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マティス長官:北朝鮮ICBMも米国の姿勢に変化無し [マティス長官]

North Korea2.jpg6日、マティス国防長官が急遽記者会見を開き、北朝鮮が4日に実施したICBM発射試験に関連し、米国の姿勢に変化はないと語りました。

米軍は対ISISやアフガン対処だけで軍事力をフル稼働しており、加えて欧州方面で活発化するロシア軍への対抗措置として頻繁に部隊のローテーション派遣や演習を行うなど、限られた予算の中で四苦八苦の綱渡りが続いています

またトランプ政権は、ロシアンゲート問題関連で勢力を裂かれ、政権内部の足並みの乱れも指摘されています。また国務省や国防省の主要政治任用ポストも未定が多く、各分野での具体的な政策展開に着手できていない「スカスカ状態」が続いています。

North Korea.jpg更に韓国は、政経中枢であり人口密集地域(約2000万人)でもある首都ソウルやその近郊地域が北朝鮮との停戦ラインにほど近く、北朝鮮軍火力の射程圏内にあるなど、極めて有事に弱い地理的特性をもており、マティス長官も朝鮮半島有事に勝利する事は確実だが、その被害は甚大なものになるだろうと軍事オプションが現実的なモノではない事を示唆しています

要するに、北朝鮮に対して外科手術的なオプションは極めて選択困難で、時既に遅しとの見方が識者の共通認識になりつつあるように感じます。
まぁでも、水面下では様々な動きがあるのでしょうし、様々なプレーヤーの思惑でどちらに転ぶか不透明には違いありませんから、とりあえず事実関係として、国防長官の発言を記録しておきます

おまけで拓殖大学の川上高司・海外事情研究所所長が、「米国が北朝鮮の核保有を認める可能性が高まっている」との論考を発表していますので、ご紹介しておきます

6日のマティス長官発言
North Korea3.jpg●北朝鮮のICBM発射は、米国と北朝鮮の間の戦争の可能性を高めたわけではなく、当該地域での核戦争を避けるための外向的努力に米国は引き続き注力していく
●本件に関する米国のスタンスは変わりなく、地域の同盟国である日本や韓国と協調しながら、軍事態勢も併せて維持する。

これが挑発的な行動の中にあっても戦争を防止してきた、我が国の自制(self-restraint)である。我々の自制が続く限り、ご説明した外向的な努力が引き続き続けられる
●米国は前述の同盟国や中国と協力している。しかし北朝鮮が戦争を始めようとするなら、甚大な結果を招くことを承知すべきだろう

川上高司所長の「核保有容認の恐れ高まる」との見方
(6日付日経新聞朝刊9面)
Kawakam2i.jpg●米国が北朝鮮の核兵器保有を認める可能性は高まっている。次の焦点は6回目の核実験で、中国を刺激しないように共産党大会後に実施する可能性が高い。
ICBMに加え、核実験まで試みられれば、米国の軍事行動のレッドラインはなくなってしまう。米国は先制攻撃の機を逃した。4月に空母2隻を派遣した際、可能性は高まったが、トランプ政権は中国の圧力に期待して行動を見送り、ここで北朝鮮に足元を見られてしまった

●今、先制攻撃するのは難しい。北のICBM保有で米本土が反撃される可能性が高まった。ロシアンゲート等の問題で政権がごたつく中、大統領が大きな犠牲を払ってまで踏み切るとは考えにくい
最終的に好ましくないシナリオが浮上しそうだ。米政権が北の核兵器保有を認め、対話に動くケースだ。朝鮮半島(韓国が?)が統一に向けた南北対話に動き出す。

●金正恩体制の維持は中国にとっても望ましい
日本にとっては、国際社会が公認する核保有国が隣に生まれるという最悪の結果になる恐れがある
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槍ヶ岳と高山植物.jpgだいぶ省略しながらも整理していくと、川上所長の見方もさもありなん・・・と思えてきます。さすがに「統一に向けた南北対話」が実を結ぶとは思えませんが、今の韓国大統領はそんなアピールを始めるのでしょう・・・

そんなことすれば、第2、第3の北朝鮮が出現し、国際社会にとって由々しき事態だと日本は訴えるのでしょうが、決められない日本は米国からも足元を見られ、米国が売りたい兵器だけ押しつけられるのかも知れません・・・

朝鮮半島関連の記事
「韓国大統領の母親は米軍のお陰で脱出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-06
「韓国の混乱を大東亜戦争後の哀史に学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-25
「ルトワックの日韓関係分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-17

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マティス長官が核態勢見直しNPRの状況を語る [マティス長官]

mattis senate.jpg14日、マティス国防長官が上院予算委員会国防パネルに出席し、4月から開始されて年末に大統領への提出を求められている「核態勢見直し:nuclear posture review」について、取り組む姿勢などの視点から証言しています

もちろん、まだ具体的な方向性が固まっているわけではありませんが、今後話題になりそうな論点や視点が幾つか議員から質問され、またマティス長官の説明振りから姿勢も感じられますので取り上げます

老朽化著しい核兵器や関連施設の更新や近代化には、ざっくり「130兆円」が必要と言われているようです。

でも、全く性格の異なるサイバー空間での戦いが出現し、「究極の抑止兵器」であった核兵器の存在にも、様々な問いが投げかけられる時代です。「130兆円:$1.2trillion」に一言言いたくなる気持ちはよく分かります!

15日付米空軍協会web記事によれば
mattis senate2.jpg●マティス国防長官は議会で、核態勢見直しを通じ、将来の核兵器の役割や、それら兵器が決して使用されることが無いように強いる抑止のあり方について検討している最中だと表現した
●そして、最も効率的でコスト意識の高い形で核抑止を成立させるような、核兵器3本柱のあり方を再検討していると証言した

●マティス長官は今週、米空軍のICBMは破棄すべきと主張するWilliam Perry元国防長官や、国務省で軍備管理担当次官も務めていたRose Gottemoeller元NATO副事務総長と、「軍の核兵器部隊を学ぶ事から始めるため」会談している
●民主党のDianne Feinstein議員は国防長官に、米空軍が提案しているLRSO(long-range standoff weapon:空中発射巡航ミサイルAGM-86Bの後継)の必要性を問いただしつつ、総額で130兆円とも言われる核兵器や関連設備の更新&近代化経費に関し、何を優先するかや、ロシアとの薄氷の合意であるINF全廃条約へのLRSOの影響について質問した

mattis dunford.jpg●国防長官はLRSOについて、「LRSOはロシアとの関係を不安定化し、軍拡競争を招く恐れがあるとハッキリ述べておく」と証言し、一方で国防省としては爆撃機の残存性を保つ必要性とスタンドオフ兵器の必要性を吟味する必要があると語った
●また長官は、ロシアによるINF条約違反の可能性と、ロシアがオープンスカイ条約からの離脱を決定した場合の影響についても、核態勢見直しの中で検討していると説明した
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経費枠の問題、3本柱の維持是非と優先度の問題(ICBMと戦略原潜の後継検討、加えてLRSO是非)、INF全廃条約やLRSO導入是非、ロシアとの関係全般等まで幅広い論点がアリ、これに加えて、サイバーや宇宙ドメインでの新たな戦いを踏まえた新しい抑止議論も前提となる今回のNPRです

Trump Mattis.jpg別の観点として、議論の最中にトランプ大統領の仰天ツイートや発言が飛び出す可能性もアリ、混戦&乱戦&場外乱闘何でもありの展開が予期されます。

北朝鮮問題との関連では、三浦瑠璃さんが「米軍による日本への核兵器持ち込みを容認すべき」との立場を表明されていますが、日本としてはこの議論を持ち出すのであれば今がそのタイミングでしょう!

21世紀の抑止概念を目指す
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
「相殺戦略特集イベント」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「期限を過ぎてもサイバー戦略発表なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25

NPR(核態勢見直し)関連
「トランプ政権NPRの課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-09
「2010年NPR発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-07
「NPR発表3回目の延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-02
「バイデンが大幅核削減を公言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-19

米新政権の国防予算を考える
「規模の増強は極めて困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-10

ロシアのINF条約破り
「ハリス司令官がINF条約破棄要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-29
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「ロシア巡航ミサイルへの防御なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06

戦術核兵器とF-35記事など
「戦術核改修に1兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
「F-35戦術核不要論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-16
「欧州はF-35核搭載型を強く要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-22
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06

ICBM後継に関する記事
「初のオーバーホールICBM基地」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-15
「ICBM経費見積もりで相違」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
「移動式ICBMは高価で除外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
「米空軍ICBMの寿命」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1

オハイオ級SSBNの後継艦計画関連
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1
「SLBMは延命の方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13

「RAND:中国の核兵器戦略に変化の兆し」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-19

三浦瑠璃女史の北朝鮮と核持ち込み
http://lullymiura.hatenadiary.jp/entry/2017/04/24/000359

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米国防省予算案:相殺戦略の技術革新予算は確保か [マティス長官]

2018 budget.jpg23日、米国政府の2018年度予算案がメディアに公表され、様々な形で報道され始めています。全般には、国務省の海外援助予算が1000億円以上削減されている事が目立つ以外は、国防省予算に関してはオバマ政権時の方針のほぼ延長と捉えられています。

これは予算策定過程が1年以上前から開始されており急な変更が難しいこと、また種々の戦略文書見直しが現在実施中である事から来ています。

また政府予算案に関しては、議会の重鎮:マケイン上院議員(上院軍事委員長)が、議会に提出された以降に大幅な修正を行うと予告し、政府案を「我々の課題への対処に不適切で、現行法制からして違法な部分もアリ、議会に到着次第却下される部分もある」と明言しており、様々な分野で山あり谷ありが予想されています

特に、2011年の予算管理法(BCA:強制削減を規定した法律)が定めた基準額を「$54 billion」も国防省予算案がオーバーし、かつ非国防分野の海外援助予算が大きく削減されている原案は修正必至と言われ、国防費削減と非国防費増額の程度が議会での注目だと専門家は指摘しています

Mattis44.jpg国防予算に関するトピックとしては、帳尻あわせの穴埋めになりがちな弾薬購入予算に関し、対ISIS重視の視点からマティス長官が増額を強く主張して盛り込まれているとメディアが紹介しています。その他、引き続き国防省として基地の再編閉鎖(BLAC)を要求しています。

本日は様々な視点がある中、Work副長官らが前政権時から対中・対露のため精力的に取り組んできた、「第3の相殺戦略」や国防省SCO(戦略能力緊急造成室)関連予算など、研究開発方面の予算の状況を中心にメディア報道からご紹介します。

メディア的には、将来の戦いへの投資より目の前の戦いを優先したとの表現になりますが、暫定的に留任しているWork副長官の努力で、研究開発や民間技術取り込みもそれなりの扱いを受けているようでちょっと安心しました

23日付Defense-News記事によれば
2018 budget2.jpg●2017年度予算と比較し、2.3%の増の「$13.2 billion:約1.5兆円」を、国防省の「RDT&E Science and Technology」に要求している。これには「$2.2 billion」の基礎研究費と、「$3.1 billion」のDARPA予算が含まれている。
技術開発分野では、「semi-autonomous:半自律化」計画が(第3の相殺戦略など)国防省の技術革新を牽引する予算として大勝利を収めている

●Will Roper室長が率いる国防省SCO(戦略能力緊急造成室)の働きを昨年12月にWork副長官が高く評価し、関連予算増を予告していたように、昨年度から約300億円増の「$1.2 billion:1300億円」が要求されている
●国防省によれば、SCOは3つの分野を重視することとなっており、それは「ドメインをまたいで機能発揮するシステム開発」、「有人と無人システムのチーム編制」、「商用の一般技術や設計の迅速取り込み」の3分野である

●シリコンバレーやボストンに設置されている最新技術取り込み出張所(DIUx:Defense Innovation Unit-Experimental)予算も約50億円要求され、来年度はプロトタイプ製造から本格製造にシフトする装備にも着手する

米海軍予算案では
2018 budget3.jpg米海軍トップが訴えていた艦艇数増強(355隻体制)を体現するような予算案とはなっておらず、前政権時代の計画通り年間8隻の建造計画(空母1、攻撃原潜2、イージス艦2、沿岸戦闘艦1、補給艦とサルベージ艦各1)予算案である
●航空機予算は、F-35C型が2機減の4機、海兵隊型B型は計画通り20機、FA-18は14機維持、E-2D早期警戒機は5機。P-8哨戒機は1機増の7機

オスプレイMV-22は6機維持、大型無人海洋哨戒偵察機MQ-4は3機。ただし無人輸送ヘリMQ-8Cは3機の予定からゼロとなり、調達終了となる。海軍用のトマホーク巡航ミサイルは100発、SM-6は125発。
艦艇等運用経費と維持整備修理予算はほぼ横ばい。航空機整備予算は若干のアップ

米空軍予算関連では
2018 budget4.jpg米空軍全体では、本年度の「$171 billion」から「$183 billion」に上昇している。装備品調達経費も、部隊運用と維持整備経費も少し増額されているが、研究開発&試験評価予算が「$20.2 billion」から「$25.4 billion」に大幅増加していることが最も際立っている
●個別事業では次期制空機(PCA:Penetrating Counter Air)検討が、伸びが最も大きな事業で、検討が深化するにつれて「$21 million」から「$295 million」増加している

F-35は昨年計画時より2機増の46機を要求、ICBM迎撃ミサイルのGBSDへの予算も100億円増額B-21次期爆撃機の予算も1.3から$2 billionに増加トランプ大統領が難色を示している大統領専用機「Air Force One」についても昨年から80億円増加の「$434 million」が積まれている
●無人攻撃機MQ-9も16機、空中給油機のKC-46Aは15機、次期練習機T-Xも計画通り。しかし全般に装備品調達は停滞しており、前政権時代からの流れに変化は無い。特に輸送機のC-130Jはゼロである。

●一方でA-10やU-2の全廃案は含まれておらず、同じく早期退役が噂されているF-15Cも引き続きレーダーや電子戦装備の能力向上、更に機体の構造部材の延命措置予算も計上されている
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米陸軍予算案も全体として約8000億円アップの「$166 billion」案となっています。

2018 budget5.jpg冒頭説明の繰り返しになりますが、マケイン議員の「ちゃぶ台返し予告」あり、CSBAのハリソン研究員の「国防費削減と非国防費増額で妥協点を見いだす交渉となる」予想もあり、予算管理法による強制削減枠の話もあり、政府予算案レベルの右肩上がりは当てになりません

トランプ大統領の国防予算6兆円増宣言も、どこへいったのかしら状態です。まだまだこれから様々な分析がメディアや専門家から為されると思いますが、その参考の一つに供します

関連の記事
「規模の増強は極めて困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-10
「新政権と相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-04
「SCOの頑張り」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-10
「ボストンにもDIUx」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-27-1

Third Offset Strategy関連の記事
「宇宙とOffset Strategy」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「空軍研究所で関連研究確認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-07
「慶応神保氏の解説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-26

「CNASでの講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-15
「11月のレーガン財団講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-15
「9月のRUSI講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-12
「Three-Play Combatを前線で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-09
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イスラエルが米国の変化を歓迎&シリアが兵器分散 [マティス長官]

Israel PM.JPG21日、マティス国防長官がイスラエルを訪問し、ネタニアフ首相やリーバーマン国防相と会談した後の記者会見でシリアへの巡航ミサイル後の情勢について語り、シリアはさらなる攻撃を恐れて軍用機を分散し、2014年の全化学兵器破棄の合意に違反し、化学兵器も引き続き保持していると語りました

なお、極右政党の党首で連立政権のためイスラエル国防相になっているリーバーマン氏は、具体的なシリアの保有化学兵器量にも言及して危機感を訴えています。
また、マティス国防長官の表敬を受ける前にネタニアフ首相は、米国によるシリア巡航ミサイル攻撃を「率直でまっすぐな行動」と高く評価し、米国政策の変化を高く評価しました

トルコ大統領の権限強化がサプライズ承認された事と無理やり結び付ける訳ではありませんが、様々に中東に変化をもたらしている巡航ミサイル攻撃後の様子をご紹介します

その前にシリア化学兵器関連の経緯
2013年8月、ダマスカス郊外のシリア反政府支配地域が化学兵器攻撃を受け、オバマ大統領が言及していたレッドラインを超えたが米国は何もできず、ロシアの仲介ですべての化学兵器を破棄することで合意

●2014年、国際組織の監視の下、アサド政権が開示した化学兵器1300トンの破棄または国外に運び出された処分された・・・ことになっていた。しかし処分完了後も、すべての化学兵器や製造装置の破棄には疑問の声が上がっていた
●また、ISISや他の過激派組織が化学兵器を入手しているとの証拠も出始めていた

21日付Military.com記事によれば
Israel DM.JPG●イスラエル国防相と共に会見に臨んだマティス長官は、シリアへの巡航ミサイル攻撃後の最近、再び米軍から攻撃されることを恐れ、シリア空軍が保有作戦航空機を分散配備していると語った
●また同長官は、「国際社会は、シリアがすべて破棄したと宣言しながら、合意に違反し、化学兵器をいまだに保有していると考えている」と述べ、「シリアは権力者の指示を受けそうしており、国連決議に違反していることから外交ステージで議論されるが、巡航ミサイル攻撃で我々の姿勢を示したように、再び使用することは許されない」と表現した

●今週に入りイスラエル国防関係高官が、シリアは3トンほど化学兵器を保有していると述べ、世界で初めて具体的な保有量に関するインテリジェンス情報を提供した
●同会見でイスラエル国防相は本件に言及することを拒んだが、「我々はアサド政権が化学兵器を反政府組織に使用したとの100%の情報を保有している」と述べた

●なお、アサド政権は反政府組織支配地域への化学兵器使用を否定し、アサド政権を支援するロシアは、シリア政府軍の攻撃が反政府組織の化学兵器貯蔵庫に命中し、被害が発生したと主張している


マティス長官はイランに関し
Israel salute.jpgイランと主要国との核合意(JCPOA:Joint Comprehensive Plan of Action)の現状について同長官は、米国務省による最近の検証では「依然として機能しており」「イラン側の義務を果たしているように見える」と表現した
●一方でマティス長官は、核合意を順守していることが、イランが他の分野で多くの問題を引き起こしていることの言い訳にはならないと釘を刺し、イランによるテロ組織支援、近親勢力を通じた中東での紛争介入、シリアのアサド政権への肩入れ等を問題視した

●また米国は核合意を「継続的に機能するよう望む署名者だ」と述べる一方で、核合意と、イランが中東で引き起こしている「混乱、殺戮、破壊行為」は区別して扱われるべきとの考えを示した
●なおマティス長官の発言は、記者会見で先にイスラエル国防相が「イランに対しより強い圧力と制裁を望む」と述べた後に行われたものである。なおイスラエル国防相は「米国の政策に意見する立場にはない」と発言しつつも、巡航ミサイルによる攻撃を「イランに対する明確で強いメッセージ」と表現し「大変満足している」と語った
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現在のイスラエルが米国の姿勢を高く評価することが、中東地域の安定に寄与するのか「ビミョー」または「?」ですが、ネタニアフ首相は大喜びなのでしょう。

Israel.jpgしかし、オバマ政権時に米国が幻の「レッドライン」で事態を曖昧にし、ロシア主導で「シリア化学兵器」をなんちゃって全廃したことが、わずか3年後にしっかり跳ね返ってくるあたりが、サイクルが早い・展開が早い現在の世界情勢を象徴しています。

しかし・・・少なくともオバマ政権時とは対応が違うようですが、トランプ政権内で変化があったかと言えば、基準がなかったから変化とか語れない・・・が適切な表現のように思います

シリア攻撃関連記事
「シリア巡航ミサイル攻撃の裏側」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-08
「続編:同攻撃の裏側」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-11

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国防長官は空母の朝鮮半島?派遣をどう語ったか? [マティス長官]

mattis-about.jpg10日、マティス国防長官が定例の記者会見を行い、シリア情勢と併せ、豪州行きを急遽変更してシンガポールから「北上」する事になった空母カールビンソンの動きについてコメントしているのでご紹介します。

同空母は9日にハリス太平洋軍司令官の「北上」命令を受けましたが、8日には既にシンガポールを出航しており、出発後の行き先変更となりました。

Carl Vinson2.jpg国防省や太平洋軍は「北上」とか「西太平洋」としか行き先に言及していませんが、マクマスター大統領補佐官は9日のテレビ番組で、空母群が朝鮮半島に向かうと報じられていることについて、「妥当な行動だ」「米国民や地域の同盟国への脅威を取り除くため、あらゆる選択肢を提示できる準備をするよう、大統領は求めている」と発言し、朝鮮半島方面が行き先であることを事実上認めています。

なお同空母群は、同空母のほか、ミサイル駆逐艦2隻(USS Wayne E. MeyerとMichael Murphy)とミサイル巡洋艦(USS Lake Champlain)とで構成されています。(注:空母群には一般的に攻撃型潜水艦も含まれているが、通常公表されない。大統領は潜水艦も同行のような発言を)

11日付米海軍協会web記事によれば
N-Korea.jpg●米海軍協会の理解では、8日にシンガポールを出航した空母群が朝鮮半島近海に到達するには1週間以上が必要でアリ、途上の訓練も中止していない様子である事から、北朝鮮にとって重要な記念日である4月15日には間に合わない
●ちなみに4月15日は、北朝鮮の建国の父である金日成の誕生日で、過去に北朝鮮が核実験やミサイル発射試験を行ってきた特別な日である

10日の記者会見でマティス国防長官は、同空母群の「北上」について、特段の理由があるわけでは無いとし、「我々が空母を北上させる特別な要求や兆候、または理由があるわけでは無い」と語った
Mattis44.jpg●更に長官は、「同空母は西太平洋に派遣されており、太平洋地域を自由に行き来している。我々が最も落ち着きが良い・賢明(prudent)とその時点で考える場所に、向かうのだ」と表現した

●なお同空母群はサンディエゴに拠点を置く第3艦隊に所属しているが、今年1月5日から西太平洋地域に派遣されている。
●派遣されて以降、これまでに3月の米韓共同演習「Foal Eagle 2017」や海上自衛隊との共同演習を行っているほか、南シナ海でのパトロール航海も行っている
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北朝鮮との国境付近に中国軍が15万人を派遣したとか、4月27日に米軍がミサイル攻撃を計画しているとか、様々な不確かな情報が飛び交う事態となっていますが、外務省が「スポット情報」を出した以外は不確かな情報ばかりですので、慎重に見極めたいと思います

Carl Vinson.jpg一方で、マティス長官の発言は慎重の上にも慎重を期し、誤解や誤認識が事態急変を招くことを警戒した表現だと思いますが、日本のメディアが「真央ちゃん一色」なのも考え物です。

これが日本人のオストリッチ症候群(ダチョウが現実から目を背け、頭を穴に突っ込み周囲を見なくする行動を人間に例え)の兆候だとしたら、そしてその反動でちょっとした事案に過敏に反応するようであれば大変困ったことでアリ、見極めたいと思う次第です

北朝鮮の核やミサイルの話題が出ると視聴率急降下
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-21
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以下に宇都隆史参議院議員のFacebookより「コピー&ペースト」して掲載しておりました、韓国在留邦人に対する外務省「スポット情報」の適否に関する議論や、自衛隊による在外邦人救出の難しさに関する引用は、宇都議員に断りなく行ったものであり、宇都議員をはじめ支持者の皆様からマナー違反だと厳しくお叱りを受けました

また、宇都議員のお名前を間違って記載するなどなど、宇都議員とその支持者の皆様に大変ご無礼いたしました。
無断引用部分を削除するとともに、関係者の皆様にお詫び申し上げます

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続報:シリア巡航ミサイル攻撃の裏側 [マティス長官]

Mattis44.jpg10日、米軍によるシリア空軍基地への巡航ミサイル攻撃について、マティス国防長官と中央軍報道官がそれぞれ作戦の狙いと効果について、声明または会見で語りました。

同攻撃については、7日、匿名の米国防省高官2名が記者団にブリーフィングを行っており、その内容を速報した9日アップ記事「シリア巡航ミサイル攻撃の裏側」は大変ご好評頂いております

「シリア巡航ミサイル攻撃の裏側」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-08

特に9日(日)、日本のメディアで専門家や研究者が「いい加減な推測」で同攻撃に言及し、攻撃の狙いや効果への「誤解」を振りまく一方で、発端となった化学兵器攻撃と証拠隠滅を図る病院への攻撃を紹介し、更に「何を攻撃し、何を攻撃しなかったか」と「ロシアへの配慮と疑念」の視点で攻撃計画をご紹介したことに対し、「地道な公開情報フォローの勝利」だと多くの賛辞を頂戴致しました

T-miso.jpg手前味噌はここまでとし、本日は、匿名ではなく、国防長官や軍報道官が同攻撃を説明した内容をご紹介します。
驚きの新事実があるわけではありませんが、日本のメディア報道と自称専門家の「いい加減さ」や「フェイクニュースぶり」を感じて頂くため、重複になる事を恐れずご紹介します

11日付米空軍協会web記事によれば
10日、マティス国防長官や米中央軍報道官のJohn Thomas陸軍大佐は、6日のシリア軍Shayrat空軍基地への巡航ミサイル攻撃が、同飛行場補破壊することが目的ではなく、「短期的に」シリア政府の空爆作戦能力を減殺する事だったと説明した。なお同基地は、シリア軍機がシリア市民への化学兵器攻撃を発起した基地である

Chemical4.jpg●マティス国防長官は10日の声明で、攻撃は将来の化学兵器使用を抑止する目的で、「measured response:管理された効果を狙った対応」であったと述べ、シリア軍作戦機の20%を破壊したと表現した。
●そして「シリア政府は同基地で給油や弾薬搭載を行う能力を失った。滑走路使用の可否に我々の関心は低かった」とも表現している。
●(注目すべきは、)最後に声明は「シリア政府には再び化学兵器を使用しないようメッセージが与えられた:The Syrian government would be ill-advised ever again to use chemical weapons」と結んでいる

参考:国防長官声明→https://www.defense.gov/News/News-Releases/News-Release-View/Article/1146758/statement-by-secretary-of-defense-jim-mattis-on-the-us-military-response-to-the

●米中央軍のJohn Thomas報道官は、燃料庫と給油施設、格納庫、兵器庫等を破壊したと語り、本作戦は「一度限り:one off」で、繰り返し行う事は考えていないと述べた
Chemical2.JPG●巡航ミサイル攻撃後もあまり時間を置かず、シリア軍機は空爆作戦を再開している。米軍側はシリア内での活動を低下させ、多国籍軍司令官は自軍の防御態勢確認を重点に行い、攻撃任務はそれほど行っていない

●また攻撃後ロシアは、シリア領内でのロシア軍と多国籍軍との不意遭遇や摩擦を避けるための意思疎通ラインの中断を発表した。しかし攻撃翌日、米露間ではこれまで通り、スケジュール調整の対話が同ラインで行われている
●しかし米中央軍は、今後も同ラインでやりとりが行われるかどうかには言及しなかった。しかし、ロシアとの意思疎通は、例えば上空で操縦者同士が無線通信する等の方法があると同報道官は語った
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「一度限り:one off」は米国連大使の発言とトーンが真逆で、政権内の意思統一に疑問符が付く発言です

Chemical3.jpg給油や弾薬供給能力は、現場の実態を知る軍人が選ぶプロの目標です。滑走路には被害復旧部隊がアリ、復旧機材がありますが、給油や弾薬は代替が無く復旧に時間が必要なウィークポイントでしょう。
当然、我が空軍は・・・戦闘機数と戦闘機機数にしか興味がありませんから・・・・

攻撃の成果は評価できませんし、今回の攻撃前提となるはずの戦略が米国のシリア政策や中東政策にあるのかとの問いは、当然議論されるべきでしょう。しかし何が計画されたのかは、米側の考え方を把握するためきちんとフォローする必要があります。議論の大前提です

特にひどかったのは、9日朝のNHK日曜討論に出席していた東京外国語大学で中東を専門にする青山弘之教授で、堂々と今回の攻撃でシリアの化学兵器がどれだけ破壊されたかを見極めないと評価できないとか、米軍の軍事的狙いが不明とか、左より発言で自らを守りつつ、偉そうな態度で批評する様子が際立っていました。

桜4.jpg7日既に報道されていた米側作戦の背景や狙い(化学兵器庫や滑走路やロシア軍施設は攻撃対象外)を全く把握していない「無知&馬鹿丸出し」発言で、軍事問題から逃避して中東研究を進めている様子を自ら暴露していました

日本に身近な北朝鮮問題でも、今後(今までも)この様ないい加減報道やコメントが為される可能性がありますので、注意していきたいと思います

アクセス多数
「シリア巡航ミサイル攻撃の裏側」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-08

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マティス長官は対中国を日本でどう語ったか? [マティス長官]

Japan.jpg3日から4日にかけ、マティス国防長官が来日し、安倍総理、管官房長官、岸田外務大臣、そして稲田防衛大臣とそれぞれ会談しました。

尖閣への「日米安保条約第5条」の適応再確認や、在日米軍経費に関する件は議題にならなかった等が日本のメディアで盛んに報じられていますが、やはり日本の安全保障を懸念するまんぐーすとしては、マティス長官の対中国発言に注目したいと思います

それと、長官が儀仗隊をほめてくれた事と、稲田大臣は何歳に見えたんだろうの「謎」ついても、マティス長官の来日に関する4日付米国防省web公開記録で触れたいと思います

本当は「箸休め第3弾」にしたかったのですが、この対中国発言からは、当面「放置プレー」が継続される事が伺え、箸休めしてられない印象を受けました・・

儀仗隊評価と謎?稲田大臣何歳に見えた・・・
(4日公式会談のマティス長官冒頭発言より)
20170204b.jpg●稲田大臣の温かな歓迎に感謝致します。また、昨夜はディナーにご招待頂き、とても率直にフランクに、そしてなおかつ、安全保障情勢について活発な意見交換が出来たことに感謝致します
●私が日本で自衛隊の皆さんと初めて接したのは、私がまだ少尉だった1972年の事です。恐らく、稲田大臣がお生まれになるずっと以前のことだと思うのですが・・・。
(ちなみに、稲田大臣は1959年2月生まれの57歳です)

●そして今回、もう一度日本の部隊の前に立つことが出来て嬉しかったです。今朝の「儀仗」は切れ切れで素晴らしかった(they looked very sharp, very impressive)。セレモニーに感謝します

中国に対する姿勢を問われ
(4日の共同記者会見でマティス長官は)
質問1:NHKの中村氏中国は東や南シナ海で海洋進出を強めているが、どのように対応するか?」
マティス長官
●日米同盟は揺るぎなく、より強固になってきている。これは韓国も含めてであり、この同盟に代わるモノはない
●我々は変化する地域情勢に対応していかなければならない。共に協力して足並みを揃えて対処していく。そして現時点では、特に中国との関係に於いて、アジア太平洋地域で安定を維持する事が出来ないような事象(理由)はない

質問2:Financial Times記者「中国の南シナ海での活動を抑制する行動を米国はほとんど行っていないが、より強い政策を採るべきでないか?何を行うべきと考えるか?」
20170204c.jpgマティス長官
●南シナ海の様子を見ていて、中国は地域の信頼を台無しにしていると思う。周辺諸国の外交、安保、経済主権に対する拒否権を行使しているようなものだ
ルールに基づく国際秩序の観点からすれば、係争があれば交渉を行うのが我々のやり方だ。我々は土地の領有に関し、誰に属するか、公海なのかについて、軍事的手段に訴えたり、占有したりしない

●我々がやるべきは、外向的手段など全ての努力により適切に解決し、通商ルートを公に開放し続ける事である。我々の軍事力はこの外向的な手段を補強するモノであるべきだ
●しかし現時点では、軍事的な行動やそれに類似する動きは全く必要ない外向的手段で最も適切に解決しうる課題だからである

●同時に、航海の自由は絶対的なモノであり、商船であろうと米海軍艦艇であろうとも、我々は公海上での航行を(ルールに則って今後も)行っていく
●であるので、現時点では、大きな軍事的動きが必要だとは全く考えていない
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20170204d.jpg1972年生まれだとしても「45歳」ですし、マティス長官から見て稲田大臣は「30代半ば」くらいに見えたのかも知れませんねぇ・・・
最近、日本の週刊誌やネット上では「垢抜けない稲田大臣のファッション」とか、国会答弁で涙ぐんだ・・・とかの話題が多いですが、大丈夫です! 稲田大臣!お若いしお綺麗ですよ!

儀仗隊への評価は嬉しいですね! 流石は元将軍! 目の付け所が違います。302保安中隊に最敬礼です!

本題の対中国発言ですが、解釈しますと、「対ISISが大統領の最優先事項であり、当面そちらに手一杯だから、外向的手段(つまり口先介入)だけでやり過ごすので宜しくね! 東シナ海でも対中国で波風立てないでね」との意味と理解致しました。
尖閣での「施政権」を死守する覚悟があるなら、「安保条約第5条」は有効だけれど、決して波風は立てるなよ!・・・と釘を刺された感ありです。

安倍総理まで加わった3日夜の夕食会の様子が気になりますが、「Jimと呼んでイイかしら?」とのフレーズ・・・稲田大臣はご活用頂けたのでしょうか???

マティス国防長官の関連記事
「対IS新戦略を30日以内に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-30
「F-35Cと改良FA-18の比較を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-29
「狂犬じゃなくてJimと呼んでくれ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-27
「全職員と兵士へのメッセージ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-23

「新長官と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-19
「市民と軍の分断を埋める」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-02
「トランプ氏がMattis氏と面談」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-21

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最優先IS対処の新戦略を30日以内に [マティス長官]

Trump Jan28.jpg28日付でトランプ大統領がマティス国防長官に対し、国務省や財務省や情報機関等々の支援を得て、30日以内にISIS撲滅の新戦略をまとめてレポートするように命じる大統領令に署名しました。

既に20日発表のトランプ政権基本政策で、ISIS撲滅を「最優先課題」と位置付け(30日付読売新聞朝刊7面)ており、その具体的方向性を早急に固めようとするモノです

また同日、国家安全保障会議の再編を発表し、トランプ大統領の選挙戦を中心となって支えた現在の主席戦略補佐官で、人種差別や性差別、更に反ユダヤ主義だと批判される極右メディア主催者であるSteve Bannon氏を、常任メンバーに加えると明らかにしました

一方で、統合参謀本部議長や情報機関トップのDNIの参加を「関係諸問題を議論する際に招集する」と規定し、これまでとは異なる距離感を醸し出しています。当然ですが、国防長官と国務長官はNSCメンバーのママです。

20日発表の基本政策で対ISについては
(30日付読売新聞朝刊7面)
●積極的で共同、連携した軍事作戦の追求
資金源を経つ
情報共有の拡大
思想の拡散や戦闘員獲得をさせないサイバー戦の強化

30日以内に提出のISIS撲滅の新戦略には・・
(Military.comと上記読売記事)
Mattis44.jpg軍事作戦、外交、有志連合、IS資金源の削減・根絶、更に同戦略遂行資金の捻出方法に関する現状からの方針変換の提言が求められている
●国防長官に対して提出を命じ、国務長官と財務長官と国土安全保障ち長官とDNIと統合参謀本部議長、更に国家安全保障首席補佐官や対テロ・国土安全保障補佐官の支援を得て作成する事が期待されている

●より具体的には、新戦略の提言には、ISIS打倒のための「包括的な戦略」を盛り込むことや、掃討作戦を展開する米国主導の有志連合については「新たなパートナーを特定する」と明記されている。ロシアの協力を取り付けることが念頭にあるとみられる。
●その他少し気になるのは、オバマ政権が「イスラム国」に言及する際にISIL(Islamic State of Iraq and the Levant)を好んだのに対し、トランプ政権はISIS(Islamic State of Iraq and Syria)を使用している点である
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まとまりのない報道紹介になりましたが、対ISISが「最優先事項」だと言うことです。そしてロシアとの何らかの連携を強く示唆していると言うことです

Bannon.jpgNSCに加わった「Steve Bannon氏」には世界中から懸念と非難と唖然の声が上がっていますが、週末あたりから日本の「ワイドショー」に出現した「今日のトランプ」コーナーでも、「文春砲」も霞むほどの扱いを受けるのかも知れません。

NSCへのBannon氏加入と統合参謀本部議長の「必要時のみ参加」を三浦瑠麗女史は、事前の三(四)軍間や、複数の情報機関間での意見統一を阻む狙いの可能性」と指摘し、更に「軍には優しいが、国防長官はハシゴを外される可能性がある」とも予想しています

まぁ・・・相変わらず選挙に負けた民主党的な視点や、デモ隊視点でのトランプ批判が多いようですし、「政権内部の主導権争い」的な視点も増えてきた様に思いますが、いつまで「対岸の火事」気分で眺めていられるのでしょうか?

trump abe.jpg3日のマティス長官の来日や、10日の安倍トランプ首脳会談@米国に向け、建設的な国内議論や報道を期待したいモノです。そう言えば、「防衛計画大綱の見直し」議論を前倒しで開始するとの話が出ているようですが・・・

追伸・・・その他、30日付読売新聞朝刊7面記事は、マティス国防長官はフロノイ元政策担当国防次官を副長官に登用したかったが、フリン安全保障担当大統領補佐官(この方も元陸軍中将:国防情報局DIA長官)の「横やり」でWork副長官の「留任」が決まった・・とも報じています(ワシントン発:横堀裕也記者)

トランプ政権が立ち向かう国防省の課題
「サイバー戦を巡る課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-14
「新政権の国防予算はF-35が鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-08
「規模の増強は極めて困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-10

「現在の対テロ7原則を確認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-07
「比が米軍機の利用拒否!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-11
「北朝鮮でなく中国の問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-28

「新政権の国防予算はF-35が鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-08
「国防省改革はどうなる?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-01
「中露を抑止するには」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-05

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マティス長官がF-35CとFA-18改良型の比較指示 [マティス長官]

trump5.jpg27日、トランプ大統領が初めてペンタゴンを訪問し、自身が「軍隊の偉大な再建」と呼ぶ大統領令に署名し、「新たな航空機、艦艇、装備や兵器を前線の兵士に提供する計画を作成に繋がるものだ」と述べました

大統領令の原文を見ていませんが、即応態勢の確認、核兵器やミサイル防衛分野の状況確認を含むもののようです

そんな動きのあったペンタゴンですが、マティス長官がWork副長官に対し、F-35Cと改良型FA-18の比較を行うこと、及びF-35計画全体を見て価格低下につなげるよう指示した「メモ」の存在を、同日付米海軍協会web記事が報じています

27日付米海軍協会web記事によれば
Mattis11.jpg●副長官宛のメモは、「以下について行うレビューを監督せよ。レビューはF-35CとFA-18スーパーホーネットの能力比較、及び改良型FA-18が達成可能な能力向上と費用対効果、戦闘機としての代替性についてである」を指示している
●更にメモは「F-35計画全体を見渡し、計画への要求値を下げることなく、コストを大幅削減する手段を探求」するよう命じており、予算編成に活用出来るよう報告を求めている

●国防省報道官は、「予算案作成プロセスにおいて必要な情報を求め、国防長官の要望&推薦事項を確認するステップである」と説明している
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FA-18を製造するボーイングは、2013年にステルス性を高めた改良版FA-18を提案(下に構想図)していましたが、原型が原型だけにステルス追求には限界があるようです

AD-FA-18.jpgまた米海軍はF-35計画からのトンヅラを何回か検討した経緯はあるものの、結局NIFC-CA構想の最前線センサーやFA-18を引き連れるリーダー役を期待しており、FA-18改良型を歓迎するかはビミョーでしょう

マティス長官がトランプ大統領をどう思っているのか、なぜトランプ政権下の国防長官を引き受けたのか是非聞いてみたいのですが、この件も稲田大臣とマティス長官の会談に期待したいと思います

トランプとF-35
「トランプ:F-35の代替にF-18改良型を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-23-1
「F-35値下げアピールは単なる政治ショー!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-25

マティス長官関連
「Mad DogじゃなくてJimと呼んでくれ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-27
「全職員と兵士へのメッセージ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-23
「新長官と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-19
「市民と軍の分断を埋める」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-02
「トランプ氏がMattis氏と面談」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-21

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「Mad Dog」じゃなくて「Jim」と呼んでくれ [マティス長官]

インフルエンザと交戦中なので今日はこれだけ・・・

26日、米国防省報道官Jeff Davis海軍大佐の定例記者会見に、マティス国防長官が「off the record」前提のサプライズ参加し、報道官の会見が終わった後に「on the record」にすると宣言した後、「Mad Dog」じゃなくて「Jim」と呼んでくれと語りました

26日付DODBuzz記事によれば
Mattis3.jpg●マティス国防長官は「on the record」にすると述べた後、「Jimで行くから:I go by Jim」と語り、トランプ大統領がマティス国防長官に言及する際に用いている「Mad Dog:狂犬」や「moniker:修道士」との表現から抜け出したいと述べた
●同長官は「狂犬との名を付けてくれたのは皆さん(記者団)だろうが、私の部下からも、どこからその名前は来たのですか?なぜ?と聞かれる有様なんだ」と語った

●更に「今日はそれほどニュースもないだろうから、報道陣の皆さんにはJimを宣伝して欲しい」と述べた
●「Jimで行くから。生まれたときからそう呼ばれてきたんだ。西部出身だからね! Jimがイイだろ。どうだい? この部分はon the recordだから」と付け加えた
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US Forces Japan2.jpgDODBuzzだけが「Jim」を報じており、「Mad Dog」が報道から消える可能性は低いと思いますし、トランプ大統領は「Mad Dog」を使い続けるのでしょう。

でも、マティス長官の初外国訪問となる3日の日本訪問の際には、公式会談を終えた昼食会か夕食会ぐらいで、稲田大臣に置かれましては、「Jimと呼んでイイかしら?」ぐらい仰っても宜しいのでは・・・

韓国との差を付ける「一手」として如何でしょうか?

マティス長官関連
「全職員と兵士へのメッセージ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-23
「新長官と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-19
「市民と軍の分断を埋める」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-02
「トランプ氏がMattis氏と面談」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-21

タグ:JIM MAD DOG
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マティス新長官が全職員と兵士にメッセージ [マティス長官]

トランプとの役割分担か?含蓄がありそうなメッセージ

Mattis.jpg20日、新しい国防長官に承認され、早速主要幹部との会議を行う等、多忙な一日を過ごしたマティス新国防長官が、米国防省の全職員と米軍兵士に当てたメッセージを送っています

ちなみに上院での投票では、98-1の圧倒的多数で承認を得ています。なお、反対票を投じたのはニューヨーク選出の民主党議員Kirsten Gillibrand女史1名で、棄権したアラバマ州選出のJeff Sessions共和党議員と共に、良くも悪くも「名を売った」形となっています

本日ご紹介する就任メッセージは、短くシンプルなモノですが、トランプ大統領の就任演説にはなかった「安定感」「大局観」「ホッコリ感」を感じられるモノとなっていますので、トランプ大統領関連でお疲れの皆様に「箸休め第2弾」としてご紹介致します

なお「箸休め第1弾」は、「第3の相殺戦略」に関するマティス長官(当時は候補)の議会証言と、同戦略の新政権での行く末を考察した専門家の意見をご紹介した以下の記事でした
「新長官と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-19

マティス新国防長官の全職員と兵士への言葉
Mattis3.jpg国防省に戻り、皆さんと一緒に国防長官として国家に仕える機会を得たことを嬉しく思っています
●情報コミュニティーの皆さんと共に、我々は我が国家の歩哨であり警護隊です

●私は、国防省の一員である米軍兵士と文民職員、そしてその家族の皆さんが、我が国家団結の基礎だと考えていますし、そうあって欲しいと思います
皆さんは、人類にとっての公共財である米国を体現する存在です。そしてここでの公共財とは、自由を守るために労を惜しまない米国、そして全ての人類の希望の灯台である米国を意味します。

●我々が為す全ての行動は、米軍が今現在も将来も、常に戦える態勢を維持するためのものです
如何なる国家も友人無しに安全を確保できない事を認識し、国防省は国務省と共に同盟関係の強化に努めます

●更に、国防に投入される税金が最高の価値を発揮するように全身全霊で職務に精励し、もって米国議会と米国民の信頼を勝ち得たいと考えています
●皆さんがそれぞれの持ち場で、全力を尽くしてくれると信じています。私は国防長官として全力を尽くすことを誓います

マティスより
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Mattis2.jpg米国メディアは「情報コミュニティーの皆さんと共に」の部分にロックオンし、トランプ大統領がロシアとの関係で情報機関と「ギクシャク」な点をフォローしているのだ・・・と突っ込みを入れているようですが、その部分だけでなく、短いメッセージ全体でトランプ就任演説をフォローしているように見えます

「公共財」「自由を守るために労を惜しまない米国」「全ての人類の希望の灯台」等の表現は、「America First」を繰り返したトランプ大統領と対極を為しています。

一方で、トランプ氏が繰り返して用いる「America」との言葉をマティス氏もメッセージ内で繰り返して使用し、それでいて同時に、トランプ氏が言及しない(又は軽視しているように見える)側面の政策の重要性を訴えている点に、なによりマティス長官の意図を感じます。
友人無しに安全を確保できない」、「国務省と共に同盟関係の強化」などの部分も、それを感じさせるところです。

更にもう一つ触れておきたいのは、「(皆さんが)我が国家団結の基礎だ」と述べている部分です。
Mattis13.jpgこれはトランプ大統領が、当選確定直後のスピーチで言及した「分断した国をまとめる大統領に」を意識したモノかも知れませんが、同時にマティス長官が昨年5月に軍事専門家としてまとめたレポートで指摘した、近年の「軍隊と一般市民の分離」を危惧する強い問題意識から出た表現だと思います

これをトランプ大統領とマティス国防長官の連係プレーと見るのか、閣内不一致と読むべきかは今後の見所とし、とりあえず、「安定感」「大局観」「ホッコリ感」を感じられるメッセージで「箸休め」して頂きたいと存じます

マティス国防長官の関連
「新長官と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-19
「市民と軍の分断を埋める」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-02
「トランプ氏がMattis氏と面談」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-21

「副長官は当面居残り」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-17
「次の副長官を考える」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-15

ご参考まで:英文でメッセージ全文
It’s good to be back and I’m grateful to serve alongside you as Secretary of Defense.

Together with the Intelligence Community we are the sentinels and guardians of our nation. We need only look to you, the uniformed and civilian members of the Department and your families, to see the fundamental unity of our country. You represent an America committed to the common good; an America that is never complacent about defending its freedoms; and an America that remains a steady beacon of hope for all mankind.

Every action we take will be designed to ensure our military is ready to fight today and in the future. Recognizing that no nation is secure without friends, we will work with the State Department to strengthen our alliances.
Further, we are devoted to gaining full value from every taxpayer dollar spent on defense, thereby earning the trust of Congress and the American people.

I am confident you will do your part. I pledge to you I’ll do my best as your Secretary.

MATTIS SENDS
タグ:Mattis
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マティス新国防長官と「第3の相殺戦略」 [マティス長官]

Third offset.jpg19日付Defense-News記事が「C4ISRNET」を引用し、マティス新国防長官の「第3の相殺戦略」に関する議会証言を紹介しつつ、新政権における同戦略の行く末を推測しています。

これと言った決定的な根拠や言質に基づく記事ではありませんが、トランプ新大統領とは異なり穏当なマティス新国防長官のご発言で「箸休め」して頂き、併せて「第3の相殺戦略」を取り巻く現状を理解する一助なればと考え、幾人かの専門家の見方をご紹介します

マティス氏の「第3の相殺戦略」への考え方
(上院軍事委員会からの質問への回答)
Mattis12.jpg●全般として、第3の相殺戦略検討の中で見いだされている分野は、投資に値するものと考えている。国防省の同戦略への取り組みは、米軍戦闘力を必要な場所と時間で発揮するに事に焦点を当てた取り組みだと理解している
●国防長官に承認して頂けたなら、現在行われている研究開発投資の分野をレビューし、国家に長期的な技術優位性をもたらすものかどうかを確認する

●国防長官に就任したなら、私の職務遂行における優先事項を、より詳細に上院軍事委員会にお知らせしたいと考えている
●私は、技術革新と技術の飛躍的発展のために、リスクに対しては寛容であるべきだと基本的に考えている

専門家等の見方
Shanahan.jpg国防情報部長のJack Shanahan中将は、「まだ新政権についてはよく分からないが、(政治任用の)主要幹部の推進力が第3の相殺戦略遂行に重要なことは国防省組織にも言えることだ」と慎重に語った
●一方で同中将は「強制削減法の下での苦肉の策である暫定予算(continuing resolution)の有効期間が4月に終わり、その後に新着任者は新たな暫定予算編制を迫られ、第3の相殺戦略用に前任者が配分していた予算の継続可否の選択を迫られることになる」と語り、その時点で強い意志や考え方を共有していないと「第3の相殺戦略」が消えゆく可能性を示唆した

CNASのBen FitzGerald研究員も、カーター長官やWork副長官が大きな「political capital」を使用して議会等に「第3の相殺戦略」推進を働きかけていたことを取り上げ、「人工知能」や「自立化:autonomy」等は大丈夫だろうが、その他の分野には不安もあると示唆した
●そして新政権下での「第3の相殺戦略」の運命について、「明確に中断はしないが、積極的な支援を行わず、管理されたネグレクト状態になる」可能性が最も高いと予想した

Eaglen AEI3.jpgAEIのMackenzie Eaglen研究員は、政権の引き継ぎ間、Work副長官がしばらく職務を継続するする事になったが、同副長官が仮に2ヶ月間職務を継続したら、2017年9月末まで(2017会計年度内)の相殺戦略関連事業を支えるだろうと見ている
●更にEaglen女史は、Work氏が今後半年間職務を継続する事になれば、2017年10月以降の2018会計年度予算に大きな影響を与えることになろうと予想した
●また同女史は、新政権が当面の対ISILを重視し、(対中国や対ロシアを想定した)国家間の本格紛争を後回しにすると、「第3の相殺戦略」の推進力は失われるだろうと述べた

一方で米海軍研究所(ONR)のThomas Killion研究部長は、「第3の相殺戦略の関連技術には、自立化、センサー能力、意志決定支援のための新アルゴリズム、製造の新手法等々が含まれているが、これら技術には既に投資が開始されており、継続投資される」「ONRが既に発表した研究戦略にも、相殺戦略関連の多くの分野が含まれており、海軍は投資を進める」と説明し、新政権でも急激の変化は想定しがたいことを示唆している

FitzGerald.jpg前述のFitzGerald研究員も、カーター長官が肝いりで始めた、先端技術取り込み事務所DIUx、国防省の戦略能力造成室SOC、また「Defense Digital Service」などの組織は、政治任用でない職員で運用されており、事業運用が多少変化するにしても、継続して業務するだろうと見ており、単に1980年代導入の老朽装備品更新を行うような政策との決別を期待している
///////////////////////////////////////////////////

トランプ大統領の就任式関連の行事で、各軍種の士官候補生が大統領を観閲官にしてパレードを行う事が恒例になっているらしいのですが、これまでは大統領の前を通過する際、一貫して「頭右」となるように観閲台が設けられていたのに、今回は警備の都合上か観閲台の位置が変更され、「頭左」をしなければならなくなったようです。

某軍事メディアがこの件を取り上げ、「早くもこれまでの慣習や発想からの転換を迫られている」と皮肉めいた表現で紹介していました。

間違いなく、日本はより本質的な国防議論を迫られるでしょうし、そんな時の一助に「東京の郊外より・・・」がなればと考えています

「第3の相殺戦略」関連の記事
「この戦略は万能薬ではない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-11-1
「CSISが相殺戦略特集イベント」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「相殺戦略を如何に次期政権に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-04

「CNASでの講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-15
「11月のレーガン財団講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-15
「9月のRUSI講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-12

「小野田治の解説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05
「慶応神保氏の解説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-26
「第3のOffset Strategy発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-06-1

同じ記者による「第3の相殺戦略」現状解説
http://www.c4isrnet.com/articles/third-offset-strategy-challenges

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次の国防副長官の選定:Mattis氏への助言 [マティス長官]

Mattis11.jpg14日付Defense-Newsが、Mattis次期国防長官を支える副長官にどのような人物を据えるべきかに関する論点を取り上げ、Work副長官や国防問題研究者の考え方を紹介しています。

決して具体的な名前を挙げての議論ではなく、Work副長官が過去の国防長官との関係を軸に分類した「副長官の4タイプ」を紹介しつつ、この4タイプへの国防問題研究者のコメントから次の副長官像を想像する構成です

当たり外れの視点ではなく、国防副長官という仕事から国防省リーダー達の仕事や次期政権に求められることを探っていこうとの試みが興味深いので、ご参考まで概要を紹介します

4日にWork副長官が語った「副長官の4タイプ」
work AFA.jpg●Chief management officerタイプ
ビジネス界から、組織の効率性向上や削減を期待されて引き抜かれて来るタイプで、1969-1971年のDavid Packard副長官のような人物
●政策専門家タイプ
ラムズフェルド国防長官の副長官を務めたPaul Wolfowitz副長官のようなタイプで、紛糾して困難な政策課題について長官を補佐する人物

●無二の親友(alter-ego)タイプ
パネッタ長官とカーター副長官(現在の長官)のような関係のタイプで、必要に応じてどんなことでも長官の手足のように延長線上で行動する人物
●CEO/COO modelタイプ
現在のカーター長官とWork副長官のような関係のタイプで、Exective機能とOperation機能を分担するスタイル

Work副長官は次期副長官の選定に関して質問する記者に対し、上記4つのタイプを踏まえつつ、トランプ氏とMattis氏に助言するなら「副長官に何を求めるのかを明確にして人選すべきだ。例えば、政策が得意なWolfowitzのような人物を選ぶなら、組織の効率化推進に期待するなと言うことだ」と語った

70年ぶり退役軍人長官で専門家意見は様々
●AEIのMackenzie Eaglen女史は
Eaglen AEI3.jpgMattis長官には、COOとベテラン国防省経験者を組み合わせたようなタイプが会うのではないか。トランプ氏は早期に結果を求めそうなので、直ぐ仕事に取りかかり推進力となる人材が適当だろう

政策専門家は単純に必要ない。長官は政策に関わらざるを得ず、政策担当次官も存在するので副長官には別の仕事を期待すべき。無二の親友も良いが、必要不可欠ではない

●CNASのLoren Schulman女史は
Schulman.jpgMattis氏にとって、副長官の選択は、統合参謀本部議長と大統領安全保障補佐官とトランプ氏との関係並みに重要となる
明確で透明性のある業務の長官との切り分けが必要で、スタッフにもこれは該当する

いすれにしても副長官は、長官だけでなく、国防省内や議会での「信頼」が欠かせない。次の副長官は、予算増や国防省の組織構造を扱うことになり、大胆な行動やリスクを許容する機会があるだろうが、公正さや訴えル力がないと成功しない

各軍種は、予算が増えれば厳しい決断を先延ばしに、長期的に維持不可能な装備規模を求める傾向がある。また議会は、予算の用途に厳しい目を光らせているので、次の副長官はこれらに対処しながら前進する必要がある
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Work副長官の指摘した「4タイプ」を違いを理解出来ているわけではなく、現在を「CEO/COO modelタイプ」と表現されると「そうなんだ!」と理解するほか無いのですが、「修道士のような兵士」タイプのMattis氏と馬が合う人物とはどんな人なんでしょうか?

Mattis14.jpgEaglen女史がご推薦の「COOとベテラン国防省経験者を組み合わせたようなタイプ」で、この時代にトランプ政権下で副長官を引き受けてくれる人がいるのか・・・気になります。
まぁ・・大統領安全保障補佐官も、国土安全保障省長官も退役軍人のようですから、あっさり元戦友の名が上がるのかも知れませんし・・・

Schulman女史の軍に対する「長期的に維持不可能な装備規模を求める傾向」とのコメントは、日本にも当てはまるでしょう。

トランプ政権が立ち向かう国防省の課題
「新政権の国防予算はF-35が鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-08
「F-35巡り国防省で内紛」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-09
「規模の増強は極めて困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-10

「トランプがF-35批判」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-13
「現在の対テロ7原則を確認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-07
「国防省改革はどうなる?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-01

「中露を抑止するには」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-05
「Mattis氏が国防長官へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-02
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Mattis元海兵隊大将が次期国防長官に [マティス長官]

Mattis13.jpg1日夜、トランプ次期大統領が国防長官にJames Mattis元海兵隊大将(中央軍司令官で退役)を選んだとシンシナチでの集会で発表しました。
同日の報道を追認する形でしたが、11月19日に初面談した際のメディア対応や雰囲気から、現在はフーバー研究所の安全保障フェローを務める独身の元将軍選択を、米国は自然と受け止めているようです

1日付の同発表を紹介するDefense-News記事は、Mattis氏の議会受けが良く、軍人が退役後7年以内に国防長官になる場合に必要な、議会からの特別許可取得も問題ないだろうと報じています。
例えばマケイン上院軍事委員長はMattis氏を、「彼の世代の中で最良の軍人かつリーダーの一人だ」と表現し、上院での承認に大きな問題が無いことを示唆しています

本日は同Defense-News記事から、つまみ食いでMattis氏の考え方や人柄を示す部分を、つまみ食いでご紹介します

軍隊と一般国民との乖離を懸念
Mattis12.jpg●今年9月、Mattis氏は共著で「Warriors & Citizens:兵士と市民」とのタイトルの書籍を出版し、軍隊と一般国民との文化的な乖離問題を取り上げ、驚くべきレベルの一般国民の軍隊への無知と親近感の無さを描いた
●彼の調査によれば、3人に一人の米国民は軍隊にほとんど親近感を持っておらず、米国民の半分は過去1年間に軍人やその家族と接したことがない事が明らかになった。また多くの米国民は米軍の規模がどの程度かも知らない事も指摘している

●そして彼は「このギャップが拡大して共通の目的を見失うことが、問題だと考える」と語っており、この結果から、Mattis氏の国防長官としての優先事項の一つは、市民と軍の分断を埋めることになろう
●Mattis氏と同時期にNATO司令官として退役したJames Stavridis元海軍大将は、「Mattis氏は3つの重要要素を国防省に持ち込むだろう。まず現在進行中の軍事作戦への深く揺るぎない理解、次に軍の歴史と戦略を深く理解した知性、そして彼が支える前線部隊への強い愛情の3つである」と語っている


世界の諸問題に対する姿勢
Mattis11.jpg●最近、講演等で(加州のフーバー研究所から)ワシントンDC訪問が増えていたMattis氏は頻繁に、ますます危険になる世界に於いて、軍事的なリーダーシップや警戒心が必要だと訴えていた
トランプ氏が選挙戦で訴えていた「大きな軍隊と国防投資」と「諸外国との衝突を避ける外交政策」が、Mattis氏の従来の姿勢とどう結びつくのかよく分からない

●しかしMattis氏は8月に発表のレポートで、過去3つの米国政権を「国家安全保障ビジョンの不足」と表現し、中露やテロの脅威を無視してきたと非難している。
●そして「過去20年間、戦略無しに行動してきた米国を目の当たりにしてきた。あらなた脅威の見極めに遅れを取り、利害の優先順位付けを疎かにしてきた。そして敵や同盟国に一貫性のないメッセージを発信してきた」と述べている

●専門家は、アフガン作戦が上手く行っておらず、トランプ政権が新たな政策を必要とする最初の部分の一つであると見ており、トランプ大統領はMattis氏に対応を求めるだろうと述べている
現役時代からイランに対して警戒感をあらわにし、オバマ政権のイラン核合意に公然と強く反対してNSCチームと対立し、2013年に退役したとも見られているMattis氏は、就任後、イランへの姿勢を硬化させるだろう。むちとあめの同時使用でなく、ムチを先に、アメは後にの方針ではないか

中国やロシアに対し、トランプ政権は従来と異なったアプローチを求めるだろうが、Mattis氏は明らかに軍事的な力を問題解決に重要と考えるだろう
●CSBAのBryan Clark氏は「Mattis氏は両国との不同意部分について、より対峙する方向で強く主張するだろう」「両国が問題を起こす場所に、多くの戦力配備を望むだろう」と見ている
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Mattis5.jpgアフガン指揮官だった際の言葉「Be polite, be professional, but have a plan to kill everyone you meet」や、オバマ大統領が求めていた同性愛者に関する「言わない、聞かない方針撤廃」に正面切って反対を表明していたことを、国防長官候補者に名前が挙がった際にご紹介しました。

一方で、無類の読書好きで蔵書が6000冊、孫子、パットン将軍、シェイクスピア、ローマ皇帝で哲学者のマルクス・アウレリウス等の言葉を好んで引用する人物であることも、ここで再確認させて頂きます


現在の国防省リーダーを取り上げる際と全く視点や話題が異なるので、違う世界のことのようですが、これまで取り上げてきたゲーツ、パネッタ、ヘーゲル、カーター国防長官はオバマ政権下の国防長官であり、政権交代を目の当たりにする今回の変化は、こんなモノなのかも知れません。

Mattis14.jpg現在のカーター国防長官やWork副長官が精力的に推進してきた、「第3の相殺戦略」や関連の「最新民間技術の迅速発見活用」や、「Future of Force」等々がどうなるのかとても気になるので、誰か質問してくれないかと思うのですが、今後の国防省の雰囲気から徐々に明らかになるのでしょう

上記記事では、「昨年の春、Mattis氏の支援者が大統領選挙に同氏を立候補させようと動いたが、Mattis氏自身がその動きを封じて話は立ち消えになった」と紹介しており、そんな人望を集めるMattis氏に期待しておきましょう。

トランプ氏がMattis氏と面談
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-21

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Mattis元海兵隊大将が国防長官有力候補に! [マティス長官]

「Be polite, Be professional, but have a plan to kill everyone you meet」

Mattis.jpg日本時間21日昼12時過ぎ、トランプ氏が「国防長官にどうかと考えていた狂犬・James Mattis退役大将(66才)と昨日話し合ったが、極めて印象深かった。将軍の中の将軍だ」とツイートし、まだ最終決定ではないとしながらも、「He is the real deal:有力候補」だと記者団に語った様です

元軍人が国防長官になるには、原則として退役後7年間経過することが必要ですが、2013年に退役したばかりのMattis氏の場合、議会に特別の許可を得る必要があります。
Mattis4.jpg特別の許可が得られそうかどうかを探るため、アドバルーンを上げて世間の反応を見ているとの見方もあります

Mattis氏は、2010年当時に次期海兵隊司令官の最有力候補と言われていましたが、オバマ大統領が求めていた同性愛者に関する「言わない、聞かない方針撤廃」に正面切って反対を表明していた事や、海兵隊に変化を求めるゲーツ国防長官の好みではなかった事等から選ばれませんでした

そして2010年末に、マクリスタル・アフガン担当司令官が政権批判発言で更迭され、後任に大統領の懇願を受けペトレイアス中央軍司令官が降格人事を受け入れた就任し、実質空席となった中央軍司令官にMattis大将が任命され、2013年までその任を勤めました。

Mattis2.jpgまぁ現役中の2005年には、「it's fun to shoot some people」と発言して物議を醸したりしたようですし、「be polite, be professional, but have a plan to kill everyone you meet」との彼の言葉も、国防長官になれば広く紹介されるでしょう

一方で無類の読書好きで蔵書が6000冊とも言われ、孫子、パットン将軍、シェイクスピア等を好んで引用し、ローマ皇帝で哲学者のマルクス・アウレリウスの言葉を軍内の議論に持ち出すことでも知られていた人物でもあります。

一度も結婚せず、子供もおらず、現役当時は兵士から「修道士のような兵士」とのニックネームで呼ばれた根っからの戦士です。


トランプ氏の国防省政権移行チーム

DOD transition2.jpg18日、選挙結果が出て1週間半後に、初めてトランプ氏の国防省政権移行チームが国防省首脳部とミーティングを行いました。
もちろん、中身については不明で、今後本格的に分野毎、説明や質疑応答が行われるモノと思いますが、とりあえず国防省担当の政権移行チームのメンバーが明らかになっていますのでご紹介しておきます

9名のチームのうち5名が退役軍人で、名前の記載順序に意味があるのかも不明ですが、21日付米空軍協会web記事からメンバーをご紹介します
まんぐーすは全員知りませんので、コメント出来ませんが。視認性を高めるため「3名づつご紹介」していますが、記事では下記の順番で羅列されています

退役空軍少将 :Thomas Carter氏:DonleyとWynne空軍長官の元補佐官
退役空軍少将 :Earl Matthews氏:元サイバー作戦部長
前Boeing社重役:Mira Ricardel氏

退役陸軍大将 :William Hartzog氏
退役陸軍中将 :Keith Kellogg氏
退役陸軍少将 :Bert Mizusawa氏

ヘリテージ財団分析官   :Justin Johnson氏
共和党ウィスコンシン州役員:Michael Duffey氏
コンサルタント(選挙でLatino担当):Sergio de la Pena氏

DOD transition.jpgワシントンDCの主要シンクタンクからは、主要なメンバーが全て選挙期間中に「反トランプ戦線」を張ったので、ヘリテージの1名だけに止まっています。

その反動で元軍人が多いのかも知れませんが、元軍人は陸軍と空軍だけから出ています

18日付Defense-News記事は、もう少し各メンバーの経歴等について解説しています。ご興味のある方はどうぞ
http://www.defensenews.com/articles/defense-industry-well-represented-on-trump-transition-team

トランプ当選をマキアベリと三浦瑠麗氏の視点で
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-10-1

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