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米空軍の超超音速兵器ARRW開発本格開始 [Joint・統合参謀本部]

米陸海軍と協力して迅速な開発中
2022年のIOC目指してロッキードが

Hypersonic3.jpg12日、中国やロシアに先を越されて米国防省が慌てている超超音速兵器(Hypersonic Weapon)の開発本格化の「のろし」として米空軍が空中発射型の同兵器のプロトタイプをB-52爆撃機の外部に搭載し、空気抵抗など空力特性を測定する試験を行いました

米空軍がロッキード社等と2018年8月に開発契約を結び、2022年に初期運用態勢IOC確立を目指して取り組んでいるもので、正式名称は「AGM-183A Air Launched Rapid Response Weapon:ARRW」とよばれています

Hypersonic.jpgこの超超音速兵器(Hypersonic Weapon)開発は国防省と3軍が協力して進めており、6月4日の担当陸軍中将の会見によれば、米陸軍と海軍が地上(艦上)発射型配備を目指してチームとして開発をスタートさせているが、陸軍は空軍の空中発射型にも使用される「飛翔体本体:Common Hypersonic Glide Body」を担当し、海軍はブースターを受け持っているとのこと。

地上型の企業選定は今年夏に発表される予定で、「Long-Range Hypersonic Weapons」として2023年の完成を目指すとのことです。

13日付米空軍公式発表によれば
B-52の外部に装着されたAGM-183Aプロトタイプには、弾頭などはなく、センサーだけが搭載され、搭載母機への影響やAGM-183Aの空気抵抗や振動などの特性データ収集が行われた。同プロトタイプはB-52に搭載されたままで、B-52からの分離試験を行ったわけではない
Hypersonic8.jpg●加州のエドワーズ空軍基地から離陸して行われたが、この種の飛行特性データ収集は、米空軍が開発する全ての兵器で行われるものである

●この試験についてお馴染み米空軍調達&開発担当次官補Will Roper氏は、「我々はこの兵器開発に、議会に承認されたrapid prototyping authoritiesを活用している」、「挑戦的なスケジュールでARRW開発に取り組んでいるが、今回の飛行試験を計画通りに実現させたのも、ロッキードと関係者がこの枠組みを有効活用した努力である」とコメントしている
●また同次官補は、「我々が直面する脅威に対応する能力を迅速に獲得しようとするならば、このような取り組みが不可欠だ」とも語っている
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米海軍の担当するブースター部分が、空中発射型にも活用されるのか記事からは読み取れませんが、陸軍担当の「Hypersonic Glide Body」は3軍共通の様です

Hypersonic2.jpgこの超超音速兵器は3軍がばらばらに取り組み、それぞれが予算不足でとん挫しているうちに中露に先を越された「悲しい経緯」を持つ兵器ですが、わがままで硬直的な3軍を説得して協力体制に導いた国防省の最後の意地に期待したいものです

それにしても・・・Will Roper次官補の最近のご活躍には目を見張るものがあります。2020年代前半には、数々の新兵器が米空軍に登場する予定で、いつものようにお手並み拝見です・・・

超超音速兵器関連の記事
「ミサイル防衛見直し発表」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-19
「ロシアが超超音速兵器試験に成功」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-27
「日本に探知追尾レーダー配備?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-24
「LRDRレーダー開発が順調」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-10
「グリフィン局長の発言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-08-1
「米ミサイル防衛の目指すべき道」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「BMDRはMDRに変更し春発表予定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24-1
「米空軍が1千億円で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-1
「同兵器は防御不可能」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-21-1
「ロシアが新型核兵器続々開発と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1
「中国が超超音速兵器で優位」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-1

Will Roper氏の関連記事
「24時間以内の緊急打ち上げへ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-01
「無人機ウイングマン構想」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-27
「調達担当者を活躍させる体制」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-16
「KC-46Aの異物問題に」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16-1
「PGM不足問題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-09
「米空軍重視の9分野」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-26-4
「維持費削減に新組織RSO」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-09-23
「ソフト調達が最大の課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-01
「F-35維持費が大問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-20-1
「無人機の群れ第7世代」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-26 
「無人機の群れに空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1

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米陸軍正規兵に国境の壁ペンキ塗り任務で非難殺到 [安全保障全般]

イラクやアフガンで疲弊した部隊に鉄条網張り
不法移民を見つけても逮捕もできず指示するだけ

border-wall-Paint.jpg6日付military.comは、トランプ大統領の指示でメキシコ国境の壁に派遣されている米陸軍や海兵隊の正規兵が7日から国境フェンスのペンキ塗りにも従事することを受け、議会や有識者から「軍の不適切な使用だ」と改めて非難の声が上がっていると報じています

そもそもメキシコ国境の壁建設費用捻出のため、国家非常事態宣言をして国防予算を無理やりむしり取る暴挙で専門家や議会から非難を浴び、自然災害による大きな基地施設の被害に米軍からは恨み声がこだましている現状ですが、傷口に塩を刷り込むがごとき今回の「ペンキ屋任務」に、米軍の士気は下がり、幹部の怒りはさらに募ることになるでしょう

6日付military.com記事によれば
●国境警備隊報道官は、7日から米軍の正規兵部隊が、「国境フェンスの見栄えをよくするため」、フェンスのペンキ塗りを開始すると明らかにした
ペンキ作業が開始されるのは、サンディエゴの東200㎞付近で、最初にトランプ大統領指示による国境の壁建設が開始された場所である

border-wall-Paint2.jpg現在、メキシコ国境での任務に派遣されているのは、陸軍と海軍の正規兵2100名と予備役兵1900名で国境への蛇腹鉄条網の配置、監視ヘリコプター運用、兵たん支援、監視カメラ監視などを担当しているが、不法移民を逮捕したり触れたりはできず、発見した場合は国境警備隊に連絡して最寄りの警備隊詰め所に向かうよう指示するだけである

このような米軍の活用はトランプ政権による米軍の拡大使用の象徴だが、ある議員はペンキ塗りへの米軍の使用について「税金の恥ずべき誤使用」と厳しく批判している

●国土防衛省は今回のペンキ塗り目的を、「壁フェンスの見栄え改善」としているが、現状の「さび色」では不法移民が隠れた際に発見しにくく、また滑る塗料を塗ることで移民がフェンスをよじ登ることを防止する狙いもあるようである
●ペンキの色を国境警備隊は明らかにしていないが、アリゾナ州でフェンスを「明るい白」に塗装して効果的だったとの情報があり、一つの選択肢となろう

●実際に国境に派遣されているある軍曹(アフガンにも中東にも派遣経験あり)に取材したが、彼の任務はベットの上の暗視カメラで監視し、移民を発見すると国境警備隊に連絡し、見つけた移民に最寄りの警備隊詰め所に赴くよう指示するだけだと語っていた
早く彼自身や同僚兵士が休めるよう、早く不法移民がその場から移動することだけを願っていたと語ってくれた
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WASP.jpg令和最初の国賓としてトランプ大統領が来日した際、最後に米海兵隊の強襲揚陸艦WASPで米軍兵士を前に激励スピーチを行いましたが、本来佐世保で待機していつでも海兵隊員を乗せて出航できる体制を取っているべきなのに、ホワイトハウスの強引な計画で横須賀まで移動させられたとして、Shanahan臨時国防長官がホワイトハウスに抗議したと報じられたり

トランプ大統領が嫌いな故マケイン上院議員の名前を冠した横須賀所属の駆逐艦マケインの艦名を、大統領が横須賀基地訪問時に隠すようにホワイトハウスが指示したとか、米軍の士気を削ぐ「軍の乱用」や「軍の尊厳無視」行為が目に付くトランプ大統領とその側近ですが、本日も「反省の色なし」です

トランプ大統領と米軍関連
「空母トルーマン早期引退を撤回」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-02
「臨時長官は如何に大統領に仕えているか」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-11
「自然災害の中、施設予算枯渇」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-24
「再び大統領が軍事パレード要望」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-16
「DCで軍事パレードをご希望」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-10-1
「宇宙軍創設を訴え」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-21
「戦地激励を避けるトランプ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-23
「米海軍真っ青?トランプ「EMALSはだめ」」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-13
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米特殊作戦軍は対中露にどう立ち向かう [Joint・統合参謀本部]

物理的戦いを避けるために中露に作戦する

Psychological.jpg5月17日付Defense-Newsが、米軍の特殊作戦軍関係者による議会証言を取り上げ、国家防衛戦略NDSの指針を踏まえ、対テロ作戦から対中露への力点移行を行う「U.S. special operations forces」の様子を紹介しています

特殊作戦軍というと、ビンラディンを襲撃した強襲部隊や小型ボートで敵地潜入を試みる工作部隊のイメージかもしれませんが、ここで語られている「U.S. special operations forces」は、「影響力作戦」に従事する心理作戦部隊や広報戦略部隊をも含む広い任務を担う部隊です

AC-130 2.jpg部隊の性格から具体的なことは公に語られませんが、ロシアがウクライナで展開した「ハイブリッド戦」に代表される、武力と非武力のサイバー・宣伝・心理戦などを組み合わせた相手に対抗する部隊を想像していただくのが良いのでしょう

世界80か国に展開し、「少数の部隊で大きな違いを生み出せる」と司令官が語る特殊作戦軍の将来方向を、国防省担当次官補代理と特殊作戦軍司令官の話からのぞいてみたいと思います

5月17日付Defense-News記事によれば
近く特殊作戦軍の状況レビュー報告書が議会に提出される予定の中、Mark Mitchell対テロ低列度紛争担当次官補代理とRichard Clarke特殊作戦軍司令官が下院の情報と新たな脅威小委員会で証言した。
Mitchell.jpg●そして同次官補代理は、国家防衛戦略NDSの方針に沿った特殊作戦軍の最も価値ある役割は、中国やロシアが世界の係争地域に浸潤するのを防ぐために、関係国との関係を構築することであると述べた

●またClarke特殊作戦軍司令官は、一方で過去20年近く特殊作戦軍が注力してきた対テロ戦を疎かにすることは出来ず、対中露とのバランス追及が重要になるとし、併せて任務の分担ややり方を検証することで、負担が増加する兵士の海外派遣期間を削減することも検討しているとも述べた
●同司令官はまた、「対テロの最前線に我が軍は立っているが、対中露の前線では、NDSが示唆する物理的な衝突を避ける方向に沿って、我が戦力の特徴を生かした役割をより強化していくことになろう」と表現した

●そして同司令官は、他のメジャーコマンドであるサイバー軍、戦略軍、輸送軍、各地域コマンドと共に、特殊作戦軍がどのようにかかわっていくのがベストか議論しながらNDS任務に取り組んでいると語った
Clarke.jpg世界各国とのかかわりについて同司令官は、「特殊作戦部隊は同盟国等とのネットワーク構築と各地での地位確保において他にないユニークな特徴を持っており、何よりも、平時において各地域で影響力と正当性を勝ち取る役割に適している」とも説明している

●同軍はまた、フロリダ州タンパにある「military information support operations center」で、国務省の世界関与センターと協力し、ロシアが発する誤情報や情報作戦に対抗する役割も果たしている
●更に両名はアフリカでの例を挙げて今後の同軍の任務拡大を語り、「対テロをメインに派遣している我が軍部隊はまた、ロシアと中国からの影響力に対抗する役割も担っている」と述べ、「対テロと対中露のバランスを取りながら、広い視野から効果的な資源投資を試みている」と説明した

●他国との協力強化について同司令官は、「特殊作戦軍は小規模部隊やユニットで相手国に大きな変化もたらすことができる点が特徴だ」と述べつつ、中国とロシアの影響力が全世界に及んでいることから、「特殊作戦軍の要員は世界80か国以上で活動している」と現状を説明し、議会承認を得てフィリピンでも対テロを中心に活動範囲を拡大したが、中国の勢力拡大を防止する点でも重要な役割を担っている言及した

EC-130H3.jpg●更に同司令官は、大量破壊兵器対処の任務も増加して負担が増加しつつあると訴え、他軍種を含めて任務分担の見直し・検討が重要だと述べ、例えば米陸軍の関連部隊に他国の治安部隊支援任務を引き継ぐことも協議していると述べた
●そして同司令官は、「特殊作戦軍は、政治的に機微な地域に小規模な単位で展開し、目立たないように他国の特殊作戦部隊を育成するような役割に注力すべきだ」と説明した
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特殊作戦軍の影響力作戦や心理作戦部隊の特殊な装備には、対象エリアで宣伝ラジオ放送を行ったりビラを投下するC-130などが含まれており、SNSやサイバー世界で活動する役割を負った部署も存在するであろうと推察いたします

まだまだ勉強不足の分野で、日本にも必要ながら未着手の分野だと思いますし、ハイブリッド戦に対抗する部隊ですので機会を見て取り上げたいと思います。

既に中国の浸潤をしっかり受けているのでは・・・と思わせる政党や著名人がメディアでほえている今日この頃ですので・・・

関連の記事
「心理戦を様々な視点で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-01
「海兵隊は特殊部隊を廃止せよ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-13-1
「レーザーに今も熱狂的」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-23
「比で対IS作戦を支援」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-12
「AC-130」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-06

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輝かしい経歴の女性空軍少将パイロットがクビになる [米空軍]

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空軍士官学校も空軍大学も優秀な成績で卒業
テストパイロット課程も首席、女性操縦者最高階級なのに

Dunlop2.jpg10日付Air Force Timesのweb版が、米空軍女性戦闘機操縦者の草分けとして数々の「女性初」の壁を突破し現在の女性操縦者の最高階級である少将に昇任している女性が、ふさわしくない振る舞いで良くない環境を醸成したとして職を解かれ、退役することになろうと報じています

当該士官はDawn Dunlop空軍少将で、国防省の極秘開発プログラムを担当する「director of the Defense Department’s Special Access Programs Central Office SAPCO」なる職に就いていた人物ですが、どうやらいわくつきの人物で、国防省監察官室の調査を複数の案件で受けていた様です

同少将は1988年に空軍士官学校を「優秀卒業生」として終え、コロンビア大学で航空工学の修士号を得た後、F-15E部隊で中東実戦任務を経験、その後にテストパイロットコースに入って首席で卒業した女性パイロットの「ローモデル:生きた見本」です(でした)

Dunlop3.jpgその後はF-15部隊と飛行試験部隊で各級指揮官を務め、2010年からは空軍試験のメッカであるエドワーズ空軍基地「412th Test Wing」司令官も大佐として勤務しています
女性初のテストパイロットで、女性初のF-22搭乗員で、女性初の「412th Test Wing」司令官を務めた人物で、総飛行時間はF-15,F-16、F-22などで3500時間と、空軍士官学校卒の操縦者としては飛行経験十分です

米空軍部隊以外では、視野拡大のためにエネルギー長官の特別補佐官見習い、軍種間戦闘機融合に関する空軍長官補佐官、上院派遣の米空軍連絡士官なども務めています

准将に承認後は、米空軍教育訓練コマンドの計画部長とNATOのAWACS部隊指揮官を務めていますが、クビになったSAPCOのポストにいつからついているのかは不明です

10日付Air Force Timesのweb記事によれば
国防省報道官からのEメール声明によれば、同少将はSAPCOを率いる任務を解かれ、米空軍副参謀総長の特別補佐官の職に移動を命ぜられた
●同時にAir Force Timesは、同少将に対して、複数の案件で国防省監察官室の調査が行われていることを把握し、調査の原因となった一連の事案から、国防省は同少将の解任を判断したと考えている

Dunlop3.jpg具体的にどのような問題で調査を受けているのか不明確で、同少将はプレスに対して何も明らかにしていない
●ただ、SAPCOを知る匿名前提の人物によれば、同少将は米軍幹部を「馬鹿者」「愚か者」と呼んではばからず、電話で金切り声を挙げて陸軍や空軍幹部を叱責するなど、「有害な職場環境 toxic work environment」を生み出していた模様である。

最終的な転機となったのは5月31日の同少将と米空軍シビリアン幹部との会議で、同少将がカッとなって怒り出し(lost her temper)たことから、同少将の上司であるLord国防次官に直ちに事態を報告し、同次官が直ちに解任を判断したとのことである
同日中にLord次官は、陸軍と空軍の首脳、国防副長官等に事態を説明して職を解いたことの理解を得た。SAPCOに於ける同少将の職務は、陸軍大佐が当面遂行することとなっている
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Dunlop4.jpg「輝かしい経歴」とご紹介しましたが、なんとなく試験評価部隊に経歴が偏り、統合職や司令部勤務がほとんどない経歴で、「lost her temper」するようなことが普段からあったのかもしれません。国防省監察官の複数の案件調査は、そんなことかも・・・と推定します

あくまで憶測で細部が不明な段階ですからいい加減なことを言いたくはないですが、「女性初」の経歴から、周りが組織として扱いを誤ったのかもしれません・・・・。

ちなみに、女性だから珍しくて取り上げていますが、最近、こんな事案で解任される男性高級幹部が多いんです・・・

最後に更迭を迅速に判断したのが女性のLord次官というのも含蓄が深いですねぇ・・・他山の石です。

軍での女性を考える記事
「3軍長官が士官学校性暴力を討議」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-10
「議員が空軍時代のレイプ被害告白」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-08
「空自初:女性戦闘機操縦者」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-25
「自衛隊は女性登用に耐えられるか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-10
「女性特殊部隊兵士の重要性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-28
「Red Flag演習に女性指揮官」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19

「米国防省:全職種を女性に開放発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-05
「ある女性特殊部隊員の死」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-27
「珍獣栗田2佐の思い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-17
「2012年の記事:栗田2佐」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11

「性犯罪対処室が捜査対象」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04
「性犯罪は依然高水準」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-06-1

女性と徴兵制
「前線にも:イスラエル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-27
「究極の平等:ノルウェー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16
「社会福祉選択肢もオーストリア」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-22

関連の記事
「女性兵士の装具改善に時間必要」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-13
「今頃・・女性兵士にフィットした飛行服等に改良へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07
「女性初のF-35操縦者」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-08
「女性だけの編隊で攻撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-04

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F-35艦載できない新型米空母に議会が待ったを [Joint・統合参謀本部]

中国空母が沖宮海峡を抜け、太平洋に進出する中で・・・
経費上限規制を受け必要な機能まで未装備
後付け改修頼りで総コストアップの本末転倒

Ford-Class-Carrier.jpg3日、下院軍事委員会の2020年度予算関連小委員会は2019年末に進水予定のフォード級新型空母の2番艦(John F. Kennedy CVN-79)に、F-35C型(空母用)を搭載する能力が未装備であること問題視し、同能力を装備するまで同空母を米海軍に引き渡すべきではないと指示を、2020年度予算案文に入れることを明らかにしました

本件を報ずる3日付米海軍協会web記事を読みはじめ、「最新空母が米海軍のF-35を搭載運用できない?はぁ???」・・・と目が覚めてしまいましたが、その背景・実態は以下の通りです

国防装備の価格高騰の悪い流れそのままに、最新型フォード級空母の1番艦空母フォードは、従来のニミッツ級の約2倍近い価格の1兆4000億円となったため、米議会は1番艦の反省を生かして2番艦ケネディーの価格上限を1兆2000億円に設定しました。

f35c.jpgしかし1番艦の経験を生かしても2000億円もの建造費削減はできず、結果として米海軍は、一部装備品の搭載を後送りして経費枠に収めて建造する道を選びました。

しかしその結果としてF-35C型の搭載に必要な装備等が除外され、「後付け」する計画となり、後付け経費は当初から組み込む手法に比して高価になるという「本末転倒」を絵にかいた状態なっているようです

米海軍は最初から議会と喧嘩するつもりだったのかなぁ・・と考えたり、議会も今頃になって状況に気が付くなんて・・・等々、いろんな疑問が頭の中を飛び回りますが、こんなことが本当に発生しているのが米軍装備品調達の現場だということです。

3日付米海軍協会web記事によれば
●3日、下院の同小委員会のスタッフは記者ブリーフィングで、このままではF-35搭載装備のない空母ケネディーが2019年末に進水ことになるため、米海軍に対し同装備なしでの同空母受領を禁ずる指示を2020年度予算関連の予算文書に含めると明らかにした

Ford Class CV.jpg●同議会スタッフによれば、議会が示していた同空母の予算枠に収めるため、米海軍はいくつもの重要装備を未装備の空母をとりあえず受け取り、後の定期修理等のタイミングに追加でそれら装備をより大きな経費を負担して追加するつもりらしく、追加時期も装備によっては空母寿命の後半までづれコム見込みとなっている

●更に同スタッフは、「最新型のフォード級空母が、米海軍の最新鋭航空アセットを搭載できない状態で海軍に提供されることなど、議会として到底受け入れ難い」、「目先の予算枠に収めることにより、後に大きな経費を発生させるやり方は、細かな価格低減努力をすべて無にする行為だ」と述べた
●ちなみに、予算枠の関係で海軍受領時に未搭載となる重要装備はF-35関連に止まらず、例えば弾薬や兵器を上甲板まで持ち上げる11台のエレベータは、2台のみが当初から活用可能な状態になる模様

幾つかの重要な装備は、進水後に船体の強度を確認する「shakedown」試験の後のPAS期間に搭載を検討されているらしいが、このためPAS期間が数か月遅延することが予期されている
●米海軍省調達担当官は、「来年10月に予定されている演習で、必要な機能を訓練できるよう、必要兵器エレベータを装備する」と5月末に語っていた

●ちなみに、フォード級空母の3番艦と4番艦は、固定経費契約で建造されるため、このような主要装備後回し事態は発生しない事になっている(つもり)
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F-35C Landing2.jpg議会側が当初予算枠の縛りを無効にして米海軍に主要装備搭載を行わせるのか、それでも枠内でやれというのか不明ですが、とりあえず2番艦である空母ケネディーに限ったゴタゴタであってほしいものです

しかし根本的な問題として、次世代の空母・SSBN・F-35・B-21などなどの装備が、現在の各軍腫計画で取得可能な予算がないことは明白で、調達ペースを遅らせるか、数量を削減するかの選択肢しか残されていません

しかしこの件はでたらめの象徴ですねぇ・・・・

最新フォード級の話題
「艦載機燃料タンクの振動問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-29
「空母フォード:3年遅れで米海軍へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-03
「トランプはEMALSに反対」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-13
「フォード級空母を学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-20
「解説:電磁カタパルトEMALS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-10
「中国が空母キラーDF-26試験」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-31

米海軍空母関連
「スミソニアン空母映像4つ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-20
「空母群が温故知新訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-25
「べ戦争後初:米空母ベトナム訪問へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-24
「空母艦載給油機のRFP発出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-10-13
「映像で学ぶ:米海軍空母」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-25
「空母を値切って砕氷艦を!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-19

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B-1爆撃機の稼働機1桁で米議会に衝撃 [米空軍]

保有機62機で稼働機1桁
パイロットが技量維持のため他機で飛行訓練

B-1B.jpg3日、米下院軍事委員会の来年度予算小委員会は米空軍に対し、作戦に使用できる航空機の機数が1ケタ台と厳しい状況に陥っているB-1爆撃機に関し、今後の対策や機体状況の継続レポートを求める法案をまとめました

米空軍は昨年2月に明らかにした爆撃機将来計画「Bomber Vector」で、機体は新しいが維持費が高騰しているB-1とB-2を2030年前半に早期退役させ、年齢は高いが維持費が安く多様な兵器が搭載可能なB-52には、エンジン換装等を行って2050年代まで維持する方向を明らかにしB-21次期爆撃機導入資金を確保する決定をしました

B-13.jpg戦略兵器削減条約で核搭載ができないB-1ですが、中東やグアム島、更には欧州にも最近まで定期的に展開してプレゼンスを示すなど活動でその役割を果たしてきており、B-21の数がそろう2030年代前半までは頑張ってもらう必要があります

しかし昨年5月翼からの火災で緊急脱出を試みたが射出座席が機能せず、命がけで着陸せざるを得ない事故があり、昨年2度、今年年初にも約4週間に渡り飛行停止措置が取られています。

また、機体構造部材の金属疲労問題や部品不足から、一度トラブルを発生すると長期にわたり飛行不能となる状況が続いているようです。

3日付米空軍協会web記事によれば
B-1-UK2.jpg●B-1を運用する米空軍Global Strike CommandのTimothy Ray司令官は記者団に対し、継続する作戦要求に対応しているB-1爆撃機には過剰な負荷がかかっており、一度トラブルが発生すると回復するまでに長時間を要していると背景を説明した

●下院の同小委員会がまとめた法案は、趣旨説明で「委員会はB-1の状態に拘わらず、米空軍が措置や資源配分を適切に行っていないと危惧している」、「その証拠に、B-1の作戦投入可能機数は1桁まで落ち込み、同機搭乗員は訓練ができないため他機に搭乗して空中感覚を維持している惨状である」と危機感を説明している

●そして同小委員会は法案で米空軍に対し、2020年3月1日までに稼働率改善計画を提出すること、機体構造疲労問題の現状を明らかにしてデータ分析結果も提供すること、将来の問題発生を回避する戦略計画も明らかにすることを求めている

●また稼働機が不足することで生じるパイロットや整備員の技量維持問題についても、稼働率改善計画に沿った訓練計画を立て、どの程度の期間で戦力派遣可能態勢が戻るかも明らかにして報告するよう求めている
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2030年代半ばまで維持して「早期退役」させると、昨年2月に明らかにしたばかりの機体でこの有様です。

B-1 1.jpg先日はRC-135等のISR機の現状もご紹介しましたが、米空軍の装備体系全体にほころびが見え始めています。そしてそんな中、F-35Aを1700機以上調達する計画が最優先となっているわけです

核兵器関連の装備の補修や改修や更新も目白押し、練習機も救難機も・・・心配になってきました

爆撃機とロードマップなど
「中東派遣のB-1帰国」→ https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-30-1
「B-1とB-2の早期引退に変化なし」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-19
「2018年春のBomber Vector」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2
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6日付書簡でトルコに最後通牒:F-35計画から排除へ [安全保障全般]

7月末にトルコF-35関係者を米国から排除
部品納入契約も2020年初には終了へ

F-35  Turkey.jpg6日付のShanahan臨時国防長官からトルコ国防相への書簡が明らかになり、今月中にも予期されているロシア製高性能地対空ミサイルS-400のトルコ搬入が行われれば、F-35共同開発国で同機を100機購入予定のトルコを、F-35計画から排除し、既に完成している4機の機体も引き渡さないと最後通牒したことが明らかになりました

Shanahan臨時長官は既に、トルコ国防相と同書簡の内容について5月28日に電話で話しているそうで、イスラム教の国として唯一のNATO加盟国であり、米軍の地域拠点であるインジュリック空軍基地を擁するトルコと米国の関係は、いよいよ正念場を迎えることになりました

Turkey USA.jpg直接のきっかけは、トルコがS-400の操作要領等を学ばせるため、トルコ軍の操作員や整備員をロシアに派遣したことが最近明らかになったための様ですが、西側最新兵戦闘機であるF-35を、ロシア製最新鋭SAMと同居させることで機密が漏洩すると、トルコ側には数年前からあらゆるチャネルを用いて警告してきたにも関わらず、反米のエルドワン大統領は一歩も引かない姿勢でS-400導入を進めてきました

7日に会見した米国防省のEllen Lord担当次官は、S-400の代替として、米議会の許可も得てパトリオットシステムをトルコに輸出する準備も整っているとトルコ側に呼び掛けていますが、トルコ側はこれまで、米側とNATO加盟国からのこのような要請に対し、「S-400導入は既に決定済で契約済の案件だ」として全く聞く耳を持たない様子です

とりあえず、臨時国防長官の書簡とLord担当次官会見から、米国防省の最後通牒内容を確認しておきましょう

7日付Defense-News記事によれば
S-400-launch.jpg報道された6日付の米臨時国防長官からトルコ国防相への書簡によれば、トルコがS-400導入を進めるならば、まず6月12日に予定されているF-35共同開発国と購入国関係者が一堂に会する年次会議「Chief Executive Officer roundtable」にトルコの参加を認めない
そして7月31日をもってトルコ側のF-35関係者(操縦や整備の教育を受けるトルコ軍人や米国防省F-35計画室に連絡官として勤務するトルコ関係者)の米軍基地や米国防省施設立ち入り許可が失効し、トルコへ帰国することになる

●この立ち入り許可取り消しにより、現在42人のトルコ軍兵士が操縦や整備の教育を米国内の基地で受けているが、28名が教育を終了することなく帰国することになる。既に操縦教育を受けた2名のトルコ軍教官パイロットも帰国する事になる
●なお計画では、6月にトルコ軍F-35要員を40人、7月からは追加で12名が米国内の米軍基地で操縦や機体整備の教育訓練を受ける予定であった

トルコ用に製造され、現在トルコ人パイロット養成のためアリゾナ州米空軍Luke基地に置かれている4機のF-35については、一部をトルコに移送する計画を4月から差し止めていたが、トルコ側に引き渡さないこととする

F-35共同開発国として、トルコ軍需産業は937種類のF-35関連部品やパーツ供給を担っているが、その中で400種類はトルコのみが製造している部品等であり、「early 2020」までの契約が締結されている
F-35-Turkey.jpg米国防省F-35計画室長は4月に、トルコからの部品供給が途絶えた場合、約2年にわたり計50-70機の生産遅延につながるとの見積もりを示していたが、Lord担当次官は7日、この見積もりは今年夏にトルコ企業との契約を打ち切った場合の見積もりであり、「early 2020」までの時間を利用して代替調達先の準備を進めれば、影響は局限できるとの見通しを示した

F-35の機体維持整備や修理、能力向上改修についても、トルコでの作業ができなくっても、他の欧州の施設でカバーできるとの見通しを同次官は述べた
●そして改めて同次官は、「トルコには選択肢が残されている。S-400の導入を見直すことで、F-35計画に何の問題もなく復帰が可能だ」と強調し、「昨年12月に米国務省がトルコへのパトリオットミサイルシステム輸出を許可しており、何時でもトルコ側と協議可能だ」と付け加えた

●同次官は、今準備が進んでいる米トルコ空軍共同演習「Anatolian Eagle」は、本事案に関わりなく、両国軍の協力のもとに行われると会見で語ったが、
●米国防省の欧州担当次官補代理は、「我々は決してそれを望んでいないが、トルコがS-400導入を進めた場合、これまでに述べたF-35計画からのトルコ除外以外にも、米議会がロシア製兵器を導入した国を対象とした国家制裁法を発動することになろう」、「今後、両国間の共同訓練にも影響が出るだろう」と語った
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USA Turkey.jpgただ、F-35を海外に売りさばきたい商売人トランプ大統領がトルコ大統領と水面下で「ディール」を画策しているとの噂も常にあり、NATO軍最高司令官の米軍大将が「You never know what the future will reveal」と語っているぐらいの案件ですから、まだまだ何が起こるか・・・

トランプ大統領による「オバマのやった政策は何でもかんでも嫌い」姿勢により、同盟国との関係が崩れ始め、そこに中露が食い込んでくさびを打つ、米国に不満を持っていた同盟国が独自の動きを始める・・・といった大きなうねりの中の大波ですが、対イランの件もあり、とても将来が心配です

米トルコ関係の記事
「6月第1週に決断か」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-23
「トルコが米国内不統一を指摘」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-2
「もしトルコが抜けたら?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-21
「来年10月S-400がトルコ配備」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-27-1
「マティス長官がトルコF-35を擁護」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24
「6月に1番機がトルコに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-15
「露製武器購入を見逃して」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28-1
「連接しないとの言い訳?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-30
「トルコ大統領が言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-14
「ロシア製S-400購入の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23 

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韓国は対北を超えた軍備強化を着実に・・・ [安全保障全般]

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対北を超えた地域脅威に備えた体制整備とか
領土紛争もその理由にあげる国防相補佐官

KF-X1.jpg3日付Defense-Newsは、現在の韓国国防相の政策補佐官を努める元韓国空軍少将で国民大学校国防管理研究所トップのJung Soo氏にインタビューし、対北中心の軍備から変化しつつある韓国の軍備強化について紹介しています

現在の韓国国防相とクラスメイトであった国防相政策補佐官の発言ということでDefense-Newsがアポローチしたと思われますが、なかなか興味深い側面からのアプローチですので、驚くような発言があるわけではありませんが、意味深な感じもするのでご紹介します

北朝鮮のことはそんなに心配していないとのスタンスで、地域の脅威として「potential territorial disputes」をあげている点に目を引かれました

3日付Defense-News記事によれば
JKU1.jpg韓国が北朝鮮との関係回復を優先する中で、韓国の軍備強化プランはその視線を核保有国の隣国から、地域の脅威へとシフトしつつある
そしてそれらの地域脅威には、潜在的な領土紛争や、中露航空機の領空識別圏侵入が等が含まれる

韓国国防相の政策補佐官を務めるJung Soo氏は、2013年に韓国空軍を退役しているが、ISRや指揮統制航空機計画の責任者だった人物でもある

●なぜ韓国軍の作戦焦点が急に変化しているのか?
---朝鮮半島の情勢は、ゆっくりであるが確実に平和の方向に向かっている。最近は非核への動きが停滞し、北が短距離ミサイルを発射しているが、これらはトランプ大統領の気を引くためのものにすぎない
---韓国は変化する地域情勢に対応すべく、潜在的な地域脅威に対応する必要があり、それ故に今後5年間毎年平均7.6%増加させる計画なのである

●新兵器調達面での焦点は何か
F-35 Korea.jpg---航空戦力の増強が中心で、F-35と空中給油機の配備が始まっており、戦力を大きく向上させるものである
---これらに加え、特に戦時作戦統制権を米国から譲り受けた後のことを考えると、軍全体に資するISR機や指揮統制既、例えば追加で2機導入を進めているE-737AWACSや、導入計画を進めているJSTARS、更に電子戦機などである

●韓国軍が注目している新技術は
---無人システムの技術に注目している。陸軍は兵器搭載の無人機部隊を発足させ、無人機の群れでの攻撃も視野に置いている
---敵のキルチェーンへの先制攻撃も見据え、ステルス性を持った無人機導入も検討しており、敵目標に潜入して接近して迅速な反応で対応できるよう考えている

●韓国軍の兵器開発での課題は
---戦闘機に関して韓国は、最先端の製造技術を保有し、現在KF-Xの開発を進めている。ただ国産の空中発射兵器を保有しておらず、空対地ミサイル開発に着手したばかりである
---この兵器開発は容易でなく、洗練された兵器技術とシステムインテグレーション能力、更にレーダー干渉対応能力が求められている
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Korea-China2.jpg個別具体的な兵器の話にいきなり入っており、奇妙な感じもしますが、北朝鮮のことをあまり意識せず、一応中国やロシアに触れてはいるものの、「potential territorial disputes」と言えば日本も当然強く意識しているということです。

日本がF-35導入を決定したとたん、韓国の機種選定をちゃぶ台返しして無理やりF-35を後継機に押し込んだり、日本が射程に入る射程のミサイルを保有したりなどなど、海自P-1へのレーダー照射など、韓国軍の目は確実に南にも向いているということです

KF-X関連の記事
「KF-Xは欧州のミサイル搭載?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-30-1
「米が韓への技術提供拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-28
「KF-X計画公式発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-01-1
「韓国KF-Xは2個エンジン」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-22
「F-35がらみでKF-X支援要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-31

韓国とF-35関連記事
「韓国F-35とKF-Xのゴタゴタ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-04
「韓国F-35とKF-X」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-25
「韓国がF-35に最終決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-22-1
「急転直下:F-35を選定か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-19
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24時間以内の衛星緊急打ち上げを目指して [サイバーと宇宙]

有事の宇宙アセット機能停止に備えて
素人にはICBMを大型にしたらOKのような気がしますが

Falcon 9.jpg5月30日、米空軍が衛星打ち上げ関連企業に対し、有事に重要な宇宙アセットが敵攻撃などで機能停止に陥った場合の代替として要求から24時間以内で衛星などを打ち上げ可能な態勢について提案を求める要求書を発出しました

ULA、Space-X、Blue Origin 、Northrop Grummanの各社の反応は全般に、それほど大きな技術的革新が必要ではなく、検討に値するとの感触で、将来的には2社に絞られるであろう「枠」を巡り、4社がそれぞれに提案書を出す模様です

7月には関係企業を集めて「rapid space launch industry day」なるイベントも計画され、実際の打ち上げデモや集中検討会が行われるようで、ここにも顔を出すお馴染みのWill Roper氏がけん引し、 それなりの勢いを持った取り組みとなっているようです。

31日付米空軍協会web記事によれば
space-based 4.jpg●米空軍が5月30日に発出した技術情報調査告知(sources-sought notice)は、「米空軍は要求から24時間以内に打ち上げ可能な体制確立に向けた第一歩に踏み出す。これは、戦いの推移により迅速に対応可能な体制を目指すもので、従来の打ち上げまでに数週間から数か月必要な状態を有事避けるためであると」記している
●また関連企業が24時間の縛りを困難と感じた場合には、国家的危機状態を仮定した場合に、どの程度なら対応可能かを提案するよう求めている

4月に米空軍調達担当次官補であるWill Roper氏は、「我々は迅速に打ち上げできる体制を確立しなければならない。急に新たな能力のアセットを打ち上げるというよりも、代替機能を持った衛星を打ち上げるイメージである」と語っていたところである
米空軍の情報提供要求によれば、まず小さな220㎏程度の搭載物の迅速な打ち上げ体制の確立から取り組んで可能性をデモンストレーションし、将来的に国家安全保障を支える宇宙アセット規模に能力アップする流れを追及するようである

5月に開催された「Satellite 2019 conference」で、上記4社の幹部がこの米空軍の構想について語り、それほど大きな革新が必要ではないとの感触を語っている
space aware2.jpgULAのCEOは、問題なく可能で、同社では既に打ち上げロケット生産と打ち上げサイクルの短縮に取り組んでいると語り、同社のVulcan rocketが11日で現在準備可能であると述べ、「全てのサイクルを見直す必要があり、現在要望があってから準備するサイクルを見直すことである」と表現している

SpaceXのCOOは現時点で打ち上げ準備に1か月半必要だと述べ、「今でも2-3日で打ち上げは可能な体制は取れるし、空軍の要求に答える技術はある。問題はコストだ」と端的に語っている
Northrop Grumman副社長は、ICBMやSLBMから取り外したロケットエンジンを活用すれば、発射までの時間を短縮できるのではないかとコメントしている

7月29-30日に米空軍は「rapid space launch industry day」開催を加州で計画し、低高度軌道への打ち上げデモを予定しており、併せて検討会や模擬演習なども行われる。
新たに編成される宇宙軍隷下の宇宙開発庁は、超超音速兵器探知や通信用の低高度衛星打ち上げを検討しており、米空軍も強靭性のある衛星網構築を計画している。これら衛星の緊急バックアップのため、24時間以内の打ち上げ態勢確立が検討対象になっている
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Atlas-muos.jpg「空軍の要求に答える技術はある。問題はコストだ」」とのSpaceX幹部の発言が端的に実態を表現していると思いますが、Northrop Grumman副社長の発言にあるICBMやSLBMのロケットエンジンを活用が可能なら、ICBMのように保管しておけばすぐにでも打ち上げ可能じゃないかと思うのですが、素人で専門知識がないのでよくわかりません

4社幹部の発言は、ともに搭載アセットの課題でなく、打ち上げ用ロケット準備について言及しており、ロケット準備のコストなんだろうと想像します。

引き続き宇宙に関しては基礎知識不足です。自衛隊に宇宙専門の職域が誕生するようですが、米空軍長官が述べていた人材育成が最も大きな課題なのかもしれません

宇宙アセットへの脅威分析
「米高官が露衛星の怪しい動きを」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-15
「別のレポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-15
「CSISレポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14-3 

宇宙での戦いに備えて
「日本が米の宇宙演習に参加」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-25
「JSpOCからCSpOCへ 日本も」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-3
「同盟国にも訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-2
「アジア太平洋での宇宙作戦が困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-10-1

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RC,WC,OC,NC-135は後継機なしの方向を巡って [米空軍]

表題の米空軍方針に反対する議会の動き

RC-135 2.jpg24日付米空軍協会web記事は、米空軍Offutt空軍基地に所属するC-135を改良した大ベテランの各種ISR機(RC,WC,OC,NC-135)の維持整備に最新の効率的整備要領を適用すると紹介しつつ、これらISR機の後継機は考えず、JSTARSのように多様なシステム全体で任務を引き継ぐとの空軍の考え方を対比しています。

そして議会がこの空軍の考え方に反対し、米空軍にこれら機体とその任務の将来構想を要求していると紹介しています。

これらISR機は、いずれも1960年代や70年代にC-135又はKC-135を改修してISR機として活用されてるもので、使用開始から50年ほど経過したものが増えており、その稼働率低下が問題となっています

例えば、ロシアとのオープンスカイ条約を基にロシア上空を飛行して偵察するためのOC-135が、トラブルで肝心のロシア偵察飛行を十分できない稼働率にある実態が報道されたりしていたところです

24日付米空軍協会web記事によれば
RC-135 3.jpg●同基地所属のISR機は、中東、北朝鮮、中国やロシア周辺での情報収集飛行に多忙な日々を送っているが、最近は油圧系統のトラブルや火災発生まで、様残なトラブルに見舞われている
●地元ネブラスカ州選出の共和党議員Deb Fischer女史は、米空軍の緊急維持対策室(Rapid Sustainment Office)等が取り組んでいる最新の維持施策の老朽ISR機への適用を空軍に求めている。例えば、3Dプリンターによる部品確保、部品故障を事前予測するアルゴリズム分析などの取り組みである

●同議員スタッフも「航空機が古いからと言って、最新の手法を適用できないわけではなく、新たな手法で日稼働時間の短縮に努めるべきだ」と語っている
C-135は米空軍の「Condition-Based Maintenance Plus」との先行的整備手法の対象になる予定で、複数の派生形がある同機を個別に管理するよりも、全体として先行的整備の管理対象にすることが理想的と考えられている

上院軍事委員会は2020年度予算に関し、同議員が提案の同ISR機部隊部隊強化に関する2つの修正を行い、またRC-135電波収集機の近代化、核実験を大気分析から監視するWC-135の追加、OC-135の更新にも予算措置を追加した
●更に議会としてこれら老朽ISE機の今後の在り方について検討して報告するよう求めている。同時に議会は米空軍に、有人機と無人機のISR任務での協働要領や、ISR機情報の共有プロセス見直しを指示している

RC-135.jpg●これら議会の動きに対し上院の関連スタッフは、同基地のISR機が補油するセンサーや役割は現在他の手段で代替できないのだから、米空軍はISRの将来体制でもこれら機体を含めるべきだと語っている
●「少なくとも2050年代までは、これらISR機が重要な役割を果たす事になるのだから、これらISRアセットを含めた明確な将来戦闘空間用のプランを持っておく必要がある。今後想定される本格紛争における考える必要がある今のタイミングでは特に重要だ」と同スタッフは訴えている

●これら上院の動きの背景には、4月に下院でDavid Goldfein空軍参謀総長が、C-135系列のISR機は、特定の後継機を導入せずに他のシステム全体で任務を引き継ぐ方針を決定したJSTARSと同様に、センサーネットワーク、衛星、地上サイトなど全体で引き受けるとの方針を示したからである
2020年時点で米空軍は、22機のRC-135、2機のWC-135、2機のOC-135、1機のNC-135、2機の訓練用RC-135を保有している予定である
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RC-135s-w.jpg米空軍はF-35やB-21次期爆撃機やKC-46空中給油機を最優先し、結果として、脅威下で残存できないとの理由でJSTARSや大型有人ISR機の後継を考えない方針を選択したのでしょうが、本当にそれでいいのか・・・との議論は当然出てきます

いつまで米空軍は、F-35命で調達予定機数1730機余りを維持できるのでしょうか・・・・時間の問題でしょうねぇ・・・

米空軍ISR関連の記事
「米空軍が新ISRロードマップ決定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-04-3
「情報部長が中露のAI脅威を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-28
「RC-135シリーズがピンチ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-08-1
「ISR無人機の急増」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-21
「無人機要員の削減を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-25

EW関連の記事
アクセス数が多い記事ばかりです。是非チェックを!
「米空軍がサイバーとISRとEwを統合」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-3
「電子戦検討の状況は?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-13
「エスコート方を早期導入へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27

「米空軍電子戦を荒野から」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-17-1
「ステルス機VS電子戦攻撃機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12

「EA-18Gで空軍の電子戦を担う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-08
「空軍用に海軍電子戦機が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-09
「緊縮耐乏の電子戦部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-29-1
「MALDが作戦可能体制に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-29-1

「東欧中東戦線でのロシア軍電子戦を概観」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-1
「ウクライナの教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02

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