So-net無料ブログ作成
亡国のF-35 ブログトップ
前の15件 | -

米国防省がF-35の受け取り拒否 [亡国のF-35]

開発試験フライトが終了し、運用試験と評価フェーズに入ると発表した同じ週に・・・
2~3週間の交渉で解決とのみ見通しらしいですが

Winter2.jpg12日、米国防省のF-35計画室は、F-35製造段階での品質管理に問題があり、その問題への対処に関する費用負担の協議がLockheed側と終結していないことから、問題解決までF-35の受け取りを停止していると認めました。本件はロイターが最初に報じ、その報道を後追いでF-35計画室が認めた形です

11日には同じF-35計画室長が11年にも及ぶ開発試験飛行の最後のフライトが11日に終了し、今後は運用試験と評価フェーズに入ると成果を強調していたのですが、そんな時に「水をさす」受け取り停止問題が明らかになったタイミングの悪さです

機体受け取り停止につながった「F-35製造段階での品質管理問題」とは、機体の構造材をつなぐ際にドリルで穴をあける部分の腐食防止措置が不十分で、200機のF-35Aに対し当該部分への腐食防止の再塗装などが必要になった件で、その対処自体は難しくないようですが、経費負担をどうするかで国防省とロッキード間で話がついていないので受け取り停止らしいです

ロッキード側は2018年全体の機体製造機数と納入には問題ない程度の話だとコメントし、国防省も空軍も「大きな問題ではない」とのスタンスの様ですが、今後量産体制に入る前に、品質管理問題をロッキードに念押しする意図もあるようです

調達担当のEllen Lord国防次官は
Lord.jpg●問題自体は解決に向かっていると考えているが、この受け取り停止は、機体の品質管理に関するロッキード側のいい加減さに対する毅然とした国防省側の態度を示すものでもある
●F-35計画を推進しようとする中で、受容可能なレベルという点で我々も思慮深かったとは言えない状態だったが、この問題を契機に前進したいと考えている

●この腐食問題は、企業の製造レベルへの期待を明らかにする一つの事例である。現時点では国防省側が期待するレベルが達成されていると確認できない
●ロッキードのCEOとは毎月あって国防省の期待を話しているが、「今後製造される機体が、我々の期待するレベルを達成するとの信頼を確かなレベルにするプロセスの途上である」、「企業の全てのレベルと協議をつつけており、信頼を確実なものにしたい」
/////////////////////////////////////////////////////

F-35 fix.jpgまず、これから運用試験と評価(operational test and evaluation)に入るということです。この運用試験と評価は、なあなあ関係のロッキードとF-35計画室ではなく、国防省の機関ながら議会により設けられた独立系の性能評価局が関与することになると思います。

まだまだ開発と製造の同時進行は進み、まだまだ多くの問題が明らかになり、修理改修経費が膨らむことでしょう

そんな中にあって、左うちわのロッキードが「品質管理」で手抜きし、ますます費用がかさむ「負のスパイラル」です。

最近のF-35関連記事
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

タグ:Ellen Lord
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

F-35の維持費を1/3にしF-16並みに [亡国のF-35]

さもなければ、1763機から約590機調達減か

Goldfein11.jpg3月29日、米空軍参謀総長David Goldfein大将が記者団との朝食会で、F-35の維持経費が高額であることに改めて強い懸念を示し、現在のF-35維持経費を1/3程度のF-16維持費レベルに 低下させなければならないと語りました

2月には戦闘機族のボスである戦闘コマンド司令官が、老朽化が進む米空軍戦闘機の平均年齢を下げるため、本当は毎年60機ペースでF-35を購入したいが、今多数購入すると今後の改修経費と維持費を支えられないと「本音」を吐露していたところです

また3月には国防省F-35計画室長が、維持整備体制の問題から、世界に存在する280機のF-35のうち、飛行可能なのは5割に過ぎないと暴露して世界に衝撃を与え、その数日後米空軍幹部も、米空軍保有機体の8割近くを占めるソフト2B搭載機体の稼働率は、4割台にとどまっていると議会で証言したF-35の惨状です。

そんな中での参謀総長の発言ですが、特に注目したいのは他軍種や外国購入国も同じ思いだとのニュアンスの言及をしている点です

3月29日付Military.com記事によれば
F-35 block 3.jpg●Goldfein米空軍参謀総長は、まず最初の目標は現在われわれがF-16の維持費か同レベルまで、F-35の維持費を削減することだと明確に述べ、「F-35の維持費を大変懸念している」と朝食会で語った
●そして更に「我々は第4世代機レベルにまで維持費が削減されるまで努力を止めない」とも語り、併せて海軍と海兵隊やF-35を購入した諸外国もその追及に協力する計画だと述べ目標はF-16と同価格までの削減だと再度表現した

●参謀総長はこの削減努力に関し、マティス国防長官が国防副長官と調達兵站担当次官に軍需産業出身者であるPatrick Shanahan氏とEllen Lord女史を選んだことを高く評価し、軍需産業をコスト面から導ける経験を持った人物の登用に期待を示した
●この背景には、Bloomberg Newsが同週に、F-35の維持費を削減できなければ、空軍の計画するF-35の調達機数1763機から約590機を削減する必要があるとの具体的数字を始めて報道して話題を集めたことがある

Goldfein1-1.jpg●Goldfein米空軍参謀総長の発言に対し、Lockheed Martin社は声明を発表し、「わが社はF-35維持費の削減取り組みに投資を行っており、引き続き国防省F-35計画室との連携を密にし、運用維持経費の縮減に努めていく」と述べている
●また同社F-35担当副社長が3月5日に、「F-35は数年後には、他の戦闘機を即応態勢と生産面で凌ぎ、数々の記録を打ち立てると確信している」とも自信を示してたところ
///////////////////////////////////////////////////////

最近立て続けに、国防省幹部や米空軍幹部からF-35関連の発言が相次いでいます
つい最近までは、海外での売れ行きに配慮し、開発状況に中立的な発言が多かったのですが、2019年度予算編成の過程で耐えられないことが明確になってきたのでしょう・・・。

そのうち海外購入国への配慮とか、相互運用性の観点とか、そんなことはすっ飛んでしまって、海外にコストを押し付けてでも、米国用のコスト削減に走ることになるのでしょう・・・恐ろしや・・・

最近のF-35関連記事
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米空軍F-35の77%を占める2B機体の稼働率4割 [亡国のF-35]

Harris-J.jpg7日、米空軍司令部戦略計画部長Jerry Harris中将が下院軍事委員会で証言し米空軍が保有する130機のF-35の中で、約77%を占めるソフト2B搭載機体の稼働率が40%程度であると認め、一つの最前線である嘉手納基地に展開中のF-35でも7割だと述べました

先日は国防省F-35計画室長の発言を紹介し、全世界に存在する280機のF-35の稼働率が約5割だとご紹介しましたが、米空軍の状況も悲惨な状況にあることが明らかになりました

Harris中将は、導入が始まった最新ソフト3F搭載機を「待ち望んでいた機体だ」と将来見通しが明るいような表現もしていますが、自動兵站情報システムALISの最新ソフトにも大きな進展が見られないと語り、国防省F-35計画室長より深刻な状況を吐露しています

また、軍内の機体修理施設や部品調達の課題も深刻で、時間当たりの運用経費が他の戦闘機の3倍以上に上っている様子も語っています。

7日付米空軍協会web記事によればHarris部長
F-35 luke AFB.jpg米空軍が保有する130機のF-35の中で、約77%を占める100機のソフト2B搭載機体の稼働率は40%前半に留まっている
●ただし、より最新型のソフト3Iと最新型ソフト3Fを搭載した機体の稼働率は6割から7割である。そして既に運用態勢確立を宣言したユタ州の部隊から、嘉手納基地に展開しているF-35の稼働率は7割以上を維持している

●ソフト3F搭載機の改善具合は素晴らしく、信頼性とセンサー能力を発揮する能力面で「驚くべき進歩改善」を感じさせてくれている。搭乗員と整備員が待ち望んでいた機体といえる

一方で、自動兵站情報システムALISは依然として多くの問題を抱えており、フライト状況の監視や故障部位の部品自動発注で多くも問題を引き起こしている
●米空軍もこの問題を認識し、ソフトの更新を試みているが、結果は「期待したよりも、仕事に時間がかかり、人手を要する」事となっているのが現状である

Harris-J2.jpg米空軍は「ALIS問題に真剣に取り組んでおり(in-depth study of ALIS and its shortfalls)」、年末までに問題を解決したいと考えている
●また米空軍内の修理補給施設の整備も遅れており、低稼働率を招く部品調達や部品品質の問題につながっている。そして部品を製造企業に送り返して対応を依頼することから経費が高騰している
飛行時間当たりの経費が5万ドルにも至っている現状は看過できない
////////////////////////////////////////////////////////

運用開始間もない最新鋭機が潮風の影響を受けやすい沖縄に展開し、7割の稼働率であれば頑張っている方だと思いますが、Harris中将の証言からすると、まともに飛行できそうな機体のほとんどが嘉手納派遣に関与していると考えられます

F-35 luke AFB2.jpg対中国や知北朝鮮へのにらみを利かせるための派遣でしょうが、12機程度の派遣を支えるが限界だということでしょう

こんな機体を導入し、今後も機数を増やそうとしている日本の皆さんの苦労を思う時、その労力は他に生かすべきではないかとしみじみと思う今日この頃です

世界中のF-35稼働率は5割
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3

今も変わらぬ問題の本質
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

現在のF-35稼働率は約5割 [亡国のF-35]

世界中に存在する280機のうち半分が飛行不可能

F-35 3-type.jpg2月28日、米国防省F-35計画室長Mat Winter海軍中将が記者団と懇談し、米軍及び世界各国が受領している約280機のF-35のうち、飛行可能状態なのは51%の機体に過ぎないと語り、特に初期に製造された機体にハードとソフト両面で不具合が多発していると語りました

また、航空機整備体制の革新として、鳴り物入りで導入された自動兵站情報システムALISがうまく動かず、自動診断で故障警報を乱発し、不要な部品の発注を繰り返している混乱ぶりも明らかにしています

開発と製造を同時並行で進めるという、海外輸出振興と国内反対派対策のため無理やり行った無茶な施策の結果が、この惨状を招いたのは明白です。
いずれの問題についても、解消する方向で手を打ちつつあると同中将は語っていますが、外部の有識者や専門家が以前から予測していた問題が次々と現実となる「負の優等生F-35」ぶりは健在です

2日付Mmilitary.com記事によれば
F-35 luke AFB.jpg●Mat Winter室長は記者団に、初期のロット2からロット4で製造したF-35の稼働率が最も悪く40~50%で、もっとも最近のロットで現在も製造が続いているロット9と10の稼働率は70~75%だと述べた
●稼働率が低くなっている問題の背景には、機体の不具合を自動診断して部品の調達等を自動処理する自動兵站情報システムALISのトラブルがあり、問題のない部品を故障と診断する「false positives」がかなり発生し、部品の誤発注が続いている

●同室長は良いニュースとして、ALISの最新バージョンソフト3.0は「false positives」問題をほぼ除去可能で、初期型F-35のトラブルについても関係者が信頼性を上げるべく取り組んでいると説明した
●また部品の調達を円滑にし、整備員の技量を向上させ、整備維持システムや工具を適切にし、サプライチェーンや部品供給基盤を整えていくとも説明した

●更に、初期型100機に対するハードとソフト両面の改修事業が開始され、ソフトでは「3F」の搭載も進められると説明し、「機体が整い、ALISがバージョンアップされ、修理部品が必要数揃い、整備員の能力が向上すれば、全体のコストを下げることができる」と語った
●F-35の維持運用経費の高騰問題についても言及した同中将は、現在の維持コストでは今後280機から2021年末の800機に増えた段階で支えることができないのが部隊の現状であると認め、「全ての手段や手法を駆使して維持可能なコストに引き下げたい」と説明した
///////////////////////////////////////////////////////////////

F-35 luke AFB2.jpg過去に他の機種で前例のない増産を計画しているため、部品の供給が追い付かなくなり、維持整備費や高騰して稼働率が下がり、ますます新規購入意欲が低下して単価が上昇するとの「負のスパイラル」を何度も警告してきましたが、その通りの「坂道転げ落ち」現象が現実のものとなっています。

Winter室長のような明るい将来像は5年前から延々と語られていますが、手戻り改修経費が大きな問題となり、維持経費が高止まりする現状に具体的な改善方向は見えていません

輸送艦「いずも」にF-35Bを搭載するとか検討するとかいう前に、もっとしっかり足元を確認し、地に足の着いた議論をすべきです

今も変わらぬ問題の本質
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

F-35維持費問題を内外が指摘
「F-35維持費負担は不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-04-1
「GAOがF-35維持費に警告」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-25
「再度警告:開発と製造の同時並行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-10 

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

今F-35を購入すると改修に膨大なコストが [亡国のF-35]

米空軍の戦闘コマンド司令官が本音で語る年間購入機数48機

Holmes55.jpg22日、米空軍の戦闘機族ボスであるMike Holmes戦闘コマンド司令官が米空軍協会航空戦シンポジウムで講演し、今後のF-35取得ペースやその後に待ち受ける要改修機体への対処などについて語りました。

米空軍が保有する戦闘機の平均年齢「30歳」を引き合いに出し、F-35を年間何機購入すれば平均年齢が下がるかなどの興味深い分析を披露しつつ、一方で他の必要投資とのバランスも考える必要があると認めざるを得ない苦しい立場も吐露ししています

そして、他の投資分野とのバランスだけでなく、開発と製造を成功して進めているF-35の乱暴な現状を踏まえ、今大量に購入しても「支払いきれない膨大」な改修費用が必要となるとの本音の理由も説明し、現状の年間購入機数への理解を、米空軍や軍需産業やOBの「戦闘機命派」に求めています

22日付米空軍協会web記事によれば同司令官は
F-35 Hill AFB2.jpg●米空軍は、F-35の年間購入機数を48機とすることが「balance point」だと考えている。このバランスとは、戦闘機全体の近代化を図りたいとの願望と、他のアセットの近代化との間のバランスである
●また、(開発途中で製造され、受領後に近代化改修が必要な機体の)改修経費が膨大なため、全てのF-35を同じ形態にそろえることは不可能

●もちろん私は(年間48機)より多くのF-35を毎年購入したいし、そのことで米空軍保有戦闘機の平均年齢30歳を引き下げたい
●例えば、年間60機F-35を購入できても、それでは平均年齢を維持することで精一杯だ。仮に80機購入を10年間継続できれば、平均年齢を20歳にまで引き下げることが可能だ。そして100機なら我々がより幸せだろう

●しかし戦闘機の更新は、他の核兵器、ISR、宇宙アセット、無人機などなどの近代化投資とのトレードオフで考えなければならない。
HOLMES4.JPG●特に(まだ開発が継続している中で見切り発車して購入した)初期段階のF-35機体を最新型レベルに改修するには、「支払いきれない膨大:unaffordable cost」な改修費用が必要となるため、しばらく待って望ましいレベルの後に生産される機体を購入することを志向している

●ただし、どのレベルの能力を達成した機体が必要か、初期型機体をどのレベルまで改修して引き上げる必要があるかは検討中である
●(現在、操縦者養成用に使用している初期型の限定的能力しかないF-35を、全て実戦使用レベルに改修するのか?との質問に対し、)一部の機体はその改修に膨大な経費が必要出し、一部はソフトの交換だけで能力向上が可能になる。現在検討中である
/////////////////////////////////////////////////////////

この「Air Warfare Symposium」には、日本からもゾロゾロ戦闘機命派の航空自衛隊操縦者OBが軍需産業顧問として参加しているはずですが正直に日本に帰って報告していただきたいものです。

F-35 luke AFB2.jpgもしかしたら在米大使館の防衛駐在官あたりも参加しているかもしれませんが、正直に日本政府にこの現状を報告すべきだと思います

恐らく48機ペースを維持するのも困難でしょうから、米軍戦闘機の平均年齢は30歳から上昇を続けるのでしょう。総数を削減しないとの大前提を変えない限りは・・・

Holmes戦闘コマンド司令官の発言
「仮想敵機も民間委託」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09-1
「民間ドローンへの対処権限を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-15
「規模が大きすぎ小さくなっている」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-14

「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22
「ACCの新たな取り組み」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-15-1
「Holmes司令官の経歴など」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-12

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米国防省次官がF-35維持経費負担不能と [亡国のF-35]

調達兵站担当次官
「現状のままではF-35の維持経費を払い続けることは不可能」

Lord.jpg1月31日、米国防省の調達兵站担当次官であるEllen Lord女史が記者団に、現状ではF-35の維持経費を米国防省は捻出できなくなることから、専門家やデータ分析技術を動員してF-35計画室とともに、維持コストダウンに取り組み始めたと語りました。

F-35の維持経費については1月18日にも、次の米空軍調達担当次官であるWill Roper氏が議会で証言し、最も大きな懸念事項であり、同次官ポストに就任したらまず一番に精査して必要があれば対処すると語っていたところです

また昨年10月の米会計検査院GAO報告書でも計画よりはるかに長期間必要な部品修理、修理に必要な部品不足、F-35兵站支援システム開発の遅れ等々が厳しく指摘され、予算獲得と海外売り込みのために厚化粧した「亡国のF-35」の実態は、隠しようもない状況であることが表面化しています

1日付Defense-News記事によれば
F-35 Paris.jpg●Ellen Lord次官は記者団に、F-35戦闘機の維持経費に対し、新たな業務データ分析を試験導入し、ビックデータ分析を含む客観的手法の導入を図ると語った
●そして「現状のままではF-35の維持経費を払い続けることは不可能。我々はこれを変えなければならない」と語り、この「most significant」で「awesome aircraft」を生かす努力の重要性を語った

●また遅れている開発と最終試験スケジュールに関しては、「急激に変化する脅威に対応すべく、2025年までにすべての開発計画を完了しなければならない」と決意を述べた
既に米軍内だけで250機のF-35が部隊配備されているが、維持整備に関し米国防省は数々の困難に直面しており、GAOが指摘したように「計画よりはるかに長期間必要な部品修理、修理に必要な部品不足、F-35兵站支援システム開発の遅れ等々」の問題が山積している

●会計検査院GAOの指摘に対しF-35計画室は、GAO報告書のデータは正確だが、データ収集時点からすでに種々の対策を講じており、事態は改善されてると説明している
Lord2.jpg●しかしLord次官は、6名からなる調達専門家チームを編成し、F-35計画室と緊密に連携させ、原点に立ち返って計画を分解し、如何に維持を行うか、如何にコストダウンするかを検討させていると語っている

●同次官は「F-35計画は極めて複雑で、多くの海外顧客も関係しているが、だからこそ計画全体を知る専門家が新鮮な目で見てチェックし疑問を投げかけることが、全体の利益につながるのだ」と語っている
●また「我々はデータ重視で進めたいと考えている。概念やコンセプトばかりでは地に足の着いたアプローチはできず、率直に言って時間の浪費になる。F-35に関するすべてを俎上に載せ、データに裏付けられた分析で、よりシャープな目で臨みたいと思う」と説明した
//////////////////////////////////////////////////////////

専門家投入やビックデータ分析で維持コスト低減が成功することを祈念いたしますが、NPRで示された核兵器維持近代化、各種通常兵器の更新等々を勘案すれば、2千機以上のF-35を導入することは絶対に不可能で、調達機数削減は不可避です

F-35 GAO.jpg現役次官がここまで率直に語るようになったとは・・・事態の深刻さを表現しています・・・

すると「負のスパイラル」、機数削減→価格上昇→海外の購入機数減少→更なる単価高騰+維持整備経費増大・・・となります。

そして日本のような国は足元を見られ、効果ない維持費を吹っ掛けられ、泣く泣く支払うことになります。日本はF-35Bなど購入している場合ではありません。脆弱で有事に使えない戦闘機への投資を絞るべきです

「次の米空軍調達幹部がF-35を一番の懸念に」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-20-1 

米会計検査院がF-35にたびたび警告
「GAOがF-35維持費に警告」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-25
「再度警告:開発と製造の同時並行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-10
「F-35最終試験は1年遅れでも不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-17
「ALISにはバックアップが無い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-01

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米空軍省の次期調達担当次官:F-35維持費を懸念 [亡国のF-35]

次期空軍調達担当次官:F-35の維持が最大の懸念

Roper5.jpg18日、次の米空軍省の調達担当次官候補であるWilliam Roper氏が、上院軍事委員会の承認を得るため同委員会で質疑応答に登場し、同氏が同次官職に就任した場合の一番の懸念事項がF-35の維持計画とその経費だと証言し、同次官に就任したらまず再確認したいと語りました

William Roper氏の名前に覚えがある方は相当の「通」だと思いますが、国防省の鳴り物入り組織である(あった?)「戦略能力緊急造成室:Strategic Capabilities Office」の初代室長を現在務めている人物です。

このSCOは鈍重な国防省官僚組織の調達システムをすっ飛ばし、最新の技術を生かした装備品を迅速に実現して前線に投入する特別組織で、カーター前国防長官の肝いりで発足した組織です。
Roper44.jpgつまりRoper氏は、国防省調達の問題点を知り尽くした人物というわけです。

国防長官直属のSCO室長として、同じ国防長官直属であるF-35計画室の状況は「反面教師」として自然と耳にしてきたと考えられますが、そんな中でのF-35維持体制と維持経費への問題意識です。是非拝聴しておきましょう。

19日付米空軍協会web記事によれば
●18日、上院軍事委員会に次の米空軍調達担当次官候補として証言に臨んだWilliam Roper氏は、もし承認されたら、米国防省最大の購入装備品であるF-35とB-21爆撃機について、その計画と維持計画を詳細に吟味する必要があると所信を述べた
●そしてWilliam Roper氏は、最大の懸念事項はF-35の維持コストであり、仮に米空軍が維持コストを管理できずに低下させられなかったら、押し寄せる維持コストの荒波に次ぐ次と襲われ、米空軍保有の装備体系をも脅かしかねず、最終的にはF-35を計画調達数を下げなえればならなくなると述べた

Roper2.jpgまたB-21爆撃機についてRoper氏は、まず必要機体数について再検証したいと語り、昨年末に発表された国家防衛戦略NDSや2月に発表予定の核態勢見直しNPRを踏まえた精査が必要だと語った
●そして上記2つの戦略文書を踏まえ、米空軍は爆撃機戦力全体の構成を再検討すべきだと語り、現在3機種(B-1、B-2、B-52)で175機保有している体制の将来像検討が必要だと主張した

●ちなみに、米空軍の元情報部長で退役中将のDave Deptula氏(ミッチェル研究所長)は、120機のB-21爆撃機を含め、爆撃機全体は282機必要だと主張している ●Roper氏は調達担当次官の業務の進め方として、「human-driven」アプローチを提唱し、組織の前線レベルや下層レベルに決定権限を委譲し、プロトタイプによる検証を求めていくと語った。しかし同時に、特定の装備品調達には従来のやり方が必要だとも語った

おまけ:米国防省がベルギーへのF-35輸出承認 (まだベルギーが購入を決定もしていないのに・・・)
F-16 Belgium.jpg●19日、米国務省はベルギーに対し、34機のF-35A型を約7500億円で売却することを承認すると発表した。ただしベルギー政府は正式にF-35購入を決定していない
相手国が購入を決定していないのに輸出を承認するのは極めて異例だが、最近ではカナダへの18機のFA-18輸出を、カナダが決定すする前に承認している。ただ、カナダのケースでは、貿易紛争からカナダ側が米国の輸出承認を無視する姿勢を見せている

ベルギーは54機保有するF-16戦闘機の後継機を検討しており、F-35のほかにも仏のRafaleや、Eurofighter Typhoonを候補機として検討が行われている
●しかし、既にグリペンやボーイングはこのレースから撤退を表明しており、業界関係者の中には「実質上F-35で決定している」と語る者もいる
●欧州のF-16保有国は相次いでF-35を後継機にする決定を行っており、既にオランダ、デンマーク、ノルウェーが決めており、ベルギーが採用を決めれば4か国目となる
//////////////////////////////////////////////////

無人機の群れ活用を強く主張し、SCO室長として精力的に動き回ってきたWilliam Roper氏に期待いたしましょう

F-35 fix.jpgなお同氏は無人機の群れに関し、米空軍が極めて消極的であると強く批判していたことを紹介しておきます

近く、三沢基地に航空自衛隊のF-35が到着し、部隊建設が本格化するようですが、ため息の出るような労力と人材が投入されるのでしょう・・・戦術で勝っても戦略で負けることが見えているのに・・・

William Roper氏の関連記事
「無人機の群れ第7世代」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-26 
「国防省幹部:空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

F-35:ソフト開発遅れでギャップ埋める誘導爆弾導入へ [亡国のF-35]

ソフト開発遅れでJDAMとSDBが搭載できず、穴埋めに緊急調達

F-35 Paris.jpg1日米空軍は、レイセオン社とレーザー誘導爆弾「GBU-49 Enhanced Paveway II」をF-35に搭載する契約を結んだと発表しました。

移動目標に対処するための精密誘導爆弾をF-35で使用できるようにする契約ですが、要するにソフト開発が遅れていて、もっとも効率的で前線で使用されているJDAMやSDB(Small Diameter Bomb)がいつ搭載できるか目途が立たないため、今回の契約に至ったものです

最近は、沖縄の嘉手納基地に12機展開したとか、欧州に展開して東欧諸国に派遣されたとかの話題で2017年は無理やり盛り上げた感のあるF-35ですが、足元はこんなもんです

1日付Military.com記事によれば
F-35 Front.jpg約65億円の契約には、1200発分の誘導キット、導入試験費、兵站支援、パラメータデータ支援などが含まれていると米空軍が発表した。
米空軍のF-35導入室長であるTodd Canterbury准将は、「F-35は運用を開始した即戦力のアセットであるが、GBU-49を装備することでより攻撃力を増す」とその効果を強調した

●同誘導爆弾はF-35に移動目標対処能力を与えるもので、2018年にF-35に導入予定の「ソフト3F」投入に合わせて使用可能になる
●現在使用されてる「ソフト3I」から発展し、「ソフト3F」はF-35に地上にある静止および移動する複数の目標「捜索、探知、識別、攻撃」を可能にするものであるF-35計画室関係者は説明している

米空軍F-35AにGBU-49を搭載する飛行試験は来月から開始し、来年1月末までに400個の誘導キットを企業から米空軍が受領することになっている
●関係者は今回のGBU-49導入契約について、将来のソフトウェアの更なる更新に合わせ、JDAMやSDBが使用可能になるまでのギャップを穴埋めするものであると期待している
///////////////////////////////////////////////////////////

F-35A Eglin.jpg2018年度予算がスタートし、今年も暫定予算状態で米軍の前線部隊は苦しい現場運用を強いられているわけですが、上下両院の機能不全を問題視する国防省や米軍高官の発言が続く中で、装備品調達全体の見直しの必要性を正直に訴える声も出てきています

開発調達&技術担当次官のEllen Lord女史も、具体的装備品に言及した訳ではありませんが、幾つかの開発計画から撤退する話を始めていると語っています。

何が犠牲になるか不明ですが、その浮いたお金がF-35に投入されて良いのか・・・と引き続き疑問に思う今日この頃です

「亡国のF-35」カテゴリー記事
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302846744-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

GAO:F-35の維持整備基盤は最大6年遅れ [亡国のF-35]

11月から12機のF-35が6か月間嘉手納に展開するとのニュースが話題ですが・・・

F-35 Gilmore.jpg23日付Bloombergは、同社が入手した米会計検査院GAOが取りまとめ中のF-35関連文書の案を紹介し米国防省はF-35購入数を維持するのに必死で、維持整備体制構築まで手が回らず、必要な部品の入手や機体整備体制が遅れており、機体の非稼働率が高まってると報じています

そしてこのままでは、現在公表されている60年間のF-35ライフサイクルコストの枠にはとても収まらないだろうと警鐘鳴らしてるようです。

あくまでも「案」の段階の文書で、国防省F-35計画室もコメントする段階にないとそっけない対応ですが、「案」に示された数字や関係者の話から、機体購入ばかりに目が行き、維持整備体制構築が遅れているのは明らかで、ますます「亡国のF-35」度合いが高まっているようです

23日付Bloomberg記事によれば
F-35 3-type.jpg●GAOの報告書案によれば、最新の統計で、F-35部品の修理には平均172日も要しており、目標値の倍の時間がかかっており、部品不足から22%飛行時間を減らさざるを得ない状況にある
●国防省はF-35の調達コストが管理できるようになったと主張しているが、会計検査院は60年間のライフサイクルコストで見れば、追加で100兆円以上必要になると警告している

●国防省F-35計画室とロッキード社は、部品の調達を改善する計画を立てていると主張しているが、国防省の内部文書は、この部品調達加速計画が実行できるかは不透明だと指摘している、とGAO文書案は指摘している

●国防省の新しい兵站&開発担当次官であるEllen Lord女史は今月の講演で、「就任後の私の短時間の観察によれば、我が部署は装備品調達に信じられないほどの時間を費やしているが、装備品の維持面にほとんど時間を割いていない」と指摘し、
Lord.jpg●そして「装備品のライフサイクルコストの7割は、維持整備コストから生じていることを踏まえれば、この状態を改めなければならない」と正直に語っている

●F-35関連部品の維持整備修理施設は6か所の施設で実施する計画で、当初計画では昨年のうちにすべて完成しているはずだった。しかし関係者によれば、いくつかの整備施設は完成が6年遅れの2022年までずれ込むようである
●この原因をGAOは、米海軍と空軍が必要な予算を組めていないからだと指摘し、一方の米軍関係者は、国防省F-35計画室が予算要求に必要な整備補給施設の細部計画を適時適切に明らかにしないからだと主張している
///////////////////////////////////////////////////////////////

とりあえず機数をそろえろ・・・とは、組織上層部を占める戦闘機操縦者が言いそうなことで、どこの国の空軍でもありそうな話です。

F-35transonic.jpg国防省F-35計画室長は、今後控えているF-35の史上例を見ない「大増産計画」を表現し、「津波のような増産」と不謹慎な発言をしているようですが、その過程で機体価格を下げることばかりを議論し、維持整備施設や部品の修理体制が疎かになるのも、想像に難くありません

十分な能力も発揮できない機体を韓国や日本に派遣する話題ばかりを振りまき、プロが一番に考えるべき兵站をおろそかにするとは、まさに「亡国」の名にふさわしい堕落ぶりです

会計検査院GAOがF-35を酷評
「再度警告:開発と製造の同時並行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-10
「F-35最終試験は1年遅れでも不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-17
「ALISにはバックアップが無い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-01

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米空軍F-35がアジアデビューで韓国到着 [亡国のF-35]

隠密の韓国移動に成功したようです・・・

Seoul ADEX.jpg20日、米空軍のF-35が韓国のソウル空港に到着し、同空港で17日から22日まで開催されている「Seoul ADEX 2017:ソウル国際航空宇宙国防展示会」に展示機として参加すると米空軍が発表しました。

今年2月に米海兵隊のF-35Bが岩国基地に展開を開始していますが、米空軍F-35Aがアジアに展開するのは初めてで、空軍長官が8月からアジアへの展開準備は出来ていると語っていたものの、具体的計画について何の事前情報もない突然の飛来です

展開したのは昨年IOCを宣言したヒル空軍基地の部隊の2機で、27名の整備員等と共に展開した模様です。
今回は地上展示のみで、デモ飛行等は行わない予定だそうですが、南北境界線から僅か35nmのソウル空港への展開ということで、それなりのインパクトがありそうです

20日付Defense-News記事によれば
F-35 Seoul2.jpg南北境界線から僅か35nmのソウル空港には、F-35A以外に米空軍から、F-22 Raptor, A-10 Thunderbolt II, C-17 Globemaster III, C-130 Hercules, B-1 Lancer, KC-135 Stratotanker, E-3 Sentry, U-2 Dragon Lady and RQ-4 Global Hawkが参加している
●F-35Aはデモ飛行を行わないが、アラスカから来たF-22、在韓米空軍所属のA-10、更にハワイから来たC-17がデモ飛行を披露する

22日に「Seoul ADEX 2017」は閉会するが、その後F-35が現地で訓練を行うのか等は明らかにされていない
●米海兵隊の岩国基地所属のF-35Bは、8月31日にB-1爆撃機、航空自衛隊と韓国空軍のF-15とともに、「show of force」の飛行を行った

米空軍F-35の海外初展開は今年の4月、数機のF-35Aが英国に数週間展開し、そこから欧州各地に顔を出したのが初めてであった
////////////////////////////////////////////////////

F-35 Seoul.jpg北朝鮮に対し、これといった手を打てない米国と米軍ですが、数少ないアピールのカードを出してきました。

初期的な基本ソフトしか搭載していない状態で、使用できる兵器や機動が限定される機体ですが、米軍としては切れるカードは何でも・・・の雰囲気でしょうか・・・

韓国で故障して立ち往生しないことを祈ります・・・。ついでに来週末の百里での航空観閲式に来てくれればいいのに・・・

F-35の話題を230本の記事で
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302846744-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米空軍:予算不足で約100機のF-35能力向上せず? [亡国のF-35]

Winter2.jpg19日、米国防省F-35計画室のMat Winter室長(海軍中将)が、早い段階で米空軍へ納入された最初期ソフトウェア「2B」を搭載した約100機のF-35について、今後完成版ソフトでF-35の最大性能を発揮し、要求性能にある武器を全て搭載可能になる「3F」導入への改修を行うかどうかを検討していると語りました

ソフト「2B」から「3F」搭載に変更するには、スマホアプリのように画面をタップしてボンヤリ待つだけでなく、F-35の機体に少なくとも「150」の修正や改修を行う必要があり、その予算を他に使用したほうが有効ではないか・・・との検討です

たしかソフト「2B」では、アムラームと2000ポンドJDAMくらいしか搭載できず、本当に何とか操縦者の機種転換&養成訓練ができる程度で、旋回性能や最大Gの制限も受け、赤外線空対空ミサイルや小口径爆弾などなどの搭載も出来ないなど、高額な投資をして獲得した作戦機ながら、空対地能力を実戦で発揮するには厳しいレベルです

F-35 luke AFB.jpgそんな「ソフト2B」機をそのまま放置し、試験や訓練だけに用途を限定するとは、なんともさみしい話ですが、米空軍参謀総長が「そんな気にする話じゃないよ・・・」と懸命に火消しの言い訳をしていますので、それもご紹介します

なおF-35の搭載ソフトは、「2B」→「3I」→「3F」と進化していく計画ですが、「3I」が中途半端ながら遅れて納入され、昨年夏に米空軍が初期運用態勢確立を宣言しましたが、「3F」はいつものように遅れており、国防省の評価局は「少なくとも1年遅れ」と早い段階から繰り返し警鐘を鳴らしているのに、F-35計画室は「まだそう決まったわけではない」と歯切れの悪い発言を繰り返した挙句、春頃にやっと遅れを認めたところでした

22日付Defense-News記事によれば
●Winter室長は、米空軍が保有する108機の「2B」搭載機をソフト「3F」に改修するか、もしくは、その改修費用を新造機購入費に充てるか、ソフト「3I」搭載機の改修費に回すべきかどうかの、比較検討分析を行っていると語った

F-35 luke AFB2.jpg●この件に関し Goldfein米空軍参謀総長は19日、そんなに大げさなことではなく、他の機種にもあることだと釈明し、F-15でもF-16でもそうだったし、F-22も149機は最新の「Block 30/35」だが、36機は「Block 20」バージョンだと説明した
●また同参謀総長は、同じくF-35を購入する米海兵隊や米海軍、更に海外の購入国空軍トップとも、どのような方向が良いか連携をとっているとも語った

このような課題が生じることは、国防省の試験評価局が2015年のレポートで早くから指摘し、「厳しい予算環境の中でF-35調達機数を今後増加させる必要が生じるが、そんな中で、初期型ソフト搭載機体の高価な改修費をねん出することは恐らく不可能(unaffordable)である。その結果、作戦能力上で大きな制限を受ける機体を、長年にわたって置き去りにすることになる」と完全に予想していた
//////////////////////////////////////////////////////////////

108機だけじゃすまないでしょうね・・・。「少なくとも2019年末までに完成する約490機の機体で、完全なものは1機もない」と当時のF-35計画室長が明言したF-35ですから、少なくとも約500機が要改修機体となります
そしてその多くが、置き去りにされるのでしょう・・・・
「2019年末まで完全な機体無し」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-10-1

F-35 Hill AFB.jpg下に国防省の評価局や会計検査院のF-35計画への評価関連記事(一部)を載せましたが、これら客観性を保つ目的の組織がこれまで指摘してきた事項は、ほぼすべてが正しく(まんぐーすが知る限りでは完全に正しく)、F-35計画室や米空軍幹部の発言は、結論先送りや問題を過小評価する点で一貫してきました

そして、まだ結果は出ていませんが、これら評価機関に加え、退官した元国防次官や議会の有力国防議員、更に主要な研究者たちが、明確に(時には間接的に)予言しているのは、米空軍だけで1700機以上、米軍全体で2400機以上ものF-35調達は不可能だということです

国防省試験評価局のF-35評価
「F-35計画室がやっと遅れ認める」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-17
「システム試験は6割も残置」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-13
「試験と訓練を急いで火災事故」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-22-1

会計検査院GAOもF-35酷評
「再度警告:開発と製造の同時並行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-10
「F-35最終試験は1年遅れでも不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-17
「ALISにはバックアップが無い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-01

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

原因不明だが:Luke基地でのF-35飛行制限解除 [亡国のF-35]

F-35 luke AFB.jpg8月30日、米空軍のF-35操縦教育のメッカとなるアリゾナ州Luke空軍基地で、操縦者に相次いで発生した低酸素症のような症状を受けて、6月20日から飛行高度の上限を設ける等してきたF-35の飛行制限を解除すると発表がありました

この飛行制限は、5月2日から6月8日にかけ同基地離発着で行われたF-35飛行訓練で、低酸素症のような症状を訴える事象が5件連続して発生したことを受け、6月9日から19日まで飛行を停止し、その後の飛行再開に際し課せられていたもので25000フィート(約7500m)以上の高度での飛行禁止や予備酸素搭載増加などの措置を行っていたことを指します。

「時系列記録:F-35低酸素症(疑い)事案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-11  

F-35 luke AFB2.jpg結論的には、米空軍は外部機関の助けも借りて精力的な原因調査を行い、原因不明ながらF-35の酸素生成装置(OBOGS)を改修交換する打ち出すなどしましたが、これといった特定の原因を突き止めるには至りませんでした

制限解除を発表した同基地の第56戦闘航空団司令官Brook Leonard准将は、原因調査の2か月間で多くを学び、潜在的な原因を相当削減できたとして「区切り」をつけると語りましたが、継続的に関係機関と協力しながらF-35の飛行をモニターしていくと説明しています

8月30日付Defense-News記事によれば
●30日、Leonard航空団司令官は、「特定の原因を究明はできなかったが、原因調査の2か月間で多くを学び、不規則な呼吸や一酸化炭素の摂取の潜在的な原因を削減でき、F-35飛行手順や訓練を改善することができた」と発表の中で述べた
●そして「我々はF-35A型と飛行訓練とその能力に大きな自信を持っている。今後も継続的にF-35A運用を細かにモニターし、国防省F-35計画室や航空医学関係機関等とも連携を維持して改善つなげ、将来の航空戦力構築に前進する」と述べた

F-35 Luke3.jpg●同航空団の報道官Rebecca Heyse少佐によれば、原因調査チームは飛行場の高温環境や一酸化炭素量の操縦者への影響調査や試験を行い、特に操縦者への影響を示唆する結果は得られなかった模様である
●更に同少佐は、飛行準備や飛行手順を見直し、予備酸素の搭載量を増やし、F-35に搭乗後速やかにマスクを装着させるなどに改めたことも一連の事案再発防止に効果があったものと評価しているとコメントしている

●また別の空軍関係者によれば、6月末から2か月以上の飛行制限期間に低酸素症のような事案が1件だけしか発生せず、その1件も操縦者の酸素マスクのバルブ不具合が原因だと特定されており、問題が生じなかったことも制限解除の背景にある
////////////////////////////////////////////////////////////

飛行の安全にかかわる重要なことですので、今後も皆で注意していきましょう

フィンランドが次期戦闘機選定でF-35を検討しているらしいですが、トランプ大統領が「改良型FA-18とF-35の比較検討を行う」との主旨のツイートを昨年12月と今年2月に行った決着がついていなことからもめているようです(参照、以下報道と過去記事)
http://www.defensenews.com/air/2017/08/29/trumps-remarks-on-boeing-super-hornet-confuse-finnish-fighter-competition/
「トランプ再びFA-18大量発注を示唆」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-18
「トランプ:F-35の代替にF-18改良型を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-23-1

F-35 block.jpgその他、海外売り込みへの影響を懸念し、射出座席改修も未完なのに制限を解除したりと、外部の目を気にした「こそこそ対応」が目につきます。なんと言っても、人の命がかかっていることですので、皆で注意しておきましょう。マスごみの皆様もよろしくね!
「改修未完なのにF-35体重制限解除」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-17

時系列記録:F-35低酸素症(疑い)事案
「F-22事案の教訓を生かせ!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-11
「原因不明でも関連装置を交換へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-19

F-22事案を振り返る
「最終的に飛行再開・原因特定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-25
「不沈F-35と低酸素F-22」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-09
「F-22再度飛行停止と再開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-24
「F-22操縦者に謎の症状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-31


nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米GAO:F-35開発と製造の同時進行に再度警告 [亡国のF-35]

調達の柱となる「ソフトBlock 4」搭載機もグダグダ

F-35-eglin.jpg9日、米会計検査院GAOがF-35の将来計画に特化した評価レポートを発表し、今後生産量を急増させ調達機の中核となる「ソフトBlock 4」搭載機体の購入が計画されているが、既に開発が遅れている「Block 4」ソフトとプロセッサー完成を待たずに調達を進めることで、F-35計画のガンとも言える「開発と製造の同時進行」と「手戻り改修」の過ちを繰り返す恐れがあると警鐘を鳴らしています

F-35開発計画は既に当初計画から5年遅れ、開発経費も予定より10兆円以上、つまり45%以上の増加が見積もられている「史上最大の兵器開発計画」となっていますが、今後、第4世代機の老朽化や単価上昇を避けるため、大量生産を望む声が米空軍や産業界から上がっていますが、足元では依然として開発が遅延しており、不完全な機体を無理やり購入し、後で追加経費を投入して修理するという詐欺まがいの状態が続いています

GAOは「開発と製造の同時進行」と「手戻り改修」の過ちを最小限にするため、地に足に付いた追加経費を最低限にする「incremental, knowledge-based アプローチ」を報告書で求め、国防省も方向性は理解しているような素振りですが、F-35計画室長の交代で業務遂行の遅延や混乱もあるようで、全く予断を許さない状況のようです

10日付米空軍協会web記事によれば
F-35-canopy.jpg●GAOの評価レポートは、問題の中核は「ソフトBlock 4」を動作させるために開発が進められている新たなプロセッサー(演算処理装置)開発の遅れで、ソフト3Fまでで使用できない兵器や電子戦機能強化の実現が遅れ、再びF-35開発の悪魔のサイクルである「開発と製造の同時進行」と「手戻り改修発生」が視野に入ってきたと指摘している
●米国防省F-35計画室は、最初の「Block 4」搭載機予算を2018年2月にも要求する計画だが、新型プロセッサーが完成するのは第2弾の「Block 4」搭載機予算を要求する予定の時期まで待たねばならない

●足元でも、「Block 4」搭載機の提案要求書は今年3四半期には発出する予定であったが、少なくとも年末まで遅れる状況になっている。F-35計画室は、予算の不透明さと同計画指導者の交代を遅れの理由としているらしいが、それだけとは信じがたい
●同計画室は議会から、今後のF-35調達戦略の提示を今年3月期限で求められていたがまだ提出されておらず、8月末までには完成予定だとしているが、根本となる全般戦略が不透明な状況では計画の建て直しが危ぶまれる

F-35transonic.jpgGAOは現在計画の時期には「Block 4」搭載機は完成しない可能性が高いと見ており、対策として「incremental, knowledge-based アプローチ」を報告書で求めている。国防省も理論的にはその方向性を理解しコミットしているように見え、4段階の「Block 4」開発を検討しているようである
●このアプローチでは、コストと獲得能力の関係を意志決定者に明確に提示し、より情報が開示され監督が効くプロセスを採用を提言している。

●この提言の必要性をGAOは、「もしそうしなければ、米国防省は、どんな能力がその投資によって得られるのか、要求した能力が実現するのかについて何も知らされないまま、機体単価の交渉を迫られることになる」と表現して警告している
//////////////////////////////////////////////////////////////

GAOの当該F-35計画評価レポート(実質5ページ)
http://www.gao.gov/assets/690/686436.pdf  

北朝鮮のお陰と言うか、森友&加計の「学園物語」のお陰と言うか、フェイクニュース文化の勃興と言うか、中国の脅威もほとんど語られなくなりましたが、もっと語られなくなったのが「亡国のF-35」です。

F-35-lineUp.jpgいつの間にか、限定的敵地攻撃能力の一角をしっかり担うようなシナリオが出来上がり、「抑止力」としても「軍事的効果」からもほとんど意味のない「亡国のF-35」が導入に向け転がり落ちています

導入するなら導入するで、しっかりと足元を見つめながら、他への予算的影響や踏まえた議論をお願いしたいものです。

F-35とGAO
「F-35:国防省とGAO対決」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-27
「最終試験は1年遅れでも計画通りは不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-17
「ALISにはバックアップが無い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-01 

いつまで戦闘機だけを優先?
「F-3開発の悲劇と日本への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「F-35の主要課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17


nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

原因不明:でも2年かけF-35酸素生成装置交換へ [亡国のF-35]

F-35  OBOGS.jpg18日付Defense-Newsが米国防省F-35計画室報道官から得た情報によれば、米空軍で6月までに5件発生した「低酸素症のような症状」に対処するため、未だ原因は特定されていないものの、F-35の酸素生成装置(OBOGS)を改修交換する方向にあるようです

この事案は、米空軍のF-35操縦者養成のメッカ「Luke空軍基地」で発生したモノで、6月9日から21日にかけ同基地はF-35の飛行を停止し、調査チームが約1週間に亘り関係者への聞き取りや機材をチェックしましたが、未だに原因を特定できません

6月21日に飛行を再開した際には操縦者への同事案発生時の対処再教育、同事案が発生した高度帯での飛行制限、予備搭載酸素量の増加などの対策を行うことを条件としていましたが、7月19日からは更に総合的な調査チームが入って広範な可能性をチェックするようです

18日付Defense-New記事によれば
F-35  OBOGS2.jpg酸素生成装置(OBOGS:onboard oxygen generation system)に対する改修は、酸素の濃縮抽出アルゴリズムをより洗練する等の処置だと同報道官は語った
●一方で同報道官は「既に搭載されているOBOGSが今回の事案に関係しているとの証拠は何もない」と述べ、それでも様々な飛行高度での酸素量を再調整することで、これ以上の事案発生を防止できるかも知れないと説明した

●F-35計画室報道官は、OBOGSを製造する「Honeywell」が同装置と3タイプ全てのF-35機体改修を担うが、「コスト見積もりは実施中で、現時点では約24ヶ月(機体改修に)必要だと見積もっているが、より早期に新OBOGSを搭載するよう促していく」と説明した

●現時点ではこの問題はF-35A型にのみ発生しているが、米海軍練習機のT-45やFA-18で同様の事象が発生したケースでも、何が原因か特定できていない
●特にこの問題で難しいのは、「低酸素症のような症状」が様々な原因で発生するからだ。血液中に過剰に酸素が含まれる場合や、酸素が汚れていた場合などでも発症することから、一つに要因を絞り込むことが容易ではない

F-35 3-type.jpg●しかし調査は続いており、F-35計画室、米空軍F-35準備室、米空軍と米海軍の医療関係者などがチームを組んで対応している。例えば、OBOGSの各パーツを再試験したり、生命維持装置全体を確認したり、耐久性を試験したり等々が行われている
●同時にF-35計画室は、身体や空気の異常を監視するセンサーを付加することも検討している。また、Luke基地特有の気候や環境の影響がないか等を確認するため、19日から8週間かけて同チームが現地で調査を開始する
///////////////////////////////////////////////////

OBOGSの仕組みや構造に関する専門的な話は分かりませんが、もやもや感が漂いますねぇ・・・。同時期に海軍の練習機T-45でも同様の事象が発生していることも気になります。

F-35HMD3.jpgそろそろ、現場パイロットの「生の声」が飛び出しそうな予感も致しますが「F-22の教訓」を生かし、また海外売り込みへの影響を懸念し、国防省も空軍も懸命に取り組んでいる様ですので、静かに見守りたいと思います。

でも、原因不明なのに企業(Honeywell)が改修を受け入れるとは・・・これもまた不思議・・・。コストについては精査中なのに・・・。あまり考えると、また性格が歪んでしまうので・・この辺りで。

時系列記録:F-35低酸素症(疑い)事案
「F-22事案の教訓を生かせ!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-11

F-22事案を振り返る
「最終的に飛行再開・原因特定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-25
「不沈F-35と低酸素F-22」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-09
「F-22再度飛行停止と再開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-24
「F-22操縦者に謎の症状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-31

nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

本当?:背風を受けF-35エンジン始動時に火災 [亡国のF-35]

F-35 AIB.jpg12日付Defense-Newsが、昨年9月23日に地上でのエンジン始動時に火災を起こしたF-35A型機の事故調査報告書(2017年5月9日付文書)を独自に入手し、その概要を報じています。

なお、同報告書が今後公表される予定だったのか、そのまま内部資料になる予定だったのかについて記事は触れていません

記事によれば火災事故原因は、機体やエンジンの不具合ではなく、強い背風(追い風)でエンジン始動時にエンジン回転数が上がらないまま、つまり燃料が十分消費されないままエンジンへの燃料供給量が増え、エンジン外部にまで炎が広がったためとなっています

パイロットが頭、クビ、顔に「跡が残るやけど:sustained burns」を負い、内部兵器格納庫の扉が開いていたこともアリ、機体尾部の表面2/3を焼き、特に機体中央部の焼けが激しかった火災で、修理費用は未確定ながら少なくとも19億円と見積もられています。

これだけの規模の火災でありながら、火災直後の飛行停止措置もなく、原因はリスクが指摘されていた天候(背風)と人的要因で、機体設計には大きな問題はなく、パイロットへリスク再教育とチェックリストの見直し程度で事故対策を完了しようとしています

記事には、エンジン計器に異常や警報ランプ点灯等があったのかどうか言及がありませんが、何となく「ごまかし」「もみ消し」「事を荒立てず」の姿勢が見え隠れしているような気がしてなりません

12日付Defense-News記事によれば
F-35 AIB3.jpg5月9日付の米空軍の事故調査委員会(AIB:accident investigation board)の報告書によれば、強い背風で高温のエンジン排気がエンジン内に押し返され、エンジンの回転トルクや回転速度が上昇せず、F135エンジンが燃料供給を加速度的に増加させたことが火災の原因である
●報告書では、「エンジン回転数が上がらない中で燃料供給が増え続けたため、炎をエンジン内に止められなかった。エンジンの排気口から溢れた炎は、背風により押し返され、機体表面に沿って急激に広がった」と表現している

●この火災事故は、ほとんどF-35訓練や運用に影響を与えていない。火災事故発生直後から、米空軍は事故原因が機体設計の問題ではなく背風と人的要因だと考え、F-35A型の飛行停止は考えないと明らかにしていた。
●また国防省F-35計画室も、同事故を受けての機体改修等を発表していない

●事故調査委員会(AIB)報告書は、エンジンを始め機体システムは設計通り作動したと記述しており、操縦者への教育面でこの様な事故防止のために為すべき事があったはずだと述べている
例えば、米空軍は背風がエンジンに問題を起こす可能性がある事をエンジン始動時のチェックリストに含めておらず、操縦者も本事案に関連する訓練や教育を受けていない。従って操縦者は当事案が発生した時、何ら問題発生の兆候を感じていない

F-35 AIB2.jpg●報告書はまた、背風に関する問題は事前に認識されていたにも関わらず、関連文書にキチンと表現されておらず、操縦者間には曖昧な認識のみがあった。この曖昧な認識が背風時のエンジン始動に対する不十分な訓練につながっていると指摘している
●調査責任者の大佐は、F-35は高度に自動化されていることから、操縦者の間に基本事項に対する「慢心」「油断」を生んだのではないかと指摘し、「エンジン始動はほとんど自動化され、グリーン表示の間は問題なしとの感覚が操縦者を支配している」と懸念を示している
////////////////////////////////////////////////////////

パイロットの知人によれば、ジェット機には機首毎に程度の差はあれ、背風時のエンジン始動には注意すべきとの認識が操縦者の間にはあるようです。
なので、当日の風の強さにもよりますが、なるべく背風にならないように機体を並べてエンジンを始動させるようです

F-35 Japan OUT.jpgだったら何でこんな火災が・・・と思わずにはいられませんが、これ以上「邪推」すると益々性格が歪みそうなので止めときます。これを契機に、本報告書が公開され、部外の専門家が突っ込むことを期待しつつ・・・

最後に、この火災事故が発生した同じ日に、航空自衛隊用F-35の1番機のお披露目式典(ロールアウト式)が行われていたと言う「縁起の悪さ」を、無理矢理思い出して頂きましょう。

2016年9月23日の火災事故記事
「日本用1番機の式典日に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24

2014年6月の火災事案
「火災メカニズム」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-04
「当面の対処と設計変更」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-29
「問題は軽易ではない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-08

nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース
前の15件 | - 亡国のF-35 ブログトップ
メッセージを送る