So-net無料ブログ作成
検索選択

米核戦力の維持近代化に超党派の支援か [安全保障全般]

Minuteman III 4.jpg26日付Defense-News記事が、今後10年間で40兆円以上と言われる米軍核戦力の維持近代化施策に、ばらばら感のある米議会で超党派の理解が広まりつつあると報じています

22日の週に行われた2017年度予算を巡る米議会の公聴会でも、核兵器運用部隊の窮状に理解を示す反応や、「反対派」や「無視派」を説得しなければとの意見が議員から表明された模様です

核弾頭やミサイル、爆撃機や潜水艦の老朽化だけではなく、研究教育などの関連施設や人材管理に至るまで、全てが「忘れ去られてきた」「無視されてきた」核戦力部門ですが、金額が金額だけに、総論賛成・各論反対に今後なる可能性はあるのですが、問題への理解が進むことは良い事なのでしょう

具体的な核兵器近代化や維持施策については記事は触れていませんが最近珍しい「超党派」との言葉ですのでご紹介します

26日付Defense-News記事によれば
B-2Whiteman.jpg共和党と民主党の溝は2016年現在も深くあり、これはオバマ政権と国防省の間にも見られるのだが、その価格にもかかわらず、強力な核抑止力を支援する共通基盤が出来つつあるようだ
カーター国防長官やダンフォード議長が議会で本件について語った際も「率直に親身な姿勢で」訴えに反応を示し、国家核安全保障局の幹部が1兆5千億円の予算案に関する証言した際も、要求額に理解を示し、更なる上積みも議員達は示唆している

米戦略コマンドのCecil Haney司令官やBrian McKeon政策担当次官補が証言した際も、共和党のMike Rogers下院軍事委員長は「余りにも多くの政策立案関係者や宣伝屋達が、この問題に気づいていないか、意図的に無視している」「少なくとも基本的事項を知らない人達に周知することを諦めては行けない」と理解を示した
●民主党のJim Cooper議員も、「本問題に対する超党派のコンセンサスが形成されていることに感謝したい」と述べ、「核戦力3本柱」の重要性を訴えていきたいと語っている

ICBM Crews2.jpg●CSISのTom Karako上席研究員は、「現在あるコンセンサスのレベルを過小評価しては行けない。私は現コンセンサスの色調が、近未来から今後数十年と続く核態勢を支えるものに繋がるものだと考える」と現状を分析している

●このように合意形成が見られるものの、批判的な者はそのコスト問題を指摘し、近代化の延期や延長、一部計画の削減の必要性を指摘している
●また民主党関係者の中には、オバマ大統領が変化を示せば、民主党議員の反応も異なったものになるだろうと語るものもいる

●コスト見積もりには様々なものがある。McKeon政策担当次官補は、今後10年間で40兆円から55兆円と軍事委員会で語っており、議会予算室の40兆円より膨らんでいる
●またこれら数字が近代化のみの見積もりで、維持経費を適切に反映していないとの指摘もある。予算分析企業のVisualDoDは、本格的な近代化以前に、6兆円は必要だろうと分析している
///////////////////////////////////////////////////////

Ohio Replacement2.jpg米国防省が打ち出している技術優位確保の取り組み「Third Offset Strategy」も、しばしばWork国防副長官が説明しているように、「John Mearsheimerが核兵器時代の大国の定義で示したように、核攻撃に生き残れることによる核抑止力(第2撃能力)と無敵の通常兵器保有がgreat powerには必要」との根本思想を基礎としています

つまり、核抑止の3本柱である爆撃機、戦略原潜、ICBMおよびそれぞれの核爆弾が健全であることが大前提です。

心ある議員の問題意識やサポートが継続すれば、「意識的に無視」「現実を知らない」軍人を含め、モメンタムが維持されるのでしょうが・・・

関連の記事
「下院軍事委員長の本年重点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-14
「新年最初の記事は核部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-02

核兵器運用部隊の立て直し
「核戦力維持に10兆円?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-09
「ICBMの後継検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-30-1

「内部崩壊核部隊に対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18
「特別チームで核部隊調査へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-27
「米海軍トップが危機感訴え」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-10

「ICBM部隊に不合格判定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-15
「ICBM部隊で士官17名処分」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-11
「米空軍ICBMの寿命」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

空中と水中:両用のハイブリッド無人機UHV [ふと考えること]

無人だから可能な面白い試み

Milly Tay.jpg18日付Defense-News記事は、シンガポール航空ショーで同国企業が、空中と水中の両方で活動する無人機「UHV:Unmanned Hybrid Vehicle」を展示していると紹介しています。
同国の優良企業ST Engineering社が展示した「UHV」は、主に水上艦艇から発進させ、空中を飛行して目的水域に移動し、その後水中で各種活動を行う運用コンセプトを持った無人機のようです

18日付Defense-News記事によれば
●アジア最大のシンガポール航空ショーは、、目を引く展示や大型機で満ちあふれているが、真にクールな展示品は、良く見かける無人機のような小型で薄いブルーの飛翔体である
●近づいて確認すると、無人航空機には珍しい、2つの金色のプロペラ(スクリュー)が付いている。これがシンガポール企業ST Engineering社が出展した「UHV」である

UHV2.jpgUHV.jpg同社のUHV開発担当部長(女性)は「UHVは完成想定モデルではなく、実際の製品が存在する」と語った
●同部長によれば、UHVはプロペラ一つの推進力で空中を20~25分間飛行し、水中で活動するときは飛行用プロペラを畳んで格納する。水中では(2つのスクリュー推進力に)ゆっくりと4~5ノットで進む

空中から水中運行への移行はコンピュータがコントロールし、同UHVは多様な水上艦艇から容易に発進させることができると同社は考えている
●同部長は、同UHVの水中での役割を機雷探知や搭載カメラでの偵察等と想定しており、搭載センサーを含めた総重量が約25kgだと説明してくれた

●更に同部長は、一般的には空中を飛行して作戦エリアまで移動し、空中から偵察等を行った後に水中活動に移行するパターンを想定していると語った
●同社は2タイプのUHVを製造し、既に水中での試験を行っている。しかし、シンガポールでの規制により無人機の飛行試験が実施できていないため、飛行実験場所を今年中に見つけたいと同部長は語った
//////////////////////////////////////////////

UHV3.jpgST Engineering社は、アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアログ)のスポンサー企業でもある優良企業です

「まだ飛行試験してない」との笑えない「落ち」ですが、「明るく豊かな北朝鮮」と呼ばれる強烈な国家統制下、少数精鋭国家を構築したシンガポールならやってくれる
でしょう。

シャングリラ・ダイアログ関連記事
「2015年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-28
「2014年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-27
「2013年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-31

「2012年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-25
「2011年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-01
「2010年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-05

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

次期爆撃機LRS-Bは「B-21」 [米空軍]

追加速報! ボーイング等が機種選定結果受け入れ
裁判所への提訴は「しない」と発表

LRS-B NG.jpg26日、James米空軍長官が次期爆撃機LRS-Bの公式名称を「B-21」と発表した数時間後、同機の機種選定で破れたボーイングとロッキード社は、機種選定結果を不服とした争いをこれ以上行わないと声明を発表しました

声明によれば
●LRS-B選定でNorthrop Grummanが選ばれたことについて、我々が米会計検査院に訴えた内容の有効性については、引き続き強く確信を持っているが、Boeing - Lockheed Martinチームはこれ以上選定について追求しないことを決定した
この決定は、我々がこれまでもそうしてきたように、我々の顧客や前線兵士の最大の利益を心に置いてなされた

先週初めにはBoeingから空軍長官に電話も
●両者の声明発表を受けJames空軍長官は、先週初めにボーイング社のCEOから、両者チームがこれ以上訴えを起こさない可能性が極めて高いとの電話を受けていたと明らかにした
●そして空軍長官は、ボーイング社との他事業での価値ある関係にあると強調し、「B-21」の開発に取り組む重要性を語った
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

臨時速報です!

LRS-B James2.jpg26日、James空軍長官が米空軍協会総会で、次期爆撃機LRS-Bの公式名称が「B-21」に決定したと発表し、イメージ図も公表

21世紀最初の爆撃機だからとの理由で「B-21」になったと解説。
なおサブ名称(イーグルとか、ファントムとか)は空軍兵士に公募すると表明

イメージ図の「B-21」が、B-2爆撃機(同じくNorthrop Grumman製)と似ている点に関しては、「既存の成熟技術を活用するとの基本コンセプトからくるもの」と説明

LRS-B James.jpgLRS-B関連の記事
「敗者の訴え却下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-17
「敗者がGAOに不服申し立て」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-07

「結果発表と分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-28
「意図的リーク?LRS-B概要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-07
nice!(6)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

カナダ空軍は再びF-35を検討か? [亡国のF-35]

Sajjan Canada.jpg18日、「F-35は購入しない」と選挙戦で訴えて政権を取ったカナダ新政権のHarjit Sajjan国防相がF-35も選択肢の一つ(「Open」)として選定を再度実施する旨を表明しています

カナダは、2010年当時の政権が、1982年から使用しているCF-18の後継機としてF-35購入を一端決定しましたが、会計検査院等から価格見積もりに不備があると指摘され、2012年に同機購入決定が凍結されました

その後、2015年10月の総選挙まで判断が先送りされていましたが、同選挙で「F-35は購入しない」と宣言したJustin Trudeau新首相が率いる政権が誕生したところでした
なおカナダは2010年当時、CF-18の後継として、F-35を65機購入するとの計画を打ち出していました

18日付カナダ紙「The Star」によれば
●Sajjan国防相はオタワで開催された会議で、老朽化したCF-18の後継選定候補にF-35も含まれていることを示唆し、F-35が排除されているとは表現せず、選定過程は「Open」だと語った
●なお、同国防相が仕えるTrudeau新首相は選挙前に、F-35購入を止め、浮いたお金でカナダ海軍に投資すべきと訴えていた

Sajjan Canada3.jpg●「大事なことは、CF-18に代わる戦闘機が必要で有り、カナダのニーズを満たす適当な航空機をはっきりさせることである。これが我々がやらなければならないことだ」と同国防相は語った
●国防相は「現政権は、CF-18の後継機となる適切な戦闘機を獲得するためのプロセスに関与しており、正しい要求をまとめ上げ、どの企業の提案が優れているかを確認することになる」とも表現した

●Sajjan国防相は、実施を約束している「国防レビュー:defence review」に触れ、カナダの軍事力にどんな役割が有り、どんな能力が必要なのかを吟味することになると説明した
●更に同レビューについて、カナダや米国の防衛や国際平和活動など、いくつかの優先事項に変化は無いと述べ、「能力に焦点を当て、人員、装備、訓練のベストミックスを考えなければならず、柔軟で、資源を適切に再配分し、迅速に対応できなければならない」と語った

●また同国防相は、前政権が約束していた国防費の増加は引き継ぐが、資源配分先は異なる事になろうと述べ、更に人員の削減も否定して「むしろどの部分の人員を増強すべきかを議論している」と説明した
●「国防レビュー:defence review」は今年末までに終えるとSajjan大臣は述べた
/////////////////////////////////////////////////////////////

「入れ墨有り」のちょっと心配な40代のJustin Trudeau新首相ですが、一応「国防レビュー:defence review」をやりつつ、多方面と様々な調整を行いつつ、自分の色を出していくのでしょう
この国防相の発言が、米国からの圧力で「F-35購入に戻る」ことを示すサインなのか、新政権が独自色を出すための「時間稼ぎ」なのか不明です。

Sajjan Canada2.jpgちなみに、カナダの60数機調達が無くなると、1機価格が「1.2億円」上昇すると米国防省F-35計画室長は発言していました

ところでこの「Harjit Sajjan国防相」ですが退役カナダ陸軍中佐で、ボスニアやアフガン派遣(3回)経験もある45歳の人物です。
経歴によれば、バンクーバー警察にも11年間勤務経験があり、ギャング組織犯罪や麻薬問題の専門家として務めたとか。カナダも奥深い国ですねぇ・・・

「カナダにF-35反対首相」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-22

「Harjit Sajjan国防相」経歴→http://pm.gc.ca/eng/minister/honourable-harjit-singh-sajjan

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

プレゼンスが無いなら長距離兵器を [Joint・統合参謀本部]

Harris8.jpg23日、ハリス太平洋軍司令官が上院軍事委員会で証言し、アジア太平洋リバランス進捗が不十分なことや南シナ海での中国軍の動き、更には朝鮮半島でのサイバー戦対処について語っています。

在韓米軍司令官のScaparrotti陸軍大将も証言した模様で、米韓同盟の「特有のもろさ」を指摘した上で、米韓サイバーチームの協力が重要だと語った模様です

「リバランス」が不十分だと示唆する発言は軍人として難しいと思うのですが、現実を率直に認識して表現できる人材が太平洋軍司令官で有り難いです。
国防省の2017年度予算案を援護射撃する証言ですが、ご参考まで紹介します

なおハリス司令官が、17日に市ヶ谷で行われた自衛隊統合運用開始10周年記念行事に参加し、「親や兄弟は自分で選べないが、友人は選ぶことができる。日本という誇り高い友人と同盟を組める我々米国は幸せだ」との主旨のスピーチで日本関係者を感激させたと、SNS上で拡散されています

プレゼンスが無いなら長距離兵器を
Harris.jpg●ハリス司令官は、アジア太平洋リバランスが十分な速度で進捗していないと語り、米太平洋軍の担当エリアには、中国と北朝鮮とロシアとISISが全て存在していると言及しつつ、「やるべき事がまだまだあり、我々はモメンタムを失ってはならない」と訴えた
●同司令官は、繰り返し攻撃型潜水艦が不足していると述べ、長距離爆撃機も必要だと主張し、「仮にプレゼンスが不十分なら、より長距離(打撃)力が必要だ」と表現した

●またハリス司令官は、「2020年代に向け、我々が当地域で力を維持するには、次期長距離爆撃機LRS-Bや戦略ミサイル原潜が必要だ」と述べた
在韓米軍司令官のCurtis Scaparrotti大将は、「(朝鮮半島には)全天候型の恒常的なISR能力が更に必要で、また情勢把握や意思決定のため信頼できる地上移動目標情報が欠かせない」と述べた

米韓同盟には「特有のもろさ」
●ハリス司令官は、新たなフロンティアでの新たな脅威であるサイバー戦対応に、太平洋軍内に「CyberPAC」と呼ばれる組織を立ち上げ、特別チームを設けていると説明し、「そこにある新たな脅威であり、米軍だけでなく、米国にとっての脅威である」との認識を示した
Scaparrotti6.jpg●Scaparrotti在韓米軍司令官は、朝鮮半島では北朝鮮が周到にサイバー戦能力強化を図っており、特にサイバー対処が大きな課題となっていると説明した

●在韓米軍司令官は、在韓米軍は統合サイバーセンターの強化を進めており、サーバー戦チームも設置したと語り、更に「韓国サイバーチームとのより緊密な関係強化が重要だ」と述べた
●一方で同陸軍大将は、米韓同盟が「特有のもろさ:unique vulnerability」を含んでいることから、「本ドメインで必要な能力を確保するため、同盟国として懸命に取り組まねばならない」と表現した

南シナ海での中国の動きについて
●ハリス司令官は、西沙諸島のWoody Island(永興島)に地対空ミサイルが展開され、南沙諸島のクアテロン礁にレーダーが設置されたことを認めた
Harris CSIS4.jpg●また南沙諸島の「Subi Reef」に3000m級の滑走路が完成していることにも言及し、「南シナ海における私の作戦観に変更を迫るものだ」と表現した

●同司令官は、地対空ミサイルやレーダーの設置は、米海軍空母攻撃群の脅威になると述べ、「中国は明らかに南シナ海を軍事化している」と表現した
●国防省のPeter Cook報道官は、地域の緊張を高める更なるステップだと語る一方で、米国は引き続き国際法に基づき当該エリアで「fly, sail, and operateする」と述べている
//////////////////////////////////////////////////////

「If you don’t have presence, then you better have reach」を「長距離打撃力が必要だ」と訳すのはこじつけかも知れませんが、西太平洋地域で米軍の置かれている状況を勘案し、ちょっと「盛って」ご紹介しました

Scaparrott3.jpg米韓同盟に「特有のもろさ:unique vulnerability」有りと表現する辺りは、軍人として精一杯の表現かもしれませんが、米韓同盟の最前線に立つScaparrotti司令官としては、きちんと「38度線以南での」緊張感を伝えたかったのでしょう

2017年度予算案の「応援演説」と考えれば、LRS-Bやオハイオ級戦略原潜の後継検討、バージニア級攻撃原潜の獲得、JSTARS後継機予算、それから意味不明ながら「additional persistent all-weather ISR capabilities」を援護射撃したものと思われます

ご参考:米国防省webサイトでの紹介記事
本日紹介は米空軍協会web記事より
ハリス司令官証言→http://www.defense.gov/News-Article-View/Article/671581/rebalance-to-pacific
-needs-to-continue-pacom-commander-says
在韓米軍司令官証言→http://www.defense.gov/News-Article-View/Article/671643/general-cites-high-l
evel-of-tension-on-korean-peninsula

ハリス太平洋軍司令官関連
「ハリス:島は中国に属さない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-28
「母が日本人:ハリス大将の紹介」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-23-2

Scaparrotti在韓米軍司令官関連
「在韓米軍の懸念」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-16
「RQ-4よりU-2が良い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-26

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

2021年に戦闘機搭載レーザー兵器デモへ [米空軍]

Laser HEL.jpg20日付Defense-Newsは、米空軍研究所(AFRL:Air Force Research Laboratory)などへの取材記事を掲載し、「自己防御用」レーザー兵器デモ試験の2021年実施に向け、複数の企業と協力分担して具体的検討に入っており、今年3月には一部システムの契約を開始し、9月にはシステム融合契約を行う予定だと紹介しています

また自動化・自律化システム研究の一環として、有人F-16と無人F-16の編隊飛行試験を既に実施しているとの空軍研究所関係者の話も紹介しています

2017年度予算案では、対中国や対ロシアを意識した研究開発予算が約3000億円確保され、過去数年の「冷や飯」状態を脱しつつある「技術的優位を確保する研究開発予算」ですが、いろいろな「新芽」が見られるようです

2021年に戦闘機搭載レーザー兵器デモ
●米空軍はどの戦闘機に高出力レーザー兵器を搭載するか決定していないが、米空軍研究所(AFRL)の「Shield」計画を担当するRichard Bagnell氏らのチームはF-15を念頭に置いている
米空軍戦闘コマンドACCの支援を受けているBagnell氏らは、F-22やF-16、更にはF-35への搭載も検討している

Laser 3.jpg●2015年2月に発足した「Shield」チームは、「Blue Ray」等に見られる最新の半導体レーザー技術を生かし、10キロワット超の小型レーザー装置を目指している
●同チームはあくまで、脅威環境下で光速のビーム兵器により自己防御する兵器システムの開発を狙っているとBagnell氏は強調した

●レーザー兵器を機体搭載サイズにまとめられれば、ミサイルなどを運搬することなく、エンジンが生む出す電力でレーザーを発射でき、交戦速度や効率性面で飛躍的に優位な位置を確保できる
●米空軍はレーザー兵器を複数の部分に分け、企業に競わせている。例えば、レーザー発生装置部門、ビーム制御照準システム部門、電源・冷却・交戦管理システムの機体搭載部門、システム全体の融合部門などである

●米空軍は、今年の3月には「ビーム制御」契約を、9月には「システム融合」契約を計画している。ただし「レーザー発生装置」は、更なる技術成熟時間を与えるため2017年まで契約時期を遅らせている
●特殊部隊のAC-130に今後数年でレーザー兵器を搭載するのとは異なり、小型で高速飛行する戦闘機にレーザー兵器を搭載するため、「Shield」計画チームは幾つかの問題を克服する必要がある

課題の一つは、高速飛行中に細かく振動する機体からレーザーを正確に照準して発射する技術である。もう一つは、同兵器システム全体を小形化し戦闘機に搭載することである
●課題に取り組み一環として、陸軍のレーザー兵器計画(HEL MD)や、米海兵隊の取り組みとも連携を図っている

自律技術の活用と応用
Laser 4.jpg●米空軍研究所のKristen Kearns研究員は、膨大なISRデータ、例えば無人機が撮影した映像データから、人間が注目して精査すべき部分をフィルターして抽出する「自律化システム:autonomous system」を検討している
●「貴重な空軍兵士に芝が育つのを観察させる様なことをさせたくない」と同女史は語り、同時に分析過程から人間を排除するのではなく、重要な部分に人間の目を集中させたいと考えている

●空軍研究所はまた、有人機と無人機の同一編隊運用を研究しており、既に有人F-16と無人F-16(自律飛行で試験。ただし不測事態に備えて操縦者が搭乗)の編隊飛行を成功させている
●同試験では、編隊飛行後に一端分離飛行に移行して個別ミッションを実施し、再度編隊飛行に移行するシナリオに成功している

●空軍研究所は2022年までに、無人機が自律的に雲などの気象条件を判断して飛行ルートを適切に変更するなどの能力を実現したいと
///////////////////////////////////////////////////

Laser 2.jpg数ヶ月前にレーザー兵器の話題を取り上げた際は、「取りあえずC-17で検証し、戦闘機は今後考える」だったような気がしましたが、予算の追い風か技術進歩か、計画がどんどん加速しているようです

照準に関しては、防御のため360度発射可能なことが必要ですが、側方に正確なビーム形成することが難しいとご紹介したことがありました
また、装置の小形化に関しては、装置の冷却が課題になっていると「次世代戦闘機の課題」をご紹介した際にとりあげた記憶があります

「自己防御のみ」とは、出力の関係から攻撃用には不十分だからでしょうか?

関連の記事
「次世代戦闘機の論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「側方や下方のビーム形成が課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-20-1
「米陸軍レーザー兵器製造開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-16
「空軍科学技術諮問会議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-13

レーザー&エネルギー兵器関連
「ACC戦略2015では?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-12
「米空軍幹部が議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-29
「米国DEW兵器開発の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-23

「まずC-17搭載レーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-23
「特殊作戦C-130にレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31
「特殊部隊とレーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-16

nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

中国軍が南沙諸島にステルス機探知レーダー? [中国要人・軍事]

Cuarteron Reef3.jpg22日付米海軍協会web記事は、シンクタンクCSISと商用衛星画像会社「DigitalGlobe」が南沙諸島クアテロン礁の衛星写真を分析したところ、中国軍がステルス機探知も可能な「HF(短波)レーダー」を設置した模様だと報じています

中国側は「灯台を設置し公共財として地域に貢献」との姿勢のようですが、西側専門家は少なくとも海面監視レーダーで、ステルス機監視レーダーにも活用できるだろうと見ているようです

はっきりしない部分はありますが、とりあえずご紹介します

22日付米海軍協会web記事によれば
DigitalGlobe社が1月24日に撮影した衛星写真によれば、フィリピンに近く中国が実効支配している南沙諸島クアテロン礁(Cuarteron Reef:ベトナム、比、台湾が領有権主張)に、複数の高さ約20m(65 foot)のポールが設置されており、他の場所でも見られる海面監視HFレーダーと酷似していると、CSISのGreg Polingアジア海洋監視リーダーは米海軍協会に語った
Poling CSIS.jpg●Poling氏は「高さ20mのポールがこの様に配置され立ち並んでいる施設は、HFレーダー以外に考えられない」と語った。

●写真からは同施設が既に運用しているかどうかは不明で、米国防省に質問したが返事は無い。WP紙も22日午後にこの施設の存在を報じている
●なお中国は、同様のレーダーを中国本土の海岸線沿いに複数設置しており、ステルス機探知の体制だとも言われている

CSBAのBryan Clark海軍担当研究員は、米国がメキシコ湾やカリブ海で麻薬密輸取り締まりで活用しているHFレーダーと同様の活用が第一義的な活用法だろうが、第二義的にはHFレーダーでステルス機探知にも活用可能だと述べている
米国は探知距離80~200マイルで海上監視に使用しているが、中国やロシアは更にステルス性能機の探知にも活用しているだろうと述べ、「海面と航空目標探知の素晴らしいdual useだ。従来の早期警戒レーダー周波数では探知できない航空機を探知できる」と語っている

Cuarteron Reef2.jpg恐らく、クアテロン礁のHFレーダーで探知されたデータは中国本土に送られ、他の対空監視情報と組み合わされて防空部隊に提供されるのであろう
●米軍が保有するB-2やF-22やF-35は、より高周波のレーダーに最適化したステルス性を追求しており、より低い周波数レーダーで探知される可能性が理論的にある

●ただ、HFレーダーは、それ単体で視認性の低いステルス機の(およその)位置を把握できても、対処兵器を誘導するほどの(分解能やロックオン)能力はない
●しかし、これまでも報じてきたように、他の周波数レーダーと組み合わせたり、情報処理装置の高度化により、中国やロシアは同国の戦闘機に敵の位置や情報を提供できるよう取り組んでいる模様

●一方で、退役米海軍大佐で専門家のChris Carlson氏は、中国本土にあるHFレーダー施設と比較してクアテロン礁施設が小型である事から、(ステルス機探知という)第二義的な目的がどの程度可能かは不透明だと述べている
●いずれにしても、CSBAのClark研究員は、漁船の活動監視など法執行のために必要な海面監視装置だとの主張で押し通すだろうと見ている
////////////////////////////////////////////////////////

Cuarteron Reef.jpg話題の「クアテロン礁」は、「航行の自由作戦」にあわせ、米空軍がB-52を2マイルまで接近飛行させた焦点の「人工島」の一つです

HFレーダーらしき施設」については、今後色々な分析や報道がなされるでしょうが、これに併せ「HF」や「UHF」レーダーのステルス探知能力がどの程度技術進歩を遂げているのか、また中国のシステムがどの程度進歩しているのかも報じられる事を期待致しましょう

対ステルス機関連の記事
「低周波レーダーでステルス機を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-04-2
「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12
「ステルス機VS電子戦機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22

南シナ海関連
「海上民兵:maritime militia」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-04
「西沙諸島に中国戦闘機展開?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02-1
「米海軍筋が航行の自由作戦を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-01

nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

F-35整備員確保に米空軍の苦悩続く [米空軍]

James AFA.jpg12日、James空軍長官がAFA朝食会で講演し、F-35整備員を確保するため他の空軍航空機の整備に民間業者を活用し、整備員をF-35に移動させる方向だと説明しました

米空軍は当初、A-10攻撃機を全廃してベテラン整備員をF-35部隊建設に投入する計画でしたが、対ISやロシア正面でA-10の重要性が叫ばれ、米空軍はA-10全廃を2022年以降に先送りせざるを得なくなりました

そこで苦肉の策として、他航空機の整備員を引きはがし、F-35に投入する方向を持ち出したのですが、他の作戦用航空アセットに外部民間人をすることの負の影響は、将来に渡り禍根を残すとJames長官自身も指摘しているところです

16日付米空軍協会web記事によれば
F-35 fix.jpg●12日、米空軍協会主催の朝食会で講演し、A-10退役を延期することになることから、民間契約業者に幾つかの現有航空機の兵站支援を実施させ、浮いた整備員等をF-35部隊建設に投入するとになろうが、長期的には米空軍に負の影響を与えると語った
●空軍長官は、民間委託することによる増加費用の詳細を現時点では正確に見積もれないとしたが、「間違いなくより多くの経費が必要となる」とか述べた

●懸念事項として空軍長官は、「民間業者が整備作業を身近に部隊で行うとなれば、結果として、直接または間接的に空軍整備員を民間企業に引きつけることになりかねない。そうでないことをいそうでないことを祈るが、注意していく必要がある」と語った
●更に1番の懸念事項として、F-35が完全運用体制に達する2030年頃に向け、熟練の整備員の絶対数が不足することだと述べ、「米空軍は未だその調達の目途がない」と認めた(A-10全廃しかその手段がないと暗に主張
//////////////////////////////////////////////

James5.jpg米空軍整備員を民間企業に引き抜かれる「directly or indirectly, pull our own airmen into the private sector」と明確に懸念を述べる当たりが米国社会ですねぇ・・・
そんなモンなんでしょうねぇ・・・

戦闘機や攻撃機ではなく、輸送機等の航空機から民間整備員を導入したいのでしょうが、F-35整備員に転用するには戦闘機整備員が必要でしょうから、米空軍の苦悩は深いと思います
人材育成の側面からも、安易な民間委託は避けた方がよいと思いますが・・・。 今後の展開に注目しましょう

A-10攻撃機関連
「A-10全廃は延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-22
「シリアへ派遣」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-21
「米陸軍は全廃容認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-29

「視界不良:A-10議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-07
「CASを統合で議論したい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-16-1

「F-35整備員問題は何処へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-18
「米空軍:A-10はあくまで全廃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-15

nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

統合10周年を石破茂・元防衛大臣が語る [ふと考えること]

ishiba_shigeru.jpg17日、自衛隊の統合運用開始10周年を記念する「統合幕僚監部創立10周年記念式典」や「祝賀レセプション」が行われ、統合運用推進に「豪腕」を振るった石破茂・元防衛大臣も招待された模様で、19日付オフィシャルブログでその思いを語っています

ご存じのように、石破氏は自衛隊のイラク派遣を采配した国防を語れる数少ない政治家ですが、大臣当時の振る舞い、特に自衛隊が関係する「事故」「事件」が発生した際の振る舞いには様々な評価があります(海自艦艇と漁船衝突事案など

それでも、精力的な状況掌握と勉強量に裏打ちされた防衛省・自衛隊を見る目は「温かくかつ厳しく」、特にイラクに隊員を派遣した思いを自ら綴った「平成16年度版防衛白書の巻頭言」は、自衛隊員のみならず、各界有力者の「心を熱く」したと高い評価を得ています

●(イラク支援派遣部隊の壮行会で)世間の多くの人々にとって、一年で最も楽しみな日のひとつであるこの日に、多くの若い隊員たちに厳しい任務を与える行事を行うことに、私は心の中である種のすまなさを感じていた・・・
「2003年のクリスマスイブ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-23-1

そんな石破氏はかねてより、市ヶ谷の防衛省や陸海空自衛隊司令部が繰り広げている「(理念無き)陸海空自衛隊バラバラの防衛力整備」を厳しく非難しており、今回の「10周年」に際しても、真綿で包んだ表現ながら、相変わらずの現状に厳しい視線を向けています。

このような指摘をする有力者はいませんので、過去の発言と併せてその真実の主張をご紹介します。
なお石破氏は、2002年から04年の防衛庁長官として「統合運用」開始を「豪腕」で決定し、2007年から08年は防衛大臣として「統合運用」開始後の防衛省・自衛隊を実地に確認した人物です

19日付オフィシャルブログで石破氏は
ishiba.jpg●10周年記念式典で来賓としてスピーチをして参りました。それまで陸・海・空がそれぞれに運用を行っていたものを一元化するという、極めて当然のことが長く行われていなかったこと自体が不思議なことですが、ここまでの道のりは実に多難なものでしたし、これからもそれは続いていくものです。

●(防衛庁長官や防衛大臣当時、)「部分最適の総和は決して全体最適ではない」「『内局と制服、陸・海・空、それぞれが互いを非難し合い、防衛省・自衛隊が一致して非難する対象は政治の無知・無理解や予算査定に厳しい財務省』という責任回避体質を改めよ」などと随分と嫌われることを言いながら改革を進めていた頃のことが脳裏に甦りました。

旧軍時代、「陸海総力を挙げて戦い、余力を持って英米に当たる」と揶揄されたこともあって、自衛隊の前身である保安隊(警察予備隊ではなく)創設時にも似たような議論はあったようですが、陸・海の制服組(空はまだ存在していなかった)、そして内局の反対により、統合運用も統合的能力整備も実現することはありませんでした
創設時に米軍から何らのサジェッションも無かったとすればそれはそれでとても不思議なことですが。

2010年11月11日の発言
Ishiba.jpg防衛省改革というモノがどうして止まっているのか

●つまり、陸海空の装備が、本当に統合オペレーションを頭に入れて、陸は、海は、空はとこれだけという予算の立て方をしているかというと、私は3年間防衛庁や防衛省にいたが、絶対にそうだとは思わない
●陸は陸、海は海、空は空・・それは絶対譲らない。シェアも変わらない。運用だけ統合でやっても、防衛力整備を陸海空バラバラにやっている限り、信用がならないと思っている。
陸海空がバラバラに内局へ行って、内局の分からず屋と言う話になって、政治が馬鹿だと言って、それでおしまいそしてみんなが何となく天を仰いで、この国はだめだとか言っている

ishiba2.jpgこんなことではどうにもならない。朝鮮半島、台湾有事等々、それぞれどのようなオペレーションになってどのような装備が必要か、みんなが頭をそろえて防衛力を整備しなければならないのに、そうなっていない。
●私は防衛力整備局を作って、制服も内局も入って議論して、防衛省として自衛隊としてこれがあるべき防衛力だと言えなければならない。そうでないと、結局財務省に足元を見られる
////////////////////////////////////////////////////

真綿で包んだ「道のりは実に多難なものでしたし、これからもそれは続いていくものです・・・」との表現で、厳しい財政状況下、ますます激烈さや暗闘の度合いを増す陸海空自衛隊の「予算争いの仁義無き戦い」をチクリと語っています

ishiba2.jpgついでに、「保安隊創設時に米軍から(統合に関する)何らのサジェッションも無かった・・・とても不思議」は、米国による「瓶のフタ施策」を臭わせる表現です

昔はもう少し腹を割って話していたような気がするが、最近は各自衛隊が生き残りや予算シェア確保を賭け、結構好き勝手に動いてますよ・・・との声も市ヶ谷の方から聞こえてきます。

情勢も予算も急激に厳しさを増す中、この「10周年記念」が新たな門出となるのか、「防衛装備庁」なる官僚ポスト確保施策や内局による自衛官作業員化施策がどのような影響を「市ヶ谷台」に及ぼすのか、今後をなま暖かく見守ることと致しましょう

石破茂・元防衛大臣関連の記事
「防衛予算と中国脅威を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-29-1
「石破元防衛大臣の怒り」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-24
「2003年のクリスマスイブ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-23-1

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

映像:空飛ぶ砲台AC-130特殊作戦機 [米空軍]

機内の弾積み&装填作業が思いっきり力仕事です

AC-130 2.jpg本日は、対ISILなど不正規戦に活躍する、米空軍の特殊作戦コマンドが保有する空飛ぶ砲台AC-130ガンシップをご紹介いたします
機内にスペースがある輸送機C-130に機関砲や榴弾砲を搭載し、敵の地上部隊や拠点に対し強力な火力で精密攻撃を行う事を狙いとした機体です

初期型は7.62mmミニガン4挺と20mmバルカン4門を装備していたが、地上からの脅威、例えばSA-7やスティンガー等の携帯式地対空ミサイルの発達と普及にともない、より長射程で威力の大きい40mm機関砲や105mm榴弾砲が追加されました

最近では、精密な近接航空支援に特化した改修案「AC-130J」も発表され、AGM-176、GBU-44/B、AGM-114、GBU-39、GBU-53/B等のスタンドオフ攻撃能力を担う精密爆弾やミサイルを搭載する型も仲間入りしているうです

映像(約10分間)では地道な弾薬搭載作業も・・・
AC-130 3.jpg●まず40mm機関砲の弾薬積み込み・・・これも結構力作業
●次に105mm榴弾砲の積み込み・・・手作業ですか?の腰に来る作業

機関砲や榴弾砲は機体左側面に装備され、目標を中心に左旋回しながら攻撃。これは、左側に座る機長が目標を視認しやすいため
●弾薬装填係は陸軍砲兵のような原始的力仕事だが、照準と射撃はTVモニター(赤外線暗視装置とレーダー測距を活用か)を見ながら落ち着いて冷静に静かに・・



制空権を確保できる米空軍だけの装備
AC-130H.jpg空軍特殊作戦コマンドでのみ運用されている。ベトナム戦争以外でも、グレナダ侵攻やパナマ侵攻、湾岸戦争、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、ソマリア内戦、コソボ紛争、アフガン侵攻、イラク戦争にも投
乗員13名、航続距離:4,070km、これまでに47機を生産
●対ISIL作戦が強化される中、空軍特殊作戦軍司令官は昨年5月、「(機体の老朽化が進んでいるが)AC-130で37機体制は維持できないが、退役を遅らせ当面26機を維持したい」と

約2分のこちらの映像は作戦場面を


映像シリーズ
「失敗試験各種と中国空母」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-27
「ロシア爆撃機シリア空爆」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-21
「CASの歴史を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-19

「イメージ中国軍の島嶼侵攻」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
「泣ける:帰還兵士と犬との再会」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-05
「レーザー兵器試験@ペルシャ湾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-13

映像で5つの視点から学ぶ
「火炎放射器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-2
「負傷者救出ヘリ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-07
「B-2爆撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-01

「AK-47ライフル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-28
「原子力潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-1

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

英国防省が太陽光無人機Zephyrを試験へ [安全保障全般]

Zephyr.jpg17日付Defense-Newによれば、英国防省が太陽光発電で1ヶ月間も高高度を連続飛行が可能な無人機の確認を行い、高高度偵察等に関する運用コンセプト試験を行う模様です

具体的な発表は18日に英国防省が行う模様ですが、確認予定の太陽光無人機は、2010年に14日間の「連続飛行世界記録」打ち立てた機体の能力向上型で、来年中旬には初飛行の予定です

記事には具体的な運用コンセプトの記述はありませんが、非常に興味深い試みですのでご紹介します

17日付Defense-New記事によれば
英国防省は、大気圏と宇宙との境界付近を飛行する太陽光無人機のデモ契約を結び、18日に発表する予定である
●この太陽光無人機はAirbus Defence and Space社が製造する「Zephyr 8」で、2~3機を関連システムを含めて約16億円で使用する模様。購入では無いので、機体価格は含まれていない

Zephyr3.jpg●「Zephyr 8」は、高度65000から70000フィートを連続1ヶ月間以上飛行可能な、「衛星の様な機能」を提供すると公表されている無人機で、昼間に太陽光で発電してバッテリーに蓄え、夜間も連続飛行する機体である
●なお、既存モデルの「Zephyr 7」は2010年に14日間の連続飛行に成功しているが、翼幅25mの新型「Zephyr 8」は「7」より3割軽量でバッテリー容量が5割増しになる設計である

●Airbus社の発表によれば、英国防省用の「Zephyr 8」初号機は現在製造中で、2017年中旬には初飛行の計画である。また英国防省は3機を調達予定である。また同社は、英国防省による同無人機の使用目的は非公開であるとも述べている
●なお英国防省が昨年11月発表の「戦略国防安保レビュー」では、常続的な偵察と通信中継のため、約4000億円を能力強化予算の一部を活用する方向が示されていた

英国防調達相のPhilip Dunne氏は、「Zephyr 8」はデモ試験を行うものであり任務に就くことはなく、特定の基地に配備されることも無いから維持経費は発生しないと英議会で説明している
●またDunne大臣は「本契約により、Zephyrが高高度での常続的偵察任務を遂行可能かを把握することができる」とも説明した

●Airbus社幹部は、ドイツとシンガポールも「Zephyr 8」に関心を示していると語っている
/////////////////////////////////////////////////////

Zephyr2.jpg記事には機体を「purchase」とか「buy three machines」とかの表現があるのですが、「unit costs are not held」とも説明があり、「約16億円=£10 million」は安いので、レンタル契約と解釈で訳しました

この様な、ゆったり低速で高高度を飛行する非ステルス機体を、どのような空域で、どのタイミングで使用する確認か興味深いですが、「使い捨て覚悟の早期警戒監視」や「安全な空域での衛星代替」とのコンセプトはあり得るかも知れません

本記事はなぜかシンガポール発で、航空自衛隊トップもシンガポール航空ショーに合わせ2月15日から18日に同国を訪問http://www.mod.go.jp/asdf/news/houdou/H27/0212.html)してましたので、本件に関し何か勉強してきたかも知れません
でも・・・、押しつけられたらしい「グローバルホーク」で手一杯ですかねぇ・・・

Zephyrと英国防省の取り組み
「冬の南半球で連続11日飛行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-29-1

高高度も利用
「驚嘆の中国軍UAV構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-03-12

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

米軍事メディアの「心神」への視線 [ふと考えること]

「心神」は無駄遣いで、他の国防投資を犠牲にして日本を弱体化

shinshin2.jpg14日付Defense-Newsが、防衛省が開発して初飛行間近な技術実証機「心神」に関し、日本在住Paul Kallender-Umezu氏の記事を掲載しています。

当然、同記事の見方には、米国軍需産業を意識した姿勢もありましょうし、米国中心の「上から目線」意識も感じられますが、それもまた世界の一般的見方であることも否定できません

最近「MRJ初飛行」や「ゼロ戦復活飛行」などが話題になり、芸能界や若者にまで「日の丸航空機」への夢や思いを語る人が増えているようですが、世界の空軍や軍需産業を見ている専門家の目に、どのように映っているかを垣間見たいと思います

国産戦闘機の話題になると、米国からの外圧に屈した「F-2開発の悲劇」や、国内軍需産業の苦境の視点を軸足に論じる方も多く、特に1990年代前半の「日米貿易摩擦」を働き盛りで過ごした方々の「臥薪嘗胆」の思いは消しがたいものあるようです

しかし、日本の置かれている状況を冷静に見れば、「戦闘機だけに夢を見る」ことが良いのか・・・よく考える必要があると思います

F-15能力向上が最も論理的なシナリオだ
Aboulafia3.jpg●航空自衛隊は僅か42機のF-35購入を決定しているだけで、相互運用性に欠けるF-2やF-15に支えられている状況である。予算上の制約から、今年も僅か6機のF-35購入予算を積み、残り僅かでF-2能力向上を11機行うだけである

●航空コンサルタント企業の専門家Richard Aboulafia氏は、航空自衛隊戦闘機のオプションには、F-35追加購入、F-15の能力向上、または最新F-15の追加購入が考えられるが、当面42機のF-35へ優先投資されることを踏まえれば、最新F-15の追加購入は予算的にあり得ないと語った
●今後数十年間、F-15が空自の中心戦力である事は確かで、その搭載量や行動範囲等も考えれば、F-15能力向上を優先的に考えることになろう、と同氏は述べている

Ganyard.jpg●別のコンサルタント企業社長Steven Ganyard氏(元国務省次官補代理、海兵隊大佐)は、既に巨額の投資をF-35に行っていることからすれば、近い将来でのF-35追加購入は予算的に難しいだろうし、F-2の重要性は日本航空軍需産業の基盤維持のためだけにあると喝破した
●またGanyard氏も、F-15機体の耐用年数が十分なことも考慮し、F-15能力向上が最も論理的なシナリオだと示唆している

●日本への脅威は中国戦闘機ではなく、南九州までを簡単に攻撃可能な中国の弾道や巡航ミサイルである。低空を侵攻しレーダー探知が困難な大量の巡航ミサイル対処のため、F-35とAESAレーダー装備F-15の組み合わせが重要だ。これに併せて、移動式「rail guns」を南西諸島に配備する事も重要だろうと同氏は語った
日本は米国と共同でF-15アップグレード計画を推進し、経費やリスクをシェアして相互運用性を増し、米、豪、イスラエル、シンガポール等で5世代機と「4世代機+」の融合運用空軍国を形成してはどうかと主張した

「心神」に関する厳しい評価
●専門家は、日本は国際競争力の無いF-2やC-2やP-1への投資を辞め、自国だけでは製造が難しく、かつ世界レベルのアセットに資本投入先を再試行すべきだと主張している
Okumura.jpg●明治大学国際総合研究所の奥村準・客員研究員(元経済産業省の官僚)は「心神」に疑問を呈し、米国や欧州諸国が経費節約効果のある共同開発に興味し、購入する可能性のある航空機か?と疑問を投げかけ、単に貧乏人の2番煎じのおもちゃにすぎないと評価している

●前出のAboulafia氏は、「心神」は多額の資金を国防強化から奪い、訳の分からない機体に振り向けるものだと評価している
●Ganyard氏は、輸出を狙った高い目標を掲げないなら、「心神」は自国技術開発への自己賛美や実用とは別の威光を体現したものとなるだろうと表現している。また「心神」は「貧乏人の・・・」にすぎず、無駄遣いで国家を脆弱にするものだと語った
///////////////////////////////////////////////////////////

単純に「もっとF-35を購入せよ」との主張であれば無視したのですが、諸情勢を踏まえ、「F-15能力向上」を提案していることから、ご紹介に値すると思いました。
Ganyard JMSDF.jpgちなみに、Aboulafia氏もGanyard氏も本分野では著名な専門家で、Ganyard氏は防衛省・海上自衛隊とも交流があります

色々ご意見はありましょうが、「心神」が飛んで万歳三唱で終わっては、あまりにもむなしいからです・・・

少なくとも、脅威の変化や経費面を考慮しない軍需産業維持のみの一本気な議論、「F-2国産開発頓挫の怨念」や「日米貿易摩擦の悪夢」忘れるな論、現政権の右側に旗を立てたいがための主要装備国産化論などよりは、議論のスタート地点になると考えます

もちろんそれ以前の論点として、旧来の「とりあえず戦闘機に投資」が多様な事態にも一番有効との論と戦わなければなりませんし、対外的な戦闘機の機数維持論理に「自縄自縛」状態の「固い頭」との戦いも避けて通れません。

こんな戦いには、「元経済産業省の官僚」研究員ではありませんが、自衛隊OBや「おたく」だけでなく、有能で国家安全保障に関する健全な視点を持った広範な分野の有識者が、参加して欲しいものです。。
「東京の郊外より・・・」もその一助になれば・・・と考えております

日本は戦闘機と心中するのか?
「悲劇:日本でF-35組立開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「悲劇:F-3開発の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16

nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

LRS-B機種選定:GAOはBoeing訴え却下、でも [米空軍]

GAO2.jpg16日、米空軍の次期爆撃機LRS-B(B-1とB-52の後継)機種選定に関し、破れたボーイング社が選定要領が不適切だと米会計検査院GAOに訴えていた件で、GAOは100日間の審理を経てボーイングの訴えを却下しました。

しかし訴えを却下されたボーイング社は、裁判所に訴える方向を示唆しており、今後も次期爆撃機LRS-Bには「いばらの道」が待ち構えている模様です

17日付米空軍協会web記事によれば
LRS-B NG.jpgGAO担当官の声明文は、「訴えを取り上げ、これ以上追求する根拠は無い」、「米空軍の技術的評価やコスト評価は理にかなっており、関連文書に則り、各種法律規則を遵守したものである」と記している
●なおGAOは声明で「ボーイング社の訴えや、GAOの判断の細部は非公開事項で有り、明らかにできない」とも説明している

●GAO発表を受けJames空軍長官は、「この極めて重要な兵器システムの開発と配備を前進させることを楽しみにしている」とのコメントを出した
Welsh空軍参謀総長も、「我が国はこの能力を必要としているのだ」と述べ、老朽爆撃機の更新と潜在敵対国への技術優位確保に期待を示した

勝者のNorthrop Grummanは
LRS-B4.jpgNorthrop Grummanは声明で、ボーイング社がGAOに訴えた昨年11月6日から関連業務の停止を命ぜられ、関連社員を自腹で維持してきた事もあり、「LRS-B計画の仕事を再開できることを嬉しく思う」と述べている
●軍需産業関係者によれば、ボーイングが裁判所に訴えて勝訴しない限り、Northrop Grummanが再び関連業務停止を指示されることは考えにくい

●2017年度予算案に関連して明らかになったところによれば、今後5年間でLRS-Bには約1400億円が投資される予定で、1番機は2014年から25年に完成し、2020年代後半に初期運用態勢を確立することになっている
●また当初は80~100機と幅を持たせていた調達機数は、現時点では100機に落ち着いている

一方で破れたボーイング社は
LRS-B8.jpgボーイング社は声明出し「我々は引き続き、我が社の提案が最上だと信じている」、「注意深くGAOの判断を精査し、数日中に訴えに関する次のステップを判断することになろう」と述べている

●ボーイングの動きに関しGAO関係者は、GAOの判断が最終決定になるとは限らないと述べ、GAOが年間に扱う約2500件の訴えの多くには発生しないケースだが、ボーイングが裁判所に訴えることはできる
例えば、2012年にアフガンに提供する軽攻撃機選定(勝者はブラジル企業)で、敗れたBeech Aircraft社が2回訴えを(裁判所に)起こしたが、2回とも敗訴に終わっているケースである

裁判所に訴えて敗訴しても、ボーイング社にペナルティーは無いが、GAO幹部は「仮に確固たる根拠が無いまま訴えを続ければ、政府系の顧客から疎遠になる潜在的可能性はある」と語った
/////////////////////////////////////////////////////

引き続き、どろ沼にならないよう願っておきますが、訴訟社会の米国ですから、言葉尻を捉えたり、詳細な手続き論の寝技に持ち込んだり、様々な手段を用いて「お抱え弁護士」が暗躍するのかも知れません。

また、そんな非公開情報のやりとりの中で、潜在的敵国に情報を盗まれないように祈るばかりです

LRS-B関連の記事
「敗者がGAOに不服申し立て」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-07
「結果発表と分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-28
「意図的リーク?LRS-B概要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-07

「選定結果で業界大再編か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-20
「LRS-Bは議会対策困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-12

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

米空軍が「I-Wing」構想を試行へ [米空軍]

James Integ.jpg10日、James空軍長官が上院の予算関連委員会で、米空軍組織効率化のため議会から提案されていた「Integrated Wing構想」(I-Wing構想)について、空中給油機部隊を対象に2017年度中に立ち上げ、約3年間の試行で種々教訓等を収集すると明らかにしました

「I-Wing」構想の細部について米空軍web記事は説明していませんが、同様の機能を持つ部隊や、融合した方が機能発揮が円滑に進むと考えられる複数の部隊を「Integrate」することで、指揮統制をシンプルにし、重複する組織を効率化する構想のようです

決まったパターンは無い」とか、「3年間の試行期間等は必要に応じて修正される」など、慎重の上にも慎重な米空軍側の姿勢が伺える「米空軍web記事」ですが、議会の提言ですので「表面上は前向き姿勢」を示さないといけないのでしょう

10日付米空軍web記事によれば
I-Wing concept.jpg●10日、James空軍長官は上院「Appropriations」委員会で、米議会の「米空軍組織」に関する提言レポート(National Commission on the Structure of the Air Force report)で2014年に提案されている「I-Wing」構想について、Seymour Johnson空軍基地の空中給油部隊で試行を行う計画だと語った
●同長官は「米空軍は引き続き任務を全うしつつ、多機能を持つ軍としての効率性や効果性改善に取り組んでいる」、「I-Wing構想は、部隊間の垣根を除去して融合した部隊を形成する機会を提供する構想だ」と述べた

●先行して試行する部隊では、正規部隊である第911空中給油飛行隊が、予備役部隊である第916空中給油航空団(第6空輸航空団の隷下部隊)の組織に編入される
現在でも2つの部隊は協力して運用しているが、異なる2つの指揮系統下で任務を遂行している。I-Wing構想下では、一つの組織としてより効率的に任務遂行することを目指す

●I-Wing構想は、画一的なパターンの部隊融合を進めるものではなく、部隊の立地、各組織の任務や扱う機体の種類などを考慮し、兵士や家族への影響や効率的な任務遂行の観点から、個々のケースにあった融合を狙うものである。また、現時点で優れた部隊への適用は想定していない
●また今回の試行は3年間を計画しているが、得られた教訓から、必要ならば期間の変更や今後のコンセプト展開にも変更があり得るとされている

I-Wing concept3.jpg●米空軍予備役トップのJames F. Jackson中将は、「第916空中給油航空団が試行に選ばれ光栄だ」、「この試行により、シナジー効果が生まれるか、得られた教訓が米空軍内の他部隊に活用可能かを見極める」と語っている
●Welsh空軍参謀総長は、「米空軍は、空軍司令部から前線部隊に至るまで、より良く組織を融合させ、効率的で効果的な組織を常々から追求してきている」、「I-Wing構想は、我々を更に高める構想の一つである」とコメントしている
//////////////////////////////////////////////////////////

James空軍長官、Welsh空軍参謀総長やJackson中将のコメントが、完璧な社交辞令に聞こえるのはまんぐーすだけでしょうか
組織の改編は「ポスト削減」につながりますし、部隊の歴史や伝統を重んじる軍事組織の特性として、吸収される部隊構成員は複雑でしょう。ましてや、その改編が外部からの押しつけ観一杯だとすれば・・

恐らく米軍や国防省とすれば、I-Wing構想なんかより、国防省が要望している基地の再編や閉鎖(BRAC)を議会に許可して欲しいのでしょうし、BRACの方が遙かに効率化効果があると言いたいところでしょう。
また、個々の議員の私利私欲(選挙区の基地廃止で税収減など)でBRACが頓挫している現状に、怒り心頭でしょう

I-Wing concept2.jpg米議会の提言レポート(National Commission on the Structure of the Air Force report)を直接読んだわけではありませんが、シンクタンクや議会調査局等にいる米空軍OB等の有識者意見を踏まえた、地に足の付いた報告書だと想像します
ですから、その内容に取り組むことはマイナスでは無いにしろ、いろんな面で軍と議会の間の「摩擦の種」になりそうな案件です。

米空軍と議会の間には、A-10全廃問題、軍事衛星打ち上げロケットのエンジン調達問題、F-35や次期爆撃機計画を巡り、既に十分な「摩擦」が存在しますので、おなか一杯のはずですが・・・

米空軍と米議会の攻防:最近の状況
「A-10全廃問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-22
「露製ロケットのエンジン」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-24
「F-35の問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

米空軍幹部:次世代戦闘機は海空軍別々で [米空軍]

F-22hardturn.jpg12日米空軍の計画部長が、昨年米海軍と共同で検討を開始した2030年代以降を想定した第6世代戦闘機について、海空軍間で求めるものが異なることから、F-35のように共通な機体にはならないだろうと記者団に語りました

第6世代戦闘機は、海軍にとってはFA-18、空軍にとってはF-22の後継となる戦闘機で、海軍が少し先行して選択肢検討分析(AOA:analysis of alternatives)を進めている状況にあります

12日付Defense-News記事によれば
Holmes 6th Gen.jpg●12日、米空軍司令部の計画部長James Holmes中将は記者団に対し、国防省の第6世代戦闘機はF-35の様な共通の機体ではなくなるだろうと語った
●同中将は「統合作戦にどのような能力を海空軍がそれぞれが提供するかを考えると、海軍と空軍がそれぞれ異なる要求を持つことになるだろう」、「海空軍は共通の技術を使用し、共通の部品を使用することもあろうが、同じ航空機では出来ない十分に異なる任務を担うことになるだろう」と語った

昨年、海軍と空軍は2030年代以降の航空優勢を確保するため、共同で選択肢検討分析(AOA)を開始した。海軍がAOAでは先行し、空軍は結論を急がない決定を行っているが、両軍は引き続き緊密に協力しているとHolmes中将は強調した

●同中将は「より広範な情報を収集するため、1年間意見交換を行ってきた」と述べ、AOAを急ぐ変わりに第6世代戦闘機の可能性を検討するCCT(Capability Collaboration Team)を立ち上げ、軍需産業、他軍種、科学者、政府系研究機関等と共に、オプションを2つに絞り込んでいる
●CCTは今年の春に、空軍首脳部に検討状況を報告する予定となっている

Holmes 6th Gen3.jpg●Holmes中将は「複数ドメインで活動する米空軍は、複数ドメインで課題解決を目指すアプローチを取っている」、「潜在的脅威に対して空対空優位を確実にするため、宇宙、サイバー、空中能力で何が求められるかを、オープンな姿勢で吟味している」と説明した
●更に計画部長は、2017年度予算案の様々な部分に技術検証や実験予算が組み込まれており、第6世代機開発のリスク低減を図っているとも語った

●次世代制空に関する検討予算は、第6世代戦闘機だけに使用するものではないが、2017年度に約25億円、18年度と19年度に16億円が計画されている。また「革新と検証実験」の予算項目にも、2017年度から19年度にかけて、約90億円を要求しており、次世代戦闘機の検討に使用可能である。
●Holmes中将は「短期間で、技術検証や実験が予定されており、family of systemsで考える(制空)能力開発のリスク低減に結びつける」と語った
/////////////////////////////////////////////////////

SinSin.jpg最近、日本が開発した戦闘機「心神」の初飛行が間もなくだと話題ですが、「心神」が実証しようとしている技術が、米軍内で行われている議論とは全く次元が異なる、ピントが外れたものに見えるのは私だけでしょうか・・・。

以前、「20年前を目指す航空自衛隊」との記事で、湾岸戦争当時の戦いを夢見る日本の「戦闘機命派」を嘆きましたが現時点では「25年前を目指す・・」になってしまいました。

上の記事には、海軍と空軍の「なわばり争い」とか「F-35後遺症」とか色々突っ込みどころが満載で、「ご飯3杯」くらい食べられそうですが、それでもまだ米軍は前進方向にあるので救われるのですが・・・

日本の戦闘機にまつわる悲劇2つ
「悲劇:日本でF-35組立開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「悲劇:F-3開発の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16

次期(第6世代)戦闘機を考える記事
「NG社が次世代戦闘機の論点を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「kill chain全体で考えよ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-27
「Air Dominance 2030検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-09

「海空共同で次期戦闘機検討へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-30
「将来制空機は大型機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「海長官:F-35は最後の有人戦闘機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-17

「空軍参謀総長当面有人機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-23
「女性将軍が次世代制空を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-23

「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12
「ステルスVS電子戦機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22

nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

米ミサイル防衛庁MDAが次年度予算案を解説 [米国防省高官]

Syring MDA2.jpg10日、2017年度予算案について米ミサイル防衛庁(MDA:Missile Defense Agency)長官のJames Syring海軍中将は、複雑化する脅威対策に関し、レーザー、宇宙アセット、GBI、THAAD、Aegis Ashore等への投資内容について説明しました

各軍種の装備老朽化が進み新装備購入計画が目白押しで、かつ対ISILや対ロシアで活動経費が膨らむ中、発言力が強くない米ミサイル防衛庁は予算面で「悲哀を」味わっていると以前紹介しましたが、全体の構図としてその傾向に変化無しと考えられます

それでも、以下の各項目は脅威の変化や技術動向を反映し、なかなか興味深いですのでご紹介します。それぞれの予算額が多いのか少ないのか判断する基準がありませんが・・・

11日付Defense-News記事によれば
Syring MDA.jpg●ミサイル防衛庁MDAの2017年度予算案は約8500億円を要求し、昨年定めた優先事項を維持しつつ、より複雑化し高度化する脅威対処技術の開発にも着手するものとなっている

●ミサイル脅威を撃退する次期レーザーシステムの基礎技術開発のため、約85億円を要求している
●またDEW(Directed Energy weapon)計画では、引き続き強力でコンパクトな2つのタイプのレーザー開発を行う

無人機MQ-9搭載用の、先進センサーを装備した目標照準システム開発に約110億円、また、無人機に搭載してブーストフェーズでのミサイル防衛に活用する、レーザー兵器の設計契約予算も含まれている
Syring長官は「レーザー重視は継続し、より高出力をより小型装置で可能となるよう追求していく。いつかハイパワーレーザーに発展させたい」と説明会見で述べた

●同MDA長官はまた、複数の異なるレーザー技術に取り組んでおり、企業にも協力を求めてコンセプトや潜在的な活用法を検討しているとも説明した
●そして「MQ-9等の無人機を活用した試験は、レーザー関連だけでなく、レーザー照射の照準をつかさどるセンサー能力の試験も行っている」と述べた

宇宙アセットやGMD強化へ
Syring MDA3.jpg●MDAはまた、弾道ミサイル破壊状況を把握するデータ収集を、宇宙に配備した商用ベースのセンサーネットワークで行うSKA(Space-based Kill Assessment)の構築に、約22億円を要望している
●なお「商用ベースのセンサーネットワーク」担当企業は、2017年度にSKAネットワークの打ち上げを計画している

●更に、北朝鮮やイラン発射の大陸間弾道弾ICBMから米本土を守るGMD(Ground-based Midcourse Defense)システムの不足能力を穴埋めするため、MOKV(Multi-Object Kill Vehicle)開発に約75億円を要望している
●MOKVは、アラスカとカリフィルニアに配備されたGMDに複雑で同時多数の脅威に初期段階で対処可能な能力を付与するものである

●MOKVが完成するまでの対処としてMDAは、GMDの「kill vehicle」の改良に取り組むため約3000億円を要望している
●また、約1200億円の規模で、現GMDミサイルの配備数を、現在の30発から44発に拡大する予算要求案となっている。予算が認められれば、2017年度末までに、44発すべてが配備完了する予定である


「Aegis Ashore」と「THAAD」について
Aegis Ashore Map.jpg●「European Phased Adaptive Approach」に関しては、まず第1段階で2011年トルコにAN/TPY-2(Xバンドレーダー)が配備され、第2段階として2015年12月にルーマニアでAegis Ashore systemが技術的運用可能態勢になった
●第3段階として、2つ目のAegis Ashoreを2018年にポーランドで態勢確立するため、約750億円を要求している。

●THAADシステムに関しては、MDAはリスクを受け入れたとも言える。MDAは引き続きTHAAD調達を行い、2017年度予算に24発のミサイル購入予算を約430億円要求し、2017年度末時点で計205発が陸軍部隊配備になる計画である
●しかし、陸軍が要求している9個のTHAAD大隊整備の残り部分には未着手のままである。現時点では、2018年までに7個大隊が編成できる予算しか確保できていない。ミサイルに関しては2021年までに400発以上を調達することになっているが

韓国へのTHAAD展開が具体的に協議され始めたようであるが、追加のTHAAD大隊調達は具体化していないMDA長官も「議論のテーブルから外れてはいない」と述べるにとどまった
THAAD1.jpg●Syring長官はまた「THAADの射程延伸を検討しているが、検討を加速する段階にはない」、「コンセプト検討を開始したが、THAADだけでなく、他システムも含めた全体で脅威も絡めて検討することが重要だ」と表現している

●CSISのKarako研究員は、「弾道ミサイル防衛への需要は供給を遥かに上回っており、最近のTHAAD韓国配備問題は、米陸軍と海軍のTHAAD、SM-3、PAC-3に対する要望にどう対応するかという問題を顕在化させている」と語っている
/////////////////////////////////////////////////////

弾道ミサイルやBMDに関しては、「海国防衛ジャーナル」が非常にわかりやすく、詳しいので推薦します
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/

Syring海軍中将の発言と予算案の紹介だけで、分析まで踏み込めていません。特にMDA予算の「冷や飯度合」がどの程度なのかが気になります

また、韓国へのTHAAD配備協議に絡め、今後、BMD関連の報道や分析を目にする機会が増えると思いますので、その参考になればと思います。

MDA関連の記事
「SM-6がミサイル防衛に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-05
「米ミサイル防衛が悲哀を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-22

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース
メッセージを送る