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最初のMQ-4Cが年末グアム配備へ [Joint・統合参謀本部]

将来的には世界5か所から計20機を運用とか

MQ-4C.jpg9日、米海軍航空システム軍が記者団に、大型無人偵察機RQ-4グローバルホークを海洋監視用に改良したMQ-4C(Triton)を2機、今年の年末までにグアム島に配備すると発表し、2021年に初期運用能力IOC獲得を目指すと明らかにしました

更に時期は明確にしなかったようですが、グアムには計4機配備して24時間連続運用態勢を確立することを目指し、同様に4機を配備する場所をグアムを含めた世界5か所に設ける構想も示したようです。

米海軍はこのMQ-4CをEP-3E Aries IIの後継機と位置づけているようですが、対潜哨戒機P-8Aポセイドンとのリアルアイム情報共有による連携運用を狙っており、MQ-4Cが広範囲を常続的に監視し、怪しいものを探知したら細部をP-8Aを投入して確認するイメージも描いているようです。

母体である米空軍RQ-4との違いは、RQ-4が民航機などが飛ばない6万フィート程度の高高度運用を基本とするのに対し、高高度巡航の能力も備えるものの、海面監視のためにより低高度でも運用することに備え、他機との衝突防止装置や翼の氷を溶かす装置、また海洋監視用の特別センサーを搭載する点です

10日付米海軍協会web記事によれば
MQ-4C4.jpgMQ-4C計画の責任者であるDan Mackin海軍大佐が海軍協会主催の「Sea Air Space 2018 exposition」でブリーフィングし、初期段階の海洋ISR能力を備えたMQ-4Cを2機、年末までにグアム島に配備すると発表した
●また2021年までには電波収集機能も付加し、更に2機を追加した4機体制で、IOC宣言を目指すとも語った。なおグアム配備のMQ-4Cは、西海岸ワシントン州のWhidbey Island海軍基地か、フロリダ州Mayport海軍基地から遠隔操作されることになる

●同大佐は「米海軍はP-8とチームを組んでMQ-4を運用する事を大きな理由の一つとして、同無人機に投資したのだ」、「対潜水艦戦とISRの両面で期待している」、「P-8に対潜水艦戦を行わせ、MQ-4に高高度偵察を行わせる場合、両機のクルーはチャットしながら任務を遂行する」と説明した
●グアム配備予定の最初の1機は、すべに年初に海軍が受領し、加州の基地でテストしている。またグアム配備後は、IOC獲得に向け、高度な秘密装置である「multi-intelligence装置」が搭載され、EP-3E Aries IIの後継機として任務を果たせるようになる

●米海軍は将来的に、MQ-4を4機保有して24時間連続照会可能な体制を全世界5か所で確立する計画を持っており、その5か所はグアムのほか、イタリアのSigonella、中東のどこか、加州のPoint Mugu、 フロリダ州Mayport海軍基地の予定である
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MQ-4C 1.jpg当初は2016年後半のグアム配備との話もありましたので、約2年遅れで進んでいるようです。まだ順調な方でしょう。

MQ-4の運用が安定したら、RQ-4の様に日本が買わされる可能性ありです。海上自衛隊の皆様、特にP-1部隊の皆様はご注意アレ

海軍無人機関連の記事
「MQ-4C飛行隊が編制完結」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-2
「誰が海軍無人機を操縦するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-14-1
「映像:MQ-4初飛行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-23
「グアム配備MQ-4トライトンは今」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-05

「日本導入グローバルホークの悲劇」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-22

タグ:triton RQ-4 MQ-4C P-8A
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ハリス司令官の後任者はやっぱり海軍人 [Joint・統合参謀本部]

米海軍が巻き返し、空軍大将が有力候補だったのに

Davidson3.jpg10日、米国防省はハリス太平洋軍司令官の後任候補に、米海軍艦隊司令官のPhil Davidson海軍大将を推挙すると発表しました。代々海軍大将が就いてきた同ポストに、結果的には、次も海軍大将が就任することになりそうです

しかし、この人事方針が決まるまでの過程は単純ではありません

一時は、昨年連続して発生した第7艦隊艦艇の衝突事故(17名の海軍兵士が死亡)を受け、有力な公認候補だった太平洋艦隊司令官が退役に追い込まれ、米海軍内に適当な候補が見当たらず、極東やアジア太平洋の経験豊富な空軍大将が有力候補と報じられていたところです。

最終的には海軍と空軍の縄張り争いが「元のさやに納まった」のかもしれませんが、この時期のこのタイミングの太平洋軍司令官に、アジア太平洋の経験がほとんどない人物が就くことが良いことなのか、大丈夫なのか・・・心配です

10日付Defense-News記事によれば
O’Shaughnessy3.jpg●10日、マティス国防長官はハリス太平洋軍司令官の後任に、米海軍艦隊司令官のPhil Davidson海軍大将を推挙すると発表した

●一方で、有力候補と言われてきた現在の太平洋空軍司令官でアジア太平洋経験が豊富なTerrence O’Shaughnessy空軍大将は、北米コマンド司令官に推挙された。
●なお現在の北米コマンド司令官は女性初のメジャーコマンド司令官であるLori Robinson空軍大将(前太平洋空軍)であり、2代続けて太平洋空軍司令官から北米コマンド司令官が誕生することになる

●ただ、ハリス司令官の後任に推挙されたPhil Davidson海軍大将(前職は欧州担当の第6艦隊司令官)は、キャリアの大半を大西洋地域担当で過ごしており、他の有力候補と言われてきた前太平洋艦隊司令官やO’Shaughnessy空軍大将のような豊富なアジア経験はない
Davidson.jpg●それでも最近は、米海軍艦隊司令官として、昨年連続して発生した第7艦隊艦艇の衝突事故(17名の海軍兵士が死亡)への対策を行う立場にあったことから、太平洋地域の情勢についてレビューする必要があったとみられる

●太平洋軍担当地域は北朝鮮の核問題や中国の南シナ海での領土拡張の野望に直面しており、ハリス司令官はこれらに強い姿勢で臨むべきとの考えを持ち、事態に対応してきた司令官である
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O’Shaughnessy4.jpg空軍人初の太平洋軍司令官が期待されたO’Shaughnessy太平洋空軍司令官は、2012-13年に統合参謀本部でアジア担当政策副部長を務め、続いて太平洋軍の作戦部長、更に在韓米軍の副司令官を2年間務めた後、現職についているアジア通です。

一方でDavidson海軍大将は、上記記事が触れているように、経歴の大部分が大西洋や中東エリアで占められアジア経験がほとんどありません
同海軍大将は、空母アイゼンハワー戦闘群司令官や統合参謀本部で戦略計画副部長を務め、国務省でアフガンとパキスタンの特別代表補佐官を務めた人物です

ハリス司令官は夏に退役後、豪州大使に推薦されており、立ち位置が定まらない豪州で苦労されるようです

「ハリス司令官の後任は史上初の空軍幹部か!?」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-21-1

ハリス司令官の関連記事
「新政権2度目の航行の自由作戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-03
「ハリス司令官:INF条約は宗教戒律か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-29
「米陸軍に南シナ海で期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16

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アフガン軽攻撃機が初のレーザー誘導爆弾投下 [Joint・統合参謀本部]

能力構築支援の成功例を目指して

A-29 la.jpg3月22日、米国を中心とするNATO諸国が支援して立ち上げたアフガニスタン軍(空軍)が保有するプロペラ攻撃機A-29がアフガン人パイロットの操縦で初めてレーザー誘導爆弾を投下し、見事命中させました

2001年には存在していなかったアフガン空軍を、多くの労力と資金を投入して育成してきたわけですが、2015年8月に攻撃ヘリMD-530で初の航空攻撃を実施し、2016年4月にはプロペラ軽攻撃機A-29でも初攻撃を記録していました

現在は12機のA-29を運用するアフガン空軍ですが、2019年には25機体制になり、2023年に36機体制を確立する計画の様ですが、アフガン操縦者のフライト数は現在でも毎日100ソーティーを記録し、多国籍軍の空爆の10%を担っているということですからなかなかです

3月27日付Defense-News記事によれば
A-29 af.jpg●アフガン軍を支援する多国籍軍司令部「Resolute Support Headquarters」の声明によれば、アフガン人操縦者最初のレーザー誘導爆弾は「GBU-58:250-pound」で、カブール航空団所属のA-29から投下された
同A-29は精密誘導爆弾と通常爆弾を搭載していたが、パイロットは目標周辺に一般人の存在を認めたため、レーザー誘導爆弾を選択した。攻撃は成功し、アフガン陸軍による地域制圧作戦を大いに支援した

●アフガン空軍への支援責任者Phillip Stewart准将は、「アフガン空軍は既に繰り返しその能力を実戦で示しており、通常爆弾でも目標の10m以内に投下する能力を備えている」、「今回は精密攻撃が必要と判断し、冷静に兵器を選択して改めてその能力を披露したまでだ」と語っている
●支援任務の将来計画を担当するLance Bunch准将は、「2017年には2016年より500ソーティーも多くの飛行をアフガン空軍は遂行し、アフガン軍の攻撃力の中核を担っている」、「アフガン人操縦者は任務を良好に遂行でき、国のために行動することが可能になっている」と評価している
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A-29 Afghan.jpg支援する多国籍軍の発表ですから負の側面には触れていませんが、訓練を施したアフガン人兵士の残存率が気になります。
イラク軍の例だと、数百人養成して10人程度しか残らなかったとか、与えた武器が横流しされたとか・・・散々な結果しか残っていません。

それでも、ダンフォード統合参謀本部議長から、「米空軍は地元軍育成に本気で取り組んでいるのか? やる気はあるのか? 空軍に入っている私の甥に聞いたが、優秀な人材は支援用に選ばれておらず、選ばれた者の士気が低いらしいじゃないか? やる気あるのか?」と、ボロクソに注意された前科のある米空軍ですから、それなりに取り組んでいるのでしょう。

ちょっと気になったのは、目標へのレーザー照射もアフガン軍がやっていたのでしょうか? そうだとそれなりに本物ですが、JTACが米軍人だったりしたらちょっとがっかりですね・・・

ご参考の記事
「米空軍は外国軍教育を重視せよ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-29
「朝鮮半島の戦いは汚い戦いに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-10

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レーザー兵器搭載は米海軍が先行 [Joint・統合参謀本部]

売り込みコンサルタントの宣伝ですが・・
「あと3年から5年で・・・」との決まり文句も飛び出し

Obering.jpg22日付Military.comがレーザー兵器イベントを取材記事を掲載し主催者の軍事コンサルタント企業関係者にレーザー兵器の開発動向をインタビューしています。

米海軍が米軍の中では最もレーザー兵器配備に近く、次が米陸軍で、空軍は苦労しているがF-15搭載用の無人機対処レーザーポッドを試験する予定だと語り、また最近の急速な技術的進歩で物理学面や工学面で大きな課題は残されておらず、問題は資金のみだとアピールしています

Booz Allen Hamiltonとのコンサル会社の副社長でエネルギー兵器部門を統括するTrey Obering元空軍中将の仕事は、米国防省や米軍幹部から慎重な発言が相次ぐレーザー兵器への予算獲得でしょうから、レーザー兵器の将来性を訴えるのは当然で、楽観的な様子には注意が必要ですが、そのあたりを差し引いて、現状把握に耳を傾けたいと思います

22日付Military.com記事によれば
Lase-UK.jpgCSBAとコンサル会社Booz Allen Hamiltonが共同開催した「Directed Energy Summit」で取材に応じたObering副社長は、これまでの実績からすれば、今後2~3年でレーザー兵器を実用化するのは米海軍であろうと語った
●既に試験艦Ponceに同兵器のプロトタイプを実際に搭載している唯一の軍種である海軍に言及し、同副社長は、実際に兵士の手によって運用しなければ、必要なノウハウや開発スケジュールの政さができないと表現した

●陸軍や空軍は苦労しているが、海軍に続くのは陸軍だろうと語り、装甲車両「Stryker」へのレーザー兵器搭載計画が進行中だと説明する一方、空軍は苦労してると語った
●陸海空軍それぞれの運用環境の違いにより開発の難しさが異なると述べつつ、航空機搭載ポッドや無人機へのレーザー兵器搭載を狙っている米空軍にとっては、兵器の重量や大きさ制限と出力確保が大きな課題だと説明した

●それでも同副社長は自身が戦闘機パイロットであったこともあり、今年の夏に米空軍がF-15にポッド式レーザー兵器の搭載試験を開始すると聞いて喜んでいた
●米空軍省の技術担当次官補代理によれば、「SHiELD」プロジェクトとして、無人機対処兵器としてF-15に50kwレーザーを搭載する計画が進んでいる模様である

Laser NG.jpg●Obering副社長はまた、3軍の長官が集まって、レーザーを含む新兵器技術協力について協議していることに触れ、3軍の運用環境や狙いが異なることから、使用するレーザの周波数帯やレーザーの種類も異なり、協議は単純ではないとコメントしつつ、
●出力を上げることや冷却が重要なこと、如何に装置の規模を小型化するか等、共通の課題を3軍は抱えており、そんな面での協力や意見交換は有用だろうと語っている

●一方で同副社長は最近のレーザー技術の急速な進歩に触れ、物理学面や工学面で大きな課題は残されておらず、問題は資金のみだ、「技術はリッチだが、資金面で貧しいのが現状だ」と最近のビームの質向上や出力向上を表現し、資金確保の重要性を訴えた
●例として「Star Wars社」の「cool laser weapons」に言及し、高高度を飛行する無人機に搭載することで弾道ミサイルの発射段階での追尾に力を発揮し、迎撃への応用にも期待できると語った。そして中国やロシア対応には、宇宙にレーザーセンサーを配置して対処する有効性も指摘した
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Obering2.jpg「あと3年から5年で・・・」との表現が何回か登場するインタビューですが、レーザー兵器開発の歴史が「いつまでたってもあと3年」と揶揄されている現実を逆手にとっての表現なのか、「まじ」なのか気になるところです

小型無人機を撃退したり、ミサイルのシーカー部分を目くらましする程度の能力が精一杯だと認識しているのですが、何か変化があったのでしょうか??? 
はっきり書いていないところを見ると、「いつまでたってもあと3年」状態なのかもしれません

レーザー兵器関連の記事
「無人機に弾道ミサイル追尾レーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-17-1
「私は楽観主義だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-23
「レーザーにはまだ長い道が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-18
「AC-130に20年までにレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06

国防省高官がレーザーに慎重姿勢
「国防次官がレーザー兵器に冷水」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-12
「米空軍大将も慎重」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-24

夢見ていた頃
「2021年には戦闘機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-21
「米企業30kwなら準備万端」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「米陸軍が本格演習試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14-1

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米空母戦闘群が温故知新演習に取り組み [Joint・統合参謀本部]

過去20年間で1発しか発射訓練していないミサイルを14発発射した訓練だった

FA-18 CV.jpg23日付米海軍協会web記事が、空母セオドアルーズベルト戦闘群(TR-CSG)への同乗取材を基に、主要幹部へのインタビューから最近の米空母戦闘群が「ハイエンド紛争」に備えて新たな訓練に取り組んでいる様子を伝えています

具体的には、昨年10月にサンディエゴを出航した同戦闘群が、ハワイに向かう途中でハイエンド紛争演習「Fleet Problem」を行い、その後日本海で3隻の空母による同時活動を経験したお話です。

米空母戦闘群は、中東の第5艦隊担当エリアへの派遣で20年近く実戦に従事してきましたが、その任務は地上の過激派掃討を支援する任務であり、複雑に入り乱れる敵味方への空爆に神経をすり減らす戦いながら、空母やイージス艦への直接脅威のレベルは高いとは言えない環境でした

一方、西太平洋の第7艦隊担当エリアでは、中国のA2ADは言うまでもなく、ロシアの潜水艦や長距離爆撃機が飛び交う環境であり、空母攻撃群の航空戦力を投射させるためには、敵の脅威から自らを防御しつつ活動する必要があり、過去20年間対テロどっぷりで育った米海軍もその変化に戸惑っているわけです

もちろん作戦運用にかかわる部分ですから細部は語ってくれませんが、雰囲気を感じてください

この記事に添付されている映像4分半
各指揮官へのインタビューと映像


23日付米海軍協会web記事によれば
●同空母群に所属するミサイル駆逐艦の艦長によれば、これまで任務地域に派遣される前に行っていた能力確認演習では、実弾を発射することがなかったが、10月の派遣前演習では14発ものミサイル発射を行った。ちなみに同艦長(大佐)が海軍人生の中で、これまで1発しか発射したことしかなかった

ASEANPlus.jpg●現在の太平洋海軍司令官であるScott Swift大将は、1920年代に米海軍が行っていた戦術革新のためのハイエンド紛争演習「Fleet Problem」を復活させ、昨年10月に同空母戦闘群が参加した
●例えば、最近の海軍演習で対潜水艦演習ASWだけを独立で行う形だったが、昨年の「Fleet Problem」ではASWを行いつつ、遠方に航空戦力による戦力投射を行う形式が導入された。また電波法者制限を含む電子戦も重視した形で行われた

●同演習の航空戦力投射でも、14機の攻撃機が「Wall体形:横一線の陣形」で前進し、敵を排除して我の活動範囲の安全を確保する作戦を訓練した。しかも航空機の最大行動半径一杯まで遠方に活動範囲を広げ、最近の中国やロシア兵器の射程拡大を意識した想定で実施された
何よりも演習部隊側に活動の自由度を与えることで、演習者に今何をすべきかを考えさせる演習となり、ASWを優先すべきか、攻撃の有効性を高めるためリスクを取りべきか、また航空機の収容をASWとどう組み合わせるか等、より実践に近い形で空母群を鍛えることができた

●同空母軍司令官のSteve Koehler少将は、「Fleet Problem」のような演習は冷戦時代には一般的であったが、20年近くになる対テロ戦で我々の記憶から遠ざかっていたものだと表現し、若者たちに経験させなければならないものだと強調した
●そして、このようなハイエンド紛争への備えや訓練を「rediscovering, reemphasizing」しなければならないと強調した

3-CV.jpg●同空母群はハワイ海域から中東へ展開する前に、北朝鮮情勢で緊迫する日本海に入り、空母ロナルドレーガンや空母ニミッツとともに3隻そろい踏みで行動した。
中国海軍艦艇が近傍で活動してことや地域情勢の緊迫から、さほど込み入った訓練は出来なかったが、同列の3隻が同海域で行動しても全体の指揮統制活動は極めて円滑に遂行され、それぞれが担当や統制分野を持ちまわって全く問題なく活動することができた
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NIFC-CA構想の演習への組み込み関連で、SM-6の射程延伸射撃等の様子も知りたいところですが、そう簡単には公開できないのでしょう

次のハイエンド紛争が発生したら、空母中心の海軍時代は終わるのでは・・・と勝手に想像したりしていますが、記録の一つとして時代の変化をお伝えしました

最新フォード級の話題
「艦載機燃料タンクの振動問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-29
「空母フォード:3年遅れで米海軍へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-03
「フォード級空母を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-20

米海軍空母関連
「べ戦争後初:米空母ベトナム訪問へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-24
「空母艦載給油機のRFP発出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-13
「映像で学ぶ:米海軍空母」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-25

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超超音速兵器の防御は不可能、抑止のみ [Joint・統合参謀本部]

Hyten SASC.jpg20日、米軍戦略コマンドのJohn Hyten司令官(空軍大将)が上院軍事委員会で証言し、中国やロシアが精力的に開発し、試験的でも実戦配備しているとも「豪語」している超超音速ミサイルについて、米国に防御能力なしと明言し、抑止に頼るしかないと語りました。

同司令官は飾らない冷徹な分析を語る軍人で、マティス国防長官の様に嘘のつけない人だからです。同時に、空軍参謀総長の最有力候補だった優秀で人望の厚い軍人でもあります。

例えば昨年4月には、同じく上院軍事委員会で、INF全廃条約に違反してロシアが開発した巡航ミサイル(恐らくSSC-8:9M729)が欧州方面に配備され欧州全域が射程範囲内に入る可能性があるが、米国や欧州同盟国は防御手段を有していない(no defense)と正直に語っていたところです

Hyten大将の味にある発言記事
「宇宙センサー整備が急務」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-31
「露の巡航ミサイルへの防御無し」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06
「艦艇配備のCPGSを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-04
「21世紀の抑止戦略が必要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11

21日付米空軍協会web記事によれば
Hypersonic4.jpg●Hyten司令官は、ロシアと中国が急速に開発に取り組んでいる超超音速兵器(hypersonic weapons)の脅威について、米国のミサイル防衛能力では対処できないと証言した
●同大将は「これら開発中の兵器を拒否する防御能力を保有していない。我々の防御は抑止しかない」と表現した

●この発言は、先ほど発表された核態勢見直し(NPR)が抑止能力強化を重視し、次期爆撃機B-21、長射程巡航ミサイル、低出力潜水艦搭載核巡航ミサイルの開発などを盛り込んだこともあり、注目を集めている
●同司令官は、NPRの全ての措置が、中国やロシアやイランやNKからの脅威に対応するものだと表現した
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Hyten7.jpg日本が空気のように享受してきた「核の傘」は、確実にその安定度が揺らいでいますし、そもそもの抑止の概念や定義を根本的に考え直す時期が来ています。

今日の記事で紹介した新兵器の登場や新型核兵器の登場も一つの理由ですが、サイバーや宇宙戦を従来の抑止でとらえられるのか等、新しい抑止概念の整理確立が急務となっています

もう・・・森友問題なんかどうでもいいから・・・

21世紀の抑止概念を目指す
「リーク版NPR概要報道」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-13
「3本柱はほんとに必要か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03

超超音速兵器の動向
「ロシアが新型核兵器続々開発と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1
「中国が超超音速兵器で優位」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-1
「超超音速兵器の脅威が大きな話題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-19
「中国が優位なのか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-14
「ロシアも取り組み表明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-11

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米海兵隊が大型無人機開発へ [Joint・統合参謀本部]

艦艇搭載の無人攻撃輸送ティルローター機を

MUX2.jpg 9日、米海兵隊が構想している大型の無人攻撃輸送ティルローター機(MUX)に関する基礎技術情報提供の依頼書を関連企業に発出し、MUX構想が話題になっています

2025年までに地上からの運用を開始し、2028年には強襲揚陸艦など艦艇からの運用も開始を構想しているという、フル装備で行動半径700マイル、オスプレイ等をエスコートでき、ネットワーク戦の中継ハブにもなり、対地支援や目標照準や攻撃任務や電子戦にも活躍を期待される「盛りすぎ感」もある代物です

本日は、発出された35ページの情報提供依頼書から明らかになった構想の概要をご紹介します

13日付Military.com記事によれば
MUX3.jpgMUX(Marine Air Ground Task Force Unmanned Aircraft System-Expeditionary)主任務には早期警戒、ISR、電子戦、通信中継が含まれ、これに続く任務の位置づけで、地上支援攻撃、エスコート飛行、物資輸送が情報提供依頼書に含まれている
●2年前の段階で海兵隊はMUXについて、F-35Bが搭載できるすべての兵器が搭載可能で、高度3万フィートを飛行可能で、指揮統制と電子戦能力を備えるものと表現していたが、空中給油を受けることが可能で、垂直離着陸可能で、不整地にも着陸可能な能力を求めていることが明らかになっている

●関連で米海兵隊は、MUXに機体の内部と外部を合わせ計9500ポンドの搭載能力を求めており、その中に含まれるのは
AGM-114 Hellfire air-to-surface missiles;
AIM-9X air-to-air missiles;
・advanced precision kill weapon system (APKWS) laser-guided rocket;
・AIM-120 AMRAAM;
AGM-88E Advanced Anti-Radiation Guided Missile (AARGM);
small-diameter bombs;
・射出型UAV for 早期警戒と電子戦

MUX.jpg●米海兵隊は、地上離発着で2025年に初期運用態勢、2028年に艦艇への垂直離着陸で初期運用態勢確立を目指し、完全運用態勢確立を2034年に計画している
●MUX計画に関心を示している企業で明らかになっているのは、「Bell」のV-247 Vigilant tiltrotor aircraft、「Piasecki Aircraft」のARES、「Boeing」のtail-sitting designで、今後の動向が注目されている

あまりにも「盛りだくさん」な要求性能に、実現可能性を懸念する声もあるが、海兵隊幹部は自信を示している
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平昌冬季オリンピックの開会式で、大量の小型ドローンを使用して空中に「五輪の輪」や「マスコット」を描く演出が注目されましたが、このような大型の艦載機方面でも夢は膨らんでいるのでしょう・・

それにしても、ここまで重装備するのであれば、F-35Bの代わりに無人機を導入を考えてもいいのでは・・・と考えてしまいます

無人兵器&装備の群れ関連
「都市戦でも無人機の群れを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09
「群れ巡航ミサイル開発へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-02
「無人機の群れ第7世代」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-26 
「3軍の士官学校が群れ対決」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-26

「国防省幹部:空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1
「無人艇の群れで港湾防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19
「無人機の群れ:艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10

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ロシアの毒牙にセルビアが危ない [Joint・統合参謀本部]

穴場のバルカン半島が再び危ない!

Scaparrotti10.jpg8日、欧州米軍司令官で欧州連合軍司令官のCurtis Scaparrotti陸軍大将が上院軍事委員会で証言し、対露欧州正面全体でロシアが全ドメイン活用の攻勢に出ていることから、欧州戦力の近代化に継続的な努力が不可欠だと訴えました

特にロシアが非対称能力を増大させ、紛争レベルに至らないギリギリのレベルで、軍事と非軍事のフルスペクトラムで地域の不安定化キャンペーンに出ていると訴えています。
そして特にバルカン半島のセルビアへの懸念を具合的に取り上げ、我々が外交的に取り組まなければ、世界の目が離れているうちに問題が表面化すると強い懸念を表明しました

また同証言を紹介する報道は、DC訪問中のチェコ軍大将の発言を紹介しつつ、ロシアや中国が展開するサイバーを含む情報戦に適応していかないと、見えない侵略に屈してしまうと「cyber framework」の必要性等の訴えを紹介しています

8日付米空軍協会web記事によれば
Scaparrotti9.jpgScaparrotti司令官は、2025年までにロシアが欧州正面の全てのドメインで西側軍に挑戦してくると予想し、米軍が欧州戦力の近代化に継続的に取り組むべきだと訴えた
●そして現在もロシアが非対称能力を増大させ、紛争レベルに至らないギリギリのレベルで、軍事と非軍事のフルスペクトラムで地域の不安定化キャンペーンに出ていると説明した

●そして前年度から2000億円以上増額した「European Deterrence Initiative」2019年度予算7000億円に言及し、必要不可欠な基礎的経費(foundational funding)だと表現し、本経費とその増額がなければ任務を遂行できないと訴えた
EDI予算の多くが、米陸軍の装備事前集積や、米空軍の欧州飛行場施設整備(対象はGermany, Norway, Slovakia、英国)に投入されており、欧州米軍の態勢整備を支えていると説明した

●7日にワシントンDCを訪問したチェコのPetr Pavel大将は、ロシアが情報戦を仕掛けており、NATOはこの状況から学んで適応しなければならず、そのために同盟として中露を含むアクターと協議して「cyber framework」を立ち上げる必要があると訴えた
●同大将は特にバルト海周辺地域の緊張を上げ、ロシアの活動を「侵略」と表現し、ロシアによる領空心配はないが緊張は増大しており、軍事プレゼンスを上げ、長距離飛行を行い、より多くの情報収集活動を行う必要があると語った

Scaparrotti7.jpg一方でScaparrotti司令官は議会で、米国がバルカン半島に再び目を向けるべきだと警鐘を鳴らし、特にセルビアでロシアのプレゼンスが増大していると訴え
●そして、我々が外交的に取り組まなければ、世界の目が離れているうちに問題が勝利表面化すると強い懸念を表明した
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ここ数年ランド研究所が、ロシアがバルト3国など東欧で攻勢に出ればNATO軍や欧州米軍は対処できないとの研究レポートを発表しており、その件について議員がScaparrotti司令官に質問しています。

russia cyber.jpg同司令官はこれに対し、全くの誤りではないがその分析は東欧に絞ればのことであり、地上部隊に限定すればの見方だと述べ、欧州全体で、更に海空サイバー宇宙等のドメインに拡大して考えれば、緒戦でロシアが有利かもしれないが、長期的に見ればNATO側が有利であり敵も理解しているだろうと表現しています

前職が在韓米軍司令官だった聡明なScaparrotti大将の見方ですので尊重します。でも2014年のウクライナ侵攻で「ハイブリッド戦」を見事に遂行したロシアです。その教訓をもとに更に磨きをかけた非対称戦コンセプトを練り上げていると懸念も致します

Scaparrotti大将の発言
「ロシアの情報戦に総力対処すべき」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-24
「露の脅威を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-23-1

「在韓米軍の懸念」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-16
「RQ-4よりU-2が良い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-26

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米陸軍の新兵基礎訓練コース改革 [Joint・統合参謀本部]

手りゅう弾投げは卒業要件から除外とか・・・

basic-training.jpg9日付Military.com記事は、米陸軍が約27000名の各級指揮官や士官への調査を基に、新兵教育コースを卒業後に初任地に配属された新人兵士の実態を把握し、新兵教育コース(BCT:Basic Combat Training)の見直しに取り組んでいると報じています

前線指揮官による新兵評価は極めて厳しく、初任地着任時から「服装がだらしない」、「基本的な生活態度や躾がなっていない」、「権利意識ばかりが高い」、「装備品や制服を大切にしない」、「時間にルーズだ」、「指示を聞いていない」、「命令指示に反論する」、「仕事がいい加減だ」・・・との声が相次いでいるようです

BCT改革を担当するMalcolm Frost陸軍少将によれば、「最も要望が高いのが基本的躾(discipline)で、他の要素の5倍」で、「基本的生活態度が身に付き、基礎体力があり、前向きに学ぶ姿勢があり、陸軍勤務に誇りを持つ若者」が望まれているとのことです

basic-training4.jpg早ければこの夏開始の新兵教育コース(BCT)から新課程が採用され、しつけや部隊の団結、基本の教練、米陸軍に誇りを持てる歴史教育、基礎体力向上、前線で必要な基礎技術重視の演習、救急救命法、通信や意思疎通法などを重視する変革を行うようです

一方で、「手りゅう弾投げ」や「land navigation:地上航法?地図判読?」を、教育は継続するが基準レベル到達を「卒業要件」から外すことにするようです。つまり、物を投げられない若者が増え、厳格になるとBCTを卒業できないものが激増する実態があるようです

米陸軍の教育コース改革の方向はどうなのか、掻い摘んで記事からご紹介します。

9日付Military.com記事によれば新コースでは
米陸軍の歴史テキストを提供→米陸軍の価値観と兵士の心意気を共有して継承するため、独立戦争からイラク戦争までの米陸軍の戦いの歴史を学ぶ書籍を新入隊者に与える
基本教練の重視→911同時多発テロ以降、米陸軍部隊は多忙さから「drill and ceremony:基本的な教練」時間を削減する方向にあったが、部隊から「原点である基本的教練は躾(discipline)教育や陸軍の価値観を身に着けるのに極めて重要だ」との意見が多くあった

basic-training3.jpg基本を身に着け鍛える野外演習を3回計画→「the Hammer, the Anvil and the Forge:ハンマーで熱い鉄を打って鍛える」演習を3回組み込み、特に3回目の81時間連続演習では、40マイル行進と種々の状況設定で、独立戦争Valley Forgeの戦いの精神を学ぶ。夜間侵攻作戦や負傷者救助、物資補給や障害物対処等々の厳しい課題を付与して陸軍人に育てる
基礎体力面での基準アップ→体力面でのBCT卒業基準点を、体力測定3種目すべてで60点に上げる(従来は50点)。

基礎的戦闘技術訓練の時間増加→22時間化r33時間へ。また負傷者ケアなど基礎救命救助訓練の増加。ハンドシグナルを含む通信の基本通信訓練の増加
科目間の重複を精査し、他の重視科目への充当時間の確保

卒業要件から一部科目での基準到達を除外→「手りゅう弾投げ」と「land navigation」を除外。BCT期間で手りゅう弾を20~30m投げられない入隊者が急増していることが背景。ただしこれら科目の基礎訓練は引き続き実施
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basic-training2.jpg米陸軍の直面する新兵の課題は、自衛隊のみならず、日本企業の管理職が感じていることと同じではないかと思うほど「新人あるある」的な内容ですが、米陸軍が打ち出した対応にも苦しい状況が伺えます。

今時の若者に歴史のテキストブックを配布しても、多少訓練時間を増やしても、体を鍛える時間を増やしても・・・。担当するFrost陸軍少将も分かっているでしょうが・・・。

被害状況下を想定し基礎技術回帰の米軍訓練
「被害状況に備え訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-16
「基本的な防御手段を復習せよ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-10
「生活習慣を改善せよ!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-08

「米空軍被害時の機動展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-08
「RAND:台湾は戦闘機中心を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-07
「再度:嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-25

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米軍即応態勢:影の課題2つ [Joint・統合参謀本部]

Selva-CSIS.jpg1月末、米軍No2である統合参謀本部副議長Paul Selva空軍大将が記者団と懇談し、20年近く継続する実戦と海外派遣の繰り返しの中で、米軍部隊の即応体制低下が問題視され、予算不足などの課題が話題となる中、部隊の足元に兵士の即応体制をむしばむ問題があることが明らかになってきたと吐露しています

米国防省や米軍幹部が口々に、強制削減法による暫定予算体制が装備品の維持整備や更新、更に部隊訓練を阻害していると訴え続けている中、実戦派遣に必要な健康管理面や身体能力面での基準を満たせない兵士が増加していることが、小さくない課題だと明らかにするのは恥ずかしいことだと思いますが、これが現実の様です

先進国の軍隊に同じような傾向が見られるのでは・・・と気になる部分もあり、軍隊の現実を垣間見る視点としてご紹介します

1日付米空軍協会web記事によれば
airman.jpg●Selva副議長はワシントンDCで記者団に対し、部隊の即応体制を阻害する「2つの鍵となる課題」として、兵士を取り巻く健康管理行政面での課題と、兵士の体力面での課題を説明した
●そして同大将は、「米軍は兵士レベルに注目する即応態勢検証を開始し、個々の兵士の問題に行き当たる興味深い状況を目にすることとなった」と表現した

●兵士の即応体制を阻害する第1の要因として、兵士が即応態勢に求められる健康チェックを通過できない事例が増えている点がある。最も大きいのは歯科検診を通過できないことや派遣に必要な予防接種を受けられていないケースである
●様々な理由で基地内から歯科医がいなくなり、基地外の契約歯科医に検診を依頼すると、治療や検診がスケジュール通り進めることが困難となり、所定の基準も満たすことができない兵士が増加しているのである。

●また予防接種で言えば14種類の予防接種を求められている例があるが、これに加えて航空機登場要員の多様な項目にわたる定期健康診断への対応など、極めて手間のかかる業務が滞っている実態が部隊で生じている

Selva brok.jpg第2の要因は各兵士の健康管理・体調管理レベルの問題(physical fitness)である。具体的な数字を把握していないが、確実に身体検査を通過できない兵士が増えている
●典型的な例は、体重と身長の関係である。わかりやすく言えば太りすぎで派遣基準を満たせない兵士が全軍で明らかに増加し、部隊としての即応体制に悪影響を与えているのだ

●これらの問題についてSelva副議長は、「前線部隊レベルのリーダーシップの課題であるが、組織としての取り組みも影響している」、「健康管理に必要な医療機関や設備に問題があれば、国防省として前線部隊指揮官だけに責任を負わせるわけにはいかない」と語っている
●しかし健康管理・体調管理レベルの問題(physical fitness)は部隊レベルで指導監督すべき問題である。部隊指揮官や中堅および上級下士官が指導すべき課題である。前線指揮官が「基準が決められており、これをクリアしなければならないと部隊の先頭に立って改善すべき課題である」というべきである
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Wiltsie4.jpg任務の増大や維持整備費不足から、米海軍のFA-18の実質稼働機が1/3程度しかないとお伝えしたことがありましたが、Selva副議長が明らかにした兵士レベルの問題が、どの程度悪影響を与えているのか気になるところです

基地内から歯科医が居なくなるのは、基地外で開業したほうが収入が良くなるからでしょうし、予防接種が大変なのは、派遣される地域がそれだけ辺鄙な場所に拡大しているからでしょう

しかし「肥満」に代表される個人レベルの課題は、社会全体の縮図ですからねぇ・・・。高級幹部も含め、肥満や体力チェックを通過できない兵士の給料を下げるとか、昇任審査に反映させるとか、荒療治が必要なのかもしれませんねぇ・・・

関連記事で考える
「海兵隊:生活習慣を改善せよ!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-08
「個人装具重量3割カット提案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-07
「米空軍兵士死因トップは自殺」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-12-1

FA-18の稼働率問題
「2/3が飛行不能の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-07

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中国が先行する超超音速兵器をどうすべき [Joint・統合参謀本部]

中国がHypersonics兵器で優位だと認める米軍幹部

Hypersonic4.jpg24日付米空軍協会web記事が、米空軍兵器開発のまとめ役で全体を把握している空軍副参謀総長Seve Wilson大将へのインタビュー記事を掲載し、次世代「Game Changer兵器」の有力候補である超超音速兵器(Hypersonics兵器) で中国が優位で、米国内でバラバラに行われている研究を束ねる必要があるとの危機感を伝えています

超超音速兵器は大気圏内を音速の5~10倍で飛翔する兵器で、米軍は通常兵器を搭載して「世界即時攻撃CPGS」構想を打ち出し、大陸間弾道弾ICBMのように核戦争を引き起こさず、世界中の目標を1時間以内に攻撃できる体制構築を描きました

そして米空軍や国防省研究機関が複数の開発を行い、2012~2013年頃には「X-51 Waverider」「米陸軍のAHW(Advanced Hypersonic Weapon)」「米空軍のHTV-2」などの名前を本ブログでも取り上げました。

Hypersonic3.jpgしかし2013年に「X-51」がマック5.1で約6分間飛行に成功して以来、予算不足を訴える国防省や米軍関係者の声をお伝えしましたが、具体的な開発や実験の話を取り上げた覚えがありません

ただ、中露の追い上げに危機感を持った米国関係者が、「第3の相殺戦略」議論と共にこの兵器開発に注目し、 2016年11月には「技術ブレークスルー:米空軍がロッキードと180億円契約」との記事でご紹介し、水面下で何らかの動きがある雰囲気をお伝えしました

今回の空軍副参謀総長Seve Wilson大将発言は現状を端的に表現したものと考えますが、米軍の技術優位がどんどん浸食されていく現状レポートのような雰囲気の記事です・・・

24日付米空軍協会web記事によれば
(Wilson大将のインタビューでの発言)
Wilson3.jpg中国がいかに多くの勢力をつぎ込んでこの兵器開発に取り組んでいるか、いかに多くの研究レポートを発表しているか、いかに多くのインフラ投資を行っているか、いかに多くの試験を行っているか・・・彼らは本当に超超音速技術実現に取り組んでいることを知るべきだ
米国はこの分野で世界をリードしてきた。誰よりも進んでいた。1960年代からラムジェット、スクラムジェット、ロケット航空機など米国は取り組んできた。しかし今やその当時のスピードや規模で取り組んでいな

●しかし現状として、誰か超超音速兵器について多様な米国内の努力を取りまとめる任務や責務を持つ個人や組織が存在しているだろうか? 私はそのような取りまとめ責任者を知らない。統合参謀本部や米軍、DARPA、SCOなどが並行して取り組んでいることは承知しているが、誰かが取りまとめなければならないと国防省で話をしている
●超超音速兵器に関し、米軍や産業化や学会で進展もある。AIでも、機械学習でも、量子コンピュータでもだが、すべての動きを束ねる大きく大変だが重要な仕事をする人が必要なのだ

hypersonic5.jpg●超超音速兵器に関して取りまとめる候補者としては、開発担当国防次官の下の次官補が考えられるが、まだ任命されていない(doesn’t exist yet
●我々は取りまとめ機構の全体を検討しており、どのような仕組みが良いか形がよいか考えている。専門家の知恵も借りて考えている

2013年の「X-51 Waverider vehicle」試験成功をうけ、2020年には兵器としての誕生も見据えたが、米空軍では2013年以降に大きな進展はオープンになっていない。
●米国防省関係者は、2019年度予算案で超超音速兵器が大きな予算を確保する方向だと語っているが
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米国防省機関や米軍を横断的に束ねて一つのベクトルに向かわせる必要性・・・古くて新しい議論ですが、しっかりやっていただきたものです

Hypersonic2.jpgしかしこの記事でご注目頂きたいのはWilson大将の最初の発言部分、「中国がいかに多くの勢力をつぎ込んでこの兵器開発に取り組んでいるか、いかに多くの研究レポートを発表しているか、いかに多くのインフラ投資を行っているか、いかに多くの試験を行っているか・・・彼らが本当に超超音速技術実現に取り組んでいることを知るべきだ」の部分です

中国がどの程度進んでいるのか語れませんが迎撃の難しい(地対空ミサイルでは追随できない)超超音速兵器を中国が手にする時が迫っているということです

超超音速兵器の関連
「米空軍が180億円契約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-11
「超超音速兵器の脅威が大きな話題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-19
「あのLM社も積極投資」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「中国が優位なのか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-14
「ロシアも取り組み表明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-11

PGS関連の過去記事
「PGSに少し光り??」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-18
「パネッタ長官はPGSに期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-16
「X-51Aは初期実験段階」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-23

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CSISが時代遅れの米国IAMDに提言 [Joint・統合参謀本部]

日本にとってはもっと重大な課題のはずです!
  
CSIS IAMD.jpg25日、シンクタンクCSISのミサイル脅威分析チームからDistributed Defense: New Operational Concepts for Air and Missile Defense」とのレポートが発表され、米国に学んだ中露が急速に軍事力を強化する中、旧体然とした縦割りIAMDでは話にならないと幾つかの提言を行っています

米国(前方展開する米軍部隊も含め)のIAMDを、「あまりにも撃たれ弱く、敵の攻撃に制圧されるだろう:far too susceptible to suppression、too vulnerable to exploitation」と喝破し、弾道ミサイル防衛だけにあまりにも集中している現状を嘆き、1990年代から問題認識はあったものの、すべて放置されたままだと指摘しています

このレポートは米国を対象としたものですが、中露に近距離で対峙している日本はもっと深刻なはずです。
「言うは易し、行うは難し」の提言内容ですが、まず事実に向き合い、さび付いた頭をリフレッシュすることが重要ですから、基本に立ち返って研究者の提言を見てみましょう。

26日付米空軍協会web記事より
PAC-3 Saudi.jpg●CSIS「Missile Threatチーム」のメンバーであるThomas Karako上級研究員らによってまとめられたレポートは、中露などを指す「near-peer adversaries」との対峙に備えたIAMD議論が全く置き去りにされていると指摘し、いくつかの提言を行っている
●そして「distributed AMD operations」等の新しい作戦運用コンセプトを提案し、中露が米国に学んだように、米国が彼らに学ばなければならないとも述べている

米国のIAMD分野が革新的な思考を求めているのに、縦割りに分割されたレーダー覆域で、弾道ミサイル防衛にあまりにも絞った現状は、あまりにも脆弱で敵攻撃に弱い状況を生み出し、1990年代から指摘されている課題を放置したままである
●提言の一つである「distributed defense」では、現有または近未来の装備で新たなネットワーク枠組み構築に集中すべきと主張し、「全てのセンサー情報を融合して、すべての発射機で対処:any sensor, best shooter」との思想を打ち出している

●これにより既存装備を結び付けて対処範囲を拡大し、それらをカバーする指揮統制システムと共に地域の指揮官に提供し、地域情勢にあった柔軟な運用を可能にすることが重要
●またレポートは、発射機を多様なミサイルが搭載可能(more interceptor-agnostic launchers)とし、「any shooter, any launcher」との表現で、柔軟な運用と多層的な防御網攻勢を可能にする必要性も提言している

CSIS IAMD2.jpg●更にレポートは、攻撃と防御ミサイル部隊の融合して同一舞台にすることを提言し、「any-launcher, any-mission capability」との表現で、攻防を柔軟に一体化するコンセプトも提言している
●また現有ミサイル部隊も新たな攻撃目標と任務に対応させ、低コストで多様な任務に柔軟に対応する方向を目指すべきとしている。併せて、カモフラージュの重要性を改めて指摘し、また分散配備により残存性を高める基本の重要性も指摘している

●レポートはこれら複数の提言により、「より打たれ強く、モジュラー性も持ち、攻防部隊の融合」を追及するものとなっている
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CSISの関連webページ
https://missilethreat.csis.org/distributed-defense-new-operational-concepts-air-missile-defense/

米国が危機感を覚えるなら、中露により近接する日本は、「真っ青」になって「昼夜も分かたず対策に奔走」「皆で激論」「試行錯誤にまず一歩」・・・・なんだと思うのですが、そうではありません。

THAAD2.jpg相変わらず脆弱で有事に役立ちそうもない戦闘機への投資ばかりが議論され、IAMDなど言葉だけが踊っているのが日本の現状です。
最も深刻なのが「戦闘機パイロットが支配する中で、戦闘機以外で事業を進めようとすると、途方もない労力を要する」とあきらめムードが他職域にあることです。日本はどうするんでしょうか・・

米軍内では、陸軍と空軍の連携協議や演習が具体化しているようですが、日本では・・・シェア争いに血眼なんでしょうねぇ・・・・

米海軍NIFC-CAと関連装備
「日本もNIFC-CAに参加?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-11
「Baseline 9 :イージス艦の進歩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09
「米海軍のNIFC-CAとは」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26

「kill chainからkill webへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-15
「SM-6でBMD対処に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-05
「NIFC-CAとSM-6連携」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-27
「NIFC-CAで空軍と協力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-23

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陸空の無人機の群れを都市戦で活用研究 [Joint・統合参謀本部]

swarm autono.jpg8日付Defense-Newsは、米国防省最上位の研究機関であるDARPAが無人機の群れ研究において、きわめて複雑な都市戦を念頭に空中と地上の無人機両方を組み合わせて活用するプロジェクトを研究の焦点の一つにして推進していると報じています

無人機の群れについては、2016年春頃に行われたFA-18から103機の無人機を投下し、群れとして制御する実験をエポックメイキングな実験としてご紹介しましたが、中国も昨年6月に地上発進の無人機119機で「群れ制御」に成功したようで、本分野での米中の技術争いが過熱しているようです

「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1

なんといっても「無人機の群れ攻撃」への対処法が確立されていないことから、米中は陸海空の全ドメインで技術優位を目指しているようです
本記事が紹介する技術開発は、陸軍の歩兵部隊が、約250台の多様な自立型無人装置を活用し、複雑な都市戦を有利に進めることを狙いとしています

8日付Defense-News記事によれば
swarm autono2.jpg2017年末にDARPAが発表したプロジェクトは、レイセオンと Northrop Grummanが中核となり、多様な競い合う参画者が無人機の群れ技術の設計デザインを競い合う環境を提供し、オープンアーキテクチャー環境でバーチャルと現実の無人機の群れ技術を発展させることを狙っている
●中核企業と参画企業は群れ技術を実現するために大きな枠組みの実験を行い、競い合う参画企業は大きな枠組みの中で、以下の5つの分野の一つに集中して取り組むことになる。5つの分野は「swarm tactics, swarm autonomy, human-swarm teaming, virtual environment and physical testbed」である

5つの分野は半年単位で集中期間が指定され、それぞれの分野の最後には試験と技術融合のアセスメントが行われる。また時には、半年単位のインターバルとは別に、特定分野への集中期間が設けられることもある
Roper2.jpg●例えば最初の半年集中期間には、「市街地2ブロックを15-30分間孤立させる」事を目標として、約50の地上と空中無人機を群れとして使用する戦術を昨年11月までの期間で集中検討している。

●本検討は、無人機がエリアを偵察し、進入退出ポイントを見極め、エリアを認識することから始まる。そしてその過程で、無人機に都市空間を以下に認識させ、何ができるかを検証することになる
●DARPAの研究担当責任者は、この集中検証を定期的に繰り返すことで、また小さなベンチャー企業でも解決法を案出できる企業を歓迎することで、革新的な解法を探求していく姿勢を強調している
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昨年6月に中国で119機の「群れ」実験を行ったのは、「China Electronics Technology」との国営企業のようですが、サイバー攻撃部署も社内に保有しているような企業かもしれません

Swarm Chall2.jpgいや・・・米国の先端企業に潤沢な資金を投入し、赤入りに染めているのかもしれません

先日は「巡航ミサイル」を「群れ」で運用する研究開発契約の話をご紹介しましたが、あらゆる分野で「群れ」が流行りのようです。

無人兵器・&装備の群れ関連
「群れ巡航ミサイル開発へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-02
「無人機の群れ第7世代」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-26 
「3軍の士官学校が群れ対決」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-26

「国防省幹部:空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1
「無人艇の群れで港湾防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19
「無人機の群れ:艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10

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冬季五輪に向け米軍戦力が極東へなびく [Joint・統合参謀本部]

PyeongChang.jpg2月9日開幕の平昌オリンピックに向け、同期間に例年行われていた米韓演習は中止されましたが、「弱みは見せないぞ」「ひるんでないぞ」の姿勢を見せるため、米軍が各種戦力の極東派遣に動き始めています

先週、B-2爆撃機がグアム島に飛来し、16日には史上2度目の米空軍大型爆撃機3機種が勢ぞろいし、垂直離着陸型F-35Bを搭載可能な海兵隊の強襲揚陸艦が佐世保に到着し、追加の空母が西太平洋に向け米本土を出航し、3隻目の派遣を北朝鮮がけん制するなど、立て続けにニュースが入ってきましたので整理したいと思います

追加で、戦闘機や偵察機や情報収集機もやってきそうな気がしますが、「モランボン楽団」が韓国にやってくれば、米軍戦力の話題が(少なくとも日本では)吹き飛んでしまいそうなので、早めにご紹介しておきます。

米空軍爆撃機の動き(17日付報道)
B-52 Guam4.jpg●現在、グアム島にローテーションで爆撃機を派遣するCBP(Continueous Bomber Presence)の枠組みでは、B-1爆撃機6機が1月末までの予定で展開しているが、この交代として6機のB-52爆撃機が約300名の兵士と共にグアム島に向かっていると、太平洋空軍が発表した
●これに先立ち、先週、B-2爆撃機3機が「抑止任務を支援するため」グアム島に展開している

16日太平洋空軍は、先行してグアム島に到着したB-52爆撃機の写真を公開し、既にグアムに所在していたB-2及びB-1爆撃機とあわせて、「史上2度目の爆撃機3機種そろい踏み」、「2016年8月以来初の3機種そろい踏み」との解説付きで配信した
●なお1月末でいったん帰国するB-1爆撃機だが、B-52がCBP任務を担当している間も、米韓日豪による演習参加のため、複数回にわたり朝鮮半島に飛来する予定である

米海軍と海兵隊の動き
USS Carl Vinson4.jpg●3日から4日にかけ、空母カールビンソン戦闘群がサンディエゴを出港し、「計画通りのいつもの作戦行動」のため西太平洋に向かった。これ艦艇群出航の数日後に、B-2爆撃機がグアム島に飛来した
●現在、西太平洋エリアには、横須賀を母港とする空母ロナルドレーガンが配備されているが、空母カールビンソンはこれに追加するものである。

●一方で北朝鮮は、米国が3隻目となる空母ステニスを西太平洋に派遣する計画を持っていると非難し、南北会談が行われている雰囲気に冷や水を浴びせるものだ威嚇している
●更に米海兵隊は14日、F-35Bを搭載可能に改修した強襲揚陸艦「USS Wasp」が佐世保に到着したと発表した。なお「USS Wasp」には30機以上のF-35Bが搭載可能で、現在岩国基地には12機のF-35Bが配備されている
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Korea-P.jpg最近、北朝鮮に負けないぐらいのインパクトで、日本国民の反面教師として、日本国民の団結を促す方向に貢献している韓国大統領ですが、ここは「モランボン楽団」との笑顔の記念写真まで極めて頂きたいものです

予算や兵員のやりくりが厳しい中でも、爆撃機3機種、空母3隻、F-35搭載の強襲揚陸艦などを西太平洋に派遣する米軍や米国関係者は、韓国をどのように眺めているのでしょうか・・・

まぁ・・・ホワイトハウスはいろんな火消しに忙しいとしても、国防省や米軍関係者の心情を察するに・・・部下をなだめるのに、部下に納得させるのに・・大変でしょうねぇ・・・

2016年8月に爆撃機3機種をグアムに史上初めてそろえた時は、写真付きだったのですが、今回は刺激を抑えてB-52の写真だけの様です。細かな配慮か・・・

「2016年8月の3機種勢ぞろい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-12

北朝鮮関連の記事
「NK弾道弾に対処する米国を露が誤解の恐怖」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-03
「北朝鮮は生物兵器を保有するのか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-16-1
「地上部隊侵攻しかない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-07

「グアムの弾薬10%増強」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-21
「米陸軍が対北朝鮮に緊急準備開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-12

「米軍事メディアが北朝鮮騒ぎを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-14
「グアムで住民に核攻撃対処要領」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-15
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映像:オハイオ級戦略原潜の紹介 [Joint・統合参謀本部]

お疲れなので、コピペの寄せ集め紹介です。
でも、抑止を考える基礎として重要な装備なのでお勉強です!

Ohio-Class.jpgオハイオ級原子力潜水艦は米海軍が現在保有する唯一の戦略ミサイル原子力潜水艦で、西側諸国で最大の排水量(18000トン)を誇る潜水艦(全長170m)である。また全長と弾道ミサイル搭載数は現役の潜水艦で最多。

開発当初1番艦は1979年引渡し予定だったが結局の就役は1981年末。また当初24隻の建造を予定していたが、冷戦終結の影響により18隻で打ち切られた
オハイオ級の主な兵装は潜水艦発射弾道ミサイル24基と533mm魚雷発射管4門で、敵と直接戦うのではなく、海に潜んで相手国に核ミサイルの雨を降らせることが任務

Ohio-Class3.jpg8番艦以降が射程11,000kmのトライデントII(D5)を装備4番艦から8番艦は弾道ミサイルをC4射程7,400kmのトライデントIからD5に換装中。古い1番から4番艦は巡航ミサイル原潜SSGNに換装される

オハイオ級が装備するトライデントは1基につき核弾頭を14発まで装備可能だが、戦略核兵器制限条約により現在弾頭は最大で8発に抑えられている。オハイオ級は1隻で計192発程度の核弾頭を装備することになる。

核弾頭1発あたりの核出力は数種類あるがいずれも100kt~475kt(長崎市に落とされたファットマンは20kt程度)と都市一つを破壊するには十分な威力を備えている。

オハイオ級戦略原潜の紹介イメージ映像(約3分)

出港後は、250m以下に潜水可能な能力を生かし、待機する海域で海中に身を潜め、常時核ミサイルの発射が出来るように待機。この1回の航海はラファイエット級までは60日程度であったが、オハイオ級は大型で居住性が若干改善されたため航海の期間も若干延び、70日から90日程度になった
ただ性能上は、6か月間連続で潜水運用が可能である

Ohio-Class4.jpgどの海域を待機海域にしているかは軍事機密であり、詳細は非公開。詳細は艦長を含めた数人しか知ることはない。現在では搭載するミサイルの射程がICBM並に長いことから、危険を冒して敵国沿岸に行くようなことはなく、アメリカ本土に比較的近い太平洋や大西洋、北極海などで待機していると思われる

戦略原潜は、ブルーとゴールドの2組のクルーが用意され、1グループが70日間の航海を終えてると、約1ヶ月ほど艦の整備などを行い、その後に他のグループが70日間の航海に出る。そして、航海を終えた方のグループは、しばしの休暇の後訓練をおこなう、というローテーションを繰り返す。

その他に、約10年に1度は1年間ほどかけてオーバーホールと燃料棒の交換をおこなう必要がある。以上から実際の稼働率は60%程度であり、18隻でローテーションを組めば常に10隻前後は任務につき、巡航ミサイル型への転換が進んで14隻体制になると8隻前後が任務に就くと想定される

敵潜水艦に発見された場合の反撃手段としてMk48魚雷も搭載する。しかしその性質上隠密性が求められるため探査用のアクティブソナーは装備していない

巡航ミサイル原潜SSGN
Ohio-Class5.jpg2001年、米海軍はオハイオ級の1番艦から4番艦までを戦略任務から外し、巡航ミサイル潜水艦に改造することを決定した。1隻が完成

具体的な内容としては24基の弾道ミサイル発射筒のうち22基をトマホーク発射筒に改め、残りの2基を海軍特殊部隊「SEALs」に改造

トマホークは1基あたり7発を装備、最大で計154発と大量のトマホークを搭載可能。トマホーク発射筒の一部も任務に応じて小型潜水艇ASDSやドライデッキ・シェルターを搭載することも可能とされる。
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運用開始から30年以上経過しているオハイオ級戦略原潜も、後継艦導入が難しい課題です。

Ohio Replacement.jpg今検討されているSSBN-Xは、オハイオ級の2倍の価格(7~8000億円)と見積もられており、ニミッツ級空母の価格2倍のフォード級空母(1.7兆円)とならび、導入が順調に進むとは到底考えられません

また、サイバー戦や宇宙戦が新たなドメインに加わり、抑止の考え方全般の見直しが必要だと叫ばれる中、SSBNへの投資をどうすのかは資源配分議論の焦点の一つです

なお、米海軍は女性をSSBNに配置開始しています

オハイオ級SSBNの後継艦計画関連
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1
「SLBMは延命の方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13

21世紀の抑止概念を再構築
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
「相殺戦略特集イベント」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「期限を過ぎてもサイバー戦略発表なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25

ウィキペディア:オハイオ級原子力潜水艦
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%AA%E7%B4%9A%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E6%BD%9C%E6%B0%B4%E8%89%A6
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