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東レ製の炭素繊維密輸未遂で中国人逮捕 [中国要人・軍事]

carbon fiber5.jpgcarbon fiber2.jpg21日、米国司法省は、中国政府機関のため軍事用に東レ製炭素繊維(carbon fiber)を許可なく不正輸出しようとしていた中国人Fuyi Frank Sunを、おとり捜査により13日に逮捕したと発表しました
同容疑者は2011年から高品質炭素繊維の獲得に活動した模様で、ミサイルや航空機の機体、更には「ガス遠心分離機のローター」等々に中国当局や中国軍需産業が使用する狙いがあったようです

高級炭素繊維の具体的な軍事用途を承知しておらず、21日付Defense-News記事もあまり明確には記述していませんが、ここ数年、中国人が高品質炭素繊維の不正輸出容疑で逮捕される事件が続発しており、中国側のニーズが高いことを示しています。
加えて、東レの技術はすごいんだな・・・と改めて思いました

21日付Defense-News記事によれば
carbon fiber4.jpg●Sun容疑者は、国土安全保障省の捜査機関であるHIS(Homeland Security Investigations)のおとり捜査員(undercover agents:炭素繊維の売人を演じる)から、東レ製の「M60JB-3000-50B」を入手し、許可なく輸出しようとして逮捕された。また「M55JB-6K」にも関心を寄せていた模様
●当局によれば、同容疑者は炭素繊維を「バナナ」との隠語で呼び、11日に中国からニューヨークに移動、おとり捜査員に炭素繊維を中国軍用に購入すると語った。またかつて、中国の国家宇宙行政局に勤務し、中国のミサイル開発に従事していたとも語っている模様

●同容疑者はおとり捜査員に、炭素繊維代金として約250万円、危険を伴う仲介手数料として約22万円を支払った
●なおHISによるおとり捜査は、ネット上に様々な商品を展示して行われている。細部は不明だが、おとり店舗はニューヨークにある模様

●取り調べに対し同容疑者は、豪州やベルギーや韓国を経由しての不正取引も行っていた模様である。
●またおとり捜査員に対し、炭素繊維を「アクリル繊維」に見せかけるためラベルを偽装したり、バーコードを傷つけて追跡を不能にする等の指示をしていた模様

専門家の視点や過去の事例
●専門家は、今回の逮捕を「ミサイルや軍用炭素繊維の拡散を防ぐうえで前向きな出来事だ」と評価し、「炭素繊維が遠心分離器のローターにも活用できる」と警告した
●また同専門家は、中国が引き続きこのような不正取引を野放し、又は指示してやらせていることが明らかになったと評価している

carbon fiber.jpg●最近、兵器に使用できるレベルの炭素繊維に関する不正取引事案が多発している。2013年には同じくおとり捜査で、東レ「M60」を含む数トンの炭素繊維を中国籍の人物が輸出しようとして逮捕され、中国軍需企業NORINCOが新戦闘機を開発するために入手を試みたと証言している
●2014年には別の中国籍人が、東レ「T800-HB12000-50B」のサンプルを入手し、中国上海に不正輸出しようとして逮捕された。5トンの炭素繊維輸出を計画していた模様
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日本で「おとり捜査」など持ち出すと、途端に「人権派弁護士」や「憲法学者」などがマスコミをにぎわし、大騒ぎになりそうですが、不正輸出やサイバー等、新たな犯罪には新たな対処も必要でしょう。

東レの炭素繊維ですか・・・「東京の郊外」に引っ込んで以来、技術動向の変化に追随できていません。
熊本の被災地に大量のサランラップを無償提供したのも「東レ」(旭化成?)だったと思いますが、引き続き日本を代表する企業として頑張っていただきたいものです
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RAND:台湾よ戦闘機を削減しSAMを増やせ! [中国要人・軍事]

RAND「台湾よ戦闘機を削減しSAMを増やせ」

RAND Taiwan.jpg5日付Defense-News記事が、RAND研究所が発表した台湾防空戦力のあるべき姿を研究したレポート「Air Defense Options for Taiwan」の概要を紹介し、結論として、現在約330機保有している各種戦闘機を50機程度まで削減し、浮いた国防予算で地対空ミサイルを増強すべきだと主張している模様です

分析は、4つの防空体制オプションを、3つの紛争段階で検証する形を取っており、グレーゾーン事態から侵略事態までを通じた総合的な場の設定で「あるべき体制」を検討しています

膨大な170ページのレポートに目を等したわけではなく、細部に触れていないDefense-News記事を通じてのRANDレポートのご紹介ですが、中国軍のミサイル戦力は圧倒的で、経済情勢から国防予算が横ばい状態である事や、最新戦闘機を追い求める台湾空軍の伝統にも触れており、日本の戦闘機命派に見せたいレポートですのでご紹介します

全般情勢の認識
RAND Taiwan4.jpg●台湾の経済情勢や政治情勢も有り、国防予算は横ばい状態が続いており、強力な戦闘機部隊と防空ミサイル部隊の両方を追求するには難しい状況にある
毎年1.2兆円程度の台湾国防費に於いて、現状の戦闘機部隊を維持するだけでも今後20年間で2.5兆円必要で、米国が許可したF-16の能力向上には別に3800億円が必要である
●また潜水艦の建造など、海軍にも重要事業が待ち構えている

中国の急速な軍備増強と、南シナ海や東シナ海での横暴とも言える領土領域主張と実効支配の動きが続いており、周辺情勢は緊迫度を高めつつある
●台湾では、親中的な馬政権から民進党政権に政権が移行し、民進党が現状維持を党方針としているものの、若い世代には中国へのアレルギー感があり、中国側に焦りが出る可能性も否定できない

中国が増強する経空脅威(一例)
RAND Taiwan5.jpgJ-11Bの能力向上で、高性能空対空ミサイルPL-15やAESAレーダーを装備する事は大きな潮目の変化。またロシア製のSu-35戦闘機や、台湾全土を射程距離内に置くS-400防空ミサイルの導入もある
無人攻撃機や、中国が独自開発するステルス戦闘機と言われるJ-20やJ-31の存在

●台湾正面に1000発以上配備されている短距離弾道ミサイルやDF-21D(空母キラー)やDF-26(グアムキラー)などの中距離弾道ミサイル。更に多様な巡航ミサイルやYJ-91対レーダーミサイルや対衛星兵器にも力を入れている
●また台湾軍に対するスパイ活動も活発で、台湾軍のC4Iや防空システムに関するスパイ活動が摘発されているが、氷山の一角と見られている


比較評価された防空体制オプション4つ
現状の戦闘機328機体制(能力向上型F-16、台湾国産戦闘機IDFs、Mirage 2000-5s)
能力向上型F-16(約140機)のみ戦闘機を維持し、他は廃止。パトリオットを4個部隊と21個防空ミサイル部隊(IFPC-2)を増強

現戦闘機を全て廃棄し、垂直離着陸型のF-35を57機導入
能力向上型F-16を50機のみ維持し、他機は破棄。SAM部隊を重視し、パトリオットを13個部隊と40個防空ミサイル部隊(IFPC-2)を増強

上記オプションを検証する3つの事態
中国による台湾海上封鎖に伴い、双方が航空優勢を巡り、限定的な遭遇戦的な空対空の戦闘を行い、双方に限定的な損耗が出る。
主要な台湾国防能力を排除するため、台湾本土に対するより激しい攻撃が行われる。
台湾本島への侵攻シナリオ。侵攻阻止のための作戦を支援するため、防空ミサイル部隊を活用


RANDによる分析結果
RAND Taiwan2.jpg結論として能力向上型F-16を50機のみ維持し、他機は破棄。SAM部隊を重視し、パトリオットを13個部隊と40個防空ミサイル部隊(IFPC-2)を増強」を推奨
IFPC-2は米国の「Indirect Fire Protection Capability-2」で、防空ミサイルに空対空ミサイルのAIM-9XやAIM-120を活用したシステム。1個部隊には発射機4両が所属し、1両に付き15発の防空ミサイルを搭載。パトリオットシステムと指揮統制装置を共有可能
●移動可能な車両搭載型の防空ミサイルシステムを推奨。固定式レーダーの脆弱性も強く指摘

台湾空軍は継続してF-35Bの売却を米国に求めているが、米中関係や最新型F-16への能力向上を拒否した米国の姿勢からすれば、F-35Bの導入可能性は極めて低い。海外に垂直離着陸型F-35をいつ提供するかも不透明
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レポート現物(重い:172ページ)
http://www.rand.org/content/dam/rand/pubs/research_reports/RR1000/RR1051/RAND_RR1051.pdf#search='RAND+Air+Defense+Options+for+Taiwan%3A+An+Assessment+of+Relative+Costs+and+Operational+Benefits'

RAND Taiwan3.jpg細かな分析については触れていませんが、戦闘機への投資を削減し、予算を残存性の高い防空ミサイル部隊に振り向けた方が、トータルで国防への投資が有効活用できるとRANDのレポートを主張しているようです。

先日、「5日間で中国軍の攻撃に日本は屈する」とのRANDの研究を、戦闘機命派の航空自衛隊OBが非難する様子をご紹介しましたが、同空自OBなら、日本は南北に細長く、露中鮮の3正面対処を迫られるから戦闘機はタップリ必要だとか主張するのでしょう

でも本RANDレポートが主張するのは、中国軍が初動のミサイル攻撃で航空基地や管制レーダーを破壊する脅威の実態を踏まえ、青天井の国防予算が期待できないならどのような投資配分が最も抑止力を高めることに効果的かです
極めて冷静で実践的な議論で有り、日本に欠けている視点です

これまで口を酸っぱくして繰り返してきたので疲れましたが、極めて穏当な素直な結論だと思いますし、日本にも当てはまる部分が大変多いレポートだと思います
分析の前提や細部の解釈に拘らず、大きな視点でその指摘を見つめたいものです

関連の記事
「中国は全面戦争を招く日本攻撃をしない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-06 
「慶応神保氏:台湾の劣勢戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25
「CSBAが提言:弱者の戦法を」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27

「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
「ヨシハラ教授:日本版A2ADを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-18
「森本元防衛大臣の防衛構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-05
「中澤1佐が傾聴に値すると」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-10

その他の台湾関連記事
「台湾軍事見本市を見る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-10
「台湾が国産潜水艦を目指す」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-17
「台湾F-16能力向上問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-09
「台湾の巨大な中国監視レーダー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-28

「親中の国民党が大敗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-09
「台湾が兵士2割削減へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-22

「台湾の防空ミサイル投資」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-01
「中国空母対処の台湾演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-26-1
「潜水艦用のハプーン受領」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-08-1

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中国防省報道官:米海軍は南シナ海で注意せよ [中国要人・軍事]

Yang Yujun.jpg3月31日、中国国防省の報道官が(定例)会見で、米海軍艦艇が南シナ海で「航行の自由作戦」を行っていることや、米比が基地使用に関する合意に達したことに関する質問に対し、「米海軍は注意せよ」と述べたようです

このYang Yujun報道官は、かっこよく会見する写真がネット上に溢れる「お馴染みの情報発信マシン」で、その発言を細かに分析する意味がある人物ではないと思いますが、いかにも中国らしい、自分中心で周りが見えていない様子を示す典型的事例かと思いますのでご紹介します

3月31日付Defense-News記事によれば
3月末、米国はフィリピンと、米軍のアクセスを拡大する比軍5基地を決定したと発表した
●米軍は昨年10月以降、南シナ海で中国が埋め立て拡大した島の12マイル以内を、米海軍艦艇が2回にわたり通過する「航行の自由作戦」を実施している

Yang Yujun 2.jpg●これらの南シナ海を巡る情勢を背景として、最近の米海軍艦艇の南シナ海活動について質問されたYang Yujun報道官は、「米海軍の当エリアでの活動に関しては、注意せよとのみ言うことが出来る:I can only suggest they be careful」と述べた
●また「米国が戻ってきており、当該地域でプレゼンスを強化しつつあるが、これは南シナ海の軍事化を進めるものだ」と同報道官は米国を批判した
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軍事的に見れば、正しいアドバイスだと思います。
日本の評論家の中には、中国は手も足も出ないと言う方がいますが、手も足も出さなくても好き放題出来るのですから、「なま暖かく」見守っているのでしょう

しかし、中国海軍や「武装漁民」や武装沿岸警備隊「海警」の最前線がどれだけ統制されているのか不安です。米側には「航行の自由作戦」しか手段がない状況ですから、米軍には頑張って頂きたいですが、十分注意して頂きたいです

でも大きく見れば、中国にとって役に立たない発言です
Yang Yujun 3.jpg中国は、埋め立て島の国際法上での解釈説明を避け、レーダーや滑走路やミサイルを配備して実行支配力を強化しています。激しい「塩害」を克服して航空機やヘリが配備できれば、制空権を握ることが出来るのでしょう。淡々と進められる環境です

ですから中国国防省の報道官は、淡々と「地域の緊張感を高める振る舞いは止めるべき」程度の「お経」を唱えておけば良いのであって、「be careful」とまで踏み込む必要は全くありません
ネット上の写真のように偉そうにしていると、後ろから、内部から刺されますよ・・・

中国軍と「航行の自由作戦」
「海上民兵:maritime militia」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-04
「西沙諸島に中国戦闘機展開?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02-1
「米海軍筋が航行の自由作戦を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-01

「米比合意も課題山積」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-24

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ありがちな誤解:中国軍分析の注意点 [中国要人・軍事]

CRS China.jpg24日、米議会調査局CRSが「The Chinese Military: Overview and Issues for Congress」とのレポートを発表し、米国で活動する中国ウォッチャーが陥りやすい誤解や誤った見方について注意喚起しています。
「両軍の活動範囲の違い」「任務の違い」「ミラーイメージ」「信頼できない指導者の言葉」、「不透明性から来る誤解」「宇宙やサイバー空間での先制攻撃」など、中国や中国軍を分析したり議論する際に見失いがちな視点を紹介しています。

執筆者はIan E. Rinehartとのアジアの安全保障を担当する比較的若手(写真の見た目)の研究者で、2012年にCRS所属する以前は、「East-West Center」や「Washington CORE」で同分野を研究していたようです。
Rinehart CRS.jpgRinehart氏が指摘している「注意点」は、自分では理解しているつもりでも、つい忘れがちで誤解しがちなポイントだと思いましたので、29日付Defense-News記事を活用してご参考まで紹介致します

CRSは「Congressional Research Service」の略です。各項目のタイトルは、まんぐーすの独断で付けました。ご注意を!

両軍の地理的活動範囲の差に注意
米軍は欧州や中東までを含む広大な任務領域を抱えている。
●従って米軍は、中国との紛争の際にも限定的な戦力しか投入できないが、中国にはその様な制約はない

似たような装備や兵器でも任務の違いに注意
●中国軍を見る際は、当該部隊がどのような任務を与えられているかを確認し、その上でその能力を評価すべきである。
米軍と中国軍の能力を比較するような際は、両軍の任務が全く異なるので、この点に注意すべきである。(同じような装備や兵器を保有しているからと言って、同じ土俵で単純な比較は出来ない

中国指導者の発言は必ずしも信頼できず
習近平.jpg中国指導者達が通常行う軍に対する発言や国防白書での記述は、多くの場合、一般化された(特別の深い意味を持たない)発表で、海外や国内対策用にプロパガンダ的側面を持っており、中国指導者の軍に対する意図を読み取るにはあまり正確でない可能性が高い

一方で全ての発言や発表を「ポーズ:posturing」と採るべきではない。中国指導者が「核心的利益」や彼らの体制保持のため中国軍を活用する意図に関して発信する場合は、真実(本心)である事が多い。台湾や南シナ海に関する発言がそうである
●見せかけと真意の発言の見極めが課題である。どのような軍事力を保有していると見せかけようとしているのか、それら能力と発言がどのように関係しているのか、いないのか、をよく観察分析することが本課題への答えにつながる

透明性が不十分だから見誤るな
中国全体に関する不透明性が、中国指導層の意図と軍事能力の見積もりや分析を複雑にしている。
●この点について米国防省は(中国軍事力に関する議会報告書で)「中国における増大する軍事力と戦略的意思決定の不透明性が、中国の意図に関する地域の懸念を増している。この懸念は中国軍の近代化進展に伴い、更に大きくなろう」と表現している

「ミラーイメージ」で中国を見るな
もの考え方や価値観が、米国と中国では異なっている。これらを同じだとの前提で相手の行動を分析したり、将来を予測することで、相手に関する見積りの信憑性が低下する

宇宙やサイバー領域での先制攻撃に注意
Rinehart CRS2.jpg中国の軍事戦略家は、紛争に置いて先手や主導権を握ることをとても重視している。中国軍がこの考え方を現代戦のサイバーや宇宙ドメインでも重視していると考える専門家もおり、ネットワークへの攻撃を予期している
●また中国軍は、多様な宇宙兵器や対衛星兵器を準備しており、極超音速無人機の開発も進めている。中国にとって先制第一撃はあり得べき選択肢で有り、これにより戦いを有利な立場で進める事を狙っている
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このCRSレポートは、「米国に拠点を置く中国ウォッチャー:US-based China-watchers」が陥りがちな過ちを指摘し、議会関係者に注意喚起することを目的としたものです。
日本人は中国人への警戒心がより強いので、米国研究者より「免疫」が強いかも知れませんが、軍事情報は「米国発」が圧倒的く、また米国研究者の発言や分析に影響を受けやすいので、十分注意する必要がありましょう

USCC3.jpgそんなレポートの指摘に「宇宙やサイバー領域での先制攻撃に注意」とあるのは、米国の中国研究者の中に「同ドメインでの先制攻撃」の可能性に対する認識が低いと言うことでしょうか?
ちょっと意外な気がしますが、「似たような装備や兵器でも任務の違いに注意」「ミラーイメージ」との視点のチェックが必要なのでしょう

なぜか「台北発」の報道ですが、いずれにしても、参考になるチェックリストですのでご紹介しました。

レポート現物(46ページ)
https://www.fas.org/sgp/crs/row/R44196.pdf

先制攻撃を予期する米国防省「中国の軍事力」レポート
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-06
「2013年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-08

「2012年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-19
「2011年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-25-1

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発表:中国安全保障レポート2016 [中国要人・軍事]

Report 2016 NIDS.jpg4日、防衛省の防衛研究所(防研)が、今回で6回目の発行となる中国の軍事・安全保障動向に焦点を当てた研究レポート「中国安全保障レポート2016」(約60ページ)を発表しました。

あくまでも防研の執筆研究員独自の見解で有り、日本政府や防衛省や防研の公式見解ではないとしていますが、同日付でwebサイト上に、日本語、英語、中国語で全文が同時掲載される力の入れようで、今後、中国を含む諸外国との意見交換でも活用される資料です

過去の5回では、それぞれ「中国全般」「中国海軍」「軍は党の統制下か」「中国の危機管理」「非伝統的な軍事分野」をサブテーマとして、トピックを絞り込んで紹介してきた同レポートですが、今回は「拡大する人民解放軍の活動範囲とその戦略」とのテーマで、各軍種(陸軍をのぞく)と統合の動きを広く紹介しています

具体的には、4つの章でそれぞれ「海軍」「空軍」「ロケット軍(旧第二砲兵)」「統合作戦能力の強化」を取り上げ、「人民解放軍が今後も東アジアにおける米軍プレゼンスに挑戦を続け、それが功を奏した場合、東アジアにおける既存の安全保障秩序が一変する可能性がある」と危機感を示しています

「コピペ」が出来ない「堅固」な「PDFファイル」で公開されていますので、手抜きで各章の概要紹介を試みます

第1章:遠海での作戦能力を強化する中国海軍
China-Navy2.jpg●「近海防御・遠海防衛(護衛)」に転換しつつある中国海軍は、大陸沿岸から東&南シナ海、更に西太平洋やインド洋にその作戦海域を拡大しつつあり、空母、水上艦艇、潜水艦、航空機の近代化を進めている
●中国海軍は今後、近海では領土主権問題で優位に立つため海空域でのプレゼンス強化を図り、西太平洋域では「核心的利益」に対する米国の干渉を防ぐため、新型原子力潜水艦や高性能対艦ミサイル駆逐艦の配備やISR強化を図る
●また、海外に進出した中国企業や海上交通路を守るため、インド洋への進出を進める

第2章:空軍の戦略的概念の転換と能力の増大
J-31 Zhuhai.jpg●「国土防空」から「攻防兼備」に転換している。主にロシアからの輸入により第4世代機の配備を進めているほか、地上攻撃能力を持つ作戦機の導入に力点を置いている
●また長射程巡航ミサイル搭載爆撃機の航続距離延伸を図り、ISR能力拡充のため早期警戒管制指揮機を初めとする様々な作戦支援機を導入している
●今後の方向としては、弱点の大型輸送機や給油機の充実、ステルス機や無人機等による攻撃能力の増強、防空・BMDシステムの導入、宇宙への攻撃能力開発などの注力するだろう

第3章:ミサイル戦力の拡充
DF-26 2.jpg●昨年12月末に第2砲兵は「ロケット軍」に改編され、核戦力のみ扱う軍種から「核常兼備」軍種へと変化した。なお中国の核戦略は、政治の優位、核の先制不使用、核弾頭の漸増、平時は核弾頭を取り外して保管といった特徴がある。ただ「先制不使用」を今後も継続するかは注目すべき
確実な第2撃能力保持を目指し、弾道ミサイルの固体燃料化、車両移動式への転換、MIRV化を着実に推進している。

●1990年代以降の特徴は、通常ミサイル戦力を大幅に増強し、核とは異なり攻勢的な概念が提起され、機先を制して相手の急所となるC4ISRや戦力投射結節点に精密攻撃を加えることが重視されている
短距離・中距離弾道弾を充実させ、精密打撃力が高まっている。また海空プラットフォーム搭載の巡航ミサイルの充実も図り、中国A2AD能力の中核を構成している。この様な中国ミサイル戦力は、地域の安全保障環境を複雑化させている

第4章:統合的な作戦能力の強化
China Cyber.jpg●人民解放軍PLAは国防白書で「情報化局地戦に勝利すること」と「海上における軍事闘争」を重視する姿勢を打ち出した。「機械化戦争」とは異なり「情報システムに基づく体系作戦能力」の強化を図っている
●「情報システム」においては、ISR能力の向上、効率的な指揮統制の実現、ネット・電磁対抗力の強化などで宇宙空間の軍事利用を推進。

●「体系作戦能力の強化」においては、陸海空第2砲兵(ロケット軍)を統合的に運用する事を目指している
●習近平主席はこの戦略実現のため、陸軍司令部、ロケット軍や戦略支援部隊の設立、中央軍事委員会の組織改編など、軍の体制・編制改革を推進している。これら改革の今後に注目
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第6回目となるとトピックの選定が難しいのか、軍事力全般の紹介になっています
防衛白書の第1章「国際情勢」の拡大版のような内容ですが、断片的な報道ばかりが乱れ飛んでいる中、有り難い資料です

習近平.jpg「要約」部分の概要をご紹介すると、中身が薄く見えますが、防衛白書の第1章「国際情勢」よりは詳しくなっていますので、中国軍事力の概要を把握するには良い資料です

第4章が取り上げている習近平主席が打ち出した「軍の体制・編制改革」は、習近平の軍への影響力や主席としての力のバロメータともなり得ますので、来年の7回目では「その後の軍の体制・編制改革」がサブテーマになることを期待致しましょう

過去の「中国安全保障レポート」紹介記事
1回:中国全般→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-19
2回:中国海軍→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-17-1
3回:軍は党の統制下か?→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-23-1
4回:中国の危機管理→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-01
5回:非伝統的軍事分野→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-22

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中国軍が南沙諸島にステルス機探知レーダー? [中国要人・軍事]

Cuarteron Reef3.jpg22日付米海軍協会web記事は、シンクタンクCSISと商用衛星画像会社「DigitalGlobe」が南沙諸島クアテロン礁の衛星写真を分析したところ、中国軍がステルス機探知も可能な「HF(短波)レーダー」を設置した模様だと報じています

中国側は「灯台を設置し公共財として地域に貢献」との姿勢のようですが、西側専門家は少なくとも海面監視レーダーで、ステルス機監視レーダーにも活用できるだろうと見ているようです

はっきりしない部分はありますが、とりあえずご紹介します

22日付米海軍協会web記事によれば
DigitalGlobe社が1月24日に撮影した衛星写真によれば、フィリピンに近く中国が実効支配している南沙諸島クアテロン礁(Cuarteron Reef:ベトナム、比、台湾が領有権主張)に、複数の高さ約20m(65 foot)のポールが設置されており、他の場所でも見られる海面監視HFレーダーと酷似していると、CSISのGreg Polingアジア海洋監視リーダーは米海軍協会に語った
Poling CSIS.jpg●Poling氏は「高さ20mのポールがこの様に配置され立ち並んでいる施設は、HFレーダー以外に考えられない」と語った。

●写真からは同施設が既に運用しているかどうかは不明で、米国防省に質問したが返事は無い。WP紙も22日午後にこの施設の存在を報じている
●なお中国は、同様のレーダーを中国本土の海岸線沿いに複数設置しており、ステルス機探知の体制だとも言われている

CSBAのBryan Clark海軍担当研究員は、米国がメキシコ湾やカリブ海で麻薬密輸取り締まりで活用しているHFレーダーと同様の活用が第一義的な活用法だろうが、第二義的にはHFレーダーでステルス機探知にも活用可能だと述べている
米国は探知距離80~200マイルで海上監視に使用しているが、中国やロシアは更にステルス性能機の探知にも活用しているだろうと述べ、「海面と航空目標探知の素晴らしいdual useだ。従来の早期警戒レーダー周波数では探知できない航空機を探知できる」と語っている

Cuarteron Reef2.jpg恐らく、クアテロン礁のHFレーダーで探知されたデータは中国本土に送られ、他の対空監視情報と組み合わされて防空部隊に提供されるのであろう
●米軍が保有するB-2やF-22やF-35は、より高周波のレーダーに最適化したステルス性を追求しており、より低い周波数レーダーで探知される可能性が理論的にある

●ただ、HFレーダーは、それ単体で視認性の低いステルス機の(およその)位置を把握できても、対処兵器を誘導するほどの(分解能やロックオン)能力はない
●しかし、これまでも報じてきたように、他の周波数レーダーと組み合わせたり、情報処理装置の高度化により、中国やロシアは同国の戦闘機に敵の位置や情報を提供できるよう取り組んでいる模様

●一方で、退役米海軍大佐で専門家のChris Carlson氏は、中国本土にあるHFレーダー施設と比較してクアテロン礁施設が小型である事から、(ステルス機探知という)第二義的な目的がどの程度可能かは不透明だと述べている
●いずれにしても、CSBAのClark研究員は、漁船の活動監視など法執行のために必要な海面監視装置だとの主張で押し通すだろうと見ている
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Cuarteron Reef.jpg話題の「クアテロン礁」は、「航行の自由作戦」にあわせ、米空軍がB-52を2マイルまで接近飛行させた焦点の「人工島」の一つです

HFレーダーらしき施設」については、今後色々な分析や報道がなされるでしょうが、これに併せ「HF」や「UHF」レーダーのステルス探知能力がどの程度技術進歩を遂げているのか、また中国のシステムがどの程度進歩しているのかも報じられる事を期待致しましょう

対ステルス機関連の記事
「低周波レーダーでステルス機を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-04-2
「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12
「ステルス機VS電子戦機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22

南シナ海関連
「海上民兵:maritime militia」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-04
「西沙諸島に中国戦闘機展開?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02-1
「米海軍筋が航行の自由作戦を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-01

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4年ぶり台湾への米国武器売却を分析 [中国要人・軍事]

Taiwan1.jpg16日、米国は4年ぶりに台湾への約2200億円の武器売却を発表し中古のフリゲート艦や対戦車ミサイルや水陸両用車両が話題になり、お約束の中国側の反発(輸出に関与した米企業への制裁等)が報じられています

4年ぶりなので話題にもなりますが、2010年と2011年の同様の武器売却の総額が約1兆6000億円であったことと比較すれば「ささやかな規模」で、2011年時に含まれていたJDAMの様な目玉には欠けます
また、以前論点だったF-16C/D売却のような案件(F-16A/B型の改修で落着)はなく、2001年から放置プレーが続く8隻の潜水艦売却にも進展が無い状況のままです

来年1月には台湾総統選と議会選挙があり、政治的にも微妙なタイミングですが、とりあえずは今回の武器売却の中身を吟味したいと思います

18日付米海軍協会web記事によれば
Taiwan4.jpg●台湾の軍備増強につながるものは、米海軍で退役となったフリゲート艦2隻(Oliver Hazard Perry級)や対戦車ミサイル(BGM-71 TOW 2B)、水陸両用強襲車両(AAV-7を36両)、地対空ミサイル(携帯式Stinger)程度である
●損耗を補完するアパッチヘリや多用途艦載ヘリMH-60Rはリストに無く、落胆した関係者は少なくない

●ただ例えば、水陸両用強襲車両(AAV-7)は台湾海兵隊が求めていた装備で、台湾海峡での作戦や首都台北近傍の河川を想定した作戦にも有効であり、台湾軍の対処能力を向上させるものである
●また注目は集めていないが、10隻のフリゲート艦艇用のデータリンク(Link 11/Link 16)売却は、台湾製のデータリンクや台湾軍指揮統制システムとと共に、台湾3軍や早期警戒システム等の兵器システムの融合や連接を推進する
●更に無料提供される台湾軍と米太平洋軍との「bilateral communications network」は極めて重要で、米台軍事関係の強さを示すものである

潜水艦や戦闘機は過去の話題?
Taiwan3.jpg2010年や2011年時には、PAC-3売却が成立し、老朽化する台湾F-16A/B型の後継が話題になったが、台湾が求めたF-16C/D売却ではなく、F-16A/B型改修に終わっており、これ以上の話が出ることは考えにくい
ブッシュ大統領が2001年に約束した通常型潜水艦8隻の売却は、米国に通常型建造ラインが無く、他国も中国を恐れて売却しないことから頓挫している。業を煮やした台湾は昨年、自国開発方針を打ち出した。現時点では明確になっていないが、米国企業等は何らかの支援を求められる可能性がある

定義が不明確な防御兵器提供
Taiwan-China2.jpg2011年に米国が、台湾関係法の枠内との整理でF-16改修にあわせJDAM提供を決定したように、防御的兵器の定義は曖昧な部分がある(しかし今回の売却装備にはJDAMほどのインパクトの兵器は無い)
台湾軍需産業は「防御兵器しばり」を補完するため、対艦ミサイル(Hsiung Feng IIや超音速Hsiung Feng III)や対地巡航ミサイル(Hsiung Feng IIE)、ARM(Tien Chien IIA)やスタンドオフ兵器(Wan Chien)の独自開発に取り組んでいる

米国は、台湾のミサイル開発をいつも同情的に見てきた訳では無いが、台湾が非対称な防御能力強化に取り組む事を、陰ながら小声で応援するようになったと見て良いだろう。
●4年ぶりの今回の売却は様々に評価されているが、次の指標となるのは、毎年ベースで行われる定時の武器売却の中身となろう
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来年1月の台湾総統選と議会選挙では、「独立」や「統一」ではなく、「現状維持」の政策をとる野党「民進党」が総統選挙の世論調査でダブルスコアの優位を保っており、議会選挙でも現在過半数を占める国民党に迫る勢いを見せています

Taiwan2.jpg無理に政治レベルと絡めることには無理がありますが、米国にとっては、「台湾を忘れていないよシグナル」と「今はそっとしておいた方が得策」との思いのバランスに配慮した売却リストではないでしょうか。
米国の大統領選挙とか、2017年度予算審議とか、色々考えればきりがありませんが・・・

「台湾の非対称な防御能力強化」はポイントです。日本としても、自分のこととして考えなければなりません!

台湾国防政策を考える
「台湾劣勢戦略に学べ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25
「CSBAが提言:台湾軍事戦略」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27
「10分野で米中軍比較」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-18
「親中の国民党が大敗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-09

最近の台湾軍事の話題
「イメージ映像中国軍島嶼占領」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
「台湾軍事見本市で見えた」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-10
「台湾が国産潜水艦を目指す」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-17

「台湾の防空ミサイル投資」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-01
「中国空母対処の台湾演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-26-1
「台湾F-16能力向上問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-09

「台湾の巨大な中国監視レーダー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-28
「潜水艦用のハプーン受領」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-08-1
「台湾が兵士2割削減へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-22

岡崎研究所の台湾記事(2015年12月)
同床異夢の中台→http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5760?page=1
中台首脳会談の解釈→http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5692

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習近平が自ら中国軍改革を指示 [中国要人・軍事]

習近平.jpg26日付で中国国営新華社通信は、中国軍の指導機関・共産党中央軍事委員会トップの習近平主席(国家主席)が24日に軍の会議で演説し、中国軍が検討を進めてきた軍改革案の概要を正式に公表したと報じている模様です。

南シナ海問題などで高まる米国などとの緊張を背景に軍改革を加速させ、2020年までに、改革に一定のメドをつける狙いがある模様で、国内の地域防衛区分である7大軍区を、陸海空軍などの統合運用を行う「戦区」に改編することを柱とした内容を指示したようです。

習近平が指示した内容を、27日付読売新聞朝刊7面の記事を再構成してご紹介します

中国軍改革のポイントは・・・
共産党中央軍事委員会2.jpg●「数量&規模型から、質&効率型への転換を推進する」、「戦える軍隊」と主席は強調。人員削減を進める事で軍を精鋭化し、米軍に対抗するための新装備導入や開発を加速する可能性も
●9月3日の「70周年」演説で発表した30万人削減を2017年までに完了させ、その後、段階的に改革を進めるものと見られていたが、主席が直接改革実行を指示したことで、特に南及び東シナ海沿岸部で改編が前倒しの可能性も

●新たな情勢に対応するため「中央軍事委員会が全面的に軍を管理する」と指示し、また同委員会内に汚職摘発機関や司法統括機関の設置も指示、軍の指導機関だった共産党中央軍事委員会に更に権限を集中させ、権限強化を進める
●習近平国家主席は、政権の任期満了である2022年以降も、同軍事委員会トップの主席に留任するとの観測が高まりつつ有り、長期にわたる軍掌握力強化への布石との見方もある

共産党中央軍事委員会3.jpg従来の7大軍管区を戦区に再編し、各戦区を陸海空軍に第2砲兵(戦略ミサイル部隊)を加えた4軍編制の統合運用組織である「合同作戦指揮機構」に改編する。報道では「改革に向けたスケジュールに基づき、2020年までに合同作戦指揮体制改革に進展をもたらす」と表現されている
●中国軍関係者等の情報を総合すると、「5大戦区」にする案が有力視されている模様

情報技術化戦争に勝利出来る体制を構築

関連の中国メディア報道として読売は
●中国軍は23日、超超音速ミサイルの6回目の試験を実施(米国防省が開発を行っていた「CPGS:通常兵器による世界規模即時攻撃」を目指すミサイルの中国版と考えられる。米国は予算不足で進捗は不活発)
24日、J-20ステルス戦闘機の最新版が初飛行
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中国政権と軍の関係や、習近平派閥と軍の関係など、中国国内の権力闘争の具合についてはコメントする知識がありませんので、とりあえずメモ代わりに読売報道をまとめてみました。

今後、専門家の方が種々分析されると思うので、その予習にご活用下さい。

最近の中国軍関連記事
「ジブチに基地建設へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-26

「南シナ海戦闘機は塩害と戦い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-10
「海上民兵:maritime militia」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-04
「西沙諸島に中国戦闘機展開?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02-1
「米海軍筋が航行の自由作戦を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-01

「驚異の対艦ミサイルYJ-18」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-30
「10分野で米軍と中国軍を比較」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-18
「中国陸軍の取り組みと課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-11

「空母監視衛星打ち上げへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-10
「イメージ映像:中国軍島嶼占領」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
「仰天:DF-26も空母キラー?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-04
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中国がアフリカ大陸に初の基地設置へ [中国要人・軍事]

Rodriguez.jpg24日頃、米アフリカ軍司令官のDavid Rodriguez陸軍大将は記者団に対し中国がアフリカ大陸初の基地をアフリカ東岸紅海沿岸の「Djibouti」に設けることで同国と合意したと語りました。

同司令官は細部には言及しませんでしたが、同国と中国軍施設を10年間維持する合意が結ばれているとのことで、今後の動向が注目されます

米国としては、中国が国際社会の一員として活動している数少ない肯定的活動「アデン湾での海賊対処」関連でもあるため、慎重に刺激しないように動向を見守っているのでしょう

25日付米海軍協会web記事によれば
Djibouti2.jpgRodriguez司令官は「彼らはジブチに基地を建設する。アフリカ大陸で最初の中国軍基地となる」と語り、本年に入り数ヶ月にわたり中国がアフリカに拠点を求めて活動していたことを認めた
●また同司令官は、中国とジブチが施設設置に関する10年間の合意を結んでいることも明らかにし、同基地は兵站支援基地となり「彼らの行動範囲を拡大するだろう」と語った

●本件に関連し、ジブチのGuelleh大統領は本年初めに、「フランスは古くから所在し、米国は対テロ活動のため我が国に拠点を置いている」、「日本は海賊対処のために所在を希望している所だが、今度は中国が国益を守るための展開を希望してきた。歓迎する」と述べていたところ
中国とジブチは、2014年4月に「defense and security pact」に署名しており、これが基地設置の基礎となっている

●ジブチは中国の海賊対処活動の重要拠点となっており、中国海軍が海賊対処活動を開始した2008年12月以降、50回以上ジブチのObock港を利用している
●中国軍の拠点が出来る可能性があるのは、米軍の拠点があるCamp Lemonnierの北東約30nmの「Obock港」地域か、より米軍拠点に近い「Doraleh」港であろう

24日付「The Hill」によれば
Djibouti3.jpg●Atlantic CouncilのPhamアフリカ部長は、従来のように中国艦艇が寄港する度に費用を支払うより基地を設置した方が安上がりだし、中国がシーレーン防衛に大きな役割を果たせば国際的な地位向上にも貢献すると語っている
●基地設置により飛行場を確保出来た場合、アラビア半島から中央アフリカに至る情報収集を飛躍的に改善出来ることとなる

上院外交委員会の有力メンバーであるChris Coons議員は、「中国のアフリカ進出には注目する必要がある。アフリカ諸国の中間層はこれまでになく急成長しており、これを狙う中国企業や中国政府と米国の利害は必ずしも一致しない」と注意喚起している

ハリス太平洋軍司令官はHalifaxでの講演で、「鄧小平が掲げ望んでいた「皆が受け入れられる解決の模索」から離れ、忍耐強い国から先を急ぐ国への変わってしまった」と表現していた
Rodriguez司令官は、現時点で、中国のアフリカでの行動は挑発的ではなく国連活動やアフリカ諸国軍の訓練に従事しているも表現している

8月の産経記事等によれば
Djiboutiは人口83万人の小国で、住民のほとんどがイスラム教徒の貧しい国。同国のCamp Lemonnierには、海軍を中心とした米軍人約4000名が展開し、海賊対処や地域の要請に応えるための艦艇や航空機等の展開への支援、またアフリカ諸国との関係促進のために所在している
自衛隊もソマリア沖のアデン湾に出没する海賊から商船を守る目的で2009年からP-3C哨戒機と護衛艦を派遣。2011年には海賊対処の拠点となる基地を設け、海上自衛隊や陸上自衛隊の隊員約180人が活動を続けている

Djibouti Guelleh.jpgジブチは親米路線をとっていたことで知られていたが、今年に入り、ゲレ大統領が5月、ジブチに基地を設置するための協議を中国と行っており、中国の進出を歓迎すると、コメントした
●ジブチと中国の関係は良好で、中国はジブチの空港、港湾、鉄道などのインフラ整備にこれまで90億ドルを供与

●中国が基地の建設を計画しているのがジブチ北部のオボック(Obock)。基地が完成すれば、中国はフリゲート艦や補給艦などの海軍艦艇を恒常的に配置することが可能になる。
●海軍艦艇の寄港だけでなく、中国は基地を航空機の発着に利用しようとするのは確実とみられ、「大型機の発着が可能な滑走路ができれば、中国本土から直接、兵員などを搭載した輸送機が飛来することも可能になる」と防衛省幹部は注目している
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Djibouti.jpgこれだけで何か語れるわけではありませんが、中国とアフリカの関係を見る上での「サンプル」又は「指標」として今後の動向が注目されましょう。

こんな単純化した言い方は好みではありませんが、ジブチの歴史を振り返るに、醜い植民地主義の歴史を学ぶ「縮図」の様な気がします
中国の動きは心配ですが、一方で欧米諸国をアジアの中国が脅かすのを、何らかの爽快感を持って見つめてしまうジブチの歴史です

wikipedia「ジブチ」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%96%E3%83%81

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中国軍機の南シナ海展開は「塩害」との戦い!? [中国要人・軍事]

Woody Island3.jpg10月30日に中国軍webサイトが南シナ海で活動する海軍戦闘機J-11BHの写真を公開し、西側プレス(日本を除く)では「西沙諸島のWoody Island:永興島」に展開した戦闘機の活動写真だとの見方が共有されつつあります。

米国防省は本件に関し「だんまり」ですが、状況を確認しているのでしょうか? あまり聞きたくないニュースでしょうが・・・。

「西沙諸島に中国戦闘機展開?」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02-1

当然、南シナ海正面で最南端の中国軍航空基地だった海南島より、中国の航空戦力拠点が約360㎞南下したインパクトは大きいのですが、その辺りをPaul Giarra氏等が整理していますのでご紹介します

また一方で、亜熱帯の海に近接した飛行場での戦闘機の運用は、「天候や塩害等の影響もあり単純ではない」との指摘もありますので、「プロの視点」としてご紹介します

8日付Defense-News記事によれば
Woody Island5.jpg●「Woody Island:永興島」に新しい戦闘機の拠点ができたとすれば、EP-3電子偵察機やP-8対潜哨戒機などの米軍機の活動に障害となるだろう。2001年にEP-3と中国戦闘機が接触した事件や、2014年に中国気がP-8に嫌がらせ飛行を行ったことが示している
●CSISのBonnie Glaser南シナ海研究部長は、中国は、米国や他の周辺国、および自国民に対し自国の領域を守る意図を示そうとしている、とみている

●さらに南の「スプラトリー諸島」には、更に3か所(Subi Reef, Mischief Reef and Fiery Cross)で飛行場や港湾施設の建設が進んでおり、格納庫や燃料タンクを含む施設からすれば、少なくとも定期的に航空戦力がローテーションで派遣することが可能になる

●またPaul Giarra氏は、中国戦闘機やミサイル部隊の南シナ海展開が、台湾や米国を含むすべての関係国に負の役割を果たすとして、いくつかの視点で整理している
Giarra.jpg●まず「中国の海上行動を防御できる」、また「軍事的に中国の主張を固め、法的な他国の訴え遂行を困難にする」、「軍事作戦で中国を諸島の拠点から排除することが困難になる」、「中国本土を含めた軍事拠点のネットワーク形成拡大に貢献する」と指摘している

●更にGiarra氏は、「軍事的に軍用機の作戦可能半径を劇的に拡大し、給油や要員交替で連続的な任務遂行が可能になる」ことや、「中国によるA2AD網の拡大や海洋進出エリア拡大をサポートする」点を指摘している

一方で南海での作戦航空機運用は容易でない
Magong AFB.jpg●台湾の研究機関トップのAlexander Huang氏は、台湾空軍がMagong空軍基地(台湾西方50㎞の台湾海峡にある澎湖諸島:Penghu Islands)に戦闘機を展開させている経験からすれば、天候や塩害対処は最新の航空機には厳しい環境であり、実質的な軍事的影響を結論付けるのは時期尚早だと語っている

●CSISのGlaser南シナ海部長も同様の見方を持っており、「私の理解では、スプラトリー諸島には戦闘機は短期間しか展開できない。塩害で長期の滞在は機体に問題を起こす」と語っている
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「西沙諸島のWoody Island」や南の「スプラトリー諸島」は、台湾のMagong空軍基地よりはるか南にありますから、さぞや「塩害」が激しいことでしょう。
J-11 Woody.jpgまた、周りに緊急避難する「代替飛行場」も確保できない中、サメも豊富な海上で飛行するのは「しびれる」任務かも知れません。

でも、「戦略核ミサイル搭載潜水艦の聖域」を南シナ海に打ち立てたい中国軍のことですから、なんでも命じてやってしまうのでしょう・・・たぶん。時間が多少かかっても。

激動:中国軍と「航行の自由作戦」
「海上民兵:maritime militia」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-04
「西沙諸島に中国戦闘機展開?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02-1

「米海軍筋が航行の自由作戦を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-01
「驚異の対艦ミサイルYJ-18」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-30

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中国がF-35激似の戦闘機J-31輸出商売開始 [中国要人・軍事]

J-31 Zhuhai6.jpg8日付Defense-Newsは、同日から中東ドバイで始まった「Dubai Air Show」に、中国航空工業集団公司(AVIC)の輸出用ステルス戦闘機J-31(輸出名FC-31)が初めて出展され、計画責任者による説明会等「販売活動」が本格的に開始されたと報じています

J-31はF-35にそっくりで、西側関係者の間では、2009年4月にロッキード社が大規模ハッカー攻撃を受けた際に流出した情報をもとに製造された「サイバーコピー商品」と考えられている代物です

記事では現時点で海外に買い手は無く、可能性があるのはイランとパキスタンぐらいだろうと予想していますが、中国軍との交渉も当然行われており、2022年に初期運用体制確立が予定される同機の運命と「真の性能」が今後注目されます

8日付Defense-News記事によれば
昨年中国国内の「珠海Zhuhai Air Show」でフライトを披露したJ-31だが、海外の展示会に出品されたのは初めてである。
●AVICのJ-31計画責任者Lin Peng氏は記者団に、中国空軍と売却に関する交渉中だと説明したが、細部については言及を避けた。またステルス性や攻撃能力について説明したが、質問は受けなかった

J-31 similar.jpg●AVIC社関係者は、J-31が「高性能レーダー等による優れた状況掌握能力を備え」、機動性が高く、複数側面からのステルス性を備えているとアピールしている。また小口径爆弾(SDB)や多様な誘導爆弾等を搭載できるとも説明している
●(ただし、)エンジンは中国製で、以前搭載が伝えられていたロシア製RD-93ではない

●J-31は2年以上にわたり飛行試験を行ってきているところだが、今後についてLin Peng氏は、量産型の初飛行を2019年に予定し、初期運用態勢獲得は2022年を予期、完全な運用開始は2024年になると記者団に語った

J-31は国際市場で購入可能となる初の「F-35の競争相手」を目指す戦闘機で、米国による輸出規制や予算面でF-35購入が困難な国々を顧客として想定している。現時点ではイランやパキスタンが顧客として想定されるが、商売が成功するかは不透明だ。
●Lin Peng氏は記者団に、F-35にそっくりの中型でステルス性を備えた設計のJ-31を「将来の戦闘環境に必要な能力を兼ね備えたもの」とアピールした
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弾道/巡航ミサイルやサーバーや電子戦で、鉄壁のA2AD網を構成しつつある中国軍が、ステルス戦闘機をどのように位置づけるかは興味深いところです。
最近発言力を増してきた中国空軍のパイロット族が、「俺たちにも米軍のようなかっこいい戦闘機をよこせ!」と声を上げ、なんとなく計画が進んでいる・・・といった具合でしょうか。

J-31 Dubai.jpg中国軍が脆弱な戦闘機開発にお金を使い、他の西側が嫌がるA2AD投資が減少するなら、むしろ西側としては喜ぶべきかもしれません。
ただし中国軍が、その辺りのバランス感覚を保ち、目的を明確にして、空中戦目的でなく、例えば高価値目標攻撃用のステルス攻撃機等に絞って効果的に投資を行えば、これは大変厄介なことになります

日本が帝国陸海軍の悪しき伝統を引きずり、「一点豪華主義」の「戦闘機だけ投資」を続けて「本日も反省なし状態」な中で、中国のステルス戦闘機がどのような道をたどるのか・・・よく見ていく必要があります

中国のステルス機開発(J-31とJ-20)
「J-31表面に異常な凹凸」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-06-1
「F-35に対抗?J-31珠海登場」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-11
「大幅改良J-20が初飛行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-20
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ロングセラー「失敗の本質」に学べ!
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-12-31

同書が指摘した「失敗の本質」とは
失敗の本質.jpg●旧日本軍は、官僚的組織原理と属人ネットワークで行動し、学習棄却(知識を捨てての学び直し)による自己革新と軍事的合理性の追求が出来なかった
●戦略志向は短期決戦型で、戦略オプションは狭くかつ統合性が欠如し、戦略策定の方法論は科学的合理主義というよりも独特の主観的微修正の繰り返しで、雰囲気で決定した作戦には柔軟性はなく、敵の出方等による修正無しだった

●本来合理的であるはずの官僚主義に、人的ネットワークを基盤とする集団主義が混在。システムよりも属人的統合が支配的。人情を基本とした独自の官僚主義を昇華
●資源としての技術体系は一点豪華主義で全体のバランス欠如
学習が、既存の枠組み内でのみ強化され、かつ固定的

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速報報告:中国の「海上民兵:maritime militia」 [中国要人・軍事]

maritime militia.jpg2日付Defense-News記事は、同日付で米海軍大学エリクソン氏がweb投稿している中国の「海上民兵:maritime militia」に関する記事を要約しつつ、駆逐艦ラッセンによる「航行の自由作戦」に際し、中国海軍艦艇がおとなしかったのに対し、中国商船や漁船が「それほどおとなしくなかった」事例を分析し、「海上民兵」の存在を訴えています

エリクソン氏は投稿で、米国でまだ認知不十分な「海上民兵:maritime militia」の存在が今後大きくなると予想し、その生い立ちや性格等について紹介しており、関連の過去事例や文献も数多く紹介しています
Defense-News記事はエリクソン投稿を要約して紹介していますので、更に掻い摘んで、適当に好みでつまみ食いしてご紹介します

なお「航行の自由作戦」で、中国商船や漁船が「それほどおとなしくなかった」状況は、Defense-News記事も引用している以下の過去記事でご確認ください
「米海軍筋が語る航行の自由作戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-01 

またエリクソン氏の投稿は
http://cimsec.org/new-cimsec-series-on-irregular-forces-at-sea-not-merely-fishermen-shedding-light-on-chinas-maritime-militia/19624

2日付Defense-News記事によれば
maritime militia2.jpg10月27日の駆逐艦ラッセンによる「航行の自由作戦」に際し、中国海軍艦艇がおとなしかったのに対し、商船や漁船はそれほどおとなしくなかった。商船や漁船はラッセン前方を安全距離を保ってはいたが、横切る等の行為を見せた
●通常の海上交通船舶以外に、漁船がラッセン周辺海域に出現し、「ラッセンの行動を予期して」行動していたと、30日に米海軍筋は語った

中国は民間商船や漁船を政府のシンパとして活用して外国船舶を妨害等しており、専門家は誰がミステリアスな船等に乗船しているのか注意深く観察分析している
●米海軍大のエリクソン氏は2日の投稿で、「当該海域には普段ほとんど漁船は活動しておらず、(ラッセン周辺で活動していた)漁船は海上民兵であることはほぼ明確だ」としている

●同氏は「ロシアがウクライナ内で反政府勢力little green menを使用しているが広く認知されているように、中国は南シナ海でlittle blue menを活用しているが、米国では認識が不十分である」と問題認識を示した
maritime militia3.jpg●そして「このような扱いが難しい人員や船舶の存在は、西側の対処をより難しくしている」、「2009年に米海軍の音響観測船Impeccableが妨害を受けた事件でも、海上民兵が直接関与していたと我々は追認している」と述べている

●更に「2014年に3か月半にわたりベトナムと中国が石油採掘リグを巡って対立し、中国船と衝突したベトナム船が沈没した事案、2014年3月に比と中国がSecond Thomas Shoalを巡って対立した際も、同様の(海上民兵の)関与を突き止めている」と述べている
●そして「ラッセン作戦時に発生した事態も、漁船が偶然居合わせたとは考えにくい」、「中国の海洋ドクトリンを読めば、そのようなテクニックが一般的なものだと分かる」としている

更にエリクソン氏が語る「海上民兵」
Erickson.jpg漁船等に乗船した海上民兵は見分けがつく。多くの場合「制服」を着用しており、制服姿の写真を多く入手しているし、中国軍出版物でも「制服を着れば兵士として行動し、制服を脱げば漁民として活動する」との記述がある
●「中国は2通りの海上民兵の用法を使い分けられ、漁民の場合、米国と同盟国は制約された対処しかできなくなる」、「中国は米軍等の対処を困難にするため、海上民兵を活用するだろう」

●「海上民兵」の出身に関しては、「地域の労働者や漁民、除隊した元兵士等が複雑に組織管理されている。最初は中国軍の地方組織で採用するが、動員時は海軍当局の指示を直接受ける形のようだ」、「平時は中国軍地方組織に所属するが、任務には海軍や海上保安機関(海警)支援も含まれ、必要時には柔軟に必要とされる組織を支援する」
●「海上民兵」には10以上のグループがあるが、いくつかは前線組織として扱われている。多くは輸送や修理や沿岸監視等の作業的な任務に就いているが、少数のエリート海上民兵は装備もよく訓練され、より高度な任務を帯び、有事の役割も理論的には担う

maritime militia5.jpg●更に「西側ではよく理解されておらず、海上民兵は奇襲や混乱を引き起こしうる点で中国軍に有効な戦力である」、「仮に認識していても、我の規定からすれば非常に対応が難しい」、「中国側が海上民兵を、愛国精神に満ちた漁民や地域住民だと主張するのは、彼らの得意なプロパガンンダだ
●それでも「海上民兵の存在を認識し、その出現を予期しすれば、限定的な能力しかない彼らをより適切に扱うことができるだろう」、「また仮に海上民兵だと暴露されれば、中国軍への対応も変わるだろう

●今年初め、米中は「海上での不意遭遇に際しての取り決め:Code for Unplanned Encounters at Sea:CUES」に合意しているが、海上保安機関(海警)や海上民兵は対象になっていない
海警や海上民兵が南や東シナ海で「より汚い」任務を担う可能性が高く、我々の準備はまだ不十分と言わざるを得ない
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日本人にとっては、尖閣諸島に「武装漁民が上陸したら・・」の議論は比較的なじみ深く、本年夏にもこれをメインテーマとして「シームレスな対処」を目的に日米ガイドライン見直しが行われたこともあり、それほどサプライズではないでしょうが、米国では認知が不十分なのでしょう

maritime militia4.jpgそうであれば、これを機会に中国の「海上民兵:maritime militia」への理解を深めていただきましょう・・・。

でも、今ASEAN国防相会議が開催されているため、恐らく日本の安保関連記者団は「皆さんクアラルンプールに御出張」なのでしょう。また日韓首脳会談のフォローにお忙しいのかもしれません

しかし、10月31日には中国軍が西沙諸島「Woody Island」に中国海軍J-11戦闘機を派遣して訓練したと強く示唆する写真を公開し、一気に南シナ海の「空ドメイン」で優位に立っていることをアピールしました

「中国が海軍J-11戦闘機を西沙諸島に派遣か」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02-1

このような重要な中国の動きが報道されないのは、日本で話題にならないのは・・大丈夫でしょうか? 日本でもっと報道されるべきと思いますが・・・

海上自衛官が「海上民兵」を解説
http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/SSG/topics-column/col-056.html

ヨシハラ教授が「中国海軍ゲリラ戦」を語る
「Yoshihara博士の来日講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-29

エリクソン氏の「海上民兵」投稿
http://cimsec.org/new-cimsec-series-on-irregular-forces-at-sea-not-merely-fishermen-shedding-light-on-chinas-maritime-militia/19624

エリクソン氏が注目の米海軍筋話
「米海軍筋が語る航行の自由作戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-01

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ついに中国が南シナ海埋立基地に戦闘機展開か! [中国要人・軍事]

速報!中国軍が「航行の自由作戦」に反撃の「のろし」か!

Woody Island.jpg10月31日、中国海軍が、南シナ海北部の埋立滑走路に戦闘機J-11(ロシア製Su-27の無断コピー)が展開し、演習を実施したと強く臭わせる写真を公開しました。

J-11が展開したと専門家が推測するのは、西沙諸島(パラセル諸島)の島の一つで、同諸島のアンフィトリテ諸島(Amphitrite Group)においても、最大の島である「Woody Island:永興島」です。

この島に同機を展開させていた場合、北は台湾領の「Pratas Island」、西はベトナムの大部分、東はフィリピン、南は南沙諸島を空中給油無しでの行動半径に置くことになります
この半径には、搭載巡航ミサイル等の射程は含まれていません

J-11 Woody.jpg写真のJ-11戦闘機が、同島で活動したのか、恒久的にWoody Islandに展開して居座るのか、一時的なモノかは不明ですが、時期が時期だけに、イージス艦ラッセンの「航行の自由作戦」によって傷つけられた「中国の威信」を、「異なる土俵」で取り返そうとする動きとも考えられます

西側はエスカレーションの道を選択するのか・・・空母を派遣して戦闘機を飛ばせるのか・・・

J-11の訓練写真を発表の中国軍webサイト
http://english.chinamil.com.cn/news-channels/2015-10/31/content_6748267.htm

11月1日付TIME誌web版も本件を速報
http://time.com/4096086/south-china-sea-jets-paracel/#4096086/south-china-sea-jets-paracel/
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Woody Islandの概要(ウィキペディア情報)
ベトナムと台湾も領有権を主張しているが、1974年以降、この島を含む西沙諸島全体を中国が実効支配している。
●中国は南シナ海諸島全体を海南省 三沙市としており、この島を南海諸島の中心となる島とするべくあらゆる施設を建設し既成事実化を進めている。

Woody Island P.jpg●島は航空海事軍事基地となっており、直径1.6km程度の島に2.7kmもの滑走路が建設されている。
面積 - 2.1平方km、 人口 - 1,000人以上主に中国人民解放軍、中国人民武装警察部隊、三沙市政府などの人員などが居住。

民間住民には米や油、真水が不定期に支給され、軍用地以外の土地は自由に使用でき、各自家を建てることができる。また定住する漁民には衛星放送アンテナやチューナーがプレゼントされ、電気代は完全無料

三沙市の住人のほとんどがこの島に住んでおり、三沙市議事堂は軍・政府関係者など1,000人程度のための議事堂である。
医療施設 -中国軍の「人民医院」  金融機関 - 工商銀行 スーパーマーケット - 西沙超市

米海軍筋が「航行の自由作戦」細部を明かす・・
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-01
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中国軍の最強対艦巡航ミサイルYJ-18を学ぶ [中国要人・軍事]

YJ-18.jpg米海軍情報局が本年4月にその存在を公式に発表した「対艦巡航ミサイル:YJ-18」について、米国の公的機関である「米中経済・安全保障協議会:U.S.-China Economic and Security Review Commission」が28日付でレポートを発表しました。

タイトルは「対艦巡航ミサイルYJ-18:その能力と西太平洋地域の米軍への影響」で、政経問題を政経問題を広範囲に扱う機関のレポートとしては異例の「特定な兵器に関するレポート」です

中国海軍の水上艦艇や潜水艦に搭載可能な仕様となっており、その性能から本日ご紹介する米海軍大学のAndrew Erickson氏のような専門家が「対処不能な兵器」と呼ぶ高性能兵器です
以下では、同レポートを紹介したAndrew Erickson氏のブログ記事を紹介いたします

レポート現物(7ページ)
http://origin.www.uscc.gov/sites/default/files/Research/China%E2%80%99s%20New%20YJ-18%20Antiship%20Cruise%20Missile.pdf 

28日付Erickson氏のブログ記事より
Erickson.jpg●4月に米海軍情報局が恒例の中国海軍評価報告書で初めて公式にその存在を記述した「YJ-18対艦巡航ミサイル」は、潜水艦と水上艦艇に搭載可能である。
●これまでの同種対艦ミサイルより遙かに凌ぐその射程や飛翔速度、中国軍アセットへの広範な搭載可能性により、中国の米海軍艦艇に対するA2AD能力は飛躍的に増加するだろう

2020年までに、YJ-18は中国製の多くの巡航ミサイル搭載艦艇や潜水艦に搭載され、また改良されて地上配備の旧式対艦巡航ミサイルに取って代わるだろう
●本レポートは、公開資料と既存ミサイルとの比較による考察で、YJ-18の特徴を考察するもの

YJ-18対艦巡航ミサイルの特徴
YJ-18 2.jpg●亜音速の巡航速度(推定マッハ0.8、600ノット)で、攻撃目標の手前20nmで超音速(マッハ3)に加速する。亜音速巡航で航続距離を伸ばし、終末超音速で敵の対応を困難にする
米国防省によれば射程は290nm(540km)現有ASCMのYJ-82の射程が20nmであることを考えると、飛躍的な能力向上である

●艦艇のレーダー網を回避するため、飛翔経路の大部分を海面数メートルの低高度で飛翔し、攻撃目標の直前18nm程度までその低高度を維持する
●YJ-18の大きさに関する確固たる公開情報はなく、弾頭搭載量を推測する資料もほとんど無い。Jane'sが300kgとする一方、他の資料は140kgとなっている

YJ-18 radial.jpg水平線以遠(over the horizon)の目標照準のためのC4ISRに中国は努力を傾注しており、YJ-18の様な長射程ミサイルに目標位置情報を提供しようとしている。OTHレーダーや艦艇レーダー、航空機搭載レーダーを活用して
しかし、中国のC4ISR能力はYJ-18のような射程のミサイルを支えるには不十分である。米国防省は「中国が第一列島線を越え、正確な海上の目標位置情報を適時に兵器に提供できるかは不明確である」としている

●また中国のC4ISRインフラは電磁妨害などに脆弱で、妨害で発見識別追尾能力が低下する可能性があり、中国軍の対艦ミサイルの能力発揮を低下させている
●YJ-18の航法は「waypoint navigation」を使用している可能性が高く、ミサイル搭載レーダーが目標補足を担っていると考えられている

中国メディアによるYJ-18試験成功の報道


その他のYJ-18情報

4月11日付海国防衛ジャーナル
米海軍情報局による中国海軍評価報告書に関し
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50746388.html
YJ-18はロシアの3M54Eクラブをベースに作られた対艦ミサイル。3M54Eクラブもキロ級(636M)潜水艦に搭載されている。YJ-18は垂直発射システム(VLS)からの発射が可能
●YJ-18は093G型商級原子力潜水艦や052D型駆逐艦への搭載が噂されていた。

Anti-Ship Misl.jpg●今回の報告書では、052D型駆逐艦のほか、宋級と元級通常潜、商級原潜へYJ-18が搭載されているとされています。
●052Dや055といったVLSを多数備えた水上艦は今後も増勢していくとみられ、それに伴い、YJ-18の配備数も増える懸念が。

●中国海軍の専門家であるA.Erickson海軍大学准教授は、と、YJ-18の防衛は極めて難しいと述べています。他にも「The Diplomat」のように、YJ-18を「空母キラー」としているものがある。

5月:米国防省「中国の軍事力2015」
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50748065.html 
●旧型水上艦はYJ-8A(120km)搭載だが、052C型はYJ-62(220km)、052D型と055型はYJ-18(540km:290nm)を搭載する。
YJ-18/派生型は、現在8隻の636M型キロ級に搭載されているSS-N-27シズラーより劇的に能力が高い。636M型キロ級に搭載済で、宋級、元級、商級に搭載される予定
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米海軍のイージス駆逐艦ラッセンが、中国海軍の艦艇を「引き連れるように」南シナ海で「航行の自由作戦」を行っています。

Lassen.jpgこの作戦を捕らえ、何か急激に「中国破れたり」的な論調が増え、中国は「手も足も出ない」的な表現が目立つようになっています。

中国バブルが弾け、習近平の訪米が不調に終わり、中国寄りの韓国の調子が悪く米韓関係がギクシャクでも、世界を大きく捕らえれば、日本の状況を真摯に見つめれば、ここ1ヶ月ぐらいの出来事は、ほんの表層的な出来事でしょう。

落ち着いて謙虚に、自分の立ち位置を見極める必要がありましょう。
東シナ海がやり玉に上がる可能性も、十分考えられます・・・

中国軍事力関連の記事
「RANDの中国軍事力分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-18
「前:RAND中国軍弱点レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15
「後:RAND中国軍弱点レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15-1

「中国陸軍の挑戦と課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-11
「中国映像:島嶼占領」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
「西側仰天:DF-26も空母キラー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-04

「中国軍事カテゴリー」の140本
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300801487-1

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中国陸軍の取り組みと課題 [中国要人・軍事]

parade.jpg10日付Defense-News記事が、複数の中国軍研究者の中国陸軍研究成果を取りまとめ、その取り組みと課題を紹介しています。

それぞれに「分厚い」中国陸軍関連の研究成果を、手短に紹介しているため、かなり省略されたり単純化された記事になっているとは思いますが、中国陸軍についてご紹介した記憶がないので、これを機にご紹介します

恐らく、未だに訓練などほとんどせず、農業が本業のように自給自足したり、工場で何らかの製品を製造したりする「名ばかり陸軍部隊」も残っているのでしょうが、以下で紹介されているのは、まっとうな進歩を目指している陸軍部隊の様子です

10日付Defense-News記事によれば
中国は陸軍訓練の現実性を高め、弱点の克服や、即応態勢や相互運用性の向上に努めている。これは従来の台湾シナリオだけでなく、多様な場面で任務遂行が可能な陸軍への変革を図る方向への取り組みを示している

Li Xiaobing.jpg●Roy Kamphausenによれば、2006年以来、中国軍は軍管区をまたぐ訓練を増加させており、部隊が多軍管区へ機動展開することも増えている。現在中国は7つの軍管区に分割されているが、将来5つに統合される予定である
●鉄道による部隊移動が依然主力ではあるが、軍管区をまたぐ訓練増加により、車両による移動にも力点が置かれるようになっている

●「A History of the Modern Chinese Army」の著者であるLi Xiaobingによれば、中国陸軍演習には3つの変革が確認できる
第1に、訓練場所が単なる演習場から、実際に紛争が起こっているチベットや神鏡ウイグル自治区等にも広がりつつある

第2に、演習自体が実戦的な環境設定になり、指揮、通信、長距離兵站等々に取り組んでおり、「ロシアまで長距離機動展開しての演習まで行っている」
第3に仮設敵を演ずる部隊がより高度で強力な設定となり、中国陸軍より強く設定されており、「中国陸軍側の勝利が約束されておらず、懸命に賢く戦わなければ成果が得られない設定に変化しつつある」

他の専門家は別の視点で
●「The Chinese Army Today」の著者であるDennis Blaskoによれば、演習をより実戦的にするため、中国が既に攻撃を受けている状況下で、移動中の演習部隊の状況も敵部隊が偵察で承知している設定にし、長距離精密誘導兵器で攻撃を受ける状況付与も準備されている
機動展開直前や移動中にも状況の変化が付与され、展開先に到着直後から強力な敵と対峙する場の設定が準備されていたりする。レザー射撃判定装置等も活用されている

Richard Fisher.jpg●Richard Fisher によれば、20年前から中国軍が主張している「情報化された戦い」や「機動化された戦い」への投資は、前線部隊にも届き始め、C3I装備や第3世代車両、新型戦闘車両、訓練センター、陸軍航空部隊等を組み合わせ、軍管区演習や複数軍管区が関与する演習にも発展している
C3Iの発展によりフラットな指揮統制機構を実現し、多様な部隊の組み合わせによる、より現実的で実戦に則した訓練を可能にしている。

中国陸軍の弱点や課題に関する指摘
●Li Xiaobingによれば、最近の陸軍演習は、中国軍自体の弱点を改めて思い知らせる事になっている。「政治が演習に依然介入している。演習場所、指揮官の任命、戦いのやり方等に対してである」、「部隊によっては耐用年数が来るまで旧装備を使用せよと言われたり、旧弾薬をまず撃てと言われたりしている」

Chinese Army.jpg●Dennis Blaskoによれば、複雑な電磁環境を想定し、電子戦やサイバー戦も過去よりも取り入れられている。これにより中国陸軍の現状の統合や他軍種との協力面での問題点がより明らかになっている

●最近の演習では、モジュラー形式で歩兵部隊に必要な砲兵や施設や防空部隊等を増強する事が増えているが、大隊レベルに司令部要員の配置がないことが問題となっている。
●これは旧ソ連方式で中国陸軍が部隊編成されているからで連隊司令部レベルが詳細な計画を作成して隷下部隊に指示する事を前提としているからである。このような演習を通じ、自身の欠陥に気づくことになっている

●また同氏によれば、UAV等の新装備の導入に伴う問題として、一度に導入が進まないため、部隊間で装備や運用法に差があり、全体として統制のとれた運用が出来なくなっている
●「中国陸軍は訓練演習で絶えず問題点を明らかにしており、それが演習の主要目的の一つでもある。結果を受け、対策検証演習や自然の演習に反映させる
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Chinese Army2.jpg冒頭でも触れたように、中国陸軍の全体像も把握したいものです

上記で紹介されている「先頭を走る部隊」以外はどうなっているのか・・・。
中国海空軍や第2砲兵(弾道ミサイル専任部隊)への、人事や予算や活躍の場の傾斜配分が目立ってきた最近の情勢の中で、中国陸軍の皆様がどんな事を考えておられるのかが気になります

ご参考:中国陸軍関連の記事
「イメージ映像:島嶼占領作戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
「米陸軍だけは中国と交流継続」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-05
「米中陸軍が豪州で共同訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-18


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