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再び女性が次の米空軍長官候補に [米空軍]

民間人で初めてFA-18で空母に着艦した人物
宇宙飛行士の訓練済でバックアップ要員だった人
フィンランド大使経験で過去にも空軍長官候補に

Barrett.jpg21日、トランプ大統領が次の空軍長官候補に、ビジネス・航空宇宙・政治の面で実績がありそうなBarbara Barrett女史を推薦する予定だとツイートしました。仮に議会で承認されれば、3名連続で女性が米空軍長官に就任することになります

非常に惜しまれつつ5月末に空軍長官職を去るこのHeather Wilson空軍長官の後任で、まんぐーすの理解を超えるご紹介するのが難しい Barrett女史(68歳)ですが、上院軍事委員長や空軍出身のMartha McSally上院議員からも適任だとのコメントが早々に出されていることから、議会承認には問題はなさそうな雰囲気です

ご主人が元インテルCEOで、ご本人も30歳前にフォーチュン500社の企業2社で役員を努めていたというご夫婦そろって輝かしいご経歴の持ち主です。

多くの企業や公的機関やシンクタンクの評議員や取締役会メンバーだった経験があり、どれが現状で過去なのかよくわかりませんが、とりあえずのご紹介をしておきます

21日付米空軍協会web記事等によれば
1950年アリゾナ州生まれで、テキサス州立大学の法律修士号を取得。著名な法律事務所の設立メンバーとなる。30歳前にフォーチュン500社の企業2社で役員を努める
2代目ブッシュ政権時の2008年から8か月間ほどフィンランド大使を務め、同ブッシュ政権時には国連大使の上級顧問も努める

Barrett2.jpg同ブッシュ政権時に空軍長官候補者に名前が挙がったが、当時は推薦を辞退している
1994年に女性として初めてアリゾナ州知事の共和党候補に挙がったが、共和党内の候補者絞り込みの中で漏れた

2010年の国際宇宙ステーションへソユーズ打ち上げメンバーのバックアップメンバーに「ツーリスト」として登録され宇宙飛行士の訓練も経験した模様
●時期は不明ながら、航空機は計器飛行資格を持ち、民間人で初めてFA-18で空母への着艦を行った経験者と記録されている

航空宇宙や国防関係の職務経験としては、連邦航空局FAAの副局長(レーガン政権時)、RAND研究所や宇宙財団やレイセオン等々の評議員を多数務めている

推薦に関する関係者の発言
Barrett.jpg●Jim Inhofe上院軍事委員長はツイッターで、彼女のビジネス、政府、外交官としての輝かしいキャリアと、航空宇宙分野における長年の経歴は、空軍長官職にとても適しているツイートした

●空軍のA-10飛行隊長まで務めたMartha McSally上院議員は、「Barrett大使の指導力、経験は米空軍を新たな脅威の時代を迎える時代で導くにふさわしいものであり、航空宇宙における支配を今後も確実にしてくれるもので、Wilson長官の素晴らしい功績事例を継いでくれると確信している」、「トランプ大統領にも彼女の素晴らしさを最近紹介した」とコメントを出した
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コメントをする知識がありませんが、宇宙軍創設をぶち上げて推進しているトランプ大統領ですので、宇宙飛行士の資格を持つBarrett女史に関心を持ったのかなぁ・・・と思いました

フィンランド大使を1年未満で交代し、すぐさまソユーズ宇宙船のなんちゃってバックアップ要員に選ばれている辺りが、なんとなくしっくりこないのですが・・・(宇宙飛行士の写真は2009年のもの)

いろいろ報道を見ましたが、結局は以下のウィキペディアの経歴をコピーしたもので、実際の人物像は、外国人のまんぐーすには良くわかりません
米国にはいろいろな人材がいるなぁ・・・というのが率直な感想です

ウィキペディアのBarbara Barrett女史
https://en.wikipedia.org/wiki/Barbara_Barrett
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空母トルーマン早期退役案は早くも修正 [安全保障全般]

トランプ大統領が自身の予算案を修正とツイート
米海軍幹部が早期退役案を擁護している中で
「はしごを外された」とはまさにこのこと

trump state union.jpg1日、トランプ大統領がいつものツイッターで、「空母トルーマンの早期退役案」を修正する(I am overriding)とつぶやき3月に自らが政府案として提出した2020年度予算案に含まれる、空母トルーマンを寿命半ばにして退役させる案を修正する方向を示しました

この修正については、前日の4月30日に同空母を訪問したペンス副大統領が同空母勤務員を前に示唆していたところですが、比較的新しい1998年に就航した同空母の燃料交換大修理を行わず、寿命を25年も残して早期退役させ、修理費や維持費分を新型空母建造に活用しようとの案の方向転換です

トルーマン早期退役案については、5月中旬に国防省を去る試験評価局長の強引にまとめた施策だとか、米海軍全体の必要戦力量分析が実施中なのになぜ可能と言えるのかとか、様々にその背景や考え方に疑問を投げかける議論が巻き起こっており、特に米議会では主要議員がこぞって反対姿勢を示していました

それでも・・・・、海軍長官や米海軍首脳は、次の海軍作戦部長候補も含め、将来に向けての投資確保を理由に、懸命に説明を試みていたのですが・・・

1日付Defense-News記事によれば
Truman3.jpg1日、トランプ大統領はツイッターで、「私は、1998年に就航したばかりの偉大な空母トルーマンを退役させるとの予算命令を修正する(I am overriding)。建造中の新しい空母価格の一部を修正する」と発信した
上院軍事委員会のJim Inhofe委員長は前日のペンス副大統領の見直し発言を受け、「彼らは関係者の早期退役案への反応を観察し、如何にばかげた案であるかを知ったのだ。過ちをただすという、なすべきことをしたということだ」と述べている

●同委員長は早期退役案が提出された3月から、トランプ大統領とボルトン大統領補佐官を厳しく批判し、少なくとも10隻の空母が必要なことを強調していた
下院軍事委員会の海洋パワー小委員会委員長であるJoe Courtney議員も、「トランプ政権が超党派の反対意見に耳を傾け、寿命が半分残っている空母を破棄する誤った考えを改めてくれたことをうれしく思う」と述べた

●ただ同小委員長は、1日の時点では正式に2020年度予算案を修正して同空母早期退役案を取り消すとの修正案を受け取っていないし、米海軍の長期艦艇計画の修正も入手していないと述べた
上院予算委員会のRichard Shelby委員長は、「どのような経緯で早期退役案を修正する判断に至ったのか、我々は聞いていない」と疑問を呈したが、「我々超党派の議員は早期退役を望んでいないし、まだ新しい空母を生かすべきだ」と述べている

議員の間には、空母早期退役案を打ち出すことにより、予算追加配分を米海軍が狙っているのではないかとの憶測も流れ、卑怯なやり方だと非難の声も上がっていた
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まんぐーすには案の是非を議論できるだけの知識がないのですが、かわいそうなのは米海軍幹部です。

Bill Moran.jpgペンス大統領が案修正を示唆した午後には、次期米海軍軍人トップ候補が議会で必死に早期退役案を説明しており、正式決定までは「はしごを外された」と分かっていても、愚直に務めを果たす姿がそこにありました。痛々しいです・・・

早期退役案を巡る「裏話」は今後徐々に表に出るでしょうが、予算案はあくまでも大統領が提出するものであり、その大統領から裏切られてはたまりません・・・

「空母トルーマン早期退役案で大紛糾」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-29
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米空軍が無人救難ドローンの提案を募集開始 [米空軍]

この分野にもついに無人機が進出か
リスクを負う兵士の数を局限するため・・・

drone rescue.jpg16日付米空軍協会web記事によれば、米空軍が敵地や厳しい環境での運用を想定した救難救助無人機の提案を募集し始めた模様で、提案の募集は「SBIR:Small Business Innovation Research」のwebサイト上に募集要件が掲載され、7月1日まで募集しているようです

ドローンの活用分野は様々に拡大しており、一般社会への普及と小型化や低価格化には驚くばかりで、ふと空を見上げた時にドローンを目にすることも増えてきました。(その多くが飛行禁止空域など考えていない飛行のような気がしますが・・・)

軍事への応用も様々ですが、任務上のリスクという点では最上位に位置する救難救助(rescue)でも、本格的に導入が検討開始されたようです。
ここでのレスキューは、航空機から脱出した操縦者の救助という目的だけではない、紛争地域や敵支配領域に侵入して任務を行う特殊部隊員の回収なども任務に含むようです

以下では16日付米空軍協会web記事から、その要求性能をご紹介し、米空軍のイメージを把握したいと思います

レスキュー無人機に求められる性能
drone rescue2.jpgCH-47へりやC-130輸送機から空中投下が可能で、一方で地上クルーにより地上から30分以内に発進させることが可能
2-4名と担架一台が輸送可能で、200nm飛行可能

未舗装地への離着陸が可能で、指定された50×50フィートの範囲で離着陸できること
敵から発見されない性能を追及し、特に離着陸時の騒音局限を重視する

高いレベルの自立運航能力を備え、現有の無人機と同じく保全されたデータリンクで遠隔操作が可能
様々な運用環境で使用可能で、ジャングル、砂漠、海上なども運用対象エリアに含まれる。

提案要求の説明文では
drone rescue3.jpg●国家防衛戦略NDSの狙いに沿い、世界中の作戦地域で、敵の攻撃下にあっても、戦力を展開させ、作戦させ、機動展開させ、再投入することを全てのドメインで実現する必要がある
●またこのような多様な想定では、人里離れた場所や、遠隔地での作戦遂行が求められ、このため低コストで小さなチームを投入・脱出させるオプションを増やす必要があり、併せてこれら輸送に伴う人的リスクを増加させないで実現する必要がある
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「CH-47へりやC-130輸送機から空中投下が可能」の部分に驚きましたが、よく考えれば必要な能力ですねぇ・・・

どの部分の要求のハードルが高いのかよくわかりませんが、非常に面白いです。この技術は「無人空中タクシー」にも応用できそうな気もしますし・・・

7月1日の締め切りが楽しみです。何らかの報道が出ることを期待いたしましょう

おまけ映像(これは有人機)
5月17日に初飛行した米空軍の次期救難ヘリHH-60W


無人機関連の最近の記事
「無人機でサイバー攻撃に反撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-11-1
「空軍のジェット無人戦闘機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06
「XQ-58A 初飛行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-1
「空母搭載の小型無人機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-03
「中国製無人機が増殖中」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-06-2

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英国防省もイラン脅威に慎重でスペインは艦隊離脱 [安全保障全般]

英国防省が「イランの脅威増はない」発言の英軍少将を擁護
スペイン艦艇は空母リンカーン戦闘群から離脱
米国務長官も欧州諸国から冷たい扱いを

Lincoln.jpg15日、英国防省は自国出身の対ISIS多国籍部隊の副司令官(英軍少将)がイラクからの脅威が増しているとの認識はない」と発言したことについて、これを支持する声明を発表しました。

この英軍のChristopher Ghika少将は、14日のペンタゴンとのTV会議で質問に答える形で「イランに支援された在イラク及び在シリア勢力からの脅威の増加は全くない」と明言し、米中央軍の報道官が否定する声明を直ちに発する騒ぎの発端となった人物ですが、対イラン脅威認識について米英の食い違いを象徴する事象として大きく報道されているところでした

しかしこの対イラン脅威認識の食い違いは英国に限らず、急きょペルシャ湾に派遣された空母トルーマンと行動を共にしていたスペインミサイル駆逐艦も、イランとのごたごたに巻き込まれたくないとの理由で、14日に空母トルーマン戦闘群から離脱したそうです

B-52.jpgもう一つ14日には、対イランの米国姿勢を説明するためブラッセルに赴いたポンペイオ国務長官に対し、欧州各国首相はつれない姿勢を貫いたらしく、イランの脅威の実態いかんにかかわらず、欧州諸国は「係わりたくない」姿勢を隠すことなく主張しています

一方でイラン外相はインドや日本や中国を訪問して自国の立場をアピールし、米国の行動を地域の緊張をでっちあげる悪者と宣伝に回っており、米国の国際的な立ち位置は厳しいものとなっています

16日付Military.com記事によれば
Ghika.jpg15日早くに出された声明で英国防相は、Christopher Ghika英軍少将は自身の職務として情勢アセスメントを述べたものであると、淡々とその職務遂行ぶりを追認している
●一方で米国では、国務省がバクダットや北部イラクに在住する緊急要員でない米国人に避難勧告を出したことから、米上院では与野党両サイドから、イランの脅威の増加に関する説明を求める声が相次いだ

●また、14日にスペインのミサイル駆逐艦が空母リンカーン戦闘群から離れた理由についてスペイン国防相は、「米国政府がスペイン海軍と合意していた枠組み以外の決定を行ったからだ」と述べ、「一時的に米空母艦隊への関与撤から退する」としている
●イラクに兵力を派遣しているドイツとオランダも、米国務省が米国民の避難勧告を行ったことから、任務として取り組んでいたイラク治安部隊の訓練を中断し、自身の防御体制確保に攻めている

●専門家は「米国の同盟国で、中東地域でこれ以上の事態エスカレーションを望んでいる国はない」と言い切っているが、米国の中東での活動は同盟国によって支えられており、特に海上での作戦は米国だけでは成しえないと指摘している
Ghika2.jpg●イランの敵対的な動きに対し、米国が地域の戦力を増強するのはやむを得ないとみる専門家も、冷戦後の時代の流れの転換点にあるとの認識を示しており、イランの反米勢力への支援の増加に警戒感を示している

●そして、米国とイランのにらみ合いが続くことで、双方の誤解やご認識がきっかけとなり、関連の武装勢力が引き起こす事案に発展し、情勢がエスカレートすることが一番の懸念だと関係者は気をもんでいる
●欧州を訪問した米国務長官に対し、EUの外相に当たるFederica Mogherini女史は、ポンペイオ長官が主張する「最大限の圧力」ではなく、「最大限の自制」を米側に求めた

Iran-RQ-170-22.jpgイランへの強硬姿勢で米政権を支持する立場のLindsey Graham上院議員(共和党)も、国務省と国防省は、イランからの一連の「明確で信頼できる脅威」について議会に説明しべきだといらだちを表明している
トランプ大統領は15日の一連のツイートの中で、「イラン側は間もなく対話を求めてくるだろう」と述べている
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この記事を掲載することには、事態が進展しているような気もしますが、ちょっときな臭いので記録しておきます

関連の記事
「英軍少将がイランの脅威増を否定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-16
「イランからの明確な一連の脅威でB-52派遣」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-08

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多国籍軍の英将軍がイランの脅威を真っ向否定 [安全保障全般]

OIR作戦部隊の副司令官がペンタゴンに言い放つ
「no increased threat from Iran」

Ghika.jpg14日、イランやシリアでのイスラム過激派対処作戦(OIR:Operation Inherent Resolve:生来の決意作戦)の副指揮官であるChristopher Ghika英軍少将が米国防省と結ばれたテレビ会議で、「イランに支援された在イラク及び在シリア勢力からの脅威の増加は全くない」と明言し、イランの脅威を強調している米政府の認識との相違を強調しました

この14日朝の英将軍の発言を米中央軍は慌てて否定し、中央軍報道官が「明確に認識された信頼できるイランからの脅威に関するインテリジェンス情報を米国や同盟国から入手している」と改めて強調し、中東域の米軍等が高い警戒態勢にあることを再度強調しました

真実の程は分かりませんし、英少将の発言の真意も詳しくは伝えられていませんが米軍の中東での動きが急で、何となくホワイトハウス主導の迅速な対応に驚いていた人々にとっては、中東情勢の実態について「?」マークで見ざるを得ないような雰囲気になってきました

14日付Military.com記事によれば
Ghika2.jpg●14日、ペンタゴンとのTV会議での質問に答えたOIR多国籍部隊の官であるChristopher Ghika英軍少将は、、「イランに支援された在イラク及び在シリア勢力からの脅威の増加は全くない」と明言した
●そして同少将は、「もし脅威レベルが上がるようなことがあれば、我々は警戒態勢をそれに応じて高める」と他人事のように表現した

この発言に対し、米中央軍報道官は当日午後すぐに反論し、「明確な脅威情報に基づき、在イラクと在シリアの米軍部隊は高い警戒態勢にある」、「明確に認識された信頼できるイランからの脅威に関するインテリジェンス情報を米国や同盟国から入手している」と改めて強調した
●更に同報道官は、「これらを受け、OIR部隊は高い警戒態勢にあり、在イラク米軍部隊に対する信頼できる脅威情報を注意深くモニターしている」と改めて述べた

米中央軍は、英軍少将の発言により、イランがもし攻撃した場合に米軍が反撃するとのホワイトハウスの姿勢の信頼性が損なわれると懸念しているようだ

B-52.jpgイラン外相は14日、UAE近海で4隻の船舶がイランからの攻撃により被害を受けたらしいとの報道は、米国がイランを攻撃するための口実をでっちあげるためのものだと警告した
●更に同外相は、「米国の過激な思想を持つ政策担当者たちが、地域情勢に問題や懸念を無理やり押し付けようとして、破壊工作や疑わしい事象をでっちあげている」、「我々は以前から、米国がこのような手段で地域を緊張させるだろうと予想していた」と訪問中のインドで訴えた
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是非ともOIR副指揮官である Ghika英軍少将には、更なる発言をお願いしたいのですが、二度と表舞台に出てくることはないのでしょう・・・

イランを巡る対応について、米国と欧州諸国の亀裂が拡大しています。14日にブラッセルを訪問した米国務長官が対イランの協力を求めたのに対し、欧州諸国は極めて冷淡な対応だったようです

偶発的な事案が起きないことを祈るばかりです

「切迫イランの脅威で中東にB-52を緊急展開へ」
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-08

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国防省監察官が指摘:太平洋軍の演習場不十分 [米国防省高官]

先に紹介した太平洋軍司令官の議会要望と一致

Inspector General3.jpg4月25日付米空軍協会web記事が、米国防省監察官による米太平洋軍に対する監察結果を報じ、同軍担当エリア内の演習場施設や装備が貧弱で、訓練を著しく阻害していることから、国家防衛戦略で対中国を重視する国防省として、早急に対策を採るべきだとの指摘を取り上げています

今、最も脅威に対する準備を迫られている太平洋軍ですが、Davidson太平洋軍司令官が先日議会に提出した「予算を認められていない重要事項一覧」 レターでも訴えていた演習環境整備を、国防省監察官からも同じタイミングで問題提起されたということです。

同軍担当エリアの演習環境が、「WW2当時から全く進歩していない」状況で、新たなアセットを導入してもその能力を使いこなす訓練を出来ない状況にあるとの指摘であり、内部外部からの同時指摘でその問題の重大性を感じ取っていただきたいと思いますし、自衛隊と米軍が狭いエリアを共同使用している日本も、何らかの対応を迫られる可能性があると認識すべきでしょう

4月25日付米空軍協会web記事によれば
F-16KoreaWalk2.jpg国防省監察官(Inspector General)が最近の報告書で、太平洋地域の演習場は特に最新鋭機パイロットの訓練を著しく制約しており、早急に改善する必要があると指摘した
●同監察官は、日本、韓国、ハワイ、アラスカ、ネバダ州、アリゾナ州の演習場をレビューし、演習場や演習空域がWW2や冷戦当時の任務対応の状態からそのままで、太平洋軍に配備されているアセットの即応態勢を維持し鍛える容量も能力も不足していると指摘した

例えば米空軍アセットや同盟国も交えた訓練で頻繁に使用されるアラスカの演習場・演習空域は、現状に即した電子戦システムがなく、パイロットに十分な訓練環境を提供することができない
●また、このアラスカの演習場・演習空域は、それを運営する明確な指揮管理枠組みがない問題も背景にあると指摘している。更に日本や韓国の演習環境は、ホスト国軍との共同使用で使用が制限される状態にある

alaska training range.jpg●このため太平洋軍航空機操縦者は国家防衛戦力が求めるような戦いの訓練ができず、求められる地域の作戦や作戦目的の達成に不可欠な準備が出来ない状態にある
監察官報告書は国防省に対し、各軍種の演習場管理改修計画を再確認し、それが実行可能性のある適切なものなのか国防省全体で確認すべきと指摘している。また更に国防省に対し、最新航空機などに配慮し、訓練環境の地域ギャップを埋めるため、全世界の米軍部隊を見渡しての対策を促している

●すでに太平洋空軍司令官は、実動とVRを効果的に組み合わせた演習環境整備の必要性を主張しており、アラスカ演習空域に新たな訓練装備を導入する方向で検討を行ってると昨年9月に語り、「全てを実環境で模擬して訓練することは困難であり、VR導入が訓練レベルアップに重要だ」と語ってる
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Inspector General2.jpg太平洋軍エリアは、特に西太平洋で作戦拠点となる場所が少ないうえに小さく、米本土からの距離も遠いため各種兵站輸送にも時間が必要で、おまけに多くが中国の各種ミサイル射程内に所在するという弱点を抱えており、中国のA2ADの前に成すすべ無しが現実です

そんな「泣きっ面」に演習訓練環境の不備まで指摘されては気持ちも萎えてしまいますが、ここは米国からの外圧で、電子戦も射撃訓練も自由にできる演習場・演習空域が日本で確保されることを期待いたしましょう

太平洋軍司令官が米議会に請願
ミサイル防衛体制強化や米陸軍クロスドメイン火力の増強を訴えると同時に、演習場の整備支援を要望
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-29

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新たな時代:サイバー攻撃に対し即座に武力で反撃 [サイバーと宇宙]

5月5日、静かに世界は新たな武力行使の歴史を刻む

土屋大洋4.jpg10日付ニューズウィークJapan電子版が、慶応大の土屋大洋教授によるコラム「サイバー攻撃にミサイルで対抗:イスラエルはサイバー・ルビコン川を渡ったか」を掲載し5月5日にイスラエルがパレスチナ武装勢力ハマスが行ったサイバー攻撃に対する反撃として、ハマスのサイバー拠点を同日中に無人機からミサイル攻撃したこと取り上げました。

この攻撃(反撃)はイスラエル国防軍が5日中にツイッターで明らかにしたもので、サイバー攻撃に対して火力を用いて反撃する可能性があることを明確に示した点で、武力紛争史における新たな時代を告げるものとして注目を集めているとコラムは紹介しています

コラムはハマスのサイバー攻撃について
●イスラエルは詳細を明らかにしていないが、「イスラエル市民の生活の質」を損なうことを目的としたサイバー攻撃だったとしている。おそらく重要インフラストラクチャを狙ったのだろう。
●しかし、ハマスのサイバー攻撃はそれほど洗練されたものではなかったためにすぐに阻止された。そして、すぐさまイスラエルがハマスのサイバー拠点にミサイルを撃ち込んでサイバー攻撃ができないようにした。

コラムは本攻撃の注目点として
土屋大洋.jpg●もはやサイバー攻撃は密かに行われるものではなく、米国もイスラム国などにサイバー攻撃を行っていることを公言しているし、程度や質の差はあれ、中国、ロシア、北朝鮮、イランなどはサイバー攻撃の黒幕として見られることが多い。しかし、それへの報復がこれほど短時間で、そしてサイバー攻撃ではなく火力を用いて行われたことが注目を集めた。
●今回のようにサイバー攻撃への反撃として火力を直接的に短時間で用いたことはおそらくなかっただろう。仮にそういうことがあったとしても、政府や軍がそれを明言したことはなかった。その点が今回の事件は新しい

短時間でハマスのサイバー拠点を反撃攻撃したということは、事前にその建物がハマスのサイバー攻撃の拠点であることをつかんでいたと見るべき。サイバー攻撃のアトリビューション(誰がどこからやったのかの特定)は一朝一夕にはできない
●数時間の単位で一気にアトリビューションを行えるとは考えにくい。普段からイスラエル軍は各種のサイバー攻撃グループを特定し、監視下に置いていた。だからこそ素早い措置がとれたのだろう。

サイバー攻撃への対抗措置の経緯について
●米国の例
土屋大洋2.jpg---2014年末にソニーピクチャーズ・エンタテインメントがサイバー攻撃を受けた際、米国政府はすぐに北朝鮮政府に責任があるとアトリビューション(名指し)し、その後、北朝鮮のインターネットが一時不通になったため、米国が報復措置をとったのではと見られたが、米国国務省は「コメントしない」とした
---2015年に米国政府人事局(OPM)から大量の個人情報が盗まれ、経済的なサイバースパイ活動も大規模に行われたことから、オバマ米大統領は習近平に詰め寄り、経済目的のサイバー攻撃を相互に行わないという合意を
---2016年の米国大統領選挙でロシア政府が介入を行ったと判断すると、オバマ大統領は政治的制裁に踏み切り、スパイ活動を行っていたロシアの外交官を追放し、ロシア政府が使っていた米国内の拠点2カ所を没収

国際法上、制裁や報復には均衡性の原則があり、イスラエルの物理反撃を「Too Much」として批判する声も多い。かつてはサイバー攻撃に核兵器との声もあったが、さすがに行き過ぎだろうと多くの国際法学者は考えている。
●しかし、誰がやったのかわかりにくく、攻撃そのものが潜伏型で行われることが多いサイバー攻撃では、何をもって均衡がとれているとするのか、判断がきわめて難しい

「先例になるのか」に関しコラムは
土屋大洋3.jpgこれまでも、サイバー攻撃に対して物理的な攻撃による反撃があることは否定されていなかった。「あらゆる措置をとる」とする政府が多く、サイバー攻撃にはサイバー攻撃で対抗しなければならないとする政府はほとんどない。そこには選択肢を残しておきたいとする気持ちが表れている。
●(ただし、)サイバー攻撃が「武力攻撃」と認められるほど苛烈であることを前提とし、単に個人情報が抜かれたという程度では武力攻撃とはいえない。電力網が広範囲に停止させられたり、何かが爆発したり、あるいは非常に危険な事態になることが明白な場合に限定との考え方が一般的

日本についてコラムは
2018年3月の衆議院安全保障委員会で当時の小野寺五典防衛相が、他国からサイバー攻撃を受けた場合、対抗手段としてサイバー攻撃をすることは可能とする認識を示している。これはサイバー攻撃にはサイバー攻撃で対応することができるという解釈である。
2019年4月25日の参議院外交防衛委員会で岩屋毅防衛相は、さらに踏み込んで、日本が外国からサイバー攻撃を受ければ自衛隊による防衛出動もあり得るとの認識を示し、「武力攻撃の排除のために必要な措置を取るのは当然だ。物理的手段を講ずることが排除されているわけではない」と述べた
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Cyber-new1.jpg土屋教授はコラムの最後で、このような反撃やサイバー対処には、陸海空宇宙サイバーといったドメインの垣根を超えた作戦運用が求められていることを指摘し、昨年12月に決定された新しい防衛計画の大綱が「多次元統合防衛力」をキーワードにした点に期待を寄せ、さらある発展を求めています

サイバー攻撃に即時武力反撃を行ったイスラエルを、「ルビコン川を渡る判断をしたカエサル」に例える論調もあるようですが、人目に触れないように闇夜に紛れて川を渡ったり、その渡り方を検討しているのが中国ロシア米国などなど世界の国々ですから、何でもありを前提に、日ごろから備えに怠りなく・・・があるべき姿勢でしょう。

最近のサイバー関連記事
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米海兵隊F-35Bが英空母に展開運用へ [亡国のF-35]

実態は英海軍のF-35B調達遅れを穴埋め
35機搭載可能なのに最大24機しかない悲しい現実

Queen Elizabeth4.jpg7日付Military.comは、米海兵隊幹部による発言として、2020年末に運用態勢を確立予定の英空母クイーン・エリザベスに米海兵隊のF-35Bが2021年に同空母に展開して行動すると報じています。

同空母は2017年春に進水し、2018年夏から秋にF-35B搭載試験を米東海岸沖で3機の英軍F-35Bで開始し、2020年12月~2021年春には初期運用態勢を宣言予定で、その後2021年には初の作戦展開を予期しているよううで、その任務実施時又は事前訓練時から米海兵隊F-35Bが艦載されるようです

記事は米軍と英軍の新たな協力強化のシンボルとして米軍F-35Bの艦載計画を「美談」として取り上げていますが、実はこの背景には英軍の厳しい予算状況があり、空母エリザベスに搭載を予期していた35機のF-35B調達の見通しが立たず、米軍F-35Bに助けてもらわなければ、空母の最大能力発揮(訓練も含め)ができないっていない悲しい現実があります

F-35B-2.jpg2015年制定の英国防省「Strategic Defence and Security Review」では、2023年までに24機を調達を目論んでいるが、2020年12月の初期運用態勢確立時点で何機調達済みで、何機使用可能かも未定で、2016年の米英国防相会談で米軍F-35B派遣の協議が開始されていました

ついでに、英軍が長期計画で明らかにしている138機(全タイプ合計で)のF-35調達を、多くの英軍関係者が実現不能だと考えている状態であることも付記させていただきます。
更にEU離脱騒ぎで、英国経済の減速感は増し、英国防費の見通しに明るい材料はありません

そんなことを念頭に置きながら米英の相互運用性向上という明るい部分にのみ日を当てた、米海兵隊中将の発言をご紹介させていただきます

7日付Military.com記事によれば
F-35B-test.jpg米海兵隊の航空部隊トップのSteven Rudder中将はワシントン郊外で開催されたイベントで講演し、英海軍の新型空母が作戦任務に就く2021年に、米海兵隊のF-35Bが同空母に展開すると明らかにした
●このF-35派遣は長く協議されてきたもので、米英間の新たな協力関係のモデルになると同中将は説明した

同中将はまた「これは素晴らしい新たな道で、海洋作戦パートナー間の共同作戦実施における新たな基準になる潜在性を秘めている」と表現し、同空母には「英海軍F-35Bとヘリ、英海兵隊、米海兵隊のF-35Bなどが搭載されることになろう」と語った
米海兵隊報道官は、この米海兵隊F-35B展開は、米英の相互運用性進展上、極めて大きなマイルストーンとなると述べ、同空母が2020年秋と2021年春に、作戦任務に就く前の事前訓練を英国周辺で行うと明らかにし、この訓練が重要なものになると言及した

Queen Elizabeth.jpg米海兵隊F-35Bは昨年秋、米海兵隊のF-35Bテストパイロットを既に同空母に数週間派遣して確認を行っており、米側内部では既にどの飛行隊から派遣されるかも選定されているようだが、派遣機数も含め Rudder中将は言及を避けた
英国以外にもF-35Bを艦艇に搭載しようとの動きがある。イタリア海軍は保有空母の1隻に同機を搭載する予定で、日本も駆逐艦に搭載を計画している
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2021年に米海兵隊機が空母エリザベスに展開したとき、米海軍のF-35Bが何機そろっているか気になります

まぁ・・・英国海軍の悲しい内情は置いておくとして、もしかしたら、海上自衛隊の「いずも」から、米海軍海兵隊のF-35Bが運用される話がすでに出ているのかもしれません

2016年の関連記事
「英空母が航空機不足で米軍にお願い」https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-03

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如何にShanahan氏はトランプに仕えているか [米国防省高官]

他に成り手がないとの声も聞かれますが・・・

Shahahan.jpg9日、ホワイトハウス報道官は、今年1月1日から空席となっている国防長官の候補に、現在の臨時長官(同じく1月1日から)で前副長官であるPatrick Shanahan氏をトランプ大統領が推挙したと発表しました。

これまで国防長官の空席最長期間は2か月間で、今回はそれをはるかに上回る5か月目に入っていますが、当初は「生意気」とか「軍需産業出身できな臭い」とか「対外政策の素人」とかで評判の良くなかった同氏も、これまでの臨時長官としての仕事ぶりで安定感を見せ、強い支持ではないものの、議会承認は問題なかろうとの雰囲気の様です

本日は信頼するDefense-NewsのAaron Mehta副編集長監修の関連記事から、 Shanahan氏の国防政策への姿勢やトランプ大統領との接し方などについてご紹介します

9日付Defense-News記事によれば
Shanahan2.jpg●現在56歳である Shanahan氏は、数十年に渡りボーイング社で勤務したのち、2017年4月から国防副長官に就任し、Mattis国防長官の下で国防省内の改革の仕切りや国内政策を担ってきた

●今回の長官への推挙は、同氏がボーイング社関連の装備品導入に臨時長官として関与したのではとの疑惑に関し、国防省監察官が「シロ」判定した数日後の9日に行われた
民主党側が大統領選挙を見据えた戦略で、この推挙に異論をはさむ余地がないわけではないが、上院軍事委員会も「熱狂的ではない」ものの、承認に大きな反対はないものとみられる

Shanahan氏は臨時長官就任当初から、Mattis長官の路線を引き継ぐと明言しており、特に国家防衛戦略NDSが示す、対テロから本格紛争への備えへの移行を強く主張し、国防省の高官も Shanahan氏の長官就任で大きな変化はないと語っている
Shanahan4.jpg●そして Shanahan氏が特に明確にしているのは、何にもまして、第一優先が対中国である点である。国防省高官は「毎日毎週、中国を忘れるな、NDSが中国を重視していることを忘れるな」と Shanahan氏が強調していると語っている

●一方、 Shanahan氏を支持する人でも、彼が対外政策のエキスパートでないことを認めている。国防長官の主要業務は諸外国とかかわることでもあるが、従来の国防長官に比して、内政に焦点が当たるのは避けられないとみられている
●例えば、トランプ大統領肝いりの「宇宙軍創設」に積極的に関与していくだろう。臨時長官としての現在も、国防省改革や宇宙軍創設について語るときは、より話しやすそうにしていた

●立ち向かうべき国防上の課題はMattis長官時代と変わることはほとんどないが、ホワイトハウスとの関係や接し方については、Mattis長官とは異なったものになろう
Shanahan6.jpgMattis長官時代には、トランスジェンダー兵士の扱い、メキシコ国境の壁や警備問題、韓国との軍事演習中止など、大統領が迅速な実行を求める問題があったが、持ち帰って検討すると返答し、Mattis長官らが如何に対応するかの協議をしていること自体が大統領の反感を買っていたことをShanahan氏は学んでいる

●そこでShanahan臨時長官は、まず大統領に「YES」と答え、大統領の意図を理解したものとして持ち帰り、後に具体的な遂行オプションや臨時長官の代替案などを大統領に報告するスタイルを取っている。
●言い換えれば、「了解しましたボス。我々は指示を実行します」とまず対応し、しかし後に「より良い、ベストな方法を考えてきました」と切り替えして持ち出す方式である
●具体的にこの手法が功を奏したと言われているのは、大統領がシリア撤退を持ち出した際の国防省の対応と、アフガン対応に関する大統領との調整の場面である

●メディアとの関係では、Shanahan氏はMattis長官と同様に、積極的にメディアやカメラを活用しようとのタイプではないが、Shanahan氏はカメラの前でのブリーフィングを報道陣とは約束しており、新しいメディア担当官を指名している
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Shanahan5.jpg実際に上院軍事委員会で、承認が順調に進むかは保障できません。Aaron Mehta副編集長を信じたいところですが・・・

少なくとも2月の段階では上院軍事委員長のJim Inhofe議員(共和党)が記者団に、臨時長官にはマティス氏のような「謙虚さ」が欠けていると述べ、更に、臨時長官はあくまで臨時であり、国防省全体の業務をかじ取りする力を供えていないのだから、政権は正規の国防長官を任命することになると明言していました。

また共和党有力上院議員のLindsey Graham氏は、臨時長官からの中東情勢ブリーフィングを受けた後、「臨時長官は私の信頼を失った」と関係者に語り、臨時長官に対しても直接「敵対勢力として行動せざるをえない」と言い放っています・・・。どうなることやら

関連の記事
「臨時長官への不満高まる」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-23
「有力次期長官候補が辞任」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09
「臨時長官はB社関連決定できず」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-01-1
「辛辣な承認審議」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-29
「副長官候補にボーイング重役」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-17
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2019年版「中国の軍事力」レポート会見 [米国防省高官]

全体の体裁は2018年版を引き継いでいます
担当次官補の発表会見でご紹介します

2019ChinaReport.png2日、米国防省が議会報告を義務付けられている報告書「中国の軍事力」を発表し、3日、Randall Schriverインド・アジア太平洋担当次官補が会見を開きましたので、会見の冒頭説明部分をtrannscriptからご紹介します

正確には、議会に報告する「非公開版」から公開可能な部分をまとめた「公開版」が発表されたということです。
昨年は冒頭のサマリー部分が2ページでしたが、今年は5ページに拡大され、より中身を見てもらいたいとの意気込みを感じますが、昨年から始まった政治、経済、文化面からのアプローチも含めた包括的な説明から入る丁寧(?)で、軍事オタクを煙に巻くような構成となっています

台湾が主目的である点は変わらないものの、中国軍事力近代化の目的は「高列度紛争に短期間で勝利:winning of short-duration, high-intensity regional conflicts」であるとの表現は、サマリーからは抜けたままです。

「一帯一路」や「中国2025」構想で、大きな戦略アプローチをとる中国については、軍事的な視点だけではだめだよ・・・とのメッセージなのかもしれません。
そんなことも考えつつ、担当技官補の会見冒頭説明発言をご紹介します

3日のtrannscriptによれば
Schriver.jpg中国は継続して米国の軍的優位を侵食し、影響力を獲得維持しようとしており、2049年までに世界レベルの軍事大国になることを目指して、膨大な資源を投入して能力と量の拡大に努めている
●幾つか軍事近代化の目立つ分野を取り上げると、まず対地及び対艦能力を持ち、西太平洋からインド洋を射程に収める、核兵器も搭載可能なDF-26中距離弾道ミサイルの増強が挙げられる

空母は遼寧に続き、国産第1番空母が2019年には前線艦隊に配属され、2番艦の建造も2018年に開始された
●また空母エスコート役を担う「Renhai級」ミサイル巡洋艦4隻が2017-18年に就航し、更に数艦が建造中である。本クラスの巡洋艦は長射程対艦巡航ミサイルを装備し、今年前線部隊に配備される見込みである
空軍では、第5世代機と考えられるJ-20が昨年10月の航空ショーでデモ飛行を披露した

Liaoning-Dalian.jpg●増備面だけでなく、中国は2018年に軍の訓練と評価に関する新た指針を示し、実戦的な統合訓練を全てのドメインを包括する方式で実施するよう強調し、強力な軍事的大国との紛争に備えるよう求めている
●また引き続き、軍民融合イニシアティブの元、民間分野が軍需分野に参入する動機付けを与えるよう中国指導層は取り組んでいる

サイバーによる窃盗も本報告書の重要なポイントである。本分野に重点投資がなされ諸外国の軍事技術へ中国人がアクセスすることを促進している。2018年には特に航空技術や対潜水艦技術への注力を確認している
●また、海外における軍事拠点設置を追及しており、2018年には中東や東南アジア、西太平洋地域にアクセスポイントや拠点を模索する動きを確認している

●以上のような大きな動戦略的に支えるため、中国指導者は外交力や経済力をてこに、総合力で中国を偉大な国としてインド・アジア太平洋地域に存在させようとしている
●「中国製造2015:Made in 2025」で中国は引き続き、外国企業等が中国の製造能力向上に利するように働きかけており、これには軍事分野も含まれている。また「一帯一路」構想では関連国を巻き込む姿勢を打ち出している
●「中国製造2015」や「一帯一路」に対する各国の警戒が高まったことで、中国指導者は若干アプローチをソフトに見せかける姿勢を示しているが、根本的な狙いは変化していない

DF-26.jpg●本報告書では特別なセクションを設けて、中国「influence operations:影響力作戦」を取り上げ、米国や諸外国のメディア、文化、ビジネス、学会、政策関係者にアプローチする中国の動きに警戒を示している
2018年に中国共産党軍事委員会が、国内治安を担当する人民武装警察を配下に置いた事は注目に値する。そして国内のイスラム教徒を強制収容所送りにしていることにも懸念を持っている

中国の地域諸国との紛争に関する姿勢に変化は見られず、引き続き規範に基づくルールを無視する動きを続け、利害追及のため摩擦を恐れない姿勢を貫いている。グレーゾーンで目的を達成しようとしている
●中国は2015年に習近平が南沙諸島を軍事基地化しないと約束したにも関わらず、2018年、南沙諸島に対艦巡航ミサイル、長射程地対空ミサイル、電子妨害装備を配備している

J-20groundgrew.jpg●中国は経済的手段においても、他国を弱体化させ、自身の利害を追及しており、例えば、豪州やパラオに対する貿易や旅行者を制限し、影響力を行使しようとしている
台湾に関しても、旅行者を制限し、投資を抑える等で硬軟取り混ぜた手法により独立阻止に向けた動きを継続している。昨年はブルキナ・ファッソとエル・サルバドルが台湾との国交を断ち、中国と国交を樹立した
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本報告書に関する報道では、中国の空中発射及び潜水艦発射核ミサイル開発に関して「あいまい過ぎる」とのコメントが出ています。完成しているのか、実配備されているのか・・・

また特別セクションとして「北極圏での活動」も取り上げています

米国防省は相手国に利するような情報公開はしない方針を最近徹底しており、各種レビュー文書も公開版と非公開版と分けられています。いつの間にか中国優位の西太平洋軍事環境を当然の音として受け入れている自分が悲しいです・

136ページの現物へのアクセスは以下より
https://media.defense.gov/2019/May/02/2002127082/-1/-1/1/2019_CHINA_MILITARY_POWER_REPORT.pdf

米国防省「中国の軍事力」レポート関連記事
「2018年版」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-18
「2016年版」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-06
「2013年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-08
「2012年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-19
「2011年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-25-1

防研の「中国安全保障レポート」紹介記事
1回:中国全般→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-19
2回:中国海軍→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-17-1
3回:軍は党の統制下か?→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-23-1
4回:中国の危機管理→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-01
5回:非伝統的軍事分野→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-22
6回:PLA活動範囲拡大→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-09
7回:中台関係→サボって取り上げてません
8回:米中関係→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-2

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