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米ミサイル防衛の目指すべき道 [安全保障全般]

国防産業幹部(退役米空軍中将)の宣伝講演ですが
頭の整理のために

Obering4.jpg11日、米空軍協会ミッチェル研究所で講演した、元ミサイル防衛庁長官でエネルギー兵器で頑張る「Booz Allen Hamilton」のTrey Obering副社長が、米国ミサイル防衛には「大きな革新」が必要だと訴えました。

米本土のミサイル防衛の必要性をそれほど重視せず、「技術的に可能な最低限」しかやってこなかった現状を見直し、脅威を見据えて「意志を持って資源を投入すべき」とし、「多方面からのアプローチ:multi-pronged approach」が革新の基礎となると語りました

現状で「意志と資源」が揃うかは別として、いくつかの課題を紹介していますので、頭の整理のためご紹介します

11日Obering副社長は講演で
まず、宇宙に多層的な飛来ミサイル追尾衛星システムを構築すべきだ。現状では宇宙配備のセンサーは、敵ミサイルの発射を探知する早期警戒の機能しかないが、飛来するミサイル対処には不十分
●またより複雑化するミサイル脅威や多弾頭化に対応するため、宇宙配備のセンサーで、どれが弾頭で、どれがデコイであるかを見極めることにつながるような能力も必要になる。まずは宇宙配備センサーに追尾機能を持たせることから始めるべき

Obering.jpg次に、多弾頭やデコイが混在する極めて複雑化する脅威においても、弾頭を要撃する能力開発に注力すべきだ。米国はこの様な複雑な環境に対応する能力を現在保有していない
●ただ、米国は100%は難しくても、弾頭とデコイ等を見分ける能力獲得は可能だ。そしてこの識別能力は複数弾頭の確実な破壊に必要で、ゆえに「multi-kill vehicle」が重要で開発に取り組んでいるのだ

また、米国はならず者国家と大国からのミサイル脅威の両方に対処すべく、「overwhelming strategic response」能力を確実に保有することが必要である。そのための鍵は「boost phase intercept」能力である
更に、ミサイル防衛システムの「サイバー戦耐性」もカギとなる。BMDシステムは陸海空だけでなく宇宙やサイバードメインでも強固でなくてはならない。サイバー戦への備えが当初から組み込まれ設計されることが必須である

●最近様々な情報が明らかになっている超超音速兵器への対応も忘れてはならない。超超音速兵器を探知、追尾、そして破砕する能力の必要性も忘れてはならない
●これらの能力獲得が可能なのか? 意志をもって資源が投入されれば可能である。ただし単一の装備で可能なわけではない。融合されたシステムが必要である
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Russia Hypersonic.jpgだから、わが社のエネルギー兵器や「kill capability開発」が重要なのだ・・・と話がつながっていくのかもしれませんが、今やミサイル防衛はこれほど困難だということです。

日本の脅威は主にICBMではなく、中距離や短距離の弾道ミサイルや超超音速兵器でしょうが、それでもますます困難になっているということです

ロシアが戦勝記念日に超超音速兵器をお披露目したとのニュースが駆け巡っていますが、ややこしい時代になりました

関連の記事
「戦略国防次官にMD伝道者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07-1
「BMDRはMDRに変更し春発表予定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24-1

「同兵器は防御不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-21-1
「ロシアが新型核兵器続々開発と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1
「中国が超超音速兵器で優位」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-1

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ドゥテルテ政権下で最大の米比共同演習 [安全保障全般]

オバマ大統領と不仲だった比大統領ですが、トランプ大統領とは馬が合い・・・

Balikatan 2018-4.jpg7日、フィリピンのドゥテルテ大統領が就任した2016年以降で最大規模の米比合同演習「Balikatan」が始まりました。

オバマ政権時代に就任したドゥテルテ大統領ですが、ド大統領が執った強権的な麻薬取締政策を「人道主義」のオバマ政権が批判して両国関係が急速に悪化し、対中国の連携で着実に強化されてきた米比関係が、一気にしぼんだ時期がありました

しかし、ド大統領の強硬姿勢に理解を示すトランプ大統領の就任で米比関係が正常化の方向に向かい、昨年は特に、フィリピン南部のマラウィ市を占領したISIS系列武装組織対応を米軍が強く支援し、半年近くをかけて町の奪還成功に導きました

マラウィ市を巡る攻防は、シリア・イラクでISISが弱体化する中、中東から脱出したISIS分子のアジアで先鋭化するのを防ぐ意味でも重要な戦いであり、米比の2国間関係のみならず、東南アジアの安全保障上も意義深い戦いでした

演習「Balikatan」についてMilitary.com記事は
Balikatan 2018-2.jpg●7日、マニラのフィリピン軍基地で演習開始の式典が行われ、米比併せて約8000名、加えて日本と豪州の小規模部隊が参加する演習がスタートした・
駐比米国大使のSung Kim氏は式典で、「両奥の強固な同盟関係を具現化する一つの形がこの演習だ」、「地域の安定と平和のため、この演習は両国間のより深く永続する関係を強化する」と演習の意義を語った

●オバマ政権下では一時、ド大統領就任以降、同演習の永久停止にまで言及し、中国やロシアとの関係を追及する方向性も見せたが、トランプ大統領の就任後は米比関係の険悪感は薄れている
ド大統領就任以降で最大規模となった「Balikatan」演習だが、フィリピン政府高官は、あくまでも中国を対象としたものではなく、都市部でのテロ対処や一般の紛争、更には自然災害対処を想定したものであると説明している

●演習では、着上陸作戦のほか、機動を伴う射撃演習や災害対処訓練も組み込まれ、都市を模擬した訓練場での特殊部隊による対テロ戦も含まれている
Balikatan 2018-3.jpg●この背景には、昨年5月にISIS系武装勢力に占領されたマラウィ市を、米軍や豪軍の支援を受けつつ、5か月間かけて解放したフィリピン軍の戦いがある

●演習参加の比軍指揮官は、「我々両軍は、マラウィでの厳しい戦いの教訓を共に学びたい。共に協力して将来のシナリオにも備えたい」と語っている
●米軍の指揮官であるLawrence Nicholson海兵隊中将は、「いかなる事態にも対応できるよう備えることが任務である」と語っている
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中国に気を遣うフィリピン高官の発言に見られるように、アキノ前政権の様に対中国姿勢をあらわにするまでには至りませんし、米国のアジアでの姿勢も曖昧なところがありますから仕方ないところでしょう

しかし日本も参加し、相応規模の「Balikatan」演習が戻ってきたことは良いことでしょう・・・

最近のフィリピン関連記事
「比大統領は日本びいき!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-30
「露とアジアの関係を2点から」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-23
「東南アジア3か国が共同警戒へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-18
「比が米軍に南シナ海共同警戒中止を通告!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-08
「C-130が2機だけ展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-27
「比大統領南シナ海共同を拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15-1

「比空軍と米空軍が3日間会議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-03
「EA-18G電子戦攻撃機が展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-18

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注目の独トルネード戦闘機後継選定 [安全保障全般]

4月27日、就任直後のポンペイオ国務長官はNATO外相会談で欧州諸国に国防費増を訴え、その矛先がドイツに向く中、同日訪米中のメルケル首相も努力すると発言する中で・・・

typhoon4.jpg25日、開催中のベルリン航空ショーでユーロファイターCEOが、独空軍が保有する90機のトーネード戦闘機の後継争いで、F-35よりもユーロファイターが有利に立っていると語っています。

先日ご紹介したように、仏と独が中心となり、次世代戦闘機の開発プロジェクトを立ち上げ、欧州全体を巻き込んだプロジェクトに成長させようとの取り組みが同航空ショーでぶち上げられ、2040年の運用開始を狙うようですが、トーネード後継機はその間の「つなぎ役」を期待されているようです

もちろん米国のF-35売り込みは激しく、かつ冒頭でご紹介したように、米国務長官の就任翌日の初仕事が同盟国への国防費増要求ですから、ユーロファイターCEOも枕を高くして眠れないでしょう。

同様の国防費増加要求(米国製兵器の売り込みも含め)が、今後日本にも、しかもポンペイオ国務長官経由でも来襲するでしょうから、直接関係ありませんが、ちょっと覗いておきましょう

NATO、特にドイツへの国防費増要求
Pompeo.jpg就任翌日にブラッセルでのNATO外相会合に出席したポンペイオ国務長官は、2024年までにGDP比で2%まで加盟各国の国防費を増加(うち2割は装備品導入に使用せよとの要求含む)するとした、2016年9月NATOサミットでの合意事項の履行を強く訴えた
●欧州NATO加盟国が国防費を増やす傾向にある中、独を含むいくつかの国は不十分で、特に独は、現1.24%から1.25%に増加する見通ししかたっていない

●同日、メルケル独首相はマクロン仏大統領に続くように訪米し、トランプ大統領との共同記者会見で、「米からの要望を受け、段階的に、今後数年間で国防貢献を増加する」、「NATOに貢献してきたが、より貢献が必要なことも認識している。欧州がこれ以上米国に依存することはできない」と語った

トーネード後継機選定について
typhoon3.jpg●ユーロファイター営業責任者は、「ステルス性は総合能力の1割程度を占めるに過ぎない。ユーロファイターは他の9割で(F-35に)優っている」と自信を見せた
●ユーロファイターCEOは、「ユーロファイターに投資されたすべての資金が欧州内に落ちることを保証する」と語るとともに、欧州市場で同機が引き続き存在感を見せる事を保証すると語った

●また両者はともに、同機がF-35のように「black boxes」を持たず、技術や運用ノウハウの全てを同社が保有して活用可能である点も強調した
独空軍内部には、F-35のステルス性や突破力などの第5世代の能力を支持し、ユーロファイターの能力不足を主張する声もあるが、独仏を中心として始まった次期戦闘機が完成するまでの「つなぎ役」にそれほど投資する必要があるのか・・・との意見が強い

●トーネードが担ってきた核兵器運搬能力に関しては、秘密事項に当たるとしてユーロファイター関係者は会話を避けたが、ドイツはNATOとの約束を履行すると同CEOは語り、米国が本件を盾にユーロファイター導入に抗議することはないだろうとも語った
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Pompeo2.jpgF-35も未だ核兵器搭載改修は手つかずで、今後その投資を検討する・・・段階だったと思います。核兵器搭載承認を行う米国に、ユーロファイターが意地悪されないことを祈りつつ・・・

また、中東とイスラエルをNATO本部の後に訪問したポンペイオ国務長官が、近いうちに極東にも表れ、強い要求を日本に行うのでは・・と気になります

そういえば、夏に退役後、豪州大使(2年近く空席)が予定されていたハリス太平洋軍司令官が、ポンペイオ氏の意向で韓国大使になるようです。動きが早いです

「独仏中心に欧州連合で第6世代機開発」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07-2

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ジブチで米空軍操縦者が中国レーザーで目を [安全保障全般]

外交ルートで正式に中国に抗議申し入れ

Djibouti.jpg3日、米国防省の報道官が記者会見で、アフリカの角ジブチに拠点を構える米軍C-130輸送機(特殊作戦機かも)の操縦者が、最近付近の中国軍拠点から「軍事用途レベルのレーザー光線」を照射される事案が連続発生し、目に軽度の障害を受ける事態も起こっていることから、正式に外交ルートで抗議したと明らかにしました

ジブチの周辺地域には、米軍と中国軍がほぼ隣り合わせで拠点を構え、中国はアフリカ大陸唯一の軍事拠点として、2016年3月から、公式にはアデン湾での海賊対処や艦艇への物資補給を目的として拠点を10年契約でリースしてると発表しています。

米国にとってジブチ「Camp Lemonnier」は、約6千名が活動中といわれるアフリカ大陸唯一の拠点(米アフリカ軍所属)で、イエメン支援の特殊部隊も拠点にしているようです。
フランスと日本も、海賊対処の基地として使用しています

3日付Defense-News記事によれば
●3日、Dana White報道官は外交ルートを通じて「demarche」と呼ばれる申し入れを中国政府に行い、事案に対する調査を要求したと明らかにした
●同報道官は「(レーザー照射は)米軍搭乗員にとって真に脅威である」、「重大な事態であり、だから我々は重く対処している」と語った

Djibouti2.jpg●別の報道官は、「軍用レベル:military grade」のレーザー照射を受けたC-130操縦者は回復に長期間を要しないと説明したが、最近数週間の間に発生した複数の事案の被害の一つだと語った
●正確に何件事案が発生しているのかには言及しなかったが、2~10件の事案が発生していると説明した。そして事案の頻度が増しつつあり、操縦者2名が同時に被害を受ける危険な事態が発生したことから公式な抗議を行ったと報道官は説明した

●記者団からのレーザー照射の目的を問う質問に対して報道官は、「その質問は記者の皆さんから中国側に行ってほしい危険な行為であり、我々は重大な事案だと考えているから公式な抗議を行ったのだ」と訴えた
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4日、中国外務省はすぐさま「中国は何もやっていない」「関係ない」と報道官が反論したようです。

「軍用レベル:military grade」の程度が不明ですが、最近では相当の出力のレーザー発射機が市販されており、日本でも民航機や自衛隊機への妨害事案が報じられています

あまりに単純なので、中国側の組織的なものなのか「?」な気がします。アフリカに派遣されえ暇な中国兵士が、勝手に持ち込んだレーザー発射器具で「いたずら」しているのでは・・・とも思います

まぁ・・・中国ですから、何を考えているかよくわかりませんが・・・

レーザー兵器関連
「米海軍が先行か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24
「無人機に弾道ミサイル追尾レーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-17-1
「私は楽観主義だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-23
「レーザーにはまだ長い道が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-18
「AC-130に20年までにレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06

国防省高官がレーザーに慎重姿勢
「国防次官がレーザー兵器に冷水」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-12
「米空軍大将も慎重」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-24

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期待外れ?トランプの無人機輸出緩和 [安全保障全般]

FMSでなく、企業による直接交渉を許可する方向も
MTCRの変更には当面踏み込まない模様

Navarro.jpg19日、ホワイトハウスの貿易代表Peter Navarro氏と国務省担当官が米国製武器の輸出を容易にすべく新たな方針を打ち出し、今後60日間で産業界の意見を聴取すると明らかにしました。

「economic security is national security」とのスローガンのもと、これまで米国製を使用してきた中東などの国が、安価な製品を売り出す中国に流れないようにとの狙いを込、「より簡単に米国製兵器等を入手できるように」規制を緩和するようです

細部がまだ明らかではありませんが、米国航空宇宙工業会の副会長は「これは大きな出来事だ」と感想を述べ、「政権を信用し、諸外国との関係強化を重要課題にしている国防長官を信じよう」と語っており、歓迎ムードです

MQ-9 5.jpg一方、感心が高かった無人機関連では、MTCRの「category-1」に含まれ輸出が厳しく規制されている「搭載能力500kg以上かつ射程300km以上の完成した無人航空機システム」から、「速度が時速650㎞以下」の無人機システムを、規制が緩い「category-2」に落とす方向とのうわさも流れて言いましたが、その実現はならず、期待外れな感が否めません

なおMTCRは米国をはじめとする西側主要国による、「ミサイル技術管理レジーム:Missile Technology Control Regime」です。末尾にご紹介する外務省の解説をご覧ください。

それでも、この無人機分野でも2つの変更点が、ホワイトハウスと国務省の担当官から発表されたようですので、ご紹介しておきます

19日付Defense-News記事によれば
Kaidanow.jpg●19日の発表で国務省の政軍関係担当次官補代理のTina Kaidanow女史は、無人機輸出に2つの変更を行うと説明し、その一つは、企業が2国間の政府経由で売買を交渉するFMSではなく、「Direct Commercial Sales process」との企業による直接交渉を可能にする方針転換である
2つ目は、MTCRの「category-1」に含まれ輸出が厳しい「搭載能力500kg以上かつ射程300km以上の無人機」でも、武器を搭載していないければ、レーザー照準器「laser-designator」搭載機への制限をなくすことである。

●同次官補代理は、「米国軍需産業が、他の競争国と輸出を争い、同様の製品を我が同盟国等に売り込む際、より少ない障壁と手続き上の混乱で行えるようにすることが目的だ」と説明した
●一方で同次官補代理は、MTCRが引きつづき検討の対象であるとの考えを示し、「我々はMTCRがダイナミックに変化する質を保つように注視している」と語った

●また、武器輸出緩和に伴い、輸出先での人権侵害を懸念するNPO等に対しては、「何も変わりはない。今後も輸出相手国との連携を密にし、輸出装備のモニターを継続し、国際法等に沿って民間人への被害を防止する」と説明した
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MQ-9 3.jpg2013年から17年の間の統計で、世界の武器輸出のトップは米国で、世界の34%で98か国に輸出しています。2位がロシアの22%で47か国に輸出、中国は5位で5.7%の48か国となってるようです。

秋の中間選挙に向け、様々な形でトランプ式の輸出促進策が打ち出されるのでしょうが、商業製品だけでなく、武器取引にも仁義なき戦いが始まるのでしょうか・・・

外務省によるMTCR解説
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/mtcr/mtcr.html

関連の記事
「4月にも武器輸出新政策か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-18-1
「無人機輸出規制の見直し開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-04

中国と無人機
「中国がサウジで無人攻撃機の製造修理」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-29
「中国が高性能無人機輸出規制?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03
「輸出用ステルス機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-27

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独仏中心に欧州連合で第6世代機開発へ [安全保障全般]

ベートーベンの重厚さと、ドビュッシーの優美さを兼ね備えた6世代機なるか?

Fre-Ger.jpg5日、フランスのFlorence Parly国防相が仏独国防相会議が開催されたパリで仏メディアに対し4月末に開催される「Berlin Air Show」で、仏独が中心となって次世代戦闘機開発を開始すると語りました。

2040年の運用を目指し、「Dassault Rafale」と「Eurofighter Typhoon」の後継機を目指すというSCAF計画(systèmedecombat aérien dufutur)との名称のプロジェクトらしいですが、仏独で大枠を固め、その後は欧州各国に門戸を開いて多国間プロジェクトにする構想だそうです

仏は既に、英国とも同種の共同開発プロジェクトを始めており、それとの関係や住みわけが気になるところですが、それはまた別の機会に・・・

6日付Defense-News記事によれば
SCAF計画のアイディアは、2017年夏の仏独国防相会議の席で話題となり、欧州協力関係を示す仏独関係を推進する意味でも重要なプロジェクトとして検討が進められてきた。
SCAF.jpg●また一方で、現在の欧州で、このような巨大なプロジェクトが可能なのか、またどのように進められるのかの試金石となる重要な位置づけのプロジェクトである。特に外国や政治的には美辞麗句が飛び交うが、水面下で激しい競争を続ける欧州諸国で成り立つのかとの疑問が語られている

●仏国防相によれば、現時点では政治レベルと産業界レベルでの力を結集する体制作りに努力しているとのことで、参加企業には現時点でAirbus, Dassault, Thales, MBDA and Safranが名前を連ねている
4月25日から29日までのBerlin Air Showでは、約10ページの性能要求文書に両国が署名する模様で、その後1年間をかけて参加各企業が独自に技術的な検討を行い、後に各企業が成果を持ち寄り、分担や契約についての協議が開始される流れが予定されている

他国へのプロジェクト参画を呼び掛けるのはその後を想定しており、仏国防相は第3国に開放する前にしっかり仏独で基礎を固めておきたいとメディアに語った、
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トランプ政権への、そしてF-35への当てつけプロジェクトのような気もしますが、2040年運用開始を目指すという時間軸は何を意味するのでしょうか?

6-GN3.jpg米空軍が取り組む次世代制空機PCA(penetrating counter air)は、2030年代初めの運用開始を狙って、「完全でなくても現存する技術で組み上げ、その後も技術進歩に応じて能力向上」をコンセプトにしていますし、「family of system」の一部を担うとの考え方ですが、SCAFはどうなんでしょうか? All in Oneのコンセプトでしょうか?

米空軍の次世代制空機検討PCA
「PCA検討状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-12
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「F-35にアムラーム追加搭載検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-28

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西側が露の海底光ケーブル探査を警戒 [安全保障全般]

80年代以来のロシアの動きを西側が警戒

cable.jpg31日付Fifthdomainは、世界の情報通信を担う海底光ケーブルの周辺で、ロシアの深海海洋調査局に所属する「Yantar」との調査船がここ数年怪しげな動きを見せていると警戒する西側諸国の様子を報じています。

海底光ケーブルは世界の海に約400本が設置され、その総延長は地球を25周する長さにも及び、世界中の電子メールや電話やテキスト情報を運ぶことで、毎日1000兆円もの経済取引を支えてると推計されています

直径3㎝程度のケーブルの位置は公開情報で容易に確認でき、特に地上から海にケーブルが入る地点にはケーブルが集まっており、格好の脆弱点を形成しています。

調査船「Yantar」が何か悪さをしているという証拠は全く無いようですが、同ケーブルが極めて重要なのにあまりにも脆弱であるため、西側諸国は80年代以降初めて復活し始めたロシアの動きに深い悩みを抱えてしまったようです

31日付Fifthdomain記事によれば
Yantar.jpg●同調査船はロシアの「Main Directorate of Deep Sea Research」に所属し、全長約100mで60名あまりの乗員で運用される程度の艦艇である。最近ではアルゼンチン海軍の潜水艦がゆくへ不明になったことを受け、捜索のためアルゼンチンで目撃されている

●ロシア議会の文書によれば、同調査船は深海調査や秘密情報を扱う海底ケーブルの接続業務を行うとされており、2015年9月には米ジョージア州の米海軍潜水艦基地の近くで米潜水艦や各種センサーやネットワークの調査を行ったと記録されている
●ロシアのTV局は、ケーブル接続だけでなく、特別な装備を用いてケーブルの切断や海底センサーの妨害を行うことができると報じたこともある。なお、ロシア国防省は同調査船に関する質問に一切回答をしてくれない

●調査船「Yantar」が悪事を働いている証拠はないが、同艦艇が緊要な海底ケーブル敷設海域で遊弋したり、艦艇識別装置のスイッチを切って活動していることがある点を指摘し、将来の軍事作戦行動に備えた情報収集を行っているのではといわれている
Yantar2.jpg海底光ケーブル関係のトラブル発生時にその周辺に現れて状況を観察しているように見える活動もしばしば確認されており、2016年10月にはシリア通信会社のシリア地周辺を結ぶケーブルの緊急メンテナンス時に現れたり、湾岸諸国とイランを結ぶケーブルにトラブルが発生した2016年11月にもイラン沖に出現している

●海底ケーブルは一般社会インフラとしてだけでなく、米軍の軍事作戦にも使用されており、例えば2008年にイラク上空での米軍無人偵察機の活動を中断したケースでは、同無人機を操縦する米本土とイラクを結ぶケーブルが船の錨で切断され、数日間無人機の運用が停止した例もある
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考えれば考えるほど、我々の日常生活は脆弱な基盤の上に成り立っています

全長100mの調査船一杯に夜も眠れず・・・の心境です・・・。
中国もいろいろ悪さを考えているんでしょうねぇ・・・

ロシア関連の記事
「露の毒牙がセルビアに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-2
「ロシアの情報戦に総力対処すべき」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-24
「露の脅威を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-23-1

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4月にも米国が無人機輸出拡大を発表か!? [安全保障全般]

MQ-9 4.jpg16日付Defense-Newsが米国務省高官の話として、オバマ政権が2015年に定めた無人機輸出指針を改め来月にも米国の新たな無人機輸出指針を明らかにする方向だと報じています。

昨年8月Defense-Newsが最初にスクープしたトランプ政権による本政策見直し開始は、アメリカ・ファーストである大統領の姿勢を受け、米国製無人機のコピー製品で世界市場に猛烈な売込みを行っている中国や、無人機利用の先駆者であるイスラエルなどに世界市場で劣勢にある中で、米軍需産業からの強い見直し要求があるからだといわれています。

特に米国製をコピーしたかのような中国製無人機が、米国の戦略的パートナーであるUAEやヨルダンやエジプト軍に2016年から導入開始されるようになってからは、一段と米国政府の姿勢に対する疑問の声が高まっていたようです

ただし米国無人機輸出の足かせは、単に輸出許可手続きの鈍重さや米国独自の自主規制だけでなく、国際的な兵器技術管理枠組みであるMTCR(ミサイル技術管理レジーム:Missile Technology Control Regime)の制約を受けている点にあります。

MTCR2.jpgMTCRは主要な西側35カ国が加わる本枠組みで、「搭載能力500kg以上かつ射程300km以上の完成したロケット・システムや完成した無人航空機システムの輸出」を事実上禁止しており、軍事技術の拡散防止の使命を担って、2017年4月に創設30周年を祝ったばかりの枠組みです

米国内には、仮にMTCRの変更に動こうとすれば30カ国以上から賛同を得る必要があるが、単に米国政策の修正であれば容易だとの主張もあるようですが、いずれにしても、特に攻撃用無人機の輸出を極めて厳しく規制しているMTCRの「輸出規制想定:presumption of denial」を、どのように解釈変更するかが課題と言われています。

またMTCR制約の無視や解釈変更は、当然同時に、MTCRの目的である非拡散より、米国は政治的&軍事的利益を優先するとの解釈変更を世界に発信し、国際社会の中での米国の立場変更を宣言することにもつながる重い判断を伴うものです

ご紹介する記事は見直しの方向性を明示しているわけではなく、漏れ聞こえてくる情報を紹介するものですが、最近激動のトランプ政権の行方を占う動きの一つですのでご紹介しておきます

16日付Defense-News記事によれば
MQ-9 5.jpg●16日、国務省のMichael Miller軍政問題担当次官補代理が、来月にも新たな無人機輸出政策指針を明らかにすることになろうと語った。
●同次官補は細部は承知していないとしつつも、現在の方針見直しが進められており、近く公開バージョンの新たなガイダンスが公表されるだろうと語った

●本件については昨年8月に検討開始を報じたが、その際はトランプ大統領の米国製品輸出拡大方針を受け、昨年9月にも新指針が出るとの情報もあった。
●その後、昨年12月には、トランプ政権がMTCR枠組みの変更も検討しているとの情報を入手して報じたところであった

●その際の情報では、MTCRの「category-1」に含まれ輸出が厳しく規制されている「搭載能力500kg以上かつ射程300km以上の完成したロケット・システムや完成した無人航空機システム」の中でも、「速度が時速650㎞以下」の無人機システムを、規制が緩い「category-2」に落とす改正を追及しているとの話があった
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MTCR.jpgロシアや中国やNKやイランが好き放題やる中、創設30周年のMTCRの存在意義に疑問を持ち、INF全廃条約と共に、なくしてしまえ・・・などと考えているまんぐーすですが、トランプ政権が混乱の中でドタバタとその決断をするとなると不安です

記事が報じる方向に米国が進むとすれば、米国が「不拡散」追及から、インターオペラビリティー確保等の名の下に、米国製製品の売り込み&軍需産業の利益優先を宣言するとも解釈でき、西側諸国の足並みまで乱しそうで不安です。

外務省によるMTCR解説
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/mtcr/mtcr.html

「米国政府が無人機輸出規制の見直し開始」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-04

中国と無人機
「中国がサウジで無人攻撃機の製造修理」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-29
「中国が高性能無人機輸出規制?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03
「輸出用ステルス機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-27

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国防費増で関税緩和してやる・・かも [安全保障全般]

安全保障を理由とした鉄鋼アルミへの関税・・・その心は?

Trump-tariff.jpg9日、Steve Mnuchin米財務長官が経済専門メディアのTVインタビューで、トランプ大統領が対露等で危機感高まる中でも国防費増に消極的な欧州NATO諸国に批判的なことを背景に、鉄鋼とアルミへの関税を取引材料に欧州諸国に国防費増を迫る可能性を示唆しました

鉄鋼とアルミへの関税について表明したトランプ大統領が、国家安全保障をその理由として上げたことに疑問の声が世界中から聞かれますが、カナダやメキシコや豪州が関税緩和免除の対象になるとの話が聞こえる中、欧州NATO諸国が上記理由で対象となれば、それなりにつじつまが合います

Trump tel.jpg米通商代表のRobert Lighthizer氏が10日11日の週末にブラッセルを訪問し、欧州諸国や日本の代表団と協議したそうですが、国防費を増やせと言われそうな点では日本も同列ですので、とっても気になるところです

ちなみに米国は欧州諸国にGDP2%の国防費を要求してきており、GDP1%レベルの日本の立場は強くありません

安全保障上の脅威であるロシアは本関税の影響をほとんど受けず、鉄鋼やアルミの輸入量が2%程度しかない中国への圧力にもなりそうもない鉄鋼アルミ関税の真の狙いは何なのか???・・・そんなことを考える記事をご紹介します

10日付Defense-News記事によれば
trump tariff3.jpg9日Mnuchin米財務長官はCNBCのインタビューに対し、トランプ大統領がNATO諸国に国防費を増加させたいとの思いを持っており、GDP2%目標を守らせ、「NATOメンバーとしての役割を果たさせ、NATOとしての機能が発揮できるようにしたいと考えている」と語った。(国防長官ではなく、財務長官がNATO諸国の国防費に言及すること自体が極めて異例です)
●ト大統領はこれまで本関税の理由とした国家安全保障との関係を語らなかったが、財務長官は諸外国と協議を行っており、「今後2週間で他の関係諸国とも協議する」と発言した

●8日にはトランプ政権高官が、Robert Lighthizer米通商代表が本関税の免除を求める他国の要望を聞くことになるが、商務長官が判断する特殊な鉄鋼やアルミ製品を除き、最終的な判断は大統領が行うと記者団に語っている
●これらに対し欧州諸国は、米国製の鉄鋼、農産物、ピーナツバター、クランベリー、オレンジジュース等に報復関税を課すと対抗措置をちらつかせている

●トランプ大統領は本関税措置に署名する前の9日、豪州とアルゼンチン首脳と電話会談し、関税免除について話し合った
trump tariff2.jpg●2代目ブッシュ政権で経済政策や通商政策を担った複数の関係者は、本関税が生みだいている混乱を危機感を持って訴え、「米産業界は透明性の確保を求めている」、「米国内の鉄鋼やアルミ産業関連雇用を守ることとつながるのか」等々の声を上げている

●本関税に関する大統領令はカナダとメキシコが除外される理由を説明できておらず、安全保障上の理由なら対象になるべきロシアや中国に対する立場も明確になっていない
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10日11日の週末にブラッセルで行われた、米財務長官と欧州及び日本代表団との協議の模様が気になります・・・

森友問題で財務省は大騒ぎですが・・・チマチマとした問題で大騒ぎの「ごみ野党」の皆様には、日本の国家安全保障に大きな影響を与えそう本件について、国会での議論を行てほしいものです

森本敏元防衛相の発言
「森本元防衛相:日本の世論は健全か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-18-1
「退任後大いに語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-03-22-1
「国民の国防理解が不十分」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-25

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ロシアが新型核兵器を続々開発配備と主張 [安全保障全般]

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Putin NW.jpg1日、ロシアのプーチン大統領は政策の基本方針を示す年次教書演説を行いアニメーションを活用する派手な演出で新型核兵器の開発を進めて攻撃力を増強する方針を表明し、一部の新兵器は配備を始めていると語りました。

これら新型兵器が本当に実用可能レベルにあるのか疑念の声も上がってますが、間違いなく米国より積極的に投資している様子が伺え、米国の専門家は危機感を持っているようです。

トランプ政権関係者の公式の立場は、織り込み済みで「驚くにあたらない」、一連の新型兵器にも「米国は対抗できると確信する」との表現の様で、プーチン氏の主張がどこまで事実であるのか見極めつつ、先に発表した核政策の指針「核体制の見直し」(NPR)に沿ってロシアに対する核抑止力を堅持していく方針のようです。

とりあえず3日付産経web報道からご紹介
Putin NW2.jpg●トランプ政権が一連のロシア製核兵器の中でまず問題視するのは、新型大陸間弾道ミサイルICBMのRS-28 「サルマトSarmat」だ。サルマトは推定射程1万キロで複数の弾頭を搭載し、フランス全土やテキサス州を1発で消滅させる威力があるとされ、米欧が開発動向を監視していた。
●2011年に発効した米露による新戦略兵器削減条約(新START)は、いずれかの国が新たな戦略的攻撃兵器を開発した場合、米露間で協議の場を設けるよう定めている。サンダース米大統領報道官は1日、ロシアの行動は核軍縮条約の「履行義務違反だ」と批判。「米国は本土を守り、力を通じて平和を維持する」と表明し、ロシアへの対抗姿勢を鮮明にした

●また、米国にとって面倒な存在になる恐れが高いのが、米国の弾道ミサイル防衛(BMD)システムに対抗して開発された、原子力推進式の核巡航ミサイルと自律制御式の原子力核魚雷「ステータス6」だ。核巡航ミサイルは実質的に無限の航続距離とステルス能力を備え、敵のあらゆる防空網を回避して核攻撃が可能としている。
●また、核魚雷は従来の原子炉の約100分の1の大きさの原子炉を搭載。水中を高速で何千キロも航行し、米空母や米沿岸の都市を狙う。プーチン氏は「世界中の誰も防御できない」と豪語する。

Putin NW3.jpg●このほかに明らかにされたのが、速力マッハ10、航続距離2千キロとされる航空機搭載型の極超音速核ミサイル「キンジャールKinzhal」と、大気圏内をマッハ20で飛べるという大陸間飛翔核ミサイル「アバンガードAvangard」など。いずれも米国の防空システムでは迎撃不可能というのがロシアの主張だ。
●プーチン大統領によれば、キンジャールは昨年12月に試験に成功して試験的に部隊配備済み(airfields of the Southern Military District)で、アバンガードは量産を開始した模様
ICBMサルマトと核巡航ミサイル、核魚雷は実験に成功したと主張するが、米専門家の間では、いずれの兵器も技術上の問題で実戦配備に至っていないとの指摘もある。

●国防総省のホワイト報道官は、ロシアによる核戦力の拡充はNPRにも織り込み済みで「驚くにあたらない」とし、一連の新型兵器にも「米国は対抗できると確信する」と強調した。
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Putin.jpgプーチンの演説が大統領選挙受けの「誇張」を含むにしても、米国関係者には「俺たちがやりたいことをやられている」感が隠せない気がします

超超音速兵器に関して言えば、米国防省や軍の中でバラバラに複数の開発計画があり、まとめる部署がない現状で、予算的には3年前の年80億円程度から年間300億円程度に増加してきているようですが、いつになるかわからない感が漂っています

本当にこのような兵器開発には「独裁体制」が有利なんですねえ・・・・残念無念・・・

超超音速兵器開発で中国が優位だと認め、バラバラな米国を嘆く米軍幹部
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-1

プーチンが公式表明した核魚雷の関連記事
「米NPRも露核魚雷に言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-13-1
「露が戦略核魚雷開発?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-06

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ベトナム戦争後初:米空母がベトナム訪問へ [安全保障全般]

Pacific Partnershipに合わせ、1975年以来のベトナム訪問へ

PP2.jpg22日付Defense-Newsは、23日から開始される環太平洋諸国の連携強化や人道支援及びその訓練を兼ねた第13回「Pacific Partnership」を紹介し、その期間中の3月上旬に空母Carl Vinsonがベトナム戦争以降初めてベトナムを訪問する計画だと報じています

この「Pacific Partnership」は、演習や訓練とは表現されない特殊な活動で、病院船と輸送艦が、多国籍の医療&歯科チームや 獣医チームや施設整備チームを載せてアジア太平洋諸国を回り、帰港国のチームと協力しながら協力関係を深めつつ能力構築を図る試みです

2004年12月にタイやインドネシアを襲った地震に伴う大津波被害対処を教訓に開始され、今回は6月までかけて米海軍の病院船Mercyと輸送艦Fall Riverに、米、カナダ、英、豪、仏、ペルー、日本のチーム計約800名が乗艦し、両艦が分かれてIndonesia, Sri Lanka, Malaysia and Vietnam、Yap, Palau, Malaysia and Thailandを回ることになっています

PPMercy.jpgベトナムへの「Pacific Partnership」枠組みでの病院船や輸送艦訪問は、5年連続であり、過去11年間で9回目の訪問となり、「Pacific Partnership」を主導する米国が地域との関係強化の鍵としてベトナムを重視していることが伺えます

記事は「空母Carl Vinsonが3月上旬にベトナムを訪問する。ベトナム戦争以降初の米空母訪問」とのみ報じ、それ以上空母の活動について言及がありませんので、その他の「Pacific Partnership」についてちょっとご紹介します

22日付Defense-News記事によれば
●「Pacific Partnership」全体の指揮官は米海軍の「Destroyer Squadron 31」司令官が務めるが、病院船の任務指揮は豪州軍人(全体の参謀長兼務)が取り、輸送艦の任務指揮は英海軍指揮官(全体の副指揮官)が行う多国籍指揮統制機構を採っている

●本イベントの全体統括を行う米海軍のDon Gabrielson少将は、「我々が直面する災害や人災は国境を超えるものであり、Pacific Partnershipを通じて培われる信頼の基盤は、地域やその周辺の人々の生活や環境を改善させる取り組みでの協力関係の基礎を強化するもとのなる」と意義を語っている
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PP.jpg防衛省の防衛白書も継続して「Pacific Partnership」への参加を紹介しており、自衛隊の医者が現地で治療する姿や施設作業を支援する様子、かつては現地の子供たちと縄跳びする姿などが紹介されていました

なんじゃこれ???・・・との印象の「Pacific Partnership」ですが、交流の第一歩との位置づけでしょう。TPPとは別の話ですので、誤解なきよう

冬季オリンピックが終わったころに、米空母のベトナム訪問が報じられるかもしれません。対中国で話題の無い米軍の貴重な動向ですのでお楽しみに

アジアを考える記事
「中国が世界初レールガン搭載艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-03
「中国が台湾にもひっそり攻勢」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-28
「中国が南シナ海埋め立て終了」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-17

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米軍人トップ:朝鮮半島の戦いは「汚い戦争」に [安全保障全般]

Dunford OG.JPG5日の週にダンフォード統合参謀本部議長が豪州・タイ・グアム島を歴訪したようですが、AFP通信を引用した8日付読売新聞によれば、豪州北部にローテーション派遣されている米海兵隊兵士を激励した際に、兵士の質問に答え、北朝鮮との戦いが「汚い戦争」になると語ったようです

平昌オリンピックが行われる中世の中には「米国による斬首作戦が3月にもある」という噂が流れているようですが、空爆や巡航ミサイルで片が付くようなイメージが漂う雰囲気に警鐘を鳴らした発言として注目されています

昨年10月にも米統合参謀本部が米議員からの質問に回答する中で、「地上部隊の派遣は不可避」、「化学生物兵器が使用される可能性」等々と言及し、甘い考えを持たないよう釘を刺していたところです

また本日はより戦略的な視点から、三浦瑠璃女史のブログ「山猫日記」より、北への軍事作戦が生む朝鮮半島の勢力図変化を想像すれば、安易な軍事作戦実行など考えにくいとの指摘をご紹介します

8日付読売からダンフォード議長発言を紹介
Dunford1.jpg●豪州北部ダーウィンにローテーション派遣されている米海兵隊兵士からの「北朝鮮と戦争になった際、朝鮮戦争時のような被害をどのように避けることができるか」との質問に対しダンフォード議長は、
●米軍の能力がかつてと比べて大きく向上している点に触れながらも、最終的には「海兵隊や地上部隊が参戦し、同盟国も一緒に戦うことになるだろう」と指摘しつつ、「朝鮮半島で戦うことになれば、最後は『汚い戦争』になるだろう」と回答した
●トランプ政権内は、北朝鮮への軍事的選択肢として、核関連施設への限定的空爆を検討しているとされるが、米軍内では核関連施設の完全制圧には地上部隊投入が不可避との見方が強い

昨年10月の統合参謀本部の議員へのレター紹介記事
「地上部隊投入が不可避」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-07
NK biol.jpg●議員2名からの対北作戦の死傷者見積もりを問う質問に対し、統合参謀本部は回答レターで、「あまりにも不確定な要素が大きく見積もりは容易でない」、「核、化学、生物兵器などや、対処方策については非公開の場を設けて説明する必要がある」と前提を置きつつ
●「確実に北朝鮮核開発の全てを特定して破壊する唯一の手段は、地上部隊による北朝鮮侵攻である」と明記している

●また北への侵攻に対し北朝鮮は、「生物兵器の使用をオプションとして検討するだろう」、「北朝鮮が化学兵器である神経ガス、びらん剤等を製造する能力を有しており、実際既に化学兵器を保有している可能性が高い」とも回答している
●更にそのような兵器は地上侵攻部隊に対し、火砲やミサイル等の多様な兵器に搭載して使用されるであろうとも回答している

戦略的視点で三浦瑠璃女史の山猫日記(1月31日)は
米国の斬首作戦が3月にもとの噂が流されているが、それは日韓でその後起こるであろうテロの脅威を過小評価している。また中国の影響をさらに朝鮮半島で拡大する結果を呼び起こすだけとの可能性を見ていない
MiuraR2.jpg韓国で大きな犠牲が出れば反米感情は強まるはず。しかも、北朝鮮の金正恩を斬首したところで、その後の秩序で唯一現実的なのは中国の傀儡政権を樹立すること。

中国にとって韓国における米軍のプレゼンスは本当に邪魔なもの。いま北朝鮮が南に対して行っている種々の妨害工作や浸透工作は、戦争後に減るどころかむしろ影響力を増すでしょう。
対米不信が強まった韓国が、中国の軍門に降るのは時間の問題です。なぜわざわざカネと人命を費やしてまで中国の覇権を強化したいのか理解に苦しみます。結局のところ、軍事作戦が破滅に終わらずうまくいったとして、せいぜい竹のカーテンが38度線から対馬にまで下りてくるだけのことですから
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冬季五輪が始まったとたんに、平和の視点だ、南北融和のシンボルだ・・・とのフレーズが飛び交う節操のない日本のメディアですが、足元をきちんと見つめて過ごしたいものです

China-dinner.jpgでもなぁ・・・美女軍団には目が行くよなぁ・・・

関係ないですが、オバマ政権前半で米国防長官が北京を訪問すると、このヘーゲル国防長官(当時)のような歓待を受け、誰しも「中国恐るべし」と警戒しつつ、自然と鼻の下が伸びるのです・・・男は・・・

米軍と北朝鮮の関連記事
「地上部隊投入が不可避」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-07
「国防省2トップアジア訪問と北朝鮮」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-28
「米空軍がJDAMや精密誘導兵器増産へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-24
「米陸軍が対北朝鮮に緊急準備開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-12

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36年ぶりイスラエル戦闘機が撃墜される [安全保障全般]

イラン無人機がイスラエル侵入で情勢緊迫
2011年以来のイスラエル軍レバノン大規模空爆に発展
ロシア外務省が沈静化を呼びかけ

Iran UAV.jpg10日付Defense-News記事によれば、10日土曜日早朝、シリア領内から遠隔操縦された「イラン無人機」がイスラエル領内に侵入し、これを契機にイスラエル軍機がシリア領内への攻撃を行い、イスラエル空軍F-16I戦闘爆撃機がシリア軍地対空ミサイルに撃墜されました

F-16Iが撃墜されたことを受け、イスラエル軍は2011年以来の規模という「広範な規模の攻撃:broad attack」をシリア領内の目標に対して実施し、合計12個のシリア軍およびイラン軍の装備や施設への攻撃を行ったと発表しました

「イラン無人機」が発進したとされるシリア内の空域を統制しているロシアは、「全ての関係サイドに自制を求める」との声明を10日中に出し、事態の拡大防止を図る動きを見せているようです

とりあえずイスラエル側発表の事実関係をご紹介します

10日付Defense-News記事によれば
10日早朝、シリア領内のロシアが空域統制を行っているエリアから離陸した「イラン無人機」が、イスラエル領内に侵入し、イスラエル空軍のAH-64Dアパッチ攻撃ヘリにより追尾され、最終的に撃墜された
●なおこのイラン無人機」は、シリア領内に展開しているイラン軍の指揮統制装置から遠隔操縦されているものであった

F-16I down.jpg●このイラン無人機の領空侵犯を受け、イスラエル軍はダマスカス近郊に展開していたイラン軍の無人機指揮統制装置に対する攻撃を行うため、F-16I戦闘爆撃機を出撃させた
●このF-16I編隊に対し、シリア軍の地対空ミサイルSA-17やSA-5が発射され、被弾を受けたF-16は何とかイスラエル領内まで戻ったところでパイロット2名が緊急脱出した。2名はケガで手当てを受けている。被弾したF-16はイスラエル北部の集団農場近くに墜落した

●この被撃墜事案を受け、イスラエル軍は第2波のシリア領内攻撃を企て、イスラエル軍報道官が「広範な規模の攻撃:broad attack」と表現した合計12個のシリア軍およびイラン軍の装備や施設への攻撃を行った
第2波のイスラエル軍攻撃機は全機無事に帰還し、同軍報道官は「3つのシリア軍防空部隊と、4つのイラン軍シリア領内拠点を含む、計12個の目標を攻撃した」と10日に発表した

●更に同報道官は、「イランの侵略者がシリア領内に潜んでいる。イランは軍事使用のために無人機を持ち込み、イスラエル領空を犯した。イスラエル軍は全てのシナリオに準備を整えており、イランとシリアに敵対行為をやめるよう通告する」との声明を発表した

●「イラン無人機」が発進したとされるシリア内の空域を統制しているロシアの外務省は、「全ての関係サイドに自制を求め、事態の悪化を招くような行動を避けるように」との声明を出した
●そして「シリア及び周辺国の領土や主権は、無条件で尊重される必要がある」とも声明で述べた
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F-16-Israel.jpg一触即発の中東情勢を象徴するような事象ですが、1982年以来初めてイスラエル空軍機が撃墜されたとなれば、頭に血が上ったイスラエル軍がどんな行動に出るか予測できませんし、「イラン無人機」とイスラエルが主張するオマケもついていますので、今後の成り行きが懸念されます

36年ぶりの被撃墜です・・・世界最先端の電子戦能力を備えているはずのイスラエル空軍ですが、シリアの地対空ミサイルに撃墜されたとは何があったのでしょうか?

電子妨害が効かなかったのか、偶然命中したのか、目視で狙ったのか・・・それとも最新のECCM能力を備えた装備がシリアに持ち込まれていたのか・・・

今後の分析に注目いたしましょう

イスラエル関連の記事
「イスラエルに米軍防空部隊が常駐へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-19
「なぜイスラエルArrowがシリアSAMを迎撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-21
「世界初:6種類の迎撃ミサイルでBMD演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-07-1

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トランプに打撃?米加航空機貿易戦争は加に軍配 [安全保障全般]

C series.jpg26日、米国の貿易問題を裁定する独立機関ITC(International Trade Commission)が、カナダの航空機製造企業をダンピングで訴えていたボーイングの申し立てを満場一致で「却下」し、併せてボーイングを支持してダンピング課税292%を命じた米商務省決定の執行停止を命じました

本件は、カナダの航空機企業Bombardierが政府補助金を受け、不当な低価格で米デルタ航空に中型旅客機CS100を75機売却したとボーイングが訴えたものですが、ボーイングがCS100クラスの旅客機を販売しておらず競合関係にないことから、トランプ大統領の保護主義姿勢を示す典型的事例として話題になっていた案件です。

また、当該カナダ機が英国内(アイルランド)の工場で製造されていたことから、英国首相も米国に課徴金見直しを働きかけるなど、トランプ保護主義の象徴として国際的な反対運動に繋がり、欧州企業エアバス社がBombardier社のCS100部門を配下に置き、エアバス社の米国内工場で製造して課徴金を免れる「ウルトラC」対抗策まで打ち出していました

Bombardier-C.jpg更にボーイングの訴えを契機に、ボーイング製FA-18購入を検討していたカナダ政府が検討見直しを公言し、中古のFA-18を豪州かの購入を検討すると打ち上げ、一枚岩の同盟関係だった米カナダ関係の泥沼化を招いていました
そんなこんな中で、ITCによる「4-0」満場一致裁定ですので、興味本位でご紹介しておきます

26日付Defense-News記事によれば
●26日のITC裁定を受け、Bombardier社は直ちに、「法治制度、競争、革新における勝利である」とのコメントを発表した。
●CS100機購入を予定していたデルタ航空も、「ITCの裁定を喜びを持って受け止めている。この裁定は、米航空会社と米国民による素晴らしいCS100旅客機へのアクセスを妨げようとした、ボーイングの反競争主義を拒絶したものである」とコメントを出している

Bombardier-C2.jpg●一方のボーイング社は、「落胆している」とし、「不正な補助金とダンピング価格」から受ける被害を今後とも取りまとめていくと声明を出した
●ただし約150名乗りのCS100旅客機の競合機種をボーイング社は製造しておらず、何の影響も受けないはずだとデルタ航空は主張している

●ちなみに昨年10月、Bombardier社はCS100シリーズ計画の株式をエアバス社に提供し、関連本部機能はモントリオールに残しながら、第2の製造ラインをアラバマ州モービルにあるエアバス社の工場に設置する(これで米国内生産にして課徴金を逃れる)事にしていた
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トランプ大統領就任後、米カナダ関係はNAFTA(北米貿易協定)や木材輸入を巡って悪化し、旅客機ダンピング認定問題が「火に油」だったのですが、先日のダボス会議におけるTPP復帰を示唆するトランプ発言以降、バノン氏がホワイトハウスを出てから風向きの変化が・・・との見方もあります

FA-18&F-35.jpgITCによる裁定が最終決定なのか、まだまだボーイングが粘って泥沼が続くのか不明で、カナダのFA-18購入もどうなるのか関連も不明ですが、トランプ保護主義の今後も含め興味深いところです

FA-18に関しては、F-35に対する疑念から「時間稼ぎのために」購入検討を開始した経緯がありますので、F-35の泥沼がある限りどうしようもありませんが・・・

米国とカナダの航空戦争
「カナダが中古の豪州FA-18購入へ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10
「米加の航空機貿易戦争に英が参戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-16-1
「第2弾:米カナダ防衛貿易戦争」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-04
「5月18日が開戦日!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20
「痛快:カナダがF-35購入5年延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-23

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空自がついに発狂か?外圧か?現状維持策か? [安全保障全般]

空自が戦闘機部隊増強を持ち出しへ!?

F-35B-2.jpg21日付産経新聞は、防衛省が航空自衛隊が保有する戦闘機部隊を、平成25年「防衛計画の大綱」レベルから1個増強し、14個飛行隊とする検討に入ったと報じています。

そして増強する1個の飛行隊は、垂直離着陸型F-35であるF-35Bを新たに導入する部隊で、宮崎県の新田原基地への配備が有力視されていると紹介しています。
なお航空自衛隊が既に導入を決定し、間もなく三沢基地に初号機が到着するF-35は通常離着陸のA型で、B型は米海兵隊が導入を開始して岩国基地にも配備が始まっているタイプです

この戦闘機部隊増強計画は、平成25年「防衛計画の大綱」の年内見直しの焦点の一つだと記事は述べ、中国軍航空機の活動活発化やパイロットの訓練時間確保を戦闘機部隊増強の理由に防衛省は上げているとしています

どこまで記事が本当か不明ですが、ため息が出ます・・・。狭い日本に脆弱な戦闘機を増やしてどうするのでしょうか? 何を考えているのでしょうか航空自衛隊は・・・

まず21日付産経新聞記事の紹介から
JASDF FI.jpg●航空自衛隊は平成25年に策定した防衛計画の大綱で、戦闘機部隊を現行の12から13に増やすことを打ち出した。
●空自が導入を決めている空軍仕様のF35Aを42機調達し、F2戦闘機の飛行隊を1個だけの三沢基地(青森県)にF35Aの2個飛行隊を配備することで1個部隊を増強し、現在の12飛行隊から13個にする計画が既に決まている

●ただ、この計画のままでは、全国7カ所の戦闘機部隊拠点のうち、新田原基地だけがF15飛行隊を1個しかない態勢が続く。
●戦闘機部隊は対領空侵犯措置(緊急発進=スクランブル)の任務にあたりつつ、訓練時間を設けてパイロットの技能を向上させることが不可欠だが、拠点基地に置く飛行隊が1つだけだと訓練時間を捻出しにくい弊害がある。

新田原基地に2つ目の飛行隊を置く場合、空自が新たに導入を検討するF35Bの配備を視野に入れる。
F35Bは短距離の滑走で離陸し、垂直着陸も可能なため短い滑走路での運用に適している。新田原基地に配備すれば中国による南西方面の離島侵攻に迅速に対応でき、滑走路の短い離島の民間空港を拠点に運用できるほか、平時の警戒監視にも活用しやすい。

防衛省は海自最大のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」をF35Bの離着艦可能な「空母」に改修することも検討している。いずもが新田原基地から飛来するF35Bを搭載して東シナ海に展開し、離着艦訓練を行えば中国への抑止力と対処力の一層の強化につながる。

米空軍の西太平洋での動きを確認
●米国防省高官が昨年10月、一箇所に戦闘機を集中配備する現状から、第5世代戦闘機を分散して運用する新コンセプトACE(Agile Combat Employment)を西太平洋で進めていると記者団に語り、
O'SHAUGHNESSY2.jpg●「在日本の米軍最新戦闘機は、(有事に)地域の島々の10-15の未整備な緊急展開基地に分散させる」、「このコンセプトでは、分散した不便な展開場所でも最新戦闘機が作戦可能なように、迅速に兵たん支援も分散支援体制を整える必要がある」、「米空軍は最近のArctic Ace演習などで、燃料の緊急配分訓練をすでに開始している」と説明

●また昨年12月には太平洋空軍司令官も、戦力を分散して柔軟性と強靭性を確保するACEコンセプトに言及し、従来の巨大基地が敵攻撃に対して脆弱だと背景を語っていたところです
●またその背景を同司令官は、、「太平洋空軍の作戦環境は信じられないペースで困難さを増している」と語り、米側が想定していたよりも遥かに速いペースで周辺国の軍事力強化が進んでいると危機感をあらわに語っていたところです
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F-35 luke AFB.jpg米軍は、第一列島線上の航空基地など有事に敵攻撃により一瞬のうちに機能を喪失するから、膨大で複雑な地上インフラに依存する戦闘機の運用など不可能だと判断し、グアム周辺のサイパンやテニアン、豪州北部の基地などを含めた航空戦力分散を前提としています

そして分散した航空戦力への燃料支援や整備力支援の態勢をどうするかを検討し、演習を通じて確認を進めています。完全には不可能でも少しでも何かしなければの姿勢で・・・

日本が今更戦闘機を増加することは、税金の無駄遣いと申しあげておきましょう戦わずして、飛び上がる前に戦力として去勢されてしまうのが落ちでしょう。今まだ散々訴えてきたのですが、こんな方向に進むのでしょうか?

china DF-15B.jpg対領空侵犯措置(緊急発進=スクランブル)など、既に中国やロシアに足元を見られており、何の効果もないと申し上げても過言ではないでしょう空自パイロットが飛行手当を維持するための「お手盛り」とも言えましょうか・・・
4世代機レベルの低価格なお手頃戦闘機で形だけやればよいでしょう。5世代機を導入しても、有事に役に立たなないでしょうから・・・

トランプ政権による「米国製装備買え圧力」もあるのでしょう・・・でも米国装備を買うのなら、日本の脆弱な軍事環境を踏まえ、非対称能力強化や泥くさい戦術に役立つ投資に向かうべきです。戦闘機投資は愚の骨頂です

逆にもしかして、防衛省内でも心ある官僚が戦闘機の無駄を指摘し始めたため、空自の戦闘機命派が13飛行隊体制維持を「落としどころ」に見据え、とりあえず14個飛行隊を打ち出したとの深読み邪推も提示しておきます

米空軍の西太平洋対策
「担当空軍司令官がACEを語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10-1
「有事に在日米軍戦闘機は分散後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02
「岩田元陸幕長の発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-09 

関連の多様な記事
「広中雅之は対領空侵効果に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1
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くたばれ戦闘機命派
「F-3開発の動きと日本への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02 

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「嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-23-1
「中国脅威:有事は嘉手納から撤退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13

グアム島の抗たん化対策
「被害復旧部隊を沖縄から避難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-28-1
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「グアムの抗たん性強化策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-30-1
「グアムで大量死傷者訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-08-1
「グアム基地を強固に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12

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