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NATO緊張:ロシアが東欧で大演習へ [安全保障全般]

9月中旬に露軍10万人がベラルーシで!?

Belarus2.jpg8月29日、ロシアのAlexander Fomin国防副大臣が、9月中旬に東欧のベラルーシで1万人規模の演習を行うと明らかにし、「特定の国を対象としたものではない」と説明しています。

一方でNATOおよびバルト3国等は、実際に展開するロシア軍は10万人規模になると指摘し、演習終了後もロシア軍が兵力を同国に残置して「第2のウクライナ化」を進めるのではないかと懸念を強めており、地域の緊張が高まっています

折しも、米空軍のB-1およびB-52爆撃機が欧州に展開し、同F-15Cもバルト3国領空保全任務に乗り出すタイミングでもあり、ロシアとベラルーシの関係もそんなに単純ではないと指摘する専門家の見方と合わせご紹介します

8月30日付Defense-News記事によれば
Belarus3.jpg●29日Fomin国防副大臣はロシア駐在の武官団に対し、隣国ベラルーシで9月14~20日にかけ、露軍5500人、ベラルーシ軍7200人、航空機70機、戦車250両、大砲200門、艦艇10隻等が参加する演習「Zapad 2017 」を実施すると明らかにした
●そして同副大臣は、演習が外国勢力に支援された過激派組織への軍事対処を想定したもので、「演習の大部分はベラルーシ国内で行われるが、特定の地域の特定の相手を想定した演習ではなく、世界のどの地域にも適用できる状況を設定している」と説明した

●ロシアの脅威を訴える西側諸国の懸念に対し同副大臣は、「いろんな噂が流布され、同演習がリトアニアやポーランドやウクライナ侵攻と占領の足掛かりとなると主張する者までいる」と武官団をたしなめつつ、外国からの演習視察団を受け入れると語った
●しかし周辺国はこの言葉を信頼せず、バルト3国のエストニア国防相はロシアが10万人の軍を派遣するだろうと訴え、ポーランド副国防相もロシアの公式発表規模は信頼できないと述べている

NATOのStoltenberg事務総長も不信感を示し、演習視察に2名を派遣するが、ベラルーシが準備する視察では十分なモニターができないと考え、別の監視方法を検討していると述べている
ポーランド副国防相は、特に演習後もロシアが参加兵力をベラルーシ国内に残置することを懸念し、「もしそうなれば、地域に大きな負のインパクトを与える」とけん制している

ロシアとベラルーシの関係は?
Lukashenko.jpg一方で、ベラルーシとロシアの関係は単純ではない。専制的な政治を行っているベラルーシのAlexander Lukashenko大統領は、ロシアからの安価な石油と財政援助に依存しているが、ロシアによる同国の産業支配の動きを批判している
●また同国はロシア軍の早期警戒レーダーと海軍通信施設を受け入れているが、ロシアによる力によるベラルーシ支配を恐れるが故に、ロシア空軍基地の受け入れは拒んでいると言われている

●またベラルーシ大統領はロシアとの軍事関係を重視し、NATOの動向を非難する一方で、ロシアが実質支配する新ウクライナの承認は避けており、同様の位置づけにある元グルジアの南オセチア等の承認もしていない
モスクワ在住の軍事専門家は、ロシアはベラルーシに露軍を常駐させたいと望んでいるが、ベラルーシが東西激突の場になることを恐れるベラルーシ大統領はこれを強く拒むだろうと見ている

在ベラルーシの別の専門家もベラルーシ指導者はモスクワへの忠誠を示すことと、西側との関係維持とのバランスを追及すると分析している
●ベラルーシ軍の参謀総長は、9月末までには演習参加のロシア軍は全て国外に出て帰国すると説明している
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Belarus.jpg北朝鮮の話で持ちきりですが、こんな時こそ、「火事場泥棒」よろしく、ロシアや中国が悪だくみを企てそうですので、注意喚起のためご紹介しておきます。

しかし、地図で見れば見るほど、ベラルーシは戦略的な要衝ですねぇ・・・。バル3国とポーランドとウクライナに囲まれ・・・。

ベラルーシ美人で有名だそうですから、これを機会にお勉強してはいかがでしょうか?

ベラルーシのウィキベペイア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B7

「ベラルーシ 美女」検索結果
https://search.yahoo.co.jp/image/search;_ylt=A2RinFCSVKdZWioA9ESU3uV7?p=%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B7+%E7%BE%8E%E5%A5%B3&aq=0&oq=%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B7&ei=UTF-8

ロシア関連の記事
「米空軍爆撃機と戦闘機展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-24-1
「露をINF条約に戻すために」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-20
「米軍機と露軍機が接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-2

「モスルはISから解放されたが・・」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-11
「米軍機がシリア軍機を撃墜」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-19
「北極海ブームは幻想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-13

「対ロシア情報戦に国として」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-24
「欧州への米空軍派遣増加を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-08-1
「2016年のBALTOPS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-14
「北欧でも演習強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-29
「黒海NATO演習と露軍反応」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-03


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トランプが政治任用あきらめツイート!? [米国防省高官]

trump7.jpgまさかとは思いますが・・・
トランプ大統領ツイート
「政治任用ポストを全部埋めるつもりはない。多くは不要だ。政府の縮小だ」
We are not looking to fill all of those positions. Don't need many of them - reduce size of government.

8月29日朝、トランプ大統領が朝のテレビ番組のコメンテイターの言葉に反応し、冒頭のツイートを発信しました。

トランプ政権の政治任用ポストの候補者指名と、上院での承認手続きが遅れていることは何回かご紹介してきましたが、29日付Defense-News記事によれば、国防省関連では、合計583の政治任用ポストがあり、既に承認を受けたのが約2割の117ポスト、承認手続き中なのが106ポスト、そしてまだ候補者も決まっていないポストが6割以上の360ポストある状況です

また政府全体で見れば、合計約1200の政治任用ポストが、候補者未定または承認手続き中で埋まっていない状態だそうです

Ingraham.jpg番組はFoxNewsが朝6時から9時まで放送のニュース番組「Fox & Friends」で女性キャスターのLaura Ingraham女史がテキサス州の大雨&洪水映像を紹介しつつ、
●「6月以降で、 FEMA(米連邦緊急事態管理庁)の政治任用ポストで埋まったのは1ポストだけです」、「この(洪水)映像を見るに、スタッフが必要なのは明らかです
●「我々は北朝鮮の危機にも直面し、国中で信頼感への危機に直面しています

この番組を大統領が見ていたのか、数分後に冒頭(現物は以下に)のツイートが発信 されました
Trump twwet2.jpg






そしてIngraham女史は番組の中で(大統領のツイートに対し)「もし大統領が(空席ポストの)仕事を誰かに割り振って、本当に政府規模の縮小に成功したら、その言葉を信用してもいいわ」とコメントしています。
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トランプ政権は、政府の無駄や機能の重複をカットすることを掲げ、大統領就任後ただちに、見直しが完了するまで文民職員の採用を凍結しました。

trump5.jpgしかし上下院の議員たちは、緊要な重要ポストが空席で大統領の業務遂行を妨げていると、トランプのツイートでの主張は極端すぎると批判的です。

まぁ・・・犬も食わない感があるツイートですが、国防長官や国務長官が「肝を冷やして」いると思いますのでご紹介しておきます

トランプがらみの記事
「アフガン政策演説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-22-1
「米軍事メディア視点の北朝鮮騒ぎ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-14
「露発注の旅客機を米国大統領専用機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-05

「性同一性障害者を米軍排除」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-28-2
「国家宇宙評議会を設置」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-08
「インドと軍事協議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-28

「サウジにTHAAD提供?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01
「空母のEMALSはだめ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-13
「F-35値引きはフェイク?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-25

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米空軍が18年ぶりに飛行手当増額へ [米空軍]

士官で2割、下士官は5割増へ

Wilson6.jpg8月25日、退職者が急増して戦闘機操縦者ポストの2割に当たる700ポスト以上が空席ともいわれる米空軍パイロット不足に対処するため、Heather Wilson空軍長官が「ニンジン」ぶら下げ策と新人事制度を開始すると発表しました

「ニンジン」ぶら下げ策とは、ずばり米空軍操縦者が他の地上勤務員がとの差別化のために支給される飛行手当の増額で、新人事制度とは既に退職した元空軍操縦者を飛行職ではなく地上職として再雇用しようとするものです

米空軍は6月にも、パイロットとしての義務勤務期間を終えた者が勤務を延長した場合のボーナスを増額し、特に人手不足が激しい(退職者が多い)戦闘機操縦者には手厚く増額すると発表していましたが、今回は操縦者の基本手当部分を1999年以来18年ぶりに増額し、人材の流出防止を図ろうとするものです

米空軍操縦者、特に戦闘機パイロットの流出が増加している背景には、民間航空会社でパイロット雇用が増大し、楽で金銭面でも優位な民間への流出が止まらないこと、また10数年連続で続くテロとの戦いや対ロシア政策等のため海外派遣期間が長く繰り返されるようになっていることへの不満、更に予算不足から飛行訓練時間が削減される状況への不満等があるといわれています

米空軍は、参謀総長が直接民間航空会社幹部と話し合いの場を設けて「引き抜き自粛」を要請したり、無人機操縦者(RQ-4のみ)に下士官操縦者の導入に踏み切ったり、新人操縦者の卵をいきなりF-35に乗せて養成期間を短縮したり等々・・・いろいろ取り組んでいますが、根本的な解決には程遠いようです

8月28日付米空軍協会web記事によれば
Wilson4.jpg●25日Wilson空軍長官は、パイロットの引き留めと養成(retaining and growing pilots)、更にパイロットの欠員対策(addressing the personnel shortfall)のため、Mike Koscheski准将を長とする「搭乗員危機対策チーム:Aircrew Crisis Task Force」を編成すると発表した
●また空軍長官は、10月1日以降、米空軍の搭乗員が毎月受け取る飛行手当を1999年以来初めて増額すると明らかにし、士官の場合の最高額を2割弱アップの1000ドル(以前は840ドル)、下士官の場合は5割アップの600ドル(以前は400ドル)と発表した

注(笑)→従来「flight pay」と呼称も、今後は「aircrew incentive pay」と呼ぶそうです

Wilson_Goldfein.jpg●また現在の空席ポスト穴埋め策として、現役パイロットをなるべく司令部等のデスクワーク職から解放して前線部隊に配置できるように、退職した元空軍操縦者を再雇用して操縦者が務めるべき緊要なスタッフ職(non-flying, critical-rated staff positions)につけることを計画中だとも長官は語った
●(初の空軍士官学校卒業の空軍長官で、しかも女性の)Wilson空軍長官は、「米空軍の中には操縦者経験が求められるポストが多くある一方で、同時に現場部隊の飛行任務に就いているパイロットは現場でそのまま活躍させたい」と同対策の背景を語った

●また同長官は具体的に、「この制度で25名の元操縦者を再雇用してその見識を生かしたいと考えている。雇用契約の期間は基本的に12か月間である」と説明した
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国民の税金で要請されたパイロットが、処遇の良さを求めてどんどん退職して民航機の操縦者に流れるので、引き留め策として手当を増額する・・・との構図ですが、意外と一般国民の間で問題にならないものの、操縦者以外の空軍勤務者への影響を強く懸念します

空軍をリードするのは操縦者だと鼻息も荒く、実際主要ポストは操縦者が占め、部隊の士気やモラルについても見本を示すべき立場だと思うのですが・・・。米空軍の組織としての健全性がますます問われることになるのでしょうし、世界の空軍も同じ問題を抱えるのでしょう

Black History.jpgでもパイロットへの手当は極めてデリケートなもので、かつてパイロット以外の航空自衛隊トップが、致し方なく、飛行手当を削減して他の分野に割り振った結果、その空自トップの出身職域の後輩たちが、長期間主要ポストや人材選抜試験から意図的に除外された「黒歴史」があるようです。そしてその黒歴史は、若い操縦者が知らないところで「生田目バッシング」として脈々と語り継がれていると聞いたことがります

そして無人機に極めて消極的で、「ただ飛んでいたい(そして飛行手当をもらっていたい)」との思いしか感じられない空軍指導者たちへの「嘲笑」とともに、組織の一体感を着実にむしばんでいるのです。

米軍No2が空軍操縦者にケンカを売る!
「誰一人として私に、次期爆撃機が有人機である必要性を教えてくれない」、「核任務に有人型が必要だと言うなら、ICBMに有人型があるのか?」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16-1

ロバート・ゲーツ語録21
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19
国防省で制服幹部をたしなめている陸軍は未だにフルダ・ギャップでの戦いを望むのか? 海軍はまだミッドウェー海戦を夢見ているのか? 海兵隊は仁川上陸作戦をもう一度なのか? 空軍は単に飛んでいたいのか?→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02

操縦者不足の関連
「米空軍の戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22
「世界の航空業界は今後20年人手不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29
「機種別操縦者数で無人機がトップに!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-09

「米空軍よ、使い捨て無人機を考えろ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「最初からF-35に搭乗する飛行教育」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-06
「RQ-4操縦者の7割が下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13-1

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自衛隊PAC-3が在日米軍基地に展開訓練 [ちょっとお得な話]

yokotaAFB.jpg北朝鮮の北海道横断ミサイル発射で大騒ぎですが
本日、自衛隊PAC-3が米軍の横田と岩国基地で展開訓練

8月24日在日米軍司令部は、8月29日と9月7日に航空自衛隊の弾道ミサイル防衛システムPAC-3を、横田、岩国、三沢基地に受け入れそれぞれの基地で自衛隊PAC-3の展開訓練を支援すると発表しました。

8月24日付発表によれば
●航空自衛隊PCA-3ミサイルの展開訓練は、8月29日に横田基地と岩国基地で、9月7日に三沢基地でそれぞれ1日だけ実施され、日米両部隊の相互連携を試験し確認する
PAC-3.jpg●この展開訓練で、航空自衛隊部隊に防空ミサイル部隊の迅速展開訓練の機会を提供し、ミサイル部隊の適切な配備場所を吟味して確認する

●在日米軍司令官(兼ねて第5空軍司令官)のマルチネス中将は、「自衛隊部隊の展開訓練を歓迎し、訓練が成功裏に行われるよう日本と協力することを楽しみにしている」と語っている
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日本の国内法との整理などは専門家の皆様にゆだねるとして、日米連携が円滑に行われることは好ましいことです

防衛省からは航空自衛隊のHP上で、米軍発表から1日遅れの8月25日にこっそり告知されています
http://www.mod.go.jp/asdf/news/houdou/H29/290825_1.pdf 

告知によれば
PAC-3 2.jpg(1)今般の訓練は、航空自衛隊の部隊が、在日米軍施設・区域を展開地として、PAC-3の機動展開訓練を実施するものです。航空自衛隊が単独で行う訓練ですが、実施に当たっては米軍とも緊密に調整・連携しています。
(2)今後も引き続き、自衛隊施設以外に展開するものを含め、順次、全国的に同様の展開訓練を実施予定。

展開場所と展開部隊(群本部所在地)
横田飛行場には 第1高射群(入間)
岩国飛行場 には第2高射群(春日)
三沢飛行場 には第6高射群(三沢)

発表のタイミングは、日米でそろえたほうがかっこいいですね。。。


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米海軍初:無人機の照準情報で対艦ミサイル [Joint・統合参謀本部]

そうなんだ・・これも初めてなんだ!?

Harpoon.jpg8月22日、グアム島沖で訓練中の沿岸戦闘艦LCS「Coronado」が、無人ヘリからの目標情報により、米海軍史上初めてハプーン対艦ミサイルRGM-84D Block 1C)を見通し線外の水上目標に発射して命中させました。

またMH-60H有人ヘリも情報伝達リンクに加え、射撃後の攻撃成果確認も(BDA:Bombing damage assessment)行った模様です。MQ-8B無人ヘリは遠方監視用(C型は輸送用)で、MH-60Sは主に輸送を担う多用途ヘリ(R型が対潜哨戒用)で、共に沿岸戦闘艦に搭載されている装備ですが、これに必要なセンサー等を搭載し、今回の遠方目標ターゲティングを成功させたものです

敵がA2AD能力の発展で各種ミサイル等により遠方攻撃能力を増す中、米海軍はNIFC-CA構想の下、米海軍航空アセットの情報をリンクでつなぎ、より遠方から現有対艦及び防空ミサイルを発射しようと試みています。例えば、艦艇防空用のSM-6ミサイルを対艦ミサイルに応用し、E-2DやF-35によって得られた目標情報で攻撃しようとの取り組みです

MQ-8C.jpgMQ-8B無人ヘリやMH-60Sは敵の脅威に弱い装備だけに、実戦の場面で目標情報を入手する前方センサーとして活用する構想があるのか不透明ですが、搭載されたセンサーや他アセットのターゲティング情報で艦艇攻撃を行うのは「重要な一歩」ですので、「まだ初めてなんだ」とも思いましたがご紹介しておきます

また、「アジア太平洋リバランス」の目玉事業の一つとして数年前に打ち上げられた、シンガポールへの4隻の沿岸戦闘艦ローテーション派遣の現状についてご紹介します。

25日付Defense-News記事によれば
MQ-8.jpg●米海軍の発表によれば、沿岸戦闘艦「Coronado」に所属するMQ-8B Fire Scou無人ヘリやMH-60S Seahawkへりは、搭載した水上レーダーや光学センサー等々のセンサー情報をデータリンクを通じて母艦に提供し、対艦ミサイル発射後はその飛翔もモニターし、攻撃後はその戦果確認も行って母艦に伝えた
●MQ-8B無人ヘリには、「AN/ZPY-4(V)1 multi-mode radar」「FLIR Systems Brite Star II day-and-night electro-optical turret with a laser-target designator」が初めて装備され、艦艇に搭載された。

●「Coronado」は昨年10月からの約1年間に及ぶシンガポール派遣の最終段階にあり、同LCSが所属する第73任務機動部隊を指揮するDon Gabrielson少将は、「約5万もの島々が点在するフィリピンからインドまでの海域を担当する上で、同艦の作戦行動と維持整備が成功裏に行われたことを高く評価する」と語っている
●具体的には今回の派遣期間内に、同LCSの定期整備をベトナムのカムラン湾で実施する実績を収め、またフィリピンとの海賊対処共同訓練も行ったと同少将は成果を語った
●また現在のグアム周辺での訓練を終了後、同LCSは9月にスリランカとインドネシアに向かい、それぞれの国の軍と訓練を行う予定だと同少将は説明した

HH-60G.jpg●シンガポールのChangi海軍基地に4隻をローテーション派遣をシンガポールが受け入れることに合意しているが、2018年末までには、初めて2隻の米海軍LCSが同時にシンガポールにローテーション派遣派遣されることになると、同少将は明らかにした
●現時点でLCSは、5隻が任務についており、3隻が進水後に各種装備を搭載作業中で、2隻が建造中である

●沿岸戦闘艦は任務に合わせて多様なモジュールを選択して艦艇に搭載する「modularity」が特長だが、同少将は「このmodularityを実現することが将来には重要で、装備と人員の両面で、多様な任務と装備に習熟することで当地域の多様な任務需要に対応するようにする」と語っている
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LCSindep.jpg「アジア太平洋リバランス」の目玉事業の一つとして、新型艦艇LCSをシンガポールに4隻ローテーション派遣すると米国防長官(パネッタ長官)が打ち上げたのが2012年春でした。

同艦1~2隻の派遣については、前任のゲーツ長官時点(2011年)でシンガポールが同意していますが、6年前の政治的アピールさえまだ実現していないのが「アジア太平洋リバランス」の実態です。

Gabrielson少将が述べているように、2018年末に初めて2隻の派遣が実施されたとして、7年遅れの実現で、2012年に大々的に打ち上げた4隻体制の確立など期待しないほうが良いでしょう
実際のところ、2013年春にヘーゲル長官がLCSのシンガポール派遣に言及して以降、4隻ローテーション派遣に国防省は言及していません

今年の春、マティス長官はアジア安全保障会議で「私は地域の皆さんの話しを聞きに来た。ここで得た情報を元に、政策を煮詰めて生きたい」との主旨の発言をし、具体的なアセットの名前に一切言及しませんでした。これが米国防省のアジア政策で、コミットするとの言葉だけが泳いでいる実態です

無人機によるターゲティング情報リンクについては、今後MQ-8B無人ヘリやMH-60Sが実戦でもその役割を担う構想があるのかに注目したいと思います

関連の過去記事
「映像:MQ-8の着艦試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-25
「リバランスは終了。それで?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-15
「国防長官がLCS削減要請」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-18
「LCS2隻の派遣は同意」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-10

NIFC-CA関連の記事
「道遠し?:NIFC-CAの進展」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26
「米海軍のNIFC-CAとは」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26
「最新型E-2早期警戒機が岩国へ展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-16

「F-35がNIFC-CA試験に初参加」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-14
「kill chainからkill webへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-15
「日本&韓国とBaseline 9契約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-28
「日本もNIFC-CAに参加?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-11

「SM-6でBMD対処に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-05
「Baseline 9 :イージス艦の進歩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09
「NIFC-CAとSM-6連携」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-27
「NIFC-CAで空軍と協力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-23


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米空軍が次期ICBMと核巡航ミサイルの企業絞り込み [安全保障全般]

Nuclear weapon.jpg8月21日の週、米空軍は相次いで二つの大きなプロジェクト、つまり次期ICBMと次期核搭載巡航ミサイルの発注候補企業を発表しました

いずれのケースも、提案して敗れた企業は10日以内であれば訴えを起こす権利を与えられており、今後ごたごたの可能性を残していますが2つの事業に各2企業が選ばれ、合計4企業がチャンスを得たわけですが、4企業すべてが異なる企業で、結果的には事業の分散も図られた形になっています

結論は以下の通りです

次期ICBM(計画名GBSD)
GBSD2.jpg●8月21日、正確にはGBSD(Ground Based Strategic Deterrent)との計画に、ボーイングとNorthrop Grumman(現有ミニットマンⅢ担当)が選ばれ、ロッキードは選定から漏れた
●選ばれた2つの企業は、今後36か月間かけ、「technology maturation and risk reduction」活動を行う。ボーイングは約380億円、NG社は約360億円の契約を結ぶ
具体的な要求性能等については非公開となっており、ほとんど情報がない

●2企業から最終的な1社に絞り込まれるのは2020年度で、1970年代から使用中のミニットマンⅢの後継ICBMが初期運用態勢を確立するのは2020年代後半と予期されている
●F-35、次期爆撃機B-21や次期空中給油機KC-46Aに続く、最後の大物事業を言われる次期ICBMであるが、その経費規模は米空軍見積もりで6.8兆円だが、国防省のコスト評価部署は10兆円以上に膨らむと早くも警告を発している

次期核搭載空中発射巡航ミサイル(LRSO)
LRSO4.jpg●8月23日、正確にはLRSO(Long Range Standoff weapon)との計画に、Lockheed MartinとRaytheon が選ばれ、ボーイング(現有ALCM:AGM-86B担当企業)や参入を狙っていたNorthrop Grumman は選定から漏れた
●選ばれた2つの企業は、今後54か月間かけ、「technology maturation and risk reduction」活動を行う。Lockheed MartinとRaytheonはそれぞれ、約1000億円の契約を結ぶ。

●2企業から最終的な1社に絞り込まれるのは2022年度で、1980年代初めから使用中のALCM:AGM-86Bは約10年で耐用年数が来ると見積もられており、後継ミサイルが初期運用態勢を確立するのは2020年代後半と予期され、B-52, B-2 とB-21に搭載予定である
●次期ICBM以上に具体的な要求性能等について、情報が厳しく管理されており、ほとんど実態が明らかになっていないが、特に民主党議員からは、経費が膨大なる可能性と、通常兵器も搭載可能となることから核攻撃との誤解を与える等から、厳しい反対意見が出ている

●一方で共和党議員ら支持派は、現ALCMも核と非核弾頭両方が搭載可能で何ら変わりなく、敵の防空能力が強化される中、より遠方から発射できる突破力のある核巡航ミサイルが必要だとの声が出ている
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核態勢見直しNPRが行われている最中で、ICBMとLRSOに国防省がどの程度の能力や性能を求めるかも流動的だと考えられます。
現段階では米空軍の意向を反映した形で進んでいるのでしょうが、NPRをまとめる過程や結果で明らかになる国防省の考え方次第の部分の多分に残されていると思います。

mattis senate2.jpgマティス長官はLRSOに慎重な発言をした経緯があり、、またICBMが今後も本当に有効な投資なのかとの有力議員のアピールもあり、更に抑止の在り方全体をサイバーや宇宙戦を含めて考え直す時だとのもっともな提案もあり、どう転ぶかが注目される大きな案件です

軍需産業政策の観点からすれば、F-35計画という史上最大の装備品計画を担当のロッキードはICBMから外れ、その慰めにLRSOに可能性を残しつつ、レイセオンとしっかり競い合ってもらって力を発揮してもらおうとも読めなくもありません

ICBM後継に関する記事
「ICBM必要性に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「初のオーバーホールICBM基地」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-15
「ICBM経費見積もりで相違」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
「移動式ICBMは高価で除外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
「米空軍ICBMの寿命」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1

21世紀の抑止概念を目指す
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
「相殺戦略特集イベント」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「期限を過ぎてもサイバー戦略発表なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25

NPR(核態勢見直し)関連
「マティス長官がNPRに言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-15-1
「トランプ政権NPRの課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-09
「2010年NPR発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-07
「NPR発表3回目の延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-02
「バイデンが大幅核削減を公言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-19
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イスラエル御用達:小火器搭載の小型無人機 [ふと考えること]

在りそうで、実現できなかったレベルか!?

TIKAD.jpg18日付Defense-Techは、米国防省が「2016年のテロとの戦い賞:Winner of 2016 Terror Comabat」を授与し、イスラエル軍が正式に発注した小火器搭載可能なDuke Robotics社の小型無人機「TIKAD」を、コマーシャル映像と共に短い記事で紹介しています。

単純なものは中学生レベルでもできそうな気がしますが、本格的に西側の軍隊が使用しようとすれば、装置の安定性や信頼性な求められ、特に誤射の防止や照準の正確さなどを、小型無人機(quadcopter)でそのレベルを実現するのは容易ではなかったのかもしれません。

コマーシャル映像によれば搭載可能兵器は
SR-25 marksman rifle
M321A grenade launcher
M4 rifle

Duke Robotics作成の宣伝映像


小型無人機に目標識別用のカメラを搭載し、B5サイズのタブレット型操縦装置で簡単に操作可能で、実戦環境の中でも容易に使用可能とのアピールです

TIKAD2.jpg特に「売り」になっているのは、小火器発射時の衝撃を吸収する機構を搭載し、無人機そのものの飛行安定を大きく崩さず、短時間で再射撃が可能な構造になっている点の様です

でも・・・テロ組織や敵対国がすぐにコピーを作成し、敵戦力として対峙するような気がしてなりません・・・。

多種多様な無人機を巡る悩み!?
「イラン無人機が米艦載機を妨害」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-09
「米が無人機輸出規制緩和へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-04
「中国がサウジで無人攻撃機の製造修理」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-29
「中国が高性能無人機輸出規制?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03

無人機対処の関連記事
「民間ドローン撃退方針指示」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-08
「海兵隊も対処に悩む」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-17
「ACC司令官が対処権限を要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-15

「イスラエル製を17億円で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-28
「DroneDefenderをご紹介」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-30
「IS無人機で初の犠牲者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-15-1


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Northrop-Gも世代間&5世代機間リンクに名乗り [米空軍]

F-16 RefuelAFG2.jpg8月23日付Defense-Newsは、米空軍が長く問題として解決策を探っている異なるデータリンクを保有するF-22とF-35との間の情報共有問題に、Northrop Grumman社がグローバルホーク搭載型の通信中継装置で対処する提案を米空軍に行い、採用の可能性が高いと報じています。

また、この通信中継装置を用いて、もう一つの懸案である第4世代機と第5世代機との間の情報共有も可能だと売り込んでいるようです

これまで何回かご紹介してきたように、第4世代機は「Link 16」とのデータリンクを、F-22はより高度に迅速に秘匿状態でリンク可能な「IFDL:Intra-Flight Data Link」、F-35は高度で秘匿通信が可能だがF-22とは異なる「MADL:Multifunction Advanced Data Link」を使用しており、相互に情報共有ができないと言う問題を抱えています

F-15C-Arctic.jpg5月にはボーイング社が、第4世代機とF-22間のリンクを可能にする「Talon HATE airborne networking system」を開発し、試験で所望の成果を得たとご紹介しましたが、今回は別の大手企業が異なる第5世代機間のリンク通信に新たな提案を行い、第4世代機との情報共有にも活用可能だと売り込んでいます

共に、結局は下のレベルの「Link 16」を活用する情報共有策で、第5世代機が搭載する「IFDL」や「MADL」の良さを最大限生かすことは出来ず、通信の秘匿性も不十分なようですが、緊要なデータをリンクで共有することが可能なようです

8月23日付Defense-Newsによれば
●Northrop Grumman社が提案したのは「Freedom 550」との通信中継装置で、これを30時間以上連続して飛行可能なRQ-4グローバルホークに搭載して使用する方式である。
Freedom 550.jpg●既にRQ-4のBlock 20に別の通信中継機材を搭載した形態の「E-Q4」が、BACN(Battlefield Airborne Communication Node)として、イラクやシリアの上空でほぼ常時継続的に活動を行っている。
●例えば米空母艦載機のFA-18は、空母や艦艇との通信を維持する必要があるが、低空を飛行したり地形の関係で通信を直接維持することが難しいことがあり、その際この「E-Q4」が大いに活躍している。そして「E-Q4」には、まだ「Freedom 550」を搭載するスペースが残されている

●「Freedom 550」は、マルチ周波数でソフト管理式の無線中継装置で、F-22やF-35が搭載する「IFDL」や「MADL」のデータ共有を「J-series messages via Link 16」で実現する装置である
また同装置は、第4世代機(F-15やF-16)と第5世代機(F-22やF-35)のデータ共有を可能にする装置でもある。

F-22Hawaii3.jpg●Northrop Grumman社は既に、第4世代機と第5世代機のデータ共有試験をシミュレーションと実機を使用した複数の環境でデモ実証しているが、F-22とF-35の間の実機を使った検証や、グローバルホークに同中継装置を搭載した試験は行っていない
●しかし同社は今年年初、英国空軍と協力し、2週間にわたり「Babel Fish III」と呼ばれる検証デモ試験を行い、F-35Bとユーロファイター間を「Link-16」でデータ共有させた実績がある。ただしその際もF-35BのMADLデータは共有できていない

●米空軍は今後F-35が戦力の中心になる事を見据え、2010年代当初にF-22のIFDLをMADLに交換しようと試みたが、予算上の制約等々から結局実施されなかった。そしてF-35開発の遅れと調達の遅れを受け、第4世代機の延命が具体化する中、多数の第4世代機と5世代機のリンク問題もクローズアップされるようになった
●米空軍がNorthrop Grumman社の提案を採用するか、ボーイングの「Talon HATE」など他社の提案を採用するかはまだ決定されていない
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F-35 clear2.jpgNorthrop G社の担当幹部が、「It has the ability to pull the fifth-gen comms — the secured comms — and then it can bridge it over to an unsecured network, if you want, like Link 16 or SADL」、「It allows those secure comms to talk to each other」と、「Freedom 550」を説明していますが、「Link-16」を利用することで「secured comms」が保たれるのか良くわかりません

いずれにしても思います。第4世代も第5世代機も、この航空機さえあれば完璧だ・・・みたいな過剰宣伝&過剰広告でキャンペーンして開発と調達にこぎつけたものの、実際の脅威は異なる方向に進化していて、どの世代の戦闘機も機種も、みんなが協力して戦いえるようにしないと敵と戦えない時代に入っていると言うことです。

今や、「a family of system」として戦うは米空軍内の共通認識になっていますが、ほんの数年前までは違ったんですよねぇ・・・

世代間や機種間リンクの記事
「Red-FlagでF-22リンク問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-02
「世代間リンクに対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-10
「世代間リンクが鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1


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米爆撃機2種欧州展開と欧州対策に警告 [Joint・統合参謀本部]

対露で欧州にもB-1とB-52爆撃機派遣

B-1B.jpg8月23日付米空軍協会web記事が、対ロシア抑止のための一環として米空軍の大型爆撃機B-52とB-1が英空軍基地に派遣され、東欧諸国(スロバキア、ポーランド、チェコ)等で航空ショーや演習に参加すると報じています

この大型爆撃機派遣は、米軍がロシア対処のため2015年から開始し、今年は昨年の4倍増の予算で推進しているERI(欧州確証取り組み:European Reassurance Initiative)の一部と見られますが、一方で米国防省の監理監察官は、このERIの遂行体制や有効性検証体制が不十分であると指摘する報告書を22日に公表しており、併せてご紹介します

また7月に米海軍FA-18がシリア上空でシリア軍SU-22を撃墜して以来、緊迫していると考えられている同地域での米国とロシアの関係に関し、多国籍部隊側の幹部が、対ISIS作戦がますます密集して混雑する中でも、両国間の作戦調整電話回線が有効に機能していると23日にブリーフィングしているので取り上げます

米空軍大型爆撃機の英国展開
B-52-UK.jpg8月23日に米空軍のB-1爆撃機2機とB-52爆撃機1機が、英国空軍のFairford基地の到着したと米欧州コマンドが発表した。
●これら爆撃機は、8月26~27日にスロバキアで開催される「Slovak International Air Fest」と、ポーランドでの「Radom International Air Show」に参加する予定である

●またその後、8月28日から9月9日までの間にチェコで実施される毎年恒例の演習「Ample Strike 2017」に参加し、昼夜連続の攻撃訓練に焦点を当てた訓練に望む予定である

F-15Cもバルト3国とアイスランドに
F-15C.jpg●また欧州米空軍は、空軍戦力を持たないバルト3国の領空保全のため、英国配備中のF-15Cをリトアニアに派遣すると発表したした。現在ポーランド軍F-16が担当している任務を引き継ぐもの
米空軍が同任務を担当するのは2014年以来で、9月から2017年末まで担当する予定

●また23日、米本土の州空軍所属の6機のF-15Cがアイスランドに展開し、領空監視任務を実施すると欧州米空軍が発表した

米国防省監察官がERIに注意喚起
East-Euro22.jpg22日に米国防省監理監察官が発表したレポートは、(昨年比で4倍になる)ERI予算に伴って急増する欧州コマンドの作戦や演習について、同コマンドの人員やインフラ等が十分に整う前に実施しなければならなくなる恐れがあり、リスクを伴うと注意喚起を発している
●また同レポートは、欧州コマンド自身もERI実施に伴う各種影響や効果を把握する「評価基準:metrics」や手段を保有しておらず、ERIの結果を把握し、以降の改善につなげる準備が出来ていないとも指摘している

●監察官はERIの一環である「大西洋の決意作戦:Operation Atlantic Resolve」に関する動きを中心に評価を行っているが、同時に(予算の強制削減の恐れから来る)将来の予算の不透明・不安定さも、ERIの有効性のリスクの一つとなっているとも指摘している

シリアでの米露調整ラインは有効に機能中
●23日、対ISIS作戦多国籍軍の副司令官であるRupert Jones英陸軍少将が記者団にブリーフィングし、シリア内の作戦は(ISISの勢力範囲が狭まり、対IS側が集中する傾向にあることから)「より混雑してきている」が、多国籍軍側とロシア側との作戦調整回線は「有効に機能している:serving us very well」と語った
ISIS-TOYOTA.jpg多国籍側が支援するシリア民主軍と、アサド大統領側の軍が、「Tabqa and Manbij」のような地域で近接して作戦すること増えつつあるが、「緊張緩和の要領は手順どおりに遂行されている」と同少将は語った

●また同少将は、「手順を確立しており、如何に緊張を緩和し、衝突を回避するか把握している」、「今後は更に戦域が狭くなって混雑すると予想される」とも表現した
●米軍が支援するシリア民主軍は、約2500名のIS戦闘員が固める都市「Raqqa」に向かって進撃しており、多国籍側作戦機が攻撃を行っているとも説明した
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最後の「シリアで米露調整ラインが有効に機能」は、昨今の北朝鮮を巡るロシアの動向を踏まえるとにわかに信じがたい部分ですが、英陸軍少将が嘘を言う必要もないので、ロシアにとってもISIS後のシリアやイラクを考えての態度なのでしょう

欧州正面でロシアにも目を配らないいけない米国は大変です。
ロシアも、米軍が疲労困ぱいで必死の遣り繰りの中でERIに取り組んでいることは十分承知しているでしょうから、効果の程は良くわかりません。それこそ「評価基準:metrics」が必要かもしれません。

F-15J.jpgそういえば日本でも、戦闘機命派がアピールする東シナ海での対領空侵犯措置(スクランブル対処)に関し、本当に現在の日本の法的基準や行動基準で、またこれだけハードに投資して有効なのか、何らかの「評価基準:metrics」が必要だと思います

まんぐーすは、ソフト面で強化することにより、ハード面への投資負担を減らす方向に舵を切るべきだと思います

ERIに関連する記事
「対露の欧州米軍予算4倍を説明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-16-2
「欧州への派遣や訓練を増加」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-08-1
「F-35初海外はやっぱり英国」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-21
「F-35海外展開訓練発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-15

中東での米露関係
「米FA-18がシリアでSu-22撃墜」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-19
「モスルはISから解放されたけど」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-11

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ロッキード社:PAC-3の航空機や艦艇搭載も!? [安全保障全般]

Cahill.jpg17日付Defense-Newsが、Lockheed Martin社の防空&ミサイル防衛担当副社長の発言を紹介し、同社が製造する「PAC-3」「PAC-3 MSE」「THAAD」や「MHTK」の将来方向について、「他のドメインでの活用」や「機能向上&付加」などの視点から語る様子を取り上げています

米国防省や米軍から正式な研究開発依頼があったわけではないと慎重な姿勢を見せつつも、地上配備が前提で開発配備されてきた上記兵器システムを、異なるドメインである海軍アセットや空軍アセットに搭載したり、従来とは異なるセンサーと結びつけることを、脅威の変化から自然なことだと取り組んる様子が伺えます

ついでにこれを機会に、イラクでの米兵士の死亡の2番目に多い原因である敵の「rocket, artillery and mortar (RAM) 」対策として開発された、同社の「MHTK」について少しご紹介したいと思います。ちょっとだけですが

17日付Defense-News記事によれば
PAC-3 Saudi.jpg●17日、ロッキード社防空&ミサイル防衛担当副社長であるTim Cahill氏は、 Space and Missile Defense Symposiumで少数の記者団に対し、既存の防空&ミサイル防衛兵器を他のドメインで使用することや、新機能を付加することに投資していると語った
●そして「全長約6mから50㎝までの防空&ミサイル防衛兵器を開発製造してきたが、これらを伝統的なドメイン以外でどのように活用しようかと考え始めている」と記者団に語った

●例えば「PAC-3 MSEを以上配備以外で活用できないか、パトリオットシステム全体を艦艇に装備できないか、航空アセットにはどうか」との問いである。
●その検討は、ロッキー社内にある他部門のセンサーと結びつけられないか、例えば「Long Range Discrimination Radar」、「Space Fence」、「Q-53 counterfire radar」等とはどうかとの問いである。
そしていろいろな組み合わせやマッチングを検討した結果、従来システムの組み合わせで大丈夫との結論が得られた分野もあると同副社長は説明した

PAC-3 MSE.jpg●またCahill副社長は、幾つかの組み合わせや新能力は契約に近づいているとも語ったが、細部には言及を避けつつも、「皆さんも遠からず知ることになるだろう。防空&ミサイル防衛兵器を他軍種のシステムと連接するような試みをである」と語った

●更に他の取り組みとして、既存のシステムを他のアセットに搭載することに言及し、「例えば、陸軍が運用しているPAC-3 MSEを、他軍種アセットに搭載することも検討している」、「F-16ではないだろうが、F-16より大きな機体で大型ミサイルが搭載可能なもの」、「航空アセットも想定外ではないし、艦艇アセットも想定外ではない」と語った
●ただし同副社長は、航空アセットの場合、より小型のミサイルがよりフィットするだろうとも語り、「PAC-3とMHTKの中間ぐらいの大きさで、2~2.5mぐらいの全長の物」と言及し、「全タイプの航空アセットに搭載可能なhit-to-killタイプの詳細なコンセプトに、積極的に取り組んでいる」と語った

●また同副社長はTHAADの発展型にも言及し、射程を延伸し、センサー能力も向上させ、超超音速兵器(hypersonic weapon)にも対処できるような能力を付加したいと語り、「検討の最中なので細部を語れないが、射程を延伸し、対処高度を増すことを疑いなく求められるだろう」と表現した

MHTKについて
MHTK.jpgMHTK(Miniature Hit-to-Kill)は、イラクでの米兵士死亡の2番目に多い原因である敵の「rocket, artillery and mortar (RAM)」 や無人機兵器対策として開発された兵器システムである
全長73㎝、直径5㎝、重さ2.5㎏のMHTKは、弾頭を搭載せず、運動エネルギーで「Hit-to-Kill」を狙う兵器。1個の発射機に36発搭載され、トラック1台に2個発射機が搭載できる大きさである
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兵器技術の拡散に伴い、弾道・巡航ミサイルから「rocket, artillery and mortar (RAM) 」、更に無人機まで、潜在的敵国にはこれら安価で入手が容易な兵器があふれることになります。

THAAD2.jpg上記のロッキード社の取り組みも、効果があるかどうか、費用対効果はどうなの・・・との精査は必要ですが、西側諸国軍が取り組みべき喫緊の課題です。

少なくとも、近年の脅威の変化を象徴するこれらの兵器は、我が国が「なぜか必死に優先して投資する」戦闘機の運用基地対しに極めて有効です。

お馴染みの関連記事・何度でも!
「F-3開発の動きと日本への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「2016中国の軍事力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15 

「織田邦男の戦闘機命論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-06
「中国報道:J-20が運用開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-14
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02

「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

「ACC司令官も電子戦機を早期に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27
「20年ぶりエスコート電子戦機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-20


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