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米空軍が検討:F-15C引退でF-16が穴埋め案 [米空軍]

米国の脅しか? さぁ日本の戦闘機命派はどうする?

Rice ANG2.jpgWest.jpg22日、米下院軍事委員会の即応態勢小委員会で、米空軍幹部が予算不足克服のための資源有効活用策として、制空戦闘機F-15CとDを退役させ、改修したF-16に任務を代替させる案を検討していると明らかにしました。

あくまでも検討段階で決定事項ではなく、その計画が実行されたとしても、F-15C等の退役が始まるのは早くて2020年度以降との検討案らしいですが、A-10退役案を議会に潰された米空軍は、経費捻出のため様々な検討を行っているようです

驚いた議員が、F-16で代替できるのか? 機数や能力不十分じゃないか?と質問しているのは当然として、パイロット不足が深刻な中で操縦者のやりくり等々に一杯疑問があるのですが、米空軍幹部は「Overall, we will be OK」との直感的回答をしています

日本でも米国でも、戦闘機必要数の算定基準など、極めて恣意的で後付け理論なんだなぁ・・・としみじみ感じた記事でもアリ、米空軍F-15Cの兄弟分F-15Jを航空自衛隊が使用している関係もあり、とりあえず報道をご紹介します

22日付AirforceTimes電子版によれば
Rice ANG.jpg●22日の同小委員会で、Joe Wilson委員長の質問に答え、州空軍のScott Rice中将は、計236機の制空戦闘機F-15CとDを経費削減のため退役させ、F-16にその任務を負わせる検討を行っていると回答した
●同委員会の委員であるMartha McSally議員が、本検討について米空軍の作戦副部長であるScott West少将に確認したところ、同少将は何も公式に決定されていないと説明しつつも検討自体は認め、更にF-15Eストライクイーグルは検討対象外だと述べた

(まんぐーす注:2016年度当初現在で、F-15C型とD型(C型の複座型)の保有機数は、正規軍97機と州軍171機の計268機であり、Rice中将の述べた236機は正規軍と州兵双方のF-15の大半を指しているモノと推測。ちなみにF-16戦闘機は、正規軍570機と州軍335機と予備役56機の計961機である)

●またRice中将は、F-15の穴埋めをするF-16にはレーダー改修を行う事になると説明したが、本計画全体の実施可否については2017年中に結論は出ないとも述べ、F-15の退役は早くても2020年からになると語った

●Wilson委員長は、F-15の空対空ミサイル搭載量が8発に対し、F-16が6発である事、また機関砲は共にM-61A1だが、弾薬数が940発と500発など、F-15と16は能力が異なる航空機であり、制空能力が落ちるのではないかと問いただした。
●これに対しRice中将は対応可能だと答え、「如何なる戦力構成の変更にもリスクは伴うが、穴埋めをするF-16には能力付加を行うことから、即応態勢や能力に変化はあるものの、全般的に見ればwe will be OKだ」と述べた

West2.jpg●McSally議員は納得せず、F-16は有能な「10種競技の選手」だが、レーダーの能力向上を行っても空対空能力はF-15には及ばないし、戦闘機パイロット不足が問題視される中、F-15からF-16への機首転換訓練による空白時間等を慎重に考慮して判断する必要があると強い懸念を表明した
West作戦副部長はこの懸念を否定せず、装備の改修等は迅速に行う必要があると発言している

●なお米空軍のAnn Stefanek報道官は小委員会でのやりとりに関し、あくまでも検討中の事だと強調し、米空軍はA-10退役を検討して提案したが、実現しなかった例として挙げた
●そして、米空軍は常に将来態勢を検討しており、具体的に予算要求されるまでは、あらゆる選択肢を検討していると説明し、検討中だからと言って実際に実現するかは別問題だと強調した
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F-15は機体寿命上で、まだまだ使用可能な状態にあります(少なくともちょっと補修するだけで、20年ぐらい機体はOKでしょう)。そんなF-15を米空軍が維持しないとなれば、航空自衛隊や他国のF-15戦闘機の維持に甚大な影響が出ます。多額の部品調達費用や技術支援量を搾取される可能性が高まるからです。そしてF-35を追加で買わされる可能性が高まります

F-15 upgrades.jpgまた日本にも提案されていると報道されている「F-15 2040計画」なる延命改修提案も吹っ飛ぶ関係国揺さぶり効果大の発表でもあります

米空軍がF-15破棄とF-16による代替案を持ち出したのは、機種数を削減して維持運用経費を削減したい思いもあるのでしょうが、同盟国へのF-35追加売り込み作戦の一端ではないかと勘ぐりたくもなります

さぁ・・航空自衛隊の戦闘機命派の皆さん、どうしますか???

F-15の関連記事
「現実的で低価格なF-15能力向上案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15
「米メディア:心神よりF-15改修」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-16
「F-15全機の電子戦機材換装へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-05

「米空軍がF-15と16の延命検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-25
「F-15の寿命を2倍に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-27
「F-16の延命措置300機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-31-1

米空軍の将来制空アセット検討
「Penetrating Counter Air検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「2030年検討の結果発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02

「悲劇:F-3開発の動きと戦闘機命派への提言」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18

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米陸軍トップ:今後10年で巨大都市戦に備える [Joint・統合参謀本部]

Milley4.jpg21日、将来戦に関するイベントで講演したMark Milley米陸軍参謀総長は、世界の人口動態から人口1千万人以上の「巨大都市:megacity」が急増する予想がある事から、米陸軍も今後10年で根本的な変革をしなければならないと語り、現在の特殊部隊やより小規模な部隊編制を参考に考慮する必要があることや、指揮官の質の向上等に言及しています

この様な問題認識があるとは全く知りませんでしたが、同参謀総長は「fundamental shift」とか「huge implications」とかの表現を使いながら、メガ都市化が陸軍に与える影響の大きさを訴えて「optimize the Army for urban warfare」と語っており、大きな動きとなりそうな気配です

更に、戦車の大きさや重量、ヘリコプターの回転翼の大きさ、部隊規模、武器使用要領、ネットワークの活用などなど、様々な分野で考え方を見直す必要があるとも語っており、相当大規模に検討を進めている雰囲気が伺えます

最近、例えば太平洋軍司令官ハリス海軍大将から、マルチドメインやクロスドメインの考え方に基づき、南シナ海で陸軍砲兵部隊の長射程ミサイルや大砲に期待する旨の発言が出たりしていますが、周りから言われる前に、米陸軍自身が新たなコンセプトを打ち出していく必要性に迫られているのかも知れません。とりあえず陸軍参謀総長のお話をフォローしておきます

21日付Military.com記事によれば
Milley5.jpg●21日、「Future of War Conference 2017」で講演したMilley米陸軍参謀総長は、今後10年間で米陸軍は、現在は準備が不十分な巨大都市における戦いに備え、今の特殊部隊のような将来編制を求められ、戦いの様相も根本的に変化するだろうと語った
世界の人口は着実に都市集中に向かっており、現在は10個程度の人口1千万以上の都市が、今世紀半ばには50以上に増加すると見積もられる

●同参謀総長は、戦争がより政治的になるとすれば、その戦いは人が住む地域で行われるだろうし、それは都市であろうと考えると語り、この傾向は米陸軍に極めて大きな意味を持つと述べた
●また、現在の陸軍が森林や砂漠地域での戦いを想定し、ジャングルや山や都市化地域に不向きに編制されているとの現状認識を示した

Tokyo at Night.jpg米陸軍のリーダー達との議論を踏まえ、米陸軍は都市戦闘に最適化する方向に進むべきで、都市戦に備えると言う事は、都市の道路や建物や床や部屋に適応した戦闘単位に部隊を再設計することを意味するとMilley大将は語った。
●そして「戦車の大きさや重量、ヘリコプターの回転翼の大きさにも影響を及ぼすだろう」、「恐らく現在とは異なる組織編制が必要で、それはより小規模に区分けされたグループ編成」にしてネットワーク化し、海空軍火力との統合戦力発揮を図るべきだとMilley大将は語った

具体的な部隊規模については、たぶん中隊と大隊の間のどこかの規模になるとし、現在の特殊部隊が将来陸軍を考える参考になろうと表現しより小規模な部隊編制を示唆したが、大隊や旅団が無くなるわけではないとも述べた
スマートフォーン等の小型デバイスの使用拡大で、監視から逃れることは困難になっており、生き残りのためにはより小規模な部隊もより広範に分散する必要があり、機動性を高めないで2時間も同地点に止まっていては生き残れないとも同大将は述べている

訓練法やリーダーのあり方も、より複雑で厳しい巨大都市戦においては再考を迫られ、特に一般市民の犠牲者を防ぐことが大きな課題となろうと参謀総長は述べ、「目的に応じた火力の使用法(discriminating fire)をより高度なレベルで修得する必要がある。でないと大量殺戮者になってしまうからだ」と表現した
Milley.jpgリーダーについては、現在の組織編制で配置されているレベルより、より成熟し分別を備えた(more mature, more seasoned)リーダーが部隊の下層レベルでも求められるとし、「通常の米陸軍中隊は大尉が指揮官だが、特殊部隊は少佐である意味を考える必要がある」と述べた

●そして、以上の様な厳しい関係で作戦可能な人材確保が課題だと述べつつ、「大げさに表現するつもりは無く、誰かが不適だと言うつもりも無いが、米陸軍全体がシフトしているのだ。特殊部隊を参考にする面もアリ、現状と異なる部分がある。世界的なパワーとして、米国は多様な能力を兼ね備える必要があるのだ」と述べた
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米陸軍が巨大都市を戦場と想定するならば、当然、統合レベルでも議論があるはずだと思いますが、聞いたことがありません

米空軍は対ISIS等でも友軍相撃や民間人被害を局限することを重視しており、海軍航空部隊も同様だと思いますが、海兵隊も巨大都市戦を検討しているのでしょうか? 
US Army5.jpgそれとも、永遠の課題である陸軍と海兵隊の任務区分のため、陸軍が巨大都市戦を持ち出したのでしょうか?

それと、どの辺りの巨大都市を想定するのかも興味あるところです。人口がそんなに急増するのは、発展途上国の都市のイメージが先行するのですが、アフリカやアジアの大都市に米陸軍兵力を派兵することを想定しているのでしょうか? 

Offshore Balancing的な考え方がベースにあると思っていたのですが、変化があるのでしょうか・・・いろいろと聞いてみたい「巨大都市戦」傾斜でした

「Offshore Balancingの解説」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-27

米陸軍とクロスドメイン
「再びハリス司令官が陸軍に南シナ海で活躍期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16
「ハリス長官がcross-domainを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05
「ハリス大将も南シナ海で陸軍に期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06

「射程300kmの対艦ミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「尖閣防衛に地対艦ミサイル開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-14

「CSBA:米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12

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米軍戦略コマンドも21世紀の戦略を探求へ [Joint・統合参謀本部]

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Hyten.jpg8日、下院軍事委員会で証言したHyten米戦略コマンド司令官らは、従来の核抑止を基礎とした戦略抑止概念の根本的な拡大変革が必要だと語り、同コマンドも大学や研究機関と連携した検討協力体制「academic alliance」を立ち上げ取り組んでいると明らかにしました

先日は米空軍参謀総長の2月の発言、「21世紀の抑止についてより幅の広い議論を期待したい。宇宙やサイバードに戦域が拡大し、世界共通の公共財が目標になり得る時代における、抑止のあり方や核抑止の関わり方にまで議論の幅を広げる必要があろう」をご紹介しましたが、これが米軍を挙げての取組であることが伺えます

Hyten司令官がSelva統合参謀本部副議長らとともに証言した本題は、核抑止の基礎である核兵器システム全体の更新や近代化が待ったなしの課題だとの訴えです。

Nuclear Triad.JPGつまり、米軍核戦力の3本柱の老朽化が激しく、爆弾そのもの、運搬プラットフォーム(ICBM、戦略原潜、戦略爆撃機、戦術爆撃機)、監視センサーシステム、指揮統制システム全てを同時に刷新しなければならない、史上初の大変な事業に直面しているとの訴えです

トランプ大統領の核増強発言を受けての説明証言で、米軍幹部の主張はごもっともですが、本日は断片的ながら、「21世紀の戦略抑止」検討開始を告げた発言を重視してご紹介します

10日付米空軍協会web記事によれば
●8日、Hyten米戦略コマンド司令官は下院軍事委員会で証言し、米国は戦略抑止の概念を根本的ンシフトさせる必要があると語った。
●そして「21世紀の戦略抑止は、20世紀生まれの核抑止の概念より遥かに大きいものであるはずだ」と表現した

Hyten2.jpg●更にHyten大将は、「米国は新たな現実を追いかけている状況で、今日の世界の脅威環境に対応する抑止概念を議論している段階だ」と語った
●同司令官はまた、「この課題に対応するため、冷戦時代にそうであったような、アカデミックなしっかりした議論を再び行う必要がある」と呼びかけた。

戦略コマンド自身の取り組みとして同司令官は、「最近、戦略コマンドが音頭を取り、25個の大学やシンクタンクから構成されるAcademic Allianceを立ち上げ、21世紀の戦略抑止に関する国家的な議論の資としたい」と証言した
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2月に空軍参謀総長が述べた「宇宙やサイバードに戦域が拡大し、世界共通の公共財が目標になり得る時代」とは、電気水道、金融、交通などの社会インフラに、甚大な被害を及ぼす攻撃を、身分を隠して実行することが可能になった時代に、核兵器だけで抑止が成立するのか・・・との疑問です。

Wilson3.jpg8日の下院軍事委員会には、米空軍のStephen Wilson副参謀総長も出席し、拡大抑止概念で空軍の守備範囲に当たるであろう分野について、「指揮統制、宇宙、空中給油が含まれるだろう」と述べ、「従来の3本柱(ICBM、SLBM、戦略爆撃機)よりも、はるかに広い概念となる」と語っています

相手が自国民を犠牲にすることをいとわない国ですから、新たな抑止の概念規定は難しい課題です。米国防省や米軍関係者の間には、ぼんやりとした方向性があるのかもしれませんが、技術的にも抑止の効果面でも、「Robust」なものは難しい気がします

21世紀の抑止概念を目指す
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
「トランプ政権とNPR(核態勢見直し)」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-09
「相殺戦略特集イベント」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1

「RAND:中国の核兵器戦略に変化の兆し」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-19

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RAND:中国の核兵器戦略に変化の兆し [中国要人・軍事]

RAND Nuclear.jpg17日、RAND研究所が「China's Evolving Nuclear Deterrent:Major Drivers and Issues for the United States」(中国核抑止の変化:変化の主要因と米国の課題)とのレポートを発表し、中国の核兵器戦略に劇的な変化があるわけではないが、様々な環境の変化を受けて変化の兆しがあり、注意と対応が必要だと論じています

エアシーバトルや第3の相殺戦略の影響、トランプ政権のミサイル防衛強化姿勢、中国軍内の力関係の変化、周辺諸国の核兵器動向などが環境の変化要因としてとらえられ、それに対応する変化を見せる中国核戦力の状況が示唆されています

(いつものことながら、)きちんと中身を読んでいないので、レポートが指摘する中国核戦力の具体的な近代化の様子をご紹介できませんが、情勢に基づく変化の方向をそれなりに「なるほど・・・」と思わせる視点もありますので御紹介します

RANDの同レポート関連web記事によれば
Rocket Force2.jpg●中国は、1964年に初の核実験を行って以来、比較的少数の核戦力を「no-first-use政策」の下で保有し、その方針に大きな変化はないが、国内外の諸要因を受け、核戦力の近代化や構築への取り組みを加速しており、その歩調を加速させるだろう
中国は米国への対応を主に考え、その動向を注視して核戦略を検討しており、特に米国のミサイル防衛強化に懸念を持っている。また通常兵器による世界即時攻撃構想(conventional prompt global strike)の開発動向にも懸念を持っている

●また中国は地域周辺国の核兵器開発に伴う、複雑化する核戦力分布や核動態にも懸念を持っている。
特に、中国の専門家の中には、インドが中国との「核の平衡:nuclear parity」を追及するような姿勢を示すことは、中国として受け入れられないと主張している

中国の核政策における主導権にも変化がみられる。これまで政治指導者が強く関与していたが、核研究、開発、製造等に関する意思決定への関与が最近少なくなり、中国軍内で発言力を増してきたロケット軍幹部(旧第2砲兵幹部)の地位が増している
Rocket Force3.jpg●懸念点として今後注意が必要な点として、ロケット軍内で通常兵器と核兵器部隊の垣根(firewall)がなくなってきており、通常兵器部隊の手順や技術が核兵器部隊に応用されている点がある。

●「no-first-use政策」の見直しなどの大幅な政策見直しがある可能性は低いが、政策の定義を環境に合わせて修正する可能性はあり、全体として核抑止や核兵器重視の姿勢は強まる可能性が高い
●これにより、将来、核戦力の「no-first-use政策」の考え方が変化し、敵の通常兵器による攻撃を「first-use」とみなし、核兵器部隊が対処部隊になるかもしれない

米国や中国への提言
米中は戦略抑止に関する対話を閉ざさず、互いを知ることで、抑制的な姿勢が双方に最大の肯定的な影響があることをよく理解すべき
中国の核戦力強化の主要因は、米国のミサイル防衛強化である。米国はミサイル防衛の対象を、ならず者国家からの攻撃対処程度に制限すべきである

Rocket Force4.jpg中国は、通常兵器と核兵器部隊の垣根を明確にし、紛争発生時に相互の部隊の行動が混乱しないようにすべきである
中国は核ミサイルのMIRV(多弾頭搭載型ミサイル)を削減すべき。核兵器削減交渉の経験からすると、MIRVは先制攻撃に脆弱であることから、これを多数保有することは先制攻撃の可能性を高め、紛争の不安定化を招く可能性が高くなる

中国の核戦力が向上するに従い、特に日本や韓国はより具体的な核抑止強化を求めるだろう米軍核兵器のアジアへの再展開要求の可能性もある。米国指導者は核抑止の信頼性を高めるステップを打ち出し、再展開などのオプションを考察すべき
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トランプ政権の核兵器増強方針には懸念の声が米国内でも大きいのですが、「ミサイル防衛の強化はほどほどに」とか、「中国との対話を重ね、相互に抑制的な姿勢を」とか主張されると、旧ソ連と中国を同様にとらえてよいものか???・・との思いにもかられます

Rocket Force5.jpgしかし、「インドへの懸念」や「ロケット軍の発言力アップ」や「conventional prompt global strikeへの中国の懸念」などの視点は、なるほど・・・だと思います。

本当に難しい時代になりましたし、日本も国民レベルの常識的判断能力を高めないと、国としての判断を誤りかねない時代だなぁ・・・と思います。そして、日本の野党の現状を見るにつけ、その情けない状況にため息が出ます

関連の中国関係記事
「核搭載?次期爆撃機の開発へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-07
「2016年:中国安全保障レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-09
「習近平がPLAの組織改革発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-27
「RAND:米中軍を10分野で比較」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-18

米国も21世紀の抑止を検討
「米空軍トップが21世紀の抑止に言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
トランプ政権とNPR(核態勢見直し)→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-09

米国防省の年次レポートに学ぶ
「2016中国の軍事力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-06

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欧州への米空軍派遣や訓練を増加へ [米空軍]

太平洋空軍より欧州空軍の方が活発な印象ですねぇ・・・

Wolters2.jpg3日、米空軍協会の「Air Warfare Symposium」で欧州米空軍司令官Tod Wolters大将は、予算が大幅に増額されたことを受け、欧州へのローテーション派遣戦力を増強すると述べました。
また同時に、2017年の欧州での演習を前年比3割増にするとも明らかにしました。

これは、2017年度予算の「European Reassurance Initiative funding」に「大幅な増額:significant boost」が認められたからで、この施策がトランプ政権による判断なのかは不明ですが、従来の路線の拡大です

先日、太平洋空軍司令官の同イベントでの発言をご紹介しましたが、アジア太平洋エリアではこの様な景気の良い話は出なかったように記憶しております・・・。

8日付米空軍協会web記事によれば
ERI4.jpg●3日、Tod Wolters欧州米空軍司令官は、対ロシアのための欧州地域の戦力強化策である「European Reassurance Initiative」予算が大幅に増加されたことを受け、米空軍の欧州へのローテーション派遣を増加すると語った

●派遣、つまりTSP(theater security packages)の増加数について同司令官は、「陸軍のbrigade combat teamの導入数と同じ数だ」と説明した
●なお米陸軍は2016年11月、欧州における「大西洋の決意作戦:Operation Atlantic Resolve」を支援するため、2個旅団から約5700名を欧州に派遣すると発表している

●同司令官はまた、「複数の国から地上部隊が、バルト3国各国とポーランドにローテーション形式で派遣されることを素晴らしいと思う」、「これらの派遣により、我々米軍が多様なドメインで多様な能力発揮を確認し、地域同盟国等との相互運用性を確認できる。これまでよりその機会が増えることになる」と歓迎している

同日付の別の記事は
Wolters3.jpg●またWolters司令官は、欧州米空軍はロシアの活発化に伴い、地域での演習を着実に増加させてきており、2015年から16年には3割の増加、そして16年から17年にも3割増加させる計画である。
●そして演習の重点ポイントの一つとして指揮統制に言及し、「欧州アルプスより南部を担当するスペインのTorrejonにあるNATO連合航空作戦センターと、北部を担当するドイツのUedemの同作戦センターと、米軍が運営するドイツRamstein空軍基地の航空宇宙センターが、作戦ピクチャーを共有し、堅強であることだ」と語った
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この発言だけから、太平洋空軍より欧州空軍が重視されているとは言えません
アジア太平洋地域では、爆撃機のローテーション派遣CBPが継続して行われており、F-22も頑張って豪州や日本や韓国に顔を見せています。

TSP.jpgしかし如何せん、戦闘機の展開先がアジア太平洋地域では極めて限定されており、フィリピンやタイは極めて受け入れに消極的で、ベトナムもまだその状態ではありません。インドネシアもマレーシアからも、そんな雰囲気は感じられません。ブルネイには、調査団が赴いてそれっきりでは・・・

米空軍は根拠となる基地の新規開拓や、設備不十分な飛行場を活用する検討を行っていますが、明るい話はありません

日本には地方空港も併せるとそれなりの数の飛行場がありますし、米シンクタンクの研究でも活用を訴え声はありますが、複雑で多様な装備を抱える飛行場ですから、恐らく脆弱性を克服できないのでしょう・・・山ほどシミュレーションを行っている米国の研究者からも、そんな声は盛り上がってきません

元気が出ませんねぇ・・・。花粉症が原因でしょうか???

米空軍戦力のTSP等ローテーション派遣
「空軍F-35が今年太平洋軍エリアに展開予定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-22
「豪州に12機のF-22展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-14
「欧州にもTSP派遣か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-14
「F-22嘉手納派遣はTSP」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-17
「アジア版Checkered Flag」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04

米空軍は中国の攻撃に備え
「空自も真剣になれ!米空軍F-22の迅速展開検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-
「テニアンをグアムの代替に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-16-1
「グアム施設強化等の現状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-30-1
「グアムの抗たん性強化策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-30-1
「グアムで大量死傷者訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-08-1
「グアム基地を強固に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12

「米と豪が被害想定演習を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-02
「在沖縄米軍家族の避難訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-21
「嘉手納基地滑走路の強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-09

「Wake島へ避難訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-04-1
「テニアンで作戦準備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-05
「ブルネイの飛行場を確認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-14

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情勢緊迫:シリア軍がイスラエル軍機をミサイル迎撃 [安全保障全般]

シリア攻撃のイスラエル軍機を、シリアが地対空ミサイルで迎撃
シリア軍は1機撃墜主張も、イスラエル軍は否定
イスラエルBMDで落下するシリア軍ミサイルを迎撃?
迎撃ミサイル破片がヨルダンに落下か?

Israel Lebanon3.jpg17日早朝、シリア領の目標を攻撃したイスラエル空軍機が、イスラエルに戻る途中、シリア軍の地対空ミサイルに迎撃された模様です。ただ冒頭見出しのように、両国とリビアやレバノンから様々な情報が乱れ飛んでいる状態です。まぁ・・・めったにない事案で今後が懸念される事象ですので取り上げておきます

両国は対立関係にありますが、直接軍事的に衝突することは極めてまれで、2011年春からのシリア内戦やISIS台頭をめぐる混乱の中でも、イスラエルは極力関与を避けてきた経緯があります。

イスラエルはシリア内戦に関与する意図はない(シリアの弱体化を祈りつつ)様ですが、シリア経由でレバノンのヒズボラに武器等が供給される場合や、どさくさの中でシリア軍がイスラエル正面に兵器を配備したりするとピンポイント攻撃を行ってきたようです

地図で関連国の地理的位置をご確認いただきながら、入り乱れる各国の発表や報道をご覧ください。声の大きいものが事実を「仕立てる」のが中東ですから・・・

イスラエル軍やイスラエル報道によれば
●イスラエル軍は、シリア内の複数の目標を攻撃した空軍機がイスラエル領内に帰還したとき、複数の対空ミサイルがシリアからイスラエル軍機に発射されたと発表した
●また、(イスラエル領内に落下する恐れのあった)シリア軍発射ミサイル1発を、イスラエル軍防空システムで迎撃したとも明らかにした。しかし、他のシリア軍発射ミサイルがイスラエルに落下したのか等、細部への言及を避けつつ、イスラエル市民とイスラエル軍機の安全に問題はなかったと明らかにした

Israel Lebanon.jpg●またイスラエル軍は、ヨルダン渓谷のユダヤ人入植地に対し、空襲警報用のサイレンを鳴らした
●一方、シリア軍が主張した1機撃墜等については否定した

●イスラエルのTV「Channel 10」は、イスラエル軍機はイランに支援されているレバノンン所在のヒズボラへの物資輸送車列を攻撃する任務を与えられていたと報じている
●また同TVは、イスラエルが米国と共同開発したBMDシステム「Arrow」を実任務で初展開し、シリア軍が発射したミサイルを迎撃したと報じている。またハーレツ紙は、エルサレムの北方でも行われたと報じている

●ただイスラエル軍は、この迎撃に関し何もコメントしていないし、弾道ミサイル対処用の「Arrow」が地対空ミサイルの流れ弾を迎撃に用いられたのかどうかは不明である。

シリア政府や軍の発表によれば
イスラエル軍機4機がレバノン経由でシリア領空を侵犯し、シリア中央部のシリア軍拠点を攻撃したと発表した。
israel jordan.jpg●そしてシリア軍防空部隊がイスラエル軍機に対処し、1機を迎撃してイスラエル支配地域に墜落させ、別に1機にも被害を与えたと発表した
シリア外務省は国連に対し、国際法違反である乱暴なイスラエルの侵略を非難するよう求めるレターを発出した

ヒズボラの反応
ヒズボラは直接のコメントを出していない
●ヒズボラ寄りの報道で知られる「pan-Arab Al-Mayadeen TV」は、イスラエル軍機の攻撃でヒズボラの指導者「Badee Hamiyeh」が16日にゴラン高原で死亡したとのアラブメディアの報道を否定した

ヨルダンの報道
israel jordan 2.jpgヨルダン北部にミサイルの部品が落下した。ヨルダン軍によれば、シリア軍ミサイルを迎撃したイスラエル軍ミサイルの残骸の模様
●ミサイル部品が落下した地域の市長は、部品落下による被害は大したことはないとメディアに語っている。自宅近傍で爆発音を聞いた地域住民は、自宅周辺の地面に小さな穴が開き、約3mの破片があること見つけて当局に連絡した
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地中海沿岸の中東諸国に、これ以上複雑な要因が加わらないことを祈るばかりです
シリアにはロシア製の高性能地対空ミサイルが持ち込まれており、これが使用されたとなれば、輪をかけて情勢が複雑化します。

israel russia.jpgイスラエルはここ数か月で、数回シリア内へ攻撃を加えているようですが、攻撃したことを公表したことはありませんでした

ネタニアフ首相のロシア訪問が終わったばかりで、プーチン大統領にシリアへの武器供与についても議論があった模様で、ロシアへの警告の意味があったのでは・・・とBBCなどは報じています。今後の報道や各国の動きに注目いたしましょう

イスラエル関連の記事
「イスラエル目線で2017年を予測」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-02
「イスラエル後に湾岸へ戦闘機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-17
「日本とイスラエルが覚書へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-21

シリア関連の記事
「ロシアの怪しげな関与」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-24
「ロシアとトルコの共同空爆作戦!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-22

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国防副長官候補にボーイング上級副社長 [米国防省高官]

Trump Mattis.jpg16日、トランプ大統領が国防省の政治任用ポストである「国防副長官」「政策担当筆頭次官補」「本土及びグローバル安全保障担当次官補」などの候補者を発表し、副長官ポストにはトランプ大統領との親密な関係が話題のボーイング社副社長の名前が挙がりました

先日、「政権発足後、2ヶ月経過でも長官以外ポストが埋まらない」とご紹介しましたが、遅ればせながら、マティス長官とホワイトハウスの衝突が伝えられつつも、国防省報道官が公式には「マティス長官から大統領に推薦があった優れた能力を持つ人物」と表現する人材の指名が始まりました

細部の人物像などは不明ですが、「国防副長官」と「政策担当筆頭次官補」の候補について、とりあえず経歴等を各種報道等から寄せ集めてご紹介しておきます

Patrick Shanahan国防副長官候補
Shahahan.jpg現在はボーイング社のサプライチェーン担当の上級副社長であるが、直前まで民間旅客機部門の副社長として、ボーイング社の主要旅客機B-737, 747, 767, 777 and 787プログラムを統括していた
●また、同社でミサイル防衛システム担当副社長や回転翼部門の副社長の経験も積んでおり、CH-47、AH-64Dアパッチ、V-22 Osprey計画を扱った経験を持つ

●更に、国防副長官としての重要職務となるであろう技術革新分野に関連し、航空機搭載レーザー計画(airborne laser program)に携わっていたこともある
●ボーイング社の報道官は「流動的で困難な国防環境において、強いリーダーシップを必要としている国防省にとって、Shanahan氏が引き続き力強い指導力を発揮するモノと信じて疑わない」とのコメントを出している

ボーイング社とトランプ大統領は、出だしこそ次期大統領専用機「Air Force One」計画の価格を巡り緊張関係に至ったが、(米海軍F-35の代替として改良型FA-18の可能性に大統領が言及するなど、)最近ではボーイングが大統領のお気に入り企業になっているようにも見え、そんな雰囲気を象徴するモノだとの指摘もある
●また、Shanahan氏がミサイル防衛分野に見識があることから、トランプ氏のミサイル防衛重視政策に適しているとも指摘もある

マティス長官とホワイトハウスの政治任用ポスト指名を巡る対立は、今や「公然の秘密」となりつつあるが、その元凶がトランプ政権側で国防省人事を担当しているMira Ricardel女史だと言われている。同女史は将来商務省で重要ポストに就くと言われているが・・・
一方、国防省のJeff Davis報道官はこれら候補者発表に際し、「マティス長官から推薦があった高い資質を持った人材ばかりでアリ、大統領に候補者として推薦をお願いしたモノだ」と表現している

David Joel Trachtenberg政策担当筆頭次官補
Trachtenberg.jpgマティス長官はこのポストに、キャリア外交官で元エジプト大使のAnne Patterson女史を希望していたようだが、複数の共和党上院議員が(同女史のモルシ前エジプト政権との近すぎた関係等を問題視し、)反対したことから、断念せざるを得なかったようだ
●Trachtenberg氏は、国家安全保障に関するコンサルタント会社のトップで、下院軍事委員会のスタッフ経験もある

●なんと言っても、2001年から03年の間、2代目ブッシュ政権で国際安全保障政策担当の筆頭次官補代理を務めた経験を持ち、国家安全保障分野の調査会社で戦略分析部長や副社長を務めた経験もっている
2015年、Defense-Newsに論考を寄せ、その中で、ロシアの横暴で反米国的で挑発的な国際社会での振る舞いを警告だと位置付け、米国の核政策の再考を促す主張を展開した。

国防省が核態勢見直し(NPR:Nuclear Posture Review)に着手するタイミングにある事を踏まえ、核政策の専門家の中にはTrachtenberg氏しのこれまでの発言を懸念する者も居る
●専門家の一人であるStephen Young氏は、「NPRを起案する立場につく人物が、戦略的安定性を信じない人物である事を大いに懸念する」「ロシアとの間に課題を抱える現状を思うとき、ミサイル防衛を強く持ち出す事は、問題を大きくするだけではないのか」と憂慮するコメントをしている
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マスコミ的には、候補者の選定で多いに揉めてくれた方が話題になって面白いのでしょうが、世界情勢を考えれば、みんな仲良くやって頂きたいものです

しかし・・・「第3の相殺戦略」を初めとする、カーター&Work組が精力を傾けた種々の施策は、どうなっていくのでしょうか・・・心配です・・・

政権交代と国防政策
「まだ政治任用マティス長官だけ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-13
「リバランスは前政権の用語よ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-15
「相殺戦略を如何に次期政権に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-04

Work副長官の活躍関連
「次の副長官を考える」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-15
「Work副長官を讃える言葉」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-17
「規模の増強は極めて困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-10

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米陸軍が無人偵察攻撃機MQ-1Cを韓国配備へ [Joint・統合参謀本部]

米空軍ではなく、米陸軍のMQ-1シリーズです

MQ-1C Gray Eagle5.jpg13日、在韓米軍は、米陸軍が保有する無人偵察攻撃機MQ-1C(Gray Eagle)をソウル南の「Kunsan Air Base」に配備すると発表しました。同機の展開時期は不明ですが、運用開始は来年早々になる計画のようです。

発表を受け、米国務省報道官が「THAAD配備に加え、これら無人機は、日米韓への安全保障上のリアルな脅威に対応する防御的な手段となる」との声明を発表し、中国外務省高官(Hua Chunying)が北朝鮮情勢への影響を懸念し「火に油を注ぐようなモノ」と非難するなど、波紋が広がりつつあります。

一方で報道によれば、旧式の武装ヘリ「OH-58D Kiowa Warrior」の後継として、米陸軍が以前から計画的に進めていたとも紹介されており、とりあえず整理しておこうと考えご紹介します。

なお米陸軍MQ-1C(Gray Eagle)は、2018年に引退することが発表された米空軍MQ-1(Predator)の兄弟分で、操縦を車両搭載可能なコンテナ型装置やアパッチ攻撃ヘリからも可能にしていることが大きな特徴で、衛星通信による操縦も可能ながら、前線密着の偵察や攻撃任務を想定した無人機です

14日付Defense-Tech記事によれば
MQ-1C Gray Eagle2.jpg●米空軍や韓国軍の協力を得て、米陸軍は、第2師団第2航空旅団に中隊規模のMQ-1C(Gray Eagle)部隊を配属し、「Kunsan航空基地」を根拠に運用する計画だとStars and Stripes紙は報じている
●米陸軍は合計152機のMQ-1Cを購入希望だが、予算的制約から現時点で34機の確保のみ目途が立っている。韓国への配備機数の発表はなかったが、1個中隊だとすると12機である

MQ-1C(Gray Eagle)は米空軍MQ-1(Predator)とほぼ同様に、約25時間の連続飛行と29000フィートまでの上昇が可能で、約500kgの搭載能力があり、各種センサーやレーザー照準装置、通信中継装置、4発のHellfireミサイル等が搭載できる
●同無人機は2010年からイラクとアフガンで使用されており、報道によれば、対ISIS作戦で喪失した同機の穴埋めのため、議会は約30億円の予算振り替えを認めている

14日付TheDrive.com記事によれば
OH-58D Kiowa.jpg米政府や国務省は、MQ-1Cの韓国配備を北朝鮮対応のように表現しているが、実は米陸軍が長期計画で進めている回転翼機と無人機活用計画が、朝鮮半島でも計画に基づき実施されることになったというのが正確な表現である
MQ-1Cは「OH-58D」武装ヘリの後継機で、最後まで「OH-58D」を使用していたのが韓国派遣の第82戦闘航空旅団だったのである。同飛行旅団はアパッチ攻撃ヘリ部隊との連携戦闘を想定し、訓練を積んできた部隊である

MQ-1C(Gray Eagle)は衛星通信で遠隔操縦可能で、また移動式コンテナ型操縦装置からも操縦できるが、アパッチヘリからも「クリック操作」で操縦可能であり、アパッチがMQ-1Cを前方偵察機や攻撃機として活用し、アパッチ母機の攻撃や偵察能力を増強する運用が可能となる
MQ-1C Gray Eagle.jpg●また、25時間連続飛行可能なMQ-1Cを常続的な偵察機として衛星通信の遠隔操作運用し、いざ作戦を行う際は、最前線指揮所のコンテナ型操縦装置やアパッチヘリに操縦を切り替えて使用する事も構想されている

●アパッチヘリとの連携以外にも、非武装地帯の常続偵察、電子妨害機、即応性のある攻撃機としても柔軟な活用が可能でアリ、「OH-58D」武装ヘリよりも維持整備経費や人員も少なくて済むことから、朝鮮半島への展開は極めて有効だと考えられる
北朝鮮への対処と言った政治的なメッセージとか、中国の反発とか、メディアの見出しだけでなく、軍事的な本質事項に目を向けたいモノだ
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米陸軍の考える、アパッチヘリからのMQ-1C操縦がどの程度有効で効果があるのかピンと来ませんが、アフガンで実績があるのかも知れません。

MQ-1C Gray Eagle4.jpg後半の記事には、無人機の前線での使用を巡り、米陸軍と空軍間で主導権争いがあるとの記述がアリますが、MQ-1やMQ-9と言った同レベルの無人偵察攻撃機を使用すれば「さもありなん」と思います

米国政府や国務省的には、アジア太平洋地域への関与をアピールする材料かも知れませんが、軍事的には上記のような基礎知識を押さえておくべきと考え、ご紹介しました

朝鮮半島のご参考記事
「CNAS:北朝鮮でなく中国の問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-28
「在韓米軍司令官はあのBrooks大将」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-19
「ルトワックの日韓関係分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-17
「韓国の混乱と戦後の哀史」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-25

「米空軍は2018年にMQ-1を退役へ」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-02

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「リバランス」は終了へ:それで??? [安全保障全般]

「Pivotやrebalanceとの言葉は前政権の用語」
「我々は恐らく、わが政権自身の方策を打ち出すだろう」

Thornton2.jpg13日、ティラーソン国務長官による初の日中韓訪問に先立ち、Susan Thornton担当臨時国務次官補が細部は煮詰まっていないが、アジア太平洋地位への政策のスローガンだった「リバランス」や「Pivot」との言葉は前政権の用語だと表現し、トランプ政権としての政策を打ち出す方向だと記者団に示唆しました

もちろん、トランプ政権もアジア太平洋地域には引き続きしっかり関与していくと強調しているようですが、中国や北朝鮮の動きなど情勢が緊迫する中、主要な政治任用ポストの任命が遅れている状況の中での発言だけに、肯定的には受け取れないとの専門家の意見も聞かれるようです

中身はあまりありませんが、数少ないトランプ政権アジア担当関係者の発言ですので、ご紹介しておきます

14日付Defense-News記事によれば
●米国務省の高官によれば、「Pivot to the Pacific」のかけ声で知られるオバマ政権時のアジア太平洋リバランスは、公式に死んだようである
ティラーソン国務長官によるアジア訪問に先立ち、記者団からのリバランス政策に関する質問に答えたSusan Thornton担当臨時次官補は13日、まだまとまってはいないが、新政権は新政権の新しい地域政策を打ち出すと語った

Thornton.jpg●同次官補は「Pivotやリバランスなどの言葉はあるが、これらは前政権のアジア政策を表現する言葉である。皆さんには恐らく、新政権自身の政策枠組みを示すことになるだろう。細部は煮詰まっていないし、どのような形か、新たな枠組みになるかどうかも決定はしていないが・・」と表現した
●しかし同女史は、新政権の当地域への関与の色が変わろうとも、アジア太平洋地域に引き続きコミットしていくことには変化は無いと強調した

●そして「米国は今後もアジアに積極的に関与するし、米国の繁栄と成長にとって、アジア経済は極めて重要だから、公正な貿易と自由貿易問題に取り組み、北朝鮮問題にも対応し、ルールに則った、建設的で平和的で安定した秩序をアジアに求めていく」と語った
●また「(リバランスに代わるような)ステッカーにして貼り付けるような言葉を用いるかどうかは時期尚早だ。政権はスタートしたばかりで、何か言うには早すぎる」と付け加えた

専門家のコメント等
Graham2.jpg●豪州のLowy研究所のEuan Graham国際安全保障部長は、「継続的な関与、自由貿易、ルールに基づく秩序等に言及した点は、同盟国等に歓迎されるだろう」、「しかし、国防省と国務省の政策担当次官が空席な状況など、米国には為すべき事が多く残されており、トランプ大統領や側近がどれだけアジアを米国の国益と関連して捉えているかに関し、懐疑的な見方は静まらないだろう」とコメントしている
●そして、TPPから離脱表明に代表される新政権の姿勢は、オバマ前大統領やカーター前国防長官がTPPを強く押していただけに、地域の同盟国等を疑心暗鬼にさせるに十分な状況にある

予算面でも懸念が見られる。昨年9月、カーター前長官は「リバランスの新たなフェーズ」と表現し、2つの鍵となる分野、沿岸警備隊予算増とASEAN諸国10ヶ国への海外軍事援助(FMF:Foreign Military Financing)増加を打ち出していたが、これが危ういと懸念されている
FMF.jpg●トランプ政権は国防費の増額や公共事業費の増額を打ち出しているが、この代償として、沿岸警備隊予算やFMF予算が削減の対象になるのではと言われている

沿岸警備隊予算については既に超党派の下院議員58名が連名で削減回避を求めたレターを発出したようで、FMFについても上院関係者が懸念の声を上げている
●Graham氏は、オバマ政権のあとの空白を埋める代替物を確保しない段階で、TPP破棄を宣言し、リバランスの看板を下げるような動きは、ネガティブで良い手法とは思えず、中国の思うままになるリスクをはらんでいると懸念している
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ティラーソン長官は、「リスニングモード」だとしても辛い立場だと思います。長官は15日に来日し、17日にはソウル、18日には北京を訪問するそうですが・・・

Tillerson.jpgマティス国防長官は早い段階だったので「とりあえず」感で乗り切りましたが、大暴れ北朝鮮の前で大混乱の韓国、経済の減速待ったなしの中国の変わらぬ南シナ海態度、ロシアに冷たくされて意気消沈の日本など、何を語って帰国するのでしょうか???

私なら、挨拶して、お茶を頂いて、夕食会はパスして、次の国へ移動したいところです・・・

アジア太平洋関連の記事
「真剣にF-22迅速展開を検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-08
「比の3閣僚が南シナ海で米空母訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-06
「道遠し?:NIFC-CAの進展」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26

「政治任用はマティス長官のみ決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-13

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中国国営TV:中国J-20戦闘機が運用開始!? [中国要人・軍事]

J-20 Zhuhai.jpg9日夜、中国国営テレビが中国製のステルス戦闘機と言われる「J-20:殲20」が、運用態勢に入ったと報じました。10日付ロイターがこれを配信し、米軍事メディアもフォローしています。

「運用態勢に入った」以外の詳細に言及はなく、何処で、何機、どんな任務に、などなど判らないことだらけですが、とりあえず、一番詳しく現時点での分析結果を説明している14日付米空軍協会web記事から、米国防省関係者の見立て、推定配備先や現存機数、想定される用途についてご紹介します

14日付米空軍協会web記事によれば
J-20 Zhuhai3.jpg●2014年に低レート製造段階に入ったJ-20を、現時点で、中国は9機から12機のJ-20を保有しているか考えられている
●エンジンを2基備え、米国製F-22そっくりだと言われる中国Chengdu Aerospace Corp(CAC:成都飛機工業公司)製のJ-20は、8つのプロトタイプで様々な形態の飛行試験を2011年から開始しているが、兵器搭載試験は今も継続している

2016年11月に広東省珠海(Zhuhai)の航空ショーで初めて2機が飛行する様子を披露した

●中国が定義する「運用態勢に入った」とは、最前線での任務に投入可能との意味ではなく、正式な作戦運用試験が可能になったとの意味で、今後は他の航空機との連携試験や運用コンセプトの検証試験が可能になるとの意味だろう国防省高官は語っている
●別の中国ウォッチャーは、初配備基地は恐らく中国北部中央にある「Dingxin」だろうと考えており、10個以上の新たな格納庫が設置されていることや、垂直尾翼に運用部隊マークを付けたJ-20が確認されていること等を根拠に挙げている(同基地は各種装備品の開発試験基地して知られている)

J-20 Zhuhai2.jpg●J-20はF-22のように、内部弾倉庫に6発の空対空や空対地のレーダー誘導ミサイルを搭載可能と映像等から見られている
●J-20の操縦席前方には、F-22やF-35そっくりの光電照準装置が配置され、機体側面には、F-35の「Distributed Aperture System」のように複数のセンサーが見られ、またAESAレーダーの様な装備で米軍5世代機と同様に電子戦能力や識別能力に優れた構造を持っている

●しかし中国国営メディアもかつて言及しているように、J-20は必ずしも空中戦闘能力を追求した設計にはなっておらず、F-22やF-35と直接的な同類ではない
全方位のステルス性能を追求せず、前方からのステルス性を追求していることから、高価値目標(AWACS, aerial tankers, large formations of combat jets,surface targets)に一撃を加え、帰投するような運用構想も考えられる

●J-20運用態勢確立の発表に対し、米空軍は「for security reasons」でコメントを控え、米空軍報道官は「米空軍は他国の航空機の能力については(公には)論じない」としつつ、「米空軍は、第5世代機の長年の使用実績や、複雑な演習や機動展開しての運用経験を通じ、如何なる潜在的な敵にも優位性を維持している」と語っている

10日付Defense-Tech記事によれば
J-20 Zhuhai4.jpg●中国政府は報道を否定しているが、2016年の秋には、J-20がチベット近傍の「Daocheng Yading飛行場」で目撃されたとか、インドとの国境付近に展開した等の報道が流れている
●J-20は長射程と短射程の空対空ミサイルを搭載可能と言われ、米国製F-22と比較されることが多いが、J-20のステルス性はF-22には到底及ばない見られている

●英国Royal United Services研究所のJustin Bronk研究員は、「前方のカナード翼やエンジンの空気取り込み口、胴体下部のスタビライザーなど、全てがレーダー反射面積の削減を妨げている」と分析している
中国はまた、海外輸出用だとか空母艦載様だとか噂されるより小型のJ-31戦闘機を開発しており、その改良型試作機が昨年12月23日、遼寧省瀋陽で初のテスト飛行を行ったと中国メディアが報じている


再度、J-20関連報道に思うこと
2016ChinaReport.jpg米国防省が毎年発表する「中国の軍事力」レポートは、中国が高列度の短期戦で地域での紛争に勝利する事を目指しており、そのため弾道・巡航ミサイルで作戦基盤を緒戦で叩き、サイバー戦や宇宙戦や電子戦で米軍が依存するネットワークを寸断麻痺させる事を目指し、着実に力を蓄えていると毎年記述している。
●「中国の軍事力」レポートに限らず、米国の主要シンクタンクもこの様な視点で中国の軍事脅威を捉えており、最近米空軍が取り組んでいる「2030年代の制空検討」においても、速度や機動性と言った空中戦能力よりも、遠方からの活動を意識した航続距離を重視する方向性が示唆されている

●中国のステルス機数は、J-20が運用を開始したとしても10機程度だと思われるが、米軍ステルス機数は中国と同列で比較すれば400機程度の保有と換算できる(F-22を180機、B-2を20機、F-35を200機)
●また海軍艦艇の総トン数は、世界1が米軍だが、世界2位から12位まで合計してやっと米軍と同規模となる。しかも世界2位から12位のうち、2ヶ国以外は全て米国の同盟国か友好国である。更に米海軍が保有する艦艇搭載の精密誘導兵器の数量は、世界2位から14位の合計の2倍以上もあり、中国の立場になれば、通常兵器で米国と正面から戦おうなどとは考えないだろう

gatesCultureSV.jpg●だから当時のゲーツ国防長官は、「米国に敵対しようとする国は、戦闘機VS戦闘機、艦艇VS艦艇などの通常兵器競争を米国に仕掛けて、破産する道を選ぶだろうか?」と、2009年のフォーリン・アフェアーズ誌に掲載された論文「A Balanced Strategy」で喝破し、脅威認識を改めるよう米国防関係者に訴えた。
●この様に曇りのない目で中国脅威を分析した結果が、上で紹介した米国防省が毎年発表する「中国の軍事力」レポートとなって公開されているのだ。

●J-20がどのような運用思想の基に活用されるのか想像の域を出ないが、日本の戦闘機命派が期待しているような空中戦能力を追求しているとは考えにくく、高価値航空目標攻撃や突破型戦闘爆撃機的な役割を狙っていると考えるのが自然だろう
●今後この「J-20」をどのように日本の戦闘機命派が評価するかは、彼らの脅威認識の「リトマス試験紙」となり得る。
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チベットやインド国境付近で「J-20」が目撃されたとの報道には興味をそそられますが、それ以上に申し上げることはありません。生暖かく見守るだけです・・・。

J-20関連の過去記事
「改良版J-20エアショーで飛行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02
「大幅改良J-20が初飛行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-20
「IISS:J-20は大した事ない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-08
「映像と評価中国ステルス機J-20」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-30

中国軍作戦機の話題
「改良版J-31初飛行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-27
「ロシアからSu-35輸入開始か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10
「南シナ海で米中大型機が異常接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-12
「最新H-6爆撃機の演習映像」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-04-1

論文「A Balanced Strategy」
http://www.comw.org/qdr/fulltext/0901gates.pdf
https://www.foreignaffairs.com/articles/united-states/2009-01-01/balanced-strategy

関連の記事
「Balanced Strategyを振り返る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-27
「戦闘機や艦艇に囚われている」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-09

「2016中国の軍事力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17

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未だ政治任用決定はマティス長官だけ:大丈夫か? [米国防省高官]

Poli-appo.jpg11日付Military-Times紙が、トランプ政権発足後2ヶ月が経過しようとしているが、米国防省内の政治任用ポストで上院の承認手続きまで終了したのは、マティス長官ただ一人(Work副長官は当面留任のため承認不要)だと報じています

この遅れは国防省に限ったことではないようですし、現時点で国防省の業務に大きな影響が出ているとの声はないようですが、遅れていることは確かで、懸念事項もあるようなのでご紹介します

陸軍長官と海軍長官が辞退し、順調だと思っていた空軍長官も、まだ正式に議会に推薦されていないとか・・・気になるところです

11日付Military-Times紙によれば
●トランプ政権発足後2ヶ月が経過しようとしているが、トランプ大統領就任の数時間後に職務に就いたマティス国防長官以降、誰一人として政治任用ポストに承認された者は居ない
Work-Atlantic3.jpg●公にはなっていないが、マティス国防長官とホワイトハウスの間で、人選を巡り対立があるとのとも言われており、後任者が決定するまで留任することを明らかにしたWork副長官以外の候補者がなかなか明らかにならない

新政権はこれまでに4名の政治任用者候補を発表したが、そのうちの2名が辞退している。辞退したのは陸軍長官候補だったVincent Viola氏(現ビジネスとの兼ね合い)と、海軍長官候補だったPhilip B. Bilden氏(同左)である
●元下院議員のHeather Wilson女史は空軍長官候補だと発表されたが、大統領は上院に正式な承認手続き依頼を提出していない。また7日にホワイトハウスは、国防省法務官にJohn J. Sullivan氏を候補とすると発表したばかりである

政党の変化を伴う政権交代例を振り返るとオバマ大統領は就任時にゲーツ国防長官の留任を決定し、多くの政治任用ポストを早期に埋めていった。(またゲーツ長官も多くの職員の留任を求めた
●2001年にブッシュ政権誕生時も、ラムズフェルド国防長官は7月まで政策担当次官を決めなかったが、多くの前政権の上級スタッフが数ヶ月居残ることに合意していた。ラムズフェルド時代の統計では、政治任用ポストの登用には、政権内部の調整に70日、上院の承認に50日かかっている

経験者や関係者の懸念や見方
gatesSTART2.jpg●2代目ブッシュ政権時に国防省の予算管理官を務めたDov Zakheim氏は、手続きが全く遅れていると指摘し、4月中旬までに政治任用ポストが埋まらないのは異常事態だと表現した(上院での手続期間を考えれば、現時点で推挙されていなければ、早くても4月中旬には間に合わない
●そしてZakheim氏は、「特に東南アジアや欧州の同盟国にとっては深刻な事態で、日々の業務で頻繁に連携が必要な地域担当次官補代理の任命が夏までかかるようだと、様々な混乱や問題発生が予期される」と懸念を示した

●新政権発足に伴い議会等に諸報告が求められおり、また対ISISやアフガニスタン作戦も難しい状況にあるが、現時点で国防省内に大きな混乱があるようには見えない
●ただ大統領は、対ISIS戦略やミサイル防衛計画、更に即応態勢改善策の計画作成等、複数の重要施策の再検討を命じており、主要な政治任用ポストの不在を長期間にするわけには行かない。また既に議会の軍事委員会でも、「核政策に関する質問をする相手がいない」等との不満の声が上がり始めている

●クリントン政権時の政策担当次官Walter Slocombe氏は、政治任用者の審議は政治的な駆け引きの場となりがちで、長く続けて良い事は無いと警告している。そして「政治任用者以外の国防省職員が、当面の業務を遂行し、大きな穴を空けることなく国防省を走らすことは可能で、危機対処も行うが、政策立案をリードすることは出来ない」と語っている

Rumsfeld.jpg●あまり表面化していないが、マティス長官と政権の間に、幾つかのポストを巡る対立があるようだ。例えば長官は政策担当次官に、エジプトやパキスタン大使を務めたキャリア外交官Anne W. Patterson女史を希望しているようだが、かなり揉めているようだ。前エジプト政権との親密さが問題となり、与党の共和党内にも反対意見が根強い
●この他にも重要ポスト、予算担当、情報担当、兵站調達担当、技術開発担当、人的資源担当などなど、昨年から空席になっている重要ポストが多くアリ、各方面がその動向を注視している

●国防省のJeff Davis報道官は、「長官と各スタッフが精力的に面談等で人選を進めており、ホワイトハウスとも連携しながら選定を行っている。重要ポストの候補選定は最終段階にある。間もなく公表出来るだろう」と述べている
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典型的な日本人のまんぐーすには、この政治任用の善し悪しが感覚的に分かりかねますが、歴史的に大きな問題が指摘されていないのですから、人心一新は悪くないのでしょう・・・

Mattis13.jpg今回は、大統領選挙中に「反トランプ」の旗を揚げた方が多かった事から、人捜しが容易ではないようですが、悲喜こもごものドラマをワシントンDC周辺で生む「政治任用」の今後に注目致しましょう。

それにしても、辞退された陸軍長官と海軍長官候補のお二人は、それぞれとても興味深い方だったので、とても残念です。

3軍の長官候補者(だった人も含め)
まだ「空軍長官候補」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-24
辞退した「陸軍長官候補」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-20
辞退した「海軍長官候補」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-14

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新時代に向け異例人事の米空軍新ACC司令官が就任 [米空軍]

HOLMES4.JPG10日、米空軍最大のコマンドで戦闘機など主要戦力約1300機と10万人を擁する戦闘コマンド(ACC:Air Combat Command )の新しい司令官に、空軍司令部の戦略計画部長だったJames M. Holmes 中将が大将に昇進して就任しました。

このACC司令官は、上記の人員装備のほか、有事に予備役を5万人と航空機700機を動員して指揮する任務もあり、「戦闘機族のボス」の異名を持つポストです(・・・でした)

「・・・でした」とご紹介したのはまんぐーすの勝手な解釈ですが、従来の戦闘機操縦者の最上位者を「上がりポスト」に「すえる」感覚からの離脱を表明するかのような人事だからです

これは前任のカーライル大将が、単に「ボス」としてではなく、人格見識とも優れた人物として、同ポストを2014年10月から3.5年も異例の長期間務めたあたりから序章が始まっていた傾向ですが、Holmes 新司令官の経歴等からも伺えます

推定59歳での大将昇任は遅く、またACC司令官が昇任したての大将が就任するのも異例です。つまり、米空軍の変革期に当たり、「名誉ポスト」のような扱いではなく、真に適任者を就任させたのだと思います

Holmes 新司令官の経歴等
Holmes6.jpg1981年にテネシー大学を卒業(電子工学:防大25期相当)して米空軍に入隊。F-15操縦者としてファイターウェポンコース等を経験し、教官操縦者としても活躍。飛行時間は4000時間で、戦闘飛行時間も500時間を超える
大佐あたりまでの経歴は、海軍大学の上級コースを履修した以外、ほとんど一貫して戦闘機部隊かその運用を司る司令部勤務。海外勤務も、戦闘機操縦者のポストで中尉くらいで嘉手納、中佐くらいでドイツぐらい

大佐の後半くらいから、空軍司令部の作戦立案特別チーム「Checkmateチーフ」を務めた以降、太平洋空軍司令部や空軍司令部で「Strategic Plans, Programs」や「Operations, Plans and Requirements」の仕事が連続し、
●その合間に、アフガン派遣航空団の指揮官、国防省での中東関連補佐官、教育訓練コマンドの副司令官を経験
●ACC司令官の直前は、「Strategic Plans and Requirements」の最上位ポストである米空軍司令部の部長(Deputy Chief of Staff )でした。
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Holmes-ACC3.jpg米空軍は2017年に次期制空機の要求性能を固める方向であり、これには「第3の相殺戦略」の流れで検討されている新たな戦い方や技術導入がカギとなります。

このように変革期にある米軍と米空軍の重要ポストは、変革への意欲と理解がある人物をすえるのがWork副長官やSelva統合参謀本部副議長の姿勢であり、その方向性を具現化したのが今回の人事だと思います

Holmes 新司令官は、過去10年間、米空軍の長期戦略や長期装備品調達計画に一貫して取り組んできた人物で、その合間に部隊指揮官や国防省勤務を挟んだような経歴の持ち主で、米空軍の新たな体制への変革を、現場指揮官として推進する役割を命ぜられたと考えるべきでしょう。
同様の人事は、宇宙コマンド司令官についているレイモンド大将にも見られます

ご年齢からすると勤務期間は長くないのかもしれませんが、その老練老獪なご表情そのままに、組織防衛や職域防衛に走る戦闘機操縦者等を操っていただきたいと思います

Carlisle-FB2.jpgなお、これまでACC司令官だったカーラール大将は同日夜に退任式を行い、5月1日の正式退役日を前に、表舞台から去りました。

太平洋空軍司令官時に日本との関係強化に尽力した功績から、日本が異例の叙勲(旭日大綬章)を授与したカーラーイル将軍に感謝です


Holmes 新司令官の公式経歴
http://www.af.mil/AboutUs/Biographies/Display/tabid/225/Article/1108488/general-james-m-holmes.aspx

新体制への布石関連
「相殺戦略を如何に次期政権に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-04
「統合参謀本部副議長が改革を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-27
「Holmes中将らが候補に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-09

次期制空を考える取り組み
「PCA検討はこの方向で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「2030年検討の結果発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

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米国も歓迎!?:中国軍のアフガン進出 [中国要人・軍事]

米国政府は中国軍の存在を認知しつつも、多くを語らず・・
長期的に撤退を模索する米国の空白を狙う中国?

Afgan.jpg2日付MilitaryTimesが、中国軍がアフガンとの国境付近のアフガン内で国境警戒活動を始めている模様だが、米国はその動きを把握していながら黙認又は態度がはっきりとせず、ロシアやイランのアフガンでの活動を公に非難する姿勢と大きな差があると指摘しています。

また、中国がこの地域に関心を見せる背景について、「治安」と「経済」の両面から複数の専門家の見方を紹介しつつ、米国が手を引きたい思いを抱えていることも踏まえつつ、今後の動向を考察しています

言うまでもなく中国と米国は、南シナ海問題を巡り対立関係にアリ、通商分野でもトランプ政権が中国の自国優遇策を非難するなど、色々と対立点を抱えていますが、アフガンに関しては「もしかして暗黙の了解」で進むのかも知れません

2日付MilitaryTimes記事によれば
最近、中国軍とアフガン政府軍が、約50マイルの両国国境沿いで、共同の対テロパトロール活動を行っているのではとの噂や報道が相次いでいる。そしてこれらの報道等は、米国やNATOがアフガンを去った後に、中国がアフガンで野心を持っているのではとの憶測に油を注いでいる
EQ 2050 afgn.jpg中国とアフガンは、タリバンが勢力を盛り返していることを受け、2015年に協力強化に合意し、アフガン国境警察の訓練や警備車両・防弾チョッキ等の装備品提供を中国が行い、警察同士が共同国境警戒を行っているのみで、両国政府ともアフガン内での軍の共同パトロール(インドの報道)は否定している

インドの報道は中国製の装甲車がアフガン内を走行している写真を掲載し、最近ロイターも中国軍のアフガン内での活動を報じている
●また1月には中国メディアが、アフガン内で敵襲を受けた米軍特殊部隊を、中国軍が救出したとの記事を報じた。米国関係者はあり得ない救出劇だと否定したが、米国防省報道官は「中国軍がそこにいることは承知している」と答え、それ以上の言及は避けた

なぜ中国はアフガンに関心を?「治安」と「経済」
Gady afgn.jpg●東西研究所のFranz-Stefan Gady上席研究員は、中国は、1949年からウイグル族の独立を目指す過激派「東トルキスタン・イスラム運動」の撲滅を狙っており、アフガン国境付近で長年活動する同活動運動家を追撃していると見ている
●米国も2002年に同組織を「テロ組織」に指定しているが、同組織はISILへの支援から、中国内での活動強化を最近打ち出したところである

米国やNATO諸国は、最盛期には約13万人をアフガンに派遣していたが、現在はアフガン軍の訓練育成やテロ組織指導者の排除作戦などに1.5万人が存在するのみである
●在アフガン米軍司令官のJohn Nicholson陸軍大将は、西側部隊の減少に伴い悪化傾向にある治安情勢を踏まえ、兵力増強の可能性に言及しているが、長期的には撤退が目標である

Sung-Yoon Lee.jpg中国は繰り返し西側の関与削減への懸念を表明しており、国境付近の治安安定が中国の一番の関心事項だとフレッチャースクールのSung-Yoon Lee教授は説明し、「西側の関与削減に伴い、中国がパキスタンと協力してアフガン国内で治安維持を行う事は、中国の国益にかなっている」「中国が西方の不安定な隣国に軍事力を用いないはずがない」と述べている

●また、中国はアフガン内の豊富な天然資源や鉱物資源を求め、中央アジア市場へのアクセスとしてもアフガンの安定に関心を持っている。そして中国が打ち出した「一路一帯」構想で、中国とユーラシアを結ぶ重要な位置付けにアフガンはある
中国は地域の安定に関与せず、経済的利益だけを狙う「free rider」と見られており、西側の撤退に伴い生起する「空白」への中国の進出は、いつもの事とも言える

難しい立場に立たされる米国
Trump tel.jpg米国は難しい立場に立たされている南シナ海での中国の活動にいらだちを見せる一方で、中国が疲弊したアフガンに関与してくれることは米国にとって有り難いことだ。
●主張すべきは対立しても主張するが、協力できると事では協力するのが米国のスタンスであり、「安定したアフガンは、米中両国にとって国益にかなっている」「ある程度の中国のアフガンへの関与は、米国も理解しているに違いない」とGady上席研究員はコメントしている

●ただし同研究員は、少なくとも短期的には、また米国やNATO諸国が相当数アフガンに存在する間は、中国軍がアフガン内部に深く進出するとは考えにくいし、中国軍の規模も小さく戦力的にも大したことない程度が当面続くだろうと述べている
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トランプ大統領がアフガニスタンに関心があるとは到底思えず、インドやパキスタンの関係、中国とウイグル自治区との関係、中央アジア諸国の動向にも興味があるとは言えないでしょう

USCC4.jpgマティス国防長官やマクマスター安全保障担当補佐官が、アフガンの「底が抜ける」事を危惧し、アフガンへの小規模な増派はあり得るとしても、絆創膏を当てる程度の処置しか西側諸国にはとれないでしょう

そんな背景から、上記記事では中国がアフガンの安定に寄与することを期待していますが、中国が関与して安定した国があったでしょうか??? ロシアとイランと中国が組んだりして・・・怖ろしや・・

中東・アフガン関連
「ビンラディンの息子がブラックリストに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-07
「オバマが対テロ7原則確認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-07
「中東に米空母なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-30
「軽攻撃機のデモ確認を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-21

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米空軍が電波式の無人機撃退システムを17億円で [米空軍]

ELTA drone counter2.jpg2月27日付各種報道によれば、米空軍がイスラエルの軍需産業ELTA社から携行可能(manpads)な無人機撃退システム(counter-unmanned aerial systems)21セットを約17億円で購入することで合意した模様です

21日に国防省が発表したところによれば、この「Man Portable Aerial Defense System kits」とも表現される装備は、イスラエル国内で製造され、米本土内で使用者への必要な訓練が今年7月末までに完了する形で納入されるようです

今後日本でも東京オリンピックに向け、この種の装備への関心が高まると予想されますので、また工事現場で無人機との衝突で初の負傷者が出たとの報道があったタイミングですので、ご紹介しておきます

27日付FlightGlobal電子版によれば
ELTA drone counter.jpg●イスラエルのIAI傘下のELTA社北米支社は、米空軍と同装備21セットについて、約17億円の経費固定契約を結ぶこととなった
昨年ELTA社は、小型無人機の発見・識別・飛行妨害を行う無人機防御システム完成を明らかにし、それが3次元レーダーと光電センサー、更に妨害技術から構成されていると説明していた

低高度低速の小型で発見されにくい無人機を探知するため、索敵半径5~10kmのEL/M-2026シリーズレーダーを使用し、光電センサーを目視識別に活用する装備となっている模様
ELTA製装備は、上記の発見&識別用装備と組み合わせて使用するが、妨害装置だけを独立して使用することも可能で、小型無人機を発進場所に帰投させる機能や、墜落させる機能を有している

27日付米空軍協会web記事によれば
昨年10月に、米軍はISISが使用する爆発物搭載無人機の脅威に直面していると明らかにし、その対処法を検討してきた
「IS無人機で初の犠牲者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-15-1

ELTA drone counter3.jpg●本件に関連し、米空軍の研究開発拠点があるハンスコム空軍基地の報道官は質問に対し、ELTA社との契約を同基地組織が担当し、同時に関連の複数のシステムや技術の開発や試験を行っていると答えた

●同報道官はまた、米空軍は現在のところ、携帯型から地上装甲車両搭載型の「non-kinetic」な無人機対処システムに焦点を当て検討しているが、同時に小型無人機を「kinetic」に撃破するオプションも検討していると語った
●今回購入に合意したELTA社の製品について細部への言及は避けたが、米空軍は来年度末までには小型無人機対処の全体計画をまとめる予定だと明らかにした

モスルで米軍提供の無人機妨害装備が活躍
(3月8日付Defense-Tech)イラク軍の対テロ部隊司令官のAbdul Ghani al-Assadi中将は、「米国から提供された対無人機装備は素晴らしい。ISISは1機も無人機を送り込めなくなった」と語った
●同中将は、ISは小型爆弾や手りゅう弾を無人機に搭載して攻撃しようとしているが、米軍提供の妨害機材で効果的に対処できているとも語った

●先月から始まったモスル奪還作戦では、作戦初日に72機のIS無人機を確認し、2日目には52機をカウントしているが、これまでの約1週間で1機たりとも侵入を許していないと語った
●同作戦の多国籍軍報道官は、イラク軍に提供した装備は「ジャマーだ」としか説明しなかったが、イラク内で確認されているの新装備は「DroneDefender,」である

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ご紹介したELTA社の製品は、製品名も不明で、写真や性能等の関連情報も見当たりません
2015年に初期的な形が仕上がったとの関連報道がありましたが、上記「EL/M-2026シリーズレーダー」を活用との記述があるだけで、写真も当該レーダーの一部が確認できる程度です

DroneDefender.jpg妨害電波発射装置は、人間が携行できる規模ですから、イメージ的には左の写真(DroneDefender→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-30)のようなモノだと推測しますが、ここまで全体像を伏せるのは独自の技術があるからでしょうか?

21セットで17億円ですから、単純計算で1セットが約8100万円です。有効射程や使用電力等が気になりますが、とりあえず、ご参考まで紹介しておきます

もしかしたら、写真のもELTA製かも・・・

「DroneDefenderをご紹介」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-30
「IS無人機で初の犠牲者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-15-1

米軍での無人機の「群れ」研究
「103機の群れ試験に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1
「無人艇の群れで港湾防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19
「国防長官が技術飛躍有りと」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「無人機の群れ:艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10
「海軍研究所の滑空無人機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-04

「AI操作の無人機が有人戦闘機に勝利」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-19
「米空軍が小型無人機20年計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-18
「国防省戦略能力室の主要課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-10

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機種別パイロット数で無人機MQ-9が最多に [米空軍]

米空軍大将:現役中にこうなるとは夢にも思わなかった

Roberson.jpg3日、米空軍協会主催の「AWS17」で記者懇談を行った米空軍の教育訓練コマンド司令官Darryl Roberson中将は無人機MQ-1とMQ-9の操縦者数が他の機首の操縦者数を上回り、機種別パイロット数でトップになると語り、冒頭の言葉で驚きを表現しました

また本件を報じる8日付Military.com記事は、無人機パイロットの養成は下士官を対象に含めることで将来の道筋を開きつつあるが、一方で有人機パイロットの不足が深刻で、今後有人機操縦者の養成を大幅に増加する必要があるが、様々な施策を講じる必要があると報じています

MQ-1プレデターは2018年に運用を停止し、関連任務はMQ-9に引き継がれるので、2018年にはMQ-9操縦者が文句無しに機種別操縦者数トップになると言う事です。
Roberson司令官ならずとも、「へぇ・・・」と驚きの声が上がりそうな米空軍の急激な変化です。ちなみに航空自衛隊には、無人機操縦者は存在しません。ゼロです。

8日付Military.com記事によれば
MQ-9 5.jpg●具体的に、Military.comの入手した2017年度末(同年9月末)時点での機種別の操縦者数見積もり統計によれば、MQ-1とMQ-9操縦者が1000名を超え、次がC-17輸送機の889名、そしてF-16戦闘爆撃機が803名で続いている
●ちなみに米空軍は、武器を搭載しないRQ-4大型無人偵察機の操縦者を下士官にも広げる取り組みを2015年に始め、下士官用の操縦教育課程を立ち上げており、3月7日に能力審査委員会が30名の下士官無人機操縦者を選定し発表したところである

有人機操縦者不足と対策
●一方で7日、米空軍輸送コマンド司令官のCarlton D. Everhart II大将は、有人機操縦者の不足は海空軍及び民間機の全てで深刻だと語っている。
●そして対策として、今後米空軍はパイロット養成数を増やす計画だと説明し、2016年が1108名のところ、2017年は1200名、2018年以降は1400名を1年間で養成する計画だと述べつつも、それでも需要を満たすには不十分だと語った

Everhart.jpg●操縦者養成用T-38練習機の後継機となるT-Xの選定作業を開始しており、今年契約に至る計画だが、米空軍は操縦者養成数増に対応するため、旧式F-16の2個飛行隊を教育訓練コマンドに編入し、F-16操縦者の養成に当てる準備中だとも説明した
●更に戦闘機操縦者だけの数字で言えば、現在の年間235名養成体制から、今年は335名体制に拡大する予定である

●ただし、操縦者を養成するパイロットも不足しており、操縦者養成訓練を行う基地の数を増やし、(教官資格を持ちながら作戦部隊に所属する操縦者も有効に活用し、)操縦者不足に対処する必要があると考えていると同司令官は語った
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米軍の操縦者不足が深刻な一番の原因は、民間パイロットに引き抜かれる操縦者が急増しているからです。
下記の過去記事でボーイングの分析レポートをご紹介していますが、世界中の民間航空分野でパイロットや整備員の需要が急増しており、今後20年間はその傾向が続くとの見通しです。

UAV-cookpit.jpg危険が伴い、家族を残して海外派遣も多い軍隊勤務に比べ、生活設計が容易で給与的にも恵まれた民間機操縦者に人が流出するのを引き留めるのは容易ではありません。
上記記事は米空軍の話ですが、操縦者需要の高まりが世界的な傾向である以上、自衛隊も例外ではないはずです。その実態は承知していませんが・・・

無人機の導入は、そんな中で急務だと思うのですが・・・日本にとっても・・・。

世界的な操縦者不足
「今後20年の操縦者不足は深刻」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29

米空軍の戦闘機パイロット2割不足
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22

米空軍は無人機操縦者にも苦しんだ
「60年ぶり下士官が単独飛行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-10
「RQ-4操縦者の7割が下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13-1
「RQ-4操縦を下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-19
「問題点と処遇改善の方向性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-11

米海軍無人機関連の記事
「誰が海軍無人機を操縦するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-14-1
「映像:MQ-4初飛行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-23
「グアム配備MQ-4トライトンは今」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-05

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空自も真剣になれよ!米空軍F-22の迅速展開検討に思う [米空軍]

本日も相変わらず、抑止効果が疑問な対領空侵犯措置だけ
飛行場被害の対処を語ると、戦闘機の価値が下がるから?

F-22Hawaii2.jpg7日付米空軍協会web記事は、同協会の「Air Warfare Symposium」で講演した太平洋空軍司令官O’Shaughnessy大将の発言を紹介し、米太平洋空軍が有事に根拠基地が被害を受けたり、代替基地に展開する必要が生じた際の対応策として、F-22戦闘機の迅速&簡易展開パッケージを準備する様子を取り上げています

新たに検討されているACE(Agile Combat Employment)は、2013年から導入されている「Rapid Raptor concept」を発展させたモノで、どちらかというと平時の「Show of Force」的な展開をイメージしていた「Rapid Raptor」を、より実戦を意識した形態に発展させようとする取り組みです

しかし思います。米太平洋空軍が、対中国有事で第一列島線上の根拠飛行場や、グアムやハワイの飛行場が被害を受けることを想定し、施設が不十分な飛行場の使用を考えて知恵を絞る中、航空自衛隊は何をやっているのでしょうか?

7日付米空軍協会web記事で「けなげな」米空軍の努力を
(有効性は疑問ですが・・)
O'SHAUGHNESSY2.jpg●2日、フロリダ州で開催された「AWS17」でO’Shaughnessy太平洋空軍司令官は、「Rapid Raptor」コンセプトを発展させた「ACE」コンセプトを検討する機動展開訓練を行ったと聴衆に語った
●「Rapid Raptor」コンセプトは、通常の機動展開より小規模機数で兵站支援パッケージも局限した展開方式を具現化したものであるが、「ACE」コンセプトは、これまで展開先とは想定しなかった施設不十分な場所への展開を可能にするものを目指す

●例えば「ACE」では、どのようにして作戦下の機動を行うか? 指揮統制をどのように行うか? 不便な展開先で航空機が故障した場合の対応をどうするか? 等々への対策を盛り込んだ展開コンセプトをまとめる取り組みを行う
検討の一環として、太平洋空軍は2機のF-22と1機のC-17輸送機による機動展開を行った。アラスカの基地を出発し、豪州の豪空軍Tindal基地を経由し、より小規模な豪空軍Townsville基地に展開を試みた

Townsville基地で我々は、C-17輸送機の翼からF-22への給油を試みた。こうした小規模基地を利用するためには、海軍や陸軍に簡易燃料タンク(ゴム製の膀胱のような簡易タンク)を設営してもらう方法も考えられる
●またF-22操縦者をC-17に載せ、ハワイのヒッカム基地の航空作戦センターと連絡手段を確保する事も試みた。これによりインドアジア太平洋地域のどこからでも、十分な兵站支援がなくとも、厳しい環境下で作戦が可能になる
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米空軍が対ISILや対ロシアで疲弊する中でも、懸命に被害状況下に備えた準備に地道な努力を続けているのに、日本では同様の検討や装備品の導入が全く議論されていません

DF-21D-2.jpgそれもこれも、空自の飛行場が有事初動で大きな被害を受けると語ってしまうと、戦闘機の有効性に疑問符がつき、ただでさえ評判の悪いF-35予算の確保や、意味不明の国産戦闘機開発に暗雲が立ちこめるからです。

更に言えば(これがより比重が大きいかも)、戦闘機への疑問符に伴う戦闘機への投資削減は、パイロット削減や手当の減少につながりかねないからです。これを本末転倒と言わずして、何と呼びましょうか?

だから民間飛行場を活用しての空自戦闘機の訓練や、民間飛行場を有事活用する法的整備に関する政治サイドへの要望に力が入らないのです!!!

だから組織のトップが、極東の軍事バランスに全く関係のない英国空軍と「空中戦の訓練」をやって大喜びしたり、サイバーや宇宙は操縦者以外の誰かがやるんだろうと平然と口に出せるんです。

非パイロットで米シンクタンク研究員である元空将から、「長距離空対地ミサイルを備えたロシアや中国の戦闘爆撃機の配備は、空自の対領空侵犯措置の軍事的効果に根本的な疑問を投げかけている」、更に「より高度な戦闘能力の向上を期すため、これまで任務の中核であった対領空侵犯措置にかかる態勢の抜本的見直しを」と率直で正しい指摘を受けながら、相変わらずスクランブル回数の増加だけで「忙しさ」をアピールしています

Taiwan-China2.jpg過去に、台湾に国防政策を提言する米シンクタンクCSBAのレポートをご紹介した際の、執筆者達の言葉が耳に残っています。

「何よりも重要なのは、根本的に新たな国防戦略の採用を決心することにより、ワシントンと台湾国民に対し、台湾が自国の防衛に強く引き続き関与しているとのシグナルを発信することである」
「RAND:台湾は戦闘機中心を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-07
「慶応神保氏:台湾の劣勢戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25
「CSBA:台湾は弱者の戦法を」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27

提言の内容を踏まえて上記発言を解釈すると、いつまでも脅威の変化から目を背け、台湾国防関係者が最新戦闘機や大型艦艇などの派手な装備ばかりを米国に要求しているようだと、国防に対する真剣さを米国関係者から疑われることになるよ・・・との警告です

航空自衛隊、本日も反省の色無し・・・

「米軍被害復旧部隊を沖縄から追い出した日本」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-28-1

米空軍は中国の攻撃に備え
「テニアンをグアムの代替に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-16-1
「グアム施設強化等の現状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-30-1
「グアムの抗たん性強化策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-30-1
「グアムで大量死傷者訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-08-1
「グアム基地を強固に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12

「米と豪が被害想定演習を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-02
「在沖縄米軍家族の避難訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-21
「嘉手納基地滑走路の強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-09

「Wake島へ避難訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-04-1
「テニアンで作戦準備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-05
「ブルネイの飛行場を確認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-14

沖縄戦闘機部隊の避難訓練
「再度:嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-25
「嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-23-1
「中国脅威:有事は嘉手納から撤退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13

空自OBが対領空侵犯措置の効果を疑問視
「対領侵中心の体制見直しを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1

いつまで戦闘機だけを優先するの???
F-3開発の悲劇と日本への提言http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
F-35の主要課題http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

サイバー関連の記事
「ホワイトハッカー活用が本格化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-16
「米空軍が兵器のサイバー対処室を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-05
「米軍サイバー機関の問題や対策を議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-14
「自ら創造したサイバー空間に苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-20
「サイバー脅威の変化と対処を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-21

「対ISサイバー作戦で大きな教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-23
「日本とイスラエルが覚書へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-21
「成果Hack the Pentagon」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1

「組織の枠を超えた情報共有を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-07
「中国には君らも脆弱だと言っている」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-23

台湾の国防政策を提言
「RAND:台湾は戦闘機中心を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-07
「慶応神保氏:台湾の劣勢戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25
「CSBA:台湾は弱者の戦法を」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27

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