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米空軍トップが5分間でトランプに訴えたこと [サイバーと宇宙]

Goldfein1-1.jpg3日、Goldfein米空軍参謀総長が米空軍協会Mitchell研究所で講演し、米空軍の宇宙における役割の重要性を主に訴えました。

許された僅か5分間のトランプ大統領へのプレゼンで宇宙を語ったことや、米空軍が有志連合国を含む共同航空宇宙作戦センターで宇宙分野をリードしていることをアピールしつつ、宇宙アセット調達の問題点も訴えています

宇宙アセットの重要性や脆弱性が鍵であることは承知しているつもりですが、B-21やF-35やKC-46A等の大物航空アセットの調達に目途が立った余裕を感じないでもありません。
いやいや・・・やはり宇宙装備の脆弱性が頭から離れないんだと思いますが誘導兵器の発達で航空機自体のアピール度が低下していることを「首筋辺り」で感じているようにも思います

限定5分でトランプ大統領に説明したのは
Goldfein1-4.jpg●マティス長官の議会証言が行われた当日、4軍のトップがトランプ大統領と面談する機会を与えられ、それぞれが各5分で説明した。私はまず宇宙において空軍の果たしている役割を強調した
地球上全体を俯瞰する12個の衛星を運用しているが、そこから得られるデータ自体では役に経たず、意志決定に供するレベルの情報に変換して活用することで初めて意味を持つ。米空軍はその処理能力で航空宇宙優勢の多くを確保し、統合戦力の活動を根本で支えていると説明した

●またリビアのISIS拠点を、米本土を出撃したB-2爆撃機が往復32時間の連続飛行で任務を達成した件も取り上げ、米空軍が世界中で米国の国益を支えていると大統領に説明した
●最後に大統領に述べたのは、米空軍の全ての任務遂行は米国産業の成長そのものである点だ。ここ数年の軍縮小で史上最低規模にある空軍だが、あるべき規模や体制を取り戻し、国家の負託に応えたいと説明した

宇宙練度は連合や共同で飛躍的に進歩
Space Fence1.jpg●例えば最近発生した無人機MQ-9の衛星通信トラブルでは、従来なら数日から数週間対処に必要だったものが、分単位で解決されるレベルに進化している
●当該事案は「衛星通信への干渉発生」がトラブルとなったが、連合の航空作戦センター(CAOC)が問題を把握し、多様な関係者がチームで問題解決に取り組み、問題を分析して関連捜査員とレポートを共有して対処に当たった

数分の間に、有志連合国の装備が妨害源となっていることが突き止められ、問題解決に繋がった。このような迅速な問題処理は、CAOCに多様な関係者が一堂に会して勤務することで可能になることである
●平均すると、このような問題解決に要する時間が1/8に短縮している

宇宙ドメインの主導を米空軍に
Gold-Live.jpg米空軍を宇宙を主導する軍種に指名してほしい。米空軍の兵士に統合の場で宇宙のより大きな役割を担わせて欲しいまた「family of systems」アプローチを、国防省全体の宇宙活動に導入して欲しい
●我々は戦略レベルで、宇宙ドメインを統合参謀本部や地域コマンド司令官たちとどのように導くかについて議論を必要としている

●最後にMike Rogers下院議員が取り組んでいる宇宙アセット調達改革について言及し、宇宙に関わる計画の意志決定に、60もの異なる関係者が意志決定に関わる現状の規定を、「この複雑な規定により、調達戦略の一体性が損なわれている」と訴えた
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4軍のトップである参謀総長や司令官でも、報道されるトランプ大統領の主張や「大統領令」を気にしながら、何を語るべきか思案している様子が伺えます

Birds-Tra2.jpg「偉大な軍隊」を取り戻すには無駄を削減することも必要で、4軍が互いに根回しして政権と対峙しないよう、4軍に連携させないよう分断策を採るのでは・・・と推測する方もいらっしゃいますが、現時点では何とも言えません

それにしても・・・今回のマティス長官来日ですが、あまりに日本関係者が聞きたい事をポンポン言ってくれるので有り難いのでしょうが、とりあえず対ISISが忙しくなるから、対中国や対北朝鮮には「たっぷり口先介入」だけで時間稼ぎ・・・の思いが滲んでいるような気がします

宇宙関連の記事
「新型宇宙監視望遠鏡が部隊へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-19
「宇宙改革法案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-13
「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08

「宇宙アセット防御予算8割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-01-1
「米空軍の宇宙姿勢を改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-19-1
「F-15から小型衛星発射試験へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09

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元NY市長が仲介:米イスラエルのサイバー協力強化へ [サイバーと宇宙]

Netanyahu cyber.jpg1月31日、イスラエルのネタニアフ首相が大規模なサイバー関連イベントで講演し2月中旬に訪米の際に、米イスラエル間のサイバー協力態勢を更に強化する提案を行うと明らかにしました。

どうやらこの提案は、イスラエルからの一方的な強化提案ではなく、トランプ政権のサイバー対処担当が先週既にイスラエルを訪れて下調整を開始しているようで、「出来レース」のようです

もちろん、事柄の性質上、協力強化の方向性まではネタニアフ首相は発言していませんが、トランプ大統領とネタニアフ首相が組むとなれば、何が飛び出すか判りません。

1月31日付「Fifthdomain」記事によれば
Giuliani cyber.jpg●1月31日、「CyberTech international」2017年次総会で講演したネタニアフ首相は、数千人の会議参加者に向け、「イランが当地域や西側の主要インフラへのハッキングを試みている。インターネットに接続されているモノは、悪意に満ちた奴らにハックされる可能性がある」と述べ、
●「だから来るワシントンDCでのトランプ大統領との会談で、私はサイバー協力を話題に取り上げるのだ」と聴衆に語りかけた

●そして同首相は、「米国とイスラエルはサーバー分野をリードする2大パワーである。米国が先頭を走っているが、イスラエルは直ぐそこで肩を並べる勢いがある」とイスラエルのサイバー能力を訴え、「両国間の政府間協力だけでなく、サイバー関連企業同士で何が出来るのかを考え、本分野における両国間の関係強化を進める事が極めて重要だ」と語った
●また同首相は、トランプ政権の「軍以外のサイバー問題担当:civilian cybersecurity issues」であるRudy Giuliani元NY市長と先週会談したと明らかにしつつ、両政府間で「重要な議論」が既に開始されているが、新政権と(更に)協力を積み重ねル事を希望すると述べた

Giuliani cyber2.jpg●先週イスラエルの国営放送に出演したGiuliani氏は、トランプ大統領から両国共同のサイバー委員会設置が設置できないかと要請されていると明らかにしている
Giuliani氏は今年1月にサイバー補佐官役に任命されているが、彼はNY市長を初めとする法執行機関での大きな業績の他に、民間部門のサイバー対策業務に16年間従事してきた経験を持っている

●またイスラエルは、世界人口の0.1%程度の人口しかないが、世界中の民間サイバーセキュリティー投資の約20%を受注するサイバー大国でアリ、ネタニアフ首相は「人口比率からすれば、イスラエルは200倍の働きを本分野で果たしている」と自信を見せている
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Giuliani氏については、NY市長として同市の治安を劇的に改善して重大犯罪を削減した功績ぐらいしか知りませんでしたが、サイバー問題にも実績があるんですねぇ・・・

でも、両国が新たな協力で何を目指すのでしょうか? ヨルダン川西岸地区への入植地増殖を黙認(陰で推奨)しそうなトランプ政権ですから、訪米時の両国合意では、中東7ヶ国からの入国禁止に見られるように、サイバー戦での人権側面のハードルが下がったり、攻撃的なサイバードメインの使用であったり、結構過激な協力枠組みが飛び出しそうな気がします。色々想像をかき立てられます・・・

最近のサイバー関連記事
「米空軍が兵器のサイバー対策室」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-05
「米軍サイバー機関の問題議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-14
「自ら創造したサイバー空間に苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-20

「サイバー脅威の変化と対処を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-21
「装備品のサイバー脆弱性に対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02
「2017年予想イスラエル目線」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-02

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米空軍が兵器システムのサイバー対策室設置 [サイバーと宇宙]

CyberPolicy2.jpg4日付米空軍web記事が、昨年12月21日に米空軍ハンスコム基地に、兵器システムの調達、配備、訓練、作戦運用、維持の全般にわたるサイバー対処(抗たん性強化)を司る組織を立ち上げたと紹介しています。

初期運用体制が確立されたのはCROWS(Cyber Resiliency Office for Weapons Systems:兵器システムサイバー抗たん性室)で、今後、全ての米空軍関連組織から人材を集めて業務を本格化させるようです。

これまでも何回か取り上げましたが、サイバー対処のイメージとして情報システムやネットワークが思い浮かびますが、個々の兵器がそれぞれ集積回路やICチップを搭載してプログラムにより稼動している現状から、各兵器ごとの対策の必要性が急速に問題として浮上しています

特に、未だ多くが最前線で使用されている20世紀に設計製造された兵器群は、サイバー戦の脅威を想定せずに出来上がっており、被害防止や対策が極めて難しい状態にあると言われています。
今回のCROWS設立は対策の第一歩に過ぎないのでしょうし、事柄の性質上、規模や組織や業務内容の細部は不明ですが、とりあえずご紹介し、その重要性を確認したいと思います

4日付米空軍web記事によれば
cyber01.jpg●CROWSの役割は、サイバー戦を仕掛けてくる敵に対し、米空軍全ての兵器システムが有効性を維持することである
●同室の長であるDennis Miller氏は、「サイバー脅威はネットワークへの侵入やウイルス感染だけではなく、個々の兵器システムへの影響であり、我の任務達成にとって今そこにある危機といえる」と語っている

各兵器システムは個々に異なり、従来の情報システムに対するサイバー対策をそのままでは活用が難しく、有効で効果的なサイバー対策にするためには、それぞれに応じて対策を仕立てる必要がある
●同室長は、兵器システムの調達、配備、訓練、作戦運用、維持の全般にわたるサイバー対処を米空軍全体で連携して行い、また米空軍全体のサイバー対処枠組みである「CCP:Air Force Cyber Campaign Plan」の戦略的焦点を合わせる必要も語った

●米空軍省のDaniel Holtzmanサイバー技術課長は、個々の兵器の開発、調達、作戦計画と実行、維持訓練を含めた複雑な組み合わせの全ての段階で、サイバー脅威を意識した取り組みが必要だと語っている
●そして更に、外部要因である環境や敵の戦術が組み合わさって複雑さを増幅し、相互作用することによって、リスク削減の取り組みに恐ろしいレベルの総合的な対処を求めている

cyber1-82e9c.jpg●CROWSが取り組み始めている仕事には、各兵器計画の管理と進捗監視で、「リスク分析」「システム設計へのサイバー対処組込」「適応性と機敏性の推進」「人材の育成」「費用対効果の追及」「サイバー情報と対処部署の連携」などである
●CROWSの上級組織として、米空軍省のJeff Stanley調達担当次官補代理が責任者を務める「Cyber Resiliency Steering Group」が既に設けられており、戦略レベルの指針と米空軍全体の取り組み融合を図ることになっている
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Work副長官は米軍の今の規模を維持するのに、老朽装備品の更新や先送りしている維持整備費の確保等だけで年間約10兆円の予算増が必要だと現状を語りつつ、それを犠牲にしても最優先で確保したいのがサイバー強靭性向上のための年2兆円の予算だと語っていました

cyberwar2.jpg様々にサイバー攻撃への対処の必要性を取り上げて来ましたが、戦闘機命派には全く伝わっていないようで、パイロット以外の誰かがやるだろうと「全く眼中に無い」状態だと風邪の噂で聞き及びました

新年早々、ため息の出る話ですが、ことしもチマチマと外野から危機感を訴えたいと思います

「装備品のサイバー脆弱性に対処」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02

サイバー関連の記事
「米軍サイバー機関の問題や対策を議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-14
「自ら創造したサイバー空間に苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-20
「サイバー脅威の変化と対処を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-21

「対ISサイバー作戦で大きな教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-23
「日本とイスラエルが覚書へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-21
「成果Hack the Pentagon」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1

「組織の枠を超えた情報共有を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-07
「中国には君らも脆弱だと言っている」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-23

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米軍サイバー機関の問題や対策を議論 [サイバーと宇宙]

CyberspacePolicyRe.jpg12日、サイバー戦問題を議論する会議が「軍事Communications and Electronic Association」の主催で行われ、米軍の関連現役やOBが諸問題と対処策について議論しています。

事柄の性格上、細部や具体的な事例がなく理解が難しいのですが、学際より企業との緊密な連携、組織の増強や効率性改善、装備導入手続きの迅速化・簡素化の必要性、同盟国等(特に極東の国)との連携強化の重要性等々が議論されたようです。

この会議が、米空軍幹部の発言が多くのでイベントの対象者が不明ですが、14日付米空軍協会web記事3本から、米空軍関係者の発言をつまみ食い紹介します、

官民の協力強化が必要不可欠
●米空軍のChief Information Officer(中将)は、今後効果的にサイバー戦を行うには、官民の協力強化が必要不可欠でアリ、「作戦運用者と機材提供企業関係者が相互運用性を持ちつつ共同すること」が作戦サイバー部隊の構築成功の鍵となると語った
CyberPolicy2.jpg●国防長官サイバー補佐官補(空軍少将)も、あたらな脅威に迅速に対処するため、「産業界、学会、特に小規模なベンチャー企業」との協力関係構築のために努力中だと語り、これが敵に技術面で先んじる鍵だと説明した

●国防情報システム庁の副長官である空軍少将は、産業界との連携の重要性を訴え、良いアイディアがあれば協力相手は選ばない方針だと語る一方で、学会は概念優先で実用面でそれほどでも無いと率直に語った
●また「Hack the Pentagon」に代表されるような、一般社会の力を活用する取り組みも今後重視していくと説明した。更に、年末までに革新を促進する契約のアイディアを募る文書を発出すると説明した

●産業界との関経強化に加え、「non-natural partners」を求めると語り、特に極東の同盟国等との関係強化を進め、学ぶ姿勢で世界中での活動能力を高めたいと述べた

政権引継ぎで「権限」の問題が議論に
cyber army kit.jpg●先述の国防長官サイバー補佐官補(空軍少将)は、政権移行チームとの会議でも、前線指揮官が迅速にサイバー脅威に対処するため、前線に権限をどのように委任し、決断を早くすべきかが最大の問題だとの議論になったと語った

●また、より複雑化するサイバー攻撃に対処するため、如何に迅速に新装備や手法を導入して前線に投入するかが課題で、調達プロセスがトラブルの核心にある
●そして両名は、「前線指揮官の要求に迅速に応えるには、200ページの要求文書で意思疎通するのではなく、短節な文書で迅速に行う必要があるのだ」と訴えた

●サイバー補佐官補は、対ISILでのサイバー戦が効果的かつ効率的に行われておいることを紹介しつつ、サイバーコマンドが6200名体制で133チームからなる「CMF:Cyber Mission Force」を2012年に立ち上げ、10月に初期運用態勢を確立したことを賞賛し、2018年末の完全な態勢確立に大きな期待を寄せた
●一方で、まだまだサイバー部隊の規模が不足していると指摘し、戦前指揮官から急増するサイバー関連要求に十分に対応できない現状を訴え、更なる成長の基礎として中高校生を対象とするサイバー教育プログラムを推進し、有能な若者を育てて行く必要を語った

退役准将は更に辛辣に非効率性を訴え
cyber01.jpg●2012年に退役し、現在はサイバー対策関連企業の副社長であるScott Bethel氏は、国防省は情報活動と通信活動の狭間でサイバー防御に苦しんでいるが、その背景には「リスクを伴う挑戦には冷たく、成功や見せかけの成功だけを讃える傾向があるからだ」と訴えた
●そして「米空軍長官とその側近がリスクやミスに寛容でないため、革新的なアイディアや計画が行き詰まっている。背景には何でも法律家に相談してからとの姿勢があるからだ」と批判的に語った

●また国防省組織全体の効率性を問題視し、現実として「軍人であれ文民であれ、国防省勤務者の1/3は何も仕事をしていない」と語り、官僚機構の機能不全を排除するため、国防省はISR機関に人事管理の権限を移管すべきだと語った
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西側諸国のサイバー戦に関する問題点を復習する内容となりました。何処に国にも当てはまる問題です。ちょっと「international allies from the Far East」がどの国や組織を指すのかが気になりますが・・
企業との協力強化はカーター国防長官が注力してきた分野ですが、時代のニーズでしょう。

cybercrime1-.jpgところで、14日にトランプ氏がトランプタワーで、ハイテク企業(Apple, Facebook, Amazon, Google, Oracle, Microsoft and IBM等々)のトップ級と会合を持ったそうです

概してこれらハイテク企業首脳は、大統領選挙時に「反トランプ」だった人が多く、特にカーター長官が立ち上げた「DIB:国防革新評議会」メンバーにもGoogleのトップ等が入っているのですが、トランプ氏とどのように折り合いを付けて話するのかに注目が集まっています

そして、国防技術革新へのトランプ氏の姿勢も窺い知れるかも・・・と気になっています

最近?のサイバー関連記事
「自ら創造したサイバー空間に苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-20
「サイバー脅威の変化と対処を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-21
「装備品のサイバー脆弱性に対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02

「対ISサイバー作戦で大きな教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-23
「日本とイスラエルが覚書へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-21
「成果Hack the Pentagon」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1

「組織の枠を超えた情報共有を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-07
「中国には君らも脆弱だと言っている」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-23

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自ら創造したサイバー空間に苦悩する米国 [サイバーと宇宙]

Cyber-new2.jpg18日付Defense-Newsが「人類は将来のサイバー空間を整形する能力を持つ」との記事を掲載し記事のタイトルとは異なり米国防省の研究機関が生み出したものの現在はその手を離れたインターネット世界が、民間商業活動で安全性を確保できないままの状態で増殖し続ける様子に危機感を示しています

ネット世界を生み出したDARPAの担当部長がお手上げ状態を示唆し、国家情報局長DNIも米ソが異なるシステム上で活動していた冷戦当時を懐かしみ、数百年の期間を経て構築された「海洋法」のような「規範」が誕生するまで耐えられるか・・・と言ったため息が聞こえてくる状態です

あまり救いのない記事ですが、サイバー世界の現状を感じることが出来る記事ですので、つまみ食いでご紹介します。長期間、サイバーの話題を扱っていないこともあり・・・

18日付Defense-News記事によれば
Cyber-new1.jpg●現代では、戦いのドメインは陸海空と宇宙とサイバーだと言われているが、サイバードメインのみが人類が生み出した空間である。従って将来その空間を整形する可能性があるとも言える。
1969年にインターネットの起源である「ARPANET」を4台のコンピュータ連接で実現した国防省高等研究計画庁DARPAだが、現在の情報分野責任者のKerry Long氏は16日、サイバー関連会議で「変えることが出来るはずだ」と願望を込めて語った

●しかしLong氏は、今後10年で商業クラウドへの依存度合いが増し、サイバー空間はますます「霧が濃くなる」と表現し、皆がAmazonを利用することが増えるだけ中国もロシアも皆が同じサイバーインフラに依存する傾向を強めていくと語った
●そして情報機関はこの傾向に抵抗してきたが、独自の世界を作ってはおらず、商業ベースに巻き込まれているのが現実。Long氏は現在のサイバー空間の状況をDARPAの責任ではないと語ったが、次世代のネット社会のマスクラウドで防御態勢が弱ければDARPAの責任だと語り、研究に投資していると述べた

Cyber-new3.jpg●国家情報長官DNI(Director of National Intelligence)のJames Clapper氏は17日に下院の情報委員会で、基本的にインターネット世界は不安全で、ネットに依存するほど防御施策を採る必要がある世界になっていると述べ、ハッカーやテロリストと敵国と同じ空間を利用している点を指摘した
●そしてClapper氏は冷戦当時を懐かしみ、米ソがそれぞれ独立した相互連接がない通信ネットワークを使用していた時代が良かったと思うことがあるとも語った

Work国防副長官も同委員会で、現在使用している米軍の兵器システムは全て、サイバー脅威が意識されていなかった時代に設計されたもので、今になってサイバー攻撃への脆弱性を確認し、優先順位を付けて対処することが国防省の大きな課題となっていると証言している

海洋法の規範形成には数百年が
Clapper2.jpg●Clapper国家情報長官はまた、法的、政策的難しさも指摘し、サイバー空間での抑止が大きな課題だと語った。サイバー攻撃を受けた際の対応として、サイバー空間内で反応するのか、他ドメインでも反撃するのか等々に関連していると説明した
●そして匿名の世界であるサイバー空間での規範形成について、海洋法の形成に数百年を要した歴史をサイバー空間で繰り返すだけの時間的余裕はないと同長官は訴えた

●また非国家アクターの行動を規制することの難しさに言及し、中国とでも2015年9月のサイバー合意で知的財産保護や企業への攻撃防止に効果があるが、非国家対象の場合は難しさが増していると語った
●更にサイバー空間の相互依存性が増す中、基本的に同じサイバーインフラのクラウドに依存していることから、例えばウォールストリートでのトラブルが中国国防省に影響を与えることもあり得ると考えなければならないともDNI長官は表現した

情報機関が他国の情報機関への侵入を試みたとして、今はその行為が証券取引所や社会インフラに影響を与えることをあまり懸念していないかもしれないが、同じネットクラウドに依存して連接の複雑性が増す傾向にある中、今後はどこに影響が出るか分からない点に配慮が必要になる
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Cyber-new.jpgそれにしても・・・サイバー関連記事が9月27日以来というのも、反省材料です。本分野への「リテラシー」が完全に不足しているからですが・・・
目新しい情報が含まれるわけではありませんが、米国自らが生み出したサイバー空間への対応に、最も苦慮しているのが米国との光景が皮肉です。

「お手並み拝見」と斜に構えて見ていられる状況ではないのが日本の様な先進国で、ある意味、米国との連携無くして対処が事実上不可能なドメインとも言えます。
トランプ政権との関係に置いて、核抑止や通常戦力配備と共に、サイバー空間での協力にも関心を持っていたいものです

最近?のサイバー関連記事
「サイバー脅威の変化と対処を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-21
「装備品のサイバー脆弱性に対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02
「対ISサイバー作戦で大きな教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-23
「日本とイスラエルが覚書へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-21

「成果Hack the Pentagon」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1
「組織の枠を超えた情報共有を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-07
「中国には君らも脆弱だと言っている」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-23

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新型の宇宙監視望遠鏡が米軍運用部隊へ [サイバーと宇宙]

SST1.jpg18日、米国防省の国防高等研究所DARPAが、地球を周回する衛星やデブリを地上から監視観測するための望遠鏡(SST:Space Surveillance Telescope)を、設計開発段階が終わったので米空軍宇宙コマンドに管理を移管すると発表しました

現在は、ニューメキシコ州のお馴染み「White Sandsミサイル演習場」に設置して開発&試験を行っているSSTですが、今後豪州に移設して、豪州と米空軍宇宙コマンドが協力して運用していく計画です

なお、約4年前にこのSSTの話題を紹介した際には、DARPAから2014年には豪州への移設を開始し、2016年には運用を開始する計画だと発表があったのですが、現時点ではまだ移設が完了しておらず、運用開始時期も2020年に延期されているようです。理由や背景は不明です

19日付米空軍協会web記事によれば
18日DARPAは、SSTを設計&製造段階から新しい運用ステージに移行させるため、管理をDARPAから米空軍宇宙コマンドに移管すると発表した
●DARPA発表では、「従来の望遠鏡が大きな物体をストローの穴から覗くようなイメージだとすれば、新設計のSSTは自動車の運転席から広範囲にものを見る感覚だ」と説明している

SST3.jpg●開発段階のSSTは、2015年に720万個の宇宙物体を観測したが、2016年には1000万個になる見込みであり、新たに地球周回宇宙物体を3600個発見し、地球近傍に69個も発見している
●SSTの主任務は、宇宙デブリを発見追尾し、衛星との衝突防止や、地球落下の際の注意喚起をするためである

●DARPAのLindsay Millard担当責任者は、SSTの価格は約190億円であるが、地球周回軌道の全てを監視するには、更に3台のSSTが必要だと説明している
White Sandsミサイル演習場で試験が行われているSSTだが、2013年には、将来豪州西部のExmouthに所在する海軍「Communication Station Harold E. Holt」に移設することが両国間で合意されている

●SSTは分解して海上輸送され、豪州にて米空軍宇宙コマンドと豪州政府の共同で運用されることになっている。初期運用態勢確立は2020年を予期する

2013年12月の米空軍協会web記事では
SST2.jpg2013年11月に結ばれた米国と豪州間の合意に基づき、SSTは2014年に豪州に移設される予定。DARPAはまた、2016年に移設先で運用を再開すると発表している
●(当時のDARPA担当責任者の)Travis Blake中佐は、「ソフトボール大の大きさの物体を、同時に1万個観察できる」と新しいSSTの性能を語った

SSTの豪州移設に際しては、豪州政府が敷地を提供し、運用を担当する。米空軍はSSTを所有し、豪州と運用と維持整備経費を分担する。
●なお米国は、宇宙状況認識強化のため、SSTの他に、C-Bandレーダーを豪州に移設する
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このSST計画の遅れの理由は不明です。またC-Bandレーダー豪州移設については、完了したとの報道を見た記憶がありますが、現状を把握していません

Space Fence1.jpgまた、Sバンド周波数を活用する、宇宙監視レーダーシステム「Space Fence」との任務分担も良く理解していません

しかし、米国防省は2012年頃から国際的な宇宙状況把握協力を推進しており、日本の航空自衛隊レーダーやJAXAの望遠鏡にも参画を要望してきているようです

「米軍が豪に宇宙監視レーダー移設」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-15
「空自レーダーで宇宙監視?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-17
「Space Fence試験レーダー完成」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-29
「米空軍のSpace Fenceを学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28

日本のこの分野での動きは寂しい限りです。戦闘機だけに投資しているからですが・・・

2015年4月に米国と「宇宙協力作業部会」設置に合意し、同年10月と2016年2月に作業部会を開催し、「政策協議の推進」「情報共有緊密化」「専門家の育成協力」「机上演習の実施」の検討を推進することになっていますが・・

平成29年度防衛省概算要求では、以下の14億円程度が実質予算
http://www.mod.go.jp/j/yosan/2017/gaisan.pdf (4.3MB)

●宇宙状況監視に係る取組(14億円)
→米国及び国内関係機関との連携に基づく宇宙状況監視(SSA)に必要となる宇宙監視システムの整備に係る基本設計等と、運用要領の確立に向けた準備態勢のさらなる強化
●米空軍宇宙業務課程等への派遣(0.1億円)

更に姑息なのは、米国への「ごまかし説明」のためか、「概算要求説明資料」では、「宇宙関連経費1289億円」との数字を大きくアピールしている点です。

Space-2017fy.jpg実質14億円なのに衛星通信利用費(1133億円)や画像衛星&気象衛星利用費(471億円)を水増しに利用し、本当に必要で米国が努力している「宇宙情勢認識」強化のための予算が少ないことを誤魔化そうとしているのです!!!

こんな事では、「戦闘機機数維持」の組織防衛にのみ注力して「亡国のF-35」と心中し、「脅威の変化」に追随出来ない組織になってしまいます

関連の過去記事
「米軍が豪に宇宙監視レーダー移設」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-15
「空自レーダーで宇宙監視?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-17
「Space Fence試験レーダー完成」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-29
「米空軍のSpace Fenceを学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28

宇宙での戦いを訓練
「Red-Flag指揮官が宇宙幹部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19
「民間企業も交え大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-05
「欧州を主戦場に大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11

「国際宇宙演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-19
「サイバーと宇宙演習の教訓1」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「サイバーと宇宙演習の教訓2」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02

宇宙関連の記事
「宇宙改革法案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-13
「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08

「宇宙アセット防御予算8割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-01-1
「米空軍の宇宙姿勢を改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-19-1
「F-15から小型衛星発射試験へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09

東アジア戦略概観2016(宇宙ドメインも解説)
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-25

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サイバー脅威の変化と対処を語る [サイバーと宇宙]

単なるスパイ行為から、攻撃や乗っ取り行為へ増長

Mclaughlin2.jpgGrosso4.jpg20日、米空軍協会の航空宇宙&サイバー総会の2日目も様々な米空軍関係者が語っていますが、本日は強面のサイバーコマンド副司令官とサイバー人材確保を担うチャーミングな女性中将の講演からご紹介します

副司令官がサイバー脅威の変化と民間部門での攻撃激化を語りつつ、人材確保にそれほど悲観的ではない一方で、空軍司令部初の女性人事計画部長である女性中将は、有能な人材の確保困難を訴えています。

相反することを言っているのではなく、前線部隊は頑張れると語り、司令部はその難しさを語るとの、巧みな任務分担と理解致しましょう・・・

追加で米空軍の研究開発を担当する女性大将が米空軍の「サイバー7つの取組」を紹介していますのでご紹介します。

サイバー脅威の変化と攻撃激化
McLaughlin4.jpg●Kevin McLaughlin副司令官は、敵はこれまでの単なるサイバースパイ行為から、より攻撃的になり、またネットワークの乗っ取りにも手を出し始めていると訴えた
●そして、この様な攻撃を受けた米軍部隊は、自身のネットワークを自分たちでコントロールできているのか?、ネットワーク内のデータが信頼できるものなのか?、に悩まされることになると説明し、従来とは異なる軍事問題だと語った

●同中将はまた、同コマンドがサイバー脅威の変遷を監視しているとしながらも、非軍事分野での任務が「重大な結果をもたらす攻撃」への対処に限定されていることから、メディアで報じられるようなサイバー攻撃対処には関与していないと説明した
●何が「重大な結果」なのかの定義は常に見直されており、脅威の性質や頻度の状況を踏まえれば、「重大な結果」をもたらす攻撃が近い将来に発生する可能性があると語り、公共インフラや金融機関のサイバー状況を監視する機会はあまりないが、必要な対処がとれるように訓練を行っていると述べた

サイバー人材確保に多様な見方
McLaughlin3.jpg●McLaughlin副司令官はサイバーコマンドの要員確保について、要員の訓練初期段階でその難しさから離職者が出るのは事実だが、サイバーコマンドの6000名体制を維持するために困難を感じたことはなかったと語った
●ただ、長期的視点で経験を積んだサイバー戦士を引き留められるかについては現時点で述べることは難しいと語ったものの、継続勤務ボーナスや、民間分野では出来ない「fighting in the cyber domain」等の種類の仕事に従事できることの魅力が人材確保につながっているとも説明した

初の女性人事計画部長の見方は
●一方、空軍司令部初の女性人事計画部長であるGina Grosso中将は、「サイバー戦士:cyber warrior」の定義が曖昧なことから、民間で活躍するサイバー関連人材を見極めることが難しいと語った
Grosso.jpg●同中将はそして、下士官が8割を占めるサイバー関連ポストに適合する、民間技術者を募集採用して継続勤務させることが最大の課題だと表現した。

●もう一つの課題としてGrosso中将は、退役軍人の優先雇用施策と米空軍の新卒者を希望する思いに、民間での賃金コストが絡み、複雑な側面を形成していると語った
あちらを立てれば、こちらが立たない状況で複雑だが、全米から有能な人材を確保するとの大前提から、民間からの採用には優先して取り組みたいと同部長は語った

開発担当司令官が7つの取り組み訴え
(Materiel CommandのPawlikowski司令官)
まず、どこにサイバー脅威があるかを分析し対処する。F-16を例に取れば、飛行中は問題ないが、地上で自動システム判定装置を連接する際やソフトを開発して投入する時
2つ目は、今後のシステム開発やシステムのバージョンアップ時に、どのようにサイバーセキュリティーを導入するか

pawlikowski11.jpg3つ目は、必要なサイバー専門家を養成すること
4つ目は、迅速に効率的にシステムアップを行えるよう、オープンシステムを使用すること。そうしないと、GPSを改良するのに10年も必要では敵にかなわない

5つ目は、サイバー脅威の共通理解と対処手引きの非公開ガイドを作成する
6つ目は、旧式のシステムにどのようにサイバー耐性を付与するか
7つ目は、サイバー関連の最新情報を如何に対処法に組み込んでいくか
///////////////////////////////////////////////////

まんぐーす自身もピンと来ていないサイバー攻撃問題ですが、最近不審メールの数が増え、金融機関からの「注意喚起メール」の頻度が増えていることは身をもって感じています。

McLaughlin副司令官は、米軍サイバーコマンドの任務範囲を拡大した方が国家として有益だと言いたいのでしょうか? 任務を拡大することで、人材確保を有利に進めたいとの思いからでしょうか?

Grosso2.jpg勝手ながら、このGina Grosso中将を応援させていただきます! 「Personnel Programs and Force Programs Analyst」との職種で、直近の米空軍「Sexual Assault対策室長」を含め、人事や人材管理のエキスパートです。

海外勤務が、中佐として勤務した韓国オーサン基地での基地支援業務隊長だけとの特殊な人事ですが、次の女性大将最有力候補ですね!!!

最近のサイバー関連記事
「装備品のサイバー脆弱性に対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02
「対ISサイバー作戦で大きな教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-23
「日本とイスラエルが覚書へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-21

「成果Hack the Pentagon」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1
「組織の枠を超えた情報共有を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-07
「中国には君らも脆弱だと言っている」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-23

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装備内蔵システムへのサイバー攻撃に備えて [サイバーと宇宙]

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Cyber-EX.jpg1日付Defense-Newsは、米国防省が議会に対し、技術分析予算の一部を研究・試験・評価予算に振り替え、主要な兵器システムのサイバー攻撃に対する脆弱性評価費の増額に充当したいと要請したと報じています

主要装備のサイバー脆弱性評価は、議会の要請を受けオバマ大統領が2015年に命じたもので、2019年末までに評価結果を議会に報告することになっており、既に約200億円の予算が計上されていますが、今回更に追加で約100億円を振り替え使用要求したものです。

この問題は、サイバー攻撃と言えばパソコンや情報システムが対象と想定しがちですが、兵器や整備機材に搭載されている集積回路やチップもサイバー攻撃の対象になる可能性があり、全てをネットワークで連接して迅速な使用を意図する方向にある中、重大な懸念となっている現状が背景にあります

1日付Defense-News記事によれば
CyberspacePolicyRe.jpg●最近関連のレポートをCNASから発表したGeorge Washington大学のJacquelyn Schneider准教授は、過去20年間に製造された西側の兵器は「戦場で極めて高い効果を発揮したかも知れないが、ネットワーク攻撃には極めて脆弱だ」、「衛星通信、GPS、戦闘空域情報などネットワークから得る目標情報への依存が急激に進んでいる」と指摘している
●そしてデジタルネットワーク情報に大きく依存している兵器システムとして、F-35とDCGS(作戦情報分析共有システム)を上げた

国防省の試験評価部長であるMichael Gilmore氏も2015年、ほぼ全ての国防省システムがサイバー攻撃に脆弱だとする報告書を出し、特に2014年時点で40個のシステムは早急な対策が必要だと指摘した
●また国防省の科学技術諮問委員会の2013年報告書は、国防省は兵器システムの使用や運用に関するサイバー安全性には注意しているが、兵器やその支援装備の内部のIT回路や部品レベルへの対策を放棄していると警告を発していた

●同諮問委員会の報告書は、「現代の世界は高度に連接され自動化が進んでいるが、全ての電子的な演算チップ、記憶装置、ソフトウェアを備えた装置は、国防省の兵器も含めサイバー攻撃の対象となり得る」と警鐘を鳴らしている
●更に同報告書は、「サイバー攻撃によるわずかなシステムへの作用でも、兵器を無効化することが可能」であり、各システムのサイバー攻撃への脆弱性を予測することは難しいと強調している。(つまり、全ての兵器や装備に注意しなければならない

●今年6月に実施された、協力者ハッカーの協力を得た作戦運用に直接関与しない国防省システムの脆弱性チェックで、138箇所もの脆弱点が発見されたことは記憶に新しい。
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CyberPolicy2.jpg中国やロシアなら、Schneider准教授がCNASレポートで指摘したF-35とDCGS(作戦情報分析共有システム)を今後重点的に狙いに来るでしょう。

F-35の場合、全世界の整備部隊や企業を結ぶ自動兵站支援システムALISを使用することになっていますが、細心の注意が必要です。サイバー対処が追いついていないとの指摘も、かねてから出されています。

いずれにしても、米軍だけでなく、世界の軍隊が自分のこととして真剣に取り組むことを求められています。そしてその経費は、戦闘機の数を削減してでも捻出する必要があると思います

CNASのJacqueline Parzialeらのレポート
http://www.cnas.org/open-source-software-and-DoD

関連の記事
「個人意識で8割解決」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-22-1
「航空戦力でサイバー戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-17
「閉鎖ネットワークにサイバー攻撃を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-18

「成果発表Hack the Pentagon」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1
「イージス艦サーバー企業が中国に身売り」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-06

中国製のニセ部品関連
「F-35センサー中国製造疑惑」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-14-1
「上院の偽部品レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-23-1
「米国製兵器は偽物だらけ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-29
「中国製にせ部品との戦い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-10

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SpaceXロケット爆発とイスラエル衛星と中国 [サイバーと宇宙]

Falcon 9-Ban.jpg1日、Space-X社のFalcon 9ロケットが発射準備中に爆発し、4日に打ち上げ予定だったイスラエル民間通信会社「Spacecom」の通信衛星「Amos-6」が失われました
Falcon 9ロケットは、2015年6月に国際宇宙ステーションへの補給物資打ち上げ後に爆発失敗しており、それに続く業務打ち上げ失敗となりました。

米国防省は安全保障関連の衛星打ち上げをULAに独占させたくないことから、競争原理の導入を狙ってSpace-X社のFalcon 9を安保衛星打ち上げ用に承認し、今後新型GPS衛星「GPS III」の打ち上げ等を同ロケットで計画しているだけに、衝撃が広がっています

原因は探求中とのことですが、同衛星は「Facebook」と「Eutelsat Communications」が組んで活用し、サブサハラ地域にKaバンドでインターネットを提供する事を担っていただけに、FacebookのZuckerberg氏も「アフリカ大陸の起業家達をつなぐ衛星打ち上げ失敗に、深く落胆している」とコメントしています

ただ影響はこれに止まらず、イスラエル民間通信会社「Spacecom」の中国企業への「身売り」契約や、イスラエル衛星産業の維持にも関わっているとの複雑な世界を垣間見る話しに発展中です。全くの興味本位ですが、生暖かくご紹介します

1日付Defense-News記事によれば
Amos-6-Zak.jpg●「Spacecom」用の通信衛星「Amos-6」は、イスラエルの準国営企業IAIが約200億円で製造した同国企業史上で最も高性能の通信衛星だった。
IAI社は、米国企業等との衛星受注争いを3年がかりで勝ち抜き、やっと「Amos-6」受注を獲得し、今後のIAIの衛星事業部門の生き残りをかけ「Amos-7」や「Amos-8」の売り込みを開始していた所だった。

●そんな最中の8月24日、「Spacecom」は「Amos-6」の打ち上げ成功を一つの条件として、中国系企業「Xinwei Technology Group」の身売りを発表した。
●仮に企業の売却が成立すれば、IAI衛星部門が今後衛星を受注する可能性はほとんど無くなると考えられて居た

●しかし今回のロケット爆発&衛星喪失で、「予期しない惨事に企業は本質的な影響を受ける」とコメントした「Spacecom」の中国企業への売却話は不透明になった
●一方でIAIにとっては、保険料を受け取る「Spacecom」からの「Amos-6」代替衛星の受注の可能性や、中国企業への身売り話消失による将来衛星受注の「夢」が膨らむこととなったと、IAI重役が語っている

Amos-6.jpg●イスラエルの軍需産業専門家は、「IAIに取っては危機でもありチャンスでもある。全てはSpacecom社の交渉力と財力にかかっている。可能性は大きいとは言えないが、代替衛星を同社がIAIに発注する可能性はある」「一方で、既存の衛星を購入して活用する手段を執る緊急対策を好むのではないか」と見ている
●Spacecom社もIAI社も今後の対応については何も言及していない。ただしIAI社は1日付声明で「通信衛星事業は、IAIだけでなくイスラエルとの国にとっても戦略的なものである。国家として通信衛星製造ノウハウの継承が可能な態勢に向かうことを望む」と国としての対応も求めている

米空軍も爆発原因調査に協力
Amos-6-area.jpg●SpaceXの依頼を受け、米空軍衛星の同ロケットでの打ち上げを予定している米空軍も原因調査に加わっており、担当する宇宙&ミサイルシステムセンター司令官Samuel Greaves中将は、「今回の事故は米空軍衛星の打ち上げではないが、安全保障衛星の打ち上げに向けた安全と信頼性確保のため協力している」と声明を発している
●またNASAは、国際宇宙ステーションへの同ロケットによる打ち上げ時期延期の有無に関し明らかにせず、「(SpaceXへの)信頼に変わりは無い。本事案は打ち上げが容易でない挑戦である事を思い出させるが、我がパートナーは成功や失敗に中から常に学んでいる」との声明を出している
/////////////////////////////////////////////////

複雑な国際情勢を表す一つの事象として取り上げました。

イスラエルと中国のよく分からない水面下での関係、米国軍需産業とのイスラエル企業の争い、中東におけるイスラエルの存在と米国の姿勢、米国の安全保障衛星打ち上げビジネスの行方等々・・・興味は尽きないですが、「魑魅魍魎:ちみもうりょう」が住む世界でしょうから、これ以上の接近は危険だと思います

生暖かく見守りましょう・・・

Space-X社の参入とULAの不誠実対応
「ロケットの着陸回収に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-25
「混迷の米衛星打ち上げ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-24
「10年ぶり米軍事衛星打上げに競争導入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-03
「軍事衛星打上げにSpaceX参入承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-27

他にも問題が:露製エンジンへの依存
「国産開発が間に合わない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-29-1
「露製エンジンを何基購入?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-30-2
「米国安堵;露製エンジン届く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-22
「露副首相が禁輸示唆」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-22

イスラエルと中国関連
「中国がイスラエル製レーダーそっくりを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-24
「イスラエルと中国が大接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04-1
「中国に最新軍事技術流出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-25-1
「起業大国イスラエル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-20

イスラエルと台湾関連
「同じ小国イスラエルと台湾の米国関係」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-07-1
「日本とサイバー覚書きへ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-21
「イスラエルF-35は独自装備」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-05-1
「6種類の迎撃ミサイルでBMD演習」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-07-1
「意味不明:岡崎研究所が台湾戦闘機擁護」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-23-1

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あのRed Flag演習指揮官に初の宇宙幹部 [サイバーと宇宙]

時代の変化を感じさせるニュースです

Burt-Space.jpg13日付米空軍web記事は、11日から開始されている今年3回目のレッドフッラッグ演習「Red Flag 16-3」の指揮を、従来の戦闘機操縦者から初めて宇宙分野専門幹部(しかも女性大佐)が執っていると報じています。
「Red Flag」演習は米空軍が実施する最高レベルの実動演習で、空対空の航空作戦を中心として年間数回行われています。

今年も日本は同演習の「16-2」に参加していたと思いますが、毎年3回目の同演習は米軍だけに参加を限定したハイレベルな演習が計画され、今回の「16-3」演習も米空軍が最先端の戦いの様相や脅威を想定したシナリオを準備しているものと思われます

そんな重要な演習の指揮官を、戦闘機乗りでなく宇宙ドメイン専門幹部が指揮すると言うことは、米空軍が将来の戦いを、単に空だけでなく宇宙やサイバードメインを含めて考える必要があると強く認識しているからでしょう

13日付米空軍web記事は同演習を
Burt-Space3.jpg11日から開始された約3週間におよぶ「Red Flag 16-3演習」の指揮は、米空軍宇宙コマンドの第50宇宙航空団司令官のDeAnna Burt大佐が、演習用に編制された「Air Expeditionary Wing」司令官として執っている
●Burt大佐は、通常は操縦者が指揮する同演習の指揮官を命ぜられた初めての宇宙ドメイン士官で、「16-3演習」の主目的である「将来の敵を迅速に撃退するため、複数ドメインでの戦いの習慣を体得する」を達成するために演習をリードする

●Burt大佐が「我々は、空で、宇宙で、サイバー空間で戦い勝利を収める。本演習でこのことが試される」と述べているように、過去の同演習では「空ドメイン」が想定されていたが、今日では全ドメインを包含することが求められている
●また同大佐は、戦術的な任務遂行に際し、全ドメインの能力や手段を有効活用する作戦計画の立案や遂行に焦点を当てて参加者を導くこととなる。

●Burt演習司令官は「慣れ親しんだ快適な環境から抜け出て、kineticと非kineticの両方の手段を組み合わせて成功に導くよう指導していく」と語っている
●本演習には、初参加のF-35(海兵隊所属)を含む115機の作戦機と22の国防省・米軍部隊が参加し、広大なネバダ訓練場に設置された約2000個の各種目標を対象に訓練を行う

演習指揮官DeAnna Burt大佐について
Burt-Space2.jpg●1991年にROTC学生としてEmbry-Riddle航空工学大学を卒業。衛星運用を初めとする米空軍宇宙コマンドの指揮官職やスタッフ職を歴任
●この間、ネリス空軍基地の「USAF Weapons School」や米国防大学を「成績優秀者」として卒業したほか、米空軍大学の「School of Advanced Air and Space Studies課程」を操縦者達と共に履修している

●現在は米空軍宇宙コマンドの第51宇宙航空団司令官として、全世界14カ所に散らばる約4200名の軍民両方の部下を指揮し、総額7兆円にもなる175個の各種衛星運用や関連装備の維持管理を行っている
前職である米空軍宇宙コマンド司令部の「Commander's Action Groupリーダー」としては、急速に関心の高まる宇宙ドメインの議会説明や議会調整、更には米軍内将軍クラスへの特別ブリーフィングなどを専門に担当していた
///////////////////////////////////////////////////

事柄の性格上、現時点では演習の細部については漏れ聞こえてきませんが、その内に「AirForce Magazine」辺りが紹介記事を載せてくれるでしょう・・・。

Schriever Wargame5.jpg衛星が被害を受けたら、衛星通信が不能になったら、GPSが使用できなくなったら・・・過去15年間の対テロの戦いで当たり前だった宇宙利用が制約を受けたなら・・・等々、いろんな状況設定がなされるのでしょう

これまで指揮所演習「Schriever Game」などで机上検討されてきた事項を、徐々に実動で、戦術レベルに落とし込んでいこうとの試みでしょう。今後の演習の発展を祈念致します。
それにしても宇宙分野では女性が活躍です

宇宙での戦いを訓練
「民間企業も交え大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-05
「欧州を主戦場に大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11
「国際宇宙演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-19
「サイバーと宇宙演習の教訓1」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「サイバーと宇宙演習の教訓2」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02

宇宙関連の記事
「宇宙改革法案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-13
「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「Space Fence試験レーダー完成」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-29
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08

「宇宙アセット防御予算8割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-01-1
「米空軍の宇宙姿勢を改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-19-1
「F-15から小型衛星発射試験へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09
「米空軍のSpace Fenceを学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28

東アジア戦略概観2016(宇宙ドメインも解説)
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-25

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対ISILサイバー作戦は大いなる教訓と学びを [サイバーと宇宙]

Cyber mission2.jpg6月22日、下院軍事委員会で米サイバーコマンド副司令官Kevin McLaughlin空軍中将が証言し、同コマンド初の実戦任務である対ISIL作戦は極めて貴重な経験となっており、同時に同コマンドの戦力編制が適切である事も証明してくれたと語りました

また意味深な表現ながら、サイバー戦能力が、敵のサイバー能力以外への作戦にも使用可能だと語っています。
更に同委員会では同日、国防省高官が、サイバーコマンドを戦略コマンド隷下から独立させ、他主要コマンドと同列に「格上げ」する件について、国防省は賛成の方向だと明らかにしました

サイバーコマンド副司令官は証言で
サイバーコマンドが対ISIL作戦に従事した数ヶ月間で得たものは、本経験が無ければ学ぶのに数年必要な数々の教訓であり、その教訓から既に多くの改善を行っている
我がコマンドは2~3年前に活動を開始したばかりで有り、これまでやって来た通り・・・と表現できるものは何も無い。実戦で学びなから改善を繰り返している

Mclaughlin2.jpg●同作戦はサイバーコマンドが戦闘コマンドを大規模にサポートする初めての機会であるが、国防省全体としての大きな学びは、サイバー戦能力は、敵のサイバー戦能力以外の分野にも使用可能である点である
●また同作戦への参加を通じ、サイバーコマンドの戦力が適切に準備教育されており、米戦略コマンドとの融合具合も優れていることが証明された

●6月10日現在で、サイバーコマンドには4684名で構成される完全運用態勢の46個サイバー部隊が存在し、59個部隊が初期運用態勢に達した段階にある。今回の対ISIL作戦は、多くのサイバー部隊にとって最初の実戦任務である
戦力整備の目標は、6187名で構成される133個のサイバー部隊を完全運用態勢で保有することで有り、まだまだ若いこの組織を発展させるため挑戦は続く

●なお統合参謀本部のグローバル作戦次長は、国防省として最前線支援の鍵となるサイバー戦の対処速度を上げることに焦点を当て取り組んでいると証言した
米国防省webの関連記事
http://www.defense.gov/News-Article-View/Article/809904/cyber-command-deputy-details-formation-of-cyber-mission-force

米本土防衛担当の次官補代理は同じ場で
Atkin.jpg●国防省の国土安全保障担当の次官補代理Thomas Atkin氏は、サイバーコマンドを戦略コマンド隷下から独立させ、他主要コマンドと同列に「格上げ」する件について国防長官以下で検討中だが、「手短に言えば賛成だ」と証言した
●なお、2017年度予算関連法案の審議に於いて、下院はサイバーコマンドの格上げ独立を求めているが、上院はマケイン軍事委員長が賛成にも関わらず、法案に具体的な記述は盛り込んでいない。本件に関する上下院の意見の相違を埋めるため、調整協議が行われる
//////////////////////////////////////////////////

この種の作戦には非公開事項が多く、不明確な点が多いのですが、「敵のサイバー能力以外(adversaries’ non-cyber capabilities)への作戦にも使用可能」な事が国防省としての「学び」だとの表現はとっても気になります!!!

6187名で構成される133個のサイバー部隊(mission force teams)」の編制や役割分担も気になります。そのうち、敵への抑止効果も狙って、OBやおたくライターが将来なルポ記事をアップしてくれることを期待致しましょう!!!

対ISILとサイバー戦
「対ISILでサイバー戦強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-01
「6月までに・・」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-01-1
「対IS作戦強化の方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-21

「ライス補佐官が対IS強調」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-19
「次期米空軍トップは対ISで選定か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-14

米国防省「Cyber Strategy」特設webサイト
http://www.defense.gov/News/Special-Reports/0415_Cyber-Strategy

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日本とイスラエルがサイバー協力で覚書へ [サイバーと宇宙]

Israel Japan3.jpg18~19日に複数の国内メディアが、日本政府が電力・ガス・水道や決済システム等の社会インフラのサイバー対処強化に向け、年内にもイスラエル政府と技術協力の覚書を交わす方針を決めたと報じました。

2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、日本政府は重要インフラのサイバー防衛に力を入れており、この分野で世界トップレベルのイスラエル技術の取り込みに動いたと分析しています
米国と並ぶサイバーセキュリティー先進国の知見を生かしたい日本と、ビジネスとしての展開を狙うイスラエルの思惑が一致したとも報じられています。

具体的には、日本国内の研究施設でイスラエル製防御機器の導入試験を行うほか、専門家を招き、サイバー攻撃への防御演習も行う計画がある模様です。
インフラのサイバーセキュリティーの分野で、日本が本格的な協力関係を結ぶのはイスラエルが初めてであり、米国との関係よりも先行する点でも異例です

でもそんな矢先、21日にイスラエルと米国が、より緊密なサイバー対処協力の文書に署名し、専門チームの設置とか、システム連接で常時情報共有とか開始するとのニュースが飛び込んできました。
やっぱり米国とユダヤの結束は固い・・・


20日付Defense-News記事がイスラエル側の視点で本件関連事項を報じ、興味深いので概要をご紹介します。
イスラエルも「ブーメラン効果」を懸念しつつ、サイバー関連企業の「輸出したい要求」にも答えるためバランスを重視した輸出規定を煮詰めているようです。なお、相手国の「軍用」になる場合には国防省の厳しいチェックを受けますが、それ以外は経済省等で判断する模様です

20日付Defense-News記事によれば
Israel Japan.jpg3年間に及ぶ検討を経て、イスラエル政府は、軍用ユーザーへの輸出は例外としつつも、サイバー商品の輸出や技術移転を自由化の方向に導く新たな方針を定めた模様
●同政府の国家サイバー局長(NCD)であるEviatar Matania氏は、ネタニアフ首相の了解を得て、(通常兵器等がテロ組織等に渡ることを防止する国際的な取り決めである)「Wassenaar Arrangement」の指針にそった新たな政策であると説明した

●同氏はDefense-Newsに対し、「首相からの指示は、リスクはあっても、可能な限り寛容な政策指針や実行枠組みとし、サイバー関連企業の繁栄をサポートせよであった」と語った
●また「イスラエルはバランスのとれた政策により、必要ない場所に不必要なものを売ることなしに、我が産業界を強化して守ることが出来ると信じている」とも語った

●新政策では、大部分のサイバー関連「dual-use」技術は、NCDと経済省が共同で設置する新機関で監督管理される。ただし、軍用や国際治安機関への輸出については、引き続きイスラエル国防省が管理監督する
●Matania氏は、国防省が管理監督すべきものについては、引き続き国防省が目を光らせると説明した。

サイバー産業界の発展のために
Wassenaar.jpg●更に同氏は、輸出業者が規則に縛られて負担となることがないよう、政府は間もなく輸出管理規制の対象となる特定分野の定義を公表する。同時に政府は、輸出が「Wassenaar Arrangement」に沿ったものとなっているかを継続的かつ定期的に確認する

●同局長は「事前に既定を公表して輸出しやすい体制を整える。ただ大部分の輸出はライセンス提供にすべきではない」と趣旨を説明し、「3年間の検討で、イスラエルのサイバー能力が世界のリーダーで有り続けるために企業家や発明家達に最大限の明確な基準を示すことと、国家安全保障上の懸念との真のバランスを突き詰めた結果だ」と語った


21日:米国とイスラエルは常設対処チーム協定
Israel-US cyber.jpg●21日、イスラエルと米国は、サイバー攻撃対処のため、両国がCERTS(コンピュータ緊急対処チーム)をそれぞれ設置し、両国システムを連接して常時情報共有を図り連携を強化することを定めた「サイバー防衛宣言」に署名しました
●署名はテルアビブ大学で、イスラエル国家サイバー局長と米国の国度安全保障省副長官により行われた

●イスラエル側は、サイバー技術革新の世界的ハブ」を目指す南部の都市Beershebaに、今年9月までにCERTSを設置する計画で、新たな国家サイバー対処アプローチを開始する。
CERTSは常続的に脅威や攻撃に対処し、関連情報の提供を行うほか、国家サイバー対処局に必要な施策を提言することになる
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他国がサイバー関連技術の輸出にどのような姿勢で望んでいるのか、承知していません
米国よりも先にイスラエルと協力関係を締結する方向だとすれば、米国はサイバー関連技術の輸出規制がより厳しいのかも知れません
china awacs.jpg
しかし、中国への兵器や関連技術の「やみ輸出疑惑」で頻繁に話題に上るイスラエルです・・・・。

中国には細心の注意を払って頂きたいものです!!! 念押しでもう一回、中国には売るなよ!!!


イスラエルと中国の最近の疑惑など
「イスラエルと中国が大接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04-1
「中国に最新軍事技術流出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-25-1
「ハイテク起業大国イスラエル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-20

「映像:イスラエル軍女性兵士」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-27
「ユダヤ人は離散していない!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-17

外務省の解説「Wassenaar Arrangement」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/arms/wa/
●対共産圏を対象に武器等の輸出規制をしていたCOCOMが1994年3月に消滅したことを受け、1996年7月、特定の対象国・地域に的を絞ることなく全ての国家・地域及びテロリスト等の非国家主体を対象として発足。現在41カ国が参加(露は参加、中国は不参加)
通常兵器及び機微な関連品・技術の移転の透明性増大及び責任ある管理を実現し、過度の蓄積を防止して、地域及び国際社会の安全と安定に寄与

テロとの闘いの一環として、テロリスト・グループ等による通常兵器及び機微な関連汎用品・技術の取得を防止する
法的拘束力を有する国際約束に基づく国際的な体制ではなく、不拡散のために努力する意志を有する参加国による紳士的な申し合わせ

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成果発表「Hack the Pentagon」計画 [サイバーと宇宙]

Hack the Pen.jpg17日、一般市民からボランティアハッカーを募り、米国防省システムの脆弱箇所を指摘してもらう試み「Hack the Pentagon」の成果発表がカーター国防長官によって行われ、250名以上の有志ハッカーにより138個の脆弱箇所が発見できたと報告されました

1400人以上の応募者の中から選ばれた約250名は、約1か月間にわたり、米国防省の「作戦任務に直結しない」広報webサイト等を対象とした「脆弱箇所」発見に取り組み、中には高校3年生も参加していたようで、カーター長官から直接会見で紹介されています

17日付米国防省web記事によれば
Hack the P.jpg●カーター長官は発表会見で、4月18日から5月12日の間で行われた「Hack the Pentagon」計画にかかった経費は約15万ドル(約1700万円)だが、これを役所が良くやるように民間企業に委託していたら、少なくとも1億円以上は必要だったはずだと、本取り組みの効率性をアピールした
●期間内に約250名の参加者は、少なくとも一人1件以上の「脆弱箇所」をレポートしてくれたが、分析評価の結果、138件が「もっともな指摘」と認定され、参加ハッカーには指摘数や有効な指摘数の数に応じて、100ドルから1.5万ドルが支払われた

●担当責任者のChris Lynch氏は、今回は作戦任務に重要なシステムは対象とせず、一般国民がアクセス可能な国防省関連webサイトの「defense.gov」「dodlive.mil」「dvidshub.net」「myafn.net」「dimoc.mil」が対象となったと説明した
●そして同氏は「一般公開用の複雑でないサイトを対象にしたにもかかわらず、非常に多くの教訓が得られた」と語り、一般公開サイトを通じて他のシステムにアクセスしようとする試みの防止に通ずる指摘もあったと語った

Hack the P3.jpg高校3年生で参加したDavid Dworken君は、学校の授業の合間や家での時間を活用し、6個の脆弱箇所を発見通報した。6月に卒業した彼は、今後サイバーセキュリティー分野での仕事を希望し、コンピュータ科学を大学で学ぶことになっている
Dworken君は、彼の指摘した脆弱性は他の参加者が既に指摘積みでボーナスはもらえなかったが、「自分が好きなことで連邦政府の仕事に関わることが出来たこと自体が、この上もない喜びであり成果です」と明るく語った

カーター長官は本成果について
●カーター長官は、国防省は人材、業務手法、技術の側面から革新に取り組んでいるが、「Hack the Pentagon」計画はこれらすべての側面を兼ね備えた取り組みで、大きな成功を収めたと評価した
●また情報セキュリティーの強化だけでなく、国防任務に貢献したいと望む創造力あふれる一般市民との強力な架け橋を気づいた点でも、大きな成果があったと長官は語った

●カーター長官は更に、同様の取り組みを国防省の他システムにも拡大すると語り、国防省内の各部署に対象となりえるシステムの洗い出しを命じた
Hack the P2.jpg●また、国防省関連の業務を行う委託業者も、サイバーに関する本取り組みの恩恵を受けられるように検討を進めるとも長官は語った

●そして長官は、「国防省はクローズしたシステムを通常使用するが、我々にフレンドリーな目でシステムやwebサイトをチェックしてもらうことで、問題点を明らかにして対処し、前線兵士により安全な環境を提要できる」と取り組みの有意性を強調した
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成果発表Fact Sheet
http://www.defense.gov/Portals/1/Documents/Fact_Sheet_Hack_the_Pentagon.pdf

素晴らしい成果だと思います。拍手です!!!
18歳のDworken君のような人材が、国防省に入ってくれれば最高なんでしょうが、Dworken君にしてみれば、この成果で自分を将来優良企業に高く売り込もうと考えるでしょう・・・自然なことです

国防省公開の会見写真には、普段の国防省には馴染まない印象の「参加ハッカー」の皆さんが映っています。是非日本でもいかがでしょうか?

Hack the Pentagon計画発表時の記事
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-04-1

米国防省の関連webサイト
https://hackerone.com/hackthepentagon

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サイバー:組織の枠を越えた情報共有が鍵 [サイバーと宇宙]

Cyber College.jpg4日付米空軍web記事は、米空軍サイバー大学が主催した政府関係者と民間企業関係者の両方が参加した政策提言を目的としたサイバー対処演習の様子を報じています

4月27日から2日間に渡って行われたアラバマ州マックスウェル基地で行われた訓練には、FBIやCIA、更にはゴールドマンサックス等の民間企業や社会インフラ関連団体が参加し、専門家がその対処を第3者的立場で評価する方法で行われた模様です

「現状では、米国には明確なサイバー安全保障戦略がない」との問題意識を持ち、1日目は現状枠組みでの対処を試し、2日目には組織横断的な情報共有を行って効果の変化を確認したようです
情報共有の効果は明白で、現状の対処では出来ないサイバー攻撃被害の拡大を未然防止できたとして、今後政策提言としてまとめるようです

4日付米空軍web記事によれば
Cyber College2.jpg●担当した研究員であるBrian Buschur少佐は、米空軍大学内の「Cyber College」の「Lemay Center Wargaming Institute」で行われた「wargame」では、どの時点で政府機関と民間部門がサイバー安全保障対処について「step in」すべきかを吟味したと説明した
●演習では、1日目は現状枠組みでの対処を試し、3つのシナリオ「金融部門」「エネルギー分野」「交通分野」で訓練した。

1日目を現状の方針で対処した結果、ある組織がサイバー攻撃の被害拡大を防止する情報を有していても、現状の政策によりその情報が共有されないことが明らかになった
2日目は新たな考えの元、参加者を一つのチームに置いて対処したところ、必要な対処情報が円滑に共有され、被害を起こす前にくい止められた

●米空軍大学副学長の大佐は、「本演習は、問題解決法の探求と同時に、関係者の関係構築や意志疎通の重要性を際だたせた」と振り返った
●本演習で使用された新たなサイバー対処コンセプトは、米国全体のサイバー対処コンセプトの変更のアイディアとして試験導入されたもので、異なる様々な組織な考え方を結びつけ、情報共有により被害拡大を防ごうとするものである

Cyber College3.jpg●同副学長は「本演習の結果は政策提言ペーパーにまとめられ、全参加者に提供される」と述べ、各分野の参加者が制作変更の効果を認識して実際の政策変更に導くことへの期待を表明した
●同Wargamingセンターの専門家は、「本演習の成果は提案の一つで、多くの代替案もあるだろう」「早期の情報共有が各界関係者のやるべき事を明らかにし、最前の対処方向に導く」との考えを語った
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世界で最も問題意識の高いであろう米国でさえもこの状況で、米国防省も国防省のネット環境を防御することが第一任務で、エネルギーや通信、金融や社会インフラへの対処については「求められ命ぜられればその範囲で」との縛りがあり、国として対処枠組みが実質曖昧な状況のようです

CyberPolicy2.jpgそんな中、米空軍内の一教育機関が、場を設定して課題を浮き彫りにし、国の政策を提言する「意気込み」に拍手を送りたいと思います

そんな現場を支える、少佐レベルの幹部や専門家を集めた小さな組織の存在が、頼もしくも羨ましい限りです

最近の米サイバー関連記事
「米国防省脆弱性を検証」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-04-1
「対ISサイバー戦を強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-01
「サイバー司令官が決意を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-22-1

「中国には君らも脆弱だと言っている」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-23
「航空戦力でサイバー戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-17
「閉鎖ネットワークにサイバー攻撃を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-18

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米国防省の推薦:宇宙戦書籍「Ghost Fleet」 [サイバーと宇宙]

Ghost Fleet.jpg4日付Newsweek誌電子版が、米国防省の推薦図書となった宇宙戦を描写した書籍「Ghost Fleet」を取り上げ、中国やロシアの宇宙戦への取り組みや、米国の対応について紹介しています。

冷戦後、宇宙を独断場と見なしていた米国が15年以上に及ぶアフガンやイラクでの戦いに挑む間に、宇宙での戦いを「米国の弱点」を捕らえ、宇宙アセットへの攻撃手段を磨いてきた中国やロシアへの対処が大きな課題となっている様子を描写しています

話題の2015年夏出版の書籍「Ghost Fleet」(http://www.amazon.co.jp/Ghost-Fleet-Novel-Next-World-War/dp/0544142845)は、サイバー戦と宇宙線を交えた「宇宙での真珠湾攻撃」を中国との戦いの緒戦として描き、宇宙に依存し、弱点をさらけ出している現状への警鐘を鳴らしています

記事は書籍の細部には触れていませんが、宇宙を巡る現状の理解を深めるため、つまみ食いで記事をご紹介いたします

4日付Newsweek誌電子版によれば
Ghost Fleet4.jpg書籍「Ghost Fleet」は、上海所在の中国軍サイバー部隊が米軍GPSネットワークに侵入して信号を撹乱する「宇宙での真珠湾攻撃」から始まる。精密誘導兵器を使用できなくなった米軍は大混乱に陥ることになる
●次に同書籍は、高度200nm上空の中国衛星から30数個の米国衛星をレーザー兵器で攻撃する中国人飛行士を取り上げ、通信や情報収集手段を奪われた米軍が第2次大戦レベルに脆弱化する様子を描写している

●上記のシナリオはフィクションではあるが、米軍が1発も発射しない内に無効化される可能性を示し米国防省関係者を震撼させたGPSや通信やISR衛星が無防備であることを如実に示したからである
●宇宙での戦いが起これば、影響を受けるのは軍事だけではない。戦いが宇宙で始まっても、民間衛星にまで容易に拡大し、携帯電話や銀行ATM等々に影響を与えるほか、地上に及ぶ全面戦争に拡大すると考えられている
●米空軍のJohn Hyten宇宙コマンド司令官は、「核戦争が宇宙にまで及ばないことを願っているが・・」と語っている

中国やロシアの宇宙戦能力
Space Fence1.jpg習近平は4月、中国空軍司令部を訪れ、米国との戦いの際に避けられない宇宙での攻防戦に備え、宇宙船の能力を磨くよう指示したと伝えられている。中国の宇宙アセットは、米国の約550衛星に対し、世界第2位の約150衛星になっている
中国は2007年に高度500nmレベルの低高度衛星迎撃ミサイル試験を行い、その後、高度20000nm程度のGPS衛星や早期警戒用の静止衛星を攻撃可能性を伺わせるミサイル実験を2010、2013、2014、2015年と連続して行っている。
●この実験をHyten宇宙コマンド司令官は、「宇宙戦の実用化長期計画がなければ、何年も連続して試験は行わない」と評価している

中国とロシアは既に、衛星の偵察カメラを盲目化したり、衛星自体を延焼させる地上レーザー兵器を配備していると言われ、数年後にはレーザー兵器を搭載した宇宙船を打ち上げるだろうと予測している
ロシアは実際、2013年と2014年に4つの衛星を打ち上げ、その狙いは不明確だが、打ち上げられた衛星が何度も軌道を変更し、他の衛星に近接したり衝突寸前まで軌道を変更した。特に4つ目の衛星は、複数のロシア衛星に接近するとともに、米商用のIntelsat衛星にも近接している。この技術は、有事に衛星攻撃の手段に用いられるのではないかと懸念されている

2014年には、何者かが米気象衛星システムに侵入し、観測データにアクセスする事件が発生確認されており、「Ghost Fleet」が描く「情報の書き換え」がSFの世界の話でないことを強烈に印象づけた

ソ連は冷戦時、自爆衛星を開発していたと言われるが、米ソは直接衝突には至らなかった。双方が早期警戒衛星等への攻撃が「核攻撃に相当する」とレッドラインを理解し、その敷居を越えなかったからだとWork副長官が振り返っている
●しかし冷戦後、宇宙に関与する国は60カ国を越え、1300もの衛星が地球を周回している。衛星へ依存は核兵器に限らず、通常戦力も頼りにし、気象や航法や通信分野でも不可欠になっている

米国の取り組み
Ghost Fleet2.jpg米国も衛星への脅威を認識して軍事衛星防御や強靱性技術に取り組んでおり、幾つかは実用化されている。衛星カメラへのレーザー攻撃を防御する分厚いシャッターを装備したり、妨害電波にうち勝つ強力な電波通信を可能にしたり、妨害を受けた際に周波数をホッピングさせる技術等である
GPSの代替技術や、核攻撃防衛や通信や偵察機能にも投資が始まっている。また複数の機能を装備して敵の目標となりやすい高価な多機能衛星を見直し、安価で小型な衛星に機能を分散することを目指す方向にもある

米国は宇宙アセットへの攻撃を、報復の脅威で抑止したいとの政策を取るが、報復を敵の同等のアセットに絞る方針である。しかし中露が核関連の早期警戒衛星や戦略通信衛星を攻撃してきた場合、米国の対応は宇宙に止まらないと書籍「Ghost Fleet」の著者は見ている
●また、商用衛星や地上の商用アセットへの攻撃は、米国への攻撃と見なされ、戦いは文民世界を急速に巻き込むこととなると、同著者は語っている

●著者であるPeter SingerとAugust Coleは、米議会で証言したり、NSCスタッフに講演したりしている。同著書はフィクションながら、その現実に沿った見方は、緒戦で宇宙を失うと戦いがどうなるかを描いた点で現実的な作品である。著者は「そうならないことを祈る」と語っているが・・・
米国は本年度予算で約2000億円を軍事衛星防御に投入するが、この予算は2017年度には2兆2000億円増額される方向である
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近年の中露の宇宙兵器(らしき?)開発活動や、米軍予算の増額具合から見て取れるように、宇宙に関する危機感が急速に高まっています。米軍高官の関連発言も増え、関連法案の改正も進みつつあります

Ghost Fleet3.jpgそれで間に合っているかというとそうではなく、サイバー戦と同じく、攻撃側が圧倒的に優位な状況にあり、状況把握体制から整える必要があるのでしょう。現状で日本が関与できるのはこの分野ぐらいでしょうか

防衛研究所の「東アジア戦略概観2016」が、第1章で「宇宙安全保障」を取り上げたように、同盟国にもその危機感が伝搬しつつあるのでしょう。
トム・クランシーの小説のように、「Ghost Fleet」が翻訳され、広く関係者や一般国民に読まれることが第一歩かもしれません。あっ・・既に「中国軍を駆逐せよ!」上下巻(二見文庫)で既に出版されているか・・・

宇宙関連の記事
「民間企業も交え大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-05
「宇宙改革法案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-13
「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01

「Space Fence試験レーダー完成」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-29
「宇宙アセット防御予算8割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-01-1
「米空軍の宇宙姿勢を改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-19-1

「欧州を主戦場に大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11
「F-15から小型衛星発射試験へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09
「米空軍のSpace Fenceを学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-28

「日米2+2で宇宙協力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-04
「豪へ宇宙監視レーダー移設合意」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-15

宇宙での戦いを訓練
「国際宇宙演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-19
「サイバーと宇宙演習の教訓1」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「サイバーと宇宙演習の教訓2」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02

東アジア戦略概観2016
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-25
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