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新時代に向け異例人事の米空軍新ACC司令官が就任 [米空軍]

HOLMES4.JPG10日、米空軍最大のコマンドで戦闘機など主要戦力約1300機と10万人を擁する戦闘コマンド(ACC:Air Combat Command )の新しい司令官に、空軍司令部の戦略計画部長だったJames M. Holmes 中将が大将に昇進して就任しました。

このACC司令官は、上記の人員装備のほか、有事に予備役を5万人と航空機700機を動員して指揮する任務もあり、「戦闘機族のボス」の異名を持つポストです(・・・でした)

「・・・でした」とご紹介したのはまんぐーすの勝手な解釈ですが、従来の戦闘機操縦者の最上位者を「上がりポスト」に「すえる」感覚からの離脱を表明するかのような人事だからです

これは前任のカーライル大将が、単に「ボス」としてではなく、人格見識とも優れた人物として、同ポストを2014年10月から3.5年も異例の長期間務めたあたりから序章が始まっていた傾向ですが、Holmes 新司令官の経歴等からも伺えます

推定59歳での大将昇任は遅く、またACC司令官が昇任したての大将が就任するのも異例です。つまり、米空軍の変革期に当たり、「名誉ポスト」のような扱いではなく、真に適任者を就任させたのだと思います

Holmes 新司令官の経歴等
Holmes6.jpg1981年にテネシー大学を卒業(電子工学:防大25期相当)して米空軍に入隊。F-15操縦者としてファイターウェポンコース等を経験し、教官操縦者としても活躍。飛行時間は4000時間で、戦闘飛行時間も500時間を超える
大佐あたりまでの経歴は、海軍大学の上級コースを履修した以外、ほとんど一貫して戦闘機部隊かその運用を司る司令部勤務。海外勤務も、戦闘機操縦者のポストで中尉くらいで嘉手納、中佐くらいでドイツぐらい

大佐の後半くらいから、空軍司令部の作戦立案特別チーム「Checkmateチーフ」を務めた以降、太平洋空軍司令部や空軍司令部で「Strategic Plans, Programs」や「Operations, Plans and Requirements」の仕事が連続し、
●その合間に、アフガン派遣航空団の指揮官、国防省での中東関連補佐官、教育訓練コマンドの副司令官を経験
●ACC司令官の直前は、「Strategic Plans and Requirements」の最上位ポストである米空軍司令部の部長(Deputy Chief of Staff )でした。
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Holmes-ACC3.jpg米空軍は2017年に次期制空機の要求性能を固める方向であり、これには「第3の相殺戦略」の流れで検討されている新たな戦い方や技術導入がカギとなります。

このように変革期にある米軍と米空軍の重要ポストは、変革への意欲と理解がある人物をすえるのがWork副長官やSelva統合参謀本部副議長の姿勢であり、その方向性を具現化したのが今回の人事だと思います

Holmes 新司令官は、過去10年間、米空軍の長期戦略や長期装備品調達計画に一貫して取り組んできた人物で、その合間に部隊指揮官や国防省勤務を挟んだような経歴の持ち主で、米空軍の新たな体制への変革を、現場指揮官として推進する役割を命ぜられたと考えるべきでしょう。
同様の人事は、宇宙コマンド司令官についているレイモンド大将にも見られます

ご年齢からすると勤務期間は長くないのかもしれませんが、その老練老獪なご表情そのままに、組織防衛や職域防衛に走る戦闘機操縦者等を操っていただきたいと思います

Carlisle-FB2.jpgなお、これまでACC司令官だったカーラール大将は同日夜に退任式を行い、5月1日の正式退役日を前に、表舞台から去りました。

太平洋空軍司令官時に日本との関係強化に尽力した功績から、日本が異例の叙勲(旭日大綬章)を授与したカーラーイル将軍に感謝です


Holmes 新司令官の公式経歴
http://www.af.mil/AboutUs/Biographies/Display/tabid/225/Article/1108488/general-james-m-holmes.aspx

新体制への布石関連
「相殺戦略を如何に次期政権に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-04
「統合参謀本部副議長が改革を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-27
「Holmes中将らが候補に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-09

次期制空を考える取り組み
「PCA検討はこの方向で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「2030年検討の結果発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

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米空軍が電波式の無人機撃退システムを17億円で [米空軍]

ELTA drone counter2.jpg2月27日付各種報道によれば、米空軍がイスラエルの軍需産業ELTA社から携行可能(manpads)な無人機撃退システム(counter-unmanned aerial systems)21セットを約17億円で購入することで合意した模様です

21日に国防省が発表したところによれば、この「Man Portable Aerial Defense System kits」とも表現される装備は、イスラエル国内で製造され、米本土内で使用者への必要な訓練が今年7月末までに完了する形で納入されるようです

今後日本でも東京オリンピックに向け、この種の装備への関心が高まると予想されますので、また工事現場で無人機との衝突で初の負傷者が出たとの報道があったタイミングですので、ご紹介しておきます

27日付FlightGlobal電子版によれば
ELTA drone counter.jpg●イスラエルのIAI傘下のELTA社北米支社は、米空軍と同装備21セットについて、約17億円の経費固定契約を結ぶこととなった
昨年ELTA社は、小型無人機の発見・識別・飛行妨害を行う無人機防御システム完成を明らかにし、それが3次元レーダーと光電センサー、更に妨害技術から構成されていると説明していた

低高度低速の小型で発見されにくい無人機を探知するため、索敵半径5~10kmのEL/M-2026シリーズレーダーを使用し、光電センサーを目視識別に活用する装備となっている模様
ELTA製装備は、上記の発見&識別用装備と組み合わせて使用するが、妨害装置だけを独立して使用することも可能で、小型無人機を発進場所に帰投させる機能や、墜落させる機能を有している

27日付米空軍協会web記事によれば
昨年10月に、米軍はISISが使用する爆発物搭載無人機の脅威に直面していると明らかにし、その対処法を検討してきた
「IS無人機で初の犠牲者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-15-1

ELTA drone counter3.jpg●本件に関連し、米空軍の研究開発拠点があるハンスコム空軍基地の報道官は質問に対し、ELTA社との契約を同基地組織が担当し、同時に関連の複数のシステムや技術の開発や試験を行っていると答えた

●同報道官はまた、米空軍は現在のところ、携帯型から地上装甲車両搭載型の「non-kinetic」な無人機対処システムに焦点を当て検討しているが、同時に小型無人機を「kinetic」に撃破するオプションも検討していると語った
●今回購入に合意したELTA社の製品について細部への言及は避けたが、米空軍は来年度末までには小型無人機対処の全体計画をまとめる予定だと明らかにした

モスルで米軍提供の無人機妨害装備が活躍
(3月8日付Defense-Tech)イラク軍の対テロ部隊司令官のAbdul Ghani al-Assadi中将は、「米国から提供された対無人機装備は素晴らしい。ISISは1機も無人機を送り込めなくなった」と語った
●同中将は、ISは小型爆弾や手りゅう弾を無人機に搭載して攻撃しようとしているが、米軍提供の妨害機材で効果的に対処できているとも語った

●先月から始まったモスル奪還作戦では、作戦初日に72機のIS無人機を確認し、2日目には52機をカウントしているが、これまでの約1週間で1機たりとも侵入を許していないと語った
●同作戦の多国籍軍報道官は、イラク軍に提供した装備は「ジャマーだ」としか説明しなかったが、イラク内で確認されているの新装備は「DroneDefender,」である

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ご紹介したELTA社の製品は、製品名も不明で、写真や性能等の関連情報も見当たりません
2015年に初期的な形が仕上がったとの関連報道がありましたが、上記「EL/M-2026シリーズレーダー」を活用との記述があるだけで、写真も当該レーダーの一部が確認できる程度です

DroneDefender.jpg妨害電波発射装置は、人間が携行できる規模ですから、イメージ的には左の写真(DroneDefender→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-30)のようなモノだと推測しますが、ここまで全体像を伏せるのは独自の技術があるからでしょうか?

21セットで17億円ですから、単純計算で1セットが約8100万円です。有効射程や使用電力等が気になりますが、とりあえず、ご参考まで紹介しておきます

もしかしたら、写真のもELTA製かも・・・

「DroneDefenderをご紹介」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-30
「IS無人機で初の犠牲者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-15-1

米軍での無人機の「群れ」研究
「103機の群れ試験に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1
「無人艇の群れで港湾防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19
「国防長官が技術飛躍有りと」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「無人機の群れ:艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10
「海軍研究所の滑空無人機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-04

「AI操作の無人機が有人戦闘機に勝利」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-19
「米空軍が小型無人機20年計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-18
「国防省戦略能力室の主要課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-10

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機種別パイロット数で無人機MQ-9が最多に [米空軍]

米空軍大将:現役中にこうなるとは夢にも思わなかった

Roberson.jpg3日、米空軍協会主催の「AWS17」で記者懇談を行った米空軍の教育訓練コマンド司令官Darryl Roberson中将は無人機MQ-1とMQ-9の操縦者数が他の機首の操縦者数を上回り、機種別パイロット数でトップになると語り、冒頭の言葉で驚きを表現しました

また本件を報じる8日付Military.com記事は、無人機パイロットの養成は下士官を対象に含めることで将来の道筋を開きつつあるが、一方で有人機パイロットの不足が深刻で、今後有人機操縦者の養成を大幅に増加する必要があるが、様々な施策を講じる必要があると報じています

MQ-1プレデターは2018年に運用を停止し、関連任務はMQ-9に引き継がれるので、2018年にはMQ-9操縦者が文句無しに機種別操縦者数トップになると言う事です。
Roberson司令官ならずとも、「へぇ・・・」と驚きの声が上がりそうな米空軍の急激な変化です。ちなみに航空自衛隊には、無人機操縦者は存在しません。ゼロです。

8日付Military.com記事によれば
MQ-9 5.jpg●具体的に、Military.comの入手した2017年度末(同年9月末)時点での機種別の操縦者数見積もり統計によれば、MQ-1とMQ-9操縦者が1000名を超え、次がC-17輸送機の889名、そしてF-16戦闘爆撃機が803名で続いている
●ちなみに米空軍は、武器を搭載しないRQ-4大型無人偵察機の操縦者を下士官にも広げる取り組みを2015年に始め、下士官用の操縦教育課程を立ち上げており、3月7日に能力審査委員会が30名の下士官無人機操縦者を選定し発表したところである

有人機操縦者不足と対策
●一方で7日、米空軍輸送コマンド司令官のCarlton D. Everhart II大将は、有人機操縦者の不足は海空軍及び民間機の全てで深刻だと語っている。
●そして対策として、今後米空軍はパイロット養成数を増やす計画だと説明し、2016年が1108名のところ、2017年は1200名、2018年以降は1400名を1年間で養成する計画だと述べつつも、それでも需要を満たすには不十分だと語った

Everhart.jpg●操縦者養成用T-38練習機の後継機となるT-Xの選定作業を開始しており、今年契約に至る計画だが、米空軍は操縦者養成数増に対応するため、旧式F-16の2個飛行隊を教育訓練コマンドに編入し、F-16操縦者の養成に当てる準備中だとも説明した
●更に戦闘機操縦者だけの数字で言えば、現在の年間235名養成体制から、今年は335名体制に拡大する予定である

●ただし、操縦者を養成するパイロットも不足しており、操縦者養成訓練を行う基地の数を増やし、(教官資格を持ちながら作戦部隊に所属する操縦者も有効に活用し、)操縦者不足に対処する必要があると考えていると同司令官は語った
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米軍の操縦者不足が深刻な一番の原因は、民間パイロットに引き抜かれる操縦者が急増しているからです。
下記の過去記事でボーイングの分析レポートをご紹介していますが、世界中の民間航空分野でパイロットや整備員の需要が急増しており、今後20年間はその傾向が続くとの見通しです。

UAV-cookpit.jpg危険が伴い、家族を残して海外派遣も多い軍隊勤務に比べ、生活設計が容易で給与的にも恵まれた民間機操縦者に人が流出するのを引き留めるのは容易ではありません。
上記記事は米空軍の話ですが、操縦者需要の高まりが世界的な傾向である以上、自衛隊も例外ではないはずです。その実態は承知していませんが・・・

無人機の導入は、そんな中で急務だと思うのですが・・・日本にとっても・・・。

世界的な操縦者不足
「今後20年の操縦者不足は深刻」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29

米空軍の戦闘機パイロット2割不足
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22

米空軍は無人機操縦者にも苦しんだ
「60年ぶり下士官が単独飛行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-10
「RQ-4操縦者の7割が下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13-1
「RQ-4操縦を下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-19
「問題点と処遇改善の方向性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-11

米海軍無人機関連の記事
「誰が海軍無人機を操縦するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-14-1
「映像:MQ-4初飛行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-23
「グアム配備MQ-4トライトンは今」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-05

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空自も真剣になれよ!米空軍F-22の迅速展開検討に思う [米空軍]

本日も相変わらず、抑止効果が疑問な対領空侵犯措置だけ
飛行場被害の対処を語ると、戦闘機の価値が下がるから?

F-22Hawaii2.jpg7日付米空軍協会web記事は、同協会の「Air Warfare Symposium」で講演した太平洋空軍司令官O’Shaughnessy大将の発言を紹介し、米太平洋空軍が有事に根拠基地が被害を受けたり、代替基地に展開する必要が生じた際の対応策として、F-22戦闘機の迅速&簡易展開パッケージを準備する様子を取り上げています

新たに検討されているACE(Agile Combat Employment)は、2013年から導入されている「Rapid Raptor concept」を発展させたモノで、どちらかというと平時の「Show of Force」的な展開をイメージしていた「Rapid Raptor」を、より実戦を意識した形態に発展させようとする取り組みです

しかし思います。米太平洋空軍が、対中国有事で第一列島線上の根拠飛行場や、グアムやハワイの飛行場が被害を受けることを想定し、施設が不十分な飛行場の使用を考えて知恵を絞る中、航空自衛隊は何をやっているのでしょうか?

7日付米空軍協会web記事で「けなげな」米空軍の努力を
(有効性は疑問ですが・・)
O'SHAUGHNESSY2.jpg●2日、フロリダ州で開催された「AWS17」でO’Shaughnessy太平洋空軍司令官は、「Rapid Raptor」コンセプトを発展させた「ACE」コンセプトを検討する機動展開訓練を行ったと聴衆に語った
●「Rapid Raptor」コンセプトは、通常の機動展開より小規模機数で兵站支援パッケージも局限した展開方式を具現化したものであるが、「ACE」コンセプトは、これまで展開先とは想定しなかった施設不十分な場所への展開を可能にするものを目指す

●例えば「ACE」では、どのようにして作戦下の機動を行うか? 指揮統制をどのように行うか? 不便な展開先で航空機が故障した場合の対応をどうするか? 等々への対策を盛り込んだ展開コンセプトをまとめる取り組みを行う
検討の一環として、太平洋空軍は2機のF-22と1機のC-17輸送機による機動展開を行った。アラスカの基地を出発し、豪州の豪空軍Tindal基地を経由し、より小規模な豪空軍Townsville基地に展開を試みた

Townsville基地で我々は、C-17輸送機の翼からF-22への給油を試みた。こうした小規模基地を利用するためには、海軍や陸軍に簡易燃料タンク(ゴム製の膀胱のような簡易タンク)を設営してもらう方法も考えられる
●またF-22操縦者をC-17に載せ、ハワイのヒッカム基地の航空作戦センターと連絡手段を確保する事も試みた。これによりインドアジア太平洋地域のどこからでも、十分な兵站支援がなくとも、厳しい環境下で作戦が可能になる
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米空軍が対ISILや対ロシアで疲弊する中でも、懸命に被害状況下に備えた準備に地道な努力を続けているのに、日本では同様の検討や装備品の導入が全く議論されていません

DF-21D-2.jpgそれもこれも、空自の飛行場が有事初動で大きな被害を受けると語ってしまうと、戦闘機の有効性に疑問符がつき、ただでさえ評判の悪いF-35予算の確保や、意味不明の国産戦闘機開発に暗雲が立ちこめるからです。

更に言えば(これがより比重が大きいかも)、戦闘機への疑問符に伴う戦闘機への投資削減は、パイロット削減や手当の減少につながりかねないからです。これを本末転倒と言わずして、何と呼びましょうか?

だから民間飛行場を活用しての空自戦闘機の訓練や、民間飛行場を有事活用する法的整備に関する政治サイドへの要望に力が入らないのです!!!

だから組織のトップが、極東の軍事バランスに全く関係のない英国空軍と「空中戦の訓練」をやって大喜びしたり、サイバーや宇宙は操縦者以外の誰かがやるんだろうと平然と口に出せるんです。

非パイロットで米シンクタンク研究員である元空将から、「長距離空対地ミサイルを備えたロシアや中国の戦闘爆撃機の配備は、空自の対領空侵犯措置の軍事的効果に根本的な疑問を投げかけている」、更に「より高度な戦闘能力の向上を期すため、これまで任務の中核であった対領空侵犯措置にかかる態勢の抜本的見直しを」と率直で正しい指摘を受けながら、相変わらずスクランブル回数の増加だけで「忙しさ」をアピールしています

Taiwan-China2.jpg過去に、台湾に国防政策を提言する米シンクタンクCSBAのレポートをご紹介した際の、執筆者達の言葉が耳に残っています。

「何よりも重要なのは、根本的に新たな国防戦略の採用を決心することにより、ワシントンと台湾国民に対し、台湾が自国の防衛に強く引き続き関与しているとのシグナルを発信することである」
「RAND:台湾は戦闘機中心を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-07
「慶応神保氏:台湾の劣勢戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25
「CSBA:台湾は弱者の戦法を」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27

提言の内容を踏まえて上記発言を解釈すると、いつまでも脅威の変化から目を背け、台湾国防関係者が最新戦闘機や大型艦艇などの派手な装備ばかりを米国に要求しているようだと、国防に対する真剣さを米国関係者から疑われることになるよ・・・との警告です

航空自衛隊、本日も反省の色無し・・・

「米軍被害復旧部隊を沖縄から追い出した日本」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-28-1

米空軍は中国の攻撃に備え
「テニアンをグアムの代替に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-16-1
「グアム施設強化等の現状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-30-1
「グアムの抗たん性強化策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-30-1
「グアムで大量死傷者訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-08-1
「グアム基地を強固に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12

「米と豪が被害想定演習を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-02
「在沖縄米軍家族の避難訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-21
「嘉手納基地滑走路の強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-09

「Wake島へ避難訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-04-1
「テニアンで作戦準備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-05
「ブルネイの飛行場を確認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-14

沖縄戦闘機部隊の避難訓練
「再度:嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-25
「嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-23-1
「中国脅威:有事は嘉手納から撤退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13

空自OBが対領空侵犯措置の効果を疑問視
「対領侵中心の体制見直しを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1

いつまで戦闘機だけを優先するの???
F-3開発の悲劇と日本への提言http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
F-35の主要課題http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

サイバー関連の記事
「ホワイトハッカー活用が本格化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-16
「米空軍が兵器のサイバー対処室を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-05
「米軍サイバー機関の問題や対策を議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-14
「自ら創造したサイバー空間に苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-20
「サイバー脅威の変化と対処を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-21

「対ISサイバー作戦で大きな教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-23
「日本とイスラエルが覚書へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-21
「成果Hack the Pentagon」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1

「組織の枠を超えた情報共有を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-07
「中国には君らも脆弱だと言っている」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-23

台湾の国防政策を提言
「RAND:台湾は戦闘機中心を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-07
「慶応神保氏:台湾の劣勢戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25
「CSBA:台湾は弱者の戦法を」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27

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無人攻撃機MQ-1は2018年に引退へ [米空軍]

MQ-9 4.jpg2月23日付で米空軍webサイトが、21年間にわたり無人攻撃機として活躍してきたMQ-1を、2018年の早い時期に引退させると発表しました。MQ-1の抜けた穴は、MQ-9が埋めるそうです。

MQ-1は、もともとISR用だった無人機RQ-1を改良し、ターゲティング装備や兵器を搭載して「攻撃機」に仕立てたモノもであることから、MQ-9と比較して兵器等搭載量が1/8程度しかないことが大きな背景で、併せて操作要領や整備手順や部品が異なるMQ-1とMQ-9を、同時に維持する事による要員の訓練や維持整備コストが問題となっているようです

現在米空軍は、MQ-1を150機、MQ-9を93機保有しており、数字から見るとMQ-1の存在が大きいのですが、MQ-9の増産も行っているようでアリ、現場は何とかなるのでしょう

2月23日付米空軍web記事によれば
MQ-9 3.jpg●来年引退すると発表されたMQ-1は21年の運用実績があり、MQ-9は10年程度であるが、速度、高解像度のセンサー、兵器搭載量との能力で優れたMQ-9が、MQ-1に代わってより広範な任務を担うことになる
●また、今回MQ-1運用からMQ-9運用に任務が変わる部隊指揮官は、「単一の機種運用にすることで、要員訓練や兵站支援をシンプルにでき、部隊活動の柔軟性が確保でき、所属兵士のキャリア管理上のチャンスをより与えられるようになる」と効果を説明した

●現場の飛行隊長は、「2018年にMQ-1運用を終了するためには、2017年中にはMQ-1からMQ-9への移行を進めておく必要があり、今年7月1日にはMQ-1の飛行を停止し、MQ-9運用態勢の確立準備を開始し、年末までにはMQ-1だけで任務遂行できる体制を固めたい」と語った
●同飛行隊長は、科学研究の一環として始まったRQ-1運用が、偵察任務専用で前線に派遣され始め、やがてその有用性から目標照準装備や兵器搭載可能に機体改修が行われ、最前線で365日24時間休みなく活動を続けるようになった歴史を振り返りつつ、米空軍の記述進歩を体現した偉大な実例だと表現した

28日付Defense-Tech記事によれば
MQ-9 5.jpgMQ-9は3750ポンドの最大搭載能力を持ち、「AGM-114 Hellfire」「GBU-12 Paveway II」「GBU-38 JDAM」等を組み合わせて搭載可能だが、MQ-1は450ポンド程度しか搭載能力がない。
●現在米空軍は、無人攻撃機のCAP数を60から70個に増加させる方向で取り組んでいるが、追加の10個CAPは、米空軍の監督下で契約業者に委託運用させてまかなうこととなっている。なおCAP追加は、2018年末までに完了する計画だと、28日米空軍報道官は語った

●また米空軍は昨年9月、(無人機操縦者等の勤務環境改善のため)より環境の良い8つの新たな無人機運用基地候補を発表し、更に追加でエグリン、ティンダル、バンデンバーグ、ショー(Shaw)空軍基地の環境調査も行っている
●これらの候補基地はMQ-9航空団を受け入れる候補基地で、併せて無人機の維持整備拠点の候補地でもある。先月米空軍は、ショー基地に無人機操作部隊を配置するとのみ発表したが、まだ最終的な新たな無人機基地全体計画を決定していない
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gatesSTART2.jpg無人偵察機や無人攻撃機の急速な普及を目の当たりにし、MQ-1が20年以上運用されてきた歴史を再確認するとき、有人戦闘機や攻撃機を操縦するパイロットへの影響(削減)を恐れ、職域防衛に走った米空軍幹部達を厳しく非難し、無人機導入を推進したゲーツ国防長官を思い出さずにはおれません

核兵器の扱いを巡る不始末が直接の原因とされましたが、F-22計画継続への固執と無人機導入への頑なな反対姿勢を貫いてゲーツ国防長官と対立した、当時の空軍長官と空軍参謀総長を同時に「更迭」したゲーツ氏の豪腕が、今日の無人機隆盛を呼んだのです

ロバート・ゲーツ語録12
(ゲーツ語録100選より:http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19
私がCIA長官の時、イスラエルが無人機を有効使用することを知った。そこで米空軍と共同出資で無人機の導入を働きかけたが1992年に米空軍は拒否した。しかし私は2008年、今度は国防長官として無人機導入のため牙をむいて4軍と立ち向かった
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07

未だ日本では、ゲーツ長官のような見識ある文民指導者や政治家が現れず、もちろん戦闘機操縦者が支配する世界で自衛隊内部から無人機の積極活用論が生まれるはずもなく無人機放置プレーが続いています。本当に書籍「失敗の本質」が描く、「先の大戦」当時と状況は変わりません

同書が指摘した「失敗の本質」とは
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-12-31
失敗の本質.jpg●旧日本軍は、官僚的組織原理と属人ネットワークで行動し、学習棄却(知識を捨てての学び直し)による自己革新と軍事的合理性の追求が出来なかった
戦略志向は短期決戦型で、戦略オプションは狭くかつ統合性が欠如し、戦略策定の方法論は科学的合理主義というよりも独特の主観的微修正の繰り返しで、雰囲気で決定した作戦には柔軟性はなく、敵の出方等による修正無しだった

●本来合理的であるはずの官僚主義に、人的ネットワークを基盤とする集団主義が混在システムよりも属人的統合が支配的。人情を基本とした独自の官僚主義を昇華
●資源としての技術体系は一点豪華主義で全体のバランス欠如

米空軍は無人機操縦者の離職者急増に苦悩中
「RQ-4操縦者の7割が下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13-1
「RQ-4操縦を下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-19
「問題点と処遇改善の方向性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-11

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米空軍F-35が今年太平洋軍エリアに展開予定 [米空軍]

追記:2月24日、カーライルACC司令官は「春から夏に」と

Carlisle-FB2.jpgカーライル大将が軍事記者団に語りました。米空軍F-35部隊の訓練を、指揮監督する戦闘コマンドACC司令官の発言だけに重みがあります。

Red Flag演習(17-1)でのF-35Aのパフォーマンスは「extremely well」だった
●何処に派遣するかは決定していないが、「短期間の太平洋エリア派遣」か「長期間の欧州派遣」、または逆の組み合わせもあり得る。ただし中東地域への派遣については「それほど遠くない将来」と述べるに止めた
●記者からの「中東でF-22やF-35は過剰戦力ではないか?」との質問に対しては、前線指揮官からのニーズがあれば何処へでも派遣すると対応し、初期運用態勢確立を宣言した機体だと強調した
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Harris Jr.jpg2月16日、下院軍事委員会の戦術部隊小委員会で米空軍の戦略計画副部長Jerry D.Harris Jr.少将が証言し、米空軍F-35部隊を追加で太平洋軍エリアに派遣する計画を立てていると語りました。

同小委員会には、Harris Jr.副部長の他に、国防省F-35計画室長Bogdan中将、米海兵隊航空副司令官Jon Davis中将、米海軍航空作戦部長Dewolfe Miller III少将が列席していることから判断すると、F-35の今後の作戦投入はどうなるんだ・・・的な関心が中心の委員会だったように推測します

これまで米空軍幹部は一貫して、米空軍F-35の初海外展開は、対ロシアを意識して欧州地域になると発言してきましたが、何かしらの「風向きの変化」があるのかも知れません。
断片的に証言を紹介した記事のご紹介でアリ、背景や理由について説明できませんが、とりあえず取り上げます

2月16日付Defense-Tech記事によれば
TSP.jpg●Harris Jr.副部長は、「最初に運用態勢を確立した米空軍F-35部隊が、太平洋コマンド担当エリアに、TSP(Theater Security Package)を含む形態で、追加派遣される予定である」と小委員会で証言した
日本には1月、米海兵隊のF-35B配備が開始され、日本の航空自衛隊もF-35を米国で受領して要員養成のための飛行訓練等を開始している

従来米空軍は、最初のF-35海外派遣を、12機程度で欧州に行う予定だと発信してきた。
●例えば昨年12月にJames前空軍長官はAtlantic Councilで講演し、今年の夏にF-35を欧州に派遣することを示唆しつつ、「例えA2AD環境にあろうとも、その戦域環境を変革するほどの能力を発揮するF-35を地域の同盟国等は期待している」と表現していた

TSP2.jpgトランプ政権誕生で米露「雪解け」の予兆があったが、13日のフリン前大統領補佐官の辞任で、その方向性はぼやけ始めている。
●16日、米空軍の報道官は「Military.com」に対し、F-35の欧州派遣が無くなると決定されたわけでは無く、前空軍長官が述べた夏の欧州展開オプションも同時に検討されていると語った
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TSP展開は太平洋軍エリアでは2004年から開始されており、1個飛行隊の半分程度の規模(10~12機)で実施されることが多いようす。

以前ご紹介した例では「2013年、嘉手納にF-22が12機で約4ヶ月」や、「2015年、ドイツにA-10が10機で約1ヶ月、その後は東欧諸国に移動して活動」があり、半年弱が母機地を離れる期間の標準のようです
TSP3.jpg10日から豪州に12機のF-22が展開していますが、これもTSPの一つかも知れません。

欧州か太平洋軍エリアか・・・。でも太平洋軍エリアと言っても、「アラスカ」も太平洋軍エリアであり、その可能性もかなりあると思います。
引き続きトランプ政権の対露姿勢は重要関心事項ですので、生暖かく進展を見守りたいと思います

米空軍戦力のTSP等ローテーション派遣
「豪州に12機のF-22展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-14
「欧州にもTSP派遣か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-14
「F-22嘉手納派遣はTSP」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-17
「アジア版Checkered Flag」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04

「夏が期限のF-35最終試験開始は1年先でも不可能」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-17

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米軍AWACS将来と随伴電子戦機の早期導入発言 [米空軍]

Carlisle-FB.jpg24日、米空軍戦闘コマンド(ACC)司令官のカーライル大将が軍事記者団に会見を行いAWACSの将来や、21日にも言及していたエスコート型電子戦機の20年ぶり導入に関し言及しています。

いずれの検討も、米空軍全体を見渡して将来構想を考える特設チームECCT(Enterprise Capability Collaboration Team)が、1年間かけて行っている分析考察の結果報告に関係しているようですが、今後もECCTはいろんな所で出てきそうですので、関連する検討対象分野としてご紹介しておきます

それにしても・・・カーライル司令官は、後任者が決まってからも勤務が長いですねぇ・・・。でも最近、将来構想に関して口が滑らかなのは、ユニフォームを脱ぐ日が近いからでしょうか???

AWACSの任務は分散される方向
E-3 2.jpg●米空軍のE-3早期警戒管制機&空中戦闘管理機AWACSには、まだ十分な機体寿命が残されているが、将来のAWACSの任務をどうするかは、現在ECCTが行っている「複数ドメインに渡る指揮統制のあり方検討」の結果により導かれるだろう
●将来方向としては、現在AWACSが担っている戦闘管理任務は、複数の小型のアセットにより「分散して」担当されることになるだろう。しかし空中におけるAWACSの「中心的ノード」としての位置づけは変わらず、有人機と無人機、全てのセンサーやデータ通信を結びつける役割を担い続けるだろう

●ECCTは1年かけて検討を行っているが、「如何に指揮統制を行うか、強靭さを如何に獲得するか、複数ドメインに渡る指揮統制をどうすべきか等について、多くを学ぶことになろう
EC-130に対する空中指揮統制能力の向上施策を行うが、E-3AWACSは2030年台まで運用を続ける予算的制約から現時点でAWACS後継機を具体的に議論できないが、ECCT検討を踏まえロードマップを描きたい

エスコート電子戦機PEAをPCAより早期導入
PCA 20303.jpg●次世代制空機PCA(Penetrating Counter-Air)を改良し、エスコート型(又はスタンドイン型、随伴型)電子戦機としての活用を米空軍が検討しているPEA(Penetrating Electronic Attack)機は、原形のPCAより早期に実戦投入されるだろう
PCAはF-22やF-35の後継として次世代制空機として議論されているアセットだが、PEAはF-22やF-35やB-21次期爆撃機とペアを組み、強固に防空された空域にエスコートして進出し、「自立化又は半自立化」したスタンドイン電子戦機として活躍を期待している

米海軍は(スタンドイン方式とは)異なる電子戦形態を必要としており、統合作戦で共に制空を担う米空軍と海軍は、分担や協力方法を確立する必要がある。
電子戦環境が日増しに厳しさを増している中、PEAもPCAも導入は早ければ早いほど良く、現在想定の導入時期より早めることが望ましい
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何となく、敵の脅威が増す中、従来の役割でのAWACSの出番は減少するが、機体寿命があるので何か新たな任務を担わせよう・・・的な臭いを感じます。
そう言えば、AWACSへの近代化改修や追加投資の話はあまり耳にしませんので、今後閑職に追い込まれるのでしょうか・・・

NCCT4.jpgPEAの重要性が急にクローズアップされてきましたが、どの程度のスケジューリングをイメージした話なのでしょうか? PCAは早くても2020年代後半でしょうし・・・
EA-18Gで空軍を支援してきた米海軍から、急に冷たくされたのでしょうか??? トランプ大統領の軍拡発言で「乗り遅れるな」感が広まったのでしょうか?

いずれにしても、根本にある「米海軍と米空軍の対中国での協力体制如何に?」が依然ボンヤリしている(又は公に語られない)ため、NIFC-CAと米空軍の構想(NCCT)の関係がよく分からないため、個々のアセットの話題から「群盲、象をなでる」状態が続いています。

この辺り、どなたかご存じ???

レッドフラッグでNCCTを本格初使用
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-25
道遠し!?:NIFC-CAの進展状況
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26

PEA関連の記事
「20年ぶりエスコート電子戦機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-20
「道遠し?米海軍NIFC-CAの状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26
「PCA検討はこの方向で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30

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米とカナダが本土防衛巡航ミサイル対処に協力 [米空軍]

Robinson Ottawa.jpg2月16日、お懐かしやロビンソン北米コマンド司令官がカナダのオタワで講演し北極海経由の巡航ミサイルなどマルチドメインな脅威に対処するため、カナダと2国間検討グループを設置し、20年ぶりに早期警戒システムや対処兵器のアップグレード検討を開始していると語りました

かっこいい女性大将であるロビンソン司令官は、前任務が太平洋空軍司令官であり、赤いスポーツカーを颯爽と操る日本の皆さんにはお馴染みの「男っぽい」女性で、つい最近までは米空軍参謀総長の有力候補だった人物です。そして女性として初めて、地域戦闘コマンド司令官に就任した話題の人物です

まだ初期的な検討段階のようですが、「史上初の2国共同による要求性能検討」や、具体的にロシア・北朝鮮・中国・イランの国名を上げて脅威対象国と言及している辺りに、巡航ミサイルの拡散に対する危機感迫る様子が伺えます。

24日付Defense-Tech記事によれば
N Warning System.jpg●現在米国とカナダは、1950年代に最初に設置(当時の名称はDEW:Distant Early Warning)された、アラスカからNewfoundlandに至る範囲をカバーする、47個の多様な覆域のレーダー拠点からなる「North Warning System」を運用している

●2015年に軍事情報メディア「DefenseOne」は、米国防省が低空進入ミサイルの迎撃ネットワークを公にせず検討していると報じ、レーダー施設を増設し、戦闘機や地対空ミサイルや艦対空ミサイルを誘導し、低高度高速目標の撃退を計画していると紹介した
●またその報道には、飛行船型のセンサーJLENSを活用し、地上レーダーが発見しにくい低高度目標探知に活用する構想も描かれていた

●2月16日、ロビンソン大将は「Conference of Defence Associations Institute in Ottawa」の聴衆に対し、具体的脅威について「金正恩は予測不可能で気性が激しい」、「ロシアは依然としてgame changerであり、ロシアの巡航ミサイルは我々がイメージするよりも遠方から到達可能で、彼らは北米大陸に接近することなく、我々を危機におとしいれる
●また「中国やイランも、常に我々の防御の弱点を探り、有形無形の防御態勢を崩壊させようとしている」と語った

カナダと2国間検討グループを
N Warning System2.jpg●これら脅威に対処するため、同司令官は、米国とカナダが「アラスカからカナダ北部に構築されている監視レーダーネットワーク「North Warning System」を更新するため、カナダと2国間検討グループを設置した」と語った
●そして、「史上初めて両国は、北方から米本土北部に接近する全ドメインの脅威を監視するするため、共同で要求性能検討(binational analysis of alternatives)を行う事に合意した」と付け加えた

●ロビンソン司令官は更に、「空や海中から発射される脅威に関する必要情報を入手して警報を発するため、遠方を継続的に監視できる体制を構築し、巡航ミサイルを早期に発見、追尾、識別し、必要なら撃破する能力を向上させる必要がある」と語った
●そして両国が共同で取り組む要求性能検討の結果により、「北米防空司令部が次世代の複数ドメインに渡る警戒監視能力を保有するに適当な技術投資方向を、両国は判断することになる」とロビンソン大将は語った

●更に同司令官は、「装備品に関する検討だけでなく、新たな戦略や作戦コンセプト、また検討に基づく新たな2国間演習の計画や策定にも取り組んでいる」と説明した
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日本も参考にすべき、又は議論に建設的な貢献が出来る可能性がある分野ですので、とりあえずご紹介しておきます。

Ottawa DFS.jpgただ以前ご紹介(http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-03-1)したように、JLENSの事故を受け同計画への再挑戦は期待薄で、これに変わりうる常続的な見通し線外レーダー(OTH:over-the-horizon)を求めている状況のようです。

何か画期的な技術革新があり、可能性があるから検討が本格化したのか、脅威に追い立てられて何か検討せざるを得なくなったのか不明ですが、ロビンソン大将のご健闘を祈念したいと思います!

NORAD関連
「米国首都の防空に航空局FAAレーダーと連携」→http://holyland.blog.so-net.ne.
jp/2017-02-03-1
「カナダがBMD姿勢見直し」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-02

JLENSの概要と試験
「2個目配置」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-20
「1個目設置」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-24

「空自OBが対領空侵犯措置の効果に疑問を」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1

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米空軍が初のNCCT活用をレッドフラッグで [米空軍]

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NCCT4.jpg27日付米空軍協会web記事は、2月10日までの約3週間行われた「Red Flag 17-1」が米空軍が目指すより高度にネットワーク化された次世代の戦いを支えるNCCTを、本格的に活用すると明示した初めての機会になったと報じています

NCCTとは「Network Centric Collaborative Targeting」の略称で、具体的なことは短い記事からは不明ですが、複数の航空機やプラットフォーム、更には地上の作戦センターをより双方向的に結びつけ、目標情報や脅威情報を迅速に共有可能にしたネットワークのようです

このネットワークについては、昨年11月に米空軍参謀総長が「Data to Decision」ネットワークと呼称し、各アセットやセンサーが収集した情報を、迅速に共有して機敏で柔軟な意志決定に結びつけることを狙いとし、単一アセットによる戦いからシステム融合の戦いへの変革を目指すもののようです

またこのネットワーク高度化により、迅速さだけでなく、「重複性と強靱性」を強化してネットワークの一部被害への対処力も向上させる狙いとなっています

27日付米空軍協会web記事によれば
Red Flag 17-1.jpg●米空軍は2月10日に終了した「Red Flag 17-1」で、情報収集とターゲティングの複数の新しい手順を披露し、戦場における新たなネットワークへの転換を前進させた
●ネリス空軍基地を根拠に行われた演習では、NCCTの使用が初めて主要目標に加えられ、NCCT参加者が航空作戦センターと融合(integrated)して演習を行った

●コントローラーはまた、初めて「cooperative geolocation」を使用した。これは2つ以上のセンサーやアセットからのデータを活用し、より迅速に目標位置を得て追尾する「machine-to-machine process」である

●この演習での取り組みは、空軍リーダー達が発信してきた、将来の空での戦いの中核は、個々のシステムの能力ではなくネットワークだとのメッセージへのコミットを示すモノ
●ACCの将来計画課長は「本演習では、搭乗員は自身の航空機だけを考えるのではなく、他機との関係を重視してプランを練った」と訓練の特徴を説明した

昨年11月に空軍参謀総長は
Goldfein1-2.jpg●将来の米空軍は、個々のアセットの能力よりも、ネットワーク化をより重視する。
●どうしたら、敵が今まで直面したことの無いような迅速さで、収集した全ての情報を「意志決定に資するレベル」の情報に分析処理できるかを我々は考え続けている

●また、その情報処理伝達の改革効果を、如何に全ドメインに生かし、作戦運用の敏捷性につなげ、意志決定スピードの向上とあわせ、誰も対応できないレベルにすることで敵の抑止につなげたい
●また統合戦力が共通の作戦システムで連接され、(AIなど)machineを生かし、現状の人間による分析判断から脱却したい

NCCT3.jpg●米空軍は「Data to Decision」との新システムを試験しており、将来の統合戦闘を担うものだ。個々のシステムだけでは戦えず、ネットワークの一員として戦う事になる現実を前に、個々のアセット中心の考え方を越える必要がある
●例えば、F-35は統合戦闘に置いて「クォーターバック」の役割を担い、他アセットやシステムからの情報をリアルタイムで処理して提供し、戦場での意志決定をリードするだろう

●更に究極的には、十分に迅速で多層化され「重複性と強靱性」をネットワークが備えることで、一部が被害を受けても継続運用が可能な態勢を生み出すことになる
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米海軍のNIFC-CAとの関係が気になります
また、ネットワークが持つ電子戦や妨害への脆弱性をどう克服するかが気になります。

Aust-UK.jpg更にこの「Red Flag 17-1」演習には、英空軍タイフーン戦闘機や豪空軍のE-7早期警戒管制機も参加しており、同盟国との相互運用性がどこまで検証されたのかも気になります

日本は、戦闘機飛行隊数と戦闘機機数の維持だけしか考えていませんし、(共同開発国でないことから)F-35能力も購入決定した後に徐々に情報を得たような状況でしょうから、ネットワークに関して実質何もしていない状況でしょう。むなしいですね・・

「道遠し?NIFC-CAの現状は・・・」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26

将来の空を制するために
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「5世代機の訓練は実環境とシム融合で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-24-1
「世代間リンクが鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1

「現実的で低価格なF-15能力向上案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15
「Air Superiority 2030計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

「意味不明な日英戦闘機訓練」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-18

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米空軍にエスコート電子戦機再び!? [米空軍]

EF-111A Raven.jpg21日付米空軍協会web記事が、カーライル米空軍戦闘コマンドACC司令官とのインタビューを紹介し米空軍が約20年ぶりにエスコート型(随伴型)の電子戦機導入を検討していると明らかにしました。

米空軍は、戦闘爆撃機だったFB-111を電子戦機に改良したEF-111を20年前まで運用し、敵地深くまで戦闘機等と共に行動させで電子戦面から援護する役割を担わせていましたが、その後はステルス機や精密誘導兵器によって敵防空網を無効化する手法を重視し、エスコート型電子戦機は保有しませんでした

EF-111引退後、米空軍は必要時に、米海軍のEA-6Bに空軍電子戦幹部を搭乗させてもらってエスコート電子戦を行い、現在も米海軍のEA-18Gに同様の依頼をしています。
EA-6B 2.jpgしかし、EA-6Bが4人乗りであったのに対し、EA-18Gは2人乗りであるため空軍士官を搭乗させることが容易ではなく、また敵の防空網が強化される中で、ステルス性だけで安全を確保する事が難しくなってきていることから、米空軍の動向が注目されてきました

例えば米空軍は、使い捨ての無人デコイMALDの電子戦型MALD-Jを数年前に導入してエスコート型電子戦能力を強化し、各種攻撃機の搭載電子戦機材の強化を進める方向に向かっています。
そんな中、次期制空機(PCA機:Penetrating Counter-Air:第6世代戦闘機だがそう呼称しない)を電子戦型に改良する方向で、エスコート型電子戦機を考えているようです

21日付米空軍協会web記事によれば
●カーライル司令官はAir Force Magazineとのインタビューで、EF-111引退後、約20年ぶりとなるエスコート型電子戦機を再び導入し、米海軍機からその任務を譲り受けることを検討していると語りました

Carlisle-FB3.jpg●同司令官は「PCA機だけでなく、我々には(ステルス機をエスコートも出来る)突破型の電子戦攻撃機(PEA機:Penetrating Electronic Attack)が必要だと思う」と語った
●更に同大将は「PEA機はPCA機の派生型で、PCA機より少し速度の速いモノを考えている」「無人機である可能性もある」「このように考え検討すべき事が多くある」と語った

●そして米海軍電子戦機との関係について触れ、「米海軍は、艦艇群の作戦運用方に沿い、スタンドオフ電子戦に傾きつつあるようだ」と述べ、
EA-18G F-35.jpg●海軍と空軍の関係について、「戦域レベル(theater-level)の航空戦力を担う米空軍には、突破型の(随伴可能な電子戦)アセットが必要でアリ、また私が思うに、米海軍がstandoffに集中し、米空軍が(突破能力のある)stand-inに注力することで、統合でのシナジー効果が期待できる。それにより、海空軍が結びついて最大の電子戦攻撃能力を発揮するのだ」との構想を明らかにした

●現在、米空軍全体が関係するドメインをまたぐ指揮統制機能について「Enterprise Capability Collaboration Team」がレビューしているが、そのレビュー終了後は電子戦に同チームが取り組み、電子攻撃能力の構築計画を見直す
●米空軍はまた、Work国防副長官が立ち上げた統合での戦域電子戦検討にも加わり、国防省全体での整合を図っている
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推測ですが、米海軍が「スタンドオフ電子戦に傾きつつある」のは、EA-18G電子戦攻撃機がFA-18をベースにした機体でステルス性がなく、中国沿岸等の濃密な防空エリア突入に大きなリスクが伴い、かつ、空母群自体がNIFC-CA構想により、より遠方の見通し線外から作戦を遂行する方向にあるからでしょう

背景には、中国軍の対艦弾道ミサイルや各種巡航ミサイルの発達&配備、中国潜水艦の性能アップ等々で、米空母群が第一列島線内に入りにくくなっている事があり、ゆえに「艦艇群の作戦運用方に沿い、スタンドオフ電子戦に傾きつつある」のでしょう。

MQ-25A.jpgまだまだ対中国A2AD作戦の海空軍すり合わせ途上でしょうが、予算厳しき中、電子戦分野で「standoff」と「stand-in」の分担が明確になるのは統合作戦検討の進展の証拠と理解しておきましょう。

でも、米海軍が初の空母艦載無人機を、突破型の攻撃アセットではなく、空中給油と軽攻撃アセットにする事には到底納得がいかず、この方向はWork副長官らに是非修正して頂きたいものです。

海軍と空軍の航空電子戦動向
「ステルス機VS電子戦攻撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「EA-18Gで空軍の電子戦を担う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-08
「空軍用に海軍電子戦機が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-09

「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12
「緊縮耐乏の電子戦部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-29-1
「MALDが作戦可能体制に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-29-1

電子戦で劣勢な米軍の「あせり」
「副長官が国防省として検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-19
「米陸軍電子戦失われた15年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-16
「米軍の電子戦の惨状と取り組み」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-17-1
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02 

将来の空を制するために
「Air Superiority 2030計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「世代間リンクが鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1

空母艦載の無人機について
「呼称CBARSは好きでない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「UCLASSはCBARSへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-02
「UCLASS選定延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1
「米海軍の組織防衛で混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01
「国防省がRFPに待った!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-12

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続々と米空軍アセットがアジア太平洋に「初展開」 [米空軍]

B-1B.jpg各種報道によれば、2月に入り、改修を終えた新型B-1爆撃機がグアム島に初展開してプレゼンスを示し、またF-22戦闘機が初めて豪州に大規模展開して豪空軍と共同訓練を行っています。

もちろん以前から計画されていたローテーション派遣計画や訓練で、トランプ政権誕生と関連付けて議論する話でもありませんが、従来の米国防省の方針に沿い、淡々と米軍はアジア太平洋で活動を行っていると言う事です

豪州首相とトランプ大統領は、電話会談を僅か20分間でガチャ切り中断したと伝えられていますが、今のところは現場の状況に変化無しのようです

新型B-1爆撃機がグアム島に初展開
B-1-UK2.jpg6日、テキサス州のDyess空軍基地所属の4機のB-1B爆撃機が、約300名の兵士と共にアンダーセン基地に到着し、太平洋軍が行っているCBP(Continuous Bomber Presence)作戦を担うこととなった
B-1爆撃機は、昨年8月に約10年振りでグアム島への展開を始めたが、今回はB-1運用開始以降で最も包括的な改修を経た新型B-1Bによる初展開となった

●「Block 16 upgrade」と呼ばれる包括改修では、「Integrated Battle Station」の更新、データリンク、アビオニクス、自己診断システムの改修等が行われた
●匿名の派遣幹部は「今回の改修により、機体全体が能力向上し、特に飛行間での航空機間の連接性が大きく向上し、機体の威力を向上できた」と表現している

CBPは、大型爆撃機をグアム島にローテーション派遣し、戦略抑止や地域の同盟国等との共同訓練に貢献するモノで、2004年からB-52やB-2爆撃機も含めて行われている
B-1爆撃機部隊は繰り返し中東地域での作戦に参加して経験を積んでおり、これら経験を太平洋地域伝えると共に、中東とは異なるアジア太平洋地域の特性や相互運用性向上を搭乗員等に学ぶ機会を与えられた

豪州にF-22戦闘機が大規模初展開
F-22Hawaii2.jpg10日、米空軍F-22戦闘機の12機のうちの最初の3機が豪空軍Tindal空軍基地に到着し、豪空軍FA-18との約3週間に亘る共同訓練が開始された
これまでで最大規模となる第5世代機展開訓練は、米豪の「Force Posture Agreement」に基づき計画された、最初の「Enhanced Air Cooperation (EAC) activity」で、Marise Payne豪国防相も「史上最大規模で最長の第5世代機の我が国への展開となる」と表現している

●演習の焦点は、第5世代機F-22と第4世代機である豪空軍FA-18の融合作戦運用の訓練である
●O’Shaughnessy太平洋空軍司令官は、「F-22の展開は、インドーアジアー太平洋地域における第5世代機プレゼンスを共に構築する鍵となる一里塚である」と表現している
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フリン大統領補佐官の辞任は衝撃的でしたが、マティス国防長官との対立も聞こえていましたし、かなり考え方が特殊だとの話もありましたので・・・しかし波乱の予感です・・・・

F-22hardturn.jpgアジア太平洋におけるプレゼンス向上、つまり対中国体制の強化は、南シナ海での中国への対処の具体策と共に、パンチのある施策が打ち出せない状況が続いていますが、米軍レベルの判断で「前進」「拡大」出来る精一杯の努力が続けられています

グアムでは確か、日米豪の3ヶ国空軍共同訓練が行われていますから、B-1爆撃機も参加しているかも知れません。対ISが大変な中、涙ぐましい努力です

米国やトランプ大統領に言われた言われないでは無く、脅威の変化の最前線に位置する日本は、主体的にその変化を捉え、米軍追随ではなく、積極的に米軍を引っ張るくらいの気持ちで戦力構成や資源配分について考えたいものです!

CBP関連の記事
「グアムに大型B全機種勢揃い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-12
「B-2がCBPでグアム展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-18
「CBP受入の常設部隊設置へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-13-1
「爆撃機による外交」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-04

B-1爆撃機関連
「韓国や欧州にも展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-07-1
「対ISでのB-1の活躍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-25
「B-1が海上目標攻撃訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-26-1
「長距離対艦ミサイル搭載試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-23

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米空軍が整備員不足に対策も苦悩続く [米空軍]

Cooper222.jpg1日、米空軍協会主催の朝食会で講演した米空軍のJohn Cooper兵站部長(中将)は、3年半続いた約4000名の整備員不足への対処方針を決心し2021年までには100%不足を解消したいと語りました。

ただ整備員養成数を増加させる等の措置を執るものの、「パイの奪い合い」「質の確保」「民間委託」等の課題が完全に払拭できるわけではなく、悩ましい状態が今後も継続する事に間違いなさそうです。

この問題は、A-10を退役させて熟練整備員をF-35に「振り回す」構想が頓挫したことや、対ISIS作戦の激化で航空アセットへの負担が想定以上に重くのしかかり、整備所要が急増している等々から生じており、「快刀乱麻」の解決策は存在しません

3日付米空軍協会web記事によれば
PGM-Grant.jpg●Cooper兵站部長は朝食会で、3年半に亘って米空軍を悩ませている約400名の整備員不足を、2020年か2021年までに100%解消する計画だと語った
米空軍は必要な人的戦力を(他の分野から)整備分野にシフトさせる決定を行い、そこ不足人員は既に3400名程度にまで減少していると説明した

●また整備員の養成数を劇的に増加させてもいると同中将は説明したが、人的戦力のシフトの状況を、どこかを犠牲にしてどこかを穴埋めしている状況だと認めざるを得なかった
●そして新たな整備員養成増加の実態として、整備員不足部署を若くて経験不足な新人で埋めざるを得ない状況にあると兵站部長は説明し、「整備員の量の問題には対処しているが、質の問題にも今後は取り組む必要がある」と語った

●またF-35部隊での整備員不足に対しては、教育訓練部隊には民間契約業者に整備を委託する暫定的な対策を取り入れ、戦闘部隊には現役兵士の整備員を配置する方向で対処していると説明した
●なおCooper兵站部長は、民間委託する場合と空軍兵士で整備を担当する場合の費用の差はほとんど無いと付け加え、民間委託による経費の増大批判には該当しないと主張した
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人的戦力のシフト(decision to move critical accession manpower to maintenance)が、どの分野を犠牲にして行われているのか不明ですが、とても興味があるところです。

B-52 wing-W.jpg整備業務の民間委託に関し、James前空軍長官は在任時、空軍兵士と民間整備企業が現場で接することで、「空軍兵士が民間企業に引き寄せられる(人材が民間に流出する)」事を危惧していましたし、そのリスクを覚悟の上の「民間委託」なのでしょう。

また「民間委託」により、空軍内の整備員育成が「細る」マイナス面も無視できず、その影響は長期に亘り空軍の現場に残ることになります。

トランプ氏は軍装備の増強を掲げ、海軍艦艇や空軍機の増強を訴えていますが、予算面での厳しさに加え、「兵站の重さ」を無視したビジネスマン手法は現場の混乱を招くので、国防長官等がしっかりもの申して欲しいものです

米空軍が整備員確保で苦悩
「航空業界全体で人手不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29
「F-35整備員確保の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-14
「A-10全廃は延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-22

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次期練習機T-X選定から候補が続々脱落 [米空軍]

T-X  Boeing3.jpg1月31日、米空軍の次期練習機を選ぶ機種選定レースに参加がすると名乗りを上げていた「Northrop Grumman/ BAE」チームが、「企業と株主にとっての最適の選択ではない」との判断から、機種選定に参加しないと明らかにしました

数日前には、「Raytheon, Leonardo and CAE」組も価格設定でチーム内の折り合いが付かなかったとして選定からの脱退を発表しており、当初4~5チームの争いが予期されていた2兆円超えの大型事業T-X選定は、対決相手が絞り込まれる方向に向かっています

次期練習機T-Xは、50年以上使用している420機のT-38後継として350機の調達を予定する、米空軍が取り組む調達改革の試金石とも言える調達事業です。
米空軍が掲げる「早い段階からの企業との情報共有」、「コストと性能のトレードオフを精査」等々の指針に沿い、通常より1年近く早い2015年3月に要求性能案が公開され、企業とじっくり検討した後に提案要求書(RFP)が決定、昨年12月30日に発出されたところです。

今後は2017年秋に企業と機首を決定する事になっており、提案要求書には、2022年から納入を開始、2024年度中には運用体制が確立可能であることが条件となっています

1日付DODBuzz記事によれば
T-X trainer.jpg●1月31日、「Northrop Grumman/ BAE」チームが声明を発表し、米空軍からのT-X提案要求書を慎重に吟味した結果、「企業と株主にとっての最適の選択ではないとの判断から、T-X機種選定に提案しない事を決定した」と明らかにした
同チームは、「ボーイングとSaab」チームと並び、完全な新機種提案で選定に臨むと予想されていたチームであった

同チームの候補となるはずだった機体は、昨年夏に「Mojave Desert」で初飛行試験を行ったと軍事メディアが報じ、その後SNSで流布された映像を同社が認めていた
●Northrop社は、当初BAE社製の「Hawk T2/128」をRolls-Royce社等と改良して参戦する検討もしていたが、最終的には新たな機体を設計する方向に取り組んでいた

数日前に撤退を発表した「Raytheon, Leonardo and CAE」チームは、「T-100練習機」改良型で参戦を狙っていたが、報道によれば、イタリア企業である「Leonardo」が大幅なコスト削減に対応できないことが撤退の理由だと言われている

残っているのは、1月に初飛行したばかりの新型機で臨む「ボーイングとSaab」チーム、「Lockheed Martinと韓国KAI」チームのT-50練習機改良型、そして詳細は不明だが「Sierra NevadaとトルコのTAI」チームである
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候補機種の具体的性能や特徴を詳細に把握しているわけではありませんが、極めて感情的かつ情緒的かつ恣意的かつ個人的な希望を「正直」に吐露させて頂きます。

T-X compe.jpgあんな韓国の企業KAIには絶対勝たせたくありませんし、Lockheed MartinはF-35だけで十分でしょう・・・。

一方で、初の固定経費契約となったKC-46A空中給油機に果敢に挑んでいるボーイング社は、自業自得かも知れませんが、度重なる開発トラブルに「自社持ちだし」で懸命に対処しており、どこかで「埋め合わせ」してあげたいと思います

またどこかで埋め合わせしておかないと、日本の「KC-46A」に「つけ回し」されても困りますから・・・

T-X関連の記事
「T-X提案要求書発出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-01
「ボーイングがT-X候補発表」→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-16
「T-X要求性能の概要発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-23-1
「シミュレーターが重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-21

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CAS能力対決:来年F-35対A-10 [米空軍]

Pleus.jpg発言日時場所が不明ですが、25日頃、米空軍F-35導入準備室長のScott Pleus准将が、2017年度予算関連法で求められているA-10攻撃機とF-35戦闘機のCAS(close air support:地上部隊支援攻撃)能力比較テストを、2018年早々に実施する方向で具体的検討を進めていると語りました

A-10攻撃機は冷戦期の対ソ連戦線で戦車阻止を狙いとして設計された航空機で、対空脅威の高い地域での使用は想定されていませんが、対ISILや対アルカイダ等、中東戦線で大活躍しており、A-10を早期退役させて運用経費や整備員等をF-35に振り向けたい米空軍の意向に反し、2022年までの運用継続が決定されています

A-10退役開始時期の判断については、F-35の運用態勢が確立した後に、A-10対F-35のCAS能力比較試験を行ってから判断する事となっており、2017年度を規定する国防権授法が「対決試験」の実施を空軍に命じています

Pleus准将は、CAS能力からすればA-10の能力が優れているだろうが、敵の対空脅威があるエリアでの活動能力はA-10にはなく、その差は決定的だと空軍側の主張を繰り返していますが、色々お騒がせのF-35ですので、議会の理解が得られるか不透明です

25日付DODBuzz記事によれば
A-10 4.jpg●Pleus准将は、法律により求められている一連の試験を「as early as next year」に実施することで計画を進めていると語った
試験内容や方法は、国防省の作戦運用試験&評価室が検討作成する事になっており、現在中身を検討してもらっていると説明した

A-10攻撃機は強力な対戦車を想定した7砲身からなる30mm機関砲を装備し、弾丸も約1200発搭載できる。一方でF-35は25mm機関砲で弾丸も約200発しか搭載できない。
F-16操縦者であるPleus准将も経験から、CAS用アセットとしてはA-10が優れているとの結果になると予想するが、あくまで敵の脅威がない環境での比較である

Pleus3.jpg●F-16能力の延長線上のあるF-35は、A-10が20nm以内に進入できないような脅威環境を想定して設計されており、F-35だけが同環境では飛行作戦を継続できることを念頭に置いてほしいと語った
●更に同准将は、この試験は単に両機種のCAS能力比較だけに止まってはならず、空軍指導層や議会による、今後の本分野への投資配分をどうするかの判断に資するものであるべきだとの考えを述べた
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A-10運用停止に強硬に反対している議員は対ISILを重視しすぎる傾向があり、Pleus准将ら米空軍幹部は湾岸戦争のような「空軍が主役だった頃よ再び」との思いが、又は熟練整備員をA-10からF-35へ早急に配置転換してF-35体勢を確立したいとの思いが強すぎるのでしょう。

Pleus2.jpgやっと最近になって中間を探る動きも見られ、対テロや不正規戦用に軽攻撃機を導入する検討が本格化し、春には米空軍が候補機首のデモ飛行を計画するようです。
A-10のような特殊な力強さを既存の軽攻撃機に求めるのは無理ですが、それなりの道が開けるかもしれません。

まぁ・・空軍戦闘機操縦者の「選民意識」が改まれば・・・の話ですが。

A-10攻撃機関連
「F-35整備員確保の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-14
「A-10全廃は延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-22
「シリアへ派遣」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-21
「米陸軍は全廃容認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-29

軽攻撃機のデモ確認を春に
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-21

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米空軍が300機の軽攻撃機導入案を支持 [米空軍]

Macain paper.jpg15日、マケイン上院議員が2018年~22年までの国防予算提言書(33ページ)を発表しオバマ政権が建てた5ヶ年計画予算の総額を約47兆円($430 billion)上回る大幅な国防費増強計画が必要だと訴えています

ただしマケイン上院軍事委員長は、この5ヶ年計画はあくまで、オバマ政権8年間の国防費削減で傷つき流血状態にある米軍の「緊急止血」のために大部分が捧げられる計画と予算増額でアリ、必要な能力向上にはその後の継続的な予算増が不可欠だと訴えています

マケイン議員の提案書(4.2MB)
http://www.mccain.senate.gov/public/_cache/files/25bff0ec-481e-466a-843f-68ba5619e6d8/restoring-american-power-7.pdf

取り上げるのはマケイン提案の米空軍に関する部分で、戦闘機には「high/low mix」が必要で、対テロのような任務用に5世代機や4世代機を使用するのは高コストだから、軽攻撃機を300機導入せよとの主張です

Scorpion2.jpgそして本日ご紹介するのは、米空軍参謀総長がマケイン議員提案を「great ideaだ」と評価し、既存の軽攻撃機の能力デモンストレーションを関係企業にお願いする検討をしていると語った件です。

マケイン議員の提案には、F-35調達機数削減も含まれており、空軍参謀総長が何処までを「great idea」と表現したのか不確かですが、次世代制空機との関連でF-35削減に言及していて興味深く、とりあえず関連報道をご紹介しておきます

マケイン提案の戦闘機関連部分
McCain-NDAA.jpg現在米空軍は、戦闘投入可能な戦闘機を1100機体制でしか維持していないが、2012年の戦略国防ガイダンスは1200機体制を求めている。しかし国際情勢や脅威の変化を考慮すれば、米空軍には1500機体制(約60個飛行隊)が必要である
●同時にこの体制に於いては、ハイエンドの戦いとなる対「peer competitors」用には最先端航空機が必要だが、ローエンドの対テロ任務には低コストのシステムを準備すべきである

F-35は能力の高い航空機であるが行動半径が狭く、F-22も優秀ながら再生産は非現実的である。従って米空軍は2020年以降の制空を見据え、新たな戦闘及び電子攻撃能力を獲得すべきであるが、これは従来の戦闘機とは異なり、無人機の可能性もある
将来の制空には、より大型の機体で航続距離が長く、多くのセンサーや弾薬が搭載可能なタイプが好ましいだろう。この観点からも、B-21爆撃機は現計画より多くを調達する必要があると考える

maccain bad.jpgF-35は上記のような行動半径や搭載量の限界もあり、現計画の様に2040年までかけて1763機を調達するのは非現実的であり、削減の方向で調達機数を見直すべきである
一方で当面の戦闘機不足を補うため今後5年間は可能な限り多くのF-35を調達する必要があり、生産能力が段階的に向上することを踏まえ、現計画の228機より73機増やすべきだ。調達数削減の結論はその後に判断すれば良い

●「high/low mix」の「low」に関しては、A-10攻撃機を引き続き維持すると共に、調達及び維持経費も安価な軽攻撃機を300機導入(2022年までには200機)して対応すべきである
●これにより任務を軽減された5世代機や4世代機は、ハイエンドの戦いに備える。なお4世代機は今後も活躍できるように、無人機との編隊編制を可能にする等の投資を行っていく

Goldfein米空軍参謀総長の反応
Goldfein1-4.jpg●18日、シンクタンクAEI(マケイン議員も良く登場する共和党系の研究機関)で講演した同大将は、軽攻撃機を300機導入すべきとのマケイン提案を「great ideaだ」と評価し、「15年継続している中東での戦いは、有志連合での戦いとして継続するだろう。だから我々はこの戦いを継続する方法を検討して変化し続ける事が必要だ」と語った
●同参謀長は更に、「OA-X(軽攻撃機)コンセプト)は、より低コストで将来にわたり維持可能なモデルであり、同盟国や有志連合国にも協力を持ちかけることが可能なアイディアである」と表現した

●マケイン議員の提案以前に、2016年中旬から米空軍内でも軽攻撃機の導入是非が議論されており、飛行時間当たりの維持費を抑え、他の作戦機をハイエンド紛争の備えに回すことが出来る策として注目されている
●Goldfein大将は具体的な進め方として、まず既存の市場にある該当機首のデモ飛行を企業に依頼し、OA-X検討のスタートにしたいと考えている模様で、18日の講演でも、最終決定はしていないが春には実現出来るかも知れないと述べ、「多くの企業の参加を期待している」と語っている
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maccain-badget.jpg軽攻撃機の候補として、空軍参謀総長は練習機のようなジェット機「Scorpion」のデモ試験への参加を促したようですが、アフガン空軍に提供した「A-29 Super Tucano」、A-29のライバルだった「AT-6 Wolverine」、また次期練習機候補の一つである「Alenia Aermacchi M-346」等があるようです。

米空軍は退職者続出でパイロット不足に苦しんでいますが、軽攻撃機導入はこの問題解消にも貢献するとマケイン議員はレポートで指摘しています。つまり、操縦が5世代機ほど難しくない、操縦者養成が簡単と考えている様に読み取れます
無人機操縦者を操縦者の「階層ヒエラルキー」で下層に(無言で)位置付け、処遇などに配慮しなかった結果、大量の退職者を出した「二の舞」になりそうな気がします

ところでマケイン議員の提案・・・最終的にはF-35総調達機数を削減するが、今後5年間はその結論は出さず、どんどん製造して当面の戦闘機不足を穴埋めする・・・ですが、何とも都合の良い八方美人なご提案です

maccain bad2.jpg大統領選挙期間中、同じ共和党内に居ながら、トランプ氏とマケイン氏は「大げんか」状態だったわけですが、この案は米軍需産業の雇用を守り創出する案であり、トランプ氏への「すり寄り感」も感じます強制削減を規定した予算管理法(BCA)の即時破棄を訴える姿勢も、トランプ政権と同じ方向です

一方で中国の脅威を踏まえ、F-22やF-35の限界を指摘し、新たな制空の概念やアセットの必要性を指摘している点は流石に「上院軍事委員長」です。
もう一つ本提案書では、提言の順序が、海軍、海兵隊、空軍、陸軍、特殊部隊、核戦力、BMD、宇宙、サイバー・・・となっており、この辺りに思い入れ度合いが反映されているようです。

今後この様に、反トランプ戦線に加わっていた方々は、様々なしがらみの中で自らの道を模索されるのでしょう・・・。主要なシンクタンク関係者も軒並み「反トランプ」でしたから、その動向も生暖かく見守りたいと思います

軽攻撃機関連の記事
「米空軍が検討を開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-07
「有力候補:A-29映像解説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-03-02
「泥沼化:アフガン軽攻撃機の選定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-23

関連の記事
「ケンドールが航空機投資を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-25
「Penetrating Counter Air検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「2030年検討の結果発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02

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