。公明党への評価には同意です。

ご参考:「産経新聞論説委員の田母神論」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-13
桜4.jpg一番の問題は、本件を通じて保守が内部分裂を起こしたこと。あの事件の際、保守や自衛隊の人に、敵を間違えちゃいけない、敵は田母神さんではないといいましたが、非常に迷惑だという人もおり、結局保守が分裂する結果になった。
●保守系メディアは経営危機の中にあり、センセーショナリズムで書くメディアのみ受けがよい。いま田母神さんの周りにいるのは、センセーショナリズ保守メディアか立派でも直球しか投げない人達

我々は左翼から学ばなければいけない。テレビキャスターの口のうまさを見習わなければ。過激な左翼思想を持っているのに、テレビに出るとお利口になって、主婦や若い人達の間にスーと入ってしまう。我々は、もっと上品で、もっと人の耳に入りやすい心地よいスマートなやり方を学ばなければならない

日本国防協会webサイト
http://www.kokuboukyoukai.jp/ 
田母神俊雄氏の講演「これでいいのか日本」
http://www.kokuboukyoukai.jp/books-121tamogami.html

F-35「大本営」が2015年の成果発表 [亡国のF-35]

F-35 Bogdan.jpg21日付で米国防省F-35計画室が、Lockheed Martin社と共同声明の形で2015年の成果を1枚の紙でプレスリリースしています。
2015年に45機を予定通り製造し、これまでの製造した運用可能機数は154機となり、試験等の総飛行時間は45000時間を超えたとアピールしています

ロッキードのLorraine Martin担当責任者(来年交代予定)は「2015年製造予定の45機を生産し、昨年の36機から25%増産できたことは、ますます安定度と成熟度を増すF-35計画の現状を明示的に表現している」と順調振りを強調しました

一方で、お馴染みBogdan国防省F-35計画室長(空軍中将)は「2015年の製造を計画通り達成でき、今後予期している目覚ましい急増産に向けた準備が出来ていることを示す重要な一つのステップである」と表現しています

具体的に45機の内訳は
• 26 F-35A - 米空軍
• 2 F-35A - ノルウェー空軍の最初の2機
• 1 F-35A - イタリア空軍用の初号機
8 F-35B - 米海兵隊
8 F-35C - 米海軍と米海兵隊

持ち主とは別に45機の行き先は
• 17 - Luke空軍基地アリゾナ州(外国機も含む)作戦運用訓練を実施
• 8 - Beaufort海兵隊航空基地SC州
• 8 - Eglin空軍基地フロリダ州 操縦等基礎訓練を実施
• 5 - Hill空軍基地ユタ州 2016年8月以降にIOC宣言予定
• 7 - Nellis空軍基地ネバダ州 作戦運用試験と評価を実施
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F-35 fix.jpgBogdan室長の言葉を原文で引用すると
「Meeting aircraft production goals is a critical stepping stone in demonstrating the program is ready for the expected significant ramp-up」であり、「一つのステップ」や「予期される大増産」との表現に見られる「慎重さ」が特徴です。

成果は「紙1枚」ですが、懸念や心配事項を書き出したら「紙10枚」でも収まらないと思います。

「F-35の問題や課題一覧」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

戦闘機にだけ投資の大問題
「悲劇:F-3開発の動き」 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「脅威の本質を見極めよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08

タグ:F-35

米空軍に予算判断を迫るCRSレポート [米空軍]

CRS-report2.jpg17日付の米議会調査局CRSレポート(実質7ページ)が、老朽化が進み更新時期が重なる米空軍の各種航空機調達に関し、予算に伸びが期待出来ない中、何らかの削減や延期や予算振り回しや別枠確保をしなければ、現調達計画は破綻すると指摘し、いくつかの選択肢を提示しています

主要な作戦機近代化(更新)事業として「9つの事業」、つまりLRS-B, KC-46, F-35, C-130、各種無人機、JSTARS後継機、救難ヘリ、次期練習機T-X、大統領専用機後継を取り上げ、吟味の対象としています

「9つの事業」には規模の差があり、大きな事業に手を着ける対処案が提示されていますが、どれもそれなりの影響や実行可能性の問題を抱えており、「快刀乱麻」の案が提示されている訳ではありません
それでも、米空軍が抱える予算問題を理解する一助とはなりますので、ご参考までに紹介します

なお、CRSレポート現物は
http://www.fas.org/sgp/crs/weapons/R44305.pdf

18日付Defense-News記事によれば
CRS-Report.jpg強制削減の完全実施が2年間猶予された事で、若干の息抜きが出来るとは言え、米空軍が現在有している野心的な航空機更新計画は遂行が困難になろう。これらには空軍が優先事業として推進してきた、LRS-B、F-35及びKC-46Aも含まれる
●結論から言えば、米空軍が何らかの予算枠増を確保出来なければ、F-35の各年度調達機数の削減か、KC-Y(KC-46の次の空中給油機計画)の延期か、次期爆撃機LRS-B予算を別枠扱いにするかを迫られるだろう

LRS-B予算をどのように捻出するかは大きな論点である。現在は研究開発予算であるLRS-B予算は、今後5年間で3倍になる。救難ヘリや次期練習機やJSTARS後継機も、今後調達フェーズに入ることを考えれば、予算枠争いが生起するだろう
●次期爆撃機LRS-Bについては、米海軍がオハイオ級戦略原潜SSBN-X開発で認めさせた「National Sea-Based Deterrence Fund」のような、軍種予算とは別枠の予算(non-service budget)を確保する手段も考えられる。

●この戦略原潜別枠は、SSBN-X開発が戦略核抑止という国家事業で有り、海軍だけの負わせるべき任務では無いことや、米海軍の艦艇建造予算を確保する必要性から認められた経緯がある
●CRSレポートは、核任務も担うLRS-BにもSSBN-Xと同様のロジックが適応でき、「別枠」が確保できる可能性を指摘している。ただし、下院軍事委員会の小委員長であるフォーブス議員は、「戦略核抑止の7割を担うSSBN-Xは特別な存在で有り、通常戦任務も負うLRS-Bにも適応できるかは疑問がある」との見解を示している

予算の4割以上を占めるF-35について
F-35 3-type.jpg●F-35は、今後5年間の主要事業予算の「42%」をしめる大口事業で有り、削減対象となる可能性がある事業である
●ある分析では、米空軍用F-35の調達機数を年60機から48機に削減すれば、年間約1200億円を削減できて他に振り回すことができることになっているが、この削減によってF-35の製造単価にどのような影響を受け、他軍種や同盟国のコスト負担に繋がるかは考慮されていない

●F-35の全調達機数に関しては、マケイン上院議員(上院軍事委員長)が10月に「購入機数を削減せねばならない」「現在の計画は実現できない数だ」と発言している
●これに対し米空軍のカーライル戦闘コマンド司令官は、「調達機数について決定するのは早すぎる。将来を見据え、何をすべきかを吟味し、そして調達機数を議論すべきだろう。まだ初期運用態勢も確立していない機種の購入機数を議論するのは時期尚早だ」と答えている
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CRSレポートは、予算の増額、米空軍の作戦運用経費や維持整備費からに流用、研究開発予算の抑制先送りなどを対策に上げていますが、予算の内訳グラフから見る限り、F-35とLRS-Bに手を着けずに対策を打ち出すのは困難でしょう

最初に申し上げたように本レポートは、対策案にそれほどの意味は無く、予算計画の現状を把握し、その実現不可能ぶりを把握するためのレポートと捕らえるべきでしょう

CRSレポート現物(実質7ページ)は
http://www.fas.org/sgp/crs/weapons/R44305.pdf

5世代機と4世代機の融合検証演習 [亡国のF-35]

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Checkered Flag.jpg10日、フロリダ州のTyndall空軍基地で、第5世代機(F-22とF-35)と複数の第4世代機やAWACSやB-52爆撃機までを含む大規模戦力演習「Checkered Flag 16-1」が開始され、第5世代機の優れた能力を既存の作戦機と組み合わせる検証が行われている模様
です

演習開始を報じる米空軍web記事は、訓練に「Fighter Weapons部隊」が参加していることや、Tyndall基地の近傍に広がる広大なメキシコ湾上空の訓練空域を使用出来ることを示唆しており、また訓練参加者が参加機首が豊富で「amazing」と驚く様子も紹介しており、気合いの入りようが伺えます

16日付米空軍web記事によれば
●この1週間半に及ぶ「Checkered Flag 16-1」は、航空作戦能力を強化するため、F-22とF-35に、従来の空軍戦力を加えて大規模戦力として運用することを訓練するものである
●同演習の指揮官である同基地副司令官のKunkel大佐は、「米空軍は第5世代機と第4世代機の融合の初期段階にある。この融合をものにすることで次の段階に進み、戦闘で威力を発揮しなければならない」と意気込みを語った

Checkered Flag2.jpg●参加した機体は、F-22、F-35、F-15C、F-15E、F-16、T-38、無人標的機QF-16、B-52、E-3で、全米の空軍基地からそれぞれがはせ参じており、Kunkel大佐も「驚くべき光景だ。胸が熱くなる。今後の訓練で、これら機体を扱う仲間達と意見交換しながら戦力としての融合を目指す過程が楽しみだ」と語った
●「簡単に見えるかも知れないが、これだけの機首の同時運用は極めて複雑であり、長年の準備のたまものである。5世代と4世代機のコーディネイトが多く生起するだろうが、これまでの成果を確認出来るだろう」とも同大佐は語った

●参加する第5世代機F-22やF-35は、そのステルス性、先進アビオ、通信&センサー能力により、第4世代機の能力を増強してくれるし、参加した兵士達の視野を拡大してくれる
●また第83 Weapons Squadron飛行隊長は、まだ5世代機と触れる機会が少ない米軍兵士達に、その性能や戦い方を体感させることが何よりの訓練になると語っている

●また同隊長は「F-35がどれだけ他機の能力増強してくれるのか楽しみである。F-35が多くの他の航空機と協力するところを見たことがないので、F-35が何をもたらすか、どのように変化を与えてくれるかを確認するのが重要な点だ」と述べている
●Kunkel大佐も「本演習には多様な狙いがあるが、第5世代機を含む大規模戦力を運用するコンセプトを検証することがその一つであり、また世界に米空軍の戦闘力が比類なきものである事を示す狙いもある」と語った
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Checkered Flag3.jpg結構なことで御座います。現場部隊としては、持てる戦力の能力を最大限に発揮すべく、与えられた戦力を訓練して戴きたいと思います

しかし、空軍参謀本部レベルでは、この種の戦闘力が、例えば西太平洋で中国相手にどこまで使用可能かを考えて戴く必要がありましょう。また、中国がこの様な戦闘力で米軍の圧倒的優位を十分認識し、その上で弾道・巡航ミサイルやサイバーや電子戦や宇宙戦に持ち込もうとしていることも忘れないで欲しいものです

ついでに、日本にもそのことを教えてやって欲しいものです。米軍に言われると、有り難く耳に入れるのが自衛隊の将軍達ですので・・・

5世代機と4世代機の融合
「ACC司令官も重要性を強調」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-08
「ACC戦略2015」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-12
「戦闘機世代間のリンクが必要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-19-1

SpaceXがロケット1段目逆噴射回収に成功 [安全保障全般]

これはすごい!
技術はSFの世界で、その執念は熱血青春漫画の様です!

reusable Falcon 93.jpg21日、Elon Musk氏が率いるSpaceX社が、同社のFalcon 9ロケットで商用通信衛星の打ち上げを行い、更に打ち上げたロケットの1段目を逆噴射で着陸させ回収する事に成功しました

同社は今年6月、同様の実験を行いましたが、ロケットが斜めに傾いて着陸に失敗しており、教訓を踏まえた改修後の再チャレンジで偉業を成し遂げました

この模様は多数の動画で紹介されていますが、短くて雰囲気の伝わるものを併せてご紹介します。でも本当にすごいです!

23日付米空軍協会web記事によれば
reuseable Falcon 93.jpg●21日夜8時29分に打ち上げられたFalcon 9ロケットは、商用の通信衛星(ORBCOMM's OG2)の分離に成功後、打ち上げから約10分後に、再利用可能な1段目のロケットの着陸にも史上初めて成功した

再利用可能な1段目ロケットの成功は、ロケット打ち上げコストの削減につながり、同社が既に成功させた国際宇宙ステーションへの貨物輸送だけでなく、次に狙っている米空軍装備の打ち上げ参入にもつながるものと期待されている
●なお米空軍は本年5月、同社のFalcon 9ロケットに安全保障衛星等の打ち上げ承認を与えている。

流れの説明と管制センターの喜びの風景


上空から撮影した着陸の様子


支援した米空軍宇宙コマンドは
reuseable Falcon 92.jpg●Falcon 9の打ち上げと着陸回収が行われたフロリダ州ケープカナベラルの東発射場での発射は、米空軍宇宙コマンドの第45宇宙航空団が管理しており、打ち上げに伴う指揮通信やテレメトリ送受信、レーダーやカメラ観測、気象情報支援等々を行っている
●なお低高度軌道(LEO)に投入されたORBCOMM社のOG2通信衛星は、世界中の僻地との通信を高い信頼性で確保するためのもので、同タイプの2個目の衛星であった

●史上初のロケットの逆噴射着陸成功に興奮を隠せない同航空団のWayne Monteith准将は、「今日の出来事は、東発射場の成功の歴史に新たな感嘆符を加える歴史的なイベントとなった」、「1段目ロケットの着陸回収という、偉業をなしえたチームの興奮と喜びを表現する言葉を思いつかない」と語った
●また同准将は「この革新的技術を成功に導いたメンバーの、一日も無駄にしなかったハードワークを、声を大にして紹介したい」と述べた
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Elon Musk氏が率いるSpaceX社は、この他にも、Falcon 9ロケットの1段目を3本くっつけた大型ロケット「Falcon Heaby」の打ち上げも来年計画しており、成功すれば「Delta 4」を上回る打ち上げ能力を獲得できるようです
今後もSpaceX社に注目です!

電気自動車メーカー「テスラCEO」としてのElon Musk氏
なお、Elon Musk氏はEV(電気自動車)メーカーのテスラ社のCEOでもあります。

Elon Musk modelX.jpg最近話題は、独VWが排ガス規制逃れに違法ソフトを車に搭載していた件で、米国内でリコールや罰金を課す方向にある中、代わりにEVもしくはFCV(燃料電池車)の工場を米国内に作らせ、不正により余分に排出された排気ガスをオフセットさせろ、と主張をしている点です

「今後の世界の潮流の中でEVは大きな存在となり、EV用の電池需要が伸びる。VWは州内に大規模な電池工場も建設すべき」との要望書を公開し、ゼロエミッション社会の実現推進にも取り組んでいます
なおテスラ社は、2014年6月に同社の持つEV関連のすべてのパテントを公開し、大企業の参入を促進するという驚きの動きで世界をあっと言わせたところです

SpaceXと軍事衛星打ち上げ問題
「混迷の米衛星打ち上げ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-24
「10年ぶり米軍事衛星打上げに競争導入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-03
「軍事衛星打上げにSpaceX参入承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-27

12年振り米戦略原潜が海外寄港再開 [Joint・統合参謀本部]

SSBN.jpg22日付米海軍協会web記事がAPの報道等を引用し、米海軍の戦略ミサイル原潜(SSBN)がスコットランドに寄港したことが確認され、12年ぶりに戦略原潜による海外寄港が再開されたと紹介しています

「911同時多発テロ」を発端とする治安や警備への不安から、2003年を最後にSLBM(潜水艦発射核弾道ミサイル)搭載の原子力潜水艦は海外寄港を中断しており、それ以来の再開だと。

再開の理由は何とわかりやすく、潜水艦乗組員の士気高揚だとか。最近のISIS関連のテロで再度中断にならないことをお祈り申し上げます

22日付米海軍協会web記事によれば
SSBN2.jpg●21日付のAP報道によれば、最近米海軍の戦略原潜USS Wyoming (SSBN-742)がスコットランドのFaslane港に寄港した。この海外寄港は、2003年に警備上の懸念から中断されて以来初の寄港となり、今後「不定期に」海外寄港が再開される
●米海軍の潜水艦でも、核兵器を搭載しない攻撃型原潜(SNN)は、フィリピン、Diego Garcia、韓国等に海外寄港してきたが、戦略核ミサイル原潜は滅多に浮上せず、米海軍基地のみに寄港していた

米海軍の潜水艦隊司令官を本年9月まで3年間勤めてきたMichael Connor退役海軍中将によれば、海外寄港の再開は、戦略原潜のプレゼンスを示す機会であると同時に、他の海軍兵士が体験できる海外経験や海外との交流のチャンスを戦略原潜乗員に提供する重要なものである

SSBN3.jpg●Connor前潜水艦隊司令官は、「戦略原潜の水中警戒待機(パトロール)任務の度に必ず与えられる機会ではないにしろ、海外寄港のチャンスがあると言うことは乗員にとって大きな魅力だ」と解説し、
●「私には判る。これは大きな士気高揚につながる。海外寄港は海軍兵士に志願する動機の大きな部分だ。海外に上陸する資格を得るため、乗員は複雑な任務をこなす知識や技能の維持向上に努力するのだ」とも語った

米潜水艦隊の報道官Tommy Crosby中佐はAPに対し、米海軍は2003年、貴重な核抑止3本柱を担う戦略原潜をリスクを負わせられないと考え海外寄港を中止したと語り、またそれ以前にも、戦略原潜の隻数が18隻から14隻に削減されたことで、寄港にチャンスは減少していたと語っている
スコットランドが再開後初の寄港先になった理由を問われた同報道官は、「米英間の協力関係と相互運用性を強化し、米潜水艦隊の能力と柔軟性と同盟国へのコミットメントを示すためだ」と答えた
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SSBN4.jpg米海軍の戦略原潜が削減されたのは、米露の戦略兵器削減交渉により核弾頭が削減されたことが理由でしょう。
そういえばスコットランドが英国からの独立を企てた際、英海軍の戦略原潜の基地がスコットランドのみにあり、代替基地確保が事実上不可能で大きな話題になったことを思い出しました

米戦略原潜は2010年に女性兵士を受け入れを始め、バージニア級攻撃原潜も2015年1月から受け入れているはずですが、引き続き人材確保や士気維持に苦労しているのでしょう。
でも、ISISによるテロが世界で頻発する中、このタイミングでの海外寄港再開は勇気のいる決断だと思います。非核3原則の日本に寄港する事は困難でしょうが、是非見てみたいものです。

SSBN5.jpgところで、日本でも海上自衛隊は人材確保に苦労しています。少子化や景気回復で一般企業の採用意欲が高まっているからですが、貴重な自衛隊志願者を「無駄に定員が大きい」陸上自衛隊が吸い取っていることの影響も甚大です

陸自の定員削減は喫緊の課題です! 弾薬予算の削減に歩調を合わせ、定員も削減したらどう!

潜水艦への女性の乗艦
「攻撃型原潜にも女性が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-20 
「大統領が24名の潜水艦女性を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-30-1
「女性24名が潜水艦へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-22

年末年始に長期休暇の陸自を許すな
「ブラックホール陸上自衛隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-23
「陸自の組織防衛を許すな!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-17
「読売も社説:陸自削減を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-21
「国防より組織防衛」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-16

「CSBA便乗の陸自OB論文」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
「吉富論文と同列の中澤論文」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-10

米空軍が今年もやりますサンタ大追跡! [ちょっとお得な話]

米空軍とボランティアと企業群が今年もサンタを大追跡!
http://www.noradsanta.org/

日本時間24日午時6時30分頃、サンタが北極のお家を出発!
午後9時20分頃、日付変更線に沿ってフィジー諸島を訪問中です
午時10時30分頃、豪州大陸にサンタさんは上陸したようです!
サンタさんの様子を米空軍が総力を挙げて追跡開始


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SantaVillage.jpg既に50年以上の歴史を持つ行事ですが、ユーモアを解する世界の人々に8カ国語(日本、中国、オランダ、スペイン、伊、英米、仏、ポルトガル)で提供されており、厳しい予算の中でも頑張ってくれています。

皆さん!お子さんのいらっしゃる方はもちろん、意中の方とご一緒の方も、はたまた西洋のしきたりを無視する方も、遊び心で一度サイト(記事の冒頭にアドレス記載)を覗いてみては如何ですか。

昨年2014年のハイライトをご紹介
まず、サンタ村を出発した際の映像です!


ロンドンの時計台と大観覧車上空も通過!


エジプトのピラミッド上空も!



サンタ追跡の歴史と最新技術(?)映像で!

サンタ大追跡の歴史と最新技術?・・


なぜ米空軍NORADがサンタを追跡するのか?
NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)とその前身である CONAD(中央防衛航空軍基地)は、50 年以上にわたりサンタの飛行を追跡してきました。

NORADsanta.jpgNORADshaup.jpgこの恒例行事は、1955 年にコロラド州に拠点を置くシアーズ ローバック社が、子供向けに「サンタへの直通電話」を開設した際に、なんと誤って CONAD司令長官への直通電話番号を掲載したポスターを全国に掲示した事に始まりました。

子供たちからの間違い電話を受けた当時の司令官シャウプ大佐(写真)が、ユーモアでサンタの行動を部下に米空軍のレーダーで確認させる振りをして、電話を掛けてきた子供たちにサンタの現在地の最新情報を随時伝えたことに始まりました。

1958 年、カナダと米国の両政府は「NORAD」として知られる両国が共同運営する北米防空組織を創設しましたが、NORADもサンタの追跡という伝統も引き継いだというわけです。

それ以来、NORAD の職員とその家族や友人の献身的なボランティアによって、世界中の子供たちからの電話やメールへの対応が続けられています。また、現在ではサンタの追跡にインターネットも利用しています。サンタの現在地を調べようと「NORAD Tracks Santa」ウェブサイトアクセスする人の数は、何百万人にものぼります。

そして今では、世界中のメディアもサンタの飛行経路に関する信頼できる情報源として、NORAD の情報を採用しているそうです。
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どのようにサンタを追跡?
NORAD・Santaサイト情報。ジョークにご注意を。)

●NORAD は、レーダー、人工衛星、サンタ カメラ、ジェット戦闘機の 4 つの最新鋭システムでサンタを追跡します。

santa.jpgまず使用するのは、「北米警戒システム」と呼ばれる NORAD のレーダー システムです。この強力なレーダー システムは、北米の北部国境に張り巡らされた 47 の施設で構成されています。NORAD はクリスマス イブにこのレーダーを絶えず監視して、サンタクロースが北極を出発する瞬間をキャッチします。

●サンタが飛び立ったのをレーダーで確認したら、次の検知システムの出番です。地球の上空約 36,000 km の静止軌道上には、赤外線センサーが搭載され熱を感知することのできる人工衛星が複数配置されています。なんと、赤鼻のトナカイ「ルドルフ」の鼻からは赤外線信号が放出されているため、NORAD の人工衛星はルドルフとサンタの位置を検知できるのです。

3 番目の追跡システムは「サンタ カメラ」ネットワークです。「サンタ追跡プログラム」をインターネット上で展開し始めた 1998 年から使用しています。サンタ カメラは超クールなハイテクの高速デジタル カメラで、世界中にあらかじめ設置されています。NORAD では、これらのカメラをクリスマス イブの 1 日だけ使用します。これで世界中を飛び回るサンタとトナカイの画像と動画を捉えます。

santa-coat.jpg●追跡システムの 4 番手はジェット戦闘機です。CF-18 戦闘機を操縦するカナダ NORAD のパイロットがサンタに接近し、北米へと迎え入れます。米国内では、F-15 や F-16 戦闘機を操縦する米国 NORAD のパイロットが、サンタとその有名なトナカイたち(ダッシャー、ダンサー、プランサー、ヴィクゼン、コメット、キューピッド、ドナー、ブリッチェン、そしてもちろん、ルドルフ)とのスリル満点の共同飛行を実現します。
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サンタに関する米空軍の公式解説

サンタ行動の科学的分析
●サンタは良い子にしていた子供達の長いリストを持っています。毎年子供たちのリストは増え続けています。結果としてサンタは、1 軒あたり 0.0002~0.0003 秒の速さで各家庭を回らなければいけないということになります!
サンタクロースが1600 歳以上だという事実を考えても、また、サンタは子供たちにプレゼントを届ける大切な仕事を慌ててしようとは思わない点からしても、彼が私達の知る「時空間」で作業しているわけではないことが想像できます。
●そう考えると、私達とは異なる時空間で活動しているらしいと考えるのが唯一合理的な結論となります。

サンタの存在と移動手段について
santa-book.jpg多くの歴史的データと 50 年以上に渡る NORAD の追跡資料から導き出される結論は、サンタクロースが世界中の子供達に心の中に実在し心から愛されているということです
●ライト兄弟による最初の飛行機より以前から、サンタは猛スピードで家から家へと飛び回る方法を見つけなければなりませんでした。サンタ・カメラの画像からサンタは素早く移動するために空飛ぶトナカイの群れを選択したことが分かっています。

●このトナカイたちの詳細はまだまだ不明ですが、分かっていることは、サンタが世界中にプレゼントを届けるという任務の手伝いをトナカイ達に要請したということです。その他の詳細は、素敵な謎のベールに包まれています。

イブの24日午後4時頃からサンタが北極で活動開始!
本年も気楽に楽しみましょう!

NORADのサンタ大追跡webサイト
http://www.noradsanta.org/

4年ぶり台湾への米国武器売却を分析 [中国要人・軍事]

Taiwan1.jpg16日、米国は4年ぶりに台湾への約2200億円の武器売却を発表し中古のフリゲート艦や対戦車ミサイルや水陸両用車両が話題になり、お約束の中国側の反発(輸出に関与した米企業への制裁等)が報じられています

4年ぶりなので話題にもなりますが、2010年と2011年の同様の武器売却の総額が約1兆6000億円であったことと比較すれば「ささやかな規模」で、2011年時に含まれていたJDAMの様な目玉には欠けます
また、以前論点だったF-16C/D売却のような案件(F-16A/B型の改修で落着)はなく、2001年から放置プレーが続く8隻の潜水艦売却にも進展が無い状況のままです

来年1月には台湾総統選と議会選挙があり、政治的にも微妙なタイミングですが、とりあえずは今回の武器売却の中身を吟味したいと思います

18日付米海軍協会web記事によれば
Taiwan4.jpg●台湾の軍備増強につながるものは、米海軍で退役となったフリゲート艦2隻(Oliver Hazard Perry級)や対戦車ミサイル(BGM-71 TOW 2B)、水陸両用強襲車両(AAV-7を36両)、地対空ミサイル(携帯式Stinger)程度である
●損耗を補完するアパッチヘリや多用途艦載ヘリMH-60Rはリストに無く、落胆した関係者は少なくない

●ただ例えば、水陸両用強襲車両(AAV-7)は台湾海兵隊が求めていた装備で、台湾海峡での作戦や首都台北近傍の河川を想定した作戦にも有効であり、台湾軍の対処能力を向上させるものである
●また注目は集めていないが、10隻のフリゲート艦艇用のデータリンク(Link 11/Link 16)売却は、台湾製のデータリンクや台湾軍指揮統制システムとと共に、台湾3軍や早期警戒システム等の兵器システムの融合や連接を推進する
●更に無料提供される台湾軍と米太平洋軍との「bilateral communications network」は極めて重要で、米台軍事関係の強さを示すものである

潜水艦や戦闘機は過去の話題?
Taiwan3.jpg2010年や2011年時には、PAC-3売却が成立し、老朽化する台湾F-16A/B型の後継が話題になったが、台湾が求めたF-16C/D売却ではなく、F-16A/B型改修に終わっており、これ以上の話が出ることは考えにくい
ブッシュ大統領が2001年に約束した通常型潜水艦8隻の売却は、米国に通常型建造ラインが無く、他国も中国を恐れて売却しないことから頓挫している。業を煮やした台湾は昨年、自国開発方針を打ち出した。現時点では明確になっていないが、米国企業等は何らかの支援を求められる可能性がある

定義が不明確な防御兵器提供
Taiwan-China2.jpg2011年に米国が、台湾関係法の枠内との整理でF-16改修にあわせJDAM提供を決定したように、防御的兵器の定義は曖昧な部分がある(しかし今回の売却装備にはJDAMほどのインパクトの兵器は無い)
台湾軍需産業は「防御兵器しばり」を補完するため、対艦ミサイル(Hsiung Feng IIや超音速Hsiung Feng III)や対地巡航ミサイル(Hsiung Feng IIE)、ARM(Tien Chien IIA)やスタンドオフ兵器(Wan Chien)の独自開発に取り組んでいる

米国は、台湾のミサイル開発をいつも同情的に見てきた訳では無いが、台湾が非対称な防御能力強化に取り組む事を、陰ながら小声で応援するようになったと見て良いだろう。
●4年ぶりの今回の売却は様々に評価されているが、次の指標となるのは、毎年ベースで行われる定時の武器売却の中身となろう
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来年1月の台湾総統選と議会選挙では、「独立」や「統一」ではなく、「現状維持」の政策をとる野党「民進党」が総統選挙の世論調査でダブルスコアの優位を保っており、議会選挙でも現在過半数を占める国民党に迫る勢いを見せています

Taiwan2.jpg無理に政治レベルと絡めることには無理がありますが、米国にとっては、「台湾を忘れていないよシグナル」と「今はそっとしておいた方が得策」との思いのバランスに配慮した売却リストではないでしょうか。
米国の大統領選挙とか、2017年度予算審議とか、色々考えればきりがありませんが・・・

「台湾の非対称な防御能力強化」はポイントです。日本としても、自分のこととして考えなければなりません!

台湾国防政策を考える
「台湾劣勢戦略に学べ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25
「CSBAが提言:台湾軍事戦略」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27
「10分野で米中軍比較」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-18
「親中の国民党が大敗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-09

最近の台湾軍事の話題
「イメージ映像中国軍島嶼占領」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
「台湾軍事見本市で見えた」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-10
「台湾が国産潜水艦を目指す」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-17

「台湾の防空ミサイル投資」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-01
「中国空母対処の台湾演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-26-1
「台湾F-16能力向上問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-09

「台湾の巨大な中国監視レーダー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-28
「潜水艦用のハプーン受領」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-08-1
「台湾が兵士2割削減へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-22

岡崎研究所の台湾記事(2015年12月)
同床異夢の中台→http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5760?page=1
中台首脳会談の解釈→http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5692

米海軍と予算バトル:国防長官がLCS削減と航空機増を指示 [カーター国防長官]

Reagan.jpg14日、カーター国防長官が米海軍の2017年度予算要求案に対し変更指示を発出し沿岸戦闘艦LCSの調達総量や調達ペース削減を命じる一方で、F-35やFA-18や艦対空ミサイルSM-6の追加調達、更に攻撃原潜の能力向上開発の推進等を指示しています

大統領選挙を来年に控え、ホワイトハウスの意向や議会勢力も絡んで、今後様々な形での紆余曲折が予想される2017年度予算(2016年10月以降の予算)ですが、ドロドロ予算争いの現場の「実況中継」を16日付Defense-News記事を参考に試みます

まぁ、沿岸戦闘艦LCSに関しては、能力不足だから装備を強化しろと言われたり、金が無いから削減しろと言われたり、でも総艦艇数増強の目標を維持すると言われたり・・担当者の苦労が忍ばれます

16日付Defense-News記事によれば
LCSIndep2.JPG●14日付のカーター長官から海軍長官当ての文書は、沿岸戦闘艦LCSの調達総数を52隻から40隻に削減し、更に毎年3隻ペースの調達計画を、2017年度予算から5年間は「1-1-1-1-2」に削減するよう求めている
●削減対象となったLCSは、2014年に当時のヘーゲル長官が、戦闘能力や防御能力不足を理由に強化を命じたLCSである。異例の2タイプ同時建造となっているLCSだが、2年前にも国防省と米海軍で削減を巡る激論があったが、この際は能力向上を図ることでヘーゲル長官が妥協した経緯がある

●カーター長官は文書で、LCS削減の代わりに、F-35購入数増、FA-18の追加継続購入、4世代機の改修、E-2DやMQ-4追加購入、電子戦機材の改修、P-8改修、空対空ミサイルの購入、艦対空ミサイルSM-6追加購入、バージニア級攻撃原潜の能力向上研究開発(VPM)等々に予算を振り向けるよう指示している
●なおLCSにはLockheed Martin製の「3,300-ton Freedom級」とAustal USA製の「2,800-ton Independence級」があり、現在6隻が就航、14隻が建造段階で、別の6隻が契約段階にある

現在の米海軍保有艦艇数は272隻で、「WW1以降最低」と米海軍が訴えており、2020年代には308隻態勢に増強することが計画されているが、増強計画の中核となるLCS削減の影響を海軍は懸念し反対している
●米海軍は、航空機の製造数変更は比較的容易だが、艦艇建造数削減は建造インフラへの影響が大きく、将来20年間に影響を与えることになると国防省に警告しているようである

LCS-Cut.jpg●同文書には記載は無いが、大型ステルス艦DDG 1000の3隻目建造を中止することも国防省内では検討されている模様
●また、国防省も米海軍も要求していないが、ホワイトハウスはオハイオ級戦略原潜の後継検討に2500億円以上を追加する動きを見せており、艦艇建造予算を圧迫すると見られるが、どこから財源を工面するのか不明である

航空機調達増に関する部分
●国防長官の文書は、対IS作戦需要を踏まえて2018年でのFA-18追加購入を指示しているが、2014年でFA-18調達を終了する計画だった米海軍は、現時点で2017年度のFA-18購入予算を計上していない
●FA-18製造のボーイングは、12月16日に2016年度予算で12機の追加が議会で承認された事を喜んでいるが2017年はFMS契約成立を待ち望んでいる
クウェートが少なくとも28機の購入希望を持っているが、湾岸諸国へのFMS手続きが停滞しており、その動向をボーイングは注視している

LCS削減案を巡る政治家の動向
LCS-2ship3.jpg●LCSの開発経緯やその能力を批判してきたマケイン上院議員は、国防省内の検討段階で有り、メディア報道に現時点で言及は避けたいとしながらも、国防省が戦略的に戦力構成を考えての動きである事を希望すると語った
●下院軍事委員会メンバーでJackie Speier民主党議員は、カーター国防長官の選択を高く評価し、その構想自体に疑問が生じていたLCS計画を正す判断だと歓迎した

●一方で「Independence級」の造船所を持つアラバマ州選出の共和党Bradley Byrne下院議員は、「米海軍が世界中で危機に対処して居る中で、無能で弱いオバマ政権が我が戦力弱体化の判断を下した。間違ってはならない。米国のための警告の鐘が鳴り響いているのに」と訴えた

14日付のカーター国防長官指示文書
http://ec.militarytimes.com/static/pdfs/OSD-Carter-memo-to-Mabus-151214-cut-LCS.pdf
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今後クリスマス休暇を挟み、年明けから本格化する「2017年度予算バトル」の一端をご紹介しました。

記事はある国防省関係者のコメントを引用し、「正しい答えも間違った答えも無い。我々は不幸な環境に置かれているのだ。艦艇数も増強しなければいけないし、他の分野での戦闘能力向上も図らねばならないのだ」と表現しています
work12.jpg
まんぐーすは、カーター国防長官とWork副長官コンビを決断を尊重したいと思います。様々なしがらみがある中で、懸命にあるべき方向を目指す姿勢を感じるからです

まぁ、2種類のLCS候補を競わせて機種選定を行い、両方採用にした時点で道を誤ったとも言えますし・・・。海上自衛隊の方のご意見も伺いたいと思います

沿岸戦闘艦LCS関連の記事
「LCS調達隻数を巡る激論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-20
「LCS批判に反論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-23
「F-35化する沿岸戦闘艦LCS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-09

「星国防相がLCS配備検討を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-10
「LCS機種選定泥沼」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-24
「次世代の米艦艇LCS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-31

ついに米空軍が下士官に無人機操縦を [米空軍]

RQ-4 Misawa2.jpg17日、米空軍はISR無人機RQ-4グローバルホークの操縦者に「下士官」を採用すると発表し、今後細部の受け入れ要領を半年検討すると明らかにしました。

現時点で下士官を受け入れるのは、あくまでもISR任務のみを実施するRQ-4で、ミサイルや爆弾を搭載可能なMQ-1やMQ-9操縦者は対象外です

James米空軍長官等の空軍幹部は、下士官に士官と同様の仕事をさせるのは、宇宙任務のクルーに最近下士官受け入れてたのと同じで、慎重にやれば需要が拡大し続ける無人機運用を支える事が出来ると論理展開しています

17日付米空軍web記事によれば
RQ-4 Misawa.jpg●James空軍長官は「米空軍の下士官は世界一であり、彼らが同任務を遂行でき、しかもうまくやり遂げるだろうと確信している」と述べ、「前線指揮官からの無人機需要が急増する中、無人機運用組織は極めて重要であり、将来の任務環境に適応するための正しい判断である」と説明した
●空軍長官とWelsh空軍参謀総長は米空軍戦闘コマンド司令官に対し、6ヶ月間で下士官受け入れに必要な諸計画、つまり対象要員の選抜基準、訓練計画、下士官操縦者の経歴管理計画、職務規定、諸手当、士官と下士官の任務分担と人員比率等々について検討するよう命じた

●またJames長官は、「宇宙任務に下士官を受け入れ、士官と融合させたように、我々は慎重にグローバルホークによるISR任務に下士官を取り込んでいく」と説明した
●宇宙分野では、衛星運用分野に下士官を受入る際、新たな責務に下士官が適応できるよう段階的に取り組み、受け入れ部隊が体制を整え、余力の出来た士官が新たな需要の分野に移行することが出来た
●結果として、(士官に)リーダーシップを発揮する機会を増やし、宇宙作戦を安定させ、ますます複雑で厳しい宇宙環境への備えを強化できた

RQ-4 Misawa3.jpg●Welsh空軍参謀総長も、「将来のISR需要に備えた対処であり、宇宙分野で士官と下士官の双方に自己啓発の道を開いて宇宙任務を導いた施策を、RQ-4任務にも適応可能と考える」と述べ、
●「RQ-4は最も安定したISR任務で、新たな能力を受け入れて将来環境に備えるに相応しい場である」、「現在のRQ-4士官操縦者には最小限の影響で済むように配慮する」と説明した

●下士官操縦者の機種拡大に関しては、「経験豊富な士官の監督下でRQ-4下士官操縦者が任務に取り組む過程で、同様のアプローチが他のシステムで可能かどうかを学ぶことになるだろう」、「現時点で対象機種拡大を語るのは時期尚早だ」と述べた
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なお12月6日の週に米空軍は無人機操縦者の勤務地を増加させ(辺鄙な田舎だけでなく生活や勉強に便利な基地も)、操縦者も3000名規模に増やすことを柱にした、無人運用組織の士気高揚策を発表しています

航空機操作の技術は、「持って生まれた才能」や「動物的な感」がものを言う世界で、士官であろうが下士官であろうが関係なく、適正のある人間がやればよいと思いますが、相手を殺傷する任務を負う無人機への配置は慎重に考えるのでしょう

RQ-4 Misawa4.jpgでも操縦という「士官であるパイロットの聖域」に、下士官を入れる判断はパイロット族にとっては大きな判断なのでしょう。高々度をゆったり飛んでISR活動するだけだから・・・と組織内に説明しながら、需要が急増しているからと言い訳しながら、「アリの一穴」を許したのでしょう

でも、責任を負えて、判断力が備わった士官でないと有人機は操縦させない・・と言われると、なんとなく自らの領域を守りたいとの操縦者族の職域防御本能の臭いを感じてしまいます。

地上部隊の新兵だって、銃を持って、弾を撃つわけですから。
空中での状況は当該パイロットにしか判らず、士官操縦者でないと現場の判断は出来ない・・と言われても、複雑な地上任務でも一緒でしょ・・と言いたくなります

無人機操縦者の問題関連
「問題点と処遇改善の方向性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-11
「空軍長官が現状を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-17
「無人機操縦者の離職止まず」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-31

「無人機操縦者手当を2倍以上に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-17
「無人機は事故率6倍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-21-1

来年4月からF-35が米国内巡回ショー参加 [米空軍]

F-22RafaleTyhoon2.jpg9日付米空軍web発表によれば、来年「エアパワー75周年」を記念して全米で実施される「Air Force Heritage Flight」にF-35が参加することになり、米空軍の主要作戦機や米航空戦力を支えた往年の作戦機と共に、全国を回るようです

この「Heritage Flight」は、米国民にF-35をお披露目してその性能を紹介し、併せてこれまで米国の安全保障を支えてきた(現在支えている)米軍エアパワーを構成する歴史上のアセットを紹介する事を目的とする企画です

来年4月2日と3日にアリゾナ州Luke空軍基地(F-35が124機配備される予定の操縦者養成基地)25周年記念航空ショーを振り出しに開始されるようです

14日付米空軍協会web記事によれば
p-38-lightning.jpg●米空軍戦闘コマンドACCからは、A-10、F-16、F-22が参加することが既に決定しており、WW2や朝鮮戦争やベトナム戦争を支えたA-1 Skyraider、P-51 Mustang、 P-47 Thunderbolt、F-86 Sabreと共に編隊を組んで飛行する事も計画されている
●「Heritage Flight」に参加するF-35は、Luke基地の第56戦闘航空団から参加する事になっており、往年の初代「Lightning」であるP-38と編隊を組んで飛行する模様である

米空軍web記事はこの行事を
●第56戦闘航空団のScott Pleus司令官は、「皆さんにF-35の飛行を直に見て頂き、その素晴らしい能力を確認して頂く重要な機会であり、米国とその同盟国にいかなる力を与えうるかを示すチャンスでもある」と語った
●また「我々は既に数千回のF-35フライトを行っており、その性能を皆さんに披露することが出来ることを誇りに思う」とも語った

F-35 fix.jpg●「Heritage Flight」に参加する関係者は、アリゾナのDavis Monthan空軍基地での会議に集まり、2016年シーズンの航空ショー打ち合わせを行い、異機種での編隊飛行も訓練する。
●4月のエアショーでF-35を操縦するWilliam Andreotta少佐は、「国民の皆さんの前で、現在、過去、そして未来のエアパワーに敬意を表することが出来ることを誇りに思い、Heritage Flightの一員として参加することに興奮している」と語っている

冒頭の写真は12月に米英仏の3空軍最新戦闘機(F-22、Tyhoon、Rafale)が演習した際の記念撮影です
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空軍への国民の支援を呼びかける「Heritage Flight」のような航空機を前面に押し出した催しは、日本でも「ブルーインパルス」のような形で行われるのでしょう。

しかし・・・世界の空軍首脳が航空ショーに依存する姿勢には、「哀れ」を感じざるを得ません。中国やロシアが提示するハイブリッドな脅威は、もうそんな単純な航空戦力では対処できない方向に向かっているのに・・・

Rethinking Seminar.jpg退場した前空幕長・斉藤なにがしは、何ら本質に関係なく、時代の受けだけを狙った「女性への戦闘機操縦者開放」を独りよがりの自己実現に活用しましたが、「昔懐かしい」過去のエアパワーへのしがみつきが、本当に国益に叶ったものなのか、有識者の皆さんや少佐以上の自衛隊の皆さんにはよく考えて頂く必要があります。

また前空幕長・斉藤なにがしは、退場間近の記者会見で、次期戦闘機に必要なものを問われ、その稚拙な情勢認識を暴露し「スラストベクター」とか語って防衛省記者会の嘲笑を集めていたようですが、最後の期間の「老害ぶり」と「裸の王様ぶり」は、今後数年、空自を思考停滞や無駄作業に向かわせるのは確実です

同時に、景気回復と少子化の時代に自衛隊志願者が激減する中、募集最前線に「ひまな」陸上自衛官を大量派遣し、海空に比してアンバランスに意味なく巨大な定員を死守する陸上自衛隊を「国賊」&「詐欺師」と言わずに何と表現できましょう??? 

また、陸上自衛隊を阻止するはずの政治を担うのが陸自出身の中谷防衛大臣や佐藤正久議員程度であることが、日本の悲劇です

日本の戦闘機にまつわる悲劇2つ
「悲劇:日本でF-35組立開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「悲劇:F-3開発の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18

関連の記事
「CSBA便乗の陸自OB論文」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
「吉富論文と同列の中澤論文」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-10
「森本元大臣の防衛構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-05

「ブラックホール陸上自衛隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-23
「陸自の組織防衛を許すな!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-17
「読売も社説:陸自削減を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-21
「国防より組織防衛」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-16

Dunford統参議長が参謀本部の削減を検討中 [Joint・統合参謀本部]

Dunford-CNAS.jpg14日、Dunford統合参謀本部議長がCNAS主催のフォーラム(Work副長官も講演)で講演し、現下の情勢認識を語ると共に、統合参謀本部の組織スリム化や任務見直しに関する検討について語りました。本日は、統合参謀本部の組織や任務再検討に関する部分についてご紹介します

背景には、上院軍事委員会のマケイン議員等が、国防長官や統参議長や主要コマンドの任務を規定した1986年制定の「Goldwater-Nichols法」の見直しを検討しており、複数の関係者から意見を聞いている事があるようで、自主的に「出来ることはやっておく」姿勢を示しているのでは・・・との見方もメディアにはあるようです

15日付Defense-News記事によれば
Dunford-CNAS2.jpg●CNASで講演したDunford統参議長は、地域コマンドの編制や構成も含めた統合参謀本部の組織について、オープンな姿勢で多様な意見に耳を傾けていると語った
●様々な意見の中にはもっともだと考えさせられる意見もあり、様々な経緯で現在の形になった統合組織が、いつの間にか時間の経過と共に現実と乖離し始めている部分もあるのかも知れないと、同議長は表現した

●例としてDunford大将は、統合参謀本部が給与に関する提言を行っていることを取り上げ、特に要求が無い限りその様な業務は外し、本来の中核的業務であるはずの軍事戦略や態勢維持に焦点を絞る方が良いとの考えを示唆した

●そして具体的に、種々の意見を参考にしつつ正しい選択をし、業務の削減(組織の削減?)は来年前半(sometime after the first of the year)に行いたい。そして関係者には、君はよく働いているし、これは君の仕事ぶりの問題ではない、我々がその業務をなくそうとしているのだ、と説明したいと語った
●一方でDunford議長は、スタッフ組織が増殖しすぎたとの一般的な指摘を否定し、大佐時代の部下の規模だと個々のスタッフを良く掌握でき、迅速に効率的に意思疎通が出来たと語った

米国防省web記事は同講演について
Maj-Command.jpg●将来の如何なる紛争も、現在の傾向からすれば「transregional」「multidomain」「multifunctional」になるだろう。北朝鮮など典型的で、以前は朝鮮半島内に収まると考えられて居た事態が、北朝鮮による弾道ミサイル開発で日本のような地域アクターも影響を受けるようになっている
●しかし、現在の国防省や統合参謀本部の計画枠組み、組織攻勢、指揮統制システムは、この様な「Trans」で「Multi」な戦いに最適化されていない

米軍の諸計画は地域ごとになされており、他地域との関係は「協力」をベースにしている。聴衆の皆さんには驚きかも知れないが、国防省内で最も融合が進んでいないのが国防長官の仕事で、私の一番の課題だと認識し、懸命に取り組んでいる
●統合部隊としての即応体制の尺度についても再検討している。単に各部隊や部分の状態では無く、装備品や兵器の在庫や保管状況、日々の対応可能状況などにも焦点を当て掌握することを検討している
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マケイン上院軍事委員長の動きは大きな契機でしょうが、それだけを「背景」としてみるのは邪推で、かねてよりペンタゴンのスリム化や地域戦闘コマンドの再編成は、色々な場面で議論になっています

Dunford1.jpgまたDunford議長も全世界の初度訪問を終え、色々考えるところがあるのでしょう。地域の広がりを意識するのは、例えば欧州とアフリカが別々のコマンドで、連携に一手間かかる等の問題認識もありましょう。
南北アメリカ軍の統合、アフガンとパキスタンの太平洋軍への移管、また北極の扱いも論点かも知れません。

全く別の視点で、4軍には将軍ポストを「死守」するDNAがありますので、制服トップのDunford議長としては、そのあたりに削減のメスが入らないように、先手で改革に手を着けるのかも知れません

地域コマンドの再編に関する記事
「地域コマンド改革私案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-24
「情報筋:コマンド再編案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-12
「米外交の軍事化を懸念」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-15-1

悲劇:日本でF-35組立開始 [亡国のF-35]

なぜか日本政府や防衛省が触れたがらないニュース

F-35 luke AFB.jpg15日付 Defense-Newsや国内報道によれば、15日、米国防省F-35計画室が日本国内でF-35の組み立てが始まったと発表した模様です。海外で製造された機体主要部各パーツの最終結合が開始されたと言うことです。

愛知県の三菱重工小牧南工場内に設けられた、アジア地域で唯一のF-35最終組み立て検査施設(FACO:Final Assembly and Checkout)で作業は開始されました
なお同施設は米国防省から、北アジア・太平洋地域のF-35本格機体整備修理・改修(MROU)施設に指定されており、韓国空軍のF-35の製造や修理も行うかも知れません

15日付Defense-News等によれば
組み立てが開始されたのは「AX-5」(日本用に製造された5機目の機体)と呼ばれる機体で、翼や胴体や尾部が組み合わされて初めて機体としての形を整えることになる
F-35 3-type.jpg●日本と米国政府はF-35に関するFMS契約(海外有償軍事援助契約)を結んでおり、「AX-5」は2017年に航空自衛隊に納入されることになる

日本用の1番機である「AX-1」から4番機の「AX-4」は、テキサス州のForth Worth工場で製造が開始されており、「AX-1」は2016年に納入される予定である
●FMS契約でF35を42機購入する予定の日本は、5番機以降の38機を小牧南工場内のFACOで組み立てる
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以下の様な触れたくない話題満載の「亡国のF-35」ですから、また同じ三菱重工の国産旅客機MRJの4回目(?)の納入延期が発表(16日)されるタイミングですから、F-35の国内組立て開始をショーアップしなかったのかも知れません・・・邪推ですが

いずれにしても、これほど「亡国」要素が満載のプロジェクトは前代未聞ですから・・・「Too big to fail」では許されない話です
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F-35問題の一端&現状を整理

1.米軍を初め購入予定国で調達機数削減の動き
カナダの新政権がF-35購入見直しを宣言し、米議会の重鎮や統合参謀本部議長がF-35調達機数見直しを示唆しているように、現在のF-35価格の前提にある製造機数は、下方修正されることは火を見るよりも明らか。
●従って、製造機数現象→単価上昇→更に購入機数削減→価格高騰→・・・の「負のスパイラル」は避けられない状況へ
「担当国防次官も強く示唆」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-08
「マケイン発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-22
「統参謀議長が削減に言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-11
「悪魔の誘い:まとめ買いしない?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-31

2.試験と製造の同時進行で「手戻り」改修が多数発生
F-35 Sun-Set.jpg●米国防省F-35計画室長が「2019年末段階で諸外国用も含め計493機を製造完了している予定だが、その段階で完全な機体は1機もない」と明言し、改修経費が相当額になると認めているように、表面上の購入価格や予算額だけでは明らかにならない、F-35を使用可能にするまでの「真のコスト」がうなぎ登り
納入された機体を直ぐに改修工場に納入する様な、冗談のような事態発生が確実で、米空軍では操縦者養成用の機体確保に懸念がでている有様
「国防省F-35室長が認める」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-10-1
「工場出荷後、直ぐ改修作業」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-24

3.ソフトの完成が遅れ完全な状態での試験が多数残置
●米海兵隊が今年夏にF-35B型でIOC(初期運用態勢)を宣言したが、赤外線ミサイルとJDAMしか使用出来ない最低限のソフト(2B)での見切り発車運用。
●2016年8月から12月に予定されている米空軍のIOCも、ほとんど実質的変化進歩がないソフト(3I)での無理矢理使用スタート。2019年の海軍型F-35Cに完全版ソフト(3F)が間に合うかは極めて不透明
「今頃やっとの話題2つ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-13-1
「海兵隊が2BソフトでIOC」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-28
「ソフトとALISが最大懸念」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-25
「不完全でも運用開始へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-10

4.今後の急増産に部品供給等が追随出来るか不透明
F-35-night-burner.jpg国防省や米空軍のF-35計画室長が最近発信し始めた「最大の懸念事項」がこれ。米国防省F-35計画室長は「過去の経験から、新造機の増産は最高で年5割増が限界だと言われているが、このペースを大幅に上回る3倍増産を計画している」と危機感をあらわに
●多数の部品の確保が、間に合っているのか居ないのかも良く把握出来ていないような不安な状態と推測
「国防省F-35室長が問題視」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-10-1
「氷山の一角:射出座席問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-17

5.兵站支援情報システム(ALIS)の不出来で整備補給に暗雲
●本年春、F-35整備員養成の拠点である基地を訪問した議員団に、現場の整備員は「ALISが発する警報は8割が誤報で、使い物にならない」と直訴
ALISを課題視する声は、国防省や米空軍のF-35計画室長からも聞かれる危機的状況
「空軍幹部が不安を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-15
「国防省F-35室長が問題視」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-10-1
「ALISは8割が誤警報」 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-16-1
「ソフトとALISが最大懸念」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-25

6.そして最後に、貴重な人的戦力が戦闘機に裂かれること
●日本の軍事環境を考える時、ますます重要性が低下する脆弱な戦闘機の配備や管理に貴重な人材を投入し、主要幹部の目がF-35に向くことで、本質的な脅威の変化への対応や必要な人材の育成が犠牲になる
●特に、この変化の時代に戦闘機だけ投資を続けることにより、操縦者以外の士気は大きく低下し、組織の腐敗に繋がりかねない
「戦闘機の呪縛から離脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16

もう一つの戦闘機悲劇
「悲劇:F-3開発の動き」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18

カーライル司令官が世代間リンクや重点配備を語る [米空軍]

Carlisle-RAND.jpg4日、米空軍戦闘コマンドのカーライル司令官(旭日大綬章)が、「Projecting Combat Power in the Information Age」との題目で講演し、世代をまたぐ作戦機間の情報共有や、ISRアセット投入場所の的確な予想が重要だと語っています

講演は、米空軍協会のMitchell研究所とRAND研究所の共催で行われた「Aerospace Power」に関するサンタモニカでのフォーラムで行われ、言わば米空軍応援団に囲まれて、「エアパワー&戦闘機族ボス」としての所信を語った講演と位置付けられましょう

細部は分かりませんが、主催者の米空軍協会が短く伝えていますので、その中心となる主張を断片的にご紹介します

7日付米空軍協会web記事によれば
F-22Hawaii3.jpg●カーライル司令官は、敵の防空網が脆弱な環境での「制空」確保を米空軍は航空戦力で果たしてきたが、「将来想定される環境では、必ずしも米空軍にその能力があるとは限らない」と講演で述べた
●更に「(将来の強固に防御された空域での)航空戦闘力Projectionは、戦いのシナリオに沿った(我の)情報共有網を見いだすことと、敵の意思決定網に作用することに成否がかかっている」と説明した

●「状況認識:SA」とは、「何が必要か、何時必要かを知ることであり。それ以外にはない」であるから、「将来の戦闘に置いては、5世代機であるF-22やF-35と4世代アセットとの情報共有が、しっかりした敵の発見や追尾や分析や特定に必要不可欠なのだ」と訴えた

●また同大将は、分析情報を活用して限られたアセットを如何に効率的に活用するかが重要だと指摘し、無人ISR機であるMQ-1やMQ-9を例として語った
●「米空軍は、アセットが何処で必要になるかを、より良く予想する必要がある」と語り、単に戦闘コマンド司令官の要望に逐一対応するのではなく、米空軍や国防省はISR要求が急増する際は何処に焦点を当てるべきが予想して臨むべきであると主張した
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2017年度予算(2016年10月から適用)の議論が始まっており、各軍種や国防省内の「枠獲得をめぐるつばぜり合い」が始まっています

Carlisle-AFA.jpg軍事メディアも、「兵器の更新」VS「将来のための研究開発投資」の視点で記事を書いたり、「陸軍のヘリや、海軍のオスプレイや、空軍のJSTARSが危ない」とか、国防省高官がこんな発言をしたとか、「Third Offset strategy」はコンセプトとして存命だとか・・・種々の噂を飛ばしています。

カーライル司令官も、まず身内やシンパを固め、予算獲得競争の荒波にこぎ出そうとの決意表明でしょうか。発言は全てもっともで、参考にはなりますが・・・

戦闘機間のリンクに関する記事
「ACC戦略2015」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-12
「戦闘機世代間のリンクが必要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-19-1
「5世代機にはバーチャル訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-28-1

「Third Offset strategy」来年のポイントは [米国防省高官]

Work CNAS.jpg14日、Work国防副長官が古巣CNAS(CEO経験有り)で講演し、米軍の技術優位を維持確保するための取組戦略「Third Offset strategy」に関し、2016年のポイントとなる5つの試験や取り組みについて語りました。

同副長官は、2016年は「Third Offset strategy」理論をwar-gamingや試験で確認する期間で、2017年度予算案にも巨大な予算をつぎ込むわけでは無く、1500~1700億円程度の「仮説検証予算」を想定していると語っています

同副長官はまた、なぜ国防省がオープンに「Third Offset strategy」を語るかについて、「相手を抑止するために情報を明らかにし、実際の戦いで優位を確保するために隠す部分は隠す。相手は黒いカーテンの向こうに何があるか思案することになろう」と説明しています

まず、同戦略が想定する戦略環境は
Work-army2.jpgWork副長官は、「Third Offset strategy」が想定する今後25年間は、大国間による争い、特に米中露の間の競争で形成されるだろうとの情勢認識を副長官は示し、「中露との協力関係確立は目標だが、誤算から生じる緊急事態にも備えた体制を確保する事が、我々の国家指導者に対する役割である」と表現した

●そして副長官は、ロシアがウクライナで用いている「民兵:little green men」等を活用した不正規戦は21世紀の戦争の実験場で、今後もロシアは攻勢を続けるだろうが、アフリカや南米にまで友好関係を拡大する戦略指向を持つ中国は、より大きな長期的脅威だと言い切った

第3の「Offset strategy」来年のポイント5つ
●Autonomous "deep learning" machines and systems
米国防省は本技術を早期警戒の改善に活用したい。例えば、ロシアからウクライナへの不正規兵や民兵の流入を、「big data解析問題」と捕らえ、何が生起するかを予想する
●Human-machine collaboration
装備品に人間の意思決定を手助けさせる。例えば、F-35の先進HMDは、複数のシステムからのデータを集約して操縦者に提供し、判断の優位性を導く

Work CNAS2.jpg●Assisted-human operations
又はways machines can make the human operate more effectively 例えば、自動車の駐車をアシストするシステムや力仕事を手助けしてくれるスーツもこの例。
同時に敵対者は「enhanced human operations」を追求しており、我に取っての脅威であると率直に語った
●Advanced human-machine teaming
人間と無人システムの協力を指す。例えば、海軍のP-8哨戒機と無人海上IRS機MQ-4 Tritonの共同や、陸軍アパッチヘリと無人機Grey Eagleの協力がこれに当たる。現在も多様な組み合わせを検討しており、「無人機の群れ」も検討対象である

●厳しい電子戦環境でのSemi-autonomous weapons
電子戦妨害に強い装備の重要性を副長官は訴え続けており、例えば、GPS無しでも使用出来るよう改良されたSDB(小口径爆弾)がこれに当たる

米国防省webの同講演記事
http://www.defense.gov/News-Article-View/Article/634115/dod-extends-technological-operational-edge-into-the-future
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米国防省web記事では、中国やロシアに対して、副長官がかなり厳しい口調で警戒を露わに表現している事が伺えます。オバマ政権全体の姿勢を反映しているのかも知れません

work RUSI.jpg敵を抑止するためにチラリと披露し、戦いのために細部は隠す「Third Offset strategy」検討ですので、いろんな場所での発言や説明ぶりを総合し、邪推も交えて「イメージアップ」するしかありません。

でも「リーク記事」の類いもあまり見かけませんので、「第2のOffset strategy」で実現したステルス機や精密誘導兵器のような、「分かり易さ」と「インパクト」に欠ける点は否めないような気がします

下記のWork副長官「レーガン財団講演」は、「5つのポイント」について別の例を挙げて説明していますので、参考になるかも知れません。少しづつ具体的になってきているようにも思いますが・・・

過去のWork副長官による説明は
「11月のレーガン財団講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-15
「9月のRUSI講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-12

カーター長官が語る優位維持戦略
「カーター長官のレーガン財団講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-13
「新技術導入に企業と同盟」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-31
「技術確保に新組織DIUx」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-25

技術優位確保の取り組み
「第3のOffset Strategy発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-06-1
「Three-Play Combatを前線で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-09

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