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Northrop-Gも世代間&5世代機間リンクに名乗り [米空軍]

F-16 RefuelAFG2.jpg8月23日付Defense-Newsは、米空軍が長く問題として解決策を探っている異なるデータリンクを保有するF-22とF-35との間の情報共有問題に、Northrop Grumman社がグローバルホーク搭載型の通信中継装置で対処する提案を米空軍に行い、採用の可能性が高いと報じています。

また、この通信中継装置を用いて、もう一つの懸案である第4世代機と第5世代機との間の情報共有も可能だと売り込んでいるようです

これまで何回かご紹介してきたように、第4世代機は「Link 16」とのデータリンクを、F-22はより高度に迅速に秘匿状態でリンク可能な「IFDL:Intra-Flight Data Link」、F-35は高度で秘匿通信が可能だがF-22とは異なる「MADL:Multifunction Advanced Data Link」を使用しており、相互に情報共有ができないと言う問題を抱えています

F-15C-Arctic.jpg5月にはボーイング社が、第4世代機とF-22間のリンクを可能にする「Talon HATE airborne networking system」を開発し、試験で所望の成果を得たとご紹介しましたが、今回は別の大手企業が異なる第5世代機間のリンク通信に新たな提案を行い、第4世代機との情報共有にも活用可能だと売り込んでいます

共に、結局は下のレベルの「Link 16」を活用する情報共有策で、第5世代機が搭載する「IFDL」や「MADL」の良さを最大限生かすことは出来ず、通信の秘匿性も不十分なようですが、緊要なデータをリンクで共有することが可能なようです

8月23日付Defense-Newsによれば
●Northrop Grumman社が提案したのは「Freedom 550」との通信中継装置で、これを30時間以上連続して飛行可能なRQ-4グローバルホークに搭載して使用する方式である。
Freedom 550.jpg●既にRQ-4のBlock 20に別の通信中継機材を搭載した形態の「E-Q4」が、BACN(Battlefield Airborne Communication Node)として、イラクやシリアの上空でほぼ常時継続的に活動を行っている。
●例えば米空母艦載機のFA-18は、空母や艦艇との通信を維持する必要があるが、低空を飛行したり地形の関係で通信を直接維持することが難しいことがあり、その際この「E-Q4」が大いに活躍している。そして「E-Q4」には、まだ「Freedom 550」を搭載するスペースが残されている

●「Freedom 550」は、マルチ周波数でソフト管理式の無線中継装置で、F-22やF-35が搭載する「IFDL」や「MADL」のデータ共有を「J-series messages via Link 16」で実現する装置である
また同装置は、第4世代機(F-15やF-16)と第5世代機(F-22やF-35)のデータ共有を可能にする装置でもある。

F-22Hawaii3.jpg●Northrop Grumman社は既に、第4世代機と第5世代機のデータ共有試験をシミュレーションと実機を使用した複数の環境でデモ実証しているが、F-22とF-35の間の実機を使った検証や、グローバルホークに同中継装置を搭載した試験は行っていない
●しかし同社は今年年初、英国空軍と協力し、2週間にわたり「Babel Fish III」と呼ばれる検証デモ試験を行い、F-35Bとユーロファイター間を「Link-16」でデータ共有させた実績がある。ただしその際もF-35BのMADLデータは共有できていない

●米空軍は今後F-35が戦力の中心になる事を見据え、2010年代当初にF-22のIFDLをMADLに交換しようと試みたが、予算上の制約等々から結局実施されなかった。そしてF-35開発の遅れと調達の遅れを受け、第4世代機の延命が具体化する中、多数の第4世代機と5世代機のリンク問題もクローズアップされるようになった
●米空軍がNorthrop Grumman社の提案を採用するか、ボーイングの「Talon HATE」など他社の提案を採用するかはまだ決定されていない
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F-35 clear2.jpgNorthrop G社の担当幹部が、「It has the ability to pull the fifth-gen comms — the secured comms — and then it can bridge it over to an unsecured network, if you want, like Link 16 or SADL」、「It allows those secure comms to talk to each other」と、「Freedom 550」を説明していますが、「Link-16」を利用することで「secured comms」が保たれるのか良くわかりません

いずれにしても思います。第4世代も第5世代機も、この航空機さえあれば完璧だ・・・みたいな過剰宣伝&過剰広告でキャンペーンして開発と調達にこぎつけたものの、実際の脅威は異なる方向に進化していて、どの世代の戦闘機も機種も、みんなが協力して戦いえるようにしないと敵と戦えない時代に入っていると言うことです。

今や、「a family of system」として戦うは米空軍内の共通認識になっていますが、ほんの数年前までは違ったんですよねぇ・・・

世代間や機種間リンクの記事
「Red-FlagでF-22リンク問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-02
「世代間リンクに対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-10
「世代間リンクが鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1


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米空軍兵士の死因一番は自殺45% [米空軍]

Suicide.jpg14日付米空軍協会web記事が、米空軍人事管理センターから得た最新情報として、過去1年間の米空軍兵士(予備役と州軍を含み、文民職員を除く)の死因の中で、自殺が45%と最も比率が高いと紹介しています。

過去の統計との比較や、一般米国社会との比較が無く、だからどうなんだと突っ込みたくもなりますが、生の米軍や米空軍に迫るデータですので、とりあえずご紹介します

米空軍は予備役等を合わせて約30万人(文民職員を除く)で構成される組織ですから、日本の自衛隊の方は、それぞれの組織の規模と比較し、自殺者数などを比較してはいかがでしょうか?
日本は残念ながら一般に、自殺の多い国と理解していますが・・・

14日付米空軍協会web記事によれば
Suicide2.jpg●米空軍協会が米空軍人事センター(AFPC: Air Force Personnel Center)から入手したレポートは、2016年8月1日から2017年同日までの米空軍の死者数151名の内訳をまとめている
●なおこの統計は、任務遂行中または任務への行き返りの間に発生(while performing military duty or traveling to/from military duty)したもので、細部規定は不明だが基地外で発生(occurred off base)した死亡も一部含んでいる

最も多い死因は明らかな自殺と判定できる「自ら引き起こした死」の69事例で、更にその中で41事例が「銃による死」、19事例が「首吊り」で、65事例が正規兵の自殺だった
●自殺に続いて多いのは、「事故」による45事例で、航空機や車両運行中の事故が大半である

3番目に多いのが病死で30事例。がんと心臓&血管障害がそれぞれ10事例と最も多い病名である
●殺人が3件で、2件が銃殺によるものである
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海兵隊司令官が今年2月の講演で、
Neller4.jpghttp://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-08
2016年に亡くなった海兵隊員は152名に上るが、戦闘行動での死者は僅かに1名で、自殺が35名、そしてその他の「不注意や乱暴な行為」に起因する事件や「交通事故」の犠牲者が多いことを残念だ」と発言しています。

米海兵隊と似たような規模の米空軍としては、69件の自殺は少なくないと考えられます。

性犯罪に関して言えば、国防省の調査で空軍士官学校は3軍の士官学校の中で性犯罪認知件数が継続してトップで、昨年6月までの1年間で32件、陸軍が26件、海軍が28件となっています。
士官学校の学生数は、陸軍2に対し、海軍と空軍が1の割合ですから、空軍の性犯罪率が高いことが明白です。

「空軍士官学校の性犯罪対処室が捜査対象に」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04 

airman.jpgこれに航空自衛隊の統計や、他の空軍の統計が加わればより精度が高まるのですが、現時点では無理やり「こじつけ」と言われても仕方がないかもしれません

しかし言わせていただきます! 戦闘機パイロットが支配する世界の空軍は組織的な限界を迎えており、脅威の変化に対応した人材の育成や登用を考えないと、組織が腐っていく・・・との仮説を提示しておきます

政治や文民の世界に、しっかりした軍事知識と認識を持つ有識者が多い米国では、世界情勢や脅威の変化を前にし、空軍のリーダーが戦闘機操縦者ではだめだとの認識が広がっています

桜6.jpg今の米空軍参謀総長は戦闘機パイロットですが、その選定過程では宇宙や特殊作戦の士官が最有力と言われていました。時代の流れだと思います

ただ人材育成に時間がかかることも事実で、戦闘機操縦者だけに過剰な教育訓練投資が行われてきた航空自衛隊の中で、人材の選択肢が十分でないことも確かでしょう。
しかし変える努力を今始めないと・・・組織が時代についていけませんよ・・・

まず有事にあまり期待できない戦闘機への投資を抑え、抑止力と戦闘力を真に向上させる方向を探るべきです

関連の記事
「海兵隊司令官:生活を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-08
「空軍士官学校の性犯罪対処室が捜査対象」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04 

「性犯罪は依然高水準」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-06-1
「暴力削減にNGO導入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-05
「国防長官が対策会見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-19


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米空軍ISR無人機の急増を数字で見る [米空軍]



MQ-9 5.jpg7月号の米空軍協会機関誌が「ISR Explosion」との記事を掲載し、最近の約10年間で急増しているISR無人機(攻撃型も含む)の様子を数字で紹介していますので、メモ代わりでご紹介致します。

残念ながら、度々ご紹介しているように、米空軍は自身の判断で無人機導入に舵を切ったわけではありません自らのポストや職域が犯されると考え、又は無意識のうちに無人機を排除する感情が働き、1990年代には無人機の導入が進まなかったのが実態でした

ロバート・ゲーツ語録12
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19
私がCIA長官の時、イスラエルが無人機を有効使用することを知った。そこで米空軍と共同出資で無人機の導入を働きかけたが1992年に米空軍は拒否した。私は3年前(2008年)、今度は国防長官として、無人機導入のため牙をむいて4軍と立ち向かった http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07

MQ-4C4.jpgそれが今では、現場からの無人機ISR要求が供給を大幅に上回り、「需要3:1供給」程度の現状で、ISR無人機(攻撃型も含む)を増加したくても無人機操縦者の養成が追いつかない状態で、加えて無人機操縦者の急増に人事管理制度改革が追いつかず、不満を抱えた離職者が減らない苦境にあります


そんな無人機急増の様子を数字で
ISR航空機の急増(主要因は無人ISR機の急増)
---2007年には米空軍航空機の3.2%がISR機であったが、2016年9月時点では9.9%にまで3倍増 
---2016年9月時点で米空軍の全ISR機は533機で、無人ISR機は357機の67%。10年前は18%だった

---2006年9月時点でU-2 (34), E-3 (32), RC-135 (22), EC-130 (16)、そして無人機RQ-4が11機で、その他を含めISR無人機は計24機
---それが2016年9月には、MQ-1B Predators (129), MQ-9A Reapers (195), そしてRQ-4B Global Hawks (33)、更に有人機U-2 (27), E-3 (31), RC-135 (23), EC-130(14)

無人機と有人機でISR:戦闘機や爆撃機も
MQ-1C Gray Eagle3.jpg無人ISR機は、CIAが1993年にボスニアで初めて使用した。米空軍は911同時多発テロ以降にISR無人機に本格的な関心を寄せ、アフガン、イラク、シリアは同アセットの技術革新に最適な作戦地域となった
2008年3月には、ISR機からのフル動画量が3倍になり、「需要4:1供給」のペースで要求量が大きく上回っており、有人機操縦の経験が無い者も無人機操縦に当たらせる決断等により、2012年までに無人機操縦者を450名から1100名に増し、ISR無人機による哨戒CAP数を33個から50個に増やす計画も明らかにした

2009年にゲーツ国防長官は、ISR無人機による哨戒CAP数目標を50個から65個に引き上げると発表した。しかしその時点で、米空軍はISR要求の66%が満たせない「需要3:1供給」状態である事を明らかにしていた

有人ISR機のMC-12Wは米空軍救急能力造成室の輝かしい成果でアリ、2011年に僅か1年間で構想から部隊編成が完結し、その後の2年半で通常の11年半の飛行時間に当たる10万飛行時間を達成している
MC-12.jpg●そしてその1年後には30万戦闘飛行時間を達成する働きで、「ISR需要を満たすアセット」のキャッチフレーズを獲得した。しかしその後は維持費がまかなえなくなり、米空軍は41機を陸軍や民間契約企業に売却し、特殊作戦群が13機のみを維持する事になった

●この様に急増するISR無人機からの情報やデータを迅速に処理するため、「機械や人工知能を活用した、分析する人の負担を軽減する対策が必要だ」と2013年に当時の米空軍ISR部長は語っていた

有人機(戦闘機や爆撃機)もISR重視
無人ISRアセットだけで無く、有人ISR機も引き続き需要が高い。運用開始後25年が経過したRC-135 Rivet Jointは、引き続き中央軍エリアで最も需要が高いアセットである
JSTARS recap4.jpg●現在16機保有しているE-8C JSTARSについても、2016年9月に100万飛行時間を達成する働きぶりであり、米空軍は後継機を17機導入する前提で3企業を対象に機種選定を実施中で、2018年に契約を予期している
●更にE-3 AWACSは、2030年までの継続引用を念頭に現在能力向上を進めている。無人機の機数が増加すると見込まれル中でも、この様に有人ISR機は今後とも重要な役割を担っていく

●しかしここで注目すべきは、米空軍指導者達が戦闘機や爆撃機のISR能力について語り始めていることである
F-35-Turkey.jpg●Global Strike Command司令官が「率直に言うと、最も重要でない任務は単に爆弾を投下することでアリ、もっと重要なのは、誰かの命を救うISR情報を持ち帰ることだ」と爆撃機操縦者に語り、教育訓練コマンド司令官が「F-35は戦闘機と言うより、AWACSのようだ」と表現している
爆撃機や教育訓練のボスが、強力な航空アセットのISR能力を語るようになったとすれば、ISR革命が起こりつつあると見るのが正しいであろう
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前半部分の無人ISR機関連データが、最近の数字で無い部分もありますが、相場観を養って頂けたかと存じます。

MQ-1C Gray Eagle4.jpg1990年代に無人機導入を拒んだ「黒歴史」には触れず、最近の頑張りだけをアピールする、判りやすい歴史観です。

これを本当の意味で「サクセスストーリー」の歴史に書き換えるには、無人機操縦者の処遇を今後どう改善し、有人機操縦者との関係をどのように位置付けるか等、世界の空軍の手本となる無人機コミュニティーを空軍内に築けるかどうかにかかっています

最近の無人機関連記事
「MQ-1は2018年に引退へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-02
「無人海洋ISR機MQ-4C飛行隊が編制」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-2
「検査員が無人機操縦者養成を批判」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-14
「比南部で米軍無人機が支援」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-12

米空軍は無人機操縦者の離職者急増に苦悩中
「RQ-4操縦者の7割が下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13-1
「RQ-4操縦を下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-19
「問題点と処遇改善の方向性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-11

海軍無人機関連の記事
「誰が海軍無人機を操縦するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-14-1
「映像:MQ-4初飛行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-23
「グアム配備MQ-4トライトンは今」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-05



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Red Flag演習に5世代機3機種が揃い踏み [米空軍]

F-22Hawaii2.jpg7月28日までの18日間にわたりネバダ州ネリス空軍基地で行われた米空軍主催の航空アセット演習の最高峰「Red Flag」に、第5世代戦闘機3機種(米空軍と海兵隊のF-35A型とB型、米空軍のF-22)が初めて同時に参加し、その成果を参加した飛行隊長達が語っています

実施した訓練の重点、それなりの稼働率を確保している様子、3機種が同じ5世代機として作戦運用手順等を相当標準化している様子、コミュニケーションの課題など、細部に言及はないものの、米軍5世代機の位置取りが伺える内容となっています

まぁ・・・飛び上がれば当然それなりの性能は発揮するでしょうし、これだけ高価なんだからそうでないと困るのですが、日本での問題は敵が航空機が飛び立つ前に無効化しようとしている点です。
また、数少ない基地基盤を攻撃し、一度飛び上がっても戻る基地を破壊してしまう作戦を中国等は考えているからです。

そのことから徹底的に目を背けているのが日本の戦闘機命派ですが、今日は5世代k機のお勉強も兼ね、7月の「Red Flag」演習を振り返ります

1日付Defense-Tech記事によれば
F-35 clear2.jpg●7月に開催された「Red Flag」演習は、海兵隊の第211海兵戦闘攻撃隊のF-35B、米空軍の第58戦闘飛行隊、そしてF-22飛行隊も参加し、3機種が揃う歴史的な初の演習となり、他機種を含むと50機以上が参加する規模の演習となった
これまでにF-35が参加した「Red Flag」演習では、同機が空対空戦闘でその能力を披露し、20対1のキルレートでその優れた能力を示したが、今回の同演習でF-35は、航空阻止やSEAD(敵防空能力征圧)、更に動的ターゲティングなど空対地任務を焦点に参加した

●米空軍の第58戦闘飛行隊長のSnyder中佐は、「演習に参加して、F-35が改めて柔軟性を持ち、多様な任務に対応できることを確認できた。空対地任務が主だが、F-22が得意とするエスコート任務も数回訓練した」と語り、キルレートには言及しなかった
●また同隊長は「素晴らしいアビオニクスを搭載し、ハイエンドの厳しい環境下でもその能力を遺憾なく発揮できることを確認した」とも語った。そして「第5世代機は、4世代機や他アセットと連携することで戦力増強能力を発揮して作戦を成功に導くことが出来ている」と述べた

●参加各飛行隊は1日に8回飛行(eight sorties a day)するよう計画されたが、機体に小さなトラブルが発生しても地上の代替機が穴埋めし、訓練全体を阻害することは無かった
●第5世代機3機種が初めて揃った本演習は、部隊間の意思疎通や戦力融合の貴重な機会を提供し、最近定められた共通のTTP(tactics, techniques and procedures)が大いに役立った

TTP共通化とリンクの課題
F-22hardturn.jpg●Snyder飛行隊長は、「米海兵隊F-35と訓練するのは全く初めてだったが、最初の夜間飛行訓練準備で顔を合わせた際、リーダーを務めた海兵隊操縦者と基本手順書(notes)を比べあったが、全く同じページを開いていたのだ。つまり全く同じTTPで作戦していたんだ。驚くべきことだし、皆が同じ土俵で議論しているなんて実にクールな話だ」と振り返った。
●海兵隊がF-35を「Red Flag」に参加させるのは久しぶりだが、同演習は海兵隊の若い操縦者に統合訓練の貴重な機会となっており、更に「他軍種がどのように行動し、問題に対処しているかを学ぶ機会となっている」「本演習で参加兵士が学んだ教訓などは、全海兵隊部隊で共有するようにしている」と海兵隊の飛行隊長は明かしてくれた

●情報共有や通信に関しF-35側に問題は無かったが、F-22部隊にはフラストレーションが残った。F-22のデータリンクはF-35のデータリンクMADL(Multi-Function Advanced Datalink)と上手くマッチしておらず、F-22は第4世代機やF-35から旧来のリンク16経由でデータを受領するだけで、共有できない
●同演習では、多くの意思疎通は伝統的な「音声」によりなされた。この問題解決のため、機体間の橋渡しする努力につぎ込まれたが、いつ機体の間のデータ融合に関する問題が解決されるかは、依然はっきりしていない
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共通のTTP(tactics, techniques and procedures)が大いに役立ったとは、遅きに失したとは言え、極めて重要なことでしょう。特に機種をまたぐ標準化は、難しいでしょうが。
F-35とF-22のリンク問題は長く指摘されていますが、何とか早くしろよ・・・と言いたくなります

F-35-refuel.jpg今年2月の「Red Flag」には、英空軍のタイフーン戦闘機や豪空軍のE-7早期警戒管制機も参加しており、同盟国との相互運用性がどこまで検証されたのかも気になります。

米空軍のB-1爆撃機と日本のF-2戦闘機を、並んで飛行させるだけの「実際的に意味の無い訓練」でお茶を濁すより、どうせなら、太平洋地域の中核同盟と言いたいなら、「Red Flag」に早い段階で呼ばれるように、数ばかりに拘らず、質も追求してみたら・・・日本の戦闘機命派どの!

Red Flag演習の関連記事
「米空軍が初のNCCT活用」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-25
「F-35A参加の成果」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15-1
「指揮官が初の宇宙幹部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19

「Red-Flagの限界とVR演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-28-1
「最近のRed Flagと予算不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-07
「米軍被害対処部隊を追い出す」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-28-1

リンク関連の記事
「世代間リンクに対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-10
「世代間リンクが鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1


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米空軍が9月に爆撃機ロードマップ発表へ [米空軍]

Goldfein1-3.jpg7月26日、Goldfein米空軍参謀総長が米空軍協会主催のイベントで講演し爆撃機本体だけでなく、爆撃機の任務遂行に関連するスタンドオフ兵器やISRアセットなどの関連装備や技術をもカバーした「Bomber Roadmap」を、9月に発表する予定だと明らかにしました

また同参謀総長は、新しい空軍長官であるHeather Wilson女史と共に作成した「米空軍の優先事項に関する白書」も発表予定だと明らかにし、5つの優先事項を発表しています

マティス国防長官やダンフォード統合参謀本部議長レベルだと、折り重なる数々の問題や課題に関する方針事項や原則を問いただす質問に、国家軍事戦略NMSや核態勢見直しNPRやBMD態勢見直しBMDRと言った上位政策文書がまとまってから説明すると「言い訳」が続いていますが、なぜか各軍種トップレベルは「海軍艦艇355隻態勢」や「戦闘機は毎年120機購入したい」といった要求を軽く口にしている今日この頃です。

どんなアピール文書が9月頃に出来上がるのか判りませんが、まぁ・・・生暖かく見守りましょう・・・

27日付米空軍協会web記事よりGoldfein大将発言
Goldfein1-1.jpg先週からGlobal Strike Command司令官であるRobin Rand大将が、議会関係者の元を回り、積極的にこの「爆撃機ロードマップ」について説明して理解を得、また意見を伺う機会を持っている
●また、発表になった際にサプライズ感をなくすためであるが、同時に同ロードマップが単に爆撃機だけの計画ではなく、世界中の対象目標攻撃を視野に入れた関連装備全体の構想を包含したロードマップを目指している

航空アセット単独での任務遂行が考えにくくなることから、ロードマップでの議論は、例えばグローバルホークRQ-4の役割を含めてB-1爆撃機の任務を描くことになる。
●またロードマップでは、旧型と新型装備のコンビネーションを示すことになり、例えばスタンドオフ兵器を搭載したB-52爆撃機とステルス性で突破力を持つRQ-170を組み合わせることで、何が可能か等を描くことになる

●そして全ての任務は、突破型かスタンドオフが、有人か無人アセットか、通常兵器かそれ以外か等々の観点から分析され、更に他軍種との協力や任務の切り分けを経ることになる
地上戦力の兵士とどのように協力できるか、JTACとは、水上艦艇とは、潜水艦とは、在空型アセットとは・・等々を後半に分析して最適化を図りたい


新たな優先事項白書について参謀総長は
Goldfein1-2.jpg●新たな米空軍の優先事項白書(new white paper on Air Force priorities)は、Wilson空軍長官と参謀総長の両名がサインするモノで、Wilson-Goldfein時代の幕開けを示すモノであり、米空軍を引っ張る5つの優先事項を描くことになる


5つの優先事項とは以下の5つである
「restore our readiness」
「pursue cost-effective modernization」
「innovate for the future」
「strengthen how we develop airmen and future leaders」
「strengthen alliances with partner air forces」

●「restore our readiness」
飛行隊レベル組織に焦点を当てた取り組みを就任以来ほぼ1年間続けてきたが、前線部隊で効果が出始めている。指揮官を支えるスタッフと上級軍曹レベルに焦点を当てた人的能力向上は、効果を発揮するだろう
●「pursue cost-effective modernization」
産業中心時代の調達モデルから、情報化社会モデルに転換になければならない。また当該システムの能力自体より、「family of systems」全体とどのように結びつけがより重要である

●「innovate for the future」
●「strengthen how we develop airmen and future leaders」
既に米空軍では、「航空作戦運用の芸術」が日々学べる統合職や航空作戦センターでの勤務が、昇任に有利に働く制度を取っているが、これらの勤務を昇任審査に於いてより重視する
更に、JTF(Joint Task Force)能力の育成に取り組んでおり、この資格付与をされた者を将来の危機や紛争対処に当たる指揮官に提供したい

●「strengthen alliances with partner air forces」
敵は持っていないが、我々にあるもの。それは同盟国等との関係であり、米国にとって最大の戦略アセットであり、また非対称分野のアドバンテージである

記者からの質問対応など
Goldfein5.jpg●(何機戦闘機が必要かとの質問に、)特定の戦力だけについて語ることは不適切だ

国家軍事戦略NMSは2年近くの検討を経て完成間近であるが、マティス国防長官は国防戦略見直しDSRのやり直しを指示している。
●国家軍事戦略NMSには、国防長官と統合参謀本部議長が描く全ての軍事的課題が付帯文書の形で含まれており、「four-plus-one枠組み」(中国、ロシア、北朝鮮、イラン+過激派組織)として描かれるだろう

米空軍はこれらの見直し文書に投資しており、将来の戦いで勝利するために何が必要かを案出するための格好でタイムリーな演習となっている
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Goldfein6.jpgこれまでも同参謀総長の口から、「優先事項」のお話を聞いたことがあるような・・・。いや、でも、新しい空軍長官とともにまとめることに意義があると思います。多分・・・

「Bomber Roadmap」については、米空軍の作戦構想を知る上で重要な文章になりそうなので、9月になって、過ごしやすくなって、頭の回転が良くなって、気力が回復していれば取り上げたいと思います

「国家軍事戦略NMS」については、下記の過去記事が詳しいです

米空軍参謀総長のご意見記事
「宇宙部長A-11設置について」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-18
「21世紀の抑止再考を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
「5分間でトランプに訴えたこと」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-04

「国家軍事戦略NMS検討を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-06
「任期間の重視事項3つ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13
「迅速にピクチャー共有を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-21
「新空軍参謀総長をご紹介」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-27

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米軍が第一列島線東から発射可能なASMへ [米空軍]

小さなニュースだが、その意味するところは極めて大
第一列島線の東側から中国大陸に届く射程へJASSM改修へ

JASSM-ER5.jpg19日、Lockheed Martin社が、米空軍と空対地ミサイルJASSMの射程を延長するための翼改修の契約延長を約40億円で結んだと発表しました。ただし、どれだけ射程を延伸することを狙った改修かは明らかになっていません

JASSMは「Joint Air-to-Surface Standoff Missile」の略で、航空機から発射して地上目標を攻撃するステルス性を持つ空対地ミサイルで、現在2150発が米空軍に提供されています。

JASSM-ER7.jpg初期型のJASSMが射程200nm(360km)で、その後改良された射程延伸型JASSM-ER(Extended Range)は射程540nm(1000km)で、射程延伸型JASSM-ERはちょうど、第一列島線上空から中国沿岸部を攻撃できる射程を持つことになります

従って、射程延伸型JASSM-ERより更に射程を延伸すると言うことは、第一列島線の西側(つまり東シナ海)に入ってJASSMを発射することが既に難しいとの認識はあったが、中国のA2AD能力向上に伴い、第一列島線より更に東方の離れた位置からでないと、中国大陸に向けたASMは発射できないとの判断に米空軍が至ったとも解釈できます。

言い換えれば、日本列島の西側は、中国のA2AD圏内に入ったとも考えられます。
JASSM射程延伸の改修へ向けた動きは、たった40億円の小さな契約ですが、こんな風にも解釈できる大きなニュースだと思いご紹介します

まずJAASMの概要
JASSM-ER4.jpgJASSMは1995年から開発が始まり、実験の失敗等で紆余曲折はあったが2001年に初期量産を開始。敵防空網の射程外から発射され、強固な構造を持つバンカーや、ミサイル発射機などの攻撃を行う目的を持つ空中発射ミサイル。対艦ミサイル版のLRASMもある
●低コストの開発を念頭に、画像赤外線センサーは陸軍の対戦車ミサイル「ジャベリン」から、ターボジェット・エンジンは対艦ミサイル「ハープーン」からと、既存部品を多用している

●航空機から投下されると翼を展開、ターボジェットを始動する。途中、INSとGPSにより誘導され、レーダーに見つかりにくい低空を速度マック0.8で飛行する。
●目標に接近すると画像赤外線センサーにより目標を識別、急上昇してから70度の角度で急降下、突入破壊する。命中精度CEPは約3m

●中央部分の弾頭はタングステン製454kgの貫通モード、または爆風・破片モードを選択可能な多機能弾頭で、貫通力はBLU-109Bと同等とされる
地下施設や強固な施設には貫通モードで、ミサイル発射機やレーダー施設に対しては上空で爆発して爆風と破片を放出する

JASSM-ER9.jpg搭載可能な航空機は、B-2、B-1、B-52H爆撃機、F-15E、F-16戦闘爆撃機など多様
●「JASSM-ER」と「JASSM」の違いは、より大きな燃料タンクと効率の良いエンジンの搭載で射程距離が2.5倍の575マイル(約925km)に延伸したこと。またGPS妨害に対抗できる機能を付加したこと。更にデータリンクを追加装備したことである。

●「JASSM-ER」と「JASSM」は7割が共通部品で構成されており、製造コストの低減に貢献している。
●米空軍は2020年台の製造終了までに、2,400発のJASSM(1発約1億円)と、3,000発のJASSM-ER(1発約1.6億円)を購入予定

25日付Defense-News記事等によれば 
JASSM-ER8.jpgLockheed Martin社のJAASM計画責任者Jason Denney氏は、「A2AD脅威環境で操縦者の生存性を向上させる新たなデザインを開発している」、「我が社の顧客の皆さんは、証明済みのJAASM性能を信頼頂いているが、前線部隊に更なる能力向上型を提供できることを楽しみにしている」と語った
●ロシア製のS-300やS-400と言った高性能地対空ミサイルSAMが登場して世界に拡散する中、これら兵器を使用するA2ADにより、第4世代機の能力発揮できるエリアが制限されつつある

●配備が始まったばかりのF-35や、配備開始が2020年代半ば以降になる次期爆撃機B-21はステルス性も活用して強固な敵防空網を突破できるかも知れないが、しばらくは米軍航空戦力の多数派であるF-15EやF-16C、海軍のFA-18はそうはいかない
●低空を高速で飛行可能なB-1B爆撃機も、JASSMとJASSM-ERの両方が搭載可能だが、強固に防御された敵防空網の突破能力には限界がある

●なお、JASSM-ERの能力を確認した米海軍は、JASSMを対艦ミサイル用に改良することにDARPAと共に着手しており、LRASM(Long Range Anti-Ship Missile:AGM-158C)としてB-1には2018年から、FA-18には2019年から搭載開始される予定である
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最近の北朝鮮絡みで、米軍が韓国展開部隊にJAASMを配備すると発表して大きな話題となりました。

JASSM-ER3.jpgまた昨年11月末、米国がポーランドにJAASM(又はER型)70発を、関連装備を含め僅か200億円で提供すると発表して注目を集めています。何とお得な投資でしょう。何とか日本のF-15JやF-2に搭載可能にして、有効活用できないものでしょうか?

1機が100億円以上する戦闘機の数を減らしてでも、平時からグレーゾーン付近でしか活躍が期待できないであろう戦闘機の要求性能を落としてでも、この様な長射程兵器を導入する方向に、考え方を改めていくべきと考えます

米国も輸出に前向きになったようですし、費用対効果の面でも、日本の置かれた地理的な戦術環境からしても・・・

JASSM関連の記事
「ポーランドに70発輸出承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-30
「B-52をJASSM搭載に改良」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13
「JASSM-ERを本格生産へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-17-1
「空中発射巡航ミサイルの後継」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-12-1
「JASSM-ER最終試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-10-1

LRASM関連の記事
「LRASM開発状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-17-1
「米軍は対艦ミサイル開発に力点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-18
「ASB検討室の重視10項」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-04
「LRASMの試験開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-23
「新対艦ミサイルLRASM」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

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危険な民間ドローンへの対処権限をくれ! [米空軍]

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HOLMES4.JPG11日、米空軍協会のイベントで講演した米空軍戦闘コマンド司令官(ACC)Mike Holmes大将は、7月3日の週に連続して発生した民間小型無人機の空軍基地への侵入と空軍戦闘機との異常接近事案への強い懸念を示し、米軍に危険な民間無人機の撃墜や無効化権限を与えるべきだと訴えました

現時点では、細部は非公開ながら、米軍の核兵器関連施設に対する民間ドローン接近には、軍の施設管理者にある程度の対処権限が認められているようですが、その他の軍施設については「許可なく5nm以内に近づくべからず」との米連邦航空局FAA規則が存在するだけで、違反したドローンへの対処権限は不明確なようです

このような問題は、民間セスナなど小型有人機への対処規定を、そのまま小型ドローンにも適応していることから生じていますが、セスナ機などは比較的追跡や操縦者の特定が容易ですが、小型ドローンの場合は困難であり、小型ドローンによる基地攻撃の恐れも決して杞憂ではありません

Mike Holmes戦闘コマンド司令官の訴え
Holmes-AFA.jpg7月3日の週のある日、2件の事案が連続して発生した。一つは基地の警備員が基地ゲート上空を飛行する無人機を発見し、同機が航空機待機エリア上空をしばらくの間飛行した後、ほぼ同じルートを戻って基地外に飛び去った事案である。この様な無人機に対し、私は何ら対応することができない
●もう一つは、同じ日に、無人機がF-22に接近し、あわや衝突寸前にまで至った事案である。この事案においても、ACC司令官には、ほとんど対処権限が与えられていない

軍司令官に何ら権限が与えられていない背景には、民間ドローンが小型有人機と同様の扱いを受けていることがある
●しかし小型有人機が規則を犯して軍基地上空を飛行したなら、容易に追跡され、FAAから免許をはく奪される等の処罰を受けるが、小型ドローンの操作者を特定することは極めて難しい

small drones.jpg想像してほしい。誰かが小型兵器を搭載した数百機の無人機を操作し、F-22エンジンの空気取り入れ口に向け飛行させることをこのような攻撃に対処できる権限が必要なのだ
●本件に関し米空軍報道官は、軍隊は自己防衛の権限を有しており、この考え方は小型無人機にも適応されるべきで、一般国民が無人機を安全に活用する権限を害することなく、米空軍は対処オプションを拡充する法的解釈拡大を追及している、とコメントしている

核兵器施設には特別規定が
昨年9月、米空軍の核兵器を管理するGSC司令官Robin Rand大将が核兵器施設への無人機接近の問題を訴えたことを受け、同関連施設に関しては軍司令官に対処の法的措置がなされた模様
●具体的にどの程度の権限が許可されたのかは明らかになっていないが、今年4月にJohn Hyten米戦略コマンド司令官は議会で、ICBM発射施設や戦略原潜基地周辺などを飛行するドローンへの対処規定を定めたと証言している

●米空軍ACCは、核施設を対象とした規定の適用範囲拡大を米空軍司令部に要請する予定で、現在FAAなど関係機関と協議を行っていると司令同官は説明した
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他のメディアによれば、ACC司令官はいきなり撃墜したいと主張しているわけではなく、例えばドローン操作電波を妨害して強制着陸させたり、捕獲して調査したりと段階的な対処も考えているようです。

small drones3.jpg自衛隊は大丈夫なんでしょうか? 民間飛行場なんかも安心できないと思います。・・・でも、首相官邸の屋上に小型ドローンが着陸しても、緩やかな法律ができる程度ですから、人命にかかわるような事案が発生しない限り、次のステップは難しいのかもしれませんねぇ・・・

自分は関係ないや・・と考えているまんぐーすのような人間が、危ないのかもしれませんね

無人機対処装備の関連記事
「米空軍がイスラエル製を17億で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-28
「DroneDefenderをご紹介」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-30
「IS無人機で初の犠牲者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-15-1

「無人機の群れ:艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10

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ACC司令官:規模が大き過ぎ小さくなっている [米空軍]

Holmes-AFA.jpg11日、米空軍戦闘コマンド(ACC)司令官のHolmes大将が米空軍協会のイベントで講演し、現在の米空軍は予算規模に比して航空戦力の規模が大きすぎ、かえって即応態勢を維持できない飛行隊を生んでおり、また新規装備品調達に長期間要して購入コストを引き上げる結果になっていると訴えました

そしてこの様な現状を打破するため、強制削減の恐れを除去して「(長期計画が可能となる)予測可能な予算」体制と、旧式の第4世代作戦機の早期退役を要望すると語りました

同司令官はまた、同コマンドの航空機の平均年齢が「29歳」(空軍全体では27歳)と急速に高齢化が進んでいることに危機感を訴え、上記の施策により少しでも機種更新や装備近代化を早期に進める必要性も訴えています

12日付米空軍協会web記事によれば同司令官は
F-15C.jpg●具体的には2つ要望事項がある。将来の見通し立つ予算環境を整え、長期的計画に基づく予算編成をさせて欲しい事が一つ。もう一つは与えられた予算規模に応じた適切な規模の空軍にする柔軟性を与えて欲しいということだ

●現状では、2~3年で完了しなければならない装備調達を、予算不足から10年かけて行う事で、時代遅れの装備を高いコストで導入することになっている。とても最善の道とは言えない
●また、空軍戦闘コマンドは成長しなければならないが、予算が不足して出来ていない。旧式の第4世代航空機を早期退役させ、維持整備に費やしている予算の有効活用を考えるべきだ。現在は、予算規模に比して規模が大きすぎ、即応態勢を維持できない飛行隊が存在している。

A-10 4.jpg●現在ACC隷下には55個の飛行隊があるが、僅か32個飛行隊のみが正規空軍で、残りは予備役の状態にある。あまりにも規模が小さく、前線地域コマンド司令官の要望に応えられない
与えられた予算で維持するには規模が大きすぎるのであり、旧式の装備を何時どうするかについて検討している

●近い将来を見据え、具体的にはA-10攻撃機、F-16 Block 30戦闘爆撃機、F-15C制空戦闘機を候補機首として早期退役を検討している
●聴衆の皆さんは既に察しておられるかも知れないが、私としてはF-15Cの早期退役が良い選択だと考える。同機の機体年齢や維持運用経費、また大規模改修しなければ10年程度しか今後使用できない事を考慮しての考えである

年間200機購入していた時期もあった
ACC所属航空機の平均年齢が「29歳」(空軍全体では27歳)である事を踏まえれば、新しい航空機の導入も必要だ。
1991年には米空軍全体で1年に500機も購入していたが、今は年間100機程度に落ちている。ACCで見れば、1991年に200機購入していたモノが、今は平均20機だ。

T-X trainer3.jpg●米空軍は軽攻撃機(light attack airplane)の導入を前向きに検討している。「24 PAA(Primary Aircraft Available)飛行隊」を考えている
●この夏に予定する候補機のデモ飛行や試験で性能が確認できれば、道半ばの対テロ戦など備え、パイロット養成にも有効だろうし、対地支援や緊急事態支援任務をF-35やF-16より低コストで遂行できる

F-35調達ペースも上げて
2018年度予算案で米空軍は46機のF-35を要求しているが、年間調達機数を60機にまで引き上げたい。財政的にも不可能ではない数字だ。理想の世界(best-case world)なら年間80-100機購入だ
●更にACC保有機体の高齢化が進んでいることを踏まえれば、戦闘機(F-35?)を年間150機、無人機を20-25機欲しい。米空軍には、戦闘機でなくF-35のような「weapon system」が重要である
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HOLMES4.JPGA-10退役を議会に潰され、次の手はF-15C退役しかないとの悲痛な叫びでしょう。繰り返し言いますが、日本のF-15Jの維持と直結する話だと思いますので、注意致しましょう

ところで、軽攻撃機の規模に関する「24 PAA飛行隊」との表現が、何機程度の導入を意味するのかよく分からないのですが、数百機のイメージかも知れません。どなたかご存じですか?

ところで、米空軍関係者は作戦機の話ばかりしますが、彼らから「クロスドメイン」とか「マルチドメイン」との言葉を聞いたことがありません

米空軍関係者が口にしないかぎり、航空自衛隊関係者が口にすることはないのでしょう? でも日本の軍事環境は、基本的に外に出て戦う外征軍たる米空軍とは異なるはずです。だから日本では、当然「クロスドメイン」とか「マルチドメイン」の視点で議論されるべきだと思いますが・・・

Holmes司令官の発言
「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22
「ACCの新たな取り組み」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-15-1
「Holmes司令官の経歴など」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-12

米空軍F-15の関連記事
「米空軍がF-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「衝撃:制空用F-15全廃検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23
「現実的で低価格なF-15能力向上案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15

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データ共有や融合を支えるBACNとは [米空軍]

BACN2.jpg6日付Defense-Techは、中東の「とある国」に所在する非公開の米空軍戦力展開基地を訪問して取材し、対ISIS作戦を支える最前線で、RQ-4グローバルホークの一種が情報ネットワークのハブ(BACN)として極めて重要な役割を果たしている様子を報じています

朝食に卵と共に供されるベーコンと同じ発音のBACNは、「Battlefield Airborne Communication Node」の略で、RQ-4のBlock 20に通信中継機材を搭載した形態の「E-Q4」が、この役割をイラクやシリア上空でほぼ常時継続的に行っている模様です

BACN.jpgアフガンでは同様の任務を、 ビジネスジェットのE-11A Bombardierに機材を搭載して使用している模様で、対ISIS作戦同様に、欠かせない役割を担っているようです。
作戦運用にかかわることで詳細な記述はありませんが、「低高度を飛行する通信衛星のようなもの」と表現されるBACN機の様子をご紹介します

6日付Defense-Tech記事によれば
RQ-4 Misawa.jpg●BACN機材は、各種データを敵脅威が厳しい空域で作戦する操縦者たちに放送方式で提供することにより、「見通し線外:beyond-line-of-sight」での活動時に状況把握を向上させる意味で、操縦者たちの命綱となっている
●同基地に展開する第380展開航空団の司令官Charles Corcoran准将は、「BACN機材を搭載したグローバルホークが24時間体制でシリア上空に在空しており、我々の作戦を支えている」と語った

●BACNはNorthrop Grumman製で、(遠距離や見通し線外の)データリンク間の通信のギャップを埋める役割を果たし、同准将はこれを「低高度通信中継衛星」とか「個人用携帯電話通信中継タワー」と解説してくれた
●同戦域にはRQ-4・Block 20 にBACNを搭載したE-Q4が2~3機配属されており、データリンクの中継のほか「UHFやVHF無線通信の通信距離の延伸」を担っていると同准将は説明した

BACN3.jpg●Block 20にBACN機材を搭載したRQ-4は引っ張りだこで、米空軍は5月にBACN搭載グローバルホークE-Q4Bを追加発注する契約を約40億円で結んだところで、2018年5月には完成する模様である

●なお、RQ-4のBlock 30は、光電センサー、赤外線センサー、SAR(レーダー)、SIGINTセンサーを搭載し、 Block 40はSARとAESAレーダーを搭載し、対処に余裕のない移動目標情報を収集する。
●またRQ-4は2014年に、連続無給油で34.3時間の連続飛行記録を更新している
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敵の攻撃兵器の射程が伸び、我の航空アセットにより長い航続性能と兵器搭載量が求められる将来、更に衛星の脆弱性が叫ばれる今、BACNのような「プロが求める装備」がクローズアップされるのでしょう。

RQ-4 1.jpg日本もグローバルホークを「たらいまわし」にしていないで、こんな使用法も検討してはいかがですか?
 
でもだめか・・・そんな将来の作戦構想より、戦闘機数と飛行隊数をいかに死守するか、そのために如何に戦闘機数と飛行隊数の増加を、次期中期防で打ち出すかで頭がいっぱいでしょうから・・・

追伸・・・東京新聞半田記者の論考http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-22)を紹介した際、「半田はBlock 30とBlock 40の機能役割が異なることを理解していない」とのご指摘がありましたので、上記で捕捉させていただきました

RQ-4グローバルホーク関連
「日本導入RQ-4の悲劇」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-22
「U-2偵察機は引退せず:RQ-4と共存へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-25
「RQ-4操縦者の7割が下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13-1

「RQ-4やMQ-9の将来方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-06

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次世代制空機PCAの検討状況 [米空軍]

検討結果は2018年に発表(publish)する
全体のステルス性は求めないかも
弾道&巡航ミサイル探知用センサーも!?

Grynkewich2.jpg10日、米空軍協会主催のイベントが開催され、米空軍の次期制空アセットPCAを検討するチームECCTのリーダーや主要メンバーがパネル討議を行い、その検討コンセプトを語りました。

昨年6月にチームECCT(Enterprise Capability Collaboration Team)は、PCA(penetrating counter air)の前提となる「Air Superiority 2030」とのレポートを発表し、空中戦を中心とした航空優勢のイメージを否定し、戦闘機(Fighter)との用語の使用を禁じ、ネットワークを重視し、航続距離や搭載量を速度や旋回性能より重んじる方向を打ち出していたところです

その後その考え方をチームリーダーAlexus Grynkewich准将が講演する様子をご紹介しましたが、その後フォローしていませんでしたので、久々に同検討の状況をご紹介致します

11日付Defense-Tech記事によれば
ECCT.jpg●Grynkewich准将のほか、ECCTでコンセプト開発担当のTom Coglitore大佐、そして分析担当のJeff Saling氏が登壇してパネル討議を行った。本チームECCTは来年にPCAの要求性能に関する提言をまとめて発表することを求められている。
●現在は様々な角度から、種々の要求性能のトレードオフや最新技術動向と活用可能性について検討しているが、F-22やF-35戦闘機より航続距離が長く、爆撃機のように特定任務に特化したモノでは無く、ステルスコーティングは航空機全体に要求しない可能性があると彼らは言及した

●Grynkewich准将は「ハイエンド脅威環境下で突破型の攻勢及び防御が可能な次世代アセットに求められる能力を議論している」、「検討を進める中で、我々は戦闘機(Fighter)との用語が不適当だと考え使用を禁じた」と語った
●検討では、ますます厳しさを増し予想困難な厳しい脅威環境に備え、最新第5世代機の不足能力を見極める事から始まっている

●同准将は「もはや航空戦は空中戦だけで語れるモノではない。ネットワークを構成提供するPCAは、航続距離、在空能力、生存性、破壊力等の観点で必要な特性が検討される」と語り、
●Coglitore大佐は「有人か無人か、航続距離、搭載兵器などなどをどうするかについて、分析を行っており、来年検討結果をまとめることになっている」と語った

ステルス性、レーザー、兵器について
AS-2030.jpg●例として同准将は、「米空軍はしばらくの間、ステルス機であれば大丈夫だと他の要素をあまり考えてこず、ステルス性が高ければ高いほど良いと考えてきた。(しかし全体でのトレードオフを考慮し、)生存性を検討するとき、各要素を比較して、電子戦能力や速度との関連も含めて議論することが可能だ」と表現して検討事項を説明した
●そして「ステルス性は当然考慮する(price of entry)が、速度など他の特性を活用した脅威対処も含めて総合的に効果を検討する」と説明した

●更に同准将は、「私にとってはセンサーがより重要だ。例えば、弾道ミサイルや巡航ミサイルを探知する長射程センサーは、PCA自身だけでなく他アセットからのスタンドオフ兵器にも情報を提供できる」と語った
●またレーザーなどエネルギー兵器も当然検討の選択肢に入っているとECCTメンバーは一様に語り、その急速な技術進歩に注目していると語った

一方でレーザーについてJeff Saling氏は、期待は極めて高いが、航空機に搭載するにはまだ多くの課題が残されている。防御か攻撃か、いずれに使用するかにもよるが・・・と語った
●Coglitore大佐は、レーザーに対する公式な要求はないと言及し、A2AD環境での生存性向上に寄与できるかにかかっていると語り、「他の要素と比較しながら見て居る」と表現した

●Grynkewich准将はまた、「兵器や弾薬も進化早く、脅威の変化に応じ、兵器の進化にも追随可能である必要がある」との論点も提示した
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ECCT2.jpg「もはや航空戦は空中戦だけで語れるモノではない」(Air combat is not all about fighter aircraft dogfighting anymore)との言葉を、日本の戦闘機命派に捧げます

また、ステルスコーティングは航空機全体に要求しない可能性、ステルス性と他要素とのトレードオフ、弾道ミサイル探知用の(航空機搭載)遠距離センサーなどの言葉も、戦闘機数と戦闘機飛行隊数維持しか眼中にない(これを聖域化することも同罪)に凝り固まった者達に供します

A-10など破棄したい旧式装備を議会の反対で破棄できず、航空戦力全体の練度向上や近代化が進まない米空軍ですが、せめて卓上の研究だけは理想を追求して頂きたいものです

米空軍の次期制空機PCA検討
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「F-35にアムラーム追加搭載検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-28

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空軍士官学校の性犯罪対処室が捜査対象に [米空軍]

世界の空軍の代表格である米空軍が壊れていく・・・
米空軍士官学校で再び犯罪関連スキャンダル

Johnson.jpg3日付Military.comは米空軍士官学校の地元紙「The Gazette」を引用し、同士官学校に2003年から設置されている「性犯罪防止&対処室」が、性的犯罪被害者のケアに関し士官学校長である女性中将の信頼を失ったとして「1ヶ月以上に亘り捜査対象」となっており、新入生受け入れの重要時期だが「機能を停止」していると報じています

正式には「Sexual Assault Prevention and Response Office」と呼ばれる「性犯罪防止&対処室」は、同士官学校で性犯罪が大きなスキャンダルとなった2003年に設置され、士官候補生の性犯罪防止する広範な対策や教育を担当し、併せて士官候補生である性犯罪被害者のカウンセリングやサポートを行う部署で、4名のフルタイム職員を含む6名で構成される「室」です

仮にも国軍の士官を養成する士官学校に、「性犯罪防止」やら、防止教育やら、被害者カウンセリングやらを担当する6名モノ専従職員が配置されている事が信じられない事かも知れませんが、国防省調査によれば、空軍士官学校は3軍の士官学校の中で性犯罪認知件数が継続してトップで、昨年6月までの1年間で32件、陸軍が26件、海軍が28件となっています

Johnson2.jpgまた同調査によれば、空軍士官学校の女性士官の10%以上が「不愉快な接触」を訴えているなど、不名誉な状態が続いています

この性的犯罪や性的襲撃(Sexual Assault)は少なからず米軍全体で大きな問題となっていますが、特に米空軍内部で深刻で、米空軍から統合参謀本部議長が生まれなかったり、パイロット支配が組織を停滞させていると国防省や議会に不信感が募り、パイロット以外の大将や主要コマンド司令官、更には空軍参謀総長にも非パイロットを求める声が高まっていると軍事メディアが報じることも増えました

また米空軍は米空軍士官学校のトップに、4年前から女性のMichelle Johnson中将(輸送機パイロット)を配置し、特に性的犯罪防止に力を入れてきたところですが、同中将が8月の退役する直前の段階になって、この様な性的犯罪対策の根幹を揺るがす事案が発覚する始末です

空軍士官学校「性犯罪防止&対処室」の業務停止
Johnson3.jpg●米空軍士官学校のAllen Herritage報道官(中佐)は、非公開の「問題」により、士官学校長が同室の捜査を命じ、現在も1ヶ月以上におよぶ捜査が継続中だが、同室の4名が職務停止になっている
●士官学校長のJohnson校長や関係者は、同士官学校を性的犯罪防止や対処における米大学の見本とすべくその取り組みをアピールしてきたところであるが、そのアピールの根幹が揺らいでいる

●同報道官は「数十名から聞き取りを行い、その内容を精査して事実関係を調査中でアリ、またプライバシーに関わることも多く、捜査の状況についてコメントできない」とメールで回答している
●また同報道官は「複数の同室勤務者が既に業務を離れている」と認めた

匿名の関係者は、「性犯罪防止&対処室」は兼ねてから士官学校職員から不満の的となっており、空軍監察官室に対して調査を求める訴えが出されたり、議会調査室による外部査察を求める要望が出されたりしていたと語った
●また同関係者は、Johnson中将が士官学校主要幹部に対し、「性犯罪防止&対処室」は性犯罪被害者のケアに関する信頼を失ったと語っていたと明らかにし、彼自身も「同室は不安定でコントロールされていなかった」と表現した。

Johnson4.jpg●同士官学校は7月6日に新たな入学者を迎え、新入生トレーニングを開始する教育上非常な重要なタイミングに当たっているが、その教育の柱の一つである性犯罪防止と対処教育は第1週に時間が割り当てられる主要科目である
●同報道官は、士官学校には職務停止となった職員を代替する人材がいると説明し、同犯罪防止と対処は多様な組織が協力して実施するもので、組織的に対応するので問題ないとしている

●Johnson校長は8月に退役することとなっており問題職員の最終処分や扱いについては次の士官学校トップとなるJay Silveria中将に委ねられることになろう
問題の職員は性的犯罪を扱う資格を剥奪され、無期限停職(indefinite leave)になっている
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Silveria2.jpg問題の「性犯罪防止&対処室」の4名が何をやったのか全く不明ですが、普通なら現校長が退役するまでに処分し、一応片を付けてから次の校長に申し送ると思いますが、それだけ根が深い深刻な問題だと言う事でしょう。

同校では数年前に性的犯罪や麻薬使用問題に対処するために士官候補生の中に数十人の「内通者:informant」を指定し、米空軍特別捜査局OSIがそれら内通者からの情報を元に犯罪を摘発する体制を構築していたことが明るみになり、関連トラブルから内通者の一人が卒業1ヶ月前に退校処分となり、当該元士官候補生がマスコミに出て不当な処分に抗議する事案があったところです

「空軍士官学校の内通者が反旗」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-10-1

米空軍の状況をそのまま世界の空軍や日本に当てはめるのも「論理の飛躍」かも知れませんが、戦闘機や爆撃機が中心アセットで、その操縦者が空軍を支配してきた経緯がある中、脅威の変化を受け戦闘機や有人機の重要性が変化し、操縦者による組織支配が無理を生み、組織秩序が混乱&崩壊に向かう「兆し」を見せているというのがまんぐーすの仮説です。

米軍と性犯罪(Sexual Assault)問題
「性犯罪は依然高水準」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-06-1
「暴力削減にNGO導入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-05

「国防長官が対策会見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-19
「指揮官を集め対策会議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-04
「海軍トップも苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-20

「女性5人に一人が被害」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-10
「空軍内で既に今年600件」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-19-1
「米軍内レイプ問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-19

問題や負の話題が多い空軍士官学校
「空軍士官学校の内通者が反旗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-10-1
「オバマが議会批判」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-03
「ライス補佐官が政治的スピーチ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-19

米空軍トップが衝撃の新年メッセージ
戦闘機操縦者支配への反発が顕在化
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-04

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無人機の管理体制を根本的に再考せよ! [米空軍]

Deptula UAV.jpg6月27日、米空軍協会ミッチェル研究所のDavid Deptula研究本部長が、28日公表予定の「Consolidating the Revolution: Optimizing the Potential of Remotely Piloted Aircraft」とのレポート説明会を行い、急速に導入が進んでいる無人機の技術開発・調達・管理体制を抜本的に見直すべきと主張しています

2004年に僅か5個哨戒点だった無人機が、2017年には90個に急増するが、今後もその傾向は加速して更に無人機への依存度が高まると予想されるが、911事案以降の急速な普及は「国防省や各軍種内でバラバラに:disorganized」行われているとの危機感を訴えるものです

RQ-4 block 30.jpgそして同レポートは、無人機管理体制の制度的変革(institutional changes)と技術開発面での新たな取り組みを焦点として提言し、制度的変革を最も困難なものと分析しているようです
米空軍協会web記事が、同レポートの主要提言をまとめていますので、その概要をご紹介します

国防省は調達を円滑化するため
●無人機操作員と機体に共通の基準を設けよ
●個々の無人機部品を一般市場から容易に調達&搭載できる方式にせよ
●映像分析やデータ管理に伝統的軍需企業でない企業も呼び込め
他国が容易に無人機を購入できるようにせよ

国防省は無人機の技術的課題に対処するため
MQ-9-2.jpgオープンアーキテクチャー調達の仕組みを整えよ
作戦情報クラウドに無人機通信も取り込め
●無人機離着陸からISR分析まで多様分野で自動化を進めよ
●無人機搭載兵器をモジュール化せよ

無人機管理の組織制度を変革せよ
中高高度ステルス無人機を調整する国防省組織を設けよ
●同タイプ無人機を統合JFACCの下で作戦運用せよ
米本土に所在する無人機を訓練や支援任務に活用せよ
●無人機関連の用語や関連特権的組織やポストを再整理せよ
例えば、無人機の分類は得られる情報や効果でなされるべきで、同時に何機を操作できるかでなされるべきではない)
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全ての装備品に叫ばれている「オープンアーキテクチャー」や「モジュール化」や「伝統的軍需企業でない企業も呼び込め」が提言に含まれていますが、「共通基準を設けよ」や「データ分析洗練」は無人機が急激に導入されてきたことによる課題です

Deptula AFA.jpg「中高高度ステルス無人機を調整する国防省組織」は専門的な領域で、「統合JFACCの下で作戦運用せよ」も理解できなくはないですが、本当に言いたかったのは「用語や関連特権的組織(nomenclature)を再整理せよ」で、一番力が入っているように感じました

50ページを超えるどっしりしたレポートですので、無人機を取り巻く多様な課題を理解するにはよい資料でしょう。ご関心のある方はどうぞ!

ミッチェル研究所のwebサイト
http://www.mitchellaerospacepower.org/  

当該レポート(2.3MB) http://docs.wixstatic.com/ugd/a2dd91_ae7c550479d74d178d24c49ed7759677.pdf

いろいろな無人機の話題
「検査院が操縦者養成を批判」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-14
「空軍の無人機操縦者処遇を非難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-16

「米軍士官学校が無人機群れ対決」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-26
「国防省:空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1
「無人艇の群れで港湾防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19
「無人機の群れ:艦艇攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10

「海兵隊が援護・攻撃・偵察・電子戦機を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-24
「Ternの開発契約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-30
「初の空母艦載無人機は?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-15
「MQ-25のステルス性は後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27 

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液体アンテナ:多様な周波数を一つのアンテナで [米空軍]

liquid antenna4.jpg6月13日付Defense-Techが、米空軍研究所が取り組む航空機搭載用の「液体金属アンテナ:liquid antenna」研究を紹介しています。

皆さんご存知のように、航空機には使用する様々な周波数の電磁波を発信&受信できるように、多数の様々なアンテナが取り付けられています。平均8~9個搭載されているそうです。
小さな突起物のようなアンテナだったり、機体に沿って埋め込まれていたり、機体表面にアンテナパネルを埋め込んだり・・・様々な形態で、様々な周波数に対応するアンテナが必要です

liquid antenna.jpgしかしこのように多様なアンテナは、全てが常に使用されるわけではなく、ある任務に必要ないアンテナも「余分な重量物」として常に航空機と共に移動します。

このような問題認識を持ち、液体金属をアンテナに活用することで、一つのアンテナで複数の周波数に対応できるアンテナを作ろうとする研究が始まっており、7~10年後の実用化を目指し研究が続いています

液体金属アンテナ:liquid antenna研究
liquid antenna3.jpg●国防省で行われた国防省研究機関展示会でMilitary.comは、液体アンテナを研究するChris Tabor氏にインタビューを行った。
●同氏によれば、液体金属を利用した多様な周波数に適応可能なアンテナには2つのタイプがある。チューブや管に液体金属を注入し、その量で対応周波数を変える方式と、曲げたり伸ばしたりできる柔軟な素材に液体金属を入れ込み、素材を曲げ伸ばしすることで多様な周波数に対応する方式である

チューブや管に液体金属を注入する方式では、液体金属がチューブ等の中で占める長さにより、アンテナの長さを変える効果を生み出す
●「NextFlex」に代表される曲げ伸ばしできる素材の研究は、2015年に国防省が企業や研究機関162団体と結成した「Manufacturing Innovation Institute for Flexible Hybrid Electronics」や、「FlexTech Alliance」が取り組む技術を利用する

液体金属と言えば常温で液体状態を保つ「水銀」が頭に浮かぶが、担当の少尉は水銀を使用しないと語り、電子機器よく使用される摂氏30度で液化する「ガリウム:gallium」の活用に言及した
liquid antenna2.jpg●そして同少尉は「イリジウムとの合金にすることで、液化温度をマイナス30度程度に下げることができ、多様な環境で使用できる」と語っていた

●Tabor氏は、「70メガHz~7ギガHzの範囲の広帯域周波数に対応する範囲を試験で取り組んでいる」と説明している
●現在はまだ実験室内での試験レベルだが、次のステップとして無人偵察攻撃機MQ-9などの航空機に液体アンテナを搭載して確認を狙っている。Tabor氏らは、7~10年後には実用化できるだろうと語ってくれた
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その他に同記事は、MQ-9無人攻撃機にデータリンクLink-16のニーズが高まっており、搭載容量に余裕のない同無人機のアンテナをどうするかが課題だが、自動制御装置のカバーに「printed antenna」を組み込む検討も紹介しています

MQ-9 5.jpgまだプロトタイプ作成段階らしいですが、2か月ほどでMQ-9用の「printed antenna」が組み込まれたカバーが出来上がるようです

軍用だけでなく、民生分野での活用範囲も広いでしょうから今後が楽しみな技術です。期待いたしましょう!

最近の興味深い技術
「F-35Cの着陸精度が素晴らしい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-22
「FA-18の着艦精度も改善」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-09
「SpaceXがロケット回収に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-02

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米会計検査院が不明瞭な操縦者養成&訓練を非難 [米空軍]

GAO-report.jpg13日、米会計検査院(GAO)が米国防省の課題と対処状況を評価した84ページの報告書Actions Needed to Address Five Key Mission Challenges」を発表し、2006年以来、会計検査院が指摘してきた3000個の要改善事項への取り組みを評価しています。

GAOが指摘した「5つの主要課題」は、「即応態勢」「サイバー脅威対処」「高騰する兵器価格と医療費」「人的資源の管理」「業務効率性の改善」の5つで、これら課題に過去約10年間で約3000個の指摘をしたが、約1000個の指摘が放置されており、中でも優先度の高い78個の指摘放置を問題視しています。

指摘事項の放置について報告書は、「継続的な指揮官の関与が欠如」や「役に立たない(inefficient)戦略計画」など4つの原因を挙げ、特に「役に立たない戦略計画」では米空軍がその批判の対象になっているようです

本日はこのGAO報告書を米空軍応援団の立場で紹介している、14日付米空軍協会web記事を取り上げ、GAOによる米空軍関連の主要な2つの指摘と米空軍協会の弁明(米空軍の代理で反論)をご紹介したいと思います

パイロットに必要な飛行時間の件など、防衛省や航空自衛隊内部では誰も恐くて口に出来ない重要課題が、しっかりGAOが取り上げている点に注目したいと思います

14日付米空軍協会web記事によれば
F-15 upgrades.jpg●人材管理に関しGAOは米空軍に対し、戦闘任務に就く搭乗員に必要な年間飛行訓練量を見積もる前提について、包括的な見直しを2012年以来行っていないと指摘している。
●そして必要な飛行訓練量見積もりの前提は、必要な年間飛行時間(航空機の維持整備費や燃料費や減価償却費に直結する数値)、搭乗員の技量判定の基準、訓練における実飛行とシミュレータ訓練の割合などなどに直結することから、GAOは重大な関心を寄せている

●またGAOは報告書で、米空軍はA-10早期退役の影響を減ずるいくつもの対策を行っていると主張するが、A-10が果たしている任務に必要な要素を明らかにしないので、A-10が退役する事によって生じる能力不足を完全に把握できていないと厳しく指摘している
A-10 4.jpg●そして過去にGAOが何度も、A-10早期退役により生じる能力ギャップに関する正確な情報を、A-10退役決定までに提供せよと勧告しているが、(やっと)2018年度予算案で勧告に沿った動きが見え始めていると報告書は表現している

●またGAOは、米空軍は陸軍と共に、無人機操縦者の必要数把握に失敗しており、また無人機操縦者を文民で確保する検討を怠っていると指摘している

●全体としてGAO報告書に新たな指摘事項は無い。報告書は、国防省は重要な主要課題についての取り組みを行い、かなりの成果を収めているが、重要な課題がまだ残されており、国内外共に不確実性を増す時代に於いて、更なる取り組みが欠かせないとまとめている

米空軍協会による反論説明
RQ-4 pilot2.jpg●GAO報告書に対し、先日まで空軍長官代理を務めていたLisa Disbrow女史は、多くの指摘事項や問い掛けについては、現在まとめている国防戦略見直し(defense strategy review)で答えることになろうと述べている
無人機操縦者に関しては米空軍が2015年12月に大規模な態勢見直しを発表し、下士官をRQ-4操縦者に導入することや、無人機操縦者や整備員のキャリア管理や人事管理見直し、更に予備役や州軍兵士の支援を得ること等の施策に取り組んでいる

操縦者不足については米空軍指導部が複数回に亘り民間航空会社幹部と会談して対処策を検討しており、勤務時間を区切って空軍と民間会社の両方で勤務する可能性まで議論の対象としているところだ
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日本の会計検査院も、是非GAOが着目している「必要な飛行訓練量見積もりの前提(the assumptions underlying the annual training requirements for its combat aircrews)」を、精査対象にして頂きたいものです

会計検査院.jpgGAOの説明通り、この前提により必要な年間飛行時間が決まり、飛行時間のかけ算で膨大な経費が発生しますから、突っ込みどころです。
作戦運用の細部に関わる部分ですから、文民の皆さんには突っ込みにくいところですが、パイロット以外には不満が渦巻いていますから、側面からのアプローチが有効かも知れません。

少なくとも米国防省の年次レポート「中国の軍事力」は、中国軍が「短期間の高列度紛争で地域紛争を制する」ための準備(弾道・巡航ミサイル、サイバー・宇宙・電子戦に注力)を進めていると明言しており、空中戦など生起する可能性は大きく低下しているはずです。
どう考えているの? と質問するくらいの国民目線を日本の検査院にも共有して頂きたいものです

また、米軍にも世界の空軍にも無く、航空自衛隊だけが採用している「年間飛行」なる奇妙な制度も突っ込みどころでしょう。
有事になっても実戦で航空機を操縦する事がない(極めて可能性が低い)老齢操縦者に、年間数十時間の飛行訓練を義務づけている制度です。

GAO報告書の現物(1.7MB)
http://www.gao.gov/assets/690/685227.pdf 

会計検査院関連の記事
「再び:GAO対国防省F-35室」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-27
「ALISにはバックアップが無い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-01
「核戦力維持には10年36兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-09
「空軍の無人機操縦者処遇を非難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-16

7日発表:米国防省「中国の軍事力」レポート
https://www.defense.gov/Portals/1/Documents/pubs/2017_China_Military_Power_Report.PDF

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Wilson新空軍長官の議会デビュー戦 [米空軍]

Wilson5.png6日、新しい空軍長官Heather Wilson女史とGoldfein空軍参謀総長が上院軍事委員会で2018年度予算案について説明及び質門対応を行いました。

前日の5日月曜日に米空軍協会朝食会で、軍需産業関係者やメディア等との実質仕事始めとなったWilson長官ですが、空軍士官学校卒で初めての空軍長官として、早速、厳しい米空軍の予算状況やその中での取り組みについてアピールしています

議会での発言ややりとりを中心に、参謀総長の説明と併せて概要をご紹介します

7日付米空軍協会web記事によれば
Wilson.jpg昨年比3%増を要求している2018年度米空軍予算案について、即応態勢を回復する良いスタートにしたいと説明しつつ、本当は更に多くの安定した予算計画が必要だと両名は証言し、空軍参謀総長は「予算の低下を食い止めたに過ぎず、我々が長期的な計画が可能な安定予算へのスタートに過ぎない」と表現した
●特に、F-35やKC-46A等を必要数確保して態勢を戻すには、8年連続でこの様な予算増加が必要だと主張した

●参謀総長は「米空軍は第4世代機を2040年代まで維持する事になるので、本予算案では、第5世代機を購入するだけで無く、第4世代機の近代化も行う必要性を盛り込んでいる」「戦闘機戦力全体を語るとき、どの世代の戦闘機にも継続的な能力向上を図り、相互に有効活用できるようしなければならない」と説明した

●細部の情報が公開されない状態で進んでいる次期爆撃機B-21計画に対し、約2200億円もが要求されている件に上院軍事委員会の批判が集まった
B-21 2.jpg●Wilson空軍長官は「なにを計画し、何を行っているかを議会に適切に報告している」と説明したが、マケイン委員長は「空軍長官、それは正しくない。真実では無い。米国民は2200億円の税金が何にどれだけ必要なのか知らされる必要がある」と空軍の態度を批判した

空軍長官は、議会に知らせるべき情報と、敵に知られるても良い情報にバランスが重要だと反論し説明した
●参謀総長はまた、爆撃機の将来態勢として、B-21爆撃機100機を含め、計165機の爆撃機が必要だと米空軍が判断していると説明した

空軍長官は、KC-46A空中給油機の更なる遅延可能性を示唆した。6日朝の国防省内の会議でKC-46の試験計画のリスクが議論され、その結果を受けて同長官は「公式な情報ではないが、2~3ヶ月の遅れが予期される」と説明した

HH-60G.jpg課題のあるヘリコプター2機種の予算案について同長官は、まずICBM基地の警戒用ヘリ「UH-1」後継機は、製造企業が現在の要求性能を満たすのが難しい状況があり、7月に発出する提案要求書では少し要求値を修正する予定だと説明した
●また予算を約110億円カットした救難救助ヘリ「HH-60G Pave Hawk」について参謀総長は、予算削減の影響を注意深く見守る必要があると説明したが、委員会からは「同ヘリを必要としている軍人にとって失礼は話だ」と批判した


政治任用ポストの人事について
Wilson3.jpg政治任用ポストがなかなか埋まらないことについて空軍長官は、業務が困難になっていると5月に語っていたが、ホワイトハウス内のノミネート手続きななかなか進まないと不満を漏らした
●議員が、人事が進まないのはホワイトハウスで業務が停滞しているからかとの質問に空軍長官は、6ポストの内、4ポストは好ましいとの評価で、2ポストには面談等実施中であると説明したが、ホワイトハウスから議会に正式ノミネートが行われない理由について、「私には判らない」とのみ答えた

5日の米空軍協会朝食会では
●新政権がまとめつつある、様々な戦略見直し(strategy reviews)の結果を待つ必要もあるが、かつてないほど装備が老朽化し、小規模になっている米空軍を立て直すため、最優先のF-35やKC-46AやB-21取得ペースを上げ、深刻な操縦者不足にも早急な対応が必要である

Wilson4.jpg中東地域で進行中の様々な作戦を支えるため、膨大な空中給油や空輸要求に答えて関連部隊は休みなく働いている。そしての遂行にはデリケートで詳細なプランニングが求められている
操縦者の離職を防止するため、米空軍は継続勤務に応じた者に、特別ボーナスや様々な特典を与える制度を検討している
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自分が編制に関わっていない予算案を説明するのは辛いでしょう・・・。しかしそれがお仕事ですから・・・

それにしても、第4世代機を2040年代までとは、なかなかしびれますねぇ・・・・

加えて、政治任用ポストの手続き状況について、ホワイトハウス内の状況が「わからない」発言は困った状態ですねぇ・・・・

空軍長官の関連記事
「Wilson長官のご経歴など」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-24
「空軍長官代理が語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-05

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