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CSISが「第3の相殺戦略」特集イベント [カーター国防長官]

主要な役者がそろい踏み!

CSIS GN.jpg28日、CSISが「第3の相殺戦略」にテーマを絞ったイベント「Assessing the Third Offset Strategy」を開催しカーター国防長官やWork副長官、Selva統合参謀副議長らをスピーカーにして様々な視点で議論が行われました

朝8時から午後3時半までの本格イベントで、「第3の相殺戦略」を、カーター長官は技術革新の側面から、Work副長官は軍事戦略全体での位置づけの視点で、そしてSelva副議長は現場の脅威認識の重要性を指摘する形でテーマを掘り下げています

個々の内容は、これまで本ブログで断片的に取り上げてきたものですが、米国防省の大きな取り組みである「第3の相殺戦略」を概観する良い機会ですのでご紹介します。
なおイベント全体は、CSISのwebサイトで映像が公開予定ですので、ご興味のある方は以下のサイトをご活用下さい

CSISの関連webページ
https://www.csis.org/events/assessing-third-offset-strategy?block2

カーター国防長官は新軍事技術に触れ
CSIS Third.jpg●国防省が「第3の相殺戦略:Third Offset Strategy」の一環として追求する無人機の群れ(drone swarming)技術は、今週大きな躍進を遂げた(large step forward just this week)。
●(国防長官は細部への言及を避けつつ、)国防省の戦略能力造成室SCO(Strategic Capabilities Office)が、今後数ヶ月の内に更なる発表を行うだろう

「無人機の群れ:艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10
「海軍研究所の滑空無人機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-04

●無人機の群れはSCOが取り組んでいる「game-changing」技術の一部に過ぎず、他にも米陸軍の「Tactical Missile System」に「cross-domain」能力を付与する技術開発で、皆さんが想定するよりも早期に、沿岸から射程300kmの水上目標攻撃を可能にする
●また弾薬庫爆撃機(arsenal plane)も新たな戦闘能力を生み出すもので、これも想定より早く、紛争抑止力として有効なことを示すであろう

Work副長官は同戦略の位置づけ再確認
CSIS Third4.jpg●「第3の相殺戦略:Third Offset Strategy」には一つの焦点がある。その一つの焦点とは、通常兵器による抑止(conventional deterrence)である
●本戦略は、米国の通常戦力抑止力を強化する事により、主要な大国との本格紛争を回避できるよう期待するものである

ご参考(2015年11月の副長官講演)
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-15
●John Mearsheimerが核兵器時代の大国の定義で示したように、核攻撃に生き残れることによる核抑止力と無敵の通常兵器保有が「great power」には必要である
●「第3の相殺戦略」は一つに目的に焦点を絞っており、それは通常兵器による抑止力を絶対的に強力にし、米国が戦争に巻き込まれる可能性を極限まで低下させることである。他の大国に対する通常兵器による抑止を指すものである

Selva副議長は脅威認識の重要性を指摘し
CSIS Third2.jpg●「第3の相殺戦略」は、解答ではなく質問である。それは潜在的な敵の能力を凌駕するため、どんな能力が我に必要かを問うものである
同戦略には決められたゴールはなく、単に目的地に向けてドライブするのでも、各軍種にどんな装備を購入すべきかを示してくれるモノではない

●代わりに同戦略は、国防省が繰り返し継続的に、敵がどのような優れた能力を蓄えつつあるかを監視し、その敵がどんな脅威を友軍にもたらすかを考え、その脅威への対処が通常戦力抑止を強化するかを自身に問うことを求める
●そのためには、机上演習や実演習を通じた作戦実験が重要で、これらを通じて技術やアイディアを、戦術や手順やドクトリンに取り込んでいくことが解答につながる

●正しき認識された戦術や手順やドクトリンを試し、それらを米軍や同盟国にも伝え、敵が戦場に持ち込むであろう通常戦力に対し、優位を確保する手法を考えなければならない
●そして敵が戦場に持ち込むであろう通常戦力とは、単純化すれば、長射程で、精密誘導で、陸海空だけでなく宇宙やサイバードメインで発揮されるものであろう 
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CSIS Third3.jpg「第3の相殺戦略:Third Offset Strategy」や関連技術については、以下の過去記事でご確認下さい。
国防長官や副長官だけでなく、軍人レベルも含めて米国防省を挙げて取り組んでいる様子が伺えます

一つコメントするとすれば、「通常戦力抑止」が強調して語られているのは、抑止戦略の両輪である「核戦力抑止」分野の維持に巨額の予算が必要な事が明らかになりつつあり、そっちも忘れないでね・・・との思いが詰まっているからだと思います。

Cross-domain能力を追求
「ハリス長官がcross-domainを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05
「副長官が米空軍の尻を叩く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28

無人機の群れ関連
「無人機の群れ:艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10
「海軍研究所の滑空無人機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-04

地上部隊にA2AD網を期待
「尖閣防衛に地対艦ミサイル開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-14
「ハリス大将も南シナ海で期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
「CSBA:米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

カーター長官の技術革新促進
「SCOが存続をかけ動く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-10
「ボストンにもDIUx」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-27-1
「技術取込機関DIUx」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-25

「米陸軍もRCO設立」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-01
「次期爆撃機の要求検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-07
「謎のRQ-180」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-09
「謎の宇宙船X-37B」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-12

Work副長官と「第3の相殺戦略」
「相殺戦略を如何に次期政権に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-04
「CNASでの講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-15
「11月のレーガン財団講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-15

「9月のRUSI講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-12
「慶応神保氏の解説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-26
「第3のOffset Strategy発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-06-1

米軍の核戦力維持は大事業
「戦術核維持に1兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
「ICBM経費見積もりで相違」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
「移動式ICBMは高価で除外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16

「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「SLBMは延命の方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13
「核戦力維持に10兆円?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-09

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米軍でロボット外科手術の技術普及に向け [ちょっとお得な話]

全然知らなかったのでビックリしました!
ロボット手術が出来ないと競争で負けるとか

robotic sur.jpg10月26日付米空軍web記事が、ミシシッピ州Keesler空軍基地にある米空軍病院(医療センター)で外科手術ロボットシステムと同ロボット訓練装置が使用開始となり、医療の質の向上と米空軍所属医師の能力向上に大きな貢献が期待できると報じています

手術ロボット導入で人間医師の技量が低下するのでは・・・と「素人の」疑問を持ちつつ記事を読み進めておくと、ロボット手術が可能な手術はある程度限定されるのでしょうが、特定分野ではロボット手術が人間より優れていることが既定事実として話が進んでおり、時代の流れを感じてしまいました

つまり、特定分野ではロボット手術の方が正確で回復が早く、患者の負担を削減し、入院日数も削減できてコスト削減につながり素晴らしいとの考え方です。

そして、現在は手術ロボットを民間病院で借用する必要があり、技術習得訓練の不便さやロボット使用制限から、軍医師の技量が部外医師と競争力を失う懸念まで示唆されています
ご存じの方には興味のない記事でしょうが、かなりビックリしたのでご紹介します

10月26日付米空軍web記事によれば
robotic sur3.jpg●26日、Keesler空軍基地の外科医は、米空軍で初めて最新の外科手術ロボットが使用可能になった。同基地は「the da Vinci Xi」と呼ばれるロボットを2台入手し、1台を手術用に、もう一台を訓練用に使用する
●この訓練用を活用し、同基地の医療研究所は、ロボット手術教育研究所(InDoRSE(Institute for Defense Robotic Surgical Education))との機構を立ち上げ、外科医がロボット手術の資格を取得できる体制を確立した

●同基地のロボット手術課長である少佐(医師)は、「幾つかの外科手術において、ロボット手術は既に標準医療であり、民間医療機関では応用が急拡大している」とロボットの応用を語った
●同少佐はまた、ロボット手術を受ける患者が最も恩恵を受け、多くの良い側面があると述べ、「より小さな切開、はみ出し(hernia)や感染症のリスク低減により、より短い入院期間に貢献し、1日約17万円の入院費を削減できる」と説明した

ロボット手術には高価な装置と、その操作には新たな訓練が必要で、米空軍の医師でロボット手術を望むものは、特別な訓練を外部で受け、協定を結んだ民間病院の装置を借りる必要があった
●この問題への対策として、ロボット手術教育研究所(InDoRSE)は基地内に公式なロボット手術資格取得施設を設置し、同手術教育と訓練、大学院レベルの医療教育、そして研究開発に焦点を当てる

●InDoRSEは関連の準備を整え、遠方の空軍医師を受け入れてロボット手術の訓練を行う事も可能となっている
●更に同施設は、米空軍の医療関係者だけでなく、国防省全体への関係者へ拡大する事も考えている。また医師だけでなく、看護師や医療技術者も関係業務のため、ロボット手術教育のニーズがある。
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robotic sur2.jpg医療の世界全体に、この「robotic surgery」が何処まで浸透普及しているのか承知していませんが、米空軍や国防省全体として、医療の質向上のため、更に医師の確保・慰留のため、常に最新医療機材や学習の機会を提供する必要があるのでしょう。

日本で「robotic surgery」はどうなんでしょうか? なかなか感覚的には、受け入れにくい感じがするのですけれど・・・。年を取って、時代について行けなくなっているだけでしょうか???

「ちょっとお得な話」カテゴリー
「日本の空中給油機に赤外線ミサイル防御装置」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-25
「軍事痴呆症JAAGAにも非戦闘機命派OBか!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1
「わずか12㎏の兵器搭載地上ロボット」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-09

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ズムウォルト級ミサイル駆逐艦を学ぶ [Joint・統合参謀本部]

Zumwalt.jpg今頃?・・・感はありますが、今年5月に米海軍に引き渡され間もなく運用開始予定の「最高峰の水上戦闘艦」と期待が「高かった」ズムウォルト級ミサイル駆逐艦(Zumwalt)を少しお勉強することにします

米軍の装備開発にありがちな、当初遠大な構想で開発が始まったものの、途中で開発に息詰まって経費が増大、最終的に中途半端に出来上がって高価なため調達数が一桁削減・・・の典型例がこの巨大駆逐艦です

本日は、まず当初計画されていた「概要や特徴」をご紹介し、映像の後、数々のつまずきに触れたいと思います

概要や特徴とご紹介
排水量15000トンで、大型イージス艦タイコンデロガ級9500トンより遙かに大型
●当初は30隻以上の建造が計画されながら、現在では僅か3隻で終わる悲しい水上艦艇
●コンセプトは、ステルス性で沿岸部に接近し、艦砲とミサイルを陸にたたき込む「対地駆逐艦

Zumwalt3.jpg●ステルス性を追求し、レーダー波を上に反射して逸らすためのもので「タンブルホーム船形」を採用。レーダー反射面積RCSは、従来イージス艦の1/50で小型漁船程度
エンジンでスクリューを直接回さず、電気を造ってからモーターでスクリューを回す。手間があるが、モーターでスクリューを回すため、水中に響く騒音も少ない

●既存の艦艇と桁違いの発電能力故に、大電力を装備する機器の搭載が可能で、将来的にはレールガンの搭載も想定されている
●先進的な艦制御システム「TSCE-1」で、艦内の各種システム全てをネットワーク上に連接した先進的な構成。艦内ネットに接続した自動消火システムなども装備され、人員削減に大きく貢献

WW2後、補助的な役割だった艦砲のイメージを、新型砲「155mm先進砲システム」を2門で一新。従来の127mm砲と比べ、威力射程共に大きく向上しており、強力な対地攻撃が可能。通常弾の他にロケットアシスト&GPS誘導のLRLAP誘導砲弾(射程154km)も使用可能。
●沿岸戦闘艦LCSや大型巡視艇カッターで主砲とされている57㎜速射砲を、「副砲」として2門装備している

新型ミサイル発射装置(Mk57 PVLS)を採用。既存のMk41VLSよりも大型なミサイルが使える上、ハード的には既存の各種ミサイルに対応し、二重構造の船体の装甲の施された内殻と外殻の間に設置されるため、被弾・誘爆しても被害は少ない



画期的な戦闘艦のはずだったが・・・
遠距離と近距離の2種類のレーダーが搭載予定だったが、遠距離レーダーの開発が不調で搭載取りやめ
●先進的な艦制御システム「TSCE-1」のシステムの開発の失敗。イージスシステムの膨大なプログラムの統合に失敗。

Zumwalt2.jpg●前述のレーダー開発の失敗もあって艦隊防空ミサイルSM-2と弾道弾迎撃ミサイルSM-3の搭載が中止。経費削減のため、対潜用のアスロックの搭載まで中止された。
●また57㎜砲も予算の都合で、対水上のみの30㎜機関砲にダウングレードされることがに決定。
●結果、ミサイルは対地攻撃用のトマホークと個艦防空用のESSMしか使えない

●先進技術の追求しすぎと、開発段階でのトラブルで価格は高騰。そのお値段は一隻あたり50億ドル。日本円にして約5000億円である。
●価格高騰などで調達隻数削減後、当初は2隻のみの建造とされたが、造船所の仕事確保のため、3隻目の建造も決定された。

●沿岸戦闘艦LCSは頼りないし、古いタイプのイージス艦の後継艦が未定だが、比較的新しいアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦のさらなる追加建造でつなぐ方向か?
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B-2Whiteman.jpg米国防省の「グダグダ」な兵器開発の歴史に「悪い意味」で燦然と輝くのが、B-2爆撃機、F-35戦闘機、沿岸戦闘艦LCS、シーウルフ級攻撃型原潜などですが、このZumwalt級ミサイル駆逐艦も堂々仲間入りです。

運用体制確立後、どこで使用するのでしょうか? 東シナ海や南シナ海に登場するのでしょうか? 
「太平の眠りを覚ます上喜撰(蒸気船)たった4杯(隻)で夜も眠れず」ぐらいの効果を発揮してくれることを期待したいのですが・・・

関連の記事
「新空母フォード級を学ぶ」 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-20
「F-35の主要課題」 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「沿岸戦闘艦LCSがF-35化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-09
「映像で学ぶB-2爆撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-01

ロバート・ゲーツ語録70
(ロシアでの講演で、)軍事官僚制の2つの病巣、つまり兵器システムの継続的価格高騰と納期の遅延、を危惧する点でセルジュコフ露国防相と意見が一致した→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-28

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米国に呼び出されたか黒江事務次官!? [米国防省高官]

完全に邪推ですが、最近の日米韓3ヶ国協力が気になります

Work-kuroe.jpg26日、訪米した防衛省の黒江事務次官がWork国防副長官と会談しています。
同日付の米国防省web記事は会談内容を、「急速に変化・展開する安全保障環境が会談の中心」と表現し、北朝鮮・東&南シナ海等々が議論されたと「淡々と」報じています。

もちろん日米同盟を深化発展させ、情勢に応じた対応を取るための協議は歓迎すべきものですが、10月14日の日米韓軍人トップ会合に始まり、19日には米韓国防相会談や米韓「2+2」が立て続けに開催され、そして今回の日米国防No2協議です。何か臭います・・・

24日の記事でも触れましたが、北朝鮮の核実験やミサイル連続発射が協議を要することは確かですし、9月29日のカーター長官による「リバランス第3の波」発言に関する認識のすり合わせも重要でしょう。

2016-Shan33.jpgしかしまんぐーすが気になっているのはカーター長官が今年のアジア安全保障会議(シャングリラ会合)で言及し、日本関係者が「どん引き」した「日韓が南シナ海で災害共同対処訓練を実施」との表現を用いた「日韓共同の南シナ海パトロールの夢」です。

例えば19日の米韓国防相会議後の会見で、韓国国防相が「日米韓の3ヶ国協力が2017年には拡大し、海洋安全保障分野が対象」だと言わされており、とっても気になっています

26日付の米国防省web記事は会談内容を
Work副長官は、尖閣諸島が日本の施政下にアリ、日米安保条約の第5条の対象だと再確認した
JKU1.jpg●副長官と黒江事務次官は、防衛装備品と技術協力に関する意見交換を行い、韓国や豪州を交えた3ヶ国関係を如何に強化するかについて議論した

●また両者は、自衛隊の拡大しつつある役割について議論し、東南アジア諸国の能力構築支援への日米の取り組みについて意見交換した。更に、弾道ミサイル防衛や宇宙分野での協力強化についても議論した
●2名のリーダーは、新ガイドラインに沿って日米同盟を深化させていくことを確認し、日米同盟がアジア太平洋地域の平和と繁栄にとって揺るぎなき「cornerstone」であることを再確認した
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Dunford KJ.jpg最近、河野統合幕僚長や武居海上幕僚長が、海上自衛隊の南シナ海での活動を強化するような(臭わせるような)発言をしていると認識しているのですが、ある日突然、何か発表になるのでは・・・と気になっています

もちろん、安保法制関連の南スーダンPKOにおける「駆けつけ警護」も重要な話ですが、南シナ海問題への日本の直接関与は、安倍政権にとって極めてリスクの高い行動になるのでは・・・と危惧しています

以上、まんぐーすの邪推でした

日米韓協力への懸念記事
「日米韓海軍協力を強調推進か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-21
「なぞのリバランス第3の波」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-01
「2016年シャングリラ会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-30

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重鎮ケンドール国防次官が将来航空機投資を語る [米国防省高官]

Kendall-F-35.jpg21日、米国防省の装備開発&調達担当の豪腕次官であるケンドール氏が記者会見を行い、F-35開発の教訓を踏まえつつ、今後の米軍作戦機に必要な要素について検討している様子を断片的に語っています。

ケンドール次官の話は、最終的な落とし所や結論は予断出来ませんが、思考の方向性は米空軍が進めている「Air Superiority 2030:2030年代の制空検討」や「Penetrating Counter Air検討」と問題意識を共有しており、特に中国の弾道・巡航ミサイル脅威を強く認識していることを改めて感じさせます

翻って、ケンドール次官(米国防省代表で出席↑写真上↑)と共に、日本用のF-35完成式典に参加した防衛副大臣や航空自衛隊トップが、この辺りの「脅威の変化」を全く感じ取っていない(行動が見られない)のは、脅威認識の相違という点で同盟関係の根幹に関わる事態だと改めて強調しておきます

25日付米空軍協会web記事1は
Kendall22.jpg●21日、ケンドール次官は米国防省が、次世代作戦機がどうあるべきかについて、多くの疑問と格闘していると記者会見で語った。そしてF-35計画の教訓を、米空軍の「Penetrating Counter Air検討」や米海軍のFA-18後継検討に活用すると述べた
●そしてまず最初に、次世代作戦機で各軍種が協力し、搭載システムやそのサブシステムの共有を追求して効率化を図ることはあるだろうが統合計画はないだろうと語った

●更に同次官は、米国防省は既に主要な関係企業(potential primes)とコンセプト検討に入っているが、どのような航空機を調達すべきかに関し、回答よりも疑問の方が多くわき上がっていると語った
●例えば、有人か無人か、航続距離か兵器搭載量か、どれほど洗練されたレベルが必要な、F-35等の現有戦力との組み合わせにおいて何が求められるか等々の疑問であるとも表現した

●航続距離を求める声も、兵器搭載量増を求める声もアリ、永遠の課題だろう。しかし我々に突きつけられた弾道・巡航ミサイル脅威は、航空機ではなく拠点となる航空基地や空母に向けられており、航続距離への要望はより鋭さを増している

25日付米空軍協会web記事2は
F-35 luke AFB.jpg●F-35は「信じがたいほど」「驚くべき装備」である。しかしもう一度F-35計画をやり直すとしたら、今搭載しているような全ての要素技術の搭載を追求しないだろう(not have put all the tactical air eggs in one corporate basket)
●そしてその理由として、「F-35開発にこれほど長期間を要しているのは、信じがたいほど複雑なシステムだからだ」、「洗練されたセンサー、ステルス性等々、これらを融合したF-35は使用者にとって大変有用な装備で、かつこれまでと異なる航空機となっている」と語った

一方でこれらF-35の能力は複雑さという代償を払っている。つまり、より多くの時間をかけ、より技術的な労力を要し、より多くの試験が必要だと言うことである
●ただし結論として、我々はF-35という恐るべき素晴らしい装備を手に入れたわけである

●振り返ってみて、私が国防省の調達に関わるずっと以前のF-35計画当初に立ち戻れるなら、一つの主契約企業に集中するような事業構造を望まないだろう。より競争を促す構造が健全だと思う
●F-35事業では、機体全体で競争部分が限定されていた。新たな能力を「open architecture」で柔軟に取り入れられるよう、その様な窓口を再オープンするように取り組んでいく
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Kendall.jpgケンドール発言で改めて強調されているのは、中国の弾道・巡航ミサイルで米軍等の航空基地や空母が脆弱さを増しており、航続距離を伸ばした航空機の重要性が高まっていること

また装備品開発は、要求を盛りすぎると開発に長時間必要でリスクも高くなるので、要求は堅実なレベルに抑え、それにより企業間の競争を促進して価格低下や質向上に貢献し、なおかつ将来アップグレードに備えた拡張性に配意して早期陳腐化を避ける配慮が必要・・・との点でしょうか

振り返し、繰り返しご紹介してきた考え方ですが、未だ日本では浸透不十分なようです

米空軍の将来制空アセット検討
「Penetrating Counter Air検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「2030年検討の結果発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02

いい加減にしろ日本の戦闘機命派
「F-35の主要な問題点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「悲劇:F-3開発の動きと日本への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16

空自OBに戦闘機を巡る対立
「織田邦男の戦闘機命論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-06
「広中雅之は対領空侵効果に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1
「小野田治も戦闘機に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05 
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米軍戦術核の改修延命に約1兆円 [Joint・統合参謀本部]

B-61 LEP.jpg19日付Defense-Newsが、米空軍が保有する戦術核爆弾「B-61」の改修延命経費に関するエネルギー省隷下のNNSA(National Nuclear Security Agency)の見積もりや、改修計画概要を紹介しています。

見積もりによれば、NNSAが担当する爆弾本体関連が約8500億円で、国防省が担当する「tailkits」が約1500億円となり、合計約1兆円となる模様です

カーター長官は9月26日、戦術核兵器「B-61」だけでなく、戦略原潜やICBMを含めた米軍核戦力が、当初の寿命を10年以上超えて保有されており、「この更新を行わないなら、不安全で、信頼性が低く、効果が不十分になる」「更新するか維持するかではなく、更新するか保有ゼロになるかの選択だ」と述べ、予算確保の必要性を訴えています

戦略原潜やICBM、更には各関連各種施設や新型爆撃機B-21等まで含めると、必要経費は10兆円とも言われていますが、本日はとりあえず戦術核爆弾B-61の更新経費を見てみます

19日付Defense-News記事によれば
B-61 LEP3.jpg●核兵器の使用や運搬手段(艦艇、航空機、ミサイル)については米軍が担当するが、核弾頭の開発・維持・破棄はそのものはエネルギー省隷下のNNSAが担当する
●今年夏までにNNSAがまとめたB-61戦術核爆弾の延命経費は、爆弾関連直接経費が約7800億円で、関連技術や製造経費が700億円である。これとは別に、国防省が担当する爆弾の「tailkits」が約1500億円となり、合計約1兆円と見積もられる

●NNSAは米軍が保有する全ての核弾頭10種類を、5種類に整理統合する「3+2 Strategy」を基に本見積もりを行っている
外部の専門家は、この見積もりは20年以上前から繰り返し行われてきたものだが、2013年当時の見積もりと大きな変化は無く、実施上の新たな問題は発生していないのだろうとコメントしている

●「3+2 Strategy」とは、現有の弾道ミサイル弾頭5種類を3種類(IW-1, IW-2, and IW-3)に集約し、戦術核や巡航ミサイル用の5種類を2種類(W80-4 and the B61-12)に集約する構想である
B-61戦術核に関しては、現有の4種類(B61-3, -4, -7 and -10)を1種類(B61-12)に集約する計画である

次期の核巡航ミサイルLRSOが批判対象に
LRSO3.jpg●米空軍が開発を進めようとしている新しい核搭載長距離巡航ミサイル(LRSO:Long Range Stand-Off)は、戦術核兵器等との重複だとして、以前から議会等から批判されているが、大統領候補のクリントン氏が9月にLRSOへの懸念を表明し、向かい風が更に強くなっている
●先述の専門家は「LRSOの調達コストは2~2.6兆円と見積もられており、米軍核兵器の役割過剰重複の議論に拍車をかけている」と批判的にコメントしている
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Work副長官を始め米国防省首脳部が推進する「第3の相殺戦略」や、その背景にしっかり息づいている「エアシーバトル」の考え方も、確固たる核抑止態勢が維持されていることが大前提にあります。
以前Work副長官は、ミアシャイマーの定義を引用し、核戦力と通常兵器の両輪が重要だと語っていたところです

B-61 LEP2.jpgですから、実質「忘れられていた兵器」扱いになっていた核兵器とその運用部隊は、必要規模を精査しつつ、必ず堅実に維持される必要があります。
一方で、長年放置されてきた付けは大きく、その負担を厳しい予算状況の中で同負担するかが重い課題となっています。

韓国や日本が核武装だと言っても、その経費は莫大で、やはり米国にお願いするのが「右肩下がり」の日本の有力な選択肢です。
クリントンでもトランプでも、核抑止の維持には注目が必要です

戦術核兵器とF-35記事など
「F-35戦術核不要論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-16
「欧州はF-35核搭載型を強く要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-22
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06

ICBM後継に関する記事
「ICBM経費見積もりで相違」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
「移動式ICBMは高価で除外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
「米空軍ICBMの寿命」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1

オハイオ級SSBNの後継艦計画関連
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1
「SLBMは延命の方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13

関連記事
「核戦力維持に10兆円?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-09
「次期空母の建造費を削れ!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-07

オバマ大統領が「核兵器先制不使用」の宣言準備?
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-07

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西側メディアが酷評:露空母の英仏海峡通過 [安全保障全般]

「機関室の兵士が一酸化炭素中毒にならないか心配」

Kuznetsov-UK.jpg10月21日、ロシア海軍の空母「Admiral Kuznetsov」がシリア沖の東地中海での「26年目で初作戦行動」に向け、英仏海峡(ドーバー海峡)を通過する様子が確認され、黒煙を上げて航行する様子を西側関係者が冷ややかに評価しています

同空母が地中海に展開して中東作戦(対ISIL作戦)に参画することは、7月に「匿名の露軍事外交筋情報」として報道されましたが、当時から米軍事メディアは、同空母は「あまりに小さく、頼りにならない」、また「その艦載機の能力は戦力として意味はない」と厳しく評価していたところです

そして「好意的に」見ても、「ほとんど出航の機会がなかった乗員に訓練の機会を与える」、又は「空母艦載機Mig-29をロシアから継続購入しているインドへのアピールを狙う」程度の目的ではないかと、参戦の真意を測りかねているところです

21日付Defense-Tech記事によれば
Kuznetsov4.jpg海軍専門家は、黒煙を上げて航行する同空母に容赦ないコメントをSNS上で浴びせている。
●あるツイートは、19世紀に石炭を燃料としていた蒸気船もこの様な姿で黒煙を発していたことだろう・・・とジョークを飛ばしている

●またMark Best氏は、「これほどまでに過剰な黒煙は、燃料に余分な水分が含まれているか、燃料の不完全燃焼が原因だ」、更に「我々としては、同空母の機関室勤務員が一酸化炭素中毒にならないことを祈るばかりだ」と投稿している

●同空母の任務についてTASS通信は、シリアのラタキア近郊の露空軍「Hmeymim air base」に展開している露軍機と協力し、(対ISIL作戦とロシアが呼称する)航空攻撃任務に従事すると報じている

7月25日付記事より同空母あれこれ
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-23
●匿名の軍事外交筋の情報として、26年前に就航して以来、一度も実戦に参加していなかった空母「Admiral Kuznetsov」が、今年10月に地中海に展開して対ISIL攻撃に参戦する模様。派遣期間は10月から、約4ヶ月間に及ぶとも報じている
●同空母はカタパルトを持たないスキージャンプ型の空母で、計25機の航空機やヘリを搭載可能と言われています。攻撃戦力としては10機のSu-33やMIg-29K、15機の攻撃へりKa-52K, Ka-27やKa-31を搭載可能と言われている

Kuznetsov.jpg●同空母の艦載機はカタパルトを使用できないことから離陸重量に制約を受け、航続距離や搭載量は大きく削減されるだろう。また15機の攻撃機のセンサー性能等々も不足しており、9ヶ月に及ぶロシアのシリア軍事介入に意味ある貢献は出来ないだろう
米海軍の空母は60機以上の航空機を搭載し6ヶ月以上の作戦行動が可能であり、40機以上のFA-18は一日に100回以上の出撃が可能。しかも全機が精密誘導爆弾を搭載可能。一方でロシア空母艦載機は、24時間かけても50回の出撃は不可能で、大部分は誘導装置のない自由落下爆弾

ロシアも同空母の限界をよく承知しており、空母はシリア海岸近くに展開し、攻撃目標への距離を局限するだろう。退役ロシア海軍大佐のシンクタンク研究副部長も、同空母は地上攻撃任務に従事したことはなく、作戦面での意味はないと述べている
●ロシアの海軍艦艇建造は大きな産業だが、空母と艦載機に関しては「crappy:粗末、劣悪、役に立たない」との悪評を得ている。例えばインド海軍に納入した空母「Vikramaditya」は、2013年の初航海で、大きなエンジントラブルに見舞われている
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ロシア帝国の復興やプライドを重視するプーチン大統領が、なぜこれほど「役立たず」のレッテルを貼られた空母「Admiral Kuznetsov」を地中海に派遣するのか理解できません

何か、あっと驚くような「隠れ任務」や「新兵器」を繰り出すのか? はたまた「難民救出」を演出して国際社会でのアピールを狙うのか? 何時ものように・・・生暖かく見守りたいと思います

「インド検査院がロシア製空母艦載機を酷評」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-11-1

挙動不審な最近のロシア軍
「イランに防空ミサイル輸出完了」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-16
「欧州飛び地やトルコで不穏な」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-12
「露が新たなフィンランド化追求?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-09

「バルト海上空での安全確保指示」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-03
「東欧4カ国にNATO大隊配備へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17

「超超音速ミサイルの脅威が大きな話題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-19
「ロシアも取り組み表明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-11
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リバランス第3の波は日米韓海軍協力強化が狙い? [カーター国防長官]

Korea 2+2.jpg19日、ワシントンDCで米韓2+2が開催され、それに併せて米韓国防相会談も行われています。

米国防省web記事は「2+2」に関し、北朝鮮の核実験や連続ミサイル発射を重点に議論が行われたように報じており、最近の北朝鮮の動きを見れば「さもありなん」ですが、Defense-Newsが報じる米韓国防相会談では、先日カーター国防長官が言及した「リバランス第3の波」関連のサイバーや海洋安全保障の議論もなされており、とっても気になります

気になる背景には、「米韓2+2」に先立つ14日に、ペンタゴンで「日米韓の軍人トップ会談」が行われ、これまた米国防省web記事は「北朝鮮対応の議論」だけを取り上げているのですが、全く根拠はないものの、本当にそれだけかよ・・・? 南シナ海を日韓に分担させようとしているのでは・・・との疑惑が頭から離れません

何せ、9月29日にカーター長官が「リバランス第3の波」を発表してから、ほとんど音無状態で、特に「第3の波」で実施するとした「3項目のうちの3番目」について気になって仕方ないんです

「第3の波」で実施の3項目のうちの3番目
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-01
(9月29日の発言)
Carl-Vinson.jpg●第3項目について長官は、地域国による新たなサイバー能力の構築であると語り、「日本や韓国やインドやシンガポールではネットワークが充実しており、各国がサイバー能力も高めているので、相互に学んでこの重要度メインで協力することができる」と述べた
●核となる米国のプランは、これらの国がネットワークを使い、技術的にもドクトリン面でも共に作戦することのようである。

●具体な将来のイメージとしてカーター長官は、「将来台風に襲われた後、豪州軍のP-8哨戒機がシンガポール軍人を乗せ、米海軍駆逐艦と連携して捜索救助活動を行う」と語り、「航行の自由作戦においても、実施可能だろう。ネットワーク化された各国の海軍や空軍による飛行や航行により、国際法が許す活動を行って地域の海上交通路が安全でオープンであることを示すのだ」と述べた

10月19日の米韓国防相会談では
(19日付Defense-News記事によれば)
●ペンタゴンでの共同記者会見で、米韓国防相は、海洋安全保障協力、サイバー能力強化、そして日本を含めた3ヶ国演習の強化への投資を約束した。これはオバマ政権によるアジア太平洋リバランスについて、ペンタゴンが「第3の波」と呼ぶ動きと一致している

Korea 2016.jpg●米韓両国は、サイバー分野で2国間協力を行う分野を作業部会で探ることに合意し、10月中に作業を開始すると明らかにした
●また両国は、海洋安全保障分野で協力が可能な特定分野を見極めるため、「共同調査チーム:integrated research team」を設置する事で合意した

●特に韓国国防相は、日米韓の3ヶ国協力が2017年には拡大すると発表し、海洋安全保障分野と情報共有分野の両方が対象だと言及した
●そして韓国国防相は「我々は引き続き3ヶ国で、今年のRIMPACで訓練したようなミサイル警報演習、捜索救難訓練、海洋亡命者引き渡し演習(?maritime-extradition)を行っていく」と語った

カーター国防長官はこれに付け加え、「海洋分野の協力で同盟を強化する方策には複数の方法がアリ、それ故に海軍間の協力強化は重要なのだ。例え陸や空で協力関係が既に存在していても。そしてサイバー分野での協力強化も重要だ」と会見で語った

ご参考:14日の「日米韓の軍人トップ会談」
14日付米国防省web記事
http://www.defense.gov/News/Article/Article/974006/us-south-korean-japanese-military-leaders-discuss-north-korean-threat
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特に具体的な事象はありませんが、「海洋安全保障」と「3ヶ国協力」を強調するところがプンプン臭います。

Dunford KJ.jpgその個人的懸念の背景には9月29日のカーター長官発言、「航行の自由作戦においても、実施可能だろう。ネットワーク化された各国の海軍や空軍による飛行や航行により、国際法が許す活動を行って地域の海上交通路が安全でオープンであることを示すのだ」があります

Dunford議長はポーカーフェイスですが、先日、米空軍の外国軍訓練への姿勢を厳しく糾弾しているように、とても厳しい人物です
河野統合幕僚長と韓国軍参謀総長は、14日にDunford議長から何を言われたのでしょうか???

リバランス「第3の波」宣言
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-01

統参議長:米空軍は外国軍訓練をもっと重視せよ
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-29

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ロシアがイランに防空ミサイル輸出完了 [安全保障全般]

S-300.jpg14日付Defense-Techが複数のメディア情報を総合し、イランとの核開発合意後の禁輸解除を受け、ロシアがイランに地対空ミサイルS-300(SA-10)の輸出を完了した報じています。

S-300はロシア版ペトリオットミサイルと呼ばれ、最新ピカピカとは言えないものの、航空機や巡航ミサイルに対処する射程200kmのロシア標準の地対空ミサイルで、弾道ミサイル防衛にも限定的ながら対応可能と言われています

ロシアとイランの間では、2007年に同ミサイル4セットの売却契約が一端成立しましたが、イランの核開発疑惑により(米国やイスラエルからの圧力も加わり)、ロシアも西側諸国と共に経済制裁をイランに課し、同ミサイル輸出も棚上げになりました

しかしイランと西側諸国間で核開発関連協議の進展を受け、米国やイスラエルの反対にもかかわらず、2015年にプーチン大統領が同ミサイルを含む禁輸措置の解除を決定し、実際のミサイルシステム提供が完了したとロシア政府が発表した様です

14日付Defense-Tech記事によれば
S-300-2.jpg13日、ロシア政府の武器輸出庁がイランへのS-300ミサイルの輸出完了を発表したと、ロシアのRIA news、ロイター等々が報じた。4セットの価格は約850億円と言われている
ロシアはその国境を囲むようにS-300やその改良型であるS-400の配備を進めており、欧州飛び地カリーニングラード、クリミア半島やウクライナ周辺地域、シリアのラタキア等々に配備が進んでいる

●専門家は、ロシアが黒海、東地中海、中東において安全保障バランスの変更を企てており、大きなA2ADゾーンを構築しつつあると表現し、防空ミサイル配備により西側航空機の接近に大きな脅威を提示していると分析している

ウィキペディア情報によれば
S-300-1.jpg●核開発疑惑があるイランへの配備は、イランの核関連施設の防御に使用される恐れがあることから、イスラエルと米国が神経を尖らせてきた。
2007年にイランとロシアの間で結ばれたS-300の購入契約は、イスラエルや米国の抗議により契約履行が引き延ばされてきたが、2010年4月の軍事パレードにイラン国内で製造したS-300が初登場し、2010年5月のイスラエルメディアが、イランのイスラム革命防衛隊要員がS-300ミサイルシステムの操作訓練をロシア軍基地で受けていると報じた。

2016年4月、イランの外務報道官はロシアからの購入契約が実行に移されたと記者会見で明言。同年8月、イラン国営テレビが同国中部フォルドゥの原子力施設付近に配備したとするS-300の映像を放映した。
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S-400-2.jpgS-300やS-400は、ロシア極東のウラジオストック周辺にも配備され、中国の東シナ海沿岸地域にも導入されており、米国が警戒するA2AD網の中核を担う防空ミサイルです
また、米国の懸念表明や圧力を無視し、外貨獲得のためどんどん海外に売り込んでいる防空ミサイルです

イランの状況は把握していませんが、不安定さを増す中東の一画に間違いはなく、「イラン中部フォルドゥの原子力施設付近に配備」されたこと等から、取りあえずご紹介しておきます

ロシアの動向関連記事
「露軍は鉄の壁を構築中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-07
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02 
「ロシアも取り組み表明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-11

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ノルウェーがドロ沼必至のF-35追加購入へ [亡国のF-35]

機体火災の原因究明前に、強引にまとめ買いを既成事実化へ

Nor-Søreide.jpg10日付テキサス州地元紙(Lockheed Martin社拠点のFORT WORTH紙)は、ノルウェー国防省が同国議会に対しF-35を追加で12機調達する予算案を提出したと報じています。

また、米国防省が同機の価格低減のため各国に働きかけている「まとめ買い」提案にノルウェーが乗る形で、この12機を2019~20年に「まとめ買い」する予算案だと同紙は伝えています。

9月23日に発生したエンジン始動時のF-35A型尾部からの火災発生の原因究明が依然続く中でも、海外からの注文が入ったと米国防省やLM社は大喜びのようですが、大丈夫かなぁ・・・と心配になる今日この頃です

10日付テキサス州地元紙報道によれば
F-35 Norway.jpgF-35共同開発国であるノルウェーは、継続して最終的には52機購入すると言い続けているが、(既に発注した28機に加え、)12機の購入する予算案をノルウェー議会に提出したと国防省高官は語った
●なおこの12機は、2019~20年に「まとめ買い:block buys」する予算案として計上されている

●LM社の報道官は、「ノルウェーは継続して強い購入意欲を示しており、同国のF-35への強い信頼感を示している」とコメントしている
●米国防省などの見積もりによれば、2018~20年にかけて計450機を「まとめ買い:block buys」することにより、2013年価格で1機120億円程度だったものが、82~87億円にまで下げられることになる模様

米国防省F-35計画室の報道官は、「ノルウェーを始め共同開発国は、まとめ買いコンセプトが明らかになって以来、継続してこれに含まれている」、「大きなスケールメリットが享受できることから、全ての国の購入費用削減につながる」とコメントしている

ノルウェー軍用の1番機は、2015年9月に完成式典が行われている。最近では、日本の1番機完成式典が9月23日に行われている。
海外購入国で1番最初に動機を運用開始するのはイスラエルで、今年6月に1番機を受領している。なお同国は33機を購入予定で、更に17機の購入オプションも有している
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Norway3.jpg米国防省もLockheed Martin社も、原因不明のエンジン始動時火災が発生しているのに、事故調査の途中経過も明らかにせず、関係者も全く事故を語らず、淡々と何事もなかったようにF-35を売り込む姿勢は、リーマンショック前、低所得者に住宅ローンを貸し出しまくったローン会社を見ているようです

あの火災事故から早3週間、あれだけ率直になんでも語ってF-35計画を本音で支えてきたF-35計画室長のBogdan中将でさえ、最近はお言葉も耳にしません
この点が最も気になっているところです。火災の原因やその影響が大きすぎることから、その対策や言い訳を懸命に考えているような気がしてなりません・・・

この静けさが、恐怖を駆り立てます・・・。なお、写真上はノルウェー国防大臣、写真中は2015年9月の1番機完成式典です

F-35とノルウェーなど
「国産ミサイルをF-35に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-20-1
「ノルウェーは女性徴兵へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16
「まとめ買いしない?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-31

9月23日の火災関連
「未だ原因不明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-06
「自衛隊1番機完成日に火災事故」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24
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新型の宇宙監視望遠鏡が米軍運用部隊へ [サイバーと宇宙]

SST1.jpg18日、米国防省の国防高等研究所DARPAが、地球を周回する衛星やデブリを地上から監視観測するための望遠鏡(SST:Space Surveillance Telescope)を、設計開発段階が終わったので米空軍宇宙コマンドに管理を移管すると発表しました

現在は、ニューメキシコ州のお馴染み「White Sandsミサイル演習場」に設置して開発&試験を行っているSSTですが、今後豪州に移設して、豪州と米空軍宇宙コマンドが協力して運用していく計画です

なお、約4年前にこのSSTの話題を紹介した際には、DARPAから2014年には豪州への移設を開始し、2016年には運用を開始する計画だと発表があったのですが、現時点ではまだ移設が完了しておらず、運用開始時期も2020年に延期されているようです。理由や背景は不明です

19日付米空軍協会web記事によれば
18日DARPAは、SSTを設計&製造段階から新しい運用ステージに移行させるため、管理をDARPAから米空軍宇宙コマンドに移管すると発表した
●DARPA発表では、「従来の望遠鏡が大きな物体をストローの穴から覗くようなイメージだとすれば、新設計のSSTは自動車の運転席から広範囲にものを見る感覚だ」と説明している

SST3.jpg●開発段階のSSTは、2015年に720万個の宇宙物体を観測したが、2016年には1000万個になる見込みであり、新たに地球周回宇宙物体を3600個発見し、地球近傍に69個も発見している
●SSTの主任務は、宇宙デブリを発見追尾し、衛星との衝突防止や、地球落下の際の注意喚起をするためである

●DARPAのLindsay Millard担当責任者は、SSTの価格は約190億円であるが、地球周回軌道の全てを監視するには、更に3台のSSTが必要だと説明している
White Sandsミサイル演習場で試験が行われているSSTだが、2013年には、将来豪州西部のExmouthに所在する海軍「Communication Station Harold E. Holt」に移設することが両国間で合意されている

●SSTは分解して海上輸送され、豪州にて米空軍宇宙コマンドと豪州政府の共同で運用されることになっている。初期運用態勢確立は2020年を予期する

2013年12月の米空軍協会web記事では
SST2.jpg2013年11月に結ばれた米国と豪州間の合意に基づき、SSTは2014年に豪州に移設される予定。DARPAはまた、2016年に移設先で運用を再開すると発表している
●(当時のDARPA担当責任者の)Travis Blake中佐は、「ソフトボール大の大きさの物体を、同時に1万個観察できる」と新しいSSTの性能を語った

SSTの豪州移設に際しては、豪州政府が敷地を提供し、運用を担当する。米空軍はSSTを所有し、豪州と運用と維持整備経費を分担する。
●なお米国は、宇宙状況認識強化のため、SSTの他に、C-Bandレーダーを豪州に移設する
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このSST計画の遅れの理由は不明です。またC-Bandレーダー豪州移設については、完了したとの報道を見た記憶がありますが、現状を把握していません

Space Fence1.jpgまた、Sバンド周波数を活用する、宇宙監視レーダーシステム「Space Fence」との任務分担も良く理解していません

しかし、米国防省は2012年頃から国際的な宇宙状況把握協力を推進しており、日本の航空自衛隊レーダーやJAXAの望遠鏡にも参画を要望してきているようです

「米軍が豪に宇宙監視レーダー移設」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-15
「空自レーダーで宇宙監視?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-17
「Space Fence試験レーダー完成」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-29
「米空軍のSpace Fenceを学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28

日本のこの分野での動きは寂しい限りです。戦闘機だけに投資しているからですが・・・

2015年4月に米国と「宇宙協力作業部会」設置に合意し、同年10月と2016年2月に作業部会を開催し、「政策協議の推進」「情報共有緊密化」「専門家の育成協力」「机上演習の実施」の検討を推進することになっていますが・・

平成29年度防衛省概算要求では、以下の14億円程度が実質予算
http://www.mod.go.jp/j/yosan/2017/gaisan.pdf (4.3MB)

●宇宙状況監視に係る取組(14億円)
→米国及び国内関係機関との連携に基づく宇宙状況監視(SSA)に必要となる宇宙監視システムの整備に係る基本設計等と、運用要領の確立に向けた準備態勢のさらなる強化
●米空軍宇宙業務課程等への派遣(0.1億円)

更に姑息なのは、米国への「ごまかし説明」のためか、「概算要求説明資料」では、「宇宙関連経費1289億円」との数字を大きくアピールしている点です。

Space-2017fy.jpg実質14億円なのに衛星通信利用費(1133億円)や画像衛星&気象衛星利用費(471億円)を水増しに利用し、本当に必要で米国が努力している「宇宙情勢認識」強化のための予算が少ないことを誤魔化そうとしているのです!!!

こんな事では、「戦闘機機数維持」の組織防衛にのみ注力して「亡国のF-35」と心中し、「脅威の変化」に追随出来ない組織になってしまいます

関連の過去記事
「米軍が豪に宇宙監視レーダー移設」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-15
「空自レーダーで宇宙監視?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-17
「Space Fence試験レーダー完成」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-29
「米空軍のSpace Fenceを学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28

宇宙での戦いを訓練
「Red-Flag指揮官が宇宙幹部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19
「民間企業も交え大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-05
「欧州を主戦場に大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11

「国際宇宙演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-19
「サイバーと宇宙演習の教訓1」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「サイバーと宇宙演習の教訓2」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02

宇宙関連の記事
「宇宙改革法案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-13
「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08

「宇宙アセット防御予算8割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-01-1
「米空軍の宇宙姿勢を改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-19-1
「F-15から小型衛星発射試験へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09

東アジア戦略概観2016(宇宙ドメインも解説)
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-25

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世界初:多国間で海空無人機の融合演習 [安全保障全般]

Unmanned War.jpg17日付Defense-Techが、スコットランド西岸域で8日から20日の間に行われた、「多国間」の海と空の無人機を連携させて活用する検証演習「Unmanned Warrior」の様子を報じています。

同演習は英国海軍の統合演習「Joint Warrior」を拡大発展させ、NATO加盟国や関係同盟国軍から約40名の海と空の「無人機専門家や開発者」が参加する形式にしたもので、将来の戦いで無人システムが活動する領域拡大を意図した演習です

米海軍研究室(ONR:Office of Naval Research)が主導しているようですが、同研究室の地元である米西海岸やメキシコ湾岸とは異なる、北大西洋の厳しい環境を求め、英軍の支援を得て行われている様です

17日付Defense-Tech記事によれば
Unmanned War2.jpg●この演習「Unmanned Warrior」は、多国間でそれぞれ保有する無人システムの連携を検証しようとするものである。その背景には、将来の戦闘行為に自立型無人システムが加速度的に関与してくるだろうとの見込みがある
NATO加盟国や関係同盟国軍から参加した約40名は、以下の5つのテーマから、10種類の異なる技術の可能性を演習で確認する

-Geospatial Intelligence(画像地理情報)
-Anti-Submarine Warfare(対潜水観戦)
-Mine Countermeasures(機雷対処)

-Intelligence, Surveillance, Targeting and Reconnaissance
-Command & Control

●本演習に関する14日の会見で、米ONRで米海軍艦艇コマンド補佐官や無人システム技術責任者を務めるTepaske博士は、英軍と米軍の無人水中システムUUVをネットワーク化し、意思疎通させる手法を見いだした事が重要な成果の一つだと語った
Unmanned War3.jpg●また「機雷対処における統合や多国間協力の水中無人システム作戦分野で、幾つか世界初の試みに成功した」と述べ、「英米システムのネットワーク分野で従来の範囲を拡大する事が出来た」と説明した

●更に、参加研究者は演習間、多様な無人システムが相互に意思疎通して連携し、人間の指揮センターにフィードバックする事にも成功した
●例えば、水上無人システムが無人航空機を通信中継装置として活用し、陸上部隊と意思疎通を図る検証を行った

●米海軍ONRのBeth Creighton大佐は、温暖な加州やメキシコ湾岸でない「興味深い」環境で、世界レベルの研究者が一堂に会することで世界初の挑戦ができ、従来の限界を突破することが出来たと語り、その教訓をリストに整理していると述べている。
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Unmanned War4.jpg事柄の性質上、「Unmanned Warrior」の細部や「教訓リスト」が明らかになる事は無いのでしょうが、四面環海の日本も、この様な仲間にぜひ加わって欲しいものです

いろんなシンクタンクの研究レポートを見ても、「水中戦」分野は、対中国でまだ技術的にリードを保っているフィールドで、この分野で優位を確保し拡大する事で抑止力を強化したいものです

戦闘機の機数を削減しても、水中戦には注力したいものです!

中国の軍事力を考える記事
「2016年版中国の軍事力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17
「10分野で米軍と中国軍を比較」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-18
「ありがちな誤解:中国軍分析注意点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-30

「驚異の対艦ミサイルYJ-18」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-30
「仰天:DF-26も空母キラー?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-04
「米中の宇宙戦を描く小説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08
「米空母監視衛星打ち上げへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-10

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トルコ駐留米軍に家族帯同禁止や特別手当 [安全保障全般]

Turkey USA2.jpg7月に発生したトルコ軍によるクーデター以降、同盟国であるはずの米国とトルコの関係が急速に悪化していますが、同時にエルドワン大統領の強硬姿勢を受け、テロなど治安悪化も進んでおり、米軍がトルコ駐留軍人の安全確保と人材確保の狭間で苦労しています

9月末には米軍人の家族帯同禁止を命じ、連続勤務期間を最長12か月とする指示を出しましたが、恐らく人材確保が難しくなったのでしょう・・・10月14日には24か月連続勤務に応ずれば、毎月特別手当をだすとの方針を明らかにしています

政情に振り回される米軍の大変さを見る事例として、ご紹介いたします

9月21日には家族帯同禁止令など
Incirlik AB.jpg●9月21日、米空軍はトルコ勤務を命じられた場合は家族を帯同しないこと、および連続勤務期間を12カ月に短縮する旨の命令を発出した。
従来は、家族帯同の場合24か月、単身での赴任の場合は15か月と基準が定められていた。既に3月には、トルコ南部で勤務する米軍関係者の家族に帰国指示を出していたところ

●なお、現在15か月任期で勤務しているものは、来年8月31日までには勤務を終了する。文民職員も現在は24か月任期となっているが、12か月勤務に短縮される
●米空軍の発表声明は「地域の安全保障環境と米国務省やトルコ政府との協議により決定した」と説明している。

10月14日には2年勤務復活で手当支給も
Turkey USA.jpg●9月21日に今後トルコ勤務は12か月間との指示が米空軍から発出されていたが、10月14日には希望者は24か月間勤務可能で、24か月勤務に応じたものには手当を支給すると米空軍は発表した
手当額は1か月300ドルで、今年8月29日から2018年12月31日の間支給される

●既にトルコ勤務を開始している者も、24か月間の勤務に同意するものは手当支給対象となる
●この空軍による発表は、自主的により長期の勤務に応ずる空軍兵士等に特別手当を支給するものである
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トルコに駐留する米軍兵士等の生活環境や基地外への外出時の制約がどれほどか不明ですが、個人的には、「1か月300ドル」の特別手当が効果を発揮するのか疑問です

Turkey USA3.jpgまた、手当支給の期間が2018年12月31日までとは何を指しているのでしょう。行政手続き上の「当面の区切り」かもしれませんが、ちょっと気になりました。

いずれにしても、米艦艇にイエメン反政府組織がミサイル攻撃を仕掛け、米海軍がイエメンのレーダー基地3カ所に反撃するも、再び米艦艇が攻撃を受ける等、中東情勢はますます不透明性を増しており、ある日突然原油がストップ・・・なんてことになりかねないと心配する一方で、反原発再稼働の県知事が誕生した新潟県や日本との空気感の差を感じる今日この頃です

トルコ政府の不穏な動きと反米
「SAM選定で露に最接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-12
「将軍の4割以上を排除」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-11
「トルコで反米活動激化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-31
「トルコクーデターに噂」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-16-2

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新聞テレビが報じない自身の巨大既得権益 [ふと考えること]

Mass comi.jpg8日付講談社現代ビジネスweb版が、高橋洋一氏による「だから日本の報道は左巻きになる::新聞テレビが絶対に報道しない自分たちのスーパー既得権」との論考を掲載し、日頃まんぐーすが疑問に思っている「報道の左翼化」について、一つの考え方を提示しています

結論は既得権にまみれた環境に安住しているから、厳しいビジネスの世界から隔絶した緊張感がないから、必死に儲けて必死に生き残らなければならない切迫した危機感がない状況だから、左巻きの考え方で平然としていられるからと言うことで、「日刊新聞紙法」や「地上波放送事業への新規参入が実質不可能なこと」を理由に挙げています

圧倒的な発信力を独占している新聞テレビについて意見することは大変リスクを伴い、「捨て身」でないと出来ないことですが、さすがの高橋洋一氏も、本当の細部への言及を避けているような気がします

それでも「決して新聞テレビが報じない」視点であることは間違いなく、ご紹介いたします中国資本の流入を懸念していましたが、その影響については触れていません

新聞は株譲渡を禁ずる「日刊新聞紙法」が
Mass comi6.jpg新聞が(既得権益で守られ、浮世離れの左巻きの)嘘八百になる原因が4つある。まずは、日刊新聞紙法という法律だ。もう1つは再販規制。そして3番目は最近の軽減税率だ。この3つで新聞はすべて守られている。
それにプラスして、新聞社屋のための国有地の売却問題がある。日本の新聞社の多くが、総務省から国有地を安く払い下げてもらって、大手町や築地、竹橋などの一等地に社屋を建設している。ある種の優遇措置を受けてきたと言っていい。

(ご参考:再販制度)
---独占禁止法は自由な価格競争を促進する立場から、商品の製造業者(供給者)が販売店に対して小売価格を指定することを禁止しているが、書籍、雑誌、新聞及びレコード盤、音楽用テープ、音楽用CDの6品目については例外的に、言論の自由や文化の保護という見地から、1953年以来、価格の指定が認められている。
---新聞は、日本新聞協会が新聞の戸別配達の維持や質の低下の回避などを主張して、この制度を死守している

●新聞社は全国紙のすべてが株式会社で、地方紙も株式会社が多いのが、新聞社の株式は、「日刊新聞紙法」によってなんと譲渡制限が設けられているのだ。制限があるとどうなるか。
朝日新聞を例にすると、村山家と上野家が代々オーナーとして株式を所有し、株式の譲渡が制限されているのだからオーナーが代わることがない。このように変化しないオーナーがどんな意見を言うかで、会社の方針全てが決まってしまう

Mass comi4.jpg●ただし、新聞社のオーナーは現場に意見を言わないケースがほとんどだ。すると現場の社長が経営のすべてを握ってしまう。そうして、絶対にクビにならない社長になるというわけだ。
読売新聞の例でも、「なべつね」こと渡邉恒雄代表取締役がなぜ、あれだけの権力を持ち続けられるか考えてみて欲しい。読売は従業員持ち株会もあるのだが、結局会社はオーナーのものだ。

株譲渡がない安泰な経営で、オーナーが口出ししないので経営陣にはプレッシャーがなく、経営トップが大きな顔し続けることになる。
●「日刊新聞紙法」が、新聞社を堕落させていることに、記者も早く気がつくべきだ。自分だけ安泰な身分では、他者に厳しいことがいえるはずない

日経新聞などは企業の不祥事を追求する記事で「コーポレートガバナンスが重要」とよく書いているが、自分の会社が一番コーポレートガバナンスが利かないのだ。
●さらに、その新聞社がテレビ局の株を持つ。朝日新聞ならテレビ朝日、読売新聞は日本テレビといった具合だ。そうすると、テレビも新聞社と同じようにまったくガバナンスが利かなくなる。


テレビ局も既得権の塊:放送法を絡め
Mass comi5.jpg●新聞社が子会社のテレビ局を支配する構造は、前段で触れたとおり。さらに、そのテレビ局が既得権化している理由は、地上波放送事業への新規参入が実質不可能だからである
●「放送法」で総務省の認可がないとテレビ放送事業はできない。免許制度だが、これが既得権まみれの最大の原因。明確に言おう。「電波オークション」が無いことがテレビの問題なのだ。電波オークションとは、電波の周波数帯の利用権を競争入札にかけることだ

●日本では電波オークションが無いため、電波の権利を既存のメディアが独占している。たとえば、地上波のテレビ局が、CSでもBS放送でも複数チャンネルを保有している。
テレビ局は「電波利用料を取られている」と主張するが、その額は数十億円程度で、もしオークションにかければ電波利用料は2~3千億円は下らない。

●つまり、テレビ局は絶対に電波オークションを避けたいので、放送法・放送政策を管轄する総務省に働きかける。総務省も電波オークションで増収になるのは承知だが、それをしないのは、テレビ局は新規参入を防いで既得権を守るため、総務省は「ある目的」のためだ
●そこで出てくるのが「放送法」だ。政府側はこれを根拠に「放送法を守り、政治的に公平な報道を心がけよ」と言い、電波法76条に基づく「停波」もちらつかせる。

電波オークションをやると一番困るのは既存の放送局だ。だから、必死に電波オークションが実現しないよう世論を誘導している。
総務省はその事情を承知しているから「放送法」をチラつかせ、「テレビの利権を守るから、放送法を守れ」という構図だ。それはテレビ局も重々承知。マスコミは役所と持ちつ持たれつの関係になっている

Mass comi3.jpg●この電波オークションの問題は、当然ながらテレビ界ではタブーとされている。電波オークションの必要性を語る論者は、テレビ局では要注意人物。筆者もそのひとりだ。
●もし地上波で「実は電波利用料は数十億しか払ってないけど、本当は3千億円払わなければいけないはず」等と発言すれば、二度とテレビに呼ばれない

●電波オークションをすれば、ソフトバンクなどの国内企業をはじめ、外国資本など巨大資本が参入するだろう。ただし、映像技術が進歩している現在では、放送のための初期費用はそれ程必要ない。新規参入するのに費用は数百億円も必要ないだろう。
●資本力がある企業が有利かもしれないが、技術が進歩して初期費用は低下しており、誰にでも門は開かれている。今は地上波キー局の数局だけが支配し、テレビ局が異常なまでに影響力を強めている。影響力が強いから放送法を守れという議論にもなる。

多様な放送が可能になれば影響力も分散され、全体で公平になる。そのほうが、健全な報道が期待できるだろう。
///////////////////////////////////////////////

既得権にまみれた環境に安住しているから、厳しいビジネスの世界から隔絶し緊張感がないから、必死に儲けて必死に生き残らなければならない切迫感がないから、左巻きの考え方で平然としていられる・・・との視点に立った分析でした。

Mass comi2.jpg各新聞やテレビ局は、ネットやSNSの発達で経営が厳しさを増しているらしいですが、中国資本の侵入を許さないよう皆で監視いたしましょう!

これ以上余計なことを言うと嫌われそうな分野ですので、この業界が「マスゴミ」などと揶揄されないよう、本来の「Mass communication」の役割を果たされんことを祈念しつつ、今日の記事を終わらせて頂きます。
あわせて、高橋洋一氏(嘉悦大学教授)のご無事と今後のご活躍をお祈りいたします・・・

「ふと考えること」カテゴリーより
「なぜ日英戦闘機訓練なの?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-18
「韓国が大量の地中貫通弾購入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-27-1
「石破茂が対中国の法制不備を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-11

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イスラム過激派による無人機攻撃で初の犠牲者 [Joint・統合参謀本部]

UAV-small2.jpg12日付海兵隊タイムズ紙は、10月初旬にISILが使用する爆弾搭載の市販無人機攻撃でクルド人兵士が死亡して仏軍救命救助兵士が負傷し、イスラム過激派による無人機攻撃での初めての犠牲者となったと報じています

また同紙は、最近数ヶ月の間に、ISILに限らず、多くのイスラム過激派が市販無人機を兵器としての使用を試みる証拠が明らかになっているとして、米軍をはじめとする多国籍軍に危機感が高まっていると報じています

小型無人機が簡単に入手できるようになり、このような事態は数年前から予測されていたとは言え、現場の部隊にとっては厄介な課題がまた一つ加わったことになります

12日付海兵隊タイムズ紙web記事によれば
10月2日イラクのエルビル近郊で、ISILが送り込んだ爆弾搭載の小型無人機で、2名のクルド人兵士が死亡し、2名の仏軍救命救助兵士が負傷した。

UAV-small.jpg当該兵士が撃墜した無人機の様子を確認していたところ、搭載されていた小型爆弾が爆発した模様で、対ISIL作戦の報道官であるJohn Dorrian米空軍大佐は、「トロイの木馬」攻撃だと表現した
●また同報道官は「我々はこれまでに、ISILが市販無人機を使用するとの報告を数回受けており、その中には爆弾を搭載したものも含まれている」と明らかにした

●NYT紙も、先月少なくとも2回、ISILが爆発物搭載の無人機使用を行ったと報道している。
●10月2日のクルド人兵士死亡事案では、原始的な発泡スチロール製の小型無人機にテープでプラスチック爆弾と電池が取り付けられていたと、米政府高官の話を引用してAP通信が報じている

●しかし市販無人機の使用はISILだけに止まらない。AP通信はアルカイダが撮影した映像に、シリアの兵舎で無人機を離発着させる映像が含まれていると報じている
●また別の映像には、シーア派のヒズボラがスンニ派をアレッポ近郊で攻撃するため、無人機から小型爆発物を投下する様子が記録されている。AP通信は、これら映像がイスラム過激派による無人機の攻撃使用の最初の証拠だと報じている

無人機対策への取り組み
DroneDefender.jpgDorrian報道官は、米国らの多国籍軍は敵無人機の活動に対処する方策を精力的に追求していると語り、細部に言及できない無人機撃退の「先進システム:advanced systems」のほか、無人機操縦用電波を妨害して無人機を無効化する装備「DroneDefender」を挙げた
●そして同報道官は「敵に友軍を脅かすような能力の保有を許さず、新たな脅威を放置しない」と語った

●軍事研究機関のRebecca Grant所長は、このような「敵無人機の脅威:red drone threat」対処は数年前から議論され、「多くの演習やwar gamesがなされているが、監視レーダーとレーザーの適切な活用が重要だろう」と語っている

米海軍研究所は2014年に艦艇搭載レーザ兵器の試験を成功し、米陸軍も戦闘装甲車両に無人機対処のレーザー兵器搭載を進めようとしている
●DARPAも8月に、今後4年以内に小型無人機からの防御新技術を開発するための支援を要請している
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flying IEDs.jpgこの事例は中東でのイスラム過激派との戦いですが、無人機の脅威は従来の兵器システムの脆弱性を突いてきます。

特に、飛行場インフラの無効化に極めて効果的でしょう。航空機そのものや滑走路だけでなく、多様で多数の脆弱なインフラが戦闘機の運用を支えており、これらへの攻撃に無人機は極めて有効です。

空中戦しか考えていない「戦闘機命派」は、相手の立場に立って脅威の変化を考えるべきでしょう・・・
悪役の考えることは世界共通ですから、すぐに拡散するのでしょう・・・・残念ながら・・・

無人機対処関連の記事
「DroneDefenderをご紹介」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-30
無人機の群れ:Swarmで艦艇の攻撃や防御
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10

2015年の「Best of What’s New」に選ばれた
「海軍研究所の滑空無人機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-04

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英海軍空母が完成後も航空機不足で米軍にお願い [亡国のF-35]

英海軍空母が完成しても搭載するF-35B機数が未定

Queen Elizabeth3.jpg9月29日付Defense-Newsは、来年進水する英海軍の新型空母「Queen Elizabeth」に艦載するF-35B調達が遅れることが確実なため、同空母の艦長が米海兵隊のF-35Bに長期間展開して訓練して欲しいとお願いしていると報じています

本件は9月の米英国防相会談でも議題として取り上げられ、具体的な展開機数などは米海兵隊側が今後検討するようですが、英軍が購入すると長期計画で明らかにしている138機(全タイプ合計で)のF-35調達機数を、多くの英軍関係者が実現不能だと考えている状態でアリ、艦載機が不足する悲しい新型空母になるような予感です

話題の空母「Queen Elizabeth」は、2017年春に進水し、2018年夏から秋にF-35B搭載試験を米東海岸沖で3機の英軍F-35Bで開始し、2020年12月には初期運用態勢を宣言予定で、その後2021年には初の作戦展開を予期しているようです。
空母艦長の希望ベースでは、2019年から8ヶ月間を1展開単位として、米海兵隊F-35Bに来てもらいたいようです。

Queen Elizabeth2.jpgなお、同空母は36機のF-35Bを搭載可能ですが、2023年の段階でも(最高で)計画上は24機のF-35Bしか調達完了しておらず、その後のことは未定(too far away to say)だそうです。
女王陛下のお名前を冠した新型空母に関わらず、「スカスカ」で米海兵隊機が主に利用する空母になりかねない悲しいお話しで、かつ、世界のF-35調達機数が極めて「やわやわ」な見積もりの上に立っており、削減必至である事を示す一例です

英海軍のJerry Kyd艦長(大佐)は記者団に
我が空母に米海兵隊機が来てくれることは確かだが、どのくらいの期間展開してくれるかが最大の関心事だ。6から9ヶ月の期間だが9ヶ月間を期待したい。
●2018年の夏から秋に3機のF-35Bで艦載試験を開始する前に、ヘリコプター(Merlin and Chinook)の運用試験は2018年初から開始する計画である

F-35B-test.jpg●米海兵隊のF-35Bには、3機の英軍F-35での試験が終了次第、早めに展開してきて欲しい。米東海岸沖で試験をすることから、米国側も我々の状況は理解してくれるだろうし、展開も容易だと思う
2015年に英国防省がまとめた「Strategic Defence and Security Review」では、2023年までに24機を調達することを表明しているが、2020年12月の初期運用態勢確立時点では何機使用可能かも未定でアリ、F-35Bを保有する同盟国に依頼しないという選択肢があるだろうか?

米海兵隊機への展開依頼は、英軍が予算不足で十分な機数を調達できないためであり、最終的に空母艦載機が何機調達できるかも最終判断に至っていない
英軍はF-35Bを海軍と空軍で共同運用する事になっており、ユーロファイターと並んで使用するが、現時点で8機を発注して5機を受け取ったのみで、今後の発注契約を取りまとめ中である

米海兵隊のF-35Bを派遣してもらう事は、相互運用性の観点からも有意義である。現在は、政治レベルでの意志決定、時期や展開機数や搭載武器の扱いについて協議を始めており、米側の意志決定を待つ必要がある
●英海軍としては、同時にV-22オスプレイにも展開してもらいたい。オスプレイには大いに興味を持っており、英海軍空母での運用可能性を確認する意味でも米側の検討をお願いしている
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Queen Elizabeth.jpg新型空母「Queen Elizabeth」の艦長とは言え、ここまで英軍の装備調達が厳しいことをプレス向けにはっきり発言して大丈夫でしょうか?

米軍の将来におけるF-35調達機数削減は「火を見るより明らか」だとしばしば申し上げてきましたが、外国の調達機数見積もりが「やわやわ」である事が明らかになってきました。

つまり機数削減→単価高騰の「死のスパイラル」が目前に迫っていると言うことで、これは既存購入機体の維持整備費や部品調達費の高騰にもつながることです

英国軍を考える記事
「なぜ今、日英戦闘機訓練なの?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-18
「予算減で英軍の士気崩壊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-18
「英軍が戦闘機半減へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-13-2
「大なた:英軍の大軍縮」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-19-1

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