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2018年「中国の軍事力」レポート発表 [中国要人・軍事]

長らく夏休みをいただきました・・・

2018 china report.jpg16日、米国防省が議会報告を義務付けられた中国の軍事力に関する報告書「Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China 2018」を発表しました。
2014年版までは発表会見があったのですが、2015年以降は短いコメントがwebサイトに掲載されるだけとなり、2018年版は2ページの「Fact Sheet」と現物レポートがwebサイトに掲載されるだけの公開手法です

正確には、議会に報告する「非公開版」から公開可能な部分をまとめた「公開版」が発表されたということです。昨年の同レポートのフォローをさぼっていたので厳密な比較はできないのですが、公開版と非公開版の区別がいつからできたのか・・・このあたりが中国に対する警戒感の高まりを示すものと考えます

ただ、まんぐーすが知る2016年版でも記述内容の大きな変更の兆しが感じられたのですが、2018年版では中国軍事力の狙うところを端的に表現した部分が根こそぎ省略され、大きな中国の大戦略部分と細かな現場の活動部分をつなぐ、軍事力強化の目的や狙いを説明した「重要なつなぎ部分の記述」が、少なくとも「公開版」からは削除されているように感じました

この「重要なつなぎ部分削除」が、あまりにも厳しい現実だから削除なのか、中国を刺激しすぎるからなのか、中国周辺の同盟国国民(例えば日本国民)を投げやりにさせてしまうからなのか・・・は良くわかりませんが、消化不良になること間違い無しの報告書となっています

まず、まんぐーすの独断で「公開版」記述内容の概要をご紹介すると

戦勝70周年.jpg中国の大戦略
21世紀の最初20年間は「戦略的機会」の期間なので、この間に「包括的な国家パワー」を増進し、「中国の夢の再興:China Dream of national rejuvenation」に向け国力をつける期間

中国の具体的な動き
●経済や政治や軍事的影響力を駆使して勢力を伸ばす。「一帯一路」(One Belt, One Roadから、今はBelt and Road Initiativeと呼ぶらしい)の推進
スリランカの港を99年間借り上げ(Piraeus, Greece, and Darwin, Australiaと同様に)たり、ジブチに初の海外基地を設置して海兵隊を駐留させる

嫌がらせや圧力行使(失敗例も)
南シナ海埋め立て島での軍事施設拡充や中国軍の活動活発化、尖閣諸島周辺での武装漁民も交えた既成事実化活動
韓国へのTHAAD配備に圧力も結果的に失敗、インドと中国国境近くのブータンに大規模道路建設画策も、インド軍との緊張が高まり断念、

共産党中央軍事委員会2.jpg中国軍の改革
陸軍の兵站分野を中心に30万人の削減。また引き続き、近代戦に対応できる組織改革を推進中
●より実戦を想定した演習の高度化統合化、ISRデータの共有やターゲティングチームからの情報の統合軍内での共有
●引き続き汚職体質の改革・取り締まり

●着上陸作戦能力強化を狙った中国海軍陸戦隊(海兵隊:PLAN Marine Corps)を、現在2個旅団1万人規模を、2020年には7個旅団3万人に拡大
●中国空軍長距離爆撃機が東シナ海や台湾周辺に留まらず、第一列島線を超える飛行訓練が急増し、米国や日本を標的に想定した訓練を行っている。また、中国空軍が核攻撃任務を再び付与され、ICBM、SLBMと並ぶ核の3本柱体制が確立した
ステルス長距離爆撃機の研究開発が開始され、10年後の実戦配備を目指している
装備近代化の手段として、「外国企業への直接投資による技術獲得や、サイバー攻撃による技術窃盗も用いている」とも記述
////////////////////////////////////////////////////////////////////

理由は不明確ながらまんぐーすが「削除された」と考える、2015年版までは(2016年版では部分的に)残っていた読者の理解促進に必要な大戦略と具体的な年度事象を結びつける「重要な中国軍事戦略の記述」、つまり報告書サマリーの冒頭に必ず記述があった事項とは・・・

parade.jpg中国軍事力近代化の目的は「高列度紛争に短期間で勝利:winning of short-duration, high-intensity regional conflicts」である。台湾が主方向ながら東や南シナ海にも広がりつつある
●具体的には弾道・巡航ミサイルを増強強化、サイバー戦や宇宙戦や電子戦に注力、高性能航空機、統合防空、情報作戦、着上陸・空挺作戦等の改善も・・・・・
●これら装備で、有事の際に米国を含む敵対戦力を押し返すことを試みている。中国はまた、対宇宙、サイバー攻撃作戦、電子戦能力にも焦点を置き、敵対者の近代的な情報戦を拒否する備えを行っている
●そして個々の変化を数字や名称を上げ、各種ミサイル、電子戦、サイバー、航空機、艦艇、着上陸能力では・・・と順番に説明する流れ・・・

2016年版にはかろうじて「short-duration, high-intensity regional conflicts」能力追求との表現は残っていましたが、後は国務省の外交白書ではないか・・・と感じるような抽象的な表現の報告書となってしまい、2018年版に至っているように感じます。

共産党中央軍事委員会3.jpg改めて申しますと中国軍の近代化は、台湾を中心に周辺の米軍基地や日本を念頭に、「高列度紛争に短期間で勝利」することを狙いとしたものだ・・・ということを再度肝に銘じるべきですここを外しては大局を見失います!

補足ですが、読売新聞の解説記事で目に留まった表現は、中国海兵隊の増強の解説で、ある中国軍の動向に詳しい関係筋が
●「習近平主席が軍の2大戦略目標である台湾統一と南シナ海島嶼支配に本腰を入れた証拠」と語っている部分です

中国の軍事力 全文145ページ
https://media.defense.gov/2018/Aug/16/2001955282/-1/-1/1/2018-CHINA-MILITARY-POWER-REPORT.PDF

同レポートの要旨(2ページ)
https://media.defense.gov/2018/Aug/16/2001955283/-1/-1/1/2018-CMPR-FACT-SHEET.PDF

過去の「中国の軍事力」レポート関連記事
「2016年版」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-06
「2013年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-08
「2012年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-19
「2011年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-25-1

最近の中国関連記事15本
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300801487-1

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平和教信仰から距離を置きたいあなたに [ふと考えること]

オバマ大統領(当時)は「核なき世界」ビジョンでノーベル平和賞を受賞した際、2009年12月の受賞スピーチで「核なき世界」には一切触れず、冷徹な国際社会の現実を語り、そして地道な努力の重要性を訴えた・・・

Peace2.jpg毎年、広島や長崎に原爆が投下された日、そして終戦の日が近づくと日本のメディアから目をそむけたくなります

垂れ流される浅薄な平和一番メッセージや薄っぺらな戦争や軍事力批判、「平和」と叫べば平和になると言わんばかりの平和教信仰、そんな大人の作った作文を読まされる子供達・・・そんな洪水のような情報にさらされたくない思いでいっぱいになります

今日の日本の礎を築くため、尊い犠牲をはらわれた方々を思い、英霊に祈りを捧げるなら、冷徹な世界の情勢に目を向けつつ、以下でご紹介するスピーチが言う「人間の制度の漸進的な進化」への取り組みを誓うしかないでしょう
そんな思いで2010年正月の記事から取り上げます

以下は、2009年12月10日、オバマ大統領がノーベル平和賞の授与式で行ったスピーチの、まんぐーすの勝手なつまみ食いアウトラインです

より詳しくはこちらを(これも全文ではありません)
その1→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-31 
その2→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-01
その3→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-02

あくまでも個人的解釈の概要です。上記の詳しいバージョンを是非ご確認ください

obama nobel2.jpg●我々は厄介な真実を認めることから始めなければならない。我々は我々の生きている間に暴力的な紛争を根絶することはできないだろう
●わが国家を保護し、守ると誓った国家の元首として、私はガンジーやキングを模範としただけで、国家を導くことはできない。私はあるがままの世界に向き合っており、米国民に対する脅威を前に何もしないでいるわけにはいかない

●世界には悪が存在する。非暴力の運動はヒトラーの軍を止めることはできなかった。交渉はアルカイダの指導者にその武器を置くように説得できない。力が時には必要であるということはシニシズムへの呼びかけではない。それは歴史、人間の不完全さ、理性の限界の承認である
●戦争は平和の維持において果たす役割を持っているしかし今ひとつの真実、すなわち戦争はいかに正当であろうと、人間の悲劇を約束するものだということと共に理解しなければならない。だから我々の挑戦の一部は、すなわち戦争が時には必要であるが、戦争はあるレベルでは人間の愚かさの表現である、を両立させることにある

obama nobel3.jpg●ケネディー大統領が呼びかけた努力が必要なのだ。つまり「人間の本性における突然の革命にではなく、人間の制度の漸進的な進化に基礎を置くもっと実際的でもっと達成可能な平和に我々の焦点を合わせよう」。人間の制度の漸進的な進化がそれである。

●実際的な取り組み(3つの視点)
●公正で永続する平和を作る方法3つ
●今そこにある現代の紛争

●わたしはあきらめない
ガンディやキングが実践した非暴力はすべての状況において実際的あるいは可能でなかったかもしれない。しかし彼らが説示した愛、人間の進歩への基本的な信仰、それは常に我々の旅路で我々を導く北極星でなければならない
何故ならば、もし我々がそれを馬鹿げたこと、あるいはナイーブなことと捨てるならば、その時には我々は人間にとり何が最善なのかを見失う。我々は我々の可能性の感覚を失う。我々は我々の道徳的コンパスを失う

obama nobel4.jpg●彼らを模範に生きよう
今日、今どこかで、あるがままの世界で、兵士は自分が武力で圧倒されていることを知るが、それでも平和を保つためにしっかりと立っている
今日どこかで罰するかのような貧困に直面しつつも、母親はその子供に教える時間をとり、彼女の持つ数少ない貨幣をかき集め、その子を学校にやろうとしている。何故ならば彼女はこの残酷な世界にその子供の夢のための場所がまだあると信じているから

彼らの模範によって生きよう。明確な目で戦争があることを理解しつつ、まだ平和のために努力し得る。我々はそれをすることが出来る何故ならばそれが人間の進歩の物語であり、すべての世界の希望であり、この挑戦の時期において地上における我々の仕事でなければならないからである
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Peace.jpgオバマ大統領は、2009年4月にプラハで行った「核なき世界」演説でノーベル平和賞を授与されることになったのですが、受賞決定後に各方面から様々な意見が寄せられ、「核なき世界」論を夢物語として批判する声も多くありました

そんな中での授賞式スピーチは、冷徹に現実を見つめつつ、なお遠き道のりを目指す決意を格調高く訴え、受賞を巡る様々な声に思いを語るものとなっています。オバマ大統領の評価とは別に、素晴らしいスピーチだと思います

より詳しくはこちらを(これも全文ではありません)
その1→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-31 
その2→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-01
その3→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-02

受賞を謙遜する冒頭の言葉も好みです・・・
「世界には、正義を求めたために牢屋で殴打された人々、苦悩を和らげるために人道的組織で働く人々、その静かな勇気と共感の行為でシニカルな人をも動かす数多くの無名の人々がいる。これらの人々、一部の人と彼らが助けている人以外には知られていない人々、が私よりもずっとこの賞にふさわしいと考える人々に、私は異議を唱えることはできない。」

終戦の日に考える記事
「玉音放送を読む」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-16-1
「未だ公式名称無き『先の大戦』」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-26
「歴史認識3つの首相談話」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-02-20
「靖国首相参拝3名の視点」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-07

上記3本のまとめ記事
https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-14

8月20日までは、ブログの定期更新は致しません
お休みをいただきます・・・

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宇宙に物資を保管し必要時に迅速配布 [サイバーと宇宙]

Everhart.jpg2日、米空軍輸送コマンド(AMC)のCarlton Everhart司令官が記者団に対し、 将来のAMCの在り方を考える一環として、必要時に迅速に物資を世界各地に届けるため、宇宙空間に物資を保管して直接提供する方式を関連企業と議論し始めたと語りました。

まだまだ「コンセプト段階」、「infancy stages:0-2歳児段階」の話だと同司令官は強調しているようですが、軍の方から構想や要求事項を先行的に示しておかないと、民間企業の最新技術や柔軟な発想が官僚機構の壁で埋もれてしまう・・・との危機感から表に出して議論しようとの興味深い発想に注目です

Everhart司令官と言えば・・・先日、禁じ手である「幕僚勤務しなくていいよ」操縦者の募集を開始した話題でご紹介したところですが、将来を見据えた取り組みにも目を向けておられるようですのでご紹介します。

3日付米空軍協会web記事によれば
space-based 4.jpg●Everhart大将は記者団に、「もし宇宙空間に物資を事前集積できればどんなに便利だろう。地上で物資輸送の際に必要なものがいらなくなるし、海上を船で輸送することも不必要になる。宇宙空間の保管施設に補給物資を運搬する手段を確保して」と語った
●そして「宇宙に物資を運搬できればそこに人を配置する必要はない。自動で積み下ろし作業などは可能だろう」と説明し、目的は世界各地に可能な限り迅速に物資を運搬するためで、装甲車両から食料水に至るまで宇宙空間で保存可能な期間一杯保管したいとも語った

既に輸送コマンド幹部や司令官自身が打ち上げ企業とのミーティングを開始していると明らかにし、Everhart司令官自身も先週(7月23日の週)SpaceXやVirgin Orbit関係者と面談し、例えば「SpaceX社のBFR super-heavy launch vehicle」 を物資打ち上げに使用したり、関連企業のシステムで必要時に宇宙空間の物資を地上に提供することの可能性を話し合ったと述べた
●同司令官はこの構想の利点について、現在空輸で10時間必要な物資輸送が、宇宙空間からだと30分で可能になると説明した

space aware2.jpg●同大将は今後Blue Origin社幹部とも話し合ってみたいと希望を語り、AMCの将来構想を担当部署の士官も関連企業を訪問する計画だと述べた
●AMCはまた、米空軍宇宙コマンドとも協議を開始しており、相互に交換幹部を差し出して輸送と宇宙の連携要領を深めたいとも語った

関連企業は「Civil Reserve Air Fleet」との位置づけで契約を結ぶことを前提に参画を促し、有事における活躍も期待する方式を考えている模様
●Everhart司令官はまだ計画自体が「infancy stages:よちよち歩き段階」 にあることを強調したが、民間企業の革新的アイディアを国防省官僚機構の壁で埋もれさせることが無きよう、またAMCが空ドメインだけに留まって取り残されないように(become irrelevant)するために必要な取り組みだと説明した
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Everhart4.jpg宇宙空間に大量の重量物を運搬するコストは???・・・と問いたくなる発想ですが、そんなことは承知の上でのEverhart司令官の発想でしょう。

それにしても、宇宙のことを基礎から学ぶ必要性をつくづく感じる次第です・・・数年前からそんなことをつぶやいているような気もしますが・・・

Carlton Everhart大将・・・興味深い人物です。輸送機一筋の経歴で、大佐昇任直後(2003年1月)から横田基地の輸送機部隊指揮官として日本勤務経験があります

米軍輸送関連の記事
「禁じ手:幕僚無し操縦者募集へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-28-1
「民間輸送力依存に危機感」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-03
「今後20年の操縦者不足は深刻」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-29
「タンカー将来計画見直しへ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-22
「渡り鳥に学ぶ輸送機の燃費向上」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-26

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米空軍が新ISRロードマップ決定 [米空軍]

PEDの時代ではない、SIASに向かう

Jamieson4.jpg2日、米空軍情報部長のVeraLinn Jamieson中将らが空軍協会ミッチェル研究所で会見し非公開の米空軍ISRロードマップ「Next Generation ISR Dominance Flight Plan」が空軍長官や参謀総長の承認を得たと語り、2020-2030年を対象としたものだと説明しつつ、技術や脅威の変化により柔軟に変化しうるものとも説明しました

会見では様々な視点から今回の「ISR Flight Plan」検討の背景が語られており、秘密の部分もあり断定的な話はできませんが、根本には18年間続けた来た対テロ戦争に集中しすぎているのではないか、本格的な戦いに通用しないのではないか、公開情報やSNS上の情報活用をどうする、老朽装備の将来をどうする、商用ベース情報の活用法は・・・等の問題意識が背景にあるような気がしました

またより個別な話題として、大量に米空軍が保有するMQ-9やRQ-4の将来や後継、U-2の今後について記者団から質問が相次いだようですが、これについては今後検討するとして言及を避けており、目の前の予算状況の厳しさも伺わせています

断片的な会見の様子ですが、「Next Generation ISR Dominance Flight Plan」の方向性を把握するためご紹介しておきます

2日付米空軍協会web記事によれば
ISR Flight Plan.jpg●同中将の会見から、非公開のISRロードマップが、商用衛星を有効に活用して最新で多様な角度からの画像情報を迅速に入手する必要性や、センサーを搭載するプラットフォームに超超音速飛行や逆の超低速長期在空能力の両方を求める事、更には「群れ技術」の必要性を求めていることが明らかになった
●また、人工知能やディープラーニング等のキーワードで語られる「machine intelligence」や、公開情報をビックデータ技術で処理して活用することや、SNS上の情報を処理して信頼できる主要な情報源として活用する必要性も主張している

長期間使用している航空ISRセンサーについて情報部長は、E-8 JSTARSの退役について議会の理解が徐々に進んでいると述べ、MQ-9の後継についての質問については、同機が直面する大国との対峙の脅威をNSSやNDSを引用して語るにとどめた
●一方で、現在その稼働率低下が問題視されているRC-135シリーズの今後については、「現在このような写真、電磁波、テレメトリー、放射能など単一センサー任務に特化したアセットは下降気味な状態だが、これら航空アセットをreverseさせる」と表現した

ISR Flight Plan3.jpg●また、最新の情報技術や前述の「machine intelligence」が急速に発達する中従来のPED(processing, exploitation, and dissemination of intelligence)との考え方は既に死に体であり、今後はSIAS(sense, identify, attribute, share)との考え方で取り組んでいくと表明した
●将来は、PEDのプロセスのPE部分をセンサー自身が担い、Dまでもこなすことになり、人間が情報の解釈や意思決定に専念できるようにすべきとの考え方を示した

●更に情報部長は、米空軍は「publicly-available media」情報への姿勢を改め、スマホなどを通じたSNS上で流通するデータを最新技術で処理して活用する方向に舵を切る
●具体的なスケジュールについて言及しなかったが、AI技術については国防省レベルで既に取り組みが始まっており、また情報インフラの基準を他機関や軍需産業と両立可能なものとし、「commercial standards」を空軍の基準とする
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ISR Flight Plan2.jpgまぁ・・・いずれも先立つものがなければ実現できないもので、その先行きは油断を許しませんが、米空軍の危機感や脅威感を感じていただければ幸いです

この手の各種「Flight Plan」はしばしば発表されますが、その効力や影響力をあまり感じたことはありません・・・背景に流れているのかもしれませんが・・・

米空軍ISR関連の記事
「情報部長が中露のAI脅威を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-28
「RC-135シリーズがピンチ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-08-1
「ISR無人機の急増」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-21
「無人機要員の削減を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-25

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米軍の士官昇任システム大幅変更へ [Joint・統合参謀本部]

階級昇任の時間経過縛りを緩和
一定期間で昇任しなくても退役の必要なし
高いスキルを持つ民間人の相応階級での採用可能に

promotion.jpg1日、米上院が2019年度の国防授権法(defense authorization bill)を可決したことにより、長らく改正の必要性が叫ばれてきた米軍士官の昇任システム規定(1980 Defense Officer Personnel Management Act, or DOPMA)が変更可能になるようです。

報道によれば、現在の米軍士官昇任システムの多くはWW2当時の軍隊や社会を背景としたもので、サイバーや宇宙といった新たなドメインの出現や、民間企業との人材獲得競争が激化する中、今のままでは有能な人材を引き付けられず、また有能な人材を組織内に留めることが難しくなっているとの危機感が引き金です

専門家が長らく待ち望んだ(long overdue)改革と表現する一方で、通過した法律は各軍腫に履行を強制するのではなく、柔軟に取捨選択可能としており、サイバーや宇宙分野と、伝統を重んじる陸軍や海兵隊や特殊部隊の相違にも配慮したものとなっており、この部分も専門家の高く評価する所以となっているようです

2日付Military.com記事によれば
(報道されている主要改正点は・・・)
promotion2.jpg能力の特に優れた士官は、当該階級での勤務経験年数(最低5年等の縛りがある)に拘わらず、昇任させることが可能
 例えば・・サイバー分野や先端技術に携わる優秀な人材を、民間企業からの引き抜きから守るため、せめて階級昇任面で配慮して処遇や給与面で厚遇する

大佐までの階級であれば、能力の高い民間人を相応の階級で採用可能
 例えば・・サイバー分野や先端技術に携わる優秀な人材を、民間から採用して士官とし採用して即戦力としたいとき、相応の階級で迎え入れることで民間人を引き付ける

当該階級で一定期間勤務しても昇任しない場合の強制退役制度を廃止
中尉以上の階級の士官は、勤務期間40年間までの限度で勤務延長が可能
 例えば・・・現代の若者の価値観で、昇任して指揮官になるより、専門分野で極めた能力を生かして長く同じ仕事で国に貢献したいと考える有能者を処遇したり、中佐に昇任できない少佐で早期退役期限が近づいているが、彼の特定分野での経験や知識は他で代替が効かないので勤務期間を延長させたい・・とかのニーズに対応する
///////////////////////////////////////////////////////

promotion3.jpgこの法律成立により、具体的にどの軍腫でどのような変化が現れるのかが興味深いところです。

サイバーや先端ぎ技術分野の専門家採用や引き留めが頭に浮かびますが、メンタル治療の専門家や特定語学専門家の迅速採用にも応用が利くかもしれません。

また、複雑な規則や手続きやシガラミが絡み合っている米国防省や米軍の世界ですから、FMS手続き迅速化のベテランとか、同盟国等との関係を担当する人材の延長雇用とか、撤退が合い次ぐ零細軍需産業との関係を取り持ってきた業界の信望が厚いベテランとか、新兵教育や部隊規律立て直しの名人とかも視野に入っているかもしれません・・

しかし反面・・・、これまで時期が来れば辞めていってくれた「役たたず者」が、法律を盾に権利ばかりを主張し、勤務延長や昇任を要求したりして、指揮官達の悩みの種が増えるような気もしてなりません

カーター前長官の人材管理改革
「人材確保・育成策第2弾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-10
「追加策:体外受精支援まで」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-29
「全職種を女性に開放発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-05
「企業等との連携や魅力化策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-19
「施策への思いを長官が語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-25

ペンタゴンのプラット組織検討
「マケイン議員の提案」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-30
「階層縮小で人員削減」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-26-1

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RIMPACでバンドウイルカが機雷探知に成功 [Joint・統合参謀本部]

8匹のイルカが参加、全ての訓練用機雷を発見したとか・・

dolphin.jpg7月30日付Military.comは、実施中の世界最大の海洋演習であるRIMPAC2018において米海軍が訓練してきたバンドウイルカ(Bottlenose dolphin)が、海底に敷設された機雷を発見する演習を行い、演習で準備されたすべての機雷を発見したと報じています

このイルカの育成は、米海軍の「Space and Naval Warfare Systems Center Pacific」が担当し、「Marine Mammal Program」として南部カリフォルニアで行われており、現在はアシカ(sea lions)も育成しているようです。また過去には、「サメ、エイ、ウミガメ、海鳥」の能力チェックも行ったようです。

興味深いのは、今回のRIMPACでイルカ使用を含む機雷戦を訓練した約1100名から編成される「Task Force 177」は、米国、豪州、カナダ、英国、NZ、オランダ、そして日本を含む多国籍部隊だったということです。これをもって、日本もイルカ機雷戦に関与したとは言えませんが、訓練を終え帰国した海自の皆様にはぜひ聞いてみたいものです

7月30日付Military.com記事によれば
dolphin2.jpgサンディエゴ沖で実施された約10日間にわたる機雷戦の訓練に、8匹のバンドウイルカが参加し、海底に埋まった機雷(mines buried at the bottom of the sea)の発見に全て成功した
●同イルカを育成する「Space and Naval Warfare Systems Center Pacific」の報道官は、動物の生物センサーのみが埋まった機雷を探知する能力があると、イルカを活用した背景を説明している

●訓練されたイルカは、機雷を海底で発見すると飼育調教員に知らせるが、飼育員はもう一度確認のためイルカを海底の現場に戻す。再確認できた場合、今度はイルカに目印(marking device)を持たせて機雷場所に置かせ、その目印が海上に浮かんだ時点で人間のダイバーが機雷の最終確認に潜水する

以上の手順説明の原文は
[→]Once the dolphin found the mine, a Marine Mammal Program technician sent it back underwater to confirm its find, according to a Navy news release. When it did, the dolphin was given a marking device to carry down to the mine's location. Once that marker floated to the surface, a dive team swam underneath it to confirm.

●仮にイルカが正しく機雷を発見した場合は、飼育調教員がイルカを誉め、そして餌の魚を与える
//////////////////////////////////////////////////

米海軍の「Marine Mammal Program」webサイト
https://www.public.navy.mil/spawar/Pacific/technology/Pages/mammals.aspx

Dolphin-uuv.jpg上記webサイトによれば、これらのイルカやアシカは機雷戦のためだけでなく、海中に水没した装置やモノの捜索や引き上げにも貢献しているようで、引き上げ用のフック付きロープを運び、対象物にひっかけたりできるよう訓練されているようです

ちなみにこのような作業の場合、動物の輸送費等を負担すれば、手伝ってくれるようで、無人潜水艇等を使用するより低コストで可能だと宣伝しています

まぁ、そうでも言わないと、動物愛護団体などが大騒ぎしそうですが・・・

「米露がイルカ兵器対決?」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-23

水中戦に関する記事
「米特殊作戦コマンドが大型?潜水人員輸送艇を」[→]https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-29
「水中戦投資への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-28
「米軍の潜水艦優位が危機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-13
「UUVの発進格納技術」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-29

「潜水艦射出の無人偵察機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-07-1
「機雷対処の水中無人機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-30-1

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新しい宇宙軍の国防省概要案 [サイバーと宇宙]

8月9日、ペンス副大統領が会見し発表
宇宙軍創設のため専従の次官補を置くとも
https://www.defensenews.com/space/2018/08/09/space-force-will-be-6th-military-branch-by-2020-vice-president-pence-announces/
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国防省独自で可能な宇宙担当メジャーコマンド、調達機関、そして統合部隊の編成に着手か

Shahahan.jpg7月31日付Defense Oneが、国防省が議会と最終調整している「宇宙軍」の概要と今後の動きに関する計画案を入手し2018年末までに議会承認が必要な新たな宇宙軍創設法案準備を行い、それに先立ち国防省独自に可能な宇宙専従の「new combatant command」と「new space-procurement agency」と「new Space Operations Force」 を数か月以内に立ち上げる計画だと報じています

本来、8月1日に国防省が会見して公表する予定だった14ページの計画は、Shanahan国防副長官の下でStephen Kitay宇宙政策担当国防次官補代理が起案したといわれるものですが、議会との最終調整に時間がかかり、発表会見が延期されているようです

7月24日に米議会の上下院軍事委員会が2019年度予算案への宇宙軍関連経費の計上を認めない「ゼロ査定」を決定し、同日退役軍人集会で宇宙軍構想を再び(6月18日に正式宣言)ぶち上げたトランプ大統領との対立構図が際立つ状況ですが、国防省発表案は相当に考えられたもので、特に調達関連で改革志向を垣間見る気がします。

Space domain.jpg冒頭ご紹介したように、1947年に米空軍が創設されて以来の新たな軍「宇宙軍」創設には議会による重い法律改正が必要ですが、宇宙軍の傘下に入ると思われる宇宙担当メジャーコマンド、調達機関、そして統合部隊の編成は国防省独自で可能なようで、「In coming months」に立ち上げるとの勢いです

米国防省の組織編成論についていけない部分があり、またこの記事が出るころには議会と調整した「修正版」なっている可能性もありますが、大きな方向に変化はないと信じ、とりあえずご紹介いたします

新しい宇宙担当Combatant Command
●現在ある米軍特殊作戦コマンド(Special Operations Command)のような、大将がトップの11番目のunified combatant commandで、陸海空軍および海兵隊からの人材で構成され、米軍の宇宙戦力全てを管轄する
●計画案では、2018年末までに新コマンド「U.S. Space Command」を立ち上げ、それまでに必要な追加の人材、責任や権限を整理する事となっている
●新コマンド立ち上げ時の指揮官は、現在のAir Force Space Command司令官が務める

新しいSpace Operations Force
space aware2.jpg●新コマンド「U.S. Space Command」の実動部隊となる「Space Operations Force」を、 陸海空軍および海兵隊、更に予備役や州軍で宇宙関連分野に従事する人材で立ち上げる
特殊作戦コマンドにおける各軍種の特殊部隊の様な位置づけで、米国防省全体で宇宙分野にかかわる人材を、「Space Operations Force」が一元的に管理し育成し運用する
●この「teams of space experts」編成を優先して迅速に進め、来年夏までに欧州コマンドと太平洋コマンド地域専従の組織を編成し活動を開始する

新しいSpace-Procurement Agency
space-based 4.jpg地殻変動的(seismic)な変革を期しているのが宇宙関連の物資調達、打ち上げ業務選定、技術開発研究等を担う新しい「Space-Procurement Agency」で、業務の迅速化や実験的挑戦を強調する改革に挑む。現在の関連機関はコロラド、加州、フロリダ、ハンツビル等にあるが、人材集めや民間企業との連携による技術開発に適した場所が検討される
●このAgencyはまた、民間宇宙企業を官民共通の目的達成にため、要求と規則と法令順守を基礎に向けて、より大きな役割を担う。ミサイル防衛分野を担う「Missile Defense Agency」のように、全軍種に関わる宇宙関連調達を監督する役割を担う

●このAgency組織の中核は「Space Development Agency」で、新型衛星の開発や打ち上げ契約を担う。現在進行中の調達案件は各軍種で引き続き担当し、徐々に新たな案件から新組織が行っていく
●国防省計画案が改革のスタート地点と呼び、新組織立ち上げで最も大きな影響を受けるのは、現在国防省の宇宙調達予算の85%分を担当する6000名規模の米空軍「Space and Missile Systems Center」(在ロス)で、最近組織改革を行い業務迅速化を図ったばかりの組織である。
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サイバーやAI分野と並び、中国やロシアの脅威が急速に顕在化している宇宙ですので、これを契機にこれまでの因習を断ち切る意気込みをこめ、改革志向での取り組みが確認でき喜ばしい限りです。

Shanahan4.jpgトランプ大統領が正式に命令する6月18日までは国防省も大反対論陣を張り、上下院の軍事委員会が予算「ゼロ査定」を決め、この計画案発表に至る議会との下調整段階が早くも難航している「宇宙軍」ですが企業からの転身組Shanahan国防副長官らの柔軟な発想に期待すべきなのでしょう

正式な発表を待ちましょう・・・

宇宙軍を巡る動向
「宇宙軍宣言に国防省内は冷ややか」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-21
「国防副長官が火消しに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-29
「トランプの宇宙軍発言に真っ青」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-17
「下院が独立法案承認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-14-1

「下院が宇宙軍独立案を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-22-1
「米空軍はA-11設置で対処」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-18
「米空軍が宇宙活動アピール作戦を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-24

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猛暑の夏に、このハーモニーを [ちょっとお得な話]

暑い日が続くので、少しは気分的に涼んで頂こうと・・・
20年位前(?)のこのお二人の歌声を

ギター1本でこのパフォーマンス・・・恐るべし



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着々と米空軍が仮想敵飛行部隊を民間委託へ [米空軍]

Aggressor.jpg17日付米空軍協会webが、欧州米空軍司令官のTod Wolters空軍大将へのインタビュー記事を掲載し、米空軍が保有してきた敵戦闘機を訓練で演じる部隊を民間委託する動きが着実に進んでいる様子を紹介しています

米空軍で「Red Air」とか「Aggressor」とか呼ばれる敵戦闘機部隊ですが、操縦者の民間流出や予算削減のあおりを受け、同部隊の精鋭操縦者を前線部隊に配分し、かつ維持経費を削減するために民間委託する検討が進められています

2017年9月、米空軍戦闘コマンドのHolmes司令官は、「従来のように仮想敵機飛行部隊を維持するのが理想だが、予算的制約から4つのうちの2つの部隊を閉鎖しなければならない」と述べ、 「次善の策として、民間企業に委託して必要な人材を確保し、同時に空軍操縦者等を他の任務に生かすことを検討する」と語っていたところです

敵機役を委託可能な民間業者としては
Draken International現在ネリス基地で同業務を唯一行っている企業。最近南ア製のCheetah超音速戦闘機を12機入手して計109機体制を整備
Textron Airborne Solutions→2017年9月に仏空軍のミラージュF1戦闘機63機を購入し、世界最大の超音速機保有の私企業
Tactical Air Support→ヨルダン空軍のF-5戦闘機を21機調達し、同機を計26機保有・・・等が存在しています

17日付米空軍協会web記事によれば
Aggressor2.jpg●Tod Wolters欧州米空軍司令官はインタビューに答え、「間もなく」仮想敵飛行部隊の民間委託契約が欧州だけでなく他の地域にも導入する決断がなされるだろうと語った
●同司令官は、米空軍戦闘コマンド司令官と緊密に連携しつつあり、民間委託仮想的部隊は一度配備されると多くの場所に配備されるだろうとも表現した
●そして、6月初旬にはネリス空軍基地で活動する民間業者「Draken International」と約300億円の契約が結ばれたと明らかにし、米空軍は今後2019年7月までに、米本土の12か所で37000飛行時間の提供を依頼する大規模な仮想敵機契約を結ぶだろうと語った

●Wolters大将は、米空軍戦闘コマンドは同盟国空軍の能力や米空軍のニーズを全世界的規模で把握分析しており、「世界各地に仮想的機部隊を割り当て、各地での訓練効果を最大限にかつ効率的にし、米空軍部隊や同盟国空軍部隊の即応体制を高めるため、民間企業への業務委託契約を推進する」と語った
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Aggressor3.jpg今年1月10日に候補企業に米空軍が説明会を行ったとご紹介していましたが、順調に「民間委託」に向けた契約準備が進んでいるようです。敵機の役割を演じる「Red Air」は、秘密情報にもアクセス可能で、操縦技量的にも高度なレベルが求められると思うのですが、そのあたりも怠りないのでしょう・・・

そのうち、嘉手納基地や三沢基地にも「民間委託アグレッサー飛行隊」がやってくるのかもしれません・・・。余計な心配ですが、その場合、米空軍機扱いで日本で飛行するのでしょうか???

それにしても、背景にある米空軍操縦者の流出には歯止めがかからないようで・・・

「仮想敵機部隊も民間委託へ」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09-1

米空軍が必死な人材確保策
「オンラインゲームで若者獲得へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-02-1
「再雇用枠を大幅拡大」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-25
「下士官パイロットの役割拡大は」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-19-3
「F-35操縦者養成部隊の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12-3

「下士官パイロット任務拡大?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-22
「さらに深刻化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-10
「世も末:幕僚勤務無し管理検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-20

「トップが操縦者不足と軽攻撃機を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-17
「18年ぶり飛行手当増額」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-28
「戦闘機パイロット2割不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-22

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米会計検査院が米軍のF-22活用法を批判 [米空軍]

F-22-wake2.jpg19日、米会計検査院GAOが監査レポートを発表し米空軍がF-22を領空保全任務や海外への「Show of Force」任務に活用していることにより、機体の持つ優れた能力やステルス性を発揮する訓練が不十分で、結果として税金で購入したF-22がその能力を発揮する体制になっていないと指摘しました

米空軍はこの指摘を受け、現在189機保有するF-22ステルス戦闘機部隊の組織や体制や配備の再検討を始めるようですが、軍隊の装備品運用要領にまで「口を出す」米国の会計検査院(GAO:Government Accountability Office)の監査能力の高さとその影響力の大きさに改めて驚かされます

素直にGAOの指摘を認めるあたりも米空軍の懐の深さを感じさせますが、不足戦力の振り回しを考え、世界での米軍の存在感をアピールするため苦心した結果が現在の使用法でしょうから、そう簡単に解決できるとも思えません。米空軍はどうするのでしょうか?

20日付米空軍協会web記事によれば
F-22Hawaii2.jpg●GAOの報告書は、「規模の小さなF-22部隊を保有維持する米空軍の組織は、189機を最大限に有効活用する体制になっていない」と指摘し、「F-22稼働率が維持整備の問題や組織編成のために制約を受けている」と問題視している
●そして、F-22操縦者が航空優勢確保任務に必要な年間の最低飛行訓練時間を満たしておらず、F-22の能力を十分に活用しない演習や海外展開参加により、操縦者の訓練機会が奪われているとも指摘した

●GAOは訓練不足になる事例として、F-22が友好国等に「partnership building exercises」に派遣される場合、F-22のステルス性や優れた能力を十分発揮する訓練環境が与えられることは少なく、実際に戦闘で求められる能力を鍛えることができないとGAOは指摘している
●また、F-22がアラスカやハワイで領空保全任務のために緊急発進可能体制を維持しているが、この任務のために他の目的で使用できなくなっている。更にハワイの基地所属の操縦者によれば、訓練で敵役を担う仮説的部隊が活用できないため、十分な訓練ができないと訴えている

F-22-wake.jpg●F-22の性能等を考えれば、現在のような組織、配置、体制ではその能力を十分に発揮する準備ができないとGAOは指摘した
米国防省はGAOの指摘に同意し、米空軍が指摘事項への対応を検討し始めている。検討の中には、領空保全任務を他の航空機に担わせる案も含まれているようだ
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記事を書いているうちに、もしかしたら、国防省や米空軍関係者が、F-22をハワイやアラスカから移動させ、欧州や米本土に配備したいために「GAOに指摘させた」のではないか・・・との疑惑が頭に浮かびました。

最近は米陸軍で、アジア太平洋より(慣れ親しんだ昔かららの経験や教訓が生かせる)東欧重視の方向にあるようですし、厳しい環境では兵士が退役してしまう恐れがあるので、アジアから遠ざかりたい本音もあるようですし・・・

F-22関連の記事
「F-22アフガンで初出撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-25-1
「F-22初飛行20周年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-12
「5世代機関リンクの課題に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-24
「Red-FlagでF-22リンク問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-02

「世代間リンクに対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-10
「議会がF-22再生産見積を要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-20
「フィリピンにF-22を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-16
「5世代と4世代機の融合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-08
「F-22もシム活用で飛行削減」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-1
タグ:F-22 gao
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