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米空軍の報道規制を参謀総長が説明 [米空軍]

Goldfein media.jpg29日、米空軍参謀総長David Goldfein大将が記者団に対し3月から米空軍が各部隊に指示しているメディア対応の再教育と、再教育終了までのメディア取材受け制限について説明し、最近連続した軍事情報漏洩につながる報道対応を反省し対処するためだと語りました。

空軍トップクラスの定例会見を除き、基地への訪問取材や前線兵士へのインタビューなどを実質6か月間停止し、その間にメディ担当部署兵士のみならず、全兵士へのメディア対応再教育を行うとした3月1日付の空軍内部文書が軍事メディアにより暴露され、米メディアが大騒ぎになっていることへの対処会見です

米空軍首脳も、メディア対応を制限すれば、「知る権利の侵害だ」とか言ってプレスが騒ぐのを十分承知の上でのこの厳しい措置とその背景にある危機感を、空軍制服トップの発言から感じ取っていただきましょう

ちなみに、今回の厳しい措置の引き金となった「最近3~4件連続した秘密情報漏洩につながる不適切な取材対応事案」の中には、恐らく本ブログで取り上げた嘉手納基地F-15部隊取材記事も含まれているものと推察しています

「嘉手納基地所属の整備員はベテラン不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03 

30日付米空軍協会web記事によれば
F-15 upgrades4.jpg●29日空軍参謀総長は記者団に、冷戦期には当たり前だった情報保全に関する意識が希薄になっており、対テロだけでなく大国との本格紛争に備えるべき米国にとって、秘密保全意識を再び取り戻さすことが極めて重要だと説明した
●そして同大将は、自身が若手士官の時には、敵が欲しがるような米軍の情報を悟られない漏らさないよう、徹底的に教育を繰り返し受けた物だと振り返り、最近20年間余りの対テロ紛争でそのような教育が疎かになっていた点を反省した

●「私が若手の時はそういう時代だった。口にしてよいことと良くないことを教えられたのに・・・」と振り返りつつ、「最近3~4件連続して発生した、機微な作戦運用関連情報を軍事メディアに語って報道された不適切な取材対応事案」が、今回の措置を決断した背景にあると説明した
Goldfein-AUSA.jpg●そして「対テロが作戦の中心であった時には不適切とまでは言えなかったが、大国との競争を考える今は不適切なのだ」、「相手は我々に強い関心の目を向けているからだ」と語った

●また同時に参謀総長は、「何をどれだけメディアに語るかはバランス感覚の問題である」、「米国民に対し、米軍がどのような活動を行っているかを知ってもらうのは米軍の義務である」とも説明し、メディアに対しこれまで同様の報道を期待していると語った
●そしてメディア対応再教育を精力的に進めていることと、その必要性を再度説明し、必要な米空軍の活動に関する情報がメディアに提供されているかについて、メディアの皆さんから意見を聞く機会を設けると約束した
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本格紛争への対処を忘れ、対テロに没頭せざるを得なかった過去約20年間の「つけ」は、あらゆる方面に及んでいます。
敵から攻撃を受けることを忘れ、電子戦を忘れ・・・・そして秘密情報の管理まで疎かになる・・・恐ろしいことです。

F-35 AIB3.jpg確かに、最前線の航空機整備に従事する軍曹が、「うちの整備員は、米本土の基地と比較してベテランが少なく、2年程度で転勤していくから、現場は大変だ」などと発言してはいけませんよねぇ・・・
でもまぁ・・・F-35の問題点は、どんどんリークしていただきたいものです。「亡国のF-35」ですから・・・

「嘉手納基地所属の整備員はベテラン不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03 

F-35関連記事240本
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302846744-1

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部品枯渇対策に米空軍が製造権取得を目指す [米空軍]

部品枯渇防止に知的財産権まで購入しておくべき

Wilson6.jpg14日、Wilson米空軍長官が下院国防予算配分小委員会で証言し、長期間使用している装備品の部品製造会社が廃業したり部品製造を中止しているケースが増加しており、航空機等の維持が困難になりつつあると訴え、部品製造の権利まで確保すべきであると語りました

この問題は、主要な作戦機の平均年齢が30歳(米空軍戦闘機は平均30歳)を超える米空軍のみならず、西側諸国軍全体の悩みではないかと思いますが、日本においても零細な防衛産業企業が撤退して部品が確保できない状態になる事例は「ゴロゴロ」転がっていそうな印象です

例えば米空軍の将来爆撃機計画でも
(2018年2月20日アップ記事より)
B-52 wing-W.jpg米空軍が間もなく発表予定の爆撃機体系の将来計画案を軍事メディアが入手し紹介→従来方針を変更し、B-1とB-2を先に引退させ、B-52のエンジンを換装して2050年代まで使用とか。B-21経費確保とB-1と2の維持費と運用経費の高さ、またB-52の汎用性が背景に
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2

・・・のように、部品枯渇や部品調達経費の急上昇により、大ベテランB-52を存続させ、若いB-1やB-2爆撃機を先に引退させる決断をせざるを得ない事態が生じています。

空軍長官の議会証言を受けて、部品製造の権利(Intellectual Property for Parts)の確保に実際に動き出す気配があるのかよくわからない断片的な記事ですが、重要な話題ですのでとりあえずご紹介します。

15日付米空軍協会web記事より
F-16 torture tests.jpg●老朽化が進む航空機の維持に必要な部品を確保するため、米空軍は議会に対し、米空軍による部品製造の権利(Intellectual Property for Parts)の取得保有を支援してくれるよう要請している
●14日に空軍長官は下院の国防予算小委員会で、もともと部品を製造していた企業が、部品製造権を保有したまま、消滅してしまったり部品製造を中止してしまったケースが多数発生しており、部品の調達上大きな問題となっていると訴えた

●例えば議会の要請で(早期引退を計画していた米空軍の意向に反して)継続使用しているA-10攻撃機に関して言えば、製造企業の「Fairchild Republic」はもはや存在せず、A-10の維持が大きな問題となっている。
●なぜなら単純に、米空軍が必要なA-10の部品を調達する先がなく、また当該部品を独自に再製造しようとしても法的に困難だからであると空軍長官は訴えた

Wilson5.jpg●しかし実際にこの部品製造権を確保しようとすると、装備品購入時の契約交渉が大変難しいものになってきている(increasingly contentious issue)現実を空軍長官は訴え、議会に対し米空軍とともに、事態への対応に迅速な行動を要請した
●なお米陸軍の兵站補給コマンド司令官は昨年11月、米陸軍は将来兵器システムの部品製造権購入を始めており、維持部品を陸軍自らが製造調達できる体制整備に進んでいると語っている
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米陸軍の兵站補給コマンド司令官が語っている、「is buying intellectual property of its future weapons systems」の実態が気になるところです。

日本の軍需産業にゾロゾロ天下っている自衛隊将官OBの皆様には、物見遊山の米国詣でやワシントンDCでぶらぶらだけでなく、後輩の現役の役に立つような調査をしていただきたいものです。

高齢ではないが部品不足のF-35
「空軍の8割は稼働率40%」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

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KC-46空中給油機開発が更に遅れ [米空軍]

この空軍発表前の段階で既に最低14か月遅れ
2017年8月までに18機納入するのが当初計画
しかし今は、初号機完成が最速2018年10月

KC-46-2.jpg6日、米空軍がKC-46A空中給油機の開発状況について声明を発表し、現状で既に最低14か月の遅れとなっている同機開発について更なる遅れを認め、初号機の納入が2018年後半になると明らかにしました。

まぁ・・この結果は、昨年3月に米会計検査院GAOが指摘した問題と開発遅延予想を、1年後の今頃になって追認したような形になり、F-35開発で地に落ちている国防省や空軍の装備品開発への評価の「傷口」に塩を刷り込む結果となっています

KC-46AはB-767旅客機をベースに開発された空中給油機で、それなりに成熟された技術を活用することから開発リスクは低いと想定され、初めての「経費固定契約」(国側は開発経費超過分を負担しない契約)ケースとして注目を集めたプロジェクトで、F-35とB-21と並ぶ国防省3大プロジェクトと呼ばれ、179機を約5兆円で調達するプログラムです

KC-46 Boom4.jpgしかし実際の開発過程では機内配線のトラブルや給油配管の処理に誤った化学薬品を使用するなどのトラブルが相次ぎ、2017年9月には給油相手の機体に給油用の棒でひっかき傷を負わせる問題が発覚して試験が大幅に遅れています。

当初契約では最初の18機を納入する期限が2017年9月でしたが、その後2018年10月に延期され、今では早くても初号機1機の納入が2018年10月になっています。

その経費も当初計画は4400億円だったものの、現在では米空軍推定で1600億円超かの7000億円、ボーイング推定でも6500億円に膨らむ予想で、予算超過部分は全てボーイング負担が負担する契約となっています

8日付DODBuzz記事によれば
KC-46 Boom.jpg●7日、米空軍報道官は声明で、「米空軍とボーイング社は、引き続きボーイングの計画に基づき同空中給油機計画を遂行する」、「しかしながら、初号機の納入は2018年後半になるだろう」とし
●その理由として「把握しているリスク、航空局の飛行承認取得に必要な時間、予定より遅れている飛行試験の状況等々」を踏まえた結果だと説明しつつ、「空軍はボーイングと協力し、遅れの影響を最小限にするため努力していく」とした。ただ更なるコスト追加は無いともコメントしている

2017年3月に米会計検査院GAOが、同機開発計画の遅れを調査に基づき指摘予想し、「2017年2月から9月の間に、月間平均1700もの試験評価ポイントを確認する必要がある計画になっているが、それ以前の約1年間の倍以上のペース設定になっており、とても達成可能とは考えられない」と分析していたところ
●当時米空軍とボーイングは、初号機の納入時期を14か月遅れの2018年2月と公言していたが、GAOは昨年3月のレポートで早くても2018年10月になると指摘していた

KC-46 Boom3.jpg米空軍は当初納入の18機に加え、2019年度予算案では追加で15機の購入予算を計上しているが、早くて2018年10月の納入であれば、米空軍の前線部隊に加わることができるのは2019年まで待つ必要がある。
今後のKC-46A部隊建設計画等、具体的な計画や、60年以上使用されているKC-135空中給油機の更新時期がさらに遅れる模様であり、老朽化で維持費が高騰している旧式機体の運用は、米空軍の苦しい維持整備予算をさらに圧迫することになる
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お決まりのコメントで恐縮ですが・・・

このKC-46Aは日本も4機購入することを決定しており、ボーイングが被った超過開発経費負担が、まわりまわって日本の維持経費や部品費に上乗せされるのでは・・・・と東京の郊外より懸念している今日この頃です

米空軍の空中給油機ゴタゴタ
「ブームで相手にひっかき傷」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-02-1
「空中給油機の後継プランを見直しへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-22
「KC-46ブーム強度解決?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-15

「納期守れないと認める」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01
「Boom強度に問題発覚」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-03
「予定経費を大幅超過」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-21

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嘉手納米空軍の整備員は熟練者が少ない [米空軍]

だからと言って、何か問題があるとは書いてませんが

maintenanceF15.jpg2日付Defense-Newsが沖縄に駐留する嘉手納基地の米空軍F-15戦闘機部隊を訪問した取材記を掲載し、現場整備員チームのリーダーである軍曹の証言として、航空機整備員不足が問題なっている米空軍の中でも、嘉手納米空軍の整備員は米本土に比べて経験の浅い若手整備員が多いと紹介しています

まんぐーすの記憶では、米空軍の整備員不足の原因は、A-10攻撃機(約260機)を全廃して熟練整備員をF-35整備員転用しようとしていた計画が、中東でのA-10の活躍を知る議会の猛反対でとん挫したことにあります

米空軍は操縦者養成部隊の機体整備を民間企業に委託したり、整備員の養成数を増やして不足分を穴埋めしようと懸命に努力しており、同記事によれば整備員4000ポスト当たり200人の不足レベルにまで状況は改善したようです(昨年11月時点では3400名不足でしたが)

しかし、整備員の人数だけそろえても経験不足の整備員が多く、またある程度の技能を獲得すると民間航空会社に流出する問題もパイロットと同様に頭の痛い課題となっているようで、そんなしわ寄せが前線部隊にどんな影響を与えているのかを垣間見る興味深い記事ですので、断片的ながらご紹介します

2日付Defense-News記事によれば
maintenanceF153.jpg●2月14日に嘉手納基地の第18戦闘航空団を訪問取材した我々は、54機のF-15戦闘機や15機のKC-135空中給油機を支える整備員チームの現場チーフであるJohnny Brown軍曹から話を聞くことができた
●米空軍は整備員不足を解消すべく整備員養成数を増やすため、アリゾナ州の砂漠地帯に野外保存されている機体まで活用しているところである

●F-15戦闘機をわずか1時間足らずで再発進させるため、忙しく機体の周りを動き回る整備員たち見守りながら同軍曹は、米空軍全体の問題である整備員不足と熟練整備員の流出問題に加え、嘉手納基地の地理的位置が特殊な状況を与えていると語った
●同軍曹によれば、米本土の基地であれば整備員は平均して4~5年はF-15の機体整備を継続して行い技量を高めるが、嘉手納基地に来る整備員の多くは経験の浅いうえに、任期2年で転属していくという

maintenanceF152.jpg●そして同軍曹は、「必要な人数はそろっている。しかし我々は経験の浅い整備員を訓練しながら、任務に必要とされる機体を必要な時期に必要な数準備しなければならず、その両立が厳しい課題となっている」と語った
●また「我々は常に新人を受け入れ、送り出さなければならない」、「新人は悪くない学びの姿勢を備えているが、(米本土とは)異なった環境の中で、新人を効率的に彼らそれぞれに合った教育をする必要がある」とも表現している
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対ロシアで緊張感高まるバルト3国や東欧諸国正面と並び、対中国で緊張感高まる東シナ海ににらみを利かせる嘉手納の戦闘機部隊ですが、その内部事情は「水面下で必死に足をばたつかせて浮かんでいる」状態なのかもしれません・・・

米空軍部隊の海外実戦派遣の頻度や期間が高止まりし、家族持ちの整備員を極東の離れ小島に赴任させるのは厳しく、結果として経験は浅いながら、身軽な独身の兵士を送り込んでいるのかもしれませんねぇ・・・。興味深い現場レポートでした

米空軍整備員不足の苦悩
「整備員3400名が不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-11-1
「米空軍機の稼働率が異常低下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-02
「整備員不足対処案も苦悩続く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-03

「F-35整備員確保の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-14
「A-10全廃は延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-22

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無人機運用要員の削減検討を開始 [米空軍]

F-16の1.5倍の人員が必要な現状を問題視

Kwast.jpg24日付Military.comが、米空軍協会の航空戦シンポジウムで記者団と懇談した教育訓練コマンド司令官Steven L. Kwast中将の発言を紹介し、「無人機unmanned aerial vehicles」とは名ばかりで、有人機よりも運用に人員が必要な現状の無人機運用態勢を空軍として問題視し、効率化を目指した調査検討を開始したと報じています

マティス国防長官も、作戦運用や入手情報の処理分析に多くの人員を必要とする無人機を「UAV:unmanned aerial vehicles」と呼ぶことを嫌い、会議や報告を受ける際は事あるごとに指摘しているようで、RPV(remotely piloted vehicle)を推奨してるようで、急増する無人機需要と運用要員の確保は国防省全体で大きな課題となっているようです

その対応の一環として、武器を搭載しないRQ-4無人偵察機の操縦者に、士官限定の制限を取っ払って下士官採用を米空軍は昨年開始したところです
しかし、そんなくらいではとても追いつかない現場の現実があるようです・・・

24日付Military.com記事によれば
MQ-9 3.jpg●Kwast司令官は、米空軍は無人機運用にかかわる人員を一層効率化し、全体の情報収集能力を向上させつつも人員削減可能な方法を探っていると記者団に語った
●「イラクやクやアフガンでは、MQ-1やMQ-9をバンドエイドを張るように対処法として投入してきた」、「change the gameを進める。空軍全体の部署と協力し、より少人数でより効率的なISRが遂行可能な戦略や体制の検討を行っている」と表現した

●また背景にある現状を表現し、「無人機は、例えばF-16飛行隊と比較すると、より大きな運用組織を必要とする。F-16の1.5倍の人員が必要で、10名の人員が無人機1機の常時運用には必要だ」、
MQ-4C4.jpg●「同時に無人機は、衛星通信に依存する点で脆弱だし、敵攻撃にも弱く、展開先によっては運用が難しいこともある」、「だからといって無人機運用の問題点を抱えたままで我慢する必要はない。変化が必要だ。高価すぎるのだ。より安価に運用しなければならない。さもなければ破産する」とも語った

●米空軍として現在、無人機運用と必要人員についてデータ収集を行っており、まずどの部分を効率化すべきかを検討し、更に将来戦略策定につなげたい
●将来の対策には、人工知能AI活用などの新技術活用等が含まれ、労働集積型の構造からの決別を図りたいと同中将は語った
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Kwast2.jpgなぜ教育訓練コマンド司令官がこの問題について発言したのか?・・・がとっても気になるところですが、空軍司令部の作戦部長や計画部長や人材管理部長が戦闘機と爆撃機のことで忙しく、無人機の人材検討を「丸投げ」したんだとしたら危険な兆候です

あんまり適当に検討して人員削減すると、またブラック職場に指定され、操縦者や整備員が大量脱走しかねないので、慎重に検討していただきたいものです

米空軍は無人機操縦者に苦しみ中
「RQ-4操縦者の7割が下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13-1
「RQ-4操縦を下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-19
「問題点と処遇改善の方向性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-11

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米空軍AWS18の基調講演テーマは「革新」 [米空軍]

新しい取り組みだけでなく、旧習の中止も革新だ
既知の問題より、未知の課題のほうが深刻
大きな革新追求なら、従来と異なる人(遺伝子)導入を

DeGraff.jpg23日、米空軍協会主催の航空戦シンポジウムに基調講演の講師として招かれたミシガン大学のJeff DeGraff教授は、冒頭に紹介したような表現で、堅くて硬直的で変化が難しい組織の典型と考えられる米空軍の幹部を前に、「革新: innovation」について語りました

まぁ・・・中身は読者の皆さんも一度は耳にされたことがあるような内容かもしれませんが、あえてこのテーマを選び、米空軍主要幹部のほか主要軍需産業関係者や研究者を前に、メインテーマとして語らせたところに米空軍の現在を見る思いがします

トランプ大統領の軍事予算拡大の大風呂敷はあるものの、老朽化して更新や近代化改修待ったなしの装備品が目白押しの中、新たな「革新」無くしては米空軍の優位性を維持できないとの深刻な危機感があります

昨日ご紹介した「各前線の単位部隊に上限300万円の革新推進資金」も、この「革新」推進や奨励の流れに沿ったものです

23日付米空軍協会web記事によれば
innovation3.jpg●ミシガン大学のJeff DeGraff教授は、新しい事に取り組むだけでなく、旧習の中止中断も革新だと語り、「革新のつもりで始めたことが、時間の経過とともに革新を妨げる要因となりえる」とも表現した
●なおWilson空軍長官はこの発言に絡め、JSTARSと同様のコンセプトの後継機には投資しないと決定したことを持ち出し、対露や対中を想定した残存性の高い戦場管理システム追求の方向に向かうと別の場で語っている
●DeGraff教授はまた、革新を追求するなら「 How much? How fast?」との2つの質問に対する答えを準備して取り組むべきだと語り、
●「多くの場合多くの人は、革新を求めて前に進めることを追求し、そして異端や本流から逸脱した考え方を除去してしまい、せいぜい変化の少ない革新に止まる結果を招いている」と喝破した

●そして同教授は、既知の問題より、「未知の課題のほうが深刻だ。もし迅速な革新を求めるなら、人の採用方を変えなければならない(hire differently)」と語り、
革新には生存のための多様性が必要だと主張し、空軍兵士が彼らと同様に行動したり関与してくれる人たちに囲まれるのではなく、異なる考え方の人たちと接するよう促した

●更に同教授は、空軍兵士は階級が上がるほど、その環境に最適化するようになり、それがゆえに増々異端を排除し、迅速な革新に必要な文化や効率性を失ってしまうと語った
innovation.jpg●そして、米空軍や空軍兵士は、将来がどうなるか予測することは不可能なのだから、「より広範な分野に、少しずつ分散して賭けておくべきではないか」と表現し、長時間を要して前線兵士に役立つかわからない大型装備の選択をやめるべきだと主張した

●まとめて同教授は、変わったやつを採用せよ、既存の能力の上に構築せよ、外の考え方からスタートせよ、異なった考え方に耳を傾けよ、そして早く(Go faster. Start hiring weirdos. Build on the capability you have. Start from the outside in,” and listen to people who think differently)と表現した
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「空軍兵士は階級が上がるほど、その環境に最適化するようになり、それがゆえに増々異端を排除し、迅速な革新に必要な文化や効率性を失ってしまう」・・・とはよく言ったもので、世界中の軍隊が共通して抱えている課題でしょう
失敗の本質.jpg
米軍はそれでも実戦で血を流し、汗をかいて教訓を得、種々の改善を行ってきたでしょうが、「専守防衛」や「憲法9条」、更には軍事に疎く議論できない国民と世論と野党に囲まれてサバイバルしてきたわが軍の現状は推して知るべしです

せめて太平洋戦争の教訓をまとめた30年以上のベストセラー「失敗の本質」を以下の過去記事で振り返り、革新の芽を摘まないよう、革新を起こす若い世代を育てようとの気概を忘れないでいたいものです

ご参考記事
「失敗の本質」から今こそ学べ!→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-12-31
「磯田道史氏が指摘する日本軍事組織の弱点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-01
「軍隊は自己変革できない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-02
防衛研究所60周年記念軍事イノベーション議論http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-31-1
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米空軍が各編単隊に約300万円上限の革新促進資金を [米空軍]

昔の1億円ふるさと創生資金を何となく思い出す・・

Goldfein11.jpg23日、米空軍参謀総長Goldfein大将は空軍協会航空戦シンポジウムで講演し同参謀総長が就任時から必要性を訴えてきた編成単位部隊(飛行隊レベルの前線組織)の活性化のため、また米空軍の優位性確保のため、草の根レベルからのイノベーションを促す資金を提供すると発表しました

「Squadron Innovation Fund」と呼ばれる資金は、各部隊当たり100~300万円で、数週間以内に各部隊に提供されるらしく、米空軍全体では契約65億円程度になるようです。
資金の使用にあたって事前審査が必要なのか不明ですが、かつて竹下総理が行った「ふるさと創生資金1億円」のような「ばらまき型」に近いような印象を報道からは感じました

U-2 Dragon2.jpg米空軍がこの「Fund」を立ち上げたのは、昨年11月に同参謀総長が訪問したU-2偵察機飛行隊が、シリコンバレー企業等と連携し、老齢航空機を有効に活用する新しいアイディアを次々と生み出し実用化している様子を目の当たりにしたからだといわれています

「独自に企業と連携のU-2部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10-2

23日付Military.com記事によれば
●Goldfein参謀総長は、米空軍の強さを維持するだけでなく、迅速に新たなプロジェクトを「jumpstart」したいと語り、米空軍主要幹部や軍需産業幹部や専門家を前に同ファンドの立ち上げを発表した
●同大将は「米空軍の成功は、各編成単位部隊や同レベルの組織で任務に就く兵士たちによって支えられている。各前線レベル部隊が米空軍の原動力なのだ」、「この資金で部隊レベルからの戦術面でのイノベーションをキックオフする」と表現した

Goldfein1-1.jpg●そして同参謀総長は、「各前線部隊の指揮官こそが、彼らのアイディアを如何に試して洗練させていくかを知っている。このファンドは編成単位部隊長を信頼し、そして彼らを力づける資金であり、厳しさを増す軍事環境の中で、空軍の力と即応態勢を増強して国民の負託にこたえるための革新を支えるものだ」とも語った
●参謀総長は、各部隊がトップダウンの決定ではなく、現場の問題認識や知恵を革新に結び付けたいとも語り、「学会や科学技術界、私企業とも連携することを推奨する」とも表現している

●Heather空軍長官も同Fund発表でコメントし、「我々の原点は、ライト兄弟が初飛行を目指したオハイオ州の自転車屋にある。各部隊で勤務している自転車工の様なアイディアを支援することを目指している
●「各部隊を視察する中で、現場の隊員が工具を改善したり工夫したりしていることを頻繁に目にしており、このようなイノベーションを加速するためFundを活用したい」と語っている
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F-35 luke AFB2.jpgたった65億円の予算でありながら、今後の展開が気になる「Squadron Innovation Fund」です。

とんでもない独自すぎるアイディアが飛び出したりするのが米国でしょうが、そんなアイディアを受け入れる土壌も羨ましいところです。日本では無理だろうな・・・前線部隊のアイディアを生かすのは

米空軍の前線単位部隊活性化
「独自に企業と連携のU-2部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10-2
「任期間の重視事項3つ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13

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泣きっ面に蜂:米空軍T-6が3週間飛行停止中 [米空軍]

T-6.jpg14日、米空軍副参謀総長Seve Wilson大将が上院軍事委員会で証言し米空軍パイロット養成の最初の航空機である初等練習機T-6が、低酸素症のような症状を訴える操縦者続出で3週間も飛行停止状態になっていると明らかにしました

米空軍は約2000名(うち1300名は戦闘機操縦者)のパイロット不足に悩まされており、経歴管理や給与・ボーナスの見直しなどの対策を検討推進していますが、高い給料と楽な勤務の民間操縦者への流失に歯止めがかかっていません

そんな対策の一つとして米空軍は、年間のパイロット養成数を年間約1100名から1400名に増やす体制構築を目指し、仮想的約部隊(アグレッサー)の民間委託を進めたり、幕僚勤務などデスクワーク職から操縦者を外して教官パイロットを確保しようとしていますが、パイロット養成の入り口となる機体が飛行停止で「泣きっ面に蜂」状態です

15日付米空軍協会web記事によれば
Wilson.jpg●14日Wilson大将は議会で、3週間余り飛行停止状態になっているT-6初等練習機が、いつ飛行を再開できるかわからないと証言し、1日当たり700回の飛行訓練機会を失っていると苦悩を語った
●一方で、米空軍Materiel Commandと教育訓練コマンド幹部は、連日ミーティングを行ってこの苦難にいかに対処するか話し合っているとも語った

●米空軍は、航空機搭載の酸素生成装置(On-Board Oxygen Generation system) 問題に取り組んでいる米海軍とも連絡を取り、またNASAチームとも協力し、原因究明のためあらゆる方面で可能な限りの努力を行っていると同大将は証言した
●原因について副参謀総長は、「航空機搭載機材のメンテナンスにも関連があるだろうし、パイロットが装着する装備にも関係するだろうし、訓練内容にも関連するかもしれない」と言及した

●「T-6は初級練習機としてパイロット養成に欠くことができない。我々は過去の経験を振り返り、この問題に対処するため、装備面、教育面、訓練面で何をすべきか検討し、速やかな飛行再開を目指したい」と語った

14日付米空軍協会web記事によれば
T-6 2.jpg●14日、下院軍事委員会で証言した米空軍作戦部長Chris Nowland中将は、「我々は民間航空会社が(操縦者獲得のために)何をするかコントロールできないし、どれだけ給料を支払うかを変えることはできない。我々は操縦者を最大限の努力で養成し、同時に彼らの生活の質を改善することに取り組むのみである」と語った
●そして操縦者養成と生活の質改善のため、60もの施策を決定して進めようとしていると証言し、固まった段階で(予算面での手当てのため)議会に支援要請に再びお願いに来ると説明した
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F-35  OBOGS.jpg米空軍が予算と時間と人をかけて養成したパイロットを、金と良い待遇をちらつかせた民間航空会社が引き抜いてゆく「仁義なき戦い」が、激しさを増しているようです

しかし・・・パイロットを襲う「低酸素症の様な症状」の問題は、F-22、F-35でも問題になり、F-35は原因究明できていな中で関連装置の交換を決定し、飛行再開しています。
T-45C.jpg米海軍の練習機T-45Cでも同様の問題が発生し、2017年に数か月に渡る飛行停止が発生しています

どうしてなんでしょうねぇ・・・これだけ重なると・・・関係者が全分野で必死で原因究明にあたって(full court press)いるのに・・・

時系列記録:F-35低酸素症(疑い)事案
「原因不明のまま飛行再開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-31-1
「F-22事案の教訓を生かせ!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-11
「原因不明でも関連装置を交換へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-19

F-22事案を振り返る
「最終的に飛行再開・原因特定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-25
「不沈F-35と低酸素F-22」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-09
「F-22再度飛行停止と再開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-24
「F-22操縦者に謎の症状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-31

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米空軍の新たな爆撃機体制計画 [米空軍]

以前は、B-1とB-52を2040年まで、B-2を2058年まで使用する計画でしたが・・・

3-Bomber.jpg11日付米空軍協会web記事が、米空軍が間もなく発表するであろう爆撃機の将来計画「Bomber Vector」の計画案を入手し、その概要を報じています。

元々、昨年9月には公表する計画でしたが、核態勢見直しNPRや2019年度予算が固まるタイミングを待ち、新長距離ミサイルLRSOやB-52エンジン更新予算の目途が付くタイミングを待って発表する計画とのことです

冒頭に触れたような従来計画を見直すことになる「Bomber Vector」の大きな柱は、B-1とB-2をそれぞれ2036年と2032年までには引退させ、一番高齢のB-52をエンジン換装して2050年まで使用する方針を示したことです。

B-21 2.jpgそして現在152機体制の爆撃機部隊を、将来的には100機のB-21と、75機のB-52からなる最低175機体制に増強しようとの計画になっているようです。
ただし、100機のB-21は2020年半ばから11年かけて製造される計画で、爆撃機の交代はゆっくりと行われる計画となっています

その心は、ぶっちゃけて言うと新型ステルス爆撃機B-21を100機導入する予算を考えると、維持費のかかるB-1やB-2を保持するのは困難で、突破力は無いものの多様な搭載兵器で多様な任務が可能で、維持費も安価なB-52を残すことが好ましいとの判断です

またB-21をB-1とB-2の後継として同じ基地に配備することで、弾薬管理施設等の設備投資を抑えられ、運用要員や整備員計約1万名に影響を与えるシフトを、円滑に安価に実施でき好都合だとの考え方です。

各機体の維持費や運用費用分析を含み長い記事で、とてもすべては紹介できませんが、何時ものようにつまみ食いでご紹介します

11日付米空軍協会web記事によれば
3-bomber1.jpg●以前の予定を変え、B-1とB-2を、B-52より先に引退させることにしたのは、その稼働率の低さと維持経費の高さからである。
B-1とB-2の稼働率は40%と32%で、B-52は60%。飛行時間当たりの所要整備時間は、B-1とB-2は74時間と45時間(ステルス性維持時間は非公開)で、B-52は62時間。飛行時間当たりのコストは、B-1とB-52が700万円だが、B-2はその倍である

B-1とB-2の稼働率が低いのは、部品製造企業が次々に撤退し、部品確保が困難であることが大きな原因で、特に20機しかないB-2は部品の「共食い」で何とかしのいでいる状態で、従来の2058年まで維持など到底不可能で高コスト過ぎる。またB-2の突破力は、間もなく通用しなくなるとの見積もりも背景にはある
●また、B-1は戦略兵器削減条約の縛りで巡航ミサイルが搭載できない点でも維持するメリットが低下している

一方B-52に対しては2019年度予算からB-52エンジン換装予算が盛り込まれ、燃費を大幅に改善して航続距離や在空時間を延伸し、2050年代の退役までエンジンを取り外しての定期整備を不要とする施策が行われる方向である
B-52-UK2.jpg●またB-52には多様な兵器が搭載可能で、NPRで必要性が裏付けられた長射程スタンドオフミサイルも搭載でき、敵の対空脅威がない場合や排除されたエリアでは十分な能力発揮が低コストで可能だと評価が与えられている

●なお、B-52エンジン換装や2050年代までの維持には2兆4千億円の経費が必要と算定されているが、そのうちの1兆円強は新エンジン導入による維持費や燃料費の削減でペイできると米空軍は主張している

新爆撃機B-21の導入は、年9機程度のゆっくりしたペースで進め、製造設備や工具が高コストとなったB-2爆撃機の反省(当初132機計画が21機で中断)を生かし、時間をかけても効率性を重視した製造計画を組んでいる
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1960年代には1500機以上の爆撃機を保有した米空軍ですが、現状は157機だそうです。
この「Bomber Vector」は175機体制を目指すとしていますが、米空軍幹部は事あるごとにB-21爆撃機の現計画100機導入を、270機必要だ等々と訴えています。

B-2takeoff.jpg最後に、次期爆撃機検討の最中に、統合の観点から要求を取りまとめる統合参謀本部副議長(海兵隊大将)が、「次期爆撃機が有人機ある必要があると米空軍は主張するが、それならICBMに有人型があるのか? 私は有人機の必要性が全く理解できない」と訴え、米空軍を強烈に批判していたことをご紹介しておきます

「次期爆撃機に有人型は不要だ」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16-1

B-52関連の記事
「エンジン換装大集会」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-24
「エンジン内部破損で落下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-08
「弾薬庫航空機に向け改修」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13

21世紀の抑止概念を目指す
「3本柱はほんとに必要か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03

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米空軍の軽攻撃機検討の状況 [米空軍]

light attack.jpg2日、米空軍がプロペラ軽攻撃機のデモ試験について声明を発表した模様で、今年5月から6月にかけて2回目の候補機試験を2機種に絞って実施するようです。

昨年8月までの数か月で行われた1回目のデモ試験では、4つの機種「AT-6 Wolverine」「A-29 Super Tucano 」「Textron Scorpion」「AT-802L Longsword」が参加したようですが、半年以上の検討を経て前者2機種が次のラウンドに進むことになったようです

米空軍が300機とか数百機等の導入を検討している軽攻撃機ですが、対テロ作戦の対地支援など、A-10やF-16等の高度で高価な作戦機を投入する必要のない作戦を、安価に実施するツールとして検討され、併せて同盟国等にも比較的容易に導入してもらって多国籍活動に活用し、米軍の負担を減らそうとの思いもあります

AT-6 2.jpgまた同時に、練習機としての役割も期待し、深刻なパイロット流出と不足に悩む米空軍の操縦者養成にも活用したいとの思惑があります

一方で課題は、米空軍参謀総長が以前から述べているように、ネットワーク化して活用できないと意味がない点で、このレベルに引き上げられる軽攻撃機がであるかどうかが選定の重要な焦点になっているようです。
もちろん、維持整備が容易か、種々のコストがどの程度かとの基本的比較要素はありますが・・・

2日付DEfense-News記事によれば
昨年8月に第1弾のデモ試験を終了した時点では、次の「combat demonstration」をどうするかが議論になっていたが、米空軍長官の声明は「戦闘デモ試験より、2機種の企業と緊密に協議しながら、整備性、データのネットワーク化やセンサーについて確認する試験を計画する」と述べている
A-29 Afghan.jpg●そして5月から6月にかけ、アリゾナ州のDavis-Monthan空軍基地で、2つの機種「AT-6 Wolverine」「A-29 Super Tucano 」に対し試験を行うと明らかにし、声明は「迅速な調達に向けて必要なデータ収集が可能となる」と述べている

ネットワーク化やパートナー国との相互運用性がテキサスでの次回デモ試験の鍵だと声明は記述し、「輸出可能で手ごろな価格のネットワーク装備の試験も兼ねており、指揮統制アセットとともに、多国籍軍国とも意思疎通可能な装備を追及している」と述べている
●既に1回目のデモ試験では、カナダ、UAE、パラグアイ、豪州が視察しており、2回目のデモでも関係国に声をかけて招待する予定である

AT-6.jpg●また、次回デモ試験では兵站、維持整備、搭載兵器、センサー関連の確認や、操縦者養成課程等も重要な確認要素となる
●一方で2回目の試験の費用捻出元は決まっておらず、米空軍報道官も「デモ試験経費の見積もりを完了していない。関係企業と協力して行う必要がある。既存の開発試験費から流用することになる
」と語っている
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カナダ、UAE、パラグアイ、豪州は、どんな思いでデモ試験を視察したのでしょうか? 次の試験ではどの国がオブザーバーとして参加するのでしょうか・・・・気になります

UAEはともかく、カナダや豪州は、この軽攻撃機を購入して、米国の代わりにアフガンで戦ってくれ、または対テロ作戦参加を加速してくれ・・・ということでしょうか。

興味本位ですが、プロペラ軽攻撃機をどのようにネットワークに組み込み、どのようにハイテク化し、どのようなセンサーを搭載するのか等、興味津々です

軽攻撃機の関連記事
「軽攻撃機の第一弾確認終了」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-07
「米空軍が300機導入に賛成!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-21
「米空軍が検討を開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-07

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米空軍:下士官パイロット拡大に向けた動き [米空軍]

RQ-4 Pilot.jpg現在、約2000名のパイロットが不足し、その流出が止まらない米空軍は、昨年から約70年ぶりに下士官の操縦者要請を開始し、攻撃能力を持たない無人偵察機RQ-4のパイロットにしようと訓練を行っていますが、そんな中で2年目を迎える下士官パイロット要員選抜と、更なる下士官操縦者拡大を目指す動きについてご紹介します

米空軍の操縦者不足は、十数年にわたって継続する実戦への繰り返し派遣への疲れ、また旺盛な民間パイロット需要(軍に比し楽で高収入)を受け軍人パイロットの流出が止まらないことが大きな原因です

米空軍は対応策として、給与ボーナスの増額、司令部業務の免除など、様々な優遇策で操縦者の引き留めを図っていますが、流出に歯止めがかかったとの話は聞いたことがありません

そうとなれば、士官クラスに限定してきた有人機パイロットを下士官に拡大したくなるのは自然の流れで、実際多数の操縦者を必要としたWW2時代は、米国も日本も他の欧州諸国も、下士官操縦者が活躍していたわけです

後はプライドが高い現在の士官操縦者の考え方をいかに変え、下士官有人機操縦者を受け入れる判断をするかですが、その日に向けた動きは着実に進んでいるように見えます

下士官操縦者選抜:2年目の動き
RQ-4 Misawa3.jpg●1月15日の週、テキサス州の基地で、2回目を迎える下士官操縦者候補要員の選抜会議が開催される
●米空軍教育訓練コマンドは、これまでに134名の下士官の操縦者志願者から申請書を受け取っており、この中から操縦者養成コースに入ることが出来る40名を選抜する

●2月末までには40名の選抜者が人事ルートで所属部隊等に通知される予定だが、2019年の下士官操縦者募集は今年4月から開始される
●この選抜プロセスを担当する中佐は、応募者を様々な視点から分析するとともに、昨年から始まっている下士官操縦者コースの状況も参考にして選抜に生かしたいと語っている

操縦者教育の短縮と下士官受け入れ拡大検討
airman.jpg●米空軍教育訓練コマンドは、最新の技術を活用し、操縦者教育における学習効率を向上させ、養成コースの短縮につなげられないか検討を開始する
●そしてこの検討は、下士官のデータを活用して行われる

●この検討を成功させるため、担当者は異なる教育的背景を持つ多様な下士官グループのデータを活用して行われ、基礎課程を修了したばかりの下士官の中から操縦者に適した候補者を選抜する基準作成に活用する
●そこでは、そのような資質や心理特性が操縦教育コースでの成功につながるかを見極める
現時点で米空軍は、下士官操縦者を友人機に拡大することを検討していないが、将来の可能性はある
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このように、下士官の有人機パイロット誕生に向け、少しづつ、着実に、心理的壁を取り除く布石を打っている・・・ということでしょう。

USAF pilot.jpg車の運転技術がそうであるように、ある程度のレベルの人間であれば、士官でも下士官でも、適正のある人間を選抜すれば、操縦者として任務を果たす事は十分可能です。

いつ米空軍が正式に下士官有人機操縦者を受け入れるか、その時、他の同盟国等はどうするのか・・・実に興味深い人間観察の機会です

米空軍のパイロット不足
「仮想敵機部隊も民間委託へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09-1
「さらに深刻化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-10
「世も末:幕僚勤務無し管理検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20

「トップが操縦者不足と軽攻撃機を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-17
「18年ぶり飛行手当増額」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-28
「戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22
「航空業界は今後20年人手不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29

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米空軍情報部長が中露軍を語る [米空軍]

Jamieson2.jpg4日、米空軍情報部長(女性空軍中将)と作戦部長が米空軍協会で講演し、中国、ロシア、そして北朝鮮軍について米空軍としての視点で語りました。

中露が米空軍のイラクやシリア作戦から学び、ロシア軍はシリアを実戦的訓練場に位置付け、北朝鮮防空システムは米空軍が過去25年間戦った相手の中で最も手ごわいなどと言及しています

露やNK航空能力・防空能力を誇大評価しすぎのような気もしますが、確実に中露が米空軍レベルに追いついているという意識は共有しておきましょう

4日付米空軍協会web記事によれば
●4日、米空軍協会ミッチェル研究所で講演した米空軍情報部長VeraLinn Jamieson中将と作戦部長Chris Nowland中将は、ロシア軍と中国軍は、約30年間にわたり戦い続けている米軍作戦をよく観察して学んでいると語った
Jamieson.jpg●そして情報部長は「米空軍の航空優勢獲得維持能力は、以前ほど他を圧倒するレベルにはない」と表現し、過去のように航空優先を当然と考えて作戦可能な時代は終わりつつあると語った

●また情報部長は、ロシアは航空防衛に関し(air-to-air defense)で米空軍と肩を並べるレベルだと自身をみなしており、中国軍は米軍に約10年の遅れをとっていると認識してるとの分析を披露した
●そして、ロシア航空戦力によるシリアでの精密誘導兵器使用や、中露両軍による長距離航空戦力運用、更には空中指揮統制やISRや空中給油活動を例に挙げ、その能力進展を説明した

●このような中露の能力進展の背景には、「彼らが米軍によるイラクやシリアでの作戦を宝の山と見なし、米軍を観察してどん欲に学んでいる」ことがあると解説した
●そして中東作戦の枠を超え、より広範な宇宙アット配備やサイバーハッキング能力にも注力し、マルチドメイン能力を強化していると情報部長は説明し、特にサイバー作戦を作戦計画に組み込んでいると語った

SU-27.jpgロシアのシリアでの活動について情報部長は、精密誘導兵器を実戦で初使用し、作戦機搭乗員を全ロシア軍からローテーション展開させており、既に全搭乗員の85%がシリアで実戦を経験するに至っていると語った
ロシア軍はシリアでの航空作戦を、「搭乗員の気概を試すテスト」だと位置づけ、同時に兵器や航空機の実戦テスト場だとみなしており、「いわば初めての継続的な本格態勢展開でのアウェーゲーム」で自らを鍛えているとも語った

北朝鮮に関しては作戦部長が言及し、NKの統合防空システムは、米軍が過去25年間戦った他の地域よりもはるかに優れていると表現し、「米軍の支援がより必要になってる」と語った
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ロシア軍がシリアを「搭乗員の気迫見極め:test the mettle」に使用し、全搭乗員の85%がシリア作戦を経験しているとは興味深い話です。兵器の実験場との位置づけも、さもありなんです

Su-24 Russia.jpgこれまで米空軍幹部は、イラク戦争から継続して続く戦いを「more than a decade」とか「neary two decades」の戦いだと負担を訴えてきたように思いますが、この講演では「nearly three decades」と表現しています。湾岸戦争にまで遡ってカウントすることにしたのでしょうか???

また北朝鮮に関する、「a much more significant integrated air defense system」との言及は何を意味しているのでしょうか? ISRの結果として、弾道ミサイル発射だけでなく、防空部隊にも投資が流れているのでしょうか???

いずれにしても、女性情報部長に期待いたしましょう!

情報部長のご紹介記事 http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-02

VeraLinn Jamieson米空軍情報部長の経歴
http://www.af.mil/AboutUs/Biographies/Display/tabid/225/Article/108431/brigadier-general-veralinn-dash-jamieson.aspx

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米空軍:仮想敵機部隊も民間委託へ [米空軍]

Aggressor2.jpg9日付米空軍協会web記事は、米空軍が現在4個保有する仮想敵機飛行部隊を2個に削減し、その役割を民間企業に委託することを検討中で、10日に「industry day」を開いて要求事項を関係企業に説明するそうです。

航空自衛隊では「飛行教導隊」と呼ばれ、米空軍では「Red Air」とか「Aggressor」とか呼ばれる精鋭部隊で、米海軍航空部隊を取り上げた映画「トップガン」でも、老練なベテラン教官操縦者で編成されていた仮想鉄器飛行部隊ですが、民間委託するそうです

民間委託の理由を記事は詳細に伝えていませんが、予算不足や操縦者不足が背景にあるようです
しかし・・・敵機の役割を演じる「Red Air」は、秘密情報にもアクセス可能で、操縦技量的にも高度なレベルが求められると思うのですが、記事を読むと100機以上のジェット機を保有する企業が存在するそうです

9日付米空軍協会web記事によれば
Aggressor3.jpg●米空軍は、仮想敵機飛行部隊用の航空機と操縦者を他に転用し、同時にネリス空軍基地の「Weapons School」やRed Flag演習」で需要が高まっている仮想鉄器部隊の需要に答える方策に向け前進している
10日に、「57th Adversary Tactics Groupと99th Contracting Squadron」が企業説明会を実施し、年間最大約300億円で5600飛行時間を期待する仮想敵機飛行隊契約の契約を目指すことになっている

米空軍は特定の機種を指定してはいないようだが、先週公開された要求事項によれば、最高速度マック1.5、高度35000フィート、45-60分の(作戦)飛行時間、火器管制システム、射程20nmのセミアクティブと45nmのアクティブミサイルのシミュレーション装備が期待されている
●また、1日に22ソーティー(1回90分間の平均飛行時間)を提供でき、目視外戦闘、作戦試験支援、異機種空中戦闘、目視内での攻防機動、多数機による作戦行動等々も求められている

米空軍が提供するのは駐機場所と格納庫スペースで、契約企業は航空機、操縦者、整備作業、関連支援装備と運用、品質管理の提供を期待される
AF-weapons.jpg関連企業は米空軍の動向を察知し、昨年から必要アセットの確保に動き出している。例えば現在ネリス基地で「aggressor役」を唯一行っている「Draken International」は、最近南ア製の「Cheetah超音速戦闘機」を12機入手して計109機体制を整えたと発表した

●また昨年9月「Textron Airborne Solutions」は、仏空軍のミラージュF1戦闘機63機を購入したと発表し、世界最大の超音速機保有の私企業になっている
●更に「Tactical Air Support」は、ヨルダン空軍のF-5戦闘機を21機調達し、同機を計26機保有する規模となっている

●昨年9月、米空軍戦闘コマンドのHolmes司令官は、「従来のように仮想敵機飛行部隊を維持するのが理想だが、予算的制約から4つのうちの2つの部隊を閉鎖しなければならない」と述べ、
●更に「次善の策として、民間企業に委託して必要な人材を確保し、同時に空軍操縦者等を他の任務に生かすことを検討する」と語っていた
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Aggressor.jpg民間に委託することで経費削減が可能な企業が存在するということです。早期退職や定年退官した空軍パイロットを再雇用している(引き抜いている)のでしょうが、その規模に驚かされます

米海軍の空母1隻に搭載される作戦機の規模は、世界の空軍の半分より強力だと聞いたことがありますが、戦闘機クラスを100機以上保有する民間企業って何なんでしょうか?

色々と奥が深い世界です・・・

米空軍のパイロット不足
「さらに深刻化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-10
「世も末:幕僚勤務無し管理検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20
「トップが操縦者不足と軽攻撃機を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-17

「18年ぶり飛行手当増額」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-28
「戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22
「航空業界は今後20年人手不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29

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米空軍が群れ運用巡航ミサイル開発へ [米空軍]

Gray Wolf.jpg昨年12月28日付Military.comによれば、米空軍研究所AFRLとロッキードとNorthrop Grumが、2014年開発終了に向け、ミサイルが相互連携しながら群れとして行動して敵防空網に対処する新型巡航ミサイル契約を結んだと報じています

正確には、ロッキード社が12月27日に、群れ巡航ミサイル「Gray Wolf」に関しAFRLと5年間約130億円の契約を結んだとのリリース文書を発表したということです。
また、20日付米国防省リリースには、同じ金額でNorthrop Grumとも、「新しい低コストの、敵防空網を群れで攻撃することができる巡航ミサイルを開発する契約」を結んだと発表されていたそうです

「群れ」コンセプトは小型の安価な無人機で検討が進められていることをご紹介してきましたが、巡航ミサイルにも導入されつつあるとは知りませんでした・・・
細部に言及はありませんが、興味深いのでご紹介しておきます

昨年12月28日付Military.com記事によれば
Gray Wolf2.jpg●27日付ロッキード社発表によれば、同巡航ミサイルは「ネットワークで結ばれ、相互に連携して群れを形成し、世界中のIAD(Integrated Air Defense)システム脅威に対処する」コンセプトを持っている
●4段階で構成される開発段階の第1段階は2019年後半までの期間で行われ、最終的には20124年後半に開発が完了する計画となっている

●このコンセプトは、メリーランド州の企業The Bethesdaが「Gray Wolfミサイル」コンセプトに沿ったもので、同社幹部は、強固な防空網に安価な対処ミサイルを提供するものだとアピールしている
●また同幹部は、「このシステムは部品のモジュラー化を追及し、より破壊力の強い弾頭や燃料効率の良いエンジンを組み合わせるなどが想定されている」と今後の開発の方向性を語っている

●開発初期段階で本巡航ミサイルはF-16から発射試験が行われる計画だが、ミサイル設計はF-15やFA-18、もちろんF-35のほか、爆撃機であるB-1、B-2、B-52にも搭載可能な設計が行われる
●Northrop Grumとの契約に関し米国防省の発表では、「敵の高度な防空網を破砕するため、先進で安価なネットーワーク型巡航ミサイルのプロトタイプを設計、開発、製造そして試験する契約」だと説明されている
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Gray Wolf3.jpg敵に負担を強要してコスト負担を押し付ける「課負担戦略」の発想の様でもあり、「maximize modularity」「fuel-efficient 」「affordable」で我のコスト面にも配慮した新時代の兵器開発です

巡航ミサイルを相互連携させて「群れ」としてどのような動きをさせるか気になりますが、そのあたりには言及はありません。団子になって侵攻し、ある時点で散開して敵防空網を混乱させるイメージでしょうか・・・

無人機の群れ関連記事
「無人機の群れ第7世代」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-26 
「3軍の士官学校が群れ対決」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-26
「国防省幹部:空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30

「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1
「無人艇の群れで港湾防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19
「無人機の群れ:艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10

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B-52エンジン換装を巡る大集会 [米空軍]

12月28日から1月3日の間は、定期更新は致しません。疲れました・・・休みます・・

B-52-UK.jpg12日、長年検討されながら様々なゴタゴタと厳しい予算状況から先送りになってきたB-52爆撃機のエンジン換装に関し、米空軍と関連軍需産業が一堂に会する「industry day」がB-52の母基地で開催され、米空軍側から今後の換装構想と要求方向が示されたようです

1952年に初飛行した大ベテランB-52爆撃機ですが、改良や改修を重ねて現在でも76機が現役として飛行しており、来年早々に示される爆撃機全体の将来構想でも、B-21との新型ステルス爆撃機開発が進む中でも、2050年代までの運用が想定されている模様です

B-52-UK2.jpg兵器システム面では、胴体内の爆弾庫に新型ロータリーランチャー搭載換装を行い、今年11月にはアフガニスタンで出撃機1機として史上最大の19発の精密誘導爆弾を投下する新記録を打ち立てたところであり、また予算審議で紛糾している新型核搭載可能巡航ミサイルLRSO(Long Range Standoff Weapon)の母機として想定されており、まだまだ活躍が期待されています

しかし現在1機に8基搭載されているTF33エンジンは老朽化が進み、部品の確保が難しくなっており、2030年代早々には維持不能に陥ると予測されており、また今年1月4日には、飛行中に同エンジンが内部破壊し、エンジンごと翼から脱落する事故が発生し、改めてエンジン問題がクローズアップされることとなってしまいました

21日付米空軍協会web記事は
B-52 engine4.jpg●あくまで米空軍は、将来のエンジン換装を約束するものではないが、可能な情報提供をお願いしたいとのスタンスで構想を説明した
●エンジンに米空軍が要求する事項は、燃費の20%以上向上、電子制御によるエンジンコントロール、B-52が現在装備する飛行システムとの融合が可能なこと、機体構造や良く構造への影響を最小限にすることなどである

●また核攻撃の際に生じる電磁波等への耐性を備えることや、現在のTF33エンジンと重量が同程度であること、迅速なエンジン始動、新たな操縦席におけるスロットル制御も要求する方向である
●米空軍は翼の交換や再設計につながるようなエンジン換装を望まないが、新たなエンジン取り付け部を装着する必要性は理解している。しかし機体寿命を縮めるような改修は受け入れない考えである

22日付Defense-News記事によれば
B-52 engine.jpg●今後米空軍は、現有機体システムと新エンジンの融合を担当する「integrator」企業と、新エンジン担当企業の選定を検討し、可能ならば2022年には新エンジンを搭載した試験機2機を導入して機体との適合を確認したいと考えている
その後、2026年から34年にかけ、残りの74機に新エンジン搭載改修を行う方向で進めたいと米空軍は考えている。しかし予算面での確約は得られておらず、米空軍の調達担当中将は、コストを抑えるあらゆる可能性を探っており、エンジンの「リース」もオプションとして検討していると語っている

●「integrator」企業と新エンジン製造担当企業の選定には複数の案があり、「integrator」を選定して同企業にエンジン選定を任せる方式と、「integrator」とエンジン選定を同時並行で行う方式、更にその折衷案の方式が検討されている

B-52製造企業であるボーイングは当然「integrator」を狙うであろう。エンジンは「Pratt & Whitney」、「Rolls Royce」と「GE Aviation」が参戦すると見られている
Pratt & WhitneyはTF34エンジンか新型エンジンで、 Rolls RoyceはE-11やC-37で使用されているF130エンジンを考えているようである
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B-52H2.jpgエンジン換装の見積もり経費は約2.4兆円だそうですが、エンジン換装により現エンジンを維持した場合より燃料費や維持整備を約1.2兆円削減できると主張したいます

単なる爆撃だけでなく、長時間空中待機しながらピンポイントの要請に応じての精密誘導兵器を投下や、音によってのイスラム過激派威嚇や、弾薬庫航空機(arsenal plane)の役割も期待されているB-52です。

なぜか愛着のわくB-52です・・・

B-52関連の記事
「エンジン内部破損で落下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-08
「弾薬庫航空機に向け改修」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13
「同構想とB-52」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-12

「もっと能力向上を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-11-1
「海軍と会議後アジア展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-07
「まだまだ能力向上に投資」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-16-1

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