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あの38 NorthがStimsonへ移籍 [ちょっとお得な話]

日本人が共同ディレクターの東アジア部門に所属へ

Stimson 38N.jpg17日、ワシントンDC所在のシンクタンクStimson Centerが、ジョンズホプキンス大学SAISを去ることになった北朝鮮ウォッチ&分析で著名な「38 North」を、6月1日から同センターの東アジア部門所属として迎え入れると発表しました。

「38 North」は米国務省等で北朝鮮及び朝鮮半島情勢を見てきたJoel Wit 氏らが、2010年にSAISの米韓研究所(USKI)の部署ととして立ち上げ、核物理学研究者・AP通信元北朝鮮支局長・サイバー専門家等をメンバーとして運用してきたwebサイトです

「38 North」→https://www.38north.org/

特に、商用衛星画像を丁寧に分析し、北朝鮮の核兵器や弾道ミサイル開発等をタイムリーにサイト上で分析提供したことで世界に知られ、世界中の著名メディアがそのサイト情報を日々フォローしているところです

なぜ「38 North」がSAISの米韓研究所を離れることになったのか承知していませんが、南北が接近融和ムードの中、北朝鮮を厳しく冷徹な目でフォローしてきたチームに対する韓国側からの資金支援が難しくなったのかもしれません(100%邪推です)

Tatsumi_2.jpgそんな中、注目を集める北朝鮮情勢フォローに欠かせない「38 North」を、極東の安全保障を考える基礎情報を提供してきた「38 North」を日本女性辰巳さん(日本部門担当)が中国部門担当の中国女性と共に共同ディレクターを務めるStimson Center東アジアチームが引き受けるとの報は、日本人として喜ばしい限りです。

公式には6月1日からStimson Center所属になるということですが、既に「38 North」webサイトの上部には「Stimson」のバナーも見られ、移籍はスムーズに行われているようです。

以下では、移籍を発表するStimson Centerのwebサイトから、関係者の言葉をご紹介します

17日付Stimson Center発表によれば
Stimson 38N2.jpgStimsonのCEOであるBrian Finlay氏は、「歴史上の時を迎えている朝鮮半島は、事実に根差した高品質な情報分析を求めている。38 Northは他を凌駕し、今の時代に最も重要な事象へのタイムリーな用法を提供する。このような38 Northチームを向かい入れることができることは望外の喜びである」と述べている
●Stimson東アジア部門の共同ディレクターを務める辰巳さんとYun Sunさんは、「朝鮮半島の動向は目を離せない状況にあり、このタイムミングで38 Northチームとその専門能力をStimson Centerに迎えることにスリルに似た感情を覚える」とコメントしている

38 Northを代表してJoel Wit氏は、「Yun SunさんとYuki Tatsumiさん。そして故Alan Romberg氏によって導かれたStimson Centerのチームは、東アジア分析におけるリーダーとしての役割を果たしてきた。私は同僚のJenny Town及び38 Northチームと共にStimsonと協力し、朝鮮半島情勢に関する実践的で偏りのない分析を引き続き提供していきたい」とのコメントを寄せている
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大小100個とも言われる各種シンクタンクがしのぎを削るワシントンDCで、なぜStimson Centerが38 Northを引き受けることになったのか・・・。そのあたりの背景や道筋を是非お伺いしたいところです・・・。

Stimson.jpgちなみに辰巳さんはSAISで修士号を取得され、その在米日本大使館での専門調査員等を経て、Stimson Centerでの研究員生活を始められたとどこかで拝見したことがあり。このSAIS繋がりでしょうか・

北朝鮮ウォッチを日中共同チームでやるような、政治の世界では決して実現しそうもない枠組みの成立ですので、ぜひ応援したいものです!!!

Stimson辰巳さん関連の記事
「防大同期3将軍パネル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-09
「Tokyo Trilogy」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29
「靖国参拝に日米最前線の声」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-07
「オバマ政権のAsia担当は?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-14-2
「強制削減DCの雰囲気は」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-02-09
「強制削減を再整理」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-28

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那覇からより尖閣に近い中国空軍基地が拡大中 [中国要人・軍事]

西沙諸島のWoody島と推察される基地に複数の爆撃機が
また台湾に隣接する中国空軍基地も拡張中

Woody Island3.jpg14日付及び18日付Defense-Newsが、中国軍の東シナ海と南シナ海での活動を報じ、南シナ海では(推定)西沙諸島Woody島で離発着訓練を行う最新型の大型爆撃機H-6Kを中国国防省が大々的に公表し、また台湾と尖閣諸島近傍の中国空軍基地が強化されている様子を紹介しています

中国は本当にしたたかです北朝鮮をめぐる政治劇(ショー)に世界の目が向いていいる隙に、あれだけ問題視されていた南シナ海での埋め立てを粛々と完了し、対台湾や東シナ海でも着々と備えを行っているのですから・・・

18日付記事でまず南シナ海での活動を断片的
H-6K Woody.jpg中国国防省によれば、中国空軍は戦略爆撃機を初めて南シナ海(具体的地名には言及せず)の埋め立て基地に着陸させ、搭乗員に必要な技量習熟の機会を与えたと発表した
長射程巡航ミサイル(KD-20 or KD-63)をメイン兵器(6発翼下に搭載)とするH-6Kを含む複数のタイプの爆撃機が訓練に参加した

●H-6K爆撃の行動半径は2200nmと言われており、今回の訓練に参加した同爆撃機が、機動展開して離陸した中国南部の基地からWoody島まで1200nmであることから、また中国が公開した映像等から、Defense-Newsは訓練場所がWoody島と推測する
●なお中国は、H-6Kに空中給油機能を付加したH-6N型の開発を進めており試験飛行画像が公開されている。また搭載巡航ミサイルは核兵器搭載型も開発中で、給油機能と合わせ、完成すれば中国の戦力投射能力が格段に向上する

那覇からより尖閣に近い中国空軍基地が増殖中
Taiwan near AB.jpg●14日付Defense-Newsによれば、台湾から160nm(約290km)、尖閣諸島から225nm(400km)の位置にある中国本土の中国空軍基地(near the town of Xiapu, Fujian Province)で、航空機増強に備えた各種施設整備が急ピッチで進んでいる
●なお、自衛隊の戦闘機が配備される那覇基地は、尖閣から260nm(470km)離れており、日本が領有を主張する尖閣諸島により近い位置の中国空軍基地が強化されているのである

●2012年に完成した同基地は、これまで戦闘機(Su-30やJ-11)が12機程度の単位でローテーション派遣され使用されてきたが、これら施設整備の状況から、戦闘機等が常駐配備されるであろうと専門家はみている
約3500mの滑走路一本を備えた飛行場には、戦闘機が十分格納できる強化格納庫が20個ほど分散構築されているが、これに加えて、24個の強化格納庫や付属するタクシーウェイや付属施設が新たに確認できる

Taiwan-China.jpg●そのほか、新たな5棟の兵舎や駐車場のほか、新たに整地準備が進んでいる場所も確認でき、今後も施設拡張工事が進むと専門家はみている。従来の中国空軍基地では、格納庫は横一線に並んで建設されてきたが、この基地では実戦的に格納庫が分散配備されている
●最近、中国空軍の爆撃機H-6Kや情報収集機や戦闘機が、宮古海峡を通過して太平洋に進出したり、台湾を一周したりの活動を活発化しており、5月11日は新型のSu-35がこれら活動に初参加したと中国国防省が公表していた
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北朝鮮騒ぎの間に、着々と、粛々と、東シナ海や南シナ海でやりたいことを進める中国は本当にしたたかです

日本は、日本国民はその逆です。この大事な時に○○民主党など「政治屋」によるの「もりかけ&セクハラ」騒ぎで脱線したまま、「マスごみ」によるくだらない番組の垂れ流しで国民の見識は低下するばかりです・・・

西沙諸島の関連記事
「南シナ海で埋め立て完了」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-17
「CSISが注目」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-13
「塩害対策が鍵か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-10
「西沙諸島に中国戦闘機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02-1

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次の太平洋空軍司令官は黒人パイロット [米空軍]

Brown.JPG16日、トランプ大統領は次の太平洋空軍司令官、つまり有事に対中国や対北朝鮮航空作戦を指揮する人物に現在中央軍副司令官を務めるCharles Q. Brown中将を推薦しました。なお同中将は既に、中東地域の航空作戦指揮をとる中央軍空軍司令官も経験しています

同中将は併せて大将への昇任も上申されており、議会で承認されれば、現在同司令官を務めるTerrence O’Shaughnessy大将が北米コマンド司令官に栄転した後の後任者になります。

Brown中将は、テキサス工科大学出身のF-16パイロットで、技量優秀な操縦者が務める「Weapons School」司令官経験がありますが、2008年5月に韓国Kunsan戦闘航空団司令官を終えた後は、中東べったり(欧州も少し含むが) の経歴で、頭を切り替えていただく必要がありましょう

Charles Q. Brown中将の経歴表を見ると
Brown2.jpgアジア経験は、中尉時代に韓国KunsanでF-16パイロットとして1.5年、大佐である同基地司令官として1年間のみ。朝鮮半島情勢が不安定な中、太平洋軍や太平洋空軍司令部のあるハワイ勤務経験はなし
●F-16操縦者としては米国内基地を複数経験し、「Weapons School」教官や司令官を務めた技量優秀者と推察。また米空軍大学のACSC(指揮幕僚コース)を優秀成績者として卒業した、頭脳明晰な人物と推察

●ワシントンDC勤務では、米空軍参謀総長の副官や空軍長官直属の特別検討チーム長を務めた経験を持ち、将来を嘱望されたパイロットであることが伺える
●経歴の特徴は、最近の中東エリアべったり感少佐時代の1997年から中央軍司令部の航空作戦スタッフを経験し、その後、韓国Kunsanやイタリアで航空団司令官を務めた後は、2011年から中央軍一色の職歴

●具体的には、中央軍作戦副部長、中央軍空軍副司令官、(欧州空軍作戦&戦略抑止部長をはさみ)、中央軍空軍司令官、そして現在は中央軍副司令官と、対シリア、対イラク、対アフガンの作戦に集中していた人物
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Brown3.jpgアジア勤務が韓国での飛行運用だけ、しかも2008年5月が最後・・・というのは不安材料です。日本や太平洋軍司令部の経験がないのも気になります

まぁしかし、これは仕方のないこととして、急いでお勉強していただく必要がありますが、パイロットとしての勘の良さと、中東地域の実戦感覚をアジアでも生かしていただきたいものです

太平洋軍関連の記事
「ハリス大将の後任は」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14-1
「現太平洋空軍司令官の危機感」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10-1
「史上初の空軍幹部か!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-21-1

在日米軍の変化を語る
「有事に在日米軍戦闘機は分散後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02
「岩田元陸幕長の発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-09

「再度:嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-25
「嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-23-1
「中国脅威:有事は嘉手納から撤退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13

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米空軍操縦者不足:F-35教育部隊の苦悩 [亡国のF-35]

最も初期型のF-35を操縦者養成に使用する部隊の苦悩をご紹介

F-35 Sun-Set.jpg7日付Military.comが米空軍長官と共にフロリダのエグリン基地への訪問取材記事を掲載し米空軍F-35操縦者養成を支える第33戦闘航空団司令官へのインタビューを紹介しています

米空軍はパイロット必要数の2割不足しており、その流出が止まらない状況にあることから、手当てを増やしたり人事制度を見直したりして対応していますが、なかなか効果が見えません

そんな中、パイロット養成数を増やして穴埋めを行おうとしているわけですが、養成最前線は未成熟なF-35と部品不足と航空機不足等に悩まされ、限界状態にあるようです。

確か米空軍は、関係要員へのメディア対応を再教育するため、半年ほど取材受けを制限しているはずですが、この突撃レポートが成立したのは、「予算不足で部隊は大変なんだ!」と組織として訴えたいからでしょうか???

でも結果として、F-35開発計画のでたらめが、部隊に負担をかけていることを証明する結果になっているとしか読み取れないのですが・・・

7日付Military.com記事によれば
F-35A Eglin.jpg米空軍のF-35導入計画や要員教育計画では、エグリン基地は107機のF-35を受け入れ教育訓練を行う予定となっていた。しかし騒音問題で地元自治体から訴えられ、59機にまで受け入れ上限を絞られた。
●しかし実際には、その上限に20機以上も足りない25機で操縦者養成を行っている状態にある。第33戦闘航空団のPaul Moga司令官は、「あと12機増えれば飛行訓練を6割増加出来、1個飛行隊分24機増やせれば、操縦者養成数を倍増以上にできる」と訴えた

●Moga司令官はまた、エグリン基地には機体を駐機したり維持整備する格納庫スペースもあり、整備部隊も配備され、飛行訓練空域も十分にあると語り、活用できるアセットが十分生かされていないと訴えている
●同航空団は既に部隊レベルで可能なあらゆる手段を講じて飛行訓練数を増やしており、例えば「hot swaps」との方法で操縦者を地上で交代させ、限られた機数の機体を最大限に活用して飛行訓練を行う努力まで行っている

●だだ、機数が不足していることだけが部隊の苦労を生んでいるのではない。同航空団の機体はF-35の中で最も初期に製造された機体で、ソフトももっとも初期型の2Bを使用しており、「生命維持装置をつけながら使用している」と司令官が表現するほど維持整備に手間が必要な状態だ
●ちなみにF-35のソフトは、2B→3I→3Fと既にアップグレードが進行中で、国防省のF-35計画室は、2020年代前半に投入を目指している要求性能を完全に満たす「Block 4 software」開発に向けた取り組みに注力し始めている

F-35A Eglin2.jpg●また初期型ゆえに必要な期待改修計画が空軍計画で組まれており、機体が使用できないことも多いし、ソフトが最も初期型であることから、機体性能の最大発揮ができず、教育の中で部隊で使用している機体のソフトを経験することができない
●更に、F-35部隊全体で問題になっている修理部品の不足が、エグリン基地でも「in dire need」状態にあり大きな問題である
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エグリン基地が直面している問題は、既にご紹介してきたF-35関連の問題ばかりですが、騒音問題で訴訟まで招いていたとは・・・

米空軍の操縦者不足問題は、解決の見通し見えず・・・としておきましょう・・・・

最近のF-35関連記事
「米国防省がF-35受け取り拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17

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米ミサイル防衛の目指すべき道 [安全保障全般]

国防産業幹部(退役米空軍中将)の宣伝講演ですが
頭の整理のために

Obering4.jpg11日、米空軍協会ミッチェル研究所で講演した、元ミサイル防衛庁長官でエネルギー兵器で頑張る「Booz Allen Hamilton」のTrey Obering副社長が、米国ミサイル防衛には「大きな革新」が必要だと訴えました。

米本土のミサイル防衛の必要性をそれほど重視せず、「技術的に可能な最低限」しかやってこなかった現状を見直し、脅威を見据えて「意志を持って資源を投入すべき」とし、「多方面からのアプローチ:multi-pronged approach」が革新の基礎となると語りました

現状で「意志と資源」が揃うかは別として、いくつかの課題を紹介していますので、頭の整理のためご紹介します

11日Obering副社長は講演で
まず、宇宙に多層的な飛来ミサイル追尾衛星システムを構築すべきだ。現状では宇宙配備のセンサーは、敵ミサイルの発射を探知する早期警戒の機能しかないが、飛来するミサイル対処には不十分
●またより複雑化するミサイル脅威や多弾頭化に対応するため、宇宙配備のセンサーで、どれが弾頭で、どれがデコイであるかを見極めることにつながるような能力も必要になる。まずは宇宙配備センサーに追尾機能を持たせることから始めるべき

Obering.jpg次に、多弾頭やデコイが混在する極めて複雑化する脅威においても、弾頭を要撃する能力開発に注力すべきだ。米国はこの様な複雑な環境に対応する能力を現在保有していない
●ただ、米国は100%は難しくても、弾頭とデコイ等を見分ける能力獲得は可能だ。そしてこの識別能力は複数弾頭の確実な破壊に必要で、ゆえに「multi-kill vehicle」が重要で開発に取り組んでいるのだ

また、米国はならず者国家と大国からのミサイル脅威の両方に対処すべく、「overwhelming strategic response」能力を確実に保有することが必要である。そのための鍵は「boost phase intercept」能力である
更に、ミサイル防衛システムの「サイバー戦耐性」もカギとなる。BMDシステムは陸海空だけでなく宇宙やサイバードメインでも強固でなくてはならない。サイバー戦への備えが当初から組み込まれ設計されることが必須である

●最近様々な情報が明らかになっている超超音速兵器への対応も忘れてはならない。超超音速兵器を探知、追尾、そして破砕する能力の必要性も忘れてはならない
●これらの能力獲得が可能なのか? 意志をもって資源が投入されれば可能である。ただし単一の装備で可能なわけではない。融合されたシステムが必要である
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Russia Hypersonic.jpgだから、わが社のエネルギー兵器や「kill capability開発」が重要なのだ・・・と話がつながっていくのかもしれませんが、今やミサイル防衛はこれほど困難だということです。

日本の脅威は主にICBMではなく、中距離や短距離の弾道ミサイルや超超音速兵器でしょうが、それでもますます困難になっているということです

ロシアが戦勝記念日に超超音速兵器をお披露目したとのニュースが駆け巡っていますが、ややこしい時代になりました

関連の記事
「戦略国防次官にMD伝道者」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07-1
「BMDRはMDRに変更し春発表予定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24-1

「同兵器は防御不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-21-1
「ロシアが新型核兵器続々開発と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1
「中国が超超音速兵器で優位」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-1

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女性兵士の装具改善に時間必要 [Joint・統合参謀本部]

Dunford AFA.jpg9日、ダンフォード統合参謀本部議長が上院の予算小委員会で議員の質問に答え2016年に女性兵士に実質全職域を解放したが、前線の兵士が必要とする防弾ジャケットや装具品等が女性兵士よう用に十分改善されておらず、まだ時間がかかると証言しています

女性兵士への職域開放は段階的に進められ、2016年1月に、最後まで残っていた約1割の仕事、つまり陸軍のレンジャーや戦車兵、海軍のSEALS、海兵隊歩兵、空軍の救命救助員、特殊部隊等の体力的に厳しく、極限状態でチームとしての機能発揮が求められる職域が最終的に解放されました。

Women SOF.jpgあくまでも、職域基準をクリアした者のみが対象で、結果の平等ではなく機会の平等であり、強制的な女性枠は設定されていません。当時の様子は、記事の下部にそのまま再掲載してご紹介します。
いわば一つの「オバマ政権政策」です

そして細部の統計を把握していませんが、米陸軍だけで2016年1月に開放された職域に600名の女性兵士が応募し採用されているようです。大したものだと思います

そしてその決断から2年・・・最後まで全面開放に強く反対し、例外規定を設けるべきと主張していた海兵隊とダンフォード議長(海兵隊大将)が、女性議員から「女性用個人装備品の準備や改善ペースが極めて遅い」と批判され、対応する羽目になっています

9日付Defense-News記事によれば
Murkowski2.jpg●共和党のLisa Murkowski議員はマティス国防長官とダンフォード議長に対し、「女性兵士用の装具品提供が遅々として進んでいない」、「現時点では、米陸軍のみが女性兵士専用の大きさや形状の防弾チョキを導入しているが、それも前線派遣兵士にのみ提供され、陸軍入隊時の訓練や母基地での訓練時には使用できる数量が準備されていない」と現状を厳しく批判した
●ダンフォード議長は質問に対し、「2016年に職種開放を開始した時点から、歴史的に女性を受け入れてこなかった職域での装具品が女性の体形等に適合していないことは問題として把握し、改善を図る必要性を感じていた」と答え、

●更に、統合参謀本部議長として全軍に対し本問題の重要性を訴えて改善を促していると説明し、米空軍でも女性パイロットの飛行服の改善に取り組んでいると付け加えたつつ、同時に「改善には時間が必要だとも把握している」と答えた
●そして「全ての軍種で装具品の改善に着手しており、女性の様々な体型を考慮して取り組んでいるが、少し時間が必要だ。ただ全軍が本件に真摯に取り組んでいると申し上げる」と議会で述べた
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Dunford5.jpg防弾ジャケット一つを考えても、多様な人種が入り交じり、兵士の体型が多様な米軍にあって、どのような大きさやスタイルを女性用とするかとか、少数しか存在しない女性用をどの部隊レベルでどのくらいの数を確保しておくかとか・・・難しい課題があるのでしょう

また予算の問題もありそうです。ダンフォード議長も大変だと思います・・・
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女性への全職種開放を発表当時の記事
(2015年12月5日の記事)

woman open.jpg2015年12月3日、カーター国防長官は会見を行い、2016年1月から米軍内の全ての職域を女性に開放すると発表しました。これまで順次女性の職域は拡大されてきましたが、約1割の22万ポストについて女性を受け入れていませんでした

最後まで「全開放」に反対だった海兵隊に対しては、国防長官が海兵隊トップと何度も時間を掛けて話し合ったと、カーター長官が会見で語っています

これまで未解放だったのは、陸軍のレンジャーや戦車兵、海軍のSEALS、海兵隊歩兵、空軍の救命救助員、特殊部隊等の体力的に厳しく、極限状態でチームとしての機能発揮が求められる職域です

従って、「例外なく女性に開放」は3年に及ぶ検討の末の結論で言葉通り間違いないのですが、職域基準をクリアした者のみが対象で、結果の平等ではなく機会の平等であり、強制的な女性枠は無く、部隊全体の効率性も念頭に、他国軍との共同にも配慮等々の「運用指針」を併せて発表し、4軍指揮官(特にDunford議長)の「言いたいこと」に配慮した「全開放」です

3日付米国防省web記事によれば
●3日カーター国防長官は、2016年1月から、全ての軍のポストを例外なく女性にも開放すると発表した。米軍史上初めて、各職種の基準を満たして資格要件をクリアする限り、女性も全ての道で国家に貢献することが可能になると長官は語った
●「女性兵士も戦車を操縦し、迫撃砲を発射し、歩兵部隊を率いて戦闘に参加することが許される。以前は男性のみだった、陸軍レンジャーやグリーンベレー、海軍のSEALS、海兵隊歩兵、空軍の救命救助員等として貢献可能になる」と表現した

woman open3.jpg●長官は(職種の開放との側面だけでなく)、才能ある女性がその能力や視点を、より良く軍に提供出来るようになる点を強調した。
●11月に長官は、3年間に亘る4軍をカバーする女性職種開放に関する検討結果を受け取り、陸海空軍と特殊作戦コマンドからは「全開放」に賛同を得た。海兵隊は部分的な例外(歩兵、砲兵等々)を求めていたが、統合部隊として活動することを踏まえ、長官は全軍に「全開放」適応を決断した

一部例外を求めていた海兵隊司令官とは何度も協議し、本日4軍トップとも話し合い、懸念事項については「実施段階:implementation」で配慮していくことで「全開放」に至ったと長官は語った
●「実施段階」はWork副長官とSelva統合参謀副長官が当面監督し、30日間で「全開放」の準備を進める。慎重に整然と進めるため、長官は「7つの指針:seven guidelines」を示した

「7つの指針:seven guidelines」
1 実行段階では、部隊の効率性改善目的との整合を追求する
2 部隊指揮官は、性別でなく能力で任務や仕事をアサインしなければならない
3 機会の平等は、全分野における男女の平等な参画を意味するものではなく、(女性)強制枠はない

4 米軍の調査によれば、男女間には体力等の平均的な差が存在し、実行段階ではこれを考慮する
5 米軍兵士の中には、男女を問わず、男女混合編制が部隊の戦闘効率を低下させると認識している者が存在するとの複数の調査結果に、国防省は配慮する

6 特に新たに開放対処となる職種では、調査結果や指揮官の意見からも、小集団の機能発揮が重要だとの結果が出ている
7 米国やいくつかの同盟国等では、軍隊を男女両方で構成しているが、全ての国がこの認識を共有しているわけでは無い
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「全職種を女性に開放発表」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-05

軍での女性を考える記事
「ある女性特殊部隊員の死」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-27
「珍獣栗田2佐の思い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-17
「2012年の記事:栗田2佐」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11

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ドゥテルテ政権下で最大の米比共同演習 [安全保障全般]

オバマ大統領と不仲だった比大統領ですが、トランプ大統領とは馬が合い・・・

Balikatan 2018-4.jpg7日、フィリピンのドゥテルテ大統領が就任した2016年以降で最大規模の米比合同演習「Balikatan」が始まりました。

オバマ政権時代に就任したドゥテルテ大統領ですが、ド大統領が執った強権的な麻薬取締政策を「人道主義」のオバマ政権が批判して両国関係が急速に悪化し、対中国の連携で着実に強化されてきた米比関係が、一気にしぼんだ時期がありました

しかし、ド大統領の強硬姿勢に理解を示すトランプ大統領の就任で米比関係が正常化の方向に向かい、昨年は特に、フィリピン南部のマラウィ市を占領したISIS系列武装組織対応を米軍が強く支援し、半年近くをかけて町の奪還成功に導きました

マラウィ市を巡る攻防は、シリア・イラクでISISが弱体化する中、中東から脱出したISIS分子のアジアで先鋭化するのを防ぐ意味でも重要な戦いであり、米比の2国間関係のみならず、東南アジアの安全保障上も意義深い戦いでした

演習「Balikatan」についてMilitary.com記事は
Balikatan 2018-2.jpg●7日、マニラのフィリピン軍基地で演習開始の式典が行われ、米比併せて約8000名、加えて日本と豪州の小規模部隊が参加する演習がスタートした・
駐比米国大使のSung Kim氏は式典で、「両奥の強固な同盟関係を具現化する一つの形がこの演習だ」、「地域の安定と平和のため、この演習は両国間のより深く永続する関係を強化する」と演習の意義を語った

●オバマ政権下では一時、ド大統領就任以降、同演習の永久停止にまで言及し、中国やロシアとの関係を追及する方向性も見せたが、トランプ大統領の就任後は米比関係の険悪感は薄れている
ド大統領就任以降で最大規模となった「Balikatan」演習だが、フィリピン政府高官は、あくまでも中国を対象としたものではなく、都市部でのテロ対処や一般の紛争、更には自然災害対処を想定したものであると説明している

●演習では、着上陸作戦のほか、機動を伴う射撃演習や災害対処訓練も組み込まれ、都市を模擬した訓練場での特殊部隊による対テロ戦も含まれている
Balikatan 2018-3.jpg●この背景には、昨年5月にISIS系武装勢力に占領されたマラウィ市を、米軍や豪軍の支援を受けつつ、5か月間かけて解放したフィリピン軍の戦いがある

●演習参加の比軍指揮官は、「我々両軍は、マラウィでの厳しい戦いの教訓を共に学びたい。共に協力して将来のシナリオにも備えたい」と語っている
●米軍の指揮官であるLawrence Nicholson海兵隊中将は、「いかなる事態にも対応できるよう備えることが任務である」と語っている
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中国に気を遣うフィリピン高官の発言に見られるように、アキノ前政権の様に対中国姿勢をあらわにするまでには至りませんし、米国のアジアでの姿勢も曖昧なところがありますから仕方ないところでしょう

しかし日本も参加し、相応規模の「Balikatan」演習が戻ってきたことは良いことでしょう・・・

最近のフィリピン関連記事
「比大統領は日本びいき!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-30
「露とアジアの関係を2点から」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-23
「東南アジア3か国が共同警戒へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-18
「比が米軍に南シナ海共同警戒中止を通告!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-08
「C-130が2機だけ展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-27
「比大統領南シナ海共同を拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15-1

「比空軍と米空軍が3日間会議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-03
「EA-18G電子戦攻撃機が展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-18

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中国J-20戦闘機が初の海上行動 [中国要人・軍事]

Shen Jinke.jpg9日中国空軍報道官が、2月に初期戦闘能力獲得を宣言したJ-20(ステルス?)戦闘機が初めて洋上での訓練を行ったと発表しました。

へぇ・・・、今まで陸上上空だけでしか飛行せずに試験していたのか・・・と改めて気づかされた次第ですが、日本では飛行試験の大半が洋上で行われることから、洋上飛行がニュースになること自体が驚きです

もともと中国空軍は、中国本土防空を任務とし、洋上は中国海軍航空機の「縄張り」担当であったことからなんでしょうが、今は東シナ海上空でも海軍戦闘機と空軍戦闘機が相当入り乱れ、よく言えば統合運用が進展しているようです

10日付Defense-News記事によれば
J-20 sea.jpg●中国空軍の上級報道官であるShen Jinke大佐は中国軍ブログで、J-20が初めて洋上で飛行し、更に中国空軍戦闘能力を向上させたと述べた
●そして同大佐は、同飛行訓練が「実際の戦闘環境」で行われたと紹介した
中国は2018年の国防費を、昨年より8.1%増加させて19兆円レベルにし、2隻目となる空母のほか、遠方目標を攻撃可能なミサイル強化に注力していることろである
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どこの洋上を飛行したのでしょうか・・・? 上海沖の洋上でしょうか?

J-20-1.jpgJ-20戦闘機(中長距離戦闘機)は、正面方向から見てステルス性があることから第5世代機に分類される戦闘機で、その機体の大きさから長射程ミサイルで高付加価値目標をではないかとまんぐーすが想像している機体です

ただ複数の報道によれば、新型中国国産エンジン(WS-15)の開発がうまくいっておらず、能力の劣る旧式中国国産エンジン(WS-10B)でなんとか飛行している状況の様ですが・・・

これまでの経緯を簡単に整理すると
---2011年に初飛行
---2016年11月、Zhuhai航空ショーで初公開
---2017年7月、人民解放軍90周年記念日に軍事パレード初参加
---2017年11月、中国空軍演習「Red Sword 2017」で重要な任務を果たす
---2018年2月、中国空軍報道官が「戦闘任務に入った」発言

J-20関連の記事
「報道官が戦闘能力発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-1
「中国国防省が運用開始と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-30-1
「中国報道:J-20が運用開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-14
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02 

タグ:J-20
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米空軍調達:ソフト調達が最大の課題 [米空軍]

Roper5.jpg4月27日、その約2週間前に米空軍省の調達担当次官に就任したばかりのWill Roper氏が記者団に米空軍調達の一番の課題はソフトウェアの迅速な調達であると語りました。

前職が国防省の「迅速能力構築室:Strategic Capabilities Office」のチーフであった同氏だけでなく、国防革新評議会の議長であるEric Schmidt氏も最近議会で、米国防省全体のソフト調達を「crazy:ばかげている」と証言したところです

Schmidt氏は議会証言で、「2018年発売のスマホのソフトを、2001年に発注するようなものだ。開発技術が存在しないから開発できないのに。ソフト開発は永続的に繰り返すことなのに」と例示して説明したようですが、しゃくし定規なやり方が問題なようです

29日付米空軍協会web記事によればRoper氏は
Roper44.jpg数十年にわたって続けられてきた米国防省の調達システムは、航空機や潜水艦用のシステムとなっており、ソフト調達には機能していない。発注したソフトを国防省が手にした時点で、既に時代遅れのソフトになっているからだ
●米空軍は機敏なソフト開発に移行すべきで、「一からやり直しもいとわない」」ことや「バグ探しの自動化」が当たり前の環境を作ることが必要だ。国防省は週単位や月単位で納期を設定することができないが、ソフト開発調達はその先鞭となりえる

●私は米空軍の状況を把握しているところだが、コスト超過や開発期間超過に陥っているほぼ全ての計画は、ソフトが重要な位置を占める装備品である
Schmidt.jpgF-35の維持コストが問題となっているが、生易しい課題ではないが、克服不可能な課題ではないと思う。この問題にもソフトの問題が大きくかかわっており、鍵となるソフト問題の解決により、ドミノ効果で多くの維持経費問題にもアプローチできる

●国防革新評議会議長のEric Schmidt氏は、「真に望ましいのは、何度もやり直し、失敗や経験からの学びを反映できる形だ」、「これこそが機敏な開発であるが、ルールを固定する国防省では不可能なのだ」と議会で語っている
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F-35の維持経費の問題は、開発と量産の同時進行による手戻り続発、無理な増産計画など、ソフト以外の「人災」側面が大きいのですが、ソフト開発に世界中の国防省や軍人が追い付いていないのも確かでしょう。

一風変わった雰囲気を持つWill Roper氏の、米空軍省でのご活躍に期待いたしましょう!

Will Roper氏の関連記事
「F-35維持費が大問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-20-1
「無人機の群れ第7世代」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-26 
「国防省幹部:空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1

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サイバー戦時代の核兵器管理を [サイバーと宇宙]

90年代のB-2以降、サイバー時代に入ってから新たな核関連兵器の認証を行っていない現実

Weinstein2.jpg1日、米空軍司令部の戦略抑止・核兵器融合部長であるJack Weinstein中将が米空軍協会で講演し、サイバー戦時代の現代に、核兵器の品質保証や関連施設のレジリエンスを確実にすることが大きな課題となっていると語りました。

同中将の言う「Nuclear certification」は、核兵器システムが初期運用態勢確立を宣言する最後の関門となる品質確認行為の様ですが、具体的にどのようなチェックが含まれるのかは説明されていません。

しかし最近では、PCの様なネットワーク接続型の装置だけでなく、ICチップの様な電子部品を搭載するすべての装備品がサイバー攻撃の対象とされており、怪しげなプログラムが組み込まれたチップや回路が核兵器に紛れ込まないよう確実にすることが求められているのでしょう

また核兵器の運用システムや指揮統制システムに関しても、外部から遠隔操作されないよう、いろいろ確認や監視すべきことが山のようにあるのだろうと想像いたします

1日付米空軍協会web記事によれば
Weinstein4.jpg●米空軍協会ミッチェル研究所で講演したWeinstein部長は、サイバー脅威が普通になった現代において、如何に核兵器システムの健全性や安全性を保障するかについて検討を行っていると語った
●そして「検討は2年後に結論を求められているのではなく、2018年に必要なのだ」と語り、米空軍科学諮問機関(Scientific Advisory Board)が提言した「新たな核兵器の保証と認証」との報告書の説明を受けた空軍長官が、30日以内に提言実現プランをまとめるよう指示したと説明した

●同諮問機関の提言には、米空軍核兵器センターや安全管理センター、更に核兵器計画室に適切な資源を配分し、核兵器の近代化を支えるべきとの指摘も含まれている
●同中将はまず必要な人材の配置に向け取り組んでおり、彼らに具体的な問題対処を早晩開始してもらう事を検討していると述べた

B-2Whiteman.jpg●諮問会議は米空軍に対し、米空軍の核兵器任務遂行への脅威が急速に変化していることを受け、核兵器保障における信頼性確保により重点を置くよう提言しており、サイバー戦社会を念頭に置いた新たな政策や手順の確立を求めている
●同中将は、彼の部署が並行して議会提出用の「Nuclear Mission Assessment」を担当し、米空軍核兵器関連部隊や施設全体の訓練、適切な規模、資源配分の適切性、近代化の進捗、必要な能力などを取りまとめ、年末までに空軍長官や空軍参謀総長の承認を得る作業中だとも説明した
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核兵器やその関連施設の老朽化や、運用にかかわる兵士の士気低下が大きな問題として取り上げられ、少しずつ予算面や制度面での変化がみられるようですが、一度「地に落ちた部隊」の立て直しが一朝一夕に完了するはずもなく、長い目で見る必要がありそうです
B-61 LEP.jpg
今から2020年代前半にかけ、陸海空軍の間で、そして空軍内部でも、熾烈な装備近代化・老朽更新の優先順位争いが繰り広げられますが、「核兵器」を支えるモメンタムが維持されるのかどうか・・・とても気になるところです

ロシアの核兵器近代化
「続々新型核兵器」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1
「米NPRも露核魚雷に言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-13-1
「露が戦略核魚雷開発?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-06

21世紀の抑止概念を目指す
「3本柱はほんとに必要か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「21世紀の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
「相殺戦略特集イベント」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29-1
「期限を過ぎてもサイバー戦略発表なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25

NPR(核態勢見直し)関連
「核兵器立て直しに140兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02-1
「次期ICBMと核巡航ミサイルの企業選定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-27-1
「マティス長官がNPRに言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-15-1
「トランプ政権NPRの課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-09

「2010年NPR発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-07
「NPR発表3回目の延期」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-02
「バイデンが大幅核削減を公言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-19

戦術核兵器とF-35記事など
「戦術核改修に1兆円」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
「F-35戦術核不要論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-16
「欧州はF-35核搭載型を強く要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-22
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06

ICBM後継に関する記事
「初のオーバーホールICBM基地」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-15
「ICBM経費見積もりで相違」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
「移動式ICBMは高価で除外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
「米空軍ICBMの寿命」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1

オハイオ級SSBNの後継艦計画関連
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1
「SLBMは延命の方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13

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