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米空軍よ、使い捨て無人機の群れに真剣たれ! [米空軍]

4軍の中で空軍が最も消極的だ。間違いである事を望むが
空軍は間もなく組織文化の変更に迫られるだろう

Roper5.jpg3月28日、米国防省SCO(戦略的能力緊急造成室)のWilliam Roper室長が米空軍協会ミッチェル研究所で講演し、関心が高まっている使い捨て無人機の群れの使用に関し、4軍の中で米空軍が最も消極的だと皮肉たっぷりに語り、ハイエンドの戦いでの「使い捨て&群れ」の重要性から、米空軍は早晩考え方の根本的変革を余儀なくされるであろうと批判的に訴えました

つまり有人機の機数やパイロットのポスト死守のため、無人機に消極的すぎるとの批判でしょう。航空自衛隊に対しては、この10倍強い口調で非難しても良いくらいですが・・・

米空軍協会は米空軍の応援団で主要軍需産業や空軍OBで構成され、ミッチェル研究所は米空軍の主張を下支えする「サポーター」の様な視点で研究を行うシンクタンクです。
従って、米空軍に対してあまり批判的なことを言う事は無く、やんわり提言する程度が多いのですが、あえて厳しい視線を持つSCO室長を招き、気合いを入れる必要を感じたのでしょう

Roper55.jpgなおSCOは「Strategic Capabilities Office」の略で、最新の技術や戦いのコンセプトを、鈍重な国防省の調達プロセスを「すっ飛ばして」でも迅速に装備に反映して部隊に届けようとの機能を持った、国防長官直属の組織で、カーター前国防長官が実質立ち上げた組織です
各軍種にも同様の役割を持つRCO(緊急能力造成室:Rapid Capability Office)等が立ち上がっており、

3月29日付Defense-Tech記事によれば
シンクロして機動し、戦闘機の前方を群れをなして飛ぶ、使い捨て航空機のイメージと、その重要性をRoper室長は訴え、消極的な米空軍に対し警鐘を発した
●(米空軍の従来の考え方とは異なり、)カオスな考え方だと思われるかも知れないが、米空軍は想定しているよりも早期に、この無人機コンセプトを受け入れる必要があると訴え、「単独で別々の検討でなく、チームを形成すればより高い結果が得られるだろうし、将来的に検討を発展させるにも有効だ」と同室長は語った

Roper.jpg●しかし同時に、皮肉なことに4軍の中で米空軍が一番、この技術の導入に消極的であると訴え、「間違えであれば嬉しいのだが、米空軍では使い捨て無人機の群れ検討が困難に直面している」と指摘した
●そして「現有アセットの全てが高価すぎるが、これは離陸したモノは帰還しなければならないとの前提に立っているからだ」、「ライフサイクルコスト議論で調達が鈍重になっている」、「ハイエンドの戦いを想定している」とも説明した

●更に、これまで使い捨てアセットの概念がなかった米空軍にとっては、組織文化の変更は困難だろうが、これまで問題なかったとは言え、アセットを守り、維持し、支えていくのは大きな負担である。何かを捨てる発想も悪くない
●例として、DARPAとSCOが空軍とも協力しつつ進めている「Avatar」があり、旧式戦闘機を無人機に改良したモノやUAVを、有人戦闘機に先行させて強固に防護された敵空域へ侵攻させるイメージを語り、「少なくとも戦いの初期段階では、操縦者の安全を考え、無人機に困難な部分を担わせるべきだ」と説明した

米海軍は今年1月、FA-18から103機の小型無人機を射出し、群れとして運用する実験を行っている。米空軍も2014年に、F-16から無人機投下の実験いる
米空軍は昨年5月、「小型無人機の将来計画:Small Unmanned Aircraft Systems Flight Plan」を定め、今後20年間を見据えてつつ、小型無人機の群れを既存の諸事業に盛り込むことを示唆している

Roper2.jpg●Roper室長は、空軍は文化の変革をより早く迫られるだろうと述べ、冷戦時代に米空軍はアセットの長期使用を想定したが、米軍は永久にその考え方を続ける事は出来ないとし、ハイエンドからローエンド紛争まで、無人機の群れ活用等に舵を切る必要があると訴えた
●そして、仮に米空軍がその方向を選択せず今日の状況を続ければ、世界はその様子を見逃さず、敵はその隙を突くだろうと訴えた
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新政権の下でSCOが生き残るのかも気になるところですが、日本への影響も心配です。というか、日本が反応できるのかが心配です

日本でも、「策源地攻撃」とか「敵地攻撃」とかの話題が出始めていますが、戦闘機飛行隊と戦闘機の数を維持する事しか考えず、ダチョウよろしく脅威の変化から目を背け、有事の運用を全く考えてこなかった航空自衛隊は、この講演をどのように捕らえるのでしょうか?

Rethinking Seminar.jpgF-15CやDを全廃して改良型F-16に役割を移管する案が飛び出したり、THAADの押し売りだったり、無人機の群れの話だったり・・・玉石混淆、米国の様々な方面から、様々なアイディアや泥舟やジャブが今後も飛んでくるでしょう

受け身で受動的にその都度検討していては、政治サイドや外交サイドの押し切られてしまいますよ・・・。自らがしっかりした脅威認識の基、世界の軍事技術動向を押さえつつ、財政状況や日本の優先施策も視野に入れつつ、あるべき姿を持っていないと、流されて流されて、組織がバラバラになってしまいますよ・・・既にその兆しが見えていますが・・・

関連の記事
「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1
「無人艇の群れで港湾防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19
「無人機の群れ:艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10

「米空軍検討:F-15C引退でF-16が補完」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23
「米空軍が小型無人機20年計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-18

「国防省戦略能力室SCOの主要課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-10
「カーター長官のSCOアピール」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-03

米空軍や陸軍のRCO
「米陸軍もRCO設立」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-01
「次期爆撃機の要求検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-07
「謎のRQ-180」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-09
「謎の宇宙船X-37B」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-12
「国防長官がMC-12工場激励」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-09-02

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米ハイテク技術企業に中国政府系投資資金が [安全保障全般]

china-J21-J31.jpg3月24日付Defense-NewsがNYT紙記事(22日付)を引用しつつ、中国の政府系投資会社がリスクを恐れない姿勢で米国のベンチャー企業に資金を投入し、その額が急増しており、軍事技術を扱う企業もその中に多く含まれていることから、国防省やトランプ政権が技術流失の可能性に警戒感を強めていると報じています

この報道のきっかけは、カーター前国防長官が要請していた外国資金の国内ハイテク企業への投資状況を調査した報告書原案が、20日の週に国防省やトランプ政権関係者に供覧されたことにあり、NYT紙が匿名の関係者に聞き取りをして報じています

国防省報道官は「国防省内部の作業中の文書に関しコメントはしない」との姿勢で正確なところは不明ですが、中国の資金が有望なベンチャー企業に相当流れ込み、その額が急増している様子がうかがえますので、断片的ながらご紹介します

24日付Defense-News記事によれば
parade.jpg中国政府と関係の強い中国投資会社が、軍事分野と関係の深い最先端技術を扱う米国ベンチャー企業(American startups)への投資を増加させている
米国政府も重要技術の流出を防止する監督を行っているが、十分には機能しておらず、担当するCFIUS(Committee on Foreign Investment in the United States)の権限拡大等をトランプ政権も考え始めているようである

●中国資金が流入しているハイテクベンチャー企業には、例えば、宇宙ロケットエンジン企業、自立型海軍艦艇のセンサー企業、戦闘機操縦席への使用が想定される柔軟なスクリーンへの印刷技術企業、人工知能企業等々が含まれている
●投資をする中国系投資会社は、契約を通じて投資先の知的財産や開発プロセスにアクセス可能になるだろうし、企業の設備や人材に関するデータも入手する可能性がある

●民間の調査会社CB Insightsによれば、2015年に中国系投資会社は約1兆円を米ベンチャー企業に投資しており、前年比で4倍の急増を見せている。しかし契約や取引の細部を公開する義務はなく、よくわからない部分が多い
●政府のCFIUSは小規模な投資には目が届かず、チェックが十分できないが、それでも2012年から14年の3年間に確認したケースは358件で、前の3年間の318件から増加しており、その中の中国関係投資は39件から68件に増加し、国別で最も多い

parade2.jpgボストン所在の人工知能ベンチャー企業の「Neurala」は典型的な例である。同社の技術に興味を持った当時のJames空軍長官が来訪し、同社は市販の無人機に開発したソフトを投入し、その技術つをデモした
空軍長官らはその技術の高さに感嘆していたが、それ以降何ら反応はないと同社CEOは嘆き、最終的に中国国営Everbright Group傘下の「Haiyin Capital」から投資を得ることなって現在に至っている。それでも同社CEOは、重要な技術やプログラムが流出しないように細心の注意を払っていると強調している。

最初に報じた22日付NYT紙は
●中国からの投資の多くは問題あるものではなく、純粋に投資益を求めるものや、中国の大気汚染を改善する技術や交通問題を解決する技術などなどへの投資であり、米国の監視強化の動きを批判する者もいる
しかし中国が最近公開したJ-31戦闘機が米国製F-35戦闘機とそっくりであるように、先進軍事技術が米国から中国に流出し、中国が資金を投入することなく技術を手にしているとの批判は絶えない

共産党中央軍事委員会3.jpg●米軍関係者もベンチャー投資の難しさを認めており、「レイセオン社に1兆円は可能でも、ベンチャーには1億円でも容易ではない」と語っている
●また、一度中国資本が入った「Neurala」のような企業に、米国が後から投資することの判断は難しい
カーター前長官はベンチャー技術の発掘を目的として、先端技術発掘のための出張事務所DIU-x(Defense Innovation Unit Experimental)を、先端ベンチャー企業が集まるシリコンバレーやボストンやテキサスに設置したところである

●中国側の米国ベンチャーへの投資意欲は強く、シリコンバレーの銀行「Silicon Valley Bank」の社長は、過去半年間だけで3つの中国政府系企業から、同地域で新技術獲得や新企業投資・買収を行うエージェントにならないかと誘いを受けたと語っている
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DIU-Xや長官直属で新技術を導入するSCOなどの組織は、トランプ大統領とマティス長官の下でも機能しているのでしょうか???

中国資金の動向と同じように気になります

米国製にそっくりな中国ステルス戦闘機
「J-20改良型が運用開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-14
「改良版J-31初飛行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-27 
「改良版J-20エアショーで飛行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02

カーター前長官の技術革新促進
「技術取込機関DIUx」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-25
「SCOが存続をかけ動く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-10
「ボストンにもDIUx」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-27-1

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Bogdan中将退役でF-35計画室長は海軍人へ [亡国のF-35]

お疲れ様でした! Bogdan空軍中将殿!

Winter.jpg3月28日、米国防省はF-35計画室長のChristopher Bogdan空軍中将が数週間後に退役するのに伴い、昨年12月から同副室長を務めているMathias W. Winter海軍少将を中将に昇任させて室長ポストに就けると発表し、上院でWinter少将の中将昇任が認められれば直ちに交代するとしました

Bogdan空軍中将は、同ポスト就任直前に「ロッキード社との関係は、私が知りうる限り最悪だ」と発言して大きな注目を集める中、室長職を海軍中将から2012年12月に引き継ぎ、4年以上の激務を乗り切りました

遅延と追加予算要求の繰り返しが続いていたF-35計画を、再整理して実行可能性のある計画に再セットした計画に基づき、同中将は就任後繰り返し、F-35計画室は更なる予算や時間を今後要求しないと内外に発信し、必ずしも守れたわけではありませんが、全力を尽くしてきた人物です

Bogdan6.jpg就任して半年ほど経過した頃から、Bogdan空軍中将のF-35とロッキード社への批判的なコメントが急に影を潜め、予算強制削減の影響下、製造機数を確保するため海外への売り込みを意識した態度に豹変したのには興ざめでしたが、宮仕えの軍人官僚として立派にその任務を果たしたと思います

また、海兵隊と米空軍の初期運用態勢確立を、無理矢理こじつけだと言われつつも、実現した事は歴史的事実として記憶されるでしょう

特に最後の最後になって、トランプ新大統領がF-35計画を破綻した制御不能なプロジェクトだと発言する事態に見舞われましたが、ロッキード社と協力して大統領への事業説明を行い。何とかなだめて現状を理解させたことは、記憶に新しいところです

何よりも装備品開発に経験豊富で、しかも熱血漢で正義感も強く、次々と発生するトラブルと意地悪なプレスの取材にも、正々堂々と軍人らしい潔さを持って対応するBogdan中将の人柄への信頼感が、F-35計画をここまでサバイバルさせたと言っても過言ではないと個人的に感じています
Winter2.jpg
しかしトランプ新大統領は、米海軍空母艦載用のF-35C型に関し、改良したFA-18との費用対効果比較を行うよう国防省に命じており、まだまだ一波乱ありそうな雰囲気ですが、ここで海軍人が室長を引き継ぐことで、大統領対処体制を整えたのかも知れません


Winter次期F-35室長はどんな人?
1984年ノートルダム大学卒業で海軍に入り、空母艦載攻撃機A-6E Intruderの爆撃手・航法員として空母サラトガ、アメリカ、アイゼンハワー、ワシントンで乗艦勤務
Winter3.jpg●装備品開発や調達業務経験は、「Joint Standoff Weapon System」計画責任者補佐、F-35計画上級補佐官、F-35飛行推進主任エンジニア、トマホーク全面改修計画責任者補佐、戦術航空機計画担当幹部のスタッフチーフ、「Precision Strike Weapons」計画責任者などを経験

●将軍になってからは、「Naval Air Warfare Center」の兵器部門司令官、「Naval Air Systems Command」試験評価司令官補佐、「無人航空攻撃機」計画責任者、等を経て、2016年12月に副室長に就任するまでは米海軍の開発部門のトップであるCNR(chief of Naval Research)

ちなみにBogdan中将は・・・
1983年空軍士官学校を卒業したテストパイロット。KC-135や戦闘爆撃機FB-111部隊で勤務し、その後専門のテスト操縦者として35機種以上に搭乗する。その後、新装備開発計画の全般管理業務に従事。
●開発にかかわった機種は多数あるが、大尉や少佐としてB-2、准将時代には新空中給油機KC-46の開発計画全般にかかわり、初の固定価格契約を実現した。

Bogdan3.jpgBogdan4.jpg●その他にも、ミサイル防衛、電子戦やネットワーク、特殊作戦用システムの各開発・計画管理監督業務を経験。また兵站や調達分野での勤務も多く、米空軍の補給コマンド、兵站調達担当国防次官の軍事補佐官や空軍省の兵站ポストを経験している。
●Bogdan中将も室長就任の約5ヶ月前から、副室長として業務の掌握と引き継ぎを行っている
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まだまだ、一山も二山もありそうな「亡国のF-35」ですので、Winter暫定中将にはますますご活躍頂きたいものです!
最初の会見の「雰囲気」に注目したいと思います。気が向けば・・・ですが・・・

Winter次期F-35室長の公式経歴
http://www.navy.mil/navydata/bios/navybio.asp?bioID=578

Bogdan中将のご就任当時は
就任時→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-05
発表時→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-09-1

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中国がサウジで無人攻撃機の製造修理へ [中国要人・軍事]

CH-4 2.jpg各種報道によれば、サウジ国王が訪中していた3月16日、サウジと中国が中国製の無人攻撃機CH-4の工場をサウジ工業団地内に設置する事で合意していた模様です。

サウジ国王はその直前の訪日の際、1000名を超える随行者と高級ホテルや高級車大量借り上げで話題になり、脱石油に向けた経済連携が目的だったと大きく報じられましたが、中国では約7兆円のビジネス契約が結ばれたと報じられており、軍事と経済両面ではこの無人機工場で米国ヘッジが図られたようです

CH-4.jpg話題の中国製無人攻撃機CH-4は、写真からお分かりのように米国製無人攻撃機MQ-1 Predatorにそっくり、如何にも中国らしい兵器ですが、既にサウジを含む中東の複数の国に輸出され、その性能が評価されており、サウジ工場は自国の追加購入と中東諸国への追加提供と維持整備拠点になる模様です

なお、CH-4の国外工場は既にパキスタンとミャンマーで稼働中で、サウジ工場は国外3番目の工場になるとか・・・。過去5年間で軍需品輸入額が86%も増加した中東諸国で、「一帯一路」構想の中国がしっかり足場を固めています

3月22日付South China Morning Post紙によれば
●無人攻撃機CH-4サウジ工場の設置については、2月にアブダビで開催された軍事見本市IDEXで、両国関係企業の間で大筋の合意が図られていた。
3月中旬のサウジ国王訪中では、エネルギー、文化、教育、技術分野等を併せて計約7兆円のビジネス契約が両国間で結ばれ、中国企業CASCとAbdulaziz国王科学技術都市が結んだ工場建設契約もその一部である

CH-4 5.jpgCH-4 4.jpg無人攻撃機CH-4はMQ-1 Predatorと似た能力を持っており、偵察のほか着弾誤差1.5mの搭載ミサイルAR-1で対テロ作戦に威力を発揮しており、既にエジプト、イラク、ヨルダン、サウジ等々に輸出され実績を上げており、北アフリカにも売り込みを行われている
CH-4製造関連企業で勤務経験のあるZhou Chenming氏によれば、同無人機は既にイラク、イエメン、スーダン、エチオピアやパキスタンでの対テロ活動に素晴らしい成果を上げており、将来性と自国需要のためサウジ側の共同事業への関心は非常に高かった

●スウェーデンの研究機関SIPRIによれば、CH-4が1機約4億円に対し、MQ-1は4機と管制装置セットで20億円と、約2割ほどCH-4が安価となっており、原油価格低迷が続く中、更に米国の中東での姿勢が不透明な中、中東各国は米国へのヘッジとして武器調達先の拡大を図っている
●またZhou Chenming氏は、石油確保のため世界中に触手を伸ばしている中国と、インフラを中国技術で改善しようとするサウジの思惑がかみ合ったと説明している

無人機CH-4と旧式弾道ミサイルの関係?
●マカオの軍事専門家Antony Wong Dong氏は、CH-4工場計画は、実現しなかった中国からサウジへの弾道ミサイルDF-21D(空母キラー)輸出(2014年)の代替プロジェクトではないかと推測し、「イランの核危機の最中、国際社会の強い反発から頓挫した同弾道ミサイル輸出の代わりだ」と説明している

CH-4 3.jpg中国はサウジに対し、1988年に40発弱のDF-3A弾道ミサイル(射程2500km)を約4000億円で売却しており、老朽化したDF-3Aの後継にDF-21Dをサウジが要望したものだと言われている。ちなみに当時の4000億円は、中国国防費の約半分の金額であった
●なおDF-3取引により、サウジは台湾との国交を絶ち、1990年に中国と国交を結ぶ契機となった
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サウジ国王訪日は話題になりましたが、「訪中」でもしっかり成果を残していたようです

本日の写真は全てCH-4ですが、中国製のCH-4は、MQ-1そっくりですね・・・。曲線がなく、無骨な直線的造りですが、恥も外聞もなく、盗んで真似て・・・でしょうか。

それにしても、CH-4無人攻撃機の中東や北アフリカでの活躍には驚かされました
世界は刻々と変化してますねぇ・・・

最近の中国関連記事
「中国核戦略に変化の兆し」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-19
「J-20戦闘機が運用開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-14
「米国黙認?中国がアフガンで活動」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-07

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空母艦載無人機のステルス性は更に後退 [Joint・統合参謀本部]

MQ-25A lockheed.jpg3月21日、ロッキード社の空母艦載無人機計画担当であるRob Weiss研究開発部長が記者団に対し、同無人機要求性能の詰めを米海軍が行っているが、これまでの海軍とのやりとりから、ISRや攻撃任務に対する優先順位は大きく後退し、空中給油任務に焦点を当てたものになりそうだと語っています

初の空母艦載無人機となる「MQ-25A Stingray」は、当初ステルス性を持って厳しい防空網を突破する攻撃&ISR機とのイメージで基礎研究が開始され、2006年のQDRではUCAS(Combat Aerial Vehicle)と表現され、B-2爆撃機を小型にしたような技術デモ機X-47Bが空母への離発着試験に成功した2013年7月10日は、「歴史の転換点」と報じられたほどでした

しかしその後、予算の制約か職を失う海軍パイロットの抵抗からか、ステルス攻撃機だったはずがISR任務機に変更する話が海軍内で進み、2014年春にはFA-18の代わりに空中給油任務を担わせようとの話が台頭してきます。

米海軍は、中東での酷使によりFA-18の機体疲労が急速に進み、空中給油任務が約3割を占めるFA-18の負担軽減が優先だと説明し、予算的にもISRと攻撃機能の同時追求には耐えられずリスクも高いと主張しました

MQ-25 lockheed2016.jpgしかし、この海軍案には中露に危機感を強める議会や国防省高官から強い反対意見が噴出し、2014年7月には海軍RFP(提案要求書)に待ったをかけ、国防長官室OSDを中心に練り直すことになりました。

予算の強制削減と暫定予算が続く中でOSDによる見直し検討は長期間にわたり、残念無念ながら、2016年春には偵察&攻撃機(UCLASS)に空中給油任務を加えたCBARS(Carrier-Based Aerial-Refueling System:空母ベースの空中給油システム)に方向転換になりました

その後、候補となる4つの企業と技術的可能性等について意見交換しながら、企業に示すRFP(提案要求書)を煮詰めてきた米海軍ですが、最後の最後になって、空中給油優先の方向にあるようです。

米海軍は、FA-18酷使や予算等を理由に、いくらでも攻撃&ISR機能後退を言い訳するのでしょうが、その根底にあるのは「操縦の職を奪われたくない」とのパイロット根性にある事は隠せません・・・

21日付米海軍協会web記事によれば
MQ-25A.jpg●3月21日、ロッキードのWeiss氏は、米海軍がCBARS要求性能の見直しを行っているが、その方向性から提案を予期されている4つの企業全てが、設計のやり直しを迫られるだろうと記者団に語った
●そして同氏は、最新の情報では、米海軍は更にISRや攻撃性能の要求を削減縮小していると説明し、「ここ半年で変化が見られ、最終的なRFPは完成していないが、後のISRや攻撃能力付加はあり得るが、空中給油機としての要求に大きく焦点が絞られている」と語った

●なお同社は、Northrop Grumman、General Atomics、Boeingと、初の空母艦載無人機の受注に向け機種選定で争うことになるが、記者団へのプレゼンの中で、(ステルス性を大きく犠牲にした)空中給油用タンクが翼からぶら下がった機体イメージ図(最初の図)を使用していた
●そして「仮に米海軍の要求が、厳しい防空網内でのISRや攻撃であったなら、給油タンクが翼にぶら下がるようなイメージ図にはならなかった」とブリーフィングしていた

今や米海軍は、主力FA-18の飛行時間の25~30%を空中給油任務に使用しており、代替の空中給油機を可及的速やかに投入したいとの思いが海軍内で強まっているのかも知れない
MQ-25A-3.jpg昨年Weiss氏は将来のISRや攻撃任務適応を見据え、米海軍はステルス形状の機体を追求していると示唆していたが、昨年夏に米海軍航空軍司令官のShoemaker中将は、長時間飛行が求められるISR任務と燃料搭載量確保が必要な給油任務の両立に、各企業が苦労していると示唆していた

●しかし21日のWeiss氏の発言が示す最新の米海軍要求方向からすれば、4つの参戦企業全てが「flying wing形状」から「wing-body-tail形状」での提案に向かうと考えられる。
●ちなみに、ロッキードとノースロップは「flying wing形状」を構想していた模様で、GAとボーイングは「wing-body-tail形状」に近いイメージを持っていたと米海軍協会は記憶している

●なお、本計画では、米海軍がUCLASSデモで開発した地上操縦装置やデータリンク装置を機体に提供する事になっており、この装置についてはほとんど変更ないようである
昨年時点では、昨年4企業に公開されたRFP原案を元に協議がもたれ、最終的なRFPは2017年夏に発出され、2018年に選定結果が明らかになる予定だと企業関係者は語っていた
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MQ-25A Navy.jpg米空軍の次期爆撃機B-21計画で、いつの間にか「無人機オプション」が葬られたのと同様に、米海軍の空母艦載無人機計画でも、いつの間にか「突破能力を持つ攻撃機構想」は「将来の発展性」を経て、闇に葬られるのでしょう・・・

空中給油任務を付与した時点で、「ISRや攻撃任務」との並列が困難なのは目に見えており、予算やFA-18酷使の実態はあるにせよ、無人機を活用する意気込みや姿勢が米海軍に欠けている点は、後世の戦史家が厳しく指摘することになるでしょう・・

MQ-25A関連の過去記事
「CBARSの名称はMQ-25Aに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「UCLASSはCBARSへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-02
「UCLASS選定延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1

「米海軍の組織防衛で混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01
「国防省がRFPに待った!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-12
「関連企業とRFP最終調整へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-19

「会計検査院が危惧」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-10
「X-47B空中受油に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-05
「なぜUCLASSが給油任務を?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-02-1

「哀愁漂うUCLASS議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-17
「UCLASSで空中戦?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-24
「UCLASSの要求性能復活?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-14
「夢しぼむUCLASS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-21

「米海軍のNIFC-CAとは?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26
「脅威の変化を考えよう」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08

米空軍の次期爆撃機B-21の現状
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-20

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F-35に追加で2発のAIM-120搭載検討へ [亡国のF-35]

F-35 AIM120.jpg3月22日、米国防省F-35計画室長のChristopher Bogdan空軍中将が講演後に記者団に対し、F-35の2つある内蔵兵器庫(Internal weapons bay)にそれぞれ1発づつのAIM-120アムラームを追加搭載する改修を検討していると語りました

現在は2つある内蔵兵器庫それぞれに、アムラーム2発またはアムラーム1発&JDAM1発が搭載可能ですがこれをアムラーム3発またはアムラーム2発&JDAM1発が搭載可能にする方向の検討が為されている模様です

米空軍では次世代制空機「PCA:Penetrating Counter-Air」(第6世代戦闘機とは呼ばない掟あり)が山場を迎えつつアリ、対中国の戦略・戦術環境を踏まえ、弾道&巡航ミサイル脅威が厳しく、かつ作戦根拠基地が少ない西太平洋戦域を念頭に速度や機動性より、航続距離や弾薬搭載量をより重視する方向性が示されています

PCA関連の記事
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「Penetrating Counter Air検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「2030年検討の結果発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02

F-35weaponrele.jpg具体的には、航空機弾薬庫(arsenal plane)なる用語が登場し、少ない機数を補うため、弾薬を多数搭載できる爆撃機(B-52)を最前線戦闘機等の「空中弾薬庫」としたり、有人戦闘機が無人機をウイングマンとして従える試験等が試みられています

また戦闘機自体にも、F-15の近代化改修オプションとしてボーイング社は「F-15 2040計画」を打ち出し、空対空ミサイル搭載数を現在の8発から16発に倍増するプランを提示しています。

現在の兵装形態も、多様な議論やシミュレーションを踏まえて決定されたのでしょうが、今になってF-35の兵装を「いじる」話が出てきたのは、上記のような脅威認識が背景にあると推測します

3月22日Bogdan空軍中将は記者団に
F-35 wep bay.jpg●内蔵兵器庫(Internal weapons bay)それぞれに各1発のアムラームAIM-120を追加搭載可能にすることで、ステルス性を犠牲にする事なく、空対空能力を強化できる
第3のミサイルを追加搭載可能な潜在性をF-35は持っている

機体改修が行われるのは、F-35能力向上「Block IV program」の一部としてであろうが、米軍もパートナー国等も興味を示しているところである
●F-35に追加搭載するためにアムラームを改修する必要はなく、現在使用しているそのままのAIM-120が搭載可能となる。恐らく、内蔵兵器庫の開閉式扉に追加搭載することになるだろう

ただし追加搭載は単純作業ではなく、多くの機体設計や改修検討が必要となる。(注:いつ追加搭載が可能になるかの見通しについては、言及しなかった
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「There is potential … to add a third missile on each side」との表現振りですが、ミサイル改修は不要とか、かなり検討が進んでおり、予算さえ許せばその方向に進むのかも知れません
f35-bay.jpg「F-15を強制退役させ、改修F-16で穴埋め」計画が出てきた事が原因で、アムラーム2発追加搭載の話が出てきたわけではないでしょうが、米空軍は脅威の変化をうけた改革に努力しています

しかし、左図を見る限り簡単に扉に追加1発な様には見えないのですが・・・

今更、空対空戦闘かよ・・・とも言いたくなりますが、日本の戦闘機命派の皆さんは、巡航ミサイルを戦闘機で迎撃しようなどと考えているかも知れませんので、悪のりして「追加で2発アムラーム」を要求するのかも知れませんね・・・
戦闘機のことだから、追加の改修経費など簡単に他を犠牲にして捻出するでしょうし・・・

PCA関連の記事
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「Penetrating Counter Air検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「2030年検討の結果発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02

多くの弾薬を前線へ
「弾薬庫航空機に向けB-52改修」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13
「同構想とB-52」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-12
「F-15Cが引退でF-16で補完?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23
「現実的なF-15能力向上案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15

くたばれ日本の戦闘機命派
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02
「F-35の主要な問題点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「F-3開発の動きと日本への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16

空自OBに戦闘機を巡る対立
「織田邦男の戦闘機命論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-06
「広中雅之は対領空侵効果に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1
「小野田治も戦闘機に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05 

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対ロシアの情報戦に国家として取り組むべき [Joint・統合参謀本部]

トランプ政権の対露姿勢が不透明な中、米軍司令官が対露強硬姿勢を要求!

Scaparrotti7.jpg23日、上院軍事員会で証言した欧州軍司令官兼ねてNATO軍司令官のCurtis Scaparrotti陸軍大将は、ロシアがメディアを総動員して巧妙に行っている情報戦に対抗するため、冷戦時代にそうであったように米政府全体で情報戦に取り組むべきだと訴えました

また、攻撃的な性格を強めるロシア目的と振る舞いを分析しつつ、ロシアを軍事的に抑止するため、欧州派遣の兵力増強によるプレゼンスの強化や「more aggressive confrontation」や制裁継続を求めました。
そして更に、トランプ政権が国防費増加の反面で打ち出した、国務省の海外援助予算削減は好ましくないとの意見も明確に述べています。

雰囲気的には、上院軍事委員会メンバーと「あうんの呼吸」で上記発言を誘導された(誘導に快く乗った)感が漂っており大統領に意見具申をいたします的な証言となっており、各地域担当コマンド司令官からも同様の意見が続きそうなので、ご紹介しておきます

国家的な対ロシア情報戦を!
Scaparrotti8.jpgロシアによる組織的で巧妙・周到に練られた情報攪乱・情報操作作戦(disinformation operations)に対処するため、米国とNATO同盟国は、「全政府機関を巻き込んだ包括的で国家的な情報戦(information campaign)」を行う必要がある
我々は冷戦時代にその様な作戦を行っていたし、現在国務省と欧州コマンドが協力して組織している「対露情報グループ:Russian Information Group」をスタート台に発展させて行くことも考えられる

●一方で、ロシアが情報戦を戦いの一部として位置付け、SNSやTVやサイバー手法を用いて巧妙に連携した情報戦を展開しているのに対し、米国とNATOには問題に対処する明確な政策が欠けている。米国とNATOに対処計画が無いではないが、より強化される必要がある
●なお、サイバー攻撃を受けた場合にもNATO憲章第5条は発動されるが、NATOによる対処を起動するサイバー攻撃の強度の基準は、政治的判断によるだろう

対ロシアに欧州米軍戦力を増強すべき
Scaparrotti9.jpgロシアの攻撃的な姿勢と行動の目的は、NATOを分断崩壊させ、ロシアを「global power」として世界に認めさせる事にアリシリアやアフガニスタンでの紛争の結果がどのような結果を導くかについてあまり関心を持っていない

●このロシアの野望を阻止するため、米国は全ての事象にきちんと対処すべきでアリ、そのことで米国は世界の何処でも対処の準備がある事を示すべきである
●欧州米軍には任務を遂行する能力があるが、理想的なレベルにはなく、例えば、ロシアを抑止し、同盟国等を安心させる潜水艦や空母は配備されていない。弾薬も不十分で、ロシアの進撃を押さえるには不足しており、米国は欧州でのプレゼンスを強化する必要がある。

国務省予算の削減に反対
●(マケイン委員長からの国務省予算の削減は問題かとの質問に対し、)欧州米軍は伝統的に政府他機関に大きく依存しており、国務省予算の削減は問題がある
●我々は同盟国と共に、ロシアに対しより強硬で能動的な姿勢で対峙(more aggressive confrontation)する必要があり、特に西側の選挙を「fake news」やサイバー攻撃で操作しようとするグレーなエリアにはこの姿勢が必要だ
●(ロシアへの制裁を継続すべきかとの議員からの問いに対し、)我々は制裁を維持しなければならないと考える

Scaparrotti4.jpg●ロシア抑止のための欧州への派遣戦力増強施策は、オバマ政権が打ち出した「アジア太平洋リバランス」の影響や、強制削減を生んだ2011年の予算管理法のために、短期間の内に変更を余儀なくされ、欧州での地上及び航空戦力は大きく削減された。

●例えば2010年から13年の間に、2個飛行隊と1個航空団司令部が閉鎖され、2個の旅団戦闘チームと1個の師団司令部、1個の軍団司令部が欧州から消えている。
●また、米軍と同盟国軍がポーランドやバルト3国で、陸軍部隊のローテーション派遣を始めたが、しっかり装備や人員が充足され、派遣の隙間がない状態でなければ、ロシアの更なる侵略を抑止する欧州コマンドの任務には不十分である
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次は、ハリス太平洋軍司令官の登場でしょうか?

強制削減法(2011年予算管理法)による暫定予算が続く中、5月1日以降に予算が不足し、各種施策の停止や部隊訓練への影響が避けられない危機が迫っており、この「目の前の危機」への訴えと共に、トランプ政権の姿勢が不明確なことから来る種々の問題点が浮き彫りになる可能性があります

なお、Scaparrotti司令官は、つい最近まで在韓米軍司令官でした。次から次へ、大変な仕事ばかり担当されてますねぇ・・・

トランプ政権の国防指針は???
「リバランスは終了:それで?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-15
「政治任用で決定は長官一人のみ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-13

同証言を紹介したDefense-News記事
http://www.defensenews.com/articles/eucom-commander-america-needs-stronger-response-to-russian-disinformation

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夢を追いかけるだけでなく・・・ [ふと考えること]

この季節にはこのメッセージを何度でも!

「常にドアを明け、チャンスや機会をつかめ」
「予想していなかった道にも備え、臨んでみるべき」

innovation.jpg学校の卒業式も終了し、4月から新たな生活を開始する若い方も多いでしょう
私自身の過去を振り返ると、希望を抱きつつも、不安な思いに駆られている方も多いのでは・・・と思います。

そんな今日この頃、世間には「夢を持て」、「夢をあきらめるな」、「夢を追い続けよ」などなど、「夢」を持つことや「夢」を追い求めることを訴えるメッセージが溢れています。

最近ひねくれたまんぐーすでも、「夢」追求メッセージを完全否定したりはしませんし、鼻で笑ったりもしませんが、若者達に「夢」追求だけを訴えるだけでは不親切だと思うんです。
innovation2.jpg社会経験も十分でなく、「夢」が何なのかもよくわからない若者達に、耳障りの良い「夢」追求メッセージだけでは「片手落ち」だと思います

冒頭に掲げた2つのメッセージは、「夢」追求に加え、必ず若者に伝えるべきと私が考えるメッセージです。そしてその2つは、米国防長官と米軍人トップ(当時)が、それぞれの母校の高校生に送ったメッセージでもあります


米軍人トップが高校生に(当時:2015年3月16日)
●(ニューヨークの母校でデンプシー統合参謀本部議長は)人生とは、常に扉を開いておき、機会やチャンスを活かすことです。将来をわくわくしながら迎える事で、決して投げやりになってはいけません
●私が君たちと同じ高校生の時に、仮に誰かが「君はいつか米軍トップになるよ」と言ったくれたとしても、私はその可能性を強く否定したでしょう

dempsy2.jpg●正直に言うと、私は陸軍士官学校に入ることを熱望していたわけではありません。しかしその道に進みました
●私は将軍になりたいと強く思っていたわけではありません。しかしそうなりました
●そして、私は決して4つ星の統合参謀本部議長になりたいと思っていたわけではありません。しかし今そうなっています

歴史や時代の流れが、人を見つけ使命を与えるのだと思います(history will find a person)
●もし君たちが、自身の人生設計を自分のものとして、何者にも影響を受けずに実行していけると考えていたなら、それは冗談にもならない間違いです

歴史や時代の流れが人を見つけ使命を与えるのだから、君たちや君たちの家族や国家の代わりにそれを与えるのだから、君たちは備えていなければなりません
●「Keep the doors open. Don’t do anything stupid to close them」--常に扉を開けておきなさい。それを閉ざすような馬鹿なことをしないように


ゲーツ国防長官(当時)が高校生に(2010年5月23日)
●(カンサス州の母校の卒業式で)私は高校卒業後、自分は優秀だと考え、医者になるために進学しました。しかし、いきなり一学期の微積分で「D」の成績を取り、私は父に「Dは贈り物だと思う」と言い訳し、自分に適性がないことが明らかになったと解釈しました。
私は大学院生の時、偶然CIAのリクルーターと出会いました。当時歴史の教師を目指していた私にとって、全く考えもしなかった組織です。

gatesDuke.jpg●最初、CIAは私をスパイに仕立てようとしました。初期の訓練でCIAの女性職員をグループで尾行しましたが、「怪しい男達が女性を追い回している」と一般市民から警察に通報され、仲間の2人が警察に捕まってしまいました。偶然私が逮捕を免れたのは、早々に女性を見失ってほとんど尾行できなかったからです。
●CIAは私が現場担当に向いていないと判断したのか、入手情報を検討解釈する分析官になりました。そしてこれが私に、米国史上の驚くべき出来事を目撃する機会を与えることになったのです。

皆さんも何度か誤った方向に踏み出すこともあるでしょうし、得意分野を見つけるまでに困惑するような事もあるでしょう。しかし、継続して努力することです
●大学に進学するにしても、他の道に進むにしても、最初につまずいていらいらしたり落胆するのではなく、努力を続け、学び方を学び、誘惑を遠ざけ、努力や挑戦を続けることです。そして、どのような道に向かおうとも、あなた方が必ずしも想像しなかったような道を歩むことにも備えておくべきです
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夢追求メッセージを「4割」、変化や未知のチャンスへの心構え、そしてその日に備える過程での努力継続を「6割」、ぐらいの比率が若者には適当なのかも・・・と個人的には思います

桜6.jpgスポーツのメダリストやプロ選手を目指すなら「夢」追求でしょうが、世の中の大部分の人たちは、年齢や経験を積む中で、いろんな経験をする中で、自分の「道」を見定めていくのだと思います。

それぞれの「道」が、夢の実現であることもあれば、ふとしたきっかけで出会った「道」であることもあるでしょう。最後まで自分の「道」に納得いかない人も居るでしょうが、出会った「道」、与えられた「道」で花を咲かせる努力は、何時の時代にも尊く大切なものだとアドバイスしてはどうかと思います

history will find a person」、「努力を続け、学び方を学び、誘惑を遠ざけ・・・」・・最近の日本で余り聞かない表現です。「いかなる形にせよ、社会に奉仕する事の大切さを忘れてはいけない」ともゲーツ氏は若者によく語っていました

若者に語るシリーズ
「リーダーたる者は:最後の卒業式」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-28
「空軍士官候補生へ最終講義」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07
「前:陸軍士官候補生へ最終講義」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07-1
「後:陸軍士官候補生へ最終講義」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07-2

「州立大学の卒業式で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-09
「軍と社会の遊離を憂う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-10
「大学で「公への奉仕を」」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-22
「ボーイスカウトの精神を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-29

安全保障感覚の「体幹」を鍛えるために!
「ゲーツ元長官語録100選」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

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B-21 Raider次期爆撃機の状況 [米空軍]

B-21.jpg2015年末に機種選定結果が発表され、その後敗者からの不服申し立ても2016年2月末に却下され、Northrop Grumman社が担当することで決着した米空軍の次期爆撃機「B-21 Raider」に関し、13日の週に久々の動きがあったようですのでご紹介します

2020年代半ばに運用開始予定、強固な防空網を突破可能な性能、1機約600億円($550million)、80-100機製造、無人機もあり得る(正式にはoptionaly manned)、既存成熟技術を活用して開発リスクを避ける等々の方針で進められるLRS-B計画のB-21ですが、機種選定後は秘密のベールに包まれています

依然として基礎的な「PDR:preliminary design review」段階のようですが、F-35やKC-46Aと並ぶ3大重要事業ですので、忘れない程度にフォローしておきます

「80-100機製造」からの上振れ変更
LRS-B NG.jpg● Wilson米空軍副参謀総長が下院軍事委員会に提出した証言文書によれば、機種選定段階では「80-100機製造」と言われていたが、米空軍としては「最低100機」を要求することが現在のスタンスであると明確にしている
米空軍報道官も同文書の要求機数を米空軍のスタンスだと追認し、同爆撃機の要求元である米空軍「Global Strike Command」の要求に基づき、2016年春ころに空軍として要求機数の正式な変更を決定したと語った

●昨年7月、同コマンド司令官のRobin Rand大将が講演で、「最低限100機で1機たりとも欠けることは許容できない。軍事的観点からの譲れない要求数だ」、「地域戦闘コマンド司令官からの要求や現在の任務状況から見ても、現在保有する爆撃機数より少ない機数で、任務を遂行することなど不可能だ」と語っていた
●米空軍報道官も「100機との要求数は、天井ではなく、最低限の機数である」と表現している

2回目のPDRを3日間で実施
Bunch4.jpg●16日、国防省の調達部門で米空軍制服組のトップであるArnold Bunch Jr中将は講演で、B-21計画における2回目の「PDR:preliminary design review」を3日間かけて実施し、国防省と米空軍関係者、すべての関連企業が現状と今後の予定を確認し、細部設計に入るシグナルが発せられたと表現した
●同中将はまた、「計画が再び勢いを得た」、「全てが準備完了であることを確認した」、「基礎的レベルでの全ての参入企業の融合検証が完了した」とも表現した

●Bunch中将は「米空軍はすべての関係企業の進捗具合を詳細にモニターし、期限に間に合うか注視している」と述べ、次の節目は「CDR:critical design review」だと語ったが、その時期については言及しなかった
●同中将はB-2爆撃機計画を振り返り、「もっと透明性を確保すべきであった」と述べ、議会や国民に対し、いきなり完成機の驚くような価格を披露するようなことは避けるべきだ語った。

●そして、全ての手段を活用し、どのように情報を明らかにするかを情報機関や企業や国防省等みんなで慎重に見極めて行くことが重要だと表現した。
●一方でB-21に関しては、「これまで我々は相当オープンに情報を公開してきた。したがって今後は当面の間、詳細を公表する予定はない」と付け加えた
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次期爆撃機LRS-B計画では、ず・・・・・っと「Optionaly Manned」と要求性能が語られ、文字通り読めば「有人機もオプションとして検討する」との意味なのですが、約1年前に機種選定が終結したころからは、「当面、無人機は考えない」と米空軍高官が発言するまでに「無人機オプション」は後退しています

機種選定に入る前には、統合参謀本部で装備品要求を取りまとめる副議長(海兵隊大将)が、「誰一人として、私に爆撃機が有人である必要性を教えてくれない」、「核任務に有人型が必要だと言うなら、ICBMに有人型があるのか?」と記者会見で憤慨していました。

「次期爆撃機に有人型は不要」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16-1 

3-Bomber.jpgそれでもほふく前進するように、「Optionaly Manned」から「当面、無人機は考えない」まで持ち込むのですから、世界の空軍操縦者に共通する「職域防衛根性」は大したもんです

爆撃機の操縦者ですらこの有様ですから、戦闘機パイロットはもっとすごいですよ。日本でも、軍事環境の変化も無視して、飛行隊数と戦闘機機数だけを死守することを目的にしている戦闘機パイロットが権力を握っていますから・・・

LRS-B関連の記事
「B-21に名称決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-27
「敗者の訴え却下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-17
「敗者がGAOに不服申し立て」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-07

「結果発表と分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-28
「意図的リーク?LRS-B概要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-07
「次期爆撃機に有人型は不要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16-1

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なぜイスラエルArrowがシリアSAMを迎撃したのか [ふと考えること]

なぜ、弾道ミサイル対処用のイスラエル軍Arrowシステムが、シリア軍の地対空ミサイル(SA-5)を迎撃することになったのか?
弾道ミサイル防衛の難しさを考える事例に!

Arrow 2 Israel2.jpg19日付記事「情勢緊迫:シリア軍がイスラエル軍機をミサイル迎撃」でご紹介したように、17日早朝、イスラエル軍機がシリア領内に攻撃を加えた後にイスラエルに帰投する際、シリア軍が地対空ミサイルで要撃する事案が発生しました

両国から様々な主張が為されており、真偽のほどは不明ですが、イスラエル軍機はヒズボラに物資を輸送する車列を攻撃し、シリア軍は地対空ミサイルSA-5で迎撃、シリアは1機撃墜主張もイスラエルは被害無しと発表しています。

更にイスラエル軍機の要撃に失敗したSA-5を、イスラエルはBMDシステムArrowで要撃し、1発を仕留めたとイスラエル軍は発表しています。またこれに併せ、イスラエル国内ではエルサレム周辺で空襲警報サイレンが鳴らされ、ヨルダン北部のイスラエル国境付近で落下したArrowの部品が回収されています

SA-5  SAM2.jpgおまけとして、本事案の発表に伴い、イスラエルはこれまで「肯定も否定もしていなかった」シリア領内への空爆作戦実施に初めて言及することとなりました。最近数ヶ月の間にも、数回の攻撃が為されていたようですが、この「公表」面でも波及的影響がありそうです

なおSA-5は、1960年代後半から初期型が配備されており、A型からD型まであるが、シリア配備がどの型であるかは不明。最大射程は200~400kmと言われており、この射程距離の長さから現在も多く使用されている模様

以下では、湾岸戦争後初めてではないかと思われるBMDシステムの実戦使用に関し、冒頭の疑問へのイスラエル側の見解を紹介し、あらためて弾道ミサイル防衛の難しさを考えます。

20日付Defense-News記事によれば
Israel Lebanon.jpg20日、イスラエル空軍高官がArrowミサイルによるシリア軍SA-5迎撃について記者団に語った。そして同高官は、17日のArrow発射が、イスラエルと米国共同開発の同システムにとって、初実戦発射だったと認めた
●別のイスラエル軍幹部は、イスラエル空軍F-15が攻撃終了後に帰還する際、シリア軍は南西の方向に向けてSA-5を発射し、それがイスラエル領内に落下する恐れがあったと説明している

●最初の軍高官は、シリア軍がイスラエル軍機に発射したSA-5が、「弾道飛翔コース、高度、飛翔距離から判断して、Arrow2システムが対象脅威と想定して設計されたスカッドミサイルの様な飛翔だった」と語った
●そして「実際にはスカッドではなかったが、弾道ミサイルの様な飛翔をしたならば、それが最終的に何であろうと、我々には関係がない。数百キログラムの弾頭を搭載したミサイルのような飛翔を探知したなら、国民や都市への脅威として見逃せない」と説明した

元イスラエル首相で国防相でもあったバラック氏は、イスラエルによるシリア領内への攻撃の「あいまい政策」を維持するためにも、Arrowを発射すべきではなかったと(メディアで)非難しているが、同空軍高官は、迫り来る弾道ミサイルらしき脅威に対し、イスラエル防空部隊が対処をためらうことはなく、17日はその典型的なケースだと反論している
SA-5  SAM.jpg通常SA-5は目標に命中しなければ、推進ロケット燃焼終了の数秒後、自爆する設計になっているが、何らかの理由で自爆せず、スカッドのような飛翔をしたのではないかと、元イスラエルBMD局長のUzi Rubin氏は見ており、または古いタイプのSA-5で、自爆機構を搭載していなかった可能性もあると語っている
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その他、Arrowシステムにはスカッド等弾道ミサイルのデータが蓄積されており、そのシステムが脅威を判断したのであれば、要撃ミサイルを発射するのが自然だ等の説明がイスラエル軍からなされています。

おそらくイスラエル軍内部には、表に出ない事象や経緯、反省事項がいくつもあるのでしょうが、我々が学ぶとすれば、弾道ミサイル対処とはこれほど困難で混乱に満ちた作戦だということでしょう。

Arrow 2 Israel.jpgいま北朝鮮の核やミサイル対処を巡り、いろんな議論があるようですが、テレビ局の方によると、この話題になると視聴率が急降下するようです。

金正男の暗殺事件やその手口の話題は「数字」につながっても、核やミサイルは茶の間で受けないようです。こういうのをオストリッチ症候群(ダチョウが穴に顔を突っ込んで現実から目を背けることへの例え)と言うのでしょうか・・・

「情勢緊迫:シリア軍がイスラエル軍機をミサイル迎撃」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-18

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