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世も末:操縦者に幕僚勤務無しキャリアを検討 [米空軍]

Everhart.jpg19日、開会した米空軍協会航空宇宙サイバー会議(ASC17)で、米空軍輸送コマンド司令官のCarlton Everhart大将が講演し民間航空会社へのパイロットの流出が止まらず、深刻な操縦者不足に見舞われている対策として、「操縦だけしていればよいキャリアパス」を検討していると語りました

国費で養成された米空軍パイロットが給料や待遇が良く、また危険が少ない仕事を求めて民間航空業界に流出することを防ぐため、米空軍はパイロット手当を増額し、飛行時間確保に奔走するなどの対策を採ってきましたが、皆が嫌がるスタッフ仕事を回避できるオプションまで繰り出してきました

C-17-2.jpg司令部などの幕僚職は、前線部隊の運用を円滑にし、作戦計画を練り、将来に向けた施策や予算要求を練る重要な仕事で、ある程度前線で経験を積んだ操縦者が後輩操縦者のため、また国のためにやらねばならない仕事で、そこでの前線とは全く異なる経験で人間としての幅と視野を広げ、飛行部隊指揮官やよりハイレベルなポストにふさわしい人材となる必須の業務です

前線でずっと飛んでいたい・・・そんな気持ちを少なからず心に抱くのは人情でしょう。しかしそれは組織全体のニーズとは異なり、単なるわがままです
そんなキャリアパスを、公に認めてまで、根拠の薄い航空機数や飛行隊数を維持したいのでしょうか? 本末転倒のような気がしてなりません

19日付米空軍協会web記事によれば
Everhart4.jpg●Everhart司令官は最近、輸送コマンドの兵士たちに操縦者不足を解消するアイディアを募集し、700以上の提案が寄せられ、検討中だと語った
●そして背景にある操縦者不足を「国家的な危機だ」と表現し、戦闘機と輸送機の両方で不足しており、数千人の問題に対し複数の対策を行っていると語った

●その一環として、輸送コマンドは米空軍司令部に対し、幕僚ポストに就くことがない「飛行ポストだけのキャリアパス」を承認してもらえるように検討してもらっていると述べた
●「1900年当時から議論されてきた案だ」と表現しつつ、「俺は飛行任務だけに就きたい」との人材を引き留めたいとの意向を示した

●具体的に輸送コマンドが検討している経歴管理は、(飛行ポストだけに就きたいと申し出た操縦者には、)迷彩色の作戦機を操縦者させず、C-20、21、37などの白い機体の輸送機に搭乗させるか、操縦者養成の教官職のようなポスト配置を検討していると説明した
●同司令官は、あくまでの多数ある案の一つだと語ったが、「君が何気なくツイートする内容に気をつけなさい。それが君に跳ね返ってくるかもしれないから」と付け加えることも忘れなかった
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C-17 US-Au.jpg正式に決定されたことではないようですが、米空軍協会の航空宇宙会議は、米空軍の主要幹部や軍需産業の高級幹部、OBや軍事メディアや同盟国関係者が勢ぞろいする一大イベントですから、いい加減な案を公言するはずはありません

先日は空軍参謀総長のパイロット不足に対する最優先課題発言を紹介しましたが、パイロットが嫌った幕僚仕事を誰がやるのでしょうか? パイロット手当欲しさに必要な仕事を放棄する操縦者の代わりに、多忙な重責を担わされる非操縦者はどんな気持ちになるでしょうか?

パイロット不足狂騒曲の背後で、白けている非操縦者の姿を思い浮かべざるを得ません・・・

関連の記事
「トップが操縦者不足と軽攻撃機を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-17
「軽攻撃機の第一弾確認終了」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-07
「18年ぶり飛行手当増額」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-28
「米空軍が300機導入に賛成!?」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-21
「米空軍が検討を開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-07

「戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22
「航空業界は今後20年人手不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29
「機種別操縦者数で無人機がトップ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-09

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米空軍も!:巨大都市戦に備える [米空軍]

戦いがより政治化し、都市への人口流入で増加する大都市での戦いの備えが、米軍の一つの焦点か!?

Goldfein10.jpg19日、米空軍協会航空宇宙サイバー会議の会場で、Wilson空軍長官とGoldfein空軍参謀総長が記者会見し、今後世界中で人口密集が加速するとの見積もりの下、米陸軍や海兵隊が巨大都市での戦いを想定した備えを検討するな中、米空軍も支援体制に投資しなければならないと語りました

「人口密集が加速」&「巨大都市戦への備え」については、今年3月にMilley米陸軍参謀総長が、「世界の人口動態から人口1千万人以上の巨大都市:megacityが急増する予想があり、米陸軍も今後10年で根本的な変革をしなければならない」、「現在の特殊部隊やより小規模な部隊編制を参考に考慮する必要がある」、「指揮官の質の向上も」等々と講演しつつ、「optimize the Army for urban warfare」と締めくくって世界を驚かせたところです

米空軍2トップからの発言はあまり具体的ではありませんが精密誘導兵器だけでなく、指揮統制やネットワークも重要な要素であることを臭わせ、「統合戦力」としての役割を果たす必要性を強調しており、米軍全体での動きであることが感じられます

22日付Defense-News記事によれば
Tokyo at Night.jpg●Goldfein空軍参謀総長は、米陸軍や海兵隊の指導者たちが、ますます人口密集が進む地域での都市戦を今後も継続することを求められている中、米空軍はこれら地上部隊を支援するために求められる能力を追加しなければならないと語った
●そして「統合チームとして戦いに臨むとき、そして彼らが都市戦に焦点を当てようとするとき、我々も都市戦を焦点にしなければならない。そしてその時、単に兵器だけでなく、はるかに広範な課題が浮かび上がってくる」と表現した

●更に同大将は「ますます大規模化・密集化が進む都市戦に対応し、米空軍が2030年代にどんな姿であるべきか? 仮に世界中で都市化が進むのであれば、そこでも我々は優位で先頭に立っていなければならない」と付け加えた
●また、米空軍として都市戦に備えた新たなプラットフォームを検討していると認めつつ、一方で、より「range, payload and persistence」を実現できる「multi-domain network」に焦点を当てていると強調した

wilson7.jpg●参謀総長が兵器のみへの注目を戒めた一方で、Wilson空軍長官は、世界が米国の不正確な攻撃に対しもはや寛容ではないと表現し、「都市戦検討は科学技術戦略にも影響を与え、エネルギー兵器や兵器の大きさにも示唆を与える」と語り、兵器の検討も重要だとの認識を語った
●そして現在すでに利用可能な、イラクやアフガンで使用されている小口径爆弾SDBを讃えつつ、仮にイラク軍が敵に苦戦していたら、イラク軍から13m離れた敵を攻撃できるだけでなく、更に進んで、特定方向の壁1面だけを破壊できるような攻撃も求められると語った
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Milley.jpg今年3月にMilley米陸軍参謀総長の講演をご紹介した際、「巨大都市戦や密集地域での戦い重視は、海兵隊との差別化を図るための、米陸軍生き残り戦術か?」と怪しむようなご紹介をしましたが、米軍全体の流れであることが判明しました

陸軍参謀総長は講演で、「現在の陸軍が森林や砂漠地域での戦いを想定し、ジャングルや山や都市化地域に不向きに編制されている」との現状認識を示し、「戦車の大きさや重量、ヘリコプターの回転翼の大きさ、部隊規模、武器使用要領、ネットワークの活用などなど、様々な分野で考え方を見直す必要がある」とも語っており、相当根本的に大規模に検討を進めている事を示唆していました

urban warfare.jpgそしてその大前提として、「戦争がより政治的になるとすれば、その戦いは人が住む地域で行われるだろうし、それは都市であろう」とのトレンド予想を披露しており、今後の展開が気になります

以下にご紹介する過去記事で、もう一度陸軍参謀総長の3月公演をご確認いただき、思考を巡らせて頂きたいと思います

「米陸軍トップ:今後10年で巨大都市戦に備える」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-22

陸軍とクロスドメイン
「再度陸軍に南シナ海で活躍期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16
「ハリス長官がcross-domainを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05
「ハリス大将も南シナ海で陸軍に期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06

「射程300kmの対艦ミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「CSBA:米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

「尖閣防衛に地対艦ミサイル開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-14
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12

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52機も存在する伝説のF-117が本当に引退へ [米空軍]

やっと「武装解除」を開始、今年はまず1機
来年から4機ずつ「Demilitarize」を

F-117-42.jpg11日付Defense-Techが、伝説のステルス機である「F-117」が、現在も52機「飛行可能」な状態で保存されてきたが今年から「武装解除」を「飛行可能状態解除」を開始することになっていると報じています。

いわゆる「第2の相殺戦略」で、革新的技術優位の柱の一つであったステルス性を小型作戦機で体現した「F-117 Nighthawk」は、研究開発開始から1980年代に運用態勢に入った後も、約9年間秘密のベールの中にあり、1989年12月19日の対パナマ作戦「Operation Just Cause」で初実戦デビューします。

その後、1991年の湾岸戦争でトマホーク巡航ミサイルと共に緒戦での精密誘導攻撃をリードし、世界のお茶の間にイラクの首都バクダッドの政経中枢への、TVゲームのようなピンポイント攻撃映像を提供して大きな衝撃を与えました。

F-117-41.jpg2008年に第一線からの引退が決定されましたが、2014年と2016年にネバダ砂漠内で飛行情報や目撃情報が一般市民から報じられ、そのたび毎に様々な憶測を呼んできました

しかし実際は、2008年に引退を命じた議会決定の中に、「52機を現役引退させるが、緊急時に必要が生じたら、実戦復帰できるような状態(flyable storage)で保存せよ」との内容が含まれていたとのことで、定期的に(恐らく機体状態の確認と操縦技量の維持のため)こっそり飛行していたようです

11日付Defense-Tech記事によれば
●米空軍幹部が11日に「Military.com」に語ったところによれば、昨年12月23日に議会で可決された2017年国防授権法(NDAA)により、今後毎年4機のペースでF-117を完全に廃棄することが決定されている。2017年は1機をまず廃棄する
F-117 store.jpg●同幹部は匿名を条件に、「2017年NDAAで廃棄の指示が出るまで、我々は(52機)全てのF-117を飛行可能な状態で保管しなければならなかった」、「(ただし)一度に破棄するのではなく、飛行可能な機体も残しつつ段階的に、部品の取り卸しも行いつつ行う」と説明してくれた

廃棄後の機体がどうなるかについて同幹部は、「国防省文書番号41-60.21のDefense Materiel Disposition Manualに規定された要領で行う」と述べ、博物館に展示されたり、他の政府機関に売却されたり、アリゾナのDavis-Monthan空軍基地に置かれたり等々の例を挙げた
●また飛行可能状態で保管されていたF-117について同幹部は、「秘密事項ではない:Flyable storage aircraft are not considered classified」と語っている

●先週5日、ネバダ砂漠で「秘密の航空機」が墜落し、操縦していたEric Schultz中佐(44歳)が死亡した事故があってから、F-117との関与が噂されていた
●この事故について空軍参謀総長は、F-35の事故ではないかとの噂を強く否定し、「F-35ではないとはっきり言える」とコメントしている
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F-117-43.jpgいざという時に使いたかったんでしょうか? 
初期のステルス機はステルスコーティング等の維持整備が大変で、52機もの「Flyable storage」には相当の予算が必要だったと思うのですが、厳しい予算の中でもこれを続けてきたんですねぇ・・・

米議会では非公開の検討会や情報ブリーフィングが行われており、相応の議論を経てこの保管がなされていたのでしょう。
F-117操縦者も、口に出さずに訓練を続けていたということでしょうか・・・? 

F-117関連の記事
「F-117を約50機飛行可能で保管中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-06
「なぜ今もF-117が飛行するのか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-28
「ステルス機の意義と重要性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-03

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米空軍トップが操縦者不足と軽攻撃機を語る [米空軍]

意味深で、気になるインタビュー

Goldfein1-1.jpg15日付DODBuzzが、Goldfein米空軍参謀総長へのインタビュー記事を掲載し操縦者不足と軽攻撃機の導入について同大将の考え方を取り上げています。

トランプ大統領が8日、2018年度の年度当初3か月間を暫定予算(continuing resolution:10月から)で乗り切るとの法案に署名し、少なくとも12月8日までは最低限の予算レベルでのやりくりを米軍は再び強いられることになりました。

米空軍で言えば、中東での対IS作戦が佳境を迎える中、飛行時間の削減による飛行隊即応体制の低下や、演習の削減、次期練習機T-X計画など新たなプロジェクトの凍結等の苦しい制約が課せられます。

Pentagon.jpg予算管理法(BCA)による債務上限枠が撤廃されない限り、議会で党派を超えた議論と妥協が行われない限り、もう5年以上続くこのしばりは解けないのですが、その兆しは全くなく、米国防省や米軍幹部が口をそろえて「装備の維持整備の遅延」や「訓練飛行時間や訓練予算の削減」や「研究開発の停滞」等々を訴えても、むなしく響く今日この頃です

直接の因果案系を証明した報告等はありませんが、最近米海軍で連続するイージス艦と一般船舶との衝突、航空機の墜落や海兵隊水陸両用車での火災事故などなど、何やら組織の最前線に影響が出始めているとも懸念させる事故が頻発しています

そんな環境下に置かれた米空軍参謀総長が、「New Ways of Doing Business」との表現も使いつつ、移動中の航空機内で語った中身は、今後の米軍に共通する方向性を臭わせているような気もします

パイロットの現状と確保
USAF pilot.jpg●パイロット不足に関しては、操縦者が勤務期間を延長するよう(pilot retention)にあらゆる策を講じている
●空軍でパイロットになりたいと考える若者を募集することには何の困難もなく、採用予定数を上回る入隊希望者を確保しているが、最大の課題は勤務義務年限に達した操縦者を空軍に引き留めることだ

●米空軍は現在年間1200名の操縦者を要請しているが、2020年代半ばまでには、年間1400名にしたいと考えている
●「pilot retention」を高く維持するために、パイロットの操縦機会を確保し、飛行手当やボーナスを改善し、更に操縦者に「rich experience」を提供してより長く軍で勤務するように動機付ける。(注:この他にも、操縦者を希望任地に長く勤務させるなども

●「パイロットに操縦席での経験を積ませなければならない」、「そのためにはより多くの操縦席を確保しなければならない

軽攻撃機の導入に関して
AT-6.jpg●(なぜ既存の戦力を破棄してまで、新たに能力の劣る兵器を導入するのかとの質問に、)まず初めに、やるべき任務と戦力の適合を吟味し、何が最も需要の多い任務かを考えつつ、他の任務とのバランスを考えている
●将来、米軍は高度な兵器を持たないパートナー国をより訓練しなければならない。米国が同盟国等を持つことは非対称の有利点であり、同盟国等の空軍トップからいつも、F-16やF-35は買えないが、過激派が迫っており、多国籍連合に入れてほしいと言われている

●また米軍の前線指揮官はF-15を持っていたいと願うだろうが、空軍がネットワーク構築を必要とする事とは反している
軽攻撃機導入が、対テロネットワークにより多くのパートナー国を取り込む道となるのか?・・・との疑問を自身に問いかけている

●8月にかけ、4機種の軽攻撃機を試験したが、あくまでもデモ確認で、何かを決定したわけではない。今後約2か月で検討するが、中央軍空軍の指揮官を務めた経験からすれば、ハードの問題ではなく、ネットワークの問題なのだ。
●また同時に、安価でセンサーも搭載でき、推し進めてきた戦略を遂行する情報共有可能なアセットになりえるか・・・とも問いかけている

タリバンやアルカイダ、イラクやシリアのIS組織を、各国で対応可能なレベルに抑えることが目的であるが、米空軍が軽攻撃機を導入したとしても、(それら戦力を最終的にパートナー国等に売却するつもりかには言及しなかったが、)コアリションが極めて重要だ
中東で米国が指導力を発揮しないということではなく、戦いにより多くのパートナーを獲得する狙いがあるのだ

New Ways of Doing Business
Goldfein1-3.jpg●これらの取り組みにより、軍需産業に対し、今後の米空軍が望む、よどみのない「新たな仕事のやり方:New Ways of Doing Business」を示したいと思う。新たな装備を導入して、古いやり方に活用することは避けたいと思う
●そこで米空軍は今後数年でその優先事項をシフトする準備を進めている。どんな選択肢があり、操縦者が飛び続けるために何を望むかを考えながら。操縦流出に歯止めがかけられれば、空軍として発展するチャンスだろう
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参謀総長の発言を細切れに紹介する分かりにくい記事ですが、様々な思惑が見え隠れするインタビューです。
「ネットワーク」との言葉が、軍事的な多国間の協力ネットワークを意味するのか、戦術データリンクを意味するのか微妙な部分があり、その点は注意が必要です

軽攻撃機を将来パートナー国に移管することも選択肢にありそうですし、中東のゴタゴタから退散したい米空軍の願いも見え隠れしています。
また軽攻撃機の選定において、戦術データリンクで情報共有する戦い方が重要判断基準であることも伺えるような気がします

F-35 Paris.jpgでも、それよりも何よりも、米空軍がパイロットの幸せを最優先にしていることがよくわかります。「飛行の機会を増やし」「操縦者が何を望むかを考え」「給料を上げ」・・・大丈夫でしょうかこの組織は?

それでもって、戦闘機が何機必要なのかの算定基準は、極めてあいまいで恣意的な計算式で求められているのです。多くの場合、現職の操縦者が全員職を失わないような、結果ありきの算定根拠だったりするわけです
横目で観察するには、興味深い対象物ですが・・・

関連の記事
「軽攻撃機の第一弾確認終了」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-07
「18年ぶり飛行手当増額」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-28
「米空軍が300機導入に賛成!?」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-21
「米空軍が検討を開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-07

「戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22
「航空業界は今後20年人手不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29
「機種別操縦者数で無人機がトップ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-09

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F-22初飛行20周年と2060年まで運用提案 [米空軍]

F-22Hawaii2.jpg7日に初飛行から20年を迎えたF-22戦闘機について、Lockheed Martin社の担当副社長がインタビューに答え、同社の分析では適切に機体を維持改修すれば、機体寿命を2.5倍にして2060年代まで使用可能にすることが可能だと語っています

機体寿命の計算には様々な要素が関係し、単純な飛行時間だけでなく、その飛行時間の中で激しい機動飛行や訓練がどれだけで、逆に負荷の少ないエスコート任務や領空保全任務や諸外国への展開飛行がどの程度の比率かにもよる。

また、第5世代機の優れたシュミレーター訓練で実飛行時間を補完できるならば、更に機体寿命を延ばすことが可能である。むしろ、第5世代機の最大性能を発揮させる訓練はシミュレーションでしたできないとも言われている点にも留意する必要がある

一方で同社が前提とする「regular updates」について具体的な記述はなく、また必要な投資額も不明確であり、要員養成用のF-22を戦闘可能仕様に転換する予算確保も困難な米空軍にとって、ロッキード社の提案がどれだけ響いているかは疑問です

7日付米空軍協会web記事によれば
F-22hardturn.jpg●ロッキード社のF-22担当副社長Ken Merchant氏は、F-22が「regular updates」を受けると仮定すれば、設計寿命の6000飛行時間を2.5倍にして、14~15000時間にすることが可能であると述べ、1997年9月7日に初飛行したF-22が、2060年代まで飛び続けることが可能であると語った
●また米空軍戦闘コマンド司令官も希望している、Tyndall空軍基地所属の要員養成用F-22を戦闘行動仕様に改修し、F-22戦力を2割増にする案も提案しているが、米空軍内の長い長い予算優先希望リストの中で、勝ち抜かねばならない事業である

●同副社長は、既にF-22が僅かながら新兵器や新センサーを搭載する改修を受けていると認めたものの、更なる改修案としてF-35のステルス処置導入やコックピットの改修等々を提案していると語った
●一方で議会から試算を求められたF-22生産ラインの再立ち上げについては、あまりに額が膨大で、受け入れられる可能性は低い状態にある

●運用開始から20年を超えても、引き続き同機は世界最高の戦闘機であり、2040年代には新型機に能力で追い越される可能性はあるが、それでも本土防空戦力として最も能力の高いアセットの地位を占めるだろう
●またある意味では、F-22が西太平洋に展開して北朝鮮や中国を威圧することに成功した例もあり、米空母の持つ戦力誇示の役割を肩代わりするようになったと見る者もいる
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F22gearup.jpg戦闘機メーカーは、第4世代機に対しても、第5世代機(F-22)にも延命策を提案しており、「F-35調達数の先細り」を予期し、新たな生きる道を探っているようにも見えます。そうなんでしょう・・・

さぁ・・・、RQ-4グローバルホークの導入中止を臭わせ、イージスアショアの導入を打ち出した日本軍は、新たな戦闘機投資を中期防でどう判断するのでしょうか? 

出方によっては、非パイロット集団からの反乱、もしくは実質の職務放棄も予期される雰囲気ですので、しっかり検討していただきたいものです

F-22関連の記事
「議会がF-22再生産見積を要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-20
「フィリピンにF-22を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-16
「5世代と4世代機の融合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-08
「F-22もシム活用で飛行削減」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-1

第4世代機を巡る議論
「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22
「米空軍がF-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「衝撃:制空用F-15全廃検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23
「低価格なF-15能力向上案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15

タグ:20周年 F-22
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米空軍が軽攻撃機候補の第一弾確認 [米空軍]

えっ・・・! 軽攻撃機に空中給油任務を!?

AT-6 2.jpg5日付Defense-Newsが、米空軍が対テロ作戦への投入を念頭に、導入可否を含めて複数の軽攻撃機を対象に検討している件について、Wilson空軍長官へのインタビュー記事を掲載しています。

7月下旬から8月30日までに、4機種の第1弾デモフライトを企業に依頼してHolloman空軍基地で行ったようで、今後は年末までに「コストパフォーマンス」報告をまとめ、併せて「戦闘能力デモ飛行」を行うかも検討するとのことです

米空軍は、対テロ任務に最新の攻撃機を投入することは非効率だとの問題意識を持っており、A-10の退役問題が持ち上がる中で軽攻撃機導入の検討を開始しており、またアフガン空軍にハイテクプロペラ攻撃機A-29を提供し、訓練も担当している経験から、その能力に期待しているようです

Wilson2.jpgWilson空軍長官の発言からは、導入する方向は固まっているが、どの程度の任務を行わせるか、そのための装備をどこまで追求するかの「トレードオフ」議論が今後の中心になるようです。

そして最後に驚きの「空中給油任務」も検討の対象発言です・・・!

なお今回デモに参加した航空機は
A-29 Super Tucano(Sierra Nevada Corp、Embraer)
AT-802L Longsword(L3 Technologies、Air Tractor)
Scorpion jet(Textron)
AT-6 Wolverine turboprop(Textron)

5日付Defense-News記事によれば
Scorpion.jpg●空軍長官は、追加で「戦闘能力デモ飛行」を実施するかどうかを、同試験への参加機種も含め、早ければ秋ごろまでに、遅くとも来年1月までには決めたい、と述べた。
●また同長官は、「米空軍が軽攻撃機を前線に投入することは恐らく間違いないだろう。しかしどのような任務で使用するかは今後細部を検討する必要があり、その際の考慮事項として、指揮統制システム等をどの程度活用するか等々、煮詰める必要がある」とも表現した

●米空軍は効率性を追求する過程で、中東での地上部隊支援や低列度任務で高性能ジェット攻撃機を効果的に保管するため、安価な軽攻撃機の導入に関心を示している
●既に米国が提供し、米空軍が訓練を行ったアフガン空軍の「A-29 Super Tucano」が、過去18か月間、無事故で任務を遂行していることも背景にある

AT-802L.jpg更に空軍長官は、「8月にイラクやアフガンを訪問した際、現地で空中給油機の需要が極めて高く、現有給油機の負担を軽減するためにも、軽攻撃機が空中給油機として使用できるかどうかも一つの視点として検討する」と述べた
●ただ今回のデモ飛行参加機は空中給油を行ったことはなく、その機能も備えていない

●ただ企業関係者によれば、「AT-802U」と「Scorpion jet」は、改修することで外装燃料タンクを装着できる可能性があるようである
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空軍士官学校卒のWilson空軍長官が、思い付きで「軽攻撃機に空中給油任務を」と言うはずはなく、米空軍として真剣に考えているようです。驚きです

A-29 Afghan.jpgデモを行った軽攻撃機候補はいずれも小型で、可能な燃料追加搭載量が少ないでしょうし、行動半径もジェット機よりも劣るでしょうし、それでもこれらを空中給油機にと考える現場事情がしのばれます。

米海軍が初の空母艦載無人機を、空中給油任務にと持ち出した際は大いに落胆しましたし、今も残念ですが、前線感覚というか、作戦感覚の不足を少し反省しました
日本での空中給油機の重要性も訴えてきたつもりですが、もう少し腰を入れて考える必要がありそうです

空中給油機の話題
「米海軍の無人給油機への期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-03
「空軍次期給油機に重大問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-02-1

軽攻撃機の話題
「米空軍が300機導入に賛成!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-21
「米空軍が検討を開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-07
「有力候補:A-29映像解説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-03-02
「泥沼化:アフガン軽攻撃機の選定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-23

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重大不具合指定:KC-46ブームでひっかき傷 [米空軍]

米空軍が「Category One」不具合に指定
ステルス塗装への影響を懸念

KC-46-2.jpg1日付Bloomberg電子版は、既に開発が1年以上遅延している米空軍のKC-46A空中給油機が給油ブーム(給油用の管)を給油相手の航空機に接続する過程で、相手機体に「scrapes:ひっかき傷」を想定以上に生じさせている問題について、米空軍が最重要な不具合と認定してボーイング社と対策を検討していると報じています

KC-46AはB-767旅客機をベースに開発された空中給油機で、それなりに成熟された技術を活用することから、「経費固定契約」(国側は開発経費超過分を負担しない契約)の初ケースとして注目を集めたプロジェクトで、179機を約5兆円で調達する予定のF-35とB-21と並ぶ国防省3大プロジェクトと呼ばれています

しかし実際の開発過程では、機内配線のトラブルや給油配管の処理に誤った化学薬品を使用するなどのトラブルが相次ぎ、最初の18機を納入する期限2017年9月は2018年10月に遅延し、その経費も米空軍推定で1600億円超かの7000億円、ボーイング推定でも6500億円に膨らむ予想で、当初計画分の4400億円を超える部分はボーイング負担となっています

1日付Bloomberg電子版記事によれば
KC-46 Boom2.jpg●米空軍はこれまで、KC-46Aで5つの機種に合計1000回以上の空中給油試験を行っているが、これまでの試験結果分析を踏まえ、給油を受ける機体の受け口(receptacle)外周辺に「scrapes:ひっかき傷」が多数見つかったことから、米空軍は5月1日に「Category One」不具合レポートを発出した
●給油機のブームが相手の受け口周辺と接触することは他の空中給油機でも発生することであるが、その頻度が他機と比較して大きいことから、米空軍はこれを事象として明示して対処することにしたものである

●米空軍は、給油ブームと受けて機体との接触により、例えばF-22やF-35のステルス塗装が損なわれたり、給油ブーム内にステルス塗料や表面材が混入して当該給油機の運航停止につながる可能性を懸念している
●米空軍報道官は、「当該ひっかき傷が誤りや事故により引き起こされたとは見ていないが、接触により各種要求性能値に影響しないかを更なる分析で確認する必要がある」とコメントしている
KC-46 Boom3.jpg●また同報道官は「米空軍とボーイング社は必要な分析を行い、根本原因を追究する」、「分析結果を受け、問題解決策を導出する」と語った

●ボーイング社報道官は「米空軍と共に、懸念事項の解明に当たる」、「他の空中給油機との違いを究明する」、「給油ブームの操作性については、検査官から極めて良好の評価を得ており、操作システム設計については自信を持っている」とコメントしている
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なぜ5月1日提出の「Category One」不具合レポートが今報じられたのか不思議ですが、それ以前から問題が認識されていながら、9月に入った段階の今でも原因や解決策に言及がないことも気になります。

KC-46 Boom4.jpg以前の給油機は機体後部の窓に向い腹ばいになって直接相手機を見ながら給油ブームを操作する方式でしたが、KC-46は、操縦席後方でモニター画面上の相手機を見て操作する仕組みに変わっており何となく素人的には「気合が入らないんじゃないか?」と疑いたくなります

1000回以上の給油実績から導かれた統計データですから、「有意な差」があると誰もがそんなに心配していなかったKC-46A開発にしてもこの状態。つくづく航空機開発とは難しいものなんですねぇ・・・

ちなみに、航空自衛隊も購入することになっています

米空軍の空中給油機ゴタゴタ
「空中給油機の後継プランを見直しへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-22
「KC-46ブーム強度解決?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-15
「納期守れないと認める」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01
「Boom強度に問題発覚」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-03

「予定経費を大幅超過」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-21
「韓国はA330に決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-01
「KC-X決定!泥沼回避」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25

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米空軍が18年ぶりに飛行手当増額へ [米空軍]

士官で2割、下士官は5割増へ

Wilson6.jpg8月25日、退職者が急増して戦闘機操縦者ポストの2割に当たる700ポスト以上が空席ともいわれる米空軍パイロット不足に対処するため、Heather Wilson空軍長官が「ニンジン」ぶら下げ策と新人事制度を開始すると発表しました

「ニンジン」ぶら下げ策とは、ずばり米空軍操縦者が他の地上勤務員がとの差別化のために支給される飛行手当の増額で、新人事制度とは既に退職した元空軍操縦者を飛行職ではなく地上職として再雇用しようとするものです

米空軍は6月にも、パイロットとしての義務勤務期間を終えた者が勤務を延長した場合のボーナスを増額し、特に人手不足が激しい(退職者が多い)戦闘機操縦者には手厚く増額すると発表していましたが、今回は操縦者の基本手当部分を1999年以来18年ぶりに増額し、人材の流出防止を図ろうとするものです

米空軍操縦者、特に戦闘機パイロットの流出が増加している背景には、民間航空会社でパイロット雇用が増大し、楽で金銭面でも優位な民間への流出が止まらないこと、また10数年連続で続くテロとの戦いや対ロシア政策等のため海外派遣期間が長く繰り返されるようになっていることへの不満、更に予算不足から飛行訓練時間が削減される状況への不満等があるといわれています

米空軍は、参謀総長が直接民間航空会社幹部と話し合いの場を設けて「引き抜き自粛」を要請したり、無人機操縦者(RQ-4のみ)に下士官操縦者の導入に踏み切ったり、新人操縦者の卵をいきなりF-35に乗せて養成期間を短縮したり等々・・・いろいろ取り組んでいますが、根本的な解決には程遠いようです

8月28日付米空軍協会web記事によれば
Wilson4.jpg●25日Wilson空軍長官は、パイロットの引き留めと養成(retaining and growing pilots)、更にパイロットの欠員対策(addressing the personnel shortfall)のため、Mike Koscheski准将を長とする「搭乗員危機対策チーム:Aircrew Crisis Task Force」を編成すると発表した
●また空軍長官は、10月1日以降、米空軍の搭乗員が毎月受け取る飛行手当を1999年以来初めて増額すると明らかにし、士官の場合の最高額を2割弱アップの1000ドル(以前は840ドル)、下士官の場合は5割アップの600ドル(以前は400ドル)と発表した

注(笑)→従来「flight pay」と呼称も、今後は「aircrew incentive pay」と呼ぶそうです

Wilson_Goldfein.jpg●また現在の空席ポスト穴埋め策として、現役パイロットをなるべく司令部等のデスクワーク職から解放して前線部隊に配置できるように、退職した元空軍操縦者を再雇用して操縦者が務めるべき緊要なスタッフ職(non-flying, critical-rated staff positions)につけることを計画中だとも長官は語った
●(初の空軍士官学校卒業の空軍長官で、しかも女性の)Wilson空軍長官は、「米空軍の中には操縦者経験が求められるポストが多くある一方で、同時に現場部隊の飛行任務に就いているパイロットは現場でそのまま活躍させたい」と同対策の背景を語った

●また同長官は具体的に、「この制度で25名の元操縦者を再雇用してその見識を生かしたいと考えている。雇用契約の期間は基本的に12か月間である」と説明した
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国民の税金で要請されたパイロットが、処遇の良さを求めてどんどん退職して民航機の操縦者に流れるので、引き留め策として手当を増額する・・・との構図ですが、意外と一般国民の間で問題にならないものの、操縦者以外の空軍勤務者への影響を強く懸念します

空軍をリードするのは操縦者だと鼻息も荒く、実際主要ポストは操縦者が占め、部隊の士気やモラルについても見本を示すべき立場だと思うのですが・・・。米空軍の組織としての健全性がますます問われることになるのでしょうし、世界の空軍も同じ問題を抱えるのでしょう

Black History.jpgでもパイロットへの手当は極めてデリケートなもので、かつてパイロット以外の航空自衛隊トップが、致し方なく、飛行手当を削減して他の分野に割り振った結果、その空自トップの出身職域の後輩たちが、長期間主要ポストや人材選抜試験から意図的に除外された「黒歴史」があるようです。そしてその黒歴史は、若い操縦者が知らないところで「生田目バッシング」として脈々と語り継がれていると聞いたことがります

そして無人機に極めて消極的で、「ただ飛んでいたい(そして飛行手当をもらっていたい)」との思いしか感じられない空軍指導者たちへの「嘲笑」とともに、組織の一体感を着実にむしばんでいるのです。

米軍No2が空軍操縦者にケンカを売る!
「誰一人として私に、次期爆撃機が有人機である必要性を教えてくれない」、「核任務に有人型が必要だと言うなら、ICBMに有人型があるのか?」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16-1

ロバート・ゲーツ語録21
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19
国防省で制服幹部をたしなめている陸軍は未だにフルダ・ギャップでの戦いを望むのか? 海軍はまだミッドウェー海戦を夢見ているのか? 海兵隊は仁川上陸作戦をもう一度なのか? 空軍は単に飛んでいたいのか?→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02

操縦者不足の関連
「米空軍の戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22
「世界の航空業界は今後20年人手不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29
「機種別操縦者数で無人機がトップに!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-09

「米空軍よ、使い捨て無人機を考えろ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「最初からF-35に搭乗する飛行教育」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-06
「RQ-4操縦者の7割が下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13-1

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Northrop-Gも世代間&5世代機間リンクに名乗り [米空軍]

F-16 RefuelAFG2.jpg8月23日付Defense-Newsは、米空軍が長く問題として解決策を探っている異なるデータリンクを保有するF-22とF-35との間の情報共有問題に、Northrop Grumman社がグローバルホーク搭載型の通信中継装置で対処する提案を米空軍に行い、採用の可能性が高いと報じています。

また、この通信中継装置を用いて、もう一つの懸案である第4世代機と第5世代機との間の情報共有も可能だと売り込んでいるようです

これまで何回かご紹介してきたように、第4世代機は「Link 16」とのデータリンクを、F-22はより高度に迅速に秘匿状態でリンク可能な「IFDL:Intra-Flight Data Link」、F-35は高度で秘匿通信が可能だがF-22とは異なる「MADL:Multifunction Advanced Data Link」を使用しており、相互に情報共有ができないと言う問題を抱えています

F-15C-Arctic.jpg5月にはボーイング社が、第4世代機とF-22間のリンクを可能にする「Talon HATE airborne networking system」を開発し、試験で所望の成果を得たとご紹介しましたが、今回は別の大手企業が異なる第5世代機間のリンク通信に新たな提案を行い、第4世代機との情報共有にも活用可能だと売り込んでいます

共に、結局は下のレベルの「Link 16」を活用する情報共有策で、第5世代機が搭載する「IFDL」や「MADL」の良さを最大限生かすことは出来ず、通信の秘匿性も不十分なようですが、緊要なデータをリンクで共有することが可能なようです

8月23日付Defense-Newsによれば
●Northrop Grumman社が提案したのは「Freedom 550」との通信中継装置で、これを30時間以上連続して飛行可能なRQ-4グローバルホークに搭載して使用する方式である。
Freedom 550.jpg●既にRQ-4のBlock 20に別の通信中継機材を搭載した形態の「E-Q4」が、BACN(Battlefield Airborne Communication Node)として、イラクやシリアの上空でほぼ常時継続的に活動を行っている。
●例えば米空母艦載機のFA-18は、空母や艦艇との通信を維持する必要があるが、低空を飛行したり地形の関係で通信を直接維持することが難しいことがあり、その際この「E-Q4」が大いに活躍している。そして「E-Q4」には、まだ「Freedom 550」を搭載するスペースが残されている

●「Freedom 550」は、マルチ周波数でソフト管理式の無線中継装置で、F-22やF-35が搭載する「IFDL」や「MADL」のデータ共有を「J-series messages via Link 16」で実現する装置である
また同装置は、第4世代機(F-15やF-16)と第5世代機(F-22やF-35)のデータ共有を可能にする装置でもある。

F-22Hawaii3.jpg●Northrop Grumman社は既に、第4世代機と第5世代機のデータ共有試験をシミュレーションと実機を使用した複数の環境でデモ実証しているが、F-22とF-35の間の実機を使った検証や、グローバルホークに同中継装置を搭載した試験は行っていない
●しかし同社は今年年初、英国空軍と協力し、2週間にわたり「Babel Fish III」と呼ばれる検証デモ試験を行い、F-35Bとユーロファイター間を「Link-16」でデータ共有させた実績がある。ただしその際もF-35BのMADLデータは共有できていない

●米空軍は今後F-35が戦力の中心になる事を見据え、2010年代当初にF-22のIFDLをMADLに交換しようと試みたが、予算上の制約等々から結局実施されなかった。そしてF-35開発の遅れと調達の遅れを受け、第4世代機の延命が具体化する中、多数の第4世代機と5世代機のリンク問題もクローズアップされるようになった
●米空軍がNorthrop Grumman社の提案を採用するか、ボーイングの「Talon HATE」など他社の提案を採用するかはまだ決定されていない
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F-35 clear2.jpgNorthrop G社の担当幹部が、「It has the ability to pull the fifth-gen comms — the secured comms — and then it can bridge it over to an unsecured network, if you want, like Link 16 or SADL」、「It allows those secure comms to talk to each other」と、「Freedom 550」を説明していますが、「Link-16」を利用することで「secured comms」が保たれるのか良くわかりません

いずれにしても思います。第4世代も第5世代機も、この航空機さえあれば完璧だ・・・みたいな過剰宣伝&過剰広告でキャンペーンして開発と調達にこぎつけたものの、実際の脅威は異なる方向に進化していて、どの世代の戦闘機も機種も、みんなが協力して戦いえるようにしないと敵と戦えない時代に入っていると言うことです。

今や、「a family of system」として戦うは米空軍内の共通認識になっていますが、ほんの数年前までは違ったんですよねぇ・・・

世代間や機種間リンクの記事
「Red-FlagでF-22リンク問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-02
「世代間リンクに対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-10
「世代間リンクが鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1


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米空軍兵士の死因一番は自殺45% [米空軍]

Suicide.jpg14日付米空軍協会web記事が、米空軍人事管理センターから得た最新情報として、過去1年間の米空軍兵士(予備役と州軍を含み、文民職員を除く)の死因の中で、自殺が45%と最も比率が高いと紹介しています。

過去の統計との比較や、一般米国社会との比較が無く、だからどうなんだと突っ込みたくもなりますが、生の米軍や米空軍に迫るデータですので、とりあえずご紹介します

米空軍は予備役等を合わせて約30万人(文民職員を除く)で構成される組織ですから、日本の自衛隊の方は、それぞれの組織の規模と比較し、自殺者数などを比較してはいかがでしょうか?
日本は残念ながら一般に、自殺の多い国と理解していますが・・・

14日付米空軍協会web記事によれば
Suicide2.jpg●米空軍協会が米空軍人事センター(AFPC: Air Force Personnel Center)から入手したレポートは、2016年8月1日から2017年同日までの米空軍の死者数151名の内訳をまとめている
●なおこの統計は、任務遂行中または任務への行き返りの間に発生(while performing military duty or traveling to/from military duty)したもので、細部規定は不明だが基地外で発生(occurred off base)した死亡も一部含んでいる

最も多い死因は明らかな自殺と判定できる「自ら引き起こした死」の69事例で、更にその中で41事例が「銃による死」、19事例が「首吊り」で、65事例が正規兵の自殺だった
●自殺に続いて多いのは、「事故」による45事例で、航空機や車両運行中の事故が大半である

3番目に多いのが病死で30事例。がんと心臓&血管障害がそれぞれ10事例と最も多い病名である
●殺人が3件で、2件が銃殺によるものである
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海兵隊司令官が今年2月の講演で、
Neller4.jpghttp://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-08
2016年に亡くなった海兵隊員は152名に上るが、戦闘行動での死者は僅かに1名で、自殺が35名、そしてその他の「不注意や乱暴な行為」に起因する事件や「交通事故」の犠牲者が多いことを残念だ」と発言しています。

米海兵隊と似たような規模の米空軍としては、69件の自殺は少なくないと考えられます。

性犯罪に関して言えば、国防省の調査で空軍士官学校は3軍の士官学校の中で性犯罪認知件数が継続してトップで、昨年6月までの1年間で32件、陸軍が26件、海軍が28件となっています。
士官学校の学生数は、陸軍2に対し、海軍と空軍が1の割合ですから、空軍の性犯罪率が高いことが明白です。

「空軍士官学校の性犯罪対処室が捜査対象に」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04 

airman.jpgこれに航空自衛隊の統計や、他の空軍の統計が加わればより精度が高まるのですが、現時点では無理やり「こじつけ」と言われても仕方がないかもしれません

しかし言わせていただきます! 戦闘機パイロットが支配する世界の空軍は組織的な限界を迎えており、脅威の変化に対応した人材の育成や登用を考えないと、組織が腐っていく・・・との仮説を提示しておきます

政治や文民の世界に、しっかりした軍事知識と認識を持つ有識者が多い米国では、世界情勢や脅威の変化を前にし、空軍のリーダーが戦闘機操縦者ではだめだとの認識が広がっています

桜6.jpg今の米空軍参謀総長は戦闘機パイロットですが、その選定過程では宇宙や特殊作戦の士官が最有力と言われていました。時代の流れだと思います

ただ人材育成に時間がかかることも事実で、戦闘機操縦者だけに過剰な教育訓練投資が行われてきた航空自衛隊の中で、人材の選択肢が十分でないことも確かでしょう。
しかし変える努力を今始めないと・・・組織が時代についていけませんよ・・・

まず有事にあまり期待できない戦闘機への投資を抑え、抑止力と戦闘力を真に向上させる方向を探るべきです

関連の記事
「海兵隊司令官:生活を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-08
「空軍士官学校の性犯罪対処室が捜査対象」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04 

「性犯罪は依然高水準」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-06-1
「暴力削減にNGO導入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-05
「国防長官が対策会見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-19


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米空軍ISR無人機の急増を数字で見る [米空軍]



MQ-9 5.jpg7月号の米空軍協会機関誌が「ISR Explosion」との記事を掲載し、最近の約10年間で急増しているISR無人機(攻撃型も含む)の様子を数字で紹介していますので、メモ代わりでご紹介致します。

残念ながら、度々ご紹介しているように、米空軍は自身の判断で無人機導入に舵を切ったわけではありません自らのポストや職域が犯されると考え、又は無意識のうちに無人機を排除する感情が働き、1990年代には無人機の導入が進まなかったのが実態でした

ロバート・ゲーツ語録12
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19
私がCIA長官の時、イスラエルが無人機を有効使用することを知った。そこで米空軍と共同出資で無人機の導入を働きかけたが1992年に米空軍は拒否した。私は3年前(2008年)、今度は国防長官として、無人機導入のため牙をむいて4軍と立ち向かった http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07

MQ-4C4.jpgそれが今では、現場からの無人機ISR要求が供給を大幅に上回り、「需要3:1供給」程度の現状で、ISR無人機(攻撃型も含む)を増加したくても無人機操縦者の養成が追いつかない状態で、加えて無人機操縦者の急増に人事管理制度改革が追いつかず、不満を抱えた離職者が減らない苦境にあります


そんな無人機急増の様子を数字で
ISR航空機の急増(主要因は無人ISR機の急増)
---2007年には米空軍航空機の3.2%がISR機であったが、2016年9月時点では9.9%にまで3倍増 
---2016年9月時点で米空軍の全ISR機は533機で、無人ISR機は357機の67%。10年前は18%だった

---2006年9月時点でU-2 (34), E-3 (32), RC-135 (22), EC-130 (16)、そして無人機RQ-4が11機で、その他を含めISR無人機は計24機
---それが2016年9月には、MQ-1B Predators (129), MQ-9A Reapers (195), そしてRQ-4B Global Hawks (33)、更に有人機U-2 (27), E-3 (31), RC-135 (23), EC-130(14)

無人機と有人機でISR:戦闘機や爆撃機も
MQ-1C Gray Eagle3.jpg無人ISR機は、CIAが1993年にボスニアで初めて使用した。米空軍は911同時多発テロ以降にISR無人機に本格的な関心を寄せ、アフガン、イラク、シリアは同アセットの技術革新に最適な作戦地域となった
2008年3月には、ISR機からのフル動画量が3倍になり、「需要4:1供給」のペースで要求量が大きく上回っており、有人機操縦の経験が無い者も無人機操縦に当たらせる決断等により、2012年までに無人機操縦者を450名から1100名に増し、ISR無人機による哨戒CAP数を33個から50個に増やす計画も明らかにした

2009年にゲーツ国防長官は、ISR無人機による哨戒CAP数目標を50個から65個に引き上げると発表した。しかしその時点で、米空軍はISR要求の66%が満たせない「需要3:1供給」状態である事を明らかにしていた

有人ISR機のMC-12Wは米空軍救急能力造成室の輝かしい成果でアリ、2011年に僅か1年間で構想から部隊編成が完結し、その後の2年半で通常の11年半の飛行時間に当たる10万飛行時間を達成している
MC-12.jpg●そしてその1年後には30万戦闘飛行時間を達成する働きで、「ISR需要を満たすアセット」のキャッチフレーズを獲得した。しかしその後は維持費がまかなえなくなり、米空軍は41機を陸軍や民間契約企業に売却し、特殊作戦群が13機のみを維持する事になった

●この様に急増するISR無人機からの情報やデータを迅速に処理するため、「機械や人工知能を活用した、分析する人の負担を軽減する対策が必要だ」と2013年に当時の米空軍ISR部長は語っていた

有人機(戦闘機や爆撃機)もISR重視
無人ISRアセットだけで無く、有人ISR機も引き続き需要が高い。運用開始後25年が経過したRC-135 Rivet Jointは、引き続き中央軍エリアで最も需要が高いアセットである
JSTARS recap4.jpg●現在16機保有しているE-8C JSTARSについても、2016年9月に100万飛行時間を達成する働きぶりであり、米空軍は後継機を17機導入する前提で3企業を対象に機種選定を実施中で、2018年に契約を予期している
●更にE-3 AWACSは、2030年までの継続引用を念頭に現在能力向上を進めている。無人機の機数が増加すると見込まれル中でも、この様に有人ISR機は今後とも重要な役割を担っていく

●しかしここで注目すべきは、米空軍指導者達が戦闘機や爆撃機のISR能力について語り始めていることである
F-35-Turkey.jpg●Global Strike Command司令官が「率直に言うと、最も重要でない任務は単に爆弾を投下することでアリ、もっと重要なのは、誰かの命を救うISR情報を持ち帰ることだ」と爆撃機操縦者に語り、教育訓練コマンド司令官が「F-35は戦闘機と言うより、AWACSのようだ」と表現している
爆撃機や教育訓練のボスが、強力な航空アセットのISR能力を語るようになったとすれば、ISR革命が起こりつつあると見るのが正しいであろう
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前半部分の無人ISR機関連データが、最近の数字で無い部分もありますが、相場観を養って頂けたかと存じます。

MQ-1C Gray Eagle4.jpg1990年代に無人機導入を拒んだ「黒歴史」には触れず、最近の頑張りだけをアピールする、判りやすい歴史観です。

これを本当の意味で「サクセスストーリー」の歴史に書き換えるには、無人機操縦者の処遇を今後どう改善し、有人機操縦者との関係をどのように位置付けるか等、世界の空軍の手本となる無人機コミュニティーを空軍内に築けるかどうかにかかっています

最近の無人機関連記事
「MQ-1は2018年に引退へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-02
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米空軍は無人機操縦者の離職者急増に苦悩中
「RQ-4操縦者の7割が下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13-1
「RQ-4操縦を下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-19
「問題点と処遇改善の方向性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-11

海軍無人機関連の記事
「誰が海軍無人機を操縦するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-14-1
「映像:MQ-4初飛行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-23
「グアム配備MQ-4トライトンは今」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-05



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Red Flag演習に5世代機3機種が揃い踏み [米空軍]

F-22Hawaii2.jpg7月28日までの18日間にわたりネバダ州ネリス空軍基地で行われた米空軍主催の航空アセット演習の最高峰「Red Flag」に、第5世代戦闘機3機種(米空軍と海兵隊のF-35A型とB型、米空軍のF-22)が初めて同時に参加し、その成果を参加した飛行隊長達が語っています

実施した訓練の重点、それなりの稼働率を確保している様子、3機種が同じ5世代機として作戦運用手順等を相当標準化している様子、コミュニケーションの課題など、細部に言及はないものの、米軍5世代機の位置取りが伺える内容となっています

まぁ・・・飛び上がれば当然それなりの性能は発揮するでしょうし、これだけ高価なんだからそうでないと困るのですが、日本での問題は敵が航空機が飛び立つ前に無効化しようとしている点です。
また、数少ない基地基盤を攻撃し、一度飛び上がっても戻る基地を破壊してしまう作戦を中国等は考えているからです。

そのことから徹底的に目を背けているのが日本の戦闘機命派ですが、今日は5世代k機のお勉強も兼ね、7月の「Red Flag」演習を振り返ります

1日付Defense-Tech記事によれば
F-35 clear2.jpg●7月に開催された「Red Flag」演習は、海兵隊の第211海兵戦闘攻撃隊のF-35B、米空軍の第58戦闘飛行隊、そしてF-22飛行隊も参加し、3機種が揃う歴史的な初の演習となり、他機種を含むと50機以上が参加する規模の演習となった
これまでにF-35が参加した「Red Flag」演習では、同機が空対空戦闘でその能力を披露し、20対1のキルレートでその優れた能力を示したが、今回の同演習でF-35は、航空阻止やSEAD(敵防空能力征圧)、更に動的ターゲティングなど空対地任務を焦点に参加した

●米空軍の第58戦闘飛行隊長のSnyder中佐は、「演習に参加して、F-35が改めて柔軟性を持ち、多様な任務に対応できることを確認できた。空対地任務が主だが、F-22が得意とするエスコート任務も数回訓練した」と語り、キルレートには言及しなかった
●また同隊長は「素晴らしいアビオニクスを搭載し、ハイエンドの厳しい環境下でもその能力を遺憾なく発揮できることを確認した」とも語った。そして「第5世代機は、4世代機や他アセットと連携することで戦力増強能力を発揮して作戦を成功に導くことが出来ている」と述べた

●参加各飛行隊は1日に8回飛行(eight sorties a day)するよう計画されたが、機体に小さなトラブルが発生しても地上の代替機が穴埋めし、訓練全体を阻害することは無かった
●第5世代機3機種が初めて揃った本演習は、部隊間の意思疎通や戦力融合の貴重な機会を提供し、最近定められた共通のTTP(tactics, techniques and procedures)が大いに役立った

TTP共通化とリンクの課題
F-22hardturn.jpg●Snyder飛行隊長は、「米海兵隊F-35と訓練するのは全く初めてだったが、最初の夜間飛行訓練準備で顔を合わせた際、リーダーを務めた海兵隊操縦者と基本手順書(notes)を比べあったが、全く同じページを開いていたのだ。つまり全く同じTTPで作戦していたんだ。驚くべきことだし、皆が同じ土俵で議論しているなんて実にクールな話だ」と振り返った。
●海兵隊がF-35を「Red Flag」に参加させるのは久しぶりだが、同演習は海兵隊の若い操縦者に統合訓練の貴重な機会となっており、更に「他軍種がどのように行動し、問題に対処しているかを学ぶ機会となっている」「本演習で参加兵士が学んだ教訓などは、全海兵隊部隊で共有するようにしている」と海兵隊の飛行隊長は明かしてくれた

●情報共有や通信に関しF-35側に問題は無かったが、F-22部隊にはフラストレーションが残った。F-22のデータリンクはF-35のデータリンクMADL(Multi-Function Advanced Datalink)と上手くマッチしておらず、F-22は第4世代機やF-35から旧来のリンク16経由でデータを受領するだけで、共有できない
●同演習では、多くの意思疎通は伝統的な「音声」によりなされた。この問題解決のため、機体間の橋渡しする努力につぎ込まれたが、いつ機体の間のデータ融合に関する問題が解決されるかは、依然はっきりしていない
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共通のTTP(tactics, techniques and procedures)が大いに役立ったとは、遅きに失したとは言え、極めて重要なことでしょう。特に機種をまたぐ標準化は、難しいでしょうが。
F-35とF-22のリンク問題は長く指摘されていますが、何とか早くしろよ・・・と言いたくなります

F-35-refuel.jpg今年2月の「Red Flag」には、英空軍のタイフーン戦闘機や豪空軍のE-7早期警戒管制機も参加しており、同盟国との相互運用性がどこまで検証されたのかも気になります。

米空軍のB-1爆撃機と日本のF-2戦闘機を、並んで飛行させるだけの「実際的に意味の無い訓練」でお茶を濁すより、どうせなら、太平洋地域の中核同盟と言いたいなら、「Red Flag」に早い段階で呼ばれるように、数ばかりに拘らず、質も追求してみたら・・・日本の戦闘機命派どの!

Red Flag演習の関連記事
「米空軍が初のNCCT活用」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-25
「F-35A参加の成果」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15-1
「指揮官が初の宇宙幹部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19

「Red-Flagの限界とVR演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-28-1
「最近のRed Flagと予算不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-07
「米軍被害対処部隊を追い出す」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-28-1

リンク関連の記事
「世代間リンクに対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-10
「世代間リンクが鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1


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米空軍が9月に爆撃機ロードマップ発表へ [米空軍]

Goldfein1-3.jpg7月26日、Goldfein米空軍参謀総長が米空軍協会主催のイベントで講演し爆撃機本体だけでなく、爆撃機の任務遂行に関連するスタンドオフ兵器やISRアセットなどの関連装備や技術をもカバーした「Bomber Roadmap」を、9月に発表する予定だと明らかにしました

また同参謀総長は、新しい空軍長官であるHeather Wilson女史と共に作成した「米空軍の優先事項に関する白書」も発表予定だと明らかにし、5つの優先事項を発表しています

マティス国防長官やダンフォード統合参謀本部議長レベルだと、折り重なる数々の問題や課題に関する方針事項や原則を問いただす質問に、国家軍事戦略NMSや核態勢見直しNPRやBMD態勢見直しBMDRと言った上位政策文書がまとまってから説明すると「言い訳」が続いていますが、なぜか各軍種トップレベルは「海軍艦艇355隻態勢」や「戦闘機は毎年120機購入したい」といった要求を軽く口にしている今日この頃です。

どんなアピール文書が9月頃に出来上がるのか判りませんが、まぁ・・・生暖かく見守りましょう・・・

27日付米空軍協会web記事よりGoldfein大将発言
Goldfein1-1.jpg先週からGlobal Strike Command司令官であるRobin Rand大将が、議会関係者の元を回り、積極的にこの「爆撃機ロードマップ」について説明して理解を得、また意見を伺う機会を持っている
●また、発表になった際にサプライズ感をなくすためであるが、同時に同ロードマップが単に爆撃機だけの計画ではなく、世界中の対象目標攻撃を視野に入れた関連装備全体の構想を包含したロードマップを目指している

航空アセット単独での任務遂行が考えにくくなることから、ロードマップでの議論は、例えばグローバルホークRQ-4の役割を含めてB-1爆撃機の任務を描くことになる。
●またロードマップでは、旧型と新型装備のコンビネーションを示すことになり、例えばスタンドオフ兵器を搭載したB-52爆撃機とステルス性で突破力を持つRQ-170を組み合わせることで、何が可能か等を描くことになる

●そして全ての任務は、突破型かスタンドオフが、有人か無人アセットか、通常兵器かそれ以外か等々の観点から分析され、更に他軍種との協力や任務の切り分けを経ることになる
地上戦力の兵士とどのように協力できるか、JTACとは、水上艦艇とは、潜水艦とは、在空型アセットとは・・等々を後半に分析して最適化を図りたい


新たな優先事項白書について参謀総長は
Goldfein1-2.jpg●新たな米空軍の優先事項白書(new white paper on Air Force priorities)は、Wilson空軍長官と参謀総長の両名がサインするモノで、Wilson-Goldfein時代の幕開けを示すモノであり、米空軍を引っ張る5つの優先事項を描くことになる


5つの優先事項とは以下の5つである
「restore our readiness」
「pursue cost-effective modernization」
「innovate for the future」
「strengthen how we develop airmen and future leaders」
「strengthen alliances with partner air forces」

●「restore our readiness」
飛行隊レベル組織に焦点を当てた取り組みを就任以来ほぼ1年間続けてきたが、前線部隊で効果が出始めている。指揮官を支えるスタッフと上級軍曹レベルに焦点を当てた人的能力向上は、効果を発揮するだろう
●「pursue cost-effective modernization」
産業中心時代の調達モデルから、情報化社会モデルに転換になければならない。また当該システムの能力自体より、「family of systems」全体とどのように結びつけがより重要である

●「innovate for the future」
●「strengthen how we develop airmen and future leaders」
既に米空軍では、「航空作戦運用の芸術」が日々学べる統合職や航空作戦センターでの勤務が、昇任に有利に働く制度を取っているが、これらの勤務を昇任審査に於いてより重視する
更に、JTF(Joint Task Force)能力の育成に取り組んでおり、この資格付与をされた者を将来の危機や紛争対処に当たる指揮官に提供したい

●「strengthen alliances with partner air forces」
敵は持っていないが、我々にあるもの。それは同盟国等との関係であり、米国にとって最大の戦略アセットであり、また非対称分野のアドバンテージである

記者からの質問対応など
Goldfein5.jpg●(何機戦闘機が必要かとの質問に、)特定の戦力だけについて語ることは不適切だ

国家軍事戦略NMSは2年近くの検討を経て完成間近であるが、マティス国防長官は国防戦略見直しDSRのやり直しを指示している。
●国家軍事戦略NMSには、国防長官と統合参謀本部議長が描く全ての軍事的課題が付帯文書の形で含まれており、「four-plus-one枠組み」(中国、ロシア、北朝鮮、イラン+過激派組織)として描かれるだろう

米空軍はこれらの見直し文書に投資しており、将来の戦いで勝利するために何が必要かを案出するための格好でタイムリーな演習となっている
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Goldfein6.jpgこれまでも同参謀総長の口から、「優先事項」のお話を聞いたことがあるような・・・。いや、でも、新しい空軍長官とともにまとめることに意義があると思います。多分・・・

「Bomber Roadmap」については、米空軍の作戦構想を知る上で重要な文章になりそうなので、9月になって、過ごしやすくなって、頭の回転が良くなって、気力が回復していれば取り上げたいと思います

「国家軍事戦略NMS」については、下記の過去記事が詳しいです

米空軍参謀総長のご意見記事
「宇宙部長A-11設置について」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-18
「21世紀の抑止再考を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
「5分間でトランプに訴えたこと」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-04

「国家軍事戦略NMS検討を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-06
「任期間の重視事項3つ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13
「迅速にピクチャー共有を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-21
「新空軍参謀総長をご紹介」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-27

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米軍が第一列島線東から発射可能なASMへ [米空軍]

小さなニュースだが、その意味するところは極めて大
第一列島線の東側から中国大陸に届く射程へJASSM改修へ

JASSM-ER5.jpg19日、Lockheed Martin社が、米空軍と空対地ミサイルJASSMの射程を延長するための翼改修の契約延長を約40億円で結んだと発表しました。ただし、どれだけ射程を延伸することを狙った改修かは明らかになっていません

JASSMは「Joint Air-to-Surface Standoff Missile」の略で、航空機から発射して地上目標を攻撃するステルス性を持つ空対地ミサイルで、現在2150発が米空軍に提供されています。

JASSM-ER7.jpg初期型のJASSMが射程200nm(360km)で、その後改良された射程延伸型JASSM-ER(Extended Range)は射程540nm(1000km)で、射程延伸型JASSM-ERはちょうど、第一列島線上空から中国沿岸部を攻撃できる射程を持つことになります

従って、射程延伸型JASSM-ERより更に射程を延伸すると言うことは、第一列島線の西側(つまり東シナ海)に入ってJASSMを発射することが既に難しいとの認識はあったが、中国のA2AD能力向上に伴い、第一列島線より更に東方の離れた位置からでないと、中国大陸に向けたASMは発射できないとの判断に米空軍が至ったとも解釈できます。

言い換えれば、日本列島の西側は、中国のA2AD圏内に入ったとも考えられます。
JASSM射程延伸の改修へ向けた動きは、たった40億円の小さな契約ですが、こんな風にも解釈できる大きなニュースだと思いご紹介します

まずJAASMの概要
JASSM-ER4.jpgJASSMは1995年から開発が始まり、実験の失敗等で紆余曲折はあったが2001年に初期量産を開始。敵防空網の射程外から発射され、強固な構造を持つバンカーや、ミサイル発射機などの攻撃を行う目的を持つ空中発射ミサイル。対艦ミサイル版のLRASMもある
●低コストの開発を念頭に、画像赤外線センサーは陸軍の対戦車ミサイル「ジャベリン」から、ターボジェット・エンジンは対艦ミサイル「ハープーン」からと、既存部品を多用している

●航空機から投下されると翼を展開、ターボジェットを始動する。途中、INSとGPSにより誘導され、レーダーに見つかりにくい低空を速度マック0.8で飛行する。
●目標に接近すると画像赤外線センサーにより目標を識別、急上昇してから70度の角度で急降下、突入破壊する。命中精度CEPは約3m

●中央部分の弾頭はタングステン製454kgの貫通モード、または爆風・破片モードを選択可能な多機能弾頭で、貫通力はBLU-109Bと同等とされる
地下施設や強固な施設には貫通モードで、ミサイル発射機やレーダー施設に対しては上空で爆発して爆風と破片を放出する

JASSM-ER9.jpg搭載可能な航空機は、B-2、B-1、B-52H爆撃機、F-15E、F-16戦闘爆撃機など多様
●「JASSM-ER」と「JASSM」の違いは、より大きな燃料タンクと効率の良いエンジンの搭載で射程距離が2.5倍の575マイル(約925km)に延伸したこと。またGPS妨害に対抗できる機能を付加したこと。更にデータリンクを追加装備したことである。

●「JASSM-ER」と「JASSM」は7割が共通部品で構成されており、製造コストの低減に貢献している。
●米空軍は2020年台の製造終了までに、2,400発のJASSM(1発約1億円)と、3,000発のJASSM-ER(1発約1.6億円)を購入予定

25日付Defense-News記事等によれば 
JASSM-ER8.jpgLockheed Martin社のJAASM計画責任者Jason Denney氏は、「A2AD脅威環境で操縦者の生存性を向上させる新たなデザインを開発している」、「我が社の顧客の皆さんは、証明済みのJAASM性能を信頼頂いているが、前線部隊に更なる能力向上型を提供できることを楽しみにしている」と語った
●ロシア製のS-300やS-400と言った高性能地対空ミサイルSAMが登場して世界に拡散する中、これら兵器を使用するA2ADにより、第4世代機の能力発揮できるエリアが制限されつつある

●配備が始まったばかりのF-35や、配備開始が2020年代半ば以降になる次期爆撃機B-21はステルス性も活用して強固な敵防空網を突破できるかも知れないが、しばらくは米軍航空戦力の多数派であるF-15EやF-16C、海軍のFA-18はそうはいかない
●低空を高速で飛行可能なB-1B爆撃機も、JASSMとJASSM-ERの両方が搭載可能だが、強固に防御された敵防空網の突破能力には限界がある

●なお、JASSM-ERの能力を確認した米海軍は、JASSMを対艦ミサイル用に改良することにDARPAと共に着手しており、LRASM(Long Range Anti-Ship Missile:AGM-158C)としてB-1には2018年から、FA-18には2019年から搭載開始される予定である
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最近の北朝鮮絡みで、米軍が韓国展開部隊にJAASMを配備すると発表して大きな話題となりました。

JASSM-ER3.jpgまた昨年11月末、米国がポーランドにJAASM(又はER型)70発を、関連装備を含め僅か200億円で提供すると発表して注目を集めています。何とお得な投資でしょう。何とか日本のF-15JやF-2に搭載可能にして、有効活用できないものでしょうか?

1機が100億円以上する戦闘機の数を減らしてでも、平時からグレーゾーン付近でしか活躍が期待できないであろう戦闘機の要求性能を落としてでも、この様な長射程兵器を導入する方向に、考え方を改めていくべきと考えます

米国も輸出に前向きになったようですし、費用対効果の面でも、日本の置かれた地理的な戦術環境からしても・・・

JASSM関連の記事
「ポーランドに70発輸出承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-30
「B-52をJASSM搭載に改良」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13
「JASSM-ERを本格生産へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-17-1
「空中発射巡航ミサイルの後継」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-12-1
「JASSM-ER最終試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-10-1

LRASM関連の記事
「LRASM開発状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-17-1
「米軍は対艦ミサイル開発に力点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-18
「ASB検討室の重視10項」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-04
「LRASMの試験開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-23
「新対艦ミサイルLRASM」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

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危険な民間ドローンへの対処権限をくれ! [米空軍]

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HOLMES4.JPG11日、米空軍協会のイベントで講演した米空軍戦闘コマンド司令官(ACC)Mike Holmes大将は、7月3日の週に連続して発生した民間小型無人機の空軍基地への侵入と空軍戦闘機との異常接近事案への強い懸念を示し、米軍に危険な民間無人機の撃墜や無効化権限を与えるべきだと訴えました

現時点では、細部は非公開ながら、米軍の核兵器関連施設に対する民間ドローン接近には、軍の施設管理者にある程度の対処権限が認められているようですが、その他の軍施設については「許可なく5nm以内に近づくべからず」との米連邦航空局FAA規則が存在するだけで、違反したドローンへの対処権限は不明確なようです

このような問題は、民間セスナなど小型有人機への対処規定を、そのまま小型ドローンにも適応していることから生じていますが、セスナ機などは比較的追跡や操縦者の特定が容易ですが、小型ドローンの場合は困難であり、小型ドローンによる基地攻撃の恐れも決して杞憂ではありません

Mike Holmes戦闘コマンド司令官の訴え
Holmes-AFA.jpg7月3日の週のある日、2件の事案が連続して発生した。一つは基地の警備員が基地ゲート上空を飛行する無人機を発見し、同機が航空機待機エリア上空をしばらくの間飛行した後、ほぼ同じルートを戻って基地外に飛び去った事案である。この様な無人機に対し、私は何ら対応することができない
●もう一つは、同じ日に、無人機がF-22に接近し、あわや衝突寸前にまで至った事案である。この事案においても、ACC司令官には、ほとんど対処権限が与えられていない

軍司令官に何ら権限が与えられていない背景には、民間ドローンが小型有人機と同様の扱いを受けていることがある
●しかし小型有人機が規則を犯して軍基地上空を飛行したなら、容易に追跡され、FAAから免許をはく奪される等の処罰を受けるが、小型ドローンの操作者を特定することは極めて難しい

small drones.jpg想像してほしい。誰かが小型兵器を搭載した数百機の無人機を操作し、F-22エンジンの空気取り入れ口に向け飛行させることをこのような攻撃に対処できる権限が必要なのだ
●本件に関し米空軍報道官は、軍隊は自己防衛の権限を有しており、この考え方は小型無人機にも適応されるべきで、一般国民が無人機を安全に活用する権限を害することなく、米空軍は対処オプションを拡充する法的解釈拡大を追及している、とコメントしている

核兵器施設には特別規定が
昨年9月、米空軍の核兵器を管理するGSC司令官Robin Rand大将が核兵器施設への無人機接近の問題を訴えたことを受け、同関連施設に関しては軍司令官に対処の法的措置がなされた模様
●具体的にどの程度の権限が許可されたのかは明らかになっていないが、今年4月にJohn Hyten米戦略コマンド司令官は議会で、ICBM発射施設や戦略原潜基地周辺などを飛行するドローンへの対処規定を定めたと証言している

●米空軍ACCは、核施設を対象とした規定の適用範囲拡大を米空軍司令部に要請する予定で、現在FAAなど関係機関と協議を行っていると司令同官は説明した
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他のメディアによれば、ACC司令官はいきなり撃墜したいと主張しているわけではなく、例えばドローン操作電波を妨害して強制着陸させたり、捕獲して調査したりと段階的な対処も考えているようです。

small drones3.jpg自衛隊は大丈夫なんでしょうか? 民間飛行場なんかも安心できないと思います。・・・でも、首相官邸の屋上に小型ドローンが着陸しても、緩やかな法律ができる程度ですから、人命にかかわるような事案が発生しない限り、次のステップは難しいのかもしれませんねぇ・・・

自分は関係ないや・・と考えているまんぐーすのような人間が、危ないのかもしれませんね

無人機対処装備の関連記事
「米空軍がイスラエル製を17億で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-28
「DroneDefenderをご紹介」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-30
「IS無人機で初の犠牲者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-15-1

「無人機の群れ:艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10

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