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真珠湾の戦艦アリゾナ記念碑が無期限閉鎖 [ふと考えること]

あの真珠湾の慰霊施設が無期限の閉鎖

Arizona Memorial2.jpg5月31日付Defense-Newsによれば、ハワイ真珠湾に設けられた真珠湾攻撃をしのぶ慰霊施設「戦艦アリゾナメモリアル」に亀裂が見つかったことから、訪問客の安全に配慮して対策が完了するまで施設が閉鎖されました

同メモリアル(USS Arizona Memorial)は、日本の帝国海軍による真珠湾奇襲攻撃で撃沈された戦艦アリゾナが沈んでいる場所の海上に設置され、沿岸からボートで移動した訪問者が同施設から海面下に沈んだ戦艦の姿を伺うことが出来る施設で、犠牲になった兵士の慰霊碑も設けられています

今も沈んだ同戦艦から浮き上がってくる油が確認でき、歴史を生々しく感じることが出来る施設ですが、同メモリアルに向かう岸辺のボート乗り場近くに設けられた資料館では、真珠湾攻撃に至った日米の歴史や太平洋戦争の推移が関連の品と共に展示されています。

オバマ大統領と安倍首相の歴史的訪問地にもなった資料館ですが、その展示の開戦に至る経緯の解説ぶりは日米双方に中立で、米側があまりにも厳しい要求を突き付けて日本を開戦に追い込んだ様子にもきちんと触れています。

10年ほど前にまんぐーすが訪れた際も、ボート乗り場は長蛇の列となっており、講和条約が署名された戦艦ミズーリと共に、今も多くの内外の観光客や慰霊者が途切れることのない施設です。そんな施設を襲った突然の・・・

5月31日付Defense-News記事によれば
Arizona Memorial.jpg5月6日、いつものように慰霊訪問者を乗せたボートが沖合の「戦艦アリゾナメモリアル」に近づいたとき、ボート乗務員の一人が同メモリアルの外部に亀裂を発見した
●乗員たちが応急措置を施し、当該ボートの訪問客は施設への上陸を許されたが、その措置の数時間後に再び亀裂が現れ、自他が深刻な状況にあることが明らかになった

●確認の結果、訪問者がボートを乗り降りする桟橋と同メモリアルのつなぎ目に、複数の亀裂が見つかった。
●さらに内部の構造部位まで調べてみると、同メモリアルの構造材が桟橋を十分に支えていないことが明らかになった

●建築の専門家が対策を検討しているが、現時点では、どのような対策が必要で、どのくらいの期間がかかるかは判明していない
●同メモリアルを管理する担当者は、可能な限り早急に同メモリアルを再開したいと語っている。
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Arizona Memorial3.jpg岸辺の資料館は影響なく開館しているようですが、海上に浮かぶような「戦艦アリゾナメモリアル」に到達できないとなれば、なんとも不完全燃焼感が残るため、訪問者は激減していると思われます

同メモリアルが建設されたのは1962年で、55年以上の時の流れを感じさせますが、毎年100万人以上の人々が訪れている施設ですので、是非早期再開を期待したいものです

また、あの資料館の開戦経緯の解説資料は、ぜひ日本でも活用して頂きたいものです。

「安倍オバマ真珠湾訪問」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-28

日系人と442連隊
「イノウエ議員と442連隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-19
「映画公開と442部隊の魂」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-03
「米軍トップが最敬礼」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-04
「空軍輸送機にイノウエ議員の名を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-28-2

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やはり比大統領は日本をリスペクトか? [ふと考えること]

やっぱりフィリピン大統領は日本をリスペクトか?
出身地ダバオ市での慰安婦像発言に注目
日本の野党議員も見習ってほしい!

各種報道によれば
慰安婦像フィリ.jpg4月27日夜フィリピンの華人団体などが首都マニラに昨年12月に設置した、日本軍占領下(1942~45年)の慰安婦を象徴するという女性像が台座ごと撤去されたことが分かった。

29日、ドゥテルテ比大統領は、地元ダバオで「(設置は)政府の政策ではない」と、撤去に理解を示した。
一方で「私有地への設置は構わない。我々はそれに敬意を払う。表現の自由は大事だ」と語った。

この慰安婦を象徴する像に対しては、マニラの日本大使館がフィリピン政府に、女性像が唐突に設置された経緯などを明らかにするよう要求。1月にマニラを訪れた野田聖子総務相がドゥテルテ大統領に「遺憾」を表明し、河井克行衆院議員が同大統領に撤去を求めていた。

日本政府関係者によると、ドゥテルテ政権は「4月中の問題解決」を約束。撤去作業はマニラ市と公共事業道路省が実施し、女性像の再設置や移転は行われないとの連絡が撤去後、この関係者に入ったという。

Duterte.jpgマニラの日本大使館は、フィリピン政府から27日、女性像を撤去する事前連絡があったとしている。目撃者によると、同日夜にマニラ市職員と名乗る作業員が「下を通る水道管の修理だ」とし、ショベルカーで像を撤去。台座や記念碑板も一緒に持ち去った。

女性像が建てられていた現場は28日、穴があき、幅約2メートル、奥行き約10メートルの範囲が、フェンスやビニールシートで覆われていた。

こんな出来事を受け、ドゥテルテ大統領のルーツに迫る約1年半前の記事を振り返ります。

//////////////////2016年11月7日の記事////////////////////////
ドゥテルテは最初の特攻隊に敬意を表したのか
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-06

duterte-J.jpgドゥテルテとは今話題のフィリピン大統領で、米国に対する過激な発言や、中国の習近平と「ガムをかみながら握手」しつつ多額の援助を引き出した興味が尽きない指導者です。
一方で、日本に対する感情は極めて良好で、2013年には米国旅行を希望する家族を押し切り、家族旅行で日本を訪れて長野でのスキーや東京観光を楽しんだ人物でもあります

また、フィリピンでも最悪の犯罪発生率だったダバオの副市長と市長勤める中で、「東南アジアで最も平和な都市」を標榜するまでに治安を改善させた功績が国民に支持され大統領になった人物ですが、そのダバオ市長時代に私財を投じ太平洋戦争時に米国と戦い、フィリピンが米国から独立する基礎を作ってくれた日本人の墓地に記念碑を建ててくれた人物でもあります

duterte-J4.jpgダバオ市と日本人の関係は古く、戦前、貧しかった日本人が約2万人も職を求めてダバオに渡り、紙幣の原料でもあるマニラ麻を栽培して生活しました。この日本人の活動はダバオに産業を興し、ドゥテルテ大統領は日本人がダバオの発展に貢献してくれたと今回の来日で安倍首相に感謝しています。

その他、戦後日本が、フィリピン政府とミンダナオ反政府ゲリラとの橋渡し役を務めてくれたことも評価しているそうです。

更にドゥテルテ大統領は、2013年3月に発生した東日本大震災に際しダバオ市長として海外のどこの自治体よりも早く「震災で、住む家を失ってしまった方は、ダバオで何人でも引き受けます。避難所としてではなく、楽園となるよう市を挙げて歓迎します。ダバオ市で役に立つことがあれば何でもします」と表明してくれていたことが、今回の訪日にあわせて話題になりました

邪推:なぜ10月25日に来日したか?
duterte-J2.jpgドゥテルテ大統領は10月18日~21日に訪中し、20日には習近平首席とスーツ姿で会談したが、その後の合意文書調印式ではガムを噛みながら、しかも途中から居眠りする様子が放映されるなどの態度をしめした
中国主席は、積極的な投資を約束すると共に、欧米が人権侵害とみる麻薬撲滅対策に理解を示すなど、大盤振る舞いの姿勢で「雪解け」を演出したが、南シナ海問題で特に進展はなかった模様

●その後フィリピン大統領は一端帰国し、改めて25日から訪日を開始。到着後の夕食会は岸田外相がホストを勤め、「仕事の具体的話はしていない」とのコメントを残しているが、大いに盛り上がった様子が外交筋から伝えられている
ではなぜ直接中国から日本を訪問せず、一端帰国して25日から訪日したのか。ここでは多くのフィリピン人の心に今も残り、ドゥテルテ大統領が資材を投じて慰霊碑を建立してくれた日本兵の作戦に関係しているのでは・・・との仮設を立てて考えます

Sikisima.jpg1944年(昭和19年)10月25日、日本軍が最初の「特攻隊」を編制して出撃させたのがフィリピンであり、その「敷島隊」5名はフィリピン各地で名前が今も知られ、慰霊行事が今でも行われています
ドゥテルテ氏はダバオに私財で慰霊碑を建立した当初から、毎年娘を必ず連れて慰霊行事に参加していたようです。そして今回の訪日で、米国の植民地から解放してくれ、地元経済の基礎を作ってくれた日本軍と日本人に対する礼を天皇陛下に直接述べるため、10月25日を選んだののではないかと「邪推」しています

岸田外相との夕食会でも、安倍首相との首脳会談でも、ドゥテルテ大統領は祖国フィリピンを代表し、歴史的観点に立って日本への尊敬と感謝の思いを伝え、今後の関係を構築したいと述べたのではないかと推察しています
duterte-J3.jpg●日本政府が今の時代に、特攻隊の精神を讃える外国首脳の話をオープンに出来るはずはありませんが、一方で米国に対するものとは全く別次元の感情を日本に持つフィリピン指導者と、楽しい食事や話が日本首脳は出来たであろうと想像します

●中国への対処を考える上で、邪推したフィリピン大統領の日本への感情と米国への反発が、単純にプラスになるとは思いませんし、東京裁判史観に反する「特攻隊」の話題化が対中国の米国同盟にプラスであるはずもないでしょう
●それでも、東京裁判史観で縛られた現代日本人の日本軍への偏った視線が、アジアに広く残る日本軍への極めて高い評価に向く切っ掛けになればと思います

最近のフィリピン関連記事
「露とアジアの関係を2点から」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-23
「東南アジア3か国が共同警戒へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-18
「比が米軍に南シナ海共同警戒中止を通告!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-08
「C-130が2機だけ展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-27
「比大統領南シナ海共同を拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15-1

「比空軍と米空軍が3日間会議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-03
「EA-18G電子戦攻撃機が展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-18
「国防長官が交代派遣発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-16

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国防革新評議会:2025年にAIで中国に負ける [ふと考えること]

Schmidt.jpg1日、米国防革新評議会(DIB)の議長でグーグル幹部であるEric Schmidt氏(AlphabetのCEO)が、CNASのAI関連イベントで講演し、昨年国家AI戦略を発表して精力的に取り組む中国が、2025年には国家戦略もない米国を追い越し、2030年にはAIで世界を支配すると警告しました

そして戦略もなく国がばらばらにAIに取り組み、更に有能な海外の人材を移民規制法で排除している米国の現状を危機的だと訴えました。
また中国をいつまでも2流国だと考えていたら大きな間違いだと主張しました。

2日付C4ISNET記事によれば
artificial intel.jpg●ハイテクTI企業の代表格であるAlphabetのCEOで、グーグルの最高経営陣の一人である Schmidt氏は、もし米国が国家主導で精力を集中してAI分野に取り組まず、また移民政策を変更しなければ、米国は中国にAI分野で支配されると警告した
●そして、将来の商業分野と国防分野の両方を決定図けるであろうAIで後れを取りたくなかったら、米国は力を合わせて取り組まなければならないと訴えた

●具体的に同CEOは、昨年中国がAI国家戦略を発表したことを緊急事態警告だと認識すべきと語り、「事態は明白で、2020年までに中国は米国に追いつき、2025年には米国を追い越し、2030年には中国がAIで世界を支配する」と説明してその計画を解説し、「中国は計画通りに前進している」と述べた
●更に「国家戦略を発表した中国を2流国扱いしてはならない」、「中国にそんな人材はいない、そんなことはできないと考えているなら、完全に間違っている」と警鐘を鳴らした

artificial intel3.jpg●スプートニク・ショックともいえる時代にある米国の唯一の対策は、研究開発努力や資金をAIに集中することだとし、基礎研究投資の重要性を強調した。背景にはトランプ政権最初の予算編成で、AI関連予算を削減した経緯がある
●そして同CEOは「政府が私企業と共に、このAI技術が重要だと宣言する時だ。国家として共に行動することが求められている」と訴えた

●一方で Schmidt氏は、世界の優秀な頭脳の米国への入国を阻む移民政策が米国のアキレスけんになると警告し、「真に最高の頭脳を持った人々が、米国が入国を拒む国に存在し、彼らは他国でその能力を発揮するのだ。皆さんは優秀な彼らに米国で活躍してほしくないか?」と語り、
●「例えばイランには、世界最高峰のコンピュータ科学者がいるのだ。私は彼らに米国で活躍してほしいし、グーグルやAlphabetで働いてほしい。米国に入国できないなんて馬鹿げている」と訴えた
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artificial intel2.jpgトランプ大統領が移民管理を厳しくすると打ち出した直後から、米ハイテク企業が先頭に立って反対運動を行っており、Eric Schmidt氏の主張はそんな背景があることを頭において見ていただきたいと思います

しかし、いろんな分野で、独裁国家が資源を集中し、反対派を押さえつけ、新しい分野で西側諸国を凌駕していく姿を目にする今日この頃です。
今後5年程度でAIで中国は米国に追いつくそうです。対日歴史問題に投入され、多量の歴史書き換えに利用されたりとか・・・悪い想像ばかりが頭に浮かびます・・・

技術革新の関連記事
「注目の将来技術分野を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-09-1
「DIUxとSCOの現在」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-12
「液体アンテナ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-01

「米ハイテク企業に中国資金が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-25
「超超音速兵器に進化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-11
「DARPA長官が語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-11-1

「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02

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SpaceX:失敗場面を集めた映像を明るく発信 [ふと考えること]

この明るさとたくましさを学びたい!
「宇宙飛行で世界中どこへでも30分」を打ち出した男の苦闘史

SpaceX.jpg9月14日、SpaceX社のCEOであるElon Musk氏が、ロケットブースター回収成功までの失敗場面を集めた約2分半の映像「How NOT to land an orbital rocket booster」を公開しました。

軽快な行進曲で知られる「マーチの父」スーザの行進曲「自由の鐘:The Liberty Bell」をBGMに、2013年の爆発シーンを皮切りに、陸上や海上への垂直着陸の失敗場面が、期待を裏切らない派手さで紹介されます

Elon Musk.jpgそして最後は、2015年に初めて陸上への着陸回収に成功した映像と、2016年に海上の無人プラットフォームに着陸成功した映像で閉められています。

つくづく・・・、この短期間に、これだけの失敗にめげず、画期的な1段目回収技術の獲得に成功した力量と執念に感心します。公的機関がやってたら、15年、いや絶対に途中で中止されていたと思います

映像「How NOT to land an orbital rocket booster」


現時点でSpaceX社は、16回の垂直着陸回収に成功しており、最近では9月7日に、これまで老舗ULAの「Atlas Vロケット」が担ってた極秘無人宇宙船「X-37B」の打ち上げを圧倒的価格優位で奪い取り、見事に成功させています(1段目回収にも成功)

X-37B 2017.jpgまた、回収した1段目の再利用も、既に数回成功させています

この映像が公開された同日、Elon Musk氏は、「(今は回収できていない)ロケット上部と貨物室部分を回収できれば、打ち上げコストは更に大幅に削減できる(drop by a factor of more than 100)」とツイートしており、その今後が期待されます

Space-X社の参入とULA
「偵察衛星打上げと1段目回収」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-02
「イスラエル通信衛星失敗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-06
「ロケットの着陸回収に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-25

「混迷の米衛星打ち上げ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-24
「10年ぶり米軍事衛星打上げに競争導入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-03
「軍事衛星打上げにSpaceX参入承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-27

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急速拡散中:米軍&米国内で話題の訓示「Get Out!」 [ふと考えること]

「スマホを手に取れ。私は真剣に言っている。そして私の言葉を映像で記録し、記憶にとどめ、活用してほしい。折に触れ思い出し、人々とシェアしてほしい。もし他者に尊厳と敬意をもって接することができないなら、出て行ってくれ(Get Out)」

silveria.jpg事件は、米空軍士官学校内に設けられた「Prep School」(17歳から22歳の約240名を約10か月間教育訓練する付属教育機関)の学生寮で起こりました

25日朝、学生への連絡用ホワイトボードの黒人生徒5名の欄に「go home n-----」(恐らくNegroとかNegger)と書き込まれているのが発見されたのです。

これを受け、空軍士官学校の校長(superintendent)であるJay Silveria空軍中将が、約4000名の全学生と教員職員を集めて28日に語った映像が、29日朝に米空軍によって公開され、政治家や著名人によってSNS等で広く拡散され、その極めてストレートな語り口が、今人種問題で揺れる米国社会で話題となっています

Jay Silveria空軍士官学校長の言葉(5分半)


順不同で校長の言葉をご紹介すると・・・
もし書き残された言葉に怒りを覚えたら、君たちは正しい立ち位置にいる、空軍人として怒りを覚えるだけでなく、人間として感じなければならない
Silveria3.jpgもし他者に尊厳と敬意をもって接することができないなら、出て行ってくれ(Get Out)。もし性別の違いから、人と尊厳と敬意をもって接することができないなら出て行ってくれ。どのような形でも他人の名誉を傷つけるようなら、出て行ってくれ

●スマホを手に取れ。私は真剣に言っている。そして私の言葉を映像で記録し、記憶にとどめ、活用してほしい。折に触れ思い出し、人々とシェアしてほしい。もし他者に尊厳と敬意をもって接することができないなら、出て行ってくれ
だれも我々のこの価値観に疑問を呈したり、ホワイトボードに書き込んだりすることはできないし、この価値観を我々から奪うことはできない
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Silveria空軍士官学校長はこの夏に着任したばかりです
米空軍士官学校は、性犯罪やそれを扱う幹部の職務怠慢をはじめとして、様々な問題を抱えており、その数と深さは学生の数で上回る陸軍や海軍士官学校よりも深刻だといわれています。

Silveria2.jpgそんな中でのこの落書き。学校長としても看過できなかったのでしょう。
組織のトップに立つ人間として、「何か手を打たなければならない」との必死な思いが伝わる語り口とストレートな表現が、政治世界のゴタゴタにヘキヘキとした人々に響いたのでしょう

それにしても、「スマホを手に取れ。映像で記録し、シェアも・・・」とは時代の変化を感じます

米空軍士官学校の多様な問題
「性犯罪対処室が捜査対象に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04
「空軍士官学校の内通者が反旗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-10-1

米空軍トップが衝撃の新年メッセージ
戦闘機操縦者支配への反発が顕在化
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-04

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自衛隊は急激な女性登用推進に耐えられるのか [ふと考えること]

昨今の女性議員バッシングの激しさに、
急激な女性活用政策への疲れを感じる今日この頃・・・

2017WP2.jpg2017年版「防衛白書」の発表は、当初8月1日を予定され、省内や国内外配布用の約2万部が完成していたようですが、7月28日に稲田大臣が突然辞任したことを受け、巻頭あいさつ写真入れ替え等の必要性から、8月中旬まで延期される難産でした。

白書の発表直前に大臣が突然交代した例は、2007年の久間章生大臣のケースがあったようで、その際は問題発言の引責辞任後に発行した白書に久間氏の巻頭言をそのまま掲載しており、防衛省は当初、稲田氏の巻頭言を載せる方針だった模様です。

しかし最終的に、今回は白書発表を遅らせてでも稲田氏の写真を差し替えることになっており、その理由について報道は、同省幹部による「政権、防衛省ともに心機一転を図りたい」との言葉を紹介しています。

そんな女難&生みの苦しみを経験した2017年版防衛白書を、今頃になってパラパラと見ています
いつもなら、中国軍事脅威の分析評価部分や、米国の国防政策に関する記述についてチマチマ文句を書き連ねるのですが、今年は冒頭「巻頭特集」28ページの1/3も割いて力が入っている、「輝き活躍する女性隊員」部分を考えたいと思います

女性の力を生かすことの重要性
2017WP.jpg少子化が進む日本社会で、官民の人材確保競争が激化する中で、人口の半分を占める人的戦力である女性を生かせない組織の生き残りは難しい
構成員の多様性が組織を強くするとの指摘は一つの真理であり、多様性を受け入れる過程における対応や組織の緊張感は、特に組織を鍛えるであろう

●国民を守る防衛省・自衛隊は、国民の半数を占める女性のことを理解し・対応することを必要としており、この事は平時の災害派遣などを通じ、組織で実感されている
国防政策を推進するには国民の理解が不可欠だが、国民の半数を占める女性にはどちらかと言えば馴染みの薄い話題。防衛省で女性の活躍する姿を取り上げ、女性国民の国防への関心を高めるアプローチは必要

女性を活躍を推進する難しさ
2017WP3.jpg約30年前、当時のサッチャー英首相は英国社会での女性の登用・活躍に関する日本の女性記者の質問に対し、「女性の能力を生かすことは間違いなく必要なことだが、現在の英国では、能力に関わらず、女性にポストを割り当てているようなところがあり残念だ」と語り、「能力ある人が、男女を問わず、力を発揮できる社会を目指すべき」と述べている
●作家の曽野綾子さんは「女性のアシスタント数名に仕事を手伝ってもらっているが、出産と育児に際しては仕事を辞めてもらっている。小規模な組織で、子供の病気等を理由に仕事を急に休まれては耐えられない」、「その代わり、育児が落ち着いた時点で、希望とタイミングが合えば仕事に復帰してもらっている」と、今の時代に発信が難しい本音をその著書で述べている

サイバーや電子戦や宇宙ドメインの重要性が増す時代に会っても、ある程度の体力や力が必要とされる前線や現場の仕事が戦力発揮の中核にある自衛隊では、女性がその部分の多くを担うことは困難で、兵站支援や事務系の業務に配属する比率が高くならざるを得ない
●その結果、兵站支援や事務系の職場で女性比率が高まり、出産育児休暇や女性特有の体調の波に伴う休暇により、女性職員の不在率が高くなり、残された職員に仕事のしわ寄せがきており、我慢できる限界に近付いているようにも漏れ聞こえてくる

●いろいろな施策が案出され、現場の負担を軽減する取り組みが行われているが、対外的なアピール効果とは異なり、現場での効果は極めて限定的である

昨今の女性議員バッシングに見る社会の疲れ
2017WP4.jpg国際社会における経済や金融の自由化が生んだとされる、競争の激化と格差の拡大が中流階級の不満を招き、保護主義を訴えるトランプ大統領を生み出したといわれるように、女性の急激な強制的積極的登用が、昨今の女性議員バッシングの背景にあるとは言えないか?
●つまり、現在社会では公に声に出しては決して言えない、女性の急激な登用が生む「ひずみ」への不満のはけ口が、昨今の過激な女性議員バッシングを生んでいるのではないか

●稲田前大臣に政治家として大臣としての資質や、事前の訓練が欠けていたことは明らかだったが、それを追及する野党女性議員のヒステリーに近い物言いや、一般女性のひときわ厳しい視線は、別の意味で女性政治家の成熟度や女性の怖さ(男性の視点だが)を考える契機となった。しかし、これは「ひずみ」とは別の議論
●ケース「今井」はどうでもよいが、ケース「山尾」では「ざまあみろ」「民進党死ね」と言いたいのがまんぐーすの本音ではあるが、ここでは「女性の急激な登用への社会の疲れとひずみ」への懸念を強調させていただきたい

ちょっと「踊り場」を設けては・・・
●防衛白書によれば、現在の女性自衛官比率が約6%で、これを10%まで伸ばすのが防衛省の目標の様であるが、あまり右肩上がりを急いで追及せず、グラフに「踊り場ができてもいいや」ぐらいのゆったり感が必要ではないか
●今受け入れた女性には、有能で皆が認める女性も多くいるようなので、それらの女性の成長を見守り生かす時間を少し設けてはどうか? また女性特有の不在期間への有効な対処策が確立されるまで、歩みを落とす気持ちの余裕が必要ではないか

2017WP5.jpg●三浦瑠璃女史が指摘するように、女性への育児休業等の制度の実現度合いには、大きな「官民格差」があり、官側が圧倒的に高い実現率を実態として示している。そして真面目な防衛省は、その職務の特殊性にもかかわらず、その厳格な指揮命令系統の中、官側の標準に追いつこうとしている。
●しかしこれを言い換えれば、「女性の急激な登用への組織の疲れとひずみ」を大きくため込んでいるのが官側組織であり、緊迫の度を深める国際情勢の中で多忙を極める防衛省・自衛隊だということ
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白書現物へのリンク(注意:80mb)
http://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2017/pdf/H29_MDF_whitepaper.pdf

ケース「山尾」に、「ざまあみろ」「民進党死ね」などと口走っては品格が問われそうですが、言わないとストレスがたまりそうなので2回も書きました。

「本音」と「建前」を巧みに使い分けるのが日本社会の妙かもしれませんが、居酒屋で愚痴を発散する手法が衰退する中、ネット上で爆発しつつある本音に、トランプ現象に重なる怖さを感じる今日この頃です

そしてそのあたりの国民の雰囲気を察し、潜在的需要を掘り起こした「文春砲」に、あらためて感心する次第です

防衛白書の関連記事
「2014年版を斬る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-05
「25年度防衛白書を斬る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-09
「防衛白書官僚の心情代弁」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-03-1
「1「防衛白書」5つの背信」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-12
「2「防衛白書」5つの背信」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-11

東アジア戦略概観の関連
「2017年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「2016年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-25
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13-1
「2013年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-10
「2012年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-03

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更新頻度の低下について [ふと考えること]

生活のため、働くことになりました。
頑張ろうとも思いましたが、毎日の更新は困難です。

少なくとも、土曜日曜祝日の更新はいたしません。
ご理解のうえ、引き続きご愛顧のほど、お願いいたします

まんぐーす
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イスラエル御用達:小火器搭載の小型無人機 [ふと考えること]

在りそうで、実現できなかったレベルか!?

TIKAD.jpg18日付Defense-Techは、米国防省が「2016年のテロとの戦い賞:Winner of 2016 Terror Comabat」を授与し、イスラエル軍が正式に発注した小火器搭載可能なDuke Robotics社の小型無人機「TIKAD」を、コマーシャル映像と共に短い記事で紹介しています。

単純なものは中学生レベルでもできそうな気がしますが、本格的に西側の軍隊が使用しようとすれば、装置の安定性や信頼性な求められ、特に誤射の防止や照準の正確さなどを、小型無人機(quadcopter)でそのレベルを実現するのは容易ではなかったのかもしれません。

コマーシャル映像によれば搭載可能兵器は
SR-25 marksman rifle
M321A grenade launcher
M4 rifle

Duke Robotics作成の宣伝映像


小型無人機に目標識別用のカメラを搭載し、B5サイズのタブレット型操縦装置で簡単に操作可能で、実戦環境の中でも容易に使用可能とのアピールです

TIKAD2.jpg特に「売り」になっているのは、小火器発射時の衝撃を吸収する機構を搭載し、無人機そのものの飛行安定を大きく崩さず、短時間で再射撃が可能な構造になっている点の様です

でも・・・テロ組織や敵対国がすぐにコピーを作成し、敵戦力として対峙するような気がしてなりません・・・。

多種多様な無人機を巡る悩み!?
「イラン無人機が米艦載機を妨害」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-09
「米が無人機輸出規制緩和へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-04
「中国がサウジで無人攻撃機の製造修理」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-29
「中国が高性能無人機輸出規制?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03

無人機対処の関連記事
「民間ドローン撃退方針指示」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-08
「海兵隊も対処に悩む」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-17
「ACC司令官が対処権限を要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-15

「イスラエル製を17億円で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-28
「DroneDefenderをご紹介」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-30
「IS無人機で初の犠牲者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-15-1


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ロッキードが25年ぶり民間機に参入へ [ふと考えること]

LM-100J.jpg13日付読売新聞が、25年以上民間機市場から撤退していたロッキードマーチン社が軍用のC-130輸送機を改良した民間貨物機「LM-100J」で市場復帰する方向だと報じています。

販売に必要な型式証明を、2018年にも連邦航空局FAAから取得できる模様で、既に5機を受注しているらしいです。

ロッキード社が民間機分野に復帰する背景には、同社の昨年の売り上げの7割が米国政府からの受注となっていることがあり、トランプ大統領の軍事費増強発言はあるものの、他の予算削減への議会の反発も大きく、軍用機依存への危機感があるようです

13日付読売新聞朝刊4面によれば
LM-100J3.jpg●ロッキード社は、賄賂による外国政府要人への旅客機売り込み工作が1976年に発覚した「ロッキード事件」により企業イメージに悪化等を受け、1984年には旅客機事業から撤退していた。
●その後も、細々と民間輸送機LM-100を1992年まで生産していたが、同機も115機で生産を終えていた

新たに生産する民間輸送機「LM-100J」は、米軍をはじめ世界60か国以上の軍で計2500機以上が使用されているベストセラー輸送機C-130をベースの開発された貨物機で、1機約71億円
2018年にも連邦航空局FAAから取得できる模様で、貨物輸送や消火活動、救助作業、資源開発などで需要が見込まれ、既に5機を受注している

Lockheed M.jpg●専門家は同機を評価し、「現在使用されている輸送機は旅客機を改造したものが多いが、LM-100Jは収容能力が大きく、投資効率を高められる」と見ている
●民間の貨物機以外でも、NASAが2016年2月にロッキード社と、次世代超音速旅客機の開発計画を明らかにするなどの動きもあり、関係者の注目を集めている
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3年前に軍事メディアが同社CEOに質問した際は
巨大軍需産業の時代は終焉に向かっている」
新興企業より官僚的で敏捷性に欠ける
株価上昇ばかりを気にし、研究開発への投資をおろそかに」
レイセオン社は貴社や他社を打ち破り」
「予算の強制削減への対応
・・・との疑問をぶつけていましたが、3年経過して対応を迫られているのかもしれません

西側諸国の軍事費動向は世界中で不透明で、欧州を中心に右肩下がり傾向ですが、民間部門ではアジアを中心として航空需要の急速な伸びが予想されており、世界規模でパイロットや整備員の不足と奪い合いが予期されています

Hewson F-35.jpgそんな世界航空市場の動向を見据えたのがロッキード社の動きかもしれません。そうだとすると・・・いつ沈没するか分からない「亡国のF-35」から、ある日突然技術者等を引き上げ、民間航空分野に投入する日が訪れるのかもしれません

ロッキードの剛腕女性CEOであるMarillyn Hewson女史のこの裏のありそうな表情を拝見し、そんなことが頭に浮かびました・・・・

同社のLM-100Jのwebページ・映像多数
http://www.lockheedmartin.com/us/products/LM-100J.html
C-130輸送機のウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/C-130_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F) 

ボーイング社見積もり:世界的パイロット不足は深刻
「今後20年の操縦者不足は深刻」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29

ロッキードとトランプの葛藤&密談
「政治ショー?価格削減公表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-25 
「ロッキードの課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-13
「就任時:豪腕女社長が語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-16


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ステルス機の意義と有効性を考える [ふと考えること]

Stealth report.jpg2日、米空軍協会ミッチェル研究所が新たなレポート発表会見を行い防空センサー等の発達でステルス機が発見される確率が高まっても、依然として航空機のステルス性は重要な要素であり、また他国がその技術を活用し始めたとしても、米国が持つ40年間の経験にはまだまだ及ばないと主張しました

Mark Barrett退役空軍少将(元F-22飛行隊長)とMace Carpenter退役大佐(元F-117操縦者)によるレポートは、「Survivability in the Digital Age: The Imperative for Stealth」とのレポートは、米海軍や米空軍で現在行われている次世代制空機(NGAD)検討において、他の性能とステルス性とのバランス議論が盛んになる中で、将来におけるステルス性の意義を再確認しようとする試みに見えます

主要な軍需産業をスポンサーにしている空軍協会とすれば、維持も含めたコストや作業量には余り言及せず、ステルス性は重要だと言わざるを得ないでしょうが、ステルス機の意義や有効性を整理する上で役立つので概要をご紹介します。

なお注意点としては、ステルス性の有効性よりも、ステルス性を持つ第5世代機の情報融合提供能力をステルス機の有効性として捉えている傾向があり、そのあたりは読者の皆様の見識で区別をお願いいたします

3日付米空軍協会web記事によれば
F-35 clear2.jpg新たなレーダーや探知技術が生まれつつあるとしても、ステルス技術は将来の作戦機においてもますます重要な設計上の要素となるだろう、と新レポートの筆者達は主張した
●そして、ステルス設計は比較的低コストの要素であり、個々の機体の生存性にきわめて重要である以外に、小規模な戦力で任務遂行を可能にする技術であることも重要な点だと訴えた

●Barrett元少将は、ステルス性なしのケースでは多数の援護機や支援機が必要だが、ステルス機であるF-22, F-35, B-2や次期爆撃機のB-21は、遥かに少ない機数で任務遂行が可能だと説明した
●同元少将はまた、空対空戦闘でも非ステルス機の戦いは相互にほぼ同距離で相手を発見するから搭載兵器の差が勝敗を分けるが、ステルス戦闘機の場合は相手に近くまで発見されないから、短射程ミサイルしか搭載していなくても勝利がほぼ確実だと説明した。

●Carpenter元大佐は、防空レーダーが仮にステルス機を探知できるようになったとしても、その情報をミサイル部隊に伝え、発射された防空ミサイルがステルス機を迎撃するまでには多くのプロセスがあり、航空機のステルス性はその過程全体の成功率を低下させるとステルスの重要性を説明した
●また元少将は、仮に防空レーダーが発達しても、ステルス機を電子戦機が支援すれば目標到達は容易になり、非ステルス機や機体外部に装備を搭載したステルス機よりも、遥かに発見される可能性は低いと説明した

敵レーダーへの対抗策と中露の追随
F-22hardturn.jpg●レポートを支援するために参加したMike Rounds上院議員(民主党)は、「広帯域をカバーする固定レーダーやパッシブセンサーを、高処理能力コンピュータとネットワークで結びつければ、強固な防空監視網を形成することが可能だ」と危機感を訴えつつ、
ステルス機のセンサー情報をネットワーク化した情報融合等を活用し、「敵レーダー網に、猛烈に多様なレーダー反射波を送り込んだり」、「電子戦機EA-18GやF-35に加え、積極的作為のため将来無人機を特定周波数を狙った反射材にしたてたり」とのアイディアで、敵防空を飽和させることを提案した

●元少将は、中国やロシアが「ステルス機らしきもの」を配備し始めていることに触れつつ、米軍には既に40年間にわたるステルス機運用の経験があり、どのようにステルス機を運用するかのノウハウの面で、他国はまだまだ米国に追いつくことは出来ないと語った
●そして自身が初期のF-22飛行隊長だった頃、当初はF-15の作戦運用法を元に応用を考えたが全く上手く行かず、初めて「全く新しい発想が必要だと痛感」し、互いに近接して飛行するな等々の新たな基本や戦術を生み出し、F-22の偉大な能力を引き出した経緯を例として解説した

シミュレーターは極めて重要
F-22Hawaii2.jpg●またF-22が空対空戦闘で敵を凌駕するだけでなく、戦闘全体の状況を瞬時に把握できる能力を「戦闘管理者」として発揮できることも説明し、F-35にも同様の能力があると元少将は語った
●加えて、このようなF-22やF-35能力を最大発揮するには、地上のシミュレーターで多様な状況を想定した訓練を繰り返すことがきわめて重要なのに、多くのF-35導入国がシミュレーターを購入しないのは大きな誤りだと主張した。

●そしてF-4の後継機にF-35を購入する国が、仮にシミュレーターを購入しないなら、高価なF-4を飛行場に並べておくのと大差はないと厳しく指摘し、ステルス機と非ステルス機の価格差を考えれば、シミュレーターをなぜ購入するかではなく、なぜ購入しないのかと言いたい・・と訴えた。
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古くからステルス性に重きを置かない米海軍と、ステルスを前面に主張する米空軍との対比や、互いの「口撃合戦」は興味深いところですので、下記の過去記事で振り返ってみてください。

B-2dual07.jpg要は、他の性能とのトレードオフをどこで決着するかの問題で、当然ステルス性が在れば突破力や生存性の側面で有利ですが、米空軍の次期制空機が重視すると言う兵器搭載量や航続性能に配慮すれば、ステルス性は犠牲にせざるを得なくなるということです。

これにコストや技術的な達成度合いや可能性などなど、まんぐーすが知る良しもないデータを踏まえつつ、最後は海空軍の声のでかい有力者の「個人的好みで」次期制空機の要求性能は決まっていくのでしょう。 そんなものです

当該レポートの現物(42ページ:約3MB)http://docs.wixstatic.com/ugd/a2dd91_cd5494417b644d1fa7d7aacb9295324d.pdf

米海軍NGADの検討
「米海軍は速度と行動半径重視?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-24
「米海軍もNGAD検討開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-24

米空軍次期制空機PCAの検討
「PCAの検討状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-12
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「F-35にアムラーム追加搭載検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-28


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性同一性障害者を米軍は受け入れない宣言 [ふと考えること]

trump trans3.jpg26日、トランプ大統領がいきなりツイートで、「transgender(自らの性別と心の性が一致しないことから、反対の性で生きようとする人)が、米軍で勤務することを認めない」と宣言し、オバマ政権下で進んできた7月31日からの「transgender受け入れ方針」をちゃぶ台返ししました

まず「transgender」との言葉が意味するのが、「性同一性障害」の悩みを抱えている人なのか、または既に性転換してしまっている人なのかよく分かっておらず、加えて、今現在、「transgender」の人が米軍内でどのような扱いを受けいているか把握していないのですがオバマ政権と反対の道を行く典型的な事例として今後話題になるので、取り上げます

Trump Coast-G3.jpgそもそも背景にあるのは、オバマ政権時代の2016年6月30日に、当時のカーター国防長官が2017年7月31日までに「transgenderを受け入れる」と発表したことがアリます。
この流れは、米軍の同性愛者に対する基本姿勢「聞かない、言わない方針」を撤廃したオバマ大統領の意向を受けたものです。

これを受け、例えば米空軍は昨年10月、「transgender」兵士が性転換することの条件として、「guidance on deployments, fitness standards, and dress」等について基本方針メモを出していたようです。

しかしトランプ政権誕生後、また今年の7月31日の「受け入れ期限」が迫るにつれ、国防省や米軍内の雰囲気が変わり始め、6月30日にはマティス長官が、2017年12月1日まで「受け入れ」期限を延長し、影響を再精査し見極めると発表したところでした

27日付米空軍協会web記事によれば
trump trans2.jpg●26日トランプ大統領はツイートで、「米軍の将軍達や軍事専門家と協議した結果、米国はtransgenderを米軍で受け入れず、かつ米軍で働くことを認めない」とツイートした
●更に「我が軍は決定的で圧倒的な勝利に集中しなければならないのに、受け入れによる医療コストの増大や、受け入れによる国防省の混乱(disruption)が、とてつもなく大きな負担になる」と理由を説明した

●昨年RAND研究所が発表した関連レポートによれば、米軍の正規兵の中には推定で1,320~6,630名の「transgender」が存在し、その中の一部少数が「性転換手続き:gender-transition treatment」を求めている
●また同レポートは、「受け入れ」によるコスト増加は、年間約3億円から9億円と見積もっている

翌27日、ダンフォード統合参謀本部議長は
Dunford5.jpg●(大統領のツイートに関わらず、)大統領からマティス国防長官に指示がアリ、それを受けて国防長官が何らかの実施事項を示すまで、米軍として現在の方針を何も変更することはない
●我々は引き続き、所属する全ての構成員に尊厳を持って対応する。何よりも重要なことは、今行われている戦いに引き続き集中し、与えられた任務を遂行することである
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脳腫瘍の手術明けであるマケイン議員は、なぜ重要な発表事項をツイッターで行うのか、と不快感を示していますが、この程度で収まるはずもありません

「transgender」の人達は当然声を上げ始めており、今後、根本的な「transgender」に関する議論に発展しそうです。

ところで・・・日本ではどうなっているんでしょう・・・どうするんでしょうか???

米軍内の同性愛者に対する「尋ねない、語らない(Don't ask Don't tell)」基本方針を変更しようと議論が始まった当時に、ゲーツ国防長官が兵士達に発したメッセージ
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-01

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ハワイ当局が北の核攻撃に備え住民教育開始 [ふと考えること]

15キロトンが高度300mで爆発を想定し・・・
「get inside, stay inside, and stay tuned」

Hawaii Emer1.jpg22日、ハワイの緊急事態対処庁が北朝鮮からの核ミサイル攻撃に備え、住民への対処要領の普及や警報サイレンの準備に取りかかったとハワイのテレビ局HNNが報じました。

北朝鮮が立て続けに弾道ミサイル発射試験を行っていることから、日本でも「Jアラート」とか、ネット画面のポップアップ関連広報が目に触れる機会が増えたような気がしますが、米国で初めてこの種の訓練に取り組むのがハワイ州になった模様です

「住民を驚かせる意図はない」とか、「観光産業から懸念の声」とか、なかなか苦労もありそうですが、時代の大きな変化を感じる出来事ですので、約2分半の関連ニュース映像とともにご紹介します

ハワイTV局HNNのweb記事によれば
Hawaii Emer.jpg●ハワイの緊急事態対処庁(Hawaii Emergency Management Agency)が、北朝鮮からの核ミサイルに備え、住民や旅行者に対し、そのとき如何に対応するかに関しての教育キャンペーンを開始しています。
緊急事態対処庁は、現時点で実際に攻撃を受ける可能性は「低い:Low」との見積もりを示しつつも、北朝鮮の相次ぐミサイルテストを受け、住民の不安感も増しているとして、被害対処計画や準備を開始した

●同庁のVern Miyagi行政官は、対処計画作成や訓練や教育キャンペーンによって、一般国民が過度に恐怖感を感じることがあってはならないいと強調し、ハリケーンや津波への備えと同様に、「当局が準備していることを知ってもらう事が必要だ」と説明している
●一方で、「我々には全ての災害に備える責務がアリ、国民に不必要なストレスを引き起こすことは望まないが、備えに取り組む」とも語った

Hawaii Emer2.jpg●計画上では、最悪のシナリオとして、ハワイの上空約300mで15キロトン(広島原爆と同規模)の核兵器が爆発したことを想定している。
●計算上では、北朝鮮からハワイまでのICBMの到達時間は約20分間で、ミサイルが到達するまでに、住民には8~12分間の対処猶予時間がある模様。

●対処要領の教育キャンペーンでは、ミサイル攻撃が察知された際は、「get inside, stay inside, and stay tuned」(建物の中に隠れろ、外に出るな、TVやラジオで情報収集せよ)と住民に促すことになっている
冷戦時には、核兵器攻撃を想定したこの様な計画や訓練が定期的にハワイでも行われていたが、脅威が薄れると共に計画や訓練の習慣は失われていった

ハワイTV(HNN)のニュース映像(約2分半)
Hawaii News Now - KGMB and KHNL

●対処庁の関係者は、「我々は北朝鮮の意図や能力を正確に把握しているわけでは無いが、北朝鮮が米国に到達するような弾道ミサイル開発に取り組んでいるのは明白である」、「従って、いざという時に住民が如何に行動すべきかについて教育普及を開始することを、待っていられない」と語っている

Hawaii Emer4.jpg●一方で、観光産業への影響が懸念されている。ハワイ観光局の渉外課長は「我々は、自然災害であれ、人為的な危機であれ、ハワイの民生への危機に準備する緊急事態対処庁の取り組みを支持する」と述べる一方で、
●「観光産業関係者の間では、もし諸準備に関する動きを観光客に誤解されたら、観光客や旅行者のハワイ離れを招くとの懸念の声も聞かれる。そうなれば、観光業に多くを依存している地元経済への影響を懸念する声も出てくるだろう」とやんわりとながら警戒感も示した
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縁起でもないですが、ホノルルや太平洋艦隊の基地がある真珠湾上空約300mで15キロトン(広島原爆と同規模)の核兵器が爆発したら・・・。

Hawaii Emer3.jpgハワイの緊急事態対処庁の被害想定をぜひ拝見したいものです。そのまま、横須賀や嘉手納や三沢や佐世保や横田や岩国にも当てはめることが出来ましょうし、霞ヶ関上空も考えられましょう

日本の自治体の皆さんも、地方議員の皆様も、国会議員の皆様も、こぞってハワイ研修旅行の口実が出来ましたよ! しっかり見て調べて、報告書を書いて下さいね

それにしても、冒頭でご紹介したハワイ緊急事態対処庁のシンボルマークが、あまりにも「核爆発」そのもののイメージなのでちょっと物議をかもしそうです。日本なら絶対・・・マスごみが

米空軍は中国の攻撃に備え
「被害に備えF-22緊急展開訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-08
「テニアンをグアムの代替に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-16-1
「グアム施設強化等の現状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-30-1
「グアムの抗たん性強化策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-30-1
「グアムで大量死傷者訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-08-1
「グアム基地を強固に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12

「米と豪が被害想定演習を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-02
「在沖縄米軍家族の避難訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-21
「嘉手納基地滑走路の強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-09

「Wake島へ避難訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-04-1
「テニアンで作戦準備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-05
「ブルネイの飛行場を確認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-14

沖縄戦闘機部隊の避難訓練
「再度:嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-25
「嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-23-1
「中国脅威:有事は嘉手納から撤退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13

「米軍被害復旧部隊を沖縄から追い出した日本」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-28-1

空自OBが対領空侵犯措置の効果を疑問視
「対領侵中心の体制見直しを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1

いつまで戦闘機だけを優先するの???
F-3開発の悲劇と日本への提言http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
F-35の主要課題http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

台湾の国防政策を提言
「RAND:台湾は戦闘機中心を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-07
「慶応神保氏:台湾の劣勢戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25
「CSBA:台湾は弱者の戦法を」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27

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韓国大統領の母親は米軍のお陰で脱出できた [ふと考えること]

「あの米軍兵士への感謝と尊敬の念を韓国は永遠に忘れない」
文在寅よ・・・この言葉を忘れるな!

Moon Jae-in2.jpg6月28日、訪米中の文在寅・韓国大統領が米海兵隊博物館の「Chosin Reservoir作戦記念碑」前で、海兵隊司令官や同作戦参加退役軍人らが見守る中でスピーチし、朝鮮戦争中に同大統領の母親を含む約14000名の韓国人を救出した「奇跡の船:SS Meredith Victory」の乗員や、Chosin作戦を戦った米海兵隊員に感謝の意を伝え、冒頭の言葉を述べながら「米韓同盟の将来に何の疑問もない」と語りました。

THAADの受け入れにさえ時間稼ぎをしている韓国大統領と、同一人物とは思えない「演出イベント」での発言ですが、北朝鮮のICBM発射試験もあり米国等の出方が注目される中、朝鮮半島で一朝有事の際には同じような「悪夢」が再現しかねないご時世ですので、一つのエピソードとしてご紹介しておきます

しかし、同大統領のお母様のような事態に巻き込まれる韓国民が出るかも知れない現下の情勢で、良くもまぁ「冬季五輪南北合同チーム」とか打ち出せるよなぁ・・・と思います。

朝鮮戦争の概要
Korean war.jpg1950年6月25日早朝、北朝鮮軍の突然の38度線からの南進によって始まった朝鮮戦争は、北朝鮮軍の戦力優位と奇襲攻撃と、韓国軍の準備不足が重なり、7月に入り在日米軍や米軍爆撃機が参戦したものの、韓国軍や米軍は朝鮮半島南部に押し込まれ、全軍が日本海に追い落とされる寸前となった
起死回生を狙って韓国軍と米軍を中心とする国連軍は9月15日、北朝鮮の伸びきった補給路を断つべく、半島中部西海岸の仁川に海兵隊を先頭とする7万人による上陸作戦を敢行し成功する。9月28日はソウルを奪還、10月1日には韓国軍が38度線を突破して北上を開始

●混乱する北朝鮮軍は敗走を続け、勢いに持った韓国&国連軍は北上を続け、中国国境の鴨緑江にまで達する。
しかし10月20日、今度は情勢に危機感を持った中国が志願兵の名目で軍20万人を投入し、人海戦術で韓国&国連軍に攻勢をかけ、その圧力で再び韓国&国連軍は敗走を重ねる。

12月5日には中国&北朝鮮軍が平壌を奪還、1951年1月4日にはソウルも奪い返された。しかし旧式装備で人海戦術頼みの中国軍の勢いも長くは続かず、重火器や戦車を補充した国連軍が巻き返し、3月14日にはソウルを再び韓国&国連軍が奪い返し
●その後は38度線を境ににらみ合いが続き、1953年7月27日に板門店で、北朝鮮、中国、国連の3軍の間で休戦協定が結ばれ、現在に至るまで「休戦状態」が続いている

同作戦と「奇跡の船」による脱出の概要
Korean war3.jpg中国軍が参戦し、韓国&国連軍が大ピンチに陥っていた当時、現在の北朝鮮西部に進出していた米海兵隊の第一海兵師団と米陸軍第7師団の一部が、約12万人の中国軍の包囲網を突破し、約150kmもの険しい地形の悪路を氷点下の気温の中で撤退して北朝鮮東岸の港町「興南:Hungnam」に何とか到達させたのが、1950年の11月27日~12月10日までの「Chosin Reservoir作戦」である
●その後、同港町を攻撃する中国軍10万と対峙しつつ、10万人の国連軍と10万人の避難民を、193隻の海軍艦艇や商船で韓国に避難させた中の一隻が、文在寅・韓国大統領の母親も乗った「奇跡の船:SS Meredith Victory」である。

Victory号の船長は、当時の米海兵隊や陸軍士官から韓国避難民を乗せてくれるように頼まれ、積み荷の兵器や荷物の一部を投棄してスペースを確保し、同避難作戦の中で最大の1隻14000人の避難民を乗船させ、3日間かけて釜山沖の島まで輸送した
●当時の避難民は、国連軍に協力した事で中国&北朝鮮軍から大量撲殺されることから逃げ延びた人々であった。移動は機雷が多数設置された海域を行く危険な航海だったが、航海中に避難民には一人の犠牲者も出ず、逆に5名赤ちゃんが誕生している。

文在寅・韓国大統領は同作戦記念碑の前で
Moon Jae-in.jpg●今90歳になった母の話によれば、脱出航海の途中でクリスマスイブを迎えたが、米軍兵士が避難民全員にクリスマスプレゼントとしてキャンディーを1個づつ配ってくれたそうだ。
それはたった1個のキャンディーだったかも知れない。しかし米軍兵士達は、あの厳しく激しい戦いの中で、精一杯の心遣いをしてくれたのだ。私はこれら米軍兵士の皆さんに今後も常に感謝をし続けるだろう

素晴らしい退役米軍人の皆様、韓国はこのことを忘れません。感謝と尊敬の念を韓国は永遠に忘れません。だからこそ、私は米韓同盟の将来に何の疑問も持っていません
●(この脱出航海の2年後に文在寅・韓国大統領が誕生している事を受け、)「Chosin Reservoir作戦」を戦った米軍兵士の皆さんの奮闘がなければ、私は生まれることも、ここで話をする事も出来なかったでしょう。皆さんが払った犠牲や献身的な行為を学ぶとき、私は感謝の気持ちをどのように表現して良いのかわかりません

Moon Jae-in5.jpg●母を救ってくれたVictory号に、当時22歳で勤務していたRobert Lunneyさんに今日お礼を言う事が出来ました。その際Lunneyさんは「私が死ぬまでに朝鮮半島の統一を目にしたい」と話されました。
●そうです。南北統一は私の夢でもあると、私はLunneyさんにお話しさせて頂きました
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このイベントの韓国内での報道振りと韓国民の反応が気になります

一方で、文在寅・韓国大統領のお母上は、息子の南北融和路線をどのように見ておられるのでしょうか?
Korean war4.jpg韓国軍や国連軍に協力したとの理由で、多数の一般住民を撲殺し略奪の限りを尽くした中国軍や北朝鮮軍の記憶をお持ちであろう「お母上」なら文在寅・韓国大統領に意見して下さるのではないでしょうか?

そして日本が韓国を統治していた当時の真の状況をご存じの「お母上」であれば、日本と仲良くせよ、ねつ造した韓国礼賛の歴史認識で道を誤るな・・・とアドバイス頂けるのではないでしょうか?

韓国関連の記事
「韓国の混乱を大東亜戦争後の哀史に学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-25
「ルトワックの日韓関係分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-17
「韓国はF-35と共に地中貫通弾530発購入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-27-1
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日本導入グローバルホークの悲劇 [ふと考えること]

Handa.jpg20日付現代ビジネス電子版に、東京新聞の半田滋氏が「アメリカのぼったくり兵器の押し売りに、ノーと言えない防衛省」とのタイトルで寄稿しています。

半田氏に反感を持つ防衛省職員や自衛隊員は多いでしょうし、この寄稿にも恣意的に誇張した推測や憶測や表現が入っているのでしょうが、米国製兵器の売り込みに関しては、以下の様なやるせない」ストーリーが過去から現在に至るまで存在していることも確かでしょう

特に、トランプ大統領が「America First」で自国産業や雇用を最優先し、東アジアや西太平洋地域の安全保障の優先順位が必ずしも高くない現実からすれば、この傾向が続くと考えるべきでしょう

また、日米関係全体で貿易問題を「ディール」した場合、国民に見えにくく(国民を騙しやすく)国内を押さえやすい(制服組を中心とした防衛省さえ押さえれば事足る)防衛装備品で米国に妥協する恐れ(可能性)は極めて高いと言わざるを得ません

そんな時期の日米関係ですので、紹介するのも気が引ける「やるせない」半田寄稿ですが、目を背けてばかりでは変化も起こせないので「つまみ食い紹介」致します

20日付現代ビジネス電子版半田寄稿の概要
RQ-4 1.jpg●情報機能強化の切り札?として、防衛省が調達を決めた無人機偵察機「グローバルホーク」。3機購入を決めているが、米政府は調達から廃棄までのライフサイクルコストについて、機種選定の際に示していた金額の2倍近い3000億円以上を吹っ掛けてきた
●「えっ、また言ってきたのか」・・・4月中旬、米国防省を通じ、グローバルホーク製造企業が機体価格を合計100億円値上げすると防衛省に通知してきた。慌てた防衛省は5月半ば、急きょ担当幹部を米国へ派遣、国防省や同社と協議を開始した。

機体価格は1機158億円で3機計474億円。これを合計600億円程度まで値上げするという。値上げは初めてではない。防衛省は2014年、無人偵察機の機種選定を行ったが、ライフサイクルコストは約1700億円だと説明していた米政府が、機種選定終了後に3269億円に上方修正した。
●「安値で釣り、高値で売る」という催眠商法のような米国流の武器商売だ。防衛省は機体価格だけでなく、地上装置や整備用器材などの導入に初期費用を約1000億円負担する。更に維持管理のための費用が毎年約100億円もかかる。

米国のいいなり:悲しきFMS購入
RQ-4 Misawa.jpg●この一方的な価格高騰などには、日本が米政府から直接購入するFMS(対外有償軍事援助)という米国独特の売買方式が関係している。購入する側に著しく不利な内容だが、高性能の武器が欲しい国は甘んじてFMSを受け入れ、米国は160カ国以上とFMS契約を結んでおり、日本も例外ではない。
●FMSは米国の武器輸出管理法に基づき、①契約価格、納期は見積もりであり、米政府はこれらに拘束されない、②代金は前払い、③米政府は自国の国益により一方的に契約解除できる、という不公平な条件を受け入れる国にのみ武器を提供する。

●それでも日本防衛に不可欠なら、我慢も出来るだろう。しかし、日本に提供されるのは期待した最新型ではなく、古い「ブロック30」というタイプ。FMSのため米政府の判断に従うほかない
●グローバルホークは陸上偵察用に開発され、洋上偵察には不向きで、尖閣諸島を含む東シナ海の上空からの洋上偵察にはミスマッチだ。(まんぐーす注:米海軍はグローバルホークを改良し、低空洋上偵察飛行に適したMQ-4を開発)防衛省幹部は「高価格なのに性能はいまいち、といったところ」と不満を漏らす

誰が希望した装備なのか不明?
RQ-4 block 302.jpgさらに奇妙なのは、グローバルホークは陸海空いずれの自衛隊も導入を求めていない。制服組の陸海空の幕僚監部ではなく、背広組の内部部局にある防衛計画課に割り振られている。背広組が武器導入の受け皿になるのは極めて異例だ。
購入後の扱いも、省内で押しつけあった結果、「飛行機だから」との理由で機体は航空自衛隊が管理し、「情報収集だから」との理由で情報本部が収集したデータを扱うことにやっと落ち着いたぐらいだ

●前出の幹部は「今では導入の切っ掛けがだれか不明で、自民党国防族にあたったが、だれも知らない」と困惑しており、近い性能で価格が数分の1のイスラエル製無人機の導入や共同開発も防衛装備庁が検討したが、稲田防衛大臣は記者会見でイスラエルとの共同開発について問われ、「現時点では計画はない」とあっさり答えた
●このまま行けばグローバルホークは2019年度末以降に配備されるが、費用対効果に見合うかどうか、米国によるさらなる日本支配の道具に使われないかなど論点が多いにもかかわらず、国会でまともに議論されたことは一度もない。
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半田氏は「36時間と滞空時間こそ優るが、精密な画像は上空から送れず、地上に戻って取り出す必要がある」とも記載していますが、あの田母神俊雄氏などは「一度先に米国へ送信され、その後日本に情報が回ってくる。重要な情報が米国に抜かれる可能性もある」と主張しています

osprey-marine.jpg圧倒的な軍事力と軍事技術力を持つ同盟国との関係ですから、多少のことは致し方なく、現下の憲法や防衛法制下で進めにくい運用研究や技術開発がある事も確かでしょうが、「脅威の変化」を踏まえ、防衛省や自衛隊がより先行的に、組織のしがらみを離れ、どんな装備がどれだけ必要かを議論していれば、米国や日本の政治圧力にも少しは抗することが出来るのでは・・・と思う次第です。

脅威の変化を考える
「東アジア戦略概観 2017で考える」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「F-3開発の悲劇と日本への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「ゲーツ長官語録100選」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19
「脅威の変化を体に刻む」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08

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夢を追いかけるだけでなく・・・ [ふと考えること]

この季節にはこのメッセージを何度でも!

「常にドアを明け、チャンスや機会をつかめ」
「予想していなかった道にも備え、臨んでみるべき」

innovation.jpg学校の卒業式も終了し、4月から新たな生活を開始する若い方も多いでしょう
私自身の過去を振り返ると、希望を抱きつつも、不安な思いに駆られている方も多いのでは・・・と思います。

そんな今日この頃、世間には「夢を持て」、「夢をあきらめるな」、「夢を追い続けよ」などなど、「夢」を持つことや「夢」を追い求めることを訴えるメッセージが溢れています。

最近ひねくれたまんぐーすでも、「夢」追求メッセージを完全否定したりはしませんし、鼻で笑ったりもしませんが、若者達に「夢」追求だけを訴えるだけでは不親切だと思うんです。
innovation2.jpg社会経験も十分でなく、「夢」が何なのかもよくわからない若者達に、耳障りの良い「夢」追求メッセージだけでは「片手落ち」だと思います

冒頭に掲げた2つのメッセージは、「夢」追求に加え、必ず若者に伝えるべきと私が考えるメッセージです。そしてその2つは、米国防長官と米軍人トップ(当時)が、それぞれの母校の高校生に送ったメッセージでもあります


米軍人トップが高校生に(当時:2015年3月16日)
●(ニューヨークの母校でデンプシー統合参謀本部議長は)人生とは、常に扉を開いておき、機会やチャンスを活かすことです。将来をわくわくしながら迎える事で、決して投げやりになってはいけません
●私が君たちと同じ高校生の時に、仮に誰かが「君はいつか米軍トップになるよ」と言ったくれたとしても、私はその可能性を強く否定したでしょう

dempsy2.jpg●正直に言うと、私は陸軍士官学校に入ることを熱望していたわけではありません。しかしその道に進みました
●私は将軍になりたいと強く思っていたわけではありません。しかしそうなりました
●そして、私は決して4つ星の統合参謀本部議長になりたいと思っていたわけではありません。しかし今そうなっています

歴史や時代の流れが、人を見つけ使命を与えるのだと思います(history will find a person)
●もし君たちが、自身の人生設計を自分のものとして、何者にも影響を受けずに実行していけると考えていたなら、それは冗談にもならない間違いです

歴史や時代の流れが人を見つけ使命を与えるのだから、君たちや君たちの家族や国家の代わりにそれを与えるのだから、君たちは備えていなければなりません
●「Keep the doors open. Don’t do anything stupid to close them」--常に扉を開けておきなさい。それを閉ざすような馬鹿なことをしないように


ゲーツ国防長官(当時)が高校生に(2010年5月23日)
●(カンサス州の母校の卒業式で)私は高校卒業後、自分は優秀だと考え、医者になるために進学しました。しかし、いきなり一学期の微積分で「D」の成績を取り、私は父に「Dは贈り物だと思う」と言い訳し、自分に適性がないことが明らかになったと解釈しました。
私は大学院生の時、偶然CIAのリクルーターと出会いました。当時歴史の教師を目指していた私にとって、全く考えもしなかった組織です。

gatesDuke.jpg●最初、CIAは私をスパイに仕立てようとしました。初期の訓練でCIAの女性職員をグループで尾行しましたが、「怪しい男達が女性を追い回している」と一般市民から警察に通報され、仲間の2人が警察に捕まってしまいました。偶然私が逮捕を免れたのは、早々に女性を見失ってほとんど尾行できなかったからです。
●CIAは私が現場担当に向いていないと判断したのか、入手情報を検討解釈する分析官になりました。そしてこれが私に、米国史上の驚くべき出来事を目撃する機会を与えることになったのです。

皆さんも何度か誤った方向に踏み出すこともあるでしょうし、得意分野を見つけるまでに困惑するような事もあるでしょう。しかし、継続して努力することです
●大学に進学するにしても、他の道に進むにしても、最初につまずいていらいらしたり落胆するのではなく、努力を続け、学び方を学び、誘惑を遠ざけ、努力や挑戦を続けることです。そして、どのような道に向かおうとも、あなた方が必ずしも想像しなかったような道を歩むことにも備えておくべきです
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夢追求メッセージを「4割」、変化や未知のチャンスへの心構え、そしてその日に備える過程での努力継続を「6割」、ぐらいの比率が若者には適当なのかも・・・と個人的には思います

桜6.jpgスポーツのメダリストやプロ選手を目指すなら「夢」追求でしょうが、世の中の大部分の人たちは、年齢や経験を積む中で、いろんな経験をする中で、自分の「道」を見定めていくのだと思います。

それぞれの「道」が、夢の実現であることもあれば、ふとしたきっかけで出会った「道」であることもあるでしょう。最後まで自分の「道」に納得いかない人も居るでしょうが、出会った「道」、与えられた「道」で花を咲かせる努力は、何時の時代にも尊く大切なものだとアドバイスしてはどうかと思います

history will find a person」、「努力を続け、学び方を学び、誘惑を遠ざけ・・・」・・最近の日本で余り聞かない表現です。「いかなる形にせよ、社会に奉仕する事の大切さを忘れてはいけない」ともゲーツ氏は若者によく語っていました

若者に語るシリーズ
「リーダーたる者は:最後の卒業式」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-28
「空軍士官候補生へ最終講義」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07
「前:陸軍士官候補生へ最終講義」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07-1
「後:陸軍士官候補生へ最終講義」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07-2

「州立大学の卒業式で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-09
「軍と社会の遊離を憂う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-10
「大学で「公への奉仕を」」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-22
「ボーイスカウトの精神を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-29

安全保障感覚の「体幹」を鍛えるために!
「ゲーツ元長官語録100選」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

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