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フィリピン主要3閣僚が南シナ海の米空母訪問 [安全保障全般]

CV  Carl Vinson.jpg4日、米国との関係がギクシャクしてるフィリピンの国防相など閣僚3名が、在比米国大使館の招待に応じ、南シナ海で「航行の自由作戦」を遂行中の米空母カールビンソンを訪問し、FA-18の離着陸などの様子を刺殺した模様です。在比米国大使館が明らかにしました

米空母を訪れたのは、Lorenzana国防相、Carlos Dominguez財務相、Vitaliano Aguirre II司法相の3名で、加えて国防官僚が3名同行していたようです

この訪問を報じる5日付「Military.com」は、ドゥテルテ大統領の厳しい対米姿勢に関わらず、軍事関係者の間では「top-level」の交流や意見交換が続いている証拠だと報じています。

そして、CSISの客員研究員で、東南アジアで活動する企業へのアドバイザー企業を経営する専門家の言葉を紹介し、オバマ政権からトランプ政権に交代後、ドゥテルテ大統領のフィリピンへの姿勢が軟化し、両国軍事関係の進展を許容していると記載しています

Lorenzana3.jpgそれが本当であれば、同じ対中国最前線国である同士フィリピンと米国の関係改善は、日本人として喜ばしい出来事ですが、個人的にはまだ疑心暗鬼です

共同軍事演習は災害対処と人道支援の分野だけ」とか、「米中の紛争に巻き込まれたくないから、米軍兵器の比での保管はだめ」とか、ドゥテルテ大統領の発言は明確で、その姿勢が変化しているようには思えないからです

過去の経緯は、末尾の過去記事をご参照願いたいのですが、引き続き要フォロー事項だと思うので、ご紹介しておきます

5日付「Military.com」記事によれば
Sung Kim.jpg在比米国大使のSung Kim氏(韓国系米国人で、前職の北朝鮮問題担当の米国代表として、しばしば韓国や日本を訪問していた)が、3名の閣僚達を空母カールビンソンに案内し、約5500名が勤務する9万5千トンの空母の様子やFA-18の離発着を共に見学した
●3日、同空母群司令官のJames Kilby少将は記者団に対し、「我々は将来もここに存在し、公海は誰もが航行でき、通商に利用できる海域である事を示し続ける」と語っていた

CSISの東南アジア問題アドバイザーであるErnest Bower氏は、「皆の関心は、中国が南シナ海への他国のアクセスを遮断しようとしているのかにある」「米国はその様なことは受け入れない」とマニラで記者団に語った
Bower CSIS.jpg●Bower氏は、オバマ政権が終わってから、ドゥテルテ大統領の米国への発言は穏やかになり、両国軍事交流の発展の機会を認めており、またトランプ政権の安全保障チームは南シナ海問題に対しより強固な姿勢を示すであろうと語っている

●そして同氏は「南シナ海に関し、米国から中国に対し、より少し厳しい姿勢が示されると考えている」「正直に言えば、少しゴタゴタが起こるだろうと思う」と記者団に述べた
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Ernest Bower氏の専門家として位置付けや、発言の信憑性が不明ですが、マニラでの会見でもアリ、米国の東南アジア施策に20年以上関わってきた人物でもアリ、現在も多くの役職についているようなので、その発言をご紹介しておきます

CSISのBower氏経歴紹介
https://www.csis.org/people/ernest-z-bower

Trump tel.jpgトランプ大統領の関心事項が米国内の雇用や産業復活に絞られ、中国関係もその視点が基礎にある事が各方面から指摘されていますが、安全保障チームが中国に厳しい考えを持っていることとの折り合いがどうなるのか、依然不透明です。

比政府の閣僚が3名そろって米空母訪問とは普通ではありませんので、今後の動きに注目致しましょう

米比関係の記事
「米軍兵器の保管は認めない」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-31
「米と比が細々とHA/DR訓練を開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-18
「航行の自由作戦に比基地は使用させない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-11

「ハリス大将:選挙後初の訪比へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16
「米比演習の中止に言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-08
「C-130が2機だけ展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-27

「比大統領南シナ海共同を拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15-1
「比空軍と米空軍が3日間会議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-03

日本とドゥテルテ大統領
「なぜ10月25日に比大統領来日」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-06

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無人攻撃機MQ-1は2018年に引退へ [米空軍]

MQ-9 4.jpg2月23日付で米空軍webサイトが、21年間にわたり無人攻撃機として活躍してきたMQ-1を、2018年の早い時期に引退させると発表しました。MQ-1の抜けた穴は、MQ-9が埋めるそうです。

MQ-1は、もともとISR用だった無人機RQ-1を改良し、ターゲティング装備や兵器を搭載して「攻撃機」に仕立てたモノもであることから、MQ-9と比較して兵器等搭載量が1/8程度しかないことが大きな背景で、併せて操作要領や整備手順や部品が異なるMQ-1とMQ-9を、同時に維持する事による要員の訓練や維持整備コストが問題となっているようです

現在米空軍は、MQ-1を150機、MQ-9を93機保有しており、数字から見るとMQ-1の存在が大きいのですが、MQ-9の増産も行っているようでアリ、現場は何とかなるのでしょう

2月23日付米空軍web記事によれば
MQ-9 3.jpg●来年引退すると発表されたMQ-1は21年の運用実績があり、MQ-9は10年程度であるが、速度、高解像度のセンサー、兵器搭載量との能力で優れたMQ-9が、MQ-1に代わってより広範な任務を担うことになる
●また、今回MQ-1運用からMQ-9運用に任務が変わる部隊指揮官は、「単一の機種運用にすることで、要員訓練や兵站支援をシンプルにでき、部隊活動の柔軟性が確保でき、所属兵士のキャリア管理上のチャンスをより与えられるようになる」と効果を説明した

●現場の飛行隊長は、「2018年にMQ-1運用を終了するためには、2017年中にはMQ-1からMQ-9への移行を進めておく必要があり、今年7月1日にはMQ-1の飛行を停止し、MQ-9運用態勢の確立準備を開始し、年末までにはMQ-1だけで任務遂行できる体制を固めたい」と語った
●同飛行隊長は、科学研究の一環として始まったRQ-1運用が、偵察任務専用で前線に派遣され始め、やがてその有用性から目標照準装備や兵器搭載可能に機体改修が行われ、最前線で365日24時間休みなく活動を続けるようになった歴史を振り返りつつ、米空軍の記述進歩を体現した偉大な実例だと表現した

28日付Defense-Tech記事によれば
MQ-9 5.jpgMQ-9は3750ポンドの最大搭載能力を持ち、「AGM-114 Hellfire」「GBU-12 Paveway II」「GBU-38 JDAM」等を組み合わせて搭載可能だが、MQ-1は450ポンド程度しか搭載能力がない。
●現在米空軍は、無人攻撃機のCAP数を60から70個に増加させる方向で取り組んでいるが、追加の10個CAPは、米空軍の監督下で契約業者に委託運用させてまかなうこととなっている。なおCAP追加は、2018年末までに完了する計画だと、28日米空軍報道官は語った

●また米空軍は昨年9月、(無人機操縦者等の勤務環境改善のため)より環境の良い8つの新たな無人機運用基地候補を発表し、更に追加でエグリン、ティンダル、バンデンバーグ、ショー(Shaw)空軍基地の環境調査も行っている
●これらの候補基地はMQ-9航空団を受け入れる候補基地で、併せて無人機の維持整備拠点の候補地でもある。先月米空軍は、ショー基地に無人機操作部隊を配置するとのみ発表したが、まだ最終的な新たな無人機基地全体計画を決定していない
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gatesSTART2.jpg無人偵察機や無人攻撃機の急速な普及を目の当たりにし、MQ-1が20年以上運用されてきた歴史を再確認するとき、有人戦闘機や攻撃機を操縦するパイロットへの影響(削減)を恐れ、職域防衛に走った米空軍幹部達を厳しく非難し、無人機導入を推進したゲーツ国防長官を思い出さずにはおれません

核兵器の扱いを巡る不始末が直接の原因とされましたが、F-22計画継続への固執と無人機導入への頑なな反対姿勢を貫いてゲーツ国防長官と対立した、当時の空軍長官と空軍参謀総長を同時に「更迭」したゲーツ氏の豪腕が、今日の無人機隆盛を呼んだのです

ロバート・ゲーツ語録12
(ゲーツ語録100選より:http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19
私がCIA長官の時、イスラエルが無人機を有効使用することを知った。そこで米空軍と共同出資で無人機の導入を働きかけたが1992年に米空軍は拒否した。しかし私は2008年、今度は国防長官として無人機導入のため牙をむいて4軍と立ち向かった
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07

未だ日本では、ゲーツ長官のような見識ある文民指導者や政治家が現れず、もちろん戦闘機操縦者が支配する世界で自衛隊内部から無人機の積極活用論が生まれるはずもなく無人機放置プレーが続いています。本当に書籍「失敗の本質」が描く、「先の大戦」当時と状況は変わりません

同書が指摘した「失敗の本質」とは
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-12-31
失敗の本質.jpg●旧日本軍は、官僚的組織原理と属人ネットワークで行動し、学習棄却(知識を捨てての学び直し)による自己革新と軍事的合理性の追求が出来なかった
戦略志向は短期決戦型で、戦略オプションは狭くかつ統合性が欠如し、戦略策定の方法論は科学的合理主義というよりも独特の主観的微修正の繰り返しで、雰囲気で決定した作戦には柔軟性はなく、敵の出方等による修正無しだった

●本来合理的であるはずの官僚主義に、人的ネットワークを基盤とする集団主義が混在システムよりも属人的統合が支配的。人情を基本とした独自の官僚主義を昇華
●資源としての技術体系は一点豪華主義で全体のバランス欠如

米空軍は無人機操縦者の離職者急増に苦悩中
「RQ-4操縦者の7割が下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13-1
「RQ-4操縦を下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-19
「問題点と処遇改善の方向性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-11

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スウェーデンが対露で徴兵制復活を決定 [ふと考えること]

10万人の対象者から、僅か4千人ですが・・・

Sweden.jpg2日、スウェーデンのフルトクビスト国防相(Peter Hultqvist)は2010年7月に一度は廃止していた徴兵制を、今度は女性にも対象を拡大して2018年1月から復活させる方針を明らかにしました。

同国防相は各種報道機関とのインタビューで、ロシアへの警戒感を背景として言及し、「彼らは我々のすぐ近くで、より多くの演習を行っている」「ロシアがクリミアを併合した現状がある」と危機感を露わにしています

注目すべきは現在政権を担って徴兵制復活を推進しているのは少数左派政党の連立政権(Social Democrat-Green coalition)であり、当然ながら議会の右派政党からも支持を受けている点です。

この背景には国民の極めて常識的な国防への危機感と理解があり、200年以上国土が戦争に巻き込まれていない(19世紀のナポレオン戦争が最後)ながら、昨年1月に報道機関が実施した世論調査によると、国民の7割以上が徴兵制復活に賛成で、反対はわずかに16%との結果がそれを物語っています

Sweden Hultqvist.jpgただ国土が日本の面積の1.2倍あり、人口約1000万人のスウェーデンですが、これまであまりにも国防に無頓着だったとも言え、軍は僅か約1.2万人の軽武装国家(陸軍5.5千人、海軍3.0千人、空軍3.3千人)です。

一方で、ODA実績は62億ドル(世界第6位)で、ODAの対GNI比は1.1%(世界第1位)と特徴的で、国際平和協力活動(PKO等)に積極的に参加し、軍縮・不拡散、人権、環境問題等にも貢献と、日本の野党がお好きそうなタイプのお気楽海外貢献国でした

しかし最近のロシアの活発化を受け、NATOには非加盟であるものの、2014年9月にはNATOとの「ホスト国支援」に関するMoUに署名するなど、情勢の変化に対応したような動きも見せていたところでした。

各種報道から徴兵制復活の概要
Sweden4.jpg同国の徴兵制は1901年から100年以上続いたが、7年前に廃止され、志願制に移行した。しかし、好景気を背景に賃金の低い兵士に志願する若者が減り、年4000人が必要なのに約2500人程度しか集められていなかった

●国防省報道官によれば、今年7月から来年1月開始の徴兵の手続きが開始され、従来から18歳以上の国民に提出が義務づけられてきたウェブ調査票の回答に基づき、1999年以降に生まれた18歳の男女の国民約10万人からまず1.3万人を選び、適性検査を経て当面は年4000人に9~11カ月間の兵役を課す。
●国防相は「gender equal profileが重要」「important to emphasise that military service is for girls and guys」だと強調し、史上初めて女性の徴兵も行うとも発表した。

●なお志願制度時代と異なり、徴兵を拒むと罰則がある。また志願制も並行して維持され、毎年採用する4000名の中には18歳以上の志願兵も含まれる(志願兵を優先するのかは不明)
●国防軍事組織のモデル再構築は、中心となる国防能力の強化につながるだけでなく、災害対処や救難救助や環境浄化に関する文民機関を支援する能力提供にもつながるとも説明している

2010年徴兵制廃止後のゴタゴタ
Sweden3.jpg2010年にスウェーデンは、徴兵制から志願制訓練に変更した。これは、志願制にすることで、よりプロフェッショナルな軍に移行すること狙ったのだ
●そしてスウェーデン軍は2016年末までに組織改編を行う計画を進め、2016年年初には人の充足を完了している予定であった。しかし現実には1000~1200名の正規兵が不足していた

●また「part-time positions」の不足はさらに深刻で、6千~7千人が不足している状況だった。更に予備役も約1000人不足
●そこでスウェーデン軍は、人員不足が発生している各部隊の状況を改善するため、従来の徴兵制と予備役制度の復活を求めている
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Sweden2.jpg余計な手間ばかりかかって社会的コストの大きい徴兵制は、先進国では避けるべきで、日本でも自衛官の処遇改善や社会的な地位向上で、志願制軍事組織を維持すべきと思います。

一方で、ロシアに直面したスウェーデンのこの動き、特に「男女平等に徴兵」あたりの考え方について、日本の民進党や社民党や共産党の皆様に伺ってみたいものです

森友学園とかどうでも良いので、世界の安全保守環境について、国会でしっかり議論して頂きたいものです

世界の徴兵制:背景は様々
●ロシアの脅威に対抗するため
「ルーマニア・チェコ・リトアニアが復活へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-04
「スウェーデンも復活検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-15
脅威対処と国民意識の醸成でイスラエル
「写真で確認:イスラエル女性兵士」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-27

●究極の男女平等のためのノルウェー
「ノルウェーは女性徴兵へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16
●国民意識と社会福祉への人員確保のオーストリア
「オーストリア徴兵制維持へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-22

●若者の社会教育?とイラン対処?
UAEが徴兵制導入」→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-21-1

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米空軍F-35が今年太平洋軍エリアに展開予定 [米空軍]

追記:2月24日、カーライルACC司令官は「春から夏に」と

Carlisle-FB2.jpgカーライル大将が軍事記者団に語りました。米空軍F-35部隊の訓練を、指揮監督する戦闘コマンドACC司令官の発言だけに重みがあります。

Red Flag演習(17-1)でのF-35Aのパフォーマンスは「extremely well」だった
●何処に派遣するかは決定していないが、「短期間の太平洋エリア派遣」か「長期間の欧州派遣」、または逆の組み合わせもあり得る。ただし中東地域への派遣については「それほど遠くない将来」と述べるに止めた
●記者からの「中東でF-22やF-35は過剰戦力ではないか?」との質問に対しては、前線指揮官からのニーズがあれば何処へでも派遣すると対応し、初期運用態勢確立を宣言した機体だと強調した
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Harris Jr.jpg2月16日、下院軍事委員会の戦術部隊小委員会で米空軍の戦略計画副部長Jerry D.Harris Jr.少将が証言し、米空軍F-35部隊を追加で太平洋軍エリアに派遣する計画を立てていると語りました。

同小委員会には、Harris Jr.副部長の他に、国防省F-35計画室長Bogdan中将、米海兵隊航空副司令官Jon Davis中将、米海軍航空作戦部長Dewolfe Miller III少将が列席していることから判断すると、F-35の今後の作戦投入はどうなるんだ・・・的な関心が中心の委員会だったように推測します

これまで米空軍幹部は一貫して、米空軍F-35の初海外展開は、対ロシアを意識して欧州地域になると発言してきましたが、何かしらの「風向きの変化」があるのかも知れません。
断片的に証言を紹介した記事のご紹介でアリ、背景や理由について説明できませんが、とりあえず取り上げます

2月16日付Defense-Tech記事によれば
TSP.jpg●Harris Jr.副部長は、「最初に運用態勢を確立した米空軍F-35部隊が、太平洋コマンド担当エリアに、TSP(Theater Security Package)を含む形態で、追加派遣される予定である」と小委員会で証言した
日本には1月、米海兵隊のF-35B配備が開始され、日本の航空自衛隊もF-35を米国で受領して要員養成のための飛行訓練等を開始している

従来米空軍は、最初のF-35海外派遣を、12機程度で欧州に行う予定だと発信してきた。
●例えば昨年12月にJames前空軍長官はAtlantic Councilで講演し、今年の夏にF-35を欧州に派遣することを示唆しつつ、「例えA2AD環境にあろうとも、その戦域環境を変革するほどの能力を発揮するF-35を地域の同盟国等は期待している」と表現していた

TSP2.jpgトランプ政権誕生で米露「雪解け」の予兆があったが、13日のフリン前大統領補佐官の辞任で、その方向性はぼやけ始めている。
●16日、米空軍の報道官は「Military.com」に対し、F-35の欧州派遣が無くなると決定されたわけでは無く、前空軍長官が述べた夏の欧州展開オプションも同時に検討されていると語った
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TSP展開は太平洋軍エリアでは2004年から開始されており、1個飛行隊の半分程度の規模(10~12機)で実施されることが多いようす。

以前ご紹介した例では「2013年、嘉手納にF-22が12機で約4ヶ月」や、「2015年、ドイツにA-10が10機で約1ヶ月、その後は東欧諸国に移動して活動」があり、半年弱が母機地を離れる期間の標準のようです
TSP3.jpg10日から豪州に12機のF-22が展開していますが、これもTSPの一つかも知れません。

欧州か太平洋軍エリアか・・・。でも太平洋軍エリアと言っても、「アラスカ」も太平洋軍エリアであり、その可能性もかなりあると思います。
引き続きトランプ政権の対露姿勢は重要関心事項ですので、生暖かく進展を見守りたいと思います

米空軍戦力のTSP等ローテーション派遣
「豪州に12機のF-22展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-14
「欧州にもTSP派遣か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-14
「F-22嘉手納派遣はTSP」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-17
「アジア版Checkered Flag」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04

「夏が期限のF-35最終試験開始は1年先でも不可能」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-17

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米軍AWACS将来と随伴電子戦機の早期導入発言 [米空軍]

Carlisle-FB.jpg24日、米空軍戦闘コマンド(ACC)司令官のカーライル大将が軍事記者団に会見を行いAWACSの将来や、21日にも言及していたエスコート型電子戦機の20年ぶり導入に関し言及しています。

いずれの検討も、米空軍全体を見渡して将来構想を考える特設チームECCT(Enterprise Capability Collaboration Team)が、1年間かけて行っている分析考察の結果報告に関係しているようですが、今後もECCTはいろんな所で出てきそうですので、関連する検討対象分野としてご紹介しておきます

それにしても・・・カーライル司令官は、後任者が決まってからも勤務が長いですねぇ・・・。でも最近、将来構想に関して口が滑らかなのは、ユニフォームを脱ぐ日が近いからでしょうか???

AWACSの任務は分散される方向
E-3 2.jpg●米空軍のE-3早期警戒管制機&空中戦闘管理機AWACSには、まだ十分な機体寿命が残されているが、将来のAWACSの任務をどうするかは、現在ECCTが行っている「複数ドメインに渡る指揮統制のあり方検討」の結果により導かれるだろう
●将来方向としては、現在AWACSが担っている戦闘管理任務は、複数の小型のアセットにより「分散して」担当されることになるだろう。しかし空中におけるAWACSの「中心的ノード」としての位置づけは変わらず、有人機と無人機、全てのセンサーやデータ通信を結びつける役割を担い続けるだろう

●ECCTは1年かけて検討を行っているが、「如何に指揮統制を行うか、強靭さを如何に獲得するか、複数ドメインに渡る指揮統制をどうすべきか等について、多くを学ぶことになろう
EC-130に対する空中指揮統制能力の向上施策を行うが、E-3AWACSは2030年台まで運用を続ける予算的制約から現時点でAWACS後継機を具体的に議論できないが、ECCT検討を踏まえロードマップを描きたい

エスコート電子戦機PEAをPCAより早期導入
PCA 20303.jpg●次世代制空機PCA(Penetrating Counter-Air)を改良し、エスコート型(又はスタンドイン型、随伴型)電子戦機としての活用を米空軍が検討しているPEA(Penetrating Electronic Attack)機は、原形のPCAより早期に実戦投入されるだろう
PCAはF-22やF-35の後継として次世代制空機として議論されているアセットだが、PEAはF-22やF-35やB-21次期爆撃機とペアを組み、強固に防空された空域にエスコートして進出し、「自立化又は半自立化」したスタンドイン電子戦機として活躍を期待している

米海軍は(スタンドイン方式とは)異なる電子戦形態を必要としており、統合作戦で共に制空を担う米空軍と海軍は、分担や協力方法を確立する必要がある。
電子戦環境が日増しに厳しさを増している中、PEAもPCAも導入は早ければ早いほど良く、現在想定の導入時期より早めることが望ましい
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何となく、敵の脅威が増す中、従来の役割でのAWACSの出番は減少するが、機体寿命があるので何か新たな任務を担わせよう・・・的な臭いを感じます。
そう言えば、AWACSへの近代化改修や追加投資の話はあまり耳にしませんので、今後閑職に追い込まれるのでしょうか・・・

NCCT4.jpgPEAの重要性が急にクローズアップされてきましたが、どの程度のスケジューリングをイメージした話なのでしょうか? PCAは早くても2020年代後半でしょうし・・・
EA-18Gで空軍を支援してきた米海軍から、急に冷たくされたのでしょうか??? トランプ大統領の軍拡発言で「乗り遅れるな」感が広まったのでしょうか?

いずれにしても、根本にある「米海軍と米空軍の対中国での協力体制如何に?」が依然ボンヤリしている(又は公に語られない)ため、NIFC-CAと米空軍の構想(NCCT)の関係がよく分からないため、個々のアセットの話題から「群盲、象をなでる」状態が続いています。

この辺り、どなたかご存じ???

レッドフラッグでNCCTを本格初使用
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-25
道遠し!?:NIFC-CAの進展状況
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26

PEA関連の記事
「20年ぶりエスコート電子戦機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-20
「道遠し?米海軍NIFC-CAの状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26
「PCA検討はこの方向で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30

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米とカナダが本土防衛巡航ミサイル対処に協力 [米空軍]

Robinson Ottawa.jpg2月16日、お懐かしやロビンソン北米コマンド司令官がカナダのオタワで講演し北極海経由の巡航ミサイルなどマルチドメインな脅威に対処するため、カナダと2国間検討グループを設置し、20年ぶりに早期警戒システムや対処兵器のアップグレード検討を開始していると語りました

かっこいい女性大将であるロビンソン司令官は、前任務が太平洋空軍司令官であり、赤いスポーツカーを颯爽と操る日本の皆さんにはお馴染みの「男っぽい」女性で、つい最近までは米空軍参謀総長の有力候補だった人物です。そして女性として初めて、地域戦闘コマンド司令官に就任した話題の人物です

まだ初期的な検討段階のようですが、「史上初の2国共同による要求性能検討」や、具体的にロシア・北朝鮮・中国・イランの国名を上げて脅威対象国と言及している辺りに、巡航ミサイルの拡散に対する危機感迫る様子が伺えます。

24日付Defense-Tech記事によれば
N Warning System.jpg●現在米国とカナダは、1950年代に最初に設置(当時の名称はDEW:Distant Early Warning)された、アラスカからNewfoundlandに至る範囲をカバーする、47個の多様な覆域のレーダー拠点からなる「North Warning System」を運用している

●2015年に軍事情報メディア「DefenseOne」は、米国防省が低空進入ミサイルの迎撃ネットワークを公にせず検討していると報じ、レーダー施設を増設し、戦闘機や地対空ミサイルや艦対空ミサイルを誘導し、低高度高速目標の撃退を計画していると紹介した
●またその報道には、飛行船型のセンサーJLENSを活用し、地上レーダーが発見しにくい低高度目標探知に活用する構想も描かれていた

●2月16日、ロビンソン大将は「Conference of Defence Associations Institute in Ottawa」の聴衆に対し、具体的脅威について「金正恩は予測不可能で気性が激しい」、「ロシアは依然としてgame changerであり、ロシアの巡航ミサイルは我々がイメージするよりも遠方から到達可能で、彼らは北米大陸に接近することなく、我々を危機におとしいれる
●また「中国やイランも、常に我々の防御の弱点を探り、有形無形の防御態勢を崩壊させようとしている」と語った

カナダと2国間検討グループを
N Warning System2.jpg●これら脅威に対処するため、同司令官は、米国とカナダが「アラスカからカナダ北部に構築されている監視レーダーネットワーク「North Warning System」を更新するため、カナダと2国間検討グループを設置した」と語った
●そして、「史上初めて両国は、北方から米本土北部に接近する全ドメインの脅威を監視するするため、共同で要求性能検討(binational analysis of alternatives)を行う事に合意した」と付け加えた

●ロビンソン司令官は更に、「空や海中から発射される脅威に関する必要情報を入手して警報を発するため、遠方を継続的に監視できる体制を構築し、巡航ミサイルを早期に発見、追尾、識別し、必要なら撃破する能力を向上させる必要がある」と語った
●そして両国が共同で取り組む要求性能検討の結果により、「北米防空司令部が次世代の複数ドメインに渡る警戒監視能力を保有するに適当な技術投資方向を、両国は判断することになる」とロビンソン大将は語った

●更に同司令官は、「装備品に関する検討だけでなく、新たな戦略や作戦コンセプト、また検討に基づく新たな2国間演習の計画や策定にも取り組んでいる」と説明した
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日本も参考にすべき、又は議論に建設的な貢献が出来る可能性がある分野ですので、とりあえずご紹介しておきます。

Ottawa DFS.jpgただ以前ご紹介(http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-03-1)したように、JLENSの事故を受け同計画への再挑戦は期待薄で、これに変わりうる常続的な見通し線外レーダー(OTH:over-the-horizon)を求めている状況のようです。

何か画期的な技術革新があり、可能性があるから検討が本格化したのか、脅威に追い立てられて何か検討せざるを得なくなったのか不明ですが、ロビンソン大将のご健闘を祈念したいと思います!

NORAD関連
「米国首都の防空に航空局FAAレーダーと連携」→http://holyland.blog.so-net.ne.
jp/2017-02-03-1
「カナダがBMD姿勢見直し」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-02

JLENSの概要と試験
「2個目配置」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-20
「1個目設置」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-24

「空自OBが対領空侵犯措置の効果に疑問を」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1

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今後1年間で米空軍が宇宙活動の大アピールへ [サイバーと宇宙]

JSPOC.jpg22日、米空軍のGoldfein参謀総長とJay Raymond宇宙コマンド司令官が連名で寄稿した宇宙ドメイン「決意表明文」がDefense-Newsに掲載され今後1年間かけ、宇宙ドメインの重要性、米空軍が宇宙で果たす(果たしてきた)役割、宇宙ドメインでの取り組みを、精力的に訴えていくと宣言しています

そしてアピール活動を通じ、宇宙ドメインの政策、戦略そしてアセットや資源配分について様々な議論が起こることを期待し、貴重な意見が得られることを望み、そして潜在的な敵に宇宙で戦いを仕掛けることが割に合わないことを知らしめたいと結んでいます。最後の一節は「That is a message that we are ready and willing to deliver.」です

米空軍参謀総長がトランプ大統領と初めて面談した際、5分間だけ時間を与えられ、いの一番に説明したのが宇宙ドメインの重要性と空軍がその大半を担っている点でした。
宇宙ドメインの重要性は感じていても、なぜ突然宇宙を前面に???との思いを持ちましたし、今もその?感は続いていますが、今までアピールや説明努力が不十分だった重要分野に、おれは真剣に取り組むぞとの参謀総長の決意のようです

背景や狙いがよく分かりませんが、一生懸命さや熱意は感じます。今後も様々な発言やイベントがありそうですが、まずは基礎となるであろう、熱気溢れる「決意表明文」をご紹介します

概要:空軍参謀総長と宇宙コマンド司令官の寄稿文
Goldfein.jpgRaymond-Space.jpg●米軍が宇宙のリーダーとしての責任を担い、米空軍はその中心にあるが、宇宙技術がどの程度我が米軍の活動を支え、我が経済の効率的運営に寄与しているかは、国民や社会に良く理解されていない。ガソリンの購入から車の運転、オンライン通販、物流、医療などなど、世界経済が軍によってもたらされた衛星技術に支えられているのに
●過去25年間、米空軍は軍事作戦におけるリアルタイム情報提供をリードし、米軍が戦う時、その作戦を宇宙技術で支えてきた。見通し外通信や遠方での部隊活動把握、精密誘導兵器の誘導などは、IS殲滅作戦の鍵となっている

今後1年間、皆さんは宇宙の話や米空軍が他軍種と如何に宇宙関連で緊密に連携しているかを耳にするだろう。
我々が迅速に宇宙アセットやネットワークの防御対策に取り組み、敵対者の企みを抑止する能力獲得を進めるに中で、米国民の皆さんには、宇宙で何が危機にさらされているのかを理解して頂く必要があると考える

3つの取り組みをアピール
JICSPOC.jpg●何よりも、戦いがあればそれは宇宙に拡大する。宇宙に戦いが拡大したなら、我々は如何に戦うかを考えておかなければならない。陸海空ドメインのように、宇宙ドメインでの戦いにも備えなければならない
●米空軍が宇宙を戦いのドメインに融合する取り組みの第1は、宇宙での脅威を探知し認識する能力を高め、敵の脅威が高いドメインで、宇宙アセットを指揮統制する能力を高める取り組みである

第2に、宇宙アセットの生存性を高め、国防省と情報機関の連携を強化し、国家安全保障に不可欠な宇宙アセットの保護、防御、運用を行う事である
●そして第3に、昨年コロラド州に立ち上げたJICSPOC(Joint Interagency Combined Space Operations Center)への取り組みである。情報機関と核兵器を扱う戦略コマンド等が協力して立ち上げた作戦センターは、宇宙での新たな手法を試験し革新する事を促進し、未知の世界を教えてくれる

●これらの取り組みは、敵が我々の宇宙での行動を阻害することを防ぎ、衛星を改善し、宇宙関連要員を新たな現実に対処できるように鍛え、そして思考法の根本的変革をもたらす
●宇宙での戦いは、地球での戦いと同じアプローチを必要としている。もはや空想小説の世界の話ではない脅威を早期に探知し、必要なら機動し、敵が武力に訴える気にならないよう果断に対処する必要がある

Goldfein1-1.jpg●対処には、短期的な取り組みと長期的視点で臨む必要のあるものがある。このため米空軍は、政策、戦略、資源配分等に関する議論を歓迎する
公に米国の宇宙アセットを守る決意を明らかにすることで、我々は潜在的な敵に対し、宇宙で米国に戦いを仕掛けることが割に合わないことを知らしめたい。これが我々が伝えたいメッセージだ
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あまり米国社会で認知されず、予算獲得の追い風が少ない宇宙ドメインに、追い風を起こそうとする取り組みかも知れません。

しかし、宇宙アセットがもたらす恩恵、GPSやスマホ通信やオンラインシステムなどなどなどに現代社会があまりにも依存し、それが中断した場合への備えがあまりにもない事への警告は誰かが行わなければなりません。

その警鐘と備えへの訴えでと見れば、今後1年間のアピール大作戦が楽しみです。そして日本の関係者が、JICSPOCで勤務でき、何らかの貢献が出来る日が来ることを祈念いたします

「米空軍トップが5分間でトランプに訴えたこと」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-04

「JICSPOCを副長官らが高評価」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01

宇宙関連の記事
「新型宇宙監視望遠鏡が部隊へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-19
「宇宙改革法案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-13
「衛星小型化は相殺戦略でも」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01
「宇宙戦本Ghost Fleet」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-08

「宇宙アセット防御予算8割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-01-1
「米空軍の宇宙姿勢を改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-19-1
「F-15から小型衛星発射試験へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09

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米空軍が初のNCCT活用をレッドフラッグで [米空軍]

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NCCT4.jpg27日付米空軍協会web記事は、2月10日までの約3週間行われた「Red Flag 17-1」が米空軍が目指すより高度にネットワーク化された次世代の戦いを支えるNCCTを、本格的に活用すると明示した初めての機会になったと報じています

NCCTとは「Network Centric Collaborative Targeting」の略称で、具体的なことは短い記事からは不明ですが、複数の航空機やプラットフォーム、更には地上の作戦センターをより双方向的に結びつけ、目標情報や脅威情報を迅速に共有可能にしたネットワークのようです

このネットワークについては、昨年11月に米空軍参謀総長が「Data to Decision」ネットワークと呼称し、各アセットやセンサーが収集した情報を、迅速に共有して機敏で柔軟な意志決定に結びつけることを狙いとし、単一アセットによる戦いからシステム融合の戦いへの変革を目指すもののようです

またこのネットワーク高度化により、迅速さだけでなく、「重複性と強靱性」を強化してネットワークの一部被害への対処力も向上させる狙いとなっています

27日付米空軍協会web記事によれば
Red Flag 17-1.jpg●米空軍は2月10日に終了した「Red Flag 17-1」で、情報収集とターゲティングの複数の新しい手順を披露し、戦場における新たなネットワークへの転換を前進させた
●ネリス空軍基地を根拠に行われた演習では、NCCTの使用が初めて主要目標に加えられ、NCCT参加者が航空作戦センターと融合(integrated)して演習を行った

●コントローラーはまた、初めて「cooperative geolocation」を使用した。これは2つ以上のセンサーやアセットからのデータを活用し、より迅速に目標位置を得て追尾する「machine-to-machine process」である

●この演習での取り組みは、空軍リーダー達が発信してきた、将来の空での戦いの中核は、個々のシステムの能力ではなくネットワークだとのメッセージへのコミットを示すモノ
●ACCの将来計画課長は「本演習では、搭乗員は自身の航空機だけを考えるのではなく、他機との関係を重視してプランを練った」と訓練の特徴を説明した

昨年11月に空軍参謀総長は
Goldfein1-2.jpg●将来の米空軍は、個々のアセットの能力よりも、ネットワーク化をより重視する。
●どうしたら、敵が今まで直面したことの無いような迅速さで、収集した全ての情報を「意志決定に資するレベル」の情報に分析処理できるかを我々は考え続けている

●また、その情報処理伝達の改革効果を、如何に全ドメインに生かし、作戦運用の敏捷性につなげ、意志決定スピードの向上とあわせ、誰も対応できないレベルにすることで敵の抑止につなげたい
●また統合戦力が共通の作戦システムで連接され、(AIなど)machineを生かし、現状の人間による分析判断から脱却したい

NCCT3.jpg●米空軍は「Data to Decision」との新システムを試験しており、将来の統合戦闘を担うものだ。個々のシステムだけでは戦えず、ネットワークの一員として戦う事になる現実を前に、個々のアセット中心の考え方を越える必要がある
●例えば、F-35は統合戦闘に置いて「クォーターバック」の役割を担い、他アセットやシステムからの情報をリアルタイムで処理して提供し、戦場での意志決定をリードするだろう

●更に究極的には、十分に迅速で多層化され「重複性と強靱性」をネットワークが備えることで、一部が被害を受けても継続運用が可能な態勢を生み出すことになる
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米海軍のNIFC-CAとの関係が気になります
また、ネットワークが持つ電子戦や妨害への脆弱性をどう克服するかが気になります。

Aust-UK.jpg更にこの「Red Flag 17-1」演習には、英空軍タイフーン戦闘機や豪空軍のE-7早期警戒管制機も参加しており、同盟国との相互運用性がどこまで検証されたのかも気になります

日本は、戦闘機飛行隊数と戦闘機機数の維持だけしか考えていませんし、(共同開発国でないことから)F-35能力も購入決定した後に徐々に情報を得たような状況でしょうから、ネットワークに関して実質何もしていない状況でしょう。むなしいですね・・

「道遠し?NIFC-CAの現状は・・・」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26

将来の空を制するために
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「5世代機の訓練は実環境とシム融合で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-24-1
「世代間リンクが鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1

「現実的で低価格なF-15能力向上案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15
「Air Superiority 2030計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

「意味不明な日英戦闘機訓練」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-18

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道遠し!?:NIFC-CAの進展状況 [Joint・統合参謀本部]

「E-2D、F-35B、陸軍の対地巡航ミサイル、JLENSはNIFC-CAへの融合試験に成功しているが、F-35CとFA-18とEA-18Gはこれからだ」
「高価な自律誘導装置付の精密誘導兵器だけでなく、安価な誘導兵器が活用可能になる」

Navy-Air-War2.jpg23日までの3日間で開催され約15万人が参加した「WEST 2017」で、米海軍が対中国を強く意識した作戦構想として取り組むNIFC-CAの進展状況等について関係者が語っています。

「WEST 2017」は、米海軍協会等が主催する海軍&海兵隊&沿岸警備隊関係装備品の見本市と、関係者の講演やパネル議論が行われる行事で、今年はサンディエゴで開催されていますが、主要な海軍等関係者と企業関係者が勢揃いするイベントです

NIFC-CA(Navy Integrated Fire Control-Counter Air)については、米海軍等の作戦運用に直結することから、なかなか具体的な検討状況や進展具合が公表されませんが、断片的ながら冒頭に紹介した様な発言が出ていますので、ご参考まで取り上げます

NIFC-CAの基本については下記の記事で
「米海軍のNIFC-CAとは」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26

「最新型E-2早期警戒機が岩国へ展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-16
「F-35がNIFC-CA試験に初参加」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-14
「kill chainからkill webへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-15

「日本&韓国とBaseline 9契約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-28
「日本もNIFC-CAに参加?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-11
「SM-6でBMD対処に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-05

「Baseline 9 :イージス艦の進歩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09
「NIFC-CAとSM-6連携」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-27
「NIFC-CAで空軍と協力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-23

22日付米海軍協会web記事より
Aegis3.jpg●同会議で米海軍関係者は、見通し線外の目標が発見でき、その情報を迅速に正確に交戦参加者が共有できる世界がNIFC-CAで実現できれば、そこには従来多用してきた高度で高価な精密誘導兵器だけでなく、そうでない軽易な誘導兵器や通常兵器も選択肢に加わることになると述べた
●担当の米海軍中佐は、「より遠方の目標情報が、早期迅速かつ正確に、そして継続して得ることが可能な状況では、自らがセンサーや頭脳を搭載して遠方で自律的な行動を期待する高価な兵器は必要性が低下するだろう」と表現した

米軍は、敵の高価でない目標を攻撃するため、高価な兵器を使用して経費がかさむことを問題視しており、前述の中佐が言及した、誘導装置と目標情報を入手できる程度の装置を搭載した程度の比較的安価な兵器が活躍できる環境が期待されている
●ただ同中佐も、多様なセンサーやアセットをネットワークに組み込むことが容易でないことを強調し、異なるセンサーやアセットからの質やフォーマットの異なる情報を融合するには、長期間にわたる多様な試験とソフト面での工夫が要求されると語った

E-2D 4.jpg●それでも同中佐は、米海軍はNIFC-CAをより広い範囲に拡大し、より信頼性を高めるべく取り組んでおり、これが成就すれば、ネットワークに加わる航空機や艦艇が「スマートさ」を増し、経費も節約できると説明した

●パネル討議で別のNIFC-CA担当官は、米海軍はこれまでに、E-2D、F-35B、陸軍の対地巡航ミサイル(Joint Land Attack Cruise Missile)、JLENSのNIFC-CAへの融合試験に成功しており、今後F-35CとFA-18とEA-18Gとの融合試験に取り組み事になると現状を説明した

●また前述の中佐は、「(空中を対象とした)NIFC-CAの最後の部分は対航空(counter air)で、全体から見れば限られた部分だ」、「国防省内で米海軍は、この取り組みを全ドメインでどう活用するかを考えている」、
●そして「現在はNIFC-CAの第一章であり、今後、水上戦や水中戦での脅威にどう活用していくかも、現在ワシントンDCで検討されている一つの取り組みである」と語った
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ATACMS5.jpg陸軍の対地巡航ミサイルが既にNIFC-CAへの融合試験を通過していたとは・・ハリス太平洋軍司令官が南シナ海への「陸軍火力」の「出陣」を熱望していましたが、具体的に進んでいたんですねぇ・・・Happy Surpriseです!

飛行船のようなJLENSは、低空を侵入する巡航ミサイルを探知するためのセンサーですが、強風に係留鎖が切れて大きな被害を地上にもたらした事故で再開の目途が立たない状況です。
従って、要となるE-2Dと海兵隊のF-35だけが実質クリアーとなっているだけです

しかし、NIFC-CAの中核を担う肝心の海軍アセットFA-18やEA-18G、まだソフトが未完成とは言えF-35Cが「手付かず状態」とは、「日暮れて道遠し」感たっぷりです。

また、後日ご紹介する予定の米空軍NCCT(Network Centric Collaborative Targeting)との関係も気になります。米空軍が「高度にネットワーク化された次世代の戦いを支えるNCCT」と表現するものと、NIFC-CAは大いに同じ方向だと思うのですが・・・・

ハリス大将の南シナ海に陸軍火力発言
「南シナ海で陸軍に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16
「クロスドメインだ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05
「地対艦ミサイルで」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06

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Red Flag演習でのF-35成果とF-35座席問題の状況 [亡国のF-35]

F-35 ejection 2.jpg10日、米空軍F-35導入室長のScott Pleus准将がインタビューに答え、射出座席の不具合で体重61.7kg以下の操縦者にF-35搭乗禁止令を出している件について、座席等の改修方針の確認試験が3月で全て終了し、4月には「搭乗禁止令」解除の方向にあると語りました

しかし、4月に制約が解除されると言っても、改修方針が認可されるだけであり、実際に全ての座席改修が終了するには約2年必要と見積もられているようです。
なお、これらの見積もりは全て米空軍用F-35に関する話で、航空自衛隊用のF-35がどのような扱いになるのかは不明です

一方、米空軍内には問題の英国製座席(Martin-Baker製のUS16E)に対する根強い不信感があり、これまで米空軍の主要作戦機が使用してきた米国製(United Technologies製のACES 5)を代替候補として承認しておこうとの動きが続いており、「英国製に隙あらば座席変更」の可能性は否定できず、国家間の製造分担比率の絡む「火種」はくすぶり続けています

おまけで米空軍F-35が「Red Flag 17-1」でそれなりの実力を示し、延び延びになっている欧州パッケージ派遣に目途が立つのでは・・・と思わせぶりな14日付Defense-News記事が出ましたので、F-22との役割分担の考え方らしき部分も含め、戦闘機命派の皆様にお知らせします

13日付Defense-News記事によれば
F-35 Ejection.jpg●2015年に発覚したF-35射出座席の問題は、射出時に軽量操縦者が首を負傷する恐れがあるというモノで、対策とし座席に体重に応じた切り替えスイッチを付加して射出のタイミングを調整する事、射出時に頭を支えるパネルを座席に付加すること、更に操縦時に着用するヘルメットHMDの重量を約250g削減する事の「3つ」で対応を想定しています
●この3つの対策について種々の試験が進み、残りの試験は「電磁環境試験」で、様々な電磁波が飛び交う環境下で、座席が不時射出しないかを確認する試験です。

●最後となる同試験は3月に予定されており、その結果を受けて4月には体重制限を解除出来るのではないかとPleus准将は語った。この対策が実行されれば、要求性能値である体重約47~111kgの操縦者全てが搭乗可能となる
●対策が確定承認できたら、まずF-35操縦者を育成する教育訓練部隊のF-35の改修作業を優先して行うが、1機当たり2~3ヶ月必要と見込まれている。改修に必要な部品の調達は先行して手続きが進められているが、全機の改修完了には2年間必要だと国防省F-35計画室関係者は語っている

代替座席を求める声が依然強く
F-35 ejection 3.jpg米空軍内には問題の英国製座席を米国製に交換すべきとの声が依然として根強くアリ、今後更なる問題が英国製に発生した場合の代替座席を承認しておくべきとの声を受け、米空軍の調達担当部長であるBunch中将が国防省に対し、米国製座席導入のコストやF-35計画全体への影響分析を行うよう要求している
●米国製座席影響分析は3月が締め切りとなっており、分析結果を踏まえ、米国製座席の代替承認に米空軍は進むと見られている。ただし米空軍F-35導入室長のPleus准将は、現時点で私は米国製座席について何のデータも持ち合わせていないので、安全、価格、スケジュール等観点で何も言えないとのみコメントしている


米空軍F-35の「Red Flag 17-1」成果
10日までの約3週間行われた「Red Flag 17-1」は、これまでF-35が参加した事の無い厳しい脅威環境が設定され、米海兵隊F-35Bや米空軍F-22等のほか、英空軍タイフーン戦闘機や豪空軍のE-7早期警戒管制機も参加して実施された。
Pleus3.jpg●Pleus准将は同演習を、米空軍F-35が6~8機のパッケージで展開し、同盟国等と訓練等が可能かどうかを検証する意味でも「milestone event」だったと表現している

●昨年末、当時のJames空軍長官は2017年夏には米空軍F-35が欧州に展開可能になるだろうと発言していたが、地域戦闘コマンド司令官等から派遣要望が出るような実力を示す必要がある
●演習の最終的な分析はまだ出ていないが、空中戦闘では15対1で敵想定戦闘機に勝利し、地上目標攻撃では27目標中の25目標攻撃に成功(残り2目標は爆弾の不具合)、整備体制も90%の稼働率を確保

●Pleus准将はいつ欧州派遣が実現するかを明言しなかったが、全ての観点から新たなチャレンジを行う準備は出来ていると語った。当該F-35飛行隊長も「エキサイティングな事が控えているが、何も言えない」と言葉を濁している
●(ただし気になる発言としては・・・)演習に参加した作戦運用と維持整備関係者は、演習の最後の週になってF-35のパフォーマンスが向上したと語っていた。

3日付Defense-News記事では
F-35two.jpg●同飛行隊長はF-35Aの性能に関し、米海軍のEA-18G電子戦攻撃機の操縦者に「F-35ha多様な脅威とどのように戦うのだ?どのように妨害が可能なのか?」と問われたら、この様に戦うと説明できる
●EA-18Gとデータリンクで敵情報を共有して対処することも可能だが、EA-18Gが電子妨害など電子戦攻撃で敵を凌駕する一方で、F-35は「go ahead and take it out」が可能

●敵が優れた地対空ミサイル等を保有している場合にF-35は優れている。従来は最初に、スタンドオフミサイル等で敵SAMを排除することに全力を尽くす事から始めた
●しかし今回の「Red Flag」では、F-22がスタンドオフミサイルで制空戦闘機を排除し、F-35はサイバー宇宙電子情報アセットである「RC-135 Rivet Joint」とチームを組み、目標情報を共有し、ステルス性を生かして敵SAM射程内に進入して攻撃する。これは第4世代機には危険で不可能なやり方だ
///////////////////////////////////////////////////

本来なら、英国や豪州よりも先に、少なくとも同時期に、脅威の最前線にある日本の航空自衛隊は、「Red Flag 17-1」に呼ばれて同盟国としての作戦訓練や共同作戦の検証に参加すべきですがなぜか呼ばれません。安倍総理はトランプ大統領といち早く仲良くなったのに・・・

F-35 luke AFB.jpg日本は共同開発国ではなく、後出しFMS購入国だからとか、色々言い訳はあるでしょうが、日本がF-35の事をよく分からないまま、つまり日本が保有するF-15やF-2との連携など全く考えず、戦闘機飛行隊数と戦闘機総数の維持だけを考えて購入したからでしょう。
航空自衛隊のアセットが参加しても、何も出来ないんじゃないでしょうか・・・心配です・・・

まぁ・・・対中国有事では役立たなくても、最近話題急上昇の北朝鮮「策源地攻撃」とかを持ち出して、F-35を宣伝する輩が戦闘機命派に現れるのでしょう・・・

F-35の主要課題
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
F-3開発の悲劇と日本への提言
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18

F-35の射出座席問題
「射出座席問題に部分的対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-09
「米空軍に国防省と企業が反論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06-1
「米空軍が代替座席の検討依頼」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-25

「座席対策は2018年までか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-09-1
「責任譲り合い:F-35射出座席」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-17
「F-35軽量操縦者が飛行停止」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-02

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