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商用宇宙データも国家宇宙防衛センターNSDCへ [サイバーと宇宙]

Raymond&Buck2.jpg19日、米空軍宇宙コマンドJay Raymond司令官と米戦略コマンド宇宙作戦司令官であるDavid Buck空軍中将が、下院軍事戦略軍小委員会で証言し、この夏にも一般宇宙関連企業の保有する商用宇宙関連データも国家宇宙防衛センターNSDCで利用可能になると語りました

この国家宇宙防衛センター(NSDC:National Space Defense Center)は、今年の春まで「JICSPOC:Joint Interagency Combined Space Operations Center」と呼ばれていたものを、「誰もが、何のための組織か理解できるようにするため」に改称された宇宙作戦の拠点です。

JICSPOC.jpgNSDCは米国防省幹部も高く評価する大宣伝売り出し中の宇宙アセットで、状況の掌握が極めて難しい宇宙ドメインに、米軍だけでなく、関連政府機関や諸外国の協力も得て取り組むコンセプトを具現した指揮所です

NSDCはコロラド州のSchriever空軍基地に所在し、米戦略コマンドがリードし、国家偵察室(NRO)、空軍宇宙コマンド、米空軍研究所ARRL、情報コミュニティー、宇宙関連情報提供企業が協力し、更に同盟国からの連絡要員も加わって運用する形態で、2015年10月に正式運用を開始した宇宙作戦センターです

商用宇宙データ導入を米空軍協会web記事は
JICSpOC2.jpg●Buck中将は議会で、この夏我々は「non-traditional data pre-processor」と呼ばれる機能を導入すると明らかにし、「我々の宇宙監視ネットワークに、商用宇宙データを取り込むことが可能になる」と説明した
●また米空軍宇宙コマンド司令官であるJay Raymond大将は、この一般宇宙関連企業のデータを取り組みを、次世代の宇宙を含む指揮統制C2要求を満たすために、一般企業も仲間に入った「consortium」で行う大戦略に関連していると説明した

●そしてRaymond大将は、「我々はすべてのデータを必要としており、それは一般宇宙関連企業のデータから、高度なインテリジェンス情報までの全てである」と語った
Raymond-Space.jpg●更に同大将は、一般企業までを取り込んだ「consortium」を解説するため「iPhone」を取り上げ、オープンソースな環境を提供して多様な企業がアプリを提供し、多様な利便性を実現したコンセプトを讃えた

●「オープンな基準を設定し、すべてのプレイヤーに参画してもらいたい」と同大将は語り、NSDCで早急に実現するため、米空軍のRCO(緊急能力造成室)の支援をお願いしていると語った
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上記の記事で「商用宇宙データ:commercial data」の訳でご紹介したデータが、具体的にどのようなものか不明です
商用衛星の位置情報や運用状況諸元のことを指すのか、商用宇宙アセットのセンサーから入手した各種データも含むのか、太陽風や電離層の状況データなのか、宇宙デブリの情報なのか・・・。

Raymond&Buck.jpgいずれにしても、「JICSPOC」から改称した「NSDC」は、今後も様々な形で、軍事を語るうえで、宇宙ドメインを語るうえで登場するでしょうから、ちまちまフォローしたいと思います
それにしてもこのお二人、各地にペアーで登場されている模様です・・・

宇宙作戦センター関連
「JICSPOCからNSDCに改称」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06
「米空軍が宇宙活動アピール作戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24
「副長官がJICSPOCを高評価」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28
「宇宙と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01

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謎のX-37Bの謎が少し解けた!? [サイバーと宇宙]

X-37B 2017.jpg7日、約2年間の宇宙空間滞在試験を終え、「謎の宇宙飛行船X-37B Orbital Test Vehicle」が地球に無地帰還しました。戻ってきました。
2010年4月に最初の打ち上げ(アトラスVロケットの先端に搭載されて宇宙へ)が行われ、今回がこれが4回目の宇宙滞在試験で、合計約2300日も宇宙空間で何か試験をしていたことになります

この「謎のX-37B」は9m×4.5m×3mとそれ程大きくなく、低コストで再使用が可能な宇宙への運搬手段を目指し、1990年代半ばからNASAが研究を始めたものです。
しかし計画が遅れてスペースシャトルの貨物室に搭載する方向はキャンセルとなり、その後NASAがスペースシャトル後の人員輸送にも本モデルの使用を止めたため、2004年から国防省が主導する引き継ぐ軍事プロジェクトになりました

国防省では米空軍の緊急能力造成室(Air Force Rapid Capabilities Office) が担当していることから、その目的を、軍事衛星や通信衛星が機能喪失した際の緊急代替衛星や装置の宇宙投入用とか、宇宙空間で軌道を柔軟に変更して敵衛星を無効化する任務を担うのではとか、貨物室に新素材を載せて宇宙空間で試験しているのではとか等々、様々な憶測を呼んでいます。

X-37B 17.jpg例えば、2011年3月の2回目の打ち上げ後は、アマチュア天文家まで巻き込んで軌道監視が行われ、中国の実験宇宙ステーション「Tiangong-1」と似た軌道だった事から、密着監視しているのではと軍事メディアで騒ぎにもなりました。結局は、細かく見ればその任務は不可能との結論でしたが・・・

そんなこんなの「謎のX-37B」ですが、今回の帰還を紹介する米空軍協会web記事が、イオンエンジンの一種と考えられる「Hall Effect thruster」も試験の一つだと解説していますので、久々に「謎のX-37B」を取り上げます。
よく調べれば、既に「謎の」では無いかも知れませんが、まんぐーすにとっては謎なので・・・。帰還した機体を確認する完全防備の作業員3名の姿が物々しい、左上の写真が色々想像をかき立てます。

9日付米空軍協会web記事によれば
X-37B-2Taxiing.jpg2015年5月21日に打ち上げられた4回目のX-37B OTV(Orbital Test Vehicle)宇宙飛行は、5月7日に終了した。、宇宙滞在間は、高度190 and 225 milesに在空していた
1回目の宇宙滞在が224日間、2回目が468日間、3回目が675日、そして今回の4回目は718日間だった。ちなみに、フロリダ州の同宇宙センターへの着陸は初めて

●宇宙滞在期間の長さは、「Hall Effect thruster」と呼ばれる電磁式推進システムの試験とも関係している。同推進装置は、同量同重量の燃料でもより効率よく推進力を得られることが特徴で、将来の宇宙船をより軽量にし、打ち上げコスト削減を狙いとしている。
●一方で同推進装置は、立ち上がりがスローで(thruster is slow to start up)で、米空軍は宇宙空間で長期間をかけて試験することを望んでいる。

●実験を仕切っている米空軍の緊急能力造成室は、X-37Bの宇宙滞在試験を通じ、同装置のリスク低減と、再利用可能な宇宙船の作戦運用コンセプト開発に取り組んでいる
●次の5回目の打ち上げは、2017年末に予定されている
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X-37B 17-3.jpg他にも絶対「ナイショ」の実験や任務を行っているはずだと妄想しているのですが、宇宙で2年間も活動させておいて、遠隔操作でちゃんと大気圏に突入し、滑走路にプログラム通り着陸して戻ってくるのですから、その面での技術の蓄積だけでも大したものだと思います

5年間も放置しておいた話題ですが、また楽しませて頂こうと思います
日本のアマチュア天文家の皆様もいかがですか?

X-37B関連の記事
「中国版X-37B?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-15
「X-37Bは中国衛星を追跡?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-07
「X-37BがSシャトルの代替?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-12

「米が宇宙アセット防護計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-16
「X-37B関連小ネタ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-04
「X-37Bをご存じですか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-20

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約束の期日過ぎてもサイバー戦略発表なし [サイバーと宇宙]

Trump cyber2.jpg21日付Fifthdomain.Com記事は、トランプ大統領が就任時に宣言していた「90日以内にサイバー戦略を見直す」との約束の期限が4月20日だったが今取り組んでいるとの説明だけで何の発表事項も無く、今後の予定も示されなかったと皮肉たっぷりに報じています

新政権には議会が定めた期限付き報告事項が多数課せられており、国家安全保障戦略や国家防衛戦略等もその一つだと思うのですが、政権発足後100~120日の期限が守られることはほとんど無く、ゲーツ国防長官(当時)は士官候補生への講演で「士官候補生は教官にこの様な発言をしてはならないが、国家防衛戦略を政権発足後数ヶ月で提出するなどと言うクレイジーな要求があるか」と愚痴っていたくらいです

ただこのサイバー戦略見直しは、トランプ大統領自らが就任式直前にぶち上げ就任直後にも改めて取り組む姿勢をツイートしていただけに、またロシアによる米大統領選挙へのハッキングが大きな話題となっている「サイバー戦」問題絡みなだけに、関係者の間では「ガッカリ感」「やっぱり感」「大丈夫かよ感」が広がっているようです

21日付Fifthdomain.Com記事によれば
Cyber Top4.jpg大統領就任直前、ロシアを含む諸外国から米国へのハッキングに関するインテリジェンス報告を受けたトランプ氏は、特別チームを編成して90日以内に「a review of America’s cybersecurity efforts」を提出させると国民に誓った
●当時トランプ氏は「それが米国政府であれ、一般組織や企業であれ、我々は積極的にサイバー攻撃と闘い、これを止めなければならない」「使用する手段や戦術や手法の議論は相手を利するだけなので公にされるべきでは無いが、大統領就任後90日以内に対応策を報告させるべくチームを編成した」と宣言していた

●またその1週間後もツイートで、「ハッキング対策に関するフルレポートを90日以内に提出させる」と公言していた。
●そして1月31日には、ジュリアーニ元NY市長も交えたサイバー対策の会議を開催し、同元市長に民間部門とのサイバー協力体制構築を命じ、更に「米国民のために運用している政府ネットワークとデータを防御する必要があり、その防御は極めて重要だ」とも述べている

Trump cyber.jpg●しかし、その後発出が予定されていたサイバー問題に関する大統領令は、突然、何の説明も無く中止されたそしてその後は、特別チームの動きはよく表現しても「思いつき程度:be haphazard」の活動で、特にロシアがトランプ氏の当選を応援していた事が判明した後は低調である。
誰がサイバー戦略見直しに関与しているのかもよく分からず、ジュリアーニ氏は加わっていないし、NSCやクシュナー氏が率いる「American Innovation室」の関与も不明確である

ホワイトハウス報道官のLindsey Walters女史は、「大統領が多様な政府高官と企業専門家を指名してチームを編成し、NSCやAmerican Innovation室とも協力して、第1弾のサイバーセキュリティ計画を取りまとめ中である」と語ったが、今後の日程には言及しなかった
Cyber-new.jpg●まぁ・・トランプ大統領自らが宣言したにも関わらず、期限や公約が守られないのは初めてでは無い。「オバマケア」の破棄と見直しは頓挫したし、打倒ISIS戦略を30日以内に示すとの約束も守られていない。また、中国を「為替操作国」と呼びながら、先週の習近平訪米時にはその表現を引っ込めている
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4月24日付の三浦瑠麗さんの「山猫日記」では、
北朝鮮への米国の関与を占う上で、以下の4勢力が吟味されています

●米政権で力を持ってきた軍人上がり&現役の「軍派」は、軍人の被害を極力避けたい慎重派
共和・民主双方の主流派に属するいわゆるエスタブリッシュメント「帝国派」は、欧州や中東を重視する下地がある勢力
人権を侵害される対象が白人やキリスト教徒だと影響力が増す「リベラルなタカ派
国内の経済と雇用を重視し、外交・安保に関心が薄い、バノン氏を代表とする「オルタナ右翼

MiuraR.jpgそして、核保有国である北朝鮮に米国が先制攻撃を仕掛ける可能性は極めて低い
日本には何ができるかという点ですが、これが大変難しいのです。実は、解はない
もっと言えば、日本も核抑止への当事者となるために非核三原則のうちの「持ち込ませず」を撤回して、米国との核共有を進めるべき

以上が「北朝鮮情勢」に関する三浦さんの視点ですが、米国政治に影響力を持つ以上の4大勢力が、「サイバー戦」にどのような姿勢なのか伺っても見たいものです。恐らく、脅威に対する共通の認識や利害が一致せず、それぞれが勢力としてまとまらないような気がします。

つまり、陸海空&宇宙への脅威感とサイバー脅威への対応は、全く異なる「筋肉」を必要とする気がします。なのでトランプ政権でもまとまらないのでは・・・と思う次第です

ですから、トランプ政権を単純に攻める気持ちにはならないのですが、「大変だ!」とだけ叫んでおきます

「米国政府サイバー予算の9割は攻撃用!?」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-31
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米空軍宇宙コマンドの変化への取り組み [サイバーと宇宙]

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Raymond-Space.jpg6日、米空軍宇宙コマンドのJay Raymond司令官(大将)や14空軍司令官(兼ねて統合宇宙作戦司令官)David Buck中将が記者会見で中国やロシアの宇宙能力向上と脅威増大に対応するため、宇宙状況把握(SSA)の向上が急務であり、そのための緊急衛星打ち上げへの取り組みがや、かつ調達を迅速にする他機関との連携への取り組みが重要だと訴えました

具体的な説明が少ないため、また技術的側面の知識不足で消化不良ですが、長らく取り上げていない重要な宇宙分野の話ですので、「小さなことからコツコツと」の姿勢でご紹介したいと思います。
また、3つの短い米空軍協会web記事による組み合わせ説明ですのでご容赦を

単なる衛星のカタログ管理では不十分
Falcon 9.jpgRaymond司令官は宇宙状況把握能力の向上が、最優先課題の一つだと語り、過去のように脅威を感じない穏やかな環境であれば、アセットの位置を把握しておくことがすべてで、宇宙アセットカタログを整理しておくような状況把握でやっていけたと表現した。
●Buck中将は、中国やロシアが高度で複雑な「軌道移動:on-orbit maneuvers」能力を備えていることを確認していると危機感を訴えたつつ、我々の宇宙に関する情報収集能力は、脅威の進展ペースに追随できておらず、だから情報収集整理能力の再生に取り組んでいるのだと説明した。

●Raymond司令官は敵対者の能力向上により我の能力が不十分になったと述べ、Buck中将は単なる宇宙交通管理ではなく、SSA(space situational awareness)では、宇宙物体の諸元、運用者の活動意図、アセット能力が提供される必要があると説明した
●Buck中将はSSA能力不足への対処策の一つとして、7月に打ち上げ予定の「ORS-5:experimental Operationally Responsive Space series 5」に期待を寄せた

2016年6月のORS衛星記事
Space Fence1.jpg米空軍は作戦運用要求に迅速に答えるため、数千億円もする多機能大型の衛星でなく、より安価で小型の衛星を求めて試験検討を続けている。
●その主要な取り組みの一つがORS(Operational Responsive Space satellites)で、2011年のORS-1衛星は、米中央軍のISR強化要請にこたえ、短期間でU-2偵察機のセンサーを活用する衛星打ち上げにつなげた
ORS-4が打ち上げに失敗して計画全体が困難に直面したが、2014年に準備が始まったORS-5は7月の発射に向け、商用衛星手続きで準備が行われ、100億円程度の費用で3年程度の活用を前提としている

迅速な調達に他組織との連携
●Raymond司令官は、新たな能力獲得のため調達を迅速化するため、「その能力を持つ他機関と協力関係確立を追及している」と述べた
China-beidou.jpg●既に「宇宙ミサイルセンター」はORS計画を通じて迅速調達の権限を獲得したが、その能力を更に拡大したいと述べ、宇宙コマンドより迅速な調達を行っているNRO(National Reconnaissance Office)との協力関係を例といて挙げた
●また米空軍の緊急能力造成室RCO(Rapid Capabilities Office)は、これまで宇宙アセット調達に関与してこなかったが、関係確立の協議を行っていると説明した
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時節柄、予算確保や予算案の正当性を訴える背景説明でしょうし、この1年が米空軍の宇宙活動アピール年(http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24)ですので力が入っています。

ただ、中露の高度で複雑な「軌道移動:on-orbit maneuvers」能力は忘れてはならないので取り上げました。
中国とロシアの気になる宇宙活動については、以下の記事をおすすめ
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08

関連の記事
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08
「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「宇宙改革法案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-13

「米空軍宇宙活動アピール年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24
「5分間でトランプに宇宙をアピール」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-04
「新型宇宙監視望遠鏡が部隊へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-19

謎の多いNRO関連の記事
「謎のNROを語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-20-2
「NROが宇宙アセット防御計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-16

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米国政府サイバー予算の9割は攻撃用!? [サイバーと宇宙]

Cyber Top.jpg3月29日付「FifthDomain」が、米国の総合ITサービス大手「Cisco Systems」の製品にサイバーセキュリティー上の重大欠陥がある事を察知しながら、CIAが必要時のサイバー潜入や攻撃に活用するためその事実を伏せていた事案を契機として、米政府のサイバー予算が攻撃面に偏ってる点を指摘し、複数の専門家の見方を紹介しています

何が「offensive」サイバー予算で、どれが「defensive」なのか具体的な説明が無い事もあり、明確に区別できるの?・・との疑問も残るのですが、「サイバー防御には限界がある」との元担当責任者の言葉には重みがアリ、また馴染みの薄い分野でもある事から、消化不良気味の記事ですがご紹介します

結局は、最大のサイバー予算使用機関であるNSAがサイバー進入&攻撃に注力しているからだとの説明ですが最後の最後で本音が伺える記述が現れます

3月29日付「FifthDomain」記事によれば
Cyber Top3.jpg3月初旬WikiLeaksの創設者アサンジ氏が、Cisco Systems製品の脆弱性を突くハッキング手段を、CIAが保有していると暴露した件を受け、CIAが1年以上前から同社製品の欠陥を知りつつ、CIAの活動用に情報を管理していた事が話題となり、議論を呼んでいる
●当然Ciscoは、脆弱性対策のため早急に対策を取り、300以上の製品の問題点を改善したが、米国の主要企業である同社が、米情報機関では無くWikiLeaksから脆弱性を気付かされた点が、米国政府のサイバー防御への姿勢に疑問を投げかけることになっている

ロイター通信はシスコ社の関係者3名に匿名で取材しているが、3名は、米国政府機関や企業が、外国政府が関与している疑われるサイバー攻撃を受ける件数が急増する中、米国政府は攻撃的なサーバー施策を過大に重視しているのではと疑問を呈している
●そして、米国政府全体では、サイバー関連予算の9割が、敵コンピュータシステムへの侵入、通信情報の入手、インフラ機能の阻害手段開発などの攻撃的なサイバー施策に充当されていると、同3名はロイターに語っている

●近く退任予定のNSA副長官のRick Ledgett氏も、政府サイバー予算の90%が「offensive」側に投資されていると認め、「予算配分の観点から、考えるべき点であろう」「サイバー脅威が高まる中、防御と情報保障の重要性は増している」と語っている
●スノーデン氏がリークした文書も、米情報機関の非公開情報予算は2013年度時点で5兆円を超え、その中のわずか8%が「cyber security強化費」で、72%が戦略情報収集や過激派との戦いに投入されている事を示している

●シスコの件についてCIA報道官はノーコメントの姿勢で、CIAとNSAを束ねるDNI(Director of National Intelligence)も、ホワイトハウスと同様にノーコメントの立場である


攻撃重視と防御軽視の背景
Cyber Top2.jpg長年「offense」が重視されてきた背景には、最もサイバー分野で能力の高い機関がNSAで、そのNSAが海外情報の収集や政府機関システムの防御を支援してきた事もある
●ただ、2010年から14年の間にNSAで「defensive」部門長だったDebora Plunkett女史は、「敵の脅威や能力や意図が級数的に増加する状況にあり、より防御側に努力を傾けるべきと強く思う」と訴えている

政府の役割を何処まで拡大するかも引き続き難しい課題である。Alexander前NSA長官やカーター前国防長官は、企業や国防省以外の機関が、ロシア、中国、北朝鮮、イラン等の国家的サイバー攻撃から独力で対処するのは不可能だと語っていた
●一方で、今回のCIAとシスコ脆弱性の件のように、現在のCIAの方針では、自国企業に問題があっても、CIA任務のためその情報を企業に提供しないことになっている。企業側は不満を募らせている。

●それでもNSAは最近、「NSA 21」と呼ばれる組織改編を行い、政府機関内で最大のサイバー防御組織であった「Information Assurance Directorate」を廃止し、NSAの主力である「signals intelligence」に吸収した
NSAの首脳達は、(表面的には)攻撃と防御側の職員が机を並べて勤務することの効能を強調しているが、(本音の部分で)NSA職員やホワイトハウス経験者は、完全な防御は不可能だから、より多くの資源を敵ネットワークへの侵入など、敵による攻撃を阻害し、または妨害源を探る(攻撃的な)活動に注ぐべきだと主張している

●NSAの防御部門責任者を先月退任したばかりのCurtis Dukes氏は端的に状況を語り、「NSAが防御が重要だというのは義務のようなモノだが、決してそうはならない」と吐露している。
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Cyber Top4.jpgここは「無法地帯の最前線」で戦っているNSA等の人達の言葉を信じ、「やっぱりサイバードメインでは攻撃(侵入、情報入手、相手装備妨害など)が重要なんだ」と気付くことが重要なんでしょう。

攻撃も防御も、どちらも重要なことは明々白々ですが、限られた予算の配分を考えるとき、「攻撃は最大の防御」との言葉を噛みしめつつ、そういう世界なんだと認識しておくことが基本なんでしょう

まぁ・・・日本では「攻撃」と口に出すだけで、福山とか辻元とかブーメラン好きのごろつきや、小池とか赤旗とか平和委員会とかの反社会分子から攻撃されそうなので、サイレントマジョリティー育成に本記事を捧げます

サイバーと宇宙カテゴリー記事(118本)
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302888136-1 

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今後1年間で米空軍が宇宙活動の大アピールへ [サイバーと宇宙]

JSPOC.jpg22日、米空軍のGoldfein参謀総長とJay Raymond宇宙コマンド司令官が連名で寄稿した宇宙ドメイン「決意表明文」がDefense-Newsに掲載され今後1年間かけ、宇宙ドメインの重要性、米空軍が宇宙で果たす(果たしてきた)役割、宇宙ドメインでの取り組みを、精力的に訴えていくと宣言しています

そしてアピール活動を通じ、宇宙ドメインの政策、戦略そしてアセットや資源配分について様々な議論が起こることを期待し、貴重な意見が得られることを望み、そして潜在的な敵に宇宙で戦いを仕掛けることが割に合わないことを知らしめたいと結んでいます。最後の一節は「That is a message that we are ready and willing to deliver.」です

米空軍参謀総長がトランプ大統領と初めて面談した際、5分間だけ時間を与えられ、いの一番に説明したのが宇宙ドメインの重要性と空軍がその大半を担っている点でした。
宇宙ドメインの重要性は感じていても、なぜ突然宇宙を前面に???との思いを持ちましたし、今もその?感は続いていますが、今までアピールや説明努力が不十分だった重要分野に、おれは真剣に取り組むぞとの参謀総長の決意のようです

背景や狙いがよく分かりませんが、一生懸命さや熱意は感じます。今後も様々な発言やイベントがありそうですが、まずは基礎となるであろう、熱気溢れる「決意表明文」をご紹介します

概要:空軍参謀総長と宇宙コマンド司令官の寄稿文
Goldfein.jpgRaymond-Space.jpg●米軍が宇宙のリーダーとしての責任を担い、米空軍はその中心にあるが、宇宙技術がどの程度我が米軍の活動を支え、我が経済の効率的運営に寄与しているかは、国民や社会に良く理解されていない。ガソリンの購入から車の運転、オンライン通販、物流、医療などなど、世界経済が軍によってもたらされた衛星技術に支えられているのに
●過去25年間、米空軍は軍事作戦におけるリアルタイム情報提供をリードし、米軍が戦う時、その作戦を宇宙技術で支えてきた。見通し外通信や遠方での部隊活動把握、精密誘導兵器の誘導などは、IS殲滅作戦の鍵となっている

今後1年間、皆さんは宇宙の話や米空軍が他軍種と如何に宇宙関連で緊密に連携しているかを耳にするだろう。
我々が迅速に宇宙アセットやネットワークの防御対策に取り組み、敵対者の企みを抑止する能力獲得を進めるに中で、米国民の皆さんには、宇宙で何が危機にさらされているのかを理解して頂く必要があると考える

3つの取り組みをアピール
JICSPOC.jpg●何よりも、戦いがあればそれは宇宙に拡大する。宇宙に戦いが拡大したなら、我々は如何に戦うかを考えておかなければならない。陸海空ドメインのように、宇宙ドメインでの戦いにも備えなければならない
●米空軍が宇宙を戦いのドメインに融合する取り組みの第1は、宇宙での脅威を探知し認識する能力を高め、敵の脅威が高いドメインで、宇宙アセットを指揮統制する能力を高める取り組みである

第2に、宇宙アセットの生存性を高め、国防省と情報機関の連携を強化し、国家安全保障に不可欠な宇宙アセットの保護、防御、運用を行う事である
●そして第3に、昨年コロラド州に立ち上げたJICSPOC(Joint Interagency Combined Space Operations Center)への取り組みである。情報機関と核兵器を扱う戦略コマンド等が協力して立ち上げた作戦センターは、宇宙での新たな手法を試験し革新する事を促進し、未知の世界を教えてくれる

●これらの取り組みは、敵が我々の宇宙での行動を阻害することを防ぎ、衛星を改善し、宇宙関連要員を新たな現実に対処できるように鍛え、そして思考法の根本的変革をもたらす
●宇宙での戦いは、地球での戦いと同じアプローチを必要としている。もはや空想小説の世界の話ではない脅威を早期に探知し、必要なら機動し、敵が武力に訴える気にならないよう果断に対処する必要がある

Goldfein1-1.jpg●対処には、短期的な取り組みと長期的視点で臨む必要のあるものがある。このため米空軍は、政策、戦略、資源配分等に関する議論を歓迎する
公に米国の宇宙アセットを守る決意を明らかにすることで、我々は潜在的な敵に対し、宇宙で米国に戦いを仕掛けることが割に合わないことを知らしめたい。これが我々が伝えたいメッセージだ
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あまり米国社会で認知されず、予算獲得の追い風が少ない宇宙ドメインに、追い風を起こそうとする取り組みかも知れません。

しかし、宇宙アセットがもたらす恩恵、GPSやスマホ通信やオンラインシステムなどなどなどに現代社会があまりにも依存し、それが中断した場合への備えがあまりにもない事への警告は誰かが行わなければなりません。

その警鐘と備えへの訴えでと見れば、今後1年間のアピール大作戦が楽しみです。そして日本の関係者が、JICSPOCで勤務でき、何らかの貢献が出来る日が来ることを祈念いたします

「米空軍トップが5分間でトランプに訴えたこと」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-04

「JICSPOCを副長官らが高評価」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01

宇宙関連の記事
「新型宇宙監視望遠鏡が部隊へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-19
「宇宙改革法案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-13
「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08

「宇宙アセット防御予算8割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-01-1
「米空軍の宇宙姿勢を改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-19-1
「F-15から小型衛星発射試験へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09

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ホワイトハッカーが国防システムの脆弱性指摘 [サイバーと宇宙]

Cyber-new1.jpg13日付Bloomberg電子版は、7日までの間で国防省が実施した「発展版Hack the Pentagon」計画により国防省や米軍が使用している重要文書をネット上で送付するシステムの欠陥が「わずか数時間」で指摘される等の成果があったと報じています。

「Hack the Pentagon」計画は、身元が確認されたハッカーや専門家を活用して国防省のITシステムの脆弱性を探索発見指摘してもらう試みで、2016年4月に第1回目が約1ヶ月間かけて実施され、この際は250名以上の有志ハッカーが、国防省の公開webサイトの脆弱性発見に取り組み、130個以上の問題を指摘しています。

元々はオバマ政権時のホワイトハウス「Digital Service部」が開始した政府としての取り組みですが、国防省「Department Digital Service」がこの取り組みを主導しています
昨年4月の成果を踏まえ、今回はより本格的な国防省の重要システムを対象としたプロジェクトとなり、3年契約を約4.5億円で請け負った「Synack Inc.」が具体的に運営する形式で実施されたようです

13日付Bloomberg電子版によれば
Hack the Pen.jpg●7日まで約1ヶ月間行われた「発展版Hack the Pentagon」計画には、米国、カナダ、豪州、英国から約80名のネットセキュリティー専門家「ホワイトハッカー」が参加し、国防省が非公開を含む電子メール、文書や画像等をネットワーク上で転送するメカニズムが対象となった
●参加した「ホワイトハッカー」や彼らが使用したPCから、国防省の対象システムの仕組みや脆弱性が「敵」に漏洩することを恐れた国防省関係者の説得に関係者は苦労したが、「サイバー演習空間」に対象システムを模擬したネットシステムを構築し、更に追加で情報漏洩防止対策を行い、現実に近い模擬空間で脆弱性を確認する手法で実施された

●本プロジェクトにシアトルから参加したWesley Wineberg氏は、「国防省のシステムは、重要な事項を扱うからと言って、他のシステムより厳重になっているとは限らない事が判ってきた」「ある部分は厳重に設計されているが、一部が極めて脆弱だった」と感想を語っている
国防省「Department Digital Service」で「bureaucracy hacker」と呼ばれるLisa Wiswell女史は、1月11日に計画を開始し、関係者には「1週間ぐらいで反応があるだろうからスタンバイせよ」と伝えていたが、実際には数時間で脆弱性の報告が始まったと効果を説明してくれた

Cyber-new2.jpg●「Synack Inc.」社は、同様の「ホワイトハッカー」活用を銀行やクレジット会社と契約して行っており、発見した脆弱性のレベルに応じて参加ハッカーに報酬を支払う仕組みを導入し、最近の例では約350万円を手にした者も居るようである
国防省自身も自前で省内に「ハッカーチーム:red teams」を編制する努力をしており、過去数年で人員を倍に拡大しているが、給与やラフな勤務環境に惹かれて有能な人材は民間企業に流れるため、依然として多くを民間企業に委託しており、自前で国防省全体にニーズを満たせない状態にある

国防省の試験評価局の報告書によれば、「国防省の職員や兵士は、ネットワーク防御を行政の業務と捉え、戦闘能力と認識していないケースが多い」と指摘し、「この態度を改めない限り、日進月歩のサイバー攻撃との戦いの苦悩は続く」と意識改革を求めている
国防省内では、最も基礎的なシンプルなレベルの問題が指摘されたことが担当専門家を驚かせており、今後この手法を「指揮統制システム」や「人材データ管理システム」を対象に実施することを検討し始めている。
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Hack the Pen2.jpg「Hack the Pentagon」計画は重視されているようで、政権移行の申し送りでも、第1日目に重要事項として取り上げられたと上記記事は伝えています。

忘れない程度にサイバーは重要だ重要だと叫んでいるだけで、まんぐーす自身のPCの動作不安定にも「放置プレー」状態なのですが、こんな野郎が組織に所属していると、ある日突然流出事案とか引き起こすのかも知れません

戦闘機より遙かに安い予算額で、「Hack the Pentagon」計画は進んでいるようですので、参考にしたいものです・・・

Hack the Pentagon関連記事
「第1弾成果発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1
「計画発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-04-1

サイバーと宇宙関連記事
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302888136-1

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米空軍トップが5分間でトランプに訴えたこと [サイバーと宇宙]

Goldfein1-1.jpg3日、Goldfein米空軍参謀総長が米空軍協会Mitchell研究所で講演し、米空軍の宇宙における役割の重要性を主に訴えました。

許された僅か5分間のトランプ大統領へのプレゼンで宇宙を語ったことや、米空軍が有志連合国を含む共同航空宇宙作戦センターで宇宙分野をリードしていることをアピールしつつ、宇宙アセット調達の問題点も訴えています

宇宙アセットの重要性や脆弱性が鍵であることは承知しているつもりですが、B-21やF-35やKC-46A等の大物航空アセットの調達に目途が立った余裕を感じないでもありません。
いやいや・・・やはり宇宙装備の脆弱性が頭から離れないんだと思いますが誘導兵器の発達で航空機自体のアピール度が低下していることを「首筋辺り」で感じているようにも思います

限定5分でトランプ大統領に説明したのは
Goldfein1-4.jpg●マティス長官の議会証言が行われた当日、4軍のトップがトランプ大統領と面談する機会を与えられ、それぞれが各5分で説明した。私はまず宇宙において空軍の果たしている役割を強調した
地球上全体を俯瞰する12個の衛星を運用しているが、そこから得られるデータ自体では役に経たず、意志決定に供するレベルの情報に変換して活用することで初めて意味を持つ。米空軍はその処理能力で航空宇宙優勢の多くを確保し、統合戦力の活動を根本で支えていると説明した

●またリビアのISIS拠点を、米本土を出撃したB-2爆撃機が往復32時間の連続飛行で任務を達成した件も取り上げ、米空軍が世界中で米国の国益を支えていると大統領に説明した
●最後に大統領に述べたのは、米空軍の全ての任務遂行は米国産業の成長そのものである点だ。ここ数年の軍縮小で史上最低規模にある空軍だが、あるべき規模や体制を取り戻し、国家の負託に応えたいと説明した

宇宙練度は連合や共同で飛躍的に進歩
Space Fence1.jpg●例えば最近発生した無人機MQ-9の衛星通信トラブルでは、従来なら数日から数週間対処に必要だったものが、分単位で解決されるレベルに進化している
●当該事案は「衛星通信への干渉発生」がトラブルとなったが、連合の航空作戦センター(CAOC)が問題を把握し、多様な関係者がチームで問題解決に取り組み、問題を分析して関連捜査員とレポートを共有して対処に当たった

数分の間に、有志連合国の装備が妨害源となっていることが突き止められ、問題解決に繋がった。このような迅速な問題処理は、CAOCに多様な関係者が一堂に会して勤務することで可能になることである
●平均すると、このような問題解決に要する時間が1/8に短縮している

宇宙ドメインの主導を米空軍に
Gold-Live.jpg米空軍を宇宙を主導する軍種に指名してほしい。米空軍の兵士に統合の場で宇宙のより大きな役割を担わせて欲しいまた「family of systems」アプローチを、国防省全体の宇宙活動に導入して欲しい
●我々は戦略レベルで、宇宙ドメインを統合参謀本部や地域コマンド司令官たちとどのように導くかについて議論を必要としている

●最後にMike Rogers下院議員が取り組んでいる宇宙アセット調達改革について言及し、宇宙に関わる計画の意志決定に、60もの異なる関係者が意志決定に関わる現状の規定を、「この複雑な規定により、調達戦略の一体性が損なわれている」と訴えた
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4軍のトップである参謀総長や司令官でも、報道されるトランプ大統領の主張や「大統領令」を気にしながら、何を語るべきか思案している様子が伺えます

Birds-Tra2.jpg「偉大な軍隊」を取り戻すには無駄を削減することも必要で、4軍が互いに根回しして政権と対峙しないよう、4軍に連携させないよう分断策を採るのでは・・・と推測する方もいらっしゃいますが、現時点では何とも言えません

それにしても・・・今回のマティス長官来日ですが、あまりに日本関係者が聞きたい事をポンポン言ってくれるので有り難いのでしょうが、とりあえず対ISISが忙しくなるから、対中国や対北朝鮮には「たっぷり口先介入」だけで時間稼ぎ・・・の思いが滲んでいるような気がします

宇宙関連の記事
「新型宇宙監視望遠鏡が部隊へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-19
「宇宙改革法案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-13
「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08

「宇宙アセット防御予算8割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-01-1
「米空軍の宇宙姿勢を改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-19-1
「F-15から小型衛星発射試験へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09

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元NY市長が仲介:米イスラエルのサイバー協力強化へ [サイバーと宇宙]

Netanyahu cyber.jpg1月31日、イスラエルのネタニアフ首相が大規模なサイバー関連イベントで講演し2月中旬に訪米の際に、米イスラエル間のサイバー協力態勢を更に強化する提案を行うと明らかにしました。

どうやらこの提案は、イスラエルからの一方的な強化提案ではなく、トランプ政権のサイバー対処担当が先週既にイスラエルを訪れて下調整を開始しているようで、「出来レース」のようです

もちろん、事柄の性質上、協力強化の方向性まではネタニアフ首相は発言していませんが、トランプ大統領とネタニアフ首相が組むとなれば、何が飛び出すか判りません。

1月31日付「Fifthdomain」記事によれば
Giuliani cyber.jpg●1月31日、「CyberTech international」2017年次総会で講演したネタニアフ首相は、数千人の会議参加者に向け、「イランが当地域や西側の主要インフラへのハッキングを試みている。インターネットに接続されているモノは、悪意に満ちた奴らにハックされる可能性がある」と述べ、
●「だから来るワシントンDCでのトランプ大統領との会談で、私はサイバー協力を話題に取り上げるのだ」と聴衆に語りかけた

●そして同首相は、「米国とイスラエルはサーバー分野をリードする2大パワーである。米国が先頭を走っているが、イスラエルは直ぐそこで肩を並べる勢いがある」とイスラエルのサイバー能力を訴え、「両国間の政府間協力だけでなく、サイバー関連企業同士で何が出来るのかを考え、本分野における両国間の関係強化を進める事が極めて重要だ」と語った
●また同首相は、トランプ政権の「軍以外のサイバー問題担当:civilian cybersecurity issues」であるRudy Giuliani元NY市長と先週会談したと明らかにしつつ、両政府間で「重要な議論」が既に開始されているが、新政権と(更に)協力を積み重ねル事を希望すると述べた

Giuliani cyber2.jpg●先週イスラエルの国営放送に出演したGiuliani氏は、トランプ大統領から両国共同のサイバー委員会設置が設置できないかと要請されていると明らかにしている
Giuliani氏は今年1月にサイバー補佐官役に任命されているが、彼はNY市長を初めとする法執行機関での大きな業績の他に、民間部門のサイバー対策業務に16年間従事してきた経験を持っている

●またイスラエルは、世界人口の0.1%程度の人口しかないが、世界中の民間サイバーセキュリティー投資の約20%を受注するサイバー大国でアリ、ネタニアフ首相は「人口比率からすれば、イスラエルは200倍の働きを本分野で果たしている」と自信を見せている
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Giuliani氏については、NY市長として同市の治安を劇的に改善して重大犯罪を削減した功績ぐらいしか知りませんでしたが、サイバー問題にも実績があるんですねぇ・・・

でも、両国が新たな協力で何を目指すのでしょうか? ヨルダン川西岸地区への入植地増殖を黙認(陰で推奨)しそうなトランプ政権ですから、訪米時の両国合意では、中東7ヶ国からの入国禁止に見られるように、サイバー戦での人権側面のハードルが下がったり、攻撃的なサイバードメインの使用であったり、結構過激な協力枠組みが飛び出しそうな気がします。色々想像をかき立てられます・・・

最近のサイバー関連記事
「米空軍が兵器のサイバー対策室」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-05
「米軍サイバー機関の問題議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-14
「自ら創造したサイバー空間に苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-20

「サイバー脅威の変化と対処を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-21
「装備品のサイバー脆弱性に対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02
「2017年予想イスラエル目線」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-02

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米空軍が兵器システムのサイバー対策室設置 [サイバーと宇宙]

CyberPolicy2.jpg4日付米空軍web記事が、昨年12月21日に米空軍ハンスコム基地に、兵器システムの調達、配備、訓練、作戦運用、維持の全般にわたるサイバー対処(抗たん性強化)を司る組織を立ち上げたと紹介しています。

初期運用体制が確立されたのはCROWS(Cyber Resiliency Office for Weapons Systems:兵器システムサイバー抗たん性室)で、今後、全ての米空軍関連組織から人材を集めて業務を本格化させるようです。

これまでも何回か取り上げましたが、サイバー対処のイメージとして情報システムやネットワークが思い浮かびますが、個々の兵器がそれぞれ集積回路やICチップを搭載してプログラムにより稼動している現状から、各兵器ごとの対策の必要性が急速に問題として浮上しています

特に、未だ多くが最前線で使用されている20世紀に設計製造された兵器群は、サイバー戦の脅威を想定せずに出来上がっており、被害防止や対策が極めて難しい状態にあると言われています。
今回のCROWS設立は対策の第一歩に過ぎないのでしょうし、事柄の性質上、規模や組織や業務内容の細部は不明ですが、とりあえずご紹介し、その重要性を確認したいと思います

4日付米空軍web記事によれば
cyber01.jpg●CROWSの役割は、サイバー戦を仕掛けてくる敵に対し、米空軍全ての兵器システムが有効性を維持することである
●同室の長であるDennis Miller氏は、「サイバー脅威はネットワークへの侵入やウイルス感染だけではなく、個々の兵器システムへの影響であり、我の任務達成にとって今そこにある危機といえる」と語っている

各兵器システムは個々に異なり、従来の情報システムに対するサイバー対策をそのままでは活用が難しく、有効で効果的なサイバー対策にするためには、それぞれに応じて対策を仕立てる必要がある
●同室長は、兵器システムの調達、配備、訓練、作戦運用、維持の全般にわたるサイバー対処を米空軍全体で連携して行い、また米空軍全体のサイバー対処枠組みである「CCP:Air Force Cyber Campaign Plan」の戦略的焦点を合わせる必要も語った

●米空軍省のDaniel Holtzmanサイバー技術課長は、個々の兵器の開発、調達、作戦計画と実行、維持訓練を含めた複雑な組み合わせの全ての段階で、サイバー脅威を意識した取り組みが必要だと語っている
●そして更に、外部要因である環境や敵の戦術が組み合わさって複雑さを増幅し、相互作用することによって、リスク削減の取り組みに恐ろしいレベルの総合的な対処を求めている

cyber1-82e9c.jpg●CROWSが取り組み始めている仕事には、各兵器計画の管理と進捗監視で、「リスク分析」「システム設計へのサイバー対処組込」「適応性と機敏性の推進」「人材の育成」「費用対効果の追及」「サイバー情報と対処部署の連携」などである
●CROWSの上級組織として、米空軍省のJeff Stanley調達担当次官補代理が責任者を務める「Cyber Resiliency Steering Group」が既に設けられており、戦略レベルの指針と米空軍全体の取り組み融合を図ることになっている
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Work副長官は米軍の今の規模を維持するのに、老朽装備品の更新や先送りしている維持整備費の確保等だけで年間約10兆円の予算増が必要だと現状を語りつつ、それを犠牲にしても最優先で確保したいのがサイバー強靭性向上のための年2兆円の予算だと語っていました

cyberwar2.jpg様々にサイバー攻撃への対処の必要性を取り上げて来ましたが、戦闘機命派には全く伝わっていないようで、パイロット以外の誰かがやるだろうと「全く眼中に無い」状態だと風邪の噂で聞き及びました

新年早々、ため息の出る話ですが、ことしもチマチマと外野から危機感を訴えたいと思います

「装備品のサイバー脆弱性に対処」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02

サイバー関連の記事
「米軍サイバー機関の問題や対策を議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-14
「自ら創造したサイバー空間に苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-20
「サイバー脅威の変化と対処を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-21

「対ISサイバー作戦で大きな教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-23
「日本とイスラエルが覚書へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-21
「成果Hack the Pentagon」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1

「組織の枠を超えた情報共有を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-07
「中国には君らも脆弱だと言っている」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-23

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米軍サイバー機関の問題や対策を議論 [サイバーと宇宙]

CyberspacePolicyRe.jpg12日、サイバー戦問題を議論する会議が「軍事Communications and Electronic Association」の主催で行われ、米軍の関連現役やOBが諸問題と対処策について議論しています。

事柄の性格上、細部や具体的な事例がなく理解が難しいのですが、学際より企業との緊密な連携、組織の増強や効率性改善、装備導入手続きの迅速化・簡素化の必要性、同盟国等(特に極東の国)との連携強化の重要性等々が議論されたようです。

この会議が、米空軍幹部の発言が多くのでイベントの対象者が不明ですが、14日付米空軍協会web記事3本から、米空軍関係者の発言をつまみ食い紹介します、

官民の協力強化が必要不可欠
●米空軍のChief Information Officer(中将)は、今後効果的にサイバー戦を行うには、官民の協力強化が必要不可欠でアリ、「作戦運用者と機材提供企業関係者が相互運用性を持ちつつ共同すること」が作戦サイバー部隊の構築成功の鍵となると語った
CyberPolicy2.jpg●国防長官サイバー補佐官補(空軍少将)も、あたらな脅威に迅速に対処するため、「産業界、学会、特に小規模なベンチャー企業」との協力関係構築のために努力中だと語り、これが敵に技術面で先んじる鍵だと説明した

●国防情報システム庁の副長官である空軍少将は、産業界との連携の重要性を訴え、良いアイディアがあれば協力相手は選ばない方針だと語る一方で、学会は概念優先で実用面でそれほどでも無いと率直に語った
●また「Hack the Pentagon」に代表されるような、一般社会の力を活用する取り組みも今後重視していくと説明した。更に、年末までに革新を促進する契約のアイディアを募る文書を発出すると説明した

●産業界との関経強化に加え、「non-natural partners」を求めると語り、特に極東の同盟国等との関係強化を進め、学ぶ姿勢で世界中での活動能力を高めたいと述べた

政権引継ぎで「権限」の問題が議論に
cyber army kit.jpg●先述の国防長官サイバー補佐官補(空軍少将)は、政権移行チームとの会議でも、前線指揮官が迅速にサイバー脅威に対処するため、前線に権限をどのように委任し、決断を早くすべきかが最大の問題だとの議論になったと語った

●また、より複雑化するサイバー攻撃に対処するため、如何に迅速に新装備や手法を導入して前線に投入するかが課題で、調達プロセスがトラブルの核心にある
●そして両名は、「前線指揮官の要求に迅速に応えるには、200ページの要求文書で意思疎通するのではなく、短節な文書で迅速に行う必要があるのだ」と訴えた

●サイバー補佐官補は、対ISILでのサイバー戦が効果的かつ効率的に行われておいることを紹介しつつ、サイバーコマンドが6200名体制で133チームからなる「CMF:Cyber Mission Force」を2012年に立ち上げ、10月に初期運用態勢を確立したことを賞賛し、2018年末の完全な態勢確立に大きな期待を寄せた
●一方で、まだまだサイバー部隊の規模が不足していると指摘し、戦前指揮官から急増するサイバー関連要求に十分に対応できない現状を訴え、更なる成長の基礎として中高校生を対象とするサイバー教育プログラムを推進し、有能な若者を育てて行く必要を語った

退役准将は更に辛辣に非効率性を訴え
cyber01.jpg●2012年に退役し、現在はサイバー対策関連企業の副社長であるScott Bethel氏は、国防省は情報活動と通信活動の狭間でサイバー防御に苦しんでいるが、その背景には「リスクを伴う挑戦には冷たく、成功や見せかけの成功だけを讃える傾向があるからだ」と訴えた
●そして「米空軍長官とその側近がリスクやミスに寛容でないため、革新的なアイディアや計画が行き詰まっている。背景には何でも法律家に相談してからとの姿勢があるからだ」と批判的に語った

●また国防省組織全体の効率性を問題視し、現実として「軍人であれ文民であれ、国防省勤務者の1/3は何も仕事をしていない」と語り、官僚機構の機能不全を排除するため、国防省はISR機関に人事管理の権限を移管すべきだと語った
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西側諸国のサイバー戦に関する問題点を復習する内容となりました。何処に国にも当てはまる問題です。ちょっと「international allies from the Far East」がどの国や組織を指すのかが気になりますが・・
企業との協力強化はカーター国防長官が注力してきた分野ですが、時代のニーズでしょう。

cybercrime1-.jpgところで、14日にトランプ氏がトランプタワーで、ハイテク企業(Apple, Facebook, Amazon, Google, Oracle, Microsoft and IBM等々)のトップ級と会合を持ったそうです

概してこれらハイテク企業首脳は、大統領選挙時に「反トランプ」だった人が多く、特にカーター長官が立ち上げた「DIB:国防革新評議会」メンバーにもGoogleのトップ等が入っているのですが、トランプ氏とどのように折り合いを付けて話するのかに注目が集まっています

そして、国防技術革新へのトランプ氏の姿勢も窺い知れるかも・・・と気になっています

最近?のサイバー関連記事
「自ら創造したサイバー空間に苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-20
「サイバー脅威の変化と対処を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-21
「装備品のサイバー脆弱性に対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02

「対ISサイバー作戦で大きな教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-23
「日本とイスラエルが覚書へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-21
「成果Hack the Pentagon」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1

「組織の枠を超えた情報共有を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-07
「中国には君らも脆弱だと言っている」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-23

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自ら創造したサイバー空間に苦悩する米国 [サイバーと宇宙]

Cyber-new2.jpg18日付Defense-Newsが「人類は将来のサイバー空間を整形する能力を持つ」との記事を掲載し記事のタイトルとは異なり米国防省の研究機関が生み出したものの現在はその手を離れたインターネット世界が、民間商業活動で安全性を確保できないままの状態で増殖し続ける様子に危機感を示しています

ネット世界を生み出したDARPAの担当部長がお手上げ状態を示唆し、国家情報局長DNIも米ソが異なるシステム上で活動していた冷戦当時を懐かしみ、数百年の期間を経て構築された「海洋法」のような「規範」が誕生するまで耐えられるか・・・と言ったため息が聞こえてくる状態です

あまり救いのない記事ですが、サイバー世界の現状を感じることが出来る記事ですので、つまみ食いでご紹介します。長期間、サイバーの話題を扱っていないこともあり・・・

18日付Defense-News記事によれば
Cyber-new1.jpg●現代では、戦いのドメインは陸海空と宇宙とサイバーだと言われているが、サイバードメインのみが人類が生み出した空間である。従って将来その空間を整形する可能性があるとも言える。
1969年にインターネットの起源である「ARPANET」を4台のコンピュータ連接で実現した国防省高等研究計画庁DARPAだが、現在の情報分野責任者のKerry Long氏は16日、サイバー関連会議で「変えることが出来るはずだ」と願望を込めて語った

●しかしLong氏は、今後10年で商業クラウドへの依存度合いが増し、サイバー空間はますます「霧が濃くなる」と表現し、皆がAmazonを利用することが増えるだけ中国もロシアも皆が同じサイバーインフラに依存する傾向を強めていくと語った
●そして情報機関はこの傾向に抵抗してきたが、独自の世界を作ってはおらず、商業ベースに巻き込まれているのが現実。Long氏は現在のサイバー空間の状況をDARPAの責任ではないと語ったが、次世代のネット社会のマスクラウドで防御態勢が弱ければDARPAの責任だと語り、研究に投資していると述べた

Cyber-new3.jpg●国家情報長官DNI(Director of National Intelligence)のJames Clapper氏は17日に下院の情報委員会で、基本的にインターネット世界は不安全で、ネットに依存するほど防御施策を採る必要がある世界になっていると述べ、ハッカーやテロリストと敵国と同じ空間を利用している点を指摘した
●そしてClapper氏は冷戦当時を懐かしみ、米ソがそれぞれ独立した相互連接がない通信ネットワークを使用していた時代が良かったと思うことがあるとも語った

Work国防副長官も同委員会で、現在使用している米軍の兵器システムは全て、サイバー脅威が意識されていなかった時代に設計されたもので、今になってサイバー攻撃への脆弱性を確認し、優先順位を付けて対処することが国防省の大きな課題となっていると証言している

海洋法の規範形成には数百年が
Clapper2.jpg●Clapper国家情報長官はまた、法的、政策的難しさも指摘し、サイバー空間での抑止が大きな課題だと語った。サイバー攻撃を受けた際の対応として、サイバー空間内で反応するのか、他ドメインでも反撃するのか等々に関連していると説明した
●そして匿名の世界であるサイバー空間での規範形成について、海洋法の形成に数百年を要した歴史をサイバー空間で繰り返すだけの時間的余裕はないと同長官は訴えた

●また非国家アクターの行動を規制することの難しさに言及し、中国とでも2015年9月のサイバー合意で知的財産保護や企業への攻撃防止に効果があるが、非国家対象の場合は難しさが増していると語った
●更にサイバー空間の相互依存性が増す中、基本的に同じサイバーインフラのクラウドに依存していることから、例えばウォールストリートでのトラブルが中国国防省に影響を与えることもあり得ると考えなければならないともDNI長官は表現した

情報機関が他国の情報機関への侵入を試みたとして、今はその行為が証券取引所や社会インフラに影響を与えることをあまり懸念していないかもしれないが、同じネットクラウドに依存して連接の複雑性が増す傾向にある中、今後はどこに影響が出るか分からない点に配慮が必要になる
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Cyber-new.jpgそれにしても・・・サイバー関連記事が9月27日以来というのも、反省材料です。本分野への「リテラシー」が完全に不足しているからですが・・・
目新しい情報が含まれるわけではありませんが、米国自らが生み出したサイバー空間への対応に、最も苦慮しているのが米国との光景が皮肉です。

「お手並み拝見」と斜に構えて見ていられる状況ではないのが日本の様な先進国で、ある意味、米国との連携無くして対処が事実上不可能なドメインとも言えます。
トランプ政権との関係に置いて、核抑止や通常戦力配備と共に、サイバー空間での協力にも関心を持っていたいものです

最近?のサイバー関連記事
「サイバー脅威の変化と対処を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-21
「装備品のサイバー脆弱性に対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02
「対ISサイバー作戦で大きな教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-23
「日本とイスラエルが覚書へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-21

「成果Hack the Pentagon」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1
「組織の枠を超えた情報共有を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-07
「中国には君らも脆弱だと言っている」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-23

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新型の宇宙監視望遠鏡が米軍運用部隊へ [サイバーと宇宙]

SST1.jpg18日、米国防省の国防高等研究所DARPAが、地球を周回する衛星やデブリを地上から監視観測するための望遠鏡(SST:Space Surveillance Telescope)を、設計開発段階が終わったので米空軍宇宙コマンドに管理を移管すると発表しました

現在は、ニューメキシコ州のお馴染み「White Sandsミサイル演習場」に設置して開発&試験を行っているSSTですが、今後豪州に移設して、豪州と米空軍宇宙コマンドが協力して運用していく計画です

なお、約4年前にこのSSTの話題を紹介した際には、DARPAから2014年には豪州への移設を開始し、2016年には運用を開始する計画だと発表があったのですが、現時点ではまだ移設が完了しておらず、運用開始時期も2020年に延期されているようです。理由や背景は不明です

19日付米空軍協会web記事によれば
18日DARPAは、SSTを設計&製造段階から新しい運用ステージに移行させるため、管理をDARPAから米空軍宇宙コマンドに移管すると発表した
●DARPA発表では、「従来の望遠鏡が大きな物体をストローの穴から覗くようなイメージだとすれば、新設計のSSTは自動車の運転席から広範囲にものを見る感覚だ」と説明している

SST3.jpg●開発段階のSSTは、2015年に720万個の宇宙物体を観測したが、2016年には1000万個になる見込みであり、新たに地球周回宇宙物体を3600個発見し、地球近傍に69個も発見している
●SSTの主任務は、宇宙デブリを発見追尾し、衛星との衝突防止や、地球落下の際の注意喚起をするためである

●DARPAのLindsay Millard担当責任者は、SSTの価格は約190億円であるが、地球周回軌道の全てを監視するには、更に3台のSSTが必要だと説明している
White Sandsミサイル演習場で試験が行われているSSTだが、2013年には、将来豪州西部のExmouthに所在する海軍「Communication Station Harold E. Holt」に移設することが両国間で合意されている

●SSTは分解して海上輸送され、豪州にて米空軍宇宙コマンドと豪州政府の共同で運用されることになっている。初期運用態勢確立は2020年を予期する

2013年12月の米空軍協会web記事では
SST2.jpg2013年11月に結ばれた米国と豪州間の合意に基づき、SSTは2014年に豪州に移設される予定。DARPAはまた、2016年に移設先で運用を再開すると発表している
●(当時のDARPA担当責任者の)Travis Blake中佐は、「ソフトボール大の大きさの物体を、同時に1万個観察できる」と新しいSSTの性能を語った

SSTの豪州移設に際しては、豪州政府が敷地を提供し、運用を担当する。米空軍はSSTを所有し、豪州と運用と維持整備経費を分担する。
●なお米国は、宇宙状況認識強化のため、SSTの他に、C-Bandレーダーを豪州に移設する
/////////////////////////////////////////////

このSST計画の遅れの理由は不明です。またC-Bandレーダー豪州移設については、完了したとの報道を見た記憶がありますが、現状を把握していません

Space Fence1.jpgまた、Sバンド周波数を活用する、宇宙監視レーダーシステム「Space Fence」との任務分担も良く理解していません

しかし、米国防省は2012年頃から国際的な宇宙状況把握協力を推進しており、日本の航空自衛隊レーダーやJAXAの望遠鏡にも参画を要望してきているようです

「米軍が豪に宇宙監視レーダー移設」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-15
「空自レーダーで宇宙監視?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-17
「Space Fence試験レーダー完成」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-29
「米空軍のSpace Fenceを学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28

日本のこの分野での動きは寂しい限りです。戦闘機だけに投資しているからですが・・・

2015年4月に米国と「宇宙協力作業部会」設置に合意し、同年10月と2016年2月に作業部会を開催し、「政策協議の推進」「情報共有緊密化」「専門家の育成協力」「机上演習の実施」の検討を推進することになっていますが・・

平成29年度防衛省概算要求では、以下の14億円程度が実質予算
http://www.mod.go.jp/j/yosan/2017/gaisan.pdf (4.3MB)

●宇宙状況監視に係る取組(14億円)
→米国及び国内関係機関との連携に基づく宇宙状況監視(SSA)に必要となる宇宙監視システムの整備に係る基本設計等と、運用要領の確立に向けた準備態勢のさらなる強化
●米空軍宇宙業務課程等への派遣(0.1億円)

更に姑息なのは、米国への「ごまかし説明」のためか、「概算要求説明資料」では、「宇宙関連経費1289億円」との数字を大きくアピールしている点です。

Space-2017fy.jpg実質14億円なのに衛星通信利用費(1133億円)や画像衛星&気象衛星利用費(471億円)を水増しに利用し、本当に必要で米国が努力している「宇宙情勢認識」強化のための予算が少ないことを誤魔化そうとしているのです!!!

こんな事では、「戦闘機機数維持」の組織防衛にのみ注力して「亡国のF-35」と心中し、「脅威の変化」に追随出来ない組織になってしまいます

関連の過去記事
「米軍が豪に宇宙監視レーダー移設」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-15
「空自レーダーで宇宙監視?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-17
「Space Fence試験レーダー完成」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-29
「米空軍のSpace Fenceを学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28

宇宙での戦いを訓練
「Red-Flag指揮官が宇宙幹部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19
「民間企業も交え大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-05
「欧州を主戦場に大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11

「国際宇宙演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-19
「サイバーと宇宙演習の教訓1」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「サイバーと宇宙演習の教訓2」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02

宇宙関連の記事
「宇宙改革法案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-13
「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08

「宇宙アセット防御予算8割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-01-1
「米空軍の宇宙姿勢を改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-19-1
「F-15から小型衛星発射試験へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09

東アジア戦略概観2016(宇宙ドメインも解説)
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-25

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サイバー脅威の変化と対処を語る [サイバーと宇宙]

単なるスパイ行為から、攻撃や乗っ取り行為へ増長

Mclaughlin2.jpgGrosso4.jpg20日、米空軍協会の航空宇宙&サイバー総会の2日目も様々な米空軍関係者が語っていますが、本日は強面のサイバーコマンド副司令官とサイバー人材確保を担うチャーミングな女性中将の講演からご紹介します

副司令官がサイバー脅威の変化と民間部門での攻撃激化を語りつつ、人材確保にそれほど悲観的ではない一方で、空軍司令部初の女性人事計画部長である女性中将は、有能な人材の確保困難を訴えています。

相反することを言っているのではなく、前線部隊は頑張れると語り、司令部はその難しさを語るとの、巧みな任務分担と理解致しましょう・・・

追加で米空軍の研究開発を担当する女性大将が米空軍の「サイバー7つの取組」を紹介していますのでご紹介します。

サイバー脅威の変化と攻撃激化
McLaughlin4.jpg●Kevin McLaughlin副司令官は、敵はこれまでの単なるサイバースパイ行為から、より攻撃的になり、またネットワークの乗っ取りにも手を出し始めていると訴えた
●そして、この様な攻撃を受けた米軍部隊は、自身のネットワークを自分たちでコントロールできているのか?、ネットワーク内のデータが信頼できるものなのか?、に悩まされることになると説明し、従来とは異なる軍事問題だと語った

●同中将はまた、同コマンドがサイバー脅威の変遷を監視しているとしながらも、非軍事分野での任務が「重大な結果をもたらす攻撃」への対処に限定されていることから、メディアで報じられるようなサイバー攻撃対処には関与していないと説明した
●何が「重大な結果」なのかの定義は常に見直されており、脅威の性質や頻度の状況を踏まえれば、「重大な結果」をもたらす攻撃が近い将来に発生する可能性があると語り、公共インフラや金融機関のサイバー状況を監視する機会はあまりないが、必要な対処がとれるように訓練を行っていると述べた

サイバー人材確保に多様な見方
McLaughlin3.jpg●McLaughlin副司令官はサイバーコマンドの要員確保について、要員の訓練初期段階でその難しさから離職者が出るのは事実だが、サイバーコマンドの6000名体制を維持するために困難を感じたことはなかったと語った
●ただ、長期的視点で経験を積んだサイバー戦士を引き留められるかについては現時点で述べることは難しいと語ったものの、継続勤務ボーナスや、民間分野では出来ない「fighting in the cyber domain」等の種類の仕事に従事できることの魅力が人材確保につながっているとも説明した

初の女性人事計画部長の見方は
●一方、空軍司令部初の女性人事計画部長であるGina Grosso中将は、「サイバー戦士:cyber warrior」の定義が曖昧なことから、民間で活躍するサイバー関連人材を見極めることが難しいと語った
Grosso.jpg●同中将はそして、下士官が8割を占めるサイバー関連ポストに適合する、民間技術者を募集採用して継続勤務させることが最大の課題だと表現した。

●もう一つの課題としてGrosso中将は、退役軍人の優先雇用施策と米空軍の新卒者を希望する思いに、民間での賃金コストが絡み、複雑な側面を形成していると語った
あちらを立てれば、こちらが立たない状況で複雑だが、全米から有能な人材を確保するとの大前提から、民間からの採用には優先して取り組みたいと同部長は語った

開発担当司令官が7つの取り組み訴え
(Materiel CommandのPawlikowski司令官)
まず、どこにサイバー脅威があるかを分析し対処する。F-16を例に取れば、飛行中は問題ないが、地上で自動システム判定装置を連接する際やソフトを開発して投入する時
2つ目は、今後のシステム開発やシステムのバージョンアップ時に、どのようにサイバーセキュリティーを導入するか

pawlikowski11.jpg3つ目は、必要なサイバー専門家を養成すること
4つ目は、迅速に効率的にシステムアップを行えるよう、オープンシステムを使用すること。そうしないと、GPSを改良するのに10年も必要では敵にかなわない

5つ目は、サイバー脅威の共通理解と対処手引きの非公開ガイドを作成する
6つ目は、旧式のシステムにどのようにサイバー耐性を付与するか
7つ目は、サイバー関連の最新情報を如何に対処法に組み込んでいくか
///////////////////////////////////////////////////

まんぐーす自身もピンと来ていないサイバー攻撃問題ですが、最近不審メールの数が増え、金融機関からの「注意喚起メール」の頻度が増えていることは身をもって感じています。

McLaughlin副司令官は、米軍サイバーコマンドの任務範囲を拡大した方が国家として有益だと言いたいのでしょうか? 任務を拡大することで、人材確保を有利に進めたいとの思いからでしょうか?

Grosso2.jpg勝手ながら、このGina Grosso中将を応援させていただきます! 「Personnel Programs and Force Programs Analyst」との職種で、直近の米空軍「Sexual Assault対策室長」を含め、人事や人材管理のエキスパートです。

海外勤務が、中佐として勤務した韓国オーサン基地での基地支援業務隊長だけとの特殊な人事ですが、次の女性大将最有力候補ですね!!!

最近のサイバー関連記事
「装備品のサイバー脆弱性に対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02
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「成果Hack the Pentagon」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1
「組織の枠を超えた情報共有を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-07
「中国には君らも脆弱だと言っている」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-23

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装備内蔵システムへのサイバー攻撃に備えて [サイバーと宇宙]

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Cyber-EX.jpg1日付Defense-Newsは、米国防省が議会に対し、技術分析予算の一部を研究・試験・評価予算に振り替え、主要な兵器システムのサイバー攻撃に対する脆弱性評価費の増額に充当したいと要請したと報じています

主要装備のサイバー脆弱性評価は、議会の要請を受けオバマ大統領が2015年に命じたもので、2019年末までに評価結果を議会に報告することになっており、既に約200億円の予算が計上されていますが、今回更に追加で約100億円を振り替え使用要求したものです。

この問題は、サイバー攻撃と言えばパソコンや情報システムが対象と想定しがちですが、兵器や整備機材に搭載されている集積回路やチップもサイバー攻撃の対象になる可能性があり、全てをネットワークで連接して迅速な使用を意図する方向にある中、重大な懸念となっている現状が背景にあります

1日付Defense-News記事によれば
CyberspacePolicyRe.jpg●最近関連のレポートをCNASから発表したGeorge Washington大学のJacquelyn Schneider准教授は、過去20年間に製造された西側の兵器は「戦場で極めて高い効果を発揮したかも知れないが、ネットワーク攻撃には極めて脆弱だ」、「衛星通信、GPS、戦闘空域情報などネットワークから得る目標情報への依存が急激に進んでいる」と指摘している
●そしてデジタルネットワーク情報に大きく依存している兵器システムとして、F-35とDCGS(作戦情報分析共有システム)を上げた

国防省の試験評価部長であるMichael Gilmore氏も2015年、ほぼ全ての国防省システムがサイバー攻撃に脆弱だとする報告書を出し、特に2014年時点で40個のシステムは早急な対策が必要だと指摘した
●また国防省の科学技術諮問委員会の2013年報告書は、国防省は兵器システムの使用や運用に関するサイバー安全性には注意しているが、兵器やその支援装備の内部のIT回路や部品レベルへの対策を放棄していると警告を発していた

●同諮問委員会の報告書は、「現代の世界は高度に連接され自動化が進んでいるが、全ての電子的な演算チップ、記憶装置、ソフトウェアを備えた装置は、国防省の兵器も含めサイバー攻撃の対象となり得る」と警鐘を鳴らしている
●更に同報告書は、「サイバー攻撃によるわずかなシステムへの作用でも、兵器を無効化することが可能」であり、各システムのサイバー攻撃への脆弱性を予測することは難しいと強調している。(つまり、全ての兵器や装備に注意しなければならない

●今年6月に実施された、協力者ハッカーの協力を得た作戦運用に直接関与しない国防省システムの脆弱性チェックで、138箇所もの脆弱点が発見されたことは記憶に新しい。
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CyberPolicy2.jpg中国やロシアなら、Schneider准教授がCNASレポートで指摘したF-35とDCGS(作戦情報分析共有システム)を今後重点的に狙いに来るでしょう。

F-35の場合、全世界の整備部隊や企業を結ぶ自動兵站支援システムALISを使用することになっていますが、細心の注意が必要です。サイバー対処が追いついていないとの指摘も、かねてから出されています。

いずれにしても、米軍だけでなく、世界の軍隊が自分のこととして真剣に取り組むことを求められています。そしてその経費は、戦闘機の数を削減してでも捻出する必要があると思います

CNASのJacqueline Parzialeらのレポート
http://www.cnas.org/open-source-software-and-DoD

関連の記事
「個人意識で8割解決」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-22-1
「航空戦力でサイバー戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-17
「閉鎖ネットワークにサイバー攻撃を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-18

「成果発表Hack the Pentagon」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1
「イージス艦サーバー企業が中国に身売り」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-06

中国製のニセ部品関連
「F-35センサー中国製造疑惑」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-14-1
「上院の偽部品レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-23-1
「米国製兵器は偽物だらけ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-29
「中国製にせ部品との戦い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-10

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