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米空軍が初のNCCT活用をレッドフラッグで [米空軍]

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NCCT4.jpg27日付米空軍協会web記事は、2月10日までの約3週間行われた「Red Flag 17-1」が米空軍が目指すより高度にネットワーク化された次世代の戦いを支えるNCCTを、本格的に活用すると明示した初めての機会になったと報じています

NCCTとは「Network Centric Collaborative Targeting」の略称で、具体的なことは短い記事からは不明ですが、複数の航空機やプラットフォーム、更には地上の作戦センターをより双方向的に結びつけ、目標情報や脅威情報を迅速に共有可能にしたネットワークのようです

このネットワークについては、昨年11月に米空軍参謀総長が「Data to Decision」ネットワークと呼称し、各アセットやセンサーが収集した情報を、迅速に共有して機敏で柔軟な意志決定に結びつけることを狙いとし、単一アセットによる戦いからシステム融合の戦いへの変革を目指すもののようです

またこのネットワーク高度化により、迅速さだけでなく、「重複性と強靱性」を強化してネットワークの一部被害への対処力も向上させる狙いとなっています

27日付米空軍協会web記事によれば
Red Flag 17-1.jpg●米空軍は2月10日に終了した「Red Flag 17-1」で、情報収集とターゲティングの複数の新しい手順を披露し、戦場における新たなネットワークへの転換を前進させた
●ネリス空軍基地を根拠に行われた演習では、NCCTの使用が初めて主要目標に加えられ、NCCT参加者が航空作戦センターと融合(integrated)して演習を行った

●コントローラーはまた、初めて「cooperative geolocation」を使用した。これは2つ以上のセンサーやアセットからのデータを活用し、より迅速に目標位置を得て追尾する「machine-to-machine process」である

●この演習での取り組みは、空軍リーダー達が発信してきた、将来の空での戦いの中核は、個々のシステムの能力ではなくネットワークだとのメッセージへのコミットを示すモノ
●ACCの将来計画課長は「本演習では、搭乗員は自身の航空機だけを考えるのではなく、他機との関係を重視してプランを練った」と訓練の特徴を説明した

昨年11月に空軍参謀総長は
Goldfein1-2.jpg●将来の米空軍は、個々のアセットの能力よりも、ネットワーク化をより重視する。
●どうしたら、敵が今まで直面したことの無いような迅速さで、収集した全ての情報を「意志決定に資するレベル」の情報に分析処理できるかを我々は考え続けている

●また、その情報処理伝達の改革効果を、如何に全ドメインに生かし、作戦運用の敏捷性につなげ、意志決定スピードの向上とあわせ、誰も対応できないレベルにすることで敵の抑止につなげたい
●また統合戦力が共通の作戦システムで連接され、(AIなど)machineを生かし、現状の人間による分析判断から脱却したい

NCCT3.jpg●米空軍は「Data to Decision」との新システムを試験しており、将来の統合戦闘を担うものだ。個々のシステムだけでは戦えず、ネットワークの一員として戦う事になる現実を前に、個々のアセット中心の考え方を越える必要がある
●例えば、F-35は統合戦闘に置いて「クォーターバック」の役割を担い、他アセットやシステムからの情報をリアルタイムで処理して提供し、戦場での意志決定をリードするだろう

●更に究極的には、十分に迅速で多層化され「重複性と強靱性」をネットワークが備えることで、一部が被害を受けても継続運用が可能な態勢を生み出すことになる
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米海軍のNIFC-CAとの関係が気になります
また、ネットワークが持つ電子戦や妨害への脆弱性をどう克服するかが気になります。

Aust-UK.jpg更にこの「Red Flag 17-1」演習には、英空軍タイフーン戦闘機や豪空軍のE-7早期警戒管制機も参加しており、同盟国との相互運用性がどこまで検証されたのかも気になります

日本は、戦闘機飛行隊数と戦闘機機数の維持だけしか考えていませんし、(共同開発国でないことから)F-35能力も購入決定した後に徐々に情報を得たような状況でしょうから、ネットワークに関して実質何もしていない状況でしょう。むなしいですね・・

「道遠し?NIFC-CAの現状は・・・」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26

将来の空を制するために
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「5世代機の訓練は実環境とシム融合で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-24-1
「世代間リンクが鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1

「現実的で低価格なF-15能力向上案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15
「Air Superiority 2030計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

「意味不明な日英戦闘機訓練」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-18

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道遠し!?:NIFC-CAの進展状況 [Joint・統合参謀本部]

「E-2D、F-35B、陸軍の対地巡航ミサイル、JLENSはNIFC-CAへの融合試験に成功しているが、F-35CとFA-18とEA-18Gはこれからだ」
「高価な自律誘導装置付の精密誘導兵器だけでなく、安価な誘導兵器が活用可能になる」

Navy-Air-War2.jpg23日までの3日間で開催され約15万人が参加した「WEST 2017」で、米海軍が対中国を強く意識した作戦構想として取り組むNIFC-CAの進展状況等について関係者が語っています。

「WEST 2017」は、米海軍協会等が主催する海軍&海兵隊&沿岸警備隊関係装備品の見本市と、関係者の講演やパネル議論が行われる行事で、今年はサンディエゴで開催されていますが、主要な海軍等関係者と企業関係者が勢揃いするイベントです

NIFC-CA(Navy Integrated Fire Control-Counter Air)については、米海軍等の作戦運用に直結することから、なかなか具体的な検討状況や進展具合が公表されませんが、断片的ながら冒頭に紹介した様な発言が出ていますので、ご参考まで取り上げます

NIFC-CAの基本については下記の記事で
「米海軍のNIFC-CAとは」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26

「最新型E-2早期警戒機が岩国へ展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-16
「F-35がNIFC-CA試験に初参加」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-14
「kill chainからkill webへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-15

「日本&韓国とBaseline 9契約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-28
「日本もNIFC-CAに参加?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-11
「SM-6でBMD対処に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-05

「Baseline 9 :イージス艦の進歩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09
「NIFC-CAとSM-6連携」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-27
「NIFC-CAで空軍と協力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-23

22日付米海軍協会web記事より
Aegis3.jpg●同会議で米海軍関係者は、見通し線外の目標が発見でき、その情報を迅速に正確に交戦参加者が共有できる世界がNIFC-CAで実現できれば、そこには従来多用してきた高度で高価な精密誘導兵器だけでなく、そうでない軽易な誘導兵器や通常兵器も選択肢に加わることになると述べた
●担当の米海軍中佐は、「より遠方の目標情報が、早期迅速かつ正確に、そして継続して得ることが可能な状況では、自らがセンサーや頭脳を搭載して遠方で自律的な行動を期待する高価な兵器は必要性が低下するだろう」と表現した

米軍は、敵の高価でない目標を攻撃するため、高価な兵器を使用して経費がかさむことを問題視しており、前述の中佐が言及した、誘導装置と目標情報を入手できる程度の装置を搭載した程度の比較的安価な兵器が活躍できる環境が期待されている
●ただ同中佐も、多様なセンサーやアセットをネットワークに組み込むことが容易でないことを強調し、異なるセンサーやアセットからの質やフォーマットの異なる情報を融合するには、長期間にわたる多様な試験とソフト面での工夫が要求されると語った

E-2D 4.jpg●それでも同中佐は、米海軍はNIFC-CAをより広い範囲に拡大し、より信頼性を高めるべく取り組んでおり、これが成就すれば、ネットワークに加わる航空機や艦艇が「スマートさ」を増し、経費も節約できると説明した

●パネル討議で別のNIFC-CA担当官は、米海軍はこれまでに、E-2D、F-35B、陸軍の対地巡航ミサイル(Joint Land Attack Cruise Missile)、JLENSのNIFC-CAへの融合試験に成功しており、今後F-35CとFA-18とEA-18Gとの融合試験に取り組み事になると現状を説明した

●また前述の中佐は、「(空中を対象とした)NIFC-CAの最後の部分は対航空(counter air)で、全体から見れば限られた部分だ」、「国防省内で米海軍は、この取り組みを全ドメインでどう活用するかを考えている」、
●そして「現在はNIFC-CAの第一章であり、今後、水上戦や水中戦での脅威にどう活用していくかも、現在ワシントンDCで検討されている一つの取り組みである」と語った
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ATACMS5.jpg陸軍の対地巡航ミサイルが既にNIFC-CAへの融合試験を通過していたとは・・ハリス太平洋軍司令官が南シナ海への「陸軍火力」の「出陣」を熱望していましたが、具体的に進んでいたんですねぇ・・・Happy Surpriseです!

飛行船のようなJLENSは、低空を侵入する巡航ミサイルを探知するためのセンサーですが、強風に係留鎖が切れて大きな被害を地上にもたらした事故で再開の目途が立たない状況です。
従って、要となるE-2Dと海兵隊のF-35だけが実質クリアーとなっているだけです

しかし、NIFC-CAの中核を担う肝心の海軍アセットFA-18やEA-18G、まだソフトが未完成とは言えF-35Cが「手付かず状態」とは、「日暮れて道遠し」感たっぷりです。

また、後日ご紹介する予定の米空軍NCCT(Network Centric Collaborative Targeting)との関係も気になります。米空軍が「高度にネットワーク化された次世代の戦いを支えるNCCT」と表現するものと、NIFC-CAは大いに同じ方向だと思うのですが・・・・

ハリス大将の南シナ海に陸軍火力発言
「南シナ海で陸軍に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16
「クロスドメインだ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05
「地対艦ミサイルで」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06

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Red Flag演習でのF-35成果とF-35座席問題の状況 [亡国のF-35]

F-35 ejection 2.jpg10日、米空軍F-35導入室長のScott Pleus准将がインタビューに答え、射出座席の不具合で体重61.7kg以下の操縦者にF-35搭乗禁止令を出している件について、座席等の改修方針の確認試験が3月で全て終了し、4月には「搭乗禁止令」解除の方向にあると語りました

しかし、4月に制約が解除されると言っても、改修方針が認可されるだけであり、実際に全ての座席改修が終了するには約2年必要と見積もられているようです。
なお、これらの見積もりは全て米空軍用F-35に関する話で、航空自衛隊用のF-35がどのような扱いになるのかは不明です

一方、米空軍内には問題の英国製座席(Martin-Baker製のUS16E)に対する根強い不信感があり、これまで米空軍の主要作戦機が使用してきた米国製(United Technologies製のACES 5)を代替候補として承認しておこうとの動きが続いており、「英国製に隙あらば座席変更」の可能性は否定できず、国家間の製造分担比率の絡む「火種」はくすぶり続けています

おまけで米空軍F-35が「Red Flag 17-1」でそれなりの実力を示し、延び延びになっている欧州パッケージ派遣に目途が立つのでは・・・と思わせぶりな14日付Defense-News記事が出ましたので、F-22との役割分担の考え方らしき部分も含め、戦闘機命派の皆様にお知らせします

13日付Defense-News記事によれば
F-35 Ejection.jpg●2015年に発覚したF-35射出座席の問題は、射出時に軽量操縦者が首を負傷する恐れがあるというモノで、対策とし座席に体重に応じた切り替えスイッチを付加して射出のタイミングを調整する事、射出時に頭を支えるパネルを座席に付加すること、更に操縦時に着用するヘルメットHMDの重量を約250g削減する事の「3つ」で対応を想定しています
●この3つの対策について種々の試験が進み、残りの試験は「電磁環境試験」で、様々な電磁波が飛び交う環境下で、座席が不時射出しないかを確認する試験です。

●最後となる同試験は3月に予定されており、その結果を受けて4月には体重制限を解除出来るのではないかとPleus准将は語った。この対策が実行されれば、要求性能値である体重約47~111kgの操縦者全てが搭乗可能となる
●対策が確定承認できたら、まずF-35操縦者を育成する教育訓練部隊のF-35の改修作業を優先して行うが、1機当たり2~3ヶ月必要と見込まれている。改修に必要な部品の調達は先行して手続きが進められているが、全機の改修完了には2年間必要だと国防省F-35計画室関係者は語っている

代替座席を求める声が依然強く
F-35 ejection 3.jpg米空軍内には問題の英国製座席を米国製に交換すべきとの声が依然として根強くアリ、今後更なる問題が英国製に発生した場合の代替座席を承認しておくべきとの声を受け、米空軍の調達担当部長であるBunch中将が国防省に対し、米国製座席導入のコストやF-35計画全体への影響分析を行うよう要求している
●米国製座席影響分析は3月が締め切りとなっており、分析結果を踏まえ、米国製座席の代替承認に米空軍は進むと見られている。ただし米空軍F-35導入室長のPleus准将は、現時点で私は米国製座席について何のデータも持ち合わせていないので、安全、価格、スケジュール等観点で何も言えないとのみコメントしている


米空軍F-35の「Red Flag 17-1」成果
10日までの約3週間行われた「Red Flag 17-1」は、これまでF-35が参加した事の無い厳しい脅威環境が設定され、米海兵隊F-35Bや米空軍F-22等のほか、英空軍タイフーン戦闘機や豪空軍のE-7早期警戒管制機も参加して実施された。
Pleus3.jpg●Pleus准将は同演習を、米空軍F-35が6~8機のパッケージで展開し、同盟国等と訓練等が可能かどうかを検証する意味でも「milestone event」だったと表現している

●昨年末、当時のJames空軍長官は2017年夏には米空軍F-35が欧州に展開可能になるだろうと発言していたが、地域戦闘コマンド司令官等から派遣要望が出るような実力を示す必要がある
●演習の最終的な分析はまだ出ていないが、空中戦闘では15対1で敵想定戦闘機に勝利し、地上目標攻撃では27目標中の25目標攻撃に成功(残り2目標は爆弾の不具合)、整備体制も90%の稼働率を確保

●Pleus准将はいつ欧州派遣が実現するかを明言しなかったが、全ての観点から新たなチャレンジを行う準備は出来ていると語った。当該F-35飛行隊長も「エキサイティングな事が控えているが、何も言えない」と言葉を濁している
●(ただし気になる発言としては・・・)演習に参加した作戦運用と維持整備関係者は、演習の最後の週になってF-35のパフォーマンスが向上したと語っていた。

3日付Defense-News記事では
F-35two.jpg●同飛行隊長はF-35Aの性能に関し、米海軍のEA-18G電子戦攻撃機の操縦者に「F-35ha多様な脅威とどのように戦うのだ?どのように妨害が可能なのか?」と問われたら、この様に戦うと説明できる
●EA-18Gとデータリンクで敵情報を共有して対処することも可能だが、EA-18Gが電子妨害など電子戦攻撃で敵を凌駕する一方で、F-35は「go ahead and take it out」が可能

●敵が優れた地対空ミサイル等を保有している場合にF-35は優れている。従来は最初に、スタンドオフミサイル等で敵SAMを排除することに全力を尽くす事から始めた
●しかし今回の「Red Flag」では、F-22がスタンドオフミサイルで制空戦闘機を排除し、F-35はサイバー宇宙電子情報アセットである「RC-135 Rivet Joint」とチームを組み、目標情報を共有し、ステルス性を生かして敵SAM射程内に進入して攻撃する。これは第4世代機には危険で不可能なやり方だ
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本来なら、英国や豪州よりも先に、少なくとも同時期に、脅威の最前線にある日本の航空自衛隊は、「Red Flag 17-1」に呼ばれて同盟国としての作戦訓練や共同作戦の検証に参加すべきですがなぜか呼ばれません。安倍総理はトランプ大統領といち早く仲良くなったのに・・・

F-35 luke AFB.jpg日本は共同開発国ではなく、後出しFMS購入国だからとか、色々言い訳はあるでしょうが、日本がF-35の事をよく分からないまま、つまり日本が保有するF-15やF-2との連携など全く考えず、戦闘機飛行隊数と戦闘機総数の維持だけを考えて購入したからでしょう。
航空自衛隊のアセットが参加しても、何も出来ないんじゃないでしょうか・・・心配です・・・

まぁ・・・対中国有事では役立たなくても、最近話題急上昇の北朝鮮「策源地攻撃」とかを持ち出して、F-35を宣伝する輩が戦闘機命派に現れるのでしょう・・・

F-35の主要課題
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
F-3開発の悲劇と日本への提言
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18

F-35の射出座席問題
「射出座席問題に部分的対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-09
「米空軍に国防省と企業が反論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06-1
「米空軍が代替座席の検討依頼」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-25

「座席対策は2018年までか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-09-1
「責任譲り合い:F-35射出座席」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-17
「F-35軽量操縦者が飛行停止」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-02

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CIAも心臓マヒを起こす暗殺ピストルを [ふと考えること]

CIA-poison2.jpg北朝鮮の金正男がマレーシアで暗殺されたらしい事件が注目を集め、未だに日本のトップニュース扱いですが、映画やミステリー小説を地で行くような暗殺兵器はどこの国でも考えるようで、米国のCIAも保有している(いた)模様です

以下の映像は、1975年に上院で開催された「情報活動における政府作戦検証委員会」(通称:Church委員会)の様子を収めた約1分間の記録ですが、ほとんど証拠を残さず、相手にも気づかれないほどの衝撃で薬品を体内に打ち込み、心臓マヒを引き起こして暗殺するピストル検証の様子です

1975年のChurch委員会映像(約1分間)


内容の概要は
●CIAが保有する暗殺兵器、小さなダートを発射して相手の体内に薬物を注入し、心臓マヒを起こす秘密兵器を検証する議会公聴会の様子
●映像に登場するピストルから発射された薬物入りダートは、暗殺対象者の被服を突き抜け、皮膚上に小さな赤いドットを残すだけの痕跡しか残さない

打たれた人間は蚊に刺された程度しか感じず、命中後、ダートは完全に体内で分解する。体内に入った薬物は血流に入り込み、心臓マヒを引き起こす
CIA-poison.jpg●心臓マヒを引き起こした後、薬物は体内ですぐ分解されるため、検死でも心臓マヒが自然発生的なもので無かったと診断されるとは考えにくい

●映画007でジェームズ・ボンドが使用したような兵器だが、全ては1975年の議会証言で明らかにされた事実である
●ただし、この兵器もChurch委員会(情報活動における政府作戦検証委員会)で明らかにされた兵器の一つに過ぎない
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これまでの「金正男」事件の捜査からすると、北朝鮮にはこのような高等兵器が無かったようですが、米国CIAが1975年当時から保有していたとして、どんな場面で使用したのでしょう???
ソ連(ロシア)も、負けず劣らず、えぐい兵器を開発してたでしょうから・・・。

でもこの兵器、本当に説明のような性能なら、現代版「必殺仕置人」になってみたいと思う人、「必殺仕置人」に依頼したいと思う人は沢山いるでしょうね・・・おおこわ・・・

映像で学ぶシリーズ
「核兵器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-05
「米海軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
「米海軍潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-26
「火炎放射器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-2
「負傷者救出ヘリ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-07

「B-2爆撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-01
「AK-47ライフル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-28
「原子力潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-1

映像で見るシリーズ
「12㎏の兵器搭載地上ロボット」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-09
「防空&ミサイル防衛の融合IAMD」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-27-2
「威力強烈:AC-130」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-06
「CASの歴史を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-19

「イメージ中国軍の島嶼侵攻」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
「泣ける:帰還兵士と犬との再会」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-05
「レーザー兵器試験@ペルシャ湾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-13

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トルコがロシア製防空ミサイル導入に傾く!? [安全保障全般]

S-400-launch.jpg22日、トルコ国防相が紆余曲折を続ける長射程防空&ミサイル防衛システム選定について、ロシア製の「S-400」が最も選定される可能性が高い(closest option)と言及し、2013年から続く米国、中国、ロシア、ドイツ、フランス、イタリアと関連企業を巻き込んだゴタゴタに、新たな動きを示唆しています。

この選定は2013年に中国製に一端決定したものの、実質トルコの防空を担っている米国やNATOシステムと連接できない等の問題から米国等が猛反発し、2015年11月にはトルコ政府が中国製の選択決定破棄を発表して国産開発の方向を示唆しました。

しかし昨年10月、トルコ大統領とプーチン大統領の会談で、2013年当時は高価格を理由に排除したロシア製の選定への参加をトルコ側が再度要請し、今日に至っていました

まぁ考えてみれば、純粋に防空能力や軍事作戦運用の比較と言うよりも、政治レベルの外交カード(又はリトマス試験紙)になっている感がある同ミサイル選定です。
対ISやトルコの治安悪化を巡り、米露の駆け引きが活発になり、トランプ政権の対露姿勢に関心が集まる昨今ですので、その「指標」の一つとしてご紹介しておきます

22日付Defense-News記事によれば
Turkey Fikri Isik.jpg●22日、トルコのFikri Isik国防相は、トルコとロシアの間で行われている長射程防空&ミサイル防衛システム「S-400」の交渉について、「かなり進展した」と語った
●更に同国防相は「S-400が最も選定される可能性が高い(closest option)」と述べる一方で用心深く、「明日契約を結ぶような段階にあるわけではない」とも説明した

●そして同国防相は、トルコはトルコの防空のため、防空&ミサイル防衛システムを国産する事を優先しているとも語っている
●折しも、米独伊が共同開発したパトリオットミサイルの後継となるMEADS(Medium Extended Air Defense System)の売却に関し、約4400億円とも言われるシステムのトルコ仕様へのカスタマイズ等について、トルコとの交渉が4月から始まっている時である。

2013年に中国CPMIEC製のシステムを約3600億円で調達すると決定した際、トルコはロシア製を「法外に高価格:exorbitantly expensive」と評して選定から排除していた

トルコ長射程防空システム選定の紆余曲折・・・
●2013年9月
CPMIEC-SAM.jpgトルコ政府は中国CPMIEC製のシステムを約3600億円で調達すると決定
(この選定においてロシア製は「価格が倍以上」として不採用になった。他にはPatriotを提案の「レイセオン&ロッキード」と、SAMP-1を提案の「European Eurosam」(仏と伊)が参戦していた)

以後、米国やNATOが、中国製システムと既存の西側防空システムは情報保護の観点から連接不可能で、作戦運用上で極めて非効率で問題ありと強く抗議

●2015年11月
トルコ政府が中国製を選択した決定の破棄を発表し、国産開発の方向を示唆し具体的関係企業2社に言及
一方で発表後も、米企業チームと欧州チームとも並行して選定協議を継続していた

●2016年10月
10日付Defense-News記事がトルコ外交筋の情報として報ずるところによれば、2016年10月イスタンブールで開催された世界エネルギー会議に出席したプーチン大統領とトルコのエルドワン大統領が会談し、トルコがロシアにミサイル機種選定に参加するよう招待した模様
なお、仮にロシア製を選択した場合、中国製と同様に、既存の西側防空システムとの連接は不可能となる
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Turkey Fikri Isik2.jpgトルコが準国営の2企業「Aselsan and Roketsan」への技術移転要求のため様々な動きを見せているのか、米国や欧州諸国とロシアを天秤にかけて価格交渉を有利に進めようとしているのか、トランプ政権の出方を探るための威力偵察なのか不明ですが、何処の国もしたたかにやっていますねぇ・・・

最終的に国の安全保障上の最大の担保は、健全なバランス感覚を伴う情勢認識力や判断力を持つ国民の存在なのですが、国防への研究協力を拒否する大学の存在や、重箱の隅をつついて揚げ足取りしかやらない民進党など、まだまだ改善の余地がありありのようです・・・

トルコ防空システム選定のゴタゴタ
「SAM選定で露に最接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-12
「中国製決定を破棄」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-16
「トルコ大統領訪中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-30-2

「NATOと連接しない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-20
「4度目の延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-04
「トルコが中国企業と交渉開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-27

米国とトルコ関係の関連
「対ISで露とトルコが共同作戦?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-22
「トルコがF-35追加購入へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-01-1

「駐トルコに家族帯同禁止や特別手当」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-17
「将軍の4割以上を排除」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-11
「トルコで反米活動激化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-31

米露関係を考える素資料記事
「露最大の軍事企業CEOが語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-21
「露がINF条約違反の巡航ミサイル?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「対IS作戦で米露の主張対立」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-24
「対ISで露とトルコが共同作戦?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-22

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海兵隊司令官が生活習慣にも注意喚起 [Joint・統合参謀本部]

Neller5.jpg7日、米海兵隊司令官のRobert Neller大将が25項目に亘る「隊務運営指示」を発令し、各レベルの指揮官に対して「訓練の改善」「将来作戦戦略の策定」「インフラの維持整備」等々を指示したようですが、特により個人的な生活習慣(飲酒や余暇の過ごし方等)に踏み込んだ内容が含まれたことで注目を集めています

この「隊務運営指示」は「fragmentary order又はFRAGO」と呼ばれ、2015年末に就任したNeller海兵隊司令官にとっては2回目のFRAGOだそうです。
ですから、そんなに頻繁に発令される性格の命令ではなく、じっくり部隊全体を見渡して、節目節目で長期的な指針や要望事項を部下に示す役割を担う性格の命令です

なんと言っても日本とも関係が深い米海兵隊の隊務運営と、兵士の生身の姿を感じることが出来る今回のFRAGOですので、全文を確認したわけではありませんが米軍事メディアからつまみ食いで興味ある部分をご紹介します

7日付Military.com記事によれば
Neller3.jpg●7日にNeller海兵隊司令官が発令した司令官として2回目のFRAGOは25項目から構成されているが、より兵士の個人的生活習慣に言及している点で注目を集めている

●同司令官は2016年に亡くなった152名の海兵隊員に言及しつつ、戦闘行動での死者は僅かに1名で、自殺が35名、そしてその他の「不注意や乱暴な行為」に起因する事件や交通事故の犠牲者を悼んでいる
●Neller大将は「もっと上手くやれるのではないか。お互いに注意し合っていい仕事をしなければならない」と呼びかけている

●今月行ったインタビューでも、同司令官は防ぐことの出来る死亡事故が多発している現状を、部隊に対して注意喚起したいと訴えていた
●そして「海兵隊員の多くが所属する部署や大隊程度の範囲にしか視野が向いておらず、ストローの穴から世界を見るような狭い世界で暮らしているように危惧している」と表現し、「海兵隊員皆に、より大きな組織に属し、全員でその任務を遂行しているのだと言う事に思いを致して欲しい」とも語っていた

Neller2.jpg●具体的には、海兵隊員が関連する家庭内暴力、性的暴行、いじめ等、違法で暴力的な危険行為の多くが飲酒と関連していると、同司令官は指摘していた
●今時のFRAGOの中でも、同司令官は過度の飲酒や喫煙、更に食生活の乱れを「敵を利することになる」「自己虐待」だと断じ、「スマホなど電子デバイスを脇に置き、安楽椅子から離れ」、食事のバランスを考えて体重管理を行い、健康管理を再確認せよと記している

●司令官は、海兵隊がフィラデルフィアのバーで1775年に行われた議論から生まれた歴史や、酒を楽しみつつ部隊の団結をはかる海兵隊文化を承知しつつ、あえて過剰飲酒の問題をFRAGOで取り上げたのだ
●「我々の文化の一部だから、難しいことは判っている。しかし海兵隊員には、プロなんだろ、戦場に行くんだろうと言うべきだと考える。君の能力発揮を妨げるような事をするべきではないと言うべきだ」と司令官は語った
●ただし、具体的な飲酒量や制約を課す予定は無いとも同大将は述べ、自分自身に対し、その習慣が自らの成功を邪魔しているのではないか問いかけるよう促したいと語っている

余暇の過ごし方や勉学の勧めも
Marine-okinawa.jpg●同司令官は、司令官の推薦図書から少なくとも5冊以上は読むことや、より高い学位の取得を目指すよう部隊や兵士に呼びかけており、海兵隊の開発コマンドに、下士官に学士や同程度の学位や資格を取得させる計画を検討するよう命じている
●また同司令官は、現在はあまり人気が無い、一端軍務を離れてあらたな勉学や経験を積む「Career Intermission Program」を推奨している。更に、大きな海兵隊基地と地域の大学が協力し、下士官に学位取得や能力開発の機会を提供する取り組みにも着手している

●今回のFRAGOの最後の項目は、建設的な意味で「もっと楽しめ:Have more fun」と推奨している。兵舎で過ごすばかりでなく、サーフィンを始めるも良し、新しい語学を学ぶも良し、仲間や社会とのつながりを持ったり、地域の自然に親しんだりして余暇を過ごして欲しいと呼びかけている
●また、海兵隊の訓練の厳しさから逃げるのではなく、「仲間とぶつぶつ文句を言いながらも、笑い飛ばして取り組め。共に乗り越えた苦難は団結を強固にする。退役する時になって、一番思い出すのがこんな時の事なんだ」と兵士に示している
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沖縄の基地反対派の皆さんから見れば、海兵隊員はとんでもない奴らだ・・・になるのかも知れませんが、全く持って人間臭いというか、万国共通というのか、程度の差はあれ指揮官やリーダーの悩みはいずこも同じというのか、社会の縮図というのか・・・色々と考えさせられる海兵隊司令官の指示(俺の思いを感じてくれ文書)でした。

Neller4.jpg152名の犠牲者の中で、「result of combat action」が「Only one」だとは、驚きの統計です。

でもなんと言っても国防長官も副長官も、更に軍人トップの統合参謀本部議長までもが「海兵隊出身者」という、確率的にもあり得ない、偶然とは思えない現在の国防省の態勢です。
強面の代表格で、それらしい風貌のRobert Neller米海兵隊司令官に置かれましては、ますます士気高く頑張って頂きたいと思います!!!

Neller海兵隊司令官の関連
「基本的な防御手段を復習せよ」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-10

「米海軍将軍:妨害対処を徹底する」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-21
「空軍OBも被害対処を重視」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-23-1
「被害状況下で訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-23

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露最大の軍需企業CEOが米との関係など語る [安全保障全般]

Chemezov.jpg20日付Defense-Newsが、ロシア軍需産業の7割を担う巨大企業「Rostec」のCEOであるSergey Chemezov氏との独占インタビューを掲載し、米国とロシアの関係が注目される中、同社と中東やインドやイラン等との武器売却交渉の状況や、米国軍需産業との協力等について状況を紹介しています

インタビューはUAE開催中の兵器等見本市「IDEX in Abu Dhabi」会場付近で行われていますが、同CEOが2018年開始予定のUAEとの「第5世代軽戦闘機共同開発計画」を明らかにしており、米国と中東諸国との関係が微妙になりつつある中、中東との接近度を機を失せずアピールする「立ち回り」はさすがです。

Chemezov4.jpg折しも20日は、マティス国防長官が初の中東訪問の最初の国(2番目はイラク)としてUAEを訪問し、皇太子と会談していたタイミングであり、UAEと結託して共同開発話を披露したのでは・・・とまで感じさせる同CEOの同日の動きです
そして米国との関係に関する発言からは、微妙な表現で相手の反応を探るような言い振りが見られ、まだまだ米国とロシアの関係は、双方の探り合い状況にある雰囲気が感じられます

20日付Defense-News記事によれば
Chemezov3.jpgロシアは米国に次ぐ軍需装備輸出国で、1兆6千億円を超える利益を上げている。「Rostec」はそのロシア軍需産業の7割を傘下に置く巨大企業で、企業収入の7割を軍需装備品で上げている。ただ企業は民需の割合を高めて5分5分にしたい意向を持っているようである。
●20日、「Rostec」CEOのChemezov氏は「IDEX」での記者会見後にインタビューに応じ、会見で明らかにしたUAEとの「第5世代軽戦闘機共同開発計画:light combat fighter」の補足説明や、米国を含む他国とのビジネスの状況を語った

UAEとの「5世代機開発計画」は、協力関係の詳細を今後詰めていくことになるが、UAE政府かUAE企業との共同事業を2018年から7~8年かけて行う方向で、機体製造はUAEの要望に応えてUAE国内で行い、周辺諸国への需要にも応えたいと同CEOは語った
●同CEOは、従来米国が押さえていた市場に参入する自信を示し、競争力の高い価格と品質の組み合わせで、幾つかの分野で米国から市場を奪えるのとの自信を示した

●同社はインドとも5世代機の開発協力を発表したばかりで、インドの「第5世代先進medium combat aircraft」開発を支援する事が明らかになっている
Chemezov2.jpg●また同CEOは細部に触れなかったが、インドネシアにSu-35戦闘機を輸出する交渉が行われており、近いうちに契約が結ばれるだろうと語った

エジプトも同社と交渉中で、Mig-29戦闘機に関心を示している。エジプトと同社は、2014年に航空機、ミサイル、沿岸防御関連で約3800億円の契約を結んだ実績もある
●同社はイランに地対空ミサイルS-300を約1100億円で輸出したが、更なる装備品輸出の可能性も同CEOは示唆し、「我々は攻撃兵器をイランに輸入しない取り決めをしているが、防御兵器については対応可能である」と表現した

米国との関係については
●国防分野でのトランプ政権との協力強化に関する質問に対して同CEOは、トランプ大統領がビジネス好きで、ビジネス優先と発言していること等に触れつつ、「cautious optimism」を示した
Chemezov5.jpg●そして「トランプ大統領はビジネス界を代表しており、ビジネスとは経済的利益でアリ、経済的利害は政治を常に上回る」「結局のところ、経済関係が良ければ米露関係の改善に好影響があるだろう。それを望んでいるし、世界の政治環境にも自然と影響を与えるだろう」と述べた

●同社関連の事業についてはボーイングとエアバス社との関係に触れ、Rostec製のチタニウム合金を使用した航空機部品で協力関係が続いていることに言及しつつ、「民間航空機用に米国企業と共に開発した合金部品は、軍事装備品にも使用可能だから」と語った
●トランプ大統領のロシア軍需産業への姿勢についての質問に同CEOは、「どれくらい我々にフレンドリーか判らない。ロシアにまだ来ていないんだから」と語った
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フリン氏の辞任に伴い、20日にトランプ大統領が次の安全保障担当大統領補佐官候補に現役兵士であるH.R. McMaster陸軍中将を指名しました。同中将の肩書きは「Director of the Army Capabilities Integration Center」で、軍事戦略の専門家として名を馳せてきた人物らしいです。

trump-mcmaster-kellog.jpgMcMaster陸軍中将の指名を、上下院の軍事委員長であるマケイン議員やThornberry議員が諸手を挙げて歓迎する意向を直ちに発表するなど、いい人のようです。

臨時で現在安保担当補佐官を務めているKeith Kellogg退役陸軍中将が、NSCの「chief of staff」になるのは良いとしても、ネオコンで悪名高い「John Bolton」が何らかのポストに就くともトランプ氏が明らかにしており、気になるところです

写真は、左が「McMaster陸軍中将」、右が「Kellogg退役陸軍中将」です

いずれにしても、いつもラフな格好の「バノン氏」を含め、なかなかいい男のティラーソン国務長官や上記のメンバーがどのような対露姿勢を打ち出すのか、気になるところです。
対中国では「ビジネス重視」が明らかになりつつアリ、対露は対IS協力が焦点となりつつも、ロシアと中東やイランの関係も無視できない気がしますが・・・

米露関係の関連記事
「露がINF条約違反のミサイル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「IS攻撃に米露の主張対立」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-24
「露とトルコが対IS共同航空作戦!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-22

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米空軍にエスコート電子戦機再び!? [米空軍]

EF-111A Raven.jpg21日付米空軍協会web記事が、カーライル米空軍戦闘コマンドACC司令官とのインタビューを紹介し米空軍が約20年ぶりにエスコート型(随伴型)の電子戦機導入を検討していると明らかにしました。

米空軍は、戦闘爆撃機だったFB-111を電子戦機に改良したEF-111を20年前まで運用し、敵地深くまで戦闘機等と共に行動させで電子戦面から援護する役割を担わせていましたが、その後はステルス機や精密誘導兵器によって敵防空網を無効化する手法を重視し、エスコート型電子戦機は保有しませんでした

EF-111引退後、米空軍は必要時に、米海軍のEA-6Bに空軍電子戦幹部を搭乗させてもらってエスコート電子戦を行い、現在も米海軍のEA-18Gに同様の依頼をしています。
EA-6B 2.jpgしかし、EA-6Bが4人乗りであったのに対し、EA-18Gは2人乗りであるため空軍士官を搭乗させることが容易ではなく、また敵の防空網が強化される中で、ステルス性だけで安全を確保する事が難しくなってきていることから、米空軍の動向が注目されてきました

例えば米空軍は、使い捨ての無人デコイMALDの電子戦型MALD-Jを数年前に導入してエスコート型電子戦能力を強化し、各種攻撃機の搭載電子戦機材の強化を進める方向に向かっています。
そんな中、次期制空機(PCA機:Penetrating Counter-Air:第6世代戦闘機だがそう呼称しない)を電子戦型に改良する方向で、エスコート型電子戦機を考えているようです

21日付米空軍協会web記事によれば
●カーライル司令官はAir Force Magazineとのインタビューで、EF-111引退後、約20年ぶりとなるエスコート型電子戦機を再び導入し、米海軍機からその任務を譲り受けることを検討していると語りました

Carlisle-FB3.jpg●同司令官は「PCA機だけでなく、我々には(ステルス機をエスコートも出来る)突破型の電子戦攻撃機(PEA機:Penetrating Electronic Attack)が必要だと思う」と語った
●更に同大将は「PEA機はPCA機の派生型で、PCA機より少し速度の速いモノを考えている」「無人機である可能性もある」「このように考え検討すべき事が多くある」と語った

●そして米海軍電子戦機との関係について触れ、「米海軍は、艦艇群の作戦運用方に沿い、スタンドオフ電子戦に傾きつつあるようだ」と述べ、
EA-18G F-35.jpg●海軍と空軍の関係について、「戦域レベル(theater-level)の航空戦力を担う米空軍には、突破型の(随伴可能な電子戦)アセットが必要でアリ、また私が思うに、米海軍がstandoffに集中し、米空軍が(突破能力のある)stand-inに注力することで、統合でのシナジー効果が期待できる。それにより、海空軍が結びついて最大の電子戦攻撃能力を発揮するのだ」との構想を明らかにした

●現在、米空軍全体が関係するドメインをまたぐ指揮統制機能について「Enterprise Capability Collaboration Team」がレビューしているが、そのレビュー終了後は電子戦に同チームが取り組み、電子攻撃能力の構築計画を見直す
●米空軍はまた、Work国防副長官が立ち上げた統合での戦域電子戦検討にも加わり、国防省全体での整合を図っている
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推測ですが、米海軍が「スタンドオフ電子戦に傾きつつある」のは、EA-18G電子戦攻撃機がFA-18をベースにした機体でステルス性がなく、中国沿岸等の濃密な防空エリア突入に大きなリスクが伴い、かつ、空母群自体がNIFC-CA構想により、より遠方の見通し線外から作戦を遂行する方向にあるからでしょう

背景には、中国軍の対艦弾道ミサイルや各種巡航ミサイルの発達&配備、中国潜水艦の性能アップ等々で、米空母群が第一列島線内に入りにくくなっている事があり、ゆえに「艦艇群の作戦運用方に沿い、スタンドオフ電子戦に傾きつつある」のでしょう。

MQ-25A.jpgまだまだ対中国A2AD作戦の海空軍すり合わせ途上でしょうが、予算厳しき中、電子戦分野で「standoff」と「stand-in」の分担が明確になるのは統合作戦検討の進展の証拠と理解しておきましょう。

でも、米海軍が初の空母艦載無人機を、突破型の攻撃アセットではなく、空中給油と軽攻撃アセットにする事には到底納得がいかず、この方向はWork副長官らに是非修正して頂きたいものです。

海軍と空軍の航空電子戦動向
「ステルス機VS電子戦攻撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「EA-18Gで空軍の電子戦を担う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-08
「空軍用に海軍電子戦機が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-09

「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12
「緊縮耐乏の電子戦部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-29-1
「MALDが作戦可能体制に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-29-1

電子戦で劣勢な米軍の「あせり」
「副長官が国防省として検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-19
「米陸軍電子戦失われた15年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-16
「米軍の電子戦の惨状と取り組み」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-17-1
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02 

将来の空を制するために
「Air Superiority 2030計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「世代間リンクが鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1

空母艦載の無人機について
「呼称CBARSは好きでない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「UCLASSはCBARSへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-02
「UCLASS選定延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1
「米海軍の組織防衛で混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01
「国防省がRFPに待った!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-12

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F-35最終試験は1年遅れでも計画通りは不可能 [亡国のF-35]

今年夏の開始が期限だったF-35最終試験が、来年の夏になっても実施の目途立たず

F-35 luke AFB.jpg16日、国防省F-35計画室長のBogdan中将が下院軍事委員会で証言し、以前から繰り返し国防省試験評価局が「少なくとも16ヶ月は開始が遅れる」と指摘していた、今年夏までに開始予定の完成版F-35での最終試験開始時期について、1年後でも必要な機数が確保できないと認めました

そして、試験に必要とされている23機が確保できないが、試験開始が遅れると経費がかさみ、試験で明らかになる不具合対策を生産ラインに反映させるタイミングが遅れるため、少ない機数でも可能な部分から試験を開始できないか関係部署と相談したいと述べました

Gilmore.jpgこの試験は初期作戦運用試験(IOT&E:initial operational test and evaluation)と呼ばれるもので、当面の完成版ソフト「3F」を使用した総合的な能力確認試験で、今年1月に試験評価局長のレポートでは、今年8月までに開始する予定となっている同試験(IOT&E)は、主に「ソフト3F」開発の遅れで、早くとも16ヶ月開始が遅れ、2018年12月から2019年当初の開始となるだろうと指摘していました

一方でF-35計画室側は、数ヶ月遅れる可能性があるがまだ不確定と言い続けていましたが、結局再び、Gilmore試験評価局長の指摘が極めて正確であったことが示されたわけです。
1月10日発表のレポート紹介記事
「システム試験は6割も残置」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-13

17日付米空軍協会web記事によれば
●16日、下院軍事委員会で証言したBogdan中将は、夏までに開始する計画となっていた最終試験「IOT&E」に必要な「ソフト3F」搭載の機体23機が準備できず、1年後も18機程度しか準備できないのが現状だと認めた
●しかし同中将は、試験開始を1ヶ月遅らせる毎に、毎月追加経費が33億円発生し、かつ、試験で発生した不具合対処と生産ラインへの反映が遅れることにより、不具合を抱えた機体の生産がより長く続くことの問題を訴えた

Bogdan3.jpg●そこで国防省F-35計画室長は、試験評価局に少ない機数でも、可能な試験項目から出来るだけ早期に開始できないか要請していると明らかにした
●同中将は更に、「試験に必要な23機が準備できないと言っているのではない」「提供できる範囲の機体で可能な試験を早期に開始できないか依頼している」と説明し、準備が間に合わない機体を可能な限り早期に準備することを約束するとも証言した

スケジュール維持を優先するあまり、必要なシステム設計を簡易に行ったり、開発手順を省略しているのではとの議員からの指摘に対してBogdan中将は、「近道するようなことは決してしていない:I never cut corners」と反論した
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1月10日に試験評価局が発表したレポートは・・・
●未対策、又は対策不十分で遅れにつながる16分野を指摘
mission systems試験の進捗は41%で、試験の進捗で要確認項目が増加中
初期製造の機体は信頼性が低く、試験のペースに対応できていない
●今後の最大の課題は関連サブソフトとの融合試験
・・・・等々を厳しく指摘

F-35-Face.jpgレッドフラッグ演習で素晴らしい性能を発揮したとか、間もなく欧州に展開かとか、色々「大本営発表」が続いていますが、これが実態です。

試験評価局は議員立法で誕生した「国防省の開発もの監視機関」で、そのレポートは「歯に衣着せぬ」辛辣な表現が並びますが、少なくともこれまでのF-35計画に関する評価は正しかったと言えます。今後も注目です

なおBogdan中将には、トランプ大統領から直接電話がこれまで2回もあったそうです。電話の際、トランプ大統領の側はFA-18を製造するボーイング社のCEOが同席していたこともあり、「秘密情報には触れていない」と同中将は説明していますが、さぞかし「しびれる」電話だったと想像いたします

関連の記事
「システム試験は6割も残置」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-13
試験と訓練を急いで火災事故 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-22-1
空軍機火災の原因は不明のまま→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-09

「トランプ再びFA-18大量発注を示唆」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-18
「トランプ:F-35の代替にF-18改良型を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-23-1

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再びトランプがFA-18大量購入を示唆 [亡国のF-35]

「(FA-18の)大量発注を真剣に検討中。そのうち明らかになる」

Trump rullout.jpg17日、トランプ大統領がボーイング社の旅客機完成式典に参加しF-35の価格が下がらなければ最新型FA-18を米海軍用に大量購入する可能性を再び示唆しました。

トランプ大統領は、昨年12月12日に「F-35開発計画とそのコストは制御不能」とツイートし、クリスマス直前の22日には再びツイートで「ロッキードマーチン社F-35の恐ろしく莫大な費用とコスト超過を考え、私はボーイング社に同等のF-18製造価格を問い合わせたところだ」と発信して関係者に衝撃を与えました

その後、ロッキードCEOや国防省F-35計画室長等がF-35価格の将来低下等を説明し、規定路線そのままながら「価格の大幅低下」で政治的決着を図ったように見えました。
もちろんマティス国防長官には、F-35Cと最新型FA-18との性能や価格比較を実施して報告するよう命じていましたが・・・・

そんな中、式典参加のためサウスカロライナ州を訪れたトランプ大統領は、プリーバス首席大統領補佐官らとボーイングCEOと協議した後、冒頭の言葉を含むスピーチを行いました

17日付Defense-News記事によれば
FA-18 XT.jpg●17日、ボーイング社の旅客機「787-10 Dreamliner」完成披露式典に参加したトランプ大統領は、「我々は米国軍を再建する。ところで、FA-18を活用するアイディアはどうだろう。それともあれ(F-35)だけで行くか。どう思う?」「(FA-18の)大量発注を真剣に検討中。そのうち明らかになる」と語った
●更にFA-18に関して言及し「課題はボーイングCEOのDennis(Muilenburg)が、とてもtough negotiatorであることだ」と語った

●また同日のスピーチ後、大統領は記者団に対し、仮にF-35価格が継続して低下しなければ、将来のF-35調達を中断(削減)し、FA-18を追加発注すると語った、またTimes誌のZeke Miller記者によれば、大統領はFA-18のステルス性向上改修の推進派である
●式典の行われたボーイング工場では、大統領とボーイング関係者の面談が行われ、同席したプリーバス首席大統領補佐官の手には「FA-18 XT」、つまり「Block 3又は Advanced Super Hornet」の説明史料が確認されている

Muilenburg.jpg米海軍は2017年度予算で2機のFA-18を葉注しており、2018年度予算にはFA-18の最終調達となる14機が含まれる予定である。しかし、この大統領発言により、まだ断定できる段階には無いが、ボーイングが追加発注を受け生産ラインが維持される可能性が生まれた
●大統領就任直前にトランプ氏は、ボーイングと国防省F-35計画室の双方から話しを聞いているが、その様子についてBogdan国防省F-35計画室長は、空母艦載用F-35とFA-18の適切な組み合わせ検討に資するものだったと表現していた

●なお、もう一つのボーイング社関連の懸案である大統領専用機「Air Force One」後継機については、「前政権による難しいプロジェクトだが、決着に向け少しづつ近づいているように思う」と大統領は語った
///////////////////////////////////////////////////

F-35に関しては、規定路線の価格低減を利用し、大統領の豪腕で価格を下げさせたかのように見せる「政治ショー」で幕引きかと思っていましたが、まだまだ続きがありそうです。
F-35-canopy.jpgFA-18をいくら改良しても、F-35C並みの性能は難しいでしょうが、もともとF-35Cにそれほど肩入れしていなかった米海軍を上手く利用し、F-35製造ロッキード社との「ディール」環境を作っているのかもしれません。

誰が大統領の後ろで作戦を練っているのか不明ですが、面白い展開になって来ました。
日本では、中国A2AD対処の米軍戦略を巡り、ASBからOSC、更にはDBDやASL-Bなどの戦略の比較や言葉の解釈で盛り上がっているようですが、実際はこのようにドロドロした世界で流れていくのです

机上の空論だけでなく、学者の論争だけではなく、政策担当者の生の発言や動向をフォローする努力を怠っていては、米国の真の対中国軍事動向は読めませんし、当然日本の政策への提言など出来ません
Tokyo.jpgまぁ・・・防衛省や自衛隊の研究組織には、現場の実態を直視し、あるべき方向性を提言する覚悟と意気込みが決定的に欠落しているので、期待してはいけないのでしょうが・・・

その典型が、最近航空自衛隊内に設置された「幹部学校航空研究センター」であり、その成果物である「エアパワー研究」です。
「現実から遊離した机上の学問よりも、実際の日常活動を通じて行動することこそ、真の学びである・・・常に現場のことを考え、現場が必要とする真の研究活動を継続していきたい」とのスローガンが空しく響く中身です・・・

「エアパワー研究」第3号
http://www.mod.go.jp/asdf/meguro/center/20_stdy/arpw03/index.html

トランプ氏とF-35
「政治ショー?価格削減公表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-25
「F-35の代替にF-18改良型を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-23-1
「F-35予算削減ツイート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-13

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基地の整理統合BRACへの姿勢は4軍でまちまち [Joint・統合参謀本部]

BRAC3.jpg8日、上院軍事委員会の即応態勢小委員会で4軍の副参謀総長や副司令官が証言し、強制削減や暫定予算状態の早期解消を訴えたほか、Jim Inhofe小委員長からの基地整理統合BRACに対する質問に対し、4軍それぞれのスタンスを回答しています

基地整理統合BRAC(base realignments and closures)はその名の通り、余分な基地の廃止や整理統合を検討する事を指しますが、BRAC(ブラック)との呼称が示す通り、議員にとっては選挙区内の雇用や税収に直結するセンシィティブな言葉であり、国防省側がBRAC検討を要望しても、議会がかたくなに拒否しているのがここ数年の構図です

今回4軍のサブトップの証言をご紹介するのは、各軍種によってBRACへの姿勢が全く異なる様子がよく分かる対照的な証言が行われているからです。
結論から言うと、BRAC意欲が強い順番に陸軍>空軍>海軍>海兵隊で、海軍と海兵隊は極めて消極的です。そして小委員長自体は経費がかかりすぎるとの理由で「皮肉たっぷりに」反対派です

9日付Military.com記事によれば
BRAC2.jpg●8日、4軍の副参謀総長や副司令官は、これまで継続的に繰り返し訴えている(made well-worn cases)、装備品の維持整備や近代化の足かせになっている強制削減や暫定予算状態の早期解消を口を揃えて訴えた

●そんな4軍サブトップからの証言の後、Inhofe即応態勢小委員会は、自らは強く反対の姿勢だと明示しつつ、4名の軍人に基地整理統合BRACに対する見解を求めた
●同小委員長は具体的に、「私は過去6回のBRACを見てきたが、例外なく、どのBRACも当初の3年間に多くの経費を必要としてきた」、「皆さんが訴えたように、無駄な税金の支出に耐えられない予算が貴重な歴史上のタイミングにあり、維持整備費や近代化問題を解決すべき時に、BRACをどう考えるか?」と問いただした

●なお昨年Work国防副長官はBRACに関し、レターを発刊し、国防省には余分な基地や施設が22%もあり、BRACを早期に検討して実行に移したいと要望している。
●しかし2017年度予算や関連の予算では、議会によってBRACを許可しない旨が明示されており、2018年度予算等にBRACを組み込む場合は、春の予算案提出時に要求する必要がある

BRAC.jpg●BRACに対し米陸軍のDaniel Allyn副参謀総長は、国防省の姿勢を支持し、早急にBRAC検討を開始すべきだと主張し、「3年前から継続して強制削減や暫定予算状態の早期解消を訴え、かつ内部では、必要な経費捻出を迫られているが、BRACは経費節減の有力な分野である」と語った
●そして過去のBRACの実績を強調し、「2005年のBRACにより、毎年約1100億円の経費節減が実現しており、1988年のBRACに至っては毎年約2200億円の削減で貢献している」と説明し、「全世界で154の施設を維持している我々は、使用の有無に拘わらず、1施設当たり約30億円以上の維持経費を必要としている」と現状を語った

Steve Wilson空軍副参謀総長は、陸軍ほど積極的な姿勢を示さず、オプションを検討する用意がある(open to exploring its options)と表現し、更に「米空軍基地施設には25%の余剰があり、より懸命な予算使用の機会がある」「(余剰施設や基地維持のための)スタッフに給与を支払う必要があり、倹約の対象として検討すべき」と回答した

米海軍のNo2であるBill Moran副作戦部長は、BRACに否定的な姿勢を示し、「米海軍に施設の過不足問題は無く良い状態だ」「沿岸の湾施設等を決して手放してはならないと若い頃から教えられている」と回答し、小委員会メンバーの笑いを誘った
●しかし同副作戦部長は、米海軍内で独自に「小さなBRAC」を検討する可能性を検討していると述べ、経費節減のため、既存基地内の不要施設やインフラの解体を検討していると説明し、「この手法の方が、更なるBRACより米海軍には有用だ」と回答した

●一方で海兵隊のGlenn Walters副司令官は、陸海空軍と比較して少数の基地しか保有しておらず、東海岸西海岸のバランスも良いことから、良い状態にあり過不足は無いと回答した
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BRAC4.jpg議員側は基地の整理統合に伴う約3年程度の初期費用を問題にし、国防省側は長期的な経費節減効果を訴えています。

政策シンクタンク(より中立的な立場だと思料)や国防問題の主要な研究者は、圧倒的に「長期的な経費節減効果」を支持し、短期的な初期費用を問題視する議員側を「選挙区への利益誘導」で「議員の自己保身」だと厳しく非難しています

各軍種の主張の細部背景や現状まで把握していませんが、米軍の福利厚生施設(軍人用スーパー)や退役軍人を含む医療保険制度への支出を含め、経費節減策として必ず論点になる分野ですので、下記の関連記事とあわせてご参照下さい

BRAC関連の記事
「国防省が議会に要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-16-1
「研究者38名が連名で要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-25
「研究者25名が連名で要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-06
「4大研究機関が強制削減対処案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-30

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ホワイトハッカーが国防システムの脆弱性指摘 [サイバーと宇宙]

Cyber-new1.jpg13日付Bloomberg電子版は、7日までの間で国防省が実施した「発展版Hack the Pentagon」計画により国防省や米軍が使用している重要文書をネット上で送付するシステムの欠陥が「わずか数時間」で指摘される等の成果があったと報じています。

「Hack the Pentagon」計画は、身元が確認されたハッカーや専門家を活用して国防省のITシステムの脆弱性を探索発見指摘してもらう試みで、2016年4月に第1回目が約1ヶ月間かけて実施され、この際は250名以上の有志ハッカーが、国防省の公開webサイトの脆弱性発見に取り組み、130個以上の問題を指摘しています。

元々はオバマ政権時のホワイトハウス「Digital Service部」が開始した政府としての取り組みですが、国防省「Department Digital Service」がこの取り組みを主導しています
昨年4月の成果を踏まえ、今回はより本格的な国防省の重要システムを対象としたプロジェクトとなり、3年契約を約4.5億円で請け負った「Synack Inc.」が具体的に運営する形式で実施されたようです

13日付Bloomberg電子版によれば
Hack the Pen.jpg●7日まで約1ヶ月間行われた「発展版Hack the Pentagon」計画には、米国、カナダ、豪州、英国から約80名のネットセキュリティー専門家「ホワイトハッカー」が参加し、国防省が非公開を含む電子メール、文書や画像等をネットワーク上で転送するメカニズムが対象となった
●参加した「ホワイトハッカー」や彼らが使用したPCから、国防省の対象システムの仕組みや脆弱性が「敵」に漏洩することを恐れた国防省関係者の説得に関係者は苦労したが、「サイバー演習空間」に対象システムを模擬したネットシステムを構築し、更に追加で情報漏洩防止対策を行い、現実に近い模擬空間で脆弱性を確認する手法で実施された

●本プロジェクトにシアトルから参加したWesley Wineberg氏は、「国防省のシステムは、重要な事項を扱うからと言って、他のシステムより厳重になっているとは限らない事が判ってきた」「ある部分は厳重に設計されているが、一部が極めて脆弱だった」と感想を語っている
国防省「Department Digital Service」で「bureaucracy hacker」と呼ばれるLisa Wiswell女史は、1月11日に計画を開始し、関係者には「1週間ぐらいで反応があるだろうからスタンバイせよ」と伝えていたが、実際には数時間で脆弱性の報告が始まったと効果を説明してくれた

Cyber-new2.jpg●「Synack Inc.」社は、同様の「ホワイトハッカー」活用を銀行やクレジット会社と契約して行っており、発見した脆弱性のレベルに応じて参加ハッカーに報酬を支払う仕組みを導入し、最近の例では約350万円を手にした者も居るようである
国防省自身も自前で省内に「ハッカーチーム:red teams」を編制する努力をしており、過去数年で人員を倍に拡大しているが、給与やラフな勤務環境に惹かれて有能な人材は民間企業に流れるため、依然として多くを民間企業に委託しており、自前で国防省全体にニーズを満たせない状態にある

国防省の試験評価局の報告書によれば、「国防省の職員や兵士は、ネットワーク防御を行政の業務と捉え、戦闘能力と認識していないケースが多い」と指摘し、「この態度を改めない限り、日進月歩のサイバー攻撃との戦いの苦悩は続く」と意識改革を求めている
国防省内では、最も基礎的なシンプルなレベルの問題が指摘されたことが担当専門家を驚かせており、今後この手法を「指揮統制システム」や「人材データ管理システム」を対象に実施することを検討し始めている。
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Hack the Pen2.jpg「Hack the Pentagon」計画は重視されているようで、政権移行の申し送りでも、第1日目に重要事項として取り上げられたと上記記事は伝えています。

忘れない程度にサイバーは重要だ重要だと叫んでいるだけで、まんぐーす自身のPCの動作不安定にも「放置プレー」状態なのですが、こんな野郎が組織に所属していると、ある日突然流出事案とか引き起こすのかも知れません

戦闘機より遙かに安い予算額で、「Hack the Pentagon」計画は進んでいるようですので、参考にしたいものです・・・

Hack the Pentagon関連記事
「第1弾成果発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1
「計画発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-04-1

サイバーと宇宙関連記事
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302888136-1

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NYT紙が露のINF条約破りミサイル配備報道 [安全保障全般]

SSC-X-8.jpg14日付NYT紙が、兼ねてからロシアが開発していると見られていたINF(Intermediate-Range Nuclear Forces)全廃条約破りの新型巡航ミサイル1個大隊がついに実戦配備されたと報じました

これまで「SSC-X-8:9M729」と呼ばれていた最大射程3400km程度の巡航ミサイルですが、開発中を示す「X」が米国の情報機関内では無くなり、兵器として完成したモノだと米国政府関係筋が語ったようです

ロシアとの関係が噂されていたフリン大統領補佐官が辞任したタイミングのロシア関連情報でアリ、マティス長官のNATO訪問のタイミングでもアリ、色々な思惑がらみの情報リークと報道のような気がしますが、INF全廃条約は忘れてはならない論点ですので、これを機会に復習します

14日付NYT紙記事によれば
SSC-X-8 2.jpgオバマ政権はロシアを説得して条約違反のミサイル開発を止めさせようとしていたが、何の効果も無く、ロシアは開発を完了させた模様である
●匿名のトランプ政権高官は、ロシアが「SSC-X-8:9M729」ミサイル部隊を2個大隊保有し、1個大隊はロシア南部ボルゴグラード周辺の開発実験施設に置かれて居るが、他の1個大隊が昨年12月にロシア国内に実戦配備されたと語った

●この配備は、配備場所や今後の増強具合にもよるが、NATO諸国には無視できない脅威でアリ、15日にNATO国防相達とブラッセルで会談するマティス国防長官にとっても新たな課題である
●前NATO司令官のBreedlove退役空軍大将は、この展開を「何も対応しないでは済まされない」と警告しているが、同時に、移動式発射車両に6発づつ搭載可能な「SSC-X-8:9M729」は、配備位置の特定や検証が極めて難しいとも指摘している

●匿名のトランプ政権高官は、配備位置について言及しなかったが、「SSC-X-8:9M729」に似たミサイルが中央ロシアに配備されたとの推測報道がある


INF全廃条約とその後の経緯
INF-USRU.jpg1987年12月8日、当時のレーガン大統領とゴルバチョフ首相によって署名された同条約は、相互に射程500kmから5500kmの地上発射弾道ミサイルの廃棄と保有禁止を約束するもの。
●翌年6月1日に施行され、米側はGLCMとPershing IIミサイルを、ソ連側はSS-20中距離弾道ミサイル等を両国総計2689発廃棄することに合意した

条約締結の経緯を復習すると・・・
--ソ連が80年代初め、SS-20という中距離ミサイルをソ連の欧州部と極東部に配備した。
--当時のドイツのシュミット首相が、ソ連がこのミサイルで欧州の諸都市を攻撃した場合、米はNYやDCを犠牲にする覚悟で、米本土からソ連の諸都市を攻撃してくれるのかとの問題提起をして、このSS-20の配備で米と欧州の安全保障がデカプリング(切り離し)されることを問題視した。
INF-inspe.jpg--米国は西ドイツの主張などを踏まえ、結局核搭載パーシングーⅡと巡航ミサイルの欧州配備に踏み切った。それを梃子にSS-20の廃棄をソ連に要求した。紆余曲折があったが、中距離核ミサイルをグローバルに全廃することで米ソは合意した。

●しかし2代目ブッシュ政権時(2001~09)、露のイワノフ国防相は、ロシアが中東の周辺国からの脅威に直面しているとし、同条約の破棄の必要性を示唆
●一方で同ブッシュ大統領は、NATOは同条約を重視し、また同条約破棄によるロシアの軍拡でアジアの米国同盟国も危機感を募らせる恐れがあることから、条約破棄には消極的であった。

2008年4月にプーチンがINF条約存続について疑義を出している。ロシアは中国と北朝鮮と国境を接しており、イランにも近いので、この問題を我々以上に深刻に考えている。そしてこの2008年から「SSC-X-8」(射程300~3400km)の開発が始まったとされている

Pershing II.jpg2013年5月、米国務省の軍備管理担当だったGottemoeller氏は、ロシアによる条約違反の中距離ミサイルの開発を初めてロシア側に訴えた
2013年6月、プーチン大統領は再び、「ほぼ全ての隣国が中距離各ミサイルを開発している」と危機感を訴え、ロシアによる条約破棄は「控えめに言っても議論対象だ」と発言した

2014年、オバマ政権が懸念する地上発射巡航ミサイルの試験が行われた。オバマ政権はロシアに条約違反の恐れのあるミサイルだと訴えたが、それ以上は何もせず、ロシアは開発を継続した
2015年9月2日、ロシアは巡航ミサイルSSC-X-8(9M729)の発射試験を実施。これは条約範囲内の射程500kmの核搭載可能ミサイル「Iskander:9M728」を改良したミサイルで、Iskander配備当初から射程の延伸は難しくないと関係者が言及していた
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トランプ大統領の「核」と「通常兵器」両方の軍拡ツイート等からすると、この条約が廃棄に向かう可能性がオバマ時代よりかなり高まっていると考えられます。
もちろん、いま米国の出方が最も注目されている対ロシア外交の方針次第ですが、INF全廃条約の行く末にも注意しておきましょう

SS-20.jpg同条約が破棄された場合、ロシアが中距離核ミサイルを持つ脅威と、中国などが中距離ミサイルを展開している現状への対応策をどうバランスして考えていくのか、国際情勢判断としても政策問題としても難しい問題ですが、独立国日本として、避けて通れない問題となるでしょう

三浦瑠璃女史が「核兵器の持ち込み禁止」の見直し議論を提案しているのも、北朝鮮問題だけに止まらず、核拡散全般やこの辺りの問題も含めて考える必要がありそうです

それにしても・・・トランプ政権周辺からの情報リークは「ダダ漏れ」状態とも言われてますが、大丈夫でしょうか???

INF条約関連の記事
「露がINF全廃条約に違反」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27
「米陸軍にA2ADミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14
「INF条約25周年に条約破棄を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-10

Iskander:9M728の配備関連
「ロシア飛び地にミサイル配備?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-12
「プーチンが展開否定も???」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-19-1

トランプ政権はNPR(核態勢見直し)をどうする?
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-09

三浦瑠麗女史の「核持ち込み容認論」
http://lullymiura.hatenadiary.jp/entry/2017/02/13/153801
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続々と米空軍アセットがアジア太平洋に「初展開」 [米空軍]

B-1B.jpg各種報道によれば、2月に入り、改修を終えた新型B-1爆撃機がグアム島に初展開してプレゼンスを示し、またF-22戦闘機が初めて豪州に大規模展開して豪空軍と共同訓練を行っています。

もちろん以前から計画されていたローテーション派遣計画や訓練で、トランプ政権誕生と関連付けて議論する話でもありませんが、従来の米国防省の方針に沿い、淡々と米軍はアジア太平洋で活動を行っていると言う事です

豪州首相とトランプ大統領は、電話会談を僅か20分間でガチャ切り中断したと伝えられていますが、今のところは現場の状況に変化無しのようです

新型B-1爆撃機がグアム島に初展開
B-1-UK2.jpg6日、テキサス州のDyess空軍基地所属の4機のB-1B爆撃機が、約300名の兵士と共にアンダーセン基地に到着し、太平洋軍が行っているCBP(Continuous Bomber Presence)作戦を担うこととなった
B-1爆撃機は、昨年8月に約10年振りでグアム島への展開を始めたが、今回はB-1運用開始以降で最も包括的な改修を経た新型B-1Bによる初展開となった

●「Block 16 upgrade」と呼ばれる包括改修では、「Integrated Battle Station」の更新、データリンク、アビオニクス、自己診断システムの改修等が行われた
●匿名の派遣幹部は「今回の改修により、機体全体が能力向上し、特に飛行間での航空機間の連接性が大きく向上し、機体の威力を向上できた」と表現している

CBPは、大型爆撃機をグアム島にローテーション派遣し、戦略抑止や地域の同盟国等との共同訓練に貢献するモノで、2004年からB-52やB-2爆撃機も含めて行われている
B-1爆撃機部隊は繰り返し中東地域での作戦に参加して経験を積んでおり、これら経験を太平洋地域伝えると共に、中東とは異なるアジア太平洋地域の特性や相互運用性向上を搭乗員等に学ぶ機会を与えられた

豪州にF-22戦闘機が大規模初展開
F-22Hawaii2.jpg10日、米空軍F-22戦闘機の12機のうちの最初の3機が豪空軍Tindal空軍基地に到着し、豪空軍FA-18との約3週間に亘る共同訓練が開始された
これまでで最大規模となる第5世代機展開訓練は、米豪の「Force Posture Agreement」に基づき計画された、最初の「Enhanced Air Cooperation (EAC) activity」で、Marise Payne豪国防相も「史上最大規模で最長の第5世代機の我が国への展開となる」と表現している

●演習の焦点は、第5世代機F-22と第4世代機である豪空軍FA-18の融合作戦運用の訓練である
●O’Shaughnessy太平洋空軍司令官は、「F-22の展開は、インドーアジアー太平洋地域における第5世代機プレゼンスを共に構築する鍵となる一里塚である」と表現している
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フリン大統領補佐官の辞任は衝撃的でしたが、マティス国防長官との対立も聞こえていましたし、かなり考え方が特殊だとの話もありましたので・・・しかし波乱の予感です・・・・

F-22hardturn.jpgアジア太平洋におけるプレゼンス向上、つまり対中国体制の強化は、南シナ海での中国への対処の具体策と共に、パンチのある施策が打ち出せない状況が続いていますが、米軍レベルの判断で「前進」「拡大」出来る精一杯の努力が続けられています

グアムでは確か、日米豪の3ヶ国空軍共同訓練が行われていますから、B-1爆撃機も参加しているかも知れません。対ISが大変な中、涙ぐましい努力です

米国やトランプ大統領に言われた言われないでは無く、脅威の変化の最前線に位置する日本は、主体的にその変化を捉え、米軍追随ではなく、積極的に米軍を引っ張るくらいの気持ちで戦力構成や資源配分について考えたいものです!

CBP関連の記事
「グアムに大型B全機種勢揃い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-12
「B-2がCBPでグアム展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-18
「CBP受入の常設部隊設置へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-13-1
「爆撃機による外交」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-04

B-1爆撃機関連
「韓国や欧州にも展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-07-1
「対ISでのB-1の活躍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-25
「B-1が海上目標攻撃訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-26-1
「長距離対艦ミサイル搭載試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-23

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CSISが西沙諸島の中国軍施設レポート [中国要人・軍事]

CSIS:中国の南シナ海最前線基地である西沙諸島に注目せよ!

Paracel Pic.jpg8日、シンクタンクCSISの南シナ海問題等を分析するチーム「Asia Maritime Transparency Initiative」が、南シナ海で最も中国軍施設の不法整備が進んでいる「西沙諸島:Paracel Islands」の状況をまとめたレポートを発表した模様です

西沙諸島は、従来の中国軍南シナ海最前線基地だった海南島から更に南に200nm下がった位置にあり、南シナ海活動を今後支えていく最前線基地の位置づけと解釈されており、南沙諸島等の開発の前線基地としての位置づけでも注目されています。

特に著名なのは、戦闘機が利用可能な滑走路や塩害対策の整った格納庫が完備され、地対空ミサイル部隊の展開も確認されてる「Woody Island:永興島」ですが、その周辺の西沙諸島を構成する島々にも、ヘリポート、大小の港湾施設、軍事拠点等が整備されている様子がレポートから伺えます

CSISの関連webページ
「Asia Maritime Transparency Initiative」
https://amti.csis.org/paracels-beijings-other-buildup/

Paracels CSIS2.jpg掻い摘んで内容をご紹介・・・
1974年に当時の南ベトナムが弱体化した隙に中国の西沙諸島進出が始まり、現在は同諸島の島々に約20カ所の軍事拠点を中国軍は設置している

5つの島にヘリポートで、特にDuncan Islandには本格的なヘリ施設が整備されている。他のTriton, Money and Pattle islandsには、中心となるWoodyとの連絡用のヘリポートに見える。Duncan Islandはその本格的なヘリ施設から、地域の対潜水艦作戦で重要な役割を果たす可能性がある
比較的大きな規模の港湾施設がPalm、Duncan islandsとTree Islandで整備が進み、他の島には小規模な港がここ数年で整備されている。これら島々では、これら港湾施設を利用して更なる施設整備が進む事が伺える

1990年代から軍事施設の構築が始まった中核となるWoody Islandでは、4つの大型格納庫、16個の小型格納庫を備える航空基地が衛星写真で確認でき、小型格納庫は塩害対策のエアコン完備と分析されている
●Woody Islandの港湾施設には、2つのシェルターが確認できるが、更に施設の近代化が進んでいることが確認できる。この施設には対空ミサイルHQ-9や対艦巡航ミサイルの展開が確認されている
Woody CSIS.jpg










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南シナ海が大変だ・・・と言いつつ、放置プレーしていましたのでCSISのレポートを契機にご紹介いたしました。
南沙諸島についてもフォローできれば良かったのですが、それはまたの機会に・・・

Woody Island3.jpg中国は世界から何を言われようが、、しっかり、着実に、淡々と、南シナ海の軍事拠点化を進めているということです。
日本もこの点は中国を見習い、世界から何と言われようと、中国や韓国が騒ぎ立てようと、粛々と我が道を進みたいものです。

まぁ、中国や韓国の代理人のような日本の「マスゴミ」を無視することも忘れないようにしつつ・・・

西沙諸島の関連記事
「塩害対策が鍵か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-10
「西沙諸島に中国戦闘機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02-1

CSISの関連webページ
「Asia Maritime Transparency」
https://amti.csis.org/paracels-beijings-other-buildup/

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南シナ海上空で米中の大型軍機が異常接近 [中国要人・軍事]

8日に米軍P-2と中国軍KJ-200が南シナ海で異常接近
9日に米中首脳電話会談で「1つの中国」政策の維持で合意

KJ-200 PLAN.jpg8日、南シナ海における中国の埋め立てで最も緊張感が高まっている「スカボロー礁」近傍の公海上空で、定期哨戒飛行中の米海軍P-3哨戒機と中国海軍所属と推定されるKJ-200早期警戒機の間で、「不安全な接近」が発生したと太平洋軍報道官が9日に明らかにしました

中国軍は空軍もKJ-200早期警戒機を保有していますが、南シナ海に近い海南島に中国海軍が同型機をローテーション配備していることから、恐らくこの海南島に展開中の中国海軍KJ-200が本件に関与した可能性が高いと見られます

具体的に、どのような経路でどのように接近に至ったか、接近時の両軍機の位置関係など細部は明らかにされていませんが、「米海軍機は国際法に則り飛行していた」「1000フィート以内(約300m)に接近した」「米国防省と米太平洋軍は常に中国軍との不安全な接触を懸念している」と同報道官は語ったようです

P-3C Navy.jpgソースは不明ですが、「米軍P-3は空中衝突を避けるため飛行コースの変更を余儀なくされた」との報道がある一方で、中国軍機が早期警戒機KJ-200であることからP-3を意図的に要撃したとは考えにくいことから、「inadvertent:不注意」による接近と表現するソースもあるようです

断定的な事は言えませんが、南シナ海の空でも中国軍の哨戒・警戒活動が日常的に行われていること、中国の情報収集機や早期警戒機にも危険なエスカレーションを招く行動の可能性があることを肝に銘じておきましょう

9日に米中首脳電話会談
(安倍総理との首脳会談の数時間前に)
●9日ホワイトハウスは、トランプ大統領が就任後初めて中国の習近平国家主席と電話会談し、中台がともに一つの中国に属するという「1つの中国」政策の維持で合意したことを明らかにした
●ホワイトハウスの声明によると、両首脳は日米首脳会談の数時間前、ワシントン時間9日夜に電話で長時間にわたって会話し、さまざまな問題について意見を交換した

China-US Pre.jpg●更に声明では、「トランプ大統領は、習主席の求めに応じ、われわれの『1つの中国』政策を維持することに同意した。米中首脳は、相互利益にかかわるさまざまな問題について、対話と交渉を行っていく」と説明
●そして「相互に訪問を招待し合った。大きな成功を収めた会談を受け、トランプ大統領と習主席は再会談を楽しみにしている」と、極めてなごやかに行われたと発表された

中国国営テレビで読み上げられた声明によると、習主席はトランプ大統領の「1つの中国」政策支持に中国は感謝すると述べ、「米国と中国は協力的なパートナーであり、共同の取り組みを通じ、2国間関係を歴史的な新たな高み押し上げることができると信じている」と語った模様
●習主席は「中国と米国の発展は互いを全面的に補完し、共に前進することができる」とし、「両国は非常に良いパートナーとなることが可能だ」と述べ、中国が米国との間で、貿易、投資、テクノロジー、エネルギー、インフラの面で連携を図り、世界平和と安定を共に守るため国際的な分野で協調を深めることを望むと主席が語った模様
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台湾総統と電話会談し、「1つの中国」政策に疑問を呈するようなツイートを行ったはつい最近でしたが、あっという間に「手打ち」となりました。

Trump tel.jpg日米首脳会談の数時間前とのサプライズ効果もたっぷりで、安倍首相との共同会見の「穏当ぶり」に「ほっこり」しつつも、何となく「どう頭を整理して良いのか???」と「?」が頭に残る週末でした。

米軍P-3と中国KJ-200の接近について、中国側の反応が何もないようですが、米中首脳電話会談を受け、どのような姿勢で本事案を表現するのか注目です

まさか、米軍報道官が些細な事案を技と取り上げことさらに取り上げ、中国側の出方を探っているのでは・・・

米国防省の「中国の軍事力」レポート
「2016年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-06

「2013年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-08
「2012年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-19
「2011年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-25-1

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