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新しい米空軍トップ「より迅速にピクチャー共有を」 [米空軍]

何が共有可能かではなく、何が共有不可かを問え

Goldfein.jpg20日、テキサス州のRandolph統合基地で空軍兵士との対話集会を行った米空軍の新参謀総長David Goldfein大将は、4年間の参謀総長任期間の目標や重視事項について語った模様です。

いわゆる「town hall meeting」で新たな施策やサプライズ発言はありませんが、同盟国空軍の新しいリーダーの考え方を知る機会ですので、ご参考まで紹介します

Goldfein新空軍参謀総長は兵士達に
私の4年間の任期における鍵となる目標は、米空軍を安定させ(stabilize the force)、将来の如何なる紛争に対しても統合戦力の一翼を担って対処できるように空軍を強化することである
●米空軍は統合戦力に多様な形で貢献しているが、特に、多様なドメインに於いてデータや情報を収集し、処理分析し、指揮統制の実行に供する点での役割は大きい
Gold-Live.jpg●一方で、現状のこの様なデータ処理プロセスは、あまりにも遅い(far too slow)

●将来に向けての鍵は、全ての作戦関係者を結びつけることであり、迅速に任務遂行に関する状況認識を共有すること(share data for a common mission picture)である
米軍内での統合戦力の枠組みを超え、同盟国等との認識共有までを考える必要があり、その際は同盟国等と何が共有できるかとの旧来の視点ではなく、何が共有できないかとの目線に考え方を変えていく必要がある

●(予算の強制削減への懸念に関する質問に対し、)米国の財政赤字は、長期的な国家に対する最大の脅威であり、米空軍は全ての予算が効果的に無駄なく使用されるよう努める必要がある
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兵器技術の拡散により、安価で高性能の各種精密誘導ミサイルや攻撃兵器が敵対国に蓄積される中、米軍は多様なアセットのセンサー情報を集約し、これを人工知能AIで迅速に処理配分し、レーザー等の最新兵器や超超音速兵器なども導入して対処しようとしています

宇宙に於いては、多機能高価格の少数衛星から、低価格で機能分散型の小型衛星を多数分散配置に変更しようとしています。
Goldfein6.jpgまたサイバーや電子戦分野でも、迅速に推移する敵の動きに対処するため、AI導入が「第3の相殺戦略」の主要検討課題となっています

その基礎が「share data for a common mission picture」であり、新参謀総長Goldfein大将の強く意識するところなのでしょう。さて日本は可能なんでしょうか???

Goldfein新空軍参謀総長をご紹介
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-27

米空軍の戦い方関連記事
「作戦機世代間の情報共有が課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1
「対中国で如何に5世代機を活用」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-04
「重要データを共有できない国がある」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-01

「5世代機はセンサーとして」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-28
「5世代と4世代機の融合検証」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-18-1
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米空軍F-35が8月2日にIOC宣言!!! [亡国のF-35]

8月2日、米空軍は下記のF-35A部隊のIOCを宣言!
米空軍webサイトhttp://www.af.mil/News/ArticleDisplay/tabid/223/Article/885496/af-declares-the-f-35a-combat-ready.aspx
Defense-News記事
http://www.defensenews.com/story/breaking-news/2016/08/02/f35-ioc-air-force-operational-acc-combat/87948142/
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米空軍F-35は8月1日にもIOC宣言へ
5日には(派手な)式典を計画!

F-35 Hill AFB.jpg27日、米空軍で最初にF-35初期運用態勢IOCを宣言する予定の部隊長達が記者団に対し、IOC宣言の準備は完全に整っており、米空軍トップの判断があれば8月1日にも宣言可能だと語りました。
また米空軍関係者は、8月1~3日のいずれかにIOC宣言会見を行い、5日に当該部隊が所在するユタ州のHill空軍基地で式典を行う予定だと明らかにした模様です

今年春頃は、自動兵站情報システムALISの完成度が不足し、IOCは秋以降になると関係者が発言していましたが、今のALISでも何とか使えるとの見切り発車でIOC宣言する模様です。
またIOC宣言時の機数も、以前から12~24機でと語っていたところ、ギリギリの12機で宣言するようです

米国防省や製造企業としては、カナダの購入再検討宣言など海外受注が伸び悩んで資金繰りが苦しい中、何とか対外的に「予定通り」をアピールし、売り込みに弾みを付けたいところでしょう

第388整備群副司令官Anderson中佐は
F-35 Hill AFB2.jpg●我々はIOCに必要な全てのチェック項目をクリアーし、それらデータを空軍戦闘コマンドACC司令官に報告済みである
●また、Hill空軍基地が現在保有する15機のうち、12機は必要な5項目の改修を基地内で行い完了している。今後受領する機体に対しては、Lockheed Martin工場の製造過程に要改修行程が順次組み込まれることから、基地内での改修作業は減少する

改修項目には、雷発生地域から25nm離れなければならない制約や、G制限を緩和するための窒素不活性化改修(nitrogen inerting improvement)が含まれている
●Lockheed Martinから提供された機体は、ソフト「3i-P6.21」を搭載しており、以前問題になっていたレーダー動作の不安定は修正されている
16番目の機体は8月に受領し、2019年末までには72機が揃う予定である

連続158日間の仕事で8月1日を目指した
F-35 Hill AFB4.jpg●現在222名のF-35整備員が配置され、今後配属される教育中の整備員が150名いることから、IOC態勢に問題は無い
●ただし8月1日にIOC宣言するため、また12機全てで基地内改修を終えるため、当基地の整備員達は158日間連続で働き、予定より33日も早く改修を完了した

●問題が多いと指摘されてきたALISだが、IOC宣言に必要な6機の機動展開を支える要件を満たす事を確認した。今後、数ヶ月から数年かけて成熟度を増していくだろう
操縦者については、正規兵及び予備役兵を含め21名が戦闘任務可能態勢に有り、間もなく更に3名がその資格を取得するだろう。この戦闘態勢には、空対空、近接航空支援、阻止、限定的な敵防空網制圧任務が含まれている

第34戦闘飛行隊長Watkins中佐は
F-35 Hill AFB3.jpg●戦闘任務の近接航空支援任務で要求されているのは、現在F-16がアフガンで行っているようなタイプの任務で、GPS誘導やレーザー誘導爆弾を使用するものである。(A-10が実施しているタイプの任務ではない
我が飛行隊は、割り当て飛行時間を14.5%超過している状態にあるが、これは機体の信頼性が急激に向上してきている事と、使用している15機のうち9機が予定よりも早く部隊に配備されたからだ
●IOC宣言後の海外派遣の時期は未定で、それは戦闘コマンド司令官であるカーライル大将が判断することである
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33日も予定より早く」とか、「14.5%も予定より飛行している」とか、「機体の信頼性が急激に向上」とか、「9機が予定よりも早く部隊に配備」とか、普通は現場指揮官が決して発言しない「部隊能力を示す数値」がポンポン飛び出す辺りから、国防省や米空軍が発言要領をガッチリ固めている様子が窺えます

でも、現場部隊のがんばりは素直に賞賛すべきでしょう。米国で158日必要なら、日本ではその3~5倍くらい連続休み無し労働が求められそうで恐ろしいF-35ですが・・・

F-35 Hill AFB5.jpg5日の式典には、多くのメディアや諸外国関係者が招待され、大々的にショーアップされるのでしょう。でも読者の皆様は騙されないで下さいね!!!

本質的な問題は、そのままですから・・・。予算状況から絶対確実な調達機数削減が呼ぶ価格の高騰、本格的な試験や部隊運用を通じて初めて明らかになる機体の問題や対策、そしてその対処費用、ALISの不具合と外国が使用する際の混乱、急速な調達機数増加に伴う調達&維持整備体制への大きな不安などなど・・・これからですから

F-35の主要問題や課題一覧
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

最近のF-35関連記事
「カナダ撤退影響とソフト開発状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18
「対中国で如何に有効活用するか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-04
「重要データを共有できない国がある」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-01

「カナダは暫定FA-18購入で先送り」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-09
「米空軍IOC後は海外後退派遣を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06-1
「米空軍が代替座席の見積要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-25

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カーター長官:第2のDIUx開設と組織改編 [カーター国防長官]

DIUx-4.jpg26日、カーター国防長官が2カ所目の民間技術迅速取り入れ実験事務所(DIUx:Defense Innovation Unit Experimental)をボストンに開設したと発表し、同事務所組織の改革や具体的な成果について語りました

同長官は、予算等が限定される中で中国やロシア等に対処するため、民間企業やベンチャー組織に生まれつつある革新的技術を迅速に国防分野に取り入れ、官僚機構の鈍重な手続きで腐らせず、また民間の有能な人材を国防省と結びつけるため、様々な取り組みを行っています。
その一つがこの「DIUx」であり、シリコンバレーに最初の事務所を立ち上げています

また「これ以上の場所は考えられない」と長官が表現するボストン中心地での事務所開設にあたり、この「DIUx」は実験組織であり、ここでのノウハウが国防省組織に吸収されて内製化し、「DIUx」が発展的に解消されることが目標だと語っています

本日は長官が語った「DIUx」の組織構成と、初期的な成果と試みの幾つかをご紹介します。

26日カーター長官はDIUx組織改編について
DIUx-2nd  3.jpgシリコンバレーと並ぶ技術革新ハブであるボストンに、Raj Shah氏を事務所長に迎えて2番目の「DIUx」を開設できて素晴らしい。更に「DIUx」を3つの下部組織Teamに分ける組織改編で運用を発展させたい
1つ目は「Engagement Team」で、国防省や軍関係者を企業に紹介するだけでなく、民間の起業家達に軍が抱える問題を紹介して解決アイディアを募る役割を持つ

2つ目は「Foundry Team」で新しい技術を成熟させ国防省ニーズに適合するよう、企業等と協力していく役割を持つ。兵士を企業に送り込んだり、企業技術者を国防省機関に招いたりして試験やプロトタイプ試作に導く
最後は「Venture Team」で、3つの中では最も規模が大きく、生まれつつある最新の革新的技術を見極め、国防省の様々なニーズへの適用可能性を精査するチームである

●この「DIUx」に明らかな成果がないと指摘されることがあるが、この点についてCNASのBen FitzGerald研究員は、「彼らは仕事をしており、技術導入や資金の動きが具体的に議論されているが、最終契約が他機関を通じて行われることが多い(ため目立たない)」と指摘している
●また「事業が容易に進むよう、DIUxはお膳立てを整え、陸軍の契約専門機関(Army Contracting Command)が後を引き継ぐ事がモデルケースになっている」と説明し、DIUxの成果を讃えている

様々な特長とアイディア
DIUx-2nd.jpg●また同陸軍機関と「DIUx」が共同で立ち上げた「Commercial Solutions Opening」とのwebサイトは、シリコンバレーのベンチャー企業が慣れ親しんだ投資家を募るような仕組みになっている。
●まず国防省側がある案件の解決法を募集するとの情報を同webサイトにアップし、関心ある企業が同案件に解決法やコメントを送り、国防省側がコメント等を精査して企業等と具体的な話に入る仕組みである

●案件の対処方向を特定したら、「DIUx」は60日以内に事業化や更なる研究開発のための予算獲得に動くことが出来る仕組みになっている。
●カーター長官は「このアプローチは既に熱狂的な支持を集め始めている」「各軍種も戦闘コマンド司令官も国防機関もこの迅速性と柔軟性を好んでおり、また起業家も官僚機構での手続きや知的財産権保護について相談できるDIUxの存在を喜んでいる」とアピールした

既に15個のプログラムが進行中で、最初に契約に結びついたのは「Halo Neuroscience」との企業で、ヘッドフォーンのような装置で脳に作用し、学習効果を高める研究が進んでおり、特殊作戦部隊チームがその効果確認に協力している

●また関係者は、事業契約という形でなくとも、「DIUx」が民間企業と国防省の人材の橋渡しをする役割も大きいと評価している。
●例えば米海軍の学校が計画した「無人機の群れ」を操作する24日のイベント「Hack the Sky」は、「DIUx」の仲介も有り、320名もの官民の関係者が一同に集まり、かつて無い多様な人材の交流会となった
●前述のFitzGerald研究員は、「この様なイベントこそDIUxが牽引すべきwin-winな試みで、シリコンバレーと国防省の相乗効果を生む切っ掛けとなるものだ」と高く評価している

●カーター長官は発表に際し、「仮にDIUxが成功し、国防省と多様な企業の連携を活性化する触媒となれたなら、その手法を国防省が吸収して国防省自身がその役割を引き継ぐべきだ。DIUxはその道筋を試行しながら検証し、何が正しいかを見極めて国防省の業務要領に生かすべきだ」と狙いを改めて語った
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カーター長官は「DIUx」以外にも、「Force of Future」取り組みで人材確保や育成や引き留めを目指しており、これらトップ主導の施策に官僚機構が追随出来ていないとの批判もありますが、進む方向は正しいですし、大いに期待したい真っ当な取り組みだと思います

innovation3.jpg日本に直ぐ導入できる訳ではありませんし、ベンチャー企業を支える風土が不足している閉塞感が日本の現状かも知れません。また、安全保障や軍事への協力に消極的な企業や研究者も多く存在します。

それでも日本の若手の皆様には、ぜひこの様な試みがある事を知って頂きたいと思いますし、カーター長官が来年1月までの任期と判っていながら、懸命に前進する姿も見て頂きたいと思います

DIUx関連の過去記事
「2つ目の場所とリーダー公表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14
「技術取込機関DIUx」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-25

カーター長官の種々の取り組み
「CNASが課題を指摘」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-02
「繊維素材開発の官民連合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-05
「人材確保・育成策第2弾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-10
「人材確保・育成策第1弾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-19

「FlexTech Alliance創設」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-31
「サイバー戦略事前説明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-19
「スタンフォード講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-25

次期政権に技術革新をどう引き継ぐか?
「Work副長官が仕込みを語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-04

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RIMPACで中国が日本に嫌がらせ! [中国要人・軍事]

RIMPAC-China.jpg25日付米海軍協会web記事は、6月末から8月4日までハワイ周辺海域を中心に行われている環太平洋海洋軍事演習RIMPACでの参加国間の交流行事で、中国艦艇が海上自衛隊参加者の乗艦を拒否し、その後の米海軍幹部の取りなしで渋々艦艇レセプションへの日本人乗艦を認めたと紹介しています

米海軍も細部には言及を避けているようで不明な点も多いのですが、前回2014年RIMPACに初参加した際、料理持ち寄りパーティーに手ぶらでしかも大人数で現れ、他の参加国が持参した料理や飲み物を食い散らかしたと悪名高い中国海軍部隊であり、その「無礼で心の狭い振る舞いの伝統」は受け継がれているようです

記事は一方で海上での演習活動に関し、25日時点で中国海軍参加艦艇に特段の問題は無いとの米海軍関係者発言を紹介しています

冒頭の写真のように、メディア受けする写真(人文字でハート)を公開する悪知恵が付く一方で、つまらない嫌がらせが止まない中国軍ですが、このレベルの艦長の判断は、幼き頃からTVや学校で教わった「抗日精神」の具現化と見るべきでしょうか・・・。本国の指示があったのかは不明です・・

25日付米海軍協会web記事によれば
RIMPAC China2.jpg複数の情報筋によれば、本格的な演習行動が開始される前に実施された参加国間の艦艇相互訪問や交流レセプションで、中国海軍参加者は海上自衛隊が2日に開催した艦上レセプションへの参加を拒否し、併せて中国艦艇は海上自衛隊参加者の中国艦艇乗艦を拒否した
●この事案との直接の関係について米海軍報道官は触れなかったが、5日のRIMPAC公式開始式スピーチで、米太平洋艦隊司令官Scott Swift大将と米第3艦隊司令官Nora Tyson中将は、全ての参加国に対し、RIMPACの演習目的達成は、全ての参加国が他の参加国を受け入れることで達成されると強調した

その後、中国艦艇でのレセプションに海上自衛隊関係者を渋々招待したようだが、「RIMPAC open house day」では複数の海上自衛隊隊員が中国艦艇見学ツアーへの参加を拒否されている
●一方で過去の同演習参加者は、日本と韓国のような地域のライバル関係にある国でも、演習の交流行事では対立を脇に置いて相応しい行動を取っていると語っている

演習行動では中国に問題は無いようだが・・
RIMPAC China3.jpg米海軍関係者は交流行事での日中問題について言及は避けているが、ある海軍士官は25日、海上での演習に関し、中国参加部隊に問題は無いと語っている
中国海軍艦艇と訓練した沿岸戦闘艦LCS「USS Coronado」の艦長は、演習後に第7艦隊に配属されることを踏まえ、「米中相互にとって生産的な訓練だった。中国側がどのように行動するのかを少しは学ぶことができ、配属後に役立つヒントを得た。想像以上にパートナー関係のレベルは高かった」とコメントしている

●前の東アジア&アジア太平洋担当国防次官補代理であるMichael Fuchs氏は、「中国は不満を示すために、この様な乱暴で無礼な振る舞いを手段として用いてきた。日本は特にその対象になりやすい」とコメントしている
●米海軍大学のJames Holmes教授は、「米国が台湾武器輸出を発表したことで、以前から計画していた米空母の香港寄港が突然拒否されたり、カーター長官が南シナ海問題を空母ステニスで発言した途端、同空母の香港寄港が拒否されたり中国は米国の米中交流推進要望を逆に利用している」と批判的に見ている
●また同教授は「南シナ海情勢を考えれば、今後中国が米国との軍事交流を中止しなかったら驚きに値する。せいぜい、RIMPACだけは役に立つと考えているかも知れないが・・」と付け加えた
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この事案は些細な出来事ですが、日本の防衛省や首相官邸に報告されているのでしょうか? 小さな現場の出来事ですが、微妙な日中関係ですので、主要関係者は頭に入れて情勢分析の参考にすべきだと思います。

China-Leader.jpg報告されていたとしても、10日の参議院選挙直前の話ですので、先日の元空将織田氏の「中国軍機が尖閣周辺で自衛隊機に攻撃動作」投稿と同様に、無視されたのかも知れません。そして報道発表されることもなかったのかも・・・(少なくともまんぐーすは知りませんでした)

今は中国経済が大変で、それに伴う中国首相の追放・失脚へのカウントダウンが噂されるまでになっており、日本はじたばたせず、前線で粛々と対処しつつ出方を見守る姿勢で良いのかも知れませんが、最前線を死守する「防人:さきもり」のためにも、国民に正しい情報を提供すべきでしょう

関連の記事
「RIMPAC中国招待を巡るあれこれ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-29
「織田OB投稿と政府対応」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-29
「露の情報収集艦が出現」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-07

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NHK「ロッキード事件」と同社BMD部門の今 [ふと考えること]

昭和の闇は、今に続くのか・・・

Tanaka-LM2.jpg23~24日にかけ、NHK特集で「未解決事件File.05 ロッキード事件」が放映されました。

今再び脚光を浴び、関連書籍が次々と発売され人気を呼んでいる「田中角栄」元総理が、1976年に逮捕される事態に至る戦後最大の疑獄事件ですが、番組タイトル「未解決事件File」が示すように、解明された計7億円の賄賂以外に、21億円もの「児玉ルート」の金の流れが未解明なままだと訴える内容でした

特に番組後半は、田中元総理が逮捕された5億円の贈与が、全日空への旅客機トライスター導入を斡旋するものではなく、より巨額の対潜哨戒機P-3C導入に便宜を図るものではなかったか・・・との疑惑追及を目指したものでした(多少の新証言あり)

そして番組は、P-3C導入関連に日本の捜査がおよぶ事が同盟の根幹を揺るがしかねず、またその利益が莫大で、かつ対ソ軍事戦略上も米国が強く欲していたことから、トライスター関連の情報だけを米国が日本に流し、P-3C疑惑に目を向けさせない「陰の力」が働いたのでは・・・と示唆していました

P-3C-2.jpg番組として突っ込み不足だったのは、対潜哨戒機も早期警戒機も国産計画がありながら、工作資金でP-3CやE-2Cに方針転換したのではと疑惑を指摘しながら、性能面や防衛効果について国産機とロッキード製機体の比較が不十分だった点です。まぁ・・比較しても、番組の方向性は変わらなかったと思いますが・・・。

本日は、そんなNHKスペシャル放映のタイミングに合わせるように、現在のLockheed Martin社が、防空やBMD装備の売り込みに世界中を駆け回っている様子を紹介する記事が出たのでご紹介します。深い意味はありません・・・ただ、人間の本質はそう簡単に変化しません・・・

21日付Defense-News記事によれば
Lockheed Martin社(LM社)は、国際市場で防空やBMD装備への関心が高まっていることを目の当たりにしており、ゆっくりと、しかし着実に購入する国が増加すると考えている
●近い将来にも、欧州や中東で、THAADやMEADS(Medium Extended Air Defense System)やPAC-3の契約成立を予期しているが、更に多くの顧客が現れる可能性を感じているようである

Edwards-LM.jpg●LM社の「Missiles and Fire Control」部門の上級副社長Rick Edwards氏は、「これらの装備は防御用であるため、米国政府も良く輸出をサポートしてくれる。世界で最も需要が伸びている分野の一つだ」と英国航空ショー会場でのインタビューで12日に語ったくれた
●同社の製品と言えばF-35やLCS沿岸戦闘艦が良く話題になるが、防空&BMD、短中距離ミサイル、無人システム、目標照準ポッド等を担当する「Missiles and Fire Control」部門は、海外売り上げの5割を占める位置づけにある
●具体的には、28カ国で、30のプログラムを、年間3700億円規模で扱っているとEdwards氏は語った

諸外国への売り込み状況
●終末段階の高高度要撃を担うTHAADは、米国とUAEだけが現時点で導入国だが、カタールとサウジとも関連協議を行っている。両国とも2017~18年にかけ何らかの判断を行うと思われるとEdwards氏は語った
●更にTHAADに関しては、別に少なくとも5~6ヶ国が関心を示しており、LM社も売り込み活動を行っている。細部には言及しなかったが、同氏は「北朝鮮やイランが脅威であり、地図を広げればどの国が関連するか判るだろう」と述べた
MEADS-LM.jpg●一方で、THAADシステムは高価で導入決断は大きな決断であり、どの国でも決定には時間が必要だと語った

米独伊の共同開発であるMEADSに関しても、米国は当面購入しないと決定したが、多くの国と協議していると同氏は説明した。
●2015年にドイツは、レイセオン社のPAC-3と比較した結果としてMEADSを選択しており、年末までには契約を完了すると言われている。またポーランドは、一度PAC-3に決定したようだが、再びMEADSに関する情報収集や協議を行っており、2017年に最終決定する方向だと同氏は語った

●またトルコは、一時は中国製システムの導入を発表したが、後にキャンセルを発表し、今年2月にはMEADS導入を検討していると関係高官が発言している
ポーランドやトルコは、自国企業のワークシェアを求めており、PAC-3MSEより安価な「secondary interceptor」の開発についてLM社と協議している
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THAADに関しては、日本も重要な交渉先なのでしょう・・・。
「ロッキード事件」を振り返るまでもなく、より政治的に強烈な売り込みがあるのかも知れません。RQ-4グローバルホークしかり、オスプレイしかりですから・・・

THAAD1.jpg仮に米国からの強い働きかけがあったとしても、同じ米国から兵器を購入するのであれば、より国情にあった、日本の軍事環境にあった装備品を選択して欲しいものです。

簡単にF-35に手を伸ばすのではなく、日本の軍事環境や脅威の変化を踏まえた防衛構想を日本自らが打ち出して米国と議論し、必要ならシミュレーションや机上演習を行い、その上で少しでも納得して購入を決断して欲しいものです。「パブロフの犬」的に、何でも戦闘機ではなく・・・

なお「未解決事件File.05 ロッキード事件」は、BS放送で9月に再放送されるようです。

NHK特集関連の記事
「超能力スパイに迫る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-19
「古代ギリシャ文明誤解釈」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-03
「リーマン予想」に驚愕 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-16

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対露の欧州米軍予算4倍を説明する [Joint・統合参謀本部]

本題の前に、トルコを巡り飛び交う様々な情報を・・・

トルコのクーデターに「驚きの噂」
●15日夜からのトルコのクーデターが鎮圧された16日、トルコ政府は対ISIL作戦の米軍拠点である南部のIncirlik 空軍基地への電力供給を停止。22日まで電力の供給再開に応じず(これは米国防省発表で事実)
Erdogan3.jpg米軍の戦術核兵器も保管される同基地は、米トルコ軍事同盟の根幹をなす極めて重要な基地である。米軍は緊急用発電機で重要機能は維持したとしているが、対ISIL航空作戦は組み替えを余儀なくされている

●関係者の間では、「トルコ政府は米国が同クーデターを仕掛けた」との疑念から同基地の機能停止を画策したと噂されている
●最近のトルコ大統領の動きや、4日に「トルコ外相がロシアに、Incirlik 空軍基地へのロシア軍展開を提案した」との報道があったこと等から、米トルコ関係が急速に悪化しているとの噂と、ロシアを初めてとし当該地域でのパワーバランス変化に周辺国の疑心暗鬼が急速に膨らんでいるとの見方も・・・・
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ロシアは学んで適応し、昔のソ連ではない
ロシアがウクライナから何を学んだかは依然謎だ

Allvin3.jpg13日、欧州米軍の戦略政策部長であるDavid Allvin空軍少将が下院軍事委員会で証言し、対ロシアのための欧州米軍予算を4倍にする予算案の必要性を説明し、対露最前線を預かる軍人として、率直に冷静に現地の認識を語っています。

短く、断片的な発言しかご紹介できませんが、単に戦闘機機数とか戦闘機飛行隊数を維持したいとの「パブロフの犬」的な発想ではなく脅威の変化や敵対国の変化を的確に表現しており好感を持ちました。買いかぶりかもしれませんが、現場を預かる男の責任感とその姿勢に清涼感を感じました

Allvin戦略政策部長は下院軍事委員会で
●予算案で要望している欧州確証保障取り組み(ERI:European Reassurance Initiative)経費の4倍増は、米国の関与やプレゼンスを地域関係国に確証(assurance)させる目的から、本格的抑止力に拡大変更するためのものである
●ERIの最初の2年間は大部分が確証に焦点を当てていたが、国際規範に反するロシアの行為や悪影響を見続ける中で、単なる確証を与える事から移行し、ロシアの侵略をより強く抑止する事を目的に行動を再設計する

Allvin.jpg●増額予算で、米軍は欧州プレゼンスを増加し、NATO諸国との演習を増やし、装備品の事前集積を充実させる。
●プーチン露大統領に対し、ロシアが野望を追求することは、ロシアが望まぬ代償をロシアに課すことになると思い知らせなければならない

一方で、米軍の欧州プレゼンスの増強は事態エスカレートの危険をはらんでいる我々はどこが真のレッドラインか、見せかけのレッドラインかを見極めなければならない。継続して相手にメッセージを送り続けなければならない
●ロシアの通常戦力に対する抑止は、ハイブリッドな脅威と言われるプロパガンダとサイバー戦にも向けなければならない

●ロシアとの対峙の将来を考える時、ロシアはかつてのソ連とは異なると理解する必要があり、経験から学んで状況への対応力を備えていると理解すべきである
2008年のグルジア侵攻以降のロシアが執った戦術や技術や行動を分析すれば、彼らが学び状況に対応して変化していることが明らかだ。ただし、ロシアがウクライナから何を学んだかは依然明確ではなく、私にも答えがない
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Allvin2.jpg「ロシアがウクライナから何を学んだか」・・・含蓄のあるプロの視点ですし、極めて謙虚で好感の持てる軍人魂を感じます。
対テロ作戦の複雑さとは異なる、何をやってくるか予測できない、チョットした恐怖を持ってロシアを見つめている心境なのでしょうか?

確かに、突然シリア空爆を始めたり、撤収を宣言したり、巡航ミサイルを撃ち込んでみたり・・・何をやるのか判りません。

と同時に思うのは、このような切れ味の分析を、アジア太平洋地域、つまり対中国で米国から聞くことがありません。言っても詮無いこととは言え、さみしい限りです


NATO諸国関連の記事
「東欧4カ国で4個大隊交代派遣」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17
「対露大演習でNATO大編隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-14
「ドイツ軍が1.8万人増強へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-12
「欧州を主戦場にサイバー演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11
「米軍が北欧でも演習強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-29

「欧州に米陸軍装備の事前集積強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-10
「欧州を主戦場にサイバー演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11
「露軍は鉄の壁arc of steelを構築中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-07

「黒海NATO演習と露軍反応」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-03
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02

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26年かけロシア空母がやっと初作戦行動へ!? [安全保障全般]

Kuznetsov4.jpg7月2日付ロシアTASS通信が、匿名の軍事外交筋の情報として、26年前に就航して以来、一度も実戦に参加していなかった空母「Admiral Kuznetsov」が、今年10月に地中海に展開して対ISIL攻撃に参戦する模様です
地中海に展開した場合、シリアの地中海沿岸都市ラタキア近郊に拠点を置くロシア空軍機と協力し、シリアやイラクでの作戦行動を行うと見られています。

同空母はカタパルトを持たないスキージャンプ型の空母で、計25機の航空機やヘリを搭載可能と言われています。攻撃戦力としては10機のSu-33やMIg-29K、15機の攻撃へりKa-52K, Ka-27やKa-31を搭載すると考えられています

ただ米軍事メディアは、同空母は「あまりに小さく、頼りにならない」、またその艦載機の能力は戦力として意味はないと厳しく評価しています
そして今回の26年目の「初参戦宣言」は、インド等への輸出アピールではないかと推測しています

7日付「Daily Beast」記事によれば
Kuznetsov.jpg●2日付TASS通信は匿名の外交筋を引用し、「ロシア軍参謀本部はシリア領内のテロ組織掃討のため、空母派遣の計画を進めている」「空母運用要員や艦載機搭乗員は、地上目標攻撃に備え、空母離発着の訓練を強化するだろう」と報じた
●空母「Admiral Kuznetsov」は今年10月から、約4ヶ月間に及ぶとも報じている

●ただ、同空母は「あまりに小さく、頼りにならない」、またその艦載機はカタパルトを使用できないことから離陸重量に制約を受け、航続距離や搭載量は大きく削減されるだろう。また15機の攻撃機のセンサー性能等々も不足しており、9ヶ月に及ぶロシアのシリア軍事介入に意味ある貢献は出来ないだろう
●10月に空母が登場するにしても、それは一種のショーであり、好意的に見てもほとんど出航の機会がなかった乗員に訓練の機会を与える程度の意味しかない

米国の専門家も、長らく日の当たらなかったロシア海軍に対シリア作戦参加の機会を与える程度に考えてるのでないかと見ている
米海軍の空母は60機以上の航空機を搭載して6ヶ月以上の作戦行動が可能であり、40機以上のFA-18は一日に100回以上の出撃が可能である。しかも全機が精密誘導爆弾を搭載できる。
一方でロシア空母艦載機は、24時間かけても50回の出撃は不可能で、大部分は誘導装置のない自由落下爆弾だろう

ロシアも空母の実力を承知
Kuznetsov2.jpgロシア軍も同空母の限界をよく承知しており、空母はシリア海岸近くに展開し、攻撃目標への距離を局限する計画だと言われている
●退役ロシア海軍大佐のシンクタンク研究副部長も、同空母は地上攻撃任務に従事したことはなく、作戦面での意味はないと述べ、米海軍空母とその規模や艦載航空戦力の差を比べれば一目瞭然だと表現した

ロシアの海軍艦艇建造は大きな産業だが、空母と艦載機に関しては「crappy:粗末、劣悪、役に立たない」との悪評を得ている。例えばインド海軍に納入した空母「Vikramaditya」は、2013年の初航海で、大きなエンジントラブルに見舞われている
●一方で、インドは空母艦載機Mig-29をロシアから購入を続けており、この売り込みを継続したいとの思惑がロシア側にはある。そこで今回の地中海展開を成功させ、インドにアピールしたいのではないかと同研究副部長は見ている
●また、インド以外にも中国も注目しているだろう。ロシア空母が大きな問題なく任務を終えれば、同型空母をロシアから購入して「遼寧」として運用している中国にも朗報となるだろう
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Kuznetsov3.jpgロシア国営Tass通信とは言え、あくまでも匿名の「軍事外交情報筋」情報です。口先介入の可能性もありましょう。今後、空母「Admiral Kuznetsov」の動きに注目です。まさか極東に出現することはないと思いますが・・・

つい最近、ロシア軍バルチック艦隊の司令官を含む主要幹部の「大量首切り」が行われ、不正摘発と人心一心に大なたが振るわれる事態が表に出ました。
大量粛正の「むち」に加え、檜舞台を与える「あめ」施策でしょうか?・・・それとも実戦で能力確認試験でしょうか? 

どうも良く分からないロシア軍の動きです。ドーピング問題でプーチンが柔軟な対応を臭わす発言を行うなど、何か変化の兆しがあるのか・・・期待せずに見ておきましょう

「インド検査院がロシア製空母艦載機を酷評」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-11-1

挙動不審な最近のロシア軍
「露が新たなフィンランド化追求?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-09
「バルト海上空での安全確保指示」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-03
「東欧4カ国にNATO大隊配備へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17

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F-35:カナダ撤退の影響とソフト3F開発状況 [亡国のF-35]

F-35 Sun-Set.jpg11日、米国防省高官が英国航空ショーでの記者会見でF-35について語りカナダ首相によるF-35購入見直し発言の影響やソフト「3F」の開発状況について言及した模様です。

カナダに関しては「カナダ自身の選択である」と表現しつつ、一方でF-35製造における今後のカナダの分配分が「消滅」する可能性に言及する等、体の良い「恫喝」活動が行われています。

取りあえずの完成版を目指すソフト「3F」に関しては、開発が順調なことをアピールしています。一方で納期までの時間的余裕が全く無いこともあり、懸命の作業が続いているようです

カナダ撤退示唆に関しKendall次官は
Kendall2.jpg●F-35共同開発国のカナダがF-35購入を止めたとしても、直ちにF-35製造分担計画から除外するとのルールはない。しかし実際にカナダが撤退を決定すれば、関係国間での主要な話題となるだろう
●F-35の製造維持事業の分担はロッキード社が決めているが、「最も効率的である限り」分担が見直されることはない

●カナダが撤退しても、既に契約済みの製造や部品製造契約は引き続き有効だが、今後の契約については効率性の観点から継続的に精査が行われるだろう
●現在カナダの軍需産業は、約830億円の製造契約を結んでいるが、仮にF-35計画全体が現状通り進めば、カナダは更にこの10倍の製造分担を請け負うことになっている

●カナダはF-35購入で第5世代戦闘機を手に出来るが、近い将来F-35価格低下し、第4世代機能力向上型(generation four-plus)と同程度の投資で購入できるようになることも忘れるべきではない
●計画によれば、2018年にはF-35価格は通常型(A型)で1機95億円程度になる予定だ。無論、カナダ購入分が減少すれば、「規模の経済」原則により単価は上がることになる

ソフト「3F」に関しBogdan計画室長は
Bogdan8.jpg●(同じくファーンボロー航空ショウの記者会見で、)2/3以上の飛行試験を終了した時点で、当面の完成版ソフトである「3F」の開発状況について、「2B」や「3I」開発時と比較し、問題点が遙かに少ない
●昨年海兵隊のF-35がIOC宣言時に使用したソフト「2B」や、今年後半に米空軍がIOC宣言時に使用する予定の「3I」開発時の諸問題は、現在の「3F」開発より遙かに本質的で深刻なものだった

●まだ全ての試験を終了したわけではないが、ソフトに不安定な箇所が少なく、出来映えは海兵隊が使用している「2B」の試験時点より「2倍」は優れている
●「3F」は以前のバージョンに比し大きく能力を拡大するが、ポイントは全てのセンサーや処理装置間のデータ交換が遅滞なく進むことであるしかし開発期限までに余裕時間は既に使い果たしており、全力で作業に当たっている
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米国に次期政権が誕生するまで、F-35問題はこのまま「臭いものにはフタ」「負のスパイラルを招く調達機数削減への言及は絶対禁止」原則を貫くのでしょう・・・

しかし、脅威の変化を見据えた「第3の相殺戦略」などを念頭に置いた施策が進めば、近い内に、少なくとも2020年頃には、米国防予算は破綻します。

F-35canada.jpg今よく言われる3本柱の優先は不可能となり、空母や戦略原潜の更新との取捨選択を迫られ、サイバーや宇宙戦やISRはおろそかになり、レーザーや無人機への投資が不透明になるでしょう

いずれにしても、F-35計画を現状のままで進めることは、戦力のアンバランスを招き、抑止力の低下や戦闘力の減殺に繋がる「亡国の道」です

最近話題のF-35関連記事
「対中国で如何に有効活用するか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-04
「重要データを共有できない国がある」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-01
「米空軍IOC後は海外後退派遣を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06-1
「米空軍が代替座席の見積要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-25

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ACC司令官:世代間共通リンクと空対空ミサイルを [米空軍]

Carlisle-FB2.jpg11日、英国のFarnborough航空ショーで記者会見したカーライル米空軍戦闘コマンド司令官は、「戦闘機族のボス」らしく、F-22とF-35と4世代機間を結ぶ新しいデータリンクや「リンク間翻訳機」や、新しい空対空戦闘用ミサイル開発の重要性を訴えました

データリンクや「リンク間翻訳機」はともかくとして、「Air Superiority 2030」検討を持ち出し、「戦闘機により多く搭載できる小型で高性能の空対空ミサイルが必要」と主張されると、対策の方向や焦点が少し違っているのでは・・・と突っ込みたくなりますが、日本が異例の叙勲「旭日大受賞」を贈呈した恩人ですので、まずお話をお聞きしましょう

断片的な米空軍協会web記事ですので、背景説明が不足しているかもしれませんが、米空軍の動きの一端としてご紹介しておきます

新データリンクや「リンク間翻訳機」を
Carlisle-FB.jpg●米空軍は、F-22とF-35が相互に情報共有でき、更に他の作戦機とも情報通信できるハードウェアのプロトタイプ開発を急いで進めている
2~3年のうちには、何らかの新装備が前線に投入されているだろう。敵情に関する高い質の情報を迅速に意志決定サイクルで共有するこの装備は、敵を撃破する能力の基礎であり、敵に対処を強要するものである

F-22は「IFDL:Intra-Flight Data Link」を、F-35は「MADL:Multifunction Advanced Data Link」を使用し、この分野にあまり取り組んでこなかった。しかし両機種ともLink-16を使用することから何とかしようとしている
●プロトタイプ開発は、IFDLとMADLの間の「翻訳の箱:a box that translates」と、米軍機と同盟国帰投の間を結ぶ新型データリンクに焦点が置かれている。状況認識を共有するためだ

●産業界とパートナー国との精力的な強力で、更に研究機関の努力もあり、期待できる成果が見えてきている。また「翻訳の箱」にも極めて重要な進展が現れている。皆が共通の情勢認識を持てる将来に向けて進んでいる

AMRAAM改良型でない新しい空対空ミサイルを
Carlisle-FB3.jpg●完了したばかりの「Air Superiority 2030」検討は、F-35の調達ペースを年48機程度ではなく100機ペースに上げる必要性と、第5世代機に相応しい新しい空対空ミサイルが必要だと示している
新しい空対空ミサイルの計画(program of record)は間もなく明らかになるだろう

AMRAAM AIM-120の能力向上計画はとても順調に進んでいるが、我々が必要とする次世代のミサイルとは異なる。脅威の推移に対応するため、新型ミサイルはより長い射程と優れた電子戦対処能力が必要だ。以前、AMRAAMの後継ミサイルはより小型で戦闘機がより多く搭載でき、より機敏性や機動性を持つべきだと述べたとおりである
F-35は空対空戦闘にも極めて高い能力を示しており、真に驚くべき空対空アセットである。そして新型ミサイルを備えれば更に進化するだろう。新しいミサイルが必要なのだ
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近い将来に退役するであろう愛すべきHawk Carlisle空軍大将ですが、次の世代の戦闘機族は、もう少し表現振りを工夫した方が良いと思います。

少なくとも、想定する敵対国で米空軍機と空中戦で勝負しようとする国は「ほとんど皆無」だと思います。
J-20-41.jpgもちろん軍人の「性:さが」で、中露でもステルス機や5世代機もどきの開発が行われていますが、戦闘機VS戦闘機を考えての開発ではないと思います

敵の政経中枢や基盤インフラ攻撃機であったり、高価値アセット(AWACSや電子戦機など)攻撃機のイメージで、敵国はステルス機を考えているのではないでしょうか?
それと・・・米国に対抗して日本独自に開発したデータリンクがあったと思いますが、その将来に暗雲ですね・・・

将来の空を制するために
「Air Superiority 2030計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17

「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「米空軍:小型無人機20年計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-18

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米陸軍の電子戦:失われた15年を取り戻す動き [Joint・統合参謀本部]

Church EW.jpg15日付Defense-Newsが、米陸軍司令部電子戦部長へのインタビュー記事を掲載し対テロ作戦の15年ですっかり失われた米陸軍の電子戦TTP(戦術、技術、手順)を、米陸軍が取り戻そうと取り組む様子を紹介しています

電子戦に関する自らの惨状を薄々感じていた米陸軍ですが、ウクライナでロシア軍の強力な電子戦に対峙し、「米陸軍は露陸軍の1/10も電子戦も出来ない」と驚き狼狽する状態にある中、何とか前進しようとする極めて地道な取り組みが行われているようです

「露軍の電子戦に驚く米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1

予算が限られる中、派手な装備品開発の話は出てこず、部隊にカードを提示して妨害を受けている状況を付与する訓練の様子など、本当に基礎から取り組み始めた様子が伺える中身です。

15日付Defense-News記事によれば
EW2.jpg●米陸軍電子戦部長Jeffrey Church大佐は、Defense-Newのインタビューにペンタゴンで答え、陸軍として電子戦TTPの再編に取り組んでおり、通信、情勢認識から兵器誘導等々まで多くを依存している電磁パルスを巡る戦いで、前線で兵士が奇襲されることがないよう備えていると述べた。またサイバー分野でも同様に取り組んでいると語った

●例えば6月のポーランド軍との共同演習「Anakonda」でも電子戦が組み込まれた。安全のため実弾射撃訓練では電子戦を加えなかったが、それ以外の場面で特定部隊に電子戦妨害を受けている状況を付与するカードを提示し、部隊行動を制限した状況で訓練させた。ただ、兵士のスマホやTV利用を制約する事や、ポーランドの地元を知ることを妨げたくはないので、その辺りは配慮した

●同演習では改めて、自軍が使用する周波数割り当てを適切に行うことの重要性を再認識した。味方が割り当て以外の周波数を使用し、自軍内の他部隊を妨害する結果となる事例が発生し、ロシア軍に妨害される前に自滅する事態が発生してしまった

●加州の「NTC:National Training Center」で、8月に大規模な電子戦環境の演習を計画している。本演習ではロシアのような脅威だけでなく、太陽や発電機や人間社会や自然がもたらす様々な電波妨害要因も含めて対処訓練を計画している
●NTCでの同演習にはサイバー戦も組み込まれ、旅団規模の訓練部隊が参加する。訓練の中では100%機能喪失ではない管理された妨害を部隊に与え、如何に状況に対応して作戦目的を達成するかを考えさせ、妨害対処のための装備品操作や配置を実行させる

EW3.jpg●演習の教訓はTTPの再編に活用される。同時に、ソ連との対峙を通じて米陸軍の電子戦能力が高かった、60~90年代当時のレベルに引き戻す努力の一環でもある。過去15年間の対テロ作戦で、米陸軍がないがしろにしたのだ
基本に立ち返るとは、些細な基本を習慣付けることでもあるなるべく低出力で通信を行い、指向性の高いアンテナを用い、敵との間には山や丘を置くように陣取って通信等の漏洩を防ぐ、地図やコンパスで妨害源の方向を推測する等々、かつては部隊や兵士が当たり前に行っていた習慣の復活でもある

周辺の電波環境に影響を与える事無く電子戦訓練を行うため、兵士や部隊が保有する装備だけに直接妨害状況を発生させる「direct injection jammer」装置の配分も行われている。外部に妨害電波を出さず、特定装備に接続して妨害状況を発生させる装置である
この装置により、海外で妨害電波発射や電波使用使用申請が容易でない国でも、電子戦訓練が工夫できるようになってきている

●また米陸軍は9月から、前線部隊が電子戦作戦計画の作成を容易に出来るよう支援する「Electronic Warfare Planning and Management Tool」を配分する計画である。
●電子戦部長Jeffrey Church大佐は、米陸軍が後れを取っていることを率直に認めつつ、「追いつくための努力を続けている。電磁スペクトラムの世界に戻る努力だ。この世界に追いつき、支配する地位を奪還するためにだ」と語った
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完全に出遅れていますが、それでも今の努力がなければ、今巻き返しを図らなければ将来はありません

EW.jpgしかし日本軍内部では、このような危機感を改善に結びつける動きは見られません。たまたま新装備に電子戦能力が「くっついてきた」とか「新しいものには何か付けておけ」程度で、組織文化に取り込もうとする努力は寂しい限りと言って良いでしょう

脅威の変化や戦いの様相を無視し、戦闘機部隊や戦闘機数だけを死守しようとする戦闘機命派の姿勢に無力感を感じ、思考を止めてしまったその他大半の組織構成員・・・・。このままでは太平洋戦争と同じです・・・

記事:書籍「失敗の本質」から今こそ学べ!
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-12-31

電子戦で劣勢な米軍の「あせり」
「米軍の電子戦の惨状と取り組み」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-17-1
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02 

その他の関連記事
「ステルス機VS電子戦攻撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12

「EA-18Gで空軍の電子戦を担う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-08
「空軍用に海軍電子戦機が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-09
「緊縮耐乏の電子戦部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-29-1

「MALDが作戦可能体制に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-29-1
「電波情報収集RC-135」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-09
「心理戦用EC-130」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-15

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実質1隻の米砕氷船対策に海軍とCG協力で [Joint・統合参謀本部]

猛暑の毎日に「氷」に関する話題をどうぞ・・・

Icebreaker-CG3.jpg14日付Defense-Newsが、北極海での沿岸国の覇権争いが激しくなる中実質僅か1隻の砕氷艦しか保有していない米国沿岸警備隊の惨状に対処するため、米下院議員を中心に米海軍の協力も得て砕氷艦を早期に導入しようとする動きを紹介しています

記事はロシアの砕氷船保有状況を説明していませんが、少なくとも原子力砕氷艦だけでも6隻保有し、通常動力砕氷船を含めると外洋で活動できる砕氷船は10隻以上考えられ、20隻態勢に向けプーチンが大号令を掛けた状況(多分)にあります

その他、カナダ、デンマーク、ドイツ、フィンランドも複数の砕氷船を保有している世界の状況からすれば、米国の現状に危機感を感じる有志の動きは当然とも言えましょう

ただし記事は、なかなか短期間での調達やリースには課題があり、米議員の仲介で進む海軍と沿岸警備隊CGの「joint program office」もスムーズに事業を進められるかは先行き不透明です。

14日付Defense-News記事によれば
Icebreaker-CG2.jpg●米国沿岸警備隊は現在2隻の大型砕氷船「Polar Star」と「Polar Sea」を保有し、中型の科学調査用砕氷船「Healy」も運行しているが、「Polar Sea」は既に老朽化して乾ドックに入った状態で、現状では今後の活動は期待できない
運用可能な「Polar Star」も年間6ヶ月の運行が精一杯で、残りの期間は修理に当てている。沿岸警備隊は、「Star」を延命させるために本格的オーバーホールを行うか、「Sea」を再び運行可能に回収するかを検討しているが、「Sea」の復活に必要な見積りを7月末までに議会に提出するよう求められている

●なお、米国の国土安全保障省の見積もりによれば、米国が年間を通じて必要な砕氷活動を行うには、3隻の大型砕氷船と3隻の中型砕氷船が必要である

下院の海運&沿岸警備隊問題小委員会のDuncan Hunter委員長は、一刻も早く砕氷船を増強するためにここ数ヶ月間奔走しており、その結果の一つとして米海軍の予算とインフラも活用し、今後5年間で2隻の砕氷船建造を狙う、海軍と沿岸警備隊共同の検討拠点「joint program office」を立ち上げようとしている
●この検討室は、沿岸警備隊だけだと10年かかって1隻の砕氷船しか調達できないところを、米海軍の力やインフラを活用して調達を加速しようとするものである

海外からリースする選択肢もあるが
●砕氷船不足に危機感を持つHunter委員長はまた、当面の対策として、中型の砕氷船をフィンランドなどからリースする案を沿岸警備隊に提示しているが、沿岸警備隊側は消極的な姿勢を示してきた。この点に議会側は不満を持っている

●一方で沿岸警備隊は、現状の環境で必要とされる能力を備えた砕氷船が市場にないと主張し、何度も米海軍専門家とともに議会に出向いている。またリースは極めて高価で、既に予算不足に悩んでいる沿岸警備隊にとっては受け入れ難い案である。米会計検査院GAOの担当官も、一般論として購入が望ましいとコメントしている

Icebreaker-CG.jpg●そして沿岸警備隊のCharles Michel副司令官は、米国に今必要とされる砕氷船の能力について、現有の「Polar Star」と「Polar Sea」のような砕氷船のイメージではなく、沿岸警備隊が運用するカッターのような航行権を主張して救命救助を行える船であり、単なる砕氷船調達ではないと語っている

●いずれにしても、海軍と沿岸警備隊の強力で調達ペースの加速を検討する「joint program office」立ち上げの覚え書き案が議論されており、同時にHunter委員長のスタッフが表現しているように「沿岸警備隊には海軍の助けが必要であり、沿岸警備隊に対しては堪忍袋の緒が切れかかっている」状態にある現状がある
////////////////////////////////////////////////////

日本の沿岸警備隊である「海上保安庁」は東シナ海や尖閣諸島で大車輪の活躍ですが、中国の沿岸警備隊もどきの「海警」が強力な火砲を備えた1万トン級の軍艦並の警備艇を導入するに至っては、その装備を再検討する必要に迫られています

必要なのは普通の砕氷船じゃない・・・米沿岸警備隊幹部の声は理解できます。一方で「実質1隻」の惨状を早期に手当てしたいとの思いもまっとうなご意見です。
これも一つの「グレーゾーン」を巡るジレンマでしょうか・・・。もちろん、好き勝手に独裁的指導者が力の行使に予算を傾斜配分できる中、普通の民主国家が苦しい立場におかれる「見慣れた光景」がそこにあるわけですが・・・

北極&極地関連の記事
「米軍北極部隊削減と米露の戦力差」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02
「ロシアが鉄の壁構築」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-07
「露軍が北極に部隊増強」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-04-1

「露が北極基地建設を加速」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-09
「米軍C-17が極地能力強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-02
「無人潜水艇で北極海調査」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-04

「北極海での通信とMUOS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-25-1
「米国防省の北極戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-23-1
「米海軍が北極対応を検討中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20

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あのRed Flag演習指揮官に初の宇宙幹部 [サイバーと宇宙]

時代の変化を感じさせるニュースです

Burt-Space.jpg13日付米空軍web記事は、11日から開始されている今年3回目のレッドフッラッグ演習「Red Flag 16-3」の指揮を、従来の戦闘機操縦者から初めて宇宙分野専門幹部(しかも女性大佐)が執っていると報じています。
「Red Flag」演習は米空軍が実施する最高レベルの実動演習で、空対空の航空作戦を中心として年間数回行われています。

今年も日本は同演習の「16-2」に参加していたと思いますが、毎年3回目の同演習は米軍だけに参加を限定したハイレベルな演習が計画され、今回の「16-3」演習も米空軍が最先端の戦いの様相や脅威を想定したシナリオを準備しているものと思われます

そんな重要な演習の指揮官を、戦闘機乗りでなく宇宙ドメイン専門幹部が指揮すると言うことは、米空軍が将来の戦いを、単に空だけでなく宇宙やサイバードメインを含めて考える必要があると強く認識しているからでしょう

13日付米空軍web記事は同演習を
Burt-Space3.jpg11日から開始された約3週間におよぶ「Red Flag 16-3演習」の指揮は、米空軍宇宙コマンドの第50宇宙航空団司令官のDeAnna Burt大佐が、演習用に編制された「Air Expeditionary Wing」司令官として執っている
●Burt大佐は、通常は操縦者が指揮する同演習の指揮官を命ぜられた初めての宇宙ドメイン士官で、「16-3演習」の主目的である「将来の敵を迅速に撃退するため、複数ドメインでの戦いの習慣を体得する」を達成するために演習をリードする

●Burt大佐が「我々は、空で、宇宙で、サイバー空間で戦い勝利を収める。本演習でこのことが試される」と述べているように、過去の同演習では「空ドメイン」が想定されていたが、今日では全ドメインを包含することが求められている
●また同大佐は、戦術的な任務遂行に際し、全ドメインの能力や手段を有効活用する作戦計画の立案や遂行に焦点を当てて参加者を導くこととなる。

●Burt演習司令官は「慣れ親しんだ快適な環境から抜け出て、kineticと非kineticの両方の手段を組み合わせて成功に導くよう指導していく」と語っている
●本演習には、初参加のF-35(海兵隊所属)を含む115機の作戦機と22の国防省・米軍部隊が参加し、広大なネバダ訓練場に設置された約2000個の各種目標を対象に訓練を行う

演習指揮官DeAnna Burt大佐について
Burt-Space2.jpg●1991年にROTC学生としてEmbry-Riddle航空工学大学を卒業。衛星運用を初めとする米空軍宇宙コマンドの指揮官職やスタッフ職を歴任
●この間、ネリス空軍基地の「USAF Weapons School」や米国防大学を「成績優秀者」として卒業したほか、米空軍大学の「School of Advanced Air and Space Studies課程」を操縦者達と共に履修している

●現在は米空軍宇宙コマンドの第51宇宙航空団司令官として、全世界14カ所に散らばる約4200名の軍民両方の部下を指揮し、総額7兆円にもなる175個の各種衛星運用や関連装備の維持管理を行っている
前職である米空軍宇宙コマンド司令部の「Commander's Action Groupリーダー」としては、急速に関心の高まる宇宙ドメインの議会説明や議会調整、更には米軍内将軍クラスへの特別ブリーフィングなどを専門に担当していた
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事柄の性格上、現時点では演習の細部については漏れ聞こえてきませんが、その内に「AirForce Magazine」辺りが紹介記事を載せてくれるでしょう・・・。

Schriever Wargame5.jpg衛星が被害を受けたら、衛星通信が不能になったら、GPSが使用できなくなったら・・・過去15年間の対テロの戦いで当たり前だった宇宙利用が制約を受けたなら・・・等々、いろんな状況設定がなされるのでしょう

これまで指揮所演習「Schriever Game」などで机上検討されてきた事項を、徐々に実動で、戦術レベルに落とし込んでいこうとの試みでしょう。今後の演習の発展を祈念致します。
それにしても宇宙分野では女性が活躍です

宇宙での戦いを訓練
「民間企業も交え大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-05
「欧州を主戦場に大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11
「国際宇宙演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-19
「サイバーと宇宙演習の教訓1」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「サイバーと宇宙演習の教訓2」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02

宇宙関連の記事
「宇宙改革法案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-13
「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「Space Fence試験レーダー完成」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-29
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08

「宇宙アセット防御予算8割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-01-1
「米空軍の宇宙姿勢を改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-19-1
「F-15から小型衛星発射試験へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09
「米空軍のSpace Fenceを学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28

東アジア戦略概観2016(宇宙ドメインも解説)
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-25

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空母艦載無人機の名は「MQ-25A Stingray」に [Joint・統合参謀本部]

これこそ紆余曲折の典型例でしょう

MQ-25A.jpg15日付米海軍協会web記事によれば、米海軍初の空母艦載無人機として空中給油機能をメインにすることになったCBARS(空母ベースの空中給油システム)と呼ばれていた機体の名称が、11日に「MQ-25A Stingray」となることが米軍内で決定されたようです

正確には、製造企業が決定するまでは「ZMQ-25A」で、決定後に「Z」がとれるらしいですが2018年に関連企業に提案要求書を発出し、2020年代に運用開始を予定しているようです。つい数年前までは2018年頃の運用開始を計画していたはずが、予算制約もあり大きく後退しています

そもそも初の空母艦載無人機は、2006年のQDRではUCAS(Combat Aerial Vehicle)と表現され、ステルス性を備え敵地深く侵入して攻撃する機体がイメージされていました。

しかしその後、米海軍内の操縦者族の巻き返しで、ステルス性は程々に対テロ攻撃用の偵察と軽攻撃能力を保有すればよい程度に格下げされ、2011年頃からはUCLASS(空母発着偵察&攻撃システム)と呼んで米海軍が要求性能をまとめました。海軍内部では「RAQ-25A」(RAQは偵察&攻撃無人機の意)と密かに読んでいたようですが・・・。

MQ-25A-5.jpgこの案にはUCASのイメージを望む国防省や議会から反対の声が挙がり、2014年夏から国防副長官を中心とする再検討(SPR:strategic program review)が行われましたが、2017年度予算案が発表される直前の2016年2月頃、空中給油任務が主で多少の偵察能力も備えるCBARSとしての方向が決定された「模様」です

公式に発表があったか把握していませんが、この決定は海軍へのF-35C導入とFA-18の追加購入を予算上優先するための判断で、中東で酷使され損耗が激しいFA-18補完と、同機が飛行の1/3を当てる空中給油任務から解放する狙いを持っています

この結果、空母に艦載無人機を装備する方向では前進しましたが、ステルス無人艦載機として攻撃に使用する構想は、大幅「先送り」になりました。米海軍の戦闘機族が「職域防衛」に勝ち取った形ですが、国防省や海軍省高官、研究者や議会有識者も限られた予算という大前提を前に、他に選択肢がなかったのでしょう・・・。残念です

15日付米海軍協会web記事によれば
海軍は将来、この機体により多様な任務能力を付加したいと考えており、名称を認証する米空軍と相談し、マルチ任務無人機を意味する「MQ」を冠することになった
●Joseph Mulloy海軍戦力融合部長は、「空中給油能力がしっかりし、少し偵察機能も必要だ。兵器搭載は後で、空飛ぶトラック役に集中する」、「当面はハイスペックな能力は幾つか削減し、徐々に成長させて生存性などは後に付与することになろう」と米海軍協会ニュースに語った

MQ-25A-2.jpg●2014年夏から本年までの検討の結果、UCLASS計画を無人空中給油機にすると再設定した際、米国防省はあわてて用意したCBARSとのあだ名を用いたが、米海軍幹部に歓迎されなかった
●米海軍トップのRichardson作戦部長は2月12日、「その名をとても愛しているかと言われれば自信がない」「よりよい名前を用意することになるだろう」とコメントしていたところ

●空母艦載無人機への要求は大きく変化したが、UCAS計画やUCLASS計画のデモ機として空母離発着を成功させたX-47Bの技術は引き続き活用され、地上からの司令装置や無人機との連接部分に関してはこれまでの研究成果が生かされることになる
●機体部分の提案要求の原案は、恐らく2016年末までに4つの企業(Boeing, Northrop Grumman, Lockheed MartinとGeneral Atomics)に提示され、正式提案要求書は2018年には発出されることになろう
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今の予算状況からすれば、今後のF-35の価格高騰や米海軍の新戦略原潜や新空母調達を考えれば、「MQ-25A Stingray」の行く末は「波高し」と言わざるを得ません。

MQ-25A-4.jpg「兵器搭載や生存性向上は後で」と言われても、「そんなことには誰も責任は負いません」と言っているように聞こえます

おそらく、空母の存在意義や現在の運用法を根底から脅かすような「事件」や「被害」が発生し、やっと目が覚めて「長距離」無人艦載ステルス攻撃機の重要性や必要性が叫ばれるのでしょう。
人間はなかなか進歩しませんね・・

UCLASS関連の過去記事
「UCLASSはCBARSへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-02
「UCLASS選定延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1
「米海軍の組織防衛で混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01

「国防省がRFPに待った!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-12
「関連企業とRFP最終調整へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-19
「会計検査院が危惧」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-10

「X-47B空中受油に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-05
「なぜUCLASSが給油任務を?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-02-1

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米国の五輪棒高跳び代表に軍人士官2名 [ちょっとお得な話]

Rio-Olimpia3.jpg4日、オレゴン州ユージンで開催されたリオ五輪陸上競技の米国代表選考会・男子棒高跳びで、米陸軍のSam Kendricks少尉が選考会新記録の5m91cmで優勝、第2位に米空軍のCale Simmons中尉が5.65mで入り、共に米国代表権を勝ち取り、8月のリオオリンピックに参加することになりました

両名とも、民間企業とのスポンサー契約や国防省の「WCAP:World Class Athlete Program」で競技に専念できる環境にあり、五輪終了までは競技に集中するようです。
特に優勝したKendricks陸軍少尉は、現在世界ランキング第2位で、トップの仏選手に続いて優勝候補に挙がっている有望株です。

本日は米国防省メディアから両選手の横顔を紹介し、何かと不安一杯のリオ五輪のお楽しみ材料にして頂こうかと思います

優勝したKendricks陸軍少尉は世界ランク2位
Rio-Kendricks.jpg●同少尉は昨年ミシシッピ大学をROTC学生として卒業、予備役としてテネシー州にある第655輸送中隊に所属しているが、競技のため世界を転戦しており、今年春には北京の大会で5.92mの自己記録をマークしている
●現在はナイキとスポンサー契約を結んでいるが、WCAP対象者に選出されることを希望している。
●五輪後の10月からは基礎士官指導者コースに参加することになっており、陸軍士官の基礎を身につける

選考会当日は暑さと風に各選手が悩まされたが、彼はあらゆる自然条件を克服できるのが一流の棒高跳び選手だと考え、日頃のトレーニングで準備を整えてきた
●また彼は陸軍士官であることについて、(部隊での経験はまだ少ないが)ROTCでの訓練を通じ、陸軍が目指すレベルとその崇高さに強く引かれると語っている

第2位のSimmons中尉は兄弟3名が空軍士官
Rio-Simmons.jpg●現在はWCAP対象者としてフルタイムで競技に専念できる環境にあるが、米空軍士官学校を卒業後2年間は、契約担当士官としてドイツで勤務し、その間は棒高跳びから離れていた
●WCAPに選ばれ競技を再開したが、幸いにも競技勘は鈍っておらず、6月には自己記録5.72mをデンバーの競技会でマークできた

双子の兄と姉が共に空軍士官学校卒業生でかつ棒高跳び競技者であり、同じ中尉の兄はC-17操縦者として、大尉の姉は空軍士官学校で勤務している。ただ現在も競技を続けているのは彼だけである
●彼は棒高跳びののトレーニング以外にも、余暇を利用して岩山登りやスカイダイビング、また体操競技にも取り組んでおり、身体のコントロールを学ぶために多様なスポーツに取り組んでいる

兄弟3名とも棒高跳びで空軍士官学校に入学を認められたが、士官として空軍に所属しながら、WCAP対象者として競技生活を送れる機会を与えられたことを「夢がなかった」と喜び、五輪後もしばらくは競技を続けたいと考えている
●またSimmons中尉は冗談で、兄の操縦するC-17でリオまで運んでもらい、パラシュートで競技場に降り立てたら最高だ・・・と笑って語った
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Rio-Olimpia2.jpg予算不足や世界中での紛争対処に四苦八苦する米軍ですが、WCAPのような制度を守っている「懐の深さ」も兼ね備えているようです。

まんぐーすが子供の頃は、棒高跳びと言えば米国選手がメダルを独占するのが当たりまでだったような気がしますが、次第に他国とのメダル争いが熾烈になり、ロシアのブブカ辺りからロシア東欧勢が有力になり、今や米国はメダル獲得がせいぜいの状態かと思います

陸上競技や水泳など体力競技は、ドーピング問題が深く影を落としていますが、クリーンな軍人が底力を見せ、大会を盛り上げて欲しいものです

スポーツ(サッカー)関連記事
「同じ中進国の米に学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-20-1
「岡田監督が中国サッカーを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-02-1
「なぜ中国へ岡田監督」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-28

「ザッケローニが語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-30-1
「長谷部誠:心を整える」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-01
「三浦カズにも聞いてみる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-17

「川渕三郎51歳の左遷から」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-09-22
「長友を変えた教師」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-22
「W杯:小野剛さんの分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-05-2

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話題2つ:同じ小国イスラエルと台湾の米国関係 [安全保障全般]

Israel Taiwan3.jpg6日付Defense-Newsが、米国とイスラエル及び台湾との関係に関する2本の記事を掲載しました。

一つは、イスラエルが米国と企業関係者を含む技術開発者を対象とした、5日間のミサイル防衛演習を特設シミュレーション施設で実施したニュースで、もう一つは、台湾が空中戦用の格闘戦ミサイル購入の契約を米国と結んだとのニュースです

一方は中東イスラム諸国に囲まれ常に存亡の危機意識を持つイスラエルで、もう一方は中国の圧倒的な軍事力と国力を前にじり貧状態の台湾です。似たような米国の友好国ですが、一方は毎年数千億円規模の軍事援助をガッツリ受け続け、一方は中国の顔色をうかがう米国との交渉を必死で続ける国です

両国とも米国にとって戦略上重要な国のはずですが、現実は極めて冷徹です。比較してコメントするニュースではありませんが、関連装備や作戦運用は日本にも関係が深いので、ご紹介します

米国と5日間ミサイル防空技術演習
Israel-US cyber2.jpg春に行われた2年に一度の「Juniper Cobra」演習が実働部隊と指揮統制組織を対象とした作戦コンセプトや実動作の相互運用性を検証する演習なのに対し、6月22にまでの5日間で行われた「IGT-2016:Integrated Ground Test-2016」演習は、ミサイル防衛技術の研究者やプログラム開発者が対象のシミュレーション演習であり、関連企業の研究者達も参加した
●「IGT-2016」は2008年以来8年ぶりの開催で、テルアビブ南部の町に設置された演習装置を使用し、Elbit Systems社の系列企業Elisraによって管理運営された

匿名のイスラエル軍電子戦担当の参加幹部は演習の目的を、「近い将来運用開始する新しいシステムやモデルが、米国との様々な相互運用環境で適切に機能するかを細部に亘り検証すること」だと語った
●準備に半年を費やした「IGT-2016」には、イスラエルの「Missile Defense Organization (IMDO)」、米国のミサイル防衛庁MDA、米欧州コマンドが主要メンバーとして参加した

Israel US.jpg●同演習でシミュレートされたミサイル防衛装備は、SM-3、THAAD、PAC-3、Arrow-2、ロケット弾迎撃用David’s Slingで、更に今後開発導入予定のArrow-3システムも組み込まれた
●6日行われた演習後の会見で両国関係者は、演習では「複数のミサイルやロケット弾の同時攻撃を含むシナリオが準備され、探知、対処分担、迎撃が円滑に行われた」と語った

●演習期間中の諸データを各国が持ち帰って分析し、2~3ヶ月後により深い分析検討会を実施する計画である。また今回は前回演習と8年間も間隔が空いたが、次回はもっとインターバルを短く実施することに両国関係者は合意している

台湾が米国と最新格闘戦ミサイルAIM-9X契約
●1日、台湾が米国からFMS契約で、最新の戦闘機搭載用ミサイル(赤外線ホーミング)AIM-9Xを購入する契約概要が公にされた。40発のAIM-9X(ブロック2)と訓練用AIM-9Xを40発の契約である

AIM-9X.jpg●現在台湾空軍は、F-16A/B(Block 20)の能力向上(MLU:midlife upgrade)を進めており、現有のAIM-7MとAMRAAM AIM-120に加え、これを機にAIM-9P/Mを最新型のAIM-9Xに変更したいと考えている
●台湾国防省関係筋は、とりあえず40発購入して能力向上MLUとの適合や性能を確認し、その結果を踏まえて大量購入に進む考えだと説明した
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日本はイスラエルと、「サイバー戦」分野では初の国家間協力協定を結ぼうとしていますが、BMD分野でも互いに勉強すべき点があると思います。イスラエルの「ガツガツ肉食系」スタイルと日本の「なよなよ草食系」では、意見交換も疲れるでしょうが、案外ピッタリ来る部分があるかも知れません

日本はAIM-9Xを装備せず、国産の古い9LとかAAM-3を使いつつ、AAM-5に向かっていますが、F-35ではどうするんでしょうか? ソフト「3I」まではAMRAAM AIM-120しか搭載できませんが、ソフト「3F」では格闘戦ミサイルは9X」のみ搭載可能になります。AAM-5を積む交渉なのか? 黙って9X購入なのでしょうか?

Israel Taiwan4.jpgところで、イスラエルと台湾は小国同士(面積も近い)で結構仲が良いのです。ハイテク分野を初めとする経済協力から、青少年の交流などなど・・・

そんなことより、イスラエルと台湾、ユダヤ人と中華系アジア人、敵はイスラム諸国と中国、場所は中東とアジア(東と南シナ海両方を臨む重要な位置取り)、両国ともハイテクから農業までOK、両国とも日本には親近感・・・日本との関係はともかく、米国には台湾をもっと応援して欲しいです!!!

イスラエルと台湾関連の記事
「日本とサイバー覚書きへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-21
「イスラエルF-35は独自装備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-05-1
「6種類の迎撃ミサイルでBMD演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-07-1

「意味不明:岡崎研究所が台湾戦闘機擁護」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-23-1
「RAND:台湾は戦闘機中心を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-07
「慶応神保氏:台湾の劣勢戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25
「CSBA:台湾は弱者の戦法を」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27

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KC-46Aのブーム強度問題で対処策発見!? [米空軍]

KC46A-C17.jpg13日付米空軍web記事は、米空軍の次期空中給油機KC-46Aの試験がF-16やC-17への給油試験時に発覚した給油ブームへの想定外の加重「higher-than-expected axial loads」により中断していた件に関し、検討した対策が有効であることを8日と12日の飛行試験で確認したと発表しました

4月に同問題が発覚し、当初はソフトウェア改修で対処しようと考えましたが十分な効果が得られず、5月時点では「解決策が未だ見つからない」ため、契約条件であった2017年8月までに18機導入断念を発表し、現時点では2018年1月を次の目標としています

今回実施した対策は「ブームへの油圧緩和バルブの追加導入:installation of hydraulic pressure relief valves」との発表になっていますが、すでに完成しているブームへの措置や、今後対策を施した際の価格への影響などは不明です

13日付米空軍web記事によれば
●「ブームへの油圧緩和バルブの追加導入」により、問題が発覚していたF-16への給油は8日に、またC-17への給油は12日に再試験を行い問題ないことが確認された
本格製造に必要な「Milestone C」到達のためには、最後のA-10への給油試験を残すのみで、A-10への試験は7月末に実施することとなっている

KC-46 Boom4.jpgJames空軍長官は本試験成功を受け、「この結果に勇気づけられる。KC-46計画は今後も継続して前進し、前線兵士の手にこの緊要な装備が届くまで重要な歩みを刻む」と声明を発表した
●米空軍省の調達担当幹部は、A-10での試験が完了すれば、国防省調達担当次官から初期生産開始の承認を得る手続きを行い、19機の製造を開始すると語った

米空軍のGoldfein新参謀総長は、「時間は多少かかったが、今週のこの結果はボーイングチームがやり遂げてくれるだろうとの自身を確かなものにしてくれた。量産に向けての8月の決定に向け、その進捗を確実にする重要なステップだ」と語った
●ボーイング社報道官は、これまでに850時間以上の飛行試験を5機の機体を使用して成し遂げたと過程の蓄積をアピールした
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ブームの構造や問題となった箇所についても詳細は不明ですが、関係者が喜んでいるのですから「バルブ付加」で前進するのでしょう

日本の戦闘機で問題が発生しないことを祈ります・・・・

KC-46関連の記事
「納期遅延の弁償は物納や役務で!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-15
「納期守れないと認める」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01
「Boom強度に問題発覚」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-03
「KC-46は更に遅延?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-27
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