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米議会が倍増以上の米本土ICBM防衛ミサイルを要求 [安全保障全般]

GBI2.jpg17日付Defense-Newsは、米議会が米国防省とミサイル防衛庁MDAに対して、北朝鮮やイランからの大陸間弾道弾ICBMに対処するため、2021年末までに最大104発のICBM迎撃ミサイルGBI(Ground-based interceptors)を配備するよう、配備場所の検討等々を行いよう求めるレポートを作成したと報じています

このレポート「The conference report of the fiscal year 2018 defense policy bill」の位置づけをよく理解していませんが、記事は国防省が「何々しなければならない」と「must」で表現しており、大統領が拒否しない限り実行しなければならない性格のものの様です

ちなみに、現在GBIはアラスカのFort Greelyと加州の米空軍Vandenberg基地に配備されており、44発目が11月2日にアラスカに配備されたところです。したがって104発は、現在の数から60発増強する2倍以上の増強計画です

17日付Defense-News記事によれば
GBI-KV.jpg●この議会レポートが出る以前から、最近数か月間、国防省とMDAは現在の44発を計64発に増強する計画を練っており、9月には総計450億円の計画の第一弾となる150億円の2017年度予算を明らかにした。
ホワイトハウスも11月6日に、2018年度予算に追加で20発のGBIを調達し、アラスカの基地に追加の施設を建設する予算要求を行ったところである。

議会のレポートは国防省に対し、104発のGBIを配備する場所や必要施設を組み込んだ増強計画作成を求めており、2017年末までの提出が求められている弾道ミサイル防衛見直し(BMDR)にも反映することを求めている
●そしてレポートは、2021年末までに全ての施設整備を実行すべきだとし、その中でも20発のGBIを可及的速やかに行うよう求めている

国防省は弾道ミサイル防衛見直しBMDRを提出後、90日でGBI増強計画を示すことを求められている。そこには、現在存在する(西海岸の)GBI配備基地だけでなく、米本土中部から東海岸も含めて配備候補地を見出し、米本土全体を防御できる体制構築が求められている
米議会は2013年度予算法の中で、2016年末までにGBI計画を提出するよう求めているが、政権交代に伴う弾道ミサイル防衛見直し(BMDR)開始により、その期限が延期されている

●また同時に、米議会は現在のGBIシステム全体の有効性と信頼性を検証するよう求めており、約60億円の予算執行を信頼検証後でないと認めない方針を打ち出している
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GBI.jpgつい数年前までは、GBIについては全く盛り上がらず、一部の研究者や学者がその必要性を訴えていたようなイメージですが、急速に機運が盛り上がっているようです

この記事が引用している金額があまりにも小さいので気になっているのですが、今後色々と報道が出るでしょうからその時に確認いたしましょう・・・。

GBI関連の数少ない過去記事
「宇宙配備のミサイル防衛センサーが必要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-31

GMDに関しては、「海国防衛ジャーナル」2017年5月31日付記事が、包括的に解説しており大変勉強になります

初のICBM迎撃実験に成功:米本土ミサイル防衛(GMD)とは
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50788602.html 

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将官OBによる政治と軍事の関係を考える意欲作! [安全保障全般]

「政軍関係:Civil Military Relations」を考える意欲作!
タイトル「軍人が政治家になってはいけない本当の理由」は筆者の本音か、編集者の人寄せキャッチフレーズか?
「東京の郊外より」を読む参考文献としても是非!

hironaka.jpg10月20日に文春新書から、元空将である廣中雅之氏による「軍人が政治家になってはいけない本当の理由」との書籍が出版され、欧米ではメジャーな学問でありながら、日本ではほとんど見向きもされない「政軍関係:Civil Military Relations」に真正面から取り組む意欲作として注目を集めています。

廣中氏についてはこれまで、豊富な米国大学や研究機関経験を活かし、かつ非パイロットOBの立場から発せられる、対領空侵犯措置中心の防衛力整備に疑問を投げかける論考や発言を画期的なものとしてご紹介してきましたが、「政軍関係」という地道で本質的な分野に、体系的なアプローチを試みる姿勢に「Happy Surprise」です!

日本の現状を自衛隊の60年と共に振り返り、先駆者である米国と英国の苦闘の歴史に学び、日本への提言を試みる構成ですが、政軍関係に関する理論的研究体系や米国の軍事意思決定過程に関する解説のほか、米英の事例を豊富に取り上げて読者の関心の理解と考察を促す構成に、工夫と努力が感じられます

個人的に印象に残ったのは、聞いてはいたが改めて認識した東日本大震災時の民主党政権のひどさ、田母神元空爆長辞任劇への厳しい批判、日本の文民統制(防衛省内局)の異様さ、パウエル統合参謀本部議長の湾岸戦争時の姿勢への疑問提起、マレン元統合参謀本部議長への賛辞、そして退役軍将官が特定政治家を支持することへの批判です

hironaka4.jpg最後の退役将軍の政治家支援活動批判については、具体的名前は挙げていないものの、航空自衛官OBの宇都隆史参議院議員への、元空幕長らによる選挙応援活動を強く戒める事を意図したものとも解釈できます

読者によっては、本書が示す各種事例の評価・解釈に違和感を抱くことになるかもしれませんし、タイトルの「軍人が政治家になってはいけない本当の理由」自体に違和感を感じるかもしれませんが、本書の最も重要な狙いは、「政軍関係:Civil Military Relations」を学問分野として体系的に分かりやすく日本に紹介する事だと思います。

以下では廣中氏を簡単にご紹介したのち、書籍の概要というよりも、書籍の主題からは少し離れるかもしれませんが、印象に残ったところをつまみ食いで取り上げ、中核となる「政軍関係」の本質議論は、自身で読んで参考にしていただきたいと思います

廣中雅之氏とは
Hironaka3.jpg廣中雅之氏は防衛大学校出身(23期)でパイロット職ではなく、地対空ミサイル部隊出身者の61歳で、2014年に退官後、2015年から2017年6月までワシントン在住でCNASと笹川財団の研究員を務め、本書の執筆に向け研究を行ったようです。
また現役の間に、ジョンズ・ ホプキンス大学高等国際問題研究大学院で修士課程を修了し、CSISやスタンフォード大学国際安全保障研究所の客員研究員も経験している人物です

日本の政軍関係の現状(序章から第2章)
●あるべき政軍関係の基礎には、軍事的専門戦を極めた軍人と政治指導者の信頼関係醸成が必須の要件だが、戦後の政治指導者、金丸信、栗山尚一外務次官、菅直人、北沢防衛相などが、幼少期に体験した旧軍人の態度を根に持ち、自衛隊や自衛隊員を根本的に信頼していなかったことが、健全な政軍関係形成の最大の障害だった
田母神俊雄3.jpg●福島第一原発冷却のため、陸自ヘリによる事故原発への放水任務決定に際して、北沢防衛大臣は「統合幕僚長に判断してもらった」と省内の会議で発言し、防衛大臣命令任務の本質を理解しない日本の政治家の無知無能ぶりを象徴的に示した

田母神元空幕長の事案は、懲戒処分手続きの調査に応じない非協力的な態度で、文民である防衛大臣の判断に異を問えるという、政軍関係の根本に反する行動に出たことで、自衛隊員の精神的健全性や組織文化まで疑われる極めて残念で負の事案であった
●背景には、田母神元空幕長の行政的職務に偏重した経歴と、精神性を高めるに欠かせない作戦部隊の指揮官職経験や教育が不十分だったことがある。今の自衛隊指揮官クラスは多様な経験を職務を積むように管理されており、そのようなことはない

米国における政軍関係の苦悩
powell.jpg●「湾岸戦争の英雄」と讃えられる当時のパウエル統合参謀本部議長(後の国務長官)の判断は後世の批判に耐えられるか? クウェートから撤退するイラク軍への攻撃は、軍事的な視点からすれば必要な作戦だったが、パウエル大将は国際的世論からの批判を恐れるという政治的レベルの判断から避け、早期の停戦を主張し、ブッシュ大統領から最終的に受け入れられた
●チェイニー国防長官から政治レベル判断に介入が過ぎると以前から叱責されていたパウエル大将が、政治的な動きをした事例である。しかしイラク軍の主力に打撃を与えなかったことは、後の中東の不安定化や現在の中東の混乱原因を生んだことにもつながており、彼の政治介入ともいえる当時の行動と彼への歴史的評価は、今後変わっていくかもしれない

1992年の大統領選挙で、86年まで統合参謀本部議長だったクロウ退役海軍大将が突然ビル・クリントン候補の応援に加わり、劣勢気味であった同候補の勝利に大きな役割を果たした。それまでの退役将軍の政治活動を避ける流れに逆行する動きだった
2008年と16年の大統領選挙でも、時の軍人トップは退役将官の選挙戦への関与自制を求めるコメントを発しているが、クロウ大将以降の流れは止められず、多くの将官経験者が候補者の応援に参画している。これは軍人の政治的中立という軍隊の伝統を損なうものだと現職の軍人トップは厳しく批判している
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Hironaka2.jpg書籍の本質的な中核的主張を解説しない、中途半端な紹介となりましたが、約200ページの読みやすい新書サイズの「政軍関係:Civil Military Relations」入門書ですので、ぜひご自身でご覧いただいて考えていただきたいと思います

一つだけ疑問点を上げるとすれば米軍の退役将軍が政治に関与するようになったのは、単に「目立ちたい」「社会的地位を確保したい」等の理由からだけではなく、「ポピュリズム化」が進む社会で、軍人の立場からきちんと発言しないと後輩軍人が苦労するとの強い思いからだと思う点です。

廣中氏が繰り返し訴えている、軍人が軍事的専門性を追求し、政治家との意思疎通の円滑化を図るだけでは、軍事のことなど政治家や一般市民はますます関心を持たなくなるとの危機感が、米退役将軍の中にはあると思うのですが・・・

最近の日本の政治状況と、安全保障環境を考えると、いざという時の「政軍関係:Civil Military Relations」の悲劇的な破綻が想像されるのですが、極めて自然な感覚で安全保障に関し正しい判断ができる若者層が増えているとの世論調査結果に期待し、本書を推薦したいと思います

廣中雅之氏に関する過去記事
「元陸幕長が米軍の列島線離れを指摘」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-09
「広中雅之は対領空侵効果に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1

その他の関連記事
「小野田治も戦闘機に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05
「織田邦男の戦闘機命論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-06 
「F-3開発の動きと日本への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16

 

書籍のご紹介記事
「究極のインテリジェンス教科書」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-22
「司馬遼太郎で学ぶ日本軍事の弱点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-01
「失敗の本質」から今こそ学べ!→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-12-31
「イスラエル起業大国の秘密」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-20

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中東第2のF-35購入国はUAEか? [安全保障全般]

F-35 Front.jpg4日付Defense-Newsがイスラエル支局長執筆の記事を掲載し米国が中東でのイスラエル軍事力優位を維持するために拒んできた、イスラエル以外へのF-35売却につながるF-35能力等の説明をUAEに対して行う方向に変化しつつあると報じています

あくまでも米国が拒んできた、2011年からUAEが要請しているF-35ブリーフィングの実施について検討することに合意した程度の段階ですが、イスラエル人支局長の記事はUAEに好意的な視点で書かれており、対ISISで米国に協力し、米軍戦力の常駐を受け入れているUAEをはじめとする中東産油国に冷たくすると、ロシアや中国製兵器に市場を奪われるよ・・・と助言するような内容になっています

F-35 Israel3.jpgまたイスラエルの軍事技術優位維持政策に関しても、イランの脅威がイスラエルや湾岸産油国共通の脅威となりつつある中、再考を促すようなニュアンスも感じられる記事となっています

仮にこれから前向きに話が進んでも、UAEにF-35が渡るのは10年後だと言うことですので、イスラエルへの義理は十分に果たしたことになるでしょうから、対イランにF-35がUAEに行くのかもしれません

4日付Defense-News記事によれば
●まだ最終的な決定はなされていないが、F-35売却に向けた重要な第一歩である非公開情報を含むUAEへのブリーフィングを検討することになり、オバマ政権が固執したイスラエルの軍事技術優位維持政策からの変化を示唆するものとなりそうだ
トランプ政権も米議会が命じるイスラエル軍事技術優位施策の堅持を主張しているが、5月に明らかになった米UAEの国防協力合意では、今後15年間にわたり両国の関係強化を進める意向も示されていたところである

UAE2.jpg●匿名の前米国防省幹部は「イエスと言ったわけではないが、事態が落ち着いてくれば、その方向に向かうだろう」と述べ、サウジ・UAE・バーレーンらがカタールと外交断絶して地域情勢が複雑化しているが、これが落ち着けば対イランに向けたトランプ新戦略が動くだろうと語った

●特にUAEは、1992年の湾岸戦争から米主導多国籍軍に参加し、同国内に数千人の米軍人を駐留させ、米空軍第380派遣航空団を受け入れている国である
●まずUAEは、サウジのようにイスラエルと国境線で接することがなく、またUAE空軍はイスラエル空軍が参加する多国間演習に参加し、最近では3月にギリシャで行われた演習や米ネバダ州でのRed Flag演習にも参加している

●例えUAEにF-35提供で合意したとしても、UAEに機体を手渡すまでの時間を考えれば、イスラエルは10年間以上は中東でF-35を独占することができる。
イスラエル国防省はコメントを避けたが、個人的に関係者は、当初UAEに限定し、他の湾岸諸国に広く提供するようなことがなければ、イスラエルが反対するとは考えにくいと語ってくれた

複数の研究者の見方
●ワシントンDCのユダヤ系シンクタンク研究者も、「UAE同盟国でもないし友人でもないが、UAEがF-35でイスラエルを攻撃する事態を恐れることは、あまりにも非現実的だ」と語っている
●また米UAE関係の研究機関研究者は、「UAEは米国の姿勢に欲求不満を示している。米国はイスラエル対アラブ諸国の構図で見ているが、UAEはイスラエルをそのようには見ていない。だからイスラエル技術優位を基礎とした米国の判断を理解できない」と語っている

UAE.jpg●米UAE国防協力合意について同研究者は、米国は長期にわたっているUAEとのパートナー関係のメリットを熟慮し、この合意をF-35や他の最新兵器だけでなく、共同開発や特殊部隊協力などに発展させるべきと主張している。ちなみにUAEは、米国FMSの最大の対象国の一つである
●そして「UAEは単に安全保障に関するカスタマーではなく、湾岸地域や広く中東全域の安全保障のプロバイダーであることを考慮すべきである」と訴えている

●仮に米国が従来の制約を課すのであれば、今年年初にUAEがロシアとMig-29ベースの第5世代機開発に合意し、Su-35購入にも関心を示したように、また米国が攻撃型無人機を売却してくれない中、中国製無人機を購入したような方向に向かうと、米UAE関係の同研究者は警告している
●しかし同時に同研究者は、UAEは依然として米国製兵器を望んでおり、その訓練や維持支援を希望していると強調している

●別の研究者は、サウジが米国主導の軍事演習にイスラエルとともに参加することが公になれば、サウジのイスラエルへの懸念を払しょくできるかもしれにと述べており、「そうすることでサウジへのF-35輸出の道が開けることにつながる」と見ている
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US GCC 2.jpg繰り返しになりますが、この記事が、Defense-NewsのBarbara Opall-Rome というイスラエル支局長によって書かれた記事であることに注目です。イスラエル側からこのような見方が提示されることが目を引きます

同女性支局長は1988年から米イスラエル関係をフォローしているベテランで、対イランに向かう中東の雰囲気を察しているのでしょう。

対ISIS後を中東の行く末を見据え、どこに精力を注ぐべきか、対ロシアを含め米国はどの方面に力を入れるべきかを示唆した記事と言えましょう

湾岸諸国関連の記事
「カタール首長と大記念撮影」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-15
「米軍の弾薬を頼るな!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-21-1
「イスラエルと合意後に湾岸諸国へ戦闘機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-17

「FMS手続きの簡素化がカギ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-05
「ドバイの脅迫:軍需産業の懸念」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-01
「湾岸諸国はF-35不売で不満」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-16

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米議会見積:今後30年で核兵器予算は140兆円 [安全保障全般]

B-2restart.jpg10月31日、米議会の予算検討室CBOが、現状の政府計画で今後30年間に核兵器の維持開発にどれだけ予算が必要かの見積もりを公表し、近代化に約45兆円($800 billion)、維持と運用に約90兆円($400 billion)など、計約140兆円が必要だと分析しています

同CBOは今年2月、今後10年間の同経費見積もりを約45兆円と発表していましたが、これを30年スパンに拡大して見積もりを公表したもので、つまりは、「こんな計画は実行できるわけねぇーだろ!(怒)」、今政府が検討しているNPR(核体制見直し:Nuclear Posture Review)でしっかり現実を直視してアウトプットを出せ・・・との思いが滲んでいるように感じます

そんな思いは、同見積もりに、全く「近代化」を行わなかった場合は総経費が約50%削減できる、との見積もりも含まれている点からも察することが出来ます。

本見積もりを紹介する31日付Defense-News記事からは、何が近代化で、何が維持なのか、何が国防省担当で、何がエネルギー省担当なのか等々、細部区分がわかりにくいのですが、爆撃機もICBMも指揮統制も負担する米空軍が、F-35やKC-46A購入とダブって「実行可能性?」な状況はTake Noteしておきましょう

31日付Defense-News記事によれば
Ohio-Class.jpg●今後30年間で近代化更新計画されているのは、オハイオ級戦略原潜の後継導入(約35兆円)、ミニットマンⅢ後継ICBM導入(17兆円)、戦略爆撃機B-21導入(約30兆円)、その他に約5兆円とCBOは見積もっている
●これらシステムを維持近代化する国防省が約100兆円で、核弾頭の維持開発や関連研究施設を担当するエネルギー省が約40兆円必要と見積もられている

別の区分でCBO見積もりを見てみると
・「短距離の戦術的運搬システム(航空機)と弾頭の運用・維持・近代化:operation, sustainment, and modernization of tactical nuclear delivery systems — the aircraft capable of delivering nuclear weapons over shorter ranges — and the weapons they carry」に、約3兆円

・「戦略的な核兵器運搬手段と弾頭の運用・維持・近代化、潜水艦用原子炉:operation, sustainment, and modernization of strategic nuclear delivery systems and weapons — the long-range aircraft, missiles, and submarines that launch nuclear weapons; the nuclear weapons they carry; and the nuclear reactors that power the submarine」に、約85兆円

・「核兵器を支える研究や製造施設、指揮統制・通信・早期警戒システム:complex of laboratories and production facilities that support nuclear weapons activities and the command, control, communications, and early-warning systems that enable the safe and secure operation of nuclear forces」に、約50兆円

Minuteman III 4.jpg特筆すべきは、CBO見積もりが、近代化を全く行わず、兵器の更新と維持のみに絞った場合のケースを取り上げ、総経費が約50%削減できると指摘している点だが、この案は国防省がこれまで繰り返し拒否しているところである
●核兵器不拡散(核兵器削減)論者は、皮肉たっぷりに、「CBOが示した数字の実現は、幻想世界の虹の向こうに見える、打ち出の小槌でもない限り、破滅的な現実に直面する」と指摘している

国防省関係者は予算問題に関し、核兵器関連予算の規模は、今後30年間の国防予算の6%に過ぎないと主張しているが、CBOの見積もりでは「2017年に5.5%で始まり、2020年代後半から30年代前半に8%のピークを迎え、20204年代に4.5%まで徐々に下がる」と予想している
●特に、戦略爆撃機と巡航ミサイルとICBMに加え、指揮統制システムも担う米空軍に、F-35とKC-46A等の装備購入が重なる2020年代初頭から中盤にかけて訪れる「装備調達の大波」対応が迫ってくる

●専門家は「もし政権が核体制見直しNPRで3本柱の規模縮小を打ち出さなければ、国家安全保障に重要な他の予算計画を脅かすことになる」と警告している
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B-21 2.jpg核兵器というのはお金がかかるんです。 軽々しく核兵器の保有を叫ぶ人がいたら、その辺への理解をぜひ確認したいものです

またその維持には特別な施設や組織が必要であり、またその運用に携わる人は、使用の可能性が極めて低い中で、訓練や待機を続け、士気を維持しなければなりません。非常に扱いが難しい兵器です

日本では普通に議論できない分野でもありますので、以下の関連記事をご参考に、思索を深めて頂きたいと思います

21世紀の抑止概念を目指す
「3本柱はほんとに必要か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03

「相殺戦略特集イベント」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「期限を過ぎてもサイバー戦略発表なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25

NPR(核態勢見直し)関連
「次期ICBMと核巡航ミサイルの企業選定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-27-1
「マティス長官がNPRに言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-15-1
「トランプ政権NPRの課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-09

「2010年NPR発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-07
「NPR発表3回目の延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-02
「バイデンが大幅核削減を公言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-19

戦術核兵器とF-35記事など
「戦術核改修に1兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
「F-35戦術核不要論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-16
「欧州はF-35核搭載型を強く要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-22
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06

ICBM後継に関する記事
「初のオーバーホールICBM基地」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-15
「ICBM経費見積もりで相違」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
「移動式ICBMは高価で除外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
「米空軍ICBMの寿命」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1

オハイオ級SSBNの後継艦計画関連
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1
「SLBMは延命の方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13

「RAND:中国の核兵器戦略に変化の兆し」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-19

三浦瑠璃女史の北朝鮮と核持ち込み
http://lullymiura.hatenadiary.jp/entry/2017/04/24/000359

ロシアのINF条約破り
「露を条約に戻すためには・・」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-20
「ハリス司令官がINF条約破棄要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-29
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「ロシア巡航ミサイルへの防御なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06

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2つの話題から:露とアジアの関係を見る [安全保障全般]

Russia fleet Phi2.jpg20日付Defense-Newsが、ロシアとフィリピン、およびロシアとインドの軍事関係に関する記事を2つ掲載し、トランプ政権がゴタゴタし、中東やアフガン問題に手を取られ、北朝鮮問題に悩まされる中、ロシアがアジアに手を伸ばしている様子を紹介しています

必ずしもロシアにとって順調な話ばかりではなく、相手国の現場から反対されている構図も紹介されていますが、長期視点で、隙あらば食い込んでやろうとする絶え間なき取り組みは、大いに学ぶべき点ありと考えます

2つの記事は、ロシア国防相がフィリピンへの手土産に「ライフル5000丁」を持ち込んだお話と、インドとロシアが進めている第5世代機開発に関し、インド空軍が性能不足や整備性の悪さを理由に露との共同開発中断を要求しているとのお話です

露がフィリピン大統領にライフル5000丁
Russia fleet.jpg●20日フィリピンのスービック港に到着したロシア海軍艦艇3隻と、21日に遅れて到着する2隻と合わせた艦隊司令官であるMikhailovロシア海軍少将は、来週開催されるASEAN国防相会議に出席するロシア国防相の来比に合わせた訪問だと語った
●フィリピン大統領にドゥテルテ氏が就任して以来、ロシア艦隊の訪問は今回が3回目となり、フィリピン海軍の発表によれば、21日到着の2隻がドゥテルテ大統領宛の贈り物である「軍事装備品」を輸送していると明らかにしている

ドゥテルテ大統領はロシア艦隊の到着に先立ち、贈り物である「軍事装備品」は「ライフル5000丁」だと語っていた。なお国防相会議には米国、中国、ロシア国防相も参加する
●Mikhailov艦隊司令官は、「この艦隊訪問が、露比両国間の友好関係強化に貢献するよう全力を尽くし、当地域の安全保障に貢献する」と語った

インド空軍が露との戦闘機開発中断を要求
SU-57 2.jpg1兆円規模のロシアとインドの第5世代機開発プロジェクトFGFA(fifth generation fighter aircraft)が、新たな厳しいハードルに直面している。インド空軍が要求を満たさない計画機に反対の姿勢を示したのだ
●インド空軍のリーダーたちが最近インド国防省に対し、FGFAが要求性能を満たさず、米国製のF-35などに及ばないと、強い懸念を表明したとインド空軍関係者が明らかにした

●インド空軍幹部は、FGFAはステルス性やレーダー反射面積の面で要求性能を満たさず、ロシア提示のプロトタイプに大幅な構造的変更を行わなう必要があると懸念している
●またインド空軍は、機体の稼働率確保と整備容易性を狙い、エンジンに「modular engine concept」の導入を要求し、エンジン整備をインド側で実施する形を求めているが、ロシア側はエンジン整備をすべてロシア企業が行うこととしている

●ロシア寄りの専門家は、FGFAのプロトタイプと言われたSU-57(PAK FA:T-50)は「AL-41F1エンジン」を搭載しているが、FGFA量産型は「Product 30エンジン」は燃費が3割向上し、エンジンの可動部分も少なくなり、ライフサイクルで3割もコストが削減できると良さを説明しているが・・
SU-57.jpg●一方でインド側も、米国製戦闘機を運用していないので、ロシア機と米国機の長期にわたる運用経費比較がほとんどできないと言われている

●なおFGFAは、インドが108機購入する前提で開始されており、インド側は段階的に開発経費として約6000億円を拠出する計画になっている
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ロシアはイランや中国に戦闘機や地対空ミサイルを売り込むだけでなく、NATO加盟国トルコへの長射程防空ミサイルを売り込みに最近成功し、その勢いで米国との関係が微妙な雰囲気にある中国周辺国家へのアプローチを加速させています。

しかし・・・フィリピン大統領へのライフル5000丁は何でしょうか? 麻薬撲滅のため、米国の人権派が嫌う「闇の仕置き」をもっとやれ・・・との激励でしょうか・・・
本当に、かゆいところに手が届く国ですねぇ・・・ロシアは・・・

ロシア製品と世界
「ロシア製ロケットエンジンでなく」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-07
「印検査院がロシア製戦闘機を酷評」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-11-1 
「トルコが露製長距離SAM購入へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-14

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欧州国軍の象徴か:ドイツ潜水艦が全艦使用不能に [安全保障全般]

冷戦後、放置・削減してきてた国防投資が生んだ惨状か

212A-class.jpg20日付Defense-Newsは、ドイツ海軍が最近購入したばかりの潜水艦に15日に発生したトラブルにより欧州の中核を担うドイツが保有する6隻の潜水艦が全て運用不能に陥ったと、その情けない状況を報じています

ドイツ海軍は、圧倒的な力量と発言力を持つドイツ陸軍の前に「冷や飯」を食わされてきた苦闘の歴史を持ち、例えば、WW2開戦時点に独海軍司令官が「いまや独海軍は勇敢に死ぬことを知っているだけだ」と嘆いた貧弱な状態でした

212A-class2.jpgしかし持ち前のゲルマン魂と知恵で、英国等の連合国に対する通商破壊戦を試み、特に「Uボート」はイギリスを崩壊寸前まで追い詰めて、後にチャーチル英首相に「私が大戦中に恐れたのはUボートの脅威のみである」と言わしめた意地を見せたのがドイツ潜水艦隊です

今でもドイツ軍人によれば、プライドの高い陸軍の発言力が圧倒的に強く、海軍や空軍は弱い立場だそうですが、ロシア軍の活動が活発化し、バルト海周辺の沿岸にロシアの隠密潜水艇が出現しているとの報道がよく出る中、なんともさみしい話です

20日付Defense-News記事によれば
●15日、ドイツ海軍が最近導入したばかりの2隻の「212A級」潜水艦の1隻で、唯一の運用可能状態であった艦番号U-35潜水艦が、ノルウェー沖で潜航動作中にラダーに故障が発生して非稼働状態になった
212A-class3.jpg●U-35は事故後、同潜水艦が建造された北ドイツ沿岸のキール港にある造船所TKMS(ThyssenKrupp Marine Systems)に戻っており、23日の週中には故障の程度を明らかにし、修理に必要な期間等がを見定めることになりそうだ

●TKMS製の「212A級」潜水艦は、イタリアで4隻が既に運用中で、更に今年初めにはノルウェーが発注して話題を集めたばかりである
ドイツ海軍が保有する「212A級」潜水艦6隻の現状は以下のとおりである。なお同潜水艦は、排水量約1500トンのAIP搭載潜水艦で、全長57mです。
・U-31 今年12月まで定期修理中
・U-32 故障で整備ドックの空き待ち
・U-33 来年5月まで修理中
・U-34 故障で整備ドックの空き待ち
・U-35 15日に故障、復旧見積もり中
・U-36 来年2月まで修理中

212A-class4.jpg●ドイツ海軍幹部は潜水艦隊の稼働率低下問題の原因を、部品の調達方式にあると述べ、緊張感のあった冷戦中は修理用予備部品の確保を重視していたが、予算削減の圧力で予備部品が十分確保できないことに根本原因があると訴えている
●それでもドイツ海軍の公式発表によれば、もっとも最近導入した「U-35」と「U-36」 から改善した維持整備方針を導入しており、今回のU-35故障前の段階では、来年中ごろからは3~4隻の潜水艦を運用可能状態で確保できる計画になっている
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ドイツは東西ドイツの統一に伴い、1990年には約80万人のドイツ軍を保有することになりましたが、2010年には約24万人体制(軍人18.5万人、文民5.6万人)にまで縮小されています。

更に2011年当時の政権は追加縮小を打ち出し、軍人18.5万人を6.5万人まで削減し、戦車や戦闘機を3割、攻撃ヘリは80機から40機へ削減する計画までまとめましたが、その後の情勢変化や米国の要請(圧力)もあって踏みとどまり、2016年には軍人と文民あわせて約1.8万人の増強計画を打ち出しました。

D&G3.jpgしかし少子化や人々の軍隊離れから、人集めは難航しており、2014年には給料・諸手当の改善や勤務時間の融通性向上などを含む人材確保策を打ち出し、2015年には今後5年間は国防費5%増を約束するなどしていますが、思うようには進んでいないようです

まぁ・・・計画通り潜水艦の稼働率が改善することを願いますが、国防分野は、一度緩めてしまうと取り返すのが極めて難しいとの事例でしょう。←左はドイツ国防大臣

ドイツ軍の苦悩関連
「美人大臣の増強計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-12
「独と蘭が連合部隊創設へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-05
「今後5年間国防費6%増へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-21-1

「ドイツ軍の人材確保策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-09-1
「2011年時には大軍縮計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-30

東欧中心に徴兵制等復活の動き
「世論支持7割でスウェーデンが検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-15
「ルーマニア・チェコ・リトアニア復活へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-04
「ノルウェーは女性徴兵へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16
「オーストリア徴兵制維持へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-22

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東南アジア3主要国が共同海洋パトロールへ [安全保障全般]

Sulu Sea2.jpg13日、マレーシアの空軍基地で、マレーシア、インドネシア、フィリピンの3か国が協力し、同3か国で囲まれた「スールー海:Sulu Sea」の航空機による共同パトロールを開始する式典が開催され、同海域を通じて海賊行為や活動家の移動を行ているISISやイスラム過激派の警戒を強化することになりました

このTAP(Trilateral Air Patrol)活動は、同3か国が結んでいる「協力合意:Trilateral Cooperative Arrangement」に基づくもので、既に6月から開始されている水上艦艇による共同水上パトロールに続くものです

まぁ・・しかし、3か国の航空アセットは決して潤沢ではなく、フィリピンに至っては監視用航空機を保有していないことから、輸送機の転用まで検討されているらしく、月に1回の1機による共同パトロールと、各国による航空監視活動は、シンボリックな意味以上のものではありません

13日付DEfense-News記事によれば
Sulu Sea3.jpg●13日、マレーシアの Subang空軍基地に3か国の国防相が集まり、TAPの公式開始を披露するセレモニーが行われた
●マレーシア国防相から発表された報道発表によれば、TAPは2つの部分からなり、一つは同一航空機に3か国から派遣された要員が同乗し、文字通り共同でパトロールを行うもので、

もう一つは、それぞれの国が互いに連携しつつ、それぞれの領域内で航空アセットによるパトロールを行う活動である
同一航空機に同乗するパトロールは、第一回目が11月にマレーシア航空機により行われ、12月はフィリピン航空機で、来年1月はインドネシア航空機で行う計画である

●同3か国が取り囲む形になる「スールー海」は、ISIS関連のイスラム過激派が活動家の移動に使用しているといわれ、ISIS関連組織が支配するフィリピン南部の都市マラウィー(Marawi)で5月から続いているフィリピン軍軍との戦で、大きくその問題がクローズアップされている
●しかし地域の専門家は、広大な同海域を監視するには3か国のアセットがあまりにも貧弱で、長期的な活動には無理があると指摘している

CASA IPTN CN-235.jpg●現状、マレーシアは海洋監視用の2機のBeechcraft B200Tを保有し、インドネシア軍は8機のCASA/IPTN CN-235と少数のNC-212s海洋監視機を保有しているが、フィリピンは海洋監視用の航空機を保有していない

●この状況を受け同専門家は、3か国は例えば輸送機であるC-130まで駆り出す必要に迫られるだろうと述べつつも、イスラム過激派が頻繁に使用している小型のスピードボートを夜間や天候が良くない状況で発見するために必要な海上監視レーダーやセンサーを、輸送機が装備していない事の問題も指摘した
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ちなみに艦艇による共同パトロールは、インドネシアのタラカンに3か国の合同警備司令センターを設置し、2017年6月19日からフィリピンやマレーシアとともにパトロールを開始しているようです

Sulu Sea.jpgあまり実質的な効果がありそうもない、このようなパトロールを行う背景には、それぞれの国民へのアピール目的があるのか、米国からの働きかけがあるのか承知していませんが東南アジア諸国の実力はこの程度ということでしょう。

地図で見て頂くと、スールー海は南シナ海より引っ込んだ部分です。期待は薄いですが、3か国で南シナ海に打って出るくらいの話になれば、大きく取り上げられるのでしょうが・・・

米国とフィリピン関係
「比南部のIS戦に米も協力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-12
「アジア安全保障会議での発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01-3
「比の主要閣僚3名が米空母へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-06
「米軍兵器の保管は認めない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-31

「米と比が細々とHA/DR訓練を開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-18
「航行の自由作戦に比基地は使用させない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-11
「ハリス大将:選挙後初の訪比へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16

「米比演習の中止に言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-08
「C-130が2機だけ展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-27
「比大統領南シナ海共同を拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15-1
「比空軍と米空軍が3日間会議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-03

日本とドゥテルテ大統領
「なぜ10月25日に比大統領来日」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-06
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岩田元陸幕長が米軍の第一列島戦離れを指摘 [安全保障全般]

Stimson5.jpg9月15日、ワシントンDCのシンクタンクStimson Cenrterで、辰巳由紀・同センター日本部長の主催による毎年恒例の日米安保を考えるイベント「Voices from Japan」が開催され、「Visions for Japan’s Future Defense Posture」をテーマに、防衛大学校の同期生である3名の自衛隊元将軍がパネル討議を行いました

議論を行ったのは、防大23期生の岩田元陸幕長、武居元海幕長、そして広中元空将(教育集団司令官)で、前者2名が昨年まで陸自と海自のトップを務め、広中氏も今年までCNASの客員研究員を務めていたこともあり、現役が語れない生の声に近いものが聞けると期待を集めました

Stimson3.jpgこのイベント「Voices from Japan」にはこれまで、西元事務次官、小野寺元防衛相(2015年当時)、野田元総理などが交代で招聘されてきましたが、今回は同期生の元自衛官3名が、事前に綿密な打ち合わせをして臨んだと思われ、発言の重複や論理の混乱もなく、理路整然と3名が多様な角度から「Japan’s Future Defense Posture」の方向を語ることに挑んでいます

映像で約90分のイベントが公開されていますが、本日は岩田元陸幕長の発言から、米軍が西太平洋での有事の際、第一列島戦からグアム島まで後退する可能性が検討される中防衛大綱とガイドライン見直しを同時にリンクさせてやり直す必要があるとの主張部分の発言要旨をご紹介します

Stimson Cenrter公開映像の42分付近から


極東付近の軍事情勢は、予想していたよりも急速なペースで変化しており、北朝鮮の核やミサイル開発にしても、中国の第一列島戦を超えての艦隊や航空機の活動にしても、日米同盟に迅速な対応を求めている
米国の極東や西太平洋での軍事戦略は、シンクタンクCSBAや国防省のNet Assesment Officeが中心となって検討されており、これまでエアシーバトル(ASB)や第3の相殺戦略といった概念を打ち出してきていると認識している

●この米国内での検討では、(敵対国の弾道・巡航ミサイル等戦力の充実を受け、)米軍が現在展開している在日米軍基地をはじめとする第一列島戦の位置から東へ一時後退し、グアム島のラインまで引くことがオプションとなっている
Stimson2.jpg●この体制で敵の一撃や初動の攻勢を凌ぎ、後に経済封鎖や遠方からの長距離攻撃を中心とした軍事作戦で、巻き返しを狙う軍事戦略や作戦も検討されていると認識している

現在の日本の防衛体制や防衛戦略は、4年前に防衛計画の大綱を定め、その2年後に米国と協議してガイドラインの見直しを行っているが、(大綱の枠に縛られ、ガイドライン再検討時に米側と十分にすり合わせができていないことから、)十分な状態にあるとは考えていない
●現在の脅威環境に的確に対処するには、大綱の議論と日米の協議を同時に進め、「Mission」「Role」「Capability」の3側面で、日米がしっかり協力できる体制を再構築する必要がある

●そして、日本は守り、米国が攻撃といった従来の役割分担ではなく、例えば日本がイージス艦やPAC-3のミサイル防衛で貢献するだけでなく、敵基地攻撃能力についても考えていく必要がある
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エアシーバトルがCSBAオリジナルな考え方から変遷し、地上部隊も交えた概念に強制改宗された数年前あたりから、これを陸自生き残り策にしようとする陸自幹部やOBによる「CSBA詣」が続いており、陸自の我田引水の動きには注意が必要です。

Stimson.jpgしかし現実として米軍が有事に、第一列島戦から少なくとも一時的に後退するとの認識は重要ですし、昨年退官したばかりの陸自トップが、海空元将軍と事前協議のうえで発言していることに大注目ですし、正しい情勢認識として歓迎すべきことです

この発言に続き、空自代表で登場している広中氏(非パイロット)には、戦闘機への投資を削減すべきだと発言してほしかったのですが極めてぼんやりとした「資源配分を再検討すべき」との言葉に終わっていて残念でした

きっと昨年ご紹介した広中氏による「対領空侵犯措置の効果」に疑問を呈する論考が反響を呼びすぎ、発言を控えているのでしょう・・・。残念なことです・・・。

陸自のCSBA傾倒
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12

関連の多様な記事
「広中雅之は対領空侵効果に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1
「小野田治も戦闘機に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05
「織田邦男の戦闘機命論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-06 

「F-3開発の動きと日本への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02 

「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

「ACC司令官も電子戦機を早期に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27
「20年ぶりエスコート電子戦機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-20

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ロシアの演習監視団排除と移動式ICBM演習 [安全保障全般]

Topol ICBM.png色々な話題が世界を駆け巡る今日この頃ですが、「東京の郊外より」は最近忘れられがちな、ロシア関連の話題を2つお届けします

一つは、東西陣営の接点にあるベラルーシで、ロシア軍が先月行った大規模演習に関する欧州米陸軍司令官のコメントで、もう一つはロシア西部全域を範囲とする移動式ICBM演習についてです。

米軍事メディアも、短い簡単な事象を伝えるだけの報道で紹介しているだけですが、コソ泥のような動きが得意なロシアのことですから、ご紹介しておきます

9月中旬の「Zapad 2017」演習に関し
Zapad 2017-2.jpg●2日、欧州米陸軍司令官であるBen Hodges中将がNATO司令部で会見し、ロシアが先月ベラルーシで行った「Zapad 2017」演習に関し、ロシアは演習を分割することで演習の規模を小規模に見せかけ、ロシア側が主張する12700名との参加人員をはるかに上回り、欧州OSCEが定めた軍事監視団の視察を受け入れるべき兵員数を超えた規模の演習を行っていたと訴えた。
●そして同中将は、「我々の推測では、4万人以上の兵士が演習に参加していたはずだ」と主張した

●更に同司令官は、「細かに分割されていたものの、すべての演習は政治的に関連づけられていた」と説明した
●本演習に関しロシア国防相は、ロシア軍とベラルーシ軍を合わせて12700名と、航空機70機、戦車250両、10隻の艦艇が参加すると発表していた

60台以上の移動式ICBM発射機が演習
Topol ICBM 2.jpg3日、インターファックスがロシア国防省の発表として、ロシア軍の移動式ICBM発射機60台以上が参加する演習が実施されていると報じています

●演習に参加しているのは、ロシア軍が保有するICBM(Topol, Topol-M and Yars)を搭載した60以上の移動式ミサイル発射機で、大型トラックにICBMを搭載し、敵の偵察衛星や航空偵察による把握を極めて困難にするものである

●ロシア国防省によれば、演習はモスクワ北西の「Tver region」からシベリア東部の「Irkutsk region」におよぶ、広大な地域を範囲として実施されている。
本演習は、ベラルーシでの「Zapad 2017」演習に続けて実施されており、NATO諸国をいら立たせている
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Zapad 2017.jpgこれだけで何かを結論付けることはできませんが、米国が揺れている間に、欧州NATO諸国に着実にプレッシャーを与えていることは間違いありません

トルコがロシア製の長射程高性能SAM導入を明らかにしたり、化学兵器の全面破棄完了を発表して米国を皮肉ったり・・・、特に東欧NATO諸国にとっては、眠りの浅い日々が続いているのでしょう

最近のロシア関連記事
「化学兵器の完全破棄宣言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-28
「トルコが露製SAM導入発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-14
「ベラルーシで大演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-31

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OPCWお墨付き:ロシアの化学兵器破棄完了 [安全保障全般]

残るは米国とリビア(?)だけ

russia chemical.jpg27日、ロシアは1997年4月に発効した化学兵器禁止条約(CWC:Chemical Weapons Convention)に基づき膨大なソ連時代の化学兵器の全ての破棄を完了したと発表し、同条約の履行を監視する国際機関の査察官もこれを確認して称賛しています。

ロシアのプーチン大統領は返す刀で、まだ完全な破棄に至っていない米国等の条約加盟国を非難しており、米国は微妙な立場に置かれることになります。

Uzumcu.jpgロシアの完全破棄を確認した化学兵器禁止機関(OPCW:Organisation for the Prohibition of Chemical Weapons)にケチをつけるだけの基礎知識はありませんが、ロシアの広大な国土や属国(シリアなど)に隠している可能性をどうして否定できるのか不思議な気もします

しかし、ちなみに、OPCWは2013年にノーベル平和賞を受賞しています

28日付Defense-News記事によれば
ロシアの関係高官はプーチン大統領に対し、ロシア国内7箇所で行われてきた化学兵器の破棄が、ウラル山脈周辺の施設で27日に行われたVXガス野戦砲弾の処分で完了したと報告した
1997年4月に発効した化学兵器禁止条約に対する措置を、ロシアは約20年かけ、多額の費用をかけて終了したことになる

russia chemical2.jpg化学兵器禁止機関(OPCW:197年5月発足)のAhmet Uzumcu事務局長は、ロシアによる化学兵器の完全破棄履行は大きなマイルストーンであると述べ、「ロシアを祝福し、完全破棄に関わってきたすべての専門家の皆さんの努力に敬意を払いたい」と声明を発表している
●なお、同条約加盟192国の保有する化学兵器の96%は破棄されたと同機関は述べている

プーチン大統領は完全破棄の報告を受け、破棄を完了していない米国を批判し、「米国や他の破棄未完両国が、彼らの責務を果たすことを期待する」と皮肉を込めて述べている
●一方で、同条約が発行した1990年代、ソ連崩壊後の経済的破綻で混乱下にあったため、ロシアは米国や西側諸国の支援を得て初めて同兵器破棄を開始することができた。後にロシアの経済復興に伴い、自らの負担で破棄活動を引きついたのではあるが・・・。
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Uzumcu2.jpg化学兵器禁止機関(OPCW)には約90名の査察官が所属し、日本からも3名の自衛官が派遣されています。事務局長には陸上自衛官OBが付いたこともある機関ですが、何せ多国籍編成ですので、何がどれだけできるのかよくわかりません
なお、事務局長は最近ロシアと急接近のトルコ人です!

イスラエル(署名国)、北朝鮮、エジプト及び南スーダンが未締結国です。

条約発効後10年が完了期限で、期限を延長したとしても15年が限度だったのですが、締結国の中で破棄完了していないのは、米国、ロシア及びリビアでした

そこで2011年12月の第16回締約国会議において、同3か国が化学兵器の廃棄を継続するとのコミットメントを確認し、可能な限り早い時期に化学兵器の廃棄を完了するよう慫慂し、OPCWが中心となりその廃棄の進展を確認するための措置をとることを骨子とする決定していました

リビアの現状は知りませんが、北朝鮮と米国が同列で言及する輩が出てくるかもしれません。

外務省の「化学兵器禁止条約」解説
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bwc/cwc/index.html

シリアと化学兵器と米軍攻撃
「シリアの化学兵器分散」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-23
「シリア巡航ミサイル攻撃の裏側」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-08
「続編:同攻撃の裏側」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-11

激震:トルコがついにロシア製防空システム契約
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-14
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イスラエル防空に米軍部隊が常駐へ [安全保障全般]

史上初、イスラエル軍基地に米軍常設部
わずか数十名ながら防空ミサイルと共に防空の一翼を

Israel-US.jpg18日、米軍とイスラエル軍が、イスラエル南部のイスラエル空軍基地に、米陸軍の機種不明な防空システム部隊を数十名(A few dozens)編成し、恒久的に運用を開始する記念式典を開催しました

イスラエル側代表のイスラエル空軍防空コマンド司令官Zvika Haimovich准将は式典で、「米軍部隊のプレゼンスは、訓練や演習のためではない。イスラエル防衛能力強化のための、イスラエルと米軍の共同努力の一環である」とその位置づけを語っています

イスラエルには約10年前から、同じイスラエル南部のネゲブ砂漠地域に、米軍の俗にいう「Xバンドレーダー(AN/TPY-2)」部隊が展開していますが、全くイスラエル軍施設とは独立して存在しており、今回のようにイスラエル軍基地の中に星条旗を掲げて運用するのは初めてだそうです

18日付Defense-News記事によれば
THAAD2.jpg●Haimovich司令官は「同盟国アメリカの数十名の兵士が、この基地に恒久的に駐留する。彼らは米国軍のタスクフォースの一部」であり、ロケット弾やミサイル脅威を探知し防衛するイスラエルの能力を強化してくれると語った
●また同准将は、「彼らがこの地に存在するのは、訓練や演習のためではない。イスラエル防衛能力強化のための、イスラエルと米軍の共同努力の一環である」と明言した

●米側代表で式典に参加した欧州米陸軍の副司令官であるJohn Gronski少将は、(展開部隊が所在する)「Site 883 Life Support Areaは、米国とイスラエルの固い絆を更に強固にするものである」と述べ、
●更に「両国は長年にわたり作戦を計画し、ともに演習や訓練を行ってきたが、この基地の設置で、極めて重要な両国のやり取りが毎日行われることになる」と意義を語った

PAC-3.jpg●イスラエルのHaimovich司令官は、両軍が同一基地で共生するのも初めてだが、米軍の迎撃ミサイル(active interceptors)が恒久的に展開するのも初めてだと述べ、この準備のために両国は約2年にわたり協議を続けてきたと説明した
●一方で同司令官は、米軍が新たに展開してプレゼンスを見せるが、イスラエルに対する脅威に対し、イスラエル軍が独自に対処する能力が損なわれるわけではないと強調した

●この式典に先立ちイスラエル国防軍は、ロケット弾等の迎撃ミサイルシステム「Iron Dome」の機動展開部隊を新たに編成し、北部国境から南部国境までを柔軟にカバーする体制を整えたところである。
●なお、このイスラエル製「Iron Dome」システムを、米陸軍は短距離~中距離の防空システム候補として、他の候補システムとして米陸軍の評価を受けている
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Israel Dimona.jpgこの話を聞いて一番に思ったのは、イスラエルの核兵器施設があると噂されている南部砂漠のディモナです。このディモナの施設が防御対象だとすれば、展開部隊はPAC-3でしょうか? 過去記事のシリアSAM撃墜事案の影響でしょうか?

また、既に配備されている「Xバンドレーダー(AN/TPY-2)」との組み合わせで考えれば、イスラエル全体をカバー可能なTHAADミサイルでしょうか?

いずれにしても、機動展開用の「Iron Dome」部隊を新編成したりするあたりからも、ロケット弾から弾道ミサイルに至るまで、急激に拡散する新たな脅威に喫緊の対応を迫られているということでしょう。
これは「Iron Dome」を試験している、米軍にも言えることです。

イスラエル防空の話題
「なぜイスラエルArrowがシリアSAMを迎撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-21
「世界初:6種類の迎撃ミサイルでBMD演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-07-1

「米がサウジにTHAAD提供?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01

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米加の航空機貿易戦争に英が参戦 [安全保障全般]

衝撃!!!
9月26日、米商務省がボーイングの訴えを認め、219%の関税をBombardier社旅客機に課す裁定を
更に10月6日には、80%の関税追加も勧告!
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ボーイングの訴えが契機で米国とカナダに貿易紛争
英国がカナダの支援に参戦し、各国トップが動く事態に

Trudeau2.jpg14日付Defense-Newsは、米国企業ボーイングがカナダの航空機産業「Bombardier」を旅客機(C-Series)のダンピング販売疑惑で訴えた件で米商務省が25日にカナダ企業に懲罰的な関税を課すかどうかの判断を示す予定の中、「Bombardier」の工場が国内に所在する英国首相も争いに参戦し、3か国を巻き込む貿易摩擦に発展していると報じています

ボーイング社が「Bombardier」を訴えたのが4月で、これを受けカナダ政府は5月、ボーイング製FA-18購入交渉(約5700億円規模)を中断すると発表したところでした。本件について「America First」のトランプ政権の立ち位置は明確ではありませんが、9月12日に米国務省が交渉中断中の当該FA-18のカナダ輸出を許可すると発表したところでした

May-BREXIT.jpgそんな中、「Bombardier」の工場を北アイルランドに持つ英国が本件に参戦し、「Bombardier」に制裁を課して雇用が失われては大変だと、メイ英国首相が5日にトランプ大統領へ電話した際、本件を取り上げた模様です
また英国当局者は、「Bombardier旅客機」の部品の半分以上は米国製であり、「Bombardier」への制裁は米国産業を苦しめることにつながると主張しています。

カナダのトルドー首相と英国メイ首相は、本件を巡り18日に会談する予定となっており、カナダ外相も「英国と真に緊密に本件を協議している」、「英国もBombardierの件に大きなな関心を寄せており、我々が協力することは当然だ」と発言しているところです

14日付Defense-News記事によれば
在米カナダ大使は、英国はカナダの依頼でなく、自身の判断でこの問題に関与してきたと述べ、「ボーイングにこのような訴えが理不尽で、駆け引きによって損なわれるのはボーイングの利害だ」、また「英国はボーイング社航空機の大口顧客であり、私が同社の立場なら、この点に注意を払うだろう」と語っている
●またカナダ首相は、ボーイング社製FA-18の製造工場がセントルイスあるミズーリ州知事に5日直接電話し、ボーイングの動きへの失望を伝えたと言われている。

Bombardier-C2.jpg●カナダ国省高官は、将来の空中給油機(ボーイング製KC-46Aのこと)や、追加の戦闘機(FA-18やF-35)の購入選定にも悪い影響を与えるとの考えを表明している
●更にカナダは、交渉を中断したボーイングからのFA-18調達の代替として、豪州が使用してきた中古のFA-18を購入することも検討し始めたと伝えられている

●一方でボーイング社は、「Bombardier」への訴えを取り下げる動きは見せず、カナダ政府による過剰な支援金が同社のダンピングを生んでいると非難し、「同じ公平な土俵で競争できる環境の整備が重要だ」との主張を崩していない
●また「Bombardier」の件と他の案件をリンクするべきではないと訴えつつ、ボーイング海外ビジネス社長は「厳しい局面に直面している」、「しかし傍観するわけにはいかない。皆が従う明確なルールのもとで活動できることが極めて重要だ」と述べた

カナダも共同開発国であるF-35の売り込みを狙うロッキード社担当副社長は、FA-18の穴埋めのため、F-35を代替で提供する計画をカナダ政府に提案済みだと述べている
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少なくとも、カナダと英国の首相が直接動く事態となっており、西側同盟の中核国の間の話だけに気になるところです。

FA-18EF2.jpgトランプ大統領は就任前から、予算超過と価格高騰のロッキード製F-35をけん制するため、ボーイングが提案するFA-18改良機に肩入れしており、ボーイング副社長を国防風長官に迎えるなど、近い関係が知られているところです。

「Bombardier」社に対し、制裁として超過関税を課すかどうかを判断する25日の米商務省判断が一つの山ですが、トランプ政権の「America First」の将来方向を占ううえでも注目されます

米国とカナダの航空戦争
「第2弾:米カナダ防衛貿易戦争」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-04
「5月18日が開戦日!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20
「痛快:カナダがF-35購入5年延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-23

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物議:断交されたカタール首長が米軍と大記念撮影 [安全保障全般]

縁を切ったアラブ諸国の感情を逆なで
カタール首長が海外訪問再開の狼煙

11日、アラブ諸国に断交されているカタールのトップである「首長:Emir」が、約1万人の米軍兵士が駐留し、米軍の中東作戦の指揮所があるカタールの「アルウデイド:al-Udeid」空軍基地を訪問し、米軍同基地に展開する米軍機と米軍兵士をバックに記念撮影を行い、同国メディアが大々的に報じました

Qatar Emir.jpgカタールは、イランとの親密な関係やイスラム過激派支援を批判され、中東の主要国で、かつ米国とも比較的親密なサウジ、エジプト、バーレーン、UAEから「国交断絶」を6月5日に宣言された国であり、米国も米軍の存在とアラブ主要国との板挟みで、微妙な立場に立たされています

カタールと縁を切ったバーレーンには、米海軍第5艦隊や米中央軍陸軍の拠点があり、米軍13500名が所在し、同じくUAEにも米海軍最大の立ち寄り港である「Jebel Ali port」や、米空軍の空中給油機やF-22や無人偵察機が大挙所在する「al-Dhafra Air Base」がある複雑さです

このような複雑に入り組んだ外交関係をやりくりする米国の姿勢は微妙で、トランプ大統領はカタールに批判的な立場を微妙に示すツイートを行う一方で、マティス国防長官はカタールを訪問して支援を申し出、1.4兆円相当のF-15売却にも合意しています

12日付「Military.com」記事によれば
Qatar map.jpgカタール国営メディアは記念写真を「Sheikh Tamim首長は米国人たちと、両国国防協力と対テロ協力の様子を再確認した」との記事と共に大々的に紹介し、アラブ諸国からのボイコットの中で、米軍が同主張を支持しているかのようなイメージを発信している
●一方で米中央軍報道官は、「単なる駐留国首長による部隊訪問である。同基地の様子や情勢について話をし、記念撮影を行い、そして帰路に就いただけである」、「特別な意味はない」と説明している

●そして同報道官は、ホスト国が愛国心を鼓舞するようなメッセージを掲げたり発信したりすることは、よくあることだとコメントした
●また同時に同報道官は、「我々は周辺関係国間の言い争いを常に注目している」、「(しかし、)それが米軍のホスト国として問題になることはない」とも述べた Qatar3.jpg●この米軍部隊訪問は、カタールが断行されて以来初となる首長による外国訪問(トルコとドイツ)に先立って行われたが、Tamim首長の父親は、その父親が外国訪問間の1995年にクーデターを起こして首長の座を奪った経緯があり、様々な憶測を呼んでいる
●米軍報道官は、「我々は常にあらゆる緊急事態に備えた計画を練って備えている。戦いを続けるために必要なことを行うだろう」、「しかし現時点で、我々が何かを終了したり、中断したりするような重大な可能性が見えているわけではない」とも語っている
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カタールは過激派への支援を否定し、イランとの関係は同一の海底天然ガス田から天然ガスを採掘しているからだと反論していますが、米国内にはかねてより、ムスリム同胞団を支援するような国に頼っていいのか・・・との議論があったようです

しかし・・・、カタールを断交した国々にも同様の疑惑はあり、アルジャジーラTVを運営したり、サッカーW杯を誘致したりと、スタンドプレーが目立つカタールをいじめてやろう・・・ぐらいの理由じゃないかとも言われています

Qatar4.jpgでも、この集合写真はいくら何でも「刺激強すぎ・・・」感がありありで、米国の意図も不明で、外国訪問もあるらしいので、興味本位で取り上げました。
日本は天然ガスをカタールに頼っているので、ゴタゴタは困ります。何かあっては日本がひっくり返ります

外務省の「カタール」概要説明
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/quatar/index.html

カタールが登場の記事
「米軍の弾薬を頼るな!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-21-1
「イスラエルと合意後に湾岸諸国へ戦闘機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-17
「日本の銀行がカタールの戦闘機購入に融資?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-22

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激震:トルコがついにロシア製防空システム契約 [安全保障全般]

トルコ大統領とプーチンが直接判断
NATO運用の根幹にかかわる決別宣言か!

Erdogan3.jpg12日、トルコのエルドワン大統領が、2013年から紆余曲折を経てきたトルコ防空システムの機種選定に関しロシア製の高性能長距離地対空ミサイル「S-400」を購入する契約を結んだと明らかにしました。

同大統領がカザフスタン訪問の帰路に記者団に語ったもので、「プーチン大統領と私で決定した」、「契約書への署名は終わった」、「国防のニーズに基づき、自由に兵器を選ぶ権利がある」などと語り、米国やNATOからの干渉には左右されないとの強い意志を示しています

この選定は2013年に中国製に一端決定したものの、実質トルコの防空を担っている米国やNATOシステムと連接できない等の問題から米国等が猛反発し、2015年11月にはトルコ政府が中国製の選択決定破棄を発表して国産開発の方向を示唆しました。

S-400-launch.jpgその後も、米国、中国、ロシア、ドイツ、フランス、イタリアと関連企業による巻き返しとゴタゴタがつづき、ロシアによるウクライナ侵攻や対ISIS作戦の激化により、関係国間の外交関係が目まぐるしく変化する中で、国家間関係の現状を示す「リトマス試験紙」的な案件として注目されてきました。

しかし昨年10月、トルコ大統領とプーチン大統領の会談で、2013年当時は高価格を理由に排除したロシア製を、再び選定候補に入れて再交渉することをトルコ側が要請し、今日に至っていました。

12日付「Military.com」記事によれば
●12日、エルドワン大統領は「S-400購入契約の署名は終わった。手付金も支払われたと思う」、「私とプーチン大統領がこの件は決定した」とカザフスタンからの帰路に記者団に語った
●また同大統領は「NATO諸国の中では、トルコは米国についで2番目に軍の規模が大きく、国防ニーズに応じて装備品調達を行う自由を保持している」と述べたが、価格等細部については言及しなかった

S-400.jpgロシアの大統領軍事補佐官であるVladimir Kozhinも同日、「契約が結ばれ、契約履行に向けた準備が進められている」と認めている
●NATO高官は「S-400のようなNATOシステムと連接できないシステムを使用するNATO加盟国は存在しない」、「NATOはトルコのS-400購入について何も知らされていない」と不満表明した

S-400は米国製パトリオットと同等もしくはそれ以上の性能を持つといわれる長射程地対空ミサイルで、限定的ながらBMD能力もあるといわれている。
●このためロシア軍のほか、東シナ海沿岸に配備し政経中枢地域を防御したい中国やインドからの受注があり、早期にトルコに供給されるとは考えにくい

●トルコの軍事専門家Aykan Erdemir氏は、「本契約は、トルコが大西洋をまたぐ同盟や価値観の共有から、進路を変えようとしていることを示している」、「当該装備の導入以上に、西側への苛立ちを示す意味合いが強いだろう」とコメントしている
S-400-2.jpg●トルコ議会の野党副代表は、契約には反対しないが、同装備がトルコ国内で製造され、技術移転が進むことが必要だと述べている

●2015年にトルコがロシア軍機を、シリアとトルコ国境付近で撃墜した直後は両国関係が中断したが、2016年に和解したことが今回の契約につながっている
●しかしロシアのクリミア併合にトルコは強く反対しており、両国関係に緊張感がないわけではない
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2013年からのトルコ防空システム選定の経緯
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23 

専門家の中には、これは「S-400」という装備導入の直接的影響より、トルコからNATO諸国への政治的メッセージの意味合いが強いとの見方が出ていますが、軍事的にも無視できない話です。

trump5.jpg防空システムの要である長射程地対空ミサイルが、トルコ防空警戒網の大部分を支えるNATOシステムと連接できない(又は情報漏洩を恐れて連接できない)となれば、NATOがロシア製兵器の下支えをする屈辱となり、指揮統制なんかも成り立たないと思います

米国が北朝鮮問題に当惑し、2つのハリケーン被害で更に内向きになる中、世界ではアンチ米国の国々が着実にやりたいことを進めています。あれ・・・中国はどうだったっけ???

トルコ防空システム選定のゴタゴタ
「ロシア製S-400購入の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23 
「SAM選定で露に最接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-12
「中国製決定を破棄」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-16
「トルコ大統領訪中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-30-2

「NATOと連接しない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-20
「4度目の延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-04
「トルコが中国企業と交渉開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-27

米国とトルコ関係の関連
「対ISで露とトルコが共同作戦?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-22
「トルコがF-35追加購入へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-01-1

「駐トルコに家族帯同禁止や特別手当」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-17
「将軍の4割以上を排除」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-11

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ハマス新指導者会見:イランからの軍事支援復活 [安全保障全般]

中東に新たな不安定化の動き
日本の皆さんの関心は薄いと思いますが・・・

Hamas new.jpg8月28日、今年2月に選出されたハマスの新リーダー「Yehiyeh Sinwar」が初めて記者団を前に会見し、5年前2012年にシリア支援を巡る対立が原因で断絶状態になったイランとの関係が復活し、ハマスがイスラエルと対峙するための軍事及び資金援助が再開されたと語りました。

なおハマスは、イスラエルだけでなく国連やEUからテロ組織に指定されている組織で、これまでに誘拐、自爆テロ、狙撃等により数百人のイスラエル人を殺害しているガザ地区を拠点とする過激派組織です。

一方イランは公然とイスラエルの破砕を国是と掲げる国家で、イスラエルのガザ地区で反イスラエル闘争を先導するハマスを支援し続けていましたが、シリア内戦で弱体化したアサド政権の支援を求めるイランに対し、ハマスがこれを拒絶した事で断絶に至りました

一方ガザ地区では、パレスチナ自治政府からハマスが実権を奪った10年前から、対ISIL作戦の話題に隠れる形で、パレスチナ自治政府が同政府職員の給与を削減したり、自治政府の要請との形でイスラエルがガザへの電力供給を一日8時間程度に抑えたりして締め付けが強化され、失業率5割や貧困が拡大しています

Gaza strip2.jpg具体的にどの程度のイラン援助が復活したか55歳のハマス新リーダーは言及しませんでしたが、「断絶」前は毎月50億円以上の支援があっと言われており、またSinwar新指導者の発言の雰囲気から、相当程度復活したと想像されます

またハマス新指導者は、ガザ地区と国境を接するエジプトが、従来はイスラエルと対ハマスで協力していたが、イスラム過激派流入阻止の点からハマスと国境管理面で協力姿勢を示しているとも言及し、当地域での国家間関係に微妙な変化の兆しを示唆しています

日本で本件にご興味のある方は少ないと思いますが、ISIL弱体化の後に訪れるであろう中東域での新たな勢力争いを考えるうえで、また再び動き出すであろう反イスラエル活動を考えるうえで、更にイランの影響力を考えるうえでも重要な出来事ですのでご紹介します

8月28日付Defense-News記事によれば
Gaza Strip4.jpg28日のハマス新リーダーの初の記者会見は、国連事務総長Antonio Guterres氏がイスラエルやパレスチナを訪問するタイミングに合わせるかのように行われた。なお事務総長は28日にイスラエルに入り、29日に西岸地区を、30日にガザ地区を訪問する予定である。ただしハマス側との接触の予定はない
Sinwarハマス指導者は、イスラエル兵の誘拐や殺害の罪で約20年イスラエルの刑務所にとらわれていた人物で、ハマスが2006年から拘束していたイスラエル兵と交換で、2011年にイスラエル側から解放された約1000名のハマス活動家等の一人である

●Sinwar氏は会見で、「イランからの支援は、イスラエルへのより大きな戦いに備えるために、つまりパレスチナの開放を勝ち取るために、ハマスの軍事力を再構築し蓄積するためのものである」と強調し、
●「数千人の同士が、日々ロケット弾を製造し、密輸トンネルを掘り、潜水ダイバー戦士を鍛えている」、「イランとの関係はこのためにあるのだ」と語った。
しかし一方で新指導者は同時に、イスラエルとの4度目の戦いを開始する意図はないとも語り、むしろ困窮するガザ地区の人々の救済をまず行うとも語った

Gaza Strip.jpg●そしてSinwar氏は、隣国のエジプトがシナイ半島根拠のイスラム過激派対策としてハマスの支援を求めていることを受け、エジプトとの関係を改善して国境封鎖の緩和を実現しつつあると語った
●「エジプトとの関係は劇的に改善した」とSinwar氏は語り、エジプトが最近、ガザのエネルギー問題対策として燃料を提供してくれたとも明らかにしつつ、「ハマスは、イスラエルを除く全てのドアをたたいて問題解決に取り組む決意だ」と訴えた

●イスラエルとの捕虜解放交渉については、「仲介者を介して開始する準備があるが、条件が完全に整い、解放された者達の無罪が保証された後にだ」と語った

●ハマス新指導者の会見に対し、イスラエル軍のパレスチナ担当司令官Yoav Mordechai少将は、ハマスがイスラエル兵2名の遺体を返還しないことや、イスラエル民間人2名を誘拐していることを厳しく非難し、更にハマス自身がガザの住民や民間援助団体を悪用して活動していると強調し、
●「テロ組織であるハマスは、ガザ地区の住民の困窮に関わらず、イスラエルからの援助を優先的に入手して住民を犠牲にすることに全く躊躇がない」と語った
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イランの新たな動き、ハマスの再始動、エジプトの動向などを、ハマスの新リーダーの発言を通じてご紹介しました

なおハマスは、過激な反イスラエル活動だけでなく、イスラエルの制裁により困窮するガザ地区住民向けの支援活動を活発に行っており、新たな戦力となる若者を引き付ける大きな力となっており、組織の巧妙さが際立っています

Hamas.jpg当時のシャロン首相が2000年に神殿の丘を訪問するまでは、西岸地区への入植を加速するまでは、イスラエルとパレスチナはそれなりに共存方向が見えていたんですよ。

しかしパレスチナ人の人口急増に危機感を感じたのか、狂信的なユダヤ人や入植者が悪いのか、もちろんテロに走る過激派の存在も「がん」なのですが、全く光明が見えませんねぇ・・・

イラン関連の記事
「イラン無人機が米艦載機を妨害」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-09
「IS後の空白にコンテナ式交番」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-11
「米国がサウジにTHAAD提供へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01
「米イスラエル関係の転機?:軍事援助を巡る攻防」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-26
「中東でF-35はイスラエル独占?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-13

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