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30日RIMPAC開始:中国招待を巡るあれこれ [Joint・統合参謀本部]

RIMPAC 2016.jpg6月30日から世界最大の海洋軍事演習RIMPAC(第25回)が、米軍を主催者としてハワイを中心に太平洋全域で行われます。8月4日までの5週間におよぶ演習で、中国を含む26カ国、45隻の艦艇、5隻の潜水艦、約200機の航空機、そして約2万5千人が参加する2年に一度の大演習です

主要な演習項目は、水上水中戦闘、航空&ミサイル防衛、着上陸作戦で、その他災害対処や人道支援や救難救助などなど盛り沢山に計画されているようです。
ドイツとイタリアとデンマークが初参加というおまけ付きですが、なんと言っても前回2014年に続いて招待された中国の参加が話題で、南シナ海情勢等を踏まえ米議会等の反対など議論を呼んでいます

カーター国防長官は今年のシャングリラ会合で、RIMPACに中国を招待し、米中海軍がグアムからハワイに移動しながら訓練を行うと発表していましたが、28日付Defense-Newsが東京発の記事で、演習概要や中国招待を巡る議論を紹介していますので取り上げます
新しい話題が出れば、この記事への追記も検討します(気が向いたら)

28日付Defense-News記事によれば
RIMPAC 20162.jpg南シナ海や東シナ海で領有権を巡る中国との緊張が高まる中、RIMPAC 2016が開始される。米海軍からは、南シナ海周辺で3ヶ月に亘るパトロール任務を終えた空母ステニス攻撃群が参加する。
●4月15日に同空母でフィリピン訪問直後のカーター長官が中国を非難する演説を行った後、ステニスは香港への入港を拒否されたところ

●南シナ海沿岸国で中国と領有権問題を抱える国からは、マレーシア、ブルネイ、フィリピンが同演習に参加する。日本は「newest and largest warships:空母のような護衛艦か」を参加させ、指揮官は「vice admiral」(中将ですが、海自だと多分海将補でしょう)である

RIMPAC 20163.jpg中国からは、病院船を含む5隻が参加し、参加国の中では最大規模の参加国の一つである。中国艦艇は、人道支援、災害対処、潜水艦救助、海賊対処活動の訓練を予定し、戦闘行動に関する訓練は含まれない
●なぜなら、米軍は法律で、中国軍と戦闘に関する訓練を行う事を許されていないからである

2014年のRIMPACにも数隻の中国艦艇が参加したが、特に問題は無かった(注:中国が情報収集艦を演習海域に派遣したことで参加国からひんしゅく買ったほか、持ち寄り交流パーティーに手ぶらで多数が参加し、他国が持参した食べ物を食い荒らしたことで軍人間の評価は最低だったとか
●しかし、専門家の中には、「中国の態度を改めようとして招待するなら無駄である。2014年からの2年間に、中国の海での態度は悪化している」とRIMPACへの招待を批判する者が居る

RIMPAC 20164.jpg●一方で識者の中には、「この様な大規模演習に中国を招待しないと、参加国が反中国サイドに加わったとのサインを出すことになりかねず、関係国に参加を躊躇させる恐れがある」と指摘し、「不愉快なことがあったとしても、海の上には、競争と共存が同居しているのだと」と説明する者も居る
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今後、中国がどのような態度で演習に臨むのか? 今年も情報収集艦を派遣してくるのか? 今年のRIMPACはとっても気になります

RIMPAC 20166.jpgなぜなら、なんと言っても、シャングリラ会合が終わり、日米印海軍演習が沖縄周辺で開始された6月上旬から、中国海軍が尖閣や北大東島の接続水域に入ったり、中国軍機が航空自衛隊機に「攻撃動作」を行う事象が連続し、中国が南シナ海から東シナ海へ戦力指向を拡大し、日本への攻勢を強めているからです

中国軍機の空自機への「攻撃動作」とは
(毎日新聞webより)
●空自OB織田氏が、東シナ海上空で中国軍の戦闘機が空自戦闘機に対し攻撃動作を仕掛け、空自機が自己防御装置を使用して離脱したとする記事を発表
●同氏は、「これまでの(一定の距離を保つ)ラインをやすやすと越えて南下し、空自スクランブル(緊急発進)機に対し攻撃動作を仕掛けてきた」、「空自機は、いったんは防御機動でこれを回避したが、このままではドッグファイト(格闘戦)に巻き込まれ、不測の状態が生起しかねないと判断し、自己防御装置を使用しながら中国軍機によるミサイル攻撃を回避しつつ戦域から離脱したという」と書いている。

F-15J.jpg●また「空自創設以来初めての、実戦によるドッグファイトであった」とも表現し、取材に対し同氏は「中国機の動きは少なくとも16日以降、続いているようだ」と話している
●具体的に同氏は、攻撃動作とは中国機が、後ろから近づいた空自機に対して正面から相対するような動きを見せ、さらに追いかけるような姿勢を見せたことだと説明し、空自機の自己防御装置は、熱源を感知するミサイルから逃れる花火のようなものをまく「フレア」だったと語った

織田氏の投稿原文http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47196

29日、官房副長官は織田氏の投稿記事を否定し、「特別な行動ではないと判断をしている」、「攻撃動作をかけられたとかミサイル攻撃を受けたという事実はない」と語り、織田氏の投稿を「個人的には、国際的に影響を与えかねない事項であり、遺憾に思う」と記者会見で語りました。

ふぅーーーーん・・・大丈夫かな・・・前線部隊は。不謹慎ながら、中国の反応に注目です

2014年のRIMPAC関連記事
「中国海軍の能力は平均的」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-27
「RIMPACに中国情報収集艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-21-1
「参加艦艇によるフォト」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-02

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相殺戦略の焦点:敵に近接可能な無人機にレーザー兵器を [米空軍]

Pawlikowski6.jpg23日、米空軍の研究開発も司る「Materiel Command」のEllen Pawlikowski司令官(女性大将)がCSBA等が主催した「エネルギー兵器サミット」で講演し、国防省を上げて取り組んでいる「第3の相殺戦略:Third Offset strategy」について、最終到達目標地点(pointy end)との言葉を用いて重視事項を語りました

同「サミット」のテーマが示すように、エネルギー兵器の重要性と国防省の取り組みを語っているのですが、これと自立的無人システムを組み合わせ、エネルギー兵器開発の問題点にも対応しようとの方向性が伺えます

多方面に亘る「第3の相殺戦略:Third Offset strategy」ですが、重点方向や施策の柱を知ることで頭の整理に役立ちそうな気がしますので、ご紹介します

23日付米空軍協会web記事によれば
Pawlikowski9.jpg●Pawlikowski司令官は「Directed Energy Summit」で、エネルギー兵器(レーザーやEMP兵器など)の活用は、「第3の相殺戦略」において、最終到達目標地点(pointy end)あたりを占める位置づけにあると語った
●そして同大将は、自立性を持った(無人)プラットフォームと、膨大なデータを兵士が有効活用できるようにする事が、「第3の相殺戦略」の焦点だと言及した

●上記を共に手にすることを目指すが、仮に自立的無人アセットが使用可能で全データ融合が可能だとしても、十分なパワーと正確性備えたエネルギー兵器がなければ、「第3の相殺戦略」は達成できないと同司令官は表現した
●また、エネルギー兵器は「第3の相殺戦略を決定づける兵器になり得る」と述べつつも、出力の大きいレーザー兵器を早期に手にすることは容易ではないとも語った

●しかしPawlikowski司令官は、仮に自立運用可能な無人アセットが攻撃目標に接近できれば、それほどパワーが強くなくても所望の効果を発揮でき、正確性を確保できれば付随的被害も最小限に出来ると語った
●なおエネルギー兵器に関しては、次の空軍参謀総長候補であるDavid Goldfein大将が議会証言で、議会承認を得て同職就任を認められれば、同兵器の開発を強力に推進すると述べていたところである


まだ出力が弱く自己防御用だけを目指す段階
Pawlikowski4.jpg●一方でPawlikowski司令官は、空軍の航空機搭載レーザーに対する長年の研究と膨大な研究費用に関わらず、未だ想定されている強力なレーザー兵器は完成していないと認めた
●同大将は具体的に、現状の輸送機や戦闘機への搭載を考えた場合、レーザー技術は防御用には相応の進歩を見せているが、攻撃用には不十分だと表現した

●更に、より強力なレーザーはより複雑でより大量の電力を必要とすると述べ、米空軍は空対空戦闘での自己防御用「Shield計画」に着手しているものの、敵航空機を撃墜するほどのパワーには達していないと述べた
●同司令官は、より強力な電力を得ようとすれば、何かを犠牲にしなくてはならない状態にあると現状を表現しつつ、我々が理想を追求していけば、必要な能力をいつか前線兵士に届けることが出来ようと未来を見据えた

25日付Defense-Newsは他講演者の発言を
●米空軍特殊コマンド司令官Heithold中将は、「次の新兵器はエネルギー兵器で、AC-130への搭載だ」と述べたが、一方で「必要な予算を獲得するには、手押し車一杯の書類が必要で、書類準備に忙しい」と皮肉を述べた
●同司令官は一方で、レーザー兵器の交戦規程が必要だとも語り、技術の進歩に政策が追い付いていないと指摘した。無人機を攻撃するのか、航空機を狙うのか?

Laser HEL.jpg●また、現在もAC-130が搭載する弱い緑色レーザーは、レーザーポインター程度の出力しかないが、相手に向けただけで、敵は後に続く攻撃を恐れて大混乱に陥り、戦力発揮が不可能になる。このような効果も踏まえてエネルギー兵器の使用法や訓練シラバスを煮詰める必要がある

●本土防空を担当する第1空軍司令官Etter中将は、音速の5倍以上で飛来する超超音速ミサイルの迎撃はミサイルでは難しく、レーザー兵器が必要だと期待を示した
●一方で、空の安全に関する懸念を語った。弾道ミサイル迎撃への活用が想定されるが、目標に命中しなかったレーザー光線はどうなるのか? 友軍機や民間航空機に命中する恐れはないか? また宇宙空間の衛星を傷つけることはないか?・・・と疑問を披露した
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レーザー兵器を中心とするエネルギー兵器の特長は、電力が確保できればほぼ無限回数攻撃を継続可能で、かつ光速で目標の到達するので効果が即効であることから、想定される敵の同時大量攻撃や連続的に変化する戦場環境への対処が可能な点にあります

Third Offset.jpg一方で雨や雲の影響を受けたり、大出力レーザーの航空機搭載がまだまだ困難な状況にあり、そこを何とかしたい・・・との思いは良く理解できますし、この点を「第3の相殺戦略」をの最終到達目標地点の一つだと示して頂くと、頭の整理に役立ちます。

レーザー兵器を揶揄する慣用表現である、「いつまでたっても完成まであと5年」状態から完全には抜け出せていないのですね・・・
でも、この女性将軍の的確で正直な表現は、米空軍への信頼性を高めてくれると思います。F-35のBogdan中将のように・・・

7月1日に就任するであろう、新しい米空軍参謀総長Goldfein大将の本件に関する発言にも今後注目致しましょう!!!

第3の相殺戦略:Third Offset strategy関連
「次期政権と相殺戦力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-04
「宇宙とOffset Strategy」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「空軍研究所で関連研究確認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-07
「慶応神保氏の解説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-26

「CNASでの講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-15
「11月のレーガン財団講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-15
「9月のRUSI講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-12
「Three-Play Combatを前線で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-09

エネルギー兵器関連
「米陸軍が本格運用試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14-1
「米企業30kwなら準備万端」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「2012年には戦闘機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-21

「米陸軍は2016年前線に投入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-16
「ACC戦略2015では?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-12
「米空軍幹部が議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-29
「米国DEW兵器開発の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-23

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KC-46納期遅延の弁償は物納や役務で!? [米空軍]

KC-46-4.jpg15日付米空軍協会web記事によれば、KC-46の開発トラブルで2017年8月の納期が守れない状況になっている件に関し、米空軍がボーイング社へのペナルティーとして、現存空中給油機KC-135の無料延命措置などを要求している模様です

ボーイング社の報道官は、交渉中のことでありコメントできないとしているようですが、過去にも金銭でなく「物納」や「役務納入」があったようですのでご紹介します。
体面や組織の体裁ではなく、「実」を採る事態収拾の手法として面白いなぁ・・・と感じた次第です。もちろん、納期遅延がないのが一番ですが・・・

15日付米空軍協会web記事によれば
KC-46-3.jpg●ボーイング社と米空軍は、2017年8月までに18機のKC-46空中給油機を納入する契約を履行できない事を明らかにしたボーイングとの補償交渉で、老朽化が進み維持費も高騰しているKC-135空中給油機の延命費用の肩代わりも議論している模様
●KC-135は、KC-46の遅れによりより長期間の運用が予期されており、これに伴う関連の維持整備経費や部品代をボーイング社が無料で行う事が想定されている

ボーイング社の報道官は交渉中である事から細部に言及しなかったが、遅延ペナルティーの一環として、空中給油機関連以外のボーイング社の製品であるJDAMやF-15などにも範囲が広がる可能性を否定しなかった
●似たようなケースでは、2年前、ボーイングとGeneral Dynamics社が「A-12」を巡る訴訟で、金銭ではなく、米海軍に対し3機のEA-18GやDDG-1002を格安に提供する事で和解したケースがある

米空軍参謀総長は「がっかり」と
KC-46-2.jpg●13日、インタビューに答えたWelsh米空軍参謀総長(7月1日に退役予定)は、最初の18機の納期が守れない結果になっていることには「disappointed」だが、問題解決には自信を持っていると語った
●遅延を引き起こしている給油ブームへの過剰荷重の問題は、対処可能で有り、どのように対処すべきかも判っているとも語った

●ボーイング社に何らかの補償を求めるかの質問に対して同参謀総長は、「それは当然で、細部についてボーイング社と協議することになる」と語り、「どのような方向に向かうかは承知していない」と説明した
●いずれにしてもKC-46全体の設計には問題は無く、素晴らしい航空機である事を証明してくれるだろうと表現した
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Welsh-CSIS.jpgWelsh参謀総長は強気の発言ですが、C-17輸送機への給油試験で判明したブーム強度の問題は「対処可能で有り、どのように対処すべきかも判っている・・」であっても、ブームを改良すれば重心や重量も変化し、それなりに試験やり直しが必要になる可能性もあります

更に、既に組み立てが完了して試験フェーズにある機体に関しては、そのままでは使用できない可能性も考えられます。
つまり、対処が可能でも、とてつもなく時間と手間が必要な「対処」が必要な可能性もありましょう・・・。

KC-46関連の記事
「納期守れないと認める」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01
「Boom強度に問題発覚」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-03
「KC-46は更に遅延?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-27

「初の給油試験に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-26-1
「初飛行試験に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-18
「予定経費を大幅超過」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-21

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海外派遣は残留兵士と即応態勢に大影響を [米空軍]

6月24日、Welsh空軍参謀総長の送別式典が行われ、カーター長官やダンフォード統合参謀本部議長も出席してその功績をたたえました。
これをもって実質職務から離れることになりましたが・・・

Welsh参謀総長の送別ビデオ映像



直前のインタビューより・・・
Welsh AFA1.jpg22日、米空軍参謀総長Welsh大将が退役に当たって米空軍協会機関誌のインタビューを受け、長期におよぶ連続した実戦任務と海外派遣の負担は良く話題になる一方、海外派遣に人員を差し出した母基地への影響は話題にならないが、母基地は少ない人員で恒常業務を強いられるストレスの大きい状況にあると訴えました

また、海外派遣先や人員が不十分な母基地では多様な状況を想定した訓練や人員養成が不十分で、これが米空軍の即応態勢に関わる大きな長期的問題となっていると語りました

米空軍が抱える様々な問題がある中で、最後にこのトピックを取り上げたのは、現場の様々な事象の報告を受ける米空軍トップにとって、これが「本音の最大懸念事項」だったからかも

22日付米空軍協会web記事からWelsh大将発言
●米空軍兵士は海外派遣によって動機付けられ士気が上がる。なぜなら、現地でニーズを感じ、彼らの成果を目の当たりに出来るからだ。
一方、母基地に残された兵士達には、少ない人員でも、母基地での仕事量が減るわけではなく、一人当たりの負担が増えた状態での厳しい勤務を強いられる

Welsh AFA33.jpg前線から帰還した兵士にも母基地での仕事が待っている。前線派遣先で家族から離れて厳しい勤務を強いられた兵士には、その時間を補う「downtime:休息時間」が必要だが、母基地にはその余裕がない
●理想の世界なら、部隊を派遣する基地は閉鎖し、派遣部隊の全兵士が派遣先に赴けば良いが、現実はそうはいかない。

●米空軍は、職域によっては(湾岸戦争以降)過去25年間ずっとそんなことを続けている。母基地に十分な人員が確保できない状況では、十分な訓練や作戦運用は出来ないので、トレーニングレベルは低下する。
●この状況は、長期的な目で見て即応態勢に負の影響を与えている。良好な即応体制を維持するだけの、十分な訓練が確保できないのだ。これらは米空軍の人員削減と任務量の増大ともリンクしている。世代を超えて影響を与える長期的な課題で有り、継続的に回復を図る必要がある
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派遣先の前線部隊でも、実戦とは言いつつ、対テロ作戦を延々と継続していることから、対中国を想定したハイエンド紛争能力の向上につながる部分は少ないと思われます。

Welsh AFA2.jpg電子戦もサイバー戦や宇宙戦も意識することなく、作戦基盤基地が空襲を受けたり、機能喪失することを考える必要が無いことから、どんどん「ハイエンド紛争勘」は鈍っていきます。
少なくとも過去15年間、米軍はそのような状態に置かれて居ます

空軍士官学校の学生に丸1時間、対ISIL論をぶち、無人機と外交で戦いを制していると主張したライス大統領補佐官ほどではないにしろ、ホワイトハウスや米国防省の高官からは、「対ISILの事で頭が一杯だ」オーラが放出されていますし、言葉の端々からもそんなことを感じます。

対中国に「世代を超えた対処」では遅いと思うのですが、これが現実なのでしょう。
Welsh大将の本音でしょう・・・

「ライス補佐官:空軍士官学校で対ISを強調」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-19

「対中国に迫力のないシャングリラでの米国」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-30

将来の空を制するために
「Air Superiority 2030計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17

「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「米空軍:小型無人機20年計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-18
「米海軍の無人機の群れで」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10

「ロッキードは消極的」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17
「kill chain全体で考えよ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-27
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米空軍がF-35代替座席追求か? [亡国のF-35]

英国のEU離脱が決定した日に、米空軍がアクションを起こしたのは偶然でしょうか? 気になります・・・

F-35 ejection 2.jpg24日付Defense-Newsが独占スクープとして報ずるところによれば、同日、米空軍省の調達担当幹部であるArnold Bunch中将が国防省F-35計画室に対し、問題解決が遅れている英国製の射出座席の代替として米国製を採用した場合の価格や計画全体への影響を問うレターを出した模様です

同中将はあくまで、今後の試験で現英国製座席に追加の問題が発生した場合を想定すれば、代替座席にした場合の影響を把握しておくことは自然で必要なことだとの姿勢で、単に質問レターを出しただけだとの態度ですが、現在問題になっている安全や操縦者のリスク低減を重視していると語っており、相当の思いが背景にある模様です

Bunch4.jpg英国「Martin-Baker製」射出座席の問題は、体重約62kg以下の操縦者が低速で緊急脱出した場合、余分な回転で操縦者の首に危険な力が加わることで、昨年10月に試験で発覚しました。
現在、ヘルメットの重量軽減や操縦者の頭を支えるプレートを追加する等の対策が検討実施中ですが、座席本体への対策に英国企業があまり積極的でないことに、大口顧客の米空軍は不満なようです

もうひとつのイライラ原因は、米空軍のA-10s, F-15s, F-16s, F-22s, B-1s、B-2sに座席を提供している米国の「United Technologies社」が、英国製で発生している問題対策がなされている「ACES 5」座席を提供できるのに、F-35製造のパイを英国にも与えるため英国製座席が選ばれたような「節」があるからのようです

F-35 ejection 3.jpg同中将は現時点で何もお話しできることはなく、具体的に米国製座席の使用承認を求めたり、機体の変更を求めたりは決してしていないと強調していますが、質問への回答が国防省F-35計画室から得られたら、なんらかお話しすると語っています

英国はF-35製造の15%を担っており、24000名分の仕事を生み出しています。仮に米軍だけが米国製座席を使用することになれば、他国のF-35価格は上昇し、仕事を失う英国は何らかの補償を求めるだろうと専門家は見ているようです


いくつかBunch中将の発言をご紹介
●米空軍は国防省F-35計画室に、米国製座席の承認を求めたわけではなく、機体仕様の変更を求めたわけでもない。価格や必要な期間や計画全体への影響についての情報を求めただけである
●今後英国製座席への試験の中でさらなる問題が発覚し、別の道へ進みたいと考えた場合に備え、米国製の「ACES 5」座席を承認するのに必要な期間や価格を把握しておきたいのであり、穏当な行動だと信じている

Bunch3.jpg米空軍はF-35の最大の利用者であり、質問レターを出した理由は安全とリスク低減のためである。我々はすべての条件をカバーする射出座席を持たねばならない。すべての操縦者をカバーし、脱出できるものを操縦者に提供したい

●英国製座席にどれだけ試験が残っているかを把握していないが、追加で問題が発生した場合のために必要な情報は把握しておきたいし、前進するために検討の材料が必要
●(なぜ今になって質問レターを出したのかとの質問に対し、)もっと早くできたかもしれない。指摘には反論しない。しかし、潜在的なリスクに備えるため、今の時点で行動をとるのは自然なことだと思う
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もう一度・・・英国のEU離脱が決定した日に、米空軍がアクションを起こしたのは偶然でしょうか? 気になります・・・

まだ24日金曜日に始まったばかりのゴタゴタですが、英国のEU離脱とかも絡んで、ますます波乱含みのF-35計画です

英国のEU離脱の激震に比べれば、F-35問題など小さな事象でしょうが、一つの切り口として、また日米同盟の行方とあり方を考える「ケーススタディー」として、今後も生温かく見ていきたいと思います

F-35の射出座席問題
「座席対策は2018年までか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-09-1
「責任譲り合い:F-35射出座席」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-17
「F-35軽量操縦者が飛行停止」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-02

F-35の主要問題や課題一覧
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

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馴染み以外の企業をAIで米空軍事業に招く [米空軍]

Gorguinpour.jpg10日、米空軍の変革イノベーション室長であるCamron Gorguinpour氏が軍事メディア(Defense One)のイベント(Tech Summit)で講演し、米空軍の装備や部品調達に縁遠い優秀な中小企業と空軍を結びつけるため、人工知能AIを活用した「AQ Prime」とのwebサイトを立ち上げると発表しました

「AQ Prime」は、「複雑な国防省の官僚機構手続きを案内」し、対話形式で不案内な企業等の質問に答えて米空軍事業への参入を促すサイトで、仮運用バージョンでのサイトを年末までに立ち上げる計画だそうです

このサイトのコンセプトは、Gorguinpour氏が2年前から「変革イノベーション室」で取り組んできたもので米空軍の調達改革を改善する試みの一つだそうです

米空軍webサイトの「AQ Prime」解説によれば
acquisition.jpg●同サイトのメインの役割は、企業関係者のサポートだけでなく、米空軍で調達業務に関わる職員への、事業管理や先端契約技術の迅速機敏な教育訓練にある
●関連職員に、非伝統的で機敏な調達戦略を教え、その適応を推奨する
●如何に特定事業や大規模事業を遂行するかの知恵を皆で共有する道具を提供

国防省の事業に馴染みのない企業に、国防省事業への参入の機会を知らせる
●国防省や米空軍の調達手法への改善意見を受け付ける「suggestion box」を提供
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如何にして多様な企業の知恵やアイディアを取り込むかに苦心する、米国防省や米空軍の取り組みの一環です

Gorguinpour2.jpg米国とのFMS契約が急増する中、先細りする一方の日本の防衛産業の皆様からすれば関係の無い話かも知れませんが、こんなサイトを通じて、日本に眠る「草の根ハイテク技術」が輸出の機会を得るよう願ってご紹介致しました。

Camron Gorguinpour氏はご覧のような「若造」で、産業振興関連のNGO運営を経験してきた人物で、国防省への電気自動車導入プロジェクトの責任者でもあるようです
この様な人材の柔軟な活用は、我が国としても学びたいところです

米空軍webサイトの「AQ Prime」解説
http://ww3.safaq.hq.af.mil/airforcetransformationalinnovationaqprime/index.asp

調達改革の関連記事
「G-N法改正の主要論点にも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-05
「下院軍事委員長も重要課題と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-14
「米軍幹部達が取り組みと訴え」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-08

「計画初期から関係者が意思疎通」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-17
「James長官の調達改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-19
「Tech Outreach」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-28

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「米軍の電子戦を荒野から連れ戻す」 [Joint・統合参謀本部]

EW1.jpg6月号の米空軍協会機関誌が「電子戦を荒野から引き戻す:Leading EW Out of The Wilderness」との記事を掲載し、米空軍のみならず米軍全体として、電子戦分野で「1世代の間、適切な投資ペースを保てなかった」、「(中国やロシア等)Black worldには多数の電子戦プロジェクトが存在し、米国の優位は不明確」だと現状に警鐘を鳴らしています。

そして「電子戦EWの定義さえも不明確」、「十分な能力を保有しているのかを語れる者がいない」、「誰が全体を把握し、事業を統括するのかも不明」、そして充実な必要だが「何を犠牲にして取り組むかが常に問いになっている」と問題の所在を表現しています

事柄の性質上、細部に言及はありませんが、Work副長官がリードして様々な検討を開始している様子も紹介しています。ただ、予算確保が難しい中で、サイバーやステルスも電子戦とするのか等、入り口論で混乱している印象で、エスコート型電子戦専門機の復活はなどの、具体的話にはまだまだ結びつきそうもありません

ただ、先日発表された「Air Superiority 2030 plan」議論を待ってからとの米空軍幹部の発言もある事から、そろそろ動き出すのかも知れません。十分に遅いと思いますが・・・

米空軍と電子戦機の歴史と現在
EW2.jpg●90年代後半まで、米空軍は多数の電子戦機を保有していた
ベトナム戦争当時はEB-66 Destroyerが攻撃機編隊をエスコートし、F-105GのWild Weasel部隊も、同戦争で「Shrike」や「Standard」対レーダーミサイルを使用した戦いを行った
1991年の湾岸戦争では、F-4GでWild Weasel部隊を構成し、より高速のHARMで敵レーダー等が攻撃を回避できない作戦を行った。

●その後はEF-111がエスコート型電子戦機として運用されたが、米空軍はステルス機の出現により後継のエスコート型電子戦機を設けず現在はEC-130H Compass Callがメインの電子戦アセットである
●EC-130Hは、通信妨害、レーダー妨害、データ通信妨害、航法援助施設妨害などの能力がある。スタンドオフ電子戦機で、敵通信を傍受して味方の地上部隊に警報を発したり、敵の攻撃行動を電子妨害で粉砕したりできる。これら能力は4基のエンジンを備え、発電容量が大きいC-130ならではである

電子戦の技術進歩はめまぐるしく、EC-130の場合、1.5年から4年程度の間隔で根本的能力向上を行っており、デジタル操縦席になるなど、膨大な新規能力を提供している
●大規模な近代化改修の合間にも、「Big Safari」と呼ばれる米空軍省組織の監督の下、「Quick Reaction Capabilities:緊急能力向上対処」を迅速に行う体制になっている

EA-6B 2.jpg空母艦載機で4人乗りのEA-6B Prowlerが最近まで海軍や海兵隊のエスコート型電子戦機で、EF-111以降の電子戦機持たない米空軍は、電子戦幹部をEA-6Bに同乗させてもらって作戦支援を受けていた
海兵隊は現在でもEA-6Bを保有しているが、海軍はFA-18を電子戦機にした2人乗りのEA-18G Growlerに機種更新した
●2015年9月、米空軍は米海軍と協定を結び、数名の米空軍電子戦士官が交換幹部としてEA-18Gに搭乗する事で合意した(米空軍内で途絶えてしまいそうな、戦場全体の電子戦を考える士官の維持が目的

●F-22やF-35、そして一部のF-15は、空中戦における敵の発見追尾だけで無く、通信や妨害、欺まんなどが可能なAESAレーダーを装備しており、更にF-22とF-35は、米空軍は細部に触れたくないようだが、機体表面に電子戦機能も持ったアンテナを装着している
●一方で、F-22やF-35のように全てを備えた機体と、それ以外の戦闘機の能力差を埋めることは複雑なパズルであり、米空軍はA-10、F-16、C-130等の搭載電子戦機器からALQ-130ポッドまでの改修や更新を迫られている。


米軍の将来に向けた動き
EA-18G-Aust.jpg●米空軍は2016年度予算要求で、空軍全体の近代化予算を捻出するため、15機保有しているEC-130のうち、7機を退役させる案を提出したが、議会はこの案を却下した
EC-130は911同時多発テロ以降、中東地域の13カ所に継続的に展開を行っており、作戦投入率が極めて高い部隊となっていることから議会が強く反対したのだ

●米空軍側は、電子戦能力においてEC-130と同等か凌ぐ能力を持つF-35の導入を加速したいと考えている。
●F-35製造のロッキード社はF-35の電子戦能力に言及する際、海兵隊は電子戦用ポッドを付加しない状態の通常F-35を、EA-6B後継に据える計画だと宣伝している

米海軍はEA-18Gを電子戦の第一兵器と見なしており、2016年4月、レイセオン社と約1100億円の次世代電子戦装備の開発契約を結んだ。これはEA-18Gが装備しているALQ-99の後継機を開発するものである

●一方米空軍は昨年秋、電子戦機とは明確にはしていないが、軍需産業界に電子装備を大量に搭載するビジネスジェット型の軍用機に関するアイディアを募っており、企業関係者は電子戦専用機意識した動きではないかと推測している
●専門家の中には、米空軍が電子情報収集と電子攻撃任務を分けて考えようとしていることが、電子戦への取り組みを逆に難しくしているのではないかと考える者もいる

米国防省レベルの動き
work2.jpg2015年末、国防省の科学諮問会議が、米軍は情報戦優位であることに依存しているが、電子戦分野での欠陥によりその優位が著しく損なわれており、もっと電子戦に投資するよう促す報告をした。そこには「もっと攻撃に」、「EWの統治体制を構築せよ」と記されていた
●これを受けてWork副長官は、軍種横断的に戦術・作戦レベルでの電子戦能力の融合を検討する「ExCom:EW Executive Committee」を立ち上げ、ケンドール次官やSelva統合参謀副議長とともに委員会をリードし始めた

●しかし副長官も、サイバーや宇宙や核兵器運用のように、全体を統括する者がいない横断的な課題だと認識しており、「十分な能力を保有しているのかを語れる者がいない」と語っている
●「ExCom」は副長官に必要な状況報告を行うが、副長官は「我々には多くやるべきことがある。我々の敵対者は我のネットワークの弱さを認識し、真に多額に資金をEWやサイバーに投入している」と現状をとらえている
●更に副長官は「Cyber Investment Board」を立ちあげ、分析結果を反映しようとしている。EWと類似の分野であり、両分野で行うことが多くあると語っている


シンクタンク研究者の提言
Electronic Warfare.jpgCSBAはレポート「Winning the Airwaves」で、定義や名称段階で混迷している米軍の電子戦分野を、電子攻撃やESMやサイバー等を包含した用語として「EMS:electromagnetic spectrum」ドメインとして定義することを提言し、利用可能な先端技術を投入して劇的にEMSで優位を獲得すべきと主張している
●「1世代の間、適切な投資ペースを保てなかった」、「(中国やロシア等)Black worldには多数の電子戦プロジェクトが存在し、米国の優位は不明確」だとの危機感を訴えている

●対策の方向性としてCSBAは、「低出力」の対抗兵器や「低被発見確率」のセンサーや通信技術の確立による飛躍を求めている
●例えば、周辺に既に存在するTVやラジオ電波や太陽光や太陽波を使用し、新たに電波を出すことを不要にする手法や、低出力の兵器で敵に存在を知られない工夫を推奨している

AESAレーダーのように「all-in-one」が望まれ、小型で低価格であることも求められる。これら装備を米軍内で共有することでEMSを自然に性格付けできる
誰が米軍内の電子戦EWの「クォーターバック」になるかに関して具体的な意見はなかったが、全体を束ねる部署やポストの必要性は専門家やOBが皆主張している
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2012年9月の記事http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-08)と比べても、電子戦分野にほとんど進展が見られないことが分かります。

もちろんMALDやMALD-Jが前線配備されていても、すごい電子戦能力を持つ(らしい)F-35計画が進展していても、15年にも及ぶ本格的な電子戦を意識しなくて済むイラクやアフガンの戦いは、敵から妨害を受ける意識を消し去っているからです

2012年9月の記事より
(米海軍EA-18G部隊の連絡幹部として勤務する米空軍士官が、米海軍での経験談を米空軍部隊内でレクチャーした際の感想

CyberPolicy2.jpg●冒頭で空母への着艦の難しさや海軍と空軍飛行部隊の違いを話すと雰囲気が和むが、話が本題に入ると、本格的な電子戦の話に一般の空軍運用者が追随できないことに衝撃を受ける。
●一般の空軍操縦者にとっては、電子戦と言えば自己防御であり、装備と言えば電子戦用のポッド思い浮かぶだけなのだ。

●我々は総合的に戦場全体の電子戦環境を議論しようとするが、その認識が米空軍内で希薄化していることを懸念する。過去10年の戦いや電子戦を意識しなくてもよかった相手が今後も続けば問題ないが・・・。
自己機を守るだけの発想から、敵のSAMが発射機から飛び出さない環境を作為したり、敵の指揮統制や通信を妨げたりといった総合的な電子戦環境を考える人材を育てたい

ステルス機の発達の中でも、我々へのニーズはむしろ増大している。我々が行う教育や訓練課程を修了した者達はいまや引っ張りだこである。
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米陸軍は更に危機感が強烈です
Hodges6.jpgロシアによるウクライナ侵攻を受け、ウクライナ軍の支援に派遣された米陸軍は、ロシア軍の電子戦能力に圧倒されます
元米陸軍電子戦幹部は米軍の能力を評し、「電子戦に関して、米軍はロシア軍の1/10も出来ない」と語っています

また欧州米陸軍司令官も、ロシア軍の電子戦能力を「涙が出るほど」凄いと評し、更にそれに対峙するウクライナ軍について、装備は不十分でも、電子妨害を受けた際の基本的対処要領が部隊に徹底されており、米軍は足元にも及ばないと認めざるを得ない状況です

「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02 
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米空軍協会機関誌は、米空軍応援雑誌であり、米軍需産業の応援団でもあります。よって、軍の能力不足を指摘して予算獲得を訴える傾向があります。

そのような前提をおいても、米空軍がステルスに頼り切り、電子戦を疎かにしてきた「ツケ」が回ってきた現状を感じていただけると思います

F-35two.jpg下の過去記事「ステルス機VS電子戦攻撃機」からもわかるように、海空軍間の電子戦感覚にはズレがあり、本当に対中国の統合作戦ができるのか、東シナ海上空の戦いがどうなるのか心配です。

そして、開けてみたら「偶然電子戦装備も付いてくることが判明した」F-35の導入により、なんとなく対策ができたと、周辺の装備やサポート体制が皆無に近いのに、再び電子戦「白痴状態」に陥っている「日本空軍」はもっと心配です・・・

その他の関連記事
「ステルス機VS電子戦攻撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12

「EA-18Gで空軍の電子戦を担う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-08
「空軍用に海軍電子戦機が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-09
「緊縮耐乏の電子戦部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-29-1

「MALDが作戦可能体制に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-29-1
「電波情報収集RC-135」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-09
「心理戦用EC-130」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-15

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日本とイスラエルがサイバー協力で覚書へ [サイバーと宇宙]

Israel Japan3.jpg18~19日に複数の国内メディアが、日本政府が電力・ガス・水道や決済システム等の社会インフラのサイバー対処強化に向け、年内にもイスラエル政府と技術協力の覚書を交わす方針を決めたと報じました。

2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、日本政府は重要インフラのサイバー防衛に力を入れており、この分野で世界トップレベルのイスラエル技術の取り込みに動いたと分析しています
米国と並ぶサイバーセキュリティー先進国の知見を生かしたい日本と、ビジネスとしての展開を狙うイスラエルの思惑が一致したとも報じられています。

具体的には、日本国内の研究施設でイスラエル製防御機器の導入試験を行うほか、専門家を招き、サイバー攻撃への防御演習も行う計画がある模様です。
インフラのサイバーセキュリティーの分野で、日本が本格的な協力関係を結ぶのはイスラエルが初めてであり、米国との関係よりも先行する点でも異例です

でもそんな矢先、21日にイスラエルと米国が、より緊密なサイバー対処協力の文書に署名し、専門チームの設置とか、システム連接で常時情報共有とか開始するとのニュースが飛び込んできました。
やっぱり米国とユダヤの結束は固い・・・


20日付Defense-News記事がイスラエル側の視点で本件関連事項を報じ、興味深いので概要をご紹介します。
イスラエルも「ブーメラン効果」を懸念しつつ、サイバー関連企業の「輸出したい要求」にも答えるためバランスを重視した輸出規定を煮詰めているようです。なお、相手国の「軍用」になる場合には国防省の厳しいチェックを受けますが、それ以外は経済省等で判断する模様です

20日付Defense-News記事によれば
Israel Japan.jpg3年間に及ぶ検討を経て、イスラエル政府は、軍用ユーザーへの輸出は例外としつつも、サイバー商品の輸出や技術移転を自由化の方向に導く新たな方針を定めた模様
●同政府の国家サイバー局長(NCD)であるEviatar Matania氏は、ネタニアフ首相の了解を得て、(通常兵器等がテロ組織等に渡ることを防止する国際的な取り決めである)「Wassenaar Arrangement」の指針にそった新たな政策であると説明した

●同氏はDefense-Newsに対し、「首相からの指示は、リスクはあっても、可能な限り寛容な政策指針や実行枠組みとし、サイバー関連企業の繁栄をサポートせよであった」と語った
●また「イスラエルはバランスのとれた政策により、必要ない場所に不必要なものを売ることなしに、我が産業界を強化して守ることが出来ると信じている」とも語った

●新政策では、大部分のサイバー関連「dual-use」技術は、NCDと経済省が共同で設置する新機関で監督管理される。ただし、軍用や国際治安機関への輸出については、引き続きイスラエル国防省が管理監督する
●Matania氏は、国防省が管理監督すべきものについては、引き続き国防省が目を光らせると説明した。

サイバー産業界の発展のために
Wassenaar.jpg●更に同氏は、輸出業者が規則に縛られて負担となることがないよう、政府は間もなく輸出管理規制の対象となる特定分野の定義を公表する。同時に政府は、輸出が「Wassenaar Arrangement」に沿ったものとなっているかを継続的かつ定期的に確認する

●同局長は「事前に既定を公表して輸出しやすい体制を整える。ただ大部分の輸出はライセンス提供にすべきではない」と趣旨を説明し、「3年間の検討で、イスラエルのサイバー能力が世界のリーダーで有り続けるために企業家や発明家達に最大限の明確な基準を示すことと、国家安全保障上の懸念との真のバランスを突き詰めた結果だ」と語った


21日:米国とイスラエルは常設対処チーム協定
Israel-US cyber.jpg●21日、イスラエルと米国は、サイバー攻撃対処のため、両国がCERTS(コンピュータ緊急対処チーム)をそれぞれ設置し、両国システムを連接して常時情報共有を図り連携を強化することを定めた「サイバー防衛宣言」に署名しました
●署名はテルアビブ大学で、イスラエル国家サイバー局長と米国の国度安全保障省副長官により行われた

●イスラエル側は、サイバー技術革新の世界的ハブ」を目指す南部の都市Beershebaに、今年9月までにCERTSを設置する計画で、新たな国家サイバー対処アプローチを開始する。
CERTSは常続的に脅威や攻撃に対処し、関連情報の提供を行うほか、国家サイバー対処局に必要な施策を提言することになる
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他国がサイバー関連技術の輸出にどのような姿勢で望んでいるのか、承知していません
米国よりも先にイスラエルと協力関係を締結する方向だとすれば、米国はサイバー関連技術の輸出規制がより厳しいのかも知れません
china awacs.jpg
しかし、中国への兵器や関連技術の「やみ輸出疑惑」で頻繁に話題に上るイスラエルです・・・・。

中国には細心の注意を払って頂きたいものです!!! 念押しでもう一回、中国には売るなよ!!!


イスラエルと中国の最近の疑惑など
「イスラエルと中国が大接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04-1
「中国に最新軍事技術流出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-25-1
「ハイテク起業大国イスラエル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-20

「映像:イスラエル軍女性兵士」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-27
「ユダヤ人は離散していない!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-17

外務省の解説「Wassenaar Arrangement」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/arms/wa/
●対共産圏を対象に武器等の輸出規制をしていたCOCOMが1994年3月に消滅したことを受け、1996年7月、特定の対象国・地域に的を絞ることなく全ての国家・地域及びテロリスト等の非国家主体を対象として発足。現在41カ国が参加(露は参加、中国は不参加)
通常兵器及び機微な関連品・技術の移転の透明性増大及び責任ある管理を実現し、過度の蓄積を防止して、地域及び国際社会の安全と安定に寄与

テロとの闘いの一環として、テロリスト・グループ等による通常兵器及び機微な関連汎用品・技術の取得を防止する
法的拘束力を有する国際約束に基づく国際的な体制ではなく、不拡散のために努力する意志を有する参加国による紳士的な申し合わせ

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成果発表「Hack the Pentagon」計画 [サイバーと宇宙]

Hack the Pen.jpg17日、一般市民からボランティアハッカーを募り、米国防省システムの脆弱箇所を指摘してもらう試み「Hack the Pentagon」の成果発表がカーター国防長官によって行われ、250名以上の有志ハッカーにより138個の脆弱箇所が発見できたと報告されました

1400人以上の応募者の中から選ばれた約250名は、約1か月間にわたり、米国防省の「作戦任務に直結しない」広報webサイト等を対象とした「脆弱箇所」発見に取り組み、中には高校3年生も参加していたようで、カーター長官から直接会見で紹介されています

17日付米国防省web記事によれば
Hack the P.jpg●カーター長官は発表会見で、4月18日から5月12日の間で行われた「Hack the Pentagon」計画にかかった経費は約15万ドル(約1700万円)だが、これを役所が良くやるように民間企業に委託していたら、少なくとも1億円以上は必要だったはずだと、本取り組みの効率性をアピールした
●期間内に約250名の参加者は、少なくとも一人1件以上の「脆弱箇所」をレポートしてくれたが、分析評価の結果、138件が「もっともな指摘」と認定され、参加ハッカーには指摘数や有効な指摘数の数に応じて、100ドルから1.5万ドルが支払われた

●担当責任者のChris Lynch氏は、今回は作戦任務に重要なシステムは対象とせず、一般国民がアクセス可能な国防省関連webサイトの「defense.gov」「dodlive.mil」「dvidshub.net」「myafn.net」「dimoc.mil」が対象となったと説明した
●そして同氏は「一般公開用の複雑でないサイトを対象にしたにもかかわらず、非常に多くの教訓が得られた」と語り、一般公開サイトを通じて他のシステムにアクセスしようとする試みの防止に通ずる指摘もあったと語った

Hack the P3.jpg高校3年生で参加したDavid Dworken君は、学校の授業の合間や家での時間を活用し、6個の脆弱箇所を発見通報した。6月に卒業した彼は、今後サイバーセキュリティー分野での仕事を希望し、コンピュータ科学を大学で学ぶことになっている
Dworken君は、彼の指摘した脆弱性は他の参加者が既に指摘積みでボーナスはもらえなかったが、「自分が好きなことで連邦政府の仕事に関わることが出来たこと自体が、この上もない喜びであり成果です」と明るく語った

カーター長官は本成果について
●カーター長官は、国防省は人材、業務手法、技術の側面から革新に取り組んでいるが、「Hack the Pentagon」計画はこれらすべての側面を兼ね備えた取り組みで、大きな成功を収めたと評価した
●また情報セキュリティーの強化だけでなく、国防任務に貢献したいと望む創造力あふれる一般市民との強力な架け橋を気づいた点でも、大きな成果があったと長官は語った

●カーター長官は更に、同様の取り組みを国防省の他システムにも拡大すると語り、国防省内の各部署に対象となりえるシステムの洗い出しを命じた
Hack the P2.jpg●また、国防省関連の業務を行う委託業者も、サイバーに関する本取り組みの恩恵を受けられるように検討を進めるとも長官は語った

●そして長官は、「国防省はクローズしたシステムを通常使用するが、我々にフレンドリーな目でシステムやwebサイトをチェックしてもらうことで、問題点を明らかにして対処し、前線兵士により安全な環境を提要できる」と取り組みの有意性を強調した
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成果発表Fact Sheet
http://www.defense.gov/Portals/1/Documents/Fact_Sheet_Hack_the_Pentagon.pdf

素晴らしい成果だと思います。拍手です!!!
18歳のDworken君のような人材が、国防省に入ってくれれば最高なんでしょうが、Dworken君にしてみれば、この成果で自分を将来優良企業に高く売り込もうと考えるでしょう・・・自然なことです

国防省公開の会見写真には、普段の国防省には馴染まない印象の「参加ハッカー」の皆さんが映っています。是非日本でもいかがでしょうか?

Hack the Pentagon計画発表時の記事
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-04-1

米国防省の関連webサイト
https://hackerone.com/hackthepentagon

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中国版GPS:4年で全世界カバーで軍事利用も [中国要人・軍事]

対米念頭、軍事活用を加速

China-GPS.jpg20日付読売新聞は朝刊6面で、「中国版GPS、4年で全世界カバー:軍事活用も」との記事を掲載し、中国版GPSシステム「北斗」に関する初の白書を中国政府が発表し、2018年に巨大経済圏構想「一帯一路」の沿線や周辺国、2020年前後に全世界をカバーするGPS網を構築すると明らかにしたと報じています

同システムは2012年に中国大陸沿岸の西太平洋地域の限定範囲で運用を開始しましたが、次第にシステムを支える衛星の数を増やし、着実にサービス提供エリアを拡大しています

また、タイやパキスタンなど30か国以上に同システムを利用可能な商品を納入したとも発表し、さらなる拡大を狙っている模様です

20日付読売新聞の記事によれば
China-GPS2.jpg●中国による独自GPS開発は軍の統合運用に不可欠で、海洋進出を強める南・東シナ海などで対米国を念頭にした軍事活用を加速するとみられる。
●開発当局者によると、中国は1994年に「北斗」の開発に着手。現在、約5~10メートルの精度で位置情報を提供でき、主にアジア・太平洋地域の30か国以上がサービスを受けている。今後、約60か国が参加する「一帯一路」関係国に対象を広げ、計35基の測位衛星で全世界をカバーする計画だ。

●中国は2020年を目途に初の空母戦闘群の運用を検討中とされ、他国に依存しないGPS網の構築が不可欠である。今後、南および東シナ海での制空・制海権確保のほか、外洋展開の布石として、「真珠の首飾り」戦略を実施するインド洋でのシーレーン防衛などに積極活用するとみられる
●当局者は、現在4万隻以上の中国漁船が「北斗」システムを搭載済みで、位置情報の通知や携帯電話のネット接続が可能と発表。南シナ海などで中国の「主権」を誇示するための大量の漁船団組織などにも活用する可能性がある

16日付NHKのweb記事によれば
China-GPS3.jpg中国政府で「北斗」を管轄する部門の冉承其報道官は16日、記者会見し、「『北斗』はすでに中国の重要なお薦めブランドであり名刺でもある」と述べ、運用から3年余りがたち、パキスタンやタイなどすでに30か国以上にこのシステムを利用できる商品を納入したと発表

●また、冉報道官は「国防に役立っているはずだ」として中国軍でも利用が進んでいるという認識を示したほか、中国沿海部の漁船4万隻余りや、今年1月から3月に中国本土で出荷されたスマートフォンの30%余りで「北斗」を利用できるとしています。
●中国政府は2020年頃に、このサービスを全世界に提供するとしており、その実績を強調することで世界各国での一層の利用拡大を図りたいとの思惑があるものとみられます。


補足:鳥嶋真也さんの解説(2015年4月執筆)
2012年10月25日に16号機が打ち上げられ、中国は同年12月27日をもって、アジア・太平洋地域を対象にした航法サービス開始を宣言した。測位の精度は実験衛星よりも大きく向上し、民間向けで10m、軍向けには10cmの精度が出せるという。ただ後者は、もしくは前者も、おそらく地上に置かれた基準点など使って補正した際の値だと思われる
●16機の衛星は軌道配置に少し偏りがあり、中国上空を中心とした経度に偏っている。このことから、中国はいきなり全地球でのサーヴィス展開を狙っていたわけではなく、まず中国国内のみを対象にサーヴィス提供ができるようにし、次にその周辺のみを、という形で、堅実に構築を進めていく方針を採っていたことがわかる

China-GPS4.jpg●しかしこの後、北斗の打ち上げはしばらく行われなかった。だが2015年3月30日、全地球規模での展開に向け、第3世代機にあたる「北斗三号」の1号機、正式名称「北斗衛星17号」が打ち上げられた
●正確には分からないが、「北斗三号」の1号機への搭載機器の性能、特に原子時計の精度は向上している思われる。また、測位の精度については従来の最大10mから、2.5mにまで改善されることが報じられている。
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今後全世界をカバーするため衛星数を更に20基積み上げ、老朽衛星の更新も並行して継続できる資金力があるのか不明ですが、わざわざ「初の白書」を発表し、習近平が宇宙での戦いを制するよう関係者に「檄を飛ばした」とのうわさもあることから、決して過小評価はできないでしょう

2015年3月に「北斗三号」シリーズの打ち上げが始まってからの情報が、ネット上では良く分かりません。
ご存じの方がいらっしゃいましたら、教えてください

中国と宇宙関連の記事
「米中の宇宙戦を描く小説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08
「米空母監視衛星打ち上げへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-10
「RAND:米中軍を10分野で比較」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-18

宇宙関連の記事
「民間企業も交え大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-05
「宇宙改革法案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-13
「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01

「Space Fence試験レーダー完成」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-29
「宇宙アセット防御予算8割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-01-1
「米空軍の宇宙姿勢を改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-19-1

「欧州を主戦場に大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11
「F-15から小型衛星発射試験へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09
「米空軍のSpace Fenceを学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28
タグ:中国 GPS 北斗
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米海軍沿岸戦闘艦LCSに前倒しで衝撃耐久テスト [Joint・統合参謀本部]

久々に旗色の悪いLCSの話題です・・・

LCS-Jackson.jpg10日、米海軍の沿岸戦闘艦(LCS)が、その脆弱性を懸念する議会等からの要求もあり、通常の新造艦より早いタイミングで近傍爆発による衝撃テストを開始しました。
今回は、計3回実施される同様の衝撃テストの初回です。

沿岸戦闘艦LCSは、小型で小回りが利き、沿岸地域での多様な任務を想定して導入が開始された艦艇で、任務に応じた多様な装備をモジュラー化して積み替え可能な方向を目指しています。
米国のアジア太平洋リバランス政策でも、シンガポールに4隻をローテーション配備することを米国防長官等が事ある毎にアピールしている話題の艦艇です(のはずです

しかしご多分に漏れず・・というか、機種選定の段階からゴタゴタで、争った2艦種(Freedom型とIndependence型)が両方採用される前代未聞の異例中の異例な結果となり、更に実際の開発段階でも遅れや経費の超過が発生し、マケイン上院議員(米海軍出身)が、これほど恥ずかしい装備品導入案件を聞いたことが無いと酷評している代物です

その後実際の製造・配備が始まってからも、中国等の脅威を考えた場合、あまりにも火力が貧弱で艦の構造も脆弱だとの意見が「今更ながら」議会で強まり、調達隻数の削減や改修を求める声に米海軍が懸命に対応している状況です

そんな中、そんなに脆弱ではないことを示すため、このような試験(FSST:Full Scale Shock Trials)を前倒しで行うことになったわけです。
なお前回このような試験を行ったのは2008年で、対象となったのは「San Antonio級のamphibious transport docks」だったそうです

16日付Defense-News記事によれば
LCS-2ship2.jpg沿岸戦闘艦(LCS:littoral combat ship)には2艦種(Freedom型とIndependence型)があるが、10日に初回の試験を行ったのはIndependence型(LCS-2)のJacksonvilleである。今後は2回目を6月22日に、3回目を7月8日に実施予定である
●なお、Freedom型への同試験は、艦艇Milwaukeeを対象として、8月9日から9月13日の間で計画されている

●試験では、10000ポンドの爆雷をLCSの近傍で爆発させ、艦艇に取り付けた約260個もの測定機材で多方面から艦艇への影響を調査する。爆発地点の艦艇との距離は明らかにされていないが、2回目以降の試験ではより近い場所で爆発させる模様である
●同艦艇には約50名の試験関係者が乗船し、国防省の試験評価室OT&Eのメンバーも多く含まれているが、試験が行われたフロリダ沖の状況に詳しくイルカ等への影響を懸念する海洋生物学者も乗船している

●米海軍報道官のThurraya Kent大佐は10日の試験に関し、「想定外の事態は発生しなかった」とコメントした。他の関係者は、細部の分析が必要だが、想定していたよりもLCSは爆破の衝撃に強いとの印象を受けたと語っている
●同艦艇は必要な修理やデータ分析のため、一度Mayport港に戻る。なお今回の爆破試験の前に、艦艇に使用されている各部品に対しては、個々に耐久性や荷重の影響試験が実施済みである

試験前倒しの背景など
LCSindep.jpg●この様な衝撃耐久試験(FSST)は大部分の新型艦艇に対し行うことになっているが、LCSに関しては、Michael Gilmore国防省試験評価室長から議会への働きかけもあり、計画されていたよりも前倒しで実施されることになったものである
●Gilmore試験評価室長も、3回目の試験に乗船する予定である

6月30日から8月4日の間に実施されるRIMPAC演習にも、Freedom型とIndependence型の両方のLCSが参加する予定である。その後、Independence型のCoronadoが同タイプとしては初のシンガポール派遣に参加し、約18か月間の活動を行う予定である
●なお、現在シンガポールに展開中ながら、1月にエンジン事故でディーゼル機関が使用不能になっているFreedom型のFort Worthは、非効率な運用になるが、残ったガスタービン機関を利用してサンディエゴに戻して修理を行うこととなった
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昨年12月末段階では、なおLCSにはLockheed Martin製の「3,300-ton Freedom級」とAustal USA製の「2,800-ton Independence級」があり、6隻が就航、14隻が建造段階で、別の6隻が契約段階にありました。

LCS-2ship3.jpg同記事には、LCSの改良が進んでおり、見通し線外の目標にも発射可能な能力を備えた海軍初の「ハプーン」搭載や、「SeaRAM Rolling Airframe Missile」の試験が終了したこと、「Raytheon/Kongsberg Naval Strike Missile」も搭載予定であること等も記されています

ヘーゲル国防長官時に、LCSの能力強化を図る方向で落ち着いたように見えますが、まだまだ「脆弱だ」の意見は根強いようです。試験の結果に注目です

沿岸戦闘艦LCS関連の記事
「LCSは能力強化で決着か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-18
「LCS調達隻数を巡る激論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-20
「LCS批判に反論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-23

「F-35化する沿岸戦闘艦LCS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-09
「LCS機種選定泥沼」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-24
「次世代の米艦艇LCS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-31

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南シナ海威力偵察?比に攻撃&電子戦機EA-18Gを展開 [Joint・統合参謀本部]

EA-18G Clark.jpg16日付米空軍web記事によれば、15日からフィリピンのクラーク空軍基地に、米海軍の攻撃&電子戦機EA-18G Growlerが4機展開した模様です。
このローテーション派遣は、今年4月14日にフィリピンを訪問したカーター国防長官が、緊迫する南シナ海対処の一環として発表したフィリピンへの作戦機派遣です

4月に発表された第一陣は、米比合同演習「Balikatan」に参加したA-10攻撃機5機、HH-60Gヘリ3機、1機のMC-130Hがそのまま現地に残る形で構成され、4月28日に派遣を終了していました。
第一陣帰国から8週間以上が経過しましたが、今回は米海軍機が西海岸のワシントン州から派遣されました

4月にローテーション派遣が発表になった際は、国防省報道官が「F-22の派遣もある」と発言していたところですが、かなりの「空白」を置いての海軍機、しかも攻撃型電子戦機の派遣を如何に理解すべきでしょうか?

まず16日付米空軍web記事によれば
EA-18G Clark2.jpg●15日、米太平洋空軍が運営するJFACC(統合航空戦力運用コマンド)司令部の諸調整と計画を受け、米海軍航空戦力の最初の部隊として、ワシントン州のWhidbey Island海軍航空基地所属のEA-18G Growlerが、フィリピンのクラーク空軍基地に派遣され到着した
4機の航空機と約120名で構成される「Electronic Attack Squadron:VAQ-138」からの派遣部隊は、米太平洋軍JFACCが指揮する派遣部隊で、比政府の承認を受け、両国の相互運用性と安全保障強力を向上させすための施策である。

クラーク基地には比空軍のFA-50軽攻撃機(なんと韓国製)部隊が配置されており、同じ基地で米軍機を運用することで相互に訓練を行う
●同時に派遣された4機のEA-18Gは、国際法に則り、当地域の海上及び航空ドメインへのアクセスと情勢認識を強化する定期的な作戦を支援する。

●米海軍の電子戦航空部隊VAQ-138は、これまでにもインド太平洋地域の各所にこのような形で派遣された実績があり、地域の同盟国や友好国との演習などにも複数参加した経験を有している
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EA-18G GrowlerはFA-18を改良した電子戦専門機で、EF-111以降、今や米空軍が保有していないエスコート型の電子戦機です。

その電子戦能力は高く、単なる自己防御的電子戦ではなく、戦域全体の各種電波状況を分析把握(ESM)し、作戦全般の電子戦を支える能力を保有しています。この種の期待を持たない米空軍は、そのノウハウを継承するため、米海軍に懇願して連絡幹部を同部隊に派遣「させてもらっている」状態です

EA-18G Clark3.jpgそんな能力を持つEA-18Gのフィリピン派遣ですので、単に米空軍の派遣戦力捻出が困難なためではなく、積極的に「南シナ海の電波情報収集」を狙っての派遣ではないかと邪推します

南シナ海の南沙諸島には、中国軍が戦闘機配備可能な3000m級滑走路を構築するだけではなく、防空兵器やステルス機も探知可能では言われる監視レーダーを配備している模様です
そのような中国軍アセットの「威力偵察」を、機動性の高い戦闘機型電子戦機に託したとは考えられないでしょうか?

米国防省報道官が派遣を示唆していたF-22も、相当の電子戦能力を備えていると言われており、ローテーション派遣への期待も高いのでしょうが、非常にデリケートなステルスコーティングの維持整備や機体性能の保全の観点から、まずは「EA-18G Growler」にお願いしたのではないでしょうか・・・

「比への米国航空戦力のローテーション派遣発表」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-16

「EA-18G Growler」の解説サイト各種
https://ja.wikipedia.org/wiki/EA-18G_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)  
http://island.geocities.jp/torakyojin88/ea18g.html

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無誘導ロケット弾を安価に精密誘導へ [米空軍]

APKWS2.jpg10日付DODBuzzによれば、英国BAE社が製造する無誘導ロケット弾をレーザー誘導弾に転換するキット(APKWS)を米空軍が導入し、F-16とA-10に搭載を開始した模様です。
同キットは既に、米陸軍の攻撃ヘリや海兵隊のハリアー等に搭載が始まっていたようですが、安価で、搭載側に改修の必要が無く、労力も重量も低いことから大人気の模様です

従来この種の精密誘導兵器と言えば、「AGM-114 Hellfire」の独壇場でした。
もちろん現在でも、戦車や装甲車両の攻撃にはヘルファイアが必要ですが、乗用車に乗って逃走するテロリストや通常の建物を攻撃するには、無誘導の「2.75-inch Hydra rocket」をレーザー誘導兵器に転換できるAPKWSで十分なようです

恐らく対ISIL作戦用に配備を急ぐのでしょう
担当の米空軍准将は、予定よりも早く使用できることになり、初期調達分は米海軍用の余裕分を米空軍に回してもらうことが可能になり、今後の需要増に対しても柔軟な企業対応が期待できると喜びのコメントを出しています

BAE社の宣伝映像


10日付DODBuzz記事によれば
APKWS(Advanced Precision Kill Weapon System)キットの価格は約3万ドルで、ヘルファイアの約1/3である。また重量も約1/3であり、攻撃機や攻撃ヘリが同じ搭載重量範囲内で、より多数の兵器を搭載可能となる
APKWS.jpg●米空軍がレーザー誘導のロケット弾を装備するのは初めてとなるが、イラクやアフガンでの使用が想定されている
●同キットが装着される「Hydra rocket」はヘルファイアほど強力ではないが、乗用車や小型ボートなどのソフトターゲットには十分な威力を持っている

Wikipediaの「APKWS」解説によれば
固定翼から発射された場合の最大射程は11kmで、回転翼の場合は最大5km。キット装着でCEPは50cmに。
●搭載に必要な時間は、(ヘルファイアの)1/4程度に削減できる
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Hydra rocket.jpg最近、既存の弾薬やミサイル等に安価なキットを装着し、性能を飛躍的に向上させる製品開発が盛んなようです。結構なことです

まぁ・・・このような装備の導入や使用の迅速化を可能にする、国防省や軍内の意志決定と予算措置の早さにも改革が必要かもしれません。日本の事です

BAE社のAPKWS解説webページ
http://www.baesystems.com/en-us/product/apkws-laser-guided-rocket

既存兵器にキット装着で性能向上
「魚雷キットで飛翔可能に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-21-1
「JDAMキットで射程・全天候性向上」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-07

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米空軍:移動式ICBMは高コストで想定外 [米空軍]

Midgetman.jpg15日、米空軍参謀総長として最後の軍事記者との懇談に臨んだWelsh大将(7月1日退役)は、米軍核抑止の3本柱の一つである地上配備ICBMを、移動式にして残存性を向上させる案を長年検討してきたが、高価なためあきらめたと発言しました

1980年代から実験や検討を重ねてきたようですが、この会見が正式断念発表だったのか、どのような会見の流れでこの発言が出たのか不明ですが、結論的には当面は「安価な」サイロ型のICBMを使い続ける事になるようです

16日付米空軍協会web記事によれば
●Welsh米空軍参謀総長は、移動式の地上戦略核抑止ミサイル(GBSD:Ground Based Strategic Deterrent)を検討したが、コストの問題から同オプションはあきらめたと語った
現有のICBM「Minuteman III」の後継議論の際、他の核保有国の核兵器がその精度や威力を増す中、残存性が重要だと感じていた私も、「移動式は検討しているか」と最初に担当責任者に問い正したのだが

Midgetman2.jpg移動式ICBMの検討は、1980年代にソ連の核ミサイルの精度が向上して第一撃の危険度が高まった時点から始まり、当時も車両搭載型、列車搭載型、またC-5大型輸送機から「Midgetmanミサイル」(80~90年代に米国が開発していた小型ICBM)を発射する案が検討され実験も行った
●その後も地上配備ICBMの代替検討は続き、実際長期間に亘って検討してきたのだが、大変高価なオプションである事が問題なのだと表現した

●そして次第に、地上戦略核抑止ミサイル(GBSD)の議論は、現在の地上インフラを最大限活用し、ミサイルだけを更新する方向に議論が向かった
●同参謀総長は、サイロ格納式のICBMは本当に低価格で維持でき、潜水艦搭載や爆撃機搭載の戦略核兵器と比較して迅速な反応が可能だとその特性を説明した

●そしてWelsh大将は核抑止3本柱を支持すると語り、新たなGBSD導入追求を正しいアプローチだと表現したが、信頼でき有効な核抑止体制を維持するためには、その資金確保のための国家的な議論が必要だと訴えた
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退役直前の「さよなら会見」に突っ込んでも仕方が無いのですが、戦略核抑止の重要性をそれだけ口にするなら、米空軍内の優先順位も上げたらどうかと思います
口先だけの「重要だ」発言は、士気低下が著しく、問題噴出中のICBM部隊の兵士を「しらけさせる」だけだと思いますが。

INF-USRU.jpgそれから、「国家的議論」が必要なのは、ロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約(射程500kmから5500kmの地上配備ミサイルの保有を禁じた1987年の米露条約)の今後についても同様だと思います。

中国が中距離弾道ミサイルをA2ADの柱に据えてどんどん近代化を進める中、ロシアもこっそりINF開発を行っていると情報が飛び交う中、米国も真剣に議論すべき時期にあると思います

INF全廃条約の破棄を願う
「露がINF全廃条約に違反」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27
「INF全廃条約の破棄を願う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-10
「米陸軍にA2ADミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

核兵器運用部隊の立て直し
「別枠予算を要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-27
「空軍No2に核兵器の専門家を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17-1
「下院軍事委員長の本年重点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-14

「新年最初の記事は核部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-02
「核戦力維持に10兆円?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-09
「ICBMの後継検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-30-1

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JDAMの射程延長キット準備中(完成か?) [米空軍]

F-15-JDAM.jpg5月末、米空軍はJDAMを製造するボーイング社と、対ISIL作戦で使用頻度が高く消耗ペースが激しい精密誘導兵器の一つで、多様な航空機から使用可能なJDAMキットの購入契約を結んだと発表しました。

契約金額は長期計画で見積もられていた約2倍の約3500億円で、同誘導キットを36000セット購入する大型契約ですが、消費量に応じて柔軟な調達を可能にする「umbrella contract」との形態を取っているようです

本日の話題は、この契約発表直後に、ボーイングが発表した新型JDAMキットの解説映像で、翼やエンジン(発電装置?)も加わって射程距離が3倍になるとの触れ込みです
契約に含まれているのか、どの程度開発が進んでいるのかよく分からないのですが、日本も保有するJDAMですのでとりあえずご紹介しておきます

ボーイング社公開の映像


3日付DODBuzz記事によれば
JDAMキットは、ただの自由投下爆弾を精密誘導爆弾に転換するキットで、GPD誘導装置と落下位置を制御するフィンからなっている。またレーザー誘導センサーも装備し、移動目標に対する追随能力も備えている
●JDAMを取り付けた爆弾は多様な航空機から使用可能で、F-16ややF-15EやF-22、B-2やB-52、無人機MQ-9等々、多様なプラットフォームから使用されている

●今回ボーイング社が公開した映像には、同社が新たなJDAMキットを開発(製造)中で、データリンク、マルチモードセンサー、エンジン(engine to self-power:推進用か電源用か不明)を備えた新キットにより、JDAMの射程を3倍の約45nmに延伸できるとの解説が付いている
●射程の延伸だけでなく、天候や雲の状況に関わらず、JDAMが使用しやすくなるとも解説している
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JDAM-New.jpg対中国等を考えれば、射程の延長より、全天候性能の改善が大きいのかも知れません。
特にモンスーンの影響を受け、中東やアフリカなどより、天候の変化が激し雨や雲の影響を受けやすい西太平洋地域に於いては

敵防空アセットの射程を考えれば、15nmが45nmに伸びたことの意義がどれほどかは判りませんがあまりお金をかけず、判りやすい性能向上が図れることは素晴らしいことです

関連の記事
「HAAWC:高々度から魚雷発射可能に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-21-1
「B-52がArsenal Planeに?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-12
「5世代機がセンサー、無人機が弾薬発射」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-28

タグ:Boeing JDAM
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対ロシアでNATO大編隊飛行@バルト海 [Joint・統合参謀本部]

Baltops 2016.jpg9日、バルト海周辺で3日~18日の間に行われているNATO軍演習「Baltops 2016」の一環として、参加各国空軍機による大編隊飛行が披露されました。

今年の「Baltops演習」は昨年よりも大規模になり、20カ国以上のNATO諸国から、49隻の艦艇や潜水艦、62機の航空機米軍からは5千名の艦艇や地上要員の他、約700名の海兵や空挺隊員も参加しています。

同演習は、ウクライナや東欧で活動を活発化させるロシアを念頭に、フィンランドやスウェーデンを含むNATO諸国間の相互運用性をアピールするため行われています

大編隊の構成は
中央にでんとB-52
左は独空軍のTyphoons2機スウェーデンGripen4機
右はポーランド空軍2機のF-16と米空軍F-16が4機です


NATOがバルト3国等に4個大隊交代派遣へ
Baltops 20163.jpg13日、NATO国防相会議(14日)を前にした記者会見でNATOのJens Stoltenberg事務総長は、来る7月8-9日のNATO首脳会議に於いて、バルト3国とポーランドに陸軍4個大隊をローテーション派遣する事で合意することになると語った
●同事務総長は4個大隊の人員数について言及せず、あくまでローテーション派遣でロシアとの協定には反しないと強調しているが、以前関係者は2500名から3000名になるだろう語っていた

●NATOは活発化するロシア軍の活動を受け、数日の猶予で投入可能な約5000名の「Spearhead Force」を準備しており、また短期間の準備で動員可能な「NATOResponse Force」を約3倍の4万人規模にする計画を進めている
●更に欧州米陸軍は、装備品の事前集積強化も進めている

●NATO諸国はこれまで続いてきた国防費削減の流れを反転し、2015年はGDP比率で0.6%増加し、今年は1.5%レベルを目指している。NATO諸国はGDP2%の国防費を目標としている
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米国は、対ロシア体制強化のための「European Reassurance Initiative」予算の大幅増額(2016年度約3100億円から、2017年度4100億円へ)を要求しており、今年も欧州各地で演習を活発に行っています。

2月から3月にかけ、ノルウェーで約1.5万人規模の「Cold Response 2016」を周辺国とともに実施し、5月にはフィンランド陸軍演習「Arrow-16」に米軍は20両のストライカー装甲車等を派遣して着上陸訓練も行っています

Baltops 20165.jpg「Baltops 2016演習」もその流れの一環で、基本的に海軍演習ですが、訓練に参加した空軍部隊も大アピールです。脇役の「空軍が美味しいとこ取り」的なアピールで内輪もめがありそうですが・・・

「4個大隊ローテーション派遣」は4個部隊でローテなのか、常に4個部隊が現地にいるのかよく分かりません。5月の時点でも、約800~1000名の大隊をポーランド及びバルト3国の各国それぞれに配備する案と、1個の大隊を同地域に置く「温度差ありすぎ」の2案が検討中となっていました

Stoltenberg事務総長の不明確な言いぶりからすると、「4個大隊準備して、1個大隊だけ現地に展開」の可能性が強い気がします

対ロシア関連の記事
「7月NATO首脳会議の論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17
「ドイツ軍が1.8万人増強へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-12
「米軍が北欧でも演習強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-29

「欧州を主戦場にサイバー演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11
「欧州に米陸軍装備の事前集積強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-10
「露軍は鉄の壁arc of steelを構築中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-07

「黒海NATO演習と露軍反応」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-03
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02

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