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人気の係留型小型無人ヘリドローン [Joint・統合参謀本部]

BigSky.jpg10月13日付Defense-Newsは、米陸軍協会総会の会場で注目されていた「Hoverfly」社の係留型小型無人ヘリドローンを取り上げ、CEOである Rob Topping氏の話から、その有効性と活用法について紹介しています

無人機の有用性はこれまでも紹介して来たところですが、同社の係留型UAS(unmanned aircraft systems)は、小型車両に搭載して軽易に移動可能で、到着先で数分間で空中展開でき、更に係留ワイヤーを通じて電力を供給することで、20~30日間連続在空可能な点です。

LiveSky2.jpg最高で100m以上の高度に在空することから敵に発見されにくく、適当に上空で左右上下に動きながら滞空することから、見つかってもなかなか撃墜することが困難なようです

小型の「LiveSky」と、大きめの「BigSky」の2タイプを提供し、既に米軍だけに留まらず、映画産業やNYC消防局な等々に数千台を提供しているという同社CEOの話を聞いてみましょう

13日付Defense-News記事によれば
米陸軍の「痒い所に手が届く」係留無人機LiveSkyは、既に米陸軍内で使用されており、今年夏にジョージア州の米陸軍基地で開催されたロボット・自立化システム試験的展示イベントでは、軽機動車両Polaris MRZRに係留されて登場し、戦車部隊の進行方向に先行して派遣され、ISR任務を行っていた
●11日のインタビューで同社CEOのTopping氏は、連続在空性能に優れ、バルーンのように発見されやすいISRアセットとは異なり、アフガンの最前線拠点のような場所でも有効だろうと語った

LiveSky.jpg従来の小型無人機の難点は在空時間の短さだったが、係留型は移動も容易で見つかりにくいことから、また継続して操縦することもないことから兵士を危険にさらすことなく活用できる。
●また展開先に移動後、わずか2分半後には上空で任務を開始でき、戦場全体の映像を入手することができる

同無人機には小型バッテリーも搭載されており、係留ワイヤーからの電源が遮断された場合にも自力で帰投する仕組みを備え、また落雷に対する自己防御機能も備えている
●更に同無人機はネットワーク機能を備え、遠方の作戦指揮所からもコントロールすることができる
●操作は簡単で、一応6時間の訓練は必要としているが、たっぷり昼休み時間をとっても、一日で十分に習熟できる

●同小型無人ヘリは、NY市の連邦航空局に唯一、人口密集エリア上空も飛行可能な承認を得た信頼性の高いもので、NY市消防局は大規模な災害時などに周辺地域に緊急派遣し、熱源感知センサー等を搭載して危険箇所の確認に有効活用している
●現在はハリケーンで大きな被害を受けたプエルトリコにも派遣され、様々な場面で被災地の状況把握に貢献している。ヘリコプターを運行する費用と比較すると、圧倒的な安価で空中からの情報を入手できることが大きなポイントの一つである

BigSky2.jpg●米陸軍は前線兵士が携行する無線機の見通し通信覆域外の状況把握のため、係留型無人偵察の更なるオプションを検討しており、小さな最前線ポストの警戒や、前進や撤退経路の安全確認のための活用に適したUASを探し始めている。
●米陸軍の情報提供要望書には、最前線の厳しい自然環境の中で、垂直離着陸が可能で、迅速な展開や運用が可能で、継続的な情報提供が可能なものと要求事項が記されている
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言われてみればその通りですが、連続在空時間が現場の課題で、それを解決する手段として係留型が有効だと。

そしてそれなりの高度に上げれば発見されにくく、残存性が高いと・・・・。やっぱりこの辺りは現場の経験がないとわかりませんねぇ・・・

日本の沿岸監視や拠点防御に簡単に応用できるのかわかりませんが安価に敵の接近を抑止する効果は期待できるのではないでしょうか?

最近の無人機の話題
「米海軍初の艦載無人機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-03
「無人機で対艦ミサイル照準」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-27
「イスラエル御用達:小火器搭載の小型無人機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-19

多種多様な無人機を巡る悩み!?
「イラン無人機が米艦載機を妨害」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-09
「米が無人機輸出規制緩和へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-04
「中国がサウジで無人攻撃機の製造修理」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-29
「中国が高性能無人機輸出規制?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03

無人機対処の関連記事
「民間ドローン撃退方針指示」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-08
「海兵隊も対処に悩む」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-17
「ACC司令官が対処権限を要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-15

「イスラエル製を17億円で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-28
「DroneDefenderをご紹介」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-30
「IS無人機で初の犠牲者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-15-1
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米軍:北の核兵器破壊には地上部隊侵攻しかない [Joint・統合参謀本部]

米軍統合参謀本部
「北の核兵器や関連施設の完全破壊には地上部隊侵攻が不可避」

Letter.jpg7日付米空軍協会web記事は、国防省が議会に提出した約4500億円の北対処を中心とする追加予算要求案に絡めて、統合参謀本部が議員の質問に回答とした書簡を紹介し、米国防省が想定している表題を含む対北朝鮮作戦の推定様相を紹介しています

民主党のGallego下院議員とLieu下院議員の質問は、対北朝鮮軍事作戦の死傷者見積もりや、紛争後の人道支援等の見積もりについてで、統合参謀本部の回答(2ページ)は「あまりにも不確定な要素が大きく見積もりは容易でない」、「核、化学、生物兵器などや、対処方策については非公開の場を設けて説明する必要がある」、「人道支援は国務省等に質問してね」・・・といった概要です

10月27日付の回答レター(2ページ)
https://lieu.house.gov/sites/lieu.house.gov/files/Response%20to%20TWL-RG%20Letter%20on%20NK.pdf 

しかしこの回答書間の興味深い点は、表題のように「地上部隊投入が必要」との認識や、「化学生物兵器対処が厄介になる」との見積もりが示されている点であり、これらは空母3隻が朝鮮半島周辺海域に集まっただけで騒ぎ立てるメディアの皆さんに、特にじっくり見つめて頂きたい表現がちりばめられているレターです

7日付米空軍協会web記事によれば
NK biol2.jpg●国防省の要求を受けホワイトハウスは、議会に対し北朝鮮脅威対処経費を主とする約4500億円の追加予算要求を行った。要求案に添えられた書簡には、「北朝鮮が、米国、展開している米軍兵士、同盟国やパートナー国に対して、弾道ミサイルを使用するいかなる行為も、探知して破壊し、防御する追加措置を支えるものだ」と記されている
●追加予算案にはまた、アフガニスタンへの追加兵力派遣経費や衝突事故で破損した2隻の米海軍艦艇修理費も含まれている

●この追加予算要求は、ある意味で10月27日に統合参謀本部が国防長官の命を受け、2名の下院議員の質問に回答したレターが示している、対北朝鮮作戦の難しさを反映したものとなっている
●同レターでは、「確実に北朝鮮核開発の全てを特定して破壊する唯一の手段は、地上部隊による北朝鮮侵攻である」と明記している

●そしてそのような北への侵攻に対し北朝鮮は、「生物兵器の使用をオプションとして検討するだろう」と、統合参謀本部のDumont海軍少将の署名入りレターは説明している
NK biol3.jpg●更に同レターは「北朝鮮が化学兵器である神経ガス、びらん剤等を製造する能力を有しており、実際既に化学兵器を保有している可能性が高い」とも記している

●そしてそのような兵器は地上侵攻部隊に対し、火砲やミサイル等の多様な兵器に搭載して使用されるであろうと同レターは表現している
●ただレターは国防省の基本姿勢を強調することも忘れず、「いかなる事態が朝鮮半島で生起しようとも、国防省は米国が主導している対北朝鮮の経済的で外交的な対策をサポートし、同時に紛争発生に際しては即応できるような態勢を維持し続ける」とも述べている
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これまで対北朝鮮に関する米軍の動きとしては、北朝鮮の地下施設対処を米陸軍が組織を挙げて全力で検討しているとの米陸軍RCO長の話や、空母3隻集積でも現場部隊の態勢に何の変化もないとの話や、精密誘導兵器の増産が課題だとか、グアムに弾薬10%増量保管(今後ご紹介)だとかですが、まだまだ先は長そうです

NK biol.jpgトランプ大統領からはもっと米国製兵器を買えと言われ、米国へ向かう弾道ミサイルをなぜ撃ち落とさないのかとも言われ、真剣みが感じられない印象ばかりが残っていますが、北の50日以上の沈黙の裏に何かあるのかもしれません・・・

10月27日の回答レター
https://lieu.house.gov/sites/lieu.house.gov/files/Response%20to%20TWL-RG%20Letter%20on%20NK.pdf

米軍と北朝鮮の関連記事
「国防省2トップアジア訪問と北朝鮮」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-28
「米空軍がJDAMや精密誘導兵器増産へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-24
「米陸軍が対北朝鮮に緊急準備開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-12

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米国防省幹部:有事には在日米軍戦闘機は分散後退 [Joint・統合参謀本部]

緊急アップ:米国防省高官ブリーフィング
中国と紛争に至ったら、「在日の米軍戦闘機は、地域の10以上の島々に分散後退させる」

Dunford korea.JPG10月31日付ハワイ発Defense-New記事は、複数の国防省高官(The officials)がダンフォード統合参謀本部議長のASEAN国防相会議から韓国訪問に同行した記者団に対し対中国を中心に情勢ブリーフィングを行った様子を紹介しています

ブリーフィングの日時は記載されておらず、誰が行ったのかも伏せていますが、冒頭にご紹介した言葉が示すように、かなり本音で率直に東アジアの脅威と米軍の見方や対応の一端に言及しており、意図的にリークしたようにも感じられます

東シナ海で中国機に対する自衛隊のスクランブルが昨年900回を超えたとか、航空自衛隊が那覇基地に2個目の戦闘機部隊を持ってきたとか、丁寧に記者団に説明しているようですが、本日は、まんぐーすが「ほぉ------。ここまで公言するようになったか・・」と感じた部分をピックアップしてご紹介します

10月31日付Defense-New記事によれば
Arctic Ace3.jpg●国防省高官たちは、北朝鮮が核兵器開発計画を推進していることで脅威は増しているが、北朝鮮との戦いは「我々が勝てる戦いだ」と表現し、一方で中国との戦いは「その推移が懸念される」述べた。 
中国軍戦闘機と日本の航空機は毎日のように接近を繰り返しており、米軍機と中国機の間の接近も増加しており、常態になりつつあると述べた

●そして高官らは、中国機による米国の防空ゾーンへの接近も試みられていると述べ、射程1000nmの巡航ミサイル搭載用に改良されたH-6Kバジャー爆撃機が、グアム島に接近していると語った
H-6Kが搭載巡航ミサイル射程距離までグアム島に接近することも「まれではない」と述べ、「中国はグアム島攻撃の訓練を行っている」と説明した

有事に米軍機は日本から撤退
Arctic Ace2.jpg●ブリーフィングした全ての国防省高官は、中国との紛争の危機が差し迫っているという状況にはないと強調したが、地域の米軍は、太平洋での戦いがどうなるかを再考していると述べた
●そして「(中国との)紛争では、敵からの航空攻撃にさらされることになろう」と想定していると述べた。

●また、同高官らが共有している一つの作戦コンセプト「agile combat employment:機敏な戦力展開」について言及し、「在日本の米軍最新戦闘機は、地域の島々の10-15の未整備な緊急展開基地に分散させる」と述べ、
●「このコンセプトでは、分散した不便な展開場所でも最新戦闘機が作戦可能なように、迅速に兵たん支援も分散支援体制を整える必要がある」、「米空軍は最近のArctic Ace演習などで、燃料の緊急配分訓練をすでに開始している」と説明した

●そして高官たちは、戦力を分散配備することで、中国がどこを優先して攻撃すべきか判断することを困難にすることが狙いだと述べた
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Arctic Ace.jpgagile combat employment:機敏な戦力展開」とはよく言ったもので、帝国陸軍が「撤退」ではなく「転進」と表現したことが思い出されます

9月中旬に元陸幕長の岩田氏が、有事に米軍が第一列島線からグアムのラインまで一時的にせよ撤退する検討をしているから、日米が協力してガイドラインと防衛大綱を同時並行見直し、備えを強化すべきと訴えていました

決して米軍の「転進」を責めているわけではありません軍事的合理性に基づく、極めて自然な動きであり、当然の考え方です

問題は、「脅威の変化」に対応した「戦い方」や「作戦」の変化を自由に語れない日本人の軍事的素養の低さと、脅威の変化を無視する国内戦闘機命派の存在です

トランプ大統領の来日で急激な動きがあるとは思いませんが、表層的な情勢動向だけでなく、ましてや野党の視点でもなく、大きな脅威の変化をしっかり見据えて備えたいものです

米シンクタンクで同期の3将軍と
「岩田元陸幕長の発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-09

沖縄戦闘機部隊の避難訓練
「再度:嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-25
「嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-23-1
「中国脅威:有事は嘉手納から撤退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13

グアム島の抗たん化対策
「被害復旧部隊を沖縄から避難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-28-1
「テニアンをグアムの代替に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-16-1
「グアム施設強化等の現状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-30-1

「グアムの抗たん性強化策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-30-1
「グアムで大量死傷者訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-08-1
「グアム基地を強固に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12

「米と豪が被害想定演習を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-02
「在沖縄米軍家族の避難訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-21
「嘉手納基地滑走路の強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-09

「Wake島へ避難訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-04-1
「テニアンで作戦準備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-05
「ブルネイの飛行場を確認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-14

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あのX-47B製造企業がMQ-25から撤退 [Joint・統合参謀本部]

米軍需産業界に衝撃!
X-47Bで空母艦載無人機開発をリードしてきたNorthrop Grummanが撤退表明

Wes Bush.jpg10月25日、Northrop Grumman社(NG社)のCEOであるWes Bush氏が会見し、10月初めに米海軍から公式発刊された初の空母艦載無人機で空中給油を主任務とするMQ-25の提案要求書を検討した結果、要求に答えられない可能性があるとして提案を辞退すると発表しました

NG社は、空母艦載無人機がステルス性も持った攻撃機UCASやUCLASSとしてコンセプト開発されていた時の担当企業で、デモ機であるX-47Bを仕上げ、空母への離発着に成功させて空母無人機のノウハウを確立した先駆者であり、MQ-25競争でも優位だと見る向きもあったことから、業界や関係者に衝撃を与えています

NG社CEOは、具体的に提案要求書のどの部分に課題が見つかったのか明確にしなかったようですが、いろいろな見方があるようで、要は米海軍の無人艦載機への要求があまりにも単純な給油機レベルで、つまんない・・・やってられない・・みたいな感情もありそうでご紹介します

10月25日付Defense-News記事によれば
NG MQ-25 3.jpg●NG社CEOのWes Bush氏は具体的な理由は語らなかったが、同社幹部の間に、この提案要求書に示された細部要求に対応し、かつ利益を出すことに疑問の声が上がったようである
●同CEOは25日の会見で、「この機会を頂いたところであるが、率直に言えば、機種選定競争に勝つことだけが目的ではない。勝利は重要だし、その時はうれしいだろう。しかし実際にそれを実現できないまま、製品を提供するようなことになれば、それは誤った行為である」と語った

●そして「長年にわたり米国で、わが社の目的は何かを考え、懸命に事業に取り組んできた」、「国防分野で米国や同盟国の信頼を得て努力してきた中で、侵すことができない信頼があり、この提案要求書を厳正に審議し、我々が遂行できるかを検討した結果でもある」と表現した
●更に「最終的に提示された特別な形の提案要求書(particular nature of that final RFP)」が、わが社をして機種選定から撤退することを決断させた、と語った

●専門家は、今年に入って同社が応じなかった3件目の提案要求書だとし、次期練習機T-XとLong Range Standoff Weaponに続く事例だと語った
●同社はX-47B以外にも、海軍分野で無人機の実績がグローバルホークの海洋監視版であるMQ-4C Tritonや、無人多用途ヘリであるMQ-8 Fire Scoutの実績がある

NG MQ-25 4.jpg●これで機種選定に参加するのは3企業(Boeing、 General Atomics、Lockheed Martin)になったが、シンクタンクCNASのJerry Hendrix氏は、NG社提案と同じ「flying wings」タイプを準備しているロッキードも危ういのではないかと見ている
●またTeal GroupのPhil Finnegan氏は、NG社の決断はもっともで、米海軍がハイエンド機から低コスト給油機に考え方を変えたことから生じた決断だと述べ、「ボーイングはコストに重点を置いて最初から取り組んでおり、FA-18部品の流用や、米空軍給油機の経験も生かしている」との見方を語った

●更に提案機を公開しているGeneral Atomics社もコスト重視で、MQ-1の経験を生かして中高度長時間航空機の実績が豊富であると分析している。ただ、海上システムの経験が不足してる点も指摘している
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NG MQ-25.jpg要するにNG社は提案要求書を見て、米海軍はわが社の提案に目を向けていない、わが社の提案に勝ち目無し・・・と判断したということでしょう。
米海軍がハイエンド機から低コスト給油機に考え方を変えた」ということです。

ボーイング社は、米空軍の3大重要事業である次期空中給油機KC-46Aを受注し、経費固定契約で取り組んでいますが、大幅に経費超過状態にあり、自腹を切って2018年に18機納入期限を目指し、苦しい戦いを継続中です

政治的な背景で、ボーイングの傷を癒すような結果に誘導されないことを期待しますが・・・

MQ-25のゴタゴタな道のり
「提案要求書を発出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-13
「MQ-25でFA-18活動が倍に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-03
「MQ-25のステルス性は後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27 

「CBARSの名称はMQ-25Aに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「UCLASSはCBARSへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-02
「UCLASS選定延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1

「米海軍の組織防衛で混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01
「国防省がRFPに待った!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-12

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海兵隊が輸送艦からロケット弾発射試験 [Joint・統合参謀本部]

HIMARS3.jpg10月22日、米海兵隊の揚陸輸送艦Anchorageに搭載した車両搭載ロケット弾発射機(HIMARS)からロケット弾で、約70㎞離れた陸上目標の攻撃に成功したようです。

実験は、20日から加州沖で実施れている米海軍と海兵隊の共同着上陸作戦演習「Dawn Blitz 17」で行われ、ちなみに同演習には陸自の1個中隊規模のみが海外から正式参加しています(オブザーバーはチリ、ペルー、コロンビア、メキシコから)

米軍は中国やロシアの対艦ミサイルの脅威を重視し、「クロスドメイン」や「マルチドメイン」の発想でこれに対処しようと取り組み始めていますが、これまで遠距離攻撃能力のなかった輸送艦に、軽易にロケット発射車両を搭載することで、攻撃能力を付与する発想です

25日付Defense-News記事によれば
HIMARS.jpg2010年から始まった着上陸作戦演習「Dawn Blitz」であるが、今年の同演習では、HIMARS(High Mobility Artillery Rocket System)と米海兵隊F-35Bを着上陸部隊に組み込むことを一つの眼目としている
●車載ロケット発射機を運用する士官は、「敵の強固な防御エリアで、長射程攻撃能力で地上部隊の活動を支援する方策を探っている」と説明した

●9月21日、海兵隊司令官のRobert Neller大将が海兵隊協会総会で、着上陸部隊に敵の沿岸防御部隊を妨害したり破砕する能力が必要になると述べ、「それが着上陸部隊艦艇の発射管からであれ、無人機からであれ、精密誘導兵器の射撃を目にするだろう」と予言し、
●更に同司令官は、海兵隊は将来「戦いの場に到達するために、戦わなければならなくなる」 と述べ、敵が米空母や輸送艦を洋上で攻撃する能力を蓄え、米軍艦艇群が敵の航空機や巡航ミサイルや防御システムの餌食になる可能性があると警鐘を鳴らしていた

Neller4.jpg●今や中国やロシアだけでなく、テロ組織のヒズボラやイエメンのHouthi rebelsも長射程ミサイルを備えており、2016年10月には、イエメン沖を航行中の米駆逐艦「Mason」に数発の巡航ミサイルが発射される事案も発生している
●そこで同司令官は、過去の戦いでも米海兵隊は沿岸防御を突破してきており、今後の課題はより遠方からその任務を果たすことだと語り、「仮に敵が数百マイル遠方から我が艦隊を攻撃できるなら、何とかしなければならない」、「だから我が艦艇も敵の攻撃能力を破砕しなければならない」と述べている
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中国の対艦巡航ミサイルの射程が1000nm、対艦弾道ミサイルが2300nmとか言われる中、射程70㎞のロケット弾では心もとないところですが、対テロ重視から本格紛争への備えにも舵を切った「Dawn Blitz」が始まったのが2010年ですから、仕方ないところでしょうか・・・

それにしても、Robert Neller海兵隊司令官の動きがどうしても気になります。今時珍しい、個性の強そうな方ですから

陸軍とクロスドメイン
「再度陸軍に南シナ海で活躍期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16
「ハリス長官がcross-domainを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05
「ハリス大将も南シナ海で陸軍に期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06

「射程300kmの対艦ミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「CSBA:米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14
「尖閣防衛に地対艦ミサイル開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-14

Neller海兵隊司令官の熱い信念
「被害状況に備え訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-16
「基本的な防御手段を復習せよ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-10
「生活習慣を改善せよ!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-08

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ハリス司令官の後任は史上初の空軍幹部か!? [Joint・統合参謀本部]

O'SHAUGHNESSY2.jpg20日付Defense-Newsは、来年5月で就任3年目を迎え、来年夏には退役が予期されるハリス太平洋軍司令官(海軍大将)の後任者候補として、同コマンド初の空軍人司令官が誕生する可能性を複数の関係者からの情報として報じています

その最有力候補は、現在同コマンド内で太平洋空軍司令官を務めるTerrence O’Shaughnessy空軍大将で、アジアや朝鮮半島での勤務経験と、その謙虚な姿勢が高く評価されてるようです

一方で米海軍は、太平洋艦隊の第7艦隊所属イージス艦2隻が相次いで衝突事故を起こし、17名の乗員の命と戦力の損失を招いたとことから、第7艦隊司令官が更迭され、その上司でありハリス司令官後任の有力候補だった太平洋艦隊司令官Scott Swift海軍大将が退役を発表した今、勢いがありません

Swift.jpg記事は、空軍人司令官誕生の最大の障害は、元海軍の英雄パイロットで上院軍事委員長であるマケイン議員が大の空軍嫌いであることだと紹介していますが(まじか?)、そんな雰囲気だということらしいです

トランプ政権の政治任用ポストが全く埋まらず、国防省の政策担当次官も空白のままで、その下の総括次官補(David Trachtenberg氏)がやっと承認され次官代理に就任する有様ですから、対中国や対北朝鮮の作戦指揮を大統領直属で執る重要な太平洋軍司令官は早めに固めたいことでしょう

20日付Defense-News記事によれば
●4人の本件関係者からの情報によれば、太平洋空軍司令官O’Shaughnessy空軍大将がハリス司令官の後任の最有力候補である。
●同空軍大将は、2012-13年に統合参謀本部でアジア担当政策副部長を務め、続いて太平洋軍の作戦部長、更に在韓米軍の副司令官を2年間務めたアジア通である

O’Shaughnessy3.jpg●このF-16パイロットである司令官を知る者は、非常に謙虚で注目を集めることを好まない人間で、その人柄が今になってやっと注目を集めることになっていると評している
●この空軍大将の太平洋軍司令官就任への最大の障害は、米海軍シンパで米空軍嫌いで知られるマケイン上院軍事委員長であると見られているが、米空軍関係者によれば、ノミネートへの第一歩である同軍事委員会スタッフへのO’Shaughnessy空軍大将の説明を行っていない模様である

●一方で米海軍内では、有力後任候補と見られていたScott Swift太平洋艦隊司令官が、9月末に米海軍トップから「太平洋軍司令官への道はない」と告げられ、(慣例に従い)引退を表明(退役時期は米海軍に任せて)しており 、勢いがない
Davidson.jpg●現在は、米海軍艦艇戦力司令官(Fleet Forces Commander)のPhil Davidson海軍大将が有力候補言われているが、経歴の大部分が大西洋や中東エリアで占められアジア経験がほとんどない

●同海軍大将は、空母アイゼンハワー戦闘群司令官や統合参謀本部で戦略計画副部長を務め、国務省でアフガンとパキスタンの特別代表補佐官を務めた経験もある
前職は欧州を拠点とする第6艦隊司令官で、経歴書を見ると若手士官時代に太平洋艦隊の幕僚を務めた経験はあるようだ。一方で同大将は、次の米海軍作戦副部長の有力候補でもある
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経歴から見るとO’Shaughnessy空軍大将の知見に期待したいところですが、その場合、西太平洋の戦略環境と脅威環境を素直に見つめ、航空戦力(特に戦闘機)にどれだけ見切りをつけられるか、がカギとなるでしょう

Harris CSIS3.jpgついでに、旧来の思考からなかなか抜けられない自衛隊(特に航空自衛隊)に、「引導を渡す」事にも期待が集まります

ハリス司令官については、退役後に豪州大使への配置も噂されており、引き続きアジア太平洋地域のために頑張っていただきたいものです

ハリス司令官の関連記事
「新政権2度目の航行の自由作戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-03
「ハリス司令官:INF条約は宗教戒律か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-29
「米陸軍に南シナ海で期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16

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米海軍が空母艦載給油機のRFP発出 [Joint・統合参謀本部]

D-704 GA.jpg10月の第一週、米海軍がこっそりと、初の空母艦載無人機となる無人空中給油機MQ-25 Stingrayの提案要求書(RFP)を発出していたことが11日に明らかになり、米海軍協会web記事が米海軍航空部隊報道官などの発言を紹介しています

提案要求書は「Lockheed Martin」、「Boeing」、「Northrop Grumman」、「General Atomics」の4企業に提示され2019年の運用開始に向け、機種選定作業が本格化します

そんな中、早くもGeneral Atomics社が提案機種の模型を公開し、話題を集めているようです

11日付米海軍協会web記事によれば
米海軍は具体的な要求事項をほとんど明らかにしていないが、MQ-25 Stingrayは空母から500nm離れた場所で、15000ポンドの給油が可能な性能が求められることになる
●現在FA-18の戦闘行動半径は約450nmであるが、MQ-25 の導入によりこの距離を追加で300~400nm延伸することが可能となる計算になり、700nmを超える行動半径を獲得することになる

D-704 GA2.jpg●機種選定に参戦する4企業のうち、General Atomics社は早くも、ターボファンエンジンにV型尾翼を持つ「D-704 buddy tank refueling system」の想像図を明らかにした
●同社も、機体の大きさや燃料搭載量などの細部は明らかにしていないが、MQ-1やMQ-9が搭載する光学ボールカメラを搭載し、着陸ギアが機体内に格納されるS-3バイキング方式を採用している

●また、米海軍が設定した要求性能に加え、同社は拡張性の余地を設計に含めている
●退役海軍少将で同社に勤務するTerry Kraft氏は、「兵器搭載やISR装備搭載の余地を確保している。海軍は既にレーダー搭載用のフック装備を求めている。最終的にはこの無人機はトラックになるんじゃないか」と最後は冗談まで飛び出した
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拡張性は重要ですが、要求性がグラグラで、中途半端な「困ったちゃん」ができ上るのではないかと危惧します。

MQ-25A.jpg現在FA-18飛行時間の3割程度を割いている給油任務を軽減することで、FA-18本来の作戦任務に充当できること。

また、MQ-25が任務用給油と帰還時給油の両方をこなすことができ、その両方をFA-18給油型よりも効率的に行って4~6機の面倒を見ることができるてる点も導入効果として強調されています

MQ-25のゴタゴタな道のり
「MQ-25でFA-18活動が倍に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-03
「MQ-25のステルス性は後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27 
「CBARSの名称はMQ-25Aに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「UCLASSはCBARSへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-02

「UCLASS選定延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1
「米海軍の組織防衛で混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01
「国防省がRFPに待った!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-12

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新技術:水中を「飛ぶ」弾丸に注目 [Joint・統合参謀本部]

DSG round.jpg9日の週に開催されていた米陸軍協会総会に並行して行われた装備品展示会で、あるノルウェーの弾薬製造企業「DSG Technology」が注目を集めました。

その企業が特許を取得して製造する小火器や機関銃の弾丸(5.56mm, 7.62mm .50 caliberなど)は、特殊な加工により、従来の弾薬より水中でも水の抵抗に強く、より遠くまで威力を保ったまま進むことができるというのです

例えば「.50 caliber」弾丸は、水中で60mも正確にかつ威力を保って到達することができるようで、船舶に接近する敵のダイバーや無人水中艦の対策に有効だと米海軍関係者も既に試験を経て好感触を得ているようです

このほかに、水上艦艇から水中の不審物に対して発射しても、従来の弾丸は一定以上の角度(60度以上との分析も)がないと水面で弾かれてしまうところ、同社の弾丸は20度以下でも大丈夫との資料もあり、水上艦艇への「敵の群れ」対処に頭を悩ませていた海軍関係者に朗報となっているようです

12日付Defense-Tech記事によれば
DSG round2.jpg●DSG Technologyはノルウェ国籍の企業だが、バージニア州にオフィスを持ち、ワイオミング州に製造工場を持つ企業で、CEOのJon Andre Garberg氏は米陸軍協会の展示会場で、水中を「飛ぶ」弾丸について説明してくれた
●Garberg氏は同社が特許を持つ弾丸について、弾丸が水中を進む際に起きる「cavitation; 液体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象」により生じる気泡の中を、弾丸が「飛ぶ」のだと説明し、従来の水中を「泳ぐ」イメージと異なると強調した

●そして同CEOは弾丸の特許について、「弾丸の先端(tip)が鍵だ。わが社が発明したんだ」と語り、弾丸(5.56mm, 7.62mm .50 caliberなど)に興味を持つ米軍関係者が既にやってきていると述べた。
●また、「.50 caliber」弾丸は水中で60mも正確にかつ威力を保って到達可能で、同社製造の他の弾丸は全て、空対空、空対水中、更に水中発射も可能だとアピールした

DSG round3.jpg●更に同CEOは同社特許の弾丸の特長について、他社の弾丸と異なり水面で跳ね返されて「水切り」を起こさない点を強調し、他の周辺艦艇を危険にさらすことがないことをアピールした

●そしてこの弾丸の必要性について、不正規な戦いで無人水中艇や特殊部隊のダイバーが大きな脅威として認識されているが、その発見は容易だが対処に課題があったと述べ、「(水中での威力を確保するため、大型の)カノン砲など使用する必要はなく、わが社の弾丸なら普通の機関銃(.50 caliber)で十分威力を確保できる」と述べた

●ただし一方で同CEOは、「価格については語りたくない」とし、「他の高性能弾丸と同程度だ」と述べるにとどまった
●なお12日には、米海軍水上戦闘センターのJeremy Hankins技術専門官も同社の展示スペースを訪れ、「既にいくつかの性能確認試験を行い、良好な結果を得ている」と認めている
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いろんな目の付け所があるんだなぁ・・・と感心しました。

DSG round4.jpg従来の弾丸がどの程度水中で有効なのか承知していませんが、船舶の推進力を邪魔する「cavitation」を活用し、「水中を飛ぶ弾丸」に結びつけるとは大したものです。

ちなみにwikipedia情報によれば、ロシアのスーパーキャビテーション魚雷「シクヴァル」は、この現象を応用したもので、人為的に大量の気泡を先端部から発生させ、そこにできた空洞を弾道とすることで、水中でありながら 200 kt ( 約370km/h ) 以上の速度を実現している様です。これが先駆者かもしれませんねぇ・・・

キャビテーションの解説
http://web.tuat.ac.jp/~kamelab/list2/cav.htm  
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%93%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

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米陸軍が対北朝鮮に緊急準備開始 [Joint・統合参謀本部]

Wiltsie.jpg11日付Defense-Newsによれば、対北朝鮮に向けて在韓米軍で様々な課題が明らかになる中、9月に韓国を訪問した米陸軍の緊急能力造成室RCOの室長が、対北朝鮮に向け同室が緊急で取り組んでいる事項についてボンヤリ語りました

米陸軍の緊急能力造成室(RCO:Rapid Capabilities Office) は、米海軍や空軍の同様組織の成功を受け、2016年8月に発足したばかりですが、主に電子戦、位置特定航法、サイバー戦を力点に、部隊の要求を官僚機構をすっ飛ばして迅速に実現することを期待されている特別組織です

同記事は、電子戦やGPSが妨害を受けた際の位置特定航法技術の開発に取り組んでいる様子も紹介していますが、本日はとりあえず、対北朝鮮でどんな技術に取り組んでいるのか語った部分をご紹介します

11日付Defense-News記事によれば
Wiltsie2.jpg約5週間前に韓国を訪問したばかりのDoug Wiltsie緊急能力造成室RCO室長は、在韓米軍と米陸軍第8軍が、朝鮮半島情勢への対処に不足する部分を穴埋めするため、膨大な取り組みを行っていると5日語った
●そしてRCOは、既に中心課題として取り組んでいる電子戦や位置特定航法(PNT:Position, Navigation and Timing)のほかに南北境界線付近に北朝鮮が仕組んでいる地下施設対処に注力していると同室長は語った

●更に室長は、「地下施設対処には、我がRCOだけでなく、米陸軍中が膨大な力をつぎ込んで取り組んでいる」、「北朝鮮は地下トンネルに野戦砲やロケット弾を隠しており、それらで緒戦を戦おうとしており、当然地下に弾薬を保管し、化学兵器も隠されていると見られている」と説明した
Wiltsie3.jpg●そして、「膨大な地下施設の位置を特定し、どこに何があるのかを把握することで、作戦をどのように組み立てるべきかを考えることができる。このプロセスは本当に極めて重要な取り組みである(very, very important as part of that project)」と強調した

●地下施設特定に加え、電子戦も重要課題であるが、朝鮮半島での脅威対応は欧州大陸でのそれとは少し異なるとWiltsie室長は述べ、朝鮮半島では、まずより多くの航空アセットを投入し、後に地上アセットを送り込むことになろうがどのように送り込むかが(how that is going to go in)現下の検討課題だと語った
●また位置特定航法(PNT)に関し取り組んでいる成果を、朝鮮半島に投入しようとしているとも語った
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イージス艦とパトリオットミサイルだけが「カラ元気」で懸命に活動し、戦闘機が何の意味もない「B-1爆撃機とのランデブー飛行」で忙しいふりをしている日本には、特に関係のない陸上自衛隊の皆様には、少しは刺激のある報道だったかもしれません

Wiltsie4.jpg真剣に考えればそうですよねぇ・・・。38度線沿いの非武装地帯やその周辺の地下施設対処は最重要課題ですから・・・・

しかしこのWiltsie緊急能力造成室長の話からすると、まだまだ米軍は北朝鮮と正面切って対峙する状態には無いとも見えますしこんな話を軍事メディアに語っていて大丈夫か???と思います。
言葉で北を威嚇しているつもりなんでしょうか???

米陸軍の新たな電子戦への取り組み
https://www.defensenews.com/show-reporter/ausa/2017/10/11/heres-how-the-armys-electronic-warfare-program-differs-from-years-past/

RCOや同様の国防省組織
「米陸軍もRCO設立」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-01
「米高官が注目技術を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-09-1
「国防省戦略能力室SCOの主要課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-10
「カーター長官のSCOアピール」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-03

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衝突事故のイージス艦マッケインを横須賀で修理 [Joint・統合参謀本部]

フィッツジェラルドは米本国で修理も、マッケインは優秀な横須賀の施設で修理へ

USS McCain.jpg4日、米太平洋艦隊司令部は、8月21日にシンガポール沖でタンカーと衝突事故を起こしたイージス艦USS John S. McCain (DDG-56)の修理を、日本の横須賀基地で行うと発表しました。
現在シンガポール港に係留されている同艦艇に対する修理見積の結果、コストや運用再開までの期間、更に搭乗員の訓練等を総合的に勘案し、横須賀での修理が最適と判断されたそうです。

一方で、6月17日に日本の沖合で商船と衝突事故を起こしたUSS Fitzgerald (DDG-62)は現在横須賀に係留中ですが、より衝突の被害が大きいため、12月にミシシッピ州の造船所に輸送されて修理を行う模様です。

もちろん、McCainとFitzgeraldの間には被害の大きさに差があるのでしょうが、アメリカ国外では唯一空母の母港として機能している横須賀基地の海軍修理施設を優秀さをあらためて示すことになりました。
ここで重要なのは、米海軍の修理施設といえども、修理最前線の作業を担っているのは米軍に雇用されている日本人だということです

4日付米海軍協会web記事によれば
Yokosuka.jpg●米太平洋艦隊は米海軍協会に対し、「既に米海軍の前方展開海軍の拠点である横須賀で修理を行うことは、艦艇の乗員とその家族に対しても、安定と継続性を提供できる」との理由も説明している
●また米太平洋艦隊は、「艦艇修理に加え、第7艦隊内で、乗員の任務復帰に向けた訓練や資格維持に集中できる」とも説明している

●イージス艦マケインへの被害は大きかったが、被害の大部分が乗員の居住区域と機械室であり、電気系統にほとんど被害がなかったこともこの決定に影響している
●米海軍協会が入手した情報によれば、米海軍は同艦の修理費を約250億円と見積もり、約1年間必要と考えている模様

Yokosuka3.jpg●米海軍は、同艦艇を10月末までに「heavy-lift transport」により横須賀に移送する準備を進めている
●イージス艦McCainとFitzgeraldは、ともに空母ロナルド・レーガン空母戦闘群を構成する艦艇で、ミサイル防衛能力を提供する艦艇である
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米海軍の横須賀基地内には大型艦船用ドックがあり、各艦艇の日々の点検及び修理業務は横須賀基地内で行われます。

横須賀基地が機能しなければ、艦船の点検及び修理などは往復におよそ半月から1か月を要するハワイ・オアフ島の真珠湾、またはアメリカ本土の基地内の修理施設で行う必要があるため、米海軍の西太平洋でのプレゼンスを示すには、横須賀基地の修理能力は欠かせません

更に・・・弾薬の補給(トマホークとかSM-3とか)の観点からしても、極めて重要と言わざるを得ません。

Yokosuka2.jpg1865年に江戸幕府により設立された横須賀製鉄所を基に、1871年に横須賀造船所として設立され、その後1903年以降は大日本帝国海軍により横須賀海軍工廠として利用されていますが、ドックの中には幕末に建設された日本最古でありながら、いまだ現役で使用されている施設もあるようです。


米海軍関連の話題
「無人機で対艦ミサイル照準」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-27
「レールガンの現状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-30  
「無人給油機で艦載機行動半径倍増へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-03

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無人給油機で空母艦載機行動半径倍増へ [Joint・統合参謀本部]

MQ-25 6.jpg8月31日付米海軍協会web記事は、米海軍航空司令官Mike Shoemaker中将がこれまで誰も具体的に語らなかった無人艦載給油機MQ-25 Stingrayの運用効果に言及する様子を紹介しています。

具体的に、現在のFA-18の最大行動半径は約450nmだが、MQ-25導入によりこれを300~400nm延伸できる語り、懐かしのF-14Dトムキャットが引退した2006年まで確保していた650nmを超える活動半径を獲得できるとしています

また以前ご紹介した精密着艦誘導装置「MAGIC CARPET」 の導入で搭載燃料に余裕ができ、また搭載兵器の射程や能力向上も相まって、空母艦載機の総合的な戦闘能力が向上させるとの構想(夢)を語っています。

8月31日付米海軍協会web記事
Shoemaker.jpg●Shoemaker海軍中将は米海軍研究所の機関誌「Proceedings」に対し、2019年からの運用開始を目指して企業提案に向けた準備が進められているMQ-25 Stingrayの導入で、FA-18やEA-18Gの作戦行動半径が最大400nm延伸できると語った
●同中将はMQ-25が、空母から500nm離れた地点で、15000ポンドの燃料を艦載機に提供可能との数字を挙げて運用構想に言及した

●具体的には、現在450nm程度しかない艦載作戦機の行動半径が、300~400nm延伸して700nmを超える距離になると同司令官は表現し、2006年まで米海軍が使用していたF-14Dがドロップタンク2個を使用して可能だった半径650nm運用と比較して語った
●また海軍航空部隊の指揮官として同中将は、現在FA-18飛行時間の3割程度を割いている給油任務を軽減することで、FA-18への負担を減らして本来の作戦任務に充当できる点も、MQ-25導入効果として強調した

●艦載の空中給油機は、任務用給油と帰還時給油の2つのタイプの給油を行うが、MQ-25はその両方をFA-18給油型よりも効率的に行うことが可能で、4~6機の面倒を見ることができる
●またMQ-25と合わせ、精密誘導誘導装置「MAGIC CARPET」の導入によって、帰還時の安全確保予備燃料提供用の空中待機給油機のニーズが減少することも期待できる

MQ-25A Navy.jpgMQ-25の操縦者について同中将は無人ヘリMQ-8B/Cを有人ヘリ操縦者が「cross-train」で要請配置する方式と似た方式を考えており、「MQ-25を運用する小さな派遣部隊を編成して空母に派遣することになろう」、「操縦者はFA-18、E-2、EA-18G、F-35から要請されるだろう」と語っている
●しかしMQ-25の価格については言及がなかった。価格については、6月にMQ-25開発計画責任者Mark Darrah少将にインタビューした際も言及を避け、「最初に価格目標を企業に提示するのではなく、要求性能を提示して企業の提案価格を聞き、その後に要求とのトレードオフを検討するアプローチを考えている」と説明していた

●現在MQ-25計画は、最終的な提案要求書の詰めに入っており、Richardson海軍作戦部長が望む2019年の運用開始に向け、「Northrop Grumman」、「General Atomics」、「Boeing」、「Lockheed Martin」が提案を行う方向にある。
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まぁ・・もちろん艦載機の行動半径が伸びることは好ましいことですが、今の中国軍の対艦兵器や搭載アセットの行動範囲を考えれば、効果の程は限定的ではないでしょうか?
第2列島線付近にまで空母が後退することも十分考えられますからねぇ・・・

MQ-25A-3.jpgMQ-25操縦者の確保については、説明がよく理解できません無人ヘリの「cross-train」に似たようなとか、「small detachment of officers who run the MQ-25」を設置するとか、もう少し説明が欲しいところです。

無人機の導入実績からすれば、運用環境が厳しい海軍は空軍よりはるかに慎重ですが、それだけに海軍の無人機導入は「人間の物語」としても面白そうです

驚きのMAGIC CARPET
「F-35Cの着陸精度が素晴らしい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-22
「FA-18とEA-18Gにも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-09

MQ-25のゴタゴタな道のり
「MQ-25のステルス性は後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27 
「CBARSの名称はMQ-25Aに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「UCLASSはCBARSへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-02

「UCLASS選定延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1
「米海軍の組織防衛で混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01
「国防省がRFPに待った!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-12
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米陸軍:イスラエル製戦車防御システム導入へ [Joint・統合参謀本部]

米陸軍少将「開発に興味はない。部隊配備に関心があるんだ」

M1A1FIRING.jpg8月21日付Defense-Techは、米陸軍が朝鮮戦争当時から追い求めてきた戦闘車両積極防御システム(APS)装備を米国開発でなくイスラエル軍が既に導入しているイスラエル製を導入する方向で間もなく決定すると報じています

この戦闘車両積極防御システムAPS(Active Protection System)は、近年急速に発達している対戦車ミサイルなどから戦車などを防御するもので、装甲を厚くしたりする「受動的手段」ではなく、対戦車兵器に対し金属球を散弾銃のように発射して無効化を狙う「積極的手段」の装備です

米軍自身も1950年代から何度か開発に着手してきたようですが、戦車の有効性や投資の有効性、開発品の出来栄え、他の事業との優先順位等々の理由から装備化には至らなかったようです

Trophy APS.jpg今回米陸軍が迅速な導入に取り組んでいる理由を記事は説明していませんが、まんぐーすが考える理由は2つ

まず対ISIS戦の教訓や米陸軍が将来のポイントだとする巨大都市での戦闘を考えたとき、近年急速に発達している対戦車ミサイル等の脅威が無視できなくなっていること。
そして更に、米軍に鮮烈な印象を残ししているウクライナでの教訓から、ロシア軍が既にAPSを既に導入して有効性が明らかになったことも大きな背景だと考えます

冒頭に紹介した米陸軍少将の言葉は限られた予算で最大の効果を得るには、設計から始まる研究開発に時間や経費をかけていられないとの「やむを得ない」背景と選択と覚悟が生んだものでしょうが、情勢の変化に応じ、何とかしようとする米陸軍戦闘車両担当者の努力をご紹介します。

Rafael社の紹介映像(約2分半)


21日付Defense-Tech記事によれば
●米陸軍で地上戦闘システム計画を担当するDavid Bassett陸軍少将は、米陸軍が来年度予算でM1A1戦車への搭載を間もなく決定する方向にあるAPSは、イスラエル軍が既にメルカバ4戦車に装備している通称「Windbreaker」と呼ばれている「Trophy Active Protection System」だと説明してくれた
Trophy APS2.jpg●同APSはイスラエルのRafael社とElta社が開発し、2009年からメルカバ4戦車に搭載を開始している装備で、イスラエル軍がハマスとのガザ地区での戦闘で有効に機能していると評価し、同少将が「1個旅団分の価値がある能力付加だ」と期待する装備でもある

●同APSは戦車の全周をセンサーでカバーし、車両の両側に装着された回転式発射機がショットガンのように小型金属球を発射して戦車を防御するもので、戦車1台に4~5千万円で装備できる

Bradley M2A4.jpg●同少将と担当の大佐は、 新型装甲車両AMPV(Armored Multi-Purpose Vehicle)を除き、米陸軍は現有装備の近代化や改良を、コストがかかる設計開発から行うのではなく、イスラエル製APS導入のように既存装備の導入で行う方向だと語った
●同少将は「多くの施系や開発が必要でない既存装備の導入は、迅速に能力向上を進める一つの方策である」、「開発に興味はない。部隊配備に関心があるんだ」とも表現している

同少将の担当分野に米陸軍は年間約3300億円の予算を配分しているが、「膨大な分野に配分しなければならず、いかに効果的に限られた資源を配分し、成果に結びつけるかに苦心している」と同少将が語る現状がある
●同少将はまた「陸軍の主要戦闘装備を新規に開発する予算はなく、私は予算を効果的に使用し、すべての旅団装甲戦闘チームABCTを概ね同時に能力向上させたいと考えている」とも述べている

howitzer M109A7.jpgAPS以外には、「30mm cannon」と「CROWS II(Common Remote Operations Weapon Station II)」を使用し、「FGM-148 Javelin」を米陸軍装甲車両内から発射可能にすること等を考えており、M1A1戦車以外にも、「Bradley troop carrier, the M2A4」や「Paladin howitzer, the M109A7」の能力向上に取り組んでいる
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まぁ、米陸軍としては戦車を中心に話題が進んでいることに疑問の向きもありましょうが、戦闘車両全体への取り組みと理解しておきましょう。

全般には海軍と空軍に押され気味な米陸軍の、装備近代化の最前線をご紹介しました。

本記事の背景を探る関連記事
「ロシア陸軍がすごかった:防研のレポート2017」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「米陸軍トップ:10年で巨大都市戦に備える」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-22

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米海軍初:無人機の照準情報で対艦ミサイル [Joint・統合参謀本部]

そうなんだ・・これも初めてなんだ!?

Harpoon.jpg8月22日、グアム島沖で訓練中の沿岸戦闘艦LCS「Coronado」が、無人ヘリからの目標情報により、米海軍史上初めてハプーン対艦ミサイルRGM-84D Block 1C)を見通し線外の水上目標に発射して命中させました。

またMH-60H有人ヘリも情報伝達リンクに加え、射撃後の攻撃成果確認も(BDA:Bombing damage assessment)行った模様です。MQ-8B無人ヘリは遠方監視用(C型は輸送用)で、MH-60Sは主に輸送を担う多用途ヘリ(R型が対潜哨戒用)で、共に沿岸戦闘艦に搭載されている装備ですが、これに必要なセンサー等を搭載し、今回の遠方目標ターゲティングを成功させたものです

敵がA2AD能力の発展で各種ミサイル等により遠方攻撃能力を増す中、米海軍はNIFC-CA構想の下、米海軍航空アセットの情報をリンクでつなぎ、より遠方から現有対艦及び防空ミサイルを発射しようと試みています。例えば、艦艇防空用のSM-6ミサイルを対艦ミサイルに応用し、E-2DやF-35によって得られた目標情報で攻撃しようとの取り組みです

MQ-8C.jpgMQ-8B無人ヘリやMH-60Sは敵の脅威に弱い装備だけに、実戦の場面で目標情報を入手する前方センサーとして活用する構想があるのか不透明ですが、搭載されたセンサーや他アセットのターゲティング情報で艦艇攻撃を行うのは「重要な一歩」ですので、「まだ初めてなんだ」とも思いましたがご紹介しておきます

また、「アジア太平洋リバランス」の目玉事業の一つとして数年前に打ち上げられた、シンガポールへの4隻の沿岸戦闘艦ローテーション派遣の現状についてご紹介します。

25日付Defense-News記事によれば
MQ-8.jpg●米海軍の発表によれば、沿岸戦闘艦「Coronado」に所属するMQ-8B Fire Scou無人ヘリやMH-60S Seahawkへりは、搭載した水上レーダーや光学センサー等々のセンサー情報をデータリンクを通じて母艦に提供し、対艦ミサイル発射後はその飛翔もモニターし、攻撃後はその戦果確認も行って母艦に伝えた
●MQ-8B無人ヘリには、「AN/ZPY-4(V)1 multi-mode radar」「FLIR Systems Brite Star II day-and-night electro-optical turret with a laser-target designator」が初めて装備され、艦艇に搭載された。

●「Coronado」は昨年10月からの約1年間に及ぶシンガポール派遣の最終段階にあり、同LCSが所属する第73任務機動部隊を指揮するDon Gabrielson少将は、「約5万もの島々が点在するフィリピンからインドまでの海域を担当する上で、同艦の作戦行動と維持整備が成功裏に行われたことを高く評価する」と語っている
●具体的には今回の派遣期間内に、同LCSの定期整備をベトナムのカムラン湾で実施する実績を収め、またフィリピンとの海賊対処共同訓練も行ったと同少将は成果を語った
●また現在のグアム周辺での訓練を終了後、同LCSは9月にスリランカとインドネシアに向かい、それぞれの国の軍と訓練を行う予定だと同少将は説明した

HH-60G.jpg●シンガポールのChangi海軍基地に4隻をローテーション派遣をシンガポールが受け入れることに合意しているが、2018年末までには、初めて2隻の米海軍LCSが同時にシンガポールにローテーション派遣派遣されることになると、同少将は明らかにした
●現時点でLCSは、5隻が任務についており、3隻が進水後に各種装備を搭載作業中で、2隻が建造中である

●沿岸戦闘艦は任務に合わせて多様なモジュールを選択して艦艇に搭載する「modularity」が特長だが、同少将は「このmodularityを実現することが将来には重要で、装備と人員の両面で、多様な任務と装備に習熟することで当地域の多様な任務需要に対応するようにする」と語っている
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LCSindep.jpg「アジア太平洋リバランス」の目玉事業の一つとして、新型艦艇LCSをシンガポールに4隻ローテーション派遣すると米国防長官(パネッタ長官)が打ち上げたのが2012年春でした。

同艦1~2隻の派遣については、前任のゲーツ長官時点(2011年)でシンガポールが同意していますが、6年前の政治的アピールさえまだ実現していないのが「アジア太平洋リバランス」の実態です。

Gabrielson少将が述べているように、2018年末に初めて2隻の派遣が実施されたとして、7年遅れの実現で、2012年に大々的に打ち上げた4隻体制の確立など期待しないほうが良いでしょう
実際のところ、2013年春にヘーゲル長官がLCSのシンガポール派遣に言及して以降、4隻ローテーション派遣に国防省は言及していません

今年の春、マティス長官はアジア安全保障会議で「私は地域の皆さんの話しを聞きに来た。ここで得た情報を元に、政策を煮詰めて生きたい」との主旨の発言をし、具体的なアセットの名前に一切言及しませんでした。これが米国防省のアジア政策で、コミットするとの言葉だけが泳いでいる実態です

無人機によるターゲティング情報リンクについては、今後MQ-8B無人ヘリやMH-60Sが実戦でもその役割を担う構想があるのかに注目したいと思います

関連の過去記事
「映像:MQ-8の着艦試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-25
「リバランスは終了。それで?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-15
「国防長官がLCS削減要請」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-18
「LCS2隻の派遣は同意」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-10

NIFC-CA関連の記事
「道遠し?:NIFC-CAの進展」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26
「米海軍のNIFC-CAとは」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26
「最新型E-2早期警戒機が岩国へ展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-16

「F-35がNIFC-CA試験に初参加」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-14
「kill chainからkill webへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-15
「日本&韓国とBaseline 9契約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-28
「日本もNIFC-CAに参加?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-11

「SM-6でBMD対処に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-05
「Baseline 9 :イージス艦の進歩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09
「NIFC-CAとSM-6連携」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-27
「NIFC-CAで空軍と協力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-23


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米爆撃機2種欧州展開と欧州対策に警告 [Joint・統合参謀本部]

対露で欧州にもB-1とB-52爆撃機派遣

B-1B.jpg8月23日付米空軍協会web記事が、対ロシア抑止のための一環として米空軍の大型爆撃機B-52とB-1が英空軍基地に派遣され、東欧諸国(スロバキア、ポーランド、チェコ)等で航空ショーや演習に参加すると報じています

この大型爆撃機派遣は、米軍がロシア対処のため2015年から開始し、今年は昨年の4倍増の予算で推進しているERI(欧州確証取り組み:European Reassurance Initiative)の一部と見られますが、一方で米国防省の監理監察官は、このERIの遂行体制や有効性検証体制が不十分であると指摘する報告書を22日に公表しており、併せてご紹介します

また7月に米海軍FA-18がシリア上空でシリア軍SU-22を撃墜して以来、緊迫していると考えられている同地域での米国とロシアの関係に関し、多国籍部隊側の幹部が、対ISIS作戦がますます密集して混雑する中でも、両国間の作戦調整電話回線が有効に機能していると23日にブリーフィングしているので取り上げます

米空軍大型爆撃機の英国展開
B-52-UK.jpg8月23日に米空軍のB-1爆撃機2機とB-52爆撃機1機が、英国空軍のFairford基地の到着したと米欧州コマンドが発表した。
●これら爆撃機は、8月26~27日にスロバキアで開催される「Slovak International Air Fest」と、ポーランドでの「Radom International Air Show」に参加する予定である

●またその後、8月28日から9月9日までの間にチェコで実施される毎年恒例の演習「Ample Strike 2017」に参加し、昼夜連続の攻撃訓練に焦点を当てた訓練に望む予定である

F-15Cもバルト3国とアイスランドに
F-15C.jpg●また欧州米空軍は、空軍戦力を持たないバルト3国の領空保全のため、英国配備中のF-15Cをリトアニアに派遣すると発表したした。現在ポーランド軍F-16が担当している任務を引き継ぐもの
米空軍が同任務を担当するのは2014年以来で、9月から2017年末まで担当する予定

●また23日、米本土の州空軍所属の6機のF-15Cがアイスランドに展開し、領空監視任務を実施すると欧州米空軍が発表した

米国防省監察官がERIに注意喚起
East-Euro22.jpg22日に米国防省監理監察官が発表したレポートは、(昨年比で4倍になる)ERI予算に伴って急増する欧州コマンドの作戦や演習について、同コマンドの人員やインフラ等が十分に整う前に実施しなければならなくなる恐れがあり、リスクを伴うと注意喚起を発している
●また同レポートは、欧州コマンド自身もERI実施に伴う各種影響や効果を把握する「評価基準:metrics」や手段を保有しておらず、ERIの結果を把握し、以降の改善につなげる準備が出来ていないとも指摘している

●監察官はERIの一環である「大西洋の決意作戦:Operation Atlantic Resolve」に関する動きを中心に評価を行っているが、同時に(予算の強制削減の恐れから来る)将来の予算の不透明・不安定さも、ERIの有効性のリスクの一つとなっているとも指摘している

シリアでの米露調整ラインは有効に機能中
●23日、対ISIS作戦多国籍軍の副司令官であるRupert Jones英陸軍少将が記者団にブリーフィングし、シリア内の作戦は(ISISの勢力範囲が狭まり、対IS側が集中する傾向にあることから)「より混雑してきている」が、多国籍軍側とロシア側との作戦調整回線は「有効に機能している:serving us very well」と語った
ISIS-TOYOTA.jpg多国籍側が支援するシリア民主軍と、アサド大統領側の軍が、「Tabqa and Manbij」のような地域で近接して作戦すること増えつつあるが、「緊張緩和の要領は手順どおりに遂行されている」と同少将は語った

●また同少将は、「手順を確立しており、如何に緊張を緩和し、衝突を回避するか把握している」、「今後は更に戦域が狭くなって混雑すると予想される」とも表現した
●米軍が支援するシリア民主軍は、約2500名のIS戦闘員が固める都市「Raqqa」に向かって進撃しており、多国籍側作戦機が攻撃を行っているとも説明した
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最後の「シリアで米露調整ラインが有効に機能」は、昨今の北朝鮮を巡るロシアの動向を踏まえるとにわかに信じがたい部分ですが、英陸軍少将が嘘を言う必要もないので、ロシアにとってもISIS後のシリアやイラクを考えての態度なのでしょう

欧州正面でロシアにも目を配らないいけない米国は大変です。
ロシアも、米軍が疲労困ぱいで必死の遣り繰りの中でERIに取り組んでいることは十分承知しているでしょうから、効果の程は良くわかりません。それこそ「評価基準:metrics」が必要かもしれません。

F-15J.jpgそういえば日本でも、戦闘機命派がアピールする東シナ海での対領空侵犯措置(スクランブル対処)に関し、本当に現在の日本の法的基準や行動基準で、またこれだけハードに投資して有効なのか、何らかの「評価基準:metrics」が必要だと思います

まんぐーすは、ソフト面で強化することにより、ハード面への投資負担を減らす方向に舵を切るべきだと思います

ERIに関連する記事
「対露の欧州米軍予算4倍を説明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-16-2
「欧州への派遣や訓練を増加」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-08-1
「F-35初海外はやっぱり英国」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-21
「F-35海外展開訓練発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-15

中東での米露関係
「米FA-18がシリアでSu-22撃墜」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-19
「モスルはISから解放されたけど」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-11

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改善提案で個人携行品重量を3割カットへ [Joint・統合参謀本部]

Marine Innov2.jpg4日付Defense-Techが、米海兵隊が業務改善提案や新技術のアイディアを募る「Marine Corps Innovation Challenge」を実施し、2016年のコンテストで数百の提案から18個の優良提案が選ばれた中から、海兵隊兵士の個人携行荷物重量を削減する「スマート」な提案を紹介しています

同記事が紹介する「スマートデバイス」を用いた方策が、本当に個人携行品を減らすのか疑問な気がするのですが、それれはさておき、米海兵隊が行っている個人のアイディア募集と優良提案の扱いが興味深いところですので、アイディア募集映像(担当の中将が自ら出演)とあわせご紹介します

4日付Defense-Tech記事によれば
Marine Innov.jpg●2016年の米海兵隊改善提案(2016 Marine Corps Innovation Challenge)において、Alexander Long上級軍曹が考案した前線部隊の補給サイクルを改善して個人携行荷物を削減する「スマートディバイス」を活用する提案が18個の優秀提案の一つに選ばれた
●同軍曹の提案はPCARD(Personal Combat Assistant and Reporting Device)と命名された前線部隊用システムで、スマート時計のような個人装着型端末と、分隊長クラスが保持する「タブレット」端末、そしてシステム全体を管理する小隊長レベル用のノート型PC等から構成されており、リアルタイムで前線部隊のニーズを把握し報告できる

分隊長は個人装備型の端末で各兵士のニーズを把握し、小隊長は全体の物資保有状況を掌握して、何を優先してどれだけどのように補給物資を要求するか決定できる
●このように部隊全体のニーズを的確に把握することで、現在基本として少なくとも3日分の補給物資を個人で携行することになっているが、この分量を減らすことが可能になると、提案者のLong軍曹は考えている

●同軍曹の見積もりに寄れば、現在は一人約30~45kgの補給物資を背負って行動するが、このPCARDが構想どおりに機能すれば、その重量を33%削減可能である。
●これまでも海兵隊は紺人携行荷物の量や重量削減に取り組んできたが、最新技術で更に大きな改善が見込まれると同軍曹は自信を持っており、海兵隊が別に検討している小型無人機による補給物資の最前線への配分構想とも連携できると考えている

提案実現への支援体制など
Marine Innov3.jpg●もちろんサイバー対策は第一優先の要確認事項だと同軍曹も認識しており、この改善提案コンテストを主催している海兵隊司令部の部署や軍曹が勤務する海兵隊システムコマンドとも連携し検証を進めている
●既にこの提案は、南ミシシッピ大学や軍需企業との共同研究体制でプロトタイプ作成に動いており、海兵隊部隊での実地試験も始まっており、より大規模で本格的な部隊試験も10月に計画されている

●なお、Long上級軍曹にはこの提案の功績により、2017年7月から有名なスタンフォード大学の起業家啓発プログラムを履修するチャンスが与えられた
8月15日から正式にスタートする2017年の同提案募集は、「兵站:logistics」に焦点を当てたものとなっており、優秀な提案は国防省研究機関や関連する大学などと協力体制を構築し、Long軍曹の提案のように実用化に向けた組織的支援を得ることが出来る。

提案を募集する担当中将出演のYouTube映像
https://youtu.be/vECZ1lUsny4
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ところで、前線兵士にタブレットや携行型個人端末を普及させるのは時代の流れとして理解でき、上手く活用できれば情報共有や指示命令の徹底に有効だとは思うものの、本当の前線で充電はどうするのでしょうか?

Marine Innov4.jpgイラクやアフガンでの様に、毎日拠点となる設備充実の基地から出動して夜戻るならまだしも、敵の支配地域や勢力下地域に侵入するとなればどうするんでしょう? 小型ソーラーパネルでも持ち運ぶのでしょうか? かなり気になっています

しかし、映像の中将殿を含め、本当に海兵隊の皆さんはたくましいですね・

米海兵隊関連の記事
「小型無人機対処に悩む」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-17
「艦載援護&攻撃&電子戦機を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-24
「電子戦態勢の強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-06

Neller海兵隊司令官の熱い信念
「被害状況に備え訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-16
「基本的な防御手段を復習せよ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-10
「生活習慣を改善せよ!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-08


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