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画期的:ハリス司令官がINF条約見直しを要請 [安全保障全般]

皮肉!「宗教戒律を守るようにINF全廃条約を遵守し・・・」

Harris SASC.jpg4月26日から27日にかけ、ハリス太平洋軍司令官が下院及び上院の軍事委員会に出席し、北朝鮮情勢を絡めつつ様々な視点から証言していますが、他のメディアが取り上げていない「時代に合わないINF全廃条約を見直してくれ」発言がありましたのでご紹介します

この両日の議会証言では、「北朝鮮情勢は史上最悪」「空母カールビンソン艦載機は2時間以内に朝鮮半島に到達可能な距離に」「同空母の行動に関し混乱を招いたのは私の責任」との発言が広くメディアで取り上げられ、ごく一部に「ハワイにもICBM防御ミサイル配備を要検討」発言が紹介されましたが、INF条約関連発言のカバーは米空軍協会web記事だけだと思います

最近この条約が話題になっているのは、この米露2国間条約をロシアが破り、仮称「SSC-8:9M729」との長射程巡航ミサイルを、全欧州を射程に収めるロシア西部に配備したと米国政府や軍高官が訴え始めたからで、4月4日には米戦略コマンド司令官が「米国は防御手段を持たない」と危機感を表現しています

「ロシア巡航ミサイルへの防御なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06

今回のハリス司令官による「INF全廃条約を見直し要請」発言は、北朝鮮関連の流れで出たものでしょうが、背景にはロシアの条約破りのほか、中距離弾道ミサイルを戦力の中核にすえる中国やイラン等への大きな危機感があると思います

まずINF全廃条約を再確認
INF-USRU.jpgレーガン・ゴルバチョフ間で1987年12月8日に署名された同条約は、米露が射程500kmから5500kmの地上発射ミサイルの廃棄と保有禁止を約束するもの。もちろん、中国や北朝鮮やイランを拘束する条約ではない
●特にロシア側は、プーチンが「ほぼ全ての隣国が中距離ミサイルを開発している」と危機感を訴え、ロシアによる条約破棄は「控えめに言っても議論対象だ」と発言しているように、同条約に不満を持っている。しかしロシアは「SSC-8:9M729」が同条約違反だとは認めず、ずるずると実質米国だけが条約に縛られている状態を上手く作為

オバマ政権は、ロシアが同巡航ミサイルが試験発射を行った2014年からINF条約違反だと指摘しているが、ロシアは条約違反を否定し、逆に米国の装備を違反だと批判している
●4月4日、米戦略コマンドのHyten司令官は、最近ロシアが配備したINF全廃条約違反の地上発射型巡航ミサイルに関し、「我々には防御手段が無い。特に欧州同盟国を防衛する手立てが無い」と証言した。なお同巡航ミサイルは2個部隊編制されており、1個がカスピ海北方のボルゴグラード市近郊部隊に配備されているが、もう一つの部隊の所在は不明である(公開されていない)


ハリス太平洋軍司令官の議会証言概要
26日、下院軍事委員会でハリス司令官は、INF全廃条約を時代遅れな条約だと語り、「条約に署名していない国(中国やイランや北朝鮮等)によって詐欺に会い、無一文にさせられたようなものだ」とまで表現した。
●そして同大将は「米国は同条約の再交渉を真剣に考えるべきだと考える」と危機感を訴えた

Harris HASC.jpg翌日の27日、今度は上院軍事委員会で同司令官は、「INF全廃条約は米国とソ連のみが力を持つ2極世界であった1987年に締結されたものだが、我々は今、多くの国が射程500~5500kmの兵器を保有又は開発する世界にいるのだ」と訴えている
●更に、中国とイランは差し迫った懸念対象であり、「中国が保有する弾道・巡航ミサイルの9割が(米国が条約に縛られ保有できない)このカテゴリーに属しており、イランはこの種のミサイルの発射試験を1月にも行うなど、盛んに増強している」と強調した

●そしてハリス司令官は、「米国は宗教戒律を守るようにINF全廃条約を遵守し、このカテゴリーのミサイルを一切保有していない」と皮肉たっぷりに表現し、合わせてロシアが2月に条約破りの巡航ミサイルを配備した点にも言及した
●また「中露の超超音速兵器を懸念している。なぜなら、米国は同条約の制約で同種兵器の開発が制約を受けるからだ」とも訴えた
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SSC-X-820.jpg前オバマ政権が「言うだけ番長」の対中国姿勢であった中、自らの職責の限界ぎりぎりラインで中国への厳格な姿勢を冷静な態度で貫き、アジア太平洋の米国同盟国の光明であったハリス司令官ですが、夏には交代又は退役が噂されています

中国はハリス司令官交代のタイミングを狙って「反転攻勢」を仕掛けてくるのでは・・という軍事専門家もいるほどの司令官ですので、2012年末からINF条約問題を訴えてきたまんぐーすとしては、これほど嬉しいことはありません。

当然課題もあり、同条約が破棄されれば、ロシアが極東に堂々と中距離弾道・巡航ミサイルを配備し、戦術核兵器が搭載されることも想定する必要がありましょう。
しかし・・・中国のことを考えれば、そんな事をいっている場合じゃないと思うのですが・

INF条約関連の記事
「ロシア巡航ミサイルへの防御なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06
「NYT紙が露のINF破り配備報道」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「露がINF全廃条約に違反」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27
「INF条約25周年に条約破棄を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-10

「米とカナダが巡航ミサイル対処に協力へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-01
「米陸軍にA2ADミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

超超音速技術やPGC関連の記事
「艦艇配備の超超音速兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-04
「超超音速ミサイルの脅威が大きな話題に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-19
「中国が優位なのか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-14
「ロシアも取り組み表明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-11

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サンダバードF-16も延命改修&後継機種はF-35? [米空軍]

GW中のお気軽な話題として・・・

Thunde F-35.jpg25日付米軍事メディアが米空軍アクロバット飛行チーム「Thunderbirds」を取材し、話題のF-16延命&能力向上施策と同部隊の関係やF-16後継機種に関する同チームメンバーの意見を紹介しています。

思いっきり気楽な会話の一部を切り取ったような記事ですので、GW期間のだらだらムードでご覧頂ければ良いのですが、アクロバット用機体にも最新のデータリンクやレーダーが搭載される話や、後継機種に関する話題が興味深かったのでご紹介しておきます

もちろん現場操縦者の発言ですので、何ら信憑性はありませんし、高いレベルで色々な要因が関わってくることは言うまでもありません。ご注意下さい

サンダーバード機体も延命&能力向上改修
Thunderbirds  F-16.jpg●21日、フロリダのティンダル基地で「Thunderbirds」を取材し、同チームの機体(F-16C/D Block 52)も機体寿命延命&能力向上改修を受けることを確認した。
●隊長のJason Heard中佐は、コンピュータ能力向上やレーダー改修は他のF-16の最後になるが予定に含まれていると説明してくれた。4番機の少佐は、気象条件が悪い等の飛行制限下で、Link-16で他機の位置を確認して状況把握すると語った

●一方で、機体の疲労度確認では同チームの機体は良い指標として活用されており、機体寿命延命対策SLEPをF-16の中で最初に受けているとメンバー達は語った。
●なぜなら、演技のためにエンジン推力は他のF-16よりも大きく2.9万ポンド(通常2.1万)で、機体にはマイナス3Gからプラス9Gまでの負荷がかかり、音速を突破し5万フィートまで上昇することもしばしばで、加えて飛行回数が月に30回以上と通常機体の3倍近いので機体への負荷が大きいからである

F-16の後継機にはやっぱりF-35?
Thunderbirds.jpg●長年継続しているF-16もいつかは寿命を迎える。後継機種に関し、現場ではどう考えているのだろうか? F-16程度の機動性を求めることは間違いないだろうが
●米空軍史上最大のプロジェクトで多数機を購入するF-35なのだろうか? 少し小型の米韓共同開発のロッキードT-50の様な機体なのだろうか? 小型だが、アビオニクスをF-16と共有化しているT-50は能力的に問題は無いし、兵站面でも筋は通る

●同チームのメンバー達は、それでも観客は大きな機体を望むだろうと語った。そして隊長は、「間違いなくF-35は機敏な航空機で、素晴らしい能力を備えている。また「戦闘機の語り部」としての位置づけを我がチームに求めるならば、F-35は論理的な選択肢だ」と語った
Thunderbirds2.jpg●そして、「F-35の真に優れたネットワーク性や状況掌握力などは観客からは見えないけれど・・・」と話しつつ、最終的な決定は、他方面からのコスト分析も踏まえ数年後になるだろうと語った

●ある同チームのある操縦者は、ロッキード社が特別性の低いF-35製造に協力してくれるなら(be open to making a less specialized version)、大きな反対や混乱無しに米空軍はF-35を考えるだろうと語り、
●現在のメンバーはF-35や他の戦闘機の訓練を行っていないから(、比較的誰もが操縦に取り組みやすい機体である必要があるだろう)
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後継機に関する「be open to making a less specialized version」の意味するところが良く理解できていません。訳に自信がありません

F-35 Thunderbird.jpgまぁ・・・あの「ずんぐりむっくりのF-35」に少し格好良く塗装しても、あんまり格好良くないのでは・・と思います。

ロッキードチームとボーイングチームの一騎打ちの様相になっている次期練習機T-Xなんかどうなんでしょう??? 機動性は高いし、最新アビオだし、維持経費も安そうだし・・。

でもやっぱり「「戦闘機の語り部」:narrative of a combat aircraft」である必要性があるんですかねぇ・・・

F-16関連の記事
「米軍F-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「米空軍がF-15と16の延命検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-25
「F-16の延命措置300機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-31-1

T-X関連記事
「候補チームが続々脱落」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-02

米空軍の将来制空アセット検討
「Penetrating Counter Air検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「2030年検討の結果発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02

「悲劇:F-3開発の動きと戦闘機命派への提言」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18

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陸海空の士官学校が「無人機の群れ」対決 [米国防省高官]

米国防省の本気度が伺える競技会!

cadet-UAV.jpg23日付DARPAのwebサイトは、米国防省最高位の研究開発機関であるDARPAが「場」や「ハード」や基礎となる「ソフト」を提供し、将来の米軍を担う陸海空軍の士官候補生がチーム対抗戦方式で、空中戦や航空攻撃をイメージした「無人機の群れ対決」を行うと発表しました

これまでもご紹介してきましたが、軍事技術面での優位性が対中や対露で失われつつある事に危機感を抱く米国防省は、安価で能力向上が著しい小型無人機を「群れ」として使用する事を重要な手間の一つとして研究しており、取り組みの裾野を広げつつ若者の知恵を活用しようとの取り組みです

DARPAのweb発表は、無人機の群れの難しさを、「高度に自動化・自立化した無人アセットを実現することで、一人の操作者が複数の無人アセットを直接操作することないレベルを実現しつつ、目的とする行動を遂行させながら、群れの規模を拡大すること」と表現しています

この難しい世界に多様な士官候補生を呼び込み、将来の米軍の戦力強化や技術優位に繋げようとの競技会「Service Academies Swarm Challenge」の概要をご紹介します

23日付DARPAのwebサイト記事によれば
Swarm Chall.jpg23日から3日間、陸海空の各士官学校チームは、DARPAが準備した加州の州陸軍キャンプ内に競技会空間(縦横500m、高さ80mの空間)を確保し、40機の小型無人機(それぞれ20機の固定翼と回転翼)を使用した無人機の群れ対戦競技会を行う
各士官学校毎に約10~20名で編制された1チームが参加する。チームは理系も文系も含む多様な専攻の士官候補生で構成され、昨年9月の「基礎知識全くゼロ段階」から8ヶ月間で準備を進めてきた

競技会は2チーム毎の対決(30分の戦いを2回)方式の総当たり戦で行われ、固定翼無人機による空中戦評価と回転翼無人機の敵目標地域への着陸数評価、更に兵站面評価として最大同時在空25機の制限内で「launching as many UAVs as quickly as possible and keeping them aloft as long as possible」面から評価される
Swarm Chall2.jpg●DARPAは各チームに、小型無人機と操作装置、併せて基本的な無人機の群れ戦術とソフト、更に準備期間にバーチャル環境で戦術を検証するインフラを提供し、かつ準備期間の8ヶ月間、DARPA技術者が各チームの「戦術」成熟のため助言体制を整えた。これにより士官候補生は、「攻撃」と「防御」の「戦術」に集中して新たなアイディアを生み出す環境が与えられた

●一方で準備期間を通じ参加した士官候補生は、与えられた小型無人機を通じて、特有の課題(バッテリーの容量や大きさ、操作インタフェース等、持ち運びや管理の注意点等々)について、DARPA関係者から直接学ぶ機会を得る。
●優勝チームにはトロフィーが贈呈される
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大規模にやってますね・・・。うらやましい限りです
「無人機の群れ」は、我が有人機編隊に先立って敵防空網を混乱させたり、敵の防空ミサイルを「無駄撃ち」させたりして、相手にコストを背負わせる戦略の柱の一つだと思います。

Drone-mal.jpg結果を承知していませんが、空軍士官学校チームにもっともプレッシャーがかかったのでは・・・と推察します。

でも考えてみれば、地上部隊の防御や攻撃にも、艦隊の防御や攻撃にも活用できるのが「無人機の群れ」ですから、どの軍種にも役立つ技術なんですねぇ・・・

無人機の群れ関連の記事
「国防省幹部:空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1
「無人艇の群れで港湾防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19

「無人機の群れ:艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10
「米空軍が小型無人機20年計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-18
「国防省戦略能力室SCOの主要課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-10
「カーター長官のSCOアピール」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-03

米空軍や陸軍のRCO
「米陸軍もRCO設立」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-01
「次期爆撃機の要求検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-07
「謎のRQ-180」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-09
「謎の宇宙船X-37B」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-12
「国防長官がMC-12工場激励」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-09-02

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約束の期日過ぎてもサイバー戦略発表なし [サイバーと宇宙]

Trump cyber2.jpg21日付Fifthdomain.Com記事は、トランプ大統領が就任時に宣言していた「90日以内にサイバー戦略を見直す」との約束の期限が4月20日だったが今取り組んでいるとの説明だけで何の発表事項も無く、今後の予定も示されなかったと皮肉たっぷりに報じています

新政権には議会が定めた期限付き報告事項が多数課せられており、国家安全保障戦略や国家防衛戦略等もその一つだと思うのですが、政権発足後100~120日の期限が守られることはほとんど無く、ゲーツ国防長官(当時)は士官候補生への講演で「士官候補生は教官にこの様な発言をしてはならないが、国家防衛戦略を政権発足後数ヶ月で提出するなどと言うクレイジーな要求があるか」と愚痴っていたくらいです

ただこのサイバー戦略見直しは、トランプ大統領自らが就任式直前にぶち上げ就任直後にも改めて取り組む姿勢をツイートしていただけに、またロシアによる米大統領選挙へのハッキングが大きな話題となっている「サイバー戦」問題絡みなだけに、関係者の間では「ガッカリ感」「やっぱり感」「大丈夫かよ感」が広がっているようです

21日付Fifthdomain.Com記事によれば
Cyber Top4.jpg大統領就任直前、ロシアを含む諸外国から米国へのハッキングに関するインテリジェンス報告を受けたトランプ氏は、特別チームを編成して90日以内に「a review of America’s cybersecurity efforts」を提出させると国民に誓った
●当時トランプ氏は「それが米国政府であれ、一般組織や企業であれ、我々は積極的にサイバー攻撃と闘い、これを止めなければならない」「使用する手段や戦術や手法の議論は相手を利するだけなので公にされるべきでは無いが、大統領就任後90日以内に対応策を報告させるべくチームを編成した」と宣言していた

●またその1週間後もツイートで、「ハッキング対策に関するフルレポートを90日以内に提出させる」と公言していた。
●そして1月31日には、ジュリアーニ元NY市長も交えたサイバー対策の会議を開催し、同元市長に民間部門とのサイバー協力体制構築を命じ、更に「米国民のために運用している政府ネットワークとデータを防御する必要があり、その防御は極めて重要だ」とも述べている

Trump cyber.jpg●しかし、その後発出が予定されていたサイバー問題に関する大統領令は、突然、何の説明も無く中止されたそしてその後は、特別チームの動きはよく表現しても「思いつき程度:be haphazard」の活動で、特にロシアがトランプ氏の当選を応援していた事が判明した後は低調である。
誰がサイバー戦略見直しに関与しているのかもよく分からず、ジュリアーニ氏は加わっていないし、NSCやクシュナー氏が率いる「American Innovation室」の関与も不明確である

ホワイトハウス報道官のLindsey Walters女史は、「大統領が多様な政府高官と企業専門家を指名してチームを編成し、NSCやAmerican Innovation室とも協力して、第1弾のサイバーセキュリティ計画を取りまとめ中である」と語ったが、今後の日程には言及しなかった
Cyber-new.jpg●まぁ・・トランプ大統領自らが宣言したにも関わらず、期限や公約が守られないのは初めてでは無い。「オバマケア」の破棄と見直しは頓挫したし、打倒ISIS戦略を30日以内に示すとの約束も守られていない。また、中国を「為替操作国」と呼びながら、先週の習近平訪米時にはその表現を引っ込めている
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4月24日付の三浦瑠麗さんの「山猫日記」では、
北朝鮮への米国の関与を占う上で、以下の4勢力が吟味されています

●米政権で力を持ってきた軍人上がり&現役の「軍派」は、軍人の被害を極力避けたい慎重派
共和・民主双方の主流派に属するいわゆるエスタブリッシュメント「帝国派」は、欧州や中東を重視する下地がある勢力
人権を侵害される対象が白人やキリスト教徒だと影響力が増す「リベラルなタカ派
国内の経済と雇用を重視し、外交・安保に関心が薄い、バノン氏を代表とする「オルタナ右翼

MiuraR.jpgそして、核保有国である北朝鮮に米国が先制攻撃を仕掛ける可能性は極めて低い
日本には何ができるかという点ですが、これが大変難しいのです。実は、解はない
もっと言えば、日本も核抑止への当事者となるために非核三原則のうちの「持ち込ませず」を撤回して、米国との核共有を進めるべき

以上が「北朝鮮情勢」に関する三浦さんの視点ですが、米国政治に影響力を持つ以上の4大勢力が、「サイバー戦」にどのような姿勢なのか伺っても見たいものです。恐らく、脅威に対する共通の認識や利害が一致せず、それぞれが勢力としてまとまらないような気がします。

つまり、陸海空&宇宙への脅威感とサイバー脅威への対応は、全く異なる「筋肉」を必要とする気がします。なのでトランプ政権でもまとまらないのでは・・・と思う次第です

ですから、トランプ政権を単純に攻める気持ちにはならないのですが、「大変だ!」とだけ叫んでおきます

「米国政府サイバー予算の9割は攻撃用!?」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-31
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米空軍F-35が(対露で)急遽エストニア展開!? [Joint・統合参謀本部]

28日、今度はブルガリアに2機と20名で展開。期間は不明
一応、以前から計画されていたものらしいです・・・
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追加報道
2機のF-35は、25日1330頃に到着し、1600頃には英国に向け離陸
隊長は、往復の間、空中給油を1回実施で、どこにも立ち寄っていない
エストニア軍参謀総長は「プレゼンスを示すことが目的だった」とコメント
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速報、25日、2機の米空軍F-35がエストニアに到着
25日付Defense-Newsによれば
領空保全任務は行わない、情勢とは無関係、期間不明、
約20名の地上要員を伴い、地域完熟訓練を行うと米空軍発表
以下は、24日時点の推測報道ですが、26日時点で誤りなし・・
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F-35 Gilmore.jpg24日エストニアの公共放送ERRが、22日から英国のLakenheath基地で初の海外展開訓練を行っている米空軍F-35が、25日からエストニアに移動して数週間訓練を行うと報じました。

米空軍報道官は、F-35の移動については完了してからでないと公にしないと微妙な表現でコメントを避けており、真偽のほどは不明です。
しかし、22日に英国に移動した直後の米空軍会見では、最初の1週間程度は英軍基地所属機と英国周辺で訓練する計画を表明していたことから、また実任務には従事しない姿勢を示していたことからすると、対ロシアで何かしら姿勢を示す必要があったものと考えられます

シリアへの巡航ミサイル攻撃以降、米露の関係は悪化していますが、先週、ロシア大型爆撃機が2年半ぶりに行った3回ものアラスカ接近飛行が、更なる緊張増の背景の一つとして考えられることから、併せてご紹介します

米空軍F-35が急遽エストニア展開?
(24日付Defense-Newsによれば)
Ämari air base.jpg●24日エストニアの公共放送ERRが、25日から米空軍F-35がロシア国境に近いエストニアの「Ämari空軍基地」に展開する予定だと報じた。展開期数には言及していない。
同基地はエストニアの北西部に位置し、ロシア国境まで車で3時間程度の距離にあり、これまでもバルト海で活動するロシア機に対処するためNATO加盟国の航空機が展開しており、2015年には米空軍F-22も展開した実績がある

●先週の会見で米空軍は、英国に展開下F-35はバルト3国の領空を守る「Baltic air policing任務」や他の実任務には従事しないと明言しているが、米空軍はF-35の初期運用態勢IOC確保を昨年夏に宣言以来、継続して必要があれば作戦投入可能と言い続けてきた
●ただ先の会見では、欧州大陸のNATO諸国基地には、飛行場や経路慣熟のために行き来するだけで、特別な演習は計画していないと発表があったところである

●一方で今回のF-35英国展開は「European Reassurance Initiative」予算を使用しており、米空軍F-35の能力成熟のための訓練とは言え、演習や訓練を通じてNATO諸国等との相互運用性を向上し、ロシアに抑止力を示す意味もある

2年半ぶり4回もロシア爆撃機等がアラスカ接近
Tu-95-1.jpg●24日、米国防省のJeff Davis報道官は、17日の週に約2年半ぶりにアラスカ接近飛行を4日間に亘り4回も行ったロシア軍機に関し、真意のほどは不明だが、機体整備上の問題で活動を「中断:hiatus」していたものが再開されたのではないかと語った
●4回の飛行は、Tu-95大型爆撃機によるモノが3回と偵察機が1回で、いずれも多数の米軍とカナダ軍機により対処を行ったが、対処は「安全にプロの対応」で行われ、特に問題は無かったと報道官は語った
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2年半ぶりのロシア爆撃機のアラスカ接近飛行について、「機体整備上の問題:maintenance issue」で「中断:hiatus」していたと米国防省報道官が語っていますが、日本周辺には統合幕僚監部が公表しているだけでも、平成27年度と28年度でTu-95が3回飛来(27年12月2機、28年1月2機、29年1月3機)しており、「?」な気持ちです

F-35-Netherland.jpg昨今の米露関係を受け、ロシアが米国に「ジャブ」を繰り出したと見るのが自然で、2年半アラスカ接近飛行が無かったのは、単にアサド政権支援で忙しかっただけかも知れません。

そして米空軍F-35のエストニア展開が本当であれば、ロシアの「ジャブ」に、米側も「ジャブ」を繰り出したと考えるべきでしょう

対領空侵犯措置の状況(統幕発表)
平成28年度統計http://www.mod.go.jp/js/Press/press2017/press_pdf/p20170413_01.pdf
平成27年度統計http://www.mod.go.jp/js/Press/press2016/press_pdf/p20160422_01.pdf

米空軍F-35初の海外訓練展開
「行き先は英国だった」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-21
「突然のF-35海外展開訓練発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-15

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次期国防副長官は膨大な仕事をこなせるか? [米国防省高官]

Shahahan.jpg13日付Defense-Newsが、約1ヶ月前に次の国防副長官候補として名前が挙がったボーイング社副社長のPatrick Shanahan氏について、経験豊富で馬力もアリ、国防省のやっかいな検討事項を一手に引き受けている現Work副長官の後任として、機能するかを懸念する記事を掲載しました。

正確には「懸念する」と言うよりも、こんなに大変な仕事が待っていますよ、民間企業重役から国防省幹部になった例は幾つかあるが、成功例もあればそうで無い例もありましたよ・・・との「さらっと」した記事ですが、現Work副長官に課せられた仕事一覧が紹介され、その質&量に改めて唖然としましたので、国防省の課題や問題を整理する意味でご紹介します

ちなみに候補のShanahan氏は、3月16日に候補者として発表がありましたが、未だ正式に大統領から議会に承認手続き要求が為されておらず、今後急いだとしても副長官就任には数週間を要します。
なお、Shanahan氏の経歴等については、以下の過去記事をご参考に

「副長官候補にボーイング重役」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-17

13日付Defense-News記事によれば
Shanahan4.jpg●いつShanahan氏が上院の承認を受け、国防省No2ポストに就任するにしても、2014年4月から副長官を務め(その前は海軍省次官を09年~13年努め、08年にはオバマ政権誕生時の政権移行海軍チームリーダー)て経験豊富なWork副長官の重く複雑な仕事を引き継ぐことになる。
まんぐーす注Work氏は02年から09年まで、シンクタンクCSBAで上級分析官から副理事長までを務め、George Washington大学で軍の役割や国防分析分野の教鞭も執っており、国防省の業務やその機構について、外側と内側から観察経験してきた人物である)

国防省高官によれば、Work副長官は現在11個もの主要なレビューや計画の責任者に当たっており、その代表的なモノは、
・米軍の即応態勢
・CMO(chief management officer)設置の検討
・米軍の医療保険制度改革
・サイバーコマンドの格上げ検討
・国防省の効率性・効果度改善のための組織横断チーム設置検討
調達技術兵站担当次官(AT&L)業務の分割検討 などなど

●上記の他に、トランプ大統領から国防省が指示されている複数の特別レビューも、実質的にはWork副長官が担っている。そのレビューには、
弾道ミサイル防衛体制
・核態勢見直し(NPR:Nuclear Posture Review
対ISIS戦略の見直し
F-35と大統領専用機(Air Force One)価格&コスト低減

Shanahan2.jpg●上記のレビューや諸検討の中には、後任副長官の就任までに終了しているモノもあるが、このリストが示すように、国防副長官には国防省内の様々な課題や官僚機構への理解が不可欠でアリ、国防省とのビジネス経験は豊富なものの、内部での勤務経験が無いShanahan氏に懸念を有する者も居る
●ゲーツ国防長官時に国防長官室長を務めたRobert Rangel氏(現ロッキード副社長)は、「組織課題や政府の行動特性、政治との関係、更に極めて複雑な予算構造を早急に学ぶ必要がある」と指摘している

●そしてRangel氏は、「ビジネス界での豊富な経験はもちろんプラスだが、その経験を国防省という全く異なる環境にマッチさせる姿勢があるかどうかが問われることになる」「成功例も見てきたが、そうでない例も存在する」と表現した
●議会で承認手続きを担うマケイン上院軍事委員長も心配を隠さず、「だから我々は軍事委員会でヒアリングを行い、その姿勢を問いただすのだ」と述べ、併せて、現在副社長を務めているボーイング社との関係を断ち切ることを確認する必要があると語っている

ボーイング社は現在、米空軍の次期練習機T-Xや次期ICBMの機種選定に名乗りを上げており、仮に承認を得たなら90日以内に政府倫理室と上院の定めた基準を満たすように、企業との経済的関係や利害関係を整理しなければならない
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Shanahan3.jpgShanahan氏に具体的な懸念事項があるわけではなく、一般的な懸念事項を説明した記事です。
巨大な官僚機構である国防省ですから、5月1日からの強制削減の可能性がある中、今も淡々と業務が進められているように何とかなるのでしょう。これまた根拠の無い見方ですが・・・

それよりも何となく気になるのが、「国務省」の方です。予算の大幅削減や軍人経験者が力を持つNSCの状態から、その士気が「ウナギ下がり」と良く見聞きするようになりました。
国防長官当時のゲーツ氏は、「国務省」予算の増額のためなら、全力で旗を振って支援すると繰り返し述べ、国防省と国務省が両輪として機能することの重要性を訴えていました

また如何に多忙でも、週1回は国務長官と直接会って、話をする機会を設けたと言っていたくらい、その関係を重視していました。国務省予算は今後の予算案審議の注目点でもあります。

「副長官候補にボーイング重役」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-17

ゲーツ長官退任の辞より(2011年6月30日)
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-01
gatesSTART2.jpg国務省に関する私の見方は大きく進化した。私が国家安全保障評議会のメンバーだったニクソン政権時代、彼らの働きはお世辞にも褒められてものではなかった。私が公務に就いている期間の大部分で、国務長官と国防長官が相互に話しかけることがほとんどなかったぐらいである。
ライスとクリントン国務長官とは、この強力な2人の女性と話し合うだけでなく、助け合う同僚や良き友人として過ごすことができた。私は国務省の予算を増やすように大演説をしたいぐらいである。同時に米国の外交官、援助機関の人々等、世界各地でリスクを冒しながら世界や米国のために尽力する人たちに感謝したい。

おまけ:ゲーツ長官語録100選より
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

ロバート・ゲーツ語録39
→私が国防長官に着任したとき、特段これと言って何かを変えようとは思っていなかった。しかし最初の2年間で、私を困らせる国防省の仕組みを強烈に学ぶことになった。例えば・・・→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-17

ロバート・ゲーツ語録41
→(記者会見で)皆さんにとってペンタゴンは仕事がやりやすい場所ではなかったかもしれない。タイムリーで役に立つ情報を官僚組織から得ることはいつも困難を伴ったと思う。時に私だってそうだったから
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-17-2

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ACC司令官:F-15C退役はやむなし!? [米空軍]

F-15C-Arctic.jpg13日、米空軍戦闘コマンド司令官のHolmes大将が米空軍協会機関誌のインタビューで、限られた予算の配分を考えると、次世代制空機(PCA)導入を進めるタイミングで、1機に30億円以上かけてF-15Cを10数年延命させる選択肢があり得るだろうか・・・と苦しい胸中を明かしています

米空軍F-15Cの退役は、兄弟機である航空自衛隊が約200機保有するF-15J戦闘機の「維持」に直結しかねない問題でアリ、「America First」で「Buy American」主張前面押し出しのトランプ政権を考えれば、他の日本の産業を守るため国防装備購入で妥協する可能性の高さを思えば、「F-35の追加押し売り」にも容易に発展する事態である事から大騒ぎしているところです

米空軍F-15Cは230機の大半が州空軍に所属して本土領空保全任務に従事していますが、F-15C退役後にこの役割を担う想定になっているF-16戦闘機300機に対する、延命措置実施を先日米空軍が決定した時点で、実質「F-15C引退」は既定路線なのかも知れません。ただし、引退は早くても2022年からで、その決定も2020年頃になるとの米空軍首脳の言い振りでしたが・・・

20日付米空軍協会web記事によれば
HOLMES4.JPG●最近米空軍首脳がほのめかしているF-15C制空戦闘機の退役については、A-10の「二の舞」で議会の反対で潰される可能性もある。しかし新ACC司令官は13日、遅かれ早かれ、その動きは避けられないとの見方を示した

●Holmes大将は、「最新のF-15Cでも31年前に購入したモノで、真に酷使されている」「機体中心部分への構造的な手入れなしでは、運用を継続するのは不可能と技術者達は言うだろう」「空中分解のリスクを冒して運用する事になる」等の表現でF-15Cの老朽化を語った
●米空軍は、ボーイング社と空軍兵站コマンドから延命のための構造補強費が1機30~40億円で、現状のまま寿命まで維持するには年間1億円程度が必要と伝えられており、Holmes司令官は「現状維持で使用が妥当なラインで、10年延命するのに30~40億円はそう思わない」と語っている

次期制空機PCA導入のために
F-15C2.jpg●そして同大将は、2020年代後半の予算状況が現在と変わる見通しが無く、現在の戦闘機飛行隊数55~60個を維持し、F-35が中心で次期制空機PCA(Penetrating Counterair Air)の導入開始を想定すれば、選択の必要があると語った
●また同司令官は、F-15Cの退役時期は2022年までに決定すれば良いとの考え方もあるが、PCA開発に進む決断をするのであれば、必要経費確保の見積もりを説明する必要があり、戦闘機体制の計画を立てておく必要があると説明した

●また米空軍がF-16能力向上と延命を決断したことについて、より新しく飛行可能時間が多く残っており、予算だけで無く、人的戦力確保の面でも実行可能性があると語った。
●更にF-16は本土防空に適し、新たにAESAレーダーや相互通信能力を付加することで、今後重要になる巡航ミサイル対処にも適応できると語った
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米空軍参謀総長は議会等との関係に配慮して「まだ何も決まっていない」と語る一方で、前線を預かる州空軍司令官や戦闘コマンド司令官は、「F-15C退役はが最も妥当、致し方ない」との思いを精一杯伝えています。

A-10全廃を先送りさせたような形で、米議会の有力議員が反対し、外野の軍事専門家が議会をバックアップする体制となれば別ですが、「F-15C/D」退役の方向は既定路線の様相です

F-15C.jpg米国で捨てられそうな部品や解雇されそうな重要技術者がいれば、日本は確保に走るのでしょうか??? 
必要な戦闘機の機数や飛行隊数の議論に「引火」する事を恐れ、ずるずると意志決定を先延ばしにし、結果として米国から足元を見られ、「言い値」で買わされるようなことがないようにお願いしたいモノです

米空軍F-15の関連記事
「米空軍がF-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「衝撃:制空用F-15全廃検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23
「現実的で低価格なF-15能力向上案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15

「米メディア:心神よりF-15改修」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-16
「F-15全機の電子戦機材換装へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-05
「米空軍がF-15と16の延命検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-25

「F-15の寿命を2倍に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-27
「F-16の延命措置300機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-31-1

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イスラエルが米国の変化を歓迎&シリアが兵器分散 [マティス長官]

Israel PM.JPG21日、マティス国防長官がイスラエルを訪問し、ネタニアフ首相やリーバーマン国防相と会談した後の記者会見でシリアへの巡航ミサイル後の情勢について語り、シリアはさらなる攻撃を恐れて軍用機を分散し、2014年の全化学兵器破棄の合意に違反し、化学兵器も引き続き保持していると語りました

なお、極右政党の党首で連立政権のためイスラエル国防相になっているリーバーマン氏は、具体的なシリアの保有化学兵器量にも言及して危機感を訴えています。
また、マティス国防長官の表敬を受ける前にネタニアフ首相は、米国によるシリア巡航ミサイル攻撃を「率直でまっすぐな行動」と高く評価し、米国政策の変化を高く評価しました

トルコ大統領の権限強化がサプライズ承認された事と無理やり結び付ける訳ではありませんが、様々に中東に変化をもたらしている巡航ミサイル攻撃後の様子をご紹介します

その前にシリア化学兵器関連の経緯
2013年8月、ダマスカス郊外のシリア反政府支配地域が化学兵器攻撃を受け、オバマ大統領が言及していたレッドラインを超えたが米国は何もできず、ロシアの仲介ですべての化学兵器を破棄することで合意

●2014年、国際組織の監視の下、アサド政権が開示した化学兵器1300トンの破棄または国外に運び出された処分された・・・ことになっていた。しかし処分完了後も、すべての化学兵器や製造装置の破棄には疑問の声が上がっていた
●また、ISISや他の過激派組織が化学兵器を入手しているとの証拠も出始めていた

21日付Military.com記事によれば
Israel DM.JPG●イスラエル国防相と共に会見に臨んだマティス長官は、シリアへの巡航ミサイル攻撃後の最近、再び米軍から攻撃されることを恐れ、シリア空軍が保有作戦航空機を分散配備していると語った
●また同長官は、「国際社会は、シリアがすべて破棄したと宣言しながら、合意に違反し、化学兵器をいまだに保有していると考えている」と述べ、「シリアは権力者の指示を受けそうしており、国連決議に違反していることから外交ステージで議論されるが、巡航ミサイル攻撃で我々の姿勢を示したように、再び使用することは許されない」と表現した

●今週に入りイスラエル国防関係高官が、シリアは3トンほど化学兵器を保有していると述べ、世界で初めて具体的な保有量に関するインテリジェンス情報を提供した
●同会見でイスラエル国防相は本件に言及することを拒んだが、「我々はアサド政権が化学兵器を反政府組織に使用したとの100%の情報を保有している」と述べた

●なお、アサド政権は反政府組織支配地域への化学兵器使用を否定し、アサド政権を支援するロシアは、シリア政府軍の攻撃が反政府組織の化学兵器貯蔵庫に命中し、被害が発生したと主張している


マティス長官はイランに関し
Israel salute.jpgイランと主要国との核合意(JCPOA:Joint Comprehensive Plan of Action)の現状について同長官は、米国務省による最近の検証では「依然として機能しており」「イラン側の義務を果たしているように見える」と表現した
●一方でマティス長官は、核合意を順守していることが、イランが他の分野で多くの問題を引き起こしていることの言い訳にはならないと釘を刺し、イランによるテロ組織支援、近親勢力を通じた中東での紛争介入、シリアのアサド政権への肩入れ等を問題視した

●また米国は核合意を「継続的に機能するよう望む署名者だ」と述べる一方で、核合意と、イランが中東で引き起こしている「混乱、殺戮、破壊行為」は区別して扱われるべきとの考えを示した
●なおマティス長官の発言は、記者会見で先にイスラエル国防相が「イランに対しより強い圧力と制裁を望む」と述べた後に行われたものである。なおイスラエル国防相は「米国の政策に意見する立場にはない」と発言しつつも、巡航ミサイルによる攻撃を「イランに対する明確で強いメッセージ」と表現し「大変満足している」と語った
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現在のイスラエルが米国の姿勢を高く評価することが、中東地域の安定に寄与するのか「ビミョー」または「?」ですが、ネタニアフ首相は大喜びなのでしょう。

Israel.jpgしかし、オバマ政権時に米国が幻の「レッドライン」で事態を曖昧にし、ロシア主導で「シリア化学兵器」をなんちゃって全廃したことが、わずか3年後にしっかり跳ね返ってくるあたりが、サイクルが早い・展開が早い現在の世界情勢を象徴しています。

しかし・・・少なくともオバマ政権時とは対応が違うようですが、トランプ政権内で変化があったかと言えば、基準がなかったから変化とか語れない・・・が適切な表現のように思います

シリア攻撃関連記事
「シリア巡航ミサイル攻撃の裏側」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-08
「続編:同攻撃の裏側」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-11

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米空軍F-35はやっぱり英国展開 [亡国のF-35]

F-35 turn trail.jpg20日付各種報道によれば、米空軍F-35の初海外展開訓練先は予想通り英国のLakenheath空軍基地で、15日土曜日に6機が移動し、途中で故障が発生した2機が後を追う形で、欧州大陸で数週間訓練を行う事になると、19日に米空軍幹部が明らかにしました

Hill空軍基地(ユタ州)所属の第34戦闘飛行隊が今回の移動訓練を行い、隊長であるGeorge Watkins中佐は、今回の展開中は「Baltic Air Policing」等の作戦任務を行う事はないが、大洋を渡るという新たな経験と、派遣先で「a different power system」を立ち上げる経験を積むと説明しました

なお、この規模の海外展開はF-16が通常行う規模の機数ですが、同行兵士が人員245名と通常より多くなっているのは、展開訓練をより多くの兵士に体験させたいためと、警備要員を増やしているからだとの事です

20日付米空軍協会web記事によれば
F-35 Front.jpg●19日の記者会見は電話回線を通じて行われ、展開訓練自体は長期間の計画に基づいて行われているもので、「European Reassurance Initiative」予算を使用しているモノの、政治的な意味合いは何も無いと欧州米空軍報道官は説明した
●同飛行隊長は、同部隊はアイダホ州Mountain Home空軍基地やネリス空軍基地への展開を経験済みで、また今回の英国展開に備え、母基地の反対側に装備や必要施設を移設する訓練を行ってきたと説明した

●(明確な訓練期間には言及せず、)移動訓練間、最初の1週間程度はLakenheath基地所在のF-15CやE型と、1VS1や2VS2の空対空や空対地訓練を行うと述べ、実弾は搭載しないが、、訓練想定上は、アムラーム、2000ポンドJDAM(GBU-31)、500ポンドレーザー誘導爆弾(GBU-12)を使用すると説明された
●その後は決定したわけでは無いが、英空軍のタイフーン戦闘機やオランダ空軍F-16とも訓練を行う案がある模様。また、他の欧州NATO基地への慣熟訓練飛行も検討しているが、他基地で演習等を行う予定はなく、設備が不十分な基地への慣熟飛行も予定にはないとも説明があった

自動兵站情報システム(ALIS)は機体に先立って移動を完了し、展開先でのシステム設置も記録的な短時間で実施できた模様で、同飛行隊長は「システムが順調に稼働しており嬉しい」と装直な感想を述べた
●また、機体表面のステルス性は、展開訓練間を通じ「combat levels」に維持されるとも語った
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F-35 fix.jpgここ数日、アラスカ周辺でロシアの大型爆撃機が(威嚇?)訓練飛行を繰り返しているおり、シリアへの巡航ミサイル攻撃への反応なのか、よく分からないながら対露の緊張感は高まっています。

そんな諸情勢を考慮したのか、上記記事によれば、このテレビ会見に登場したのは女性大尉の報道官と飛行隊長の中佐だけで、通常の訓練である事を強調しているかのようです。

訓練に関しては、揚げ足を取る趣味はありませんが、「ALISが稼働して幸せ」とか「実弾は使用しない」とか、緊急事態が発生しても「実任務には転用しない」とか、初期運用体制IOC確立を宣言して半年以上経過していながら、何とも寂しい中身です。
でもロシアの偵察機が、頻繁に英国周辺に飛来し、情報収集等に努めるのでしょうが・・・

「突然のF-35海外展開訓練発表」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-15

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空母カールビンソン群司令官:任務を30日間延長と [Joint・統合参謀本部]

Kilby-CV.jpg19日、空母カールビンソンのFacebook上で同空母軍司令官のJim Kilby少将が、「朝鮮半島沖でのプレゼンス維持のため、海上任務展開を30日間延長する」と乗員に対し通知しました。
そして国防省高官は、同空母が来週、韓国周辺海域に到達すると語ったようです

8日にハリス太平洋軍司令官が同空母の豪州寄港を中止し、「北上」を命じたことを受け、金日成誕生日の15日までに朝鮮半島近海に進出するのではとの「デマ」が世界を駆け巡りましたが、結果的に豪海軍との訓練等を予定通り行い、15日にインドネシア周辺海域にいたことを示す写真を米海軍が公表するなど、「勝手に盛り上がっていたメディア」感が広がっています

一方で大騒ぎしたメディアも悪いが、ホワイトハウスと国防省との意思疎通も不十分で誤解を招いたのでは・・との内幕暴露報道等も出始め、やっぱりトランプ政権の危機管理は心配だの雰囲気を醸し出しています。
まぁ、とりあえず、確かな同空母群司令官の乗員向け発表を、19日付米海軍協会web記事からご紹介します

19日付米海軍協会web記事によれば
Carl Vinson2.jpg18日遅く、司令官のKilby少将は乗員向けメッセージとして同艦Facebook上に、「朝鮮半島沖でのプレゼンスのため、我々の海上行動任務期間を30日間延長する」と記載した。
●そして「任務は同盟国等にアジア太平洋地域に対する我々の強固な関与を再確認し示すことである。我々は海上抑止力の中核でアリ、国家指導者に対し、前方展開しているアセットによる全ドメインに渡る柔軟な抑止力を提供しつづける」と綴った

●同空母戦闘群は豪州西方海域での豪海軍との演習を終え、今週初めに南シナ海を通過する予定で、太平洋軍報道官は18日「期間を短縮した豪海軍との演習を終えることが出来た。同空母戦闘群は西太平洋を北上する」と述べている

Kilby-CV2.jpg●8日に豪州訪問を取りやめて「北上」するとハリス大将が発表し、11日にマティス国防長官が「特段の意味がある動きではない。通常の行動の一つだ」と説明したが、その際「豪海軍との訓練を中止した」と発言し、その後報道官が取り消したものの、誤解を生むことにつながった。
●またホワイトハウスの声明も同空母が朝鮮半島方向に直接向かうとの印象を与える不明確な内容で、12日にトランプ大統領自身が「艦隊(armada)を派遣した。強力なやつだ。空母よりも強力な潜水艦も含む」と発言したことでメディアは色めき立ったのだ
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任務延長に関する司令官から乗員へのメッセージの存在は、最初に「Navy Times」が報じたようですが、一般に公表する事を意図してFacebookに記載したようで、現在も同空母Facebookで誰もが見ることができます

同空母Facebook
https://www.facebook.com/USSVINSON/?hc_ref=PAGES_TIMELINE&fref=nf

owabi.jpgトランプ政権のリーク体質が問題視される中、乗員宛のメッセージを、誰かがメディアに流したのかも・・・と心配しましたが、無駄な心配でした。

数千人の「お友達」を持つ政治家「先生」の公式Facebookから、甘い考えで無断「コピペ」して「先生」から厳しくお叱りを受けた前科(今も支持者の方からご批判あり)を持つまんぐーすですから、偉そうなことは言えないのですが、SNS上の情報の扱いには注意したいモノです

関連の記事
「国防長官は空母の朝鮮半島?派遣をどう語ったか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-12
「岩国F-35訓練もアピール材料?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-18-1

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米空軍の新ACC司令官が新たな動きを語る [米空軍]

HOLMES4.JPG13日、約1か月前に就任したばかりの米空軍戦闘コマンド司令官James M. Holmes大将が、米空軍協会主催のイベントで、米空軍の時代に即した取り組みや軍需産業への要望事項を語っています。

まだ就任間もなく、「今週、このブリーフィングを聞いたばかりだが・・」等と状況把握段階にあることを自ら認めていますが、約36万人の米空軍の中で、10万人の規模と主要作戦機1300機を擁する戦闘コマンドの司令官です。
前任者のカーライル退役大将と同様に、今後様々な形でご紹介する人物ですので、「鳴き初め」として取り上げます

指揮所を鍛える「Blue Flag」復活と宇宙との連携
blue flag.jpg過去5年ほど予算と多忙さから実施できなかった、作戦レベルでの指揮中枢を鍛える「Blue Flag演習」を定期的に実施することにする。2年間で3回計画することとし、1年目に1回、2年目に2回実施する方式で繰り返していく計画だ。

●米空軍だけでなく、米軍として「multi-domain」指揮統制の新時代を目指す中、さらに我々は、統合の航空作戦計画と遂行を訓練するだけでなく、サイバーと宇宙脅威への対処を取り込み、米空軍宇宙コマンドと共に訓練を行う
●我がACCと宇宙コマンドは作戦実施上関連が深く、共に問題に対処するシナリオを準備することにした。更にその一環として、実際の演習場だけでなく、バーチャル演習場も活用する予定である

現場ニーズに迅速対処する仕組み
●従来の官僚的で鈍重な意思決定プロセスを改善するため、数か月前から空軍司令部レベルで、主要コマンドの要望事項をバーチャルな手法で承認する「Joint Requirements Oversight Council」の活用が始まっている。「face to face」の時間を削減する取り組みだ。
pentagon2.jpg●この取り組みは、誕生6か月目の新設「Capability Development Council」が仕切っており、意思決定を迅速にし、新技術を兵器システムに優先的に取り込む事を促進するもので米空軍副参謀総長がトップを務めており、一旦トップが意思決定したなら、皆がその実現に向け行動する仕組みだ

●もう一つは、分析官と作戦計画者と装備品要求担当が協力して働く「Air Force Warfighter Integration Center」で、事業の優先順位を煮詰めて努力方向を絞る役割を担う
●これにより、各組織が各予算で1年かけて要求を詰め、その後持ち寄って協議し、結局全体では1~2%の要望だけが取り上げられる時間とアイディアを浪費する仕組みと決別したい
●今週説明を受けたばかりで具体的なことはわからないが、米空軍司令部レベルで懸命の努力が行われているところである

企業へ:現場の声を聴いてほしい
Holmes 6th Gen3.jpg企業のリーダーの皆さんには、少しばかりお願いしたいことがある正式な提案要求になる前の段階でも、現場のニーズや諸問題を聴いてもらいたい
●一般に企業レーダーの皆さんは部下に、正式な要求の形になる以前のアイディア段階で、サービスを提供しようとするなと指示されると思う。しかし、もっと現場の声やアイディアレベルの話を聞いてほしいのだ

米空軍は多くの分野で能力や規模不足に苦しんでおり、対応にアイディアを必要としている。特に多様なドメインのセンサーを連接する分野に、新たなアイディアが必要なのだ。よりよくなる必要があるのだ。
●(同司令官の主要組織のリーダーはパネル討議で、)現有能力とニーズの差が記録されているwebサイトへのアクセスを、承認された企業関係者にも認めようと考えている
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Holmes-ACC3.jpgHolmes新司令官は空軍司令部の作戦計画部長から現職に就いた人物で、空軍全体の状況は広く浅く把握しているのでしょうが、前線を担う部隊指揮官に就任し、現場の実態をまじかに見るにつけ、その切実な現状に苦悩は深く・・・といった感じでしょうか・・・

企業リーダーに対する「現場の声を聴いてほしい」「新たなアイディアがほしい」との叫びにも似たお願いは、そんな苦悩から絞り出されたものではないかと思います。

対領空侵犯措置だけに頭を突っ込み、脅威の変化や本質を視界から遠ざけるダチョウ症候群の我が空軍首脳部は、この米空軍大将と会話できるのでしょうか??? 話がかみ合わないでしょうね・・・。

「Holmes新ACC司令官をご紹介」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-12

「空自OBが対領空侵犯措置の効果に疑問を」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1

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岩国配属F-35Bがホット給油&給弾訓練 [亡国のF-35]

Iwakuni-35.jpg17日付Defense-Newsが、岩国基地で行われた米海兵隊F-35Bの実戦的給油及び給弾訓練の様子を報じています。

4月の6日と11日にそれぞれ行われた訓練のようで、北朝鮮の記念日である15日に向け、「ショーアップ」され発信された感が漂っていますが、2015年に初期運用態勢確立を宣言しながら、今頃この訓練が初めてかよとか、まだまだ海外初展開F-35Bが戦力になるには時間が必要なんだなぁ・・・と感じさせる記事内容なので、そちら方面への関心からご紹介します

おまけで、大騒ぎだった空母カールビンソンの急遽「北上」指示に関し、緊張が高まった4月15日時点で、同空母がインドネシアの海峡を通過していたことが判明しましたのでご紹介します。

大まかな岩国F-35B部隊の今後の予定
現在10機が配備されているが、夏には6機追加され、計16機となり飛行隊編制が完結する
秋には強襲揚陸艦「Wasp」に搭載され、第31遠征海兵軍として海上訓練に臨む。なお強襲揚陸艦「Wasp」は、ノーフォークから佐世保に移送する本年末以降、第7艦隊所属となり、現所属の「Bonhomme Richard」はサンディエゴで修理に入る

ホット給油&給弾訓練について
F-35B-2.jpg●米海兵隊の発表によれば、岩国基地でF-35Bを運用する部隊VMFA-121は、エンジンをかけたままでの爆弾搭載訓練と他機からの燃料給油訓練を地上で行った。

●なお他機からの給油訓練は、ADGR(aviation-delivered ground refueling)と呼ばれるが、地上でエンジンをかけたままのF-35Bに対し、KC-130J空中給油機から直接給油し、給油速度の確認検証が行われた
●米海兵隊によれば、このような航空機から航空機への地上での直接給油は、設備不十分な緊急展開基地や代替基地等での運用を想定したモノで、部隊の運用レベルが一段と高まったことを示すものである

●また海兵隊によれば、6日に同飛行隊では、エンジンをかけたまま1000ポンドの誘導爆弾GBU-32(JDAM)をF-35Bの内部爆弾庫に搭載する訓練も行われた
●なお、同爆弾がF-35B内部爆弾庫に搭載されたのは、岩国での訓練のわずか2日前に、アリゾナ州ユマ海軍航空基地の戦技教官コースで行われたのが最初だった

●この様にエンジンを駆動させたまま給油や給弾を行う事により、一端エンジンを停止して行うより時間が節約できて実戦的であると共に、機体への負担を軽減したり故障発生を抑えることが出来る

あの日、あの空母は遙か南方海上にいた!
(別の17日付Defense-News記事より)
Carl Vins.jpg米海軍が公表した写真によれば、15日にカールビンソン空母群はインドネシアのスンダ海峡(スマトラ島とジャワ島の間)を通過しており、朝鮮半島からは3500nmも南にいた
●元々の予定では、豪海軍との演習がインド洋で計画されていた。(まんぐーす注:つまり、予定通り豪海軍との演習をインド洋で行い、その後インド洋から移動を開始してインドネシア列島を北上通過したものと考えられる)

8日に豪州行きが急遽変更され、「北上」すると明らかになった際は、ただちに朝鮮半島近海に急行するものと世界で話題になったが、太平洋海軍関係者もペンタゴン関係者もその行動に関しコメントしておらず、匿名では「驚いている。そんなこと誰も言及していない」との話も聞かれた
●ただ複数の関係者は、具体的な日時についてはコメントを避けたが、25日頃に韓国近海に達するとの韓国報道を強く否定はしなかった

●しかし、カールビンソン空母群以外に、空母ロナルドレーガンと空母ニミッツも数週間以内に朝鮮半島周辺に派遣されるとの報道については、複数の関係幹部が強く否定した
空母レーガンは横須賀で5月まで定期修理を行っており、修理終了後も、乗員等のリフレッシュ訓練にある程度の期間が必要である。また空母ニミッツは加州南で訓練中で、カールビンソンの交代で西太平洋に派遣される予定だが、それを早める考えは全くないようだ
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空母カールビンソンの動きに関しては、13日掲載の記事で「予定の訓練はそのまま実施」「15日には間に合わない」と米海軍協会web記事を引用してご紹介していましたが、おかげさまで正しかったことが明らかになりました

Kadena-Full.jpg岩国でのF-35Bの「実戦的訓練」アピールや、12日に嘉手納米空軍の全機フル兵装出撃準備訓練写真公開、空母「北上」やMOAB使用等々、メディア的な話題には事欠かないのですが、核実験をさせないように、「敷居」を超えないように、必死でプレッシャーを作為していたんでしょうか?

やるときには奇襲効果を狙うでしょうから、落ち着いて考えたいモノです。にわか軍事専門家にも注意ですし・・・

海兵隊のF-35ですが、JDAMを初めて内部に搭載したとか・・・そんな段階で2年も前にIOC(初期運用態勢)宣言するなよ!!! 「Hot Refuel」ぐらい、岩国に展開する前にしっかり訓練して来いよ!!!と叫びたい気分です。

関連の記事
「国防長官は空母の朝鮮半島?派遣をどう語ったか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-12
「道遠しNIFC-CA試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26
「海兵隊F-35は岩国の次に中東へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-03-1

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米空軍宇宙コマンドの変化への取り組み [サイバーと宇宙]

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Raymond-Space.jpg6日、米空軍宇宙コマンドのJay Raymond司令官(大将)や14空軍司令官(兼ねて統合宇宙作戦司令官)David Buck中将が記者会見で中国やロシアの宇宙能力向上と脅威増大に対応するため、宇宙状況把握(SSA)の向上が急務であり、そのための緊急衛星打ち上げへの取り組みがや、かつ調達を迅速にする他機関との連携への取り組みが重要だと訴えました

具体的な説明が少ないため、また技術的側面の知識不足で消化不良ですが、長らく取り上げていない重要な宇宙分野の話ですので、「小さなことからコツコツと」の姿勢でご紹介したいと思います。
また、3つの短い米空軍協会web記事による組み合わせ説明ですのでご容赦を

単なる衛星のカタログ管理では不十分
Falcon 9.jpgRaymond司令官は宇宙状況把握能力の向上が、最優先課題の一つだと語り、過去のように脅威を感じない穏やかな環境であれば、アセットの位置を把握しておくことがすべてで、宇宙アセットカタログを整理しておくような状況把握でやっていけたと表現した。
●Buck中将は、中国やロシアが高度で複雑な「軌道移動:on-orbit maneuvers」能力を備えていることを確認していると危機感を訴えたつつ、我々の宇宙に関する情報収集能力は、脅威の進展ペースに追随できておらず、だから情報収集整理能力の再生に取り組んでいるのだと説明した。

●Raymond司令官は敵対者の能力向上により我の能力が不十分になったと述べ、Buck中将は単なる宇宙交通管理ではなく、SSA(space situational awareness)では、宇宙物体の諸元、運用者の活動意図、アセット能力が提供される必要があると説明した
●Buck中将はSSA能力不足への対処策の一つとして、7月に打ち上げ予定の「ORS-5:experimental Operationally Responsive Space series 5」に期待を寄せた

2016年6月のORS衛星記事
Space Fence1.jpg米空軍は作戦運用要求に迅速に答えるため、数千億円もする多機能大型の衛星でなく、より安価で小型の衛星を求めて試験検討を続けている。
●その主要な取り組みの一つがORS(Operational Responsive Space satellites)で、2011年のORS-1衛星は、米中央軍のISR強化要請にこたえ、短期間でU-2偵察機のセンサーを活用する衛星打ち上げにつなげた
ORS-4が打ち上げに失敗して計画全体が困難に直面したが、2014年に準備が始まったORS-5は7月の発射に向け、商用衛星手続きで準備が行われ、100億円程度の費用で3年程度の活用を前提としている

迅速な調達に他組織との連携
●Raymond司令官は、新たな能力獲得のため調達を迅速化するため、「その能力を持つ他機関と協力関係確立を追及している」と述べた
China-beidou.jpg●既に「宇宙ミサイルセンター」はORS計画を通じて迅速調達の権限を獲得したが、その能力を更に拡大したいと述べ、宇宙コマンドより迅速な調達を行っているNRO(National Reconnaissance Office)との協力関係を例といて挙げた
●また米空軍の緊急能力造成室RCO(Rapid Capabilities Office)は、これまで宇宙アセット調達に関与してこなかったが、関係確立の協議を行っていると説明した
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時節柄、予算確保や予算案の正当性を訴える背景説明でしょうし、この1年が米空軍の宇宙活動アピール年(http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24)ですので力が入っています。

ただ、中露の高度で複雑な「軌道移動:on-orbit maneuvers」能力は忘れてはならないので取り上げました。
中国とロシアの気になる宇宙活動については、以下の記事をおすすめ
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08

関連の記事
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08
「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「宇宙改革法案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-13

「米空軍宇宙活動アピール年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24
「5分間でトランプに宇宙をアピール」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-04
「新型宇宙監視望遠鏡が部隊へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-19

謎の多いNRO関連の記事
「謎のNROを語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-20-2
「NROが宇宙アセット防御計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-16

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米海軍空母を5つの視点で学ぶ [ちょっとお得な話]

時節柄、この話題で!
空母カールビンソンはニミッツ級空母の3番艦です!

CV-GW.jpg花粉症疲れなので、米軍事情報サイト「Military.com」が提供しているシリーズ「5 Things You Don't Know About」をしのぎでご紹介します

このシリーズは軍事装備品を映像と共に、5つの豆知識から学ぼうとするもので、これまで7つほどご紹介してきました。過去の記事は末尾をご覧下さい

今日のテーマは「米海軍空母」で、全く相互に関連性のない5つの話題でアプローチします。聞き取りの間違いにはご容赦を・・・

5つの視点は米空母搭載戦力の規模、湖で運用していた空母、最初のモジュラー工法、WW2間には同名空母が、世界最大意の空母はです。

映像は約7分です


話題1
●現在主力のニミッツ級空母には、約90機の艦載機が搭載されている
世界の空軍で、90機以上の作戦機を保有している国は、半分程度である

話題2
WW2間、空母艦載機の操縦者養成のため、5大湖に2隻の客船を改造した空母が配備されていた
●この訓練用空母によって、約2800名の艦載機操縦者を養成し、その中には2代目ブッシュ大統領も含まれている

Ford-Class-Carrier.jpg話題3
●空母の巨大化が進む一方で、空母を建造するドックの大型化には限界があった
●これを克服するため、船体を分割して製造し、最後に組み立てるモデュラー方式を導入
●最初にこの方式で建造されたのは、1981年の空母セオドア・ルーズベルト

話題4
WW2間、同じ名前の空母が5組存在した。これは敵の攻撃で撃沈された空母を、同じ名前で再建したためである
同戦争の間に12隻が撃沈又は作戦不能になったが、そのうち5隻が同名で復活した

話題5
●現在最大の空母はニミッツ級で、約9万7000トンだが、現在一番艦を建造中のフォード級は10万トン

映像をもう一つ:ニミッツ級空母のイメージ映像(2分半)

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米海軍の空母1隻で、世界の半分以上の空軍以上の作戦機を搭載しているとは・・・。

USS America.jpg恐らく、作戦機が搭載している兵器の質、ネットワーク情報力、兵站や補給能力、人材教育の質などなどを含めて考えれば、米空母1隻以上の任務を遂行できる空軍は、世界でも片手で数えられる程度しか無いのでは・・・

この他にも「5つの視点で学ぶ」シリーズには、以下で紹介した以外にも、「地雷」「米空軍パイロット」などが公開されています。ご興味のある方はどうぞ

映像で5つの視点から学ぶ
「核兵器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-05
「米海軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
「米海軍潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-26
「火炎放射器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-2
「負傷者救出ヘリ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-07

「B-2爆撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-01
「AK-47ライフル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-28
「原子力潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-1

映像で見るシリーズ
「12㎏の兵器搭載地上ロボット」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-09
「防空&ミサイル防衛の融合IAMD」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-27-2
「威力強烈:AC-130」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-06
「CASの歴史を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-19

「イメージ中国軍の島嶼侵攻」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
お勧めです
「泣ける:帰還兵士と犬との再会」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-05
「レーザー兵器試験@ペルシャ湾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-13

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今週末に米空軍F-35が初海外訓練展開で欧州へ [亡国のF-35]

米軍事メディア記事への正鵠を得た読者コメント
「エアショー参加に毛が生えた程度の少数機展開を、訓練と呼んで海外売り込みにつなげたい意図が見え見え。まだ未実施の試験が山済みで、要求性能も満たしてないくせに・・・」

Luneberg Lens.jpg14日、米国防省がプレス発表で、今週末にも初の海外展開訓練のため「欧州」に移動すると明らかにしました。

行先は「欧州」とだけの言及で国名や基地名は未公表で、展開機数も「a small number of F-35A」とだけの発表です。展開期間については「数週間:for several weeks」と言及しています。

そのほか公式声明では
●「長期にわたって計画を練ってきた」展開で、派遣された米空軍F-35は米軍の他航空機やNATO加盟国の航空機と訓練を予定する。
●「European Reassurance Initiative」の一環としての展開である

●この訓練展開は、F-35計画の進展を示す重要な一里塚であり、米空軍が第5世代機の能力を披露する機会でもある
●また今回の展開では、欧州で2020年代初頭にF-35A基地となる予定地の、諸要求精査を手助けすることも目的の一つである

14日付Defense-News記事によれば
Luneberg Lens2.jpg●米国防省の公式声明は展開地を欧州としか言及していないが、一つの有力候補として、F-35Aを54機受け入れる予定になっている英空軍の Lakenheath基地が考えられる。
同基地は、計画では2020年から同機を受け入れ開始予定であったが、現時点で1~2年遅れる見込みとなっている

●今回の米空軍F-35の欧州展開発表も、トランプ大統領の思い付きではと勘繰りたくもなるがオバマ政権時代から長く検討されてきたものであり、公式発表の通りである
●昨年12月には当時のJames空軍長官が「初期運用態勢確立を宣言した米空軍F-35は、遠くない将来、欧州に展開するだろう」「来年夏までに実現しなくても驚きはしないが」と述べ、今年2月にはACC司令官が「春には欧州かアジア太平洋にF-35を派遣する」と語っていたところである。

●なお、中東への派遣に関し同カーライルACC司令官(当時)は、「(欧州やアジア太平洋地域の)a couple years later」と表現してた。
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Luneberg Lens3.jpgアジア太平洋地域への展開となれば、豪州か日本か韓国でしょうが、この時期の展開は北朝鮮への刺激が強すぎそうなので、豪州になるのでしょう。または「肩透かし」で、アジア太平洋地域の部隊であるアラスカの米軍基地かもしれません・・・

冒頭のコメントは、14日付Defense-Newsの関連記事の読者コメント欄に寄せられたコメントで、多くの読者の賛同を集めています。

Luneberg Lens4.jpgなお、この記事でご紹介している写真は、F-35がレーダー反射面積を意図的に増やし、レーダーに見えやすくする装置(Luneberg Lens)を装着している写真です。

この装置は他のステルス機(F-22とかF-117とか)でも確認されていますが、訓練時の安全確保のためとか、訓練時に真のステルス性を暴露しないための装置とか言われているものです

European Reassurance Initiative関連
「欧州への米空軍派遣や訓練を増加へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-08-1
「欧州米軍予算を4倍増」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-16-2
「米軍が北欧でも演習増加&強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-29

「欧州に米陸軍装備の事前集積強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-10
「東欧4カ国で4個大隊交代派遣」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17
「対露大演習でNATO大編隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-14
「欧州を主戦場にサイバー演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11

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とりあえず「爆弾の母」MOABを学ぶ [米空軍]

MOAB-GBU-43.jpg13日、米空軍が保有する巨大空中爆発爆弾「MOAB:Massive Ordnance Air Blast」が、史上初めてアフガニスタンで対ISIS作戦に使用されたとの報道がありましたので、この「核爆弾以外で投下された最大の爆弾」とか「全爆弾の母:the mother of all bombs」とか呼ばれる爆弾についてお勉強したいと思います。

このMOABは正式名称「GBU-43B」で、「実戦で投下された最大」の爆弾だそうですが、米軍が保有する核兵器以外で「最大の爆弾」ではありません

ちなみに、13日に投下されたMOABは21600ポンドですが、実存する核兵器以外で「最大の爆弾」は30000ポンドの巨大貫通弾MOP(Massive Ordnance Penetrator:GBU-57A/B)で、強固に防御されたイランの地下核施設の攻撃を想定したモノだと言われています(2007年に初試験でボーイングが製造担当)

MOAB正式名称「GBU-43B」のあれこれ
MOAB-GBU-432.jpg●MOABは、それほど強固でない地表目標を広域に渡り破壊することを狙う爆弾で、地中に貫通する能力は無い。従って、広範な地雷原、渓谷、洞窟等に潜む敵や目標に用いられる
●MOABは、当時のサダムフセインを威圧するために2002年当初から開発が始まり、構想から2003年3月11日の最終試験までわずか1年あまりの迅速さで米空軍研究所AFRLで製造完成された。そして同年4月1日に部隊配備されたが、イラク戦争では使用されなかった



長さ10m以上であるため通常の爆撃機には搭載できず、C-130輸送機の後部から物量投下する要領で、パラシュートで搭載台車ごと機外に引き出し、投下後に搭載台車と分離して自然落下する。ただし、GPS誘導装置付の尾翼により、誘導爆弾として使用できる
爆薬2/3とアルミ1/3で炸薬部分が構成されている言われているが、価格や何発保有しているかなど、MOABの詳細は非公開である

MOAB-GBU-433.jpgアフガン派遣米軍のJohn W. Nicholson司令官(大将)はMOAB使用について、「アフガンISISは損害が増え守勢に立たされていることから、防御を簡易仕掛け爆弾IEDやトンネルや塹壕で固めている」「(この様な状況を踏まえ、)障害を取り除き、我が攻勢モメンタムを維持するため、最適な爆弾として選定した」と説明した

●軍事コンサルタント企業Teal GroupのSteve Zaloga上級分析官は、トマホークやJDAMとは異なり、MOABは強烈な炸薬で戦場上空に広範な爆発を発生させることで仕掛け爆弾や地雷を誘爆させ、「広範な地表面から短時間で仕掛け爆弾等の脅威を除去し、同エリアのISIS戦闘員を排除する事が出来る」と解説している
●一方で、深く強固に構築された洞窟や陣地を破壊する能力は無く、小型で弱い洞窟等にのみ有効だろうとも述べている
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MOAB-GBU-434.jpg2003年には完成していたMOABですから、今更アフガンで必要になったから投下したと説明されても白けますが、当然北朝鮮へのシグナルでもあるのでしょう。

実験映像や解説映像が公開されていますが、今ひとつMOABの威力がピンと来ません。週末の報道をフォロー致しましょう・・・

MOABに言及の記事
「シリア化学兵器に?巨大貫通弾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-27
「イラン核施設の完全破壊は困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-02

MOPに関する過去記事
「超巨大貫通弾MOP完成か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-18
「シリア化学兵器に?巨大貫通弾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-27
「対イラン?巨大貫通弾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-16-1

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