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米軍即応態勢:影の課題2つ [Joint・統合参謀本部]

Selva-CSIS.jpg1月末、米軍No2である統合参謀本部副議長Paul Selva空軍大将が記者団と懇談し、20年近く継続する実戦と海外派遣の繰り返しの中で、米軍部隊の即応体制低下が問題視され、予算不足などの課題が話題となる中、部隊の足元に兵士の即応体制をむしばむ問題があることが明らかになってきたと吐露しています

米国防省や米軍幹部が口々に、強制削減法による暫定予算体制が装備品の維持整備や更新、更に部隊訓練を阻害していると訴え続けている中、実戦派遣に必要な健康管理面や身体能力面での基準を満たせない兵士が増加していることが、小さくない課題だと明らかにするのは恥ずかしいことだと思いますが、これが現実の様です

先進国の軍隊に同じような傾向が見られるのでは・・・と気になる部分もあり、軍隊の現実を垣間見る視点としてご紹介します

1日付米空軍協会web記事によれば
airman.jpg●Selva副議長はワシントンDCで記者団に対し、部隊の即応体制を阻害する「2つの鍵となる課題」として、兵士を取り巻く健康管理行政面での課題と、兵士の体力面での課題を説明した
●そして同大将は、「米軍は兵士レベルに注目する即応態勢検証を開始し、個々の兵士の問題に行き当たる興味深い状況を目にすることとなった」と表現した

●兵士の即応体制を阻害する第1の要因として、兵士が即応態勢に求められる健康チェックを通過できない事例が増えている点がある。最も大きいのは歯科検診を通過できないことや派遣に必要な予防接種を受けられていないケースである
●様々な理由で基地内から歯科医がいなくなり、基地外の契約歯科医に検診を依頼すると、治療や検診がスケジュール通り進めることが困難となり、所定の基準も満たすことができない兵士が増加しているのである。

●また予防接種で言えば14種類の予防接種を求められている例があるが、これに加えて航空機登場要員の多様な項目にわたる定期健康診断への対応など、極めて手間のかかる業務が滞っている実態が部隊で生じている

Selva brok.jpg第2の要因は各兵士の健康管理・体調管理レベルの問題(physical fitness)である。具体的な数字を把握していないが、確実に身体検査を通過できない兵士が増えている
●典型的な例は、体重と身長の関係である。わかりやすく言えば太りすぎで派遣基準を満たせない兵士が全軍で明らかに増加し、部隊としての即応体制に悪影響を与えているのだ

●これらの問題についてSelva副議長は、「前線部隊レベルのリーダーシップの課題であるが、組織としての取り組みも影響している」、「健康管理に必要な医療機関や設備に問題があれば、国防省として前線部隊指揮官だけに責任を負わせるわけにはいかない」と語っている
●しかし健康管理・体調管理レベルの問題(physical fitness)は部隊レベルで指導監督すべき問題である。部隊指揮官や中堅および上級下士官が指導すべき課題である。前線指揮官が「基準が決められており、これをクリアしなければならないと部隊の先頭に立って改善すべき課題である」というべきである
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Wiltsie4.jpg任務の増大や維持整備費不足から、米海軍のFA-18の実質稼働機が1/3程度しかないとお伝えしたことがありましたが、Selva副議長が明らかにした兵士レベルの問題が、どの程度悪影響を与えているのか気になるところです

基地内から歯科医が居なくなるのは、基地外で開業したほうが収入が良くなるからでしょうし、予防接種が大変なのは、派遣される地域がそれだけ辺鄙な場所に拡大しているからでしょう

しかし「肥満」に代表される個人レベルの課題は、社会全体の縮図ですからねぇ・・・。高級幹部も含め、肥満や体力チェックを通過できない兵士の給料を下げるとか、昇任審査に反映させるとか、荒療治が必要なのかもしれませんねぇ・・・

関連記事で考える
「海兵隊:生活習慣を改善せよ!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-08
「個人装具重量3割カット提案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-07
「米空軍兵士死因トップは自殺」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-12-1

FA-18の稼働率問題
「2/3が飛行不能の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-07

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中国が世界初のレールガン搭載艦 [中国要人・軍事]

RailGun.jpg1日からSNS上で、レイルガンを搭載した世界初の艦艇である中国海軍揚陸艦「黄山」の最新写真が出回っています。

米海軍もレールガンの開発に取り組んでおり、2017年中旬に米海軍研究所が12秒間隔で2発のガン発射に成功し、今年艦艇への適合に向けた試験を開始するとしていますが、中国軍は既に搭載を終え、少なくとも1回は航海に出たようです

レールガンの特徴は、弾頭(金属球や金属槍)を強力な磁界で射出することから、火薬を炸薬にするこれまでの艦砲に比較し、弾頭の扱いが簡単で大量搭載可能で安価、射出速度が速く敵の対応が困難等々です

railgun2.jpg一方で弾頭と打ち出しレールの摩擦熱対処や、大量の電力確保が課題で、実現にはまだ時間が必要と言われています。また従来砲弾に技術革新があり、射出速度や射程が改善して来ており、多額の開発費を継続投入するかの議論もあるようです

ご紹介する中国艦艇レールガンの技術成熟程度は不明ですが、相当気になるので取り上げます

1日付Defense-News記事によれば
●1日にSNS上で拡散された写真では、Type 072-III強襲揚陸艦の舳先部分にレールガンらしき砲塔が設置され、その後方に数個の箱状の物が置かれているのが確認でき、弾頭装填装置や指揮統制装置、発電機等だと想像できる
railgun3.jpg●中国海軍はType 909兵器試験艦を保有しているが、レールガン砲塔のみならず、発電機や関連装置を搭載可能なスペースがある強襲揚陸艦を選択して搭載したのではないかと推察されている

●またレールガンを搭載したType 072-III強襲揚陸艦「黄山」 には、試験観測用と思われる監視台や詳細不明のセンサーらしきものが搭載されており、また着上陸時に車両等を上陸させる舳先ドアは閉鎖されている
●今回SNS上で出回った写真がどこで撮影されたかは不明だが、もともと「黄山」は東海艦隊に所属しており、レールガンを搭載した状態で既に少なくとも1回の航海が確認されている
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先日は中国が超超音速兵器で米国よりも優位に立っているとの危機感を語る米空軍幹部をご紹介しましたが、同じく将来の「Game Changer」と言われる兵器レールガンでも中国が相当のレベルにあることが伺えます

Type 072-III.jpgトランプ大統領の一般教書演説は、中国とロシア軍事力への備えを訴えていましたが、南シナ海への対応を見ても、米国中心主義の姿勢を見ても、本当に西太平洋の安全保障に目が向いているのか疑問です。

そう遠くない将来、中国艦艇からの世界初のレールガン発射をお伝えすることになるのかもしれません・・・

レールガン関連の記事
「依然、摩擦と電力確保が課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-30
「期待の星レールガンの現状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-27
「Work副長官の指摘」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-04
「Zumwalt級駆逐艦を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-22

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断交されたカタールと米が2+2実施 [マティス長官]

Qatar US 2+22.jpg1月30日、ワシントンDCで米国とカタールとの「初めての」2+2会合が開催され、マティス国防長官とティラーソン国務長官が、カタール国 防相と外相を招いて協議が行われ、駐留米軍施設の増設をはじめとする両国関係強化が合意された模様です

カタールは、イランとの親密な関係やイスラム過激派支援を批判され、米国とも比較的親密な中東の主要国サウジ、エジプト、バーレーン、UAEから、2017年6月5日に「国交断絶」を宣言された国です。

この「国交断絶」は解決解除の糸口が見えませんが、ISIS崩壊後のイラク・シリアの混乱やイエメンの崩壊、またイランからの脅威増大など、あちこちで火の手の上がる中東情勢を前に、米国も「四の五の言ってられない」状況なのでしょう

またサウジらの断交国にとっても、「四の五の言ってられない」状況なのでしょう。

1日付米空軍協会web記事によれば
Qatar US 2+23.jpg●会談後にマティス長官は、「長年にわたる」「極めて良好な軍事関係だ」と両国関係を表現した。
●そして、米中央軍と米中央軍空軍の前線展開司令部を含む約1万名の米軍兵が駐留する「Al Udeid」空軍基地を受け入れているカタールを称賛した

●更にマティス長官は、NATOがアフガニスタンで行っている作戦支援のため、1月22日の週にカタール軍が、保有する2機のC-17で物資 al-Udeid輸送を行ったことを讃えた。

1月31日付Defense-News記事によれば
Qatar.jpg●訪米中のカタール国防相は1月31日、駐留米軍兵士の生活環境改善のため、 al-Udeid空軍基地の拡張を行うと語った
●同国防相によれば、拡張されるエリアには兵士用宿舎、家族用施設、娯楽センターなどなどが建設される模様

●このようなカタールの動きは、米国との関係より緊密にして、サウジやUAEなど湾岸諸国に対するヘッジにすることを狙ったものである。
●一方でサウジなどカタールと断行した国々は、米国に対しカタールとの関係を見直すよう求めている
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カタールと縁を切ったバーレーンには、米海軍第5艦隊や米中央軍陸軍の拠点があり、米軍13500名が所在し、同じくUAEにも米海軍最大の立ち寄り港である「Jebel Ali port」や、米空軍の空中給油機やF-22や無人偵察機が大挙所在する「al-Dhafra Air Base」がある複雑さです

Qatar US 2+24.jpgカタールがサウジ等から断行された当時、トランプ大統領はカタールに批判的なニュアンスのツイートを行い、国防&国務長官との温度差が目立ったようですが、ワシントンDCで「2+2」が開催されたとなれば、風向きの変化があるのかもしれません

いや・・・安全保障について少しは見識を深めたトランプ大統領は、中国やロシアじゃない、米国ホームランドへの脅威はイスラム過激派だと、「米国民目線で」見極めたのかもしれません。

カタールが登場の記事
「断行されたカタールで大記念撮影」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-15
「米軍の弾薬を頼るな!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-21-1
「イスラエルと合意後に湾岸諸国へ戦闘機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-17
「日本の銀行がカタールの戦闘機購入に融資?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-22

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SpaceXの大型ロケットが市場を変えるか? [サイバーと宇宙]

Falcon Heavy2.jpg17日、SpaceX社が大型ロケット「Falcon Heavy rocket」の地上エンジン試験に成功し、これまでULA社の「Delta IV rocket」が独占していた大型軍事衛星打ち上げ市場に、殴り込みをかける準備が整いました。

2月に予定されている「Falcon Heavy rocket」の初打ち上げ試験では、ロケットにSpaceX社Elon Musk氏の「チェリーレッド色Tesla Roadster」 が搭載され、「火星に向かって飛行させエイリアンに遭遇させる」との遊び心でイベントの盛り上げが計画されているようです

ただ、同社「Falcon 9ロケット」を3本束ねた「Falcon Heavy rocket」は、計27個の推進エンジンで構成され、打ち上げの成否は予断を許さずない状況だそうです。でも応援したいのでご紹介します

26日付Defense-News記事によれば
Falcon Heavy3.jpg小型衛星打ち上げ用「Falcon 9ロケット」が、2015年5月に軍事衛星打ち上げ承認を米空軍から与えられ、第1段目ロケットの回収という画期的な技術を確立したSpaceX社が、大型衛星打ち上げ技術確立と軍事衛星打ち上げ承認に向け、「Falcon Heavy rocket」の初打ち上げに向け動いている

●「Falcon Heavy rocket」は、高さ約70mで5百万ポンドの推力を持っており、64トンの搭載物を低軌道に投入可能で、小型搭載物なら火星まで送り込むことができる
●現存する大型衛星打ち上げ可能なDelta IVロケットが、最大搭載28トンであることと比較すると、「Falcon Heavy rocket」の能力がわかるだろう

Elon Musk.jpg打ち上げ費用は公表されておらず、両ロケットの比較は容易ではないが、2017年8月の米会計検査院GAOレポートによればDelta IVロケットの打ち上げ費用は180~440億円で、他の資料でも米空軍が470億円で打ち上げていると記録されている。
●一方の「Falcon Heavy rocket」は、GAOレポートで100~300億円と見積もられており、成功すれば打ち上げ価格の低下が期待されてる

ただし2月の初打ち上げが成功するかはやってみなければわからず、SpaceX社CEOであるElon Musk氏も、打ち上げ後に爆発する可能性もあると語っている
●しかしElon Musk氏はいつもの前向きな姿勢で初打ち上げの準備を進めており、「チェリーレッド色Tesla Roadster」 を搭載して宇宙空間に送り込むと意気揚々と語っている
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Falcon Heavy.jpgSpaceX社の動きは本当に早いです。ついこの間まで、「Falcon 9ロケット」の第1段目回収試験の失敗を繰り返していると思っていたら、今や同技術を確立し、次々と安価に軍事衛星や商用衛星の打ち上げを成功させています

そしてついこの間まで「イメージ図」や「想像図」だった「Falcon Heavy rocket」が、現実のものとなり打ち上げまじかとは・・・。記事の数字からすると、ビジネスとしても魅力的なロケットの様ですし、ますます応援したくなりました

「SpaceX:失敗場面を集めた映像を明るく発信」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-18 

Space-X社関連の記事
「偵察衛星打上げと1段目回収」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-02
「イスラエル通信衛星失敗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-06
「ロケットの着陸回収に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-25

「混迷の米衛星打ち上げ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-24
「10年ぶり米軍事衛星打上げに競争導入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-03
「軍事衛星打上げにSpaceX参入承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-27

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中国が先行する超超音速兵器をどうすべき [Joint・統合参謀本部]

中国がHypersonics兵器で優位だと認める米軍幹部

Hypersonic4.jpg24日付米空軍協会web記事が、米空軍兵器開発のまとめ役で全体を把握している空軍副参謀総長Seve Wilson大将へのインタビュー記事を掲載し、次世代「Game Changer兵器」の有力候補である超超音速兵器(Hypersonics兵器) で中国が優位で、米国内でバラバラに行われている研究を束ねる必要があるとの危機感を伝えています

超超音速兵器は大気圏内を音速の5~10倍で飛翔する兵器で、米軍は通常兵器を搭載して「世界即時攻撃CPGS」構想を打ち出し、大陸間弾道弾ICBMのように核戦争を引き起こさず、世界中の目標を1時間以内に攻撃できる体制構築を描きました

そして米空軍や国防省研究機関が複数の開発を行い、2012~2013年頃には「X-51 Waverider」「米陸軍のAHW(Advanced Hypersonic Weapon)」「米空軍のHTV-2」などの名前を本ブログでも取り上げました。

Hypersonic3.jpgしかし2013年に「X-51」がマック5.1で約6分間飛行に成功して以来、予算不足を訴える国防省や米軍関係者の声をお伝えしましたが、具体的な開発や実験の話を取り上げた覚えがありません

ただ、中露の追い上げに危機感を持った米国関係者が、「第3の相殺戦略」議論と共にこの兵器開発に注目し、 2016年11月には「技術ブレークスルー:米空軍がロッキードと180億円契約」との記事でご紹介し、水面下で何らかの動きがある雰囲気をお伝えしました

今回の空軍副参謀総長Seve Wilson大将発言は現状を端的に表現したものと考えますが、米軍の技術優位がどんどん浸食されていく現状レポートのような雰囲気の記事です・・・

24日付米空軍協会web記事によれば
(Wilson大将のインタビューでの発言)
Wilson3.jpg中国がいかに多くの勢力をつぎ込んでこの兵器開発に取り組んでいるか、いかに多くの研究レポートを発表しているか、いかに多くのインフラ投資を行っているか、いかに多くの試験を行っているか・・・彼らは本当に超超音速技術実現に取り組んでいることを知るべきだ
米国はこの分野で世界をリードしてきた。誰よりも進んでいた。1960年代からラムジェット、スクラムジェット、ロケット航空機など米国は取り組んできた。しかし今やその当時のスピードや規模で取り組んでいな

●しかし現状として、誰か超超音速兵器について多様な米国内の努力を取りまとめる任務や責務を持つ個人や組織が存在しているだろうか? 私はそのような取りまとめ責任者を知らない。統合参謀本部や米軍、DARPA、SCOなどが並行して取り組んでいることは承知しているが、誰かが取りまとめなければならないと国防省で話をしている
●超超音速兵器に関し、米軍や産業化や学会で進展もある。AIでも、機械学習でも、量子コンピュータでもだが、すべての動きを束ねる大きく大変だが重要な仕事をする人が必要なのだ

hypersonic5.jpg●超超音速兵器に関して取りまとめる候補者としては、開発担当国防次官の下の次官補が考えられるが、まだ任命されていない(doesn’t exist yet
●我々は取りまとめ機構の全体を検討しており、どのような仕組みが良いか形がよいか考えている。専門家の知恵も借りて考えている

2013年の「X-51 Waverider vehicle」試験成功をうけ、2020年には兵器としての誕生も見据えたが、米空軍では2013年以降に大きな進展はオープンになっていない。
●米国防省関係者は、2019年度予算案で超超音速兵器が大きな予算を確保する方向だと語っているが
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米国防省機関や米軍を横断的に束ねて一つのベクトルに向かわせる必要性・・・古くて新しい議論ですが、しっかりやっていただきたものです

Hypersonic2.jpgしかしこの記事でご注目頂きたいのはWilson大将の最初の発言部分、「中国がいかに多くの勢力をつぎ込んでこの兵器開発に取り組んでいるか、いかに多くの研究レポートを発表しているか、いかに多くのインフラ投資を行っているか、いかに多くの試験を行っているか・・・彼らが本当に超超音速技術実現に取り組んでいることを知るべきだ」の部分です

中国がどの程度進んでいるのか語れませんが迎撃の難しい(地対空ミサイルでは追随できない)超超音速兵器を中国が手にする時が迫っているということです

超超音速兵器の関連
「米空軍が180億円契約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-11
「超超音速兵器の脅威が大きな話題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-19
「あのLM社も積極投資」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「中国が優位なのか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-14
「ロシアも取り組み表明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-11

PGS関連の過去記事
「PGSに少し光り??」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-18
「パネッタ長官はPGSに期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-16
「X-51Aは初期実験段階」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-23

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CSISが時代遅れの米国IAMDに提言 [Joint・統合参謀本部]

日本にとってはもっと重大な課題のはずです!
  
CSIS IAMD.jpg25日、シンクタンクCSISのミサイル脅威分析チームからDistributed Defense: New Operational Concepts for Air and Missile Defense」とのレポートが発表され、米国に学んだ中露が急速に軍事力を強化する中、旧体然とした縦割りIAMDでは話にならないと幾つかの提言を行っています

米国(前方展開する米軍部隊も含め)のIAMDを、「あまりにも撃たれ弱く、敵の攻撃に制圧されるだろう:far too susceptible to suppression、too vulnerable to exploitation」と喝破し、弾道ミサイル防衛だけにあまりにも集中している現状を嘆き、1990年代から問題認識はあったものの、すべて放置されたままだと指摘しています

このレポートは米国を対象としたものですが、中露に近距離で対峙している日本はもっと深刻なはずです。
「言うは易し、行うは難し」の提言内容ですが、まず事実に向き合い、さび付いた頭をリフレッシュすることが重要ですから、基本に立ち返って研究者の提言を見てみましょう。

26日付米空軍協会web記事より
PAC-3 Saudi.jpg●CSIS「Missile Threatチーム」のメンバーであるThomas Karako上級研究員らによってまとめられたレポートは、中露などを指す「near-peer adversaries」との対峙に備えたIAMD議論が全く置き去りにされていると指摘し、いくつかの提言を行っている
●そして「distributed AMD operations」等の新しい作戦運用コンセプトを提案し、中露が米国に学んだように、米国が彼らに学ばなければならないとも述べている

米国のIAMD分野が革新的な思考を求めているのに、縦割りに分割されたレーダー覆域で、弾道ミサイル防衛にあまりにも絞った現状は、あまりにも脆弱で敵攻撃に弱い状況を生み出し、1990年代から指摘されている課題を放置したままである
●提言の一つである「distributed defense」では、現有または近未来の装備で新たなネットワーク枠組み構築に集中すべきと主張し、「全てのセンサー情報を融合して、すべての発射機で対処:any sensor, best shooter」との思想を打ち出している

●これにより既存装備を結び付けて対処範囲を拡大し、それらをカバーする指揮統制システムと共に地域の指揮官に提供し、地域情勢にあった柔軟な運用を可能にすることが重要
●またレポートは、発射機を多様なミサイルが搭載可能(more interceptor-agnostic launchers)とし、「any shooter, any launcher」との表現で、柔軟な運用と多層的な防御網攻勢を可能にする必要性も提言している

CSIS IAMD2.jpg●更にレポートは、攻撃と防御ミサイル部隊の融合して同一舞台にすることを提言し、「any-launcher, any-mission capability」との表現で、攻防を柔軟に一体化するコンセプトも提言している
●また現有ミサイル部隊も新たな攻撃目標と任務に対応させ、低コストで多様な任務に柔軟に対応する方向を目指すべきとしている。併せて、カモフラージュの重要性を改めて指摘し、また分散配備により残存性を高める基本の重要性も指摘している

●レポートはこれら複数の提言により、「より打たれ強く、モジュラー性も持ち、攻防部隊の融合」を追及するものとなっている
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CSISの関連webページ
https://missilethreat.csis.org/distributed-defense-new-operational-concepts-air-missile-defense/

米国が危機感を覚えるなら、中露により近接する日本は、「真っ青」になって「昼夜も分かたず対策に奔走」「皆で激論」「試行錯誤にまず一歩」・・・・なんだと思うのですが、そうではありません。

THAAD2.jpg相変わらず脆弱で有事に役立ちそうもない戦闘機への投資ばかりが議論され、IAMDなど言葉だけが踊っているのが日本の現状です。
最も深刻なのが「戦闘機パイロットが支配する中で、戦闘機以外で事業を進めようとすると、途方もない労力を要する」とあきらめムードが他職域にあることです。日本はどうするんでしょうか・・

米軍内では、陸軍と空軍の連携協議や演習が具体化しているようですが、日本では・・・シェア争いに血眼なんでしょうねぇ・・・・

米海軍NIFC-CAと関連装備
「日本もNIFC-CAに参加?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-11
「Baseline 9 :イージス艦の進歩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09
「米海軍のNIFC-CAとは」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26

「kill chainからkill webへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-15
「SM-6でBMD対処に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-05
「NIFC-CAとSM-6連携」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-27
「NIFC-CAで空軍と協力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-23

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トランプに打撃?米加航空機貿易戦争は加に軍配 [安全保障全般]

C series.jpg26日、米国の貿易問題を裁定する独立機関ITC(International Trade Commission)が、カナダの航空機製造企業をダンピングで訴えていたボーイングの申し立てを満場一致で「却下」し、併せてボーイングを支持してダンピング課税292%を命じた米商務省決定の執行停止を命じました

本件は、カナダの航空機企業Bombardierが政府補助金を受け、不当な低価格で米デルタ航空に中型旅客機CS100を75機売却したとボーイングが訴えたものですが、ボーイングがCS100クラスの旅客機を販売しておらず競合関係にないことから、トランプ大統領の保護主義姿勢を示す典型的事例として話題になっていた案件です。

また、当該カナダ機が英国内(アイルランド)の工場で製造されていたことから、英国首相も米国に課徴金見直しを働きかけるなど、トランプ保護主義の象徴として国際的な反対運動に繋がり、欧州企業エアバス社がBombardier社のCS100部門を配下に置き、エアバス社の米国内工場で製造して課徴金を免れる「ウルトラC」対抗策まで打ち出していました

Bombardier-C.jpg更にボーイングの訴えを契機に、ボーイング製FA-18購入を検討していたカナダ政府が検討見直しを公言し、中古のFA-18を豪州かの購入を検討すると打ち上げ、一枚岩の同盟関係だった米カナダ関係の泥沼化を招いていました
そんなこんな中で、ITCによる「4-0」満場一致裁定ですので、興味本位でご紹介しておきます

26日付Defense-News記事によれば
●26日のITC裁定を受け、Bombardier社は直ちに、「法治制度、競争、革新における勝利である」とのコメントを発表した。
●CS100機購入を予定していたデルタ航空も、「ITCの裁定を喜びを持って受け止めている。この裁定は、米航空会社と米国民による素晴らしいCS100旅客機へのアクセスを妨げようとした、ボーイングの反競争主義を拒絶したものである」とコメントを出している

Bombardier-C2.jpg●一方のボーイング社は、「落胆している」とし、「不正な補助金とダンピング価格」から受ける被害を今後とも取りまとめていくと声明を出した
●ただし約150名乗りのCS100旅客機の競合機種をボーイング社は製造しておらず、何の影響も受けないはずだとデルタ航空は主張している

●ちなみに昨年10月、Bombardier社はCS100シリーズ計画の株式をエアバス社に提供し、関連本部機能はモントリオールに残しながら、第2の製造ラインをアラバマ州モービルにあるエアバス社の工場に設置する(これで米国内生産にして課徴金を逃れる)事にしていた
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トランプ大統領就任後、米カナダ関係はNAFTA(北米貿易協定)や木材輸入を巡って悪化し、旅客機ダンピング認定問題が「火に油」だったのですが、先日のダボス会議におけるTPP復帰を示唆するトランプ発言以降、バノン氏がホワイトハウスを出てから風向きの変化が・・・との見方もあります

FA-18&F-35.jpgITCによる裁定が最終決定なのか、まだまだボーイングが粘って泥沼が続くのか不明で、カナダのFA-18購入もどうなるのか関連も不明ですが、トランプ保護主義の今後も含め興味深いところです

FA-18に関しては、F-35に対する疑念から「時間稼ぎのために」購入検討を開始した経緯がありますので、F-35の泥沼がある限りどうしようもありませんが・・・

米国とカナダの航空戦争
「カナダが中古の豪州FA-18購入へ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10
「米加の航空機貿易戦争に英が参戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-16-1
「第2弾:米カナダ防衛貿易戦争」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-04
「5月18日が開戦日!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20
「痛快:カナダがF-35購入5年延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-23

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米空軍:下士官パイロット拡大に向けた動き [米空軍]

RQ-4 Pilot.jpg現在、約2000名のパイロットが不足し、その流出が止まらない米空軍は、昨年から約70年ぶりに下士官の操縦者要請を開始し、攻撃能力を持たない無人偵察機RQ-4のパイロットにしようと訓練を行っていますが、そんな中で2年目を迎える下士官パイロット要員選抜と、更なる下士官操縦者拡大を目指す動きについてご紹介します

米空軍の操縦者不足は、十数年にわたって継続する実戦への繰り返し派遣への疲れ、また旺盛な民間パイロット需要(軍に比し楽で高収入)を受け軍人パイロットの流出が止まらないことが大きな原因です

米空軍は対応策として、給与ボーナスの増額、司令部業務の免除など、様々な優遇策で操縦者の引き留めを図っていますが、流出に歯止めがかかったとの話は聞いたことがありません

そうとなれば、士官クラスに限定してきた有人機パイロットを下士官に拡大したくなるのは自然の流れで、実際多数の操縦者を必要としたWW2時代は、米国も日本も他の欧州諸国も、下士官操縦者が活躍していたわけです

後はプライドが高い現在の士官操縦者の考え方をいかに変え、下士官有人機操縦者を受け入れる判断をするかですが、その日に向けた動きは着実に進んでいるように見えます

下士官操縦者選抜:2年目の動き
RQ-4 Misawa3.jpg●1月15日の週、テキサス州の基地で、2回目を迎える下士官操縦者候補要員の選抜会議が開催される
●米空軍教育訓練コマンドは、これまでに134名の下士官の操縦者志願者から申請書を受け取っており、この中から操縦者養成コースに入ることが出来る40名を選抜する

●2月末までには40名の選抜者が人事ルートで所属部隊等に通知される予定だが、2019年の下士官操縦者募集は今年4月から開始される
●この選抜プロセスを担当する中佐は、応募者を様々な視点から分析するとともに、昨年から始まっている下士官操縦者コースの状況も参考にして選抜に生かしたいと語っている

操縦者教育の短縮と下士官受け入れ拡大検討
airman.jpg●米空軍教育訓練コマンドは、最新の技術を活用し、操縦者教育における学習効率を向上させ、養成コースの短縮につなげられないか検討を開始する
●そしてこの検討は、下士官のデータを活用して行われる

●この検討を成功させるため、担当者は異なる教育的背景を持つ多様な下士官グループのデータを活用して行われ、基礎課程を修了したばかりの下士官の中から操縦者に適した候補者を選抜する基準作成に活用する
●そこでは、そのような資質や心理特性が操縦教育コースでの成功につながるかを見極める
現時点で米空軍は、下士官操縦者を友人機に拡大することを検討していないが、将来の可能性はある
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このように、下士官の有人機パイロット誕生に向け、少しづつ、着実に、心理的壁を取り除く布石を打っている・・・ということでしょう。

USAF pilot.jpg車の運転技術がそうであるように、ある程度のレベルの人間であれば、士官でも下士官でも、適正のある人間を選抜すれば、操縦者として任務を果たす事は十分可能です。

いつ米空軍が正式に下士官有人機操縦者を受け入れるか、その時、他の同盟国等はどうするのか・・・実に興味深い人間観察の機会です

米空軍のパイロット不足
「仮想敵機部隊も民間委託へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09-1
「さらに深刻化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-10
「世も末:幕僚勤務無し管理検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20

「トップが操縦者不足と軽攻撃機を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-17
「18年ぶり飛行手当増額」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-28
「戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22
「航空業界は今後20年人手不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29

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米空軍省の次期調達担当次官:F-35維持費を懸念 [亡国のF-35]

次期空軍調達担当次官:F-35の維持が最大の懸念

Roper5.jpg18日、次の米空軍省の調達担当次官候補であるWilliam Roper氏が、上院軍事委員会の承認を得るため同委員会で質疑応答に登場し、同氏が同次官職に就任した場合の一番の懸念事項がF-35の維持計画とその経費だと証言し、同次官に就任したらまず再確認したいと語りました

William Roper氏の名前に覚えがある方は相当の「通」だと思いますが、国防省の鳴り物入り組織である(あった?)「戦略能力緊急造成室:Strategic Capabilities Office」の初代室長を現在務めている人物です。

このSCOは鈍重な国防省官僚組織の調達システムをすっ飛ばし、最新の技術を生かした装備品を迅速に実現して前線に投入する特別組織で、カーター前国防長官の肝いりで発足した組織です。
Roper44.jpgつまりRoper氏は、国防省調達の問題点を知り尽くした人物というわけです。

国防長官直属のSCO室長として、同じ国防長官直属であるF-35計画室の状況は「反面教師」として自然と耳にしてきたと考えられますが、そんな中でのF-35維持体制と維持経費への問題意識です。是非拝聴しておきましょう。

19日付米空軍協会web記事によれば
●18日、上院軍事委員会に次の米空軍調達担当次官候補として証言に臨んだWilliam Roper氏は、もし承認されたら、米国防省最大の購入装備品であるF-35とB-21爆撃機について、その計画と維持計画を詳細に吟味する必要があると所信を述べた
●そしてWilliam Roper氏は、最大の懸念事項はF-35の維持コストであり、仮に米空軍が維持コストを管理できずに低下させられなかったら、押し寄せる維持コストの荒波に次ぐ次と襲われ、米空軍保有の装備体系をも脅かしかねず、最終的にはF-35を計画調達数を下げなえればならなくなると述べた

Roper2.jpgまたB-21爆撃機についてRoper氏は、まず必要機体数について再検証したいと語り、昨年末に発表された国家防衛戦略NDSや2月に発表予定の核態勢見直しNPRを踏まえた精査が必要だと語った
●そして上記2つの戦略文書を踏まえ、米空軍は爆撃機戦力全体の構成を再検討すべきだと語り、現在3機種(B-1、B-2、B-52)で175機保有している体制の将来像検討が必要だと主張した

●ちなみに、米空軍の元情報部長で退役中将のDave Deptula氏(ミッチェル研究所長)は、120機のB-21爆撃機を含め、爆撃機全体は282機必要だと主張している ●Roper氏は調達担当次官の業務の進め方として、「human-driven」アプローチを提唱し、組織の前線レベルや下層レベルに決定権限を委譲し、プロトタイプによる検証を求めていくと語った。しかし同時に、特定の装備品調達には従来のやり方が必要だとも語った

おまけ:米国防省がベルギーへのF-35輸出承認 (まだベルギーが購入を決定もしていないのに・・・)
F-16 Belgium.jpg●19日、米国務省はベルギーに対し、34機のF-35A型を約7500億円で売却することを承認すると発表した。ただしベルギー政府は正式にF-35購入を決定していない
相手国が購入を決定していないのに輸出を承認するのは極めて異例だが、最近ではカナダへの18機のFA-18輸出を、カナダが決定すする前に承認している。ただ、カナダのケースでは、貿易紛争からカナダ側が米国の輸出承認を無視する姿勢を見せている

ベルギーは54機保有するF-16戦闘機の後継機を検討しており、F-35のほかにも仏のRafaleや、Eurofighter Typhoonを候補機として検討が行われている
●しかし、既にグリペンやボーイングはこのレースから撤退を表明しており、業界関係者の中には「実質上F-35で決定している」と語る者もいる
●欧州のF-16保有国は相次いでF-35を後継機にする決定を行っており、既にオランダ、デンマーク、ノルウェーが決めており、ベルギーが採用を決めれば4か国目となる
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無人機の群れ活用を強く主張し、SCO室長として精力的に動き回ってきたWilliam Roper氏に期待いたしましょう

F-35 fix.jpgなお同氏は無人機の群れに関し、米空軍が極めて消極的であると強く批判していたことを紹介しておきます

近く、三沢基地に航空自衛隊のF-35が到着し、部隊建設が本格化するようですが、ため息の出るような労力と人材が投入されるのでしょう・・・戦術で勝っても戦略で負けることが見えているのに・・・

William Roper氏の関連記事
「無人機の群れ第7世代」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-26 
「国防省幹部:空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1

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陸空の無人機の群れを都市戦で活用研究 [Joint・統合参謀本部]

swarm autono.jpg8日付Defense-Newsは、米国防省最上位の研究機関であるDARPAが無人機の群れ研究において、きわめて複雑な都市戦を念頭に空中と地上の無人機両方を組み合わせて活用するプロジェクトを研究の焦点の一つにして推進していると報じています

無人機の群れについては、2016年春頃に行われたFA-18から103機の無人機を投下し、群れとして制御する実験をエポックメイキングな実験としてご紹介しましたが、中国も昨年6月に地上発進の無人機119機で「群れ制御」に成功したようで、本分野での米中の技術争いが過熱しているようです

「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1

なんといっても「無人機の群れ攻撃」への対処法が確立されていないことから、米中は陸海空の全ドメインで技術優位を目指しているようです
本記事が紹介する技術開発は、陸軍の歩兵部隊が、約250台の多様な自立型無人装置を活用し、複雑な都市戦を有利に進めることを狙いとしています

8日付Defense-News記事によれば
swarm autono2.jpg2017年末にDARPAが発表したプロジェクトは、レイセオンと Northrop Grummanが中核となり、多様な競い合う参画者が無人機の群れ技術の設計デザインを競い合う環境を提供し、オープンアーキテクチャー環境でバーチャルと現実の無人機の群れ技術を発展させることを狙っている
●中核企業と参画企業は群れ技術を実現するために大きな枠組みの実験を行い、競い合う参画企業は大きな枠組みの中で、以下の5つの分野の一つに集中して取り組むことになる。5つの分野は「swarm tactics, swarm autonomy, human-swarm teaming, virtual environment and physical testbed」である

5つの分野は半年単位で集中期間が指定され、それぞれの分野の最後には試験と技術融合のアセスメントが行われる。また時には、半年単位のインターバルとは別に、特定分野への集中期間が設けられることもある
Roper2.jpg●例えば最初の半年集中期間には、「市街地2ブロックを15-30分間孤立させる」事を目標として、約50の地上と空中無人機を群れとして使用する戦術を昨年11月までの期間で集中検討している。

●本検討は、無人機がエリアを偵察し、進入退出ポイントを見極め、エリアを認識することから始まる。そしてその過程で、無人機に都市空間を以下に認識させ、何ができるかを検証することになる
●DARPAの研究担当責任者は、この集中検証を定期的に繰り返すことで、また小さなベンチャー企業でも解決法を案出できる企業を歓迎することで、革新的な解法を探求していく姿勢を強調している
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昨年6月に中国で119機の「群れ」実験を行ったのは、「China Electronics Technology」との国営企業のようですが、サイバー攻撃部署も社内に保有しているような企業かもしれません

Swarm Chall2.jpgいや・・・米国の先端企業に潤沢な資金を投入し、赤入りに染めているのかもしれません

先日は「巡航ミサイル」を「群れ」で運用する研究開発契約の話をご紹介しましたが、あらゆる分野で「群れ」が流行りのようです。

無人兵器・&装備の群れ関連
「群れ巡航ミサイル開発へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-02
「無人機の群れ第7世代」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-26 
「3軍の士官学校が群れ対決」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-26

「国防省幹部:空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1
「無人艇の群れで港湾防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19
「無人機の群れ:艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10

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