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米海軍も次世代制空検討NGAD開始 [Joint・統合参謀本部]

NGAD4.jpg21日付の米海軍協会web記事によれば、米海軍幹部が米海軍協会に対し書面で、FA-18やEA-18G後継検討を含む次世代制空検討(NGAD:Next Generation Air Dominance)を今年1月から開始していると明らかにしたとのこと

次世代の制空は戦闘機一つでで考えるのではなく「a family of NGAD systems」で考えるとか米空軍と情報共有するが共同で次期システム分析AOA(analysis of alternatives)はやらないとか、海空軍で似たところもあれば違いを示唆する部分もあり、共同AOAを臭わしていた昨年3月の時点(http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-30)から変化が見られます

米空軍は1年先に「Air Superiority 2030」検討を開始し、4月上旬にその結果の方向性を明らかにしていますが、米海軍はまだ検討に着手したばかりであまり具体的な話はありません
記事にも推測部分が多いので、注意しつつご紹介します

21日付米海軍協会web記事によれば
NGAD3.jpg1月にスタートしたNGAD検討に関し、海軍幹部は21日に声明文書で、FA-18とEA-18の後継を構成する「family of NGAD systems」の構成要素となる、FA-XXの要求性能検討を開始したと述べている
●米海軍は、FA-18E/Fの後継はあくまで単一航空機ではなく、空母艦載の複数の航空作戦任務装備で埋めるものだとの立場である

●更に米海軍は声明で、「海空軍は共通の分析手法やツールを使用し、検討情報の共有を図ることにより、相互運用性や技術投資の共同化で効率性を追求する」と述べているが、(昨年時点では共同検討も示唆していたものの、)米空軍がF-22後継を念頭に開始したF-X計画と、海軍のFA-XX計画の要求性能検討AOAは共同では行わない考えを示した

●NGAD検討に関し、20日に上院軍事委員会に提出された証言文書は、有人機だけでなく、無人機や無人機で有人バージョンも可能な形態も検討すると明らかにしている
●また、FA-18とEA-18Gそれぞれに後継機体を検討するのではないを強調する一方で、既存のアセットの改修や発展的活用まで、革新的から段階的な手法までを含めたNGAD検討を求める方向になっている

NGAD2.jpg米空軍との共同AOA検討を止めた背景には、海空軍の文化の違いがある。空軍が伝統的に速度やステルス性を求めるのに対し、海軍は搭載量を求める傾向がある
●2015年には前任の海軍作戦部長が、「ステルスの時代が終わったとまでは言わないが、現実に向き合う必要がある。発見されるようになる」、「FA-18E/Fの後継は、多様な兵器を使用できる搭載量を持ち、敵防空網を制圧してアクセスを確保できる必要がある」と言及していたところ

●またメイバス海軍長官は昨年、「自律的な無人システムが、今後多様な分野で標準装備になる必要がある」、「F-35は確実に米海軍省における最後の有人戦闘機になるだろうし、そうあるべきだ」と述べ、無人機への期待感も空軍より強いように見える

初の空母艦載無人機に関し
●20日、上院軍事委員会で米海軍航空戦力担当のMike Manazir少将は、初の無人艦載機となるMQ-XX(Stingray)は、空中給油任務とISR任務しか主要任務として担わないと語った
●CBARS(Carrier Based Aerial Refueling System)を早急に実現したいと考えておることから、当初は他の任務については考えないとも説明した
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7日に米空軍が明らかにした「航空優勢2030検討」の方向性では、速度や機動性より、航続距離や搭載量を重視する姿勢を明らかにしていました。今後の展開に注目です

NGAD.jpg言うまでもなく。米海軍航空部門と米空軍はなわばり意識や組織防衛意識が強く、共同で次世代制空機を検討するつもりなど無かったはずですが、昨年までは議会や国防省上層部の視線も意識して、共同で要求性能検討をやる方向で・・・等と言っていたのでしょう

徐々にそれぞれ好きな方向に進むつもりでしょう。そのうちWork副長官や上下院軍事委員会などから「何やってんだ! 説明に来い」と言われて理屈をコネにかかるのでしょう

米国防省内の事だけなら「高みの見物」を決め込むのですが、対中国の軍事作戦を考える際、この米海空軍の統一感のなさは重大な懸念事項です。
米海軍はNIFC-CAを持ち出し、米空軍はB-21や長射程ミサイルJASSM-ERを正面に語るようですが、戦略レベルでも、作戦レベルでも、対中国の姿勢が定まっていません。この辺りは対中国の軍事戦略欠如が根本にあるのですが・・・

悲しいかな、そんなバラバラ感や根無し草状態の中、無邪気に「心神」の初飛行を喜ぶ日本の「戦闘機命派」がSNS上に溢れています。ため息以外の何もありません・・・

海空戦闘機検討の関連記事
「海空共同で次期戦闘機検討へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-30
「海長官:F-35は最後の有人戦闘機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-17
「ステルス機VS電子戦機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22

「米空軍の航空優勢2030検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「kill chain全体で考えよ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-27

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米国防省高官:F-35フル試験は1年遅れ [亡国のF-35]

F-35 luke AFB.jpg4月26日、上院軍事委員会で証言した米国防省のMichael Gilmore試験評価部長は、F-35が引き続き抱える複数の問題により、完成版F-35の評価試験開始が予定時期より少なくとも半年、恐らく1年は遅れるだろうと語りました

また国防次官やF-35計画室長は、米空軍F-35の初期運用態勢の宣言は10月1日になるだろうと語り、8月1日に宣言できない「唯一の犯人」は自動兵站情報システムALISだと同軍事委員会で証言しました

同じ国防省内でも、議会によって「お目付け役」として設置された試験評価部と、実際に事業を推進する次官や担当部署の温度差を、際立たせることになった26日の上院軍事委員会だったようです

27日付米空軍協会web記事によれば
Gilmore.jpg●Gilmore試験評価部長は、完全版F-35の評価試験を遅らせる問題点として、ソフトの不安定性、電子戦の能力不足(shortfalls)、ミサイル警報装置(AESAレーダーでの受信問題)、空中給油に必要な時間(他機より2~3倍必要)、非公開システム不具合、全ての形態での機関砲問題、そして自動兵站情報システムALISの不具合を上げた
●なお、米空軍バージョンの評価試験(IOT&E)は2017年10月に予定されているが、2018年5月までに開始できそうもないとGilmore試験評価部長は語った

注・・・記事の中の「Operational, test, and evaluation of the full-up F-35」との表現が、完全版ソフト「3F」搭載の完成版F-35の試験を表現しているのか、米空軍F-35の話か、短い記事からは良く分かりません

米空軍F-35のIOCは10月1日か
Bogdan6.jpg●26日、ケンドール国防次官(開発技術調達担当)とBogdan国防省F-35計画室長が上院軍事委員会で証言し、米空軍F-35の初期運用態勢IOCは、当初計画の8月1日ではなく、恐らく10月1日になるだろうと語った
●Bogdan室長は、ALISを除く他のシステムや部隊の態勢は全て8月1日のIOCに間に合うが、ALISだけが間に合わないと説明した

●Bogdan室長はALISに関し、国防省が運用するシステムだが、ロッキード社やPratt & Whitney社のコンピュータシステムと連接してデータのやり取りをする必要があり、サイバー防護の観点が課題となっていると語った
Kendall III.jpg●ケンドール次官は、IOC宣言の判断は米空軍が行うが、既にIOC宣言をした海兵隊と同じように、機体が快適に機能しなければ宣言はしないだろうと語った
●なお両者とも、8月のIOCは難しいが、12月の最終期限までには確実にIOC宣言ができると証言した
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Gilmore試験評価部長と、ケンドール次官とBogdan室長が別々に証言したのか、3名並んで証言したのか不明ですが、別の視点での発言内容を取り上げてはいるものの、悲観派と楽観派にくっきり分かれています。

仮にIOCを宣言しても、限定的な能力発揮しかできないことには変わりなく、Gilmore氏が指摘した問題点をどのように扱ってIOC宣言するのか興味津々です

F-35の問題点を整理
「民間団体が辛辣なF-35現状評価」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-20
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「整備拠点関連の話」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-05-1 
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次の米空軍参謀総長は7歳若返り [米空軍]

噂通り、David Goldfein大将が正式候補に

Goldfein6.jpg26日米国防省は、7月1日から就任予定の次の米空軍参謀総長候補者に、現副参謀総長(昨年夏に就任したばかり)であるDavid Goldfein大将を推薦すると発表しました

先日「噂」段階でご紹介していましたが、現在のWelsh参謀総長より空軍士官学校の期別で「7期」も若返り、昨年8月に大将に昇任したばかりの人物いろいろ言われてきた候補者を「飛び越える」それなりにサプライズな人事です。

日本で言うと防衛大学校27期相当の若さですが、今後は上院軍事委員会での質疑等を経て議会承認を得る手続きに進みます。
報道によれば、米空軍幹部としばしば衝突する上院軍事委員会のメンバーも「まあいいんじゃないの」程度の反応で、議会承認獲得に大きな問題はなさそうです

26日付Defense-Newsから関連あれこれ
Goldfein4.jpgF-16C/D型、ステルス機F-117、無人機MQ-9等の操縦で4200時間以上の飛行時間。作戦行動でイラク、バルカン半島、アフガンを飛行。海外での勤務はイタリアとドイツ、更に中央軍空軍司令官としての勤務で、日本や韓国はない
●コソボ作戦に参加した際、1999年セルビア上空でSAMに撃墜され、敵の攻撃の中を空軍ヘリによる救出作戦で生還。当該救難ヘリは敵銃弾を「5発」受け、危機一髪の救出劇だった。Goldfein大将は今でも、救助ヘリのクルーに「毎年一本スコッチ(本人談:single malt, good quality)」を贈呈している

●Goldfein大将の推薦の背景には、対ISIL航空作戦を強化している最中、カーター国防長官が関連経験豊富な人材を要望していることがあると言われている
議会との間で対立が続いたA-10全廃問題に関し同大将は、「A-10全廃を米空軍が決定したのは、ISIL問題が表面化する以前であり、アフガンからの撤退を進めている最中であり、ロシアの活動活発化の前であった。このような前提に変化があったならば、我々は機敏に変化に対応する」と語り、議会のA-10当面維持姿勢を受け入れる考えを示している

●このA-10問題やF-35問題で米空軍幹部に批判的である上院軍事委員会のマケイン委員長であるが、マケイン氏自身もベトナム戦時に撃墜され捕虜になった経験を持つこともあり、少しは良い関係構築につながるのではないか
Goldfein7.jpg●同大将が候補者になった事に対しマケイン議員は、「優れた経歴で評判も良い」「私がいろいろ聞く限り、印象的な人物だ」と述べており、上院での承認手続きに関しても、大きな問題や遅れにつながるようなことは想定していないとも語っている

●同大将の父親も空軍人で、兄弟のStephen Goldfein氏も空軍少将として退役している。娘の一人も空軍で勤務している
●2001年に「Sharing Success, Owning Failure: Preparing to Command in the 21st Century Air Force」との本を発表している

Goldfein大将の公式経歴
http://www.af.mil/AboutUs/Biographies/Display/tabid/225/Article/108013/general-david-l-goldfein.aspx
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15日の「噂」に関する過去記事より抜粋
●これまで、現在の米空軍宇宙コマンド司令官である非パイロットのJohn Hyten大将が最有力の候補者と考えられてきたが、ここに来てこれまで名前が話題にならなかった候補が急浮上している

Goldfein2.jpg●同情報筋によれば、カーター国防長官が、対ISIL作戦をリードするための経験を持つ人材を望んでいる模様
Goldfein大将は1983年に空軍士官学校を卒業(防衛大学27期相当で55~56歳)し、副参謀総長に就任する2015年8月までの2年間は統合参謀本部議長の筆頭補佐役(Director, Joint Staff)、2013年8月までの2年間は米中央軍空軍司令官を務めていた

今年2月にWelsh空軍参謀総長は米空軍協会総会の「大将パネル討論」で、自身の後任者は「non-pilot」であるべきだと強く主張し、宇宙作戦の進展と重要性を強調した後に、同パネル討論に参加していたHyten宇宙コマンド司令官に「後任問題」と「宇宙作戦」に関するコメントを求める一幕もあり、Hyten後任説の根拠とされていた
●そのHyten大将に関し同情報筋は、米戦略コマンド司令官(現在はCecil Haney海軍大将)の後任者の最有力候補だと語った

Goldfein3.jpgGoldfein大将の前職「Director, Joint Staff」は、軍人トップの統合参謀本部議長の筆頭補佐役として、ホワイトハウスや国防長官や軍主要コマンド等との調整に奔走する役回りと考えられ、そのあたりの働きぶりが目に留まったのかも知れません

F-16操縦者ながら三沢や韓国勤務はなく、アジア太平洋経験は「ゼロ」です。
やはり今一番米国防省にとっての懸案は、正に燃えさかっている「対ISIL」作戦と言うことなのでしょうか・・・

従来の噂候補3名
「次の空軍参謀総長候補3名」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-09

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「東アジア戦略概観 2016」の「第8章米国」を見る [安全保障全般]

eastasian2016.jpg1か月以上前の3月25日、防衛省防衛研究所が今回で20周年となる記念すべき恒例の「東アジア戦略概観2016」を発表しました。2015年1月から12月の間の「地域情勢」や「戦略環境」をまとめたもので、兵頭慎治さんが編集長です

同研究所に所属する研究員の個人的な見解をまとめたもので、日本政府や防衛省の公式見解ではないとの「大前提」はさておき、安全保障に関する貴重な記録であり、webで全文閲覧可能で英語版もある素晴らしい約300ページの資料です

「東アジア・・」とのタイトルながら、第1章に「宇宙安全保障」、第2章に「イスラム主義過激派の伸長」を取り上げてISIL動向を丁寧にフォローしているように、相互依存が深まる安全保障問題を多角的に総合的にフォローしており、はしがきで「日本の安保政策を追求する際の知的議論の材料」と表現した位置づけにふさわしい内容となっています。

GPS-III.jpg特に「第1章:宇宙安全保障」はコンパクトに新ドメイン「宇宙」の諸課題や各国の動向をまとめており、他にこの様な資料は存在しないのでは・・・と思わせる「涙が出るほど」のありがたさであり、「第2章:イスラム過激派」も、わかりやすい表現で専門外の読者の理解を助けてくれる「暖かさ」を感じます

また、「第9章:日本」は、改めて日本の安全保障政策の動きを整理・整頓して解説しており、「シームレス」な理解に大きな力となります。
ただし・・・

いつものように残念な「第8章:米国」

もちろん評価すべき良い点もあります
Asia Pacific.jpg第2節の(2)「A2AD脅威対応の新展開」で、エアシーバトルASB論が中国を刺激する恐れがあるとの議論を持ち出した米陸軍の反撃模様を描写し、陸軍参謀本部の戦略計画副部長(准将)の論文を取り上げ、中国大陸に面する列島線上に防空ミサイルや対艦ミサイルを配備したり、衛星に依存しない通信インフラや潜水艦探知センサー網の整備を、安価で強靭で艦艇より残存性が高いと、懸命に生き残りをかけて反撃主張していることを紹介している
●また、太平洋空軍がIAMDの「積極防空」だけでなく、「受動的分野」としてグアム島のアンダーセン基地の施設や滑走路の強靭化や抗たん化に取り組んでいる様子もしっかり取り上げている

更に第3節(1)「ロシア脅威論の浮上」では、昨年7月のダンフォード大将の議会証言「米国にとってロシアが最大の脅威」をきちんと取り上げ、欧州への戦力展開や装備の事前集積の様子を紹介し、ロシアの脅威が対ISと並んで、米軍の態勢に影響を与え始めていることを紹介している

でも不完全燃焼感が
krepinevich6.jpg●CSBA前理事長のクレピネビック氏が昨年5月の日本公演で語ったように、エアシーバトル封じ込めは予算配分を巡る陸軍や海兵隊の反撃の結果であり、「Work副長官らがASBの考え方の実現に向けゲリラ戦を継続している」のが現状であろうが、それへの言及がない
●実際、B-21やNIFC-CAやCBARSや巡航ミサイル改良や長距離対艦ミサイルや超超音速兵器等々の開発は進められ人工知能とDeep-learningを活用したサイバーや電子戦への迅速対処、またレーザーやレイルガンによる同じた目標対処、無人システムによる効率的な対処の検討がどんどん進んでいるが、ほとんど記述が無い

ASB封じ込め顛末
「CSBA理事長の来日公演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-27 

Third Offset Strategy関連の記事
「慶応神保氏の解説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-26
「宇宙とOffset Strategy」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「CNASでの講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-15
「11月のレーガン財団講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-15
「9月のRUSI講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-12

「米国のリバランス」への疑問表現一切なし
CSIS rebalance2.jpg●米議会が米国防省を通じて独立的外部有識者に分析を依頼した「アジア太平洋リバランスの評価」結果が、2016年1月19日にCSISから発表され、中身や戦略のないリバランスの現状を厳しく指摘しており、米国防省でさえもwebサイトで「指摘の正しさ」を大々的に表明している
●「東アジア戦略概観」は2015年12月までをカバーする前提に立っているが、本CSISレポートを待つまでもなく、「アジア太平洋リバランス」への疑問の声は各界各方面から上がっており、その点に関する指摘が無いのは「異様」の一言に尽きる

●またカーター国防長官やWork副長官が2015年の就任当初から、対中や対露目的だと明言して懸命に取り組んでいる「第3の相殺戦略:Third Offset Strategy」や「ハイテク企業との連携強化」、更には「Force of future」への取り組みの説明が「わずか半ページしかなく、第8章に「空虚感」をもたらしている

「ハイテク繊維へ共同体」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-05
「人材確保・育成策第1弾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-19
「FlexTech Alliance創設」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-31
「技術取込機関DIUx」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-25

何のために「グダグダ」と予算構造を難解に解説?
更に、第2節と第3節の「グダグダ感」は目を見張るほど。第2節は網羅的に時系列で事象を記述しているが、焦点をわざとぼやかすように、固有名詞を細かく丁寧に記述しすぎ、文字数を稼ぎすぎて本文の理解を困難にしている
Pentagon.jpg●また第3節(2)以降の米国防予算の構造や強制削減にまつわる経緯を延々と綴った13ページ(第8章全体でも36ページなのに)は、誰が読むのか?(在日米軍再編予算で米側資料解読に苦労する防衛官僚のためか?)と頭をかしげるマニアックさ

●英語版を出すため、詳細な英語の文献をそのまま直訳して引用したのではないかと思うほど、読者を睡魔に誘い込む罠が張り巡らされている
第2章のイスラム過激派の説明や、第5章の東南アジア諸国の解説は、専門的で難解な説明になることを避け、単語や用語の選択と簡明な表現で、読者を感激させているのに・・・

●米国防省が毎年議会に提出する報告書「中国の軍事力」が、中国の軍事力強化の目的を「地域の高列度紛争を戦い、短期間で勝利」と明確に記述するのとは対照的に日本の防衛白書が中国軍の陸海空軍とミサイル部隊を羅列的に記述し、読者の理解をごまかしている姿勢とそっくり!

「中国の軍事力」レポート
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-06
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Boukenn.jpg基本的に、「第8章:米国」を含め「東アジア戦略概観」は素晴らしい資料ですので、応援の意を込め、紹介させていただきました。

「第8章:米国」の第2節や第3節を担当された方も、まんぐーすに言われるまでもなく、そんなこと承知の上だけど、「世間のしがらみ」や「大人の事情」があるんだと大声で叫びたい御心境でしょう。
また、それは2016年に入ってから明らかになった事だろ・・と反撃したい点もありましょう。いい加減な難癖部分もありましょう・・・すいません

色々な意味で、知的好奇心を駆り立てる重要な報告書だと感謝しております。

過去の「東アジア戦略概観」記事
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13-1
「2013年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-10
「2012年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-03

ASB封じ込め顛末
「CSBA理事長の来日公演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-27 

Third Offset Strategy関連の記事
「慶応神保氏の解説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-26
「宇宙とOffset Strategy」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「CNASでの講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-15
「11月のレーガン財団講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-15
「9月のRUSI講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-12

「Force of future」関連
「ハイテク繊維へ共同体」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-05
「人材確保・育成策第1弾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-19
「FlexTech Alliance創設」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-31
「技術取込機関DIUx」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-25

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東レ製の炭素繊維密輸未遂で中国人逮捕 [中国要人・軍事]

carbon fiber5.jpgcarbon fiber2.jpg21日、米国司法省は、中国政府機関のため軍事用に東レ製炭素繊維(carbon fiber)を許可なく不正輸出しようとしていた中国人Fuyi Frank Sunを、おとり捜査により13日に逮捕したと発表しました
同容疑者は2011年から高品質炭素繊維の獲得に活動した模様で、ミサイルや航空機の機体、更には「ガス遠心分離機のローター」等々に中国当局や中国軍需産業が使用する狙いがあったようです

高級炭素繊維の具体的な軍事用途を承知しておらず、21日付Defense-News記事もあまり明確には記述していませんが、ここ数年、中国人が高品質炭素繊維の不正輸出容疑で逮捕される事件が続発しており、中国側のニーズが高いことを示しています。
加えて、東レの技術はすごいんだな・・・と改めて思いました

21日付Defense-News記事によれば
carbon fiber4.jpg●Sun容疑者は、国土安全保障省の捜査機関であるHIS(Homeland Security Investigations)のおとり捜査員(undercover agents:炭素繊維の売人を演じる)から、東レ製の「M60JB-3000-50B」を入手し、許可なく輸出しようとして逮捕された。また「M55JB-6K」にも関心を寄せていた模様
●当局によれば、同容疑者は炭素繊維を「バナナ」との隠語で呼び、11日に中国からニューヨークに移動、おとり捜査員に炭素繊維を中国軍用に購入すると語った。またかつて、中国の国家宇宙行政局に勤務し、中国のミサイル開発に従事していたとも語っている模様

●同容疑者はおとり捜査員に、炭素繊維代金として約250万円、危険を伴う仲介手数料として約22万円を支払った
●なおHISによるおとり捜査は、ネット上に様々な商品を展示して行われている。細部は不明だが、おとり店舗はニューヨークにある模様

●取り調べに対し同容疑者は、豪州やベルギーや韓国を経由しての不正取引も行っていた模様である。
●またおとり捜査員に対し、炭素繊維を「アクリル繊維」に見せかけるためラベルを偽装したり、バーコードを傷つけて追跡を不能にする等の指示をしていた模様

専門家の視点や過去の事例
●専門家は、今回の逮捕を「ミサイルや軍用炭素繊維の拡散を防ぐうえで前向きな出来事だ」と評価し、「炭素繊維が遠心分離器のローターにも活用できる」と警告した
●また同専門家は、中国が引き続きこのような不正取引を野放し、又は指示してやらせていることが明らかになったと評価している

carbon fiber.jpg●最近、兵器に使用できるレベルの炭素繊維に関する不正取引事案が多発している。2013年には同じくおとり捜査で、東レ「M60」を含む数トンの炭素繊維を中国籍の人物が輸出しようとして逮捕され、中国軍需企業NORINCOが新戦闘機を開発するために入手を試みたと証言している
●2014年には別の中国籍人が、東レ「T800-HB12000-50B」のサンプルを入手し、中国上海に不正輸出しようとして逮捕された。5トンの炭素繊維輸出を計画していた模様
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日本で「おとり捜査」など持ち出すと、途端に「人権派弁護士」や「憲法学者」などがマスコミをにぎわし、大騒ぎになりそうですが、不正輸出やサイバー等、新たな犯罪には新たな対処も必要でしょう。

東レの炭素繊維ですか・・・「東京の郊外」に引っ込んで以来、技術動向の変化に追随できていません。
熊本の被災地に大量のサランラップを無償提供したのも「東レ」(旭化成?)だったと思いますが、引き続き日本を代表する企業として頑張っていただきたいものです
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ロビンソン大将「ロシアが最大の脅威」 [Joint・統合参謀本部]

Robinson8.jpg21日、北米コマンド司令官候補のLori Robinson大将(太平洋空軍司令官)と、欧州コマンド司令官候補のCurtis Scaparrotti大将(在韓米軍司令官)が、各ポスト就任の議会承認を得るため、上院軍事委員会でのヒアリングに臨みました

同委員会の両大将に対する信頼は厚く、同日Time誌が発表した「最も影響力ある世界の100名」に選ばれたロビンソン大将にお祝いを述べるなど、終始「おだやかな質疑:faced only light questioning」だった模様で、委員会の最後にマケイン委員長が議会で問題なく信任されるだろう旨の発言をしたそうです

また、先日カーター国防長官が国防省改正案を発表した「Goldwater-Nichols法」については、両者とも制定後30年を経て、見直すタイミングにあると所見を述べています
ただし両大将とも、ロシアに対する警戒感を露わにした証言を行っており、この部分を中心にご紹介します

ロビンソン大将は上院軍事委員会で
米国が直面する最大の脅威はロシアである
●(北米コマンドとしては、)南部国境からの不法麻薬の流入が懸念であり、米本土の内部で生まれる過激派もまた脅威である
(同大将が承認されれば、女性として初の地域戦闘コマンド司令官となる)

欧州コマンド候補のScaparrotti大将は
Scaparrott3.jpg欧州コマンドの担当地域は、歴史的転換点を迎えている。ロシアはますます攻撃的になり、テロ組織がEU諸国に脅しを掛けている状態にある
米軍はあくまで、国際法で認められている航行や飛行の自由を行うべきだ。

●またマケイン委員長が主張されているように、ロシアが仮に米軍兵士を危険にさらすようなことがあれば、米国はロシアにしかるべき措置を講じるロシアに言うべきだ
●米国はロシアに対し、「強く、明確で、一貫した態度」で臨むべきである。ロシアと向き合い、両国軍が近接する状況に於いて、どこまでが受け入れられる範囲なのかを明示する必要がある
ロシアは、米国の決意の範囲を試すように圧力を掛けてきている。また国際規範と国際法の範囲を試すかのように圧力を掛けてきている
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まずは承認手続きが円滑なることを祈念いたします
Robinson2.jpgまた、ロビンソン大将のTime誌「最も影響力ある世界の100名」入りをお祝い申し上げます

両大将の証言直前に、ロシア軍のSu-24戦闘爆撃機が米海軍駆逐艦に攻撃パターンで10mまで接近、更に米軍電子偵察機にバレルロールで10mまで接近威嚇との事案があったこともありますが、「ロシアが最大の脅威」との公式発言は、ダンフォード統合参謀本部議長の議会証言(昨年6月)から一貫して続いています

核兵器を保有し、通常戦力も維持し、明確にゴリゴリ国益を追求する姿勢は、その言葉に相応しいと言えましょう

ダンフォード統参議長の証言(昨年7月)
「ロシアが最大の脅威」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-10

ロビンソン大将関連
「北米司令官の候補に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-19
「次の空軍トップ候補は?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-14
「驚嘆:女性大将が対中国の指揮を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-03
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米国防省N03(政策担当)が6月退任へ [米国防省高官]

Wormuth11.jpg22日、カーター国防長官は国防省のN03である政策担当国防次官のChristine Wormuth女史が、2年間の勤務を終えて6月に退任すると発表しました。

Wormuth女史は、国防省に於いて対ISIL戦略立案の担当責任者でした。
2014年6月に現職に就くまでは、戦略計画担当の副国防次官として、更にその前はオバマ大統領の国防政策に関する特別補佐官(兼ねてNSCの関連スタッフリーダー)を勤めており、一貫してオバマ政権の国防政策を支える仕事に付いてきた人物です

カーター長官の声明
●彼女はそのキャリアを通し、米国の国家安全保障推進にその身を捧げてきた。彼女の働きと国家への犠牲に感謝し、ご健勝を祈念する
国防省やNSCでの多くの役職で、彼女は大統領や私を含む歴代の国防長官に対し、極めて困難な安全保障に関する貴重な助言をしてくれた

McKeon DOD.jpg後任には、現在Wormuth女史のprincipal deputyであるBrian McKeonが「臨時代理」として勤務し、Brian McKeon氏の後任には、現在アジア太平洋の安全保障と担当しているDavid Shear次官補代理が就任する
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今後いろいろとこの人事の背景が明らかになるのでしょうが、政権末期になると「次」を見据えた動きが出てきます。自身の将来を見据えた、個人的な動きである可能性が高いのでしょう
今後もこのような動きが各所各ポストで見られるのでしょう。

対ISILが一つの「ピーク」を迎え、ロシアも「最大の脅威」として振る舞い、中国も相変わらずな中、国防省No3が交代するタイミングではないと思いますが、これがアメリカなんでしょう

Wormuth次官の関連記事
「SPR検討も担当へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-09
「アジア政策を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-16
「Wormuth女史をご紹介」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-22

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米議会がF-22再生産の見積を米空軍に要求へ [米空軍]

F-22Hawaii2.jpg19日、米下院が2017年度予算関連の法案を公表し、5年前に製造ラインが廃止されたF-22を再製造する場合の必要経費を見積もるよう、米空軍に要求することが明らかにしました。

当初は749機を製造する予定でしたが、当時のゲーツ国防長官が190機あまりを製造した時点で製造中止を決定した戦闘機で、この決定に不満な態度を示した当時の空軍長官と空軍参謀総長が同時更迭(核兵器部隊に不作為や無人機導入への抵抗も背景に)され、日本ではあの田母神空幕長(当時)が「のどから手が出るほど欲しい」と発言した戦闘機です。

運用開始後しばらくは酸素供給装置の不具合で実戦投入が遅れましたが、対IS作戦では第4世代機と編隊を組んで「戦力増強剤:Force enabler」として高評価を得ており、韓国や沖縄や東欧諸国に展開して戦力誇示や抑止効果発揮にもプレゼンスを示しているところです

19日付Defense-News記事によれば
F-22 refuel.jpg●米下院軍事委員会の戦術空陸戦力小委員会は、2017年度の国防政策法で米空軍に、追加で194機以上を調達する場合の関連経費見積もりを行うよう米空軍に命じる
●法案は、「敵対国が技術格差を縮めて米国の航空優勢に対する脅威が増し、同盟国等からもその高い性能と多用途性が悪化しつつある安全保障環境に適していると派遣要請が増加していることから、本委員会はこの見積もりの提案に意義があると信じている」とその趣旨を説明している

●しかし、これまで米空軍幹部は繰り返し、その膨大なコストからF-22再生産はあり得ないと発言している。
●2010年に米空軍の依頼により行われたRANDの研究によれば、75機のF-22を再び生産するためには、約1兆9000億円(1機当たり約230億円)が必要と見積もられた経緯がある
●なお同小委員会は、2017年1月1日までに見積もり結果を報告するよう米空軍に命じる
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costs associated with procuring at least another 194 F-22s」と記載があるので、「追加で194機以上を調達する場合の関連経費見積」とご紹介しました。

これだけの機数調達を「一応」検討すると言うことは、F-35の機数削減とセットなのでしょうか? F-35の出来具合が明らかになり始め、F-35の調達機数を削減してでも、F-22追加導入を考えたいのでしょうか?
実現する可能性は極めて少ないと思いますが、その気持ちが知りたいです

F-22-wake.jpgなお亡国のF-35に関しては、米国の会計検査院GAOが、完成後の機体改修経費に5年間で4000億円近く必要になる見積もりがあるが、それだけの規模の予算が必要なら、本体予算に混ぜ込んで曖昧にするのではなく、別事業としてしっかり手順を踏めと「警告」しています。日本での対応が気になります

ちなみにゲーツ国防長官(当時)はF-22に関し、脅威の変化を見据え、老朽装備更新が重複発生する事が予期されている中で、空軍が制空主任務のF-22に膨大な投資をする事への疑問、戦闘機族への根本的不信感などから中断決定しました

追伸:衝撃の再生産見積もり背景
Randy Forbes下院議員(共和党)が選挙区を変更することになり、新選挙区にF-22の母基地(Langley)があることから「再生産見積もり」を行わせるとのDefense-News分析記事
同議員は一応、F-22とF-35は役割が異なるので、F-35調達とのトレードオフは考えていないと発言しているようです。何を考えているのやら・・・どろどろの政界模様です
http://www.defensenews.com/story/defense/air-space/2016/04/21/facing-election-fight-forbes-pushes-f-22-revival/83352746/

F-22関連の記事
「フィリピンにF-22を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-16
「5世代と4世代機の融合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-08
「F-22もシム活用で飛行削減」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-1

米軍事メディアの「心神」への冷徹な視点
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-16
タグ:F-22
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米軍が対IS作戦の戦力強化と権限委任 [Joint・統合参謀本部]

Warren4.jpg20日、対ISIL多国籍軍報道官のSteve Warren米陸軍大佐は会見で、作戦に初めて電子戦機を投入する事やデンマークがF-16等を派遣決定したこと、B-52が対ISIL作戦に初出撃したこと、更に現場の作戦判断がより迅速に出来るように交戦既定を改訂したこと等を明らかにしました

最近、色々なところで米軍が対ISILに優先で取り組む姿勢が明らかになりつつあるような気がします。
次期空軍参謀総長の人選でIS対処を国防長官が重視しているとの報道、ライス大統領補佐官の対IS一色の空軍士官学校講演、つい先日の米国防長官のGCC湾岸協力機構の会議出席など・・・気になるところです

戦力の増強について
Warren2.jpg●つい最近、米中央軍エリアにB-52やA-10やF-16を展開させたところであるが、更にこれまで派遣したことが無かった電子戦戦力として米海兵隊のEA-6B電子戦機もトルコに派遣した
●また今週、デンマーク議会がデンマーク軍の派遣拡大に合意し、7機のF-16や特殊部隊を派遣することになった。同国はこれまでも攻撃機や防空レーダーやイラク軍訓練で貢献していたが、これに追加する貢献だとカーター国防長官は讃えている
●米中央軍空軍司令官のCharles Brown空軍中将は、これらの戦力増強により、イラク軍がモスルなど主要都市での対IS攻勢をするタイミングで、わが戦力をピークにすることが出来ると語っている

18日、B-52が初出撃
●4月に入り、B-1爆撃機の交代として中央軍エリアに展開したB-52が、18日対ISIL初攻撃を行い、ISの兵器施設を攻撃した
B-52は戦略爆撃から地上部隊支援攻撃まで、多様な任務を多様な兵器で遂行できるが、同報道官はどのような兵器を初攻撃に用いたかについては言及しなかった

困難な任務遂行判断の権限を委任
Warren3.jpg●対ISIL作戦の多国籍部隊は、民間人に被害が及ぶ可能性のある攻撃任務のリスク許容レベルの判断権限を、従来の中央軍司令官から対IS作戦「Inherent Resolve作戦」司令官又は同副司令官にまで、段階的に委任すると決定した
●今後とも、民間人の被害極限のための厳格な事前審査基準を変更することはなく、引き続き極めて慎重に目標情報を精査し、使用兵器を選定するなどして周辺への被害を極限することには一切変化はない
●今回の権限委任は、根本の姿勢を変えることなく、我々をより迅速に、より機敏にするものである
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B-52の投入がB-1との交代であるように、「大増強」ではないにしても、戦力を一つの「ピーク」にしようとしていることは間違いないようです。
また「権限委任」により、判断を早く機敏に行い、最大限の効果を狙っているようです

対ISがひとつの「ピーク」を迎え、欧州でのロシアの活動に変化が見えない(露軍用機による米軍航空機や艦艇への威嚇行動)状態では、「アジア太平洋リバランス戦線異状なし」状態が続くのでしょう

PhilippinDM3.jpg先日のカーター国防長官によるフィリピン訪問の締めは、南シナ海を航行する空母ステニス甲板上での「New Step」演説でしたが、何がニューステップなのかさっぱり分かりませんでした

6月3~5日のシャングリラ・ダイアログで、米国は何をどう訴えるのでしょうか? ここ数年の連続注目点ですが、注目度が毎年低下しているような気もします

関連の記事
「ライス補佐官が対IS強調」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-19
「次期米空軍トップは対ISで選定か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-14
「国防長官フィリピン訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-16

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潜水艦探知用の無人艇Sea Hunterを本格試験へ [Joint・統合参謀本部]

Sea Hunter.jpg7日付defense-Newsは、米国防省の研究開発機関DARPAが、約2年間に亘る潜水艦探知追尾用の無人艦艇の試験を本格的に開始すると報じています。
150トン級で全長が約40mの「Sea Hunter」との愛称をもつACTUV(発音はactive:Anti-Submarine Warfare Continuous Trail Unmanned Vessel)で、構想では3ヶ月間連続で海上任務に従事できるようです

装備化が前提のプロトタイプではありませんが、数ある米海軍の水上や水中の無人装備の中で、かなり大型で本格的な装備ですのでご紹介しておきます

7日付defense-News記事によれば
DARPAの担当責任者は、「Sea Hunter」が沿岸戦闘艦LCSと共に運用され、沿岸戦闘艦が搭載する対潜水艦用モジュールの付属遠隔センサーのような位置づけをイメージしている
●「Sea Hunter」は、人間のコントロール下にあるが、細かな動きを遠隔操縦する訳ではない。「Sparse Supervisory Control:希薄な監督コントロール」とのコンセプトで運用される

Sea Hunter2.jpg●今年1月にPortlandで基礎的な稼働試験を実施しており、7日に就航式が実施された。今後は数週間後にSan Diegoへ移送され、DARPAと米海軍研究所(ONR)により2018年9月まで、各種動作やセンサーの試験が行われる
●「Sea Hunter」は約40トンの燃料を搭載でき、最高速度は27ノットで試験を行っている。海面の荒れ具合が「Sea State 5」まででの運用を想定しているが、「Sea State 7」にも耐えられる構造になっている

兵器は搭載せず、潜水艦探知追尾用のセンサーを搭載する。試験期間中は、監視係の人間が搭乗するブースを搭載し、安全上のバックアップ体制を取るが、信頼性が確認されるまでの期間である
装備化が決定しているわけではないが、試験用の「Sea Hunter」は1隻約25億円で建造している。これを量産すると約21億円程度に価格は低下し、1日当たりの運用経費は200万円前後になるだろうと見積もられている
●なお上記価格には、開発経費やソフト開発経費等は含まれていない
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日進月歩の無人装備で、「Third Offset Strategy」でも中核的役割を期待されているところですが、海上における無人艦艇の運航規則はどうなっているのでしょうか? 公海上での無人艦艇の運航に、何らかの約束や国際的な共通認識はあるのでしょうか?

Sea Hunter3.jpg無人航空機よりも衝突の可能性が高いと思うので、少し気になりました。
写真のようにかなり大型ですので、敵からこっそり攻撃されたり、データを盗まれたりしないのかも少し心配です

米海軍の無人装備(水中も含め)の全体構想や「Sea Hunter」の位置づけをご説明できれば良いのですが、全く把握していません。
沿岸戦闘艦LCSの運用構想がぐらついているので、いろんな開発や計画が同時並行で進んでいる印象です。どなたか教えて下さい・・・

水中戦に関する記事
「水中戦投資の議会議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-28
「米軍の潜水艦優位が危機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-13
「UUVの発進格納技術」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-29
「次期戦略原潜の計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-27

「潜水艦射出の無人偵察機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-07-1
「空中水中両用の無人機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-19
「機雷対処の水中無人機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-30-1
「米露がイルカ兵器対決?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-23
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ライス補佐官:空軍士官学校で対ISを強調 [安全保障全般]

Susan rice3.jpg14日、人権主義者で有名なSusan Rice安全保障担当大統領補佐官が米空軍士官学校で講演し、1時間あまりの講演のほとんどを対ISIL作戦を語ることに費やしました
更にその中で、共和党の指名争いで勢いを増すトランプ氏の発言を揶揄しつつ、オバマ政権の取り組みをアピールする「政治臭い」プレゼンだったようです

国防長官や米軍幹部が士官候補生に語る際は、大きな視点で戦略環境に触れ、多様な脅威に備える幅広い人格や能力の陶冶を求めるのですが、ライス補佐官は聴衆を意識することなく、「政治的アピールの場」として活用しています

木曜日の夜に集められ、士官候補生への愛情が感じられない人物から話を聞かされた米空軍士官候補生は、きっと現政権を嫌いになるのでしょう

18日付米空軍協会web記事によれば
Susan Rice5.jpg●ライス補佐官は、国家安全保障の仕事は永遠に続くものであり、皆さんの技能や指導力は今後も引っ張りだこだろうと士官候補生に語りかけた
●そして、テロ組織が不正規戦を進めるようすを「ハイブリッド」と呼び、このテロ組織との戦いは全ての国家機関が一丸となって取り組みべきもので、米国のテロ対処が新たな革新を迎えていることを示していると語った

対ISIL戦略の4つの側面として、「シリアやイラク内でISILの中心を叩く」、「テロ組織の枝組織を目標にする」、「世界的ネットワークを破砕する」、「米国を守る」の4つを上げた

米国には更なるISR要求が有り、より多くの無人機操縦者がISR任務に従事する必要があると訴え、
皆が無人機操縦者を希望しているわけではないことを承知しているが、無人機操縦者は日々戦っており、B-1やF-15のような攻撃機よりも多くの対ISIL攻撃を行っていると士官候補生に語った

14日付Gazetteサイト記事によれば
Susan Rice6.jpgオバマ大統領から「恐れ知らずのタフな人物」と表される51歳のライス補佐官は、毎日毎日、攻撃の毎に、1マイルづつ、対ISIL作戦は実質的な進展を見せていると語った
●彼女は、トランプ候補のシリア難民への姿勢や対ISでの拷問の使用を求める姿を厳しく批判し、ISILの残忍さを前にしても、米国は強靱に自由と開放性と多様性を許容し続けなければならないと訴えた

無人機と外交により、地上に派遣する米兵をより少なくする事に成功していると述べ、大規模な地上部隊を派遣することのない戦いを学んだと表現した
●更に、イスラム社会を異端扱いすれば、この戦いに勝利することは出来ないとも述べた
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Susan Rice.jpg無人機をもっと活用しろ・・・と国防長官や空軍幹部や地域戦闘コマンド司令官に「事細かに」指示する様子が目に浮かぶようです
無人機操縦者の退職率が高止まりし、無人機操縦者不足が大きな問題となっていると聞き、「私が士官候補生に重要性を教えてあげるわ」と題材に取り上げたのかも・・・

頭から「ライス補佐官嫌い」むき出しのご紹介になりましたが、ライス補佐官の対中国認識がどうなのかを聞いてみたかったです・・・

14日付ワシントンポスト紙に、ゲーツ元国防長官がオバマ政権の対外政策を評価するインタビュー記事が掲載され、「(ライス補佐官を初めとする)とても大きなNSCスタッフによるmicromanagement(事細かな現場介入)のために、オバマ大統領のISILへの軍事力使用や、南シナ海での中国の封じ込めを損なっている」と厳しく評価しています

そして「対処があまりにも小出しで、政策メッセージが失われている」、「オバマ政権が何事にも躊躇しているように見せてしまっている」ともNSCを描写しています。

ライス補佐官の講演原稿
https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2016/04/14/remarks-national-security-advisor-susan-e-rice-us-air-force-academy

ライス補佐官の関連記事
「ベトナム人権に文句」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-13-2
「日米韓BMD情報共有を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-18
「議員団がライス補佐官に要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-25-1
「NSCの細部介入批判」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-03
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米国防省が議会に無駄な基地閉鎖再編BRAC要求 [米国防省高官]

「Politically Unpopular」な話題です

BRAC2.jpg12日、米国防省が全体の2割以上を占める過剰な基地や施設の再編閉鎖を求めるレポートを議会に提出したことを受け、地元経済等への影響が大きいことから、政治的に反対する議員との間で激しいやりとりが始まっています。

基地の再編閉鎖BRAC(Base Realignment and Closures process)は、前回の2005年を最後に検討実施が止まっており、その間に20万人もの兵士と関連装備が削減されているのに、固定経費の維持費ばかりが無駄に支出されていると米国防省は主張しています

議員側は、再編閉鎖にも相当な予算が必要だとか、見積もりの前提が正しくないとか色々難癖を付けていますが、この問題は米国防省と議会の対立の象徴的分野で、無駄がある事は間違いないようなので、前線兵士に予算が回るよう双方が折り合って欲しいものです

米国防省の主張
BRAC3.jpg国防省の主張によると、全体で22%の施設が過剰である。軍種別で見ると、陸軍が33%、空軍が32%、海軍が7%、国防兵站庁が12%が過剰施設である
●この背景には米国防省や米軍の人員削減があり、前回2005年のBRAC以降米陸軍は57万人から45万人へ、海兵隊は20万から18万へ削減される予定で、空軍は5万人と500機を、海軍は3.6万人を既に削減済み

Work国防副長官はレポート提出に合わせ文書を発表し、「今回議会に提出した提案には、議会側が懸念している再編閉鎖経費に対する懸念にも回答するものである」と説明している
●更に副長官は「BRAC計画無しに経費を一律削減することで生じる軍事的損失は、BRACと比較して遙かに大きい」、「地域社会も計画的に影響に対処可能で、その影響を局限できる」とも訴えている

●また「5年以内に経費削減を生み出し、20年以内に関連施策が終了するように配慮して計画した」、「地域への社会経済的影響がある事は認識しているし、痛みを伴うものであることは承知しているが、維持経費の効率化で節約できる額は限定的だ」と説明している

議員側の反対
BRAC4.jpg●Kelly Ayotte上院議員は、BRACに必要な経費を今後5年間のタイトな国防予算の中から捻出する事は、目の前にある戦いへの予算を傷つけることになりかねない。
●前回2005年のBRACでも、実行段階で必要経費が67%も計画より膨らんだことがあり、現下の厳しい予算状況でそんな余裕はないはずだ

●Tim Kaine上院議員は「不必要で偏狭なBRAC推進のために、膨大なロビー活動や弁護士活動が行われている」と国防省の動きを非難し、国防省のインフラ合理化にはより良い方法があるはずだと述べている

●下院軍事委員長のThornberry議員は、「議会が求めた2012年時点でのデータで分析を行わず、2019年時点での予測米軍構成を基礎に分析を行っている」と分析の前提にケチを付けている
●また「国防省が提出したレポートは、議会が知りたい情報が含まれていない」と述べ、2005年のBRACが、史上最大で複雑でコストが膨らんだ削減再編であったことに言及した
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BRAC.jpg米国防省は、F-35やB-2や沿岸戦闘艦LCSの開発遅延や価格高騰で十分評判が悪く、価格2倍の次期空母や次期戦略原潜でもさんざん叩かれている「前科者です

でもBRACに関しては、「議会の機能不全」や「議員の選挙区への利益誘導」に目が向けられるべきだと思います。、「大統領選が近づくと無視されるだろう問題点」と皮肉たっぷりに表現されることがある課題です
米国防省も議会には期待していないでしょうが、世論に訴える機会としてアピールを狙っているのでしょう

日本でもあります北海道の陸上自衛隊を削減し、南西方面を強化しようとした際、政党としては自衛隊に反対姿勢の社民党や野党地元議員が、「自衛隊の削減反対」をぬけぬけと訴えるのです。
選挙で当選するためなら、何でもやる・・・こんな政治屋が山ほどいます・・・

有識者が訴えるBRAC
「研究者38名が国防予算改革を要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-25
「研究者25名が国防改革を要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-06
「4大研究機関が強制削減対処案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-30

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米陸軍が拠点防空システムIFPC開発中 [Joint・統合参謀本部]

IFPC3.jpg7日付Defense-Newsが、米陸軍が独自に開発中の防空ミサイル発射機MML多用途発射機:Multi-Mission Launcher)が、巡航ミサイル迎撃試験に成功したと報じています。
MMLは、既存の多様なミサイルを防空用に活用することを目指しており、既に携帯防空ミサイルStingerや攻撃ヘリ搭載Longbow Hellfireの発射も可能となっているようです

今回の試験では、戦闘機が搭載する空対空赤外線追尾ミサイルの「AIM-9X」が使用され、MMLからの発射及び無人機と巡航ミサイル要撃能力が試験されたようです
このMMLを用いた防空システムはIFPC(Indirect Fire Protection Capability)と呼ばれ、その名「Indirect」が示すように、メインの防空システムを補完するような2次的な役割を期待されているようです

先日ご紹介したRANDの台湾防空体制への提言レポートでもパトリオット防空ミサイルを補完するように、20~40個部隊のIFPCを配備する構想が示されていました
当該レポートでは、1個部隊が4両の移動式発射機を保有し、各発射機が15発ミサイルを搭載可能となっていました

7日付Defense-Newsによれば
IFPC2.jpgMMLから「AIM-9X」を発射試験が行われ、3月29日には無人機、4月1日には巡航ミサイルの要撃に成功した。試験は「IFPC Inc 2-I」の性能確認試験の一環として行われた
●既に3月には、「Stinger」と「Longbow Hellfire」の発射試験も行われている

●また4日には、弾頭がないが運動エネルギーでロケット弾等を要撃するMHKT(Miniature Hit-to-Kill)ミサイルの発射試験にも成功している
他のミサイルについても、今後発射可能性を試験する予定

米陸軍は約140億円を掛けてMMLのプロトタイプを作成し、「Sentinel radar」と指揮統制装置「Integrated Air and Missile Defense Battle Command System (IBCS)」とともに各種データ収集を行っている
●米陸軍内の研究機関で開発することで、経費を1/3に抑えられると言われており、米陸軍は更に6両MMLを開発試作し、2019年度にIFPCの初期運用体制を確立したいと計画している

イスラエル製防空ミサイルも発射成功
MML-tamir.jpg●14日、米陸軍が開発するIFPCのMMLから、Iron Dome防空システムのミサイルである「Tamir missile」の発射にも成功し、無人機目標を迎撃した
●ホワイトサンズ演習場で行われた試験であるが、外国のミサイルが発射試験されたのは初めて

●Iron Dome防空システムは米イスラエル共同開発で、主に短射程のロケット弾や迫撃防弾の迎撃を目的としたもので、パレスチナ過激派やヒズボラからイスラエルの都市を守る役割を果たしている
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IFPC.jpgRAND研究所は台湾に対し、戦闘機の機数を削減し、戦闘機への投資を抑制し、防空ミサイルへの投資を増やすことで、多様なレベルの紛争対処がより効率的&効果的に行えると、膨大な分析を元に提言しています

防空ミサイル強化の一環として、パトリオットシステムより安価で大量導入が可能なシステムとしてIFPC導入を台湾に推奨したわけです
前線部隊や狭いエリアの防空能力かもしれませんが、中国の強力なミサイル攻撃等を想定し、如何に抑止力を向上させるかに真摯な取り組みと言えましょう。

戦闘機命派には、目を見開いて観察して頂きたいものです

RAND研究所が台湾防空体制に提言
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-07

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米フィリピン国防相協議の結果 [カーター国防長官]

米国防省報道官「将来は最新戦闘機(F-22)を派遣する」

PhilippinDM2.jpg14日、インドに続きフィリピンを訪問しているカーター国防長官は、比首脳との会談後に共同記者会見を行い、南シナ海の共同海上パトロールの継続実施、米比共同演習に参加したA-10等航空アセットの継続滞在、米軍指揮統制組織の現地での立ち上げと比軍との訓練を発表しました

また15日にペンタゴンで国防省報道官は、A-10等の継続展開に続くローテーション派遣に、「最新戦闘機(F-22)を派遣する」と述べました

2014年に結ばれたEDCA(Enhanced Defense Cooperation Agreement)に基づき、2年越しで米軍が派遣できる5つの基地が3月にやっと決まったばかりで、細部要領が未定で、5月に比大統領選挙がある「フワフワ感漂う」米比関係ですが、なにやら積極的な動きもあるようです。出来ることから何でもやる・・・でしょうか

A-10やヘリが南シナ海で何が出来るのか不明ですが、今後の成り行きに注目です

14日共同記者会見トランスクリプトより
(カーター国防長官の発言)
PhilippinDM.jpg第1に、3月に米比が共同で南シナ海で海上パトロールを行った。これは今年1月の「2+2」で決定したものである。このような海上パトロールを今後も継続し、相互運用性を向上させ、フィリピン海軍の能力向上を図り、地域の海洋安全保障と安全確保に貢献する

第2に、米比共同演習「Balikatan」に参加した航空機や乗員がクラーク空軍基地にしばらく止まる。そして継続的に(ローテーション派遣を)行う
●最初の派遣部隊となるのは、演習に参加していたA-10攻撃機5機、HH-60Gヘリが3機、そして1機のMC-130H(緊急脱出や救出作戦が得意)となる。
●これらを運用整備する200名の空軍兵士も現地に止まり、南シナ海上空を含む運用を行って、海上パトロールを補完する

●第3に、共同演習のため設置されていた米軍人からなる指揮統制の拠点(command-and-control node)を維持し、米比共同の指揮統制を引き続き訓練して地域の協力的活動をサポートする
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15日には、空母ステニスの艦上で「アジア太平洋リバランス」に関する「Next Step」について語ったようです。
それについては後日に・・・

米比関係の関連記事
「基地交渉進展も課題山積」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-24
「フィリピンへの軍事援助再開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-24
「米海兵隊員に殺人容疑」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-16
「駐比対テロ米軍部隊撤退へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-29-1

「比が米軍受け入れ合意へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-10
「米空軍のアジア戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04
「比への米軍展開拡大協議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-16
「比大頭領が空軍再建宣言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-02

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米国防長官の訪印直後に印国防相が訪中へ [カーター国防長官]

IndianPM.jpg12日、インドを訪問したカーター長官は、インド首相や国防相と会談し、軍の後方支援協力の覚書を「数ヶ月後」に結ぶことで内容を大筋合意したと発表しました。
また、昨年6月に合意した「DTTI:国防技術交易イニシアチブ」に基づく、幾つかの新しい装備品開発協力にも合意した模様です。

一方で、インド国防相は18日から中国を訪問を計画し、国境紛争を抱えながらも印中の関係改善も模索しており、米国との協力強化は対中国のためではないと懸命に説明するようです

米印国防相は昨年12月にもワシントンで集中的な協議を行っており、軍事面での協力を模索していますが、インド側から米国への技術提供要求が激しく、引き続き一筋縄では行かないようです

カーター長官の訪印を産経新聞は
IndianDM.jpg●カーター国防長官は12日、パリカル国防相と会談し、両国が燃料補給など後方支援協力の覚書を結ぶことで原則合意した。印国防省が13日、産経新聞に明らかにしたところでは、米軍がインド側の基地を使う場合は人道支援に限られ、兵士の入国は認めない
●インドは2004年のインド洋大津波で被害を受けた際、米国の支援の申し出を受け入れなかった。今回の合意は米国との協力関係を強化することになる。

●インド国防省によれば、インドが基地使用を認めるのは、約1年前にネパールで起きた大地震のような災害時を想定し、具体的な可否の判断はインド側に委ねられる。両国は、約2カ月後の覚書署名を目指す
米印両国は、南シナ海の軍事拠点化を進める中国を念頭に、日本も含め連携を強めてきた。今回の合意もその一環だが、「非同盟」を基本としてきたインドとしては、日米同盟に深入りして領土問題で対立する中国を刺激するのは避けたい考えで、戦時の基地使用には応じない方針だ
●また両国は共同声明で、より進んだ海上訓練を実施するとし、南シナ海の安全保障の重要性を再確認した。

13日付米国防省web記事は
IndianMT.jpg●インド国防相は、インドは他のどの国よりも多くの演習を米軍と行っていると述べ、カーター国防長官は、米国は西に手を伸ばし、インドは東に手を伸ばして「戦略的な握手を行った」と表現した

●また6月の訪印で合意した「DTTI:国防技術交易イニシアチブ」の枠組みで、新たに2つの共同開発事業を開始することで合意したと述べ、「デジタルHMD」と「生物兵器探知システム」を紹介した
●既にDTTIの枠組みでは、空母の設計や運用に関する作業グループが活動しているが、これら4つのプロジェクトの経費約47億円を両国で折半することで話が進みつつある
(注:DTTIでインド側が要求しているのは、ジェットエンジンの共同開発や電磁式カタパルトEMALSらしいですが、その部分については何も米国防省記事は触れていません

14日付Defense-Newsは印国防相の訪中について
●インド国防省関係者は、米印軍事協力の強化が、対中国を念頭に置いたものでないことを説明するのに苦労している
●インド在住の研究者は「インド政府は中国に対し、インドが米国の手先となって中国のインド洋等でのプレゼンス拡大に対処することはないと説明しなければならない」と語っている
●また別の専門家は「インドは今後も継続して、米国との協力関係を強調するようなことはないだろうが、中国の拡大主義的な野望を前にして、日米印の3カ国協力のような実質的な協力を行うだろう」と分析している

IndianNV.jpg●2014年に就任したモディ首相は、中国との関係改善に取り組み、国境紛争問題の解決を協議しているが、何の成果も得られず、今後の見通しも明るくない
●モディ首相は、国境問題を他の分野と切り離し、可能な分野で中国との協力強化を進めたいと考えている
●両国の国境紛争について専門家は、両国とも経済協力を重視しており、国境を巡る戦争は両国の選択肢ではないと考えるが、現在の国境を巡る枠組みBDCAは、解決でなく紛争拡大を防止する程度の役割しかないとコメントしている
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産経の記事を見て、米国防省web記事を見ると、同じ会談を紹介したものとは思えない温度差ですが、なかなかインドは難しい国です
インドは大きな国で、世界最大の民主主義国家ですが、、極めて複雑な国でもあります。ですから色んな事に時間が必要です

米国のインドへのアプローチは、本ブログを開始してから延々と続いていますが、前進と停滞と後退を繰り返し、少しは進んでいるような気がします。
長い目で見て、淡々と続けていくことが今の段階に最も必要なことなのでしょう。日本も同じだと思いますが

米インド関係に関する記事
「DCでJエンジンやカタパルト議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-12
「やっと3カ国 Malabar」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-14
「カーター長官インド訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-04
「米印の国防協力合意」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-26-1

「インド首相の米国訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-30
「ヘーゲル長官の訪印」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-12
「米印関係ランクアップ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-01-1
「米軍がインド対応特別チームを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08

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次の米空軍参謀総長に新たな候補 [米空軍]

Goldfein.jpg13日付米空軍協会web記事が、7月1日に退役するWelsh空軍参謀総長の後任候補に、これまでの種々の予想を覆し、現在の副参謀総長であるDavid Goldfein大将が最有力になりつつあると報じています。

人事の鍵を握るであろう、カーター国防長官やWelsh空軍参謀総長の考え方を本件に関する動きで探る興味深い記事ですので、短いですがご紹介します

13日付米空軍協会web記事によれば
●米国防省筋からの情報によれば、7月1日に退役するWelsh空軍参謀総長の後任候補に、現在の米空軍の副参謀総長(昨年8月に就任したばかり)であるDavid Goldfein大将が最有力になりつつある。
●これまで、現在の米空軍宇宙コマンド司令官である非パイロットのJohn Hyten大将が最有力の候補者と考えられてきたが、ここに来てこれまで名前が話題にならなかった候補が急浮上している

Goldfein2.jpg●同情報筋によれば、カーター国防長官が、対ISIL作戦をリードするための経験を持つ人材を望んでいる模様
Goldfein大将は1983年に空軍士官学校を卒業(防衛大学27期相当で55~56歳)し、副参謀総長に就任する2015年8月までの2年間は統合参謀本部議長の筆頭補佐役(Director, Joint Staff)、2013年8月までの2年間は米中央軍空軍司令官を務めていた

●今年2月にWelsh空軍参謀総長は米空軍協会総会の「大将パネル討論」で、自身の後任者は「non-pilot」であるべきだと強く主張し、宇宙作戦の進展と重要性を強調した後に、同パネル討論に参加していたHyten宇宙コマンド司令官に「後任問題」と「宇宙作戦」に関するコメントを求める一幕もあり、Hyten後任説の根拠とされていた
●そのHyten大将に関し同情報筋は、米戦略コマンド司令官(現在はCecil Haney海軍大将)の後任者の最有力候補だと語った
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あくまでも「噂」ですが、米海軍トップの作戦部長人事に代表されるように、最近の高級軍人人事にはカーター長官の要望が反映されることが多いです。

このため、長官が目の前の対ISIL作戦経験を重視するなら、相当な若返り(空軍士官学校期別で7つ飛び)になりますが、実現するかも知れません。
でも現職が「non-pilot」を推薦する一方で、国防長官が「現場経験」を優先希望する辺りは、興味深い所です

Goldfein3.jpgGoldfein大将の前職「Director, Joint Staff」は、軍人トップの統合参謀本部議長の筆頭補佐役として、ホワイトハウスや国防長官や軍主要コマンド等との調整に奔走する役回りと考えられ、そのあたりの働きぶりが目に留まったのかも知れません

それにしても・・・、実現すれば空軍内の秩序維持(期別や序列管理)のため、かなりの指揮官職の入れ替えも考えられます。

Goldfein大将はF-16戦闘機のパイロットで、米本土と欧州勤務だけ(中央軍空軍司令官を除き)で、F-16操縦者ながら三沢や韓国勤務はなく、アジア太平洋経験は「ゼロ」です。
やはり今一番米国防省にとっての懸案は、正に燃えさかっている「対ISIL」作戦と言うことなのでしょうか・・・

David Goldfein大将の経歴
http://www.af.mil/AboutUs/Biographies/Display/tabid/225/Article/108013/lieutenant-general-david-l-goldfein.asp

本件に関するDefense-News記事
http://www.defensenews.com/story/defense/air-space/air-force/2016/04/13/goldfein-emerges-lead-usaf-chief-spot/82993884/

従来の噂候補3名
「次の空軍参謀総長候補3名」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-09

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