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まだ日本は参加できず:米軍宇宙サイバー演習 [サイバーと宇宙]

Schriever Wargame5.jpg 12日付米空軍web記事によれば、13日から米空軍宇宙コマンドが主催する第11回目の宇宙サイバー演習「Schriever Wargame 2017」が、ネバダ州のネリス空軍基地内で開始されるようです。

今回はアジア太平洋地域を演習対象エリアとし、200名以上の軍人と文民関係者が、米軍のみならず米国の多様な機関から参加し、同盟国4か国(豪州、カナダ、英国、NZL)からも関係者が参加することになっています。

演習の特性上、ほとんど細部は明らかにされていませんが、時節柄、中国や北朝鮮が絡むことは自明の「Schriever Wargame 2017」に、日本が参加していないことが残念です

宇宙アセットの充実度からすれば、米国にははるかに及ばないものの、豪州やNZLには負けるはずがない日本が、このような状況にあるのは、言語や日本の法制上の問題もあるのでしょうが、情報共有可能レベルの差もあるのかもしれませし、防衛省に専門家がいない(又は、JAXAなどは軍事的な話に関与をしり込み・・)からかもしれません

日本の細部事情は推測の域を出ませんが、重要な演習ですので、細部は不明ながら概要をご紹介しておきます

12日付米空軍web記事によれば
●この演習の狙いは
Schriever Wargame2.jpg---アジア太平洋地域での作戦活動を支える航空・宇宙・サイバー能力に発揮に関する、多様な指揮統制能力の検証
---(多様な機関の)宇宙戦コンセプトを融合しつつ、宇宙における強靭性、抑止、そして戦いに関する知見獲得
---マルチドメインな戦いにおける、宇宙やサイバー空間の役割・貢献について探求
---同盟国や政府機関や民間企業を含めた一体的な協力枠組みの、統合共同作戦体制への変化発展

●今年の演習のシナリオでは
2027年を想定した米太平洋軍の担当エリアで、とある大国が宇宙やサイバー空間を活用し、戦略的な目的達成を図ろうとしている。
フルスペクトラムな脅威に多様な作戦環境で、参加者である文民と軍人リーダーや作戦担当者やアセット操作員は直面する

●参加する27の各種部隊や機関には、以下が含まれる
Schriever Wargame4.jpgAir Force Space Command,
Army Space and Missile Defense Command,
Naval Fleet Cyber Command,
the National Reconnaissance Office,
Executive Agent for Space Staff,
Air Combat Command,
Office of the Secretary of Defense,
U.S. Pacific Command,
U.S. Strategic Command,
U.S. Special Operations Command,
U.S. Northern Command,
Schriever Wargame3.jpgDefense Information Systems Agency,
the Intelligence Community,
National Aeronautics and Space Administration(NASA),
Office of Homeland Security,
Department of Transportation,
Department of State and Department of Commerce.
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2015年と2016年は、それぞれ10年後を想定した欧州コマンドエリアを想定した「Schriever Wargame」が行われており、今年はアジア太平洋に対象地域が移りました。

Schriever Wargame.jpg順番というか、北朝鮮がらみというか、その背景は不明ですが、日本が参加できていないことに危機感を覚えます。戦闘機ばかりに投資して、宇宙やサイバー人材育成を怠っていた結果でしょうが、残念です

米軍サイドのアジア太平洋エリアでの問題点として、以下の過去記事で
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1

中東戦域での様々な作戦要求に対応するため、運用要領や戦術や人員配置を改革してきたが、その代償としてアジア太平洋地域への対応準備が十分できていない
アジア太平洋戦域での宇宙管制任務は、極めて難しいものになる。そして大きな課題の一つが技術的なもので、マルチバンド周波数の必要性関連で、太平洋域の厳しい軍事環境では周波数ホッピングが求められるが、単一バンド周波数対応の現在の受信機にはその能力がない

・・・等との指摘がありました
専門的な話で良く分からないのですが、再度ご紹介しておきます

同演習の過去記事
「欧州を主戦場に大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11
「国際宇宙演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-19
「サイバーと宇宙演習の教訓1」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「サイバーと宇宙演習の教訓2」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02

最近の米空軍宇宙関連
「米空軍はA-11設置で対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-18
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1
「Red Flag演習指揮官に初の宇宙幹部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19
「戦略軍の宇宙演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-05

米空軍が宇宙活動アピール
「商用データも活用へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20-1
「JICSPOCからNSDCに改称」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06
「米空軍が宇宙活動アピール作戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24

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米国:再び米国人を月へ、そして火星へ [サイバーと宇宙]

混迷のトランプ政権に夢のある話題を提供できるか?
副大統領リードで国家宇宙評議会スタート
「再び米国人を月へ、そして火星やその先へ!」

National Space C.jpg5日、今年7月にトランプ大統領が再立ち上げした国家宇宙評議会(National Space Council)の第一回会議が、スミソニアン航空宇宙博物館内で開催され、リーダーを務めるペンス副大統領が「米国が再び宇宙をリードする」「再び米国人を月へ、そして火星やその先へ」とぶち上げ、明るい話題の無いトランプ政権に夢のある話題を提供しようとの姿勢を見せました

また第一回目の評議会に招かれた専門家から、「SSA(宇宙状況把握)を高めるための方策」提言や、「宇宙への戦力投射能力(つまり攻撃能力)保有の必要性」を訴える提言がなされています

この厳しい予算の世界、つまりメキシコとの壁建設の予算が1割しか確保されていなかったり、大規模減税を発表も財源があいまいな状況下で、どのようにこの評議会の議論が集約され実現するのか不透明ですが、初代評議会(1989-93年 初代ブッシュ大統領が設置も、NASA長官と他メンバーの対立で廃止)のようなことがないことを祈ります

ペンス副大統領はリーダーとして
国防長官、国務長官、国土安全保障省、商務長官、国家情報局長(DNI)、NASA長官、そして統合参謀本部議長等で構成される同評議会では、副大統領のリードの元、民間・商用・安全保障ニーズにまたがる宇宙関連緊急ニーズについて議論され、トランプ政権が宇宙にコミットしていることを内外に確信させることを狙っている

National Space C4.jpg●ペンス副大統領は危機感を訴え、「米国は21世紀を、宇宙に関する一貫した政策やビジョンを持たないまま迎えている」、「米国がリーダーシップを発揮しない状況の中、国境のない宇宙で、他国がかれらの主張や利害を押し通そうとしている」と語った
●更に副大統領は、「米国の敵対国が、どん欲に妨害やハッキング等の技術開発に取り組み、我の監視・航法・通信能力を無効化しようとしている」と訴えた

●そして副大統領は、トランプ政権が「米国人宇宙飛行士を再び月に送って基礎固めをし、その後火星やそれ以外の星にも送り込むために取り組む」と発言した
●またペンス氏は、米国人宇宙飛行士1名を国際宇宙ステーションに送り込むため、現在ロシアに約80億円も支払っている現状を嘆き、米国自身でそれができる体制を確立する必要があると語った
●今年2月、NASAはロシア側と、2017年と18年に少なくとも2~5名の宇宙飛行士を送り込む合意をしたが、その費用約400億円から換算すると一人約80億円の計算になる

専門家が評議会に提言
National Space C3.jpg●パネル討議に参加した専門家たちは、一様に米国のSSA(宇宙状況把握)能力を高める必要性を訴え、元DARPA研究員だった専門家Pamela Melroy女史は、「何時間も何日も軌道変更もしない、あまりにも素晴らしすぎる少数で多機能高性能な衛星に頼る現状」と「そんな衛星への脅威を脅威を無視できない」を指摘した
●前NASA長官のMichael Griffin氏も、「そんなに豪華でない、一方でタイムリーで包括的で継続的な状況把握が可能な仕組みが求められている」と訴えた

●Melroy女史は、「より多くのセンサーを保有し、より頻繁に情報をアップデートする必要がある」、「その際、個々のセンサーはそれほど高価で精密である必要は必ずしもない」と語り、頻繁に情報を更新することで精密さが不足しても状況把握には十分間に合うと説明した
●また、国防省はこのような体制を、官民協力体制で安価に構築することが可能だと述べ、急速に普及する商用宇宙センサーも活用することで、国防省のニーズに対応することが可能だと語った

●一方でGriffin氏は状況把握だけでは不十分だと述べ、同時に「宇宙への戦力投射能力(つまり攻撃能力)保有」に取り組む必要があると主張し、「相手が我々にそうする可能性がある中で、我も相手のアセットにリスクを示せなければならない」と語った
●ただ、攻撃能力を保有したからと言って、それを使用することとは別であり、米国の戦略上、抑止力を強化することが必要だと述べ、最も重要なのは「米国が強いと思わせることで、だれも手を出せなくすること」だと語った
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National Space C2.jpgSSAの重要性や宇宙への戦力投射能力については、これまでも専門家や米軍幹部などから訴えられてきたことですが、副大統領が「再び月へ、そして火星やその先へ」との発言まで絡めて宇宙の重要性を訴えるのは大きな動きです

まぁ・・・トランプ政権の打ち出した政策で、実現したことがあるのか?心もとないところではありますが、国家レベルで宇宙の重要性が認識され、世界に日本に発信される影響を考えて「良し」としておきましょう・・・

トランプ大統領が国家宇宙評議会を設置
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-08

宇宙軍創設をめぐるゴタゴタ
「宇宙軍独立法案が下院で承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-14-1
「下院が宇宙軍独立案を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-22-1
「米空軍はA-11設置で対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-18

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米陸軍が安価な小型衛星で前線兵士支援へ [サイバーと宇宙]

Kestrel Eye3.jpg米国東部時間の14日正午過ぎに打ち上げられたSpace-X社のDragonロケットに国際宇宙ステーションに届けられる約3トンの補給物資と共に、米陸軍初の偵察衛星「Kestrel Eye 2M」が搭載されていました。

この小型衛星は小型冷蔵庫ほどの大きさで、分解能が1.5m程度と「並み」の性能しかなく、低高度軌道でわずか1年間しか活動できない控えめなものですが、直接前線兵士が活用できる点で、また従来の「多機能・高価・代替がない」から、「単純・安価・数で勝負」へ発想を転換するチャレンジングな偵察衛星です

同打ち上げの目的である国際宇宙ステーション日本モジュールへの「Airlock」任務(ドッキングして物資補給か?)が終わってから、10月頃に宇宙に放出されて実験を開始する「奥ゆかしさ」にも魅力を感じ、SNS上での情報も交えご紹介します

14日付Defense-News記事等によれば
Kestrel Eye.jpg米陸軍の宇宙ミサイル防衛コマンド(SMDC)と戦略コマンド技術センターが取り組んできた偵察衛星「Kestrel Eye」計画は、第1段階の開発が2008年ころから始まったが、その際は衛星打ち上げには至らなかった
●しかし2012年に始まった第2弾計画は、今回の偵察衛星「Kestrel Eye 2M」 打ち上げにつながった

●同開発責任者のChip Hardy氏によれば、この小型低コスト光学偵察衛星の試作機は、緊要な地上作戦を遂行する前線兵士に直接低高度衛星から画像情報を提供することを狙いとしたものである
●同計画の最終目的は、前線兵士が直接衛星に情報要求を送信し、衛星が同一周回においてその要求に対応するシステムだが、今回の試作機はアラバマ州ハンツビルのSMDC拠点とハワイの太平洋軍拠点にデータを送信する

Kestrel Eye2.jpg●Hardy氏は、「ハイビジョンTVのような画像は得られないが、戦術的に有用な解像度な情報が得られる」、「高精度画質が狙いではなく、任務遂行直前の前線部隊がリアルタイムで求める情報が手元に得られる仕組み」と狙いを説明している
●試験衛星は低高度に1年間滞在し、太平洋軍の行う様々な任務を試験的に支援するが、将来的にはより高高度で長期間在空することを狙っている

米陸軍作成の「Kestrel Eye」宣伝チラシによれば
衛星1機の価格を2億円以下
●「Kestrel Eye」は従来の衛星と比較して小型で圧倒的に低価格なので、大量に投入可能であり、絶え間ないプレゼンスが維持可能
一回の打ち上げ失敗の影響が、システム全体の損失につながらない

ツイッター上での専門家の皆さんのコメント
「tetsu」さん
今夜打上げられるドラゴン補給船に相乗りする「Kestrel Eye 2M」 
米陸軍が偵察衛星を初めて保有することになる。分解能1.5m、今回の実証機が成功すれば30機の打上げを予定し前線部隊へ衛星写真を迅速に提供する計画

「Kazuto Suzuki」 さん
陸軍が衛星を保有するというのも大事な点だが、それ以上に、米軍が小型衛星に軸足を移し始めたこと、SpaceXを使ったことが大きな変化だろう。陸軍がやり始めたのは、過去のしがらみがないのでやりやすかったという側面もある
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Kestrel Eye4.jpg識者の皆さんのコメントにあるように安価な打ち上げが可能なSpaceXを使ったこと、米軍が小型衛星に軸足を移し始めたこと、米陸軍が偵察衛星を初めて保有する米陸軍だから出来たとの見方、などは重要な指摘です

また、米空軍に支配されている宇宙アセットや宇宙アセット情報が、陸軍や海兵隊の最前線に迅速に届かないとの不満も背景にあるのでしょう。このあたりにも、米空軍から宇宙軍独立案が議会から提出される背景があるのでしょう

また「クロスドメイン」な戦いが叫ばれる背景には、地上部隊の最前線に衛星情報を!・・・との声もあるのでしょう。試験機の成功を祈ります。

関連の宇宙記事
「下院が宇宙軍独立案を承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-14-1
「宇宙コマンド太平洋域での課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1
「副長官がJICSPOCを高評価」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28

「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「米空軍の宇宙姿勢を改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-19-1
「F-15から小型衛星発射試験へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09


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「宇宙軍」独立法案が下院で承認 [サイバーと宇宙]

提案議員が訴え!
「非公開の情報ブリーフィングに来てくれ。とてもショッキングな現実がそこにある。中国とロシアは既に宇宙を再編(reorganize)してしまっている」
「宇宙分野は金づるで、空軍は長らく航空分野でこの資金に頼ってきた。だから戦闘機パイロットである将軍達は、宇宙軍独立に反対なのだ」

Space domain.jpg12日夜遅く、米下院の「Rules Committee」で同軍事委員会が提案している「宇宙軍」を創設する案を含む2018年国防授権法案の議論が行われ、宇宙軍独立案を修正する案は否決され、下院として「宇宙軍」創設案を持ち出す事と実質なりました

この提案は、米空軍から宇宙分野を独立させ、2019年1月1日までに空軍長官の下に「空軍」と「宇宙軍」を並列で置き、宇宙軍は空軍参謀総長と同格の宇宙軍参謀総長が率い、統合参謀本部のメンバーにもなるという案です
これは、海軍省内に米海軍と米海兵隊が並列で存在しているのと同じイメージです

この案が6月28日に下院軍事委員会で承認(60対1)された事を受け、マティス長官やWilson空軍長官が11日に関係議員に再考を促す書簡を送付し、ホワイトハウスも議員に働きかけたようですが、冒頭ご紹介した提案議員の言葉に代表される危機感や空軍への不満が大きな流れとなり、修正案は採用されませんでした

一方で、上院は下院案に乗り気でない模様で、最終的に大統領による拒否権発動もあり得る事から、法案成立の可能性が高いわけではないと思いますが、宇宙ドメインを巡る議論の一つとしてご紹介しておきます

13日付Defense-Newsによれば
Rogers.jpg●宇宙軍独立案は、共和党のMike Rogers議員(戦略戦力小委員長)や民主党のJim Cooper議員、更には共和党のThornberr軍事委員会委員長ら超党派の議員が取りまとめを行っている
●一方で反対派の共和党Mike Turner議員(戦術陸空戦力小委員長)は、宇宙軍独立の必要性調査を命じる文面に案を修正しようと奔走し、マティス長官や空軍長官もTurner議員を支持する書簡を関係者に送付し、ホワイトハウスも反対を表明している

●反対派のTurner議員は、一度の公聴会も開かず、この様な大きな組織改革を行うのは間違いで、もっとゆっくり段階的に検討し実行されるべきだと主張している。また、改編に関するコスト見積もりもなく、国防省も反対している事を指摘しつつ、「空軍は即応態勢アップや近代化に取り組んでおり、別の軍を創設するとはあまりに極端すぎる」と批判している
Turner.jpgマティス国防長官も上記書簡で、意志決定階層が増すだけで必要経費も増える不適切な案だと指摘し、「国防省が軍事機能の融合に取り組む流れに逆行するだけでなく、分割により宇宙ドメインに偏狭で視野の狭い視点を持ち込みかねない」と懸念を表明している

●一方で推進派のRogers議員は、超党派議員の支持がある案で、宇宙分野を独立させる喫緊のニーズがあると主張し、また法案成立後に6ヶ月間も米空軍には検討期間があると主張した
●そして同議員は「非公開の情報ブリーフィングに来てくれ。とてもショッキングな現実がそこにある。中国とロシアは既に宇宙を再編(reorganize)してしまっている」、「宇宙分野は金づるで、空軍は長らく航空分野でこの資金に頼ってきた。だから戦闘機パイロットである将軍達は、宇宙軍独立に反対なのだ」と危機感と空軍への批判を口にした
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Space domain3.jpg米空軍を支配している戦闘機操縦者が、宇宙配分予算を上手く活用して「air-domain」ニーズに利用しているとの極めて本質的な指摘が飛び出し、今後の議論の展開に興味津々です。

しかしもっと重要なのは、非公開情報に接することが出来るMike Rogers議員による「中国とロシアは既に宇宙を再編(reorganize)してしまっている」との指摘でアリ、この危機感を日本人も共有したいモノです。

中国とロシアの宇宙活動の状況を、しっかり勉強しないといけませんね

米国での宇宙の話題
「大統領が国家宇宙評議会を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-08
「下院が宇宙軍独立案を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-22-1
「米空軍はA-11設置で対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-18
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1

米空軍が宇宙活動アピール
「商用データも活用へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20-1
「JICSPOCからNSDCに改称」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06
「宇宙コマンド変化への取組」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-09
「米空軍が宇宙活動アピール作戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24

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トランプ大統領が国家宇宙評議会を設置 [サイバーと宇宙]

Space Council.jpg七夕の7日、トランプ大統領が「国家宇宙評議会:National Space Council」を再設置(re-establish)する大統領令に署名しました。

ホワイトハウスで行われた「署名式」には、米国が宇宙開発で世界をリードした「往年の栄光」を象徴すべく、あのアポロ11号で、アームストロング船長(故人)に続き人類で2番目に月面に立ったBuzz Aldrin元宇宙飛行士(退役大佐:87歳)がゲストとして参列しています

大統領令によれば、この国家宇宙評議会は、最初の1年間で大統領に対し、米国の宇宙活動に関する長期計画と勧告を含む報告書を提出するよう求められています。

また同評議会のメンバーは、ペンス副大統領を評議委員長に据え、国防長官、国務長官、国土安全保障省、国家情報局長(DNI)、NASA長官、そして統合参謀本部議長で構成されます。

署名式でトランプ大統領は
Space Council2.jpg●この評議会は、我が政権内で宇宙政策を導く中核ハブとして機能する
かつて米国は、宇宙分野におけるパイオニア国家であり続けた。

●我々は宇宙での活動を始めたが、決して完成したわけではなかった。途中で立ち止まってしまったのだ。今日設置を命じた副大統領をリーダーとする評議会は、宇宙活動で米国をリーダーの位置に戻す役割を担う
●世界への明確なメッセージだ。米国はあの誇らしい伝説的な指導的立場を取り戻す
///////////////////////////////////////////////////////////////////

トランプ大統領の発言からは、米国が宇宙分野で1番の地位にない危機感があふれていますが、中国は衛星打ち上げ数で、また軌道を柔軟に変更する衛星の運用など、米国に危機感を与えるに十分な状態で、ロシアも活発に活動しているようです

Space Council3.jpg何ができるのか、何がしたいのかよくわかりませんが、政府として宇宙ドメインへの資源配分を交通整理する必要があるのでしょう
しかしこの大統領令には様々な評価があり、報道では評価する声もあれば、また余計な意思決定階層を積み上げただけだとの辛辣な声も紹介されています。

米議会では米空軍に集中する宇宙活動を空軍から独立させる案が議論されるなど、宇宙への取り組みを再検討する動きが各所で見られます。日本ではさっぱり見られませんが・・

宇宙活動の変化
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08
「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「民間企業も交え大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-05
「中国版X-37B?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-15

「米空軍から宇宙部門実質独立プラン」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-22-1
「米空軍はA-11設置で対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-18
「商用データも活用へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20-1
「米空軍宇宙活動アピール年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24

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下院が提案:米空軍から宇宙部門「実質」独立プラン [サイバーと宇宙]

米空軍から「宇宙軍」独立が正式提案に
6月28日の下院軍事委員会で、2018年度国家授権法NDAAの下院案に「宇宙軍」独立を盛り込むことが決定
http://www.airforcemag.com/Features/Pages/2017/June%202017/Space-Corps-Survives-Amendment-Challenge-at-NDAA-Markup.aspx
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Schriever Wargame5.jpg米議会下院が20日に公表した2018年度予算関連法案の中で、下院戦略戦力小委員会が米空軍から「実質的に」宇宙部門を切り離す組織改革案を提示しているようで、21日に行われた下院軍事委員会の前後で、空軍長官や空軍参謀総長が激しく反対表明しています

これまでもご紹介してきましたが、米議会が空軍から宇宙部門を切り離したいと考えている理由は、端的に言えば、米空軍は戦闘機パイロットが支配しているので、航空機への投資や意志決定が優先されがちで、重要性がうなぎ登りの宇宙分野への投資の規模や迅速性に問題があると見なされているからです

これに対する空軍の反論は、今はリスクを伴う大きな改革を行うタイミングでは無く、また分割でなく融合・統合が重要で、実績のある空軍が進めてい業務効率化や迅速化に関する取り組みを議会も応援して欲しい・・・です。

まぁ・・・マケイン委員長率いる上院軍事委員会にもお考えが御座いましょうし、今後紆余曲折が予期されるテーマですので、とりあえず下院案を見ておきましょう・・

22日付米空軍協会web記事によれば
Space Corps.jpg20日に下院戦略戦力小委員会が提示した2018年度国防授権法(NCAA)案は、米空軍が2019年までに「米空軍内部」に「宇宙軍:Space Corps」を設け、大将である「宇宙軍参謀総長:Chief of Staff of the Space Corps」に指揮を執らせるよう求めている

宇宙軍参謀総長は「6年任期:six-year term」で、統合参謀本部会議のメンバーであり、空軍参謀総長と同格(co-equal of the Chief of Staff of the Air Force)に扱われる
●また下院の案では、宇宙関連調達の主要決定権(MDA:milestone decision authority)を、空軍参謀総長から空軍長官に移管する事になっている。

21日、米空軍のリーダー達は下院軍事委員会に出席後、再び下院の案に反対する姿勢を表明した。Wilson空軍長官はこの案はより業務を複雑にする。組織の中に更に組織を書き加える案で、よりコストもかかる」、「空軍内に追加の参謀総長や6名もの司令部部長など必要ない」と下院案を批判した
Goldfein参謀総長は、「今は区切ったり分割したりしている時ではない。より融合や統合を進める時なはずだ」と不満を露わにした

Schriever Wargame4.jpg●下院案は更に、2019年までに統合軍である大将が率いる「宇宙コマンド」創設して現在の戦略コマンド隷下に入れる形を提案し、同宇宙コマンドが米軍の宇宙活動や任務を統合して指揮する事としている
●また下院の案は、宇宙コマンドが毎年「Space Flag演習」を実施し、ドクトリンや作戦コンセプトや戦術や手順や技術の開発や検証に活かす事を求めている。なお同演習は、今年米空軍により始まった演習である

同小委員会は22日に同案の修正協議を行い、下院軍事委員会で国防授権法(NCAA)案の審議が行われる28日までに修正案を取りまとめる予定である
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米空軍は、空軍司令部内に新たに宇宙担当部長「A-11」を設けることで、議会からの圧力を弱めたい考えのようですが、下院の案は中途半端に大胆です。

Space Corps2.jpg空軍長官の立場からすれば、二人の同格の参謀総長が存在するという厄介この上ない組織形態です。でも、こんな案が真剣に持ち出されると言う事は、米空軍を支配する戦闘機操縦者に対する嫌悪感が議会に渦巻いているとも考えられましょう。

何と言っても、長く統合参謀本部議長が空軍から出ず、最初から候補にも入らない事態が過去3代の統合参謀本部議長選考でしたから。

それにしても宇宙軍参謀総長の任期が「6年」とは長期間です。それぐらい続けて勤務させないと、一貫性のある戦力育成が困難だとの考え方でしょう

最近の米空軍宇宙関連
「米空軍はA-11設置で対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-18
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1

米空軍が宇宙活動アピール
「商用データも活用へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20-1
「JICSPOCからNSDCに改称」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06
「米空軍が宇宙活動アピール作戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24

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宇宙ドメイン死守へ米空軍が宇宙部長A-11新設へ [サイバーと宇宙]

Wilson2.jpg16日、Wilson空軍長官が米空軍司令部内に「宇宙」を担当する新たな部長ポスト(deputy chief of staff)を設け、8月を目途に「A-11」として活動を開始すると発表しました。
まだ具体的な人名は公表されていませんが、中将ポストで、今後約2か月間で「A-11」に配属するスタッフを含めて検討するようです

一般に空軍司令部組織では、A-1が総務、A-2が情報、A-3が作戦運用、A-4が兵站、A-5が長期計画などなどを担当していますが、米空軍司令部はこのほかにも指揮通信、IT、サイバー等々、様々な「A-●」を設けており、宇宙担当は「A-11」だそうです
今年4月に米空軍は、宇宙関連業務を統括する何らかの新ポストを設けると明らかにしていた様ですが、それが「A-11」の新設だったわけです。

背景は明らかです。
Space Fence1.jpgもちろん、宇宙ドメインがサイバーと並んでその重要性を増していることは論を待ちませんが、米議会内部に重要な宇宙ドメインを空軍に任せておいては、重要施策や資源配分の意思決定が鈍重で適切に行われないとの問題認識があり、「宇宙を空軍から切り離せ」論が強まっているからです

そんなこともあり、今年に入り、空軍参謀総長が「2017年を米空軍の宇宙活動大宣伝の年にする」とぶち上げたり、宇宙分野の主要幹部がプレゼンを盛んに行ったりしているところです

まぁ、今でも複雑に肥大化している司令部機構に、更にポストを増設して業務が円滑化するのか疑問視する声もあるようですが、「お手並み拝見」ということで、とりあえず米空軍首脳の発言等をご紹介しておきます

16日付DODBuzz記事によれば
16日、Wilson空軍長官は宇宙作戦に関する新たな空軍司令部部長職の設置を承認したと発表した。まだ具体的人選は明らかにしていない。
●同長官は「この決定は、米空軍の宇宙作戦を更に格上げし、我々の努力を融合して円滑化する新たなステップである」、「米軍は宇宙に依存しており、敵はそのことを熟知している」、「我々は宇宙にまで拡大するであろう将来の戦いを制することができるよう、適切に組織を整え備えなければならない」と説明している

Goldfein1-4.jpg●同日、Goldfein空軍参謀総長は、「新たな中将たる宇宙部長は、意思決定スピードを高め、宇宙アセットが敵攻撃を回避して作戦の自由度確保を促進するだろう」、「米空軍の文化は空の支配から始まっているが、今後は宇宙活動をリードして情報化時代を進み、戦士が勝利のために必要な宇宙優勢を達成する」とコメントした
●また米空軍宇宙コマンド司令官Jay Raymond大将は、「新たなリーダーは毎日このドメインに集中し、宇宙の課題に対処するため、組織、訓練、装備調達を確実なものとしてくれるだろう」と語っていた

米空軍は引き続き国防長官の宇宙補佐官
●またWilson空軍長官は、Work副長官による決定事項として、来年2018年も米空軍長官が宇宙ドメインに関する国防長官の首席補佐官と務めると発表した
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Raymond&Buck.jpg元空軍幹部で宇宙関連技術アドバイザーであるBrian Weeden氏は、「宇宙施策をリードするポスト新設の意図は正しい方向だ。しかし新ポストが、既存の部署や幹部、また米国の宇宙関連機関などと円滑にやっていけるかは別の問題だ」とコメントしています

ありがちな安易な対策のような気がしますし、本当に複雑な官僚組織で「任務分担」がうまくなされ、機能するのかよくわかりませんが、生暖かく見守りたいと思います

しかし議会も動きました! 20日、下院軍事委員会が空軍からの「実質的」宇宙分野独立を2018年国防授権法に含める案を公表・・・これについては後日ご紹介します!

米空軍と宇宙ドメイン
「米空軍が宇宙活動アピール作戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24
「商用データも宇宙防衛センターへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20-1
「JICSPOCからNSDCに改称」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06

「謎のX-37Bの謎が少し解けた」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-11
「副長官がJICSPOCを高評価」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28
「宇宙と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01

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米空軍宇宙コマンドの太平洋域での課題など [サイバーと宇宙]

JICSPOC.jpg9日、米空軍宇宙コマンドの各種指揮官を務める3名の大佐が、米空軍協会ミッチェル研究所でパネル討議に臨み、同コマンドの課題や取り組みを語り、中東重視体制からアジア太平洋に目を向ける際の課題などについて語っています

技術的な細部には当然言及しておらず、まんぐーすも背景知識が不足していますので十分な紹介ができませんが、訓練体制の強化や同コマンドのサイバーへの取り組みについても語っていますのでご紹介します

12日付米空軍協会web記事からご紹介します。最近、同webサイトのレイアウトが変わり、情報量が増えたようで何よりです。読者として感謝いたします!

中東だけでなく太平洋域でも活動する課題
JICSpOC2.jpg●9日に開催されたイベントで3名の米空軍宇宙コマンド「Space Wing」指揮官(全員大佐)は、これまで中東戦域での活動に焦点を当ててきたが、準備が十分でないアジア太平洋地域での作戦に備える必要があると語った
主に無人機操作用の宇宙通信を監視する宇宙管制装置(defensive space control unit)を、中東地域に3台配置しており、カタールとヨルダンとシリア北方にそれぞれ置かれている。なおシリア北方は、我々が経験した最も辺鄙な配備場所である

●我々は中東戦域での様々な作戦要求に対応するため、運用要領や戦術や人員配置を改革してきたが、その代償としてアジア太平洋地域への対応準備が十分できていないのも確かである。
●ただ、アジア太平洋戦域での宇宙管制任務は、極めて難しいものになる。そして大きな課題の一つが技術的なもので、マルチバンド周波数の必要性だと第50宇宙航空団のDeanna Burt大佐は説明した

●そして同大佐は、中東とは異なり太平洋域で戦うために戦力を投入した場合、太平洋域の厳しい軍事環境では周波数ホッピングが求められるが、単一バンド周波数対応の現在の受信機にはその能力がないと語った
更にそのような厳しい環境下で任務遂行するための最先端の訓練が不十分で、また部隊体制も整っていないと第460宇宙航空団のDavid Miller大佐は語った


新たな演習開始や兵力不足への対応
JSPOC.jpg●そして同大佐は、宇宙コマンドにも操縦者用の「レッドフラッグ」タイプの演習が必要で、単にレッドフラッグに参加して航空機を支援している現状では訓練が不十分だと主張した
●そこで新たな取り組みとして、これまで無かったような訓練環境を与えるため、4月に初の「Space Flag演習」を実施し、8月か9月に2回目の実施を計画中だと説明した。

●更なる訓練の課題として、第210宇宙航空団のDouglas Schiess大佐は人員不足を上げ、中東を中心とした派遣期間が長引き、最低限の休暇期間を与えると訓練時間が捻出できないと、元来小規模な宇宙コマンドへの負担の現状を訴えた
対策の一環として同大佐は、州兵部隊をカリフォルニア州、フロリダ州、コロラド州に派遣して正規兵の負担軽減に努めていると説明し、仮にアジア太平洋での作戦を求められれば、このような施策が欠かせないものとなると設営した

●別の人員不足対策としてBurt大佐は人工知能などによる自動化を唱え、米軍のアキレス腱と言われるサイバー防衛への導入に取り組んでいると説明した
●現在同コマンドは、人間がそれぞれの機材を「man-to-man defense」でサイバー監視しているような状態だが、このような人海戦術でなく、「big data技術」や「中央集権型サイバー防衛」で人員効率的な形が望ましいと述べ、時間はかかるが取り組んでいると説明した
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Cyber-new2.jpg相変わらず基礎知識不足で中身が深まりませんが、アジア太平洋戦域で「周波数ホッピング」が必要なのは、中国や北朝鮮やらに衛星管制用の電波等が妨害されたり傍受されたりする恐れがあるからだと理解しています

また宇宙管制装置(defensive space control unit)がどのようなものか承知していませんが、ぜひ日本にも設置し、有事の備えにしていただきたいものですし、RQ-4グローバルホークの運用にも活用させてほしいものです

米空軍が戦闘機や爆撃機や空中給油機など航空アセット優先で投資することに我慢ならず、宇宙分野を空軍から切り離せと議会が要求していますが、確かに、今日ご紹介した3名の大佐のご苦労を考えると、そんなオプションのあるのかな・・・と思います

米空軍が宇宙活動アピール
「商用データも活用へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20-1
「JICSPOCからNSDCに改称」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06
「米空軍が宇宙活動アピール作戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24

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商用宇宙データも国家宇宙防衛センターNSDCへ [サイバーと宇宙]

Raymond&Buck2.jpg19日、米空軍宇宙コマンドJay Raymond司令官と米戦略コマンド宇宙作戦司令官であるDavid Buck空軍中将が、下院軍事戦略軍小委員会で証言し、この夏にも一般宇宙関連企業の保有する商用宇宙関連データも国家宇宙防衛センターNSDCで利用可能になると語りました

この国家宇宙防衛センター(NSDC:National Space Defense Center)は、今年の春まで「JICSPOC:Joint Interagency Combined Space Operations Center」と呼ばれていたものを、「誰もが、何のための組織か理解できるようにするため」に改称された宇宙作戦の拠点です。

JICSPOC.jpgNSDCは米国防省幹部も高く評価する大宣伝売り出し中の宇宙アセットで、状況の掌握が極めて難しい宇宙ドメインに、米軍だけでなく、関連政府機関や諸外国の協力も得て取り組むコンセプトを具現した指揮所です

NSDCはコロラド州のSchriever空軍基地に所在し、米戦略コマンドがリードし、国家偵察室(NRO)、空軍宇宙コマンド、米空軍研究所ARRL、情報コミュニティー、宇宙関連情報提供企業が協力し、更に同盟国からの連絡要員も加わって運用する形態で、2015年10月に正式運用を開始した宇宙作戦センターです

商用宇宙データ導入を米空軍協会web記事は
JICSpOC2.jpg●Buck中将は議会で、この夏我々は「non-traditional data pre-processor」と呼ばれる機能を導入すると明らかにし、「我々の宇宙監視ネットワークに、商用宇宙データを取り込むことが可能になる」と説明した
●また米空軍宇宙コマンド司令官であるJay Raymond大将は、この一般宇宙関連企業のデータを取り組みを、次世代の宇宙を含む指揮統制C2要求を満たすために、一般企業も仲間に入った「consortium」で行う大戦略に関連していると説明した

●そしてRaymond大将は、「我々はすべてのデータを必要としており、それは一般宇宙関連企業のデータから、高度なインテリジェンス情報までの全てである」と語った
Raymond-Space.jpg●更に同大将は、一般企業までを取り込んだ「consortium」を解説するため「iPhone」を取り上げ、オープンソースな環境を提供して多様な企業がアプリを提供し、多様な利便性を実現したコンセプトを讃えた

●「オープンな基準を設定し、すべてのプレイヤーに参画してもらいたい」と同大将は語り、NSDCで早急に実現するため、米空軍のRCO(緊急能力造成室)の支援をお願いしていると語った
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上記の記事で「商用宇宙データ:commercial data」の訳でご紹介したデータが、具体的にどのようなものか不明です
商用衛星の位置情報や運用状況諸元のことを指すのか、商用宇宙アセットのセンサーから入手した各種データも含むのか、太陽風や電離層の状況データなのか、宇宙デブリの情報なのか・・・。

Raymond&Buck.jpgいずれにしても、「JICSPOC」から改称した「NSDC」は、今後も様々な形で、軍事を語るうえで、宇宙ドメインを語るうえで登場するでしょうから、ちまちまフォローしたいと思います
それにしてもこのお二人、各地にペアーで登場されている模様です・・・

宇宙作戦センター関連
「JICSPOCからNSDCに改称」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06
「米空軍が宇宙活動アピール作戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24
「副長官がJICSPOCを高評価」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28
「宇宙と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01

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謎のX-37Bの謎が少し解けた!? [サイバーと宇宙]

X-37B 2017.jpg7日、約2年間の宇宙空間滞在試験を終え、「謎の宇宙飛行船X-37B Orbital Test Vehicle」が地球に無地帰還しました。戻ってきました。
2010年4月に最初の打ち上げ(アトラスVロケットの先端に搭載されて宇宙へ)が行われ、今回がこれが4回目の宇宙滞在試験で、合計約2300日も宇宙空間で何か試験をしていたことになります

この「謎のX-37B」は9m×4.5m×3mとそれ程大きくなく、低コストで再使用が可能な宇宙への運搬手段を目指し、1990年代半ばからNASAが研究を始めたものです。
しかし計画が遅れてスペースシャトルの貨物室に搭載する方向はキャンセルとなり、その後NASAがスペースシャトル後の人員輸送にも本モデルの使用を止めたため、2004年から国防省が主導する引き継ぐ軍事プロジェクトになりました

国防省では米空軍の緊急能力造成室(Air Force Rapid Capabilities Office) が担当していることから、その目的を、軍事衛星や通信衛星が機能喪失した際の緊急代替衛星や装置の宇宙投入用とか、宇宙空間で軌道を柔軟に変更して敵衛星を無効化する任務を担うのではとか、貨物室に新素材を載せて宇宙空間で試験しているのではとか等々、様々な憶測を呼んでいます。

X-37B 17.jpg例えば、2011年3月の2回目の打ち上げ後は、アマチュア天文家まで巻き込んで軌道監視が行われ、中国の実験宇宙ステーション「Tiangong-1」と似た軌道だった事から、密着監視しているのではと軍事メディアで騒ぎにもなりました。結局は、細かく見ればその任務は不可能との結論でしたが・・・

そんなこんなの「謎のX-37B」ですが、今回の帰還を紹介する米空軍協会web記事が、イオンエンジンの一種と考えられる「Hall Effect thruster」も試験の一つだと解説していますので、久々に「謎のX-37B」を取り上げます。
よく調べれば、既に「謎の」では無いかも知れませんが、まんぐーすにとっては謎なので・・・。帰還した機体を確認する完全防備の作業員3名の姿が物々しい、左上の写真が色々想像をかき立てます。

9日付米空軍協会web記事によれば
X-37B-2Taxiing.jpg2015年5月21日に打ち上げられた4回目のX-37B OTV(Orbital Test Vehicle)宇宙飛行は、5月7日に終了した。、宇宙滞在間は、高度190 and 225 milesに在空していた
1回目の宇宙滞在が224日間、2回目が468日間、3回目が675日、そして今回の4回目は718日間だった。ちなみに、フロリダ州の同宇宙センターへの着陸は初めて

●宇宙滞在期間の長さは、「Hall Effect thruster」と呼ばれる電磁式推進システムの試験とも関係している。同推進装置は、同量同重量の燃料でもより効率よく推進力を得られることが特徴で、将来の宇宙船をより軽量にし、打ち上げコスト削減を狙いとしている。
●一方で同推進装置は、立ち上がりがスローで(thruster is slow to start up)で、米空軍は宇宙空間で長期間をかけて試験することを望んでいる。

●実験を仕切っている米空軍の緊急能力造成室は、X-37Bの宇宙滞在試験を通じ、同装置のリスク低減と、再利用可能な宇宙船の作戦運用コンセプト開発に取り組んでいる
●次の5回目の打ち上げは、2017年末に予定されている
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X-37B 17-3.jpg他にも絶対「ナイショ」の実験や任務を行っているはずだと妄想しているのですが、宇宙で2年間も活動させておいて、遠隔操作でちゃんと大気圏に突入し、滑走路にプログラム通り着陸して戻ってくるのですから、その面での技術の蓄積だけでも大したものだと思います

5年間も放置しておいた話題ですが、また楽しませて頂こうと思います
日本のアマチュア天文家の皆様もいかがですか?

X-37B関連の記事
「中国版X-37B?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-15
「X-37Bは中国衛星を追跡?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-07
「X-37BがSシャトルの代替?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-12

「米が宇宙アセット防護計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-16
「X-37B関連小ネタ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-04
「X-37Bをご存じですか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-20

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約束の期日過ぎてもサイバー戦略発表なし [サイバーと宇宙]

Trump cyber2.jpg21日付Fifthdomain.Com記事は、トランプ大統領が就任時に宣言していた「90日以内にサイバー戦略を見直す」との約束の期限が4月20日だったが今取り組んでいるとの説明だけで何の発表事項も無く、今後の予定も示されなかったと皮肉たっぷりに報じています

新政権には議会が定めた期限付き報告事項が多数課せられており、国家安全保障戦略や国家防衛戦略等もその一つだと思うのですが、政権発足後100~120日の期限が守られることはほとんど無く、ゲーツ国防長官(当時)は士官候補生への講演で「士官候補生は教官にこの様な発言をしてはならないが、国家防衛戦略を政権発足後数ヶ月で提出するなどと言うクレイジーな要求があるか」と愚痴っていたくらいです

ただこのサイバー戦略見直しは、トランプ大統領自らが就任式直前にぶち上げ就任直後にも改めて取り組む姿勢をツイートしていただけに、またロシアによる米大統領選挙へのハッキングが大きな話題となっている「サイバー戦」問題絡みなだけに、関係者の間では「ガッカリ感」「やっぱり感」「大丈夫かよ感」が広がっているようです

21日付Fifthdomain.Com記事によれば
Cyber Top4.jpg大統領就任直前、ロシアを含む諸外国から米国へのハッキングに関するインテリジェンス報告を受けたトランプ氏は、特別チームを編成して90日以内に「a review of America’s cybersecurity efforts」を提出させると国民に誓った
●当時トランプ氏は「それが米国政府であれ、一般組織や企業であれ、我々は積極的にサイバー攻撃と闘い、これを止めなければならない」「使用する手段や戦術や手法の議論は相手を利するだけなので公にされるべきでは無いが、大統領就任後90日以内に対応策を報告させるべくチームを編成した」と宣言していた

●またその1週間後もツイートで、「ハッキング対策に関するフルレポートを90日以内に提出させる」と公言していた。
●そして1月31日には、ジュリアーニ元NY市長も交えたサイバー対策の会議を開催し、同元市長に民間部門とのサイバー協力体制構築を命じ、更に「米国民のために運用している政府ネットワークとデータを防御する必要があり、その防御は極めて重要だ」とも述べている

Trump cyber.jpg●しかし、その後発出が予定されていたサイバー問題に関する大統領令は、突然、何の説明も無く中止されたそしてその後は、特別チームの動きはよく表現しても「思いつき程度:be haphazard」の活動で、特にロシアがトランプ氏の当選を応援していた事が判明した後は低調である。
誰がサイバー戦略見直しに関与しているのかもよく分からず、ジュリアーニ氏は加わっていないし、NSCやクシュナー氏が率いる「American Innovation室」の関与も不明確である

ホワイトハウス報道官のLindsey Walters女史は、「大統領が多様な政府高官と企業専門家を指名してチームを編成し、NSCやAmerican Innovation室とも協力して、第1弾のサイバーセキュリティ計画を取りまとめ中である」と語ったが、今後の日程には言及しなかった
Cyber-new.jpg●まぁ・・トランプ大統領自らが宣言したにも関わらず、期限や公約が守られないのは初めてでは無い。「オバマケア」の破棄と見直しは頓挫したし、打倒ISIS戦略を30日以内に示すとの約束も守られていない。また、中国を「為替操作国」と呼びながら、先週の習近平訪米時にはその表現を引っ込めている
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4月24日付の三浦瑠麗さんの「山猫日記」では、
北朝鮮への米国の関与を占う上で、以下の4勢力が吟味されています

●米政権で力を持ってきた軍人上がり&現役の「軍派」は、軍人の被害を極力避けたい慎重派
共和・民主双方の主流派に属するいわゆるエスタブリッシュメント「帝国派」は、欧州や中東を重視する下地がある勢力
人権を侵害される対象が白人やキリスト教徒だと影響力が増す「リベラルなタカ派
国内の経済と雇用を重視し、外交・安保に関心が薄い、バノン氏を代表とする「オルタナ右翼

MiuraR.jpgそして、核保有国である北朝鮮に米国が先制攻撃を仕掛ける可能性は極めて低い
日本には何ができるかという点ですが、これが大変難しいのです。実は、解はない
もっと言えば、日本も核抑止への当事者となるために非核三原則のうちの「持ち込ませず」を撤回して、米国との核共有を進めるべき

以上が「北朝鮮情勢」に関する三浦さんの視点ですが、米国政治に影響力を持つ以上の4大勢力が、「サイバー戦」にどのような姿勢なのか伺っても見たいものです。恐らく、脅威に対する共通の認識や利害が一致せず、それぞれが勢力としてまとまらないような気がします。

つまり、陸海空&宇宙への脅威感とサイバー脅威への対応は、全く異なる「筋肉」を必要とする気がします。なのでトランプ政権でもまとまらないのでは・・・と思う次第です

ですから、トランプ政権を単純に攻める気持ちにはならないのですが、「大変だ!」とだけ叫んでおきます

「米国政府サイバー予算の9割は攻撃用!?」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-31
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米空軍宇宙コマンドの変化への取り組み [サイバーと宇宙]

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Raymond-Space.jpg6日、米空軍宇宙コマンドのJay Raymond司令官(大将)や14空軍司令官(兼ねて統合宇宙作戦司令官)David Buck中将が記者会見で中国やロシアの宇宙能力向上と脅威増大に対応するため、宇宙状況把握(SSA)の向上が急務であり、そのための緊急衛星打ち上げへの取り組みがや、かつ調達を迅速にする他機関との連携への取り組みが重要だと訴えました

具体的な説明が少ないため、また技術的側面の知識不足で消化不良ですが、長らく取り上げていない重要な宇宙分野の話ですので、「小さなことからコツコツと」の姿勢でご紹介したいと思います。
また、3つの短い米空軍協会web記事による組み合わせ説明ですのでご容赦を

単なる衛星のカタログ管理では不十分
Falcon 9.jpgRaymond司令官は宇宙状況把握能力の向上が、最優先課題の一つだと語り、過去のように脅威を感じない穏やかな環境であれば、アセットの位置を把握しておくことがすべてで、宇宙アセットカタログを整理しておくような状況把握でやっていけたと表現した。
●Buck中将は、中国やロシアが高度で複雑な「軌道移動:on-orbit maneuvers」能力を備えていることを確認していると危機感を訴えたつつ、我々の宇宙に関する情報収集能力は、脅威の進展ペースに追随できておらず、だから情報収集整理能力の再生に取り組んでいるのだと説明した。

●Raymond司令官は敵対者の能力向上により我の能力が不十分になったと述べ、Buck中将は単なる宇宙交通管理ではなく、SSA(space situational awareness)では、宇宙物体の諸元、運用者の活動意図、アセット能力が提供される必要があると説明した
●Buck中将はSSA能力不足への対処策の一つとして、7月に打ち上げ予定の「ORS-5:experimental Operationally Responsive Space series 5」に期待を寄せた

2016年6月のORS衛星記事
Space Fence1.jpg米空軍は作戦運用要求に迅速に答えるため、数千億円もする多機能大型の衛星でなく、より安価で小型の衛星を求めて試験検討を続けている。
●その主要な取り組みの一つがORS(Operational Responsive Space satellites)で、2011年のORS-1衛星は、米中央軍のISR強化要請にこたえ、短期間でU-2偵察機のセンサーを活用する衛星打ち上げにつなげた
ORS-4が打ち上げに失敗して計画全体が困難に直面したが、2014年に準備が始まったORS-5は7月の発射に向け、商用衛星手続きで準備が行われ、100億円程度の費用で3年程度の活用を前提としている

迅速な調達に他組織との連携
●Raymond司令官は、新たな能力獲得のため調達を迅速化するため、「その能力を持つ他機関と協力関係確立を追及している」と述べた
China-beidou.jpg●既に「宇宙ミサイルセンター」はORS計画を通じて迅速調達の権限を獲得したが、その能力を更に拡大したいと述べ、宇宙コマンドより迅速な調達を行っているNRO(National Reconnaissance Office)との協力関係を例といて挙げた
●また米空軍の緊急能力造成室RCO(Rapid Capabilities Office)は、これまで宇宙アセット調達に関与してこなかったが、関係確立の協議を行っていると説明した
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時節柄、予算確保や予算案の正当性を訴える背景説明でしょうし、この1年が米空軍の宇宙活動アピール年(http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24)ですので力が入っています。

ただ、中露の高度で複雑な「軌道移動:on-orbit maneuvers」能力は忘れてはならないので取り上げました。
中国とロシアの気になる宇宙活動については、以下の記事をおすすめ
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08

関連の記事
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08
「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「宇宙改革法案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-13

「米空軍宇宙活動アピール年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24
「5分間でトランプに宇宙をアピール」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-04
「新型宇宙監視望遠鏡が部隊へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-19

謎の多いNRO関連の記事
「謎のNROを語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-20-2
「NROが宇宙アセット防御計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-16

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米国政府サイバー予算の9割は攻撃用!? [サイバーと宇宙]

Cyber Top.jpg3月29日付「FifthDomain」が、米国の総合ITサービス大手「Cisco Systems」の製品にサイバーセキュリティー上の重大欠陥がある事を察知しながら、CIAが必要時のサイバー潜入や攻撃に活用するためその事実を伏せていた事案を契機として、米政府のサイバー予算が攻撃面に偏ってる点を指摘し、複数の専門家の見方を紹介しています

何が「offensive」サイバー予算で、どれが「defensive」なのか具体的な説明が無い事もあり、明確に区別できるの?・・との疑問も残るのですが、「サイバー防御には限界がある」との元担当責任者の言葉には重みがアリ、また馴染みの薄い分野でもある事から、消化不良気味の記事ですがご紹介します

結局は、最大のサイバー予算使用機関であるNSAがサイバー進入&攻撃に注力しているからだとの説明ですが最後の最後で本音が伺える記述が現れます

3月29日付「FifthDomain」記事によれば
Cyber Top3.jpg3月初旬WikiLeaksの創設者アサンジ氏が、Cisco Systems製品の脆弱性を突くハッキング手段を、CIAが保有していると暴露した件を受け、CIAが1年以上前から同社製品の欠陥を知りつつ、CIAの活動用に情報を管理していた事が話題となり、議論を呼んでいる
●当然Ciscoは、脆弱性対策のため早急に対策を取り、300以上の製品の問題点を改善したが、米国の主要企業である同社が、米情報機関では無くWikiLeaksから脆弱性を気付かされた点が、米国政府のサイバー防御への姿勢に疑問を投げかけることになっている

ロイター通信はシスコ社の関係者3名に匿名で取材しているが、3名は、米国政府機関や企業が、外国政府が関与している疑われるサイバー攻撃を受ける件数が急増する中、米国政府は攻撃的なサーバー施策を過大に重視しているのではと疑問を呈している
●そして、米国政府全体では、サイバー関連予算の9割が、敵コンピュータシステムへの侵入、通信情報の入手、インフラ機能の阻害手段開発などの攻撃的なサイバー施策に充当されていると、同3名はロイターに語っている

●近く退任予定のNSA副長官のRick Ledgett氏も、政府サイバー予算の90%が「offensive」側に投資されていると認め、「予算配分の観点から、考えるべき点であろう」「サイバー脅威が高まる中、防御と情報保障の重要性は増している」と語っている
●スノーデン氏がリークした文書も、米情報機関の非公開情報予算は2013年度時点で5兆円を超え、その中のわずか8%が「cyber security強化費」で、72%が戦略情報収集や過激派との戦いに投入されている事を示している

●シスコの件についてCIA報道官はノーコメントの姿勢で、CIAとNSAを束ねるDNI(Director of National Intelligence)も、ホワイトハウスと同様にノーコメントの立場である


攻撃重視と防御軽視の背景
Cyber Top2.jpg長年「offense」が重視されてきた背景には、最もサイバー分野で能力の高い機関がNSAで、そのNSAが海外情報の収集や政府機関システムの防御を支援してきた事もある
●ただ、2010年から14年の間にNSAで「defensive」部門長だったDebora Plunkett女史は、「敵の脅威や能力や意図が級数的に増加する状況にあり、より防御側に努力を傾けるべきと強く思う」と訴えている

政府の役割を何処まで拡大するかも引き続き難しい課題である。Alexander前NSA長官やカーター前国防長官は、企業や国防省以外の機関が、ロシア、中国、北朝鮮、イラン等の国家的サイバー攻撃から独力で対処するのは不可能だと語っていた
●一方で、今回のCIAとシスコ脆弱性の件のように、現在のCIAの方針では、自国企業に問題があっても、CIA任務のためその情報を企業に提供しないことになっている。企業側は不満を募らせている。

●それでもNSAは最近、「NSA 21」と呼ばれる組織改編を行い、政府機関内で最大のサイバー防御組織であった「Information Assurance Directorate」を廃止し、NSAの主力である「signals intelligence」に吸収した
NSAの首脳達は、(表面的には)攻撃と防御側の職員が机を並べて勤務することの効能を強調しているが、(本音の部分で)NSA職員やホワイトハウス経験者は、完全な防御は不可能だから、より多くの資源を敵ネットワークへの侵入など、敵による攻撃を阻害し、または妨害源を探る(攻撃的な)活動に注ぐべきだと主張している

●NSAの防御部門責任者を先月退任したばかりのCurtis Dukes氏は端的に状況を語り、「NSAが防御が重要だというのは義務のようなモノだが、決してそうはならない」と吐露している。
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Cyber Top4.jpgここは「無法地帯の最前線」で戦っているNSA等の人達の言葉を信じ、「やっぱりサイバードメインでは攻撃(侵入、情報入手、相手装備妨害など)が重要なんだ」と気付くことが重要なんでしょう。

攻撃も防御も、どちらも重要なことは明々白々ですが、限られた予算の配分を考えるとき、「攻撃は最大の防御」との言葉を噛みしめつつ、そういう世界なんだと認識しておくことが基本なんでしょう

まぁ・・・日本では「攻撃」と口に出すだけで、福山とか辻元とかブーメラン好きのごろつきや、小池とか赤旗とか平和委員会とかの反社会分子から攻撃されそうなので、サイレントマジョリティー育成に本記事を捧げます

サイバーと宇宙カテゴリー記事(118本)
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302888136-1 

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今後1年間で米空軍が宇宙活動の大アピールへ [サイバーと宇宙]

JSPOC.jpg22日、米空軍のGoldfein参謀総長とJay Raymond宇宙コマンド司令官が連名で寄稿した宇宙ドメイン「決意表明文」がDefense-Newsに掲載され今後1年間かけ、宇宙ドメインの重要性、米空軍が宇宙で果たす(果たしてきた)役割、宇宙ドメインでの取り組みを、精力的に訴えていくと宣言しています

そしてアピール活動を通じ、宇宙ドメインの政策、戦略そしてアセットや資源配分について様々な議論が起こることを期待し、貴重な意見が得られることを望み、そして潜在的な敵に宇宙で戦いを仕掛けることが割に合わないことを知らしめたいと結んでいます。最後の一節は「That is a message that we are ready and willing to deliver.」です

米空軍参謀総長がトランプ大統領と初めて面談した際、5分間だけ時間を与えられ、いの一番に説明したのが宇宙ドメインの重要性と空軍がその大半を担っている点でした。
宇宙ドメインの重要性は感じていても、なぜ突然宇宙を前面に???との思いを持ちましたし、今もその?感は続いていますが、今までアピールや説明努力が不十分だった重要分野に、おれは真剣に取り組むぞとの参謀総長の決意のようです

背景や狙いがよく分かりませんが、一生懸命さや熱意は感じます。今後も様々な発言やイベントがありそうですが、まずは基礎となるであろう、熱気溢れる「決意表明文」をご紹介します

概要:空軍参謀総長と宇宙コマンド司令官の寄稿文
Goldfein.jpgRaymond-Space.jpg●米軍が宇宙のリーダーとしての責任を担い、米空軍はその中心にあるが、宇宙技術がどの程度我が米軍の活動を支え、我が経済の効率的運営に寄与しているかは、国民や社会に良く理解されていない。ガソリンの購入から車の運転、オンライン通販、物流、医療などなど、世界経済が軍によってもたらされた衛星技術に支えられているのに
●過去25年間、米空軍は軍事作戦におけるリアルタイム情報提供をリードし、米軍が戦う時、その作戦を宇宙技術で支えてきた。見通し外通信や遠方での部隊活動把握、精密誘導兵器の誘導などは、IS殲滅作戦の鍵となっている

今後1年間、皆さんは宇宙の話や米空軍が他軍種と如何に宇宙関連で緊密に連携しているかを耳にするだろう。
我々が迅速に宇宙アセットやネットワークの防御対策に取り組み、敵対者の企みを抑止する能力獲得を進めるに中で、米国民の皆さんには、宇宙で何が危機にさらされているのかを理解して頂く必要があると考える

3つの取り組みをアピール
JICSPOC.jpg●何よりも、戦いがあればそれは宇宙に拡大する。宇宙に戦いが拡大したなら、我々は如何に戦うかを考えておかなければならない。陸海空ドメインのように、宇宙ドメインでの戦いにも備えなければならない
●米空軍が宇宙を戦いのドメインに融合する取り組みの第1は、宇宙での脅威を探知し認識する能力を高め、敵の脅威が高いドメインで、宇宙アセットを指揮統制する能力を高める取り組みである

第2に、宇宙アセットの生存性を高め、国防省と情報機関の連携を強化し、国家安全保障に不可欠な宇宙アセットの保護、防御、運用を行う事である
●そして第3に、昨年コロラド州に立ち上げたJICSPOC(Joint Interagency Combined Space Operations Center)への取り組みである。情報機関と核兵器を扱う戦略コマンド等が協力して立ち上げた作戦センターは、宇宙での新たな手法を試験し革新する事を促進し、未知の世界を教えてくれる

●これらの取り組みは、敵が我々の宇宙での行動を阻害することを防ぎ、衛星を改善し、宇宙関連要員を新たな現実に対処できるように鍛え、そして思考法の根本的変革をもたらす
●宇宙での戦いは、地球での戦いと同じアプローチを必要としている。もはや空想小説の世界の話ではない脅威を早期に探知し、必要なら機動し、敵が武力に訴える気にならないよう果断に対処する必要がある

Goldfein1-1.jpg●対処には、短期的な取り組みと長期的視点で臨む必要のあるものがある。このため米空軍は、政策、戦略、資源配分等に関する議論を歓迎する
公に米国の宇宙アセットを守る決意を明らかにすることで、我々は潜在的な敵に対し、宇宙で米国に戦いを仕掛けることが割に合わないことを知らしめたい。これが我々が伝えたいメッセージだ
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あまり米国社会で認知されず、予算獲得の追い風が少ない宇宙ドメインに、追い風を起こそうとする取り組みかも知れません。

しかし、宇宙アセットがもたらす恩恵、GPSやスマホ通信やオンラインシステムなどなどなどに現代社会があまりにも依存し、それが中断した場合への備えがあまりにもない事への警告は誰かが行わなければなりません。

その警鐘と備えへの訴えでと見れば、今後1年間のアピール大作戦が楽しみです。そして日本の関係者が、JICSPOCで勤務でき、何らかの貢献が出来る日が来ることを祈念いたします

「米空軍トップが5分間でトランプに訴えたこと」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-04

「JICSPOCを副長官らが高評価」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01

宇宙関連の記事
「新型宇宙監視望遠鏡が部隊へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-19
「宇宙改革法案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-13
「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08

「宇宙アセット防御予算8割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-01-1
「米空軍の宇宙姿勢を改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-19-1
「F-15から小型衛星発射試験へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09

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ホワイトハッカーが国防システムの脆弱性指摘 [サイバーと宇宙]

Cyber-new1.jpg13日付Bloomberg電子版は、7日までの間で国防省が実施した「発展版Hack the Pentagon」計画により国防省や米軍が使用している重要文書をネット上で送付するシステムの欠陥が「わずか数時間」で指摘される等の成果があったと報じています。

「Hack the Pentagon」計画は、身元が確認されたハッカーや専門家を活用して国防省のITシステムの脆弱性を探索発見指摘してもらう試みで、2016年4月に第1回目が約1ヶ月間かけて実施され、この際は250名以上の有志ハッカーが、国防省の公開webサイトの脆弱性発見に取り組み、130個以上の問題を指摘しています。

元々はオバマ政権時のホワイトハウス「Digital Service部」が開始した政府としての取り組みですが、国防省「Department Digital Service」がこの取り組みを主導しています
昨年4月の成果を踏まえ、今回はより本格的な国防省の重要システムを対象としたプロジェクトとなり、3年契約を約4.5億円で請け負った「Synack Inc.」が具体的に運営する形式で実施されたようです

13日付Bloomberg電子版によれば
Hack the Pen.jpg●7日まで約1ヶ月間行われた「発展版Hack the Pentagon」計画には、米国、カナダ、豪州、英国から約80名のネットセキュリティー専門家「ホワイトハッカー」が参加し、国防省が非公開を含む電子メール、文書や画像等をネットワーク上で転送するメカニズムが対象となった
●参加した「ホワイトハッカー」や彼らが使用したPCから、国防省の対象システムの仕組みや脆弱性が「敵」に漏洩することを恐れた国防省関係者の説得に関係者は苦労したが、「サイバー演習空間」に対象システムを模擬したネットシステムを構築し、更に追加で情報漏洩防止対策を行い、現実に近い模擬空間で脆弱性を確認する手法で実施された

●本プロジェクトにシアトルから参加したWesley Wineberg氏は、「国防省のシステムは、重要な事項を扱うからと言って、他のシステムより厳重になっているとは限らない事が判ってきた」「ある部分は厳重に設計されているが、一部が極めて脆弱だった」と感想を語っている
国防省「Department Digital Service」で「bureaucracy hacker」と呼ばれるLisa Wiswell女史は、1月11日に計画を開始し、関係者には「1週間ぐらいで反応があるだろうからスタンバイせよ」と伝えていたが、実際には数時間で脆弱性の報告が始まったと効果を説明してくれた

Cyber-new2.jpg●「Synack Inc.」社は、同様の「ホワイトハッカー」活用を銀行やクレジット会社と契約して行っており、発見した脆弱性のレベルに応じて参加ハッカーに報酬を支払う仕組みを導入し、最近の例では約350万円を手にした者も居るようである
国防省自身も自前で省内に「ハッカーチーム:red teams」を編制する努力をしており、過去数年で人員を倍に拡大しているが、給与やラフな勤務環境に惹かれて有能な人材は民間企業に流れるため、依然として多くを民間企業に委託しており、自前で国防省全体にニーズを満たせない状態にある

国防省の試験評価局の報告書によれば、「国防省の職員や兵士は、ネットワーク防御を行政の業務と捉え、戦闘能力と認識していないケースが多い」と指摘し、「この態度を改めない限り、日進月歩のサイバー攻撃との戦いの苦悩は続く」と意識改革を求めている
国防省内では、最も基礎的なシンプルなレベルの問題が指摘されたことが担当専門家を驚かせており、今後この手法を「指揮統制システム」や「人材データ管理システム」を対象に実施することを検討し始めている。
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Hack the Pen2.jpg「Hack the Pentagon」計画は重視されているようで、政権移行の申し送りでも、第1日目に重要事項として取り上げられたと上記記事は伝えています。

忘れない程度にサイバーは重要だ重要だと叫んでいるだけで、まんぐーす自身のPCの動作不安定にも「放置プレー」状態なのですが、こんな野郎が組織に所属していると、ある日突然流出事案とか引き起こすのかも知れません

戦闘機より遙かに安い予算額で、「Hack the Pentagon」計画は進んでいるようですので、参考にしたいものです・・・

Hack the Pentagon関連記事
「第1弾成果発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1
「計画発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-04-1

サイバーと宇宙関連記事
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302888136-1

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