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空中水上水中が全て可能な無人機開発 [Joint・統合参謀本部]

鳥だ、魚だ、いやNaviatorだ!

naviator.jpg21日、米海軍研究室ONR主催の科学技術展示会で、同研究室と大学が共同開発している「空中水上水中の全てで活動可能」な無人機「Naviator」が披露され、展示会を訪れた人々の関心を集めました。

この「Naviator」の用途としては、機雷の捜索や対処、港湾内や艦艇の水中部分の観察検索や調査、更に発展すれば特殊部隊用の偵察、監視、作戦用への応用も考えられ、今後開発は基礎的なモノからより大型のモノへ発展していくようです

映像等でご紹介するのは幅40cm程度の大きさですが、次の段階では、幅2m程度で約15kgの装備を搭載可能な無人機の開発が構想されており、色々な応用が想定されているようです

21日付DODBuzz記事によれば
Naviator3.jpg●21日、米海軍研究室ONR主催の科学技術展示会(Naval Future Force Science and Technology EXPO)で、Rutgers大学のチームが、初の空中水上水中無人機(unmanned hybrid aerial-aquatic vehicle)である「Naviator」の展示を行った
●「Naviator」は水深約10mまで潜ることが可能で、水中及び水面の移動が可能で、また水面から空に舞うことも可能である。

●同無人機は、同大学がONRからの資金援助を受け開発しているもので、機雷対策や港湾の治安確保などなどに活用が考えられている
●同開発計画担当の(同大学内組織の)副社長であるMarc Contarino博士は、特殊部隊も「Naviator」に関心を寄せており、360度視野のある耐水カメラを搭載し、港湾や橋や艦船の臨検等々に使用する事も想定されている

映像:EXPOでの展示模様(約4分)


●同副社長は、「特殊部隊は何が必要かを事細かに語ってくれないが、スピードと発見されにくいことが重要なことは我々にも判っている」、「だからなるべく高速で移動できるよう設計を行っている」と語っている
●展示された「Naviator」は市販の無人機程度の大きさだが、同副社長は、米海軍が機雷対処任務を担える搭載重量約15kgの能力を持ち、風速50m程度の風や1.5mの波でも運用可能な、幅約2mの無人機作成の計画を練っている。

Naviator2.jpg●開発担当者達は、既に「Naviator」を実際の環境でも試験しており、橋や船舶から発進させて水中活動まで行っているが、「海軍がスポンサーなので、最大級の艦艇でも試してみた」と副社長は語っている
●今後は、2018年開始の第2段階開発契約で、より活動範囲や能力を拡張する試みがなされ、例えば推進30mまで潜水可能なモデルを目指すことになる。

●同副社長は、米海軍が望むなら、水中を主でも、空中を主でも使用可能であり、その境界を意識することなく使用できる無人機の開発に今後も努力すると意気込みを語った
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ありそうでなかったモノが実現しつつあると言う事でしょうか・・・。

この形状で水中でも活動できる当たりにノウハウがあるのでしょうか。水中での移動速度が気になるところですが、有人機で実現出来ないのものが、無人機でなら実現可能・・・そんな典型的な事例のような気がします

最近の無人機関連記事
「海兵隊が苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-17
「ACC司令官が対処権限を要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-15
「イスラエル製を17億円で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-28

「DroneDefenderをご紹介」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-30
「IS無人機で初の犠牲者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-15-1
「群れで艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10

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米海軍のFA-18後継機は航続距離と速度優先!? [Joint・統合参謀本部]

米海軍は「行動半径」と「速度」重視へ!?

NGAD4.jpg21日付Defense-Newsが、昨年1月から米海軍が開始しているFA-18(EA-18Gを含む)の後継となる次世代制空機NGAD検討の状況について、担当海軍大佐の話を紹介しています。

早くても来年4月まで検討結果はまとまらないとの事ですが、既に検討開始から1年半が経過していることから、どのような能力を必要としているのかの方向性は見えつつあるようで、細部に言及はないものの、冒頭の様な話が示唆されています

米空軍もほぼ同時並行的に次期制空機PCAの検討を行っていますが、こちらからは「速度や機動性」より、「搭載量」と「航続距離」を従来より重く見るとの話も漏れ聞こえてきており、この辺りの対比が興味深い所です

ただ共通なのは、「機数」を確保したいことから、「価格」や「維持整備コスト」については両軍とも非常に敏感になっている点で、意地悪く言えば、戦闘機パイロット数を維持したい思いに溢れている点です。

21日付Defense-News記事によれば
NGAD2.jpg●米海軍研究所(ONR)の科学技術展示会で、米海軍NGAD(Next Generation Air Dominance)の要求性能を検討しているRichard Brophy大佐がパネル討議に参加し、まだ要検討事項が多数残っていると前置きを置きつつも、検討状況について語った
●なお、NGADとの表現は、米空軍戦闘コマンドACCも使用しているが、海軍と空軍が共同で検討を行っているわけではなく、時折、情報交換を行っている程度である

●検討はまず、NGADを導入しない可能性の検討から開始し、FA-18が2030年代から退役を開始することから、NGAD検討と導入が必要だとの方向が確認された。次に2040年代の脅威見積もりを踏まえ、FA-18の追加購入で対応可能か、またFA-18等の改修や近代化で能力向上させた機体の追加購入で対処可能かも検討する。
●そしてそれら検討の結果、問題があると分析が出れば、革新的な能力を持つNGAD機の開発をスタートすべきかの段階に進む。しかしいずれにしても、まとまった数の機体を必要とすることから、単価やコストを低く抑える必要がある。

Brophy大佐が注目の性能項目に言及
NG-6th2.jpg何を重視し、何を犠牲にするかについて、幅広い可能性を検討しており、この際、航空機自体だけで無く艦艇搭載装備や他の航空アセットを含めたトータルな「family of systems」が、任務を分担して総合的な戦略を発揮する姿をイメージしている
●そんな中ではあるが、Ray Mabus前海軍長官が要望していた、「無人機、またはオプションとして有人機もあり得る:unmanned or optionally manned」との考え方もあり、人工知能AIや無人化については当然検討の対象になっている

一つの重要要素となるのが、今の空母艦載機の弱点を克服するより長い行動半径であろう。ここで尺度とすべきは、単に航空機自体の行動半径「range」だけでなく、搭載兵器がどれだけ遠くまで到達できるかを示す「reach」との概念であろう
●これを考えるには推進装置の燃費も鍵となり、より長時間・より遠くへ給油無しで到達できれば、大きな改善となる

もう一つの重要要素は、F-14トムキャット時代を思い起こさせる「高速飛行の要求」である
海軍は伝統的に、空軍よりステルスを懐疑的に見て居るが、NGADではステルス性の取り込みを考えている。しかし、F-35計画と同じようにステルス性を重視するかと言えば疑問符が付く

NGAD3.jpg敵の脅威下での残存性は必要だが、ステルス性はその方程式におけるチャフやフレアーと同種の一つの変数に過ぎない。ステルスは何時も敵に対して有効とは限らないが、助けにはなると考えている
ステルス性は将来設計の一部分となろうし、どの国でもそのように考えるだろうし、おそらくNGADの一部となるだろう

●米海軍研究所の航空科学担当者Bill Nickerson氏は、ステルスの他にも、残存性を強化する方策として、超軽量装甲や対エネルギー兵器技術の研究にも投資していると語った
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ステルスに関し、米空軍への対抗心が見え見えのようで興味深いです。「ステルス性は・・・チャフやフレアーと同種の一つの変数に過ぎない」とは、ある面で正しい表現なのでしょう

「無人機、またはオプションとして有人機もあり得る:unmanned or optionally manned」との考え方は、次期爆撃機B-21の検討段階でも使用された表現ですが、B-21では完全に無視され、「当面は有人機で行く」との言い訳で実質無人機オプションを葬ったと同じ道を歩むのでしょう

NGAD.jpg「速度重視」はよく分かりません。航空機を狙う対空兵器の性能は飛躍的に向上すると見られ、多少速度や機動性が向上しても、それら防空兵器から簡単には逃れられない・・・がCSBAや米空軍の考え方だと・・・は認識しているからです

いずれにしても、海軍と空軍の検討に今後も注目致しましょう。そして、日本の戦闘機命派の後進性を指摘する材料として蓄積しておきましょう

米海軍NGADの検討
「米海軍もNGAD検討開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-24

米空軍次期制空機PCAの検討
「PCAの検討状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-12
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「F-35にアムラーム追加搭載検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-28

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ソフト開発&更新体制を刷新せよ! [Joint・統合参謀本部]

いつもこの女性大将の発言には考えさせられます

Pawlikowski3.jpg14日、米空軍協会の朝食会で講演した米空軍マテリアルコマンド司令官Ellen Pawlikowski大将が、米空軍はハード開発に重きを置きがちで、今や装備品開発のカギとなているソフト開発や管理体制が旧体然としたままで大きな問題となっていると危機感を訴えました

米軍のみならず、世界中の軍事装備品の開発は「遅延と予算超過」が常態化しており、「亡国のF-35」もソフト開発の大幅遅延とトラブル続出であることはご案内の通りです。

先週13日にも、米空軍がNorthrop Grumman 社に20年以上業務委託してきた米空軍航空作戦センターAOCのソフト開発・維持管理を打ち切り、「開拓者プロジェクト:pathfinder」として国防省と米空軍独自に取り組むことを発表したところでした。

そしてこの背景には、当初約350億円規模で始まったサイバー対策強化やオープンアーキテクチャー化が主目的のソフト改修が、700億円を超える状態になってしまっていることがあります。

Pawlikowski司令官は講演で
pawlikowski11.jpg米空軍はいくつかの先駆者的なプロジェクトとして、兵站分野や事務業務分野で新たなソフト開発手法に取り組んでいる。
●そしてその一つが、先週発表された米空軍航空作戦センターの新プロジェクトで、旧来の国防省手法を捨て去り、民間分野のソフト開発手法を導入しようとする試みである

●抱える問題は深刻で、ソフトが装備品の中核的位置を占める時代に、またマルチドメイン指揮統制や意思決定が決定的な役割を果たす時代に、ソフト開発や管理体制が置き去りにされてるからである
●伝統的な国防省の装備品開発には、新たなソフト開発や更新を迅速に行う仕組みが欠落している。典型的な区切りである「preliminary design review」は、ソフト開発にとって何の意味もない

●また国防省の装備品開発では、ソフト開発者と装備使用者・運用者間に大きな壁があり、現場のニーズをソフト開発に迅速に反映させることを阻んでいる
ソフトの変更権限を「大将レベル」に置いていることも迅速さを欠く要因であり、変更改修権限を下位に移譲することも重要だ。少将や准将レベルに権限を委任してもよいし、より下位に任せてもよいだろう

組織文化や予算科目の整理にも言及
Pawlikowski4.jpg旧式のシステムを早く用途廃止にして、「恐竜をジェット機と結びつけるような」困難なソフト開発の必要性をなくすことも重要だ
●更に「リスクを全く許容しない組織文化」を変えていくことも必要だ。2014年まで私が指揮官を務めた「Space and Missile Systems Center」では、だれも初めて国家安全保障関連打ち上げに失敗した指揮官になりたくないと、慎重すぎる組織文化がみられたが、リスクを許容する必要性を訴え続けた

●最後に、どの予算科目をソフト開発に利用するかの混乱や葛藤も、円滑なソフト開発の障害であることを指摘しておく。つまりソフトの改修や近代化予算が、研究開発費か運用管理費なのか不明確なことが多く、誰が責任者なのかも不明確なことがある。国防省として「ソフト開発費」を設定することも一つの解決策
●組織的な課題への対処策として、米空軍は運用者とソフト開発者を緊密にする「ソフトウェアチーム」設置に取り組んでおり、「ソフトウェア隊」に拡充するアイディアも検討している

●先駆者的取り組みは、兵站や事務業務分野に今は限定しているが、将来的にはよりリスクが高い作戦飛行計画作成ソフトなどにも応用できれば良い
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Pawlikowski6.jpg女性大将の草分けであるPawlikowski司令官ですが、並々ならぬご苦労とご努力の末に現在の地位を得られただけあり、他の男性将軍とは一味異なる視点や広い視点で話をされることが多いように思います。

だから軍事メディアも以下の過去記事ように多様な分野で、Pawlikowski司令官の発言を頻繁に取り上げています。米空軍研究所(AFRL)を配下に持つ司令官とはいえ、その守備範囲の広さに驚かされます。

このような「お手本」のところに、日本の女性自衛官を派遣して薫陶を受けさせることも、よいアイディアではないでしょうか?

Pawlikowski司令官関連
「初のICBM施設大規模修理」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-15
「軽攻撃機のデモ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-07
「ソフト更新とサイバー対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-21

「レーザーの現状を冷静に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-24
「米空軍の戦略計画チームを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-25-1
「次世代制空機の検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-23

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米海兵隊が小型ドローン対処に悩む [Joint・統合参謀本部]

日本でも絶対考えなきゃ!

ISIS drone 3.jpg13日、ワシントンDCで開催された軍事メディア主催の軍事技術会議&展示会で、米海兵隊の施設防衛を担当する大佐が講演し、小型ドローンの脅威は急速に高まっているが、これに対処する装備や技術を見つけられていないと語りました

前職で海兵隊内の無人機運用部隊の指揮官だったChe Bolden大佐は、無人機の特性や急速な発達を身をもって経験した人物だけに、事態が切実であることが伺えます

一方で、米国内での無人機使用に関する規則強化については消極的なようで、むしろ規則で縛ることで、小型ドローンの有効性や新たな使用法の開拓が妨げれれることを懸念している点が興味深いです。

米空軍ACC司令官が訴えている、航空機の安全運航や基地施設の防衛に関する危機感は薄いようです。これは基地を基盤に高価なアセットを運用する空軍と、基地から外に展開して活動する海兵隊の違いでしょう

14日付Defense-Tech記事によれば
ISIS drone 5.jpg市販の小型ドローンの能力が急速に向上し、世界中で容易に入手できるようになる中、ISISなどの敵対勢力も、これを米軍部隊への偵察や攻撃に使用し始めているが、米海兵隊はこの新たな脅威に対処する防御兵器探しに依然苦労している
米海兵隊施設コマンドの長期戦略部長補佐のBolden大佐は、小型ドローン対処は非常に複雑な課題であると「Defense One」主催の「Tech Summit」で語った

●同大佐は「市販の小型ドローン技術の急速な拡散により、部隊が直面する脅威は日々悪化している」、「我々は対処コンセプトの開発に取り組んでいるが、対処兵器や技術を発見できていない」と現状を語った

ISIS drone 4.jpg●海兵隊は既に、ライフルのような形状をした小型無人機対処兵器「DroneDefender」の実地テストを行っているが、一つのドローンの操作電波を遮断して無効化したり、操作を乗っ取ったりするこの装備を、本格的に導入する決定には至っていない

●海兵隊は、他にも幾つかのドローン対処技術を慎重に見極めている。その一環で今年4月、ドローン対策企業である「Sensofusion」と契約し、電波を使用して小型ドローンから基地や拠点を守る「防御策柵:defensive perimeter」を張る構想の「AIRFENCE」技術開発を行っている

点を守ること、エリアを守ること、そして敵攻撃を緩和することはそれぞれ異なり、異なった対処や装備やコンセプトが必要だ。

ISIS drone 2.jpg●中でも、多様な施設が分散して存在する基地を小型ドローンから守ることは難しい常続的に施設周辺の空や地上を監視し続けることは容易ではないのだ。だからいろんな手法や技術を検討しているのだ

米国内での無人機運用や無人機からの防御に関して、国内規則強化には海兵隊は積極的ではない。たとえ規制強化で無人機からの脅威問題が緩和されたとしてもである
●同大佐は「無人機の悪い側面に着目して規制強化を進めれば進めるほど、小型ドローンのような新たな技術の良い側面に、自ら扉を閉ざすことにもなる」、「私の立場からすれば、無人や自律化システムを活用する機会や利点を追及しており、規制はそのような機会を奪うものであってはいけない」との考えを述べた
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最後の「国内規制強化」に関する部分は、同大佐の個人的な意見か、海兵隊としての意見か不明ですが、攻撃と防御は表裏一体ですので、小型ドローンを使用した新たな戦術や作戦を海兵隊として検討しているのかもしれません。

ISIS drone.jpgいずれにしても、小型ドローン、市販ドローンの脅威は無視できません
派手な攻撃でなくても、滑走路や航空機駐機エリアに、ボルトや釘をバラまくだけで、航空機の運用を一時的にでも妨害することができますし、ACC司令官が懸念していたように、戦闘機エンジンの空気取り込み口に突っ込ませるだけで、エンジンを故障させることが可能でしょう

自衛隊の中期計画に、そのような配慮はあるでしょうか? 期待薄でしょうねぇ・・・。航空基地の脆弱性を語れば、戦闘機への投資に疑問を生む可能性がありますから・・・

無人機対処装備の関連記事
「ACC司令官が対処権限を要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-15
「イスラエル製を17億円で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-28
「DroneDefenderをご紹介」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-30

「IS無人機で初の犠牲者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-15-1
「群れで艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10

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ロシアをINF条約枠組みに戻すために [Joint・統合参謀本部]

米国はINF条約枠組み内の対策でロシアを引き戻すべき!

Selva senate.jpg18日、上院軍事委員会に出席したPaul Selva統合参謀本部副議長はロシアが欧州正面に配備したINF条約違反の長距離巡航ミサイルを撤去する気配はなく、国防省としてトランプ大統領に提案する多様なオプションを検討していると証言しました。

ただし、前提となるべき「NPR:核態勢見直し」などの大きな方針文書が出揃ってから、大統領に対処オプションを提示する考えらしく、まだ数ヶ月かかるとも証言しています

また同空軍大将は検討中のオプションに関し、あくまでも「INF条約枠内の手段」を使用すべきで、米国が同条約を破ることは他の条約の存在意義や枠組みまで危うくすることから、INF条約無効化や破棄は避けるべきだとの姿勢も明らかにしています

ロシアの同条約破り巡航ミサイルの配備を受け、ハリス太平洋軍司令官は、中露や北朝鮮やイランを縛らず、米国だけが縛られている現状に危機感を訴え、条約破棄を提言していましたが、恐らく米国防省のスタンスは「穏やかな」Selva大将の発言に沿うモノなのでしょう・・・。

19日付米空軍協会web記事によれば
Selva brok.jpg●Selva副議長は、ロシアがINF条約の規定を守るような状態に復帰するような兆候を示す「インテリジェンス情報は全くない」と、上院軍事委員会でまず証言した
●そして、今後数ヶ月(several more months)作成に必要な「NPR:核態勢見直し」や「BMD態勢見直し:BMDR」の結果を踏まえ、トランプ大統領にフルレンジの多様なオプションを提案する予定だと語った

●想定されるオプションの例として同大将は、「米国が中距離弾道ミサイルや巡航ミサイルの開発を企てるが、試験は行わない」とのオプションを紹介した
このオプションは上院も下院も想定しており、2018年度国防授権法(National Defense Authorization Act)に地上発射中距離巡航ミサイルの開発着手を盛り込もうとしている

●一方でSelva大将はオプションの基本的考え方に関し、「同条約の規約を露に遵守させられないようであれば、他の全ての合意事項の拘束力も弱体化させかねない」との懸念を示し、「米国は同条約の規定範囲内の手段で、ロシアを同条約の枠内に引き戻し、核戦力の戦略的バランスを維持しなければならない」と表現した
●そしてロシアの条約違反行為は、戦術的なものより戦略的な意味合いが強いとの見方を示し、「ロシアの(条約違反の)地上発射ミサイルの展開位置からすると、欧州正面で何ら優位に立ったわけではない(they don’t gain any advantage in Europe)」と語った
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中国が南シナ海で好き放題なのを放置しているとの同様に、ロシアにも好き放題やられる西側諸国の悲哀を感じるSelva空軍大将発言です。NPRやBMDRの完成までオプション検討を先送りというのも、苦しい言い訳のような気がします

Selva yunif.jpgSelva大将は、カーター前国防長官がその情勢認識や改革意欲を買って副議長に選んだ「折り紙付き」の大将ですが、世界中で紛争が火の手を上げ、大統領がこの状態では、手を広げないで慎重に進めるしかないのでしょう・・

他の全ての合意事項の拘束力も弱体化させかねない」(inability to enforce the standards of the treat renders all other agreements less compelling)との言葉は、あらゆる状況を考慮したプロの視点かも知れませんが、言い訳のようにも聞こえます

露のINF条約破りを巡る動き
「米下院がINF条約破棄を提案へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-23
「ハリス大将:INF条約は宗教戒律か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-29
「ロシア巡航ミサイルへの防御なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06

「NYT紙が露のINF破り配備報道」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「露がINF全廃条約に違反」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27
「INF条約25周年に条約破棄を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-10

「米とカナダが巡航ミサイル対処に協力へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-01
「米陸軍にA2ADミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

Selva統合参謀本部副議長のご紹介
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-02 

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ISIS後の空白にコンテナ式交番で対処 [Joint・統合参謀本部]

モスルはISISから解放されたけれど・・・

container Police 3.jpgcontainer Police.jpg7日付米空軍協会web記事によれば、対ISIS多国籍部隊の幹部が、ISISのプレゼンスがなくなったイラク内「真空地帯」の治安維持のためコンテナ式「Police station:交番」100個をイラク全土にこの夏配備し、将来は国境監視・警備にも同コンテナを活用する計画だと明らかにしました

対ISIS作戦(Operation Inherent Resolve)で多国籍部隊のパートナー育成部長であるカナダ軍のD.J. Anderson准将は、最初のコンテナ式交番が8日か9日にも到着する予定だと語っています。
日本が発明した「Police station:交番」システムが、中東の安定に貢献するチャンスですが、事態は全く予断を許しません

ISISが消滅しても、戦国時代さながらに多数の組織が「アラブの春」以降に生じた力の空白を狙ってうごめいており、「振り出し」に戻っただけのイラクやシリアですから、こんな地道な取り組みが必要な世界です。

Anderson准将によれば
container Police 2.jpg治安機関のインフラが破壊されたモスルのような地域で、イラク軍や治安部隊は活動拠点がない困難に直面しているが、米国率いる多国籍部隊は、コンテナ式の箱のような「Police station:交番」でこの事態に対応しようとしている
●多国籍部隊やイラク関係者は、空輸も地上輸送も可能で、必要装備品が収納されたコンテナ式交番を活用し、直ちに目に見える警察プレゼンスを確保したい考えだ

●「Police station:交番」と識別しやすい塗装等が施されたコンテナの中には、家具やパソコン、検問設置用具などが収納されており、2台のランクル車両とセットで、とりあえず警察プレゼンスを誇示できるように設計されている
この夏に100個の同コンテナ交番を設置する計画で、その後は同コンテナを応用し、「国境警備隊用のボックス拠点」としてイラク国境に配備する計画が検討されている
NHK-IS.jpgイラク警察は、イラク陸軍からの増強要員も活用し、イラク国内の警察体制の再構築に取り組んでいるが、多国籍部隊は地域に安定を提供するため、引き続き支援や助言を行っていく

同准将は「警察官の存在ほど通常状態を示すものはない」と同コンテナ式交番の意義を強調している
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元々ISISは、「アラブの春」を発端として中東諸国の支配体制が揺らぎ、シリアのアサド政権に対する反政府運動の「一つの武装勢力」として活動を始め、その支配や影響地域をイラクだけでなく世界に広げた組織です。

シリア反政府運動の「他の複数の武装勢力」は、とりあえず対ISISで活動の方向を一つにしていましたが、ISISが滅びた後は、反アサド政権の立場は共通ながら、それそれの武装勢力の利益追求を求め何を始めるか全く読めません。

NHK-IS2.jpg既にISISが「国家」と称していた地域では、さまざまな武装勢力が入り乱れているほか、利害関係を有する隣国など(トルコやイランやロシア)などの正規軍も含めて複雑な構図となっています。

ISISを壊滅できたとしても、シリア・アサド政権側と反アサドを掲げる武装勢力などによる戦闘が続く見通しで、平和が訪れる見通しは全く立っていません。

ISISとの戦い様々
「比南部のIS戦を米軍支援」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-12
「B-2によるリビアIS爆撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-02
「IS無人機で初の死亡者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-15-1

「米空軍は外国軍訓練を重視せよ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-29
「ISが化学兵器で米軍を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-23
「対ISサイバー戦は大きな教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-23

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海兵隊が無人の援護&攻撃&電子戦機MUX導入へ [Joint・統合参謀本部]

TERN program.jpg23日、米海兵隊の航空部隊副司令官のJon Davis中将が、パリ航空ショーの会場で軍事メディアの取材を受け、オスプレイを援護でして戦闘機や攻撃機の役割も果たし、電子戦能力にも優れた垂直離着陸型の無人プロペラ機を、2026年までに強襲揚陸艦に搭載する計画だと語りました

同中将は、盛りだくさんな要求に驚く女性記者に、ひと昔からの海兵隊の構想が技術進歩で夢でなくなったと表現し、今年2017年第4四半期には複数の企業がデモンストレーション飛行を行う予定のほか、合計4つの企業が機種選定に応募の見込みだと語っています

まんぐーすはノーマークでしたが、既にDARPAがNorthrop Grummanと協力してこの種の大型無人機の技術開発を手がけており、ボーイングやベルヘリコプター社も具体的な形を仕上げてきており、なかなか面白そうです。

23日付DODBuzz記事によれば
Tern NG2.jpg●米海兵隊は、強襲揚陸艦から離発着できる大型の無人機を求めているが、その要求性能リストに記者は驚いた
オスプレイと同様の行動半径を持ってエスコート可能で、F-35B戦闘爆撃機と同じ兵器を搭載でき、航空攻撃や電子戦や指揮統制や早期警戒任務まで要求する内容だったからだ

●Davis中将はインタビューで全く問題ないと言い切り、「MUX」と呼ばれる海兵隊にとって初タイプのアセットだが、海兵隊関係者は要求リストから引き下がるつもりはないと自信を持って語った
●そして「オスプレイも、F-35も最初は疑問の声があったが大丈夫だった。全く問題ないし、十分実現可能だ。基盤となる必要技術は抑えてあり、十分可能な要求だ」と語った

●同中将は、「Group 5 drone」と言われるもっとも大型タイプの無人機であるMUXを、強襲揚陸艦から垂直離着陸させるほか、戦い攻撃し、オスプレイを援護して、電子戦も担えるものにしたいと語った
V-280 Valor2.jpg●また「オープンアーキテクチャーの航空機で(システムの能力向上が容易で)、自動で離着陸できる能力を備えるよう要望している」、一方で「兵器やセンサーの操作は人間が行う仕組みを希望している」と説明した

●同副司令官によれば、海兵隊が当初MUX構想を持ち出したときは技術的壁が立ちはだかったが、強襲揚陸艦用の高速航空機の要求性能を検討している数年の間に技術的進歩・成熟があり、今では複数の関係企業が名乗りを上げるほど実現可能性が高まっている

●具体的には4つの企業が具体的な案を煮詰めており
Boeingは尾部から着陸する方式(tail-launched)
Northrop Grummanも「Tern」という尾部着陸方式
Bell Helicopterはティルローター方式
Karem Aircraftもティルローター方式を用意している

●Davis中将は、この「全ての能力を備えた:do-it-all」無人機を2026年までに部隊配備したいと述べ、今年末にも初のデモ飛行を計画していると説明し、Northrop Grummanが「Tern」を第4四半期に、ベル社が革新的なティルロータ方式の「V-280 Valor」を披露する計画だと述べた
●そして「不可能と言われていたものが、今年第4四半期には現実のものになる」と語った
//////////////////////////////////////////////////////////////////

V-280 Valor.jpgDavis中将は7月には退役する予定ですから、「卒業旅行」で明るいニュースを明らかにするチャンスを与えられたのかもしれません。

多少楽観的な表現があったかもしれませんが、艦艇へのプロペラ機の自動垂直離着陸はかなりの精度で自動化が可能なレベルにあるのでしょう
そしてその技術的背景には、民間分野でのドローンへの資金及び人的集中投資が生んだ成果も貢献しているのでしょう

日本も「F-35B型(垂直離着陸型)も欲しい」などと言ってないで、足元を見つめ、こんな装備にも注目してはいかがでしょうか???

いろいろな無人機の話題
「Ternの開発契約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-30
「初の空母艦載無人機は?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-15
「MQ-25のステルス性は後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27 

「米軍士官学校が無人機群れ対決」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-26
「国防省:空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1
「無人艇の群れで港湾防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19
「無人機の群れ:艦艇攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10

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被害状況下に備え海兵隊が訓練改革 [Joint・統合参謀本部]

Neller3.jpg14日付Defense-Techが、Neller海兵隊司令官の強いリーダーシップの下、米海兵隊部隊がサーバー攻撃等で被害を受けた状況を想定した訓練に取り組む様子を伝えています。

昨年8月のCSIS講演で同司令官が力説していたように、現在の米軍はITデバイスに依存しすぎ、敵からサイバーや電子戦攻撃を受けた場合、自身や友軍の位置特定や通信までも不能になる可能性があると危惧されています

そこで同司令官は戦いの原点に帰ることを部隊に要求しており、CSIS講演でも「自分が背負って持ち運べる装備や食料で生き延びよ、穴を掘れ、カモフラージュして身を隠せ、全ての電子デバイスの電源を切れ、屋外に身を隠しそこで寝られるように訓練せよ」「音を立てるな、何も外部に発するな。さもないと敵に発見され攻撃されるぞ」と米海兵隊部隊に教育していると力説していました

本日はそんな米海兵隊の中で、昨年秋にアフリカに派遣された部隊(Special Purpose Marine Air-Ground Task Force-Crisis Response-Africa)が、派遣前に行った準備訓練の一端を記者団に説明したようですのでご紹介します

14日付Defense-Tech記事によれば
Marine-okinawa.jpg●特別編成部隊の指揮官だったDan Greenwood大佐は、「何度もアナログ時代に戻って訓練した」と語り、「サイバー攻撃を模擬して通信ネットワークを遮断し、コンピューターをオフにして、無線一つだけを通信手段として対応することを強要した」と訓練を説明した
●また同大佐は、紙の地図やコンパスなど、原始的とも言える道具を使った作戦遂行を海兵隊歩兵部隊に要求したと説明し、「我々が若い頃に学んで育った手法だ。その様な基本技術を思い出させる訓練を行った」と語った

●一方で同大佐は、展開先によってはオフラインでの戦いが大きな課題となる地域もあると表現し、米本土の2倍の大きさがあるアフリカ大陸の広大さを指摘した
●そして「アフリカのような広大な大陸では欧州での作戦と異なり、大陸のどの地域にいるかによって衛星通信の異なる周波数を使用する必要がある」、「アフリカ大陸内の3000km離れた2地点で意思疎通が必要な場合、それはワシントンDCとカリフォルニア間で通信するようなものであり、衛星通信なしで代替手段を考えることが難しい」と指摘している
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昨年8月のCSIS講演で海兵隊司令官は自虐的に
Neller4.jpg●最近のある海兵隊演習で、展開先で司令部施設を設置する訓練を行い、仮設の指揮所施設に大きなカモフラージュ用ネットが被せられた。敵の航空攻撃を想定する必要が無かった最近の実戦では、あまりやらなかった訓練である。
●ネットの偽装効果を確認するため上空からの映像で検証すると、仮設指揮所の周りに張り巡らされた様々な通信ケーブルやワイヤーが太陽光を反射し、重要な施設が中心に隠されていることが手に取るように明らかだった。敵なら容易に発見できる状態だった。そしてその欠陥に部隊の誰も気付いていないのだ

●これまでの対テロ戦の敵とは異なる相手と対峙しなければならない現実を直視し、自分自身の姿を見直せ。考え方を変えなければダメだと教育している
●イラクやアフガンでは、聖域的な位置づけの整った拠点から出動し、拠点から機動展開することもなく、ダイニングホールで食事し、挽き立てのコーヒーを飲むことが出来た環境だった
ハイテク技術の活用とその利用が不可能になった場合への備えのバランスが重要で、戦いに於いては全てが不透明で不確実だ

また今年2月には部隊に指示を出し
Marine-okinawa.jpg過度の飲酒や喫煙、更に食生活の乱れは敵を利することになる自己虐待」だ、「スマホなど電子デバイスを脇に置き、安楽椅子から離れ」、食事のバランスを考えて体重管理を行い、健康管理を再確認せよ
海兵隊員の多くが所属する部署や大隊程度の範囲にしか視野が向いておらず、ストローの穴から世界を見るような狭い世界で暮らしているように危惧している。海兵隊員皆に、より大きな組織に属し、全員でその任務を遂行しているのだと言う事に思いを致して欲しい

建設的な意味でもっと楽しめ:Have more fun。兵舎で過ごすばかりでなく、サーフィンを始めるも良し、新しい語学を学ぶも良し、仲間や社会とのつながりを持ったり、地域の自然に親しんだりして余暇を過ごして欲しい
●海兵隊の訓練の厳しさから逃げるのではなく、仲間とぶつぶつ文句を言いながらも、笑い飛ばして取り組め。共に乗り越えた苦難は団結を強固にする。退役する時になって、一番思い出すのがこんな時の事なんだ
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Neller2.jpg今後この様な基本に返る訓練が、陸海空軍でも増えることでしょうし、Neller海兵隊司令官のような訓示が増えるのでしょう

でもアフリカならずとも、米本土から前線の作戦を指示することや、無人機を操縦することも難しくなりますよねぇ・・・。課題山積み・・・ですね

Neller海兵隊司令官の関連
「基本的な防御手段を復習せよ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-10
「生活習慣を改善せよ!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-08 

被害状況下への備えを訴える
「米海軍将軍:妨害対処を徹底する」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-21
「空軍OBも被害対処を重視」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-23-1
「被害状況下で訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-23

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18年ぶりに空中戦で敵機を撃墜:FA-18対SU-22 [Joint・統合参謀本部]

戦闘機命派が固執する空中戦で18年ぶりの撃墜
でも、、、まだ空中戦訓練に固執するの?

SU-22.jpg18日、対ISIS作戦に参加している米海軍FA-18が、爆弾投下後のシリア軍SU-22戦闘爆撃機を、空対空戦闘により撃墜しました。
シリア軍のSU-22は米軍が支援するシリア民主軍SDFの活動地域を爆撃しており、米軍は多国籍軍の交戦既定と集団的自衛権に基づき、味方であるSDFを攻撃したSU-22をFA-18により直ちに撃墜した模様です

6月8日には、関係国が非戦闘地域(deconfliction zone)に指定している地域で、対ISIS対処部隊の訓練キャンプをシリア軍保有と推定される「無人機MQ-1に似た」無人機が攻撃し、米空軍F-15Eが撃墜する事案が発生したところでした

SU-22 2.jpgこの様にシリアやイラクでの対ISIS戦は、ISISの劣勢が伝えられる中、これまで比較的遵守されてきた米国ロシア間の「非戦闘地域(deconfliction zone)指定」を無視する「仁義なき戦い」の域に入り始めており、アサド政権&イラン&ロシア連合と 米国主導の多国籍軍の戦いの推移が注目されます

でも今日の注目点は、18年ぶりの空中戦撃墜です。
これを機会に、戦闘機命派が何時までも固執する「空中戦」が激減し、「空中戦技能」の重要性が急降下している現実を再確認し、他に考えるべき事があるだろう!、と叫ばせて頂きます。

18日付Military.com記事によれば
18日米中央軍は、米国が支援するSDFを攻撃したシリア軍SU-22戦闘爆撃機を、米海軍FA-18が空対空戦闘で撃墜したと発表した
SU-22 3.jpg●なおシリア軍SU-22は、今年4月にシリア反政府側の支配地域を化学兵器で攻撃した航空機と考えられており、SU-17やSU-20の派生型の戦闘爆撃機である。なお多国籍軍側は、この化学兵器攻撃を契機として、米海軍駆逐艦2隻から50発以上の巡航ミサイルをSU-22根拠基地に発射し攻撃した

シリア軍によるSDF支配地域への進軍は初めてで、多国籍側はロシアに緊張緩和の申し入れを行ったものの変化が見られなかった状況であった
同SU-22はSDF兵士近傍に爆弾を投下したモノで、米中央軍は「多国籍軍の交戦既定と集団的自衛権に基づき、直ちに米海軍FA-18によって撃墜した」と発表している

●この様な空対空戦闘での敵戦闘機撃墜は、1999年コソボ紛争時の米空軍F-16によるセルビア軍Mig-29戦闘機撃墜以来である
●またFA-18による空対空戦闘による撃墜は、1991年湾岸戦争時に、2機の米海軍FA-18が2機のイラク軍Mig-21戦闘機を撃墜して以来である


日本の戦闘機命派はどう反応するのか?
F-35 Japan OUT.jpg●日本の戦闘機命派が、次の中期防衛力整備計画(平成31年度~)で戦闘機飛行部隊の増強を企て始めているとの噂を耳にし、とんでもないとあきれ果てる一方で、陸自が現在の中期防作成時に増員を持ち出し、結局現状維持ぐらいを勝ち取った歴史を思い出し、同じ作戦かとため息がでる思いである
米国防省の報告書「中国の軍事力」がここ数年一貫して、中国軍の軍事力増強や組織改革の目的が、「地域の紛争において高列度の戦いで短期間に勝利を収める」事にあると結論づけ、弾道・巡航ミサイルやサイバー・宇宙・電子戦能力強化に中国が邁進していると明記する中、航空自衛隊はこれへの対処を無視し続け、脆弱な戦闘機投資だけに固執中

「F-3開発の動きと日本への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「2016中国の軍事力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15

鉄砲が戦いを制する時代に剣術に固執した戦国大名の悲劇そのままに、未だに「操縦者綱領(香料、荒涼)」や「ファイターパイロット魂」なる時代錯誤の呪文を唱えるだけで無く、「ただ飛んで飛行手当を確保したい」「支配者意識とポストを確実に享受していたい」との思いを包み隠し、真に抑止力強化や粘り強い戦いに必要な施策、つまりクロスドメイン装備や強靭性強化等々に資源配分を行わず、サイバー宇宙電子戦への投資や人材育成もかけ声だけ、後回し&「すすめの涙」で誤魔化している
F-35 Luke3.jpg●脅威が変化している中、根拠の希薄な戦闘機飛行隊とパイロット数維持に固執(増強との暴挙も含め)する事により、操縦者以外の重要性が高まる構成員の士気を削ぎ、加えて「飛行訓練」以外の教育訓練投資もサラミスライス削減し、中国軍が真に力を入れている「高列度・短期戦」への備えを無視し、平時からグレーゾーンの領空保全任務だけをアピールし、スクランブル回数だけで操縦者の存在感(自己満足感)を売り出している

「織田邦男の戦闘機命論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-06
「中国報道:J-20が運用開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-14
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02

F-35 luke AFB.jpg●そんな日本の戦闘機命派には、空中戦能力を2の次にし、搭載量や航続性能をより重視する米空軍の次期制空機(PCA)検討は目にしたくない情報だろう。ましてや、ステルス性に依存しようとしていた中で、米空軍がエスコート型電子戦をPCAより優先する「あせっている」様子を見せられ、状況が全く理解できない脳死状態かも知れない
●米空軍PCA検討の背景には、脆弱な航空基地など精密誘導兵器やサイバー戦等で当初から利用不可となる可能性が高く、遠方から数少ないアセットで対処するしかないとの極めて自然な脅威認識がある。また、地対空ミサイルの機動性や射程が急速に発展し、制空機の速度や機動性をいくら高めても脅威を回避できないと単純に予測できるからである

「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

「ACC司令官も電子戦機を早期に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27
「20年ぶりエスコート電子戦機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-20

●空対空戦闘での撃墜が18年間発生しなかったのは、大国同士の戦いが無かったからだけではない。通常戦力における圧倒的な米軍との差を認識している潜在的敵国が、戦闘機VS戦闘機や、艦艇VS艦艇の戦いを避け、非対称の戦いを場に選んだからである。
●この様な変化を独占支配者である戦闘機命派は肝に銘じ、次期中期防では「戦闘機」や「戦闘機操縦者の訓練」の質を根本的に見直すことから開始し、平時からグレーゾーンの領空保全任務アセットや訓練への投資を削減方向で見直し、真に抑止力強化や粘り強い戦いに必要な施策に資源を振り向けるべきである

「脅威の変化を東アジア戦略概観で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「広中雅之は対領空侵効果に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1
「小野田治も戦闘機に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05 

F-15 JASDF.jpg●この際、平時からグレーゾーンの領空保全任務の遂行が抑止力につながると見なされた過去と決別し、戦闘機操縦者の手当とポスト確保の既得権益に結びついてると見なされつつある事を忘れてはならない
また、「操縦者綱領(香料、荒涼)」や「ファイターパイロット魂」を正面に掲げることが、脅威の変化や戦略・戦術環境の変化を理解出来ない点に於いて、書籍「失敗の本質」が描いた太平洋戦争当時の日本軍高級士官そのままの姿である事にも気付くべきであろう

書籍「失敗の本質」に学ぶ
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-12-31
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SU-22とFA-18の性能差や搭載兵器からすれば、「空中戦」というよりも、「狙い撃ち」だったと思いますが、空対空戦闘の範囲をそこまで拡大しても、それでも空対空戦闘は18年ぶりなわけです

F-15 upgrades.jpgそれでも操縦者の命は重いから、しかり空中戦訓練をさせ、空中戦用の戦闘機を装備せよというのなら、地上の飛行場や指揮所で勤務する兵士の命はもっと危機にさらされるでしょう。
戦闘機を個々に撃破するよりも、地上の作戦基盤を直接狙ったほうが、敵からすれば費用対効果が高いでしょう

グレーゾーンの領空保全を重視するなら、ハードに投資するよりも、法制や交戦規程をまず改正し、ソフト面から抑止力をまず高めるべきでしょう

報道機関の皆様には、航空幕僚長の記者会見や沖縄の那覇基地で、是非、質問して頂きたい
18年ぶりの空中戦で米軍機が敵戦闘爆撃機を撃墜しましたが、受け止めをお聞かせ下さい」とか、
米空軍のPCA検討をどう思われますか」とか、

空自の次の戦闘機議論では、どのような点がポイントですか」とか、
前の齋藤空幕長は退任直前、スラストベクターに言及(東京の郊外にまで世界中から嘲笑が聞こえてきた問題発言)されていましたが、杉山空幕長は如何ですか」とか・・・

米空軍の次期制空機PCA検討
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「F-35にアムラーム追加搭載検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-28

制空戦闘機より電子戦機を優先
「ACC司令官も電子戦機を早期に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27
「20年ぶりエスコート電子戦機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-20

くたばれ日本の戦闘機命派
「中国報道:J-20が運用開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-14
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02
「脅威の変化を東アジア戦略概観で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08

「F-3開発の動きと日本への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「F-35の主要な問題点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

空自OBに戦闘機を巡る対立
「織田邦男の戦闘機命論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-06
「広中雅之は対領空侵効果に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1
「小野田治も戦闘機に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05 

ロバート・ゲーツ語録2
→海軍は空母が支配し、戦闘機と爆撃機が空軍を支配し、戦車が陸軍を、そして着上陸用車両が海兵隊を支配しているのが実態である。
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-09
ロバート・ゲーツ語録3
→皆に気づいて欲しい。空軍の歴史の大部分は空中戦と爆撃機の能力で彩られているが、ベトナム戦争以来、空軍パイロットは空中戦で撃墜されていない
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-09

ロバート・ゲーツ語録10
→米軍には20世紀の世界観が根強く残っており、変化を妨げている。米軍は戦闘で40年間航空機を失っておらず、朝鮮戦争以来、敵の攻撃を受けていない。しかし、21世紀の制空権は米軍の従来の想定とは全く異なるであろう→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07
ロバート・ゲーツ語録11
→米空軍は、空対空戦闘と戦略爆撃に捕らわれすぎており、他の重要な任務や能力を無視しがちである。ある意味で空軍は、その成功の犠牲者とも言える→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07

ロバート・ゲーツ語録12
→私がCIA長官の時、イスラエルが無人機を有効使用することを知った。そこで米空軍と共同出資で無人機の導入を働きかけたが1992年に米空軍は拒否した。私は3年前、今度は無人機導入のため牙をむいて4軍と立ち向かった→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07
ロバート・ゲーツ語録33
→全ての潜在的敵対者、つまりテログループ、ならず者国家、ライジングパワー、これら全てが共通に学び得たものは、米国と通常戦の手法で正面から対峙するのは賢明ではないとの認識である→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-27

ロバート・ゲーツ語録37
→彼らのサイバー戦、対衛星・対空・対艦兵器、弾道ミサイルへの投資は、米軍の主要なプロジェクション能力と同盟国の支援能力を脅かす。特に前線海外基地と空母機動部隊に対して顕著である。またそれらへの投資は、足の短い戦闘機の有効性を殺ぎ、どのような形であれ遠方攻撃能力の重要性を増す→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-27
ロバート・ゲーツ語録79(2011年1月の発言)
→北朝鮮は米国に対する喫緊な脅威ではない。一方で、今後5年間に関してはと言うことである。正確に言うならば、その程度の時間で、北朝鮮はICBMを開発するだろう→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-09-1

ロバート・ゲーツ語録100選
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

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空母艦載無人空中給油機MQ-25Aのスケジュール感 [Joint・統合参謀本部]

MQ-25A.jpg12日付米海軍協会web記事は、米海軍航空システムコマンドへの取材等をまとめ、初の空母艦載無人機となるMQ-25A空中給油機今後のスケジュールと搭載予定空母について紹介しています。

同コマンド報道官は、「MQ-25A Stingray」の作戦投入について語るのは時期尚早だと言いながらも、2020年には運用開始したいとの意向を米海軍首脳が示すなど、結構なスピード感で進んでいる様子が伺えます

4社が機種選定に挑む予定だとか、技術的な問題はX-47Bの試験を通じかなり固まっている雰囲気だとか、そんなに開発リスクが無いような印象を受けました。

12日付米海軍協会web記事によれば
MQ-25A-2.jpg●要求する姿が激しく揺れ動き、重装備の突破型攻撃機から軽武装の偵察機兼務に議論が広がり、最終的には空中給油任務を主とする現在のMQ-25Aだが、最初に2つの空母、George H.W. Bush (CVN-77)とDwight D. Eisenhower (CVN-69)に搭載することになり、まず空母ブッシュに無人機管制装置やデータリンク装置を約30億円で搭載することになったと同報道官は語った
●なお空母ブッシュは、2013年に艦載無人機技術デモ機のX-47Bが、初めて着艦に成功した空母でもある

●具体的に、同空母に何時上記装備を搭載するか不明確だが、米海軍トップのJohn Richardson大将は、同機の開発を急ぎ、2019年には搭載し、2020年には戦力化したい意向を他幹部と共に示している
●米海軍は現在、2017年末には提案要求書を発出する方向で準備を進めているが、4企業(General Atomics, Lockheed Martin, Boeing and Northrop Grumman)が対象となる見込みである

MQ-25A-3.jpg●なお、2018年度予算には約250億円のMQ-25A開発研究費が計上されているが、空母ブッシュに必要装備を搭載する経費は、燃料交換と大規模修理(RCOH)に入る空母G.ワシントンの運用経費から振り替える予定である
●MQ-25A開発研究では機体にどうしても注目が集まるが、予算の2/3は無人機管制装置やデータリンク装置の開発等に充当されており、米海軍航空コマンドに託されている

●同報道官はMQ-25A導入後の運用について語るのは時期尚早としているが、米海軍が同機の導入を急ぐのは、FA-18の飛行の約3割が空中給油任務に裂かれており、対ISIS作戦等の激化と共に機体への負担が急増しているからである
●なお米海軍は、空中給油機だけでなく、次のステップとして攻撃や偵察任務を担う艦載無人機に向かうはずだが、MQ-25Aと同様に様々な要求性能や任務に関する意見が飛び交い、米海軍として議論が煮詰まらない状況にある
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MQ-25A-4.jpg突破型攻撃機のUCASから、ちょっとソフトなUCLASSと呼ばれた時期には興味があったのですが、ドロドロの水面下議論を経て空中給油機となった「MQ-25A」には全く興味が湧かなかったのですが、2020年の作戦投入を目指すとの「意気込み」に興味が少し復活しました

なにせ、FA-18操縦者の要求度が高い装備ですから、米海軍内での推進力も期待できましょう。円満に機種選定が進み、開発や試験が順調である事を祈りつつ、ご紹介と致します

空母艦載無人機の経緯と現状
「MQ-25のステルス性は後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27
「CBARSの名称はMQ-25Aに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「UCLASSはCBARSへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-02

「UCLASS選定延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1
「米海軍の組織防衛で混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01
「国防省がRFPに待った!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-12

「関連企業とRFP最終調整へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-19
「会計検査院が危惧」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-10
「X-47B空中受油に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-05
「なぜUCLASSが給油任務を?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-02-1

「哀愁漂うUCLASS議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-17
「UCLASSで空中戦?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-24
「UCLASSの要求性能復活?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-14
「夢しぼむUCLASS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-21

「米海軍のNIFC-CAとは?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26
「脅威の変化を考えよう」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08

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こっそり米海軍がFA-18の80機以上増強を計画 [Joint・統合参謀本部]

2018年度予算の14機取得が最後のはずだったのに

F-35 Navy.jpg13日付米海軍協会web記事は、米海軍が2019年度予算案説明のため13日付で上院軍事委員会に提出した証言書類に、今後5年間で80機以上のFA-18を購入する計画が盛り込まれていると紹介しています。理由は何時ものように、対ISIS等の作戦で予想以上に酷使され、必要な機数維持が出来ない・・・です

米海軍は2017年度予算でFA-18を2機、そして2018年度予算の14機取得でFA-18調達を終了する予定でした。それがいきなり「最低80機を調達する」との計画を持ち出し、今後5年間の各年度に最低何機づつ購入するかの計画も明らかにしています

カナダがF-35購入に慎重で「とりあえずつなぎに」18機購入方向で、クウェートが最低28機の購入を決定して生産ラインが更なる増産可能な態勢を維持する中、米海軍だけの構想段階ですが気になる増強案打ち上げです

何と言っても米海軍がF-35計画から逃げ出したがっているとの絶えない噂と、トランプ大統領の誕生前後から、「高価で開発遅延のF-35の代わりに、改良型FA-18の購入を検討」との大統領ツイートでFA-18が脚光を浴びている所でもあり、とりあえずご紹介致します

13日付米海軍協会web記事によれば
FA-18EF.jpg●13日に米海軍が上院軍事委員会の海洋戦力小委員会に提出した資料に、「2018年度予算で米海軍は14機のFA-18を購入するが、議会のご協力を得て、現有機の近代化と併せて、(今後5年間の装備導入計画である)FYDP間に最低80機を追加導入したい」、「この追加購入計画は、既存航空機の延命や能力向上と併せて実施し、米海軍戦闘攻撃機の機数低下の影響を軽減するものである」と説明している
●昨年までは2019年度以降にFA-18を要求する計画は皆無だったが、13日の証言書類には、2018年の14機に加え、2019年に23機、2020年度に14機、2021年に14機、2022年に15機をそれぞれ要求し、計82機を今後5年間のFYDP(Future Years Defense Program)で要求する計画になっている

●ただし国防省は、2019年度予算案発表時に、来年度以降の計画案は昨年時点の前政権計画を形式上記載しているだけで何ら意味はなく、現在実施中の「国防戦略見直し:defense strategy review」で明らかにすると説明している
●実際、2019年度予算案を説明した国防省高官も、「マティス長官は2019年度案の後のことは何も報告を受けておらず、何も決まっていないので、FYDPについて比較や議論をしても意味が無い」と述べていた

FA-18EF2.jpg●従って米海軍も2019年度予算案説明資料に「80機以上増強計画」は含めておらず、その後の補足資料で初めて明らかにし、今回上院への説明資料に含めた段階である。
●ただしこの80機以上増強案は、トランプ大統領がマティス国防長官にF-35と改良型FA-18の比較を命じたこともアリ、米海軍がF-35計画から離脱するサインでは無いかとの憶測を呼んでいる。

●もっとも、同日上院軍事委員会で証言した米海軍航空作戦部長であるDeWolfe Miller少将は、F-35とFA-18を比較する質問を多数受けるが、両機が相互に補完する事で、将来の米海軍や空母群の作戦は計画されており、両機とも必要だ」と説明している
また米海兵隊航空部隊副司令官のJon Davis中将や海軍システムコマンド司令官Paul Grosklags中将は同委員会で、海兵隊のF-35B型も海軍のF-35C型も順調に部隊展開や開発が進んでいると証言した。

●海軍のGrosklags中将は具体的に、ソフトのリセット頻度が、従来は5時間毎だったが、現在は40時間毎と受け入れ可能なレベルになっていると証言した
●また海兵隊Davis中将は、F-35B型の維持運用コストが予定より低く抑えられ、現在も更なる運用コスト削減に向けた検討に、部隊と企業が協力して取り組んでいると語った
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FA-18EF3.jpgF-35やFA-18の事をよく知らないトランプ大統領の発言は「話半分」で聞いておくとして、米海軍がF-35調達機数を見直す流れにあるのは間違いないと「勝手に」思います。

F-35とFA-18が相互補完関係にあるのはその通りでしょうが、Bogdan前F-35計画室長が退任直前に明言したようにF-35の価格高騰が明確な今、両機の購入比率を変えようと考えるのは当然の動きでしょう。

ソフトのリセット頻度が「40時間毎になった」と本心で喜んでいるとは到底思えず、言わされている感が漂っています。

Bogdanが最後になって正直に
「F-35価格は上昇する」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-23

FA-18を巡る米国の動き
「トランプ言及のFA-18改良型?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-07
「再びトランプがFA-18大量購入を示唆」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-18
「2/3が飛行不能の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-07

「政治ショー?F-35価格削減公表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-25
「F-35の代替にF-18改良型を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-23-1
「F-35予算削減ツイート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-13

「カナダがF-18人質に米国と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20
「国防副長官候補にB社幹部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-17
「規模の増強は極めて困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-10

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米軍機がフィリピン南部で対IS戦に [Joint・統合参謀本部]

Marawi1.jpg10日付Defense-Newsは、フィリピン南部のマラウィ市が5月末からISIS関連反政府武装組織に支配され、フィリピン軍(AFP)との交戦が激化している中、地元メディアが米軍のP-3Cや小型偵察無人機が偵察活動で支援していると報道していると紹介しています

現地報道を受けDefense-Newsが確認したところ、フィリピン軍も米軍の特殊作戦群も米軍の支援を認めていますが、あくまでも偵察ISR活動支援だけで、戦闘行動には関与してと説明しています。

フィリピンは以前から、対テロ作戦面で米国から支援を受けていた実績がありますが、ドゥテルテ大統領就任以来、両国の関係がギクシャクする中、フィリピン側が支援を要請して米軍アセットが投入されているようでもアリ、今後の両国関係を考える材料ですので、とりあえず事象をご紹介します

10日付Defense-News記事によれば
Abu Sayyaf.jpg●フィリピン南部のマラウィ市は、元々イスラム教徒が多数を占める地域の都市だが、ISISの関連を持つ「Maute」や「Abu Sayyaf」グループに加え、中東から流入したイスラム過激派も加わって活動の拠点となっていた
5月末、フィリピン軍が当地ISIS指導者である「Isnilon Hapilon」捕獲作戦をマラウィ市で実行したが失敗し、逆に混乱に乗じた過激派がマラウィ市全体を支配することとなった

●それ以来、マラウィ市をイスラム過激派から奪還すべく、フィリピン軍は懸命の作戦を続け、同市の中心部を除く周辺部の奪還に成功したが、9日にフィリピン海兵隊兵士13名が死亡し40名が負傷するなど、フィリピン軍兵士の死者は既に58名に上っている
P-3C Navy2.jpgフィリピン軍側は、都市部での作戦に対する訓練や装備の不足に悩まされており、過激派の執拗な抵抗の中、フィリピン軍内部の意思疎通不足もアリ、友軍相打ちなど混乱が伝えられている

●そんな戦況の中で地元ディアは、欧米人に操縦され戦闘地域上空を飛行する小型無人偵察機「RQ-20 Puma」や、同市上空を継続的に飛行するP-3Cの写真を報じ、P-3Cは米海軍機と識別可能だと報じている
P-3Cはイラクやアフガンでも、装備する強力な光電センサー等を活用し、地上部隊のために長時間に亘るISR任務を行っており、RQ-20はより戦術的な偵察任務を遂行可能な小型無人偵察機である

RQ-20 Puma.jpg●Defense-Newsの取材に対し米特殊作戦軍の報道官は、「米軍の特殊作戦部隊はフィリピン政府の要請に応え、マラウィ市におけるフィリピン軍の対ISIS作戦を支援している」「米軍は引き続きフィリピン軍と協力し、フィリピン軍のISR能力向上に取り組む」と電子メールで回答している
フィリピン陸軍第1師団の報道官(中佐)は、米軍はフィリピン軍に技術的支援を行っているが、米軍は戦闘には加わっていないと強調した

ウィキペディア情報「マラウィ市」
正式名称マラウィ・イスラム市(The Islamic City of Marawi)で、面積22.6平方kmに人口約13万人。イスラム教徒が9割を占めることから1980年に市名に「イスラム」を付加した
Marawi3.jpg●起伏のある丘と谷、穏やかな湖と流れ出るアグス川がマラウィの景観の特徴である。標高が高いため、熱帯にしては気温は涼しく快適で、年を通して降水量はほぼ変わらない

コメ、コーンミール、穴あきブロック製造、金細工、製材などが主産業である。また織物や木工品の制作、錫細工や鍛冶を行う小工場があちこちにある
●この地方には多くの民族舞踊があり、王妃の姿をした女性が足元で打ち鳴らされる二本の竹をまたぎながら踊るスィンキル(シンキル、Singkil)は、マラナオを代表するダンスである。

2017年、ISILに賛同するイスラム系武装組織アブ・サヤフが台頭。同年5月23日には軍治安部隊と衝突し戦闘が発生し、軍は武装組織が立てこもる住宅地域に向け、攻撃ヘリコプターによる攻撃を実施した
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米国とフィリピンのギクシャク関係につけ込み、またトランプ政権が中東や欧州で多忙なことを把握した上で、アジアのISIS分派が動き出したと言う事でしょうか。

Duterte US3.jpgフィリピン軍の報道官が「米軍は戦闘には加わっていないと強調」しているのは、ドゥテルテ大統領の視線を気にしてか、米軍からの要請なのか、フィリピン軍の意地なのか、単に真実を強調したのか・・・気になるところです。

いずれにしても、米国とフィリピンは仲良くして対中国路線で団結して頂きたいものです

米国とフィリピンの関係
「アジア安全保障会議での発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01-3
「比の主要閣僚3名が米空母へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-06
「米軍兵器の保管は認めない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-31

「米と比が細々とHA/DR訓練を開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-18
「航行の自由作戦に比基地は使用させない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-11
「ハリス大将:選挙後初の訪比へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16

「米比演習の中止に言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-08
「C-130が2機だけ展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-27
「比大統領南シナ海共同を拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15-1
「比空軍と米空軍が3日間会議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-03

日本とドゥテルテ大統領
「なぜ10月25日に比大統領来日」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-06
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欧州に米爆撃機3種類集結と露Su-27の接近飛行2回 [Joint・統合参謀本部]

B-52-SU-27.jpg9日、米本土から2機のB-2ステルス爆撃機が英国Fairford英空軍基地に到着し、5日から欧州に展開して欧州での陸軍演習「Saber Strike」や海軍演習「BALTOPS」に参加していた3機のB-52爆撃機や、8日に同じく同地域に展開して「BALTOPS」に参加していたB-1爆撃機と合わせ、史上初めて米軍大型爆撃機3機種が欧州そろい踏みになりました

ただし、B-2爆撃機は上記の陸軍や海軍演習には参加せず、「欧州には短期の滞在となる」と米欧州コマンドは発表していますので、意図的に短時間でも3機種を欧州にそろえることでニュースバリューを高め、プレゼンスやコミットメントをアピールする場にしたと思われます

3-Bomber.jpg同様の大型爆撃機の複数機種派遣は、ロシアによるウクライナ併合を受け、オバマ大統領が欧州での米軍プレゼンス増強を指示した後の2014年6月にも行われ、その際は2機のB-2と3機のB-52が欧州での演習に参加しています

なおB-52の「BALTOPS」参加は4回目で、500ポンドの模擬機雷を投下する訓練を海軍艦艇と協力して行っているようです

このような米軍爆撃機プレゼンスに対応するように、ロシア戦闘機が先週2回(しかも9日は記者団の取材中に)B-52に接近飛行(↑冒頭写真)したようで話題になっています

まず2つの陸海軍演習について
BALTOPS 2017.jpgSaber Strike 2017.jpg●時節柄、陸軍演習「Saber Strike」や海軍演習「BALTOPS」は共に、対ロシアを強く意識した演習構成。
欧州米陸軍主導の「Saber Strike」は今年で7年目を迎え、今回はバルト3国とポーランドで、約1か月間にわたる演習が実施中。JTAC(地上から精密誘導爆弾を誘導する兵士)との連携などを訓練している模様

●またNATO主導の海軍演習「BALTOPS」は冷戦時の1972年に始まった歴史ある演習で、今回はポーランド沖からドイツ沖までのバルト海を演習海域とし、14か国(Belgium, Denmark, Estonia, Finland, France, Germany, Latvia, Lithuania, the Netherlands, Norway, Poland, Sweden, and the United Kingdom)が参加して、ロシアに対するプレゼンス誇示を行っている模様

露軍SU-27による2度の接近飛行
B-1-SU-27.jpg●1回目は6日、1機のB-52が「BALTOPS」に参加してバルト海の公海上を飛行中、飛び地のロシア領である「Kaliningrad」から飛来した1機のロシア軍Su-27による接近飛行を受けた。
●ロシア国営通信社は、ロシアとの国境近くを米軍の核搭載可能爆撃機が軍事演習目的で飛行することは、欧州の緊張緩和に貢献しないと露外務省の声明を伝えている

●2回目は9日、「BALTOPS」演習を取材するために記者団がKC-135に搭乗してB-52とB-1編隊を撮影している際、1機のSu-27がB-52に接近した。
●本接近飛行に関し米国防省報道官は、安全で比較的整斉としたSu-27の飛行だったと語った
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ロシアはSu-27で米軍爆撃機の展開アピールに貢献した形になりましたが、ロシア軍もたった1機で対処ですから、そんなに気にしていないのかもしれません

Mattis tera.jpg米軍側もロシアへのアピールというよりも、マティス国防長官とティラーソン国務長官とマクマスター大統領補佐官ラインが必死で考えている、米軍プレゼンスの西側世論へのアピールといった印象です。

ロシア軍もそれなりに四苦八苦でしょうが、中東とアジアでもプレゼンス維持にを迫られている米軍の厳しさは、ロシアもよく承知しているでしょうから・・・

米軍の欧州プレゼンス
「2016年のBALTOPS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-14
「北欧でも演習強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-29
「黒海NATO演習と露軍反応」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-03

「対ロシア情報戦に国として」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-24
「欧州への米空軍派遣増加を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-08-1
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15

「第5世代機展開の教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-16
「急きょ:F-35エストニア展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25-1

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米海軍が2018年度予算で新型フリゲート艦設計要求 [Joint・統合参謀本部]

future frigate2.jpg23日公表された2018年度米国予算案で、米海軍が2020年度契約を目指して新型フリゲート艦の設計費を要求していることが明らかになりました。

米海軍は数年前から、沿岸戦闘艦LCS(littoral combat ship)を調達開始していますが、多様な脅威への対応を念頭に、沿岸地域で小回りくような比較的小規模な艦艇で、装備をモジュラー化して多様な機能を組み合わせ可能な艦艇を目指して開発をスタートしたものの、開発の遅れと経費過剰で批判を浴びています

加えて、中国やロシア等の軍事力強化により、小型で比較的軽武装のLCSが果たして西太平洋などで任務を果たせるのか、根本的な疑問が議会等から上がっているところです。
更に、2企業による機種選定の末、異例の「両方採用」のきな臭さもアリ、2018年度予算案では僅か1隻のみが予算要求されている寂しい状況です

今回明らかになった「新型フリゲート」は、その沿岸戦闘艦を基礎として検討するそうで、ネットワークだとか、任務を分散して遂行だとか、航空機でも見られる「family of system」の中のnode」のようなイメージのような気もしますが、どのようなにLCSに手を加えてくるのかはまた別の機会にお勉強です

26日付Defense-Tech記事によれば
future frigate.jpg●23日に公表された2018年度予算要求文書の中で米海軍は、「将来の脅威に追随するため、多用途フリゲートに必要な能力検討を要望する」とし、「特に水上戦闘、局地的な航空戦、更に対潜水艦戦における破壊力と生存性の最大化を優先する」と記述している

●24日、海軍長官代行を務めているSean Stackley氏は上院軍事委員会で予算案について説明し、変わりゆく世界情勢を受け、2014年当時の計画を見直し、2020年に新型フリゲート艦を契約できるように設計検討を進めると証言している
●同長官代理は、「安保環境や予算環境が変化し、軍需産業基盤も変わった」、「これら変化を受け、フリゲート艦の多機能性を向上する要求性能を精査し、2020年の契約につなげたい。沿岸戦闘艦は軍需産業基盤を維持するため、継続製造する」と説明した

●また同次官は、2018年度予算案でLCSを1隻しか要望していないが、昨年3隻要望したLCSで艦艇建造ドックは継続稼働しており、新プリゲート建造と併せ、造船所が「絶え間なく稼働:heel to toe」して健全さを保てるように希望するとも語った

future frigate3.jpg●米海軍トップのRichardson大将も、「我々の運用法は変化しつつある。ネットワークの視点で言えば、このフリゲート艦は大きな艦隊の一部となり、分散型海上作戦の遂行に寄与する」と述べ、「この変化に適応するため、我々は設計段階に立ち返り、将来必要な艦艇を獲得する機会を確実にしなければならない」と述べている
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お金が無い中、現在の目標310隻体制から355隻体制に目標を引き上げたい米海軍は、既存技術を活用して価格上昇リスクを抑え、能力向上が容易な中規模の艦を目指すのでしょうか?

ネットワーク重視は、NIFC-CAに代表される構想の駒にはまりやすいタイプとのイメージでしょうか?

いずれにしても、沿岸戦闘艦LCSをベースに・・・と言う時点でイメージ最悪からのスタートのような感じですが、今後に期待致しましょう

米海軍の夢ぶち上げ
「米海軍トップが文書「将来の海軍」を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-18
「国防長官を無視:米海軍が艦艇増強プラン」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-17

米海軍の装備もグダグダですが・・・
「ズムウォルト級ミサイル駆逐艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-22
「沿岸戦闘艦LCSがF-35化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-09
「空母建造費の削減検討に30億円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-07

「次期SSBN基礎技術要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-27
「攻撃潜水艦SSNの将来」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-28
「あと25年SLBMを延命!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13
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新型空母フォード:3年遅れで米海軍に引き渡し [Joint・統合参謀本部]

第2弾:マティス国防長官講演と質疑を追記!
2017年アジア安全保障会議を特集
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01-3
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ford-CV.jpg5月31日、米海軍の新型空母フォード級の1番艦である空母Gerald R. Ford(CVN 78)が米海軍に引き渡され今年夏の就航、2020年の初期運用態勢確立に向け、米海軍内の訓練や装備準備にかかります。

米軍装備品開発の悪しき伝統に沿うように、同空母も当初は2014年引き渡しの予定が2017年になり、この間に様々な開発トラブルや経費増の問題で話題となり、最終価格は当初の1.1兆円から1.5兆円近くに膨らんでいます。

ちなみにこの価格は、もっとも最近建造されたニミッツ級空母の最終10番艦空母George H. W. Bushの約8000億円の2倍近くで、当然、搭載する航空機の価格は含まないものです

最新の電磁カタパルトEMALSを搭載し、全体の大きさがあまりニミッツ級と変わらない中でより多くの航空機を搭載する工夫がされ、発電能力を3倍にしてEMALSや各種電子装備の充実を容易にするなどの「新しさ」が売りですが、「遅れ」「価格高騰」「トラブル」の話題先行の現状です

1日付Defense-Tech記事によれば
Ford-Class-Carrier.jpg5月31日、米海軍による完成検査を終えた新空母フォードが、8年間の製造期間を経て造船企業「Huntington Ingalls Industries」から米海軍に引き渡された
●1日朝、海洋システムコマンド司令官のTom Moore中将はCSISで講演し、「過去10年間にわたり本空母にかかわってきた我々にとって、大きく特別な夜になった」「たった今、完成検査を問題なく終了して帰港した」と語った

●同空母は、当初2014年に引き渡しされるはずだったが、更に再度2016年年初まで延期され、その後も試験の遅れや国防省試験評価局から搭載装備の技術的成熟が不十分だと指摘するなど、更に1年以上遅れての引き渡しとなった
EMALSなどの新技術に関する懸念を海軍長官も昨年末に公にし、「フォード級空母に搭載しようとしている新技術は、導入を急ぎすぎている。2002年に当時のラムズフェルド国防長官によって決定された種々の新装備は、すべてが検証不十分だ」と不満をあらわにしていた

また最近ではトランプ大統領も、Time誌インタビューで、電磁カタパルトは高価なうえに機能しないから蒸気カタパルトに戻すよう指示した旨の発言を行い、各方面に衝撃が走ったところだ
●この大統領発言について、今のところ複数の米海軍関係者は、EMALS搭載の方針に変更はないと述べているが、建造価格が当初の1.1兆円から1.5兆円近くに膨らんでいる事が今後も話題になることは間違いない

Ford Class CV.jpg●もちろんフォード級空母には優れた面もある。従来空母より航空機の発進数を35%増加させることが可能で、また3倍も発電能力で様々な電子装備を支える
●また艦艇の寿命50年の全てを支えられる原子炉を搭載できたと考えている。更に同空母は2040年まで燃料補給無しで航行を継続できる。一方でこの原子炉の総合的なコストが高騰していることも確かである。

●このフォード級空母は現時点で3番艦までの建造が決定しており、2番艦のJohn F. Kennedyが2020年就航に向け建造中である
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価格が2倍になるのは、この新型空母だけでなく、オハイオ級戦力原潜の後継原潜も価格2倍が伝えられています
これでは支えられないでしょうねぇ・・・核兵器の更新もあり、F-35の件もあり・・・

いつものように、生暖かく、見守るしかないですねぇ・・・

EMALSとフォード級空母
「米海軍真っ青?トランプ「EMALSはだめ」」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-13
「空母を値切って砕氷艦を!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-19

「フォード級空母を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-20
「解説:電磁カタパルトEMALS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-10

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