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続々と米空軍アセットがアジア太平洋に「初展開」 [米空軍]

B-1B.jpg各種報道によれば、2月に入り、改修を終えた新型B-1爆撃機がグアム島に初展開してプレゼンスを示し、またF-22戦闘機が初めて豪州に大規模展開して豪空軍と共同訓練を行っています。

もちろん以前から計画されていたローテーション派遣計画や訓練で、トランプ政権誕生と関連付けて議論する話でもありませんが、従来の米国防省の方針に沿い、淡々と米軍はアジア太平洋で活動を行っていると言う事です

豪州首相とトランプ大統領は、電話会談を僅か20分間でガチャ切り中断したと伝えられていますが、今のところは現場の状況に変化無しのようです

新型B-1爆撃機がグアム島に初展開
B-1-UK2.jpg6日、テキサス州のDyess空軍基地所属の4機のB-1B爆撃機が、約300名の兵士と共にアンダーセン基地に到着し、太平洋軍が行っているCBP(Continuous Bomber Presence)作戦を担うこととなった
B-1爆撃機は、昨年8月に約10年振りでグアム島への展開を始めたが、今回はB-1運用開始以降で最も包括的な改修を経た新型B-1Bによる初展開となった

●「Block 16 upgrade」と呼ばれる包括改修では、「Integrated Battle Station」の更新、データリンク、アビオニクス、自己診断システムの改修等が行われた
●匿名の派遣幹部は「今回の改修により、機体全体が能力向上し、特に飛行間での航空機間の連接性が大きく向上し、機体の威力を向上できた」と表現している

CBPは、大型爆撃機をグアム島にローテーション派遣し、戦略抑止や地域の同盟国等との共同訓練に貢献するモノで、2004年からB-52やB-2爆撃機も含めて行われている
B-1爆撃機部隊は繰り返し中東地域での作戦に参加して経験を積んでおり、これら経験を太平洋地域伝えると共に、中東とは異なるアジア太平洋地域の特性や相互運用性向上を搭乗員等に学ぶ機会を与えられた

豪州にF-22戦闘機が大規模初展開
F-22Hawaii2.jpg10日、米空軍F-22戦闘機の12機のうちの最初の3機が豪空軍Tindal空軍基地に到着し、豪空軍FA-18との約3週間に亘る共同訓練が開始された
これまでで最大規模となる第5世代機展開訓練は、米豪の「Force Posture Agreement」に基づき計画された、最初の「Enhanced Air Cooperation (EAC) activity」で、Marise Payne豪国防相も「史上最大規模で最長の第5世代機の我が国への展開となる」と表現している

●演習の焦点は、第5世代機F-22と第4世代機である豪空軍FA-18の融合作戦運用の訓練である
●O’Shaughnessy太平洋空軍司令官は、「F-22の展開は、インドーアジアー太平洋地域における第5世代機プレゼンスを共に構築する鍵となる一里塚である」と表現している
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フリン大統領補佐官の辞任は衝撃的でしたが、マティス国防長官との対立も聞こえていましたし、かなり考え方が特殊だとの話もありましたので・・・しかし波乱の予感です・・・・

F-22hardturn.jpgアジア太平洋におけるプレゼンス向上、つまり対中国体制の強化は、南シナ海での中国への対処の具体策と共に、パンチのある施策が打ち出せない状況が続いていますが、米軍レベルの判断で「前進」「拡大」出来る精一杯の努力が続けられています

グアムでは確か、日米豪の3ヶ国空軍共同訓練が行われていますから、B-1爆撃機も参加しているかも知れません。対ISが大変な中、涙ぐましい努力です

米国やトランプ大統領に言われた言われないでは無く、脅威の変化の最前線に位置する日本は、主体的にその変化を捉え、米軍追随ではなく、積極的に米軍を引っ張るくらいの気持ちで戦力構成や資源配分について考えたいものです!

CBP関連の記事
「グアムに大型B全機種勢揃い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-12
「B-2がCBPでグアム展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-18
「CBP受入の常設部隊設置へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-13-1
「爆撃機による外交」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-04

B-1爆撃機関連
「韓国や欧州にも展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-07-1
「対ISでのB-1の活躍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-25
「B-1が海上目標攻撃訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-26-1
「長距離対艦ミサイル搭載試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-23

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CSISが西沙諸島の中国軍施設レポート [中国要人・軍事]

CSIS:中国の南シナ海最前線基地である西沙諸島に注目せよ!

Paracel Pic.jpg8日、シンクタンクCSISの南シナ海問題等を分析するチーム「Asia Maritime Transparency Initiative」が、南シナ海で最も中国軍施設の不法整備が進んでいる「西沙諸島:Paracel Islands」の状況をまとめたレポートを発表した模様です

西沙諸島は、従来の中国軍南シナ海最前線基地だった海南島から更に南に200nm下がった位置にあり、南シナ海活動を今後支えていく最前線基地の位置づけと解釈されており、南沙諸島等の開発の前線基地としての位置づけでも注目されています。

特に著名なのは、戦闘機が利用可能な滑走路や塩害対策の整った格納庫が完備され、地対空ミサイル部隊の展開も確認されてる「Woody Island:永興島」ですが、その周辺の西沙諸島を構成する島々にも、ヘリポート、大小の港湾施設、軍事拠点等が整備されている様子がレポートから伺えます

CSISの関連webページ
「Asia Maritime Transparency Initiative」
https://amti.csis.org/paracels-beijings-other-buildup/

Paracels CSIS2.jpg掻い摘んで内容をご紹介・・・
1974年に当時の南ベトナムが弱体化した隙に中国の西沙諸島進出が始まり、現在は同諸島の島々に約20カ所の軍事拠点を中国軍は設置している

5つの島にヘリポートで、特にDuncan Islandには本格的なヘリ施設が整備されている。他のTriton, Money and Pattle islandsには、中心となるWoodyとの連絡用のヘリポートに見える。Duncan Islandはその本格的なヘリ施設から、地域の対潜水艦作戦で重要な役割を果たす可能性がある
比較的大きな規模の港湾施設がPalm、Duncan islandsとTree Islandで整備が進み、他の島には小規模な港がここ数年で整備されている。これら島々では、これら港湾施設を利用して更なる施設整備が進む事が伺える

1990年代から軍事施設の構築が始まった中核となるWoody Islandでは、4つの大型格納庫、16個の小型格納庫を備える航空基地が衛星写真で確認でき、小型格納庫は塩害対策のエアコン完備と分析されている
●Woody Islandの港湾施設には、2つのシェルターが確認できるが、更に施設の近代化が進んでいることが確認できる。この施設には対空ミサイルHQ-9や対艦巡航ミサイルの展開が確認されている
Woody CSIS.jpg










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南シナ海が大変だ・・・と言いつつ、放置プレーしていましたのでCSISのレポートを契機にご紹介いたしました。
南沙諸島についてもフォローできれば良かったのですが、それはまたの機会に・・・

Woody Island3.jpg中国は世界から何を言われようが、、しっかり、着実に、淡々と、南シナ海の軍事拠点化を進めているということです。
日本もこの点は中国を見習い、世界から何と言われようと、中国や韓国が騒ぎ立てようと、粛々と我が道を進みたいものです。

まぁ、中国や韓国の代理人のような日本の「マスゴミ」を無視することも忘れないようにしつつ・・・

西沙諸島の関連記事
「塩害対策が鍵か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-10
「西沙諸島に中国戦闘機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02-1

CSISの関連webページ
「Asia Maritime Transparency」
https://amti.csis.org/paracels-beijings-other-buildup/

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南シナ海上空で米中の大型軍機が異常接近 [中国要人・軍事]

8日に米軍P-2と中国軍KJ-200が南シナ海で異常接近
9日に米中首脳電話会談で「1つの中国」政策の維持で合意

KJ-200 PLAN.jpg8日、南シナ海における中国の埋め立てで最も緊張感が高まっている「スカボロー礁」近傍の公海上空で、定期哨戒飛行中の米海軍P-3哨戒機と中国海軍所属と推定されるKJ-200早期警戒機の間で、「不安全な接近」が発生したと太平洋軍報道官が9日に明らかにしました

中国軍は空軍もKJ-200早期警戒機を保有していますが、南シナ海に近い海南島に中国海軍が同型機をローテーション配備していることから、恐らくこの海南島に展開中の中国海軍KJ-200が本件に関与した可能性が高いと見られます

具体的に、どのような経路でどのように接近に至ったか、接近時の両軍機の位置関係など細部は明らかにされていませんが、「米海軍機は国際法に則り飛行していた」「1000フィート以内(約300m)に接近した」「米国防省と米太平洋軍は常に中国軍との不安全な接触を懸念している」と同報道官は語ったようです

P-3C Navy.jpgソースは不明ですが、「米軍P-3は空中衝突を避けるため飛行コースの変更を余儀なくされた」との報道がある一方で、中国軍機が早期警戒機KJ-200であることからP-3を意図的に要撃したとは考えにくいことから、「inadvertent:不注意」による接近と表現するソースもあるようです

断定的な事は言えませんが、南シナ海の空でも中国軍の哨戒・警戒活動が日常的に行われていること、中国の情報収集機や早期警戒機にも危険なエスカレーションを招く行動の可能性があることを肝に銘じておきましょう

9日に米中首脳電話会談
(安倍総理との首脳会談の数時間前に)
●9日ホワイトハウスは、トランプ大統領が就任後初めて中国の習近平国家主席と電話会談し、中台がともに一つの中国に属するという「1つの中国」政策の維持で合意したことを明らかにした
●ホワイトハウスの声明によると、両首脳は日米首脳会談の数時間前、ワシントン時間9日夜に電話で長時間にわたって会話し、さまざまな問題について意見を交換した

China-US Pre.jpg●更に声明では、「トランプ大統領は、習主席の求めに応じ、われわれの『1つの中国』政策を維持することに同意した。米中首脳は、相互利益にかかわるさまざまな問題について、対話と交渉を行っていく」と説明
●そして「相互に訪問を招待し合った。大きな成功を収めた会談を受け、トランプ大統領と習主席は再会談を楽しみにしている」と、極めてなごやかに行われたと発表された

中国国営テレビで読み上げられた声明によると、習主席はトランプ大統領の「1つの中国」政策支持に中国は感謝すると述べ、「米国と中国は協力的なパートナーであり、共同の取り組みを通じ、2国間関係を歴史的な新たな高み押し上げることができると信じている」と語った模様
●習主席は「中国と米国の発展は互いを全面的に補完し、共に前進することができる」とし、「両国は非常に良いパートナーとなることが可能だ」と述べ、中国が米国との間で、貿易、投資、テクノロジー、エネルギー、インフラの面で連携を図り、世界平和と安定を共に守るため国際的な分野で協調を深めることを望むと主席が語った模様
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台湾総統と電話会談し、「1つの中国」政策に疑問を呈するようなツイートを行ったはつい最近でしたが、あっという間に「手打ち」となりました。

Trump tel.jpg日米首脳会談の数時間前とのサプライズ効果もたっぷりで、安倍首相との共同会見の「穏当ぶり」に「ほっこり」しつつも、何となく「どう頭を整理して良いのか???」と「?」が頭に残る週末でした。

米軍P-3と中国KJ-200の接近について、中国側の反応が何もないようですが、米中首脳電話会談を受け、どのような姿勢で本事案を表現するのか注目です

まさか、米軍報道官が些細な事案を技と取り上げことさらに取り上げ、中国側の出方を探っているのでは・・・

米国防省の「中国の軍事力」レポート
「2016年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-06

「2013年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-08
「2012年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-19
「2011年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-25-1

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伊の軍需産業会長:F-35で米国にだまされた [亡国のF-35]

Italy F-35.jpg10日、イタリアの元国防次官で現在はイタリア軍需産業界会長を務めるGuido Crosetto氏はF-35の維持整備や製造分担に関し、米国やLockheed Martin社は当初の約束を破り、イタリアの担当分担が大幅に削減されていると不満を爆発させました

イタリアは2002年にF-35共同開発国に加わり、開発に約1100億円を投資し、同時に131機を購入する決定をしています(後に90機に削減決定してますが・・・)
当時これだけの投資が政治的に受け入れられたのは、米国やLockheed Martin社から、投資額に応じた相応の部品製造や維持整備分担をイタリア配分すると約束されたからなのに、現状では当時の約束1/3以下程度しか配分が実現しないと激怒しています

そして更に同氏は、今年予想されるイタリア総選挙を引き合いに出し、F-35計画へのイタリアの参画が政治的に支持されなくなる可能性を示唆しています。
イタリア軍需産業側だけの言い分ですから、「workshare」に関する約束や実態がどうなのか断定は出来ませんが、諸外国にF-35を購入させるため、米国やLockheed Martin社が「バラ色の夢」を誇張して語った可能性は否定できず、世界中で同様の問題が生起しそうですのでご紹介しておきます

10日付Defense-News記事によれば
F-35 RIAT.jpg●Crosettoイタリア軍需産業界会長は2008年から11年の間にイタリア国防次官を務めた人物で、米国やLockheed Martin社とのF-35に関する交渉にも関与していた人物である
●同会長によれば、イタリアがF-35計画に参加を決定し、投資額を議論した際には、米国やLockheed Martin社はイタリアに投資額の約65%の「workshare」を配分すると約束していたが、現在は「20%以下の配分しか得ていない」と同会長はまくし立てた。

●そして同会長は、競合しないと説明を受けていた英国North Walesの整備施設や、後出しで自国の機体整備を行うと主張したイスラエルにより、イタリア北部Cameriの整備拠点の「workshare」が侵害されていると非難した
●更に同会長は今年イタリアで総選挙が想定されることに言及しつつ、「私が国防次官当時は、F-35計画を通じてイタリアが享受できる雇用や新技術を議会に説明して理解を得たが、現状でF-35計画への支持を得ることが容易だとは考えられない」と強調した

●なお現在では、イタリアのCameri整備拠点は胴体や翼の維持整備を担当し、英国North Walesの整備拠点はアビオニクスの整備を担当する事になっている
Italy F-35 2.jpg●また昨年11月、774品目の修理分担の中の65品目の担当国が発表されたが、48個が英国に、14個がオランダに、3個が豪州に割り当てられた。これに対し同会長は、イタリアの企業が小規模だとして不当に関連事業から排除されていると訴えている

●同会長は付け加え、「米国政府とLockheed Martinは私のオフィスで、Cameriの整備拠点で全ての維持整備作業を行うとの提案をしたのだ。従って、英国とイスラエルへの業務の横流しは約束破りだ」と訴えた
●また同工業界の事務総長もCameriの整備拠点について、「当時Lockheed Martinから、欧州唯一の整備拠点となり、全てを担当する事になるから投資しないかと提案を受け、投資を決断した」と憤懣やる方ない思いを語った
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日本とは異なり、イタリアではF-35の開発遅延や価格高騰が世論の非難を浴び、そんな金があるなら教育や福祉医療に予算を使えとの声が日増しに大きくなっているようです。
一方で、失礼ながらイタリア人の主張ですので、しかも業界人の話ですので、話半分とは言わないものの、同会長の発言は割り引いて聞く必要があるでしょう。

F-35 MHI.jpgでもイスラエルが米国との「特殊な関係」を持ち出し、自国で整備と言いだしたのは確かですし、イタリアの企業が現時点で65部品の修理担当から漏れていることは事実です。

まぁ・・・財政破綻の深淵をのぞきつつあるイタリアですから、90機の購入自体が頓挫する可能性が極めて高く、ある意味時間の問題なのでしょうが・・・

F-35の組み立てや修理分担
「F-35部品の修理担当国一部発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-08
「悲劇:日本でF-35組立開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「豪州と日本が分担」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-18
「欧州でのF-35整備拠点決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-12-1

「伊が米に要求:もっと分担を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-01

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米国首都の防空に航空局FAAレーダーと連携 [Joint・統合参謀本部]

NORAD2.jpg米空軍協会が米本土の防空を担当するNORAD関係者にインタビューを行い、首都防空に関する脅威感や対策について触れていますので、東京五輪時のテロ対策等の予習としてご紹介します。

また一連のインタビューで、ロシアからの防空をより強く意識する方向に変化が見られ、関連でOTHレーダーの必要性についてNORAD関係者が語っていますので、併せてご紹介しておきます

3日付米空軍協会web記事によれば
●北米大陸への非対称脅威を考慮し、NORAD(北米防空司令部)は、探知追尾が困難な低高度&低速度目標への対処を焦点の一つにしている。
●そして2015年4月15日、ペンシルベニア州から飛来した小型の有人ヘリ(gyrocopter)に、米議会敷地内への着陸を許した失態以来、NORADは改善を進めてきたと同幹部は語った

NORAD.jpg●NORADのSteve Armstrong戦略計画課長は、最近、首都圏(NCR:National Capital Region)を想定した「机上演習」を実施し、gyrocopter事案を再現するようなシナリオで再検証を行ったと語った
●そして同「演習」の結果、「十分な信頼性を持って、低速低高度航空機をほぼ常に探知追尾できた」と明らかにし、NCRエリアにおける「low-profile aircraft」探知に改善が図れたことを確認したと語った

●今回の結果を導いた改善には、空中状況をより良く把握するための連邦航空局FAAと米軍レーダーデータのコラボが含まれている(collaboration between the FAA and military radar data in terms of what feeds the air picture

対露に常続的なOTHレーダー装置を
JLENS22.jpg911事案以降のシフトから、NORADは本土防衛の焦点を変えつつアリ、ロシアの長距離爆撃機や最新巡航ミサイル脅威への備えの鍵として、常続的な見通し線外レーダー(OTH:over-the-horizon)を求めている
ISR航空機や先進戦闘機によるOTH任務遂行も不可能ではないが、費用対効果の面から常続的な実施は難しいとArmstrong戦略計画課長は語った

2015年にヘリウムを使用した係留型飛行船でOTH機能を狙ったJLENS計画を立ち上げたが、強風にあおられて係留ロープが切れ、漂流しながらケーブルで電線等を傷つけて地域に停電を引き起こし、F-16を出動させて撃墜する騒ぎになった
●NORADのScott Miller広報課長(海軍大佐)は、この事故を受けJLENS計画への再挑戦は期待薄で、これに変わりうる常続的なOHT能力確保の手段を思案中であると述べている
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米本土と日本の防空を単純には比較できませんが、首都の対テロを含む防空を考える場合、民間航空交通を司る当局と空軍の空域監視レーダーとの連携は待ったなしの課題でしょう。

OTH radar.jpgその点、具体的な方法は記事から読み取れませんが、「連邦航空局FAAと米軍レーダーデータのコラボ」は素晴らしい取り組みですし、先進国全てが学ぶべき手法でしょう。

日本の状況を良く承知しては居ませんが、日本の民間航空交通を司る国土交通省管轄の管制機関には「左巻き」の方が多く、自衛隊との協力には「地球の果てまで後ずさり」的な姿勢の方がいらっしゃるのでは・・・と危惧しております。誤解でしたらごめんなさい。

官邸の屋上に軟着陸したドローンのようなレベルの小型飛翔体への対処は困難でしょうが、有人機には何とか対処したいモノです。

JLENSの概要と試験
「2個目配置」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-20
「1個目設置」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-24

NORAD関連
「カナダがBMD姿勢見直し」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-02

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トランプ政権はNPR(核態勢見直し)をどうするのか? [安全保障全般]

核兵器関連のトランプ発言&ツイート

12月22日と23日
「世界の核兵器情勢を踏まえれば、核戦力を大幅に強化拡大する必要がある」
「核兵器の軍拡競争だ」「米国は対抗する国全てを圧倒するであろう」

1月27日の大統領令
「国防長官にNPR(Nuclear Posture Review)を命じる。米国の核抑止力が、最新で強固で柔軟性に富み、強靭で即応態勢に有り、21世紀の脅威を適切に抑止し、同盟国に信頼されるモノであるような態勢を検討させる」

B-2takeoff.jpg8日付Defense-Newsが、上記のトランプ大統領指示等を受け、米国の核兵器やその体制が今後どのように変化する可能性があるのか、NPR検討をマティス国防長官らがどのように進めるのか等々について、様々な専門家の見解を紹介しています

現時点で断定的に言える材料は無いが、そんなに劇的な変化が可能とも思えない一方で、不拡散態勢や核実験禁止条約に手を付ける可能性も否定できないし、ご覧の通りのトランプ大統領なので注視する必要がある・・・と言った雰囲気です

ただし、前回2010年のオバマ政権時のNPRが基本としていた「3つのNO」、つまり、「新たな弾頭、新たな能力、新たな任務は追及しない:no new warheads, capabilities, and missions」方針は、北朝鮮やイランやパキスタン等の動向からしても議論すべき・・・との雰囲気はあるようです

前回のNPR発表は、3回に亘る発表延期の末、オバマ大統領誕生から1年3ヶ月も経過後に行われており、脅威の変化や核拡散の中で抑止全体を議論する困難な作業で、オバマ時代からの大転換を臭わせるトランプ政権下での作業を考えると、時間がかかる可能性も大です。実際、NPR検討を命じる大統領令も、特に期限を設けていません

長い記事なので、いろんな視点を少しずつ、何時ものように独断と偏見で「つまみ食い」紹介を試みます。

8日付Defense-News記事によれば
B-52-UK.jpg●NPRを命じる大統領令は、マティス国防長官に大きな裁量の余地を残しており、誰がどのように何時まで等の点に関し、特段指定していない。従って大統領は国防長官に任せたのだと見る専門家もいる
●どのような変革が予期されるかについては種々の意見はあるが、オバマ政権時代に方向付けられているB-21爆撃機、次期戦略原潜、ICBM後継設計に大きな変更は無いだろうと多くの専門家や関係者は見て居る。

●トランプ政権は全ての既定政策を吟味するだろうが、現在国防省内で検討されている新たな指揮統制システムや核搭載巡航ミサイルは、色々と話題を呼ぶ可能性がある
●また、オバマ前政権が核兵器の削減を追求していた方向とは異なり、脅威の状況から、「抑止の重要性や優先度」をより重視する方向に向かう可能性を、トランプ政権の安保関係スタッフは示唆しているようだ

B-61 LEP.jpg●まだ多くの関連スタッフが埋まっていないことから予測が難しいとしつつも、新政権は不拡散態勢よりも抑止と戦力近代化を重視し、「ブッシュ政権時のように、実現可能性が薄くても、あくまで理想の強固な核戦力態勢を目標に掲げる可能性が、マティス&Work体制にはあり得る」との見方もある
●別の専門家は、オバマ政権時の核戦力近代化計画を前倒し推進する方向を予測し、核弾頭近代化を担うNNSAへの予算増額を優先するのではと指摘している。具体的には、現在5種類の戦術核を2種類(W80-4 and the B61-12)に更新集約し、5種類の戦略核ミサイル弾頭を3つ(IW-1, IW-2, and IW-3)に集約する計画の加速である

昨年12月に国防科学評議会がまとめたレポートを基礎に、新たな核兵器オプションを新大統領に提示する可能性も指摘されている。2010年NPRの「3つのNO」方針から離れ、より威力の小さな核兵器や運搬手段をオプションとする構想が含まれる可能性がある

抑止概念の再検討や不拡散や核実験条約も議論に
B-21 2.jpg●7日の記者会見でGoldfein空軍参謀総長は、「全てのオプションをオープンに検討する準備がある」「弾頭数や威力の議論も問題ない」「国防省が現在構想している核兵器近代化計画の継続が議論の主対象になるだろう」と述べたが、更に続けて
●「一方で、21世紀の抑止についてより幅の広い議論を期待したい。宇宙やサイバードに戦域が拡大し、世界共通の公共財が目標になり得る時代における、抑止のあり方や核抑止の関わり方にまで議論の幅を広げる必要があろう」と語った

前回のNPRに国防省の担当次官補代理として関わったHersman氏は、実務上の論点として、ペンタゴン以外の外部有識者を何処まで関与させるかを論点としてあげている。多くの意見を聞くことでプラスもあるが、議論を複雑にして集約に時間を要すると注意喚起している。
NPRの完成時期については、トランプ大統領から具体的な指示が無いと国防省関係者も認めている。議会から早期の検討を求められるかも知れないし、2018年度予算案に反映させるためなら早期のとりまとめが必要となろう

Minuteman III 4.jpg●別の観点として、核兵器の不拡散には超党派で支持が強く、これを新政権が無視することは難しいだろうが、国際環境を踏まえ、駆け引きの材料になる可能性は否定できない
●同様に、核抑止や核開発の専門家の間では、ケリー前国務長官らが再強調していた核実験禁止条約の効力を疑問視し、同条約の存在意義を再評価すべきとの意見も聞かれる

●一方で、核非拡散の諸国間には、米国が核兵器使用の原則を堅持しない可能性への懸念が広がりつつアリ、2010年NPRの「3つのNO」変更は、不必要に不安定化を招いてコストが増すだけで無く、主要な同盟国を含む国内国外の分断を招く恐れがある
トランプ大統領が核ボタンを保持していることだけでも懸念の材料となっている中、更に恐れや懸念を大きくする可能性があると、NPR検討を心配する声もある
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通常戦力の増強どころか、維持費の捻出にも苦労している米軍部隊の現状を何回かご紹介してきましたが、核兵器に関わる「忘れられた・無視され続けた」現場の状況は、更に輪をかけて厳しいのが現状です。
この対策には、今後20年間、毎年約2兆円の追加予算が必要とWork副長官が見積もっており、その捻出だけでも容易ではありません

SSBN.jpgですから、トランプ氏の「核兵器増強」ツイート等が、「大山鳴動してネズミ一匹」で収束する可能性も大なのですが、それでは再び現場の士気は「ウナギ下がり」が予想され、反動が懸念されます。

「不拡散の見直し」は日本や韓国に核武装を・・・とのトランプ発言を受けた話題でしょうが、2017年に入ってから一度も耳にしませんので、スルーして良いかと思います

ところで空軍参謀総長が言及している「抑止全般の再検討が必要」との問題認識は、日本の関係者にも注目してもらいたいモノです。
何時までも、実質的に効果の薄い対領空侵犯措置だけに「陶酔」し、脆弱性が増すばかりの「戦闘機部隊だけ命」思考では、日本の抑止力向上は図れません

戦闘機の存在による抑止効果が「ウナギ下がり」である事を良く認識し、抗たん性のある戦力構成への投資シフトや、脆弱なサイバーや電子戦、はたまた宇宙アセット代替確保等々への投資を、真剣に議論すべき時を既に迎えているはずです

前回のNPR(核態勢見直し:Nuclear Posture Review)
「2010年NPR発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-07
「NPR発表3回目の延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-02
「バイデンが大幅核削減を公言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-19

米新政権の国防予算を考える
「規模の増強は極めて困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-10

空自OBが対領空侵犯措置の効果を疑問視
「対領侵中心の体制見直しを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1

戦術核兵器とF-35記事など
「戦術核改修に1兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
「F-35戦術核不要論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-16
「欧州はF-35核搭載型を強く要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-22
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06

ICBM後継に関する記事
「ICBM経費見積もりで相違」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
「移動式ICBMは高価で除外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
「米空軍ICBMの寿命」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1

オハイオ級SSBNの後継艦計画関連
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1
「SLBMは延命の方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13

米軍「核の傘」で内部崩壊
「屋根崩壊:核兵器関連施設の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-23
「核戦力維持に10兆円?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-09
「国防長官が現場視察」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18
「特別チームで核部隊調査へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-27

「米空軍ICBMの寿命」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1
「米核運用部隊の暗部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-29

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米海軍FA-18の2/3が飛行不能の惨状 [Joint・統合参謀本部]

F-18.jpg6日付Defense-News記事は、トランプ大統領が米軍の航空機や艦艇の大増強をぶち上げている一方で、予算の強制削減法(予算管理法)や暫定予算(CR)態勢に何ら変化の兆しがなく、米海軍部隊は槍の穂先を担う海軍攻撃機の2/3が部品不足や整備未完で飛行不能状態にあると実情を指摘しています

また、艦艇修理費の削減により空母や潜水艦の定期修理期間が延伸したり、操縦者の飛行訓練時間が不足したする事態が常態化し、そんな悩ましいペンタゴンや司令部勤務を命じられた士官の転勤拒否率もうなぎ登り状態にあることも紹介されています

また、新政権下でマティス長官が2017年度予算の修正案を提出することになっている一方で、そのお金はほとんど全てが艦艇や航空機の増強ではなく、目の前の稼働率を確保するための修理費や部品費に投入されル実態も紹介しています

オバマ政権8年間の「強制削減態勢」がもたらした傷は如何にも深くトランプ大統領の威勢の良いかけ声がむなしくペンタゴンや米軍現場に響く惨状を、安保関係者はまず把握する必要がありましょう

6日付Defense-News記事によれば
Aegis3.jpg●通常の状態でも、米海軍の航空戦力の非稼働率は、定期整備等のため2割から3割程度はあるが、現在は52%が非稼働状態にある。
●そして戦力発揮の最先端にあるFA-18の非稼働率に至っては、何と62%に達している。62%の内訳は、27%は大規模定期修理に入っているためだが、残りの35%は単に部品が入手出来なたために飛行不能の状態に置かれて居るのだ

米海軍艦艇の修理費も不足している。米海軍は、長期間を要する艦艇建造を削減/中断すると取り返しが難しく、また造船所の人員や技術基盤の態勢維持のため、整備維持費を削減しても艦艇建造に予算を優先配分しており、整備維持費へのしわ寄せが大きくなっている
2017年度予算でも、本来であれば必要な14隻の艦艇定期修理を2018年度に先送りする決定を行っている。14隻には、潜水艦1隻、巡洋艦1隻、駆逐艦6隻、揚陸艦修理艦2隻、揚陸艦1隻、掃海艦3隻が「含まれている

●この様な修理先送りは、やり残し修理の蓄積を招き、また修理延期により艦艇等の痛みも進むことになり、結局実際の修理期間が延伸する悪循環に陥っている。
●例えば最近では、空母の定期修理が少なくとも3年、潜水艦に至っては4年以上必要な状態に至っており、潜水艦「Boise」は潜水不能なレベルにまで艦の状態が悪化している。海軍幹部は現状の暫定予算状態が続けば、今年更に潜水艦5隻が同様の状態になると危惧している

9年連続で暫定予算(CR:continuing resolutions)が続き、前年ベースの査定が続き、新規事業予算枠が確保できない中のやりくりにより、例えば兵士の移動旅費確保も難しくなっており、2017年に入ってからの移動が、前年より15000件減っている状態である
●(この様な困難な部隊運用の中、)ペンタゴンや司令部勤務への移動を拒否する操縦者が増加しており、司令部等への移動を拒否するものの比率が、2013年には17%であったが、2016年には29%にまで急増している

新政権の動きに期待できるか?
トランプ大統領は強制削減の言及である「予算管理法」の撤廃を主張していたが、何時、どのようにこれが実行されるのか明らかになっていない

mattis-about.jpg1月31日にマティス国防長官が、今後の予算関連の時程を「three-phase計画」をMemoで示し、まず2017年度予算の修正案を3月1日までに大統領府に提出、第2段階として5月1日までに2018年度予算案を大統領府に提出することを命じている
●更に第3段階として、新政権が議会への提出を義務づけられている「National Defense Strategy」を作成し、「FY2019-2023」の国防計画をまとめ、その中で「新たな米軍の戦力規模」を明らかにする事としている

今週は4軍の副参謀総長が下院と上院の軍事委員会に出席し、各軍種の現状を説明して当面の追加予算を要望することになるだろうが、長期的な話にはならず、残された2017年度5ヶ月間で穴埋めすべき予算確保を訴えるだろう。
米海軍で言えば、新造艦の予算ではなく、緊急に必要な艦艇の維持整備費でアリ、航空機の部品調達予算の話になろう。米海軍高官の言葉を借りれば「我々の最優先事項は即応態勢確保だ。航空機を飛行させ、艦艇や潜水艦を海に送り出し、水兵を訓練して使えるようにする予算が問題なんだ。新たな装備の話する余裕はない」なのである。
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Bush-CV2.jpg当分はトランプ大統領による「大統領令」騒動が続きそうですが、地に着いた視点で新政権の動向を見守るため、改めて米軍部隊の現状を米海軍を例にご紹介しました。

米国全体で大規模な財政出動を行うような「前振り」があり、その流れの米軍艦艇や航空機の増強計画ぶち上げだったと思うのですが、「足もと」がこの状態ですから「落としどころ」が見当たらないのかも知れません。

副参謀総長グループの発言にも注目ですが、「足りない足りない」と予算増額発言ばかりでは疲れるので、少しは政策や戦略を語って欲しいものです。
それから、ハリス太平洋軍司令官あたりにも、そろそろ対中国発言を期待したいモノです

米新政権の国防予算を考える
「規模の増強は極めて困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-10
「新長官と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-19
「次期政権と相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-04

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米空軍トップが5分間でトランプに訴えたこと [サイバーと宇宙]

Goldfein1-1.jpg3日、Goldfein米空軍参謀総長が米空軍協会Mitchell研究所で講演し、米空軍の宇宙における役割の重要性を主に訴えました。

許された僅か5分間のトランプ大統領へのプレゼンで宇宙を語ったことや、米空軍が有志連合国を含む共同航空宇宙作戦センターで宇宙分野をリードしていることをアピールしつつ、宇宙アセット調達の問題点も訴えています

宇宙アセットの重要性や脆弱性が鍵であることは承知しているつもりですが、B-21やF-35やKC-46A等の大物航空アセットの調達に目途が立った余裕を感じないでもありません。
いやいや・・・やはり宇宙装備の脆弱性が頭から離れないんだと思いますが誘導兵器の発達で航空機自体のアピール度が低下していることを「首筋辺り」で感じているようにも思います

限定5分でトランプ大統領に説明したのは
Goldfein1-4.jpg●マティス長官の議会証言が行われた当日、4軍のトップがトランプ大統領と面談する機会を与えられ、それぞれが各5分で説明した。私はまず宇宙において空軍の果たしている役割を強調した
地球上全体を俯瞰する12個の衛星を運用しているが、そこから得られるデータ自体では役に経たず、意志決定に供するレベルの情報に変換して活用することで初めて意味を持つ。米空軍はその処理能力で航空宇宙優勢の多くを確保し、統合戦力の活動を根本で支えていると説明した

●またリビアのISIS拠点を、米本土を出撃したB-2爆撃機が往復32時間の連続飛行で任務を達成した件も取り上げ、米空軍が世界中で米国の国益を支えていると大統領に説明した
●最後に大統領に述べたのは、米空軍の全ての任務遂行は米国産業の成長そのものである点だ。ここ数年の軍縮小で史上最低規模にある空軍だが、あるべき規模や体制を取り戻し、国家の負託に応えたいと説明した

宇宙練度は連合や共同で飛躍的に進歩
Space Fence1.jpg●例えば最近発生した無人機MQ-9の衛星通信トラブルでは、従来なら数日から数週間対処に必要だったものが、分単位で解決されるレベルに進化している
●当該事案は「衛星通信への干渉発生」がトラブルとなったが、連合の航空作戦センター(CAOC)が問題を把握し、多様な関係者がチームで問題解決に取り組み、問題を分析して関連捜査員とレポートを共有して対処に当たった

数分の間に、有志連合国の装備が妨害源となっていることが突き止められ、問題解決に繋がった。このような迅速な問題処理は、CAOCに多様な関係者が一堂に会して勤務することで可能になることである
●平均すると、このような問題解決に要する時間が1/8に短縮している

宇宙ドメインの主導を米空軍に
Gold-Live.jpg米空軍を宇宙を主導する軍種に指名してほしい。米空軍の兵士に統合の場で宇宙のより大きな役割を担わせて欲しいまた「family of systems」アプローチを、国防省全体の宇宙活動に導入して欲しい
●我々は戦略レベルで、宇宙ドメインを統合参謀本部や地域コマンド司令官たちとどのように導くかについて議論を必要としている

●最後にMike Rogers下院議員が取り組んでいる宇宙アセット調達改革について言及し、宇宙に関わる計画の意志決定に、60もの異なる関係者が意志決定に関わる現状の規定を、「この複雑な規定により、調達戦略の一体性が損なわれている」と訴えた
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4軍のトップである参謀総長や司令官でも、報道されるトランプ大統領の主張や「大統領令」を気にしながら、何を語るべきか思案している様子が伺えます

Birds-Tra2.jpg「偉大な軍隊」を取り戻すには無駄を削減することも必要で、4軍が互いに根回しして政権と対峙しないよう、4軍に連携させないよう分断策を採るのでは・・・と推測する方もいらっしゃいますが、現時点では何とも言えません

それにしても・・・今回のマティス長官来日ですが、あまりに日本関係者が聞きたい事をポンポン言ってくれるので有り難いのでしょうが、とりあえず対ISISが忙しくなるから、対中国や対北朝鮮には「たっぷり口先介入」だけで時間稼ぎ・・・の思いが滲んでいるような気がします

宇宙関連の記事
「新型宇宙監視望遠鏡が部隊へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-19
「宇宙改革法案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-13
「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08

「宇宙アセット防御予算8割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-01-1
「米空軍の宇宙姿勢を改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-19-1
「F-15から小型衛星発射試験へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09

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マティス長官は対中国を日本でどう語ったか? [マティス長官]

Japan.jpg3日から4日にかけ、マティス国防長官が来日し、安倍総理、管官房長官、岸田外務大臣、そして稲田防衛大臣とそれぞれ会談しました。

尖閣への「日米安保条約第5条」の適応再確認や、在日米軍経費に関する件は議題にならなかった等が日本のメディアで盛んに報じられていますが、やはり日本の安全保障を懸念するまんぐーすとしては、マティス長官の対中国発言に注目したいと思います

それと、長官が儀仗隊をほめてくれた事と、稲田大臣は何歳に見えたんだろうの「謎」ついても、マティス長官の来日に関する4日付米国防省web公開記録で触れたいと思います

本当は「箸休め第3弾」にしたかったのですが、この対中国発言からは、当面「放置プレー」が継続される事が伺え、箸休めしてられない印象を受けました・・

儀仗隊評価と謎?稲田大臣何歳に見えた・・・
(4日公式会談のマティス長官冒頭発言より)
20170204b.jpg●稲田大臣の温かな歓迎に感謝致します。また、昨夜はディナーにご招待頂き、とても率直にフランクに、そしてなおかつ、安全保障情勢について活発な意見交換が出来たことに感謝致します
●私が日本で自衛隊の皆さんと初めて接したのは、私がまだ少尉だった1972年の事です。恐らく、稲田大臣がお生まれになるずっと以前のことだと思うのですが・・・。
(ちなみに、稲田大臣は1959年2月生まれの57歳です)

●そして今回、もう一度日本の部隊の前に立つことが出来て嬉しかったです。今朝の「儀仗」は切れ切れで素晴らしかった(they looked very sharp, very impressive)。セレモニーに感謝します

中国に対する姿勢を問われ
(4日の共同記者会見でマティス長官は)
質問1:NHKの中村氏中国は東や南シナ海で海洋進出を強めているが、どのように対応するか?」
マティス長官
●日米同盟は揺るぎなく、より強固になってきている。これは韓国も含めてであり、この同盟に代わるモノはない
●我々は変化する地域情勢に対応していかなければならない。共に協力して足並みを揃えて対処していく。そして現時点では、特に中国との関係に於いて、アジア太平洋地域で安定を維持する事が出来ないような事象(理由)はない

質問2:Financial Times記者「中国の南シナ海での活動を抑制する行動を米国はほとんど行っていないが、より強い政策を採るべきでないか?何を行うべきと考えるか?」
20170204c.jpgマティス長官
●南シナ海の様子を見ていて、中国は地域の信頼を台無しにしていると思う。周辺諸国の外交、安保、経済主権に対する拒否権を行使しているようなものだ
ルールに基づく国際秩序の観点からすれば、係争があれば交渉を行うのが我々のやり方だ。我々は土地の領有に関し、誰に属するか、公海なのかについて、軍事的手段に訴えたり、占有したりしない

●我々がやるべきは、外向的手段など全ての努力により適切に解決し、通商ルートを公に開放し続ける事である。我々の軍事力はこの外向的な手段を補強するモノであるべきだ
●しかし現時点では、軍事的な行動やそれに類似する動きは全く必要ない外向的手段で最も適切に解決しうる課題だからである

●同時に、航海の自由は絶対的なモノであり、商船であろうと米海軍艦艇であろうとも、我々は公海上での航行を(ルールに則って今後も)行っていく
●であるので、現時点では、大きな軍事的動きが必要だとは全く考えていない
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20170204d.jpg1972年生まれだとしても「45歳」ですし、マティス長官から見て稲田大臣は「30代半ば」くらいに見えたのかも知れませんねぇ・・・
最近、日本の週刊誌やネット上では「垢抜けない稲田大臣のファッション」とか、国会答弁で涙ぐんだ・・・とかの話題が多いですが、大丈夫です! 稲田大臣!お若いしお綺麗ですよ!

儀仗隊への評価は嬉しいですね! 流石は元将軍! 目の付け所が違います。302保安中隊に最敬礼です!

本題の対中国発言ですが、解釈しますと、「対ISISが大統領の最優先事項であり、当面そちらに手一杯だから、外向的手段(つまり口先介入)だけでやり過ごすので宜しくね! 東シナ海でも対中国で波風立てないでね」との意味と理解致しました。
尖閣での「施政権」を死守する覚悟があるなら、「安保条約第5条」は有効だけれど、決して波風は立てるなよ!・・・と釘を刺された感ありです。

安倍総理まで加わった3日夜の夕食会の様子が気になりますが、「Jimと呼んでイイかしら?」とのフレーズ・・・稲田大臣はご活用頂けたのでしょうか???

マティス国防長官の関連記事
「対IS新戦略を30日以内に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-30
「F-35Cと改良FA-18の比較を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-29
「狂犬じゃなくてJimと呼んでくれ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-27
「全職員と兵士へのメッセージ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-23

「新長官と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-19
「市民と軍の分断を埋める」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-02
「トランプ氏がMattis氏と面談」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-21

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映像と5つの視点で学ぶ:核兵器 [安全保障全般]

atomic city3.jpg米軍事情報サイト「Military.com」が提供しているシリーズ「5 Things You Don't Know About」をまたまたご紹介します
このシリーズは軍事装備品を映像と共に、5つの豆知識から学ぼうとするもので、これまで7つほどご紹介してきました。過去の記事は末尾をご覧下さい

今日のテーマは「核兵器:Nuclear Weapons」で、2016年7月に作成されたものですが、いつものように同テーマに5つの話題でアプローチします。聞き取りの間違いにはご容赦を・・・

5つの視点は旧ソ連核兵器の再利用、ラスベガスは核実験観光で儲けていた、未だに原因不明の核爆発、現在の核弾頭保有数、そして米軍核兵器を保管・使用可能な他国について です。

映像は約7分です


話題1:旧ソ連核兵器を米国は核燃料に
米ソの戦略兵器削減交渉の結果、両国が核弾頭の削減に合意したが、あわせて旧ソ連の核弾頭を原子力発電のウラン燃料に転換し、米国内で使用するプロジェクトが1993年にスタートした
1993年から2013年まで行われたこの「メガトンTOメガワット」プロジェクトにより、旧ソ連の核弾頭2万発が核燃料に転換され、米国の発電所で使用されている

話題2:ラスベガスは核実験観光で
atomic city.jpg1951年から1963年の間に、ラスベガスから約65NM離れた核実験場で計200回の核実験が行われたが、これは3週間に一度の頻度であった。
核実験によって発生する「キノコ雲」がラスベガスから視認できたので、「Atomic City」の名で町を宣伝し、カジノやホテルは「核実験キノコ雲見学」を売り物に観光客を集めたほか、
●当時ラスベガスには、核実験に参加する兵士を歓迎するネオンサインや、キノコ雲との記念撮影が人気で、「Atomicカクテル」まで現れた時代だった

話題3:未だに原因不明の核爆発
atomic city2.jpg●核実験による大気汚染や「死の灰」が問題視され、やっと1963年に関係国で部分的核実験禁止条約が締結されて核実験が制限されるようになった
●これを受け、米国は監視衛星「ディーラー」等で核実験の監視体制を整えたが、そんな中で1979年9月にに原因不明の「閃光」「振動」等々が「インド洋」で観測され、その特定に全力を挙げた
●当時の米国情報機関は、諸情報から当該爆発が核実験だと断定したが、現在に至るまで、誰がこれを引き起こしたのかは不明のママである

話題4:各国の核弾頭保有数
●現在、世界には約16000発の核弾頭が存在している。最も多く保有しているのがロシアの7700発、ついで米国が7100発、フランスが3000発、以下、中国と英国が各250発等と言われている(まんぐーす注:合計があわないのですが、解説はそうなっています)

話題5:米軍核兵器を保管・使用可能な他国
米国の核弾頭(戦術核兵器)が、以下のNATO諸国に分散保管されており、保管する各国は有事に米国の承認を得て、各国の戦闘爆撃機機に搭載して同兵器を使用できることになっている
●現在この形態の核弾頭を保管している国は、ドイツ、イタリア、ベルギー、トルコ、オランダの5カ国である。昨今のトルコ情勢の流動化を受け、トルコ保管の核兵器の安全性が最近議論になっている
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「核実験観光」ですか・・・時代に流れを感じますねぇ・・・
しかし、1979年9月の「なぞ」は何とかならないんでしょうか・・・・・・。誰か取り上げて欲しいですね・・・。イスラエルとか南アフリカとかが疑惑の対象らしいですが・・・

なかなか興味深い「5 Things You Don't Know About」シリーズでした!!!

映像で5つの視点から学ぶ
「米海軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
「米海軍潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-26
「火炎放射器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-2
「負傷者救出ヘリ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-07

「B-2爆撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-01
「AK-47ライフル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-28
「原子力潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-1

映像で見るシリーズ
「12㎏の兵器搭載地上ロボット」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-09
「防空&ミサイル防衛の融合IAMD」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-27-2
「威力強烈:AC-130」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-06
「CASの歴史を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-19

「イメージ中国軍の島嶼侵攻」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-06
「泣ける:帰還兵士と犬との再会」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-05
「レーザー兵器試験@ペルシャ湾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-13

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