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今頃NATOがロシアのINF条約破り非難 [安全保障全般]

2月にNYT紙が報じ、米軍幹部も非難しているロシアの行為を、今頃になってNATOが非難

SSC-X-8 2.jpg15日、NATOが声明を発表し、ロシアが射程500kmから5500kmの地上発射弾道ミサイルの廃棄と保有禁止を約束するINF全廃条約に違反していると非難しました。

このロシアの巡航ミサイルは、オバマ政権時代から開発段階にあると指摘され、「SSC-X-8:9M729」と呼ばれていた最大射程3400km程度の巡航ミサイルですが、今年に入って配備段階に入ったと米情報機関で確認され、兵器として完成したと米国政府関係筋がNYT紙に語ったのが今年のバレンタインデーに報道されていました

この事実を受け、4月末にハリス太平洋軍司令官は「米国が宗教戒律のように守っているINF全廃条約など破棄せよ」と厳しい言葉で非難し、最近では米国も、配備はまだ決断しないが、同種兵器を開発することを明らかにしています

Selva senate.jpg一方でSelva統合参謀副議長が7月に発言しているように、全てのオプションを検討するも、オプションの基本的考え方に関し、「同条約の規約を露に遵守させられないようであれば、他の全ての合意事項の拘束力も弱体化させかねない」との懸念から、「米国は同条約の規定範囲内の手段で、ロシアを同条約の枠内に引き戻し、核戦力の戦略的バランスを維持しなければならない」との考え方がベースにはあります

軍拡競争に挑む体力が無いということでしょうが、欧州諸国主体のNATOが非難せずに誰が非難するのか・・・と思いますが、今まで公式に非難しなかったのは「大人の事情」があるのでしょうか?

18日付米空軍協会web記事によれば
SSC-X-8.jpg●15日付のNATO声明は、ロシアの条約破りを非難する米国と歩調を合わせ、ロシアにINF全廃条約を順守するよう要求し、「米国は同条約の義務を厳正に遂行している」と表現している
●そして「NATO諸国は深刻な懸念材料となるロシアのミサイルシステムを確認した。NATOとしてロシアに対し、我々の懸念に透明性のある実質的な対応をとることを要求し、米国と検証に関する技術的な対話を米国と行うよう促す」としている

●更に声明は「この条約は欧州と大西洋を囲む同盟にとって重要であり、関連兵器をすべて破棄している」、「INF全廃条約の完全履行こそが必要不可欠で、我々はこの軍備管理の記念碑的条約保全に完全にコミットしていく」と結んでいる。
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PatriotMS.jpgこの面でも米国は露にやりたい放題されてますねぇ・・・

この重要なタイミングで、ポーランドと長年にわたり協議してきたPAC-3ミサイル防衛システム導入について、ポーランド側が想定していた2倍以上の値札を最後に米国は突き付けた様です

米国ファーストがこんなところでこのタイミングで、いろんなところで顔を出しています・・・大丈夫か???

INF条約の経緯とこれまでを解説
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15

ロシアのINF条約破り
「露を条約に戻すためには・・」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-20
「ハリス司令官がINF条約破棄要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-29
「露がINF破りミサイル欧州配備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15
「ロシア巡航ミサイルへの防御なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06

「露がINF全廃条約に違反」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27
「米陸軍にA2ADミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14
「INF条約25周年に条約破棄を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-10

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無人機に弾道ミサイル探知レーザーセンサーを [米国防省高官]

究極目標は大型無人機でブースト段階迎撃ですが・・・

MQ-9 4.jpg12日付Military.comが、米国ミサイル防衛庁(MDA)がボーイング社と、9か月間10億円でMQ-9のような無人機にレーザーターゲティング装備を設計、搭載、試験する契約を結んだと報じています。

MDAは関連の契約を、ロッキードと10月に約11億円で、MQ-9機体製造のGeneral Atomics と11月に約10億円で結んでおり、2016年には他にNorthrop GrummanやRaytheonとも契約を開始しており、米国の主要航空軍需産業を総動員し、とりあえず無人機に低出力精密追尾レーザー装置を搭載しようとしています

もちろん弾道ミサイル対処だけでなく、地上目標への精密誘導攻撃にも活用でき、発射直前の弾道ミサイルを破壊することも狙いにあるようですが、記事が究極的には、高高度無人機に搭載してブースト段階でのICBMキルにも応用が考えられるとしてます

どの程度のスピード感で試験や配備が計画されているのかが記事からは不明ですが、一部の試験は米海軍の演習で既に開始されているようであり、無人機活用の更なる発展に注目したいと思います

12日付Military.com記事によれば
MQ-9 3.jpg当面の目標は、MQ-9などの航空アセットに「precision tracking lasers」を搭載することである
●例えば、MQ-9にレイセオン製の光学赤外長距離レーザーターゲティング装置「Multi-Spectral Targeting System」 を搭載し、米海軍演習で試験に成功している

●MDAの担当高官は、この装置の能力で北朝鮮のICBM発射を探知することにも活用できるとも語っている
●また同高官は今年5月、無人機に搭載した赤外線センサーでは、通常のレーダーの覆域を数百マイル超える遠方で、発射前の弾道ミサイルを正確に特定できるとも語っている

●更にこの技術は究極的に、迎撃用レーザーに発展し、先進の高高度無人機に搭載され、ブーストフェーズでICBMを迎撃することを可能にする可能性を持っている
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MQ-9-2.jpg今も対ISISやアフガンで無人機が活躍していますが、それら無人機が搭載しているであろう軽易な照準装置とのレベルの違いがよく分かりません

いずれにしても、このような技術の積み重ねが、いつか「スターウォーズ症候群」を乗り越え、現実に近づくことを願いつつ・・・

レーザー兵器関連の記事
「私は楽観主義だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-23
「レーザーにはまだ長い道が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-18
「AC-130に20年までにレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06

国防省高官がレーザーに慎重姿勢
「国防次官がレーザー兵器に冷水」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-12
「米空軍大将も慎重」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-24

夢見ていた頃
「2021年には戦闘機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-21
「米企業30kwなら準備万端」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「米陸軍が本格演習試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14-1

「米陸軍は2016年前線に投入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-16
「まずC-17搭載レーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-23

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南沙諸島と西沙諸島で埋めたて完了・施設充実中 [中国要人・軍事]

世界が北朝鮮に注目する間にも着々と・・・

Spra Fiery Cross.jpg12日、公開衛星写真等を基に中国による南シナ海での埋め立て活動等を継続監視しているCSISの「Asia Maritime Transparency Initiative」が2017年の南沙諸島と西沙諸島での中国の活動を概観する記事をwebサイトに掲載しました

トランプ政権の焦点から外れ、中国が南シナ海沿岸国と海域での「行動規範:code of conduct」を巡るグダグダ議論で時間を稼ぎ、フィリピン大統領が中国との関係も模索し、世界の目が北朝鮮に向かう中南シナ海の緊張感が和らいだような印象を与えつつ、中国は着々と両諸島での施設整備を進めています

Spra Mischief.jpg南沙諸島では埋め立て活動は2016年初頭に終了した模様であり、西沙諸島でも2017年中旬には埋め立て工事活動は見られなくなっているようです。つまり埋め立ては終了し、人口埋め立て島での施設建設や装備配備に注力した1年だったようです

細部まで継続的にフォローしているわけではないので詳しく語れませんが、CSISのwebサイトから掻い摘んで状況をご紹介します



南沙諸島Fiery Cross
最も施設整備が活発だった島。110,000平方メートルの範囲の施設整備が精力的に実施
3000m級滑走路沿いの格納庫、島南部の弾薬や諸資材を保管する地下貯蔵施設、北端部の通信および監視・情報収集用センサー群、南端の防空ミサイル用強化格納庫、島全体に分散された通信設備で、外観上の工事は完成したように見える
●すでに完成していた水や燃料貯蔵施設にこれらの施設が加わっている

Spra Subi.jpg南沙諸島Subi Reef
フェアリークロスに続き活動が活発だった島。95,000平方メートルの施設整備が確認
地下の貯蔵施設、格納庫、防空ミサイル格納用強化格納庫、監視および通信用アンテナやレーダー各種、同島で2つ目となる「像のおり」と呼ばれる情報収集用巨大アンテナ施設の外観上の完成を確認

南沙諸島Mischief Reef
●上記2つの島と同様の方向の施設整備。68,500平方メートルの施設整備
地下の弾薬や資材保管施設、航空格納庫や防空ミサイル強化格納庫、新たなレーダーや通信アンテナやレドーム。新たに島北部で通信やレーダー施設の整備を開始

南沙諸島North, Tree, and Triton Islands
Spra Tree.jpg
●この3つの島での工事は小規模だが、地理的に重要性を持つ島で、航法上や支配を示すうえでの必要性がある模様
●North島にはヘリ離着陸場、太陽光発電パネルや風力発電風車を新たに確認、Tree島では台風で大きな被害を受けた施設の残存部分の防御を強化、, 南沙諸島の南西端に当たるTriton島には新たな建物2つ、レーダー等2つが確認
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これ以上の説明はできませんが、南シナ海を忘れるな・・・です

南シナ海関連の記事
「南シナ海3か国で共同監視活動」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-18
「久々航行の自由作戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-03
「CSIS西沙諸島レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-13

「塩害対策が鍵か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-10
「西沙諸島に中国戦闘機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02-1

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北朝鮮は生物兵器を保有するのか? [安全保障全般]

在韓米軍兵士は天然痘と炭そ菌のワクチン接種がマスト

b weapon.jpg10日付ワシントンポスト紙が、煮詰まりつつある北朝鮮情勢に絡め、北朝鮮の生物兵器の現状を様々な角度から考える記事を掲載しましたので、実態はよくわからないながら、本件に関わる関係者の取り組み具合が興味深いのでご紹介します

現状を記事から端的に推測すると、北朝鮮は炭そ菌や天然痘やコレラやペスト菌等の生物兵器病原体を保有し、輸入規制をかいくぐって大量生産用の最新機器も保有し、生物兵器研究の情報や研究者へのアプローチを活発化しているが、兵器化する「GOサイン」はなぜか出ていないようだ・・・・の状態らしいです

生物兵器は、拡散状況が目に見えず、効果の確認に時間がかかり、敵味方を問わず影響を与える可能性が高く、後始末に必要な労力が膨大な可能性があるなど、派生的なリスクが高い兵器として、ロシアさえも腰を引いた状態だと認識していますが、北朝鮮はどうなのでしょう・・・

10日付ワシントンポスト紙によれば
b weapon3.jpg北朝鮮が2006年に最初の核実験を行う5か月前、米国情報機関が議会提出の分析で、北朝鮮は秘密裏に生物兵器に取り組んでおり、炭そ菌や天然痘病原体を保有し、専門家チームを編成しているが、特定の技術スキルに欠けていると報告している
●しかし10年が経過した今、課題はなくなり始めており、北朝鮮は着実に生物兵器製造装置の獲得に近づいていると米国やアジア専門家は見ている。

ただし北朝鮮指導者が、サンプル状態にある病原菌の兵器化や大量生産を命じた証拠は確認されていない。「北朝鮮が生物兵器の原型を保有していることや、製造技術を磨いていることは様々な点から知られているが、なぜ兵器化しないのかは謎である」と専門家は述べている
●一方で、北の指導者が生物兵器の大量生産と兵器化を命じたとしても、西側がそのことを迅速に知ることができるかは疑問である

2015年6月6日の衝撃映像
b weapon2.jpg2015年6月6日、金正恩が新たに建設された農薬研究所を視察する映像が国営放送で放映されたが、北朝鮮軍が所有して運営するその施設の内部に、高価な大量生産用の菌培養槽や、菌を散布しやすくする粉末製造用乾燥装置が映像上で確認された
●これらの最新装置は北朝鮮への輸出が禁止されている生物兵器製造につながる装置であり、専門家らは「この北朝鮮研究所が生物兵器製造施設であることを否定することは難しい」、「現時点で生物兵器製造に使われていなくても、近い将来に可能になるだろう」との見解を示していた

農薬を入手しようとすれば中国から安価に入手可能なのに、このような高価な装置を入手する必要性がないこと、同装置に外部につながる配管がないこと等が、生物兵器製造用であるとの見方の理由である
●一方で、生物兵器施設なら厳重な気密服を着る必要があるが、そのような様子は全く映像から確認できなかったことから、生物兵器との関連を否定する意見もある。生物兵器の大量製造装置を保有していることだけは確かであるが・・・。

共通する見方
b weapon4.jpg北朝鮮による生物兵器の保有と使用のリスクに備え、在韓米軍兵士は天然痘と炭そ菌のワクチン接種を行っており、同時にこれら大量破壊兵器への対処検討や備えに多くの時間を割いている
●しかし、北朝鮮の本当の生物兵器関連能力や、北朝鮮の意図を分析することは、米国情報機関にとって極めて難しい課題である。

米国と韓国の情報機関は一般的に、北朝鮮は炭そ菌、コレラ、ペスト、天然痘の実験を行っていると分析している。また米国の専門家は、1980年代と90年代に脱北した北朝鮮兵士の血液から天然痘の抗体が見つかっていることから、北朝鮮が天然痘ウイルスを保有していると見ている
●この分析は、北朝鮮から亡命者やロシア情報機関も共有しており、ロシア機関は「天然痘と炭そ菌を含む4種類について、高等な軍事生物研究を行っている」とのレポートを出している

技術的な取り組み
北朝鮮研究者が論文を発表することはあまりないが、2015年に中国研究者と共に、北極圏深くのノルウェー領の島の氷河から、未知の病原体を発見したとの論文を発表している
●このほかにも北朝鮮は、海外の関連の企業や研究機関や研究者との関係者との関係構築に取り組んでいることが知られており、ネット検索でも北朝鮮がバイオテクノロジー関連に強い関心を示していることが確認できる

b weapon5.jpg技術と能力はあるが、北の指導者がそれ以上をまだ命じていないとの見方であり、政治的決断があれば事項出来るとの見方が有力である
●元CIAの関連分析官であった人物は、北朝鮮の大量破壊兵器への姿勢を表現し、「核兵器についてはオープンに語って抑止力にしようとしているが、化学兵器と生物兵器は異なる。化学と生物兵器は表に出さない。真のオプションである。彼らは否定出来る可能性を維持しているのだ」と語っている
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勘弁してほしいよなぁ・・・生物兵器・・・。病原菌の存在を確認することが難しく、疑心暗鬼を呼ぶ兵器です

そこに生物兵器が保管されている場所が判明しても、爆弾を落として焼き尽くすとか、消滅させるとかが確実に可能な保証はなく、対応が極めて難しい兵器です

北朝鮮関連の記事
「地上部隊侵攻しかない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-07
「グアムの弾薬10%増強」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-21
「米陸軍が対北朝鮮に緊急準備開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-12

「米軍事メディアが北朝鮮騒ぎを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-14
「グアムで住民に核攻撃対処要領」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-15

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映像:オハイオ級戦略原潜の紹介 [Joint・統合参謀本部]

お疲れなので、コピペの寄せ集め紹介です。
でも、抑止を考える基礎として重要な装備なのでお勉強です!

Ohio-Class.jpgオハイオ級原子力潜水艦は米海軍が現在保有する唯一の戦略ミサイル原子力潜水艦で、西側諸国で最大の排水量(18000トン)を誇る潜水艦(全長170m)である。また全長と弾道ミサイル搭載数は現役の潜水艦で最多。

開発当初1番艦は1979年引渡し予定だったが結局の就役は1981年末。また当初24隻の建造を予定していたが、冷戦終結の影響により18隻で打ち切られた
オハイオ級の主な兵装は潜水艦発射弾道ミサイル24基と533mm魚雷発射管4門で、敵と直接戦うのではなく、海に潜んで相手国に核ミサイルの雨を降らせることが任務

Ohio-Class3.jpg8番艦以降が射程11,000kmのトライデントII(D5)を装備4番艦から8番艦は弾道ミサイルをC4射程7,400kmのトライデントIからD5に換装中。古い1番から4番艦は巡航ミサイル原潜SSGNに換装される

オハイオ級が装備するトライデントは1基につき核弾頭を14発まで装備可能だが、戦略核兵器制限条約により現在弾頭は最大で8発に抑えられている。オハイオ級は1隻で計192発程度の核弾頭を装備することになる。

核弾頭1発あたりの核出力は数種類あるがいずれも100kt~475kt(長崎市に落とされたファットマンは20kt程度)と都市一つを破壊するには十分な威力を備えている。

オハイオ級戦略原潜の紹介イメージ映像(約3分)

出港後は、250m以下に潜水可能な能力を生かし、待機する海域で海中に身を潜め、常時核ミサイルの発射が出来るように待機。この1回の航海はラファイエット級までは60日程度であったが、オハイオ級は大型で居住性が若干改善されたため航海の期間も若干延び、70日から90日程度になった
ただ性能上は、6か月間連続で潜水運用が可能である

Ohio-Class4.jpgどの海域を待機海域にしているかは軍事機密であり、詳細は非公開。詳細は艦長を含めた数人しか知ることはない。現在では搭載するミサイルの射程がICBM並に長いことから、危険を冒して敵国沿岸に行くようなことはなく、アメリカ本土に比較的近い太平洋や大西洋、北極海などで待機していると思われる

戦略原潜は、ブルーとゴールドの2組のクルーが用意され、1グループが70日間の航海を終えてると、約1ヶ月ほど艦の整備などを行い、その後に他のグループが70日間の航海に出る。そして、航海を終えた方のグループは、しばしの休暇の後訓練をおこなう、というローテーションを繰り返す。

その他に、約10年に1度は1年間ほどかけてオーバーホールと燃料棒の交換をおこなう必要がある。以上から実際の稼働率は60%程度であり、18隻でローテーションを組めば常に10隻前後は任務につき、巡航ミサイル型への転換が進んで14隻体制になると8隻前後が任務に就くと想定される

敵潜水艦に発見された場合の反撃手段としてMk48魚雷も搭載する。しかしその性質上隠密性が求められるため探査用のアクティブソナーは装備していない

巡航ミサイル原潜SSGN
Ohio-Class5.jpg2001年、米海軍はオハイオ級の1番艦から4番艦までを戦略任務から外し、巡航ミサイル潜水艦に改造することを決定した。1隻が完成

具体的な内容としては24基の弾道ミサイル発射筒のうち22基をトマホーク発射筒に改め、残りの2基を海軍特殊部隊「SEALs」に改造

トマホークは1基あたり7発を装備、最大で計154発と大量のトマホークを搭載可能。トマホーク発射筒の一部も任務に応じて小型潜水艇ASDSやドライデッキ・シェルターを搭載することも可能とされる。
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運用開始から30年以上経過しているオハイオ級戦略原潜も、後継艦導入が難しい課題です。

Ohio Replacement.jpg今検討されているSSBN-Xは、オハイオ級の2倍の価格(7~8000億円)と見積もられており、ニミッツ級空母の価格2倍のフォード級空母(1.7兆円)とならび、導入が順調に進むとは到底考えられません

また、サイバー戦や宇宙戦が新たなドメインに加わり、抑止の考え方全般の見直しが必要だと叫ばれる中、SSBNへの投資をどうすのかは資源配分議論の焦点の一つです

なお、米海軍は女性をSSBNに配置開始しています

オハイオ級SSBNの後継艦計画関連
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1
「SLBMは延命の方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13

21世紀の抑止概念を再構築
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
「相殺戦略特集イベント」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「期限を過ぎてもサイバー戦略発表なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25

ウィキペディア:オハイオ級原子力潜水艦
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%AA%E7%B4%9A%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E6%BD%9C%E6%B0%B4%E8%89%A6
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温故知新シリーズ:JASSM-ER [安全保障全般]

温故知新シリーズ:JASSM-ER
防衛省が2018年度予算案に盛り組むことを決定した、射程1000㎞も可能な長射程ステルス巡航ミサイルについて、2017年7月の記事を再掲載いたします
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小さなニュースだが、その意味するところは極めて大
第一列島線の東側から中国大陸に届く射程へJASSM改修へ

JASSM-ER5.jpg19日、Lockheed Martin社が、米空軍と空対地ミサイルJASSMの射程を延長するための翼改修の契約延長を約40億円で結んだと発表しました。ただし、どれだけ射程を延伸することを狙った改修かは明らかになっていません

JASSMは「Joint Air-to-Surface Standoff Missile」の略で、航空機から発射して地上目標を攻撃するステルス性を持つ空対地ミサイルで、現在2150発が米空軍に提供されています。

JASSM-ER7.jpg初期型のJASSMが射程200nm(360km)で、その後改良された射程延伸型JASSM-ER(Extended Range)は射程540nm(1000km)で、射程延伸型JASSM-ERはちょうど、第一列島線上空から中国沿岸部を攻撃できる射程を持つことになります

従って、射程延伸型JASSM-ERより更に射程を延伸すると言うことは、第一列島線の西側(つまり東シナ海)に入ってJASSMを発射することが既に難しいとの認識はあったが、中国のA2AD能力向上に伴い、第一列島線より更に東方の離れた位置からでないと、中国大陸に向けたASMは発射できないとの判断に米空軍が至ったとも解釈できます。

言い換えれば、日本列島の西側は、中国のA2AD圏内に入ったとも考えられます。
JASSM射程延伸の改修へ向けた動きは、たった40億円の小さな契約ですが、こんな風にも解釈できる大きなニュースだと思いご紹介します

まずJAASMの概要
JASSM-ER4.jpgJASSMは1995年から開発が始まり、実験の失敗等で紆余曲折はあったが2001年に初期量産を開始。敵防空網の射程外から発射され、強固な構造を持つバンカーや、ミサイル発射機などの攻撃を行う目的を持つ空中発射ミサイル。対艦ミサイル版のLRASMもある
●低コストの開発を念頭に、画像赤外線センサーは陸軍の対戦車ミサイル「ジャベリン」から、ターボジェット・エンジンは対艦ミサイル「ハープーン」からと、既存部品を多用している

●航空機から投下されると翼を展開、ターボジェットを始動する。途中、INSとGPSにより誘導され、レーダーに見つかりにくい低空を速度マック0.8で飛行する。
●目標に接近すると画像赤外線センサーにより目標を識別、急上昇してから70度の角度で急降下、突入破壊する。命中精度CEPは約3m

●中央部分の弾頭はタングステン製454kgの貫通モード、または爆風・破片モードを選択可能な多機能弾頭で、貫通力はBLU-109Bと同等とされる
地下施設や強固な施設には貫通モードで、ミサイル発射機やレーダー施設に対しては上空で爆発して爆風と破片を放出する

JASSM-ER9.jpg搭載可能な航空機は、B-2、B-1、B-52H爆撃機、F-15E、F-16戦闘爆撃機など多様
●「JASSM-ER」と「JASSM」の違いは、より大きな燃料タンクと効率の良いエンジンの搭載で射程距離が2.5倍の575マイル(約925km)に延伸したこと。またGPS妨害に対抗できる機能を付加したこと。更にデータリンクを追加装備したことである。

●「JASSM-ER」と「JASSM」は7割が共通部品で構成されており、製造コストの低減に貢献している。
●米空軍は2020年台の製造終了までに、2,400発のJASSM(1発約1億円)と、3,000発のJASSM-ER(1発約1.6億円)を購入予定

25日付Defense-News記事等によれば 
JASSM-ER8.jpgLockheed Martin社のJAASM計画責任者Jason Denney氏は、「A2AD脅威環境で操縦者の生存性を向上させる新たなデザインを開発している」、「我が社の顧客の皆さんは、証明済みのJAASM性能を信頼頂いているが、前線部隊に更なる能力向上型を提供できることを楽しみにしている」と語った
●ロシア製のS-300やS-400と言った高性能地対空ミサイルSAMが登場して世界に拡散する中、これら兵器を使用するA2ADにより、第4世代機の能力発揮できるエリアが制限されつつある

●配備が始まったばかりのF-35や、配備開始が2020年代半ば以降になる次期爆撃機B-21はステルス性も活用して強固な敵防空網を突破できるかも知れないが、しばらくは米軍航空戦力の多数派であるF-15EやF-16C、海軍のFA-18はそうはいかない
●低空を高速で飛行可能なB-1B爆撃機も、JASSMとJASSM-ERの両方が搭載可能だが、強固に防御された敵防空網の突破能力には限界がある

●なお、JASSM-ERの能力を確認した米海軍は、JASSMを対艦ミサイル用に改良することにDARPAと共に着手しており、LRASM(Long Range Anti-Ship Missile:AGM-158C)としてB-1には2018年から、FA-18には2019年から搭載開始される予定である
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最近の北朝鮮絡みで、米軍が韓国展開部隊にJAASMを配備すると発表して大きな話題となりました。

JASSM-ER3.jpgまた昨年11月末、米国がポーランドにJAASM(又はER型)70発を、関連装備を含め僅か200億円で提供すると発表して注目を集めています。何とお得な投資でしょう。何とか日本のF-15JやF-2に搭載可能にして、有効活用できないものでしょうか?

1機が100億円以上する戦闘機の数を減らしてでも、平時からグレーゾーン付近でしか活躍が期待できないであろう戦闘機の要求性能を落としてでも、この様な長射程兵器を導入する方向に、考え方を改めていくべきと考えます

米国も輸出に前向きになったようですし、費用対効果の面でも、日本の置かれた地理的な戦術環境からしても・・・

JASSM関連の記事
「ポーランドに70発輸出承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-30
「B-52をJASSM搭載に改良」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13
「JASSM-ERを本格生産へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-17-1
「空中発射巡航ミサイルの後継」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-12-1
「JASSM-ER最終試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-10-1

LRASM関連の記事
「LRASM開発状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-17-1
「米軍は対艦ミサイル開発に力点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-18
「ASB検討室の重視10項」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-04
「LRASMの試験開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-23
「新対艦ミサイルLRASM」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

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古豪U-2偵察機部隊が装備改革を先導 [米空軍]

U-2飛行隊長
空軍参謀総長は言った「飛行隊長として即応体制を維持せよ。しかし空軍の回答を待っているようでは任務成功はおぼつかない」

U-2 night.jpg8日付Defense-Newsは、1950年代から前線で偵察活動を続け、今も最前線で活躍中のU-2偵察機部隊の取材記事を掲載し、飛行隊(編成単位部隊)の活性化を重点政策に掲げるGoldfein空軍参謀総長の意図を具現化するように、飛行隊がシリコンバレーと直接交渉しながら現場の要求に合う装備を低コストで導入している様子を紹介しています

どうやら空軍参謀長が視察した際に、飛行隊活性化策を提言して予算の自由度が与えられたような雰囲気ですが、なぜこれが可能なのかは記事からは良くわかりませんでした

米空軍全体で、審査を経てこのように小規模なプロジェクトに予算と自由度を与える機会が与えられているのか、そのあたりの細部が不明なのですが、いつ引退を命ぜられて不思議でない、士気が低下しそうな部隊でありながら、生き生きと部隊が活動する様子が伺えますのでご紹介します

8日付Defense-News記事によれば
U-2Flight.jpg未だに与圧服を着て搭乗しなければならないU-2偵察機だが、同飛行隊の作戦計画士官はまもなく、シリコンバレー企業と直接対話して実現した商用ベース技術を用いて実現した、作戦用データを融合する最新のコンピュータやタブレットを手にする
ペンタゴンからの指図をほとんど受けず、同飛行隊が調達するシステムは、関連の装備や開発を含め約3.6億円である

●U-2を運用する第99偵察飛行隊の隊長であるMatt Nussbaum中佐は、空軍参謀総長が部隊視察の際に同中佐に対し、「飛行隊長として即応体制を維持せよ。しかし空軍の回答を待っているようでは任務成功はおぼつかない」と語ったことを振り返った
●また同隊長は「私は空軍参謀本部勤務から飛行隊長になり、予算獲得や契約の流れを前任地で見てきたが、重要なことは現場の優れたアイディアをどうすればよいかである」とも語った

同隊長は特別な権限を与えられているわけではないと語ったが、飛行隊のメンバーは誰もが、重要な要因として、リーダーシップが一般兵士にチャンスをつかむ自由を与えてくれているleadership give those at the lower levels the freedom to take chances.)と語ってくれた
11月30日に空軍参謀総長が来訪した際には、同飛行隊がシステム導入の基礎と考える「atomic leadership model」を説明し、参謀総長は空軍全体に適応するプランを考えてほしいと応えた

U-2 tablet.jpg飛行隊長は彼らが自ら企業等と交渉して導入した装備の一つであるタブレットを見せてくれた。このタブレットは、パイロットが空中で秘密でない情報を入手するものだと説明してくれた。
●そして、操縦席は秘密作戦情報をやり取りする装備で埋め尽くされているが、そうでない情報のやり取りする装備はなく、公式に要求するには大変な労力が必要だと語った。基本ソフトは無料で入手し、「Apple’s app development courseware」に投資して好きなようにカスタマイズしていると言う。

●また旅客機パイロットが良く使用している「Garmin D2腕時計」を、U-2操縦者が入手して喜んでいるのは不思議な光景だった。
●飛行隊長は次のステップとして、この腕時計が収集した飛行ルート等のデータを軍用フォーマットに変換し、自動ダウンロードして飛行隊で事務作業に活用できるよう契約準備を進めていると語ってくれた

このような装備調達手法の利点は、兵士が予算を有効に活用しようと意識することである。一般に高いと感じたら、普通の人間は購入を躊躇する。しかし官僚的な組織ではこの意識が働かなくなることがある
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U-2 Dragon.jpg色々疑問が残る記事紹介となりましたが、数億円を部隊に任せて必要なものを装備させる自由を与えられているようです

その手続きの流れやここまでの経緯は不明ですが、前線部隊には色々な費用対効果の高いアイディアが埋まっていると言うことでしょう。

飛行隊(編成単位部隊)の活性化を進める米空軍を「よいしょ」する記事かもしれませんが、組織上層部の裁量で、部隊活性化が成功した事例ともいえましょう

空軍参謀総長の重視事項
「3つの重視事項」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13

U-2偵察機の記事
「U-2はRQ-4が共存へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-25
「空軍偵察アセットの現状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-21
「最新機よりU-2がいい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-23
「在韓米軍トップ:U-2が良い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-26

タグ:U-2
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カナダが中古の豪州FA-18購入へ!? [安全保障全般]

F-18.jpg8日付Military.comは、老朽化が進むカナダ空軍CF-18を補完するためにカナダ政府が中古の豪州空軍FA-18を購入する方向にあるとの報道を受け、新造FA-18売込みを見込んでいたボーイングが「決定を尊重する」との声明を発表したと報じています。

カナダはもともと、老朽CF-18後継に60機のF-35を購入予定でしたが、トルドー首相新政権がF-35に強い不信感を持ち、購入決定を先延ばしして「中継ぎ」として新造FA-18購入を示唆していました。

その後、カナダの航空機製造業ボンバルディアがボーイングから、旅客機のダンピング販売で訴えられ、米国とカナダの関係は悪化し、カナダはF-35の代打だったボーイング製新造FA-18にも「怒りの決別状」を突きつけ、中古の豪州FA-18購入を検討中との噂が出ていたところでした

カナダが正式に中古の豪州FA-18購入を決定したのか不明ですが、米国抜きTPP合意を直前になって「ちゃぶ台返し」したトルドー首相ですから、米国相手に何かやりそうです・・

8日付Military.com記事によれば
Trudeau.jpg●8日にボーイングは、「ボーイング社はカナダ政府の決定を尊重し、カナダが北米の安全保障のためNORADと協力し、北米沿岸全域を担当するため引き続きツインエンジン戦闘機を継続使用することを賞賛したい」との声明を発表した
●更に声明は「わが社は新造機を提供する機会や、新造機製造によってカナダに雇用を新たに提供する機会を得られないが、引き続きカナダと建設的な関係構築を探っていく」と述べている

4日の週にロイター通信が、カナダが豪州から中古のFA-18を購入する方向に傾いていると報じており、そんなタイミングで出たボーイングの声明だった
CF-18.jpg●また米国政府は9月に、カナダへ新たに製造する18機のFA-18売却を許可する決定を行ったと発表していたところだった

●ボーイングは「航空宇宙分野へのわが社のコミットメントには変わりなく、ルールに基づく自由で公正な競争環境を構築する全ての努力を引き続き支援していく」と意味深なコメントで声明を締めくくっている
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カナダの航空機製造業ボンバルディアがボーイングから訴えられた件は、米商務省がボンバルディア機に米国への輸入課徴金をつける決定をしました。

Bom C.jpgしかしボンバルディアの関連部門が欧州エアバス社(?)に吸収合併されることになり、米国の工場で製造を担う形にしたことで、米国は輸入課徴金をかけられなくなった聞いています

ボーイングと米国は、ボンバルディアを訴えた時点でカナダや英国等から非難を浴びていましたが、カナダと欧州の連携にしてやられた形となり、大恥をかきました。このまま事態が収集するかは不明ですが・・・

中古の豪州FA-18購入で上手く行くか、最終的なF-35購入をどうするのか・・・カナダの動向に今後も注目したいと思います

そしてトランプ政権の露骨な米国製品売り込みに、他国が連携して対抗する前例となるのか、注目したいと思います

米国とカナダの航空戦争
「米加の航空機貿易戦争に英が参戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-16-1
「第2弾:米カナダ防衛貿易戦争」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-04
「5月18日が開戦日!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20
「痛快:カナダがF-35購入5年延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-23

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太平洋軍司令官が危機感とACEを語る [米空軍]

O'SHAUGHNESSY2.jpg1日、RANDやCSIS等が共同開催した「West Coast Aerospace Forum」で、O’Shaughnessy太平洋空軍司令官が講演し西太平洋地域の戦略環境が米国にとって急激に厳しいものとなっており、新技術や新コンセプトの導入が急務であるが、当面は現有戦力や既計画分でしのぐしかないと語りました

そして、一箇所に戦闘機を集中配備する現在から、第5世代戦闘機を分散して運用する新コンセプトACE(Agile Combat Employment)に基づく演習をアジア太平洋エリアで行っていると語りました

新コンセプトACEについては、10月末に国防省高官が記者団に、、「在日本の米軍最新戦闘機は、(有事に)地域の島々の10-15の未整備な緊急展開基地に分散させる」、「このコンセプトでは、分散した不便な展開場所でも最新戦闘機が作戦可能なように、迅速に兵たん支援も分散支援体制を整える必要がある」、「米空軍は最近のArctic Ace演習などで、燃料の緊急配分訓練をすでに開始している」とブリーフィングしたと過去記事でご紹介したところです

本日は太平洋軍司令官の発言と、ACE検討の一端をご紹介します

8日付米空軍協会web記事によれば
O'SHAUGHNESSY3.jpg●講演でO’Shaughnessy大将(次の太平洋軍司令官の有力候補)は、「太平洋空軍の作戦環境は信じられないペースで困難さを増している」と語り、米側が想定していたよりも遥かに速いペースで周辺国の軍事力強化が進んでいると述べた
●しかし、「予算の強制削減と過去約20年間の継続した戦いにより、わが米空軍に再投資して立て直すには時間が掛かるので、現有戦力で戦う方法を考えるしかない」と現状を語った

●そして同司令官は、太平洋軍エリアで訓練が開始され、戦力を分散して柔軟性と強靭性を確保するACEコンセプトに言及し、従来の巨大基地が敵攻撃に対して脆弱だと背景を語った
●また同大将は、米国の軍事的優位は決して確約されたものではなく、日々の取り組みにより勝ち取っていかなければならないと訴えた

ACEについて:米空軍協会機関誌5月号より
F-22Hawaii3.jpg●2013年から、F-22を飛行隊単位ではなく数機のF-22を機敏に展開させる方式(Rapid Raptor)を、燃料配分や兵站支援要領に焦点を当てて試してきたが、ACEはこれを発展させたコンセプトである
2月に12機のF-22を豪州のRAAF Base Tindal基地に展開させ、そこから更に2機をより小規模で設備不十分な基地であるRAAF Base Townsvilleへ展開させた

●2機のF-22はC-17とKC-135を伴って展開し、到着後、C-17を指揮統制通信基盤として活用してハワイの作戦センターと連絡を取り、C-17の翼燃料タンクから給油を受けた。燃料は陸海軍の簡易ゴム製タンクからも供給を受けることが出来る
C-17-2.jpgC-17に搭載された弾薬は、同じくC-17で移動してきた整備員によってF-22に搭載され、C-17の通信機を利用して作戦命令を受けたF-22操縦者は具体的な飛行計画を立てることが出来、約3時間で再発進してBase Tindal基地に帰還できた

●また同大将は、太平洋地域に分散配備した事前集積物資や、海兵隊F-35Bの基地の支援も期待できると語った
●ただF-35についてはまだ部隊導入が優先で、ACEコンセプトでの訓練は不十分だと太平洋空軍計画部長は認めている
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米空軍が明確に在日米軍基地の脆弱性を認識し、具体的な対策に動いている中、航空自衛隊はどうするつもりでしょうか?
せまい日本列島の中で、敵の射程距離内にある日本内部で、戦力分散を図ると言うのでしょうか?

US Forces Japan2.jpg普通の空軍を目指す・・・などと叫んでいる人がいるらしいですが、世界の脅威の最前線に存在する日本の空軍が、人並みを目指していて良いのでしょうか?

脆弱な多くのインフラに依存する戦闘機への依存や偏った資源配分を、今こそ見直すべきだと思います

在日米軍の変化を語る
「有事に在日米軍戦闘機は分散後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02
「岩田元陸幕長の発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-09

沖縄戦闘機部隊の避難訓練
「再度:嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-25
「嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-23-1
「中国脅威:有事は嘉手納から撤退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13

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A-10を映像と5つの視点で学ぶ [米空軍]

A-10 4.jpgお馴染み「映像と5つの視点で学ぶシリーズ」で、米空軍で唯一対地攻撃に特化した作戦機であるA-10攻撃機を取り上げます

何回かご紹介したように、米空軍は1976年から運用を開始しているA-10を早期に退役させ、その任務をF-35に引き継がせる計画を立てていましたが、中東での対テロ作戦で大活躍しているA-10を破棄するとは何事かと米空軍OBや議会から大反対が起き、2020年以降まで活躍しそうな勢いです

米空軍はF-35整備員確保のためにA-10を早期破棄したいとの本音があり、戦闘機命派による画策で対地支援任務で劣るF-35に無理やり引き継がせようとしたことが関係者の逆鱗に触れた「情けない」結果を招いています

1.大型機関砲のため前輪が基軸からずれている
A-10 5.jpg●A-10攻撃機の主要兵器である、30mm徹甲弾を使用するGAU-8 アヴェンジャーガトリング砲は、機体内臓部分がカブト虫に愛称で知られるヴィークル車と同程度の大きさがあり、重量2.5トンと航空機搭載のガンでは最大の重さを持っており、そのままでは機軸中心の機体内部に格納できなかった
●そこで設計製造のフェアチャイルド・リパブリック社は、前輪を機軸の中心から右にずらせて取り付けることで機関砲スペースを確保することにした。なので、地上で移動する際は、右急旋回が可能である

2.ガトリング砲の排気ガスは機体全体に影響を
毎分3900発(毎秒65発)を発射するガトリング砲(搭載は約1200発)から発生する排気ガス量は猛烈で、翼周辺の気流を乱して失速を招いたり、エンジンが吸い込むことでエンジン停止に追い込まれる恐れまで懸念された
●そこで設計陣は強力なファンで機関砲排気ガスを下方に廃棄する設計を考えだし、この問題を解決した

A-10を5つの視点と映像で学ぶ(約6分半)


3.雷雲等の気象観測にも活躍中
●気象観測機関は、それまでプロペラ機を使用して局所的な雷雲やハリケーンの追跡観測に使用してきたが、上昇高度等の能力に限界があり後継機種を探していた
●そしてその後継に、エンジンの整備容易性や機体の安定性などを買われ、最も活動能力が高い航空機としてNSF(国家科学者協会)がA-10を選定し、現在でも使用されている

A-10 turn.jpg4.空中戦でのキル実績も
●ジェット戦闘機よりも速度で劣ることから、空中戦任務は期待されていないと考えられているが、1991年の湾岸戦争で、ガンによる唯一の空中戦撃墜を記録したのがA-10である
●同戦争の期間に、2機のヘリコプターをガトリング砲で撃墜したのだ

5.半世紀の現役期間が予期
1976年に運用を開始したA-10は、1980年代後半頃、F-16に任務を引き継ぐべきではないかと早期引退が検討されたが、湾岸戦争での大活躍が評価され計画は消えた
●最近また、F-35に任務を譲って早期引退を米空軍が計画したが、対地支援任務で劣るF-35には代替は不可能だと大反対にあい、現時点では早くても2022年以降に引退の方向で、半世紀にわたって活躍しそうな勢いである
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何度も戦闘機命派に早期退役させられそうになりながら、現場がそれを許さなかった、つまり戦闘機操縦者が如何に時代や脅威環境や戦いの予想において「過ちを繰り返してきたか」を学ぶ、貴重な機体でもあるわけです。

気象観測に活躍しているとは驚きですが、頑張ってほしいものです

映像で5つの視点から学ぶ
「米空軍パイロット」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-05-1
「カモフラージュ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-16
「米海軍空母」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-25
「核兵器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-05

「米海軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
「米海軍潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-26
「火炎放射器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-2
「負傷者救出ヘリ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-07

「B-2爆撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-01
「AK-47ライフル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-28
「原子力潜水艦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-1

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