米空軍のMALDをご存じ? [米空軍]
MALDとはMiniature Air-Launched Decoyの略で、つまり航空機から発射して相手を攪乱するデコイ、おとりです。単なるおとりから最近では更に電子妨害機能を搭載したMALD-J、更に更にデコイや無人電子妨害機としての役割を終えた後は、搭載した弾頭で攻撃、といった発想まで生まれつつあります。このようなデコイ(おとり)の発想は決して新しくないのですが、QDRで中国を多分に意識した「anti-access」環境への対応が課題になる中、またまた日の目を見ることになってきています。
コソボ紛争で、ステルス機のF-117がボスニア兵の携行式小型SAMに迎撃された事案のように、ステルス機でも原始的な兵器に撃墜されることがあることから、国防省隷下の開発局が1998年頃原型の開発に着手しましたが、経費や性能面で折り合いがつかず、当時担当していたノースロップ社の試作品は量産中止。しかし、ロシア製SA-20のような高性能地対空ミサイルが輸出され、anti-accessに使用され出すと、開発が復活。
2003年に米空軍がレイセオンに対し開発要求を行い、2000年当時1発300万円だった価格要求を1000万円にアップ。それに併せて要求性能を、3万Ftで45分、3千Ftで20分の滞空時間や航続距離約900kmにアップしてプロジェクトが再スタートしました。
全長約2.8m 幅1.7m(翼を転伸時)で、F-16(写真でオレンジの搭載物)やB-52からの発射が現時点では可能です。2009年3月に初期生産分を空軍受領し2011年ぐらいまで生産が続くようです。電子妨害機能を持ったMALD-Jの開発は2008年4月から。09年12月までに一連の試験を実施、試験結果に基づき09年2月デザイン改修検討終了。 今後各種試験を経た後、2011年に初期生産開始の予定です。
使用法のイメージとしては・・・
非ステルス機の侵攻シナリオでは、まず海軍機EA-18Gがその電子戦能力で電子攻撃を行い、ハイブリッド防空網に突破口をあけ、非ステルス機が防空網を突破する。次に、無人の空中発射型デコイECM装置MALD-Jを投入して相手を攪乱し、またステルス巡航ミサイルJASSM(Joint Air-to-Surface Standoff Missiles)が敵防空網や指揮機能を破壊する、といったイメージです。
使い捨てとなるMALDには弾頭を搭載する検討もなされているもようです。
「どんな兵器を:Anti-Access環境対応」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-04
「Anti-Access環境への対応コンセプト」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-03
「QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
米空軍士官学校の美人将軍 [米空軍]
どのような背景か判りませんが、9日の米国防省HPのトップに、米空軍士官学校の教育責任者(Dean)を努める女性空軍准将(美人です!)の紹介等が掲載されています。おじさん趣味も暴露しつつ、軽重様々ですが3点からこの記事に注目しました。
●どんな経歴の人?
Brig. Gen Dana H. Bornは1983年に空軍士官学校を卒業して同年少尉に任官した方で、推定年齢50才。米空軍の歴史の中で14人いる女性将軍の中の一人です。経歴からすると人事管理(心理学、行動科学、募集計画)の専門家のようです。現在は米空軍士官学校の約700名の教官を束ねて4000人の士官候補生教育を統括する役割を、なんと2004年から続けています。奇妙な長期勤務ですが・・・

豪空軍への交換幹部、空軍士官学校の教官、空軍参謀総長のスピーチライター、国防次官補(人事計画)のスタッフ等々を経た後に、現職について5年半だそうです。
大佐への承認から僅か2年(正確には1年と350日)後の2004年10月には准将へ昇任。学術分野で大きな功績があったのでしょうか・・・チョット早すぎる気がしますが・・・
●空軍士官学校で「無人機訓練プログラム」
上の写真は昨年9月、学生が無人機訓練プログラムを集中受講している基地を視察した際に学生へ話しかけている様子です。
士官候補生時代から無人機を教育訓練に取り入れているのですね・・・空軍文化の変化への挑戦です。恐らく大部分の空軍士官候補生は、空や宇宙へのあこがれをもって入学しているはずですから・・。以前、Air Force Magazineの記事に無人機の特集があり、「将来F-22やF-35で大空を自由に飛び回りたい」と元気に話していた士官候補生が、無人機の話題になると「時代の流れだからしょうがない・・」と急にトーンダウンした様子を伝えていました。意識改革が必要なのでしょう。
●日本系女性学生??
同准将の紹介記事の中に、Tamiko Toyamaとの名前の士官学校4年生23学生中隊の学生の言葉が掲載されています。発言は「女性であってもそれにこだわり無く、男性と共に既に歩み始めた道を歩んでいきたい」とのしっかりした英語です。士官学校のHPによればチアリーダー部に所属されているようですが・・・。卒業後は契約担当幹部とのこと。インディアナ州Munster出身。日本でも小さい頃勉強したことがあるようです。海軍士官学校を卒業した日本人で海上自衛隊に入って活躍してる人もいますが、この女性はどんな方でしょうか??写真はチアリーダー部の写真(東洋系の方はこの人だけでしたので・・)とハワイでの研究会に参加した名簿より米空軍の次期空中給油機選定が提案企業が一つ(ボーイングのみ)しかない異常な形になっていますが、これについては過去の記事をご参考に・・・
「米空軍空中給油機選定の最終RFP発出」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-26
最後の写真はアフガニスタン訪問中のゲーツ長官が、現地に作られた部隊手作りの慰霊施設で、亡くなった兵士の写真の前に残したメダルです。長官が移動に利用したV-22の写真と共に・・・


米空軍の長期航空機投資計画(2040年まで) [米空軍]
QDRの発表と同時にゲーツ国防長官等から公表された2011年度予算要求案のなかに、米空軍の航空機への長期投資計画が背景説明資料として含まれていた模様です。その計画は2011年から2040年までの期間をカバーし、F-22の後継開発や輸送機の将来等についても言及しているようです。JDW(Jane's Defense Weekly)2月17日号が取り上げていますので紹介します。
記事はCraig Caffreyによる "US Air Force reveals 30-year investment plan"です。
記事の概要は・・・
●米空軍は、F-22とC-5の後継機開発のための予算を2020年までには付け始める。
●2025年にはF-22の後継機が必要になるだろう。将来戦闘機に必要な能力は、将来の攻撃機・戦闘機ファミリー、つまり有人無人が組み合わされ、多様なステルス特性と高度なスタンドオフ兵器を搭載したもの、を構成することが予期される。
●今後10年間は、F-22を最新に維持するためのアップグレードを1700億円掛けて行う。
●F-35の空軍調達は、2016年に年間80機でピークとなる。これらを総合すると、全軍種の戦闘機数は現在の3264機から、2018年には2883機まで減少し、2020年には回復して2929機になる。
●C-5とC-17からなる輸送機部隊は健全で安定している。両機のアップグレードに投資することが2040年までを見通して最も効率的な手段である。●長距離攻撃能力の近代化については本計画の一つの鍵であるが、爆撃機の後継については曖昧な部分が多い。計画には「将来の長距離攻撃能力を提供する有人無人技術の適切な組み合わせを見極める検討を実施中」と記載されている。一方中間段階では、「今日の装備の多くが2040年においても関与し続けるであろう」と国防省は考えている。
F-35の計画は不透明な部分がありますが、戦闘機全体は今後1割減が見積もりですか・・・。ゲーツ国防長官は、イラクとアフガンが終わったら、同規模の国家再建ミッションは当面考えられない、また中国に対しては長距離攻撃能力とJoint air-sea battle conceptですから、輸送能力については現状レベルで良いとのことでしょうか・・・。
(付録)
「QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
QDRにおける対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定)
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
「Joint Air-Sea Battle Conceptは平成の黒船」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09
米空中給油機選定の最終RFP発出 [米空軍]
24日、リン国防副長官(写真中)、ドンリー空軍長官(同左)、カーター国防次官(同右:取得技術兵站担当)がそろって会見を行い、米空軍最大の調達案件、次期空中給油機選定の提案要求書(RFP)の最終正式版を発出すると発表しました。老朽化で維持費高騰が問題のKC-135(写真中)の後継を選定するこのRFP(request for proposal)については、昨年9月25日に発出をお伝えしましたが、発出直後から企業側から質問や疑問点が多く出され、片方の企業群が提案しないと「脅し」を掛けるなど、10回以上に及ぶ素案を巡る質疑議論があった模様です。
本機種選定は、08年2月にノースロップグラマン・エアバスチームが一度契約を勝ち取りましたが、破れたボーイングからクレームがあり、やり直しになっていたものです。08年の結果でもめた後、2つの企業チームは「両者で半分づつ生産する」折衷案をアピールしたりしましたが、施設・整備機材・要員養成等で2倍の手間がかかるこのような提案を、ゲーツ長官が厳しく批判してきたところです。(参考)「仕切直し 米次期空中給油機選定」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-09-26-2
また、08年7月に企業提案の再受付を再開した後の同年9月、ゲーツ長官が「ブッシュ政権と共に去る予定の私の任期中に、この議論を呼びそうな選定が終わらないことが確実になった今、このまま後任者に最終決定を申し送ることは出来ない」とし、選定中断を宣言した経緯もあります。
24日の会見では・・・
●案のやりとりを通じて出された約350のコメントに対応し、当初の10倍に及ぶ372の必須項目を盛り込み、230カ所の技術的変更を行った。
●全ての開発が固定価格開発契約に馴染むわけではないが、本機種選定は固定価格ケースを追求する。
●本日から75日後に提案受付を締め切り、受付締切後120日を掛けて提案の評価を行う。
●最終選定結果の発表は9月中旬になる。
●ノースロップグラマンとボーイングの両方が提案してくれることを期待している。
残念ながら、これまでのRFP素案のやりとりの結果、昨年12月にノースロップ側は「要求が不公平だ」 として提案しない旨のレターを空軍に送付しており、ボーイングだけの提案になりそうです。(写真下は想像図)その場合でも、国防省と空軍は淡々と提案が要求を満たしているかどうかの確認を進める旨、議会の軍事委員会でゲーツ国防長官が既に証言しています。
3兆2千億円のビックプロジェクトで、かつゲーツ長官の調達改革の試金石ですから、しっかりやってもらいたいですし、両企業群が提案してくれることを希望します。
(付録)
「QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
QDRにおける対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定)
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
「Joint Air-Sea Battle Conceptは平成の黒船」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09
米空軍長官が米空軍の苦闘を [米空軍]
18日、フロリダ州オーランドで開催された米空軍協会主催のAir Warfare Symposiumでドンリー空軍長官が講演し、QDR発表を受けての米空軍の取り組みや状況について広範に語りました。●最優先はいまの戦いでの勝利
アフガン、イラク、アフリカの角エリアでの勝利に我々は焦点を当てている。このため引き続き我々は、空輸、ISR、指揮統制、パートナー国の育成を通じて、統合及びコアリションに貢献する。旧式の戦闘機を早期退役させることにより、3600名を情報分析に投入し、地上部隊への連絡員を2倍にする。また過去2年間で、無人機の能力を3.3倍にした。
●核兵器運用部隊の建て直し
Global Strike Command(GSC)を編制し、またAir Force Nuclear Weapons Centerが運用を管理する体制を整えた。
●将来の遠隔攻撃能力
将来のLong-range-strike能力に関する研究開発のための予算を計上する。
●次期空中給油機の機種選定(補足:昨年9月25日に提案要求書(RFP:request for proposal)の案を出して以降、企業との質問のやりとりを10回以上繰り返しています)最終的なRFPがまもなく発出されるだろう。我々は空軍の調達事項で依然最優先課題であるKC-Xについて、この夏の最終決定まで全力で取り組む。
●F-35の開発遅延
フライト試験が遅れ、生産と試験が並行的に進む状況は受け入れがたい状況に達している。
2年間渡り詳細に独立した立場から本計画のアセスメントを行った結果、国防省、米空軍、米海軍は、最も慎重な選択肢は、開発を延長して生産をスローダウンさせることであると決定した。
●人材育成
JTAC(Joint terminal Attack controller)の養成を増やし、連絡幹部職域キャリアーを創設した。また現在、サイバー戦分野と無人機運用部門の新たな職域キャリアー創設に向けた取り組みを空軍幹部が行っている。
●人材確保
引き続き採用と勤務延長に関しては良い状況が続いている。しかし我々は議会に対し、戦時に必要な緊要な職種のためのボーナスを要求している。その職域は、広報、契約、救難医療、施設、警備保全、爆発物処理、医療、特別捜査などである。
●同性愛問題オバマ大統領の示した方向についての取り組みは、我々へのテストである。テストとは、問題を取り巻く政治的な論争に巻き込まれることなく、我々が軍や空軍のために、プロフェッショナルで冷静な話し合いが出来るか、また大統領や議会に適切な助言が出来るかのどうかのテストである。
(付録)
「QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
QDRにおける対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定)
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
「Joint Air-Sea Battle Conceptは平成の黒船」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09
グローバルホークが中央軍で3万時間達成 [米空軍]
9.11テロが発生した直後に展開を開始した無人偵察機RQ-4グローバルホークが、2月11日に中央軍展開後の総飛行3万時間を達成しました。しかも3万時間は1501回目のフライトで達成されました。展開場所未公開で中央軍活動地域の南アジアとのみ米空軍HPは言及していますが、2001年11月に展開。展開当時はまだ試験段階にあった試作3号機グローバルホークは、その滞空能力とセンサーの組み合わせによりたちまち現場指揮官の評価を得、これが米空軍の無人機UASへの需要を爆発的に引き起こしました。
1500回のフライトで3万時間達成ですから、単純平均で1回のフライトで20時間飛行することになります。全長14m、全幅40m、高さ4mと比較的大きな機体で目立ちやすいとも言えますが、巡航高度が3万フィートに達するため、非撃墜の記録は無く、安定した運用が可能となっています。
RQ-4に搭載可能なセンサーとしては・・・
●合成開口レーダー(SAR)SARストリップ・モードで1m、SARスポット・モードでは30.5cmの解像度。地上移動目標識別(GMTI)モードでは、20~200kmの範囲内を最低4ktの速度で飛行し、移動目標の識別を行う能力を有しています。
●電子光学/赤外線(EO/IR)センサー
1mの分解能で約4万平方nmに渡っての捜索・監視活動が可能で、0.3mの分解能で最大1900のスポット画像を取得する能力を備えています。
現在RQ-4を使用しているのは米空軍の外、海軍が海面哨戒に、またNASAが地球温暖化監視のため毎日10時間程度飛行させています。今回発表されたQDRではステルス性を備えた無人機や搭載量を増やしたものなどが構想に現れていますが、無人機の時代を開いた機体として航空史に名を残すことになるでしょう。
関連記事 米空軍無人機のゆくえ(前編) → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-27-1
(付録)
「QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
QDRにおける対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定)
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
「Joint Air-Sea Battle Conceptは平成の黒船」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09
グアムの空で美しい編隊飛行 [米空軍]
18日、米国防省HPのトップページに、グアム島周辺で実施されている日米共同訓練(Cope North Guam)に参加した航空機の編隊飛行写真(15日撮影)が掲載されました。訓練は、7日から19日の間で実施されており、グアム島のアンダーセン空軍基地に集結した参加機が、ドックファイト訓練、要撃訓練、爆弾投下訓練を行っているもようです(空自発表より)
参加したのは(写真の編隊飛行の先頭から)、米軍B-52爆撃機、F-16戦闘機(アラスカから)、空自F-2支援戦闘機(築城から)、米海軍EA-6B電子戦機、E-2C早期警戒機です。

グアムにおける共同訓練は平成11年度から実施されており、今回で10回目となります。
E-2Cはプロペラ機で速度が遅いので、特に気温の高いグアム周辺での戦闘機クラスとの編隊飛行は極めて難しいと思いますが、間に挟まったF-2も良くやったと思います。
美しい海岸線もバックに入っていて・・・。米軍も良く協力してくれましたね・・・。米海軍も入ってますから。パチパチ(拍手)
(付録)
「どんな兵器を:Anti-Access環境対応」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-04
「Anti-Access環境への対応コンセプト」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-03
「QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
QDRにおける対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定)
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
「Joint Air-Sea Battle Conceptは平成の黒船」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09
参加したのは(写真の編隊飛行の先頭から)、米軍B-52爆撃機、F-16戦闘機(アラスカから)、空自F-2支援戦闘機(築城から)、米海軍EA-6B電子戦機、E-2C早期警戒機です。

グアムにおける共同訓練は平成11年度から実施されており、今回で10回目となります。
E-2Cはプロペラ機で速度が遅いので、特に気温の高いグアム周辺での戦闘機クラスとの編隊飛行は極めて難しいと思いますが、間に挟まったF-2も良くやったと思います。
美しい海岸線もバックに入っていて・・・。米軍も良く協力してくれましたね・・・。米海軍も入ってますから。パチパチ(拍手)
(付録)
「どんな兵器を:Anti-Access環境対応」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-04
「Anti-Access環境への対応コンセプト」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-03
「QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
QDRにおける対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定)
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
「Joint Air-Sea Battle Conceptは平成の黒船」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09
米空軍特殊部隊の活躍 [米空軍]
陸軍や海兵隊の特殊部隊、また海軍の特殊部隊は何となく任務が想像できたりするのですが、空軍の特殊部隊は・・・多分AC-130を使ってCAS(近接航空支援)をやってるかもしれないけど、そのほかは・・・何やってんだろう・・・と具体的なイメージが浮かばないのですが、最近その活躍を示す話題が2つ米空軍HPに掲載されましたので紹介します。●Combat Controller(爆撃誘導員?)が表彰される
フロリダ州ハートバート空軍基地所属のグローブ軍曹が、アフガニスタンでの功績により、11日ブロンズスターを授与された。同軍曹は、自分から約120mしか離れていない場所に集結していた15名の過激派に対して航空機を誘導し、6発の500ポンド爆弾を投下させたもの。「自らの危険を顧みず、敵に接近し、友軍の攻撃を誘導した」とHPではその功績をたてています。写真は記事とは直接関係ありません。
同記事欄外の読者の書き込み欄には、同様の仕事に就くと思われる軍曹が「訓練では600mの距離で誘導する。ミサイルやガンの場合は100mに接近することもあるが・・・。良くやった」との記述があります。そのようなお仕事なんですね・・・。
●ハイチの空港で緊急管制実施
約1ヶ月前に発生したハイチ大地震ですが、地震発生後約27時間後には現地の空港に一番乗りで到着し、到着後20分で停止していた航空管制を再開したチームがあります。これを行った兵士も記事上ではフロリダ州ハートバート空軍基地所属のCombat Controllerと紹介されています。このケースでは所属部隊が第23特別戦術隊(23rd Special Tactics Squadron)と明示されており、部隊活動の秘匿度合いが低いのかもしれません。写真はハイチ国際空港で活動中の部隊の様子だそうです(米空軍HPより)
(付録)
「QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
QDRにおける対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定)
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
「Joint Air-Sea Battle Conceptは平成の黒船」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09
緊縮耐乏の米空軍電子戦部隊 [米空軍]
米空軍協会AFA発行の月刊雑誌Air Force Magazineの1月号が「Electric Warfare Meets Austerity」とのタイトルで、大規模航空作戦を前提に生きてきた米空軍電子戦関係者の現状と不安な将来を紹介しています。予算縮小の中で不正規戦対応を軸にローコストな新装備を求められる様子を描いています。



写真左から
EF-111
F-4G
EC-130H
米空軍電子戦部隊の状況は・・・
●ステルス戦闘機や爆撃機の登場を受け、かつてのエスコート電子戦機(EF-111, F-4G)は引退済み。
●空軍の持つ電子戦機はEC-130Hが14機のみ。同機は18年間ほぼ休みなく世界中で活動を続けており、配属されている兵士は母基地で過ごす時間と展開地での時間比率が1:1との異常な不在率の激務にさらされている。
●空軍の電子戦ノウハウを持つ者は、海軍のEA-6プラウダに搭乗させてもらい、必要時は空軍の作戦を遂行している。
●海軍が現在の120機の4人乗りのEA-6から、90機の2人乗りEA-18Gへ機種更新を進めていくと、空軍隊員が搭乗する機会は減り、空軍のノウハウが失われる恐れ有り。


写真左から
EA-6B
EA-18G
将来の空軍電子戦装備は・・・
●過去に2回、B-52を大型スタンドオフ電子戦機に解像しようとする検討があったが、2回とも経費等の関係で断念された。スタンドオフ電子戦は海軍機に頼るしかない状況
●米空軍は今、出来れば既に市場にある装置を活用した低価格の電子戦ポッドを求めて企業に打診している。そのポッドはA-10やF-16に搭載でき、不正規戦に敵が使用するローテクで非対称な脅威を無力化することが求められる。その任務は路肩爆弾の起爆阻止や通信遮断などであるが、多くの点で最新SAM:SA-20を麻痺させるより困難である。
●空軍参謀総長は2012年までの現場配備を目指すこの計画に、単に良い装備を作るのではなく、敵によりコストを強いるような物を考えるよう指示している。


写真左から
JASSM
MALD
海軍EA-18Gの空軍保有は予算上無理である・・・
●一方で戦闘機とを全機ステルスにする計画は大幅に遅れている。非ステルス機が敵の強力なハイブリッド防空網を突破して攻撃する場合は、まずEA-18Gに突破口をあけてもう。
●次に、無人の空中発射型デコイECM装置MALD(Miniature Air Launched Decoys)を投入して相手を攪乱し、またステルス巡航ミサイルJASSM(Joint Air-to-Surface Standoff Missles)が敵防空網や指揮機能を破壊する。
●使い捨てとなるMALDには弾頭を搭載する検討もなされている。また無人機に電子戦攻撃EAの能力を付与するMQ-Xのコンセプトも練られている。
陸軍も電子戦に取り組んで・・
●仕掛け爆弾対策に陸軍も独自の対策を考えており、無人機の活用もその一つ。空軍がノウハウを伝授することもある。
●空軍は、第3者的組織が4軍を統制するより、現在の協力関係で電子戦を進めた方が実際的だと考えている。米空軍は現在、電子戦ロードマップの作成に取り組んでいる。
電子戦・・・長らく耳にしなかった言葉ですね・・・。「バランスのとれた戦略」とは言いつつも、切ない感じが漂う記事でした。
(付録)QDR対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定)
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05



写真左から
EF-111
F-4G
EC-130H
米空軍電子戦部隊の状況は・・・
●ステルス戦闘機や爆撃機の登場を受け、かつてのエスコート電子戦機(EF-111, F-4G)は引退済み。
●空軍の持つ電子戦機はEC-130Hが14機のみ。同機は18年間ほぼ休みなく世界中で活動を続けており、配属されている兵士は母基地で過ごす時間と展開地での時間比率が1:1との異常な不在率の激務にさらされている。
●空軍の電子戦ノウハウを持つ者は、海軍のEA-6プラウダに搭乗させてもらい、必要時は空軍の作戦を遂行している。
●海軍が現在の120機の4人乗りのEA-6から、90機の2人乗りEA-18Gへ機種更新を進めていくと、空軍隊員が搭乗する機会は減り、空軍のノウハウが失われる恐れ有り。


写真左から
EA-6B
EA-18G
将来の空軍電子戦装備は・・・
●過去に2回、B-52を大型スタンドオフ電子戦機に解像しようとする検討があったが、2回とも経費等の関係で断念された。スタンドオフ電子戦は海軍機に頼るしかない状況
●米空軍は今、出来れば既に市場にある装置を活用した低価格の電子戦ポッドを求めて企業に打診している。そのポッドはA-10やF-16に搭載でき、不正規戦に敵が使用するローテクで非対称な脅威を無力化することが求められる。その任務は路肩爆弾の起爆阻止や通信遮断などであるが、多くの点で最新SAM:SA-20を麻痺させるより困難である。
●空軍参謀総長は2012年までの現場配備を目指すこの計画に、単に良い装備を作るのではなく、敵によりコストを強いるような物を考えるよう指示している。


写真左から
JASSM
MALD
海軍EA-18Gの空軍保有は予算上無理である・・・
●一方で戦闘機とを全機ステルスにする計画は大幅に遅れている。非ステルス機が敵の強力なハイブリッド防空網を突破して攻撃する場合は、まずEA-18Gに突破口をあけてもう。
●次に、無人の空中発射型デコイECM装置MALD(Miniature Air Launched Decoys)を投入して相手を攪乱し、またステルス巡航ミサイルJASSM(Joint Air-to-Surface Standoff Missles)が敵防空網や指揮機能を破壊する。
●使い捨てとなるMALDには弾頭を搭載する検討もなされている。また無人機に電子戦攻撃EAの能力を付与するMQ-Xのコンセプトも練られている。
陸軍も電子戦に取り組んで・・
●仕掛け爆弾対策に陸軍も独自の対策を考えており、無人機の活用もその一つ。空軍がノウハウを伝授することもある。
●空軍は、第3者的組織が4軍を統制するより、現在の協力関係で電子戦を進めた方が実際的だと考えている。米空軍は現在、電子戦ロードマップの作成に取り組んでいる。
電子戦・・・長らく耳にしなかった言葉ですね・・・。「バランスのとれた戦略」とは言いつつも、切ない感じが漂う記事でした。
(付録)QDR対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定)
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
フロリダからハイチ大地震の援助空輸を管制 [米空軍]
「アメリカ大陸史上最大規模の人道緊急事態」といわれているハイチ大地震ですが、米空軍も懸命に活動しています。
地震発生
12日16時53分(現地時間)
米空軍一番機到着 → 米空軍が空港周辺管制開始
13日19時 13日19時28分
つまり、現地に降りたって28分後には、機能を喪失していた空港の管制機能を引きついで、Tactical combat control teamによって最低限の空港機能を回復したことになります。

現地空港の状況は、単純に事実を並べますと・・・・
●ハイチ国際空港(Toussaint Louverture International Airport 写真上)は、9940ftの滑走路が一本のみ
●普段は日に3便の離発着のみ → 現在は毎日600便
●民間機が6割、軍用機が4割
ハイチでは世界中からの飛来希望機の調整が困難なため・・
●米フロリダ州のティンダル空軍基地にコントロールセンターを設置。外来機の時間調整を実施。世界中から離発着時間や飛行場での駐機場所確保のための連絡調整が入っている。 (Haitian Flight Operations Coordination Centerと呼称 写真左)
●ハイチ政府が優先事項や希望を米南部軍司令部に伝達。米南部軍司令部が上記調整センターにハイチの要望を連絡
ゲーツ国防長官が、18日からインドを訪問します。明日以降フォローします。多分・・・
地震発生
12日16時53分(現地時間)
米空軍一番機到着 → 米空軍が空港周辺管制開始
13日19時 13日19時28分
つまり、現地に降りたって28分後には、機能を喪失していた空港の管制機能を引きついで、Tactical combat control teamによって最低限の空港機能を回復したことになります。
現地空港の状況は、単純に事実を並べますと・・・・
●ハイチ国際空港(Toussaint Louverture International Airport 写真上)は、9940ftの滑走路が一本のみ●普段は日に3便の離発着のみ → 現在は毎日600便
●民間機が6割、軍用機が4割
ハイチでは世界中からの飛来希望機の調整が困難なため・・
●米フロリダ州のティンダル空軍基地にコントロールセンターを設置。外来機の時間調整を実施。世界中から離発着時間や飛行場での駐機場所確保のための連絡調整が入っている。 (Haitian Flight Operations Coordination Centerと呼称 写真左)●ハイチ政府が優先事項や希望を米南部軍司令部に伝達。米南部軍司令部が上記調整センターにハイチの要望を連絡
ゲーツ国防長官が、18日からインドを訪問します。明日以降フォローします。多分・・・
F-22が再びグアム展開へ [米空軍]
細部の日時は未公表ですが、本年1月から3ヶ月間、F-22が再びグアムのアンダーセン空軍基地に展開する模様です。展開予定なのは、アラスカのエレメンドルフ空軍基地に所在する第90戦闘飛行隊の15機です。本展開は、太平洋軍が計画して西太平洋地域向けに定期的に行われているTSP(Theater Security Package)の一環です。同様の展開は2007年1月から定期的に行われており、最近では昨年10月までグアムと嘉手納にF-22が展開していたところです。
F-22は高度ステルス性を備え、アフターバーナーを使用せずに超音速飛行が出来るスーパークルーズ能力を持つ唯一の5世代機です。また、高度なデータリンクシステムを生かして、自らレーダーを作動させなくても周囲の状況を把握できる前例のない機能を備えています。特にステルス性やスーパークルーズ能力はF-35選りすぐれており、高度な軍需技術の固まりとなっています。
一方その能力は、今現在の課題である「テロとの戦い」には生かせる余地がなく、国防省高官の中には「ニッチな能力しか持たない高価な兵器」と呼ぶ者もいます。2010年度予算では追加生産が認められず、178機で生産が終了します
米空軍無人機のゆくえ(後編) [米空軍]
AFA発行AIR FORCE Magazine12月号掲載の米空軍無人機将来計画に関する記事「Roadmap for Robotics」を紹介しています。
昨日の前編は、無人機への投資拡大、なじみの薄い小型無人機、急増する無人機運用要員の新養成法でした。本日は無人機の任務拡大と無人機運用の抱える課題について記事の概要を紹介します
●無人機任務の拡大見込み
無人機の能力が脚光を浴びたのは、通常の調達プロセスを飛ばして飛ばして2001年に現場に投入されたグローバルホーク(GH:写真)の活躍が背景にあります。ダルフールで難民の分布を確認するのに、U-2は一回のフライト3時間で要求エリアの3%しかカバー出来なかったが、GHは20時間で58%をカバーできたそうです。

「Flight Plan」が提起した将来像で、すんなり受け入れられそうな分野には、伝統的なISR任務であるシギント、電子戦やJSTARS(写真)の地上目標追尾任務が上げられています。
一方でAWACSやJSTARSが行っている指揮統制C2に関しては議論を呼ぶことになりましょう。同様に空中給油、空輸に関しても少なからず議論が起こるとおもわれます。
防空(counter-air mission)任務に関しても「Flight Plan」は言及しています。2002年12月22日、イラク上空を監視任務で飛行していたプレデターがイラクのMIG-25(写真)に遭遇、AIM-92スティンガーを発射したが回避され、逆にMIGに撃墜された事例があります。空軍はMQ-9リーパーで構成する第42攻撃飛行隊(42th attack squadron)を既に編成しています。その他、SEADや救難にも応用が考えられている。
●無人機フライトプランの課題
前編で紹介した、無人機運用要員の確保と訓練体系を如何にするかの外にも、種々の課題に触れられています。
米国内空域を飛行する際の安全確保策は作戦運用以前の問題です。現在は基本的にパイロットが発見-回避するのが原則ですが、無人機の場合は無人機が感知-回避する必要があります。現在のTCASはトランスポンダー情報を元に判断しますが、同装置を搭載していない飛翔体も考える必要があります。
また無人機との通信も大きな課題です。民間衛星を多用するプレデター等は情報の漏洩の危機にさらされ、またKuバンド周波数を使用しているため、同周波数帯を優先使用する衛星管制より優先度が低い扱いを受けています。このため広帯域の衛星や高々度飛翔体利用案のほか、代替衛星や衛星の緊急投入能力強化が検討されています。
●無人機への心理的壁
本筋とは異なりますが、記事の最後で、筆者が空軍士官学校入校予定者と話した際の様子が興味深いです。その高校生(たぶん)はF-22やF-35の話題には目を輝かせたが、無人機に話題が及ぶと、途端に話のトーンが落ち、「仕方ない」「避けられない」との消極的な反応だったとのこと・・。
更に退役空軍将軍の「無人機が有人機に取って代わることはない。戦争という死が関わる仕事には人間の手が絡まなければならない。有人と無人機の混合が必要だ」との話で締めくくっています。
(以上雑誌記事より)
「作戦及び作戦支援機が有人か無人化について、我々は自ら問いかけ、最終的に答えを出さなければならない」とのシュワルツ米空軍参謀総長の言葉が、空へのあこがれが支えてきた空軍文化の変化を求める無人機導入問題の核心を表現しているような気がしてなりません。
昨日の前編は、無人機への投資拡大、なじみの薄い小型無人機、急増する無人機運用要員の新養成法でした。本日は無人機の任務拡大と無人機運用の抱える課題について記事の概要を紹介します
●無人機任務の拡大見込み
無人機の能力が脚光を浴びたのは、通常の調達プロセスを飛ばして飛ばして2001年に現場に投入されたグローバルホーク(GH:写真)の活躍が背景にあります。ダルフールで難民の分布を確認するのに、U-2は一回のフライト3時間で要求エリアの3%しかカバー出来なかったが、GHは20時間で58%をカバーできたそうです。
「Flight Plan」が提起した将来像で、すんなり受け入れられそうな分野には、伝統的なISR任務であるシギント、電子戦やJSTARS(写真)の地上目標追尾任務が上げられています。一方でAWACSやJSTARSが行っている指揮統制C2に関しては議論を呼ぶことになりましょう。同様に空中給油、空輸に関しても少なからず議論が起こるとおもわれます。
防空(counter-air mission)任務に関しても「Flight Plan」は言及しています。2002年12月22日、イラク上空を監視任務で飛行していたプレデターがイラクのMIG-25(写真)に遭遇、AIM-92スティンガーを発射したが回避され、逆にMIGに撃墜された事例があります。空軍はMQ-9リーパーで構成する第42攻撃飛行隊(42th attack squadron)を既に編成しています。その他、SEADや救難にも応用が考えられている。●無人機フライトプランの課題
前編で紹介した、無人機運用要員の確保と訓練体系を如何にするかの外にも、種々の課題に触れられています。
米国内空域を飛行する際の安全確保策は作戦運用以前の問題です。現在は基本的にパイロットが発見-回避するのが原則ですが、無人機の場合は無人機が感知-回避する必要があります。現在のTCASはトランスポンダー情報を元に判断しますが、同装置を搭載していない飛翔体も考える必要があります。
また無人機との通信も大きな課題です。民間衛星を多用するプレデター等は情報の漏洩の危機にさらされ、またKuバンド周波数を使用しているため、同周波数帯を優先使用する衛星管制より優先度が低い扱いを受けています。このため広帯域の衛星や高々度飛翔体利用案のほか、代替衛星や衛星の緊急投入能力強化が検討されています。
●無人機への心理的壁
本筋とは異なりますが、記事の最後で、筆者が空軍士官学校入校予定者と話した際の様子が興味深いです。その高校生(たぶん)はF-22やF-35の話題には目を輝かせたが、無人機に話題が及ぶと、途端に話のトーンが落ち、「仕方ない」「避けられない」との消極的な反応だったとのこと・・。更に退役空軍将軍の「無人機が有人機に取って代わることはない。戦争という死が関わる仕事には人間の手が絡まなければならない。有人と無人機の混合が必要だ」との話で締めくくっています。
(以上雑誌記事より)
「作戦及び作戦支援機が有人か無人化について、我々は自ら問いかけ、最終的に答えを出さなければならない」とのシュワルツ米空軍参謀総長の言葉が、空へのあこがれが支えてきた空軍文化の変化を求める無人機導入問題の核心を表現しているような気がしてなりません。
米空軍無人機のゆくえ(前編) [米空軍]
AFA発行AIR FORCE Magazineの12月号に、09年7月に発表された米空軍の無人機将来計画「UAS Flight Plan 2009-2047」の解説とも言える記事「Roadmap for Robotics」が掲載されました。以前紹介した米空軍HP記事を補足する内容でわかりやすいので2回に分けて概要を紹介します。
本日の前編は、無人機への投資拡大、なじみの薄い小型無人機、急増する無人機運用要員の新養成法です。
なお、以前のブログ記事は「米空軍、無人機の未来を語る」http://blog.so-net.ne.jp/holyland/2009-07-25/ です。
●無人機への投資の急増
イラクのアルカイダ指導者であったザルカウイを攻撃した際は、発見から攻撃までわずか6分間で行われたが、発見までにはプレデターによる6000時間もの偵察フライトが行われていました。このように継続的で驚異的に粘り強いISRへの要求を満たすことが出来るのが無人機です。2008年度に米国防省が無人機775機の購入等に当てた約2.5兆円は、無人機に対する1950年代からの累積予算約2.3兆円を上回る額です。2008年購入内訳は、5グローバルホーク、24プレデター、16リーパー、28シャドー、700以上のRAVENです。
●小型無人機の紹介
中型から大型の無人機(プレデター、リーパー、グローバルホーク)は比較的よく知られているが、小型にも注目です。BATMAV(Battle field air targeting micro air vehicle 写真上)重さ500g、飛行時間40分、行動半径3マイル
RQ-11 Raven写真中 手投げ離陸方式、重さ数kg、上昇限度1.4万フィート、飛行時間90分、行動半径5マイル
Scan Eagle写真下 重さ18kg、飛行時間40分、行動半径3マイル
更に将来は、バイオ化学技術を利用した「ハエ」のような超小型無人機で、サイバー戦、通信中継、信号傍受、攻撃を行い、活動範囲も都市からジャングルや洞窟内部までを想定しています。
●無人機運用要員の新養成法
現役の操縦者や航空運行関係者を無人機に転用するだけでは拡大する需要に対応できないため、2つの新コースを開始しています。
一つは有人機の操縦を経ることなしに、直接無人機の操縦専門家を養成するコース。最初のクラス卒業生8名が卒業済みです。もう一つは不正規戦専門飛行要員を養成するコース。基礎有人機T-6を経験した後に本コースに移行し、無人機とMC-12等有人機の両方を操縦する経歴管理を行うコースです。
無人機のセンサー運用に関する部門には、写真分析や飛行関連以外からも広く人材を集めて養成する職域が設けられました。これらの結果、2010年までには、1.5万人が無人機の操縦、センサー運用、センサー情報管理、整備等の職務に従事することになる予定です。
本日はここまでとさせていただきます。明日の後編では、無人機の任務拡大と無人機運用の抱える課題について記事の概要を紹介します。
(付録)「QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
無人偵察機ビデオ情報漏洩の背景 [米空軍]
17日付米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」は、イラクの武装勢力が25ドルのロシア製のソフトを使って無人偵察機プレデターの撮影するビデオ・データの傍受に成功しているという記事を掲載しています。同日のCNNニュースによれば、国防省高官はこれに関して否定も肯定もせず、「我々は種々の問題を確認し、その改善を行っている」とコメントしています。
以下は、米国や多国籍軍のアフガンでの活動にとって無人機がどれほどの関係があるかを間接的に紹介するものです。これまでご紹介してきた内容も含まれますがご参考まで。WSJが報じたビデオ情報は、下記に出てくる「携行可能な映像等受信表示装置(RVT: remote video terminal)のNATO全体への普及」に伴うものでしょう。(1)無人機運用の急増
空軍幹部の重視事項に必ず登場するISRの中核を担うのが無人機です。無人機プレデターやリーパーによるCAP数は、08年に50%増加して36になり、10年末には50に到達するだろうとゲーツ長官は述べています。ドンリー空軍長官も「2000年当時は2020年の段階で無人機は80機程度(筆者注:機種不明)と見積もっていたが、現在の生産ペースからすると、380機以上になろう」とその急成長振りを説明しています。そしてこの急増の背景には、「アフガニスタンで、輸送や偵察任務のために前方拠点から兵士が外へ出る際は、彼らの出発から任務終了までの間、我々が上空から監視し続ける」と米軍幹部が言い切るほどの濃密な地上部隊支援態勢があります。
更に、敵の監視といった受動的なものだけでなく、能動的な攻撃にも活用の範囲が広がっています。それは無人機リーパー等が直接実施する攻撃だけではなく、無人機が支援する地上攻撃の増加にも繋がっており、全てに無人機が関わっていると言っても過言ではありません。
(2)近接航空支援(CAS)への懸命の取り組み
イラクやアフガニスタンで行われている対テロ地上作戦を、空軍としてどのように支援するかは大きな課題でした。
特に09年5月にマクリスタル新司令官がアフガニスタン作戦の指揮官に着任以後、住民に被害を及ぼす可能性のあるCASを厳しく精査した結果、CASの要請がリスクの大きい空軍機から陸軍の攻撃ヘリや無人機リーパーへ向かうようになって以降は尚更です。
この状況に危機感を持った空軍は、近接航空支援能力の向上に懸命に取り組んでいます。
ラスベガス郊外のネリス空軍基地に置かれている「空軍戦闘センター(Air Force Warfare Center)」は、空軍戦術の実戦的研究や普及教育のメッカとして知られています。同センター司令官(空軍少将)は「(イラクやアフガニスタンの)地上部隊を支援するため、何が現場で行われ、どう改善するかの分析検討にセンターのほぼ全てが向けられている」と述べています。例えば同センターに所属する561統合戦術隊は、頻繁にイラクやアフガンを訪れ、現場部隊から問題点を聞き取ります。そして教訓や問題点等は同センターの教育に反映されると共に、陸軍や海兵隊とも共有されます。更に教訓を(空軍内の)ウェッブサイトで公開することにより情報共有の迅速化を進め、当該サイトを空軍内の人気サイトにしたとのことです。
最近の同センターの取り組みの中には、長距離航空阻止任務用に開発されたストライクイーグルF-15Eを、ISR任務や近接航空作戦に活用する研究も含まれています。他にも、重要移動目標の追尾法、爆弾をスキップさせて敵が潜むトンネル奥深くに送り込む手法、人口密集地域で被害を局限して爆撃精度を上げる方法等の研究にも取り組んでいると報じられています。
なお広大なアフガニスタンでは、滞空時間が1時間程度の戦闘機タイプの爆撃機よりも、10時間程度在空できるB-52やB-1爆撃機の方が、状況認識やJTAC(Joint terminal attack controller、2003年にFACから呼称変更)との意志疎通の面で優れていることから、米空軍はこれらをCAS任務に重用していく模様です。最近もグアムを発進した3機のB-52が、豪軍のJTACと連携して豪大陸の演習場でCAS訓練を行うようすが紹介されています。
Jane’s Defense Weekly誌11月4日号は近接航空支援の技術面での特集を組み、アフガニスタン住民への被害局限を目的とした新型装備の迅速な開発や配備の状況を紹介しています。
そこでは、付随的被害を局限するためのミサイル弾頭の小型化、泥壁の建物に有効な弾頭やSUV等の乗用車にも反応する信管の開発、無人機搭載用ヘルファイア・ミサイルの開発改良、3世代と言われる新型ターゲティング用ポッドの普及、JTACが軽易に携行可能な映像等受信表示装置(RVT: remote video terminal)のNATO全体への普及、ISAF関係国が共有するATO伝達システム(ICC)の普及等の開発施策が急速に進展している様子が紹介されています。また将来を見据え、ターボプロップの軽攻撃・武装偵察機プログラムを2010年予算に計上していることや被害局限を図るためのレーザー兵器の開発に国防省と軍需産業が取り組んでいることにも触れています。
先端技術のデュアル・ユースが進むことで、ハイテク技術を使うのは先進国だけではなくなりました。まさに「ハイブリッドな戦い」です。
米空軍の新輸送機C-27Jをご存じ? [米空軍]

C-27Jは、米空軍がアフガニスタンでの局地輸送用に新たに調達する小型の輸送機です。2010年度予算に、空軍輸送用として38機が計上されています。「50マイルの空輸ではなく、最後の数マイルの輸送能力を与えてくれるもの」と軍幹部が表現するように、前線部隊への物資補給を目的に考えられており、アフガニスタンの整備が十分でない滑走路や飛行場での離着陸が念頭にあるようです。地上輸送部隊がしばしば「待ち受け攻撃」を受けていることから、その被害局限のためにも現場ニーズが高いようです。
元々、Joint Cargo Aircraftプログラムにより、陸軍と空軍の輸送用、更に空軍攻撃用(AC-130のイメージ)が計画されていたようですが、厳しい予算状況から10年度は空軍輸送用だけが要求されています。ただし、12月15日付米空軍HP記事では、関係幹部による「最終的には78機が調達されるだろう」とのコメントを掲載しています。
運用は州空軍が行い、州空軍がアフガンに展開することになります。
搭載量 全長 全幅 高さ 航続距離
C-27J 11t 22m 28m 9m 2300nm
C-130 20t 30m 40m 11m 2360nm

上記の数字が示すように、機体は世界のベストセラー輸送機C-130より一回り小振りです。積載物を乗せるパレットが、C-130や端末空輸用ヘリと共用でき、迅速に荷物の積み替えが可能である等の配慮もあるようです。
12月9日、ジョージア州のロビンス空軍基地で同機訓練学校建物の開所式が行われています。9月に既に2機の訓練用機が搬入され、今後フライト・シュミレーターやロードマスター訓練用設備も整備される予定です。
いずれにしても、米軍のアフガニスタン・シフトは厳しい予算の中にあっても勢いを増しつつあります。
全く別の話ですが、在韓米軍司令官のシャープ大将(Walter Sharp)の発言が、再び米国防省HPのフロントページに登場しました。発言の中身は「家族帯同での長期勤務が可能なように施設整備に努力し、家族帯同者を3倍にする。韓国は米国民のイメージとは異なり、近代的な住みやすいところ。子弟教育用の学校のレベルも高い」で以前のものと同様ですが、米軍人に人気がないんでしょうか?? 話のレベルとHP出現頻度のアンバランスが気になります。
米空軍情報部長が中国の脅威を・・ [米空軍]
デプテゥーラ(David Deptula)米空軍ISR部長(中将:Deputy chief of staff for ISR)が、21世紀の米空軍が直面する脅威についてスピーチし、「過去18年間、米空軍は空対空や地対空の脅威のない環境を享受できたが、敵は我々から学び、我々を将来否定しようとしている」「あらゆる分野と段階で我々の自由を制限しようとする脅威が現れつつある」と語りました。再びAFA発行Air Force Magazine11月号の「The “Balanced” Air Force」等より●敵の技術獲得手段は・・・
敵は「盗み、コピーし、学び、模倣品を作る」とし、具体的な例として、米コンピュータシステムに敵が「裏口」となる部品を組み込み、その裏口から情報を得ている、と語りました。また軍事技術が民生品分野でデュアルユースされていることが拡散を助けていると分析しています。
●敵の防御力湾岸戦争の航空作戦コンセプトを中心となって作り、EBO概念の提唱者であった同中将は「デジタル技術により敵は容易に防御網をネットワーク化でき、典型的な一つの防御ノード(拠点)を攻撃しても相手の防御能力を麻痺させることが困難になっている」語りました。また軍事技術の市場流出により、射程80マイルのSAMがまもなく出現するも述べています。
●敵の戦闘機
F-22に近いレベルの戦闘機がF-35レベルの数量で米空軍に対抗してくることにより、米空軍の優位が失われる。米空軍の「探知されず、目標にされない」との狙いが損なわれる。●安価な戦闘機の市場への流入
更に中国やロシアが開発するこのような戦闘機は、米国が今後30年間輸出しようとするF-35より安価に輸出されるであろうとも見積もっているようです。同中将は、「今後我々は、質と量の面でかつて経験したことがない規模で戦闘機の脅威に直面するだろう」と述べ、「一つだけ確かなことは、我々は昔に戻れないことである。将来の脅威環境は、我々が過去に経験したものとは異なったものである。」と語っています。
同中将は湾岸戦争やイラク戦争緒戦の航空作戦計画を中心になって立案した人物です。従ってゲーツ長官との相性は基本的には悪いのですが、何とか適応しようと頑張っています。でも、7月に同中将自らが会見して発表した無人機の将来計画「Air Force Unmanned Aerial System Flight Plan 2009-2047」は受けが悪いようです。原因は、中身に現在の無人機の将来像はあるものの、現在の有人機と将来の無人機の関係を表現した部分が無いことのようです。「米空軍、無人機の未来を語る」http://blog.so-net.ne.jp/holyland/2009-07-24/もご参考に
米空軍の領空警戒任務がピンチ [米空軍]
米空軍が、日本で言う対領空侵犯措置(米ではASA : Air sovereignty alert mission)の維持に苦しんでいます。AFA発行Air Force Magazine 11月号の「The Airman’s Creed : Just Do it」等より
この問題の原因は、ASA任務に就いている州空軍(ANG : Air National Guard)の大部分のF-16戦闘機が2018年までに退役してしまうことです。
現在の計画では、州空軍が後継機であるF-35を受領できるのは2020年代初頭以後で、このままでは機数不足に陥ってしまうそうです。
細部は不明ですが、ロシア空軍の復活により北極海に面するエリアやアラスカ州などで、冷戦終了後中断していたASAのための戦闘機待機再開を余儀なくされたり、対テロ関連の警戒任務もASAニーズの増加の背景にある模様です。
米空軍と州空軍幹部の間で種々協議が行われているようですが、「F-35生産数の3割を州空軍に割り当てるべき」、「空軍が400機を受領した以後は、州空軍により多く供給すべき」との意見も紹介されています。
国防省州兵総局長(Chief, National Guard Bureau)マッキンリー大将(GEN. Craig R. McKinley:写真下)は、ASA任務の維持が困難で、いかなる対処方策も「複雑なもの」になる、と事態の深刻さを示唆しています。
最近、三沢の米空軍F-16削減の話が報道されたりしていますが、このあたりが背景にあるのかもしれません。
この問題の原因は、ASA任務に就いている州空軍(ANG : Air National Guard)の大部分のF-16戦闘機が2018年までに退役してしまうことです。現在の計画では、州空軍が後継機であるF-35を受領できるのは2020年代初頭以後で、このままでは機数不足に陥ってしまうそうです。
細部は不明ですが、ロシア空軍の復活により北極海に面するエリアやアラスカ州などで、冷戦終了後中断していたASAのための戦闘機待機再開を余儀なくされたり、対テロ関連の警戒任務もASAニーズの増加の背景にある模様です。
米空軍と州空軍幹部の間で種々協議が行われているようですが、「F-35生産数の3割を州空軍に割り当てるべき」、「空軍が400機を受領した以後は、州空軍により多く供給すべき」との意見も紹介されています。国防省州兵総局長(Chief, National Guard Bureau)マッキンリー大将(GEN. Craig R. McKinley:写真下)は、ASA任務の維持が困難で、いかなる対処方策も「複雑なもの」になる、と事態の深刻さを示唆しています。
最近、三沢の米空軍F-16削減の話が報道されたりしていますが、このあたりが背景にあるのかもしれません。
米空軍の核戦力は本当に大丈夫か [米空軍]
2007年に誰も気づかないまま核爆弾を搭載して米国を横断した事案や台湾へICBMの先端部分を誤って輸出するなどの不祥事から明らかになり、ウィン前空軍長官とモズレー前空軍参謀総長が更迭された直接的な引き金になったわけですが、米空軍核戦力の建て直しは容易ではないようです。AFA発行Air Force Magazine 11月号の「The “Balanced” Air Force」等より●組織面での建て直しは
09年8月7日、空軍の保有する核戦力(ICBM,B-52,B-2)運用部隊を一元的に束ねる新たなGlobal Strike Command(Barksdale Air Force Base, La)創設し、態勢の一新をスタートさせました。(すべての関連部隊が指揮下にはいるのは10年2月)ただし、単純にそれだけでは終わらず、将来ビジョン、ミサイル、弾頭、試験設備といった広範にわたるケアが必要とされています。予算縮減の折りに・・・
●弾頭
現在の核弾頭は15~30年以上以前に製造されたもので、その品質や威力が保証できない時期を迎えつつあります。現弾頭の品質確保と核実験を不要とすることを目的にした更新プログラム(RRWP)が準備されていますが、議会に不評で2010年度予算案から削除された状態です。
●ミサイル本体
70年代の代物である450基の現有ミニットマンⅢ(Minuteman Ⅲ)ミサイル自体も老朽化が進んでいます。誘導装置とロケットモーター部の改修を約6000億円かけて実施し、2020年までの延命を空軍は計画していました。しかし議会は、本改修を期に2030年までの使用を求めており、空軍マテリアル・コマンド司令官は「そこまでは十分な自信がもてない」と述べているところです。●各種試験・支援施設
クロッツGSC司令官(写真上)は「空軍は長年にわたりこれら施設に十分投資してこなかった」と語り、現在の施設は「使い古され、疲弊し、骨董品状態だ」と表現しています。
●人的側面(士気・能力)
あり意味でもっとも深刻なのが本分野ですが、事件の後の調査では「核戦力運用に当たる部隊や兵士の士気は著しく低く、人事上も低い扱いを受け、核爆弾を扱う専門の兵士の離職が相次いでいた」状況だったようです。
シュワルツ空軍参謀総長は新コマンド創設の目的を明確に「核任務に携わる人達に、その働きが重要で価値があり、国家の安全に大切であり、その必要性が将来も変わらないことを再確認すること」と述べるなど問題は根深く、一朝一夕に解決できない問題であることを示しています。●ビジョン
空軍は15年ぶりにICBMシステムのロードマップを最近作成した模様ですが、上で述べたようにロードマップが簡単に実行できるような状況に無いことが伺えます。
シュワルツ参謀総長は「我々は、率直に言えば“無視されてきた”この分野に約4000億円を投資することとした」、「仕事が終わったとは考えていない。我々の仕事は今後も続く」と継続的なフォローが必要なことを強調しています。
アフガン情勢悪化とあわせ、パキスタンの核管理がしばしば問題にされますが、米国はほかにも心配することがたくさんありそうです。
宇宙サイバー核戦略抑止を米空軍が語る [米空軍]
19日、ビバリーリルズの超高級ホテル(Hilton)で空軍協会主催(Air Force Association)の「2009 Global Warfare Symposium」が開催され、過去本ブログにも登場した最近話題の関係者が一堂に会して講演・議論を行いました。本シンポジウムの扱う分野の組み合わせが、現在の戦いの様相を如実に示しています。来年初頭に発表されるQDRや各種態勢見直しの注目分野であり、今後もフォローが必要でしょう。ここで登場したのはチルトン戦略軍司令官、クロッツGlobal Strike Command司令官、ウェバー24空軍司令官です。●チルトン戦略軍司令官(Gen. Kevin P. Chilton)
先頭を切った同司令官は、「宇宙、サイバー空間、そして抑止は現代戦争における3つの主要作戦ラインである」と口火を切り、「世界規模の情報分析と情勢認識」、「モデル&シュミレーションによる訓練・システム開発・演習の重要性」そして「GPSプログラムへの一層の投資努力」の重要性を訴えました。同司令官はまた、現代の脅威を念頭に、ネットワークの考え方を改めて強固なネットワークの構築・改良が必要たど語りました。
●クロッツGlobal Strike Command司令官(Lt. Gen. Frank G. Klotz)
同コマンドは米空軍が持つ核戦力(ICBM,B-1,B-2)を一元的に管理するコマンドとして本年6月に創設されたばかりのコマンドですが、当面の重要事案として、12月1日に予定されている第20空軍の編入を上げました。20空軍は米空軍のミニットマンICBMを運用する部隊でワイオミング、モンタナ、サウスダコタの各州に基地を持っています。同司令官は、ICBMミニットマン3は今後約7000億円の近代化計画により2020年まで米国と同盟国の抑止力となり、また超高周波通信衛星の購入により国家的指揮活動を確実なものと出来るであろう、と語りました。2007年の事案に関し、セキュリティーと監査にも力を注ぐと強調しています。
●ウェバー24空軍司令官(Maj. Gen. Richard E. Webber)
同司令官は、サイバー空間は脅威にさらされやすいドメインであり、全空軍人が「サイバー最前線にいる意識(cyber wingman philosophy)」を持ってセキュリティーの原則を守らなければならないと強調しました。「サイバー空間自身が任務ではなく、そこで作戦が行われるのだ。ネットワークを守るだけでなく、作戦を成功させなければならない」とちょっと複雑ですが、参入障壁が低く、民間リードで高度化する分野だけに変化の早さを強調しています。もちろん国防省のサイバー組織であるサイバーコマンド(U.S. Cyber Command at Fort Meade, Md.)との連携にも触れました。
Holylandはバラバラにフォローしてましたが、やっぱり一つ併せて成長分野だったんですね。
会場のホテルはヒルトングループ発祥の地であり、毎年ゴールデングローブ賞の授賞式が行われる豪華ホテルです。今後主戦場となることが間違いない分野ですから、軍需産業からも金が出てるんでしょうね・・軍需産業向け特別セッションもありましたから・・。ゲーツ長官は欠席。リン副長官は参加してますが・・
タグ:ゴールデングローブ賞 GPS ICBM B-1 B-2 Air Force Association M&S チルトン戦略軍司令官 空軍協会 Gen. Kevin P. Chilton Lt. Gen. Frank G. Klotz クロッツGlobal Strike Command司令官 Maj. Gen. Richard E. Webber ウェバー24空軍司令官 U.S. Cyber Command cyber wingman philosophy ヒルトンホテルグループ ミニットマン モデル&シュミレーション 2009 Global Warfare Symposium Beverly Hilton AFA
F-35用「虎の穴」の準備に着手 [米空軍]
18日に、米空軍の戦技戦法を考案する「空軍戦闘センター(Air Force Warfare Center)」が、イラクやアフガンの地上部隊を「いかに迅速に効果的に直接支援」するかに全力を挙げているとの米国防省HP記事を紹介しましたが、16日付の同HP記事で伝統的な仕事にも取り組んでいることも紹介されていました。2014年からネリス空軍基地に配備が開始されるF-35戦闘機の戦技戦法を研究して普及する、F-35用Weapons School(戦技学校)の準備が開始されているようです。F-35用の格納庫や整備用施設の建設工事は既に進行中の模様ですが、上級パイロットの養成教育訓練準備も始まりました。
なお現計画では、2011年に最初のF-35訓練飛行隊がエグリン空軍基地に編制され、12年に海兵隊の飛行隊が初期運用可能状態になる予定。
このF-35戦技学校の特徴は、ベトナム戦時F-4ファントム用に作られて以来の統合教育コースとなる点にあります。F-35は空軍がA型、海兵隊が垂直離着陸可能なB型、海軍が空母用C型を使用しますが、基本的に同型機であるため、当面は空軍がネリスに海・海兵隊のパイロットも集め、集中的に戦技戦法を検討、訓練の基本パターンを作り上げて部隊に普及する模様です。クレスゲ戦闘センター長(空軍少将)は、「最初に空軍が戦技学校を造り、そこに海・海兵隊も参加すれば、海・海兵隊が自身の戦技学校を容易に作れるだろう」と述べました。同センター長は海軍の戦技学校(通称トップガン・スクール)の連中とも教訓を分け合う、と述べました。
クレスゲ少将は、現在部下がF-35を実戦的現実的な環境下で訓練させるにはどうすればよいかを懸命に考えている、と語りました。担当のモンゴメリー大佐は「F-35は非常に優れた航空機なので、訓練者が実戦を経験しているような訓練環境を準備することが大きな課題である」と苦労を語りました。「目標を、目視、光学的、赤外線、レーダー反射などの面でリアルに造り、本物の敵の臭いがするようでなければだめだ」、「これまで取り組んできた課題とは異なる。ステルス技術の搭乗により変わった」と述べています。
高性能機の能力を最大限に発揮させるような模擬目標・環境の準備・・・何を考えているんでしょうか? しかし、ネバダの試験訓練空域は12000平方マイルだそうです。単純に想定すると縦120マイル、横100マイルです。飛行場からも近いだろうし・・・何でもやり放題ですね・
米空軍の「虎の穴」ネリス戦闘センター [米空軍]
米国防省HPのトップニュースに米空軍の話題が載ったと思ったら、やっぱり「米空軍もアフガンのために工夫して頑張ってます」との主張の記事でした。シュワルツ空軍参謀総長が、10月末の空輸給油協会(Airlift Tanker Association)総会でのスピーチで、運用上の重要事項として「ISR」と並んで強調していたのが、「統合の現場要求を満たす、高い適時性や達成度が求められる直接支援任務」です。
ここでの直接支援任務とは、地上で困難に直面している友軍を「至短時間に効果的に、空軍戦力によって助ける」ことを指しています。
このような能力向上のためにラスベガス郊外のネリス空軍基地に置かれているのが記事で紹介されている「空軍戦闘センター(Air Force Warfare Center)」で、第57航空団を実働部隊として活用し、実戦的研究に取り組んでいます。。同センター司令官(空軍少将)は「(イラクやアフガニスタンの)地上部隊を支援するため、何が現在行われ、どのように改善できるかの分析に全てが向けられている」と述べています。
例えば561統合戦術隊は、頻繁にイラクやアフガンを訪れ、現場部隊から問題点を聞き取ります。そして彼らの発見した問題点等は同センターの教育に反映されると共に、陸軍や海兵隊とも共有されます。
更に教訓を(空軍内の)ウェッブサイトで公開し、迅速に多くの人間が共有する手法が最近注目を集め、、空軍内の人気サイトになっている模様です。
最近の同センターの取り組みには、長距離航空阻止任務用に開発されたストライクイーグルF-15Eを、如何にして上手にISR任務や近接航空作戦に活用するかも含まれています。
ほかにも、戦闘地域内での偵察・近接支援任務の関連で、重要目標の追尾法、爆弾をスキップさせて敵が潜むトンネル奥深くに送り込む手法、人口密集地域で被害を局限して爆撃精度を上げる方法等にも取り組んでいます。更に、ライブ映像を地上部隊と共有することも情報共有の効率的な手法であると、57航空団司令が説明しています。
同センターは、ペトレイアス中央軍司令官がその不足を悩みとする、地上部隊と同行して空軍攻撃を誘導するJTAC(Joint terminal attack controllers)の養成も行っています。爆弾をスキップさせてトンネルの奥へ・・・、極東地域でも使えそうですね・・
米空軍が仰天の無人機司令官人事 [米空軍]
米国防省HPの13日付記事は、米空軍初の無人機航空団(432航空団)が無人偵察機と無人攻撃機を使って活躍する様子を伝えていますが、司令官にもスポットが当たる構成になっています。
なぜか?・・それはこの司令官人事が、米国防省及び米空軍にとって極めてシンボリックだからです。
ガーステン大佐(Col. Peter E. Gersten)は、米空軍士官学校を卒業後F-16のパイロットとして第一線を歩き複数の実戦も経験、ファイターウェポンスクールで優秀賞を獲得、空軍参謀本部や統合参謀本部も経験、米国防大学も卒業、41歳で同期トップグループで大佐に昇任、そして本年6月までは緊迫の朝鮮半島でF-16を率いる第8航空団司令官だったピチピチの戦闘機パイロットです。
従来の空軍の「王道出世街道」を行く43歳の人材が、無人機部隊の指揮官として2千人余りの部下を率いている様は、まさに時代の変化を感じさせます。決して同大佐が「へま」をやって左遷されたわけではありません。米空軍は、無人機に有人機より多くの予算をつけ、操縦者の本年育成数でも戦闘機と爆撃機をあわせた数を上回っています。そうです・・時代の変化を宣言する記事でもあるとHolylandは考えます。
無人機の運用に関しても具体的な記述があり興味深いです。・・・
●「輸送任務や偵察任務で前方拠点から兵士が出る際は、我々は彼らの出発から任務終了までの間、上空から監視し続ける」
●6月に着任以来、「我々の無人機からの情報で、輸送車両が路肩爆弾を避けたとか、行動中の兵士が相手の急襲を避けたとか、負傷した兵士に安全な避難ルートを指示して脱出させたとか等々の話が日常の出来事のようにある」(写真はMQ-9 Reaperがミサイルを発射)
●6月に着任して部下の能力の高さに驚嘆した。私が何か具体的に指示しなくても「隊員はアイディアや改善案を持って毎日の任務に取り組んでおり、日々向上している」。「膨大なデータを、意志決定に資する情報に加工する能力がすばらしい部隊である。以前はデータにおぼれ必要な知識が得られなかった。しかし5年前はまあまあになり、2年前はよかった、今はすごい、明日は想像を超えるほどになると思う」
●「無人機システム」との呼称は好まない。なぜなら、操縦、センサー操作、通信、地上施設、情報加工処理に多くの人間が関わっているからである。遠隔操作航空機が適当では。
更に泣かせるのが、将来を不安視する有人機パイロットへの配慮ある言葉です。「無人機と有人機は、それぞれ特徴を生かして相互補完してシナジー効果を発揮、一方が一方に取って代わることはない、ともに進むのだ。2者択一の話ではない。どのように国益に貢献するかが唯一の問いである」 でもそれだけ米空軍内のパイロットに不安が広がっていると言うことでしょう。写真は無人機の操縦室(左が操縦、右がセンサー操作)
なぜか?・・それはこの司令官人事が、米国防省及び米空軍にとって極めてシンボリックだからです。
ガーステン大佐(Col. Peter E. Gersten)は、米空軍士官学校を卒業後F-16のパイロットとして第一線を歩き複数の実戦も経験、ファイターウェポンスクールで優秀賞を獲得、空軍参謀本部や統合参謀本部も経験、米国防大学も卒業、41歳で同期トップグループで大佐に昇任、そして本年6月までは緊迫の朝鮮半島でF-16を率いる第8航空団司令官だったピチピチの戦闘機パイロットです。従来の空軍の「王道出世街道」を行く43歳の人材が、無人機部隊の指揮官として2千人余りの部下を率いている様は、まさに時代の変化を感じさせます。決して同大佐が「へま」をやって左遷されたわけではありません。米空軍は、無人機に有人機より多くの予算をつけ、操縦者の本年育成数でも戦闘機と爆撃機をあわせた数を上回っています。そうです・・時代の変化を宣言する記事でもあるとHolylandは考えます。
無人機の運用に関しても具体的な記述があり興味深いです。・・・
●「輸送任務や偵察任務で前方拠点から兵士が出る際は、我々は彼らの出発から任務終了までの間、上空から監視し続ける」●6月に着任以来、「我々の無人機からの情報で、輸送車両が路肩爆弾を避けたとか、行動中の兵士が相手の急襲を避けたとか、負傷した兵士に安全な避難ルートを指示して脱出させたとか等々の話が日常の出来事のようにある」(写真はMQ-9 Reaperがミサイルを発射)
●6月に着任して部下の能力の高さに驚嘆した。私が何か具体的に指示しなくても「隊員はアイディアや改善案を持って毎日の任務に取り組んでおり、日々向上している」。「膨大なデータを、意志決定に資する情報に加工する能力がすばらしい部隊である。以前はデータにおぼれ必要な知識が得られなかった。しかし5年前はまあまあになり、2年前はよかった、今はすごい、明日は想像を超えるほどになると思う」
●「無人機システム」との呼称は好まない。なぜなら、操縦、センサー操作、通信、地上施設、情報加工処理に多くの人間が関わっているからである。遠隔操作航空機が適当では。
更に泣かせるのが、将来を不安視する有人機パイロットへの配慮ある言葉です。「無人機と有人機は、それぞれ特徴を生かして相互補完してシナジー効果を発揮、一方が一方に取って代わることはない、ともに進むのだ。2者択一の話ではない。どのように国益に貢献するかが唯一の問いである」 でもそれだけ米空軍内のパイロットに不安が広がっていると言うことでしょう。写真は無人機の操縦室(左が操縦、右がセンサー操作) 米空軍トップが一体感維持に必死 [米空軍]
シュワルツ空軍参謀総長が、10月29日から11月1日までナッシュビルで開催されていた空輸給油協会(Airlift Tanker Association)の41回総会で演説し、米空軍の優先事項、運用 の重視事項、調達の優先事項等々を説明した後、「名声を得るのは困難だが、失うことは容易」と危機感を訴えました。そして、「いかなる任務、いかなる所属、いかなる背景(職種)であろうと、空軍は一つのファミリーである。」と、ゲーツ長官による不正規戦重視の中での空軍内部の混乱を収めるべく、現場兵士と国民の期待に応えるための努力を訴えました。
戦闘機パイロットでない、特殊部隊AC-130操縦者のシュワルツ参謀総長はスピーチで・・・
米空軍の優先事項
●空軍核戦力部隊の再活性化
●今現在の戦いでの勝利とあらゆる形での貢献
●長引く戦いに伴う家族への支援
●老朽装備の更新(タンカー・戦闘機)と調達・軍需産業の名声(回復)
運用上の重要事項●現場兵士の命を握るISR
●統合の現場要求を満たす、高い適時性や達成度が求められる「直接支援」輸送任務 この任務のために38機のC-27輸送機を準備する。
調達取得の優先事業
●1番は次期空中給油機、2番はF-35
●QDRと核態勢見直し(NPR)関連で空軍にとって最も重要な「長距離攻撃力」
●「打ちっ放し能力」
そのほかの重要事項
●戦闘捜索救難能力。国内の戦技課程を閉鎖してアフガンに送った。
●軍の運用に欠かせない衛星通信網の維持
●サイバー対処
お気づきのように、空軍の花形「戦闘機操縦者」への呼びかけがほとんどありません。このスピーチの構成は9月16日のゲーツ長官(於:空軍協会)とほとんど同じで、唯一異なるのは、「いかなる任務、いかなる所属、いかなる背景(職種)であろうと、空軍は一つのファミリーである。」と必死に一体感を訴える姿です。いわば中間管理職のシュワルツ参謀総長は大変です。米空軍が航空燃料変更でコスト減へ [米空軍]



米空軍内では本年5月春頃から、従来使用してきたJP-8航空燃料に換えて、民間機に広く利用されているJet Aを使用する研究が行われています。
この研究の試験の一環として、輸送機であるC-5, C-17, C-130を保有するいくつかの部隊で、Jet Aの試験使用が始まる模様です。11月9日付米空軍HP記事より
Jet Aに変更するメリットは・・・
●民間で広く使用されていることから、製造にJP-8のような特別な設備を要しないほか、輸送もパイプラインで安価に可能。
●複数の企業が製造に関与していることから、競争により空軍調達価格の低下が期待できる
●JP-8使用の際は、有害で高価な氷結防止剤の使用が必要で、かつ使用後の処理も手間と経費がかかった。一方Jet Aでは、氷結防止剤の使用量を約6割削減でき、給油の最終段階で
注入すればよく、かつ使用後の処理もそれ程大変ではない。
このように良いことづくめで、全空軍で年間40億円程度の削減が見込まれるようです。
まず民航機と製造コンセプトが似ている輸送機から12ヶ月間ほどかけてテストを行い、影響を調べ、特に輸送給油過程のどのタイミングで氷結防止剤を投入するかをいろいろ試すようです。一部空軍の輸送機にとって、Jet Aは既に代替燃料として使用が認められており、それほどハードルは高くなさそうですが、戦闘機となると設計製造段階からのコンセプトが異なるので、より慎重なテストが必要だそうです。
現在米空軍は「Air Force Smart Operations for the 21st century initiative」との取り組みを行っており、その趣旨に沿ったものだそうです。このイニシアティブについてはよくわかりませんが、機会があれば調べます。
F-35の配備基地選定スタート [米空軍]

10月29日、米空軍参謀本部の基地担当副次官補のファーガソン女史(Kathleen Ferguson)が、F-35の配備候補基地11カ所を公表しました。同女史は、2010年春後半には最終候補基地を公表し、環境評価や基地評価が終了した後の2011年頭書に最終決定を行う旨述べました。
11カ所の候補地は、2013年から17年にかけて、初期納入の250~300機が配備される候補地であって、残りの約1450機の配備先はその後2年ごとに検討・見直しを経つつ行う予定だと述べました。
今後9ヶ月かけて特別チームによる評価分析を行う模様です。最終的に11カ所から何カ所に絞り込むのかは米空軍HPでは明らかにされていません。
候補基地の絞り込みには、基地周辺空域、訓練空域、天候条件、支援施設、滑走路、ランプ地区状況、環境影響のほか、戦闘指揮官の意図、老朽戦闘機の退役予定、配備スケジュール、航空機整備及び兵站支援環境のほか、州空軍や予備役空軍の意向も加味されるようです。11カ所の候補地は・・・
Candidate bases and include for training
1 Boise Air Terminal Air Guard Station, Idaho
2 Eglin Air Force Base, Fla.
3 Holloman AFB, N.M.ニューメキシコ
4 Luke AFB, Ariz.
5 Tucson International Airport Air Guard Station, Ariz.
The six bases selected as candidate bases for operations 6 Burlington International Airport Guard Station, Vt.
7 Hill AFB, Utah
8 Jacksonville International Airport Air Guard Station, Fla.
9 Mountain Home AFB, Idaho
10 Shaw AFB, S.C.南カロライナ
11 McEntire Air Guard Base, S.C. 南カロライナ
州空軍関係者はこの発表に大喜び。州空軍がこのように初期納入機を受領する候補地に選ばれたことは「かつて無かった」と興奮を隠しきれない様子です。現在のF-22の基地であるニューメキシコ州Holloman AFBもF-35の検討対象になっており、入れ替えがあるかもしれません。
このあたりの背景はよくわかりません。F-35はとりあえず米国本土防空で実績を積むことに重点でしょうか・・いろいろ不安もあるようだし・・。シュワルツ空軍参謀総長は「F-22は対領空侵犯措置にはtoo much」だと言ってますし・・前空軍参謀総長(退役済)へ行政処分 [米空軍]
8日、ドンリー空軍長官(MICHAEL B. DONLEY:写真上)は、2005年に結ばれた業者との契約に際し特定の業者に便宜を図ったとして、モズレー前空軍参謀総長(08年8月退役:写真下)に対して行政処分を行うと発表しました。米空軍HP:http://www.af.mil/news/story.asp?id=123171885 より
国防省監察官の調査は、05年に米空軍アクロバットチーム・サンダーバードがショーを行う際の映像・マルチメディア担当業者選定の時、契約を取った業者(Strategic Message Solutions)に対しモズレー参謀総長(当時)が、同社が有利になるような情報を提供、不適切に部下や軍施設をそのために使用し、禁じられた筋からギフトを受け取った、と結論づけています。本件については06年1月にも疑惑が取りざたされ、ウィン前長官時に一度調査がなされていたが、当時はモズレー氏に疑念は見つからなかったようです。
しかし、マケイン上院議員など上院軍事委員会メンバーによる要請により再度調査が行われ、今回の結論に至ったものです。
Holylandは法律用語に弱いため自信がありませんが、「administrative action against retired Gen. T. Michael Moseley」を行政処分、具体的には「administered a letter of admonishment in retirement」訓戒処分が課せられたと理解しました。
退役した者まで追いかけるのがよくあることなのか不明ですが、ウィン前空軍長官の初度調査にも疑問を呈することで、ゲーツ国防長官の路線に反対する空軍勢力にとどめを刺す狙いがあるように見えてなりません。恐ろしい世界です。二人ともゲーツ長官に事実上更迭された人達ですよ・・08年6月に・・・仕切直し:米次期空中給油機選定 [米空軍]
24日、リン国防副長官(Lynn)とドンリー空軍長官(Donley)らが記者会見を行い、仕切直しとなっていた次期空中給油機選定のための提案要求書(RFP)を25日に発出すると公表しました。●経緯と全体スケジュール
本機種選定は、08年2月にノースロップグラマン・エアバスチームが一度契約を勝ち取りましたが、破れたボーイングからクレームがあり、やり直しになっていたものです。
本提案要求書に答えて各企業が提案書を出し、国防省が提案を検討分析し、10年夏にKC-135Rの後継機を総額3兆5千億円程度で179機調達する選定の結論が出る予定です。
●選定で何を重視するのか?
リン国防副長官は「米国防省は今後、コスト増の世界からコスト固定の世界へ移行する」「経費の制約を強化した」と宣言し、開発段階が計画予算内で終了するインセンティブを設けており、最初の5機は価格固定、以後も価格が高騰しない契約であると語りました。
同副長官はまた、米空軍輸送コマンドが作成した現場の要求項目に前回との変化はないが、どの要求項目が開戦初日に必要かを特定したと述べました。
更に、808の要求項目すべてを再精査して重複を亡くして重要性を区分したとし、複数の戦争を戦って給油機需要がピークになる想定等、今後40年間を見通して現場兵士の要求に応え、かつ戦時と平時の両方への適応性と、受け入れ施設経費を含むライフサイクルコストを総合的に勘案して客観的に評価できるモデルを作り上げたと語りました。●ゲーツ長官の正念場
08年の結果でもめた後、2つの企業チームは「両者で半分づつ生産する」折衷案をアピールしたりしましたが、施設・整備機材・要員養成等で2倍の手間がかかるこのような提案を、ゲーツ長官が厳しく批判してきたところです。ゲーツ長官の調達改革の試金石ですから、決定まで見届けてほしいものです。
B52が豪で遠距離の近接航空支援訓練 [米空軍]
21日から22日にかけ、グアム島に展開中のB52爆撃機が、13時間もの連続長距離飛行の後に豪軍の前方航空統制官(JTAC:Joint terminal air controller)の指示を受け、豪領内の射爆場で近接航空支援(Close Air Support)の訓練を行いました。演習名は「緑の稲妻(Green Lightning)」。参加したのは先ほど復活編成されたばかりの第96爆撃隊と同じくバークスデール基地所属の第21爆撃隊です。
●B52が近接航空支援?
Holylandの年齢になると、近接航空支援の訓練???豪軍の統制官との訓練???となってしまいますが、B52は戦略爆撃機だったんですが、湾岸戦争ではじめて低空からの近接航空支援ミッションに参加し、その後も柔軟に任務の幅を広げています。2001年10月のアフガン攻撃の際もB52が飛行機雲を残してCASに当たっていました。当然コアリションの支援も・・たぶん
>>>●なぜオーストラリアで?米空軍HPの記事では、中尉クラスの操縦者が「太平洋軍司令官の意図である関係国への支援能力を示すことができよかった」「太平洋地域の他国軍との連携を強化できてよかった」と述べていますが、豪大陸でこのような任務が必要になるとは考えにくく、そうなると・・・・・
戦略核運用部隊の建て直しが重要な課題であるため、Global Strike Command関連記事は多いですが、いろいろ考えてしまいますね・・・。
米空軍のジレンマ(JDWより) [米空軍]
9月2日付の軍事誌ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリーは米空軍の戦略転換を巡る苦悩を6ページにわたって特集しています。勝手にまとめてみると・・・●苦悩の原点
予算がない中で、直面する対テロや不正規戦への対応を迫られ、これまで数十年にわたって積み上げてきた通常戦力とのバランスをどうするか?将来の脅威をどう見積もるか?
●ゲーツ国防長官の主張
長年にわたって積み上げてきた通常戦への備えがあるので、限られた予算と現実の2戦争正面を考慮し、これまで日陰に追いやられてきた不正規戦への対応にもバランスを考え重点を置くべき。軍幹部は自分のやりたい戦争に備える傾向があり、不正規戦への備えはおろそかになりがち。
●前空軍長官Wynne氏の懸念
通常戦力での米国の優位は年々低下しており、これを犠牲にしての不正規戦重視は中長期的に問題
●現空軍長官の見方
不正規戦等のLow-Endの脅威だけでなく、核拡散による新たな脅威、サイバー対処、宇宙分野などのHigh-Endの脅威にまで対応しなければならない。予算的制約の中で通常戦力のあり方に変更を加えなければならない。
●空軍内の主流派(戦闘機擁護派)
戦闘機はHigh-Endの脅威だけでなく、不正規戦などLow-Endの脅威にも対応可能であり、最も柔軟性のある兵器選択である。しかし、不正規戦を重視したISR機、無人機、軽攻撃機はHigh-Endの脅威に対応できない。
●空軍批判派
予算縮減の中、選択肢は限られている。軍全体を考えろ。空軍幹部が想定するような事態は当面考えられないし、F22などアフガニスタンで役に立たない。また、我々が支援・教育訓練しなければならない対テロ・破綻国家の正面に立つ友好国は高度な装備品は持たない。
30代から40代前半の働き盛りの時期に、空軍が主役で花形だった湾岸戦争やイラク戦争序盤を経験した戦闘機パイロットが主流の米空軍は、状況の変化に対応する能力はない。
●ゲーツ長官がその主張を曲げない限り、ゲーツ長官と空軍との戦いは長い戦いとなろう。
どうしてもべらぼうに高い装備品、軍需産業との癒着、ロビイストの暗躍とかがちらつくんですね・・・F22の件でも労働者の失業問題ばかりが正面に出て、機体の必要性はあんまり話題にならなかったんですね・・・ワシントンでは・・・
米空軍参謀総長が3つの優先事業を語る [米空軍]
14日、シュワルツ米空軍参謀総長はナッシュビルで行われた州空軍代表大会で演説し、米空軍の3つの優先事業について語りました。●優先第1に次期空中給油機の決定
確固たる提案要求書を本年末までにメーカーに対し出し、2010年後半には最終的な契約を結ぶ。「州軍の皆さんにも今後大いに関与していただく(大きな拍手)」
●第2に戦闘機の更新
発言をそのまま引用すると「5世代機が入手可能な時代に、どうして4.5世代戦闘機に限られた資源を配分できよう? 現有の空軍戦闘機のアップグレードに金を使い、F35から早計に手を引くことは国家としての誤りである。これは誤ったアプローチである。F22は航空優勢獲得任務にはオーバースペックだが、F22とF35と無人機を含む他の航空機との組み合わせが望ましい。州軍と正規空軍の間の機種の配分にも配慮していく」
「空軍は変化し続ける。全ての戦闘機部隊が現在の任務を維持し続けるとは限らない。無人機に任務をゆずるものも出て来るであろう。空軍の皆がその変化に備えなければならない。」
●第3に長距離攻撃能力
「我々には突破力を持つ攻撃能力が必要である。打ちっ放しの弾道ミサイルだけに頼るわけには行かない。B2爆撃機の運用のように、この面では予備役と州軍と正規空軍の間に強い関係を築けている」
空中給油機はなかなか決まりません。戦闘機はF35の調達を削減して、現有機種のアップグレードですまそうとする動きがあるのでしょうか??? アフガンへの投資拡大で、空軍戦闘機はますます苦境に直面か・・・目が離せません







