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韓国大統領の母親は米軍のお陰で脱出できた [ふと考えること]

「あの米軍兵士への感謝と尊敬の念を韓国は永遠に忘れない」
文在寅よ・・・この言葉を忘れるな!

Moon Jae-in2.jpg6月28日、訪米中の文在寅・韓国大統領が米海兵隊博物館の「Chosin Reservoir作戦記念碑」前で、海兵隊司令官や同作戦参加退役軍人らが見守る中でスピーチし、朝鮮戦争中に同大統領の母親を含む約14000名の韓国人を救出した「奇跡の船:SS Meredith Victory」の乗員や、Chosin作戦を戦った米海兵隊員に感謝の意を伝え、冒頭の言葉を述べながら「米韓同盟の将来に何の疑問もない」と語りました。

THAADの受け入れにさえ時間稼ぎをしている韓国大統領と、同一人物とは思えない「演出イベント」での発言ですが、北朝鮮のICBM発射試験もあり米国等の出方が注目される中、朝鮮半島で一朝有事の際には同じような「悪夢」が再現しかねないご時世ですので、一つのエピソードとしてご紹介しておきます

しかし、同大統領のお母様のような事態に巻き込まれる韓国民が出るかも知れない現下の情勢で、良くもまぁ「冬季五輪南北合同チーム」とか打ち出せるよなぁ・・・と思います。

朝鮮戦争の概要
Korean war.jpg1950年6月25日早朝、北朝鮮軍の突然の38度線からの南進によって始まった朝鮮戦争は、北朝鮮軍の戦力優位と奇襲攻撃と、韓国軍の準備不足が重なり、7月に入り在日米軍や米軍爆撃機が参戦したものの、韓国軍や米軍は朝鮮半島南部に押し込まれ、全軍が日本海に追い落とされる寸前となった
起死回生を狙って韓国軍と米軍を中心とする国連軍は9月15日、北朝鮮の伸びきった補給路を断つべく、半島中部西海岸の仁川に海兵隊を先頭とする7万人による上陸作戦を敢行し成功する。9月28日はソウルを奪還、10月1日には韓国軍が38度線を突破して北上を開始

●混乱する北朝鮮軍は敗走を続け、勢いに持った韓国&国連軍は北上を続け、中国国境の鴨緑江にまで達する。
しかし10月20日、今度は情勢に危機感を持った中国が志願兵の名目で軍20万人を投入し、人海戦術で韓国&国連軍に攻勢をかけ、その圧力で再び韓国&国連軍は敗走を重ねる。

12月5日には中国&北朝鮮軍が平壌を奪還、1951年1月4日にはソウルも奪い返された。しかし旧式装備で人海戦術頼みの中国軍の勢いも長くは続かず、重火器や戦車を補充した国連軍が巻き返し、3月14日にはソウルを再び韓国&国連軍が奪い返し
●その後は38度線を境ににらみ合いが続き、1953年7月27日に板門店で、北朝鮮、中国、国連の3軍の間で休戦協定が結ばれ、現在に至るまで「休戦状態」が続いている

同作戦と「奇跡の船」による脱出の概要
Korean war3.jpg中国軍が参戦し、韓国&国連軍が大ピンチに陥っていた当時、現在の北朝鮮西部に進出していた米海兵隊の第一海兵師団と米陸軍第7師団の一部が、約12万人の中国軍の包囲網を突破し、約150kmもの険しい地形の悪路を氷点下の気温の中で撤退して北朝鮮東岸の港町「興南:Hungnam」に何とか到達させたのが、1950年の11月27日~12月10日までの「Chosin Reservoir作戦」である
●その後、同港町を攻撃する中国軍10万と対峙しつつ、10万人の国連軍と10万人の避難民を、193隻の海軍艦艇や商船で韓国に避難させた中の一隻が、文在寅・韓国大統領の母親も乗った「奇跡の船:SS Meredith Victory」である。

Victory号の船長は、当時の米海兵隊や陸軍士官から韓国避難民を乗せてくれるように頼まれ、積み荷の兵器や荷物の一部を投棄してスペースを確保し、同避難作戦の中で最大の1隻14000人の避難民を乗船させ、3日間かけて釜山沖の島まで輸送した
●当時の避難民は、国連軍に協力した事で中国&北朝鮮軍から大量撲殺されることから逃げ延びた人々であった。移動は機雷が多数設置された海域を行く危険な航海だったが、航海中に避難民には一人の犠牲者も出ず、逆に5名赤ちゃんが誕生している。

文在寅・韓国大統領は同作戦記念碑の前で
Moon Jae-in.jpg●今90歳になった母の話によれば、脱出航海の途中でクリスマスイブを迎えたが、米軍兵士が避難民全員にクリスマスプレゼントとしてキャンディーを1個づつ配ってくれたそうだ。
それはたった1個のキャンディーだったかも知れない。しかし米軍兵士達は、あの厳しく激しい戦いの中で、精一杯の心遣いをしてくれたのだ。私はこれら米軍兵士の皆さんに今後も常に感謝をし続けるだろう

素晴らしい退役米軍人の皆様、韓国はこのことを忘れません。感謝と尊敬の念を韓国は永遠に忘れません。だからこそ、私は米韓同盟の将来に何の疑問も持っていません
●(この脱出航海の2年後に文在寅・韓国大統領が誕生している事を受け、)「Chosin Reservoir作戦」を戦った米軍兵士の皆さんの奮闘がなければ、私は生まれることも、ここで話をする事も出来なかったでしょう。皆さんが払った犠牲や献身的な行為を学ぶとき、私は感謝の気持ちをどのように表現して良いのかわかりません

Moon Jae-in5.jpg●母を救ってくれたVictory号に、当時22歳で勤務していたRobert Lunneyさんに今日お礼を言う事が出来ました。その際Lunneyさんは「私が死ぬまでに朝鮮半島の統一を目にしたい」と話されました。
●そうです。南北統一は私の夢でもあると、私はLunneyさんにお話しさせて頂きました
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このイベントの韓国内での報道振りと韓国民の反応が気になります

一方で、文在寅・韓国大統領のお母上は、息子の南北融和路線をどのように見ておられるのでしょうか?
Korean war4.jpg韓国軍や国連軍に協力したとの理由で、多数の一般住民を撲殺し略奪の限りを尽くした中国軍や北朝鮮軍の記憶をお持ちであろう「お母上」なら文在寅・韓国大統領に意見して下さるのではないでしょうか?

そして日本が韓国を統治していた当時の真の状況をご存じの「お母上」であれば、日本と仲良くせよ、ねつ造した韓国礼賛の歴史認識で道を誤るな・・・とアドバイス頂けるのではないでしょうか?

韓国関連の記事
「韓国の混乱を大東亜戦争後の哀史に学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-25
「ルトワックの日韓関係分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-17
「韓国はF-35と共に地中貫通弾530発購入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-27-1
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中国の巨大ミサイル駆逐艦「Type 055」進水 [中国要人・軍事]

Type 055 4.jpg6月28日、上海の江南造船所で中国海軍の新しい大型ミサイル駆逐艦「Type 055:Renhai-class」の1番艦が進水しました。

進水式典実施を発表する中国国防省声明は、具体的な艦名等で呼称しておらず正式名称は不明ですが、西側情報機関では「Type 055:Renhai-class」との名称で呼んでいます。

また、いちおう「駆逐艦:destroyer」とご紹介しましたが、2017年版米国防省「中国の軍事力」レポートでは巡洋艦(cruiser)に分類されており、米国としても大型艦と見なしているようです

Type 055.jpg細部について公式発表がありませんが、衛星写真等による分析では、中国海軍現有の「Type 054D」より大型で、また「054D」より大きい米海軍イージス艦(アーレイ・バーク級)より更に大型で、イージス艦と似たような装備を備えているようです。

今後は2019年の作戦運用開始に向け、各種試験が今後行われると見積もられていますが、6月28日Defense-News記事などでその概要をお勉強しておきましょう。

6月28日Defense-News記事などによれば
●6月28日の進水式典に併せて中国国防省は、同艦が排水量1万トンの艦艇であると紹介しているが、細部は明らかにしていない。しかし衛星写真等による分析ではこ
の数字は控えめなモノで、以下の様な大型艦艇だと見積もられている
---Type 055は、排水量12~13000トン、全長175~180m 幅20m
---Type 054Dは排水量7500トン、全長155m
---米イージス艦(アーレイバーク級)は排水量8700トン、全長155m

防空ミサイルやBMDミサイルの垂直発射装置VLS
--- Type 055は、112~128発セル
---米イージス艦(アーレイバーク級)は96発セル

その他の兵装
H/PJ-38 130mm単装速射砲、H/PJ-11 CIWS
HHQ-10 近SAM、VLS 112セル
●2019年と予想されている運用開始後「Type 055:Renhai級」は、比較的小型の052D駆逐艦や054Aフリゲート艦と共に、空母戦闘群を構成するモノと考えられている

●「Type 055:Renhai級」の建造ペースは従来の新型艦艇と比べて極めて早い052D駆逐艦の場合は、052, 052Bと052Cと改良を重ねた後に完成版の「052D」量産に至っているが、
●052D駆逐艦は2014年に試作艦が初めて確認されたばかりにも関わらず、大連市の大連造船所既に現在5番艦の建造開始が始まっている。このことから、海軍艦艇建造インフラの充実度が伺える
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Type 055 2.jpg中国海軍の艦艇の建造ペースが急速に速まっている事は確かでしょうし、米海軍が危機感を覚えて「355隻体制」を訴えていることは理解できます

しかし同時に忘れてはならないのは、空母や艦載機や艦艇搭載ミサイル等の戦力差を考えれば、中国軍が「艦艇VS艦艇」や「空母VS空母」の決戦を想定して軍事増強していると考えるのは適切とは言いがたく、やはり米軍や西側の弱点を突く、弾道・巡航ミサイル、サイバーや宇宙や電子戦を正面に据えた「Short duration, high intensity conflict」で勝利する事を狙っている(2017年版米国防省「中国の軍事力」レポートの表現)点です。

ちなみに、今では「駆逐艦:destroyer」とは巡洋艦(cruiser)の違いは、巡洋艦の方が少し大型で遠洋航海向きだ・・・程度の極めて微妙な感覚的な分類で、明確な定義はないようです

米海軍トップが355隻体制を打ち上げる 
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-18

中国海軍関連の話題
「RIMPACで日本に嫌がらせ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-27
「南シナ海で大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-30
「インド洋に第4の艦隊?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-10

RAND研究所が200ページを超える本格的報告書を
「前:RAND中国軍弱点レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15
「後:RAND中国軍弱点レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-15-1

Type 055 3.jpgウィキペディア「Type 055」
https://ja.wikipedia.org/wiki/055%E5%9E%8B%E9%A7%86%E9%80%90%E8%89%A6

「Type 052D」について
http://www.military-today.com/navy/type_052d_class.htm

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無人機の管理体制を根本的に再考せよ! [米空軍]

Deptula UAV.jpg6月27日、米空軍協会ミッチェル研究所のDavid Deptula研究本部長が、28日公表予定の「Consolidating the Revolution: Optimizing the Potential of Remotely Piloted Aircraft」とのレポート説明会を行い、急速に導入が進んでいる無人機の技術開発・調達・管理体制を抜本的に見直すべきと主張しています

2004年に僅か5個哨戒点だった無人機が、2017年には90個に急増するが、今後もその傾向は加速して更に無人機への依存度が高まると予想されるが、911事案以降の急速な普及は「国防省や各軍種内でバラバラに:disorganized」行われているとの危機感を訴えるものです

RQ-4 block 30.jpgそして同レポートは、無人機管理体制の制度的変革(institutional changes)と技術開発面での新たな取り組みを焦点として提言し、制度的変革を最も困難なものと分析しているようです
米空軍協会web記事が、同レポートの主要提言をまとめていますので、その概要をご紹介します

国防省は調達を円滑化するため
●無人機操作員と機体に共通の基準を設けよ
●個々の無人機部品を一般市場から容易に調達&搭載できる方式にせよ
●映像分析やデータ管理に伝統的軍需企業でない企業も呼び込め
他国が容易に無人機を購入できるようにせよ

国防省は無人機の技術的課題に対処するため
MQ-9-2.jpgオープンアーキテクチャー調達の仕組みを整えよ
作戦情報クラウドに無人機通信も取り込め
●無人機離着陸からISR分析まで多様分野で自動化を進めよ
●無人機搭載兵器をモジュール化せよ

無人機管理の組織制度を変革せよ
中高高度ステルス無人機を調整する国防省組織を設けよ
●同タイプ無人機を統合JFACCの下で作戦運用せよ
米本土に所在する無人機を訓練や支援任務に活用せよ
●無人機関連の用語や関連特権的組織やポストを再整理せよ
例えば、無人機の分類は得られる情報や効果でなされるべきで、同時に何機を操作できるかでなされるべきではない)
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全ての装備品に叫ばれている「オープンアーキテクチャー」や「モジュール化」や「伝統的軍需企業でない企業も呼び込め」が提言に含まれていますが、「共通基準を設けよ」や「データ分析洗練」は無人機が急激に導入されてきたことによる課題です

Deptula AFA.jpg「中高高度ステルス無人機を調整する国防省組織」は専門的な領域で、「統合JFACCの下で作戦運用せよ」も理解できなくはないですが、本当に言いたかったのは「用語や関連特権的組織(nomenclature)を再整理せよ」で、一番力が入っているように感じました

50ページを超えるどっしりしたレポートですので、無人機を取り巻く多様な課題を理解するにはよい資料でしょう。ご関心のある方はどうぞ!

ミッチェル研究所のwebサイト
http://www.mitchellaerospacepower.org/  

当該レポート(2.3MB) http://docs.wixstatic.com/ugd/a2dd91_ae7c550479d74d178d24c49ed7759677.pdf

いろいろな無人機の話題
「検査院が操縦者養成を批判」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-14
「空軍の無人機操縦者処遇を非難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-16

「米軍士官学校が無人機群れ対決」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-26
「国防省:空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1
「無人艇の群れで港湾防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19
「無人機の群れ:艦艇攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10

「海兵隊が援護・攻撃・偵察・電子戦機を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-24
「Ternの開発契約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-30
「初の空母艦載無人機は?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-15
「MQ-25のステルス性は後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27 

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2度目の航行の自由作戦と台湾武器輸出への反発など [中国要人・軍事]

米国の独立記念日週間で報道も低調ですが・・・
米中間に波風増幅傾向か

SouthChina-sea2.jpg6月28日に米国務省が台湾への約1700億円の武器輸出を容認すると発表し、翌日には米国政府が北朝鮮に弾道ミサイル関連部品を輸出した中国企業等に制裁を表明して波風が予期される米中関係について、トランプ政権2度目の「航行の自由作戦」など、追加の動きを時系列でご紹介します

オバマ政権の時にはこの様な動きがあったものの、トランプ政権誕生後は「様子見」状態だったモノが、再び動き始めた印象です。
しかし中国による南シナ海の人工島埋め立て建設や軍事装備配置は着々と進められており、米国だけが足踏みしている状況でしたので、事態は更に悪化しています。

日本では東京都議選というローカルな話題で盛り上がっていますが、中国は北朝鮮問題で世界が盛り上がっている間に、着々と既成事実を積み上げています

時系列で最近の米国と中国のやりとり事象を

5月25日
昨年10月から中断していた「航行の自由作戦」をミサイル巡洋艦「USS Dewey」で再開し、「Mischief Reef」沖を航行

6月28日
中国海軍が最新の大型駆逐艦「Type 055」を披露(進水)。西側関係者の分析によれば、その規模や能力が米海軍のアーレイバーク級ミサイル駆逐艦(イージス艦)そっくり

6月28日~29日
Harris3.jpg米国務省が台湾への約1600億円の武器輸出を容認すると発表、
28日ハリス太平洋軍司令官は、豪州との史上最大の演習中にブリスベーンで、「偽物の島を真実の人間は信じない:Fake islands should not be believed by real people」、「中国は軍事力及び経済力を用い、ルールに沿った国際秩序を浸食している」と訴えた

6月30日
●米国政府が北朝鮮に弾道ミサイル関連部品を輸出した中国企業等に制裁を表明
●この台湾への武器輸出承認に対し中国外務省報道官は、米国の「一つの中国政策」を堅持するとの言葉に反し、中国の核心的利益に反するモノであり、「誰も中国の主権と領土を保持する決意に水を差すことは出来ず、中国は如何なる国内問題に対する海外からの干渉にも反対する」と米国を批判した

●CSISの海洋監視チームは、「Mischief」「Fiery Cross」「Subi Reefs in the Spratly」に、レーダー施設を含む新たな軍事施設の設置を衛星写真で確認
(米国関係者は、中国が南シナ海の人工島などに高性能地対空ミサイルSAMを配備する事を懸念している。昨年12月に中国が海南島に射程距離が250マイルのSA-21ミサイルを訓練で持ち込んだことが確認されており、現時点では中国本土に戻っているが、人工島に配備されル可能性が懸念されている)

6月30日~7月1日
習近平.jpg香港返還20周年記念で習近平が香港を訪問。3000名の兵士を前に閲兵式を30日実施。力を誇示
●1日の20周年記念式典では、一国二制度の成功を自己自賛し、民主化を認めぬ中国政府に失望した若者の間で台頭する香港独立の動きにも言及しつつ、香港政府が「有効な打撃を与えた」として対応をたたえた
空母遼寧を香港に派遣すると発表。7日に香港に寄港し、8~9日には香港市民に遼寧の内部などが公開される予定

7月2日
USS Dewey.jpg●Fox News報道によれば、2日にトランプ政権2回目の航行の自由作戦として、駆逐艦USS Stethemが、「Paracel Islands」の「Triton Island」の12マイル以内を航行した。同等周辺での作戦は昨年10月以来
ただし、米側関係者は同作戦の遂行を発表しておらず、太平洋軍報道官は「我々は定期的に航行の自由作戦を行っており、今後も継続して実施する」とのみコメントしている
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これだけの事象で取り立てコメントすることもないのですが、中国とは「ディール」も出来ない雰囲気を感じ始めた米国内に静かに変化が起こりつつある様も気がします

まぁ・・・テレビを付ければグダグダの報道ばかりで、加えてこの猛暑ですから、トニックシャンプー(表現が古い!)のような役割をこの記事が少しは果たせれば・・・と思います。

最近の中国と米国の動き
「米国が台湾武器輸出&中国企業制裁示唆」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-30
「アジア安全保障会議直前の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01-3

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無人機の群れ第7世代機を今年夏に [米国防省高官]

Roper44.jpg7月号の米空軍協会機関誌が「Perdix Could be DOD’s Pathfinder:Perdixは米国防省の先駆者になる」との記事を掲載し、国防省SCO(緊急戦略能力開発室)が取り組む「小型無人機の群れ」試験・開発の状況を、SCO室長William Roper氏へのインタビューで紹介しています

2016年10月、1機の重量が300g以下の小型無人機「Perdix」を「103機」FA-18から投下し、群れとして運用する試験を行い、今年1月に初期成果の発表があったところですが、昨年10月の試験を行った第6世代無人機を改良した、第7世代機が今年夏には完了する事が明らかにされています

また2013年に研究が始まり、2015年に最初の試験を行った経緯など、なかなか興味深い「これまでの道のり」にも話が及んでいます。

市販部品を使用して創られた重量283g、全長16.5cm、翼長25.4cm、プロペラ長6.6cmの小型無人機「Perdix」と、「オープンアーキテクチャー」を存分に活用して国防省SCO(緊急戦略能力開発室)プロジェクトの「先駆者」にすべく奮闘するWilliam Roper室長の物語としても興味深い所です

7月号の米空軍協会機関誌によれば
Perdix2.jpg●Roper室長はインタビューに答え、第7世代目となる「Perdix」がこの夏にも完成すると述べ、約7ヶ月毎に新たな世代に進化している様子を、「政府のやるプロジェクトにしては上出来だろう」「スマホのように、継続してソフトとハードの両方を改良革新していくスタイルだ」と表現した
●また同室長は、幾つか最終的に固めていない仕様があり、全てをがちがちに固めないで使用者のニーズを反映できるように構えていると開発要領の違いを述べ、開発初期段階でパートナーに事業への関与のサインを求めず、何が出来るかが固まってきた段階でサインを求める形にしているとも説明した

●そしてラッキーナンバーである「7」代目の「Perdix」が米軍全体で受け入れられれば、開発手法と製造と部隊配備の面で、国防省SCO(緊急戦略能力開発室)の他のプロジェクトの「先駆者」となろうだろうと室長は語った
●昨年10月の試験であられたデータは膨大で分析評価が続いているが、「群れ」を自立的に制御するソフトは期待した役割を果たしたと評価している。群れから離れた無人機と他機が意思疎通し、再び群れに融合させる仕組みが確認できた等、人間が指示しなくともチームとして機能する喜ばしい結果が出ていると室長は述べた

Perdix.jpg●今は様々な教訓を踏まえ、何を「Perdix」に搭載するかも考え始めている。考えるのが楽しい仕事だ。監視任務は当然出てくる話だろうし、無人機MQ-1やMQ-9が出来ない場所の偵察監視を「Perdix」が担うことは可能だとRoper氏は語った
●しかし偵察監視だけじゃ無い。ただ新しい技術は奇襲的に用いるのが軍事的成功の鍵でもあるので、具体的な活用任務エリアについて同室長はこれ以上語らなかった

●国防省SCO室は、次々と今後現れるであろう新技術を「Perdix」にどんどん投入し、「オープンアーキテクチャー」を最大活用して改良し続けたいと考えている。
●そこで、従来のように一度に10万個購入して保管し、10年間少しづつ取り出して使うのではなく、改良を続けながら少量づつ購入する方向に向かいたいと同室長は例を出し、この方面でも語った「Perdix」を先駆者にしたいと語っていた

2016年10月試験映像


開発開始当初の様子
●2013年に開発が始まり、2015年に加州のエドワーズ空軍基地で試験した際は成功とは言えなかった。民生部品を多用した「Perdix」が、高速で低温の上空を飛行する航空機から投下することに耐えられるか確認するため、極地に同機を持ち込んでマイナス35度に耐えられるかを確認したりした。
●また民生部品は個々の部品重量が微妙に異なることから機体重量にバラツキが生じ、ソフトで柔軟対応が出来るように対応する必要があった。しかし基本的に乱暴な扱いにも耐久性がある事が明らかになり、興味を示した海兵隊で最初の試験を行った

Drone-mal.jpg反応しなくなった無人機には「kill signal」を出して使用しない。2016年10月の試験では、60秒間反応が無ければ破棄信号を出した。初期段階の試験では、寒さや通信途絶等から故障する無人機も多かったが、昨年10月の試験では9割以上の「Perdix」が運用可能だった。
●この背景には、民間企業の大量参入で小型無人機技術が急速に進歩していることがある。各種装置の小型化、信号処理装置の耐久性向上、バッテリーの能力向上等々、厳しい環境でも安定して動作する部品研究に、民間分野で多額の投資が行われているからである

●その耐久性が証明されるにつれ、海兵隊だけで無く、米海軍も空軍も特殊部隊も、皆が関心をこの技術に示していると同室長は語っている
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「無人機の群れ」プロジェクトは、今年1月の初期成果発表を受け当時のカーター国防長官が、「第3の相殺戦略」の一環であることを強調しつつ、「敵に一歩先んじる最先端の技術革新だ」と高く評価するコメントを出しているように、無人機活用の大きな力点・焦点ですので注目したいと思います

Roper4.jpgついでに言えば、次世代を担う若者に無人機の性能や特性を学ばせ、新たなアイディアを募るため、国防省DARPAがスポンサーとなり、米軍の陸海空軍士官学校の「無人機の群れ」対抗戦を今年4月に行ったぐらいの力の入れようです。

更に言えば、Roper室長はこの春、米空軍協会で講演し、「米軍の中で、米空軍が無人機の群れに一番消極的だ」と非難しており、職域やポスト防衛を図る操縦者の姿が浮き彫りになっています。そう、これは改革・変革へのリトマス試験紙の性格を持つプロジェクトでもあります。

無人機の群れ関連の記事
「3軍の士官学校が群れ対決」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-26
「国防省幹部:空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1

「無人艇の群れで港湾防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19
「無人機の群れ:艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10
「米空軍が小型無人機20年計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-18

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液体アンテナ:多様な周波数を一つのアンテナで [米空軍]

liquid antenna4.jpg6月13日付Defense-Techが、米空軍研究所が取り組む航空機搭載用の「液体金属アンテナ:liquid antenna」研究を紹介しています。

皆さんご存知のように、航空機には使用する様々な周波数の電磁波を発信&受信できるように、多数の様々なアンテナが取り付けられています。平均8~9個搭載されているそうです。
小さな突起物のようなアンテナだったり、機体に沿って埋め込まれていたり、機体表面にアンテナパネルを埋め込んだり・・・様々な形態で、様々な周波数に対応するアンテナが必要です

liquid antenna.jpgしかしこのように多様なアンテナは、全てが常に使用されるわけではなく、ある任務に必要ないアンテナも「余分な重量物」として常に航空機と共に移動します。

このような問題認識を持ち、液体金属をアンテナに活用することで、一つのアンテナで複数の周波数に対応できるアンテナを作ろうとする研究が始まっており、7~10年後の実用化を目指し研究が続いています

液体金属アンテナ:liquid antenna研究
liquid antenna3.jpg●国防省で行われた国防省研究機関展示会でMilitary.comは、液体アンテナを研究するChris Tabor氏にインタビューを行った。
●同氏によれば、液体金属を利用した多様な周波数に適応可能なアンテナには2つのタイプがある。チューブや管に液体金属を注入し、その量で対応周波数を変える方式と、曲げたり伸ばしたりできる柔軟な素材に液体金属を入れ込み、素材を曲げ伸ばしすることで多様な周波数に対応する方式である

チューブや管に液体金属を注入する方式では、液体金属がチューブ等の中で占める長さにより、アンテナの長さを変える効果を生み出す
●「NextFlex」に代表される曲げ伸ばしできる素材の研究は、2015年に国防省が企業や研究機関162団体と結成した「Manufacturing Innovation Institute for Flexible Hybrid Electronics」や、「FlexTech Alliance」が取り組む技術を利用する

液体金属と言えば常温で液体状態を保つ「水銀」が頭に浮かぶが、担当の少尉は水銀を使用しないと語り、電子機器よく使用される摂氏30度で液化する「ガリウム:gallium」の活用に言及した
liquid antenna2.jpg●そして同少尉は「イリジウムとの合金にすることで、液化温度をマイナス30度程度に下げることができ、多様な環境で使用できる」と語っていた

●Tabor氏は、「70メガHz~7ギガHzの範囲の広帯域周波数に対応する範囲を試験で取り組んでいる」と説明している
●現在はまだ実験室内での試験レベルだが、次のステップとして無人偵察攻撃機MQ-9などの航空機に液体アンテナを搭載して確認を狙っている。Tabor氏らは、7~10年後には実用化できるだろうと語ってくれた
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その他に同記事は、MQ-9無人攻撃機にデータリンクLink-16のニーズが高まっており、搭載容量に余裕のない同無人機のアンテナをどうするかが課題だが、自動制御装置のカバーに「printed antenna」を組み込む検討も紹介しています

MQ-9 5.jpgまだプロトタイプ作成段階らしいですが、2か月ほどでMQ-9用の「printed antenna」が組み込まれたカバーが出来上がるようです

軍用だけでなく、民生分野での活用範囲も広いでしょうから今後が楽しみな技術です。期待いたしましょう!

最近の興味深い技術
「F-35Cの着陸精度が素晴らしい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-22
「FA-18の着艦精度も改善」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-09
「SpaceXがロケット回収に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-02

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米国が台湾へ武器輸出&中国企業等へ制裁 [中国要人・軍事]

まだまだ中国の出方を見ながら極めて慎重ですが・・・

US taiwan2.jpg6月29日、米国務省が台湾への約1500億円規模の大型武器輸出を承認したと明らかにしました。「一つの中国」政策を変更するモノではないとの解説付きの発表で、慎重な姿勢は一応踏襲しています

もちろん、この判断は米議会の承認を得ないと正式な台湾との交渉には入れませし、交渉により価格に変化もあり得ます。

US taiwan.jpgまた、下記でご紹介する兵器の中身には、長射程や最新の兵器が含まれておらず、台湾の希望リストより限定的なモノでしょうし、中国を刺激する程度も「実質」低いと思われますが、台湾海峡に波風立てるには十分な規模と中身でしょう

更に、同28日に米国政府関係者が、北朝鮮に違法輸出を行う中国企業や個人への経済制裁措置を発動する方針を固めたとの報道が流れており、米国の対中国姿勢の「変化の兆し」かも知れませんのでご紹介します

国務省が承認した兵器のリストと価格など
●匿名で武器輸出承認の件を説明した米政府高官は、「長年基本としてきた一つの中国政策に変化はない」ときっちり説明しつつ、「台湾の防御能力強化は、台湾海峡を挟んだ対話に臨むに当たっての自身を与えるモノだ」とも語った
JSOW AGM-154C.jpg●更に、「この考え方に基づき、米国から台湾への武器売却は、台湾海峡だけでなく、アジア太平洋地域全体の平和と安定に寄与する事を目的としている。米国は今後更に、台湾海峡両側の人々が受け入れ可能なペースと範囲に於いて、台湾海峡を挟む関係の発展をサポートする」と語った

*早期警戒レーダー技術支援($400 million)
*AGM-154C 滑空型誘導兵器 (JSOW) ($185.5 million)
*AGM-88対レーダーミサイル (HARM) ($147.5 million)

*MK 48 6AT 大型魚雷 ($250 million)
*MK 46やMK-54等の軽魚雷能力向上($175 million)
*SM-2 艦対空ミサイル ($125 million)
*AN/SLQ-32A 艦載電子戦機材の能力向上($80 million)


米国が北朝鮮と違法貿易の中国企業や個人に制裁へ
6月30日付読売新聞朝刊1面のトップ記事が、「米政府は28日、核・ミサイル開発を進める北朝鮮と違法な取引をしている中国の企業や個人を対象にした金融制裁を、近く発動する方針を固めた」と報じています

USCC4.jpg複数の米政府関係者が28日、明らかにした。トランプ米大統領は4月以降、北朝鮮に影響力を持つ中国に圧力強化を要請してきたが、中国の対応は不十分と判断した。トランプ政権が、北朝鮮問題に絡み、中国企業に制裁を科すのは初めて。発動されれば、中国側の反発は必至で、米中関係が緊張する恐れがある。
●早ければ7月7~8日にドイツで開かれる主要20か国・地域(G20)首脳会議前に発動される可能性がある。ただ、米政府内には、対中関係の悪化を憂慮する声もある。中国が北朝鮮への圧力強化に傾けば、制裁発動について再検討する選択肢も残されているとみられる。

対象の中国企業は、遼寧省で北朝鮮と取引している貿易会社や経営者の男ら。同社は弾道ミサイルの誘導装置に転用可能なナビ装置などを北朝鮮に輸出した疑いをもたれている
●制裁が発動されれば、米国内の金融資産が凍結され、米金融期間等との取引が不可能になる
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AGM-154C 滑空型誘導兵器 (JSOW)は、航空機から投下された後、グライダーの様に滑空して最大40nm程度の範囲の目標をGPS誘導などで精密攻撃できる兵器で、AGM-88対レーダーミサイル (HARM)も射程は数十マイル程度です
またSM-2は艦艇の防空兵器で、最大射程が90nm程度です

Taiwan-China.jpg台湾海峡の幅からすると、また中国側にしてみれば脅威かも知れませんが、中国が保有する弾道・巡航ミサイルからすれば「かわいい兵器・おとなしい兵器」です。

中国の反応が気になります。また、米国が突っ張れるかがもっと気になります。日本国内の報道の劣化が激しく、テレビを見るのが苦痛になる今日この頃ですが、このニュースは注目致しましょう
都知事選の合間に、少しは報道されるかも・・・

最近の中国関連記事
「サウジで無人機製造へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-29
「中国核戦略に変化の兆し」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-19
「J-20戦闘機が運用開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-14
「米国黙認?中国がアフガンで活動」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-07

台湾関連
「マティス長官が台湾を公式会議で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01-3
「RAND:台湾は戦闘機中心を見直せ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-07
「慶応神保氏:台湾の劣勢戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25
「CSBA:台湾は弱者の戦法を」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27
「意味不明:岡崎研究所が台湾戦闘機擁護」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-23-1
「AIM-9X契約へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-07-1

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国防省No2ポスト承認とNo3ポスト推薦 [米国防省高官]

Lord3.jpg6月28日、上院軍事委員会が次の国防副長官候補であるボーイング社副社長Patrick Shanahan氏を、トゲのある質疑やコメントの後に承認し、上院の本会議に送りました。
現在は、Work副長官がオバマ政権時代から引き続き「つなぎ役」として努めている国防省No2ポストですが、後任者がやっと実質承認されたと見て良いでしょう。

またホワイトハウスは、米国防省のNo3ポストとも呼ばれる「調達兵站技術開発担当」の国防次官候補に、軍需産業「Textron」の前社長CEOであるEllen Lord女史を推薦すると明らかにしました。

なお、政策担当国防次官と並び、No3ポストと言われることが多い「調達兵站技術開発担当」次官ですが、実は2018年2月までに「調達兵站:acquisition and sustainment」と「研究開発:research and engineering」に分割することが法律で求められており、分割後の両ポストの役割分担や組織編制を定めるよう国防省は求められているところです

ご意見番:マケイン上院議員の御主張と併せ、今後も一波乱二波乱ありそうな、異例に進捗が遅い国防省「政治任用ポスト」アサインの様子をご紹介します

トゲトゲしい副長官候補への質疑
Shanahan4.jpg●候補者であるPatrick Shanaha氏との厳しいやりとりは、同氏が軍事委員会に先立って書面で提出した、ウクライナへの致死性防御兵器の提供に関する姿勢に対して行われた
●Shanaha氏が「仮に国防副長官に承認されたなら、既に強固なウクライナ安全保障への支援のオプションの一つとして、状況を精査して判断する」と記して文書を提出した。そして判断には、副長官に就任して初めてアクセスが可能になる、種々の情報が必要だと説明した

●この回答にマケイン委員長は不満を示し、不十分であり承認を拒絶する可能性を示唆し、「良くないで出しだ。この様なことを繰り返すようだと、上院軍事委員会での承認採決に進めない」と語っていた
McCain-NDAA.jpg●これに対しShanaha氏は書面を修正し、「私はウクライナへの致死性防御兵器の提供を支持する。米国は、ロシアの攻撃的な行為に対抗し、ウクライナ国民を支援するため、より多くを行う必要がある」との表現にして再提出した

●Shanahan氏を迎えた28日の上院軍事委員会でも、時にヒートアップするやりとりが見られた。またマケイン議員は、軍需産業の重役経験者が国防省の主要幹部に就任することを好まないとも発言した
●同議員は具体的に、「率直に言うと、あなた(Shanahan氏)が国防省取引の9割を占める軍需産業トップ5社出身である事をあまり喜べない」、「米国を建国した先達も、その様なことを期待しているとは思わない」とまで表現していた


調達兵站担当次官の候補者
Lord.jpg●2018年2月までに「調達兵站」と「研究開発」に分割することになっている「調達兵站技術開発担当」だが、ホワイトハウスの推薦発表によれば、「Textron Systems」前CEOのEllen Lord女史は、「調達兵站:acquisition and sustainment」担当次官の任務に推挙されている

Textron社CEOとして、Lord女史は「無人システム、精密誘導兵器、海洋装置、装甲車両、シミュレーション訓練、電子戦、情報ソフト等々を、米軍や諸外国と取引する業務を統括していた」とホワイトハウスの声明は明らかにしている
●この様な業務歴から、Ellen Lord女史が承認されたとしても、特定の意志決定には関与できなくなる(have to recuse herself from certain decisions in her new role)
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マケイン上院議員はShanaha氏の名前が最初に挙がった際、否定的な反応はなく、直接面識はないが種々の情報から好印象だとの反応だったので、途中で色々あったのかも知れません。
または、面識がないので最初に「強めのジャブ」を繰り出したのかも知れません

Lord2.jpg「Textron Systems」は世界の軍需産業で第18位にランクされる企業で、「知る人ぞ知る」有力軍需産業だそうです。
しかし軍需産業CEOの経歴が原因で、国防省の「調達兵站」における「特定の意志決定には関与できなくなる」ことを許容するのでしょうか? ふところ深すぎ・・・と言うか、仕事が出来なくなるのでは・・とまで勝手に心配してしまいます。

それにしても、マケイン委員長の「米国を建国した先達も、その様なことを期待しているとは思わない:That’s not what our founding fathers had in mind.」発言は強烈です。
でもEllen Lord女史は、大変「押し」が強そうな印象の方ですので、頑張って頂きましょう!

次の国防副長官の話題
「副長官候補にボーイング重役」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-17
「次期副長官は膨大な業務大丈夫?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-18
「過去の副長官の分類」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-15

前調達担当次官の記事
「将来航空機投資の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-25
「レーザー兵器に冷や水」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-12
「国防予算問題の鍵はF-35」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-08

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インド首相の米国訪問で軍事協議はおだやか!? [安全保障全般]

外国首脳と初のホワイトハウス夕食会
痛いところにあまり突っ込まず友好を軽く演出
パキスタンや環境パリ協定に触れず、記者質問も受けず

trump Modi3.jpg25日から26日にかけインドのモディ首相がワシントンを訪問し、25日には外国首脳として初のホワイトハウス夕食会、26日はトランプ大統領と会談しました。オバマ政権時代に3回訪米したインド首相ですが、トランプ政権後は初の訪米です

全般に米メディアによれば、まだアジア太平洋での立ち位置が定まっていない米国政権も、内外に諸問題を抱えるインドも、以前の3回のインド首相訪米と比較し「low-key」だったとの評価ですが、双方に良い関係を模索しつつ、主張を今後持ち出したいとの思惑もみえる会談だったようです

米国側はインド首相到着の数時間前に、国務省がパキスタンのテロ組織「Hizbul Mujahideen」のリーダー「Syed Salahuddin」への制裁措置を発表し、会談前にC-17輸送機の輸出許可や、総額2000億円以上の無人海洋偵察機「Guardian」22機の取引推進を明らかにし、首脳会談の環境作りに配慮しています

首脳会談の主要ポイント
trump-Modi2.jpg会談後ホワイトハウスの庭に登場した両首脳は、2回もハグしてより緊密になりつつある関係をアピールした。2日間の滞在だったが、両首脳が対話する時間は十分に確保された

●対テロに関しては、トランプ大統領はパキスタンとの言葉は使用せず、「両国ともテロの被害を受けており、テロと過激思想の撲滅の決意を固めている。我々は過激なイスラムテロを撲滅する」と表現した
●一方で1.8億人のイスラム教徒を国内に抱え、パキスタンを根拠とする過激派を警戒するモディ首相も直接パキスタンには言及せず、更に「イスラム」との言葉も使用せず、テロリストの聖域や安住の地を根絶する重要性を語り、米国との情報共有を強化すると表現した

中国に関して両国は懸念を示しており、過去10年間の米印の関係改善はこの要因が大きいが、現時点でトランプ政権は中国を北朝鮮対策の重要な関係国としてしか具体的な動きを示しておらず、米印鑑の具体的な協議内容は不明
インドが2001年以降に総額3000億円を超えるアフガニスタン支援を行っていることも取り上げられ、両国がアフガンに共通の利害を持っていることも確認された

trump Modi.jpg●「America First」と米国内雇用確保を掲げるトランプ大統領と、「Make in India」を推進するインド首相は、経済関係面で難しい関係にある。特に米側は約3兆円もの対インド貿易赤字を抱え、またインド人技術者への米国ビザ発行も問題も検討課題に挙げている
●米大統領は会談後インド首相の前で、「インド市場への米国製品の輸出障壁を取り除くことが重要だ。そのことで対インド貿易赤字を削減する」と明確に述べている

一方で米大統領はインド首相の経済運営を讃え、モディ首相もトランプ大統領やその家族のビジネスマンとしての業績をたたえ、米大統領の指導力が両国関係の「積極的で未来志向の」発展に寄与すると表現し、米大統領をインドに招待すると語っている
●しかし、インドが厳しく非難している米国のパリ協定脱退については、両国首脳とも言及を避けた

軍事協力はまだまだ初期段階か
2016年後半にインド側が米側に要望していた海洋監視無人機「Guardian」は、オバマ政権が次期政権に判断を委ねることにした案件である。
●この他にもインドは米国製無人機を希望しており、その中には無人攻撃機も含まれている。しかし攻撃型無人機の売却は、有志連合を組むレベルの同盟国だけに認めており、これをインドに許可することは「大きな政策変更」を伴うモノと専門家は指摘している。

trump Modi2.jpgインド国防省関係者は匿名で、今回の首脳会談でトランプ大統領は、戦略的な問題に関する重い課題の議論を避け、経済問題を重視していたと語っており、この様な米国の姿勢を受け、インドはイスラエル製の攻撃型無人機の検討も進めるとも明らかにした
●米印間の国防関係は、米がインドに兵器を売却する関係(これまでの総額約1.7兆円)だが、インド側はこれを共同開発レベルにしたいと考えている。この枠組みがオバマ政権時代に結ばれたDTTI(Defence Technology and Trade Initiative)であるが、具体的な共同開発計画に至っていない

オバマ政権時代は、カーター長官が盛んに訪印してDTTI関連協議が行われたが、今回の首脳会談ではDTTI関連議論はなかった
モディ首相は会談後に「トランプ大統領と2国間の国防技術協力強化について議論した」と発言したが、第4世代機であるF-16のインド国内製造レベルに議論が限定され、全ての高価値部品が米国製で占められることから、インド側の技術獲得希望からは大きく離れている
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trump7.jpg米国側は、依然として国防省や国務省の政治任用ポストに「大量の空席」があり、新たな政策や方針を打ち出せる段階にはありません。とりあえず首脳会談を行い、時間を稼いでいる感じでしょうか・・・

トランプ大統領は「America First」を主張する姿勢を、モディ首相も「Make in India」で受けて立ち姿勢をメディアの前でアピールし、「イスラムやパキスタン」への表現に配慮しつつ対テロ協力を打ち出し、相違が大きいパリ協定については触れずの姿勢で、国内の支持率が気になる両首脳の外交得点稼ぎに貢献した会談と理解しておきます

対中国の部分が気になるので、他に関連報道が出たら追記します。たぶん・・・

米印関係の関連記事
「インド首相のオバマ訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-08
「4月カーター長官の訪印」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-15
「DCでJエンジンやカタパルト議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-12
「印検査院がロシア製戦闘機を酷評」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-11-1

「やっと3カ国 Malabar」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-14
「カーター長官インド訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-04
「米印の国防協力合意」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-26-1
「インド首相の米国訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-30

「ヘーゲル長官の訪印」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-12
「米印関係ランクアップ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-01-1

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海兵隊が無人の援護&攻撃&電子戦機MUX導入へ [Joint・統合参謀本部]

TERN program.jpg23日、米海兵隊の航空部隊副司令官のJon Davis中将が、パリ航空ショーの会場で軍事メディアの取材を受け、オスプレイを援護でして戦闘機や攻撃機の役割も果たし、電子戦能力にも優れた垂直離着陸型の無人プロペラ機を、2026年までに強襲揚陸艦に搭載する計画だと語りました

同中将は、盛りだくさんな要求に驚く女性記者に、ひと昔からの海兵隊の構想が技術進歩で夢でなくなったと表現し、今年2017年第4四半期には複数の企業がデモンストレーション飛行を行う予定のほか、合計4つの企業が機種選定に応募の見込みだと語っています

まんぐーすはノーマークでしたが、既にDARPAがNorthrop Grummanと協力してこの種の大型無人機の技術開発を手がけており、ボーイングやベルヘリコプター社も具体的な形を仕上げてきており、なかなか面白そうです。

23日付DODBuzz記事によれば
Tern NG2.jpg●米海兵隊は、強襲揚陸艦から離発着できる大型の無人機を求めているが、その要求性能リストに記者は驚いた
オスプレイと同様の行動半径を持ってエスコート可能で、F-35B戦闘爆撃機と同じ兵器を搭載でき、航空攻撃や電子戦や指揮統制や早期警戒任務まで要求する内容だったからだ

●Davis中将はインタビューで全く問題ないと言い切り、「MUX」と呼ばれる海兵隊にとって初タイプのアセットだが、海兵隊関係者は要求リストから引き下がるつもりはないと自信を持って語った
●そして「オスプレイも、F-35も最初は疑問の声があったが大丈夫だった。全く問題ないし、十分実現可能だ。基盤となる必要技術は抑えてあり、十分可能な要求だ」と語った

●同中将は、「Group 5 drone」と言われるもっとも大型タイプの無人機であるMUXを、強襲揚陸艦から垂直離着陸させるほか、戦い攻撃し、オスプレイを援護して、電子戦も担えるものにしたいと語った
V-280 Valor2.jpg●また「オープンアーキテクチャーの航空機で(システムの能力向上が容易で)、自動で離着陸できる能力を備えるよう要望している」、一方で「兵器やセンサーの操作は人間が行う仕組みを希望している」と説明した

●同副司令官によれば、海兵隊が当初MUX構想を持ち出したときは技術的壁が立ちはだかったが、強襲揚陸艦用の高速航空機の要求性能を検討している数年の間に技術的進歩・成熟があり、今では複数の関係企業が名乗りを上げるほど実現可能性が高まっている

●具体的には4つの企業が具体的な案を煮詰めており
Boeingは尾部から着陸する方式(tail-launched)
Northrop Grummanも「Tern」という尾部着陸方式
Bell Helicopterはティルローター方式
Karem Aircraftもティルローター方式を用意している

●Davis中将は、この「全ての能力を備えた:do-it-all」無人機を2026年までに部隊配備したいと述べ、今年末にも初のデモ飛行を計画していると説明し、Northrop Grummanが「Tern」を第4四半期に、ベル社が革新的なティルロータ方式の「V-280 Valor」を披露する計画だと述べた
●そして「不可能と言われていたものが、今年第4四半期には現実のものになる」と語った
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V-280 Valor.jpgDavis中将は7月には退役する予定ですから、「卒業旅行」で明るいニュースを明らかにするチャンスを与えられたのかもしれません。

多少楽観的な表現があったかもしれませんが、艦艇へのプロペラ機の自動垂直離着陸はかなりの精度で自動化が可能なレベルにあるのでしょう
そしてその技術的背景には、民間分野でのドローンへの資金及び人的集中投資が生んだ成果も貢献しているのでしょう

日本も「F-35B型(垂直離着陸型)も欲しい」などと言ってないで、足元を見つめ、こんな装備にも注目してはいかがでしょうか???

いろいろな無人機の話題
「Ternの開発契約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-30
「初の空母艦載無人機は?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-15
「MQ-25のステルス性は後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27 

「米軍士官学校が無人機群れ対決」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-26
「国防省:空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1
「無人艇の群れで港湾防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19
「無人機の群れ:艦艇攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10

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