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ハリス司令官の後任は史上初の空軍幹部か!? [Joint・統合参謀本部]

O'SHAUGHNESSY2.jpg20日付Defense-Newsは、来年5月で就任3年目を迎え、来年夏には退役が予期されるハリス太平洋軍司令官(海軍大将)の後任者候補として、同コマンド初の空軍人司令官が誕生する可能性を複数の関係者からの情報として報じています

その最有力候補は、現在同コマンド内で太平洋空軍司令官を務めるTerrence O’Shaughnessy空軍大将で、アジアや朝鮮半島での勤務経験と、その謙虚な姿勢が高く評価されてるようです

一方で米海軍は、太平洋艦隊の第7艦隊所属イージス艦2隻が相次いで衝突事故を起こし、17名の乗員の命と戦力の損失を招いたとことから、第7艦隊司令官が更迭され、その上司でありハリス司令官後任の有力候補だった太平洋艦隊司令官Scott Swift海軍大将が退役を発表した今、勢いがありません

Swift.jpg記事は、空軍人司令官誕生の最大の障害は、元海軍の英雄パイロットで上院軍事委員長であるマケイン議員が大の空軍嫌いであることだと紹介していますが(まじか?)、そんな雰囲気だということらしいです

トランプ政権の政治任用ポストが全く埋まらず、国防省の政策担当次官も空白のままで、その下の総括次官補(David Trachtenberg氏)がやっと承認され次官代理に就任する有様ですから、対中国や対北朝鮮の作戦指揮を大統領直属で執る重要な太平洋軍司令官は早めに固めたいことでしょう

20日付Defense-News記事によれば
●4人の本件関係者からの情報によれば、太平洋空軍司令官O’Shaughnessy空軍大将がハリス司令官の後任の最有力候補である。
●同空軍大将は、2012-13年に統合参謀本部でアジア担当政策副部長を務め、続いて太平洋軍の作戦部長、更に在韓米軍の副司令官を2年間務めたアジア通である

O’Shaughnessy3.jpg●このF-16パイロットである司令官を知る者は、非常に謙虚で注目を集めることを好まない人間で、その人柄が今になってやっと注目を集めることになっていると評している
●この空軍大将の太平洋軍司令官就任への最大の障害は、米海軍シンパで米空軍嫌いで知られるマケイン上院軍事委員長であると見られているが、米空軍関係者によれば、ノミネートへの第一歩である同軍事委員会スタッフへのO’Shaughnessy空軍大将の説明を行っていない模様である

●一方で米海軍内では、有力後任候補と見られていたScott Swift太平洋艦隊司令官が、9月末に米海軍トップから「太平洋軍司令官への道はない」と告げられ、(慣例に従い)引退を表明(退役時期は米海軍に任せて)しており 、勢いがない
Davidson.jpg●現在は、米海軍艦艇戦力司令官(Fleet Forces Commander)のPhil Davidson海軍大将が有力候補言われているが、経歴の大部分が大西洋や中東エリアで占められアジア経験がほとんどない

●同海軍大将は、空母アイゼンハワー戦闘群司令官や統合参謀本部で戦略計画副部長を務め、国務省でアフガンとパキスタンの特別代表補佐官を務めた経験もある
前職は欧州を拠点とする第6艦隊司令官で、経歴書を見ると若手士官時代に太平洋艦隊の幕僚を務めた経験はあるようだ。一方で同大将は、次の米海軍作戦副部長の有力候補でもある
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経歴から見るとO’Shaughnessy空軍大将の知見に期待したいところですが、その場合、西太平洋の戦略環境と脅威環境を素直に見つめ、航空戦力(特に戦闘機)にどれだけ見切りをつけられるか、がカギとなるでしょう

Harris CSIS3.jpgついでに、旧来の思考からなかなか抜けられない自衛隊(特に航空自衛隊)に、「引導を渡す」事にも期待が集まります

ハリス司令官については、退役後に豪州大使への配置も噂されており、引き続きアジア太平洋地域のために頑張っていただきたいものです

ハリス司令官の関連記事
「新政権2度目の航行の自由作戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-03
「ハリス司令官:INF条約は宗教戒律か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-29
「米陸軍に南シナ海で期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16

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米空軍F-35がアジアデビューで韓国到着 [亡国のF-35]

隠密の韓国移動に成功したようです・・・

Seoul ADEX.jpg20日、米空軍のF-35が韓国のソウル空港に到着し、同空港で17日から22日まで開催されている「Seoul ADEX 2017:ソウル国際航空宇宙国防展示会」に展示機として参加すると米空軍が発表しました。

今年2月に米海兵隊のF-35Bが岩国基地に展開を開始していますが、米空軍F-35Aがアジアに展開するのは初めてで、空軍長官が8月からアジアへの展開準備は出来ていると語っていたものの、具体的計画について何の事前情報もない突然の飛来です

展開したのは昨年IOCを宣言したヒル空軍基地の部隊の2機で、27名の整備員等と共に展開した模様です。
今回は地上展示のみで、デモ飛行等は行わない予定だそうですが、南北境界線から僅か35nmのソウル空港への展開ということで、それなりのインパクトがありそうです

20日付Defense-News記事によれば
F-35 Seoul2.jpg南北境界線から僅か35nmのソウル空港には、F-35A以外に米空軍から、F-22 Raptor, A-10 Thunderbolt II, C-17 Globemaster III, C-130 Hercules, B-1 Lancer, KC-135 Stratotanker, E-3 Sentry, U-2 Dragon Lady and RQ-4 Global Hawkが参加している
●F-35Aはデモ飛行を行わないが、アラスカから来たF-22、在韓米空軍所属のA-10、更にハワイから来たC-17がデモ飛行を披露する

22日に「Seoul ADEX 2017」は閉会するが、その後F-35が現地で訓練を行うのか等は明らかにされていない
●米海兵隊の岩国基地所属のF-35Bは、8月31日にB-1爆撃機、航空自衛隊と韓国空軍のF-15とともに、「show of force」の飛行を行った

米空軍F-35の海外初展開は今年の4月、数機のF-35Aが英国に数週間展開し、そこから欧州各地に顔を出したのが初めてであった
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F-35 Seoul.jpg北朝鮮に対し、これといった手を打てない米国と米軍ですが、数少ないアピールのカードを出してきました。

初期的な基本ソフトしか搭載していない状態で、使用できる兵器や機動が限定される機体ですが、米軍としては切れるカードは何でも・・・の雰囲気でしょうか・・・

韓国で故障して立ち往生しないことを祈ります・・・。ついでに来週末の百里での航空観閲式に来てくれればいいのに・・・

F-35の話題を230本の記事で
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302846744-1

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東南アジア3主要国が共同海洋パトロールへ [安全保障全般]

Sulu Sea2.jpg13日、マレーシアの空軍基地で、マレーシア、インドネシア、フィリピンの3か国が協力し、同3か国で囲まれた「スールー海:Sulu Sea」の航空機による共同パトロールを開始する式典が開催され、同海域を通じて海賊行為や活動家の移動を行ているISISやイスラム過激派の警戒を強化することになりました

このTAP(Trilateral Air Patrol)活動は、同3か国が結んでいる「協力合意:Trilateral Cooperative Arrangement」に基づくもので、既に6月から開始されている水上艦艇による共同水上パトロールに続くものです

まぁ・・しかし、3か国の航空アセットは決して潤沢ではなく、フィリピンに至っては監視用航空機を保有していないことから、輸送機の転用まで検討されているらしく、月に1回の1機による共同パトロールと、各国による航空監視活動は、シンボリックな意味以上のものではありません

13日付DEfense-News記事によれば
Sulu Sea3.jpg●13日、マレーシアの Subang空軍基地に3か国の国防相が集まり、TAPの公式開始を披露するセレモニーが行われた
●マレーシア国防相から発表された報道発表によれば、TAPは2つの部分からなり、一つは同一航空機に3か国から派遣された要員が同乗し、文字通り共同でパトロールを行うもので、

もう一つは、それぞれの国が互いに連携しつつ、それぞれの領域内で航空アセットによるパトロールを行う活動である
同一航空機に同乗するパトロールは、第一回目が11月にマレーシア航空機により行われ、12月はフィリピン航空機で、来年1月はインドネシア航空機で行う計画である

●同3か国が取り囲む形になる「スールー海」は、ISIS関連のイスラム過激派が活動家の移動に使用しているといわれ、ISIS関連組織が支配するフィリピン南部の都市マラウィー(Marawi)で5月から続いているフィリピン軍軍との戦で、大きくその問題がクローズアップされている
●しかし地域の専門家は、広大な同海域を監視するには3か国のアセットがあまりにも貧弱で、長期的な活動には無理があると指摘している

CASA IPTN CN-235.jpg●現状、マレーシアは海洋監視用の2機のBeechcraft B200Tを保有し、インドネシア軍は8機のCASA/IPTN CN-235と少数のNC-212s海洋監視機を保有しているが、フィリピンは海洋監視用の航空機を保有していない

●この状況を受け同専門家は、3か国は例えば輸送機であるC-130まで駆り出す必要に迫られるだろうと述べつつも、イスラム過激派が頻繁に使用している小型のスピードボートを夜間や天候が良くない状況で発見するために必要な海上監視レーダーやセンサーを、輸送機が装備していない事の問題も指摘した
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ちなみに艦艇による共同パトロールは、インドネシアのタラカンに3か国の合同警備司令センターを設置し、2017年6月19日からフィリピンやマレーシアとともにパトロールを開始しているようです

Sulu Sea.jpgあまり実質的な効果がありそうもない、このようなパトロールを行う背景には、それぞれの国民へのアピール目的があるのか、米国からの働きかけがあるのか承知していませんが東南アジア諸国の実力はこの程度ということでしょう。

地図で見て頂くと、スールー海は南シナ海より引っ込んだ部分です。期待は薄いですが、3か国で南シナ海に打って出るくらいの話になれば、大きく取り上げられるのでしょうが・・・

米国とフィリピン関係
「比南部のIS戦に米も協力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-12
「アジア安全保障会議での発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01-3
「比の主要閣僚3名が米空母へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-06
「米軍兵器の保管は認めない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-31

「米と比が細々とHA/DR訓練を開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-18
「航行の自由作戦に比基地は使用させない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-11
「ハリス大将:選挙後初の訪比へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16

「米比演習の中止に言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-08
「C-130が2機だけ展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-27
「比大統領南シナ海共同を拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15-1
「比空軍と米空軍が3日間会議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-03

日本とドゥテルテ大統領
「なぜ10月25日に比大統領来日」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-06
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岩田元陸幕長が米軍の第一列島戦離れを指摘 [安全保障全般]

Stimson5.jpg9月15日、ワシントンDCのシンクタンクStimson Cenrterで、辰巳由紀・同センター日本部長の主催による毎年恒例の日米安保を考えるイベント「Voices from Japan」が開催され、「Visions for Japan’s Future Defense Posture」をテーマに、防衛大学校の同期生である3名の自衛隊元将軍がパネル討議を行いました

議論を行ったのは、防大23期生の岩田元陸幕長、武居元海幕長、そして広中元空将(教育集団司令官)で、前者2名が昨年まで陸自と海自のトップを務め、広中氏も今年までCNASの客員研究員を務めていたこともあり、現役が語れない生の声に近いものが聞けると期待を集めました

Stimson3.jpgこのイベント「Voices from Japan」にはこれまで、西元事務次官、小野寺元防衛相(2015年当時)、野田元総理などが交代で招聘されてきましたが、今回は同期生の元自衛官3名が、事前に綿密な打ち合わせをして臨んだと思われ、発言の重複や論理の混乱もなく、理路整然と3名が多様な角度から「Japan’s Future Defense Posture」の方向を語ることに挑んでいます

映像で約90分のイベントが公開されていますが、本日は岩田元陸幕長の発言から、米軍が西太平洋での有事の際、第一列島戦からグアム島まで後退する可能性が検討される中防衛大綱とガイドライン見直しを同時にリンクさせてやり直す必要があるとの主張部分の発言要旨をご紹介します

Stimson Cenrter公開映像の42分付近から


極東付近の軍事情勢は、予想していたよりも急速なペースで変化しており、北朝鮮の核やミサイル開発にしても、中国の第一列島戦を超えての艦隊や航空機の活動にしても、日米同盟に迅速な対応を求めている
米国の極東や西太平洋での軍事戦略は、シンクタンクCSBAや国防省のNet Assesment Officeが中心となって検討されており、これまでエアシーバトル(ASB)や第3の相殺戦略といった概念を打ち出してきていると認識している

●この米国内での検討では、(敵対国の弾道・巡航ミサイル等戦力の充実を受け、)米軍が現在展開している在日米軍基地をはじめとする第一列島戦の位置から東へ一時後退し、グアム島のラインまで引くことがオプションとなっている
Stimson2.jpg●この体制で敵の一撃や初動の攻勢を凌ぎ、後に経済封鎖や遠方からの長距離攻撃を中心とした軍事作戦で、巻き返しを狙う軍事戦略や作戦も検討されていると認識している

現在の日本の防衛体制や防衛戦略は、4年前に防衛計画の大綱を定め、その2年後に米国と協議してガイドラインの見直しを行っているが、(大綱の枠に縛られ、ガイドライン再検討時に米側と十分にすり合わせができていないことから、)十分な状態にあるとは考えていない
●現在の脅威環境に的確に対処するには、大綱の議論と日米の協議を同時に進め、「Mission」「Role」「Capability」の3側面で、日米がしっかり協力できる体制を再構築する必要がある

●そして、日本は守り、米国が攻撃といった従来の役割分担ではなく、例えば日本がイージス艦やPAC-3のミサイル防衛で貢献するだけでなく、敵基地攻撃能力についても考えていく必要がある
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エアシーバトルがCSBAオリジナルな考え方から変遷し、地上部隊も交えた概念に強制改宗された数年前あたりから、これを陸自生き残り策にしようとする陸自幹部やOBによる「CSBA詣」が続いており、陸自の我田引水の動きには注意が必要です。

Stimson.jpgしかし現実として米軍が有事に、第一列島戦から少なくとも一時的に後退するとの認識は重要ですし、昨年退官したばかりの陸自トップが、海空元将軍と事前協議のうえで発言していることに大注目ですし、正しい情勢認識として歓迎すべきことです

この発言に続き、空自代表で登場している広中氏(非パイロット)には、戦闘機への投資を削減すべきだと発言してほしかったのですが極めてぼんやりとした「資源配分を再検討すべき」との言葉に終わっていて残念でした

きっと昨年ご紹介した広中氏による「対領空侵犯措置の効果」に疑問を呈する論考が反響を呼びすぎ、発言を控えているのでしょう・・・。残念なことです・・・。

陸自のCSBA傾倒
「陸自OBが陸自で航空優勢と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12

関連の多様な記事
「広中雅之は対領空侵効果に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1
「小野田治も戦闘機に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05
「織田邦男の戦闘機命論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-06 

「F-3開発の動きと日本への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02 

「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

「ACC司令官も電子戦機を早期に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27
「20年ぶりエスコート電子戦機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-20

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米海軍が空母艦載給油機のRFP発出 [Joint・統合参謀本部]

D-704 GA.jpg10月の第一週、米海軍がこっそりと、初の空母艦載無人機となる無人空中給油機MQ-25 Stingrayの提案要求書(RFP)を発出していたことが11日に明らかになり、米海軍協会web記事が米海軍航空部隊報道官などの発言を紹介しています

提案要求書は「Lockheed Martin」、「Boeing」、「Northrop Grumman」、「General Atomics」の4企業に提示され2019年の運用開始に向け、機種選定作業が本格化します

そんな中、早くもGeneral Atomics社が提案機種の模型を公開し、話題を集めているようです

11日付米海軍協会web記事によれば
米海軍は具体的な要求事項をほとんど明らかにしていないが、MQ-25 Stingrayは空母から500nm離れた場所で、15000ポンドの給油が可能な性能が求められることになる
●現在FA-18の戦闘行動半径は約450nmであるが、MQ-25 の導入によりこの距離を追加で300~400nm延伸することが可能となる計算になり、700nmを超える行動半径を獲得することになる

D-704 GA2.jpg●機種選定に参戦する4企業のうち、General Atomics社は早くも、ターボファンエンジンにV型尾翼を持つ「D-704 buddy tank refueling system」の想像図を明らかにした
●同社も、機体の大きさや燃料搭載量などの細部は明らかにしていないが、MQ-1やMQ-9が搭載する光学ボールカメラを搭載し、着陸ギアが機体内に格納されるS-3バイキング方式を採用している

●また、米海軍が設定した要求性能に加え、同社は拡張性の余地を設計に含めている
●退役海軍少将で同社に勤務するTerry Kraft氏は、「兵器搭載やISR装備搭載の余地を確保している。海軍は既にレーダー搭載用のフック装備を求めている。最終的にはこの無人機はトラックになるんじゃないか」と最後は冗談まで飛び出した
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拡張性は重要ですが、要求性がグラグラで、中途半端な「困ったちゃん」ができ上るのではないかと危惧します。

MQ-25A.jpg現在FA-18飛行時間の3割程度を割いている給油任務を軽減することで、FA-18本来の作戦任務に充当できること。

また、MQ-25が任務用給油と帰還時給油の両方をこなすことができ、その両方をFA-18給油型よりも効率的に行って4~6機の面倒を見ることができるてる点も導入効果として強調されています

MQ-25のゴタゴタな道のり
「MQ-25でFA-18活動が倍に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-03
「MQ-25のステルス性は後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27 
「CBARSの名称はMQ-25Aに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「UCLASSはCBARSへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-02

「UCLASS選定延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1
「米海軍の組織防衛で混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01
「国防省がRFPに待った!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-12

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新技術:水中を「飛ぶ」弾丸に注目 [Joint・統合参謀本部]

DSG round.jpg9日の週に開催されていた米陸軍協会総会に並行して行われた装備品展示会で、あるノルウェーの弾薬製造企業「DSG Technology」が注目を集めました。

その企業が特許を取得して製造する小火器や機関銃の弾丸(5.56mm, 7.62mm .50 caliberなど)は、特殊な加工により、従来の弾薬より水中でも水の抵抗に強く、より遠くまで威力を保ったまま進むことができるというのです

例えば「.50 caliber」弾丸は、水中で60mも正確にかつ威力を保って到達することができるようで、船舶に接近する敵のダイバーや無人水中艦の対策に有効だと米海軍関係者も既に試験を経て好感触を得ているようです

このほかに、水上艦艇から水中の不審物に対して発射しても、従来の弾丸は一定以上の角度(60度以上との分析も)がないと水面で弾かれてしまうところ、同社の弾丸は20度以下でも大丈夫との資料もあり、水上艦艇への「敵の群れ」対処に頭を悩ませていた海軍関係者に朗報となっているようです

12日付Defense-Tech記事によれば
DSG round2.jpg●DSG Technologyはノルウェ国籍の企業だが、バージニア州にオフィスを持ち、ワイオミング州に製造工場を持つ企業で、CEOのJon Andre Garberg氏は米陸軍協会の展示会場で、水中を「飛ぶ」弾丸について説明してくれた
●Garberg氏は同社が特許を持つ弾丸について、弾丸が水中を進む際に起きる「cavitation; 液体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象」により生じる気泡の中を、弾丸が「飛ぶ」のだと説明し、従来の水中を「泳ぐ」イメージと異なると強調した

●そして同CEOは弾丸の特許について、「弾丸の先端(tip)が鍵だ。わが社が発明したんだ」と語り、弾丸(5.56mm, 7.62mm .50 caliberなど)に興味を持つ米軍関係者が既にやってきていると述べた。
●また、「.50 caliber」弾丸は水中で60mも正確にかつ威力を保って到達可能で、同社製造の他の弾丸は全て、空対空、空対水中、更に水中発射も可能だとアピールした

DSG round3.jpg●更に同CEOは同社特許の弾丸の特長について、他社の弾丸と異なり水面で跳ね返されて「水切り」を起こさない点を強調し、他の周辺艦艇を危険にさらすことがないことをアピールした

●そしてこの弾丸の必要性について、不正規な戦いで無人水中艇や特殊部隊のダイバーが大きな脅威として認識されているが、その発見は容易だが対処に課題があったと述べ、「(水中での威力を確保するため、大型の)カノン砲など使用する必要はなく、わが社の弾丸なら普通の機関銃(.50 caliber)で十分威力を確保できる」と述べた

●ただし一方で同CEOは、「価格については語りたくない」とし、「他の高性能弾丸と同程度だ」と述べるにとどまった
●なお12日には、米海軍水上戦闘センターのJeremy Hankins技術専門官も同社の展示スペースを訪れ、「既にいくつかの性能確認試験を行い、良好な結果を得ている」と認めている
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いろんな目の付け所があるんだなぁ・・・と感心しました。

DSG round4.jpg従来の弾丸がどの程度水中で有効なのか承知していませんが、船舶の推進力を邪魔する「cavitation」を活用し、「水中を飛ぶ弾丸」に結びつけるとは大したものです。

ちなみにwikipedia情報によれば、ロシアのスーパーキャビテーション魚雷「シクヴァル」は、この現象を応用したもので、人為的に大量の気泡を先端部から発生させ、そこにできた空洞を弾道とすることで、水中でありながら 200 kt ( 約370km/h ) 以上の速度を実現している様です。これが先駆者かもしれませんねぇ・・・

キャビテーションの解説
http://web.tuat.ac.jp/~kamelab/list2/cav.htm  
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%93%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

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まだ日本は参加できず:米軍宇宙サイバー演習 [サイバーと宇宙]

Schriever Wargame5.jpg 12日付米空軍web記事によれば、13日から米空軍宇宙コマンドが主催する第11回目の宇宙サイバー演習「Schriever Wargame 2017」が、ネバダ州のネリス空軍基地内で開始されるようです。

今回はアジア太平洋地域を演習対象エリアとし、200名以上の軍人と文民関係者が、米軍のみならず米国の多様な機関から参加し、同盟国4か国(豪州、カナダ、英国、NZL)からも関係者が参加することになっています。

演習の特性上、ほとんど細部は明らかにされていませんが、時節柄、中国や北朝鮮が絡むことは自明の「Schriever Wargame 2017」に、日本が参加していないことが残念です

宇宙アセットの充実度からすれば、米国にははるかに及ばないものの、豪州やNZLには負けるはずがない日本が、このような状況にあるのは、言語や日本の法制上の問題もあるのでしょうが、情報共有可能レベルの差もあるのかもしれませし、防衛省に専門家がいない(又は、JAXAなどは軍事的な話に関与をしり込み・・)からかもしれません

日本の細部事情は推測の域を出ませんが、重要な演習ですので、細部は不明ながら概要をご紹介しておきます

12日付米空軍web記事によれば
●この演習の狙いは
Schriever Wargame2.jpg---アジア太平洋地域での作戦活動を支える航空・宇宙・サイバー能力に発揮に関する、多様な指揮統制能力の検証
---(多様な機関の)宇宙戦コンセプトを融合しつつ、宇宙における強靭性、抑止、そして戦いに関する知見獲得
---マルチドメインな戦いにおける、宇宙やサイバー空間の役割・貢献について探求
---同盟国や政府機関や民間企業を含めた一体的な協力枠組みの、統合共同作戦体制への変化発展

●今年の演習のシナリオでは
2027年を想定した米太平洋軍の担当エリアで、とある大国が宇宙やサイバー空間を活用し、戦略的な目的達成を図ろうとしている。
フルスペクトラムな脅威に多様な作戦環境で、参加者である文民と軍人リーダーや作戦担当者やアセット操作員は直面する

●参加する27の各種部隊や機関には、以下が含まれる
Schriever Wargame4.jpgAir Force Space Command,
Army Space and Missile Defense Command,
Naval Fleet Cyber Command,
the National Reconnaissance Office,
Executive Agent for Space Staff,
Air Combat Command,
Office of the Secretary of Defense,
U.S. Pacific Command,
U.S. Strategic Command,
U.S. Special Operations Command,
U.S. Northern Command,
Schriever Wargame3.jpgDefense Information Systems Agency,
the Intelligence Community,
National Aeronautics and Space Administration(NASA),
Office of Homeland Security,
Department of Transportation,
Department of State and Department of Commerce.
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2015年と2016年は、それぞれ10年後を想定した欧州コマンドエリアを想定した「Schriever Wargame」が行われており、今年はアジア太平洋に対象地域が移りました。

Schriever Wargame.jpg順番というか、北朝鮮がらみというか、その背景は不明ですが、日本が参加できていないことに危機感を覚えます。戦闘機ばかりに投資して、宇宙やサイバー人材育成を怠っていた結果でしょうが、残念です

米軍サイドのアジア太平洋エリアでの問題点として、以下の過去記事で
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1

中東戦域での様々な作戦要求に対応するため、運用要領や戦術や人員配置を改革してきたが、その代償としてアジア太平洋地域への対応準備が十分できていない
アジア太平洋戦域での宇宙管制任務は、極めて難しいものになる。そして大きな課題の一つが技術的なもので、マルチバンド周波数の必要性関連で、太平洋域の厳しい軍事環境では周波数ホッピングが求められるが、単一バンド周波数対応の現在の受信機にはその能力がない

・・・等との指摘がありました
専門的な話で良く分からないのですが、再度ご紹介しておきます

同演習の過去記事
「欧州を主戦場に大規模演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-11
「国際宇宙演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-19
「サイバーと宇宙演習の教訓1」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「サイバーと宇宙演習の教訓2」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02

最近の米空軍宇宙関連
「米空軍はA-11設置で対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-18
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1
「Red Flag演習指揮官に初の宇宙幹部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19
「戦略軍の宇宙演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-05

米空軍が宇宙活動アピール
「商用データも活用へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-20-1
「JICSPOCからNSDCに改称」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-06
「米空軍が宇宙活動アピール作戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24

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米国:再び米国人を月へ、そして火星へ [サイバーと宇宙]

混迷のトランプ政権に夢のある話題を提供できるか?
副大統領リードで国家宇宙評議会スタート
「再び米国人を月へ、そして火星やその先へ!」

National Space C.jpg5日、今年7月にトランプ大統領が再立ち上げした国家宇宙評議会(National Space Council)の第一回会議が、スミソニアン航空宇宙博物館内で開催され、リーダーを務めるペンス副大統領が「米国が再び宇宙をリードする」「再び米国人を月へ、そして火星やその先へ」とぶち上げ、明るい話題の無いトランプ政権に夢のある話題を提供しようとの姿勢を見せました

また第一回目の評議会に招かれた専門家から、「SSA(宇宙状況把握)を高めるための方策」提言や、「宇宙への戦力投射能力(つまり攻撃能力)保有の必要性」を訴える提言がなされています

この厳しい予算の世界、つまりメキシコとの壁建設の予算が1割しか確保されていなかったり、大規模減税を発表も財源があいまいな状況下で、どのようにこの評議会の議論が集約され実現するのか不透明ですが、初代評議会(1989-93年 初代ブッシュ大統領が設置も、NASA長官と他メンバーの対立で廃止)のようなことがないことを祈ります

ペンス副大統領はリーダーとして
国防長官、国務長官、国土安全保障省、商務長官、国家情報局長(DNI)、NASA長官、そして統合参謀本部議長等で構成される同評議会では、副大統領のリードの元、民間・商用・安全保障ニーズにまたがる宇宙関連緊急ニーズについて議論され、トランプ政権が宇宙にコミットしていることを内外に確信させることを狙っている

National Space C4.jpg●ペンス副大統領は危機感を訴え、「米国は21世紀を、宇宙に関する一貫した政策やビジョンを持たないまま迎えている」、「米国がリーダーシップを発揮しない状況の中、国境のない宇宙で、他国がかれらの主張や利害を押し通そうとしている」と語った
●更に副大統領は、「米国の敵対国が、どん欲に妨害やハッキング等の技術開発に取り組み、我の監視・航法・通信能力を無効化しようとしている」と訴えた

●そして副大統領は、トランプ政権が「米国人宇宙飛行士を再び月に送って基礎固めをし、その後火星やそれ以外の星にも送り込むために取り組む」と発言した
●またペンス氏は、米国人宇宙飛行士1名を国際宇宙ステーションに送り込むため、現在ロシアに約80億円も支払っている現状を嘆き、米国自身でそれができる体制を確立する必要があると語った
●今年2月、NASAはロシア側と、2017年と18年に少なくとも2~5名の宇宙飛行士を送り込む合意をしたが、その費用約400億円から換算すると一人約80億円の計算になる

専門家が評議会に提言
National Space C3.jpg●パネル討議に参加した専門家たちは、一様に米国のSSA(宇宙状況把握)能力を高める必要性を訴え、元DARPA研究員だった専門家Pamela Melroy女史は、「何時間も何日も軌道変更もしない、あまりにも素晴らしすぎる少数で多機能高性能な衛星に頼る現状」と「そんな衛星への脅威を脅威を無視できない」を指摘した
●前NASA長官のMichael Griffin氏も、「そんなに豪華でない、一方でタイムリーで包括的で継続的な状況把握が可能な仕組みが求められている」と訴えた

●Melroy女史は、「より多くのセンサーを保有し、より頻繁に情報をアップデートする必要がある」、「その際、個々のセンサーはそれほど高価で精密である必要は必ずしもない」と語り、頻繁に情報を更新することで精密さが不足しても状況把握には十分間に合うと説明した
●また、国防省はこのような体制を、官民協力体制で安価に構築することが可能だと述べ、急速に普及する商用宇宙センサーも活用することで、国防省のニーズに対応することが可能だと語った

●一方でGriffin氏は状況把握だけでは不十分だと述べ、同時に「宇宙への戦力投射能力(つまり攻撃能力)保有」に取り組む必要があると主張し、「相手が我々にそうする可能性がある中で、我も相手のアセットにリスクを示せなければならない」と語った
●ただ、攻撃能力を保有したからと言って、それを使用することとは別であり、米国の戦略上、抑止力を強化することが必要だと述べ、最も重要なのは「米国が強いと思わせることで、だれも手を出せなくすること」だと語った
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National Space C2.jpgSSAの重要性や宇宙への戦力投射能力については、これまでも専門家や米軍幹部などから訴えられてきたことですが、副大統領が「再び月へ、そして火星やその先へ」との発言まで絡めて宇宙の重要性を訴えるのは大きな動きです

まぁ・・・トランプ政権の打ち出した政策で、実現したことがあるのか?心もとないところではありますが、国家レベルで宇宙の重要性が認識され、世界に日本に発信される影響を考えて「良し」としておきましょう・・・

トランプ大統領が国家宇宙評議会を設置
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-08

宇宙軍創設をめぐるゴタゴタ
「宇宙軍独立法案が下院で承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-14-1
「下院が宇宙軍独立案を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-22-1
「米空軍はA-11設置で対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-18

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米陸軍が対北朝鮮に緊急準備開始 [Joint・統合参謀本部]

Wiltsie.jpg11日付Defense-Newsによれば、対北朝鮮に向けて在韓米軍で様々な課題が明らかになる中、9月に韓国を訪問した米陸軍の緊急能力造成室RCOの室長が、対北朝鮮に向け同室が緊急で取り組んでいる事項についてボンヤリ語りました

米陸軍の緊急能力造成室(RCO:Rapid Capabilities Office) は、米海軍や空軍の同様組織の成功を受け、2016年8月に発足したばかりですが、主に電子戦、位置特定航法、サイバー戦を力点に、部隊の要求を官僚機構をすっ飛ばして迅速に実現することを期待されている特別組織です

同記事は、電子戦やGPSが妨害を受けた際の位置特定航法技術の開発に取り組んでいる様子も紹介していますが、本日はとりあえず、対北朝鮮でどんな技術に取り組んでいるのか語った部分をご紹介します

11日付Defense-News記事によれば
Wiltsie2.jpg約5週間前に韓国を訪問したばかりのDoug Wiltsie緊急能力造成室RCO室長は、在韓米軍と米陸軍第8軍が、朝鮮半島情勢への対処に不足する部分を穴埋めするため、膨大な取り組みを行っていると5日語った
●そしてRCOは、既に中心課題として取り組んでいる電子戦や位置特定航法(PNT:Position, Navigation and Timing)のほかに南北境界線付近に北朝鮮が仕組んでいる地下施設対処に注力していると同室長は語った

●更に室長は、「地下施設対処には、我がRCOだけでなく、米陸軍中が膨大な力をつぎ込んで取り組んでいる」、「北朝鮮は地下トンネルに野戦砲やロケット弾を隠しており、それらで緒戦を戦おうとしており、当然地下に弾薬を保管し、化学兵器も隠されていると見られている」と説明した
Wiltsie3.jpg●そして、「膨大な地下施設の位置を特定し、どこに何があるのかを把握することで、作戦をどのように組み立てるべきかを考えることができる。このプロセスは本当に極めて重要な取り組みである(very, very important as part of that project)」と強調した

●地下施設特定に加え、電子戦も重要課題であるが、朝鮮半島での脅威対応は欧州大陸でのそれとは少し異なるとWiltsie室長は述べ、朝鮮半島では、まずより多くの航空アセットを投入し、後に地上アセットを送り込むことになろうがどのように送り込むかが(how that is going to go in)現下の検討課題だと語った
●また位置特定航法(PNT)に関し取り組んでいる成果を、朝鮮半島に投入しようとしているとも語った
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イージス艦とパトリオットミサイルだけが「カラ元気」で懸命に活動し、戦闘機が何の意味もない「B-1爆撃機とのランデブー飛行」で忙しいふりをしている日本には、特に関係のない陸上自衛隊の皆様には、少しは刺激のある報道だったかもしれません

Wiltsie4.jpg真剣に考えればそうですよねぇ・・・。38度線沿いの非武装地帯やその周辺の地下施設対処は最重要課題ですから・・・・

しかしこのWiltsie緊急能力造成室長の話からすると、まだまだ米軍は北朝鮮と正面切って対峙する状態には無いとも見えますしこんな話を軍事メディアに語っていて大丈夫か???と思います。
言葉で北を威嚇しているつもりなんでしょうか???

米陸軍の新たな電子戦への取り組み
https://www.defensenews.com/show-reporter/ausa/2017/10/11/heres-how-the-armys-electronic-warfare-program-differs-from-years-past/

RCOや同様の国防省組織
「米陸軍もRCO設立」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-01
「米高官が注目技術を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-09-1
「国防省戦略能力室SCOの主要課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-10
「カーター長官のSCOアピール」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-03

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露製エンジンRD-180無しでロケット開発へ [米空軍]

EELV.jpg5日、米空軍が次世代の軍事衛星打ち上げロケットの2022年使用開始を目指し企業からの提案を募る提案要求書(RPF:request for proposal)を発出しました。

「次世代の」というと聞こえは良いですが、このEELV(進化型使い捨て打ち上げ装置:Evolved Expendable Launch Vehicle)計画の発端には、ウクライナを巡る米露関係の悪化があります

元々米軍の大型軍事衛星は、アトラスⅤロケットで打ち上げられていましたが(デルタⅣもあるが高価格)、このアトラスⅤはロシア製RD-180ロケットエンジンを使用していました。
米国の安全保障を支える一部の大型衛星打ち上げを、ロシアに依存していたという驚きの構図になっているわけです

RD-180 2.jpgそれが2014年、ロシアのウクライナの実質併合で米露関係が悪化したことを受け、ロシアの国防相がRD-180の米国輸出打ち切りを示唆して米国内が大騒ぎになります。

数年分の打ち上げ用RD-180の在庫はあるのですが、米国産の新ロケットエンジンとロケット開発は容易ではなく、「米国の威信をかけて短期間で完成させろ。できるはず」派と、「リスクは受け入れがたく、屈辱に耐え、ロシアにRD-180追加緊急購入を頼むべき」派の論争が続きました。

結局現時点では、「できるはず派」の議会が、「屈辱受け入れ派」の米空軍や一部企業の要求を退け、8基ほどのRD-180在庫でしのげるギリギリの2022年までに次世代ロケットEELVを開発することで進んでいるようです

6日付Defense-News記事によれば
●米空軍は今回のEELV企業選定で、最終的には2020年までに2つの打ち上げロケットを選定し、2022年には選ぼうとしている
●ただ5日に発出された提案要求書では、(初期の)ロケット開発経費を提供する上限3企業をまず選定することになっている

Atlas-muos.jpg●EELV開発の前段階で、米空軍は既に4つの企業「SpaceX」「Orbital ATK」「ULA」「Aerojet Rocketdyne」とパートナー合意文書を交わして基本構想の提案を求めており、「SpaceX」はFalcon Heavy rocketで、「Orbital ATK」はNext Generation Launch systemで、「ULA」はBlue Originエンジンを使用したでVulcanロケット、そして 「Aerojet Rocketdyne」はAR1エンジンで取り組んでいる
現時点では、「SpaceX」「Orbital ATK」「ULA」の3企業は提案要求書に応じ、それぞれの提案で機種選定に臨むと見られている
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何の技術的知識もありませんが、個人的には「SpaceX」社の「Falcon Heavy rocket」に期待したいと思います。

この「Falcon Heavy rocket」は、同社の基本ロケット「ファルコン1」ロケットを9本束ねた「ファルコン9」とも呼ばれるロケットで応札しようとしているようです。

米軍事衛星打ち上げ関連
「混迷の露製エンジンめぐる論争」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-24
「10年ぶり米軍事衛星打上げに競争導入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-03
「国産開発が間に合わない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-29-1

「露製エンジンを何基購入?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-30-2
「米国安堵;露製エンジン届く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-22
「露副首相が禁輸示唆」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-22

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