So-net無料ブログ作成
検索選択

ペンタゴンの人員削減「階層縮小」プラン [米国防省高官]

delayering4.jpg5月25日付米国防省web記事は、2013年から米国防省が検討を進めているペンタゴン及び主要軍司令部の経費25%削減検討、その名も「The delayering initiative:階層削減取り組み」との人員削減計画の状況を説明しています

ヘーゲル前国防長官当時に開始した検討で、2020年までに段階的に自然退職などを活用し、強制的な退職を行わない方向だそうですが、記事の中でも現場レベル責任者は「最終段階になれば、自発的でない退職も起こりうる」と語っており、実施段階では首切りありうべしでしょう

削減対象になる具体的なポストや数や「階層」について言及があまりありませんが、とりあえずご紹介しておきます

25日付米国防省web記事によれば
delayering2.jpg●米国防省のDavid Tillotson組織管理担当次官補代理は、スタッフ経費を25%削減して約2200億円を浮かせるため、ペンタゴンや軍司令部機能のリストラを行うと語った
●この「The delayering initiative:階層削減取り組み」では、特にサポート業務分野での業務プロセスや慣習を見直すと説明した

リストラの対象となるのは、国防長官室OSD、統合参謀本部、米軍主要コマンド司令部、地域戦闘コマンド司令部、国防省関連機関等の司令部業務組織である
国防長官室OSDで言えば、309ポストが対象で、うち243ポストは現に人員が配置されているポストである。国防省関連機関などでは、1260ポストが削減予定である

●Tillotson氏はまた、削減は新たなビジネスモデルに転換するため、数年間に亘り自然減耗・退職等を活用して実行され、現時点では強制的な退職は行わないと説明した
●大部分の影響を受けるスタッフは、別のポストに移るか、早期退職特別手当等を支給されることになる。同氏は「今取り組みを開始することで、複数年をかけて対応する」と語った

でも実際はドライな印象が・・・
delayering.jpg●ペンタゴンや主要司令部スタッフの削減は、人件費を削減すると同時に、人的戦力を戦力の近代化や即応体制改善に振り向けるためのものである。
へーゲル前国防長官時には20%の削減を目指して検討が開始されたが、2015年8月にWork副長官が25%削減を正式に指示したものである

●削減対象ポストを持つ管理職は、対象者と話し合い、将来設計を支援する事が求められると、ワシントン地区のBarbara Westgate担当課長は述べている
●同課長は「管理職にあるものは、削減対象者のスキルや職務経歴を把握し、これまでとは異なる仕事に移る手助けをしっかりやってもらいたいし、我々はその様に働きかける」と語った

●一方で同課長は、プロセスの最終段階には、自主的でない退職を行う可能性があると認めた。削減対象ポストのスタッフが、何も行動をしなければそうせざるを得ない

●組織のリストラは数年かけて行うので、対象者はその間に新たなスキルを身につけ、新たな可能性を追求してもらいたいと同課長は語った
//////////////////////////////////////////////////

delayering3.jpgこの「delayering:階層削減」との組織論用語とおぼしき言葉は、米国の有力企業(例えば、GE、CBR、Infosysなどなど)で導入されている概念らしく、いかにも米国防省のシビリアン指導層が好みそうな考え方です
「delayering」が公的組織で如何に生かされるのか、そう言った面でも興味深い取り組みです

その行く末は、来年1月の政権交代でどうなるのかよく分かりませんが、経費25%削減は決して簡単に達成できるものではなく、強力なリーダーシップが期待される分野でしょう

2013年12月ヘーゲル長官によるペンタゴン内の削減案発表
この案はどうなったのか? 今回発表は追加策???
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-07

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

公式:F-35の最終主要試験は2018年に遅れ [亡国のF-35]

KendallDOD.jpgBogdan6.jpg5月24日、米国防省のケンドール次官(技術兵站調達担当)とBogdanF-35計画室長が記者団に対し当初2017年9月までに開始を予定していた完成版ソフト「3F」搭載F-35の運用試験評価が、2018年にずれ込むと認めました。

この試験(IOT&E:initial operational test and evaluation)は、1個飛行隊規模23機の完成版F-35を対象として行う本格試験で、本格大量生産前の最後の重要試験です

本「IOT&E」に関しては、4月26日に上院軍事委員会で米国防省のMichael Gilmore試験評価部長が、早くても半年、普通に考えれば1年間は遅れると考えるべきと「内部告発」しており、F-35関連の米国防省主要幹部が、後追いで渋々認める形になりました

Gilmore.jpgただしGilmore部長が遅れを招く主要問題として7つの課題を挙げたのに対し、Bogdan計画室長は単に完成版F-35を23機準備するのに少し時間がかかるだけだと、時間が解決する遅れに過ぎないと説明しています

なおGilmore部長が指摘した7つの問題は、ソフトの不安定性、電子戦の能力不足(shortfalls)、ミサイル警報装置(AESAレーダーでの受信問題)、空中給油に必要な時間(他機より2~3倍必要)、非公開システム不具合、全ての形態での機関砲問題、そして自動兵站情報システムALISの不具合の7つでした。

24日付Defense-News記事によれば
●24日の会議でケンドール次官は、「F-35の作戦運用試験のスケジュールを精査した結果、IOT&Eは2018年にずれ込むだろうとの認識に至った」、「2017年半ばが目標時期だったが、これを実現出来ないことが明らかになった」と語った
●同会議後に同次官とF-35計画室長は揃って記者団の質問に答え、計画室長は、当初計画では2017年の8月か9月開始だったが、2018年の1月か2月にずれ込むだろうと説明した

F-35 luke AFB.jpg●更にBogdan計画室長(空軍中将)は、IOT&Eに必要な23機を、完全なハードと3Fソフト搭載で準備することがネックになっており、「より多くの時間が必要なのだ」「以前のバージョンの機体を完全版に改修するだけなのだが」と語った

●同中将はまた、頻繁にスタートアップが必要となることが知られ問題視されているソフトはこの遅れとは関係ないと述べたが、右ソフト対策で予備時間は既に使い切っているとの現場関係者の証言もある
完全版ソフト「3F」の提供が4ヶ月遅れ、2017年秋後半になることが既に明らかになっている
////////////////////////////////////////////////////////

最近は「重箱の隅つつき」の様なF-35情報紹介で恐縮ですが、何とか海外売り込み機数を増やそう、海外契約機数の減少を食い止めようとの姿勢があまりに露骨で、「日米同盟の負の遺産」として記録にとどめる必要から「チマチマ紹介」を試みています

ケンドール次官もBogdan中将も立派な人物だけに、ことさら残念感が募りますし、来年1月の新政権でこれ以上の人材が現れるとは考えにくく、ますます暗い気分になってしまいます。

だれかトランプ候補に、「F-35は好きですか?」と聞いてくれないかなぁ・・・

完全版ソフトのF-35試験は1年遅れ
米国防省のGilmore試験評価部長が暴露
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-27-1

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

Yale大学で40年ぶりROTC卒業 [カーター国防長官]

Yale-ROTC2.jpg23日、カーター国防長官の母校であるYale大学で、ベトナム戦闘時に廃止され、2012年に復活したROTC制度で学び訓練した学生18名の士官任官式が行われました。
ROTC制度は、一般大学卒業後に軍幹部へ任官することを条件に、学生生活間に奨学金を支給する制度で、学生は大学在学中も一定の基礎訓練への参加が義務付けられるものです

ベトナム戦の反戦ムードの中でROTC制度を中止する大学が相次ぎ、その後は同性愛者に対する「聞かない、言わない原則:Don’t Ask, Don’t Tell」の存在を理由に、一流大学と目されるアイビーリーグの大学はROTC復活を拒んできました。

しかし2012年に「聞かない、言わない原則」が撤廃されたことを受け、一流大学でもROTC復活の流れが生まれつつ有り、ハーバード大学でも今年4月に同制度が復活したところです

1950年代にはハーバード大学に約700名のROTC学生が在籍しており、冷戦終了時には全米学生の約4割が両親や身近な親戚に軍務経験者を有していたとの統計も有り、軍事や安全保障を身近に考える環境にあったと考えられます。
2010年時点で、身近に軍務経験者がいる学生は18%に低下、近い将来1割以下になるのは確実と見られ、「軍と社会の乖離」や優秀な学生の確保が難しくなっています

母校での式典に参加したカーター長官も「軍と社会の分離」を憂慮し、ROTC復活が周りの学生の意識に働きかける効果を期待する旨の発言をしています。
他のアイビーリーグや一流大学の動向は承知していませんが、ハーバードでの復活の影響は大きい様ですし、大いに期待したいと思います

式典でカーター国防長官は
Yale-ROTC.jpg国家として非常に重要な制度が戻ってきた。新たに士官となった18名(海軍10名、空軍8名)は、長い間に固定化されつつあった分断に橋を架ける役割を支援してくれる
大学の同級生に潜水艦の原子力推進装置に携わる者が居いたり、同じ化学を専攻した同窓生に救難救助部隊員がいれば、又はプログラムの学生のクラスメイトがサイ
バー安全保障に関わっていることは、他の同級生や同窓生の考え方に新たなものをもたらすだろう

米国が直面している課題を大きく捕らえれば5つである。ロシアの攻勢的姿勢、アジア太平洋の歴史的変化、北朝鮮による核の恫喝、イランによる侵攻、テロやISIL撲滅である
●複雑で変化し続ける世界に対応してくれる決意をしてくれた君たちに、米国はプロ意識、革新を追求する意識、リーダーシップを期待する


2010年9月にゲーツ国防長官(当時)は本件について
gatesDuke.jpg●米軍は、徴兵制により冷戦時には世界最大規模となっていた。そしてこの規模拡大により、当時は多くの有望な若者が軍務の経験をした
●例えば、1957年にはプリンストン大出身者が4万人軍務に付いており、ハーバード大にも700人規模のROTC制度が設けられていた。そして彼らは軍務を追えた後社会の中心的役割を果たし、議会や民間企業や地域社会から軍を支えた
●このため、冷戦終了時で全米の学生の約4割が両親や身近な親戚に軍務経験者を有していたが、現在ではその比率は18%に低下、近い将来1割以下になるのは確実である。

志願者の地域的偏りが・・・
●一般的に言えば、米国の北西部、西海岸や大都市近郊は志願者が減少している。これら地域で大きな基地の閉鎖再編が進んでいることも一因であるが、同時に軍務のような国家の仕事が他人事にと考えられる風潮が背景にある
●ROTC制度を受け入れている大学の数からもこの傾向が見て取れる。人口が5百万人以下のアラバマ州で10個の大学が同制度を設けているのに対し、人口1200万人以上のロス周辺では4大学、シカゴ近郊の人口9百万エリアで僅か3大学である。

アイビーリーグと呼ばれる入学に高い学力を要求される大学は、このDuke大学を除き、ベトナム戦争時にROTC制度の廃止を決め、同性愛者への「問わない、言わない」方針を理由として現在もROTC制度を拒んでいる。

なおこのゲーツ講演(Duke大学ROTC学生対象)はリーダーとしてのあり方を語った印象深い講演です
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02
例えば・・・
gatesDuke3.jpg●「高い適応性こそが、君たちのような若い士官候補生が軍に持ち込むことを期待される特性である。私はペンタゴンでこんな風に言って制服高級幹部をたしなめている陸軍は未だにフルダ・ギャップでの戦いを望んでいるのか? 海軍はまだミッドウェー海戦を夢見ているのか? 海兵隊は仁川上陸作戦をもう一度が合い言葉なのか? 空軍は単に飛んでいたいのか?(Air Force just wants to keep flying?)」

●「私は君達に、常識的に上品で礼儀正しく(decency)、かつ部下に対しての敬意(respect)を持つ意識を持って組織をリードしてほしいと考えている。これらは単純で基本的なことであるが、しばしば忘れられており、私はペンタゴンで会う新しい将軍や上級スタッフにいつも言い聞かせている。」

●「上司や同僚の中で、君たち一人だけが真に正しいと思うことを主張し続けることは大変なことだ。しかしそれが、単に人気のある前例があるやりやすいではなく、真に正しいならばその方向を追求しなければならない

ロバート・ゲーツ語録100選
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

2010年9月のゲーツ長官Duke大学講演(2分割)
「リーダー像」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02
「軍と社会の乖離」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-10

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

米陸軍士官学校:最下位の卒業生を祝福! [ふと考えること]

休日企画のホッコリ画像

West Point.jpg5月21日、米陸軍士官学校で卒業式が行われバイデン副大統領が列席する中、華やかにしめやかに式典が執り行われました。卒業生一人一人に卒業証書が手渡され、成績優秀卒業生を高らかに讃え紹介しました

そして最後に、「The Goat」への卒業証書と記念品贈呈です

「The Goat」とは、総合成績最下位の卒業生を表現する言葉で、南北戦争以前から公に「The Goat」として紹介されていたようです

今年卒業生の「The Goat」はAlex Fletcher君で、下の写真のように大いに意気盛んで、バイデン副大統領もニコニコ見守っています
そして毎年恒例ながら、「The Goat」が式典内で最も大きな声援と拍手を受けたとのことです。
westp-last.jpg











良く紹介されるように、卒業式は「commencement ceremony」で、その「commencement」は「開始、始まり」の意味を持つ言葉です

学生時代の成績は「最下位」だったが、「これから追い上げるぞ!」との意気込みを示す意味で、また「これからが本当の勝負だ!」との決意の意を込め、「The Goat」を発表するこんな習慣も面白いのかも知れません

The Goatの活躍を描いた書籍
「Last in Their Class」
http://www.amazon.co.jp/Last-Their-Class-Custer-Pickett/dp/159403141X

たたき上げCIA職員からCIA長官に上り詰め、
更に政党の異なる2つの政権で大統領に請われ、
継続して国防長官を務めた男の言葉
「ロバート・ゲーツ語録100選」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

HAAWC:高々度から魚雷発射可能に [Joint・統合参謀本部]

HAAWC-ALA2.jpg米海軍とボーイングが2013年から開発契約している魚雷を高々度から発射可能にするキット(HAAWC-ALA)が兵器展示会に出品され、2017年にはMK54魚雷に取り付け対潜哨戒機P-8に搭載可能になる模様です

翼とGPS/INS誘導装置を備えたキットにより、これまで低高度から投下できなかった魚雷を、安全で乗員への負担の少ない高々度から乗員への投下可能にでき、魚雷の射程延伸にもなる装備です
MK54魚雷に取り付けるだけで、ほとんど魚雷に手を加える必要がない点もポイントのようです

細部の性能数値が不明ですが、その名称が示すように「潜水艦攻撃用の兵器」として位置づけられています。艦艇攻撃も当然出来るのでしょうが、飛翔距離もそれほど長く無いようなので、P-8やP-3が敵艦艇に接近して攻撃するのは危険でしょう

18日付Defense-News記事によれば
●18日の週に開催されていた「Sea-Air-Space conference」にボーイング社は、米海軍のP-8対潜哨戒機等用に開発しているHAAWC(High Altitude Anti-Submarine Warfare Weapon Capability)キットを展示した
●HAAWCキットは、MK54軽量魚雷に装着され、約3万フィート上空を飛行するP-8から投下され、キットに含まれた翼を広げてグラーダー飛行して目標近傍に到達する

目標近傍や事前に指定された海面近くに接近すると、小型パラシュートで減速してキットが魚雷から分離し、魚雷が水中に入って動作を開始する
●このような高々度の遠方から魚雷を投下可能にする技術は、中国やロシアの原子力潜水艦対処用に求められていた

2013年にHAAWC契約時の報道は
HAAWC-ALA.jpg2013年4月4日、米海軍海洋システムコマンドとボーイングは、HAAWCの設計製造に関する約20億円の契約締結を発表した
●これまでもMK54魚雷を航空機から投下することは出来たが、高度30m以下に降下してからしか投下できなかった。この低高度での飛行は、敵の脅威もあり、乗員への負担も課題であった
●HAAWCキットを装着したMK54魚雷は、高度3万フィートで航空機から投下後、約7~10分間グライダー飛行する
///////////////////////////////////////////////////

対潜水艦作戦や魚雷のことに詳しくないのですが、JDAMキットのように、あまりお金を掛けることなく、兵器の効果を飛躍的に向上できる装置なのでしょう・・・

対中国軍を考えるとき、中国が潜水艦能力や対潜水艦作戦で相対的に西側に劣っている点が良く指摘されます。この分野で「我の有利」を拡大維持する努力はとっても重要です

もうすこしHAAWCの細部性能をご紹介したいのですが、疲れたので頓挫しました・・・

米国防省の「中国の軍事力」レポート
「2016年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-06

「2013年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-08
「2012年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-19
「2011年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-25-1

nice!(2)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

意味不明:岡崎研究所が台湾戦闘機を擁護 [安全保障全般]

Taiwan-China.jpg5月23日付Wedge岡崎研究所評論集は、「戦闘機は不要? 再考迫られる台湾安全保障政策」とのタイトルを掲げ、RAND研究所がまとめた「台湾への防空政策オプション:Air Defense Option for Taiwan」とのレポート(米国防省が依頼)に疑問を投げかける論説を発表しました

RANDのレポートは中国の圧倒的な弾道・巡航ミサイルの配備状況から、従来のように防空を戦闘機中心の投資や体制で追求するのではなく、残存性の高い地対空ミサイルへの資源配分を高めた方が、全体として高い抑止効果と戦闘能力が得られるのではないかと提言するものです

具体的に同レポートは、戦闘機を現在の330機体制からF-16のみ50機程度の体制に削減(米国が現在許可している能力向上を終了するF-16)し、パトリオット防空ミサイル4個部隊を13個部隊に増強。更により短射程のSAM(IFPC-2)を40個部隊を新たに配備する案です

詳しくは過去記事
「RAND:台湾は戦闘機中心を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-07

なお台湾の面積と人口は、近畿2府四県(大阪、京都、滋賀、兵庫、和歌山、奈良)に三重と徳島を加えた規模で、中国大陸との距離は200~300km程度です。

ちなみに中国軍は、台湾正面に1200発以上の短距離弾道ミサイル(高い命中精度)を配備し、巡航ミサイルも1000発以上と言われています。また数十カ所の戦闘機配備可能基地を維持しています

RANDレポートに対しWedge記事は
RAND Taiwan.jpg●研究報告書は130ページにも上るもので、台湾の防空についての諸問題を詳細に検討したうえでの結論であって、思い付きを言ったものではありません
中台間の軍事バランスが中国有利になっていること、空軍についても量・質の面で中国が台湾を圧倒していることは明らかです。台湾が台湾のみで中国に対して台湾空域の防衛をすることを考えれば、こういう結論しかありえないでしょう。

しかし、中国が台湾を大規模攻撃する際に、米国が何もしないという事態は考えられません米空軍が台湾防衛に乗り出す場合には、状況は大きく異なってくるでしょう。
●そういう状況を念頭に置いていないという点で、この報告書は現実に起こりうる事態を十分に踏まえていないのではないかと思われます。

●また、台湾の戦闘機についても、質の良いものを米が供与すれば、台湾側の質的劣勢はある程度是正されるのではないでしょうか
米国の介入の有無は、本件について考える上で最重要のファクターです。あたかもそれがない場合を想定しての議論は、誤解にもつながり得ます

Wedge記事は戦闘機命派の裏工作か
Taiwan3.jpg●中国は、1995年頃の台湾総統選挙を巡り、米空母2隻を前に沈黙せざるを得なかった苦い経験を、「臥薪嘗胆」を胸に20年間我慢して軍事力の改善蓄積に取り組んできました
●その軍事力強化の方向性は、台湾問題対処が最優先で、米国が介入する前に「短期の高列度紛争で目的達成」であり、その後の米国による巻き返しの阻止(A2AD)することです。

●今の台湾作戦における中国軍の実力をどのように評価し、Wedgeの論説は書かれたのでしょうか? 米空母が台湾近海で悠々と示威行動が出来ると考えているのでしょうか?
嘉手納基地から飛び立った米空軍のステルス戦闘機が、グアム島から飛び立ったステルス爆撃機が大いに活動するとの前提で、中国の弾道ミサイルが沈黙し、台湾空軍330機の戦闘機の存在を意味あるものにしてくれるというのでしょうか?

米国の政治的介入も考えられるから、台湾の戦闘機体制はそのままで良いというのでしょうか? 近畿程度の面積に300機以上の戦闘機が蝟集する状況を肯定し、地上でゴミとなる恐れを感じないのでしょうか?
戦闘機を「ゼロ」にしろなどと誰も行っていません。戦闘機への投資を削減し、SAMへの投資を増やした方が、抑止力として効果的で、米軍の来援や巻き返しを待つ時間稼ぎが出来るのでは・・・とのギリギリの知恵をRANDは出しているのです

戦闘機命派は最近、「だからどのような装備体系が望ましいか」を言わず、「戦闘機だけに実質投資を守る」ため、何となく現状のまま、グレーゾーン対処を延々とやることを中心に考えれば良いと訴えます。空自OBの三菱重工顧問が典型例です
RAND Taiwan4.jpg●長期間続くであろうグレーゾーン対処に望みつつ、相手が着々と蓄える新戦力や新たな作戦方針に備えることも同時に必要なはずです。南蛮渡来の「鉄砲」を敵が備える中、いつまでも「剣術」だけでは無責任です

●雑誌WedgeはJR東海の新幹線車内誌で、JR東海の名誉会長・葛西敬之氏は「F-35大好き人間」と言われています。まさか・・・とは思いますが、葛西氏に「こびる」ため、岡崎研究所が「筆先サービス」したのでしょうか?
●そして、葛西氏の後ろには、無邪気な戦闘機大好き派が群がっているのでしょうか???

批判殺到!戦闘機命派の言説
「中国は全面戦争を招く日本攻撃をしない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-06

関連の記事
「RAND:台湾は戦闘機中心を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-07
「慶応神保氏:台湾の劣勢戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25
「CSBA:台湾は弱者の戦法を」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27

「ヨシハラ教授:日本版A2ADを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-18
「森本元防衛大臣の防衛構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-05
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12

nice!(1)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

CSBA:大量同時ミサイル攻撃対処を考察 [Joint・統合参謀本部]

CSBA-SALVO.jpg20日、CSBAが将来想定される敵からの大量同時ミサイル攻撃対処を考察する「Winning the Salvo Competition: Rebalancing America’s Air and Missile Defenses」とのレポート発表会見を行い、著者であるお馴染みの上級研究員Mark Gunzinger氏とBryan Clark氏が、問題認識等を語りました

Clark氏の「No silver bullet:快刀乱麻の対処法など無い」との言葉や、「system of systems:多様なシステムの組み合わせ」アプローチが必要との発言が示すように、また予算が厳しい中、あまり画期的な提言を期待すべき問題でもありませんが、安全保障上の基礎知識として概要の概要程度をフォロー致します

同CSBAレポートの問題認識
(CSBA紹介webページによれば)
過去15年間、米国防省は約2.5兆円もの投資をして弾道・巡航ミサイル等対処施策を行ってきたが、同時大量発射される誘導兵器対処能力は十分な状態にはない

CSBA-salvo2.jpg●この現状は、米国防省がイランや北朝鮮から発射される少数の同時発射弾道ミサイルや対艦誘導ミサイル攻撃を想定し、長らく高価な長射程地対空迎撃ミサイルに力を注いできたからである。
●また、米軍が精密誘導兵器を備えた敵と戦った経験が無いことも、(危機感の欠如を生み、)この様な状態にある原因の一つであろう

●しかし将来紛争においては、米軍事施設の限定的な防御態勢を大きく上回るような、大量同時の敵発射(陸海空発射)の誘導兵器を予期する必要がある
●本レポートは、米国や同盟国の精密誘導兵器対処能力を改善させるための「取り組みの議論」を含んでいる。
●また分析では、精密誘導攻撃能力を保有側とこれを防御する側の力関係を吟味し、防空&ミサイル防衛の運用コンセプトと能力構築の方向性を探る

23日付米空軍協会web記事によれば
CSBA-SALVO4.jpg●Gunzinger氏は「米軍は、敵が海外展開先を含む米軍基地を攻撃出来ないとの前提にとりつかれている」、「しかしそんな前提は誤りである」と警鐘を鳴らした
●著者達は本レポートで、ミサイルの大量同時攻撃に対しても、少しでも優位な立場に立つための提言を行っている

●例えば、米軍は戦力投射用の戦力を、敵のミサイル攻撃範囲外に分散して配置し、攻撃範囲内に置く場合は「cluster basing:多数の代替基地群」を構成する。敵が全てを攻撃できないぐらいに、我を分散したり代替基地を設けたりする
●また、敵が大量同時攻撃を発動する前に敵の攻撃能力を粉砕する攻撃を実施する準備をし、併せて防空&ミサイル防衛能力の強化を図る

あらゆるシステムの総動員が不可欠
●Clark氏は「system of systems:多様なシステムの組み合わせ」アプローチが必要だと述べ、加えて「No silver bullet:快刀乱麻の対処法など無い」とも現状の厳しさを訴えた
●同時大量発射の精密誘導兵器に対処するには、「kinetic防御装備」と「非kinetic防御装備」に加え、「戦闘管理の指揮統制システム」への整備が必要だと説明した

CSBA-salvo3.jpg●またClark氏は、国防省内にある「長射程迎撃ミサイル」や「BMD」への戦略的な「偏見:bias」、厳しい予算状況、更には不明確な責任分担が、大量同時ミサイル攻撃に備えるための変革に立ちはだかっていると問題認識を述べた

●また同氏は、海空軍アセットの生存性追求には多額の投資がなされているが、前線基地の生存性強化には必要な投資が向いていないと指摘した
●更に、迎撃ミサイルへの投資は近年増加していたが、興味深いことに現時点では低下傾向にある(と、既存の軍種の枠組みでは十分な理解と支援が得られないことを指摘した)
////////////////////////////////////////////////////////////

各軍種の予算枠争いが激しくなると、航空機や艦艇や装甲車両など「支流派」の装備が優先され、「新参者」である防空&ミサイル防衛予算は推進力を失います。

何が脅威で、どのような対処が必要かではなく、各軍種が理屈をこねて、組織防衛や職域防衛を優先させるためです。Clark氏が「不明確な責任分担」と指摘していますが、誰も関わりたくないと「3歩下がって高みの見物」状態になっているのでしょう。

「概要の概要」でご紹介すると味気ないですが、ちらちら見ると、最新技術や考え方の提言が随所に有り、結構刺激を受けそうなレポートです
この研究レポートは米国防省への提言ですが、ミサイルの大量同時攻撃の最前線にあるのが日本ですから、日本に突きつけられた課題として捕らえるべきです!!!

BMD予算の悲哀
「アウェイ感漂うBMD予算」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-22

関連の記事
「CSBAが提言:弱者の戦法を」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
「ヨシハラ教授:日本版A2ADを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-18

「中国は全面戦争を招く日本攻撃をしない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-06
「慶応神保氏:台湾の劣勢戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25
「森本元防衛大臣の防衛構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-05

両著者の共著レポート
「電子戦EWの革新は縦割り排除から」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-03

Clark研究員レポート等
「疲弊する米海軍艦艇部隊へ対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-22
「PGM対処とその活用」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-24
「米の潜水艦優位が危機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-13
「米海軍情報レポートに意見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-27

Gunzinger研究員のレポート
「精密誘導兵器をどう扱う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-24
「ビーム兵器に優先投資せよ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-20
「根本軍改革を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-21

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

米空軍戦闘機パイロット2割不足 [米空軍]

Welsh&James.jpg20日、米空軍の人事担当幹部が語ったところによれば、米空軍の戦闘機パイロット職配置が3500ポスト有るにもかかわらず、今年9月末には約700ポストが空席となる模様です

民間航空業界でのパイロット需要が「高止まり」しているためで、昨年度末に511ポストだった空席ポストが、約200増加したことになり、この傾向に歯止めがかかる可能性は全く見えていません

同じく人事関連の話題で、米海軍はサイバー関連の人材を民間から獲得するため、専門能力によっては直接「大佐」や「上等兵曹:E-7」で採用できるよう法改正を進めているようです

空軍戦闘機操縦者不足
20日、米空軍の搭乗員人事管理課長のFarley Abdeen大佐は米空軍協会機関誌に対し、戦闘機操縦者の退職率が増加し、危機的な状況にあると語った
●同大佐によれば、現在3500ポスト有る戦闘機操縦職のうち、511が空席で、この数は今年度末の9月末には約700に増加する。これは全体の2割に相当する数である

Mau LtCol.jpg●米空軍は、戦闘機操縦者養成数を増やしたり、「non-flying jobs」に従事している戦闘機操縦者を削減したりすることにより減少の流れをくい止めようとしているが、即効性のある解決策は見あたらない
●一方で、民間航空会社は昨年約3500名の操縦者を採用したが、その採用数は今後約10年間は高水準で維持するものと見積もられている

●3月に議会で証言した米空軍参謀総長は、これまで10年間の義務勤務期間を終えても継続勤務する空軍パイロットが約65%いたが、昨年度は全機種の操縦者合計で55%に低下し、戦闘機パイロットは47%だった。
●そしてこの数字は、今年度末時点では全機種統計で49%に低下すると予測されている

米海軍:民間サイバー人材を大佐で採用へ
Sea-Air-Space2.jpg19日、「Sea-Air-Space」会議のパネル討論会に登壇した米海軍のサイバーや人事管理担当幹部は、サイバー関連の人材を民間から獲得するため、専門能力によっては直接「大佐」や「上等兵曹:E-7」で採用できるよう法改正を進めていると語った
現在は、それぞれ1階級下の「中佐」や「1等兵曹:E-6」までの採用権限が議会から承認されているが、これを改正して好待遇での採用を可能にする動きである

米海軍サイバー軍司令官のJan Tighe中将は、「サイバー作戦を実施する際、海軍内での階級はその人物の専門能力や戦闘能力を示すモノになっていない」、「どう解決するか? 報酬か昇任か報償か、または適切な階級に配置することだ」と語った
Sea-Air-Space.jpg●同司令官は、メイバス海軍長官や米海軍人事管理部長のBill Moran中将が、採用階級に関する米海軍権限の拡大を含む大規模な人材確保施策に取り組んでおり、専門性の高い高技能者を相応の処遇で受ける方策を追求していると説明した

●パネル討議に参加していたMoran中将は、下士官の間には、専門家であっても、初級水兵の経験無しにいきなり「上等兵曹」に付けることに懐疑的な意見があり、きちんと説明して理解を得る必要があると語った
//////////////////////////////////////////////////

米空軍に限らず、少子化や価値観の多様化が進む先進国空軍は、多かれ少なかれ操縦者不足に直面するのでしょう。

この問題には幾つかの「要つっこみ点」があります
・操縦者確保のため、空軍全体の人材採用が操縦者身体特性保有者に偏り、総合的なレベルの低下や人材の偏りを生じないか?
・空軍の意志決定を握る操縦者が、脅威の変化や戦略環境の変化に目を向けず、戦闘機等の航空機装備数の維持に固執するからパイロットが不足するのでは?
・操縦者は士官で無ければならないのか?
無人機の導入に消極的すぎ、操縦者数を無理に維持しなければならない状態にしているのではないか?

サイバー専門家の採用については、米軍の他軍種でも同様の動きがあるようです

Welsh空軍参謀総長の議会証言
「米空軍パイロットの民間流出問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-04

無人機操縦者も離職止まらず
「下士官を無人機操縦者に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-19
「問題点と処遇改善の方向性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-11
「空軍長官が現状を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-17
「無人機操縦者の離職止まず」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-31

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

ベトナムへの米国武器フル解禁発表! [安全保障全般]

ビックリ仰天! 
23日オバマ大統領が兵器輸出「全面解禁」を発表
→ただし、実際の武器売却に際しては、個別に是非を判断すると説明。実質的には、攻撃兵器の輸出にはまだまだ慎重か・・

両国首脳の記者会見トランスクリプト
https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2016/05/23/remarks-president-obama-and-president-quang-vietnam-joint-press 

オバマ大統領関連発言
「And I can also announce that the United States is fully lifting the ban on the sale of military equipment to Vietnam that has been in place for some 50 years. As with all our defense partners, sales will need to still meet strict requirements, including those related to human rights. But this change will ensure that Vietnam has access to the equipment it needs to defend itself and removes a lingering vestige of the Cold War. It also underscores the commitment of the United States to a fully normalized relationship with Vietnam, including strong defense ties with Vietnam and this region for the long term.」

「・・・the decision to lift the ban was not based on China or any other considerations. It was based on our desire to complete what has been a lengthy process of moving towards normalization with Vietnam・・・」

「Now, every sale that we make to everybody is viewed as a particular transaction, and we examine what's appropriate and what's not, and there's some very close allies of ours where we may not make a particular sale until we have a better sense of how that piece of equipment may end up being used. So we're going to continue to engage in the case-by-case evaluations of these sales.」

「I want to emphasize that my decision to lift the ban really was more reflective of the changing nature of the relationship.
The last point, with respect specifically to human rights, as I indicated in my opening statement, this is an area where we still have differences. There's been modest progress on some of the areas that we've identified as a concern.」
/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

Vietnam.jpg18日付Defense-News記事は、オバマ大統領がベトナム訪問を準備している最中ではあるが、ベトナム国内の人権問題を懸念する声が米政権や議会で根強く、またベトナム側の装備購入も慎重で、今回のオバマ訪問でも2014年の米国武器輸出一部緩和が全面緩和になる可能性は低いと分析しています

2014年11月のオバマ北京訪問開始日に公表された「ベトナムへの武器輸出緩和」は、ベトナム戦争後の両国関係を考えれば画期的でしたが、「海洋安全保障や状況認識強化への支援に関するモノを、case-by-caseを基本として許可」するもので、攻撃用装備は含まれないものでした

その後2015年6月のカーター国防長官ベトナム訪問の際は、「装備品取引を拡大し、現行法制の元で、新たな技術や装備の開発も検討範囲に含む」との合意文書が署名され、更なる関係強化を模索しています。

しかしながら、現実に実を結んだものはほとんど無く、中古警備艇20隻(2013年に合意済:しかも米国の資金援助付)ぐらいしかない現状です(多分)

18日付Defense-News記事によれば
Vietnam2.jpgベトナムへの米武器輸出完全緩和は、カーター国防長官やマケイン議員(上院軍事委員長)が強く要望し、オバマ政権も検討を始めていると見られているが、関連の報道に対し、上院外交委員長Bob Corker議員等は強い懸念を示している
●米国務省の軍政問題担当報道官も、「人権問題は対ベトナム政策決定の大きな要素である」と述べ、武器輸出については「case-by-case」だと触れるだけで、禁輸撤回の可能性については言及しなかった

●CSISのPhuong Nguyen研究員は、ベトナム側は人権問題に取り組むと発言しているが、米議会内には武器が一般市民に使用される懸念が根強く残っていると説明した
●そして、2014年に一部緩和を支持した議員の中にも完全緩和を支持しない議員もおり、完全緩和が実現するかは不透明だと述べている
●一方で同研究員は「ベトナム内での人権問題に軍は関係しておらず、更に米軍がベトナム軍にPKO参加訓練を行っている中で、武器禁輸を維持していることに矛盾がある」とも指摘している

Vietnam3.jpg●ベトナムは約9割の軍装備をロシアから調達していた経緯があり、2014年の一部緩和はロシアとの関係を抑え、中国の野心を牽制する役割を期待されていた
●しかし成果につながっていない。当地の米国大使館は米軍需産業とベトナム軍との会議の場を設けているが、ベトナム側は関心を示すものの動きは早くない

●Nguyen研究員は、制限があるためにベトナム関係者は関心度が低いし、米側はは関心が低ければ完全緩和する必要性も低いと考える者も居ると説明している
●また発展途上国にありがちな、米国から単に購入するのではなく、米国がベトナム軍需産業を育成し、共同で何かを行うことを要求する傾向もあり話が進まない面もある

●ただし、中国が南シナ海での領有権主張を強める中で、ベトナム側の兵器や装備品ニーズは高いはずだ。IISSのDoug Barrie上級研究員は、「海上監視や対潜水艦作戦分野でベトナム側のニーズは高いはずだ。中古P-3やP-8、Su-22やMig-21の後継機種、回転翼輸送機に可能性があるのではないか」と見ている

●一方でNguyen研究員は、大きな隣国(中国)を刺激しないようゆっくりと行動する方向だと考えられ、「米国戦闘機を早期に購入するとは考えられないし、中国に脅威と見られないように少しづつ動くだろう」と見ている
////////////////////////////////////////////////////////

南シナ海を取り囲む米国の友好国の動きは微妙です

フィリピンの新大統領は「トランプ的」で「中国との対話模索型」だと言われており、ベトナムもこんな感じです
先日、東シナ海での日米印海軍演習の計画が公表されましたが、インドだって極めて慎重です

Vietnam4.jpgオバマ大統領の任期切れが迫る中、ベトナム訪問が如何なる成果を生むか今後に注目ですが、アジアで「人権問題」なんかを持ち出していたら話は進みません
米国には、何を優先すべきか、よーーーーーーく考えて欲しいものです

最後の写真は、今年2月に海上自衛隊とベトナム海軍が共同捜索訓練を行った際の写真です。日本も頑張ってます

米とベトナム関係の記事
「2015年カーター長官訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-02
「武器輸出緩和発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-13-2
「ベトナムへ武器輸出解禁か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-28

「50年ぶり米軍トップが訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-16
「中国と関係改善の兆し?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-28

nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

米空軍No2は爆撃機パイロットへ [米空軍]

オバマ大統領が「核なき世界」を語る中で・・・

Wilson.jpg17日付米空軍web記事によれば、次の米空軍副参謀総長に、現在米戦略軍STRATCOM副司令官であるStephen Wilson空軍中将が、大将昇任と共に推薦される模様です。あくまでも「関係筋によれば」レベルの情報ですが
ただ、その選定理由が参考になると思ったので、ご紹介することにしました。

依然として、ロビンソン大将の後任となる次の「太平洋空軍司令官」が決まらず、既定により、第11空軍司令官が「代理」を務めている状態ですが、この人事については情報がありません

17日付米空軍web記事によれば
Wilson4.jpg●米空軍関係筋によれば、次の米空軍副参謀総長に、現在米戦略軍STRATCOM副司令官であるStephen Wilson空軍中将が、大将昇任と共に推薦される模様
現在の副参謀総長であるGoldfein大将が、次の空軍参謀総長に就任する事から、後任の人選が進められている

●Wilson空軍中将は爆撃機パイロットで、35年間の空軍勤務の多くを爆撃機部隊の各種指揮官として過ごしてきた。最近では、第8空軍司令官やGSC司令官として勤務している
4500時間を超える飛行時間があり、うち680時間あまりが実戦任務時間で、B-52爆撃機のエンジン換装を強力に主張する中心人物でもある。

Wilson2.jpg●Wilson空軍中将を副参謀総長に推薦する背景を関係筋は、同中将の核兵器運用に関する知見が大きな要因で、米空軍が核兵器の広範な近代化を進めようとする中で必要とされる人材だからだと説明した
●具体的には、米空軍はICBMの近代化、次期爆撃機B-21開発、更にはLRSO(Long-Range Standoff missile)の開発導入などがある

●なおWilson空軍中将は、STRATCOM司令官Cecil Haney海軍大将の後任と考えられてきたが、同司令官ポストには、米空軍宇宙コマンド司令官のJohn Hyten大将が就任する模様
●副参謀総長にWilson空軍中将が就任した場合、米空軍を代表して多くの統合関連検討委員会に参加し、特に統合要求監視委員会のメンバーとなり米軍全体の装備調達に関与していくことになる
///////////////////////////////////////////////////

核兵器の近代化や運用知識だけで選ばれるのではなく、当然、様々な成り行きで決まるのでしょう。
Wilson3.jpgでもWilson中将も、時代の波の中で浮き上がってきた人材です。写真を検索してみると、核兵器や核兵器運用部隊の不祥事や対策会見をやっている様子が「どっさり」表れ、その専門家ぶりが伺えます

まぁ・・長らく「忘れ去られた部隊」扱いを受けてきた米軍核運用部隊について、まんぐーすも忘れていましたので反省の意を込め取り上げました

核兵器運用部隊の立て直し
「下院軍事委員長の本年重点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-14
「新年最初の記事は核部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-02
「核戦力維持に10兆円?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-09

「ICBMの後継検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-30-1
「内部崩壊核部隊に対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18
「特別チームで核部隊調査へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-27
「米海軍トップが危機感訴え」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-10

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

デンマークが27機F-35調達を審議へ [亡国のF-35]

Rasmussen5.jpg15日付Defense-Newsは、デンマーク(F-35共同開発国)の与党政府が、30機のF-16の後継機として27機のF-35を議会に提案した件を報じ、少数与党の多大な支出を伴う提案に対し、野党からの反発が予想されると解説しています

野党の反発の背景には、他の軍種予算を圧迫する大支出の他、F-16退役時期との約3年のギャップ、国内軍需産業への分け前不明確などがあるようです。

欧州諸国は、国防費をGDP2%レベルにしろ圧力をNATO(つまり米国)から受けており、デンマーク政府も「性能などからF-35が最適」と言いつつも、「大人の事情」も垣間見えます

なお、FA-18製造のボーイングは、選定根拠になっている諸データが間違っていると猛烈抗議!!!

15日付Defense-News記事によれば
●デンマーク政府は、戦闘機調達計画(FPP)にF-35、F-18、ユーロファイターの中からF-35を選定し、議会に提案した。しかしこの選定については、激しい政治的な議論が予期されている
●維持経費等を含めた30年間の経費見積もりが約9000億円となる提案で、維持費等を除いた1機の購入価格は約120億円と見積もられている

Rasmussen6.jpg●議会で少数与党である自由党のRasmussen首相や国防省は、議会の理解を得て2018年には購入計画を固め、2020年から27年にかけF-35を受領したいと考えている
●同国空軍の30機のF-16は、老朽化のため2020年から約3年間で全て退役する予定で、F-35導入完了までには約3年間のギャップが生じる

野党である社会国民党の報道官は、与党による厳しい財政計画にF-35導入を当てはめると、空軍だけが極めて強力に予算的恩恵を受け、陸軍が近代兵器を保有できなくなると反対姿勢を示している
●そして「NATOに対する真剣なコミットメントを示すため、同盟が求めるGDP2%の国防費を確保すべき」と国防予算増額を求めた

●また社会国民党は、F-35に投入される予算を補填するため、国防予算全体を大幅に増額するよう政府に圧力をかけると同時に、F-35調達機数を18機から24機程度に抑えるよう要求する方針である
●これに対し首相は、国防組織の効率化を進めると共に、2026年までの国防予算枠組みの中で削減できる部分を懸命に見つけると語っている

国内軍需産業への恩恵は不透明
●デンマーク国防省は、3つの候補機種(F-35、F-18、ユーロファイター)を「戦略」「軍事」「経済性」「軍需産業」の視点で評価し、F-35が最高点を獲得した。
F-35 luke AFB2.jpg●この評価では、「軍需産業」面でロッキード社と30以上の共同事業が成立することを前提としているが、首相も「多くの不確実が存在しており、軍需産業界のデンマーク経済への影響は変化しうる」と認めている

●首相は更に、デンマーク産業へのスピンオフについては、デンマーク企業がロッキード社から優れた価値を提供できると見なされるかどうかにかかっている、と表現している

ボーイングがデンマークの選定に猛烈抗議
19日、ボーイング社はデンマーク議会で、デンマーク政府が次期戦闘機選定でF-35を選択した根拠が、ライバルであったFA-18な不利なデータが選定に使用されていたと訴えた
●デンマーク政府の選定では、FA-18の寿命が飛行時間6000時間と見積もられ、F-35が8000時間とされているが、FA-18は9500時間運用可能であると主張した

F-35 GBU-12.jpg●またボーイングは副座価格と単座価格を併記して選定に臨んだが、FA-18の単座価格は選定に使用されず、単座戦闘機のF-35と公平な比較がされておらず、不公平だと訴えた
●米国の著名航空専門家は、デンマークの選定は政治的意図が働いたとものと述べ、「ロシアの現状を踏まえての、デンマークの今現在の選択だと様々な背景が示している」と語った。
●同専門家は、デンマークの使用したFA-18の価格は疑念に満ちていると語った
/////////////////////////////////////////////////

「軍需産業面」で「捕らぬ狸の皮算用」にならないことを祈ります
また、予算確保面での精神論・根性論、つまり「国防組織の効率化を進めると共に、2026年までの国防予算枠組みの中で削減できる部分を懸命に見つける」と言った状態で決断していいものかどうか、大いに疑問です

日本のような国を大いに参考に、反面教師にして頂きたいものです

デンマークとF-35
「未だ未定:デンマークの苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-07
「事例デンマークの悩み」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-07  

カナダもふらふら
「F-35を再検討か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-24
「カナダにF-35反対首相」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-22

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

米空軍が小型無人機20年計画を発表 [米空軍]

Small-UAS.jpg17日、米空軍は4月30日に発表していた今後20年間の小型無人機(SUAV)計画20-year flight plan for small, unmanned aerial systems」の説明会をペンタゴンで開催し、まだまだ発展途上の分野と語りつつ、今後可能性ある分野の「ビジョン」を説明しました

従来この様な長期計画発表の際は、何年までにこれを実現してこの機首の後継機にする構想だとか、具体的な装備品のイメージ図が公開されたりとかでしたが、回はちょっと趣が異なる雰囲気な気がします

企業に空軍の要求を理解して欲しい、迅速な部隊配備のため企業と空軍との協力体制作りの参考にして欲しい・・・との思いが詰まった発表会だったような印象を受けました
更に小型無人機や小型無人機の群れを、相手にコストを課す装備と位置付け、中国やロシアに対する「口先介入による抑止効果」を狙った側面も感じました

17日付Defense-News記事によれば
●敵の防空能力の著しい進歩を受け、米空軍は小型無人機やその群れを敵防空網攻略の戦略に組み込もうとしている。米空軍の無人機戦力課長であるBrandon Baker大佐は、以下の3つを重要能力と説明した
---チーム形成:地上操作員の指示で、2機以上の無人機が相互に協力する
---ウイングマン構想:有人機の編隊長が複数の小型無人機を率いて戦う
---群れ構想:多数の小型無人機がネットワークを構成し共同行動で任務に当たる

Small-UAS3.jpg●同大佐は、小型無人機は戦いを大きく変える可能性を秘めてると語り、無人機の群れを単一目標に指向も出来るし、分散して常続的偵察にも活用できると説明した
●また「敵にコストを課す」効果、つまり高価な戦闘機や爆撃機を敵に攻撃させる代わりに、多数の安価な小型無人機を相手に対処させることで、敵の負担を増す効果もあり、経費負担面で我に有利に働くとも指摘した

●更に小型機の群れは、群れの中の小型無人機が撃墜されても、残った群れが「self-healing:自己回復」しながら最後まで群れを保って任務遂行に当たることが出来るとも説明した
●会見会場には、「Raytheonのtiny Coyote」、「BoeingのRQ-21 Blackjack」、「RaytheonのSilver Fox」が展示されていた

●ただし同大佐は、本計画も含めた小型無人機への取り組みは具体的要求以前の段階にあり、現在米空軍はシミュレーション等でその効果や必要性能を分析することに集中していると語り、具体的計画のスケジュールを示す段階にはないと説明した
●また会見を仕切った米空軍情報ISR部長Robert Otto中将は、この種の技術はまた初期段階にあり、17日発表の計画は将来の戦いの「vision」であることを強調しつつも、「今後20年を見通すとき、小型無人機は米空軍ISRのcornerstoneとなると信じている」と表現した

17日付米空軍web記事は
Small-UAS2.jpg●ISR部長Otto中将は、同計画は「今後20年を見据えた小型無人機のvisionと戦略を示したものである」、「将来の強固に防御された敵領域の環境に、小型無人機を導入することでより機敏な戦力構成が可能になる」と語った
●またBaker大佐は、「新たなセンサーや装備が導入されることでISR装備の高価格化が進む中、無人機ISRは空軍ISRの基礎を支えるようになってきた」、「小型無人機はより低いコストで能力と量を提供してくれる手段である」と付け加えた

●小型無人機コンセプトは、米国防省や米空軍が取り組んでいる「Better Buying initiatives」の考え方にも沿ったものである
////////////////////////////////////////////////////////////

冒頭で述べたように、大まかな「vision」や「戦略」の時点で公開したのは、企業の呼び寄せ、技術協力のお願い、コスト削減取り組みのアピール、コスト負荷戦略のアピール、中露抑止効果への期待などなどが背景にあるのかも知れません。

米海軍も艦艇防御のため小型無人機の「swarm」活用を研究しているようですし、「cost imposing」との言葉と併せ、耳にする回数は今後も増えるのでしょう
会見写真から見ると、あまり盛り上がっているようには見えませんが・・・。

艦艇の攻撃&防御も「無人機の群れ:Swarm」で
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10

nice!(10)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

米陸軍がレーザー兵器の本格試験演習 [Joint・統合参謀本部]

HELMTT.jpg12日、米陸軍が車両搭載型レーザー兵器をどのように陸軍部隊に取り入れて将来運用するかを検討するため、オクラホマ州の演習場で約10日間にわたり単なる試験でない「戦術環境を設定した演習」を行ったと発表した模様です

昨年10月には、ロッキード社が米陸軍用に「光ファイバーレーザー兵器」の製造を開始すると発表し、「Athena」との製品名を持つ車両搭載のレーザー兵器が、2016年に戦闘地域へ派遣可能になると報道されていました。
また今年3月には、同社が「30 KW級レーザー兵器なら、いつでも部隊に提供できる。どの装備にどのように搭載するかを考えるだけだ」との自信たっぷり記者会見を行っていたところです。

試験演習の細部は不明ですが、地上では雲や雨の影響も受け、地形や建物や樹木に遮られるレーザー兵器を具体的にどう扱うのかを検討・検証したものと想像します

13日付Defense-News記事によれば
HELMTT2.jpg●米陸軍の車両搭載高出力レーザー(HELMTT:High Energy Laser Mobile Test Truck)の運用法を検証するため、4月11~19日の間に行われたMFIX演習(Excellence Maneuver Fires Integrated Experiment)にHELMTTが持ち込まれた
オクラホマ州のFort Sill米陸軍基地において、「Fires Center of Excellence Battle Lab」が計画実施した演習で、HELMTTは空中や地上目標の捕捉、追尾、交戦、破壊を戦闘状況環境下で行い、米陸軍のエネルギー兵器技術を示した

●米陸軍のミサイル防衛コマンドのHELMTT技術責任者Adam Aberle氏は、「同兵器を初めて米陸軍の指揮統制ネットワークに組み込んで使用した」、「戦術環境でどのようにレーザーを運用するかを学んだ」とコメントしている
●また「単に兵器の能力を試験したのではなく、HELMTTをどう活用して任務遂行するかのの戦術・手順・操作技術確立に米陸軍は取り組んでいる」と説明している

HELMTT3.jpg●演習でHELMTTは、移動目標と制止目標を攻撃し、小型無人機や迫撃砲弾を破壊した
HELMTTは10KWのレーザー兵器をトラックに搭載しているが、ミサイル防衛コマンドは2KWレーザー(Mobile Expeditionary High Energy Laser)のストライカー装甲車両搭載にも取り組んでいる
/////////////////////////////////////////////////////////

10kwレーザーでどの程度が可能なのかよく把握していませんが、ロッキードが簡単だと言っているレベルの出力ではなく、射程や威力も程々なのかもしれません

最初に世界のどこへ派遣&配備されるのか気になりますし、その用途も気になります

レーザー&エネルギー兵器関連
「米企業30kwなら準備万端」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「2012年には戦闘機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-21
「米陸軍は2016年前線に投入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-16

「ACC戦略2015では?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-12
「米空軍幹部が議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-29
「米国DEW兵器開発の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-23

「まずC-17搭載レーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-23
「特殊作戦C-130にレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31
「特殊部隊とレーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-16

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

米国防長官が第2のDIUx設置を発表 [カーター国防長官]

DIUx-6.jpg11日、カーター国防長官がシリコンバレー近郊で講演し、民間企業の先進技術を迅速に取り込む「出先機関&出張所」の役割を果たすDIUx(実験的な国防革新事務所)を、昨年開設したシリコンバレーに続き、ボストンにも設置すると発表しました

また、DIUxを国防省の官僚機構を経ず、国防長官直轄にしての迅速な先端技術導入を促進すると決断し、関連人事配置にかなり大胆な采配を振るっています。
まんぐーすから見ると、国防省官僚の闇と改革派カーター長官の対決構図ですが、来年1月には新政権誕生で切える運命にあるカーター長官の頑張りを応援します

11日付米国防省web記事によれば
Raj Shah.jpg新たなDIUx(Defense Innovation Unit Experimental)の中核に指名されたRaj Shah氏は、イラクとイランの国境付近を現役時に任務飛行した当時を振り返り、「F-16にはGPSが装備されていたが、地図上に国境を示してくれる装置はなかった。夜間に高速で国境付近を飛行する操縦者にとって、どの位置を飛行しているのかは極めて重要な情報にもかかわらずだ」と述べ、
●「F-16が装備していない一方で、民間のセスナ操縦者はiPADにアプリをダウンロードして簡単に利用しているのに・・・」と問題点を例示して語った

●そしてShah氏は、「このような民間技術を国防省内に導入する場合、前線に配備するまでに何年もかけ、多額の費用が必要となることが常であった」と述べ、このような課題を解決したいと意気込みを語った
カーター国防長官は、新たな前線の要望と新たな技術を結び付け、具体化するのは人であり、それなくして技術は意味を持たないと述べ、人材の交流にも投資すると説明した

カーター長官は民間能力活用の意義を語り
DIUx.jpg国防省と民間の技術開発現場の双方から人材交流を行う考えを示し、新たな「Defense Digital Service」では、民間技術者を1~2年間国防省で一つのプロジェクトで勤務してもらい、国防省での大きな取り組みを体験してもらって長期にわたる関係を築くことにつなげたい
●既に彼らは退役軍人省と国防省のデータ共有を支援してくれ、次世代GPSの保全強化に関与してくれているチームもある

●また、性的襲撃(sexual assaults)の追跡システムの改善に当たってくれているグループは、国防省約300万人の出張事務を円滑にするため、民間クラウド技術の大規模導入に今月末から取り組んでくれる
●一般のハッカーに国防省システムの脆弱箇所を指摘してもらう試み「Hack the Pentagon」計画では、既に80個もの「バグ」が発見され、システム強化に生かすことが可能になっている

●今回、2つ目のDIUxを設置することになっているが、昨年DIUxを創設以来、その有効性がより明確になった。米国内には最新技術をリードする地域が多数あり、2つ目のDIUxを開設することとした
●これら施策のための予算として、来年度予算に約33億円を要求している。その中には、これまで国防省事業とは関係の薄かった企業の技術を生かすための予算も含まれている。この規模の予算は出発点に過ぎないが
DIUxは国防長官に直接報告する仕組みにしている迅速な意思決定を重視することから、この任務に私が直接当たることにした

しかし11日付Defense-News記事は・・・
DIUx-5.jpg今回カーター長官が発表した「DIUx 2.0.」と呼ばれるDIUx強化推進策は、同施策に冷淡で動きの鈍いペンタゴン官僚組織を切り離し、DIUxから直接国防長官に報告させる機構に再編成するものだと紹介し、カーター長官の「苛立ち」が伺える発言を取り上げています

●「国防省を強制的に先端技術企業と仕事させることにより、国防省自身の姿を鏡に映して見せる事が出来ると信じているし、組織の健康を保つために必要なことだ」
●「この試みは国防省に成功の道を示してくれるだけでなく、近道を教えてくれる。先端技術企業と如何に付き合っていくかとの視点と、最先端技術を国防省に迅速に取り込むという視点においてである」

●「シリコンバレーのやり方と技術を直接導入するためのDIUxだが、経験を基礎にこれを更に改善し、世界の情勢により機敏になるためDIUx 2.0.を開始する
●「DIUxに命じ、国防省内にある迅速調達専門部署や研究開発部門との連携強化を図る」、「DIUxは迅速性が鍵となる調達執行を行わせ、企業ビジネスのスピードで仕事をさせる」

また現在のDIUx責任者を更迭し・・
DIUx-3.jpg●DIUx運用組織を改め、現責任者を交代(更迭)させて「partnership-style leadership構造」を採ると説明し、国防長官室に属し、最近まで企業の戦略分野を率いていた予備役F-16操縦者Raj Shah氏を「DIUXのmanaging partner」に就任させると発表
また指導的役割を果たす3名を紹介
退役軍人でソフト会社創設者
NSCや統合参謀本部議長の元補佐官
Google Xの元執行役員
//////////////////////////////////////////////////////

米国防省webサイトの記事と、Defense-News記事の温度差を強烈に感じます

来年1月に新政権が誕生するまでにDIUxを軌道に乗せよう、官僚制の弊害から隔離しよう、成果を確実なものにしよう・・・とのカーター長官の強い思いが伝わってきます。
と同時に、カーター長官の発言を素直に報じない米国防省公式webサイトの「思惑」を図りかねます・・・。報道機関を前にした発言なのに・・・。

DIUx-4.jpgRaj Shah氏を中心とする、複数の指導層の役割は細部不明ですし、予備役で構成されるDIUxの創設とDoug Beck氏(退役軍人でAppleの北東アジア担当副社長)のリーダー就任も発表されましたが、これの役割も説明がなかったようです。しかし急速に陣容を強化している様子が窺えます

議会からは、カーター長官が主導する先端技術迅速導入のための取り組みの有効性と要求予算額について疑問の声(33億円以外の、精子や卵子の冷凍保存などを含む人的支援施策予算全体への疑問)も上がっていますし、今後の予算審議で精査される可能性もあります

またCNASのレポートが指摘するように、ペンタゴンの官僚機構が、トップダウンの改革に追随できていない状況も聞こえてきます。
更には、大統領選挙を経て来年誕生する新政権の国防長官が、これら取り組みをどのように扱うかも「不透明感」に包まれています

でも・・・そんなことは最初から十分理解しつつ、昨年から全力で関連改革に取り組むカーター長官とWork副長官に対し、東京の郊外よりエールを送ります

技術優位確保の各種施策と課題
「CNASが課題を指摘」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-02
「繊維素材開発の官民連合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-05
「人材確保・育成策第1弾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-19
「FlexTech Alliance創設」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-31

「サイバー戦略事前説明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-19
「技術取込機関DIUx」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-25
「スタンフォード講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-25

次期政権に技術革新をどう引き継ぐか?
「Work副長官が仕込みを語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-04

タグ:DIUx Raj Shah
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

米国防省が2016年版「中国の軍事力」発表 [中国要人・軍事]

あれっ・・対中国の表現が少し柔らかに・・
中国に変化を見たのか、対ISや対露優先のためか・・・

2016ChinaReport.jpg13日、米国防省が議会に提出する恒例の通称「中国の軍事力」、正式「Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China 2016」を発表しました。
例年90ページ程度ですが、今年は150ページを超え、約60ページほど付属資料や両国軍関係の基礎となる覚え書き等の公式文書が参考資料として追加添付された形となっています

毎年同様、報告書冒頭のサマリーからご紹介するのですが、2~3ページのエッセンスの書き方が大きく変わりました
従来は、軍備近代化の目的は「高列度紛争に短期間で勝利」であり、台湾が主方向ながら東や南シナ海にも広がりつつあると明記し、具体的には弾道・巡航ミサイルを増強強化、サイバー戦や宇宙戦や電子戦に注力、高性能航空機、統合防空、情報作戦、着上陸・空挺作戦等の改善も・・との表現が大きな柱にありました。

もちろん今回も、「short-duration, high-intensity regional conflicts」能力追求など従来の記述は引き継がれていますし、ミサイル&サイバー等々の能力強化や米国等の介入を阻止しようとする拒否能力強化の方向も指摘しています。また南シナ海での高い緊張感を苦にしない利害追求の姿勢にも警戒感を示しています

しかし、「長期的な中国軍の軍近代化は、全般に渡る組織改革発表で、新たなフェーズに入った」で始まるサマリー冒頭から、何となく雰囲気が違うんです。例えば・・
Denmark.jpg●中国軍組織改革の目的は、まず中国共産党の軍へのコントロールを強化すること、次に統合作戦能力を強化すること・・・
●中国指導者は、軍強化、外交や経済的影響力強化を地域での地位と国際影響力に活用しようとしている。そして軍近代化を習近平の「中国の夢」実現やグレートパワーとなるために不可欠なものと考えている・・・

しかし中国はまた、米国との直接的で明確な紛争を避けようとしている中国指導者は、紛争や地域の不安定化が中国共産党の正当性を支える継続的な経済発展を妨げることを理解している
短期的に中国は、武力紛争に至らない「coercive tactics」を執り、領有主張のため艦船を投入したりして、紛争に至らない敷居を計算して行動するだろう
●長期的には、敵対者の戦力投射を抑止して撃退し、米国のような介入者に対抗する能力開発に焦点を当てる。中国軍の近代化は、米軍事の中核技術の優位性を殺ぐ能力構築に向けられる

また中国指導層の軍への問題意識を記述
2016report-route.jpg●中国軍近代化は問題に直面しており、習近平は「腐敗」などに注力している。2012年以降、40名以上の軍高官(退役後の人物も含む)が摘発されている
●更に習近平が軍に示したスローガン「戦い、そして勝利せよ」は、30年以上実戦を経験していない軍指導部と中国軍の能力に対する国家指導者達の懸念を示唆している

もう一つ朝鮮半島も対象範囲に
●中国軍は引き続き台湾海峡での潜在的な戦いへの備えを準備の焦点に据えているが、追加的任務として、例えば、東シナ海や南シナ海や朝鮮半島での不測緊急事態への対応も重要性を増しつつある

このほか、米国防省の対中姿勢についても、中国との軍事関係強化に継続的に取り組んでいくこと、中国に国際規範やルールを尊重するように働きかけていくこと、中国と誤解や誤認識や不意遭遇的な事案防止のために努力することを、より丁寧にしっかり記述しているような気がします

対ISや対露を優先したいためのソフト姿勢か?
経済急減速の中国に変化を感じているのか?
2016repo-BM.jpg個人的な感想として、「対ISや対露を優先せざるをえない現実」と「経済急減速の中国に変化」の両方から、今回の報告書のスタイル変更が導かれたのではないかと思います。米国との協議や交渉の裏の場面で中国の「軟化」が見られるとも考えにくいですが
金曜日に、東アジア担当の次官補代理がロープロファイル会見で発表する「刺激したくないスタイル」はここ数年の傾向ながら、米国防省web記事は協力強化の追求姿勢に半分以上を裂いています

弱腰と指摘されないように、中身をちらちら見ると、新装備の導入や開発状況はきちんとフォローしていますし、台湾との有事を想定した軍備整備分析にひとつの章を割り当てるなど、中国軍事力の実態把握は丁寧に行われています
軍の組織改革や南シナ海の埋め立て基地の状況も写真入りで丁寧に説明され、第2章に「Understanding China’s Strategy」を設けて習近平の考え方にアプローチも試みており、決して警戒感を緩めたわけではないとの姿勢を見せています

さて・・この報告書スタイルの変化をどう見るべきでしょうか
China National Day parade3.jpgちらちらつまみ食いで見ただけですが、「違和感」とは言わないまでも、「その心は?」と質問してみたいです
専門家の皆さんはどのようにご覧になるのでしょうか? 内外のメディアはどのように報じるのでしょうか?

軍事装備面での注目点などは、気が向いたら、いつか追記したいと思います
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

14日付「海国防衛ジャーナル」はいつもの様に
判りやすく、短節に、同レポートから各軍種ごとの兵器動向を紹介
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50768010.html

南シナ海人工島
2014年までに埋め立てを終えた4つの人工島は、インフラ整備の最終的な段階に入り、通信・監視、兵站システムも建設した。
残りの3つの人工島にはより大規模な拠点があり、2015年10月までに埋め立て作業が終わり、インフラ建設段階へ移行しつつある。
3つの人工島それぞれに約3,000mの滑走路を持つ飛行場があり、現在、大規模な港にくわえてその他通信・監視、兵站システムを建設中

ロケット軍
DF-16、DF-21C/DをCJ-10が補完する(筆者注:弾道ミサイルと巡航ミサイルの補完関係に触れたのは初めて)。
DF-26が配備されれば、地上目標に対する精密攻撃を担い、アジア太平洋地域の戦略的抑止力となる。
DF-26は、中国にとって初めての戦域目標に対する核精密攻撃戦力となる。
●DF-21D対艦弾道ミサイル(ASBM)の射程は1,500km(筆者注:2015年までは1,700km(900nm)と表記)。
ICBMは約75~100発(筆者注:2015年の50~60発から増加)。

海 軍
潜水艦の近代化も主要課題のひとつであり、攻撃原潜×5、弾道ミサイル原潜×4、通常潜×53を持つ。2020年までに、69~78隻の潜水艦を配備する。
●商級SSNは、VLSにYJ-18対艦ミサイルを搭載する。
JL-2 SLBMの射程は7,200km(筆者注:2015年までは7,400km)。2016年のうちにSSBNによる初の核抑止パトロールが実施されるだろう(筆者注:2015年版には2015年中に開始すると記載)。
●096型SSBNは、JL-2、JL-3を搭載予定

空軍&海軍航空隊
●2015年にJ-20の5号機と6号機が試験飛行開始
H-6爆撃機の最新型であるH-6Kは精密誘導巡航ミサイルのキャリアーとして、グアムに対する長距離スタンドオフ攻撃をもつ。2015年、H-6Kが西太平洋へ進出し、長距離演習を実施。
●すべてのH-6型(H-6H、H-6M、H-6K、H-6G)は、ウェポンベイに重力爆弾、精密誘導爆弾、機雷を搭載できる。
H-6Uは国産戦闘機に空中給油が可能だが、現時点で空中給油試験を行っていない

核抑止
●ICBM、SLBMの開発だけでなく、戦略抑止能力を持つ爆撃機の開発も継続している。
長距離ステルス戦略爆撃機を開発するという意図を持っているとされる。
●中国は「核の三本柱」を確立していくのだろう

2016年報告書の現物
http://www.defense.gov/Portals/1/Documents/pubs/2016%20China%20Military%20Power%20Report.pdf

過去の米国防省「中国軍事力」レポート
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-06
「2013年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-08
「2012年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-19
「2011年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-25-1

中国軍関連の記事
「習近平がPLAの組織改革発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-27
「驚異の対艦ミサイルYJ-18」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-30
「仰天:DF-26も空母キラー?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-04

「10分野で米軍と中国軍を比較」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-18
「中国陸軍の取り組みと課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-11
「空母監視衛星打ち上げへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-10

「中国安全保障レポート2016」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-09
「東アジア戦略概観2016」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-25
nice!(11)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

サイバー:組織の枠を越えた情報共有が鍵 [サイバーと宇宙]

Cyber College.jpg4日付米空軍web記事は、米空軍サイバー大学が主催した政府関係者と民間企業関係者の両方が参加した政策提言を目的としたサイバー対処演習の様子を報じています

4月27日から2日間に渡って行われたアラバマ州マックスウェル基地で行われた訓練には、FBIやCIA、更にはゴールドマンサックス等の民間企業や社会インフラ関連団体が参加し、専門家がその対処を第3者的立場で評価する方法で行われた模様です

「現状では、米国には明確なサイバー安全保障戦略がない」との問題意識を持ち、1日目は現状枠組みでの対処を試し、2日目には組織横断的な情報共有を行って効果の変化を確認したようです
情報共有の効果は明白で、現状の対処では出来ないサイバー攻撃被害の拡大を未然防止できたとして、今後政策提言としてまとめるようです

4日付米空軍web記事によれば
Cyber College2.jpg●担当した研究員であるBrian Buschur少佐は、米空軍大学内の「Cyber College」の「Lemay Center Wargaming Institute」で行われた「wargame」では、どの時点で政府機関と民間部門がサイバー安全保障対処について「step in」すべきかを吟味したと説明した
●演習では、1日目は現状枠組みでの対処を試し、3つのシナリオ「金融部門」「エネルギー分野」「交通分野」で訓練した。

1日目を現状の方針で対処した結果、ある組織がサイバー攻撃の被害拡大を防止する情報を有していても、現状の政策によりその情報が共有されないことが明らかになった
2日目は新たな考えの元、参加者を一つのチームに置いて対処したところ、必要な対処情報が円滑に共有され、被害を起こす前にくい止められた

●米空軍大学副学長の大佐は、「本演習は、問題解決法の探求と同時に、関係者の関係構築や意志疎通の重要性を際だたせた」と振り返った
●本演習で使用された新たなサイバー対処コンセプトは、米国全体のサイバー対処コンセプトの変更のアイディアとして試験導入されたもので、異なる様々な組織な考え方を結びつけ、情報共有により被害拡大を防ごうとするものである

Cyber College3.jpg●同副学長は「本演習の結果は政策提言ペーパーにまとめられ、全参加者に提供される」と述べ、各分野の参加者が制作変更の効果を認識して実際の政策変更に導くことへの期待を表明した
●同Wargamingセンターの専門家は、「本演習の成果は提案の一つで、多くの代替案もあるだろう」「早期の情報共有が各界関係者のやるべき事を明らかにし、最前の対処方向に導く」との考えを語った
//////////////////////////////////////////////////////

世界で最も問題意識の高いであろう米国でさえもこの状況で、米国防省も国防省のネット環境を防御することが第一任務で、エネルギーや通信、金融や社会インフラへの対処については「求められ命ぜられればその範囲で」との縛りがあり、国として対処枠組みが実質曖昧な状況のようです

CyberPolicy2.jpgそんな中、米空軍内の一教育機関が、場を設定して課題を浮き彫りにし、国の政策を提言する「意気込み」に拍手を送りたいと思います

そんな現場を支える、少佐レベルの幹部や専門家を集めた小さな組織の存在が、頼もしくも羨ましい限りです

最近の米サイバー関連記事
「米国防省脆弱性を検証」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-04-1
「対ISサイバー戦を強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-01
「サイバー司令官が決意を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-22-1

「中国には君らも脆弱だと言っている」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-23
「航空戦力でサイバー戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-17
「閉鎖ネットワークにサイバー攻撃を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-18

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース
メッセージを送る