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原因不明:でも2年かけF-35酸素生成装置交換へ [亡国のF-35]

F-35  OBOGS.jpg18日付Defense-Newsが米国防省F-35計画室報道官から得た情報によれば、米空軍で6月までに5件発生した「低酸素症のような症状」に対処するため、未だ原因は特定されていないものの、F-35の酸素生成装置(OBOGS)を改修交換する方向にあるようです

この事案は、米空軍のF-35操縦者養成のメッカ「Luke空軍基地」で発生したモノで、6月9日から21日にかけ同基地はF-35の飛行を停止し、調査チームが約1週間に亘り関係者への聞き取りや機材をチェックしましたが、未だに原因を特定できません

6月21日に飛行を再開した際には操縦者への同事案発生時の対処再教育、同事案が発生した高度帯での飛行制限、予備搭載酸素量の増加などの対策を行うことを条件としていましたが、7月19日からは更に総合的な調査チームが入って広範な可能性をチェックするようです

18日付Defense-New記事によれば
F-35  OBOGS2.jpg酸素生成装置(OBOGS:onboard oxygen generation system)に対する改修は、酸素の濃縮抽出アルゴリズムをより洗練する等の処置だと同報道官は語った
●一方で同報道官は「既に搭載されているOBOGSが今回の事案に関係しているとの証拠は何もない」と述べ、それでも様々な飛行高度での酸素量を再調整することで、これ以上の事案発生を防止できるかも知れないと説明した

●F-35計画室報道官は、OBOGSを製造する「Honeywell」が同装置と3タイプ全てのF-35機体改修を担うが、「コスト見積もりは実施中で、現時点では約24ヶ月(機体改修に)必要だと見積もっているが、より早期に新OBOGSを搭載するよう促していく」と説明した

●現時点ではこの問題はF-35A型にのみ発生しているが、米海軍練習機のT-45やFA-18で同様の事象が発生したケースでも、何が原因か特定できていない
●特にこの問題で難しいのは、「低酸素症のような症状」が様々な原因で発生するからだ。血液中に過剰に酸素が含まれる場合や、酸素が汚れていた場合などでも発症することから、一つに要因を絞り込むことが容易ではない

F-35 3-type.jpg●しかし調査は続いており、F-35計画室、米空軍F-35準備室、米空軍と米海軍の医療関係者などがチームを組んで対応している。例えば、OBOGSの各パーツを再試験したり、生命維持装置全体を確認したり、耐久性を試験したり等々が行われている
●同時にF-35計画室は、身体や空気の異常を監視するセンサーを付加することも検討している。また、Luke基地特有の気候や環境の影響がないか等を確認するため、19日から8週間かけて同チームが現地で調査を開始する
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OBOGSの仕組みや構造に関する専門的な話は分かりませんが、もやもや感が漂いますねぇ・・・。同時期に海軍の練習機T-45でも同様の事象が発生していることも気になります。

F-35HMD3.jpgそろそろ、現場パイロットの「生の声」が飛び出しそうな予感も致しますが「F-22の教訓」を生かし、また海外売り込みへの影響を懸念し、国防省も空軍も懸命に取り組んでいる様ですので、静かに見守りたいと思います。

でも、原因不明なのに企業(Honeywell)が改修を受け入れるとは・・・これもまた不思議・・・。コストについては精査中なのに・・・。あまり考えると、また性格が歪んでしまうので・・この辺りで。

時系列記録:F-35低酸素症(疑い)事案
「F-22事案の教訓を生かせ!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-11

F-22事案を振り返る
「最終的に飛行再開・原因特定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-25
「不沈F-35と低酸素F-22」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-09
「F-22再度飛行停止と再開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-24
「F-22操縦者に謎の症状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-31

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本当?:背風を受けF-35エンジン始動時に火災 [亡国のF-35]

F-35 AIB.jpg12日付Defense-Newsが、昨年9月23日に地上でのエンジン始動時に火災を起こしたF-35A型機の事故調査報告書(2017年5月9日付文書)を独自に入手し、その概要を報じています。

なお、同報告書が今後公表される予定だったのか、そのまま内部資料になる予定だったのかについて記事は触れていません

記事によれば火災事故原因は、機体やエンジンの不具合ではなく、強い背風(追い風)でエンジン始動時にエンジン回転数が上がらないまま、つまり燃料が十分消費されないままエンジンへの燃料供給量が増え、エンジン外部にまで炎が広がったためとなっています

パイロットが頭、クビ、顔に「跡が残るやけど:sustained burns」を負い、内部兵器格納庫の扉が開いていたこともアリ、機体尾部の表面2/3を焼き、特に機体中央部の焼けが激しかった火災で、修理費用は未確定ながら少なくとも19億円と見積もられています。

これだけの規模の火災でありながら、火災直後の飛行停止措置もなく、原因はリスクが指摘されていた天候(背風)と人的要因で、機体設計には大きな問題はなく、パイロットへリスク再教育とチェックリストの見直し程度で事故対策を完了しようとしています

記事には、エンジン計器に異常や警報ランプ点灯等があったのかどうか言及がありませんが、何となく「ごまかし」「もみ消し」「事を荒立てず」の姿勢が見え隠れしているような気がしてなりません

12日付Defense-News記事によれば
F-35 AIB3.jpg5月9日付の米空軍の事故調査委員会(AIB:accident investigation board)の報告書によれば、強い背風で高温のエンジン排気がエンジン内に押し返され、エンジンの回転トルクや回転速度が上昇せず、F135エンジンが燃料供給を加速度的に増加させたことが火災の原因である
●報告書では、「エンジン回転数が上がらない中で燃料供給が増え続けたため、炎をエンジン内に止められなかった。エンジンの排気口から溢れた炎は、背風により押し返され、機体表面に沿って急激に広がった」と表現している

●この火災事故は、ほとんどF-35訓練や運用に影響を与えていない。火災事故発生直後から、米空軍は事故原因が機体設計の問題ではなく背風と人的要因だと考え、F-35A型の飛行停止は考えないと明らかにしていた。
●また国防省F-35計画室も、同事故を受けての機体改修等を発表していない

●事故調査委員会(AIB)報告書は、エンジンを始め機体システムは設計通り作動したと記述しており、操縦者への教育面でこの様な事故防止のために為すべき事があったはずだと述べている
例えば、米空軍は背風がエンジンに問題を起こす可能性がある事をエンジン始動時のチェックリストに含めておらず、操縦者も本事案に関連する訓練や教育を受けていない。従って操縦者は当事案が発生した時、何ら問題発生の兆候を感じていない

F-35 AIB2.jpg●報告書はまた、背風に関する問題は事前に認識されていたにも関わらず、関連文書にキチンと表現されておらず、操縦者間には曖昧な認識のみがあった。この曖昧な認識が背風時のエンジン始動に対する不十分な訓練につながっていると指摘している
●調査責任者の大佐は、F-35は高度に自動化されていることから、操縦者の間に基本事項に対する「慢心」「油断」を生んだのではないかと指摘し、「エンジン始動はほとんど自動化され、グリーン表示の間は問題なしとの感覚が操縦者を支配している」と懸念を示している
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パイロットの知人によれば、ジェット機には機首毎に程度の差はあれ、背風時のエンジン始動には注意すべきとの認識が操縦者の間にはあるようです。
なので、当日の風の強さにもよりますが、なるべく背風にならないように機体を並べてエンジンを始動させるようです

F-35 Japan OUT.jpgだったら何でこんな火災が・・・と思わずにはいられませんが、これ以上「邪推」すると益々性格が歪みそうなので止めときます。これを契機に、本報告書が公開され、部外の専門家が突っ込むことを期待しつつ・・・

最後に、この火災事故が発生した同じ日に、航空自衛隊用F-35の1番機のお披露目式典(ロールアウト式)が行われていたと言う「縁起の悪さ」を、無理矢理思い出して頂きましょう。

2016年9月23日の火災事故記事
「日本用1番機の式典日に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24

2014年6月の火災事案
「火災メカニズム」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-04
「当面の対処と設計変更」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-29
「問題は軽易ではない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-08

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映像:F-35がパリ航空ショウで派手なデモ飛行 [亡国のF-35]

休日企画:F-35の派手なデモ飛行@パリ航空ショー

F-35 Paris.jpg19日、パリ航空ショウでF-35が初めて約6分間の高機動デモンストレーション飛行を行い、今後も同エアショー開催中は毎日同じ飛行を披露することになっていますが、ロッキードや米国防省は「必死」に、米メディアは「冷静」に報じています。

報道によれば、同航空ショウは当初F-35を招待していなかった(下調整で米軍が断っていた可能性もアリ)ようですが、開催の1ヶ月前になって参加が急遽決定し、今回のど派手デモ飛行が実現したようです。

このドタンバ参加決定時期は、今もルーク飛行場でF-35が飛行停止となっている問題の「低酸素症」事案発生時期と重なり、相当に国防省や米軍や企業を巻き込んだ悩み深い決断だったと推察します

なおパリ航空ショーには、アリゾナ州ヒル空軍基地から2機のF-35が米空軍パイロットの操縦により飛来していますが、デモ飛行は「2年以上前から準備」してきたロッキード社のテストパイロットが行っています。

F-35 Paris2.jpgまぁ・・・対地支援や戦闘爆撃機的な活動が期待されるF-35にとって、今回のデモ飛行のような飛行は部隊訓練で必要な課目とは考えにくく一時期流布された「空中戦でF-16に惨敗」報道の打ち消しと、ニュースバリューを高める狙いがあったものと思われます

演技内容は、離陸からいきなりエンジン推力をアピールする「ゆっくり垂直上昇」、機動性と操作性を誇示する「a square loop」、低速度飛行可能を示す「時速115マイル飛行」、木の葉のようになりながらも機体を制御する「high-altitude pedal turn」(他にF-22だけが可能)、ソフト3Iで限度の7G旋回「a 360-degree minimum radius turn」などで構成されています

19日のF-35演技映像(冒頭に15秒のCM映像)


「戦闘形態でこの機動が可能なんだ!」
●デモ飛行を行ったロッキード社のテストパイロットAlan Norman氏は、似たような高機動デモ飛行を行う他の第4世代機との違いを、以下の様に力説した
●「ロシア製のSU-35なんかは、機動性をアピールするため全ての外層品を外して演技するが、何の兵器もパイロン搭載物も無い状態では戦闘機としての能力は確認できない。その点、今回のF-35デモ飛行は戦闘任務飛行と同じ形態で実施しており、より実戦的な能力をご披露しているのだ」
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F-35 Paris3.jpg現在使用可能で米空軍F-35が搭載している「ソフト3I」では、最大7G旋回が限界なんだそうです。そして大幅に開発が遅れている「ソフト3F」が完成すると、最大9G旋回が可能になるそうです。

今年が検討の一つの「山」されている次期制空機PCAでは、速度や機動性の優先順位は、航続距離や兵器搭載量の後塵を拝する方向にあります。

それでも売り込みのためにこのような「デモ飛行」・・・F-35は誰が誰のために創っているのでしょうか? 一握りの戦闘機パイロットの自己満足や「優越感満たし」のオモチャになっているのでは・・・と懸念致します

米空軍の次期制空機PCA検討
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「F-35にアムラーム追加搭載検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-28

F-35宣伝映像2本
「概要とALIS解説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-05-2

映像で5つの視点から学ぶ
「米海軍空母」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-25
「核兵器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-05
「米海軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
「米海軍潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-26
「火炎放射器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-2
「負傷者救出ヘリ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-07

「B-2爆撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-01
「AK-47ライフル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-28
「原子力潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-1

映像で見るシリーズ
「12㎏の兵器搭載地上ロボット」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-09
「防空&ミサイル防衛の融合IAMD」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-27-2
「威力強烈:AC-130」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-06
「CASの歴史を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-19

「イメージ中国軍の島嶼侵攻」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
「泣ける:帰還兵士と犬との再会」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-05
「レーザー兵器試験@ペルシャ湾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-13

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日本もこっそりF-35まとめ買いに参加へ!? [亡国のF-35]

F-35 block.jpg18日付NYT紙は、12日の週にボルチモアで実施されたF-35購入11ヶ国の代表者会議で、2018年から2020年の間に、440機のF-35をまとめ買い(block buy)する件が協議され、複数年に渡る多数機同時契約で、1機当たりの価格が「88~80 millionドル」(97~88億円)程度のまで低下すると報じています

現在交渉は継続中で、協議参加者は内容について対外的に語ることが出来ないらしく、NYT紙に交渉の様子を語ったのも匿名の「事情に詳しい2名」です。正式な発表は米国政府関係者が行う約束になっているようですが、18日時点ではコメントも得られなかった模様です

同紙によれば、2018年発注で2020年納入機が135機、2019年と2020年発注がそれぞれ150機以上になる計画で、合計が440機程度になるようです

F-35 block 2.jpgちなみに、今年2月の米軍契約価格は「$95 million:105億円」で、その前は「$102 million:112億円」でしたから、まとめ買いで部品等を大量に同時発注することによるメリットは相当大きいと言えます。

なお、協議に参加した11ヶ国は、「Australia, Denmark, Israel, Italy, Japan, Netherlands, Norway, Turkey, South Korea, Britain and USA」で、個々の国の発注数を同紙は伝えていません。

日本も「まとめ買い」による単価削減メリットを享受可能な「長期契約法」を制定し、平成27年度にP-1哨戒機を、28年度にはSH-60哨戒ヘリ、EC-225LP輸送ヘリ、TH135練習ヘリの契約に適応して経費削減に取り組んでおり、これをF-35にも適用するモノと思われます(平成28年版防衛白書360ページ参照


でも騙されるな!F-35価格は上昇する!
(国防省F-35計画室長(当時)が5月末に激白)
Bogdan 9.jpgF-35の価格は過去5年間下がり続けており、今後3年間で1機90億円以下になるだろう。しかしその2~3年後には再び上昇に向かうだろう
●あくまでも今後3年間期待される90億円以下との価格は、機体とソフトとセンサーからなるあくまで基礎価格(baseline)である。2020年時点までに製造された機体は不十分な機体で、それらには今後開発され検証される追加機能を付加するため、2022-2028年の間に能力向上改修を行う必要があり、追加経費が必要だ

●また今後、製造機数が落ち込む(caveat)事があれば、最適な製造効率を保てずに価格に影響が出るという但し書き付(there’s a caveat)である。製造機数が減れば、最適価格になるのが遅れる(delay the most efficient rate)
●「ソフト3F投入」に続く「Block IV近代化」は現在検討中だが、全ての側面でF-35の能力を向上させる。多くの現有兵器と使用可能にし、将来の兵器にも対応させる。試験を通じてF-35のセンサーが素晴らしいことが判明しており、これを兵器と結びつける必要がある(つまりこの改修も価格上昇に貢献

F-35 block 3.jpgF135エンジンの能力向上も保障したい新たな部品を投入するか完全交換かは、米空軍研究所AFRLが取り組む研究成果次第だが、将来決定することになる
●F-35搭載の幾つかのセンサーについても、交換や改良が将来行われる。その中で確実なのが電子戦関連で、上空で予期しない新たな環境に対応できるような「see new threats and react」を目指す装備である

F-35は膨大な「mission data files」に支えられているが、作戦対象地域の潜在的脅威を常にアップデートしておく必要がある。
自動兵站支援システムALISの更新にも終わりは無い。ALISに関しては構成全体の変更を追求しており、いつか「クラウド」を活用し、中央集約型で飛行隊レベルの操作員のALIS維持やソフト更新業務を軽減・解放するような方向を目指している
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18日付NYT紙が報じた価格は、全て米軍用の価格です。共同開発国では無い日本用の価格は、当然この価格より高くなります。

F-35 Sun-Set.jpgBogdan前F-35計画室長の発言では、特に後半部分で価格との関係が不明確ですが、ソフト改修も、エンジンも、MDFもセンサーもALISも、開発経費を負担していない日本には大きくふっかけてくること間違い無しです。

まとめ買い(block buy)で喜んではいけませんし、軽々しくトランプ大統領に対して「100億円値引きしてくれて有難う」等と言って喜んではいけません

関連の記事
「安倍首相がトランプにF-35でお礼」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-13
「FMSグローバーホークの悲劇」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-22
「F-35エンジンの改修話」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01-2

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F-22に学べ:F-35が低酸素症で飛行停止 [亡国のF-35]

6月20日追記
以下の施策を「当面」行う事で、21日からルーク基地での飛行再開
依然として根本原因は不明ながら・・・
1. Avoid the altitudes in which the hypoxia-like incidents occurred
2. Ground procedures will be modified to mitigate physiological risks to pilots
3. Physiological training will be expanded
4. Minimum levels for backup oxygen systems for each flight will be increased
5. Pilots will be offered the option of wearing sensors during flight to collect airborne human performance data.

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6月18日追記
16日現在で依然原因不明も、20日から飛行再開へ
「多様な側面から推定要因を除去した」と

2011年以降、計23件の事象報告が判明。
空軍15件、海軍5件、海兵隊3件
うち13件は原因特定も、10件は不明。最近5件の1件は外国人

特定の高度の飛行と症状の発症に注目。当該高度飛行制限か
離陸前の排気ガス吸い込み抑制や高温での準備抑制も検討
http://www.military.com/daily-news/2017/06/16/air-force-no-clear-cause-f35a-hypoxia-related-problem.html

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6月16日追記
今回のルーク基地での5件以外にも、散発的ながら2011年から10件程度の低酸素症の事案が報告されていたことが6月15日明らかに
http://www.military.com/daily-news/2017/06/15/f35a-hypoxia-problems-date-back-2011-air-force-reveals.html

T-45C.jpg米海軍の練習機T-45Cでも低酸素症が今年になって続発、3月から飛行停止で、仮に9月までに解決しなければ海軍の運用に大きな支障が
3月だけで10件、今年に入ってからの総計21件が報告されている
T-45Cと同じ酸素生成装置(Onboard Oxygen Generation System (OBOGS)を使用している海兵隊のF-35Bやハリアーでは、全く事象が発生していないのになぜか?
https://news.usni.org/2017/06/15/navy-review-oxygen-systems-too-complex-reporting-investigating-methods-flawed

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ルーク基地は12日も飛行再開せず。飛行の再開時期未定!
国防省F-35計画室の専門家チームが調査継続中
なぜかルーク基地だけで。異なる飛行隊で、異なる生産ロットで
http://www.defensenews.com/articles/luke-air-force-base-extends-cancellation-of-f-35-flight-operations
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後手後手だったF-22事態対処の教訓に学べ!

F-35 luke AFB2.jpg9日、米空軍ルーク基地の第56航空団司令官は、5月2日以来、同基地の異なる飛行隊で5件発生しているF-35操縦者の低酸素症のような症状を理由に、同基地でのF-35の飛行を1日だけ停止しました。

9日の金曜日だけ飛行停止にし、同基地所属のF-35操縦者に同様の症状が出た際の対処要領の再教育や医師からの説明を行い、更に操縦者を集めて自由に懸念を発言させる場の設定などを今後計画するようですが、12日月曜日には飛行を再開するようです。

Winter新室長が就任したばかりの国防省F-35計画室も事態を重視し、既に広範な関係者(製造企業や整備関係者、機体構造の学者、航空生理学の医師団、国防省や海軍)を絡めた調査枠組みを立ち上げて対応しているようですが、原因特定には至っていません。

Winter2.jpg他基地で同様の事象が発生していないことから、飛行停止はルーク基地だけで、約1週間後のパリエアショーへのヒル空軍基地からのF-35参加も予定通りとのことのようですが、何となくコソコソと事態を収めようとしている印象をぬぐえませんし、同様のコソコソ対応で大失敗したF-22の低酸素症対応を想起させます

米軍や国防省F-35計画室がしっかり対応することを期待しつつ、過去の苦い教訓「F-22事案」を振り返り、F-35事案の推移を見守る参考としたいと思います。早い段階から大きく構え、小さく収める・・・これが教訓だと思います。コソコソはいけません


F-22事案(2008年4月から2012年7月)
F-22Hawaii2.jpg2008年4月から、低酸素症のような症状を訴える操縦者が10件以上報告され、部隊で問題に。具体的症状としては、操縦者が無線周波数の変更を記憶していない、飛行高度が低すぎて機体を木に擦る等が報告されていた。
●当初は酸素生成装置(OBOGS)のフィルターの問題かと言われたが、パイロットの血液中から検出された「有毒ガス」、「プロパン」、「燃焼した不凍液の残留物」等がどこから混入したかが不明で、また一酸化炭素中毒の可能性も残されていた。

●このように原因が特定できない中ではあったが、米空軍は、今回のF-35事例と同様に、代替の酸素供給装置が機体に装備されていたこと等もあり、低酸素症への対処要領を教育する等の対処で飛行を継続していた
●F-22部隊内で懸念の声がくすぶる中、2010年11月、アラスカ上空で飛行訓練中のF-22による原因不明の墜落事案が発生しパイロットが死亡した。パイロットの最後の交信が「酒に酔ったような口調」で低酸素症の症状に酷似していたことで疑念が拡大。

2011年5月3日、米空軍は全てのF-22の飛行を停止し、原因究明と対策を指示。同年8月、空軍参謀総長が2010年11月のアラスカでの墜落と酸素生成装置とは関係ないと結論を発表。
●2011年9月19日米空軍は、酸素生成装置に関する根本的な原因究明は未完だが、継続的に追加の点検を行いつつ、リスクを低減させる炭素フィルター追加措置や脈拍異常警報装置携行の義務付け、運用規則改正、更にパイロットの血液サンプル事前採取や再教育を行い、ベテラン操縦者から段階的に飛行を再開すると発表


見切り発車の飛行再開が操縦者の反乱を
F-22 refuel.jpg長期間に及ぶ飛行停止で、操縦者の技能維持が切実な課題となっていることを受けた判断だったが、「飛行再開後も異常を察知した場合は、基地単位で柔軟に運行を中止することが出来る」としており、極めて強い不満や懸念をF-22部隊内に生むことになる
●実際、同年11月にはラングレー基地で低酸素症のような事態が生起し、同基地だけ5日間ほどF-22を飛行停止にする措置を行うなど、各地で同様の事象が止まず。また結果的に酸素装置と関係のない事象まで、低酸素症が原因とのうわさが拡散する事象が続発し、部隊の混乱が続く。

2012年5月、TV人気番組「60 Minutes」に2名のF-22操縦者が許可なく出演し、低酸素症事案や空軍の対応に不満を示し、「F-22での飛行が不安。操縦機種を変わりたい」と発言。米空軍内外で大きな問題
●2012年5月15日、当時のパネッタ国防長官がF-22に飛行制限(高々度飛行の制限と基地から30分以内での飛行義務)を課すと発表

●同年5月24日、パネッタ国防長官がF-22に課していた飛行制限の段階的解除を了解。これを受けF-22部隊が嘉手納基地へ長時間洋上飛行を伴う部隊展開を行うと発表。
●併せて国防省報道官が、F-22操縦者に生じる低酸素症のような症状は、操縦者が高々度飛行時に着用するベストに装着された(酸素供給用の)欠陥品バルブとフィルターによって引き起こされたモノだと結論づけ、問題のベストは交換され、フィルターは取り除かれると発表
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F-22-wake.jpgF-22は2005年から運用開始していますが、その3年後から問題が認識され、6年後から本格的に問題視され、7年後にやっと問題が解決されています。

この問題により、運用開始から海外派遣や長時間フライトが制限された時期があり、やっと実戦デビューを果たしたのは2014年秋、シリア国内の対IS作戦の緒戦に投入されるまで待つことになります

軍事メディアでは、2011年のリビア作戦にB-2爆撃機が投入されながら、なぜF-22が投入されないのか様々な憶測を呼びましたが、この低酸素症問題が大きく影響していたことが後に明らかになっています。

このF-22の経験は、米空軍のみならず国防省全体で記憶に新しいところでしょうから、今回のF-35事案に十分生かしていただきたいと思います。

特にルーク空軍基地は、日本をはじめ諸外国の操縦者を含むF-35操縦者養成の「メッカ」ですから、安全対策は万全を期していただきたいと思います

F-22事案を振り返る
「最終的に飛行再開・原因特定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-25
「不沈F-35と低酸素F-22」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-09
「F-22再度飛行停止と再開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-24
「F-22操縦者に謎の症状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-31

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F-35の宣伝映像を2本見る [亡国のF-35]

6月に入りF-35の宣伝映像が2本公開されていますので、英語のお勉強のために、そしてまんぐーすが楽するために、皆さんご覧ください。

F-35 Sun-Set.jpg1本は約8分間のF-35全体のアピール映像。これまで第4世代機F-16戦闘爆撃機を操縦してきた複数のパイロットが、第5世代機F-35の素晴らしさを語ります。

もう1本は、F-35のもう一つの売りである、整備や部品調達作業を大幅に効率化してトータルコストを引き下げると大宣伝されている、自動兵站情報システム(ALIS:Autonomic Logistics Information System)の解説映像(約3分)です

どちらの映像も、開発期間や費用が当初計画から大幅に超過したことや、まだ基礎的な最低限の機能発揮しかできないソフトしか完成していないのに運用態勢確立を宣言していることや、開発と製造を並行実施しているために今後手戻り改修経費がかなり必要なことや、必要機能が追加されるたびに価格が上昇することには触れていません

F-35 luke AFB.jpgまた、米空軍が1763機も調達すると頑張っていますが、現ペースでは2040年代に入っても買い続けるとの信じられない見積もりがまかり通っている実態や、次世代制空機を急いで開発し始めていることにも全く触れていません。

まぁとりあえず、英語のお勉強にどうぞ

F-35全体のアピール映像(約8分)
●F-35は第4世代機と異なり、各種センサー情報を事前のデータファイルと照合&融合してHMDに表示し、操縦者の状況把握を格段に容易にする
●また他の地上、空中、宇宙アセットの情報もリアルタイムに取り込んでデータ融合しするとともに、融合した情報を他のアセットと共有し、他アセットの能力発揮力を格段に向上させる
維持整備面でも、故障診断や交換必要部位を自動的に判定できるALISが導入され、新人整備士でも容易に機体の維持整備に貢献できる




自動兵站情報システムALISの解説(約3分)
F-35の維持管理に必要なデータを全て機上で収集し、着陸後は専用PCを通じて世界を結ぶオンラインで管理し、必要な整備や部品調達を円滑化する。
●各機のデータは集中管理され、効率的なデータ管理や整備指示がシステムから行われる。またシステムソフトは定期的にスマホのアプリのように更新され、最新状態に維持される
機動展開先でもコンテナに入ったALIS装置を展開させることで、最適な機体の維持管理を継続して実施可能


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今一つ突っ込みが足りない解説映像でしたが、パイロットや整備員自身が語る「印象」や「言葉遣い」も重要な要素なので取り上げました。

台本があるのかもしれませんが・・・・

映像で5つの視点から学ぶ
「米海軍空母」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-25
「核兵器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-05
「米海軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
「米海軍潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-26
「火炎放射器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-2
「負傷者救出ヘリ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-07

「B-2爆撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-01
「AK-47ライフル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-28
「原子力潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-1

映像で見るシリーズ
「12㎏の兵器搭載地上ロボット」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-09
「防空&ミサイル防衛の融合IAMD」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-27-2
「威力強烈:AC-130」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-06
「CASの歴史を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-19

「イメージ中国軍の島嶼侵攻」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
「泣ける:帰還兵士と犬との再会」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-05
「レーザー兵器試験@ペルシャ湾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-13

タグ:映像 F-35 ALIS
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F-35用エンジンの改良オプション開発順調 [亡国のF-35]

マティス国防長官講演を追記!
2017年アジア安全保障会議を特集
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01-3
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F-35 F135engine.jpg5月30日、F-35用エンジン「F135」を製造するPratt & Whitney社が、記者団をフロリダの工場に招いて同エンジンの能力向上策検討が極めて順調に進んでいるとアピールし、2020年代初めには全タイプのF-35エンジン製造ラインに組み込むことが可能だと説明したようです

その名が「F135 Growth Option 1.0」との改良エンジンは、多少の開発&試験費用が必要なようですが、製造段階では現エンジンとほぼ同価格との説明で、推力や燃料消費量が最高10%改善されるとの企業見積もりです

AETP engine4.jpg戦闘機エンジンと言えば、米空軍が次世代エンジンAETP(Adaptive Engine Transition Program)開発をスタートさせており、昨年7月には「General Electric Aviation」と「Pratt & Whitney」の2社にそれぞれ今後5年間で約1100億円を投資し、「燃費25%改善、推進力10%向上、発熱管理の飛躍的向上」を目指した試作契約が結ばれたところです

AETPは、米空軍の次期制空機や米海軍のFA-18後継機検討を意識したものですが、当然「F135」能力向上への技術転用も視野においており、今後、「F135 Growth Option 1.0」とAETP開発の兼ね合いが気になるところです
本日はとりあえず、5月30日の「F135 Growth Option 1.0」デモの様子をご紹介します

5月31日付Defense-News記事によれば
F135 2.jpg●5月30日、P&W社の軍用エンジン社Matthew Bromberg社長は、全F-35タイプと海外購入国に対し、所定の条件や要求を変えること無く「F135 Growth Option 1.0」が適応可能だと説明し、価格面でも現エンジンと同価格になると語った
●同社は「燃費向上デモエンジン」と呼ばれる初期型の「F135 Growth Option 1.0」試験を終えており、推力を最大10%向上させつつ、燃料消費量を6%削減できる事が確認できていると同社長は説明した

●同日、同社チーフエンジニアのSteve Burd氏は、「Option 1.0」には、米空軍開発の「CAESAR」技術や米海軍の燃費改善技術が生かされていると解説した
●また現F135から「Option 1.0」への改良には、新しい「power module」「compressor」「turbine」の搭載と冷却システムの変更だけが必要だと、改良が容易だと同氏は強調した

F135.jpg●現在「Option 1.0」の研究開発に予算は付いていないが、国防省が認めてくれれば「Block 4」近代化に投入可能で、開発経費と試験費用は別に要求するが、エンジン価格自体は現F135とほぼ同程度になる見積もりだと同氏は説明した
●またBurd氏は、「デモでご覧頂いた開発状況だが、幾つか本格製造までのは要確認技術が残っている。計画実行を決断頂ければ、短時間で残りの開発計画を進め、低リスクで開発を完了できると見て居る」と自信を見せた

●昨年7月、米空軍は2社とAETP契約を結んでおり、現F135エンジンの改良改善策を追求しない可能性もある
●なお、P&W社も米空軍とAETP契約を結んでおり、「XA1010」とのエンジンを開発しているが順調でアリ、Bromberg社長は米空軍が望めば開発計画の前倒しも可能だと自信を見せている
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F135エンジンは非常に評判の悪いエンジンで、何回も代替エンジンの投入要求が米空軍等から上がった代物です。ですから、「Option 1.0」程度では米軍は満足できないのかも知れません

F-35 Front.jpgなにせF-35の実態が明らかになる前は、「第5世代機」の定義に「スーパークルーズ(アフターバーナー無しで超音速飛行が可能。F-22は可能)」が入っていたのですが、F-35の開発がすすむにつれ、そんな定義は語られなくなっています

機体の改修や強度負荷のため、機体重量が増したりしたことも大きな理由でしょうが、エンジンも大きく負の貢献をしているはずです

記事のイベントは、企業による一方的な「Option 1.0」宣伝行事で、国防省や米軍の反応が不明ですが、海外購入国には「価格上昇」の要因になりかねない改修ですので、注意しておきましょう

AETP関連の記事
「次世代戦闘機エンジン開発AETP契約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-02-1

将来制空機の検討
「将来制空機PCAイメージ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「Air Superiority 2030計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

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F-35計画の新リーダーと米空軍F-35調達の将来 [亡国のF-35]

Winter Bodgan.jpg25日、国防省F-35計画室長にMathias W. Winter海軍中将が就任し、約5年間にわたり同室長を務めてきたBogdan空軍中将が6月の退役に向け退任しました。

本日はWinter海軍中将の就任あいさつをご紹介しつつ、併せて3月に米空軍戦闘コマンドを最後に退役したカーライル氏が、退役直前の2月に行っていたインタビューでの米空軍F-35計画へのコメントを紹介します

Winter新室長は、決して前任者のように「ロッキード社との関係は、私の知る限り史上最悪」などと問題発言はせず、淡々と今後の仕事を概観する内容ですのでご安心を。
一方でカーライル司令官(インタビュー当時)は、米空軍が一貫して固執しているF-35調達機数1763機がいかにグラグラなもので、自縄自縛になっているかを強く示唆しています。

Winter新室長の就任あいさつとご経歴
Winter.jpg●F-35計画は単なる装備品計画ではなく、前線兵士を支える共通の目的に向かって集った、広範な利害関係者によって構成された真に世界規模の取り組みである。
●前線の兵士、利害関係者、我が計画室のメンバーは、継続的にタイムリーな意思疎通を図り、健全で透明性のある意思決定を行い、歯切れよく経費面で適切な事業遂行を通じて役割を果たしていく役割を担っている

●この大きな役割を果たすため、私は、成長していくF-35戦力を支えるため、今後進んでいく開発フェーズやフル生産体制整備、更に世界的な維持整備体制を拡大して整えていくことに焦点を当てて勤務する所存である

WinterF-35室長はどんな人?
1984年ノートルダム大学卒業で海軍に入り、空母艦載攻撃機A-6E Intruderの爆撃手・航法員として空母サラトガ、アメリカ、アイゼンハワー、ワシントンで乗艦勤務
Winter3.jpg●装備品開発や調達業務経験は、「Joint Standoff Weapon System」計画責任者補佐、F-35計画上級補佐官、F-35飛行推進主任エンジニア、トマホーク全面改修計画責任者補佐、戦術航空機計画担当幹部のスタッフチーフ、「Precision Strike Weapons」計画責任者などを経験

●将軍になってからは、「Naval Air Warfare Center」の兵器部門司令官、「Naval Air Systems Command」試験評価司令官補佐、「無人航空攻撃機」計画責任者、等を経て、2016年12月に副室長に就任するまでは米海軍の開発部門のトップであるCNR(chief of Naval Research)

一方で柱となる米空軍の見通しは不透明
(カーライル大将の発言:退任直前の2月)
Carlisle-FB.jpg●ここ数年、議会からは繰り返し、これだけ遅延して取得ペースが上がらないF-35の取得計画を見直すべきと指摘されている。確かに、米海軍や海兵隊が調達機数を削減する中、米空軍は一貫して1763機に固執している
●現計画では、F-35計画がスタートして半世紀が過ぎる2040年代まで、米空軍はF-35を調達し続けることになる。現在の調達ペースで、1763機にこだわる意味があるかと問われれても、わからない。しかし敵の脅威が想定以上に急速に伸びていることを考えれば、調達ペースを上げなければならない

●敵の急速な能力向上は、F-22やF-35の後継であるPCA(Penetrating Counterair)の需要を高める。F-35を1000機や1500機調達した時点で、資源をPCAに投入すべきかとと言われれば、恐らくそうだろうし、F-35の能力向上型に投資するのかもしれない
●来年にはソフト3Fが提供され、更なる改良である「Block 4」等に、すでに米軍や共同開発国が取り組み始めており、より多くの兵器や連接性や高度な電子戦能力の追加が期待されているからである

Carlisle-FB3.jpg●これらに加え、新たな技術の取り込みも米空軍は追及している。例えば、より小型で射程や破壊力の大きなAIM-120後継ミサイルを開発することで、第5世代機内部により多くの兵器を搭載することに取り組んでいる。
●また敵防空システムが強力になる中で、JDAMのステルス性や機動性を向上させた後継兵器も追及していかなければならない。更に、戦闘機を敵防空域深くまでエスコートする新たな電子戦プラットフォームPEA(Penentrating Electronic Attack)も必要

●遠方から迅速に攻撃できる兵器である超超音速兵器(Hypersonics)は、大きな可能性を秘めており、我々は引き続き取り組んでいる。しかし米空軍戦闘コマンドは現時点でそれほど期待していない
この兵器の大きな課題は、兵器先端に発生する大気との摩擦熱で、搭載センサーの働きに大きな障害をもたらすことである。
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カーライル退役大将は、若き頃、ロシア製(ソ連製)のMIgシリーズやSUシリーズに搭乗して弱点を把握し、米空軍パイロットに伝授する仕事をやっていたくらいの戦闘機乗りですから、戦闘機であるF-35への思い入れ大きいでしょうが、その彼をしてF-35調達数には全く自信がないようです

X51A3.jpgWinter新室長は「健全で透明性のある意思決定を行い、歯切れよく経費面で適切な事業遂行」を誓っていますが、それなら関係国との「継続的でタイムリーな意思疎通」で、早く追加経費や米軍の調達計画を透明性高く知らせていただきたいものです。

全く別の話題である超超音速兵器ですが、先端の高温化とセンサーの搭載が課題であることをTake noteしておきましょう

Winter新F-35計画室長の紹介
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-29-1

Winter次期F-35室長の公式経歴 http://www.navy.mil/navydata/bios/navybio.asp?bioID=578  

PCAとPEA関連
「PCAよりPEAを先に導入へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27
「20年ぶりエスコート電子戦機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-20

超超音速技術やPGC関連の記事
「艦艇配備の超超音速兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-04
「超超音速ミサイルの脅威が大きな話題に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-19
「中国が優位なのか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-14
「ロシアも取り組み表明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-11

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送別:国防省F-35計画室長の最終インタビュー [亡国のF-35]

詐欺まがい:数年後価格上昇で付加的経費も発生へ
お疲れ様で・・・見送りたかったのに・・・

Bogdan 9.jpg25日に国防省F-35計画室長を離任し、6月に退役することになっているChristopher Bogdan空軍中将が、米空軍協会機関誌との離任インタビューに臨んでいます。
2012年12月に就任以来、強烈なリーダーシップと企業等との交渉で、何とかボロボロだったF-35計画をここまで支えてきた米国防省の大功労者でアリ、彼が去った後のF-35計画が心配なくらいです

だからF-35嫌いなまんぐーすも、Bogdan空軍中将の「人柄に惹かれて」、今日までチマチマと史上最大で最悪の兵器システム開発をフォローしてきたので、最後ぐらいは同室長の苦労話を暖かく紹介して終わりたかったのですが最後になって飛び出した本音ベースの価格上昇話には寂しい気分になりました。やっぱり色々包み隠して発言してきたのね・・・と。

F-35 3-type.jpg率直に正直で、正面突破のBogdan室長ならではの「正直発言」なのかも知れませんが、あまりに正直すぎて、過去の経緯も吹き飛ばしそうな内容に「口をあんぐり」です
後半部分の、クビを覚悟の仕事への取り組みや、国防省高官の強いサポート部分だけにしておけば、美しい退任会見になったのに・・・としみじみ思います。

皆さんこれからF-35価格はどんどん上昇し、追加改修や部品枯渇対策経費もうなぎ登りですよ・・・戦闘機命派の皆様はお覚悟を!(最初から知ってたのかも知れませんが・・・)

23日付米空軍協会web記事:発言要旨
Bogdan 8.jpgF-35の価格は過去5年間下がり続けており、今後3年間で1機90億円以下になるだろう。しかしその2~3年後には再び上昇に向かうだろう。なお、90億円以下との価格は、機体とソフトとセンサーからなるあくまで基礎価格(baseline)である
●また今後、製造機数が落ち込む(caveat)事があれば、最適な製造効率を保てずに価格に影響が出るという但し書き付(there’s a caveat)である。製造機数が減れば、最適価格になるのが遅れる(delay the most efficient rate)

2020年時点までに製造された機体は不十分な機体で、それらには2022-2028年の間に能力向上改修を行う必要があり、追加経費が必要
●「ソフト3F投入」に続く「Block IV近代化」は、現在検討中だが、全ての側面でF-35の能力を向上させる。多くの現有兵器と使用可能にし、将来の兵器にも対応させる。試験を通じてF-35のセンサーが素晴らしいことが判明しており、これを兵器と結びつける必要がある

F-35 F135engine.jpgF135エンジンの能力向上も保障したい。新たな部品を投入するか完全交換かは、米空軍研究所AFRLが取り組む研究成果次第だが、将来決定することになる
●F-35搭載の幾つかのセンサーについても、交換や改良が将来行われる。その中で確実なのが電子戦関連で、上空で予期しない新たな環境に対応できるような「see new threats and react」を目指す装備である

●F-35は膨大な「mission data files」に支えられているが、作戦対象地域の潜在的脅威を常にアップデートしておく必要がある。
●自動兵站支援システムALISの更新にも終わりは無い。ALISに関しては構成全体の変更を追求しており、いつか「クラウド」を活用し、中央集約型で飛行隊レベルの操作員のALIS維持やソフト更新業務を軽減・解放するような方向を目指している


約4年半の勤務を振り返り
F-35 luke AFB.jpg●2012年12月に現職に就任したが、就任が決まっていたその年の9月、F-35計画に関わる全ての関係者、軍、議会、共同開発国、企業等に対し、新たな保安官が着任すると注意喚起するため、「ロッキード社と政府との関係は、私が知る限りで最悪だ」とあえて発言した
●国防省F-35計画室は、根本的にロッキード社との仕事のやり方を変えるべきだと主張し、また改善は見られるがその変化速度が不十分だと指摘した。そして約5年が経過した今でも、依然として同社との間に信頼関係に関する問題が存在する

●2012年9月の発言は事実に基づいた発言であったが、あまりに乱暴が言葉使いでもあり、事前に上司に相談すれば発言を止められると考えて許可は得なかった
●何処で話をしても正しいことを話したが、言い過ぎだったこともあったかも知れないし、クビになる可能性もあっただろう。しかしそれで良かった。本計画を改善させるにはその様な姿勢が必要だと確信していたからだ
●F-35計画の根本的問題の一つは、業務に取り組む文化や態度であって、その変革が必要だったからだ。だから関係者全員に向け、修正すべき事の一つだと明示した

Bogdan 10.jpg私のやり方を許してくれた多くの上司に感謝している。米空軍省の調達幹部、米海軍のF-35準備室長、カーター前長官、Work副長官、ケンドール調達開発担当次官などなど、みんなが私を支えてくれた。
何回も危険を冒し、クビを洗って議論を巻き起こした。グラスをたたきつけるようなことを何度もしたし、上司が私をクビすることも容易だったろう。しかし彼らはそうしなかったし、そのことに感謝している

ロット5の15ヶ月間に及ぶロッキードとの交渉に苛立ち、「ロッキードは、国防省が同社から購入する最後の航空機であるかのように、再度の1ドルまで搾り取ろうとしている」と発言した際も、上層部から厳しい扱いを受ける可能性があったと思う
18ヶ月間の交渉をしたロット9の協議でも、国防省首脳は完全に私を支持してくれた。オフレコにしないと話せない様な協議の末でも、何とか協議をまとめられたのは上司の援護を受けられたからだ

●過去5年間でロッキードと政府の関係は良くなったと言えるが、まだ十分ではない。意思疎通が明確で透明性が増したが、時には苦痛を伴い、懐疑的にならざるを得ない
政府側は企業が前線兵士のことを最優先に考えていないと懐疑的だし、企業側も政府を信頼せず、長期的に政府が仕事を企業から引き上げるのではないかと懸念している。

F-35-night-burner.jpg装備品調達の自然な流れで考えれば、例えば米空軍は自身の組織で航空機の維持整備や部品調達を実施できる基盤を持つべきで、それによりプライム企業に常にお願いするので無く、能力向上や改修が内部で完結できる
●決して企業を罰しようとしているのではない。しかし自身で出来ないと能力向上や改修費用を捻出できない事があるのだ。企業でさえも能力向上や改修が出来ない事も時にはある

軍内組織で(能力向上や改修を)出来るようにするのが自然な流れだと思う。F-35計画でも、その流れを皆で共有して取り組めればより良いと考えるが、その様な関係には十分なっていない
●(信頼を高める処方箋は?との質問に、)信頼というモノは、双方の行動や行為を通じて、時間をかけて醸成されるモノであり、話し合って直ぐ変わるモノでは無い

Bogdan中将が語る思いで話はこちら・・
印象的なトラブル対処や結節(空軍機火災、HMD問題、着艦フック問題、ソフト3I開発、B型とA型のIOC、IOC後の世間の見方の変化)
http://www.airforcemag.com/Features/Pages/2017/May%202017/Turning-Points-Convinced-Bogdan-F-35-Would-Succeed.aspx
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Bogdan 7.jpg「しかしその2~3年後には再び価格が上昇に向かう」は分かりにくい部分ですが、製造機数減少や標準装備が完成して基礎価格が上昇等が原因だろうと読み取りました。
まだ最低限のソフトしか使用できず、最低限の機能発揮分の装備しか搭載していないから今は安価なのでしょう。

米軍でも追随できないような「能力向上や改修」や、もっと基礎的な「航空機の維持整備や部品調達」を、日本や諸外国はどうするのでしょうか?
前半部分でBogdan中将が次から次へと語った、手戻り改修や積み残し能力追加分を、いくら払って日本は行う必要があるのか、把握しているのでしょうか?

エンジンの改修や交換、センサー、「mission data files」からALISまで、何から何まで集金システムとして確立されているように思えてなりません。
後日、FMS契約の悲劇として防衛省が導入する「グローバルホーク」を取り上げますが、F-35はその10倍規模で「亡国」要素を持っているような悲しい確信を、改めて得つつあります

Bogdan中将の最初と最後
交代発表時→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-29-1
就任時→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-05
発表時→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-09-1

Winter次期F-35室長の公式経歴
http://www.navy.mil/navydata/bios/navybio.asp?bioID=578

F-35の主要課題
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
F-3開発の悲劇と日本への提言
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18

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まだ改修未完なのにF-35体重制限解除宣言 [亡国のF-35]

米空軍発表「recently removed the restriction」
でも改修方針が正式承認されただけ
座席改修はこれから、改修ヘルメットも初期生産段階

Pleus.jpg15日、米空軍F-35準備室長Scott Pleus准将(間もなくACCへご栄転予定)が、体重61.7kg以下(136 pounds)の操縦者F-35への搭乗を禁じる制限を解除すると発表しました。要求性能である体重約47~111kg(103~245 pounds)の操縦者全てが搭乗可能となる方策が正式に承認されたようです。

2月中旬に同准将が、様々な電磁波が飛び交う環境下で座席が不時射出しないかを確認する最後の「電磁環境試験」を3月に行い、4月には「搭乗禁止令」解除の方向にあると予告していましたが、その解除令が5月中旬になったのでしょう。

ただし賢明な皆さんに置かれましては、「報道の見出し」に騙されない注意が必要です。
同体重以下の操縦者への制約が、どれくらいF-35操縦者養成に影響があるのか不明で、それほど影響が無いような気もします(少なくとも女性操縦者1名が該当)が、あくまで3つの対策方針が正式承認されたと言うことでアリ、座席やヘルメットの改修が完了したわけではありません

F-35 ejection 3.jpg2015年に発覚したF-35射出座席の問題は、低速飛行状態で射出脱出した際、軽量操縦者が首を負傷する恐れがあるというモノで、対策として「3つ」、つまり座席に体重に応じた切り替えスイッチを付加して射出後のパラシュート開傘タイミングを調整する事、射出時に頭を支えるパネルを座席頭部に付加すること、更に操縦時に着用するヘルメットHMDの重量を約250g削減する3施策で対処することになっています。

Pleus准将も、それなりに対策が継続中である事を言葉で表現していますが、あくまで以下でご説明するように、少なくとも来年1月までは座席改修は完了しませんし、ヘルメットも部隊に行き渡るまでにどれくらい必要なのか極めて不明確です

典型的なF-35諸問題への対応であり、輸出に影響を与えないようになるべく問題は穏便にコソコソ対応し、小さな成果を大きく発表するスタイルが徹底されている事例としてご紹介します

15日付Defense-Tech記事によれば
F-35 ejection seat.jpg●Pleus準備室長は、「制限解除には2つの要件がアリ、座席改修と重量削減済みのヘルメットHMD装着である」、「この2つの対策で、低速時も高速時も軽量操縦者のリスクを軽減できる」と語った
●米空軍は現在107機のF-35を保有しており、1ヶ月間に14機の座席回収が可能なことから、来年1月までに座席改修が完了すると同准将は説明した。また座席とヘルメットの改修経費は、共に製造企業が負担することも改めて明らかにした

HMDヘルメットについては、外付けのバイザーを取り除くことで軽量化を図り、内蔵の透明バイザ-とダークバイザーの切り替えで操縦者は対応することになり、またHMD内部のストラップを一部無くして軽量化を図ると同准将は解説した
●また、新しく軽量化されたヘルメットは、現在本格生産前の段階でアリ、今年秋からフル生産に入る予定でと説明した

F-35HMD3.jpg●改修した座席とHMDヘルメットによるF-35操縦者養成課程は、今年末には開始し、同コースの飛行は2018年初めに開始することになる予定だと、同准将は説明した
●同准将はまた、米海軍や海兵隊用のF-35も同じ射出座席を使用しているが、各軍種は運用方式が異なるためそれぞれが異なった基準でF-35を審査しており、この問題は米空軍だけの話であると解説した

●なお、問題となっている英国Martin-Baker製の射出座席「US16E」に不満を持つ米空軍関係者は多く、昨年夏には空軍省の調達担当次官補佐のArnold Bunch空軍中将が国防省に対し、代替座席として米国United Technologies製の「ACES 5」を導入した場合のコストやスケジュールを検討するよう求める書簡を出している
●10日、Bunch空軍中将は同書簡を無効にすると明らかにした。
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F-35 ejection 2.jpgScott Pleus准将は、近く米空軍戦闘コマンドACC隷下の要職にご栄転のようなので、この発表で米空軍F-35準備室長としてのお仕事に区切りを付けられるのでしょう。
そしてこの話題も、世間を賑わすことはもう無いのかも知れません・・・。

それにしても、国防省F-35計画室長のBogdan中将も退役間近で、米空軍F-35準備室長もご栄転です。
こうやってF-35は、淡々と「亡国」の道を進んでいくのでしょうねぇ・・・

F-35射出座席の問題
「17年3月に確認試験終了か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15-1
「射出座席問題に部分的対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-09
「米空軍に国防省と企業が反論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06-1
「米空軍が代替座席の検討依頼」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-25

「座席対策は2018年までか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-09-1
「責任譲り合い:F-35射出座席」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-17
「F-35軽量操縦者が飛行停止」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-02

F-35の主要課題
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
F-3開発の悲劇と日本への提言
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18

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数字で見るF-35計画の状況(2017年5月時点) [亡国のF-35]

だからどうした・・・言いたいところですが・・・

F-35 luke AFB2.jpg本日は5月5日に公開された映像「数字で見るF-35計画」をご紹介し、普段は冷たく接しているF-35と戦闘機命派の皆様に捧げたいと思います。

映像の中では、「数字」が1から2,3,4,7,8,60・・・・・1000・・・10000・・・最後は90000まで取り上げられ、それぞれの数字で表現されるF-35計画の現状が紹介されます

ちょっとよくわからない「数字」と説明も出て来ますが、ぼんやりとご覧ください!

映像「数字で見るF-35計画」約2分間


1→最初に製造されたF-35は垂直離着陸型の原型「BF-1」だった
2→現時点で、B型(2015年6月)とA型(2016年8月)が初期運用態勢IOC宣言
3→最終組み立て施設FACOが3か所に(Fort Warth,Cameri,Nagoya)

4→4か国の配備先にF-35到着?(米、イスラエル、岩国、英国?)
7→B型とC型の艦艇での海上試験回数7回
8→8か国(の操縦者)がF-35を飛ばしている
(米、英、豪、イスラエル、伊、蘭、ノルウェー、日本)

F-35 luke AFB.jpg11→11か国でF-35部品製造中
12→12か所の基地でF-35運用中
60→当初価格から60%価格低下

200→製造機数は既に200機
400→訓練終了操縦者400名
1000→2022年には製造機数が1000機に

4000→訓練終了整備員4000名
10000→空母艦載型C型の総飛行時間10000時間
25000→垂直離着陸B型の総飛行時間25000時間

55000→空軍用A型の総飛行時間55000時間
90000→全タイプの総飛行時間90000時間
////////////////////////////////////////////////////////////////

F-35 N.jpg計画の総コストが最後に加わってもいいのかな・・・と思いますし、「11か国でF-35部品製造中」では国別の額の違いも興味あるところです。それと、せめて米軍全体での調達予定数2800機ぐらいの数字も出して良いかな・・とは思いますが、自信がないのかも・・・

また、「当初価格から60%価格低下」とのアピールですが、「予定価格」から現時点で何%アップかも気になるところです。50%アップぐらいでは・・・

おまけでF-22戦闘機のイメージ映像も(約2分半)
最初の第5世代戦闘機で、ステルス性とそのセンサーや兵器システムから、「First Look,Shoot & Kill」が可能な戦闘機とのキャッチフレーズ
●最高速度マック2、最高高度5万フィート、行動半径2000NM
アフターバーナー無しで、音速飛行が可能
実戦デビューは比較的遅く、2014年9月23日の対ISIS攻撃


映像で5つの視点から学ぶ
「カモフラージュ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-16
「米海軍空母」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-25
「核兵器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-05
「米海軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
「米海軍潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-26
「火炎放射器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-2
「負傷者救出ヘリ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-07

「B-2爆撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-01
「AK-47ライフル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-28
「原子力潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-1

映像で見るシリーズ
「12㎏の兵器搭載地上ロボット」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-09
「防空&ミサイル防衛の融合IAMD」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-27-2
「威力強烈:AC-130」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-06
「CASの歴史を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-19

「イメージ中国軍の島嶼侵攻」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
「泣ける:帰還兵士と犬との再会」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-05
「レーザー兵器試験@ペルシャ湾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-13

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驚嘆!最初からF-35に搭乗するパイロット養成 [亡国のF-35]

米空軍の操縦者不足、ここに極めり!?
本当に大丈夫か? そんなに操縦が簡単な飛行機なの?

F-35 luke AFB.jpg4日付Defense-Techが、米空軍のアリゾナ州Luke基地を取材し、空軍パイロット養成コースで最初からF-35に搭乗するという驚くべき「F-35 B-Course」の様子を紹介しています。

一般に世界の空軍では、戦闘機操縦者養成の場合、最初にプロペラの初級練習機で航空機の「いろは」と航空交通のルールを学び、次にシンプルなジェット練習機で航空機による作戦活動の基礎を学び、そしてその後に実戦で使用する各機種の部隊に配属されて腕を磨いていきます

ですから、最初の初級プロペラ機訓練開始から、戦闘機の基礎的技量取得まで、少なくとも3年程度は必要です。普通はプロペラ機搭乗訓練前に、航空機の基礎や法規を学ぶ地上教育期間も半年くらいはあり、これを合わせると3.5年から4年は必要です

F-35 Hill AFB2.jpgしかし今日ご紹介する「F-35 B-Course」では、なんと20か月で最も基礎的なレベルながら、F-35操縦者を養成するというのです。

背景には、米空軍の操縦者離職率が高止まりし、またA-10全廃ができずにF-35操縦者が確保できない事情もあるようですが、F-35が空対地任務を主とする作戦機と割り切ることで、操縦者を確保しようとの考え方があるようです

それにしても・・・大丈夫なんでしょうか? 技量不足で民間人を誤爆したり、事故続発・・・なんてことにならないことを祈るばかりです・・・

4日付Defense-Tech記事によれば
●アリゾナ州のLuke空軍基地の第62戦闘飛行隊の「F-35 B-Course」は、1年間の(地上準備)通常訓練を受けた6名の少尉から中尉の操縦学生を昨年12月に受け入れ、今年2月に空軍機での初飛行をF-35で実施させた
●昨年12月に同コースを開始以来、基礎的なF-35構造や兵器システムを教え、シミュレーションでF-35の搭載アビオニクスへの理解を深めさせ、2月の初飛行につなげた

F-35 fix.jpg8月まで続く実質141日間の同訓練コースは、300時間の教室授業、46回のシュミレータ訓練計80時間、F-35による48回の飛行訓練計80時間から構成されている
●同コースを担当するflight commanderであるOsterreicher大尉は、2010年からA-10で空軍操縦者をスタートした士官だが、A-10からF-35に転換して教官のリーダーを務めている。教官チームには4名の豪空軍操縦者が含まれている

第62戦闘飛行隊のほかに、第61戦闘飛行隊も同様のコースを9月に開始する。この2つの飛行隊の養成コースにより、今後5年間で約60名のF-35操縦者を養成したいと空軍は考えている
●Osterreicher大尉は「私の任務は、8か月間のコースで操縦学生をcombat readyにし、運用態勢にある飛行隊に送り込むことである」とインタビューに答えた

具体的な訓練の内容は・・・
F-35 N.jpg最近の数週間の訓練では、要撃戦術、戦闘機動、空中戦機動に焦点を当てた訓練を行っており、「機体システムを使いこなせるよう、より困難な状況下での訓練に今後進んでいく」、「空中戦はさほど重視していないが、そのような場面で生き残る術を教えるのが我々の役目」と同大尉は説明し、F-16との空中戦訓練も含まれていると語った
●また同コースの終盤では、A2AD環境でF-35操縦者が期待される見通し外での戦い(beyond visual range)に進んでいくと説明し、「今後は本コースのハイライトである空対地支援、航空阻止、敵防空網制圧の技術習得に取り組んでいく」と同大尉は述べた

●同コース終了後、同コース修了者は、Hill空軍基地で立ち上げられる作戦可能飛行隊の要員として配属される
●同大尉は、他の機種の操縦経験が全くない訓練生は「フレッシュで、新品のスポンジのように教えられたすべてを吸収している。そこには明確な未来があるからだ」と表現した

●一方で、他機種の経験がない中で戦技を学びながらコースを進めているが、安全確保との兼ね合いが大きな挑戦であると同大尉は語り、安全に関する基準を満たさないことが、コースアウトになる一番の原因だと述べた
●そして「例えば、彼らにとって着陸が困難な課題だが、離着陸を安全にできなかったら落第することになる。また教官機や他機と1000フィート以内に接近しないとの約束を守れないようだと落第させることになる」と語った
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F-35 luke AFB2.jpg教官が後席に座る「複座機」がないF-35を、空軍機として初めて操縦するパイロットの卵たち・・・日本ではちょっと考えられないですねぇ・・・

米国では、民間の操縦学校でセスナ機等の免許を取得することが比較的容易ですから、空軍機以外である程度操縦経験がある者を「直接F-35コース」に入れている可能性はありますが・・・

しかしそうだとしても、いきなり単座のジェット戦闘機ですか??? よほど適性検査や「動物の勘」試験で成績の優秀な人間を選んでいるのでしょうか??? 今後に注目ですねぇ・・・。くれぐれも事故等無いようにお願いします

米空軍と操縦者不足
「米空軍の戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22
「機種別操縦者数で無人機がトップに!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-09
「今後20年の操縦者不足は深刻」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29

「60年ぶり下士官が単独飛行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-10
「RQ-4操縦者の7割が下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13-1
「米空軍よ、使い捨て無人機を考えろ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30

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再び:米会計検査院VS国防省F-35計画室 [亡国のF-35]

F-35 GAO.jpg24日、議会から提出を求められている米会計検査院GAOによる今年2回目のF-35計画評価レポートが発表され、何時ものように厳しいF-35計画の現状が報告されており、「ソフト3F」開発の遅れ、「Block IV」開発への警告&提言、そして「まとめ買いによる単価軽減策への注文」など、様々な視点で問題点が暴露されています

これに対し、国防省F-35計画室が直ちに反論を展開していますので、何時ものようにご紹介します。国防省側の基本的なスタンスは、指摘された問題点は全て把握して対処しており、これまでの問題解決実績が示す通り大丈夫だ・・です。

ただし、会計検査院や国防省試験評価局の問題点指摘と、F-35計画室の反論合戦はこれまで何度もご紹介してきましたが、結局F-35計画室側の見積もりが甘いケースがほとんどでしたから、今回も偏見一杯にやりとりを眺めることをご推薦申し上げます

米会計検査院のF-35レポート
http://www.gao.gov/products/GAO-17-351?utm_medium=email&utm_source=govdelivery

27日付米空軍協会web記事によれば
F-35 fix.jpg●まずGAOは、現在実施中の「ソフト3F」の開発試験終了が約1年遅れるだろうと指摘し、これにより、米海軍用F-35C型の初期運用態勢確立時期やフル稼働生産開始が遅れると指摘し、遅れによるコスト上昇が1900億円程度になると予想している
●これに対しF-35計画室は、現時点で同ソフト開発試験は計画通りで、2018年2月までには終了する予定に変化は無いとし、今後の試験期間についても過去の経験データに基づき進捗を予想して大丈夫だと見積もっていると反論した

●(しかし同時に言い訳がましくF-35計画室は、)ソフト3F開発のある程度進んだところで、再度計画全体の進捗やコストと時程の調整が必要かどうかを再評価すると説明し、「(現時点では)米海軍F-35の2018年IOC宣言や、他軍種や同盟国等のF-35計画に影響が出るような遅れは無いと見積もっている」と反論している
●また、遅れによる経費増についてF-35計画室は、現在の予算約2500億円でF-35開発計画は終了できると予想していると説明し、仮に遅れが出ても2018年5月までの延長経費約110億円は、その後の能力向上予算を充てることでカバーするよう議会から命ぜられていると訴えた

「Block IV」開発や「まとめ買い」について
F-35-test.jpg会計検査院GAOは不安定な「ソフト3F」開発状況を警戒し、完成した「ソフト3F」を更に発展させる「Block IV」開発を、完全に「ソフト3F」が完成するまで待つべきだと提言している
●これに対しF-35計画室は、敵の脅威が日々深化する中で、次の近代化施策である「Block IV」開発を後送りすることは、米軍の能力確保上重大な問題でアリ、3月に要求性能がまとめられた「Block IV」開発は予定通り進めるべきと反論した
●そして「Block IV」開発は透明性を確保して進め、コストやスケジュール管理状況を適宜報告すると説明した

更にGAOは、国防省が企てている複数年度に渡る調達要求を一括して行い、単価削減効果が期待されると宣伝されている約440機の「まとめ買い:block buy:economic order quantity(EOQ) purchase」発注に関し、その内容を精査して明らかにするよう求めている
●この要請についてはF-35計画室も理解を示し、議会に理解を得られるよう、関係国や企業や価格等等の詳細を含む全体計画を提出するよう計画していると説明し、約440機のまとめ買い発注で約2200億円の節約効果が期待できるとの見積もりを明らかにした

●(間もなく退役する)F-35計画室長のBogdan中将は、「GAOのレポートは読者に誤解を与える可能性がある」「指摘の内容は全て把握しており、関係国も始め承知の事項である」「計画全体には依然課題もあるが、これまで課題を解決してきた実績もアリ、自信を持って取り組んでいく」と述べた
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開発計画が進んだ時点で「計画を再精査」し、やっぱり会計検査院や国防省試験評価局のご指摘が正しかった(とは決して認めないが)・・・との幕切れを何度も見てきましたので、「現時点では大丈夫」は「タイミングが来たら遅れや経費超過」を認めます・・に聞こえます

F-35 luke AFB.jpgまた試験遅延の場合の経費増対処についての「反論」は、3ヶ月遅れまでは自分でカバーするが、それ以上についてはお願いしますと宣言しているようなモノで、GAOが指摘の1年遅延なら「また血税投入」なわけです

米空軍がF-35Cを早期退役させ、「Buy American」圧力で日本がF-35を買わされることがないよう、国防装備が犠牲にならないよう、切に願うばかりです・・・

「最終試験は1年遅れでも計画通りは不可能」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-17

会計検査院関連の記事
「ALISにはバックアップが無い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-01
「核戦力維持には10年36兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-09
「空軍の無人機操縦者処遇を非難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-16

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米空軍F-35はやっぱり英国展開 [亡国のF-35]

F-35 turn trail.jpg20日付各種報道によれば、米空軍F-35の初海外展開訓練先は予想通り英国のLakenheath空軍基地で、15日土曜日に6機が移動し、途中で故障が発生した2機が後を追う形で、欧州大陸で数週間訓練を行う事になると、19日に米空軍幹部が明らかにしました

Hill空軍基地(ユタ州)所属の第34戦闘飛行隊が今回の移動訓練を行い、隊長であるGeorge Watkins中佐は、今回の展開中は「Baltic Air Policing」等の作戦任務を行う事はないが、大洋を渡るという新たな経験と、派遣先で「a different power system」を立ち上げる経験を積むと説明しました

なお、この規模の海外展開はF-16が通常行う規模の機数ですが、同行兵士が人員245名と通常より多くなっているのは、展開訓練をより多くの兵士に体験させたいためと、警備要員を増やしているからだとの事です

20日付米空軍協会web記事によれば
F-35 Front.jpg●19日の記者会見は電話回線を通じて行われ、展開訓練自体は長期間の計画に基づいて行われているもので、「European Reassurance Initiative」予算を使用しているモノの、政治的な意味合いは何も無いと欧州米空軍報道官は説明した
●同飛行隊長は、同部隊はアイダホ州Mountain Home空軍基地やネリス空軍基地への展開を経験済みで、また今回の英国展開に備え、母基地の反対側に装備や必要施設を移設する訓練を行ってきたと説明した

●(明確な訓練期間には言及せず、)移動訓練間、最初の1週間程度はLakenheath基地所在のF-15CやE型と、1VS1や2VS2の空対空や空対地訓練を行うと述べ、実弾は搭載しないが、、訓練想定上は、アムラーム、2000ポンドJDAM(GBU-31)、500ポンドレーザー誘導爆弾(GBU-12)を使用すると説明された
●その後は決定したわけでは無いが、英空軍のタイフーン戦闘機やオランダ空軍F-16とも訓練を行う案がある模様。また、他の欧州NATO基地への慣熟訓練飛行も検討しているが、他基地で演習等を行う予定はなく、設備が不十分な基地への慣熟飛行も予定にはないとも説明があった

自動兵站情報システム(ALIS)は機体に先立って移動を完了し、展開先でのシステム設置も記録的な短時間で実施できた模様で、同飛行隊長は「システムが順調に稼働しており嬉しい」と装直な感想を述べた
●また、機体表面のステルス性は、展開訓練間を通じ「combat levels」に維持されるとも語った
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F-35 fix.jpgここ数日、アラスカ周辺でロシアの大型爆撃機が(威嚇?)訓練飛行を繰り返しているおり、シリアへの巡航ミサイル攻撃への反応なのか、よく分からないながら対露の緊張感は高まっています。

そんな諸情勢を考慮したのか、上記記事によれば、このテレビ会見に登場したのは女性大尉の報道官と飛行隊長の中佐だけで、通常の訓練である事を強調しているかのようです。

訓練に関しては、揚げ足を取る趣味はありませんが、「ALISが稼働して幸せ」とか「実弾は使用しない」とか、緊急事態が発生しても「実任務には転用しない」とか、初期運用体制IOC確立を宣言して半年以上経過していながら、何とも寂しい中身です。
でもロシアの偵察機が、頻繁に英国周辺に飛来し、情報収集等に努めるのでしょうが・・・

「突然のF-35海外展開訓練発表」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-15

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岩国配属F-35Bがホット給油&給弾訓練 [亡国のF-35]

Iwakuni-35.jpg17日付Defense-Newsが、岩国基地で行われた米海兵隊F-35Bの実戦的給油及び給弾訓練の様子を報じています。

4月の6日と11日にそれぞれ行われた訓練のようで、北朝鮮の記念日である15日に向け、「ショーアップ」され発信された感が漂っていますが、2015年に初期運用態勢確立を宣言しながら、今頃この訓練が初めてかよとか、まだまだ海外初展開F-35Bが戦力になるには時間が必要なんだなぁ・・・と感じさせる記事内容なので、そちら方面への関心からご紹介します

おまけで、大騒ぎだった空母カールビンソンの急遽「北上」指示に関し、緊張が高まった4月15日時点で、同空母がインドネシアの海峡を通過していたことが判明しましたのでご紹介します。

大まかな岩国F-35B部隊の今後の予定
現在10機が配備されているが、夏には6機追加され、計16機となり飛行隊編制が完結する
秋には強襲揚陸艦「Wasp」に搭載され、第31遠征海兵軍として海上訓練に臨む。なお強襲揚陸艦「Wasp」は、ノーフォークから佐世保に移送する本年末以降、第7艦隊所属となり、現所属の「Bonhomme Richard」はサンディエゴで修理に入る

ホット給油&給弾訓練について
F-35B-2.jpg●米海兵隊の発表によれば、岩国基地でF-35Bを運用する部隊VMFA-121は、エンジンをかけたままでの爆弾搭載訓練と他機からの燃料給油訓練を地上で行った。

●なお他機からの給油訓練は、ADGR(aviation-delivered ground refueling)と呼ばれるが、地上でエンジンをかけたままのF-35Bに対し、KC-130J空中給油機から直接給油し、給油速度の確認検証が行われた
●米海兵隊によれば、このような航空機から航空機への地上での直接給油は、設備不十分な緊急展開基地や代替基地等での運用を想定したモノで、部隊の運用レベルが一段と高まったことを示すものである

●また海兵隊によれば、6日に同飛行隊では、エンジンをかけたまま1000ポンドの誘導爆弾GBU-32(JDAM)をF-35Bの内部爆弾庫に搭載する訓練も行われた
●なお、同爆弾がF-35B内部爆弾庫に搭載されたのは、岩国での訓練のわずか2日前に、アリゾナ州ユマ海軍航空基地の戦技教官コースで行われたのが最初だった

●この様にエンジンを駆動させたまま給油や給弾を行う事により、一端エンジンを停止して行うより時間が節約できて実戦的であると共に、機体への負担を軽減したり故障発生を抑えることが出来る

あの日、あの空母は遙か南方海上にいた!
(別の17日付Defense-News記事より)
Carl Vins.jpg米海軍が公表した写真によれば、15日にカールビンソン空母群はインドネシアのスンダ海峡(スマトラ島とジャワ島の間)を通過しており、朝鮮半島からは3500nmも南にいた
●元々の予定では、豪海軍との演習がインド洋で計画されていた。(まんぐーす注:つまり、予定通り豪海軍との演習をインド洋で行い、その後インド洋から移動を開始してインドネシア列島を北上通過したものと考えられる)

8日に豪州行きが急遽変更され、「北上」すると明らかになった際は、ただちに朝鮮半島近海に急行するものと世界で話題になったが、太平洋海軍関係者もペンタゴン関係者もその行動に関しコメントしておらず、匿名では「驚いている。そんなこと誰も言及していない」との話も聞かれた
●ただ複数の関係者は、具体的な日時についてはコメントを避けたが、25日頃に韓国近海に達するとの韓国報道を強く否定はしなかった

●しかし、カールビンソン空母群以外に、空母ロナルドレーガンと空母ニミッツも数週間以内に朝鮮半島周辺に派遣されるとの報道については、複数の関係幹部が強く否定した
空母レーガンは横須賀で5月まで定期修理を行っており、修理終了後も、乗員等のリフレッシュ訓練にある程度の期間が必要である。また空母ニミッツは加州南で訓練中で、カールビンソンの交代で西太平洋に派遣される予定だが、それを早める考えは全くないようだ
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空母カールビンソンの動きに関しては、13日掲載の記事で「予定の訓練はそのまま実施」「15日には間に合わない」と米海軍協会web記事を引用してご紹介していましたが、おかげさまで正しかったことが明らかになりました

Kadena-Full.jpg岩国でのF-35Bの「実戦的訓練」アピールや、12日に嘉手納米空軍の全機フル兵装出撃準備訓練写真公開、空母「北上」やMOAB使用等々、メディア的な話題には事欠かないのですが、核実験をさせないように、「敷居」を超えないように、必死でプレッシャーを作為していたんでしょうか?

やるときには奇襲効果を狙うでしょうから、落ち着いて考えたいモノです。にわか軍事専門家にも注意ですし・・・

海兵隊のF-35ですが、JDAMを初めて内部に搭載したとか・・・そんな段階で2年も前にIOC(初期運用態勢)宣言するなよ!!! 「Hot Refuel」ぐらい、岩国に展開する前にしっかり訓練して来いよ!!!と叫びたい気分です。

関連の記事
「国防長官は空母の朝鮮半島?派遣をどう語ったか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-12
「道遠しNIFC-CA試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26
「海兵隊F-35は岩国の次に中東へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-03-1

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