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被害状況下に備え海兵隊が訓練改革 [Joint・統合参謀本部]

Neller3.jpg14日付Defense-Techが、Neller海兵隊司令官の強いリーダーシップの下、米海兵隊部隊がサーバー攻撃等で被害を受けた状況を想定した訓練に取り組む様子を伝えています。

昨年8月のCSIS講演で同司令官が力説していたように、現在の米軍はITデバイスに依存しすぎ、敵からサイバーや電子戦攻撃を受けた場合、自身や友軍の位置特定や通信までも不能になる可能性があると危惧されています

そこで同司令官は戦いの原点に帰ることを部隊に要求しており、CSIS講演でも「自分が背負って持ち運べる装備や食料で生き延びよ、穴を掘れ、カモフラージュして身を隠せ、全ての電子デバイスの電源を切れ、屋外に身を隠しそこで寝られるように訓練せよ」「音を立てるな、何も外部に発するな。さもないと敵に発見され攻撃されるぞ」と米海兵隊部隊に教育していると力説していました

本日はそんな米海兵隊の中で、昨年秋にアフリカに派遣された部隊(Special Purpose Marine Air-Ground Task Force-Crisis Response-Africa)が、派遣前に行った準備訓練の一端を記者団に説明したようですのでご紹介します

14日付Defense-Tech記事によれば
Marine-okinawa.jpg●特別編成部隊の指揮官だったDan Greenwood大佐は、「何度もアナログ時代に戻って訓練した」と語り、「サイバー攻撃を模擬して通信ネットワークを遮断し、コンピューターをオフにして、無線一つだけを通信手段として対応することを強要した」と訓練を説明した
●また同大佐は、紙の地図やコンパスなど、原始的とも言える道具を使った作戦遂行を海兵隊歩兵部隊に要求したと説明し、「我々が若い頃に学んで育った手法だ。その様な基本技術を思い出させる訓練を行った」と語った

●一方で同大佐は、展開先によってはオフラインでの戦いが大きな課題となる地域もあると表現し、米本土の2倍の大きさがあるアフリカ大陸の広大さを指摘した
●そして「アフリカのような広大な大陸では欧州での作戦と異なり、大陸のどの地域にいるかによって衛星通信の異なる周波数を使用する必要がある」、「アフリカ大陸内の3000km離れた2地点で意思疎通が必要な場合、それはワシントンDCとカリフォルニア間で通信するようなものであり、衛星通信なしで代替手段を考えることが難しい」と指摘している
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昨年8月のCSIS講演で海兵隊司令官は自虐的に
Neller4.jpg●最近のある海兵隊演習で、展開先で司令部施設を設置する訓練を行い、仮設の指揮所施設に大きなカモフラージュ用ネットが被せられた。敵の航空攻撃を想定する必要が無かった最近の実戦では、あまりやらなかった訓練である。
●ネットの偽装効果を確認するため上空からの映像で検証すると、仮設指揮所の周りに張り巡らされた様々な通信ケーブルやワイヤーが太陽光を反射し、重要な施設が中心に隠されていることが手に取るように明らかだった。敵なら容易に発見できる状態だった。そしてその欠陥に部隊の誰も気付いていないのだ

●これまでの対テロ戦の敵とは異なる相手と対峙しなければならない現実を直視し、自分自身の姿を見直せ。考え方を変えなければダメだと教育している
●イラクやアフガンでは、聖域的な位置づけの整った拠点から出動し、拠点から機動展開することもなく、ダイニングホールで食事し、挽き立てのコーヒーを飲むことが出来た環境だった
ハイテク技術の活用とその利用が不可能になった場合への備えのバランスが重要で、戦いに於いては全てが不透明で不確実だ

また今年2月には部隊に指示を出し
Marine-okinawa.jpg過度の飲酒や喫煙、更に食生活の乱れは敵を利することになる自己虐待」だ、「スマホなど電子デバイスを脇に置き、安楽椅子から離れ」、食事のバランスを考えて体重管理を行い、健康管理を再確認せよ
海兵隊員の多くが所属する部署や大隊程度の範囲にしか視野が向いておらず、ストローの穴から世界を見るような狭い世界で暮らしているように危惧している。海兵隊員皆に、より大きな組織に属し、全員でその任務を遂行しているのだと言う事に思いを致して欲しい

建設的な意味でもっと楽しめ:Have more fun。兵舎で過ごすばかりでなく、サーフィンを始めるも良し、新しい語学を学ぶも良し、仲間や社会とのつながりを持ったり、地域の自然に親しんだりして余暇を過ごして欲しい
●海兵隊の訓練の厳しさから逃げるのではなく、仲間とぶつぶつ文句を言いながらも、笑い飛ばして取り組め。共に乗り越えた苦難は団結を強固にする。退役する時になって、一番思い出すのがこんな時の事なんだ
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Neller2.jpg今後この様な基本に返る訓練が、陸海空軍でも増えることでしょうし、Neller海兵隊司令官のような訓示が増えるのでしょう

でもアフリカならずとも、米本土から前線の作戦を指示することや、無人機を操縦することも難しくなりますよねぇ・・・。課題山積み・・・ですね

Neller海兵隊司令官の関連
「基本的な防御手段を復習せよ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-10
「生活習慣を改善せよ!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-08 

被害状況下への備えを訴える
「米海軍将軍:妨害対処を徹底する」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-21
「空軍OBも被害対処を重視」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-23-1
「被害状況下で訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-23

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18年ぶりに空中戦で敵機を撃墜:FA-18対SU-22 [Joint・統合参謀本部]

戦闘機命派が固執する空中戦で18年ぶりの撃墜
でも、、、まだ空中戦訓練に固執するの?

SU-22.jpg18日、対ISIS作戦に参加している米海軍FA-18が、爆弾投下後のシリア軍SU-22戦闘爆撃機を、空対空戦闘により撃墜しました。
シリア軍のSU-22は米軍が支援するシリア民主軍SDFの活動地域を爆撃しており、米軍は多国籍軍の交戦既定と集団的自衛権に基づき、味方であるSDFを攻撃したSU-22をFA-18により直ちに撃墜した模様です

6月8日には、関係国が非戦闘地域(deconfliction zone)に指定している地域で、対ISIS対処部隊の訓練キャンプをシリア軍保有と推定される「無人機MQ-1に似た」無人機が攻撃し、米空軍F-15Eが撃墜する事案が発生したところでした

SU-22 2.jpgこの様にシリアやイラクでの対ISIS戦は、ISISの劣勢が伝えられる中、これまで比較的遵守されてきた米国ロシア間の「非戦闘地域(deconfliction zone)指定」を無視する「仁義なき戦い」の域に入り始めており、アサド政権&イラン&ロシア連合と 米国主導の多国籍軍の戦いの推移が注目されます

でも今日の注目点は、18年ぶりの空中戦撃墜です。
これを機会に、戦闘機命派が何時までも固執する「空中戦」が激減し、「空中戦技能」の重要性が急降下している現実を再確認し、他に考えるべき事があるだろう!、と叫ばせて頂きます。

18日付Military.com記事によれば
18日米中央軍は、米国が支援するSDFを攻撃したシリア軍SU-22戦闘爆撃機を、米海軍FA-18が空対空戦闘で撃墜したと発表した
SU-22 3.jpg●なおシリア軍SU-22は、今年4月にシリア反政府側の支配地域を化学兵器で攻撃した航空機と考えられており、SU-17やSU-20の派生型の戦闘爆撃機である。なお多国籍軍側は、この化学兵器攻撃を契機として、米海軍駆逐艦2隻から50発以上の巡航ミサイルをSU-22根拠基地に発射し攻撃した

シリア軍によるSDF支配地域への進軍は初めてで、多国籍側はロシアに緊張緩和の申し入れを行ったものの変化が見られなかった状況であった
同SU-22はSDF兵士近傍に爆弾を投下したモノで、米中央軍は「多国籍軍の交戦既定と集団的自衛権に基づき、直ちに米海軍FA-18によって撃墜した」と発表している

●この様な空対空戦闘での敵戦闘機撃墜は、1999年コソボ紛争時の米空軍F-16によるセルビア軍Mig-29戦闘機撃墜以来である
●またFA-18による空対空戦闘による撃墜は、1991年湾岸戦争時に、2機の米海軍FA-18が2機のイラク軍Mig-21戦闘機を撃墜して以来である


日本の戦闘機命派はどう反応するのか?
F-35 Japan OUT.jpg●日本の戦闘機命派が、次の中期防衛力整備計画(平成31年度~)で戦闘機飛行部隊の増強を企て始めているとの噂を耳にし、とんでもないとあきれ果てる一方で、陸自が現在の中期防作成時に増員を持ち出し、結局現状維持ぐらいを勝ち取った歴史を思い出し、同じ作戦かとため息がでる思いである
米国防省の報告書「中国の軍事力」がここ数年一貫して、中国軍の軍事力増強や組織改革の目的が、「地域の紛争において高列度の戦いで短期間に勝利を収める」事にあると結論づけ、弾道・巡航ミサイルやサイバー・宇宙・電子戦能力強化に中国が邁進していると明記する中、航空自衛隊はこれへの対処を無視し続け、脆弱な戦闘機投資だけに固執中

「F-3開発の動きと日本への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「2016中国の軍事力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15

鉄砲が戦いを制する時代に剣術に固執した戦国大名の悲劇そのままに、未だに「操縦者綱領(香料、荒涼)」や「ファイターパイロット魂」なる時代錯誤の呪文を唱えるだけで無く、「ただ飛んで飛行手当を確保したい」「支配者意識とポストを確実に享受していたい」との思いを包み隠し、真に抑止力強化や粘り強い戦いに必要な施策、つまりクロスドメイン装備や強靭性強化等々に資源配分を行わず、サイバー宇宙電子戦への投資や人材育成もかけ声だけ、後回し&「すすめの涙」で誤魔化している
F-35 Luke3.jpg●脅威が変化している中、根拠の希薄な戦闘機飛行隊とパイロット数維持に固執(増強との暴挙も含め)する事により、操縦者以外の重要性が高まる構成員の士気を削ぎ、加えて「飛行訓練」以外の教育訓練投資もサラミスライス削減し、中国軍が真に力を入れている「高列度・短期戦」への備えを無視し、平時からグレーゾーンの領空保全任務だけをアピールし、スクランブル回数だけで操縦者の存在感(自己満足感)を売り出している

「織田邦男の戦闘機命論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-06
「中国報道:J-20が運用開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-14
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02

F-35 luke AFB.jpg●そんな日本の戦闘機命派には、空中戦能力を2の次にし、搭載量や航続性能をより重視する米空軍の次期制空機(PCA)検討は目にしたくない情報だろう。ましてや、ステルス性に依存しようとしていた中で、米空軍がエスコート型電子戦をPCAより優先する「あせっている」様子を見せられ、状況が全く理解できない脳死状態かも知れない
●米空軍PCA検討の背景には、脆弱な航空基地など精密誘導兵器やサイバー戦等で当初から利用不可となる可能性が高く、遠方から数少ないアセットで対処するしかないとの極めて自然な脅威認識がある。また、地対空ミサイルの機動性や射程が急速に発展し、制空機の速度や機動性をいくら高めても脅威を回避できないと単純に予測できるからである

「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

「ACC司令官も電子戦機を早期に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27
「20年ぶりエスコート電子戦機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-20

●空対空戦闘での撃墜が18年間発生しなかったのは、大国同士の戦いが無かったからだけではない。通常戦力における圧倒的な米軍との差を認識している潜在的敵国が、戦闘機VS戦闘機や、艦艇VS艦艇の戦いを避け、非対称の戦いを場に選んだからである。
●この様な変化を独占支配者である戦闘機命派は肝に銘じ、次期中期防では「戦闘機」や「戦闘機操縦者の訓練」の質を根本的に見直すことから開始し、平時からグレーゾーンの領空保全任務アセットや訓練への投資を削減方向で見直し、真に抑止力強化や粘り強い戦いに必要な施策に資源を振り向けるべきである

「脅威の変化を東アジア戦略概観で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「広中雅之は対領空侵効果に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1
「小野田治も戦闘機に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05 

F-15 JASDF.jpg●この際、平時からグレーゾーンの領空保全任務の遂行が抑止力につながると見なされた過去と決別し、戦闘機操縦者の手当とポスト確保の既得権益に結びついてると見なされつつある事を忘れてはならない
また、「操縦者綱領(香料、荒涼)」や「ファイターパイロット魂」を正面に掲げることが、脅威の変化や戦略・戦術環境の変化を理解出来ない点に於いて、書籍「失敗の本質」が描いた太平洋戦争当時の日本軍高級士官そのままの姿である事にも気付くべきであろう

書籍「失敗の本質」に学ぶ
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-12-31
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SU-22とFA-18の性能差や搭載兵器からすれば、「空中戦」というよりも、「狙い撃ち」だったと思いますが、空対空戦闘の範囲をそこまで拡大しても、それでも空対空戦闘は18年ぶりなわけです

F-15 upgrades.jpgそれでも操縦者の命は重いから、しかり空中戦訓練をさせ、空中戦用の戦闘機を装備せよというのなら、地上の飛行場や指揮所で勤務する兵士の命はもっと危機にさらされるでしょう。
戦闘機を個々に撃破するよりも、地上の作戦基盤を直接狙ったほうが、敵からすれば費用対効果が高いでしょう

グレーゾーンの領空保全を重視するなら、ハードに投資するよりも、法制や交戦規程をまず改正し、ソフト面から抑止力をまず高めるべきでしょう

報道機関の皆様には、航空幕僚長の記者会見や沖縄の那覇基地で、是非、質問して頂きたい
18年ぶりの空中戦で米軍機が敵戦闘爆撃機を撃墜しましたが、受け止めをお聞かせ下さい」とか、
米空軍のPCA検討をどう思われますか」とか、

空自の次の戦闘機議論では、どのような点がポイントですか」とか、
前の齋藤空幕長は退任直前、スラストベクターに言及(東京の郊外にまで世界中から嘲笑が聞こえてきた問題発言)されていましたが、杉山空幕長は如何ですか」とか・・・

米空軍の次期制空機PCA検討
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「F-35にアムラーム追加搭載検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-28

制空戦闘機より電子戦機を優先
「ACC司令官も電子戦機を早期に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27
「20年ぶりエスコート電子戦機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-20

くたばれ日本の戦闘機命派
「中国報道:J-20が運用開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-14
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02
「脅威の変化を東アジア戦略概観で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08

「F-3開発の動きと日本への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「F-35の主要な問題点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

空自OBに戦闘機を巡る対立
「織田邦男の戦闘機命論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-06
「広中雅之は対領空侵効果に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1
「小野田治も戦闘機に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05 

ロバート・ゲーツ語録2
→海軍は空母が支配し、戦闘機と爆撃機が空軍を支配し、戦車が陸軍を、そして着上陸用車両が海兵隊を支配しているのが実態である。
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-09
ロバート・ゲーツ語録3
→皆に気づいて欲しい。空軍の歴史の大部分は空中戦と爆撃機の能力で彩られているが、ベトナム戦争以来、空軍パイロットは空中戦で撃墜されていない
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-09

ロバート・ゲーツ語録10
→米軍には20世紀の世界観が根強く残っており、変化を妨げている。米軍は戦闘で40年間航空機を失っておらず、朝鮮戦争以来、敵の攻撃を受けていない。しかし、21世紀の制空権は米軍の従来の想定とは全く異なるであろう→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07
ロバート・ゲーツ語録11
→米空軍は、空対空戦闘と戦略爆撃に捕らわれすぎており、他の重要な任務や能力を無視しがちである。ある意味で空軍は、その成功の犠牲者とも言える→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07

ロバート・ゲーツ語録12
→私がCIA長官の時、イスラエルが無人機を有効使用することを知った。そこで米空軍と共同出資で無人機の導入を働きかけたが1992年に米空軍は拒否した。私は3年前、今度は無人機導入のため牙をむいて4軍と立ち向かった→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07
ロバート・ゲーツ語録33
→全ての潜在的敵対者、つまりテログループ、ならず者国家、ライジングパワー、これら全てが共通に学び得たものは、米国と通常戦の手法で正面から対峙するのは賢明ではないとの認識である→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-27

ロバート・ゲーツ語録37
→彼らのサイバー戦、対衛星・対空・対艦兵器、弾道ミサイルへの投資は、米軍の主要なプロジェクション能力と同盟国の支援能力を脅かす。特に前線海外基地と空母機動部隊に対して顕著である。またそれらへの投資は、足の短い戦闘機の有効性を殺ぎ、どのような形であれ遠方攻撃能力の重要性を増す→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-27
ロバート・ゲーツ語録79(2011年1月の発言)
→北朝鮮は米国に対する喫緊な脅威ではない。一方で、今後5年間に関してはと言うことである。正確に言うならば、その程度の時間で、北朝鮮はICBMを開発するだろう→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-09-1

ロバート・ゲーツ語録100選
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

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空母艦載無人空中給油機MQ-25Aのスケジュール感 [Joint・統合参謀本部]

MQ-25A.jpg12日付米海軍協会web記事は、米海軍航空システムコマンドへの取材等をまとめ、初の空母艦載無人機となるMQ-25A空中給油機今後のスケジュールと搭載予定空母について紹介しています。

同コマンド報道官は、「MQ-25A Stingray」の作戦投入について語るのは時期尚早だと言いながらも、2020年には運用開始したいとの意向を米海軍首脳が示すなど、結構なスピード感で進んでいる様子が伺えます

4社が機種選定に挑む予定だとか、技術的な問題はX-47Bの試験を通じかなり固まっている雰囲気だとか、そんなに開発リスクが無いような印象を受けました。

12日付米海軍協会web記事によれば
MQ-25A-2.jpg●要求する姿が激しく揺れ動き、重装備の突破型攻撃機から軽武装の偵察機兼務に議論が広がり、最終的には空中給油任務を主とする現在のMQ-25Aだが、最初に2つの空母、George H.W. Bush (CVN-77)とDwight D. Eisenhower (CVN-69)に搭載することになり、まず空母ブッシュに無人機管制装置やデータリンク装置を約30億円で搭載することになったと同報道官は語った
●なお空母ブッシュは、2013年に艦載無人機技術デモ機のX-47Bが、初めて着艦に成功した空母でもある

●具体的に、同空母に何時上記装備を搭載するか不明確だが、米海軍トップのJohn Richardson大将は、同機の開発を急ぎ、2019年には搭載し、2020年には戦力化したい意向を他幹部と共に示している
●米海軍は現在、2017年末には提案要求書を発出する方向で準備を進めているが、4企業(General Atomics, Lockheed Martin, Boeing and Northrop Grumman)が対象となる見込みである

MQ-25A-3.jpg●なお、2018年度予算には約250億円のMQ-25A開発研究費が計上されているが、空母ブッシュに必要装備を搭載する経費は、燃料交換と大規模修理(RCOH)に入る空母G.ワシントンの運用経費から振り替える予定である
●MQ-25A開発研究では機体にどうしても注目が集まるが、予算の2/3は無人機管制装置やデータリンク装置の開発等に充当されており、米海軍航空コマンドに託されている

●同報道官はMQ-25A導入後の運用について語るのは時期尚早としているが、米海軍が同機の導入を急ぐのは、FA-18の飛行の約3割が空中給油任務に裂かれており、対ISIS作戦等の激化と共に機体への負担が急増しているからである
●なお米海軍は、空中給油機だけでなく、次のステップとして攻撃や偵察任務を担う艦載無人機に向かうはずだが、MQ-25Aと同様に様々な要求性能や任務に関する意見が飛び交い、米海軍として議論が煮詰まらない状況にある
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MQ-25A-4.jpg突破型攻撃機のUCASから、ちょっとソフトなUCLASSと呼ばれた時期には興味があったのですが、ドロドロの水面下議論を経て空中給油機となった「MQ-25A」には全く興味が湧かなかったのですが、2020年の作戦投入を目指すとの「意気込み」に興味が少し復活しました

なにせ、FA-18操縦者の要求度が高い装備ですから、米海軍内での推進力も期待できましょう。円満に機種選定が進み、開発や試験が順調である事を祈りつつ、ご紹介と致します

空母艦載無人機の経緯と現状
「MQ-25のステルス性は後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27
「CBARSの名称はMQ-25Aに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「UCLASSはCBARSへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-02

「UCLASS選定延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1
「米海軍の組織防衛で混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01
「国防省がRFPに待った!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-12

「関連企業とRFP最終調整へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-19
「会計検査院が危惧」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-10
「X-47B空中受油に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-05
「なぜUCLASSが給油任務を?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-02-1

「哀愁漂うUCLASS議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-17
「UCLASSで空中戦?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-24
「UCLASSの要求性能復活?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-14
「夢しぼむUCLASS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-21

「米海軍のNIFC-CAとは?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26
「脅威の変化を考えよう」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08

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こっそり米海軍がFA-18の80機以上増強を計画 [Joint・統合参謀本部]

2018年度予算の14機取得が最後のはずだったのに

F-35 Navy.jpg13日付米海軍協会web記事は、米海軍が2019年度予算案説明のため13日付で上院軍事委員会に提出した証言書類に、今後5年間で80機以上のFA-18を購入する計画が盛り込まれていると紹介しています。理由は何時ものように、対ISIS等の作戦で予想以上に酷使され、必要な機数維持が出来ない・・・です

米海軍は2017年度予算でFA-18を2機、そして2018年度予算の14機取得でFA-18調達を終了する予定でした。それがいきなり「最低80機を調達する」との計画を持ち出し、今後5年間の各年度に最低何機づつ購入するかの計画も明らかにしています

カナダがF-35購入に慎重で「とりあえずつなぎに」18機購入方向で、クウェートが最低28機の購入を決定して生産ラインが更なる増産可能な態勢を維持する中、米海軍だけの構想段階ですが気になる増強案打ち上げです

何と言っても米海軍がF-35計画から逃げ出したがっているとの絶えない噂と、トランプ大統領の誕生前後から、「高価で開発遅延のF-35の代わりに、改良型FA-18の購入を検討」との大統領ツイートでFA-18が脚光を浴びている所でもあり、とりあえずご紹介致します

13日付米海軍協会web記事によれば
FA-18EF.jpg●13日に米海軍が上院軍事委員会の海洋戦力小委員会に提出した資料に、「2018年度予算で米海軍は14機のFA-18を購入するが、議会のご協力を得て、現有機の近代化と併せて、(今後5年間の装備導入計画である)FYDP間に最低80機を追加導入したい」、「この追加購入計画は、既存航空機の延命や能力向上と併せて実施し、米海軍戦闘攻撃機の機数低下の影響を軽減するものである」と説明している
●昨年までは2019年度以降にFA-18を要求する計画は皆無だったが、13日の証言書類には、2018年の14機に加え、2019年に23機、2020年度に14機、2021年に14機、2022年に15機をそれぞれ要求し、計82機を今後5年間のFYDP(Future Years Defense Program)で要求する計画になっている

●ただし国防省は、2019年度予算案発表時に、来年度以降の計画案は昨年時点の前政権計画を形式上記載しているだけで何ら意味はなく、現在実施中の「国防戦略見直し:defense strategy review」で明らかにすると説明している
●実際、2019年度予算案を説明した国防省高官も、「マティス長官は2019年度案の後のことは何も報告を受けておらず、何も決まっていないので、FYDPについて比較や議論をしても意味が無い」と述べていた

FA-18EF2.jpg●従って米海軍も2019年度予算案説明資料に「80機以上増強計画」は含めておらず、その後の補足資料で初めて明らかにし、今回上院への説明資料に含めた段階である。
●ただしこの80機以上増強案は、トランプ大統領がマティス国防長官にF-35と改良型FA-18の比較を命じたこともアリ、米海軍がF-35計画から離脱するサインでは無いかとの憶測を呼んでいる。

●もっとも、同日上院軍事委員会で証言した米海軍航空作戦部長であるDeWolfe Miller少将は、F-35とFA-18を比較する質問を多数受けるが、両機が相互に補完する事で、将来の米海軍や空母群の作戦は計画されており、両機とも必要だ」と説明している
また米海兵隊航空部隊副司令官のJon Davis中将や海軍システムコマンド司令官Paul Grosklags中将は同委員会で、海兵隊のF-35B型も海軍のF-35C型も順調に部隊展開や開発が進んでいると証言した。

●海軍のGrosklags中将は具体的に、ソフトのリセット頻度が、従来は5時間毎だったが、現在は40時間毎と受け入れ可能なレベルになっていると証言した
●また海兵隊Davis中将は、F-35B型の維持運用コストが予定より低く抑えられ、現在も更なる運用コスト削減に向けた検討に、部隊と企業が協力して取り組んでいると語った
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FA-18EF3.jpgF-35やFA-18の事をよく知らないトランプ大統領の発言は「話半分」で聞いておくとして、米海軍がF-35調達機数を見直す流れにあるのは間違いないと「勝手に」思います。

F-35とFA-18が相互補完関係にあるのはその通りでしょうが、Bogdan前F-35計画室長が退任直前に明言したようにF-35の価格高騰が明確な今、両機の購入比率を変えようと考えるのは当然の動きでしょう。

ソフトのリセット頻度が「40時間毎になった」と本心で喜んでいるとは到底思えず、言わされている感が漂っています。

Bogdanが最後になって正直に
「F-35価格は上昇する」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-23

FA-18を巡る米国の動き
「トランプ言及のFA-18改良型?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-07
「再びトランプがFA-18大量購入を示唆」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-18
「2/3が飛行不能の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-07

「政治ショー?F-35価格削減公表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-25
「F-35の代替にF-18改良型を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-23-1
「F-35予算削減ツイート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-13

「カナダがF-18人質に米国と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20
「国防副長官候補にB社幹部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-17
「規模の増強は極めて困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-10

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米軍機がフィリピン南部で対IS戦に [Joint・統合参謀本部]

Marawi1.jpg10日付Defense-Newsは、フィリピン南部のマラウィ市が5月末からISIS関連反政府武装組織に支配され、フィリピン軍(AFP)との交戦が激化している中、地元メディアが米軍のP-3Cや小型偵察無人機が偵察活動で支援していると報道していると紹介しています

現地報道を受けDefense-Newsが確認したところ、フィリピン軍も米軍の特殊作戦群も米軍の支援を認めていますが、あくまでも偵察ISR活動支援だけで、戦闘行動には関与してと説明しています。

フィリピンは以前から、対テロ作戦面で米国から支援を受けていた実績がありますが、ドゥテルテ大統領就任以来、両国の関係がギクシャクする中、フィリピン側が支援を要請して米軍アセットが投入されているようでもアリ、今後の両国関係を考える材料ですので、とりあえず事象をご紹介します

10日付Defense-News記事によれば
Abu Sayyaf.jpg●フィリピン南部のマラウィ市は、元々イスラム教徒が多数を占める地域の都市だが、ISISの関連を持つ「Maute」や「Abu Sayyaf」グループに加え、中東から流入したイスラム過激派も加わって活動の拠点となっていた
5月末、フィリピン軍が当地ISIS指導者である「Isnilon Hapilon」捕獲作戦をマラウィ市で実行したが失敗し、逆に混乱に乗じた過激派がマラウィ市全体を支配することとなった

●それ以来、マラウィ市をイスラム過激派から奪還すべく、フィリピン軍は懸命の作戦を続け、同市の中心部を除く周辺部の奪還に成功したが、9日にフィリピン海兵隊兵士13名が死亡し40名が負傷するなど、フィリピン軍兵士の死者は既に58名に上っている
P-3C Navy2.jpgフィリピン軍側は、都市部での作戦に対する訓練や装備の不足に悩まされており、過激派の執拗な抵抗の中、フィリピン軍内部の意思疎通不足もアリ、友軍相打ちなど混乱が伝えられている

●そんな戦況の中で地元ディアは、欧米人に操縦され戦闘地域上空を飛行する小型無人偵察機「RQ-20 Puma」や、同市上空を継続的に飛行するP-3Cの写真を報じ、P-3Cは米海軍機と識別可能だと報じている
P-3Cはイラクやアフガンでも、装備する強力な光電センサー等を活用し、地上部隊のために長時間に亘るISR任務を行っており、RQ-20はより戦術的な偵察任務を遂行可能な小型無人偵察機である

RQ-20 Puma.jpg●Defense-Newsの取材に対し米特殊作戦軍の報道官は、「米軍の特殊作戦部隊はフィリピン政府の要請に応え、マラウィ市におけるフィリピン軍の対ISIS作戦を支援している」「米軍は引き続きフィリピン軍と協力し、フィリピン軍のISR能力向上に取り組む」と電子メールで回答している
フィリピン陸軍第1師団の報道官(中佐)は、米軍はフィリピン軍に技術的支援を行っているが、米軍は戦闘には加わっていないと強調した

ウィキペディア情報「マラウィ市」
正式名称マラウィ・イスラム市(The Islamic City of Marawi)で、面積22.6平方kmに人口約13万人。イスラム教徒が9割を占めることから1980年に市名に「イスラム」を付加した
Marawi3.jpg●起伏のある丘と谷、穏やかな湖と流れ出るアグス川がマラウィの景観の特徴である。標高が高いため、熱帯にしては気温は涼しく快適で、年を通して降水量はほぼ変わらない

コメ、コーンミール、穴あきブロック製造、金細工、製材などが主産業である。また織物や木工品の制作、錫細工や鍛冶を行う小工場があちこちにある
●この地方には多くの民族舞踊があり、王妃の姿をした女性が足元で打ち鳴らされる二本の竹をまたぎながら踊るスィンキル(シンキル、Singkil)は、マラナオを代表するダンスである。

2017年、ISILに賛同するイスラム系武装組織アブ・サヤフが台頭。同年5月23日には軍治安部隊と衝突し戦闘が発生し、軍は武装組織が立てこもる住宅地域に向け、攻撃ヘリコプターによる攻撃を実施した
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米国とフィリピンのギクシャク関係につけ込み、またトランプ政権が中東や欧州で多忙なことを把握した上で、アジアのISIS分派が動き出したと言う事でしょうか。

Duterte US3.jpgフィリピン軍の報道官が「米軍は戦闘には加わっていないと強調」しているのは、ドゥテルテ大統領の視線を気にしてか、米軍からの要請なのか、フィリピン軍の意地なのか、単に真実を強調したのか・・・気になるところです。

いずれにしても、米国とフィリピンは仲良くして対中国路線で団結して頂きたいものです

米国とフィリピンの関係
「アジア安全保障会議での発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01-3
「比の主要閣僚3名が米空母へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-06
「米軍兵器の保管は認めない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-31

「米と比が細々とHA/DR訓練を開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-18
「航行の自由作戦に比基地は使用させない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-11
「ハリス大将:選挙後初の訪比へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16

「米比演習の中止に言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-08
「C-130が2機だけ展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-27
「比大統領南シナ海共同を拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15-1
「比空軍と米空軍が3日間会議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-03

日本とドゥテルテ大統領
「なぜ10月25日に比大統領来日」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-06
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欧州に米爆撃機3種類集結と露Su-27の接近飛行2回 [Joint・統合参謀本部]

B-52-SU-27.jpg9日、米本土から2機のB-2ステルス爆撃機が英国Fairford英空軍基地に到着し、5日から欧州に展開して欧州での陸軍演習「Saber Strike」や海軍演習「BALTOPS」に参加していた3機のB-52爆撃機や、8日に同じく同地域に展開して「BALTOPS」に参加していたB-1爆撃機と合わせ、史上初めて米軍大型爆撃機3機種が欧州そろい踏みになりました

ただし、B-2爆撃機は上記の陸軍や海軍演習には参加せず、「欧州には短期の滞在となる」と米欧州コマンドは発表していますので、意図的に短時間でも3機種を欧州にそろえることでニュースバリューを高め、プレゼンスやコミットメントをアピールする場にしたと思われます

3-Bomber.jpg同様の大型爆撃機の複数機種派遣は、ロシアによるウクライナ併合を受け、オバマ大統領が欧州での米軍プレゼンス増強を指示した後の2014年6月にも行われ、その際は2機のB-2と3機のB-52が欧州での演習に参加しています

なおB-52の「BALTOPS」参加は4回目で、500ポンドの模擬機雷を投下する訓練を海軍艦艇と協力して行っているようです

このような米軍爆撃機プレゼンスに対応するように、ロシア戦闘機が先週2回(しかも9日は記者団の取材中に)B-52に接近飛行(↑冒頭写真)したようで話題になっています

まず2つの陸海軍演習について
BALTOPS 2017.jpgSaber Strike 2017.jpg●時節柄、陸軍演習「Saber Strike」や海軍演習「BALTOPS」は共に、対ロシアを強く意識した演習構成。
欧州米陸軍主導の「Saber Strike」は今年で7年目を迎え、今回はバルト3国とポーランドで、約1か月間にわたる演習が実施中。JTAC(地上から精密誘導爆弾を誘導する兵士)との連携などを訓練している模様

●またNATO主導の海軍演習「BALTOPS」は冷戦時の1972年に始まった歴史ある演習で、今回はポーランド沖からドイツ沖までのバルト海を演習海域とし、14か国(Belgium, Denmark, Estonia, Finland, France, Germany, Latvia, Lithuania, the Netherlands, Norway, Poland, Sweden, and the United Kingdom)が参加して、ロシアに対するプレゼンス誇示を行っている模様

露軍SU-27による2度の接近飛行
B-1-SU-27.jpg●1回目は6日、1機のB-52が「BALTOPS」に参加してバルト海の公海上を飛行中、飛び地のロシア領である「Kaliningrad」から飛来した1機のロシア軍Su-27による接近飛行を受けた。
●ロシア国営通信社は、ロシアとの国境近くを米軍の核搭載可能爆撃機が軍事演習目的で飛行することは、欧州の緊張緩和に貢献しないと露外務省の声明を伝えている

●2回目は9日、「BALTOPS」演習を取材するために記者団がKC-135に搭乗してB-52とB-1編隊を撮影している際、1機のSu-27がB-52に接近した。
●本接近飛行に関し米国防省報道官は、安全で比較的整斉としたSu-27の飛行だったと語った
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ロシアはSu-27で米軍爆撃機の展開アピールに貢献した形になりましたが、ロシア軍もたった1機で対処ですから、そんなに気にしていないのかもしれません

Mattis tera.jpg米軍側もロシアへのアピールというよりも、マティス国防長官とティラーソン国務長官とマクマスター大統領補佐官ラインが必死で考えている、米軍プレゼンスの西側世論へのアピールといった印象です。

ロシア軍もそれなりに四苦八苦でしょうが、中東とアジアでもプレゼンス維持にを迫られている米軍の厳しさは、ロシアもよく承知しているでしょうから・・・

米軍の欧州プレゼンス
「2016年のBALTOPS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-14
「北欧でも演習強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-29
「黒海NATO演習と露軍反応」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-03

「対ロシア情報戦に国として」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-24
「欧州への米空軍派遣増加を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-08-1
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15

「第5世代機展開の教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-16
「急きょ:F-35エストニア展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25-1

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米海軍が2018年度予算で新型フリゲート艦設計要求 [Joint・統合参謀本部]

future frigate2.jpg23日公表された2018年度米国予算案で、米海軍が2020年度契約を目指して新型フリゲート艦の設計費を要求していることが明らかになりました。

米海軍は数年前から、沿岸戦闘艦LCS(littoral combat ship)を調達開始していますが、多様な脅威への対応を念頭に、沿岸地域で小回りくような比較的小規模な艦艇で、装備をモジュラー化して多様な機能を組み合わせ可能な艦艇を目指して開発をスタートしたものの、開発の遅れと経費過剰で批判を浴びています

加えて、中国やロシア等の軍事力強化により、小型で比較的軽武装のLCSが果たして西太平洋などで任務を果たせるのか、根本的な疑問が議会等から上がっているところです。
更に、2企業による機種選定の末、異例の「両方採用」のきな臭さもアリ、2018年度予算案では僅か1隻のみが予算要求されている寂しい状況です

今回明らかになった「新型フリゲート」は、その沿岸戦闘艦を基礎として検討するそうで、ネットワークだとか、任務を分散して遂行だとか、航空機でも見られる「family of system」の中のnode」のようなイメージのような気もしますが、どのようなにLCSに手を加えてくるのかはまた別の機会にお勉強です

26日付Defense-Tech記事によれば
future frigate.jpg●23日に公表された2018年度予算要求文書の中で米海軍は、「将来の脅威に追随するため、多用途フリゲートに必要な能力検討を要望する」とし、「特に水上戦闘、局地的な航空戦、更に対潜水艦戦における破壊力と生存性の最大化を優先する」と記述している

●24日、海軍長官代行を務めているSean Stackley氏は上院軍事委員会で予算案について説明し、変わりゆく世界情勢を受け、2014年当時の計画を見直し、2020年に新型フリゲート艦を契約できるように設計検討を進めると証言している
●同長官代理は、「安保環境や予算環境が変化し、軍需産業基盤も変わった」、「これら変化を受け、フリゲート艦の多機能性を向上する要求性能を精査し、2020年の契約につなげたい。沿岸戦闘艦は軍需産業基盤を維持するため、継続製造する」と説明した

●また同次官は、2018年度予算案でLCSを1隻しか要望していないが、昨年3隻要望したLCSで艦艇建造ドックは継続稼働しており、新プリゲート建造と併せ、造船所が「絶え間なく稼働:heel to toe」して健全さを保てるように希望するとも語った

future frigate3.jpg●米海軍トップのRichardson大将も、「我々の運用法は変化しつつある。ネットワークの視点で言えば、このフリゲート艦は大きな艦隊の一部となり、分散型海上作戦の遂行に寄与する」と述べ、「この変化に適応するため、我々は設計段階に立ち返り、将来必要な艦艇を獲得する機会を確実にしなければならない」と述べている
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お金が無い中、現在の目標310隻体制から355隻体制に目標を引き上げたい米海軍は、既存技術を活用して価格上昇リスクを抑え、能力向上が容易な中規模の艦を目指すのでしょうか?

ネットワーク重視は、NIFC-CAに代表される構想の駒にはまりやすいタイプとのイメージでしょうか?

いずれにしても、沿岸戦闘艦LCSをベースに・・・と言う時点でイメージ最悪からのスタートのような感じですが、今後に期待致しましょう

米海軍の夢ぶち上げ
「米海軍トップが文書「将来の海軍」を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-18
「国防長官を無視:米海軍が艦艇増強プラン」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-17

米海軍の装備もグダグダですが・・・
「ズムウォルト級ミサイル駆逐艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-22
「沿岸戦闘艦LCSがF-35化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-09
「空母建造費の削減検討に30億円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-07

「次期SSBN基礎技術要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-27
「攻撃潜水艦SSNの将来」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-28
「あと25年SLBMを延命!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13
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新型空母フォード:3年遅れで米海軍に引き渡し [Joint・統合参謀本部]

第2弾:マティス国防長官講演と質疑を追記!
2017年アジア安全保障会議を特集
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01-3
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ford-CV.jpg5月31日、米海軍の新型空母フォード級の1番艦である空母Gerald R. Ford(CVN 78)が米海軍に引き渡され今年夏の就航、2020年の初期運用態勢確立に向け、米海軍内の訓練や装備準備にかかります。

米軍装備品開発の悪しき伝統に沿うように、同空母も当初は2014年引き渡しの予定が2017年になり、この間に様々な開発トラブルや経費増の問題で話題となり、最終価格は当初の1.1兆円から1.5兆円近くに膨らんでいます。

ちなみにこの価格は、もっとも最近建造されたニミッツ級空母の最終10番艦空母George H. W. Bushの約8000億円の2倍近くで、当然、搭載する航空機の価格は含まないものです

最新の電磁カタパルトEMALSを搭載し、全体の大きさがあまりニミッツ級と変わらない中でより多くの航空機を搭載する工夫がされ、発電能力を3倍にしてEMALSや各種電子装備の充実を容易にするなどの「新しさ」が売りですが、「遅れ」「価格高騰」「トラブル」の話題先行の現状です

1日付Defense-Tech記事によれば
Ford-Class-Carrier.jpg5月31日、米海軍による完成検査を終えた新空母フォードが、8年間の製造期間を経て造船企業「Huntington Ingalls Industries」から米海軍に引き渡された
●1日朝、海洋システムコマンド司令官のTom Moore中将はCSISで講演し、「過去10年間にわたり本空母にかかわってきた我々にとって、大きく特別な夜になった」「たった今、完成検査を問題なく終了して帰港した」と語った

●同空母は、当初2014年に引き渡しされるはずだったが、更に再度2016年年初まで延期され、その後も試験の遅れや国防省試験評価局から搭載装備の技術的成熟が不十分だと指摘するなど、更に1年以上遅れての引き渡しとなった
EMALSなどの新技術に関する懸念を海軍長官も昨年末に公にし、「フォード級空母に搭載しようとしている新技術は、導入を急ぎすぎている。2002年に当時のラムズフェルド国防長官によって決定された種々の新装備は、すべてが検証不十分だ」と不満をあらわにしていた

また最近ではトランプ大統領も、Time誌インタビューで、電磁カタパルトは高価なうえに機能しないから蒸気カタパルトに戻すよう指示した旨の発言を行い、各方面に衝撃が走ったところだ
●この大統領発言について、今のところ複数の米海軍関係者は、EMALS搭載の方針に変更はないと述べているが、建造価格が当初の1.1兆円から1.5兆円近くに膨らんでいる事が今後も話題になることは間違いない

Ford Class CV.jpg●もちろんフォード級空母には優れた面もある。従来空母より航空機の発進数を35%増加させることが可能で、また3倍も発電能力で様々な電子装備を支える
●また艦艇の寿命50年の全てを支えられる原子炉を搭載できたと考えている。更に同空母は2040年まで燃料補給無しで航行を継続できる。一方でこの原子炉の総合的なコストが高騰していることも確かである。

●このフォード級空母は現時点で3番艦までの建造が決定しており、2番艦のJohn F. Kennedyが2020年就航に向け建造中である
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価格が2倍になるのは、この新型空母だけでなく、オハイオ級戦力原潜の後継原潜も価格2倍が伝えられています
これでは支えられないでしょうねぇ・・・核兵器の更新もあり、F-35の件もあり・・・

いつものように、生暖かく、見守るしかないですねぇ・・・

EMALSとフォード級空母
「米海軍真っ青?トランプ「EMALSはだめ」」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-13
「空母を値切って砕氷艦を!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-19

「フォード級空母を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-20
「解説:電磁カタパルトEMALS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-10

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トランプ政権初の航行の自由作戦 [Joint・統合参謀本部]

アジア安全保障会議に向けたアジアへのアピールか?
今後の同作戦の推移にご注目!

USS Dewey.jpg25日、昨年10月を最後に中断していた南シナ海における「航行の自由作戦」がトランプ政権下で初めて行われ中国側もトランプ政権を試すかのようなコメントを行っていますのでご紹介しておきます。

それにしても、米軍事メディアにおける今回の「航行の自由作戦」の扱いは低調で、北朝鮮の核や弾道ミサイル問題にばかり注目が集まる中、間隙を縫ってヌケヌケと南シナ海で好き放題やっている中国の術中に、まんまとはめられている印象です

日本のメディアは流石に関心があり、26日付読売新聞は、トランプ政権が北朝鮮問題を優先課題とし、中国の協力を取り付けるため、米太平洋軍が2月以降に複数回の同作戦実施を上申したにも関わらず、国防省が認めなかったと紹介しています

Mischief Reef.jpgまた同報道では、トランプ大統領が中国主席とフロリダで会談後、2回に亘って直接中国主席に北朝鮮への働きかけを促し、催促する電話をしたが、期待する中国の動きが見られず、ついに中国を牽制する「航行の自由作戦」に出たとの見方を紹介しています

まんぐーす的には、恐らくマティス長官が参加する、6月2日からのアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアログ)で、米国の立場を悪くしない配慮も少しはあったかも・・です
今後の展開を含めた視点が必要ですが、とりあえず半年以上振りの「航行の自由作戦」と中国側の反応をご紹介します

追記:24日朝、海南島の東方上空哨戒飛行中の米海軍機に、2機の中国軍機が異常接近したようです。いよいよ中国とトランプ政権の「探り合い」が「ジャブの応酬」になりかけています・・

25日付Military.com記事によれば
USS Dewey2.jpg25日、米海軍のミサイル巡洋艦「USS Dewey」が南シナ海で「航行の自由作戦」を行ったことを受け、中国国防省報道官は記者団に、米国当局に説明を求めるとコメントしている
●そして国防省報道官は、米艦艇が「中国が議論の余地が無い揺るぎなき主権を行使している」島々の近くを通過したと事象を表現しつつ、「中国は米国に誤りを正し、より前向きな軍事関係構築にエネルギーを振り向けるよう促す」と語った

●更に国防省報道官は付け加え、この様な行為は、海上における偶発的な事案のリスクを高め、「中国軍の軍事力強化を駆り立てるだけである」と述べた
●中国外務省の報道官は、「米国に過ちを正すように促し、当地域の平和と安全や、2国間の長期的な協力関係を害するこの様な行動を止めるよう求める」とコメントした

Mischief Reef2.jpg5月始めに超党派の議員団が、昨年10月から中断している「航行の自由作戦」の再開をトランプ大統領に求めていた
●米国防省の報道官は、アジア太平洋地域の米軍部隊は引き続き同作戦を継続し、「海空使用の権利と自由を全ての国に保障するため、過剰な海洋権益主張に対抗する」と語った


米海軍P-3Cに中国軍機が異常接近
26日に米国防省高官が米空軍協会に明らかにしたところによれば、24日朝0740頃、海南島の南東150マイルの公海上空を哨戒飛行中の米海軍P-3Cに対し、中国空軍のJ-10戦闘機2機が異常接近した
J-10.jpg●中国戦闘機は約20分間にわたり、米軍機を両側から挟んだり、進路前方を横切るなどして約200m以内にまで接近し、米側搭乗員は「不安全行為」だと認識した

●似たような事象では、2016年5月に同じく海南島周辺で米海軍EP-3E電子偵察機に対し、中国J-11戦闘機2機が異常接近した事例や、同地域で2014年にP-8A哨戒機に対しJ-11が異常接近した事例がある。
2001年のケースでは、E-P3に対し中国J-8が空中接触し、J-8操縦者が死亡、E-P3が海南島に緊急着陸する事態も発生している
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中国軍機による異常接近事例が発生頻度を増しており、「偶発的な事象」に発展することが懸念されます。

「航行の自由作戦」は、6月最初の週末に開催されるシャングリラ・ダイアログ(アジア安全保障会議)に向けた米国の一時的なアピールなのか、間隔を空けず、それなりに繰り返し実施されるのかに注目したいと思います

関連の記事
「同作戦中断への議員団抗議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-14
「比は航行の自由作戦の米軍機利用を認めない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-11

過去のアジア安全保障会議の記事は・・
「2016年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-30
「2015年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-28
「2014年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-27
「2013年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-31
「2012年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-25
「2011年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-01
「2010年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-05

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トランプ大統領:空母を値切って砕氷艦増強!? [Joint・統合参謀本部]

Trump Coast-G2.jpg17日、トランプ大統領が沿岸警備隊士官学校の卒業式に出席し、これまで削減方針を示していた沿岸警備隊予算の関連で、現在稼働する砕氷船が1隻しか存在しない現状に鑑み、40年ぶりに砕氷艦を新規建造し、その後も隻数を増やすと語りました

またこれに併せ、再びF-35を「値切った」話を自慢たっぷりに語り、更にフォード級空母についても価格を下げて前倒しで建造させるような話までしており、空母「値切り」が初耳の軍事メディアに驚きが広がっています

そもそも、米軍と沿岸警備隊は現場では密接に連携するものの、国防省と国土安全保障省とで所属が異なる事から、F-35や空母を「値切る」話を沿岸警備隊士官卒業式で語る「品性」に疑問の声が上がっているほか、そもそも沿岸警備隊が海軍に属していると誤解しているのではとの「疑い」まで飛び出し、SNS上を賑わしています

一般メディアでは、この卒業式発言の中で、「私は特にメディアに不当に扱われている。歴史上、私以上に不公平にされている政治家はいない」「たぶん、私が(大統領選で)勝ったからだ」「敵は自身を強くする」や、「アドバイスをしよう。物事は常に公平ではない。だが、闘い続けよ。絶対に諦めてはいけない」の部分が注目されていますが、ここでは、空母と40年ぶり砕氷艦建造に関する部分を中心にご紹介します

17日付DODBuzz記事はこの演説を紹介しつつ
Trump Coast-G3.jpg●大統領は17日の卒業式で、「F-35戦闘機を皆さんのためにどれだけ値切ったかを話さないし、話題にもしない。またフォード級新型空母で、どれだけ皆さんのために値切るかについても、同様に言うつもりはない」と切り出した
●そして「私が大統領になる前、これらの装備は予算オーバーと開発遅延の問題を少しばかり抱えていたことは知っているよね。そんな状態を引き継いだんだ。でも私が大統領になって解決したんだ。それだけでなく、かなりのお金を節約できるんだ」と語った

●更に、「良く覚えておいてくれ。今後新しい空母を作るときは、従来の計画金額以下で予定より早く完成させる。これにより、より多く(の空母)を建造できるんだ」と語り、4月に海軍に1番艦が引き渡され、試験を開始したばかりのフォード級空母に言及した

トランプ大統領は自分がロッキードと交渉してF-35の価格を値切ったように吹聴し、1月に90機購入費を約700億円値切ったとツイートしているが、軍事メディアや専門家からすれば、その値下げ幅は昨年12月段階で既に明らかにされており、生産規模の拡大によって自然ともたらされたモノに過ぎない。
Trump Coast-G.jpg●(政治的なショーの演出を上手に利用した)ロッキードCEOのMarillyn Hewson女史は3月、大統領は手続きが加速する役割を果たし、タイミングと成果に「絶対的な」違いを生み出したと語ったが、極めて抽象的である

フォード級空母についてはまだよく分からない。8日のTime誌とのインタビューで大統領は、フォード級に搭載される新型の電磁カタパルト(EMALS)にパワーやコスト面でダメ出し(I said no)し、従来の蒸気式カタパルトを指示したと語っている(しかし、国防省や米海軍はこの件に関し何も言及していない

●大統領が唯一、沿岸警備隊だけに関係する装備計画で言及したのは、砕氷艦建造に関してである。北極海の重要性が増す中、現在稼働する砕氷船が1隻しか存在しない沿岸警備隊が、強く増強を求めていた装備である。ちなみに沿岸警備隊は3隻の新造を望んでいる
●大統領は本件に関し、「沿岸警備隊だけが、厚さ6mもの海氷を砕いて進む能力を持っている。君たちだけだ」、「私の政権下で、40年ぶりに新たな大型砕氷艦を建造する。そしてその後も更に建造するつもりだ
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Trump Coast-G4.jpg3月上旬時点では、メキシコとの「国境の壁」構築費3000億円を捻出するため、自然災害対策を取り仕切るFEMA予算を11%削減、海難救助や洋上密輸や密入国対策を担当の沿岸警備隊予算も14%削減、更に交通機関の安全管理を行うTSAも11%削減する計画だとの報道が流れ、「?」の5乗ぐらい驚いたのですが、振り回される米海軍や沿岸警備隊は本当にご愁傷様です

フォード級空母と電磁カタパルトの運命については、国防省や米海軍関係者からの反応を待ちましょう・・・

それにしても、トランプ大統領の発言をフォローして意味があるのかどうか・・・だんだん力が入らなくなってきました・・・。

EMALSとフォード級空母
「米海軍真っ青?トランプ「EMALSはだめ」」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-13
「フォード級空母を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-20
「解説:電磁カタパルトEMALS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-10

ロシアの北極圏活動
「ロシアが北極圏の新しい軍の基地公開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-30
「露軍が北極に部隊増強」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-04-1
「露が北極基地建設を加速」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-09

あわれ米国の砕氷艦
「米国砕氷船実質1隻の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-16-1
「米軍北極部隊削減と米露の戦力差」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02

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米海軍トップが文書「将来の海軍」を発表 [Joint・統合参謀本部]

Future Navy.jpg17日、米海軍トップのJohn Richardson大将(CNO)が「The Future Navy」との9ページの文書を発表し、2020年代半ばに向けた米海軍の「ビジョン」を明らかにしました。
情勢認識や今後の海軍アセット作戦運用を前半で説明し、米海軍の国際情勢認識や運用の基本的考え方にも触れており、頭の整理に役立ちます。

中心となる内容は艦艇体制や増強の話で、海軍航空戦力の話は正面に出てきません。355隻体制への増強(現有装備の延命も含む)、艦艇建造能力の維持強化、艦艇設計コンセプトの変革などに言及しており、本ペーパーのビジョンを皆で共有することで前に進もうとの主旨です

ビジョンと言う事は「ビジョン」で、艦艇数を現在目標311隻から355隻にするとの数値目標以外は、何となく具体性に欠けるモノで、それほど新しい画期的な方向性が打ち出されたわけではありませんが、今後様々な形でこの文書の表現や考え方が具体化されるのでしょうから、事前の会見と併せ文書の概要を学びたいと思います

17日付Defense-News記事によれば
(記事内に「The Future Navy」全文も掲載:図表除く)
Richardson.jpg●17日、シンガポールで開催されたIMDEX2017で講演したRichardson大将は、「The Future Navy」との文書を発表し、2020年代半ばに向け、米海軍はより多くの艦艇を急速に整備する必要があると訴えた
●また同大将は、海軍の戦いは根本的変革の時代を迎えており、その変化は「帆船から蒸気船への変化」、「木造船から鉄製への変化」、または「原子力推進線の登場」にも匹敵する海軍の変化に当たると表現した

●更に、中国やロシア海軍が急速に改善されている現状を踏まえ、単に右肩上がりで迅速な米海軍増強を行うのではなく、級数的な成長が必要とされていると語った
●そして艦艇数に関し、現在は310隻体制を目指しているが、その目標値を355隻体制にまで引き上げる必要があるとし、建造数の増加だけで無く、現有艦艇の延命など、考え得ること全てに取り組んで艦艇体制を増強すべきと述べた

Aegis3.jpg●艦艇体制増強の基礎となる軍需産業体制についても繰り返し触れ、短期的施策としてパートナーとしての造船業界を重視すると同大将は語り、更に「造船業界はより多くが可能でアリ、そのレベルに到達するよう米海軍も全力で取り組む」と宣言した

●また具体的な言及を避けたが、米海軍戦力の破壊力増強のため、艦艇や航空戦力を結ぶリンクの強化増強の必要性も強調し、「個々のプラットフォームだけではなく、より広範なアセットの組み合わせを可能とする、新たな次元のネットワーク力」を重視すると訴えた

●更に艦艇の設計について、より「モジュラー化:modularity」を追求し、艦艇が年齢を重ねても、より安価に近代化改修が可能なモノにしたいと語り、現状の設計から運用まで10年必要とする現状を戒めた
●そして「艦艇建造に長期間を要する現実に挑戦し、建造する艦艇には最新の技術導入を可能にし、完成後もより迅速に容易に最新技術を取り込める設計を目指したい。そのためモジュラー化や多用途な装備導入を考えたい」、「皆さんには長く使える船の建造と、成長し近代化する船の製造に協力して欲しい」と語った

Richardson11.jpg●(とりあえず短期的に何を行うのかとの質問に対し、明確には答えず、)(本文書の重要性を訴え、)まずなし得るビジョンを打ち出す事だ。我々に出来るビジョンがこれだ、と答え、
喫緊の取り組みは、艦艇購入予算を強く継続して要求していく事だと述べ、更に、一つ明確なことは、米国の艦艇建造ラインは稼働しており、仮に必要な資源が投入できればより多くの建造が可能だと言う事だと述べた
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図表を含め「The Future Navy」を見たい方は
https://news.usni.org/2017/05/17/document-chief-of-naval-operations-white-paper-the-future-navy

CV  Carl Vinson.jpg「The Future Navy」の冒頭には、最近実施した米海軍等の研究・分析結果から導かれた3大結論
第1に、国家はより強力な350隻レベルの無人及び有人システムを含む海軍を必要としている
第2に、数だけでは不十分で、海軍は新たな技術と作戦コンセプトを導入しなければならない
第3に、そしてそれを直ちに開始し、迅速に変革しなければならない・・・と記されています

上記のように概要にすると味気ないですが、最初の「情勢認識:Faster and More Complex. And Faster」部分では、海洋交通の重要性やその将来、中露NK等の軍事力強化、海軍から見た中東の不安定要素などが記載され、特に沿岸部の巨大都市が31から40に増加するとの、米陸軍と似たような将来変化を前提として重視していることが伺え、面白いです

次の「Response: Naval Forces」部分では海軍の伝統的役割から新たな任務を分析し、次項「Shape of the Future Navy」での必要な戦力構成や規模、更には新たな兵器技術やその必要性の議論につなげ、最後の「Getting and Staying There」部分で、以上の新たな体制を極めて迅速に達成するために必要な産業政策から調達改革、先ほど触れた設計思想の変革に至る実務的な改革ビジョンを語る構成です

Richardson22.jpg変わり者と言われる米海軍トップのRichardson大将ですが、細かく分割された組織に一本の横串を通し、ゴールや目標を共有して効率的効果的に前進しようとする姿勢は指揮官のあるべき姿でしょう。
少なくとも海軍関係の皆様は、しっかり読むべきでしょう
頭の整理に一度は・・

併せて見て頂きたい過去記事
「更に後退:空母艦載無人機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27
「米陸軍:巨大都市戦に備え」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-22
「米海軍:用語A2AD使用禁止」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-04
「再び陸軍に南シナ海で期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16

Richardson海軍大将の関連
「初海外は日本」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-25
「海軍内では信頼薄い!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-14
「ノミネート会見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-16-1

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米海軍真っ青?トランプ「デジタル(EMALS)はだめ」 [Joint・統合参謀本部]

お笑いインタビュー!?!?
35機のF-35が日本上空を探知されず飛行?
トランプ氏が、海軍の夢:電磁カタパルトEMALSを嫌う!?

Trump-Time.jpg8日、Time誌がトランプ大統領とホワイトハウスで夕食(4品のコースディナー)を共にしながら約100分間のインタビューを行い、その様子をそのまま文字に起こして11日付電子版に掲載しています

Time誌が記事冒頭で補足しているように、話題が行ったり来たり(Trump weaved between topics)し、しばしば「オフレコ」になったりのインタビューだったようですが、ペンス副大統領と2名の政権幹部も同席した取材なのに、F-35と最新カタパルト部分がぶっ飛んでますので、とりあえずをご紹介しておきます

安倍総理が登場したり、アインシュタインが登場したり、ご紹介でしない部分では中国やISISや外交やNATOなどなどについても語っています

F-35を値切ってやった!
trump5.jpg●日本から安倍が来たとき、最初に彼が歩み寄ってきて「有難う、有難う」と言うので、「何のお礼?」と聞いたら、あなたのお陰でF-35購入費を約100億円得したと言うんだよ。
日本も90機を買うF-35購入国(正確には42機)で、だいぶ助かったはずだ。日本に100億円も節約させてやったんだ。交渉時間は合わせて1時間ほどだったが、それで価格を下げさせたんだ

●米国は2500機も購入することになっているから、誰も書いてくれないけど、数千億円~数兆円を節約したんだ
●F-35計画は安定し、価格は下がり続けると言うが、俺がそうさせたんだ。F-18の価格を持ち出して、1機35億円まけろと交渉したんだ

●知ってるか? マティス国防長官が日本を訪問したとき、35機のF-35を日本上空で飛ばしたが、レーダーで捕捉されなかった。突然頭上を飛ばれて、どこから来たんだと驚いたんだ。ステルス機だからさ。クールだろ?

フォード級空母の電磁カタパルトは良くない
trump7.jpg空母にとってカタパルトは非常に重要だ。でもフォード級のカタパルトはデジタルカタパルトだと言うんだ。最新の技術を使用したやつで行くと言うんだ。
●蒸気式カタパルトはもう使わないのかと聞いたら、もう使わないと言うじゃないか。どんな仕組みか聞いたら、良くないんだこれが。パワーが無い。蒸気の力のすごさを知ってるだろう。だから飛行機を空中に放り投げられるんだ。

俺はデジタルは良くないと思うぞ。だけどデジタルで行くと言うんだ。なんだそれ? 複雑すぎてアインシュタイン先生でないと上手く行かないぞ! 
●それでもって、もっと空母が欲しいと言うから、どうするのか聞いたら、デジタルで行くと言うんだ。ダメだと言ってやったよ。蒸気式で行けと! デジタルは高価だし、良くないと言ってやった
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トランプ大統領の「ご発言」にはお付き合いしたくありませんが、副大統領も側近の皆様も、米海軍の皆さんも大変だと思います。ご愁傷様です安倍首相の名前が、他の外国首脳に先んじて、登場したことを喜びとしておきますか・・

他の部分はそれなりに「当たり障り無く・・・」なのに、F-35とEMALSだけ「ぶっ飛んだ」感があります。
Trump-NATO.jpg英語訳には自信がありませんが、大統領は「You know they had the F-35s, they had thirty-five of them fly over Japan when Mattis was there, and they were not detected by the radar.」と発言しています。ここで「they」が誰か不明確ですが、米軍かロッキード社を指しているように見えます・・・

大統領の言う「デジタル」は、1番艦が4月に進水して試験が始まったフォード級空母に初めて搭載される、従来の蒸気式カタパルトに代わる電磁式カタパルトEMALS(Electromagnetic Launch System)のことです。「デジタル」と言うより、電力による磁力で飛行機を押し出すシステムです

ご立腹の大統領に対し、今後海軍は以下の様な説明を試みるのでしょう
Ford-Class-Carrier.jpgEMALSは蒸気式より効率性や維持整備経費を大幅削減するカタパルト。50年間の空母運用期間全体で、約4000億円の維持整備運用費を削減可能と見積もり
●フォード級空母は必要な大電力をまかなうため、2つの新設計原子炉を装備し、これまでの空母の約2.5倍の発電量を確保している
(ただし・・・フォード級空母は約9万トンと史上最大で、他の最新装備等と併せ、価格もニミッツ級空母の倍近い1隻約1兆4千億円 搭載航空機を除く)

2010年12月のEMALS解説記事によれば
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-10

EMALSの概要は・・・
●従来型カタパルトが蒸気を利用するのに対し、電磁力を活用したリニアモーターで動力を得るカタパルト
●空母自体の供給容量を超える電力を数秒間で消費するため、4つの回転式のロータに運動エネルギーとしてエネルギーを蓄え、カタパルト駆動時に電気エネルギーに変換して使用する。

EMALSの特長は・・・
Ford Class CV.jpg蒸気式に比べ、装置の重量が軽くて、装置の容量も小さい。また信頼性が高く整備の手間も少ない
●エネルギー効率が良く、蒸気式と比較して少ないエネルギーで、約3割増の推力を得ることができる。

●電気的に操作するためカタパルト駆動時のスピードを制御しやすく、駆動開始時に滑らかな加速が可能で、発進航空機へ負担が少ない。また、大型の飛行機から比較的軽量の無人機等に応じた適切な打ち出し推力を選択できる。
●蒸気式と異なり、電力を使用して生成する真水を必要としない。また海軍が目指す、蒸気を使用しない全電化艦艇の方向にも合致。

●蒸気式より、システム全体として静粛性に優れている(航空機の騒音が激しいので、艦内の居住性が改善されるかは不明)
●地上に設置されたEMALSは、2010年12月18日にFA-18の離陸試験に成功
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かなり意訳してますので、気になる方は是非Time誌電子版をご確認下さい
http://time.com/4775040/donald-trump-time-interview-being-president/

それにしても、ホワイトハウスや政府や国防省は大丈夫でしょうか???

EMALSとフォード級空母
「フォード級空母を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-20
「解説:電磁カタパルトEMALS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-10

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新装備でFA-18も空母着艦精度大幅アップへ [Joint・統合参謀本部]

「魔法のじゅうたん」がFA-18とEA-18Gにも

FA-18EF.jpg8日付Defense-Techが、新しく空母艦載機FA-18とEA-18Gに導入された着艦誘導装置「PLM」が素晴らしく着陸精度を5割向上させていると現場の驚嘆と喜びの声を伝えています。

同種の着艦誘導装置を当初から組み込まれているF-35C型機の着艦精度は、昨年8月時点で米海軍航空部隊司令官が、「100回着艦して失敗が一度も無い。100回のうち80回が理想的着艦」と表現するほどで、空母艦載機の運用を大きく変える可能性まで示唆されていた素晴らしさでした

現時点で「PLM」搭載のFA-18とEA-18Gが搭載されているのは、現在任務展開中の「George H. W. Bush」と話題の「Carl Vinson」だけのようですが、米海軍は2019年には全てのFA-18とEA-18Gに搭載する計画のようです

まだ改善の余地もあるようですが、操縦者が諸手を挙げて歓迎し、空母艦載機パイロットの資格要件や空中給油機需要を大きく変える可能性のある新技術の最新状況をご紹介します

8日付Defense-Tech記事によれば
FA-18-Bush.jpg●このMAGIC CARPET技術(Maritime Augmented Guidance with Integrated Controls for Carrier Approach and Recovery Precision Enabling Technologies)は、F-35C型機では「Delta Flight Path」と呼ばれていたが、FA-18とEA-18Gでは「PLM:Precision Landing Modes」と呼ばれている
●PLMを搭載したFA-18とEA-18Gは、共に1月から海上任務に就いている中東派遣の空母「George H. W. Bush」と、朝鮮半島周辺に所在する空母「Carl Vinson」に搭載されている

●これら主力のニミッツ級空母は、通常滑走路の1/10の長さの着陸甲板しかなく、特に夜間の着艦は大変難しいが、エンジン出力の調整と精密な機体コントロールを同時に行うところに難しさがある
PLMはエンジン出力調整操作の必要性を削減し、この代わりにフラップで下降ペースを(自動)調整するする事で、操縦者の手動操縦の負担を軽減する

●空母Bushの空母航空団司令官James McCall大佐は、空母に着艦寸前でエンジン出力を下げて下降レートを早めると、機体の操作が難しくなり、やり直しがより困難になるジレンマにパイロットは苦労してきたと語り、
●同航空団の訓練幹部は、PLMの導入で着艦の正確性が「ロケット打ち上げ並みに急上昇している」と語り、理想の着艦が繰り返されることで、3本ある着艦ワイヤーの2番目ばかりが摩耗して交換頻度が上がっていると説明してくれた。

今後の課題と取材陣の印象
FA-18EF3.jpg●昨年8月に米海軍航空部隊司令官が、同種の装置が設計段階から搭載されているF-35Cの着艦精度を、「空母甲板の同じ箇所ばかりが着艦で摩耗する」ので修理に追われていると嬉しい悲鳴で紹介していたが、空母Bushでも着艦精度は5割も向上している
2019年に全ての米海軍FA-18とEA-18GにPLMが搭載される予定である事から、今回の経験をMcCall大佐は他の艦載機航空団司令官と共有し、ノウハウの蓄積に努力している。

●ただしMcCall大佐は、現PLMの唯一の欠点として、システムの完全2重化(full redundancy)が図られておらず、システムに故障が発生した際に操縦者が手動着陸を迫られる確率がまだ高いことを指摘し、そのため若い操縦者に完全な手動着陸技術を要求する必要がある点を上げた
●そして同大佐は、早急にPLMのシステム完全2重化を実現し、操縦者の資格要件を緩和したいと語った

●前出の訓練幹部は、同航空団の操縦者の中でPLMを好まないのはPLM使用経験が少ない1名だけで着艦技量を競ったノスタルジアに浸るモノはおらず、着艦の安全と容易性を確保し、作戦任務に集中できる環境を与えてくれる同装置を最高だと語った
一方で、取材陣が5月3日と4日に空母Bushで確認した中でも、PLMを使用しながら着艦に失敗してやり直す場面を見ており、PLMが安全な着艦を保障してくれるモノではないとも感じられた
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FA-18EF2.jpg昨年8月にF-35C型機の着陸精度をご紹介した際は、「本装置導入により空母艦載機の着艦ミスが減少すれば、緊急用に空中で待機している空中給油機を削減することが出来、結果として作戦機の搭載を増加できる可能性がある」と期待効果を説明しました

そして具体的には、航空部隊司令官の「現在は空母に、6機から8機の空中給油機仕様のFA-18等を搭載しているが、この機数を削減できれば、攻撃機の搭載機数を柔軟に増やすことが可能だ。例えば、電子戦機EA-18Gや早期警戒機E-2Dの増加も考えられる」と夢を語っています

この装置で夜間着艦訓練NLPの回数が減れば、厚木などの騒音問題も軽減が期待できますし、操縦者養成短縮できそうで操縦者不足に悩む米海軍には朗報ですし、何よりも安全面での改善向上は前線部隊にとって素晴らしいことです。

ただ最後の一文「PLMが安全な着艦を保障してくれるモノではない」には要注意です。人間の慢心や注意散漫があっては、安全は確保できませんから・・。

「F-35Cの着陸精度が素晴らしい」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-22

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民間依存高まる米軍輸送力に危機感 [Joint・統合参謀本部]

朝鮮半島有事を30日間は支えられるが・・・

McDew6.jpg2日、米輸送コマンドのDarren McDew 司令官が上院軍事委員会で証言し、米軍輸送力の民間依存がここ20年余りで急増したことで、制空や制海が完全でない厳しい環境下(contested environment)での輸送力確保が大きな問題となっていると語りました

McDew 司令官は最近の「war game:机上演習」でさらに危機感を強くしたようで、「驚くべき量の教訓を得た」と表現し、「今や我々の任務遂行上の課題のすべてである」と語りつつ、民間業者のサイバー防御問題や厳しい環境下での行動可能性に言及しています

C-17-2.jpg「長い間、我々が経験してこなかった厳しい環境下」での机上演習が、どのエリアを想定したものかに言及はありませんが、冒頭の言葉通り、西太平洋地域や朝鮮半島にも頭は向いているようです。
当然と言えば当然の課題ですが、これまであまり取り上げてこなかった有事兵站輸送の課題ですので、これを機会にご紹介します。

3日付米空軍協会web記事によれば
●上院軍事委員会のMike Rounds議員(共和党)は、第1次湾岸戦争を戦った1990年代と比較し、米軍の大型輸送機は50機も減少して民間依存度が高まっていると危機感を示した
●そして今紛争が発生したなら、人員空輸の9割は民間依存(Civil Reserve Air Fleet)となり、物資空輸は4割依存となる。湾岸戦争当時は、人員6割、物資25%の依存度だったのに・・・と同上院議員は分析した

McDew4.jpg●McDew 司令官は、米軍が依存度を高めている民間輸送に、有事の厳しい環境下で依存できないと述べ、サイバー脆弱性と対空脅威下での行動制約に言及した。そして、紛争初期はA2AD環境に備えた軍輸送力が支えられるが、民間輸送力への依存を高めている輸送コマンドは第2波からの輸送問題に直面すると同司令官は語った
●司令官は委員会で、「机上演習が如実に示した驚くべき脆弱性と教訓を、我々は吸収し始めている。戦術や手順や技術を見直しつつあるが、やるべきことは多く残されている」と危機感を示した

民間輸送企業のサイバー脆弱性について同司令官は、「輸送企業のCEOの中には、攻撃を現在も受けていることに気づいていない人がいる」、また「全てのCEOは十分なサイバー防御対策を取っていると認識している」との認識を示した
●しかし一方で、企業にサイバー防御強化を強制する力は国防省にはないと同司令官は述べた。

Cyber-new.jpg●この状況への対策として同司令官は、国防省の権限を強化するのではなく、国土安全保障省やFBIと協力しつつ、企業の意識を高めて対処基準を高めてもらうような取り組みを検討していると語った。
●この取り組みでは、「明確なサイバー安全保障基準」を最低限設け、脅威の変化に応じて見直していくことを検討しており、第3者機関が企業の対処レベルを評価することも考えられており、「少なくとも厳しい環境の淵(エッジ)で任務可能なレベルに強化できるよう協力している」と述べた

●輸送力の現状について同司令官は、民間企業による米軍支援の比率はここ20~30年増加の一途で、陸海空軍に並ぶ第4の勢力となっており、民間輸送企業なくして任務遂行は考えられないと語った
●そして朝鮮半島有事を例に、在韓米軍司令官が輸送コマンドの輸送力だけでの作戦遂行を必要とした場合、最初の30日間は可能だろうと述べ、その後はよく吟味する必要があると表現した。そして民間輸送力への移管を進めると、6か月まではそれなりの見積もりができるが、それ以降は挑戦だと語った
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朝鮮半島有事の場合、対中国ほど脅威環境が厳しくはないでしょうが、それでも米軍輸送力では「30日間」しか持たないとの証言です。

McDew5.jpg米軍輸送コマンドは、民間輸送企業への依存度を高める過程で、業務効率化のためIT化を進め、業務発注等をネット上で行うようになった結果として「サイバー脆弱性」を高め2012年時点で「最もサイバー攻撃を受ける主要コマンド」の栄誉を獲得しています

当時の記事によれば、すぐさま統合サイバー対処センター(JCC:Joint Cyber Center)を立ちあげ、民間企業と連携して脆弱性克服に取り組み始めている・・・となっていますが、脅威の変化が優っているというのか、危機感が不足しているのか・・・厳しい状況に変化ないようです。でも深刻です・・・

「最もサイバー攻撃を受けている米コマンド」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-22

最近?のサイバー関連記事
「トランプ政権:約束のサイバー戦略は?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25
「イスラエルと協力強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-01
「米軍サイバー機関の問題や対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-14

「自ら創造したサイバー空間に苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-20
「サイバー脅威の変化と対処を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-21
「装備品のサイバー脆弱性に対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02

「対ISサイバー作戦で大きな教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-23
「日本とイスラエルが覚書へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-21
「成果Hack the Pentagon」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1

「組織の枠を超えた情報共有を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-07
「中国には君らも脆弱だと言っている」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-23

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米空軍F-35が(対露で)急遽エストニア展開!? [Joint・統合参謀本部]

28日、今度はブルガリアに2機と20名で展開。期間は不明
一応、以前から計画されていたものらしいです・・・
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追加報道
2機のF-35は、25日1330頃に到着し、1600頃には英国に向け離陸
隊長は、往復の間、空中給油を1回実施で、どこにも立ち寄っていない
エストニア軍参謀総長は「プレゼンスを示すことが目的だった」とコメント
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速報、25日、2機の米空軍F-35がエストニアに到着
25日付Defense-Newsによれば
領空保全任務は行わない、情勢とは無関係、期間不明、
約20名の地上要員を伴い、地域完熟訓練を行うと米空軍発表
以下は、24日時点の推測報道ですが、26日時点で誤りなし・・
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F-35 Gilmore.jpg24日エストニアの公共放送ERRが、22日から英国のLakenheath基地で初の海外展開訓練を行っている米空軍F-35が、25日からエストニアに移動して数週間訓練を行うと報じました。

米空軍報道官は、F-35の移動については完了してからでないと公にしないと微妙な表現でコメントを避けており、真偽のほどは不明です。
しかし、22日に英国に移動した直後の米空軍会見では、最初の1週間程度は英軍基地所属機と英国周辺で訓練する計画を表明していたことから、また実任務には従事しない姿勢を示していたことからすると、対ロシアで何かしら姿勢を示す必要があったものと考えられます

シリアへの巡航ミサイル攻撃以降、米露の関係は悪化していますが、先週、ロシア大型爆撃機が2年半ぶりに行った3回ものアラスカ接近飛行が、更なる緊張増の背景の一つとして考えられることから、併せてご紹介します

米空軍F-35が急遽エストニア展開?
(24日付Defense-Newsによれば)
Ämari air base.jpg●24日エストニアの公共放送ERRが、25日から米空軍F-35がロシア国境に近いエストニアの「Ämari空軍基地」に展開する予定だと報じた。展開期数には言及していない。
同基地はエストニアの北西部に位置し、ロシア国境まで車で3時間程度の距離にあり、これまでもバルト海で活動するロシア機に対処するためNATO加盟国の航空機が展開しており、2015年には米空軍F-22も展開した実績がある

●先週の会見で米空軍は、英国に展開下F-35はバルト3国の領空を守る「Baltic air policing任務」や他の実任務には従事しないと明言しているが、米空軍はF-35の初期運用態勢IOC確保を昨年夏に宣言以来、継続して必要があれば作戦投入可能と言い続けてきた
●ただ先の会見では、欧州大陸のNATO諸国基地には、飛行場や経路慣熟のために行き来するだけで、特別な演習は計画していないと発表があったところである

●一方で今回のF-35英国展開は「European Reassurance Initiative」予算を使用しており、米空軍F-35の能力成熟のための訓練とは言え、演習や訓練を通じてNATO諸国等との相互運用性を向上し、ロシアに抑止力を示す意味もある

2年半ぶり4回もロシア爆撃機等がアラスカ接近
Tu-95-1.jpg●24日、米国防省のJeff Davis報道官は、17日の週に約2年半ぶりにアラスカ接近飛行を4日間に亘り4回も行ったロシア軍機に関し、真意のほどは不明だが、機体整備上の問題で活動を「中断:hiatus」していたものが再開されたのではないかと語った
●4回の飛行は、Tu-95大型爆撃機によるモノが3回と偵察機が1回で、いずれも多数の米軍とカナダ軍機により対処を行ったが、対処は「安全にプロの対応」で行われ、特に問題は無かったと報道官は語った
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2年半ぶりのロシア爆撃機のアラスカ接近飛行について、「機体整備上の問題:maintenance issue」で「中断:hiatus」していたと米国防省報道官が語っていますが、日本周辺には統合幕僚監部が公表しているだけでも、平成27年度と28年度でTu-95が3回飛来(27年12月2機、28年1月2機、29年1月3機)しており、「?」な気持ちです

F-35-Netherland.jpg昨今の米露関係を受け、ロシアが米国に「ジャブ」を繰り出したと見るのが自然で、2年半アラスカ接近飛行が無かったのは、単にアサド政権支援で忙しかっただけかも知れません。

そして米空軍F-35のエストニア展開が本当であれば、ロシアの「ジャブ」に、米側も「ジャブ」を繰り出したと考えるべきでしょう

対領空侵犯措置の状況(統幕発表)
平成28年度統計http://www.mod.go.jp/js/Press/press2017/press_pdf/p20170413_01.pdf
平成27年度統計http://www.mod.go.jp/js/Press/press2016/press_pdf/p20160422_01.pdf

米空軍F-35初の海外訓練展開
「行き先は英国だった」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-21
「突然のF-35海外展開訓練発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-15

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